(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】抗PVRIGタンパク質抗体又は抗体断片及びその使用
(51)【国際特許分類】
C07K 16/28 20060101AFI20240605BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20240605BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240605BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240605BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240605BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240605BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240605BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240605BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240605BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240605BHJP
【FI】
C07K16/28 ZNA
C12N15/13
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K39/395 T
A61P35/00
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2023514157
(86)(22)【出願日】2022-03-07
(86)【国際出願番号】 CN2022079449
(87)【国際公開番号】W WO2022188721
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】202110250342.9
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523070470
【氏名又は名称】合肥天港免疫葯物有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI TG IMMUNOPHARMA CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room#2001,Building 1#C,Hefei innovation and entrepreneurship park,268 Furong Road,Jingkai District,Hefei,Anhui,China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】田志剛
(72)【発明者】
【氏名】李洋洋
(72)【発明者】
【氏名】肖衛華
(72)【発明者】
【氏名】孫▲ルイ▼
(72)【発明者】
【氏名】孫昊▲ユ▼
【審査官】福間 信子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-510721(JP,A)
【文献】特表2018-512443(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112433055(CN,A)
【文献】特表2019-533984(JP,A)
【文献】国際公開第2018/017864(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
SwissProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
PVRIG抗原に特異的に結合する抗体又は
抗原結合断片であって、前記抗体又は
抗原結合断片は、それぞれ、
(1)重鎖相補決定領域
HCDR1、HCDR2及びHCDR3と軽鎖相補決定領域
LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む前記抗体又は
抗原結合断片であって、前記重鎖相補決定領域
HCDR1、HCDR2及びHCDR3は
それぞれGYTFSSFS、ILPGSNST及びSSYWFAY
で示される配列から選ばれ、前記軽鎖相補決定領域
LCDR1、LCDR2及びLCDR3は
それぞれQSLLNSGNQKNY、GAS及びQNAHSYPPT
で示される配列から選ばれる前記抗体又は
抗原結合断片、
(2)重鎖相補決定領域
HCDR1、HCDR2及びHCDR3と軽鎖相補決定領域
LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む前記抗体又は
抗原結合断片であって、前記重鎖相補決定領域
HCDR1、HCDR2及びHCDR3はGYTFSTFA、ILPGINNT及びSTYWFAY
で示される配列から選ばれ、前記軽鎖相補決定領域
LCDR1、LCDR2及びLCDR3はQSLLNSGNQKNY、GAS及びQNAHSYPPT
で示される配列から選ばれる前記抗体又は
抗原結合断片、
(3)重鎖相補決定領域
HCDR1、HCDR2及びHCDR3と軽鎖相補決定領域
LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む前記抗体又は
抗原結合断片であって、前記重鎖相補決定領域
HCDR1、HCDR2及びHCDR3はGYTFSTFA、ILPGGNNT及びSTYWFAY
で示される配列から選ばれ、前記軽鎖相補決定領域
LCDR1、LCDR2及びLCDR3はQSLLNSGNQKNY、GAS及びQNAHSYPPA
で示される配列から選ばれる前記抗体又は
抗原結合断片、及び
、
(4)重鎖相補決定領域
HCDR1、HCDR2及びHCDR3と軽鎖相補決定領域
LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む前記抗体又は
抗原結合断片であって、前記重鎖相補決定領域
HCDR1、HCDR2及びHCDR3はGYSFTAYT、INPYNGGT及びAREGNYYGSRGDFDY
で示される配列から選ばれ、前記軽鎖相補決定領域
LCDR1、LCDR2及びLCDR3はQTIVTN、YAS及びQQSHSWPFT
で示される配列から選ばれる前記抗体又は
抗原結合断片、から選ばれる1種であることを特徴とする抗体又は
抗原結合断片。
【請求項2】
PVRIG抗原に特異的に結合する抗体又は
抗原結合断片であって、前記抗体又は
抗原結合断片は、
(1)重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含む前記抗体又は
抗原結合断片であって、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:1で示される配列
であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:2で示される配列
である前記抗体又は抗体断片、
(2)重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含む前記抗体又は
抗原結合断片であって、前記重鎖可変領域は、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:33で示される配列
から選ばれ、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列
である前記抗体又は
抗原結合断片、
(3)重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含む前記抗体又は
抗原結合断片であって、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:39で示される配列
であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:40で示される配列
である前記抗体又は
抗原結合断片、
(4)重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含む前記抗体又は
抗原結合断片であって、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:41で示される配列
であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:42で示される配列
である前記抗体又は
抗原結合断片、及び
(5)重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含む前記抗体又は
抗原結合断片であって、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:43で示される配列
であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:44で示される配列
である前記抗体又は
抗原結合断片、から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする抗体又は
抗原結合断片。
【請求項3】
重鎖及び軽鎖を含み、前記重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:4、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:34で示される配列
であり、
前記軽鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:37で示される配列
であることを特徴とする請求項
2に記載の抗体又は
抗原結合断片。
【請求項4】
分離可能な核酸であって、前記核酸は請求項1~
3のいずれか1項に記載の抗体又は
抗原結合断片をコードすることを特徴とする分離可能な核酸。
【請求項5】
発現ベクターであって、前記発現ベクターは請求項
4に記載の核酸を含むことを特徴とする発現ベクター。
【請求項6】
宿主細胞であって、前記宿主細胞は請求項1~
3のいずれか1項に記載の抗体又は
抗原結合断片を発現することを特徴とする宿主細胞。
【請求項7】
前記宿主細胞には請求項
5に記載の発現ベクターが含まれることを特徴とする請求項
6に記載の宿主細胞。
【請求項8】
薬物組成物であって、前記薬物組成物は請求項1~
3のいずれか1項に記載の抗体又は
抗原結合断片及び薬学的に許容されるベクターを含むことを特徴とする薬物組成物。
【請求項9】
癌を治療する薬物の調製における、請求項1~
3のいずれか1項に記載の抗体
若しくは抗原結合断片
を含む薬物組成物、又は請求項
8に記載の薬物組成物の使用。
【請求項10】
体外でサンプル中のPVRIGタンパク質の活性を抑制する方法であって、前記サンプルを請求項1~
3のいずれか1項に記載の抗体
若しくは抗原結合断片、又は請求項
8に記載の薬物組成物と接触させることを含むことを特徴とする体外でサンプル中のPVRIGタンパク質の活性を抑制する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬分野に関し、より具体的に、本発明は抗PVRIGタンパク質抗体又は抗体断片及び癌治療における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
腫瘍細胞は様々なメカニズムを通じて免疫系の監視を回避する。免疫チェックポイント経路は自己耐性の維持及び活性化のリンパ球効果機能の制御に使用されるが、癌細胞はこの経路を利用して破壊を回避することができる。最近の報道によると、PVRIGは非常に重要な免疫検査点である。PVRIGは、主に活性化されたT細胞とNK細胞に発現し、標的細胞又はDC細胞に発現されたリガンドCD112と相互作用することによって、T細胞とNK細胞の効果機能を抑制する。多種の腫瘍細胞表面はCD112を高発現し、これによって、PVRIG信号通路を通じて免疫系の機能を抑制し、免疫の脱出を実現する。
【0003】
研究によると、PVRIGの欠損はCD8+T細胞の効果機能の強化につながることが分かる。なお、PVRIGとそのリガンドCD112との結合を遮断する抗体を使用することによっても、腫瘍が浸潤したCD8+T細胞の機能を効果的に回復して、腫瘍の成長を抑制することができる。ヒトPVRIGを標的とする抗体が臨床実験を行っており、良好な治療効果を示している。
【0004】
PVRIGを標的とする抗体はさらに改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、抗腫瘍機能を促進できる抗体又は抗体断片及びその使用を提供する目的とする。提供された抗体又は抗体断片は、PVRIGに効果的に結合することができ、そして、PVRIGとそのリガンドCD112の結合を遮断することができる。提供された抗体又は抗体断片は、ヒトPVRIGと高い親和性を有することが検証された。且つ、ヒトPVRIGとCD112との相互作用を効果的に遮断することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様では、本発明は、抗体又は抗体断片を提供し、前記抗体又は抗体断片は重鎖相補決定領域HCDR1、HCDR2及びHCDR3、及び軽鎖相補決定領域LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、
HCDR1はGYTFSSFS、GYTFSTFA又はGYSFTAYTで示される配列から選ばれ、
HCDR2はILPGSNST、ILPGINNT、ILPGGNNT又はINPYNGGTで示される配列から選ばれ、
HCDR3はSSYWFAY、STYWFAY又はAREGNYYGSRGDFDYで示される配列から選ばれ、
前記軽鎖は軽鎖相補決定領域LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、
LCDR1はQSLLNSGNQKNY又はQTIVTNで示される配列から選ばれ、
LCDR2はGAS又はYASで示される配列から選ばれ、
LCDR3はQNAHSYPPT、QNAHSYPPA又はQQSHSWPFTで示される配列から選ばれる。
【0007】
本発明の第2の態様では、本発明は抗体又は抗体断片を提供し、前記抗体又は抗体断片はそれぞれ、
(1)重鎖相補決定領域と軽鎖相補決定領域を含む前記抗体又は抗体断片であって、前記重鎖相補決定領域はGYTFSSFS、ILPGSNST及びSSYWFAYを含み、前記軽鎖相補決定領域はQSLLNSGNQKNY、GAS及びQNAHSYPPTを含む前記抗体又は抗体断片、
(2)重鎖相補決定領域と軽鎖相補決定領域を含む前記抗体又は抗体断片であって、前記重鎖相補決定領域はGYTFSTFA、ILPGINNT及びSTYWFAYを含み、前記軽鎖相補決定領域はQSLLNSGNQKNY、GAS及びQNAHSYPPTを含む前記抗体又は抗体断片、
(3)重鎖相補決定領域と軽鎖相補決定領域を含む前記抗体又は抗体断片であって、前記重鎖相補決定領域はGYTFSTFA、ILPGGNNT及びSTYWFAYを含み、前記軽鎖相補決定領域はQSLLNSGNQKNY、GAS及びQNAHSYPPAを含む前記抗体又は抗体断片、及び
(4)重鎖相補決定領域と軽鎖相補決定領域を含む前記抗体又は抗体断片であって、前記重鎖相補決定領域はGYSFTAYT、INPYNGGT及びAREGNYYGSRGDFDYを含み、前記軽鎖相補決定領域はQTIVTN、YAS及びQQSHSWPFTを含む前記抗体又は抗体断片、から選ばれる1種である。
【0008】
本発明の第3の態様では、本発明は抗体又は抗体断片を提供し、前記抗体又は抗体断片は、
(1)重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含む前記抗体又は抗体断片であって、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:1で示される配列又はSEQ ID NO:1で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:2で示される配列又はSEQ ID NO:2で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である前記抗体又は抗体断片、
(2)重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含む前記抗体又は抗体断片であって、前記重鎖可変領域は、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:33で示される配列又はSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:33で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列から選ばれ、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列又はSEQ ID NO:36で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である前記抗体又は抗体断片、
(3)重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含む前記抗体又は抗体断片であって、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:39で示される配列又はSEQ ID NO: 39で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:40で示される配列又はSEQ ID NO:40で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である前記抗体又は抗体断片、
(4)重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含む前記抗体又は抗体断片であって、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:41で示される配列又はSEQ ID NO: 41で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:42で示される配列又はSEQ ID NO:42で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である前記抗体又は抗体断片、及び
(5)重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含む前記抗体又は抗体断片であって、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:43で示される配列又はSEQ ID NO:43で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:44で示される配列又はSEQ ID NO:44で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である前記抗体又は抗体断片、から選ばれる少なくとも1つである。
【0009】
本発明の第4の態様では、本発明は、上記に記載のいずれかの抗体又は抗体断片をコードする分離可能な核酸を提供する。
【0010】
本発明の第5の態様では、本発明は、上記に記載の核酸を含む発現ベクターを提供する。
【0011】
本発明の第6の態様では、本発明は、上記に記載のいずれかの抗体又は抗体断片を発現する組換え細胞を提供する。
【0012】
本発明の第7の態様では、本発明は、上記に記載の抗体又は抗体断片と薬学的に許容されるベクターを含む薬物組成物を提供する。
【0013】
本発明の第8の態様では、本発明は、癌を治療する薬物の調製における上記に記載の抗体又は抗体断片又は上記に記載の薬物組成物の使用を提供する。
【0014】
本発明の第9の態様では、本発明は、(1)上記に記載の抗体又は抗体断片、又は上記に記載の薬物組成物、及び(2)癌を治療するための(1)と異なる抗体を含む薬物併用を提供する。
【0015】
本発明の第10の態様では、本発明は、被験者に有効量の上記に記載の抗体又は抗体断片又は上記に記載の薬物組成物を投与するステップを含む、癌を予防又は治療するための方法を提供する。
【0016】
本発明の第11の態様では、本発明は、前記サンプルを上記に記載のいずれかの抗体又は抗体断片、又は上記に記載の薬物組成物と接触するステップを含む、体外でサンプル中のPVRIGタンパク質活性を抑制する方法を提供する。本発明の実施例によれば、前記サンプルは細胞サンプルであってもよい。
【0017】
本発明によって提供される抗体又は抗体断片はPVRIG抗原に特異的に結合することができ、且つヒトPBMCの殺傷効果を大幅に向上させることができ、且つマウスモデルにおいて良好な抗腫瘍効果を示す。本発明の他の特徴及び利点について、続いた具体的な実施形態部分において詳細的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態におけるヒトPVRIGに対するマウス由来抗体の結合のELISA分析結果図である。
【
図2】本発明の一実施形態における細胞膜表面のヒトPVRIGに対するマウス由来抗体の結合の分析結果図である。
【
図3】本発明の一実施形態におけるマウス由来抗体によるヒトPVRIGとヒトCD112との結合遮断の分析結果図である。
【
図4】本発明の一実施形態における細胞膜表面のヒトPVRIGに対するマウス由来抗体の競合的結合の分析結果図である。
【
図5】本発明の一実施形態における細胞膜表面のカニクイザルPVRIG及びマウスPVRIGに対するマウス由来抗体の結合の活性結果図である。
【
図6】本発明の一実施形態におけるカニクイザルPVRIGに対するマウス由来抗体の結合のELISA分析結果図である。
【
図7】本発明の一実施形態におけるNKG細胞系膜表面PVRIGに対するマウス由来抗体の検出の活性結果図である。
【
図8】本発明の一実施形態におけるリンパ球表面PVRIGに対するマウス由来抗体の検出の活性結果図である。
【
図9】本発明の一実施形態におけるヒト類腫瘍細胞系表面CD112の発現の結果図である。
【
図10】本発明の一実施形態におけるNK細胞の細胞毒性効果に対するマウス由来抗体の促進の結果図である。
【
図11】本発明の一実施形態におけるヒトPBMCの細胞毒性効果に対するマウス由来抗体の促進の結果図である。
【
図12】本発明の一実施形態におけるNK細胞のエフェクター分子発現に対するマウス由来抗体の促進の結果図である。
【
図13】本発明の一実施形態におけるNK細胞分泌IFN-γに対するマウス由来抗体の促進のELISA分析結果図である。
【
図14】本発明の一実施形態における腫瘍体内成長に対するマウス由来抗体の抑制の分析結果図である。
【
図15】本発明の一実施形態におけるヒトPVRIGに対するヒト化抗体の結合のELISA分析結果図である。
【
図16】本発明の一実施形態における細胞膜表面のヒトPVRIGに対するヒト化抗体の結合の分析結果図である。
【
図17】本発明の一実施形態における細胞膜表面のカニクイザルPVRIGに対するヒト化抗体の結合の分析結果図である。
【
図18】本発明の一実施形態におけるヒト化抗体によるヒトPVRIGとヒトCD112との結合遮断の分析結果図である。
【
図19】本発明の一実施形態におけるヒトPBMCの細胞毒性効果に対するヒト化抗体の促進の結果図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を詳細に説明し、実施例は本発明を解釈するためのもので、本発明を限定するためのものではない。また、本明細書における幾つかの用語を説明して解釈し、これらの説明及び解釈は当業者によって理解されやすいためのものであり、本発明の保護範囲を限定するものと見なすことができない。
【0020】
本明細書において、用語「抗体」とは、抗原と相互作用することができる(例えば、結合、立体障害、空間分布安定化)、ジスルフィド結合で接続された2つの重鎖及び2つの軽鎖を含むタンパク質である。各重鎖は重鎖可変領域(VHと略称)及び重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、CH1、CH2及びCH3という3つの構造ドメインを含む。各軽鎖は軽鎖可変領域(常にVLと略称)及び軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は1つの構造ドメインCLを含む。重鎖可変領域と軽鎖可変領域はそれぞれ相補的な決定領域(CDR)にさらに分割されてもよい。各重鎖可変領域と各軽鎖可変領域はそれぞれアミノ基端からカルボキシル基端まで、CDR1、CDR2及びCDR3という3つのCDR領域が配列される。区別するために、本明細書において、重鎖の3つのCDR領域は、HCDR1、HCDR2及びHCDR3と呼ばれ、軽鎖の3つのCDR領域はLCDR1、LCDR2及びLCDR3と呼ばれる。
【0021】
本明細書に言及された抗体又は抗体断片における抗体はモノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラクダ化(camelised)抗体及びキメラ抗体を含むが、これらに限定されない。抗体は任意の同種であり得、例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY等が挙げられる。
【0022】
用語「抗体断片」とは、抗体が抗原と特異的に相互作用(例えば、結合、立体障害、空間分布安定化)する能力を保持する1つ又は複数の部分である。抗体断片の例はFab断片、VL、VH、CL及びCH1構造ドメインからなる単価断片、F(ab)2断片、ヒンジ領域でジスルフィドブリッジを介して接続された2つのFab断片を含む二価断片、VH及びCH1構造ドメインからなるFd断片、抗体片腕のVL及びVH構造ドメインからなるFv断片、及び分離された相補的な決定領域(CDR)などを含むが、これらに限定されない。そして、Fv断片の2つの構造ドメインVL及びVHは別々の遺伝子でコードされるが、それらは組換え方法を用いて単一のタンパク質鎖にすることができる合成接続部分によって結合され、VL及びVH領域はペアで単価分子を形成する(一本鎖Fv(scFv)と呼ばれ、例えば、Birdなどによる(1988)Science 242:423-426、及びHustonなどによる(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.85:5879-5883を参照)。これらの一本鎖抗体も用語「抗体断片」内に含まれる。これらの抗体断片は、当業者に公知の常法を用いて得られるものであり、完全抗体と同様に実用的な断片をスクリーニングする。
【0023】
「ヒト化抗体」とは、(i)非ヒト由来(例えば、異種免疫系付きのトランスジェニックマウス)のもので、ヒト種系配列に基づくものである、又は(ii)CDR-グラフトによるものであり、可変構造ドメインのCDRは非ヒト由来のものであるが、可変構造ドメインの1つ又は複数のフレームワークはヒト由来のもので、且つ定常構造ドメインが存在すると、ヒト由来のものである。
【0024】
用語「キメラ抗体」とは、ある種に発見された配列に由来する、または対応する定常抗体領域と別の種に由来する可変抗体領域を有するものである。好ましくは、定常抗体領域は、ヒトにおいて、例えば、ヒト種系細胞又は体細胞に発見された配列に由来する、または対応し、可変抗体領域(例えば、VH、VL、CDR又はFR領域)は非ヒト動物、例えば、マウス、ラット、ウサギ又はハムスターに発見された配列に由来する。
【0025】
本明細書に用いられた用語「組換え抗体」は、組換え方式によって調製、発現、生成又は分離されたすべての抗体、例えば、ヒト免疫グロブリン遺伝子トランスジェニック又はトランス染色体動物(例えば、マウス)又はそれによって調製されたハイブリドーマから分離する抗体、抗体を形質転換して発現する宿主細胞から分離する抗体、組換え、組み合わせヒト抗体ライブラリーから選択、分離された抗体、及びヒト免疫グロブリン遺伝子配列の一部または全部を他のDNA配列に切断することを含む他の任意の方法で調製、発現、生成または単離された抗体を含む。好ましくは、これらの組換え抗体は可変領域を有し、フレームワーク領域及びCDR領域はヒト種系免疫グロブリン配列に由来する。
【0026】
本明細書において、用語「モノクローナル抗体」とは、単一分子からなる抗体分子製剤である。モノクローナル抗体は、特定のエピトープに対するユニークな結合特異性及び親和性を有するユニークな結合部位を示す。
【0027】
このため、本発明の1つの態様は、抗体又は抗体断片を提供し、前記抗体又は抗体断片は、重鎖相補決定領域HCDR1、HCDR2及びHCDR3、及び軽鎖相補決定領域LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、HCDR1はGYTFSSFS、GYTFSTFA又はGYSFTAYTで示される配列から選ばれ、HCDR2は、ILPGSNST、ILPGINNT、ILPGGNNT又はINPYNGGTで示される配列から選ばれ、HCDR3は、SSYWFAY、STYWFAY又はAREGNYYGSRGDFDYで示される配列から選ばれ、LCDR1は、QSLLNSGNQKNY又はQTIVTNで示される配列から選ばれ、LCDR2はGAS又はYASで示される配列から選ばれ、LCDR3はQNAHSYPPT、QNAHSYPPA又はQQSHSWPFTで示される配列から選ばれる。本発明によって提供される抗体又は抗体断片は、高い親和性でPVRIGタンパク質に結合することができる。
【0028】
少なくともいくつかの実施形態において、本発明は抗体又は抗体断片を提供し、前記抗体又は抗体断片は重鎖相補決定領域と軽鎖相補決定領域を含み、前記重鎖相補決定領域はGYTFSSFS、ILPGSNST及びSSYWFAYを含み、前記軽鎖相補決定領域はQSLLNSGNQKNY、GAS及びQNAHSYPPTを含む。
【0029】
少なくともいくつかの実施形態において、本発明は抗体又は抗体断片を提供し、前記抗体又は抗体断片は重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:1で示される配列又はSEQ ID NO:1で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:2で示される配列又はSEQ ID NO:2で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である。
【0030】
重鎖可変領域SEQ ID NO:1で示される配列を以下のように示す。
QVQLQQSGAELVKPGASVKISCKATGYTFSSFSIEWVKQRPGHGLAWIGEILPGSNSTNYNEKFKGKATFTADTSSNTAYMQLSSLTSEDSAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSA (SEQ ID NO: 1)。
【0031】
軽鎖可変領域SEQ ID NO:2で示される配列を以下のように示す。
DIVMTQSPSSLSVSAGEKVTMSCKSSQSLLNSGNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIYGASTRESGVPDRFTGSGSGTDFTLTISSVQAEDLAVYYCQNAHSYPPTFAAGTKLELK (SEQ ID NO:2)。
【0032】
提供された抗体又は抗体断片配列はヒト化改変され、ヒト化改変された抗体又は抗体断片を以下のように示す。
【0033】
少なくともいくつかの実施形態において、前記抗体又は抗体断片は重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:3で示される配列又はSEQ ID NO:3で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列又はSEQ ID NO:36で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である。
【0034】
少なくともいくつかの実施形態において、前記抗体は抗体4-hu1であり、前記抗体4-hu1の重鎖可変領域はSEQ ID NO:3で示される配列であり、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列である。少なくともいくつかの好ましい実施形態において、抗体4-hu1の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:4であり、それに応じて、該重鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:5に示され、抗体4-hu1の軽鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:37に示され、それに応じて、該軽鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:38に示される。
【0035】
少なくともいくつかの実施形態において、前記抗体又は抗体断片は重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:6で示される配列又はSEQ ID NO:6で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列又はSEQ ID NO:36で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である。
【0036】
少なくともいくつかの好ましい実施形態において、前記抗体は抗体4-hu2であり、前記抗体4-hu2の重鎖可変領域はSEQ ID NO:6で示される配列であり、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列である。少なくともいくつかの好ましい実施形態において、抗体4-hu2の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:7に示され、それに応じて、該重鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:8に示され、抗体4-hu2の軽鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:37に示され、それに応じて、該軽鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:38に示される。
【0037】
少なくともいくつかの実施形態において、前記抗体又は抗体断片は重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:9で示される配列又はSEQ ID NO:9で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列又はSEQ ID NO:36で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である。
【0038】
少なくともいくつかの好ましい実施形態において、前記抗体は抗体4-hu3であり、前記抗体4-hu3の重鎖可変領域はSEQ ID NO:9で示される配列であり、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列である。少なくともいくつかの好ましい実施形態において、抗体4-hu3の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:10に示され、それに応じて、該重鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:11に示され、抗体4-hu3の軽鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:37に示され、それに応じて、該軽鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:38に示される。
【0039】
少なくともいくつかの実施形態において、前記抗体又は抗体断片は重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:12で示される配列又はSEQ ID NO:12で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列又はSEQ ID NO:36で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である。
【0040】
少なくともいくつかの好ましい実施形態において、前記抗体は抗体4-hu4であり、前記抗体4-hu4の重鎖可変領域はSEQ ID NO:12で示される配列であり、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列である。少なくともいくつかの好ましい実施形態において、抗体4-hu4の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:13に示され、それに応じて、該重鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:14に示され、抗体4-hu4の軽鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:37に示され、それに応じて、該軽鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:38に示される。
【0041】
少なくともいくつかの実施形態において、前記抗体又は抗体断片は重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:15で示される配列又はSEQ ID NO:15で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列又はSEQ ID NO:36で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である。
【0042】
少なくともいくつかの好ましい実施形態において、前記抗体は抗体4-hu5であり、前記抗体4-hu5の重鎖可変領域はSEQ ID NO:15で示される配列であり、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列である。少なくともいくつかの好ましい実施形態において、抗体4-hu5の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:16に示され、それに応じて、該重鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:17に示され、抗体4-hu5の軽鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:37に示され、それに応じて、該軽鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:38に示される。
【0043】
少なくともいくつかの実施形態において、前記抗体又は抗体断片は重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:18で示される配列又はSEQ ID NO:18で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列又はSEQ ID NO:36で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である。
【0044】
少なくともいくつかの好ましい実施形態において、前記抗体は抗体4-hu6であり、前記抗体4-hu6の重鎖可変領域はSEQ ID NO:18で示される配列であり、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列である。少なくともいくつかの好ましい実施形態において、抗体4-hu6の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:19に示され、それに応じて、該重鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:20に示され、抗体4-hu6の軽鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:37に示され、それに応じて、該軽鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:38に示される。
【0045】
少なくともいくつかの実施形態において、前記抗体又は抗体断片は重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:21で示される配列又はSEQ ID NO:21で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列又はSEQ ID NO:36で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である。
【0046】
少なくともいくつかの好ましい実施形態において、前記抗体は抗体4-hu7であり、前記抗体4-hu7の重鎖可変領域はSEQ ID NO:21で示される配列であり、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列である。少なくともいくつかの好ましい実施形態において、抗体4-hu7の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:22に示され、それに応じて、該重鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:23に示され、抗体4-hu7の軽鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:37に示され、それに応じて、該軽鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:38に示される。
【0047】
少なくともいくつかの実施形態において、前記抗体又は抗体断片は重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:24で示される配列又はSEQ ID NO:24で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列又はSEQ ID NO:36で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である。
【0048】
少なくともいくつかの好ましい実施形態において、前記抗体又は抗体断片は抗体4-hu8であり、前記抗体4-hu8の重鎖可変領域はSEQ ID NO:24で示される配列であり、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列である。少なくともいくつかの好ましい実施形態において、抗体4-hu8の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:25に示され、それに応じて、該重鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:26に示され、抗体4-hu8の軽鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:37に示され、それに応じて、該軽鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:38に示される。
【0049】
少なくともいくつかの実施形態において、前記抗体又は抗体断片は重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:27で示される配列又はSEQ ID NO:27で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列又はSEQ ID NO:36で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である。
【0050】
少なくともいくつかの好ましい実施形態において、前記抗体は抗体4-hu9であり、前記抗体4-hu9の重鎖可変領域はSEQ ID NO:27で示される配列であり、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列である。少なくともいくつかの好ましい実施形態において、抗体4-hu9の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:28に示され、それに応じて、該重鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:29に示され、抗体4-hu9の軽鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:37に示され、それに応じて、該軽鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:38に示される。
【0051】
少なくともいくつかの実施形態において、前記抗体又は抗体断片は重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:30で示される配列又はSEQ ID NO:30で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列又はSEQ ID NO:36で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である。
【0052】
少なくともいくつかの好ましい実施形態において、前記抗体は抗体4-hu10であり、前記抗体4-hu10の重鎖可変領域はSEQ ID NO:30で示される配列であり、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列である。少なくともいくつかの好ましい実施形態において、抗体4-hu10の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:31に示され、それに応じて、該重鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:32に示され、抗体4-hu10の軽鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:37に示され、それに応じて、該軽鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:38に示される。
【0053】
少なくともいくつかの実施形態において、前記抗体又は抗体断片は重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:33で示される配列又はSEQ ID NO:33で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列又はSEQ ID NO:36で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である。
【0054】
少なくともいくつかの好ましい実施形態において、前記抗体は抗体4-hu11であり、前記抗体4-hu11の重鎖可変領域はSEQ ID NO:33で示される配列であり、軽鎖可変領域はSEQ ID NO:36で示される配列である。少なくともいくつかの好ましい実施形態において、抗体4-hu11の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:34に示され、それに応じて、該重鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:35に示され、抗体4-hu11の軽鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:37に示され、それに応じて、該軽鎖アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列はSEQ ID NO:38に示される。
【0055】
抗体4-hu1の重鎖可変領域SEQ ID NO:3で示される配列は以下のとおりである。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWMGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARYWFAYWGQGTLVTVSS (SEQ ID NO:3)。
【0056】
抗体4-hu1の重鎖アミノ酸配列SEQ ID NO:4で示される配列は以下のとおりである(IgG4 S228P突然変異):
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWMGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARYWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (SEQ ID NO:4)。S228P突然変異はヒンジ領域に発生した突然変異であり、該突然変異は半抗体の形成を防止することができる(半抗体とは、IgG4抗体で半分子が動的に交換される現象である)。
【0057】
抗体4-hu1の重鎖アミノ酸配列でコードされた核酸配列はSEQ ID NO:5に示される。
GAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGCGCTGAGGTGAAGAAGCCCGGCTCCTCCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCTTCCGGCGGCACCTTTTCCAGCTTCTCCATCGAGTGGGTGAGGCAGGCCCCCGGCCAGGGATTGGAGTGGATGGGCGAGATCCTGCCTGGCTCCAACAGCACCAACTACAATGAGAAGTTTAAGGGCAGGGTGACCATCACCGCTGACGAGTCCACCTCCACCGCCTACATGGAGCTGTCCTCCCTGCGGTCCGAGGATACCGCTGTGTACTATTGTGCCAGGTATTGGTTCGCTTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGTCCTCCGCCTCCACCAAGGGCCCCTCCGTGTTCCCCCTGGCTCCCTGTAGCCGGTCCACCAGCGAGTCCACCGCTGCCCTGGGCTGTCTGGTGAAGGACTATTTCCCCGAGCCCGTGACCGTGAGCTGGAATAGCGGCGCCCTGACCTCCGGCGTGCACACATTCCCTGCTGTGCTGCAGAGCTCCGGCCTGTATAGCCTGTCCTCCGTGGTGACCGTGCCCTCCTCCTCCCTGGGCACCAAGACCTATACCTGCAATGTGGACCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGGGTGGAGAGCAAGTACGGCCCTCCTTGCCCTCCTTGCCCCGCTCCAGAGTTCCTGGGCGGCCCAAGCGTGTTTCTGTTTCCTCCCAAGCCTAAGGACACCCTGATGATCTCCAGGACCCCTGAGGTGACCTGCGTGGTGGTGGATGTGTCCCAGGAGGACCCTGAGGTGCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCACAACGCCAAGACCAAGCCCCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACCTACCGGGTGGTGAGCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGATTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTGTCCAACAAGGGCCTGCCTAGCAGCATCGAGAAGACCATCTCCAAGGCCAAGGGCCAGCCCAGGGAGCCTCAGGTGTATACCCTGCCCCCTAGCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTGAGCCTGACCTGCCTGGTGAAGGGCTTTTATCCTAGCGATATCGCTGTGGAGTGGGAGTCCAACGGCCAGCCCGAGAACAACTACAAGACCACCCCTCCCGTGCTGGATAGCGACGGCTCCTTCTTTCTGTACTCCCGGCTGACCGTGGATAAGTCCAGGTGGCAGGAGGGCAATGTGTTCAGCTGCTCCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTATACCCAGAAGTCCCTGTCCCTGTCCCTCGGCAAG (SEQ ID NO:5)
【0058】
抗体4-hu2の重鎖可変領域アミノ酸配列はSEQ ID NO:6に示される。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWMGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSS (SEQ ID NO:6)
【0059】
抗体4-hu2の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:7に示される(IgG4 S228P突然変異)。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWMGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (SEQ ID NO:7)
【0060】
抗体4-hu2の重鎖アミノ酸配列でコードされた核酸配列はSEQ ID NO:8に示される。
GAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGCAGCTCCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCTCCGGCGGCACCTTCTCCAGCTTTTCCATCGAGTGGGTGAGGCAGGCCCCTGGCCAGGGACTGGAGTGGATGGGCGAGATCCTGCCTGGCAGCAATTCCACCAACTATAATGAGAAGTTCAAGGGCCGGGTGACCATCACCGCTGACGAGAGCACCTCCACCGCTTACATGGAGCTGTCCAGCCTGAGGTCCGAGGACACCGCTGTGTACTACTGTAGCTCCTATTGGTTCGCTTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGTCCTCCGCCAGCACCAAGGGCCCTAGCGTGTTCCCCCTGGCTCCCTGCAGCCGGAGCACCTCTGAGTCCACCGCCGCCCTGGGCTGTCTGGTGAAGGATTACTTTCCTGAGCCCGTGACCGTGAGCTGGAATAGCGGCGCTCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTTCCTGCCGTGCTGCAGAGCAGCGGCCTGTACAGCCTGTCCTCCGTGGTGACCGTGCCTAGCTCCAGCCTGGGCACCAAGACCTATACCTGTAATGTGGATCACAAGCCTAGCAATACCAAGGTGGACAAGCGGGTGGAGTCCAAGTACGGCCCCCCCTGCCCTCCCTGCCCAGCTCCTGAATTTCTGGGCGGCCCCAGCGTGTTTCTGTTTCCTCCCAAGCCTAAGGATACCCTGATGATCTCCAGGACCCCCGAGGTGACCTGTGTGGTGGTGGACGTGTCCCAGGAGGATCCCGAGGTGCAGTTTAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCACAATGCCAAGACCAAGCCTAGGGAGGAGCAGTTCAATAGCACCTACAGGGTGGTGAGCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGATTGGCTGAATGGCAAGGAGTATAAGTGCAAGGTGTCCAACAAGGGCCTGCCCTCCAGCATCGAGAAGACCATCAGCAAGGCCAAGGGCCAGCCCCGGGAGCCTCAGGTTTATACCCTGCCCCCTAGCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTGTCCCTGACCTGTCTGGTGAAAGGCTTCTATCCTTCCGATATCGCCGTGGAGTGGGAGTCCAATGGCCAGCCCGAGAACAATTATAAGACCACCCCTCCCGTGCTGGATTCCGACGGCAGCTTTTTCCTGTACTCCCGGCTGACCGTGGATAAGAGCCGGTGGCAGGAGGGCAATGTGTTTAGCTGCAGCGTGATGCACGAGGCTCTGCACAACCACTACACCCAGAAGTCCCTGAGCCTGTCCCTGGGCAAG (SEQ ID NO:8)
【0061】
抗体4-hu3の重鎖可変領域アミノ酸配列はSEQ ID NO:9に示される。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWMGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTFTADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSS (SEQ ID NO:9)
【0062】
抗体4-hu3の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:10に示される(IgG4 S228P突然変異)。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWMGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTFTADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (SEQ ID NO:10)
【0063】
抗体4-hu3の重鎖アミノ酸配列でコードされた核酸配列はSEQ ID NO:11に示される。
GAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGCTCCAGCGTGAAGGTGAGCTGTAAGGCCAGCGGCGGCACCTTCTCCTCCTTTTCCATCGAGTGGGTGAGGCAGGCCCCCGGCCAGGGATTGGAGTGGATGGGCGAGATCCTGCCCGGCAGCAATTCCACCAATTATAATGAGAAGTTTAAGGGCCGGGTGACCTTTACCGCCGACGAGTCCACCTCCACCGCCTATATGGAGCTGAGCTCCCTGAGGAGCGAGGACACCGCCGTGTACTATTGCAGCTCCTATTGGTTTGCTTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGTCCAGCGCCAGCACCAAGGGCCCCTCCGTGTTTCCCCTGGCTCCCTGTAGCCGGAGCACCAGCGAGTCCACCGCTGCTCTGGGCTGTCTGGTGAAGGATTACTTTCCCGAGCCCGTGACCGTGTCTTGGAATAGCGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACATTTCCCGCTGTGCTGCAGAGCTCCGGCCTGTACTCCCTGTCCTCCGTGGTGACCGTGCCTTCCAGCTCCCTGGGCACCAAGACCTATACCTGCAACGTGGATCACAAGCCTAGCAACACCAAGGTGGACAAGCGGGTGGAGAGCAAGTACGGCCCCCCCTGCCCCCCTTGTCCTGCTCCTGAGTTCCTGGGCGGCCCTTCCGTGTTTCTGTTTCCTCCCAAGCCCAAGGATACCCTGATGATCAGCAGGACCCCTGAGGTGACCTGTGTGGTGGTGGACGTGTCCCAGGAGGATCCTGAGGTGCAGTTCAATTGGTATGTGGACGGCGTGGAGGTGCACAACGCCAAGACCAAGCCCCGGGAGGAGCAGTTCAATTCCACCTATCGGGTGGTGAGCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTGAGCAATAAGGGCCTGCCTAGCTCCATCGAGAAGACCATCTCCAAGGCCAAGGGCCAGCCTCGGGAGCCCCAGGTTTATACCCTGCCCCCCTCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTGAGCCTGACCTGTCTGGTGAAAGGCTTCTACCCCAGCGATATCGCTGTGGAGTGGGAGTCCAACGGCCAGCCCGAGAATAACTATAAGACCACCCCCCCTGTGCTGGATAGCGATGGCAGCTTCTTCCTGTACTCCAGGCTGACCGTGGACAAGTCCAGGTGGCAGGAGGGCAATGTGTTCTCCTGCAGCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTATACCCAGAAGTCCCTGTCCCTGAGCCTGGGCAAG (SEQ ID NO:11)
【0064】
抗体4-hu4の重鎖可変領域アミノ酸配列はSEQ ID NO:12に示される。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWIGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTFTADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSS (SEQ ID NO:12)
【0065】
抗体4-hu4の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:13に示される(IgG4 S228P突然変異)。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWIGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTFTADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (SEQ ID NO:13)
【0066】
抗体4-hu4の重鎖アミノ酸配列でコードされた核酸配列はSEQ ID NO:14に示される。
GAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGCGCCGAGGTGAAGAAGCCCGGCTCCTCCGTGAAGGTGAGCTGTAAGGCCAGCGGCGGCACCTTCTCCTCCTTTTCCATCGAGTGGGTGAGGCAGGCCCCTGGCCAGGGACTGGAGTGGATCGGCGAGATCCTGCCCGGCTCCAATAGCACCAATTACAACGAGAAGTTTAAGGGCCGGGTGACCTTTACCGCCGACGAGTCCACCTCCACCGCCTATATGGAGCTGAGCTCCCTGAGGAGCGAGGACACCGCTGTGTATTACTGTTCCTCCTACTGGTTTGCTTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGTCCTCCGCTTCCACCAAGGGCCCCAGCGTGTTTCCCCTGGCTCCTTGCAGCCGGAGCACCTCCGAGTCCACCGCTGCTCTGGGCTGCCTGGTGAAGGATTATTTCCCTGAGCCTGTGACCGTGAGCTGGAACAGCGGCGCTCTGACCTCCGGCGTGCACACCTTCCCTGCCGTGCTGCAGTCCAGCGGCCTGTATAGCCTGTCCTCCGTGGTGACCGTGCCCAGCTCCAGCCTGGGCACCAAGACCTATACCTGCAACGTGGATCACAAGCCTTCCAATACCAAGGTGGACAAGCGGGTGGAGAGCAAGTATGGCCCCCCCTGTCCTCCTTGCCCTGCTCCTGAGTTCCTGGGCGGCCCCAGCGTCTTCCTGTTTCCCCCTAAGCCCAAGGACACCCTGATGATCAGCAGGACCCCTGAGGTGACCTGCGTGGTGGTGGATGTGTCCCAGGAGGATCCTGAGGTGCAGTTTAACTGGTATGTGGATGGCGTGGAGGTGCACAACGCCAAGACCAAGCCCCGGGAGGAGCAGTTTAACAGCACCTATAGGGTGGTGAGCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGATTGGCTGAACGGCAAGGAGTATAAGTGTAAGGTGAGCAATAAGGGCCTGCCTAGCTCCATCGAGAAGACCATCAGCAAGGCCAAGGGCCAGCCTAGGGAGCCTCAGGTGTACACCCTGCCTCCCTCCCAGGAGGAGATGACCAAGAATCAGGTGAGCCTGACCTGTCTGGTGAAGGGCTTTTACCCCTCCGATATCGCCGTGGAGTGGGAGTCCAATGGCCAGCCTGAGAACAATTATAAGACCACCCCCCCCGTGCTGGACTCCGATGGCAGCTTTTTCCTGTACAGCAGGCTGACCGTGGATAAGAGCCGGTGGCAGGAGGGCAATGTGTTTAGCTGCAGCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAACCACTATACCCAGAAGAGCCTGAGCCTGAGCCTCGGCAAG (SEQ ID NO:14)
【0067】
抗体4-hu5の重鎖可変領域アミノ酸配列はSEQ ID NO:15に示される。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWIGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTFTADTSTNTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSS (SEQ ID NO:15)
【0068】
抗体4-hu5の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:16に示される(IgG4 S228P突然変異)。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWIGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTFTADTSTNTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (SEQ ID NO:16)
【0069】
抗体4-hu5の重鎖アミノ酸配列でコードされた核酸配列はSEQ ID NO:17に示される。
GAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGCGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGCTCCTCCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCTTCCGGCGGCACCTTTTCCAGCTTTAGCATCGAGTGGGTGAGGCAGGCTCCTGGCCAGGGCCTGGAGTGGATCGGCGAGATCCTGCCTGGCTCCAACAGCACCAACTACAATGAGAAGTTTAAGGGCCGGGTGACCTTCACCGCTGACACCTCCACCAACACCGCTTATATGGAGCTGAGCTCCCTGCGGAGCGAGGATACCGCTGTGTACTATTGCAGCAGCTATTGGTTCGCTTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGTCCTCCGCCAGCACCAAGGGCCCCTCCGTGTTCCCCCTGGCCCCTTGTAGCCGGTCCACCTCCGAGAGCACCGCCGCTCTGGGCTGTCTGGTGAAGGATTACTTCCCCGAGCCTGTGACCGTGTCTTGGAACTCCGGCGCCCTGACCTCCGGCGTGCACACATTCCCTGCTGTGCTGCAGAGCTCCGGCCTGTACTCCCTGAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCTCCAGCCTGGGCACCAAGACCTACACCTGTAATGTGGACCACAAGCCCTCCAATACCAAGGTGGACAAGAGGGTGGAGTCCAAGTACGGCCCTCCCTGTCCTCCTTGCCCTGCCCCTGAGTTTCTGGGCGGCCCTAGCGTGTTCCTGTTCCCTCCTAAGCCTAAGGACACCCTGATGATCAGCCGGACCCCCGAGGTGACCTGTGTGGTGGTGGATGTGTCCCAGGAGGATCCCGAGGTGCAGTTCAATTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCACAACGCCAAGACCAAGCCTAGGGAGGAGCAGTTTAACTCCACCTACAGGGTGGTGTCCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGTAAGGTGAGCAACAAGGGCCTGCCTTCCAGCATCGAGAAGACCATCTCCAAGGCTAAGGGCCAGCCTCGGGAGCCTCAGGTGTACACCCTGCCCCCTAGCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTGTCCCTGACCTGCCTGGTGAAGGGCTTTTATCCCTCCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGCCAGCCTGAGAACAATTATAAGACCACCCCTCCTGTGCTGGACAGCGATGGCTCCTTCTTTCTGTACTCCCGGCTGACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGCAATGTGTTCTCCTGTAGCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAACCACTACACCCAGAAGTCCCTGTCCCTGTCCCTCGGCAAG(SEQ ID NO:17)
【0070】
抗体4-hu6の重鎖可変領域アミノ酸配列はSEQ ID NO:18に示される。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWIGEILPGSNSTNYNEKFKGKATFTADTSTNTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSS (SEQ ID NO:18)
【0071】
抗体4-hu6の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:19に示される(IgG4 S228P突然変異)。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWIGEILPGSNSTNYNEKFKGKATFTADTSTNTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (SEQ ID NO:19)
【0072】
抗体4-hu6の重鎖アミノ酸配列でコードされた核酸配列はSEQ ID NO:20に示される。
GAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGCGCCGAGGTGAAGAAGCCTGGCAGCTCCGTGAAGGTGTCCTGTAAGGCTTCCGGCGGCACCTTCTCCTCCTTTTCCATCGAGTGGGTGAGGCAGGCCCCCGGCCAGGGATTGGAGTGGATCGGCGAGATCCTGCCTGGCAGCAACTCCACCAATTATAATGAGAAGTTTAAGGGCAAGGCTACCTTCACCGCTGACACCAGCACCAATACCGCCTATATGGAGCTGTCCTCCCTGCGGAGCGAGGACACCGCCGTGTATTATTGTAGCAGCTATTGGTTCGCCTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGCGCTAGCACCAAGGGCCCTAGCGTGTTTCCTCTGGCTCCTTGTTCCAGGTCCACCAGCGAGAGCACCGCTGCCCTGGGCTGCCTGGTGAAGGATTACTTTCCTGAGCCTGTGACCGTGTCTTGGAACAGCGGCGCTCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTTCCCGCTGTGCTGCAGTCCAGCGGCCTGTATTCCCTGTCCAGCGTGGTGACCGTGCCCAGCTCCTCCCTGGGCACCAAGACCTATACCTGCAACGTGGATCACAAGCCCTCCAATACCAAGGTGGACAAGAGGGTGGAGAGCAAGTACGGCCCTCCTTGCCCTCCCTGTCCTGCTCCTGAGTTCCTGGGCGGCCCTTCCGTGTTTCTGTTTCCCCCTAAGCCCAAGGATACCCTGATGATCAGCCGGACCCCCGAGGTGACCTGCGTGGTGGTGGATGTGTCCCAGGAGGACCCCGAGGTGCAGTTTAATTGGTATGTGGATGGCGTGGAGGTGCACAACGCTAAGACCAAGCCTAGGGAGGAGCAGTTTAACAGCACCTATCGGGTGGTGAGCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTGTCCAATAAGGGCCTGCCTAGCTCCATCGAGAAGACCATCAGCAAGGCCAAGGGCCAGCCTAGGGAGCCCCAGGTGTATACCCTGCCCCCTTCCCAGGAGGAGATGACCAAGAATCAGGTGAGCCTGACCTGTCTGGTGAAGGGCTTTTATCCTAGCGACATCGCTGTGGAGTGGGAGAGCAATGGCCAGCCTGAGAATAATTACAAGACCACCCCCCCTGTGCTGGATTCCGATGGCAGCTTTTTCCTGTATTCCCGGCTGACCGTGGATAAGTCCCGGTGGCAGGAGGGCAACGTGTTTAGCTGCTCCGTGATGCACGAGGCTCTGCACAATCACTACACCCAGAAGTCCCTGAGCCTGTCCCTGGGCAAG (SEQ ID NO:20)
【0073】
抗体4-hu7の重鎖可変領域アミノ酸配列はSEQ ID NO:21に示される。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWMGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSS (SEQ ID NO:21)
【0074】
抗体4-hu7の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:22に示される(IgG4 S228P突然変異)。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWMGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (SEQ ID NO:22)
【0075】
抗体4-hu7の重鎖アミノ酸配列でコードされた核酸配列はSEQ ID NO:23に示される。
GAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGCGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCTTCCGGCTACACCTTTTCCAGCTTCAGCATCGAGTGGGTGCGGCAGGCTCCCGGCCAGGGATTGGAGTGGATGGGCGAGATCCTGCCTGGCAGCAACTCCACCAATTACAATGAGAAGTTCAAGGGCAGGGTGACCATCACCGCTGACGAGAGCACCTCCACCGCTTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGTCCGAGGATACCGCCGTGTATTACTGCAGCAGCTATTGGTTTGCCTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCTCCGCCAGCACCAAGGGCCCCAGCGTGTTTCCCCTGGCTCCTTGCAGCAGGTCCACCAGCGAGAGCACCGCCGCTCTGGGCTGTCTGGTGAAGGACTACTTCCCCGAGCCTGTGACCGTGTCTTGGAATAGCGGCGCTCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTTCCTGCTGTGCTGCAGTCCTCCGGCCTGTACTCCCTGTCCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCTCCTCCCTGGGCACCAAGACCTATACCTGCAATGTGGATCACAAGCCTAGCAATACCAAGGTGGACAAGAGGGTGGAGAGCAAGTACGGCCCCCCTTGCCCTCCTTGCCCCGCTCCTGAGTTCCTGGGCGGCCCTTCCGTGTTCCTGTTTCCCCCTAAGCCCAAGGACACCCTGATGATCTCCCGGACCCCCGAGGTGACCTGTGTGGTGGTGGATGTGAGCCAGGAGGACCCTGAGGTGCAGTTCAATTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCACAACGCCAAGACCAAGCCTAGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACCTACCGGGTGGTGTCCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTGTCCAATAAGGGCCTGCCTTCCTCCATCGAGAAGACCATCAGCAAGGCCAAGGGCCAGCCTCGGGAGCCTCAGGTGTATACCCTGCCTCCCAGCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTGTCCCTGACCTGCCTGGTGAAGGGCTTTTACCCTTCCGATATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGCCAGCCTGAGAATAATTACAAGACCACCCCTCCTGTGCTGGATAGCGACGGCAGCTTTTTCCTGTACAGCCGGCTGACCGTGGATAAGAGCCGGTGGCAGGAGGGCAACGTGTTCAGCTGCAGCGTGATGCACGAGGCTCTGCACAACCACTATACCCAGAAGAGCCTGTCCCTGAGCCTGGGCAAG (SEQ ID NO:23)
【0076】
抗体4-hu8の重鎖可変領域アミノ酸配列はSEQ ID NO:24に示される。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWMGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTFTADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSS (SEQ ID NO:24)
【0077】
抗体4-hu8の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:25に示される(IgG4 S228P突然変異)。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWMGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTFTADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (SEQ ID NO:25)
【0078】
抗体4-hu8の重鎖アミノ酸配列でコードされた核酸配列はSEQ ID NO:26に示される。
GAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCTGAGGTGAAGAAGCCCGGCTCCAGCGTGAAGGTGTCCTGCAAGGCTTCCGGCTATACCTTCTCCAGCTTTAGCATCGAGTGGGTGAGGCAGGCTCCTGGCCAGGGCCTGGAGTGGATGGGCGAGATCCTGCCTGGCAGCAATTCCACCAACTATAACGAGAAGTTCAAGGGCCGGGTGACCTTCACCGCCGATGAGTCCACCTCCACCGCCTACATGGAGCTGAGCTCCCTGCGGTCCGAGGATACCGCCGTGTACTATTGCAGCAGCTATTGGTTCGCTTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCTCCGCTTCCACCAAGGGCCCTTCCGTGTTTCCCCTGGCCCCCTGCTCCCGGTCCACCTCCGAATCCACCGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTGAAGGACTACTTCCCTGAGCCCGTGACCGTGTCCTGGAACTCCGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACATTTCCCGCTGTGCTGCAGTCCTCCGGCCTGTATAGCCTGTCCAGCGTGGTGACCGTGCCTAGCTCCAGCCTGGGCACCAAGACCTACACCTGTAATGTGGATCACAAGCCCAGCAATACCAAGGTGGATAAGAGGGTGGAGTCCAAGTACGGCCCCCCTTGTCCTCCTTGTCCCGCCCCAGAGTTCCTGGGCGGCCCATCTGTGTTTCTGTTTCCCCCCAAGCCTAAGGACACCCTGATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTGACCTGTGTGGTGGTGGACGTGTCCCAGGAGGATCCTGAGGTGCAGTTCAATTGGTATGTGGACGGCGTGGAGGTGCACAACGCCAAGACCAAGCCCAGGGAGGAGCAGTTTAACAGCACCTATCGGGTGGTGTCCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTATAAGTGCAAGGTGAGCAATAAGGGCCTGCCCTCCAGCATCGAGAAGACCATCTCCAAGGCTAAGGGCCAGCCCCGGGAGCCTCAGGTGTACACCCTGCCTCCCAGCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTGTCCCTGACCTGTCTGGTGAAGGGCTTTTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGTCCAACGGCCAGCCTGAGAACAACTACAAGACCACCCCTCCCGTGCTGGACTCCGATGGCTCCTTTTTCCTGTATTCCAGGCTGACCGTGGATAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGCAACGTGTTTAGCTGCTCCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTATACCCAGAAGTCCCTGAGCCTGAGCCTGGGCAAG (SEQ ID NO:26)
【0079】
抗体4-hu9の重鎖可変領域アミノ酸配列はSEQ ID NO:27に示される。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWIGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTFTADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSS (SEQ ID NO:50)
【0080】
抗体4-hu9の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:28に示される(IgG4 S228P突然変異)。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWIGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTFTADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (SEQ ID NO:28)
【0081】
抗体4-hu9の重鎖アミノ酸配列でコードされた核酸配列はSEQ ID NO:29に示される。
GAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAGAAGCCCGGCTCCAGCGTGAAGGTGTCCTGCAAGGCTTCCGGCTATACCTTCTCCAGCTTCAGCATCGAGTGGGTGAGGCAGGCCCCCGGCCAGGGATTGGAGTGGATCGGCGAGATCCTGCCTGGCAGCAATAGCACCAACTATAATGAGAAGTTCAAGGGCAGGGTGACCTTCACCGCCGATGAGAGCACCTCCACCGCTTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGGAGCGAGGATACCGCTGTGTATTATTGTAGCAGCTATTGGTTTGCCTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGTCCAGCGCCAGCACCAAGGGCCCCAGCGTGTTCCCTCTGGCCCCTTGTTCCCGGTCCACCTCCGAGAGCACCGCCGCTCTGGGCTGCCTGGTGAAGGACTATTTCCCTGAGCCCGTGACCGTGAGCTGGAACTCCGGCGCTCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCTGCCGTGCTGCAGTCCAGCGGCCTGTACTCCCTGTCCAGCGTGGTGACCGTGCCCAGCTCCAGCCTGGGCACCAAGACCTACACCTGCAACGTGGATCACAAGCCCTCCAATACCAAGGTGGACAAGAGGGTGGAGAGCAAGTATGGCCCTCCCTGTCCCCCCTGCCCTGCCCCTGAATTTCTGGGCGGCCCCTCCGTGTTTCTGTTTCCTCCTAAGCCTAAGGATACCCTGATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTGACCTGTGTGGTGGTGGATGTGAGCCAGGAGGACCCCGAGGTGCAGTTTAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCACAATGCTAAGACCAAGCCCCGGGAGGAGCAGTTCAATAGCACCTATAGGGTGGTGAGCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTATAAGTGCAAGGTGAGCAATAAGGGCCTGCCCTCCTCCATCGAGAAGACCATCTCCAAGGCTAAGGGCCAGCCCCGGGAGCCTCAGGTGTACACCCTGCCCCCTAGCCAGGAGGAGATGACCAAGAATCAGGTGTCCCTGACCTGCCTGGTGAAAGGCTTTTACCCCTCCGATATCGCCGTGGAGTGGGAGTCCAATGGCCAGCCTGAGAACAATTACAAGACCACCCCTCCCGTGCTGGATTCCGACGGCAGCTTCTTTCTGTATTCCAGGCTGACCGTGGATAAGTCCCGGTGGCAGGAGGGCAACGTGTTTAGCTGCAGCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTACACCCAGAAGTCCCTGAGCCTGTCCCTGGGCAAG (SEQ ID NO:29)
【0082】
抗体4-hu10の重鎖可変領域アミノ酸配列はSEQ ID NO:30に示される。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWIGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTFTADTSTNTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSS (SEQ ID NO:30)
【0083】
抗体4-hu10の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:31に示される(IgG4 S228P突然変異)。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWIGEILPGSNSTNYNEKFKGRVTFTADTSTNTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (SEQ ID NO:31)
【0084】
抗体4-hu10の重鎖アミノ酸配列でコードされた核酸配列はSEQ ID NO:32に示される。
GAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCTTCCGGCTACACCTTTTCCAGCTTCAGCATCGAGTGGGTGAGGCAGGCCCCTGGCCAGGGACTGGAGTGGATCGGCGAGATCCTGCCTGGCAGCAATAGCACCAATTACAACGAGAAGTTCAAGGGCCGGGTGACCTTCACCGCCGACACCAGCACCAATACCGCCTATATGGAGCTGAGCTCCCTGAGGTCCGAGGACACCGCTGTGTATTATTGCTCCAGCTATTGGTTCGCCTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGTCCTCCGCCAGCACCAAGGGCCCCAGCGTGTTTCCTCTGGCCCCTTGCAGCAGGTCCACCAGCGAGAGCACCGCCGCTCTGGGCTGCCTGGTGAAGGATTACTTCCCTGAGCCTGTGACCGTGTCTTGGAACAGCGGCGCCCTGACCTCCGGCGTGCACACATTTCCTGCTGTGCTGCAGAGCAGCGGCCTGTATAGCCTGAGCAGCGTGGTGACCGTGCCTAGCAGCAGCCTGGGCACCAAGACCTACACCTGCAATGTGGATCACAAGCCCTCCAACACCAAGGTGGACAAGCGGGTGGAGAGCAAGTACGGCCCTCCCTGCCCCCCCTGTCCTGCTCCTGAGTTTCTGGGCGGCCCTAGCGTGTTCCTGTTCCCTCCTAAGCCCAAGGACACCCTGATGATCAGCAGGACCCCTGAGGTGACCTGCGTGGTGGTGGACGTGTCCCAGGAGGATCCCGAGGTGCAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCACAATGCCAAGACCAAGCCTAGGGAGGAGCAGTTTAACAGCACCTATAGGGTGGTGAGCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTATAAGTGTAAGGTGTCCAACAAGGGCCTGCCTTCCTCCATCGAGAAGACCATCTCCAAGGCTAAGGGCCAGCCTAGGGAGCCTCAGGTGTATACCCTGCCTCCCTCCCAGGAGGAGATGACCAAGAATCAGGTGTCCCTGACCTGCCTGGTGAAAGGCTTTTACCCCAGCGACATCGCTGTGGAGTGGGAGAGCAACGGCCAGCCCGAGAATAATTACAAGACCACCCCCCCTGTGCTGGATTCCGACGGCAGCTTCTTTCTGTACTCCAGGCTGACCGTGGACAAGTCCAGGTGGCAGGAGGGCAACGTGTTCAGCTGCAGCGTGATGCACGAGGCTCTGCACAACCACTACACCCAGAAGTCCCTGTCCCTGAGCCTCGGCAAG (SEQ ID NO:32)
【0085】
抗体4-hu11の重鎖可変領域アミノ酸配列はSEQ ID NO:33に示される。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWIGEILPGSNSTNYNEKFKGKATFTADTSTNTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSS (SEQ ID NO:33)
【0086】
抗体4-hu11の重鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:34に示される(IgG4 S228P突然変異)。
EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFSSFSIEWVRQAPGQGLEWIGEILPGSNSTNYNEKFKGKATFTADTSTNTAYMELSSLRSEDTAVYYCSSYWFAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (SEQ ID NO:34)
【0087】
抗体4-hu11の重鎖アミノ酸配列でコードされた核酸配列はSEQ ID NO:35に示される。
GAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGCGCCGAGGTGAAGAAGCCCGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCTTCCGGCTATACCTTCAGCTCCTTCAGCATCGAGTGGGTGCGGCAGGCTCCTGGCCAGGGACTGGAGTGGATCGGCGAGATCCTGCCCGGCAGCAATTCCACCAACTATAATGAGAAGTTCAAGGGCAAGGCTACCTTCACCGCCGACACCTCCACCAATACCGCCTATATGGAGCTGTCCAGCCTGAGGAGCGAGGACACCGCTGTGTACTACTGCTCCAGCTACTGGTTTGCCTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGCGCTTCCACCAAGGGCCCCTCCGTGTTCCCTCTGGCCCCCTGTAGCAGGAGCACCTCCGAGTCCACCGCTGCCCTGGGCTGCCTGGTGAAGGACTATTTCCCTGAGCCTGTGACCGTGTCCTGGAACAGCGGCGCTCTGACCTCCGGCGTGCACACCTTCCCCGCTGTGCTGCAGTCCTCCGGCCTGTACAGCCTGAGCTCCGTGGTGACCGTGCCTAGCAGCAGCCTGGGCACCAAGACCTATACCTGCAACGTGGATCACAAGCCTAGCAACACCAAGGTGGACAAGCGGGTGGAGTCCAAGTACGGCCCTCCCTGTCCCCCTTGCCCCGCTCCTGAGTTTCTGGGCGGCCCTTCCGTGTTTCTGTTCCCCCCTAAGCCCAAGGATACCCTGATGATCAGCCGGACCCCCGAGGTGACCTGCGTGGTGGTGGATGTGTCCCAGGAGGACCCCGAGGTGCAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCACAATGCCAAGACCAAGCCTCGGGAGGAGCAGTTTAACAGCACCTATCGGGTGGTGAGCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGATTGGCTGAACGGCAAGGAGTATAAGTGCAAGGTGTCCAATAAGGGCCTGCCTAGCAGCATCGAGAAGACCATCAGCAAGGCTAAGGGCCAGCCCCGGGAGCCCCAGGTTTACACCCTGCCCCCTAGCCAGGAGGAGATGACCAAGAATCAGGTGTCCCTGACCTGCCTGGTGAAAGGCTTCTATCCCTCCGACATCGCTGTGGAGTGGGAGTCCAATGGCCAGCCCGAGAACAACTACAAGACCACCCCTCCCGTGCTGGATAGCGACGGCAGCTTCTTTCTGTACTCCAGGCTGACCGTGGACAAGAGCCGGTGGCAGGAGGGCAATGTGTTCTCCTGTTCCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAATCACTACACCCAGAAGTCCCTGTCCCTGAGCCTCGGCAAG (SEQ ID NO:35)
【0088】
抗体4のヒト化抗体の軽鎖可変領域アミノ酸配列はSEQ ID NO:36に示される。
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLNSGNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIYGASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNAHSYPPTFGQGTKLEIK (SEQ ID NO:36)
【0089】
抗体4のヒト化抗体の軽鎖アミノ酸配列はSEQ ID NO:37に示される。
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLNSGNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIYGASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNAHSYPPTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC (SEQ ID NO:37)
【0090】
抗体4のヒト化抗体の軽鎖アミノ酸配列でコードされた核酸配列はSEQ ID NO:38に示される。
GACATCGTGATGACCCAGAGCCCCGATTCCCTGGCCGTGTCCCTGGGCGAGAGGGCTACCATCAATTGCAAGTCCTCCCAGAGCCTGCTGAATAGCGGCAACCAGAAGAACTACCTGGCCTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCCAGCCTCCTAAGCTGCTGATCTACGGCGCCTCCACCCGGGAGAGCGGCGTTCCTGACAGGTTTAGCGGCTCCGGCAGCGGCACCGATTTCACCCTGACCATCTCCAGCCTGCAGGCCGAGGACGTGGCCGTGTATTATTGCCAGAATGCCCACTCCTATCCCCCCACCTTTGGCCAGGGCACCAAGCTGGAGATCAAGCGGACCGTGGCCGCCCCTTCCGTGTTTATCTTCCCCCCCTCCGACGAGCAGCTGAAGTCCGGCACCGCCAGCGTGGTGTGTCTGCTGAACAACTTCTACCCCAGGGAGGCTAAGGTGCAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTGCAGTCCGGCAACAGCCAGGAGAGCGTGACCGAGCAGGACTCCAAGGACTCCACCTACTCCCTGTCCTCCACCCTGACCCTGTCCAAGGCCGATTATGAGAAGCACAAGGTGTACGCCTGCGAGGTGACCCACCAGGGCCTGAGCTCCCCCGTGACCAAGTCCTTCAATAGGGGCGAGTGC (SEQ ID NO:38)
【0091】
少なくともいくつかの実施形態において、本発明は抗体又は抗体断片を提供し、前記抗体又は抗体断片は重鎖相補決定領域と軽鎖相補決定領域を含み、前記重鎖相補決定領域はGYTFSTFA、ILPGINNT及びSTYWFAYを含み、前記軽鎖相補決定領域はQSLLNSGNQKNY、GAS及びQNAHSYPPTを含む。
【0092】
少なくともいくつかの実施形態において、本発明は抗体又は抗体断片を提供し、前記抗体又は抗体断片は重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:39で示される配列又はSEQ ID NO:39で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:40で示される配列又はSEQ ID NO:40で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である。
【0093】
重鎖可変領域SEQ ID NO:39で示される配列を以下のように示す。
QVQLQQSGAELMKPGASVKISCKATGYTFSTFAIDWIKQRPGPGLAWIGEILPGINNTNYNEKFKGKATFTADTSSNTAYMHLSSLTSEDSAVYYCSTYWFAYWGQGTLVTVSA
(SEQ ID NO:39)。
【0094】
軽鎖可変領域SEQ ID NO:40で示される配列を以下のように示す。
DIVMTQSPSSLSVSAGEKVTMTCKSSQSLLNSGNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLMYGASTRESGVPDRFTGSGSGTDFTLTISSVQAEDLAVYYCQNAHSYPPTFGAGTKLELK (SEQ ID NO:40)。
【0095】
少なくとも他のいくつかの実施形態において、本発明は抗体又は抗体断片を提供し、前記抗体又は抗体断片は重鎖相補決定領域と軽鎖相補決定領域を含み、前記重鎖相補決定領域はGYTFSTFA、ILPGGNNT及びSTYWFAYを含み、前記軽鎖相補決定領域はQSLLNSGNQKNY、GAS及びQNAHSYPPAを含む。
【0096】
少なくともいくつかの実施形態において、本発明は抗体又は抗体断片を提供し、前記抗体又は抗体断片は重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:41で示される配列又はSEQ ID NO:41で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:42で示される配列又はSEQ ID NO:42で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である。
【0097】
重鎖可変領域SEQ ID NO:41で示される配列を以下のように示す。
QVQLQQSGAELTKPGASVKISCKATGYTFSTFAIDWIKQRPGHGLAWIGEILPGGNNTNYNEKFKGKATFTADTSSNTAYMHLSSLTSEDSAVYYCSTYWFAYWGQGTLVTVSA (SEQ ID NO:41)。
【0098】
軽鎖可変領域SEQ ID NO:42で示される配列を以下のように示す。
DIVMTQSPSSLSVSAGEKVTMSCKSSQSLLNSGNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLMYGASTRESGVPDRFTGSGSGTDFTLTISSVQAEDLAVYYCQNAHSYPPAFGAGTKLELK (SEQ ID NO:42)。
【0099】
少なくともいくつかの実施形態において、本発明は抗体又は抗体断片を提供し、前記抗体又は抗体断片は重鎖相補決定領域と軽鎖相補決定領域を含み、前記重鎖相補決定領域はGYSFTAYT、INPYNGGT及びAREGNYYGSRGDFDYを含み、前記軽鎖相補決定領域はQTIVTN、YAS及びQQSHSWPFTを含む。
【0100】
少なくともいくつかの実施形態において、本発明は抗体又は抗体断片を提供し、前記抗体又は抗体断片は重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域はSEQ ID NO:43で示される配列又はSEQ ID NO:43で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列であり、前記軽鎖可変領域はSEQ ID NO:44で示される配列又はSEQ ID NO:44で示される配列に比べて少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列である。
【0101】
重鎖可変領域SEQ ID NO:43で示される配列を以下のように示す。
EVQLQQSGPELVKPGASMKISCKASGYSFTAYTMNWVKQSHGKNLEWIGLINPYNGGTSYNQKFKGKATLTGDKSSSTAYMELLSVTSEDSAVYFCAREGNYYGSRGDFDYWGQGTTLTVSS (SEQ ID NO:43)
【0102】
軽鎖可変領域SEQ ID NO:44で示される配列を以下のように示す。
DILLTQSPAILSVSPGERVSFSCRASQTIVTNILWYQQRTNGSPRLLIRYASESISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVESEDIAHYYCQQSHSWPFTFGSGTKLEIK (SEQ ID NO:44)
【0103】
上記に言及された抗体又は抗体断片は分離可能なものである。用語「分離可能な」とは、提供された抗体を除いて、異なる抗原特異性を有する他の抗体又は抗体断片を基本的に含有しない。そして、分離可能な抗体又は抗体断片は、他の細胞材料及び/又は化学物質を基本的に含有しなくてもよい。このため、幾つかの態様において、提供された抗体は分離された抗体であり、それは既に異なる特異性を有する抗体と分離する。分離された抗体はモノクローナル抗体であってもよい。分離された抗体は組換えのモノクローナル抗体であってもよい。しかし、標的エピトープ、同種型または変異体に特異的に結合する単離された抗体は、他の種(例えば、種ホモログ)に由来する他の関連抗原と交差反応性を有し得る。
【0104】
本明細書において、言及された少なくとも1つのアミノ酸置換は、1つのアミノ酸置換、2つのアミノ酸置換、3つのアミノ酸置換、4つのアミノ酸置換又は5つのアミノ酸置換、ひいてはより多いアミノ酸置換であってもよい。本発明の好ましい実施例によれば、前記アミノ酸置換は好ましくは保存的アミノ酸置換である。本明細書において、保存的アミノ酸置換は抗体とPVRIG抗原との結合のアミノ酸置換を損害しない。
【0105】
保存的アミノ酸置換は、1つのクラスのアミノ酸が同じクラスのアミノ酸で置換されることを含み、前記クラスは、共通のアミノ酸側鎖の物理化学的性質と自然に発見された相同タンパク質中の高い置換頻度によって定義され、例えば、標準Dayhoff周波数交換マトリックス又はBLOSUMマトリックスによって確定される。既にアミノ酸側鎖を6つの大きなクラスに分類し、I類(Cys)、II類(Ser、Thr、Pro、Ala、Gly)、III類(Asn、Asp、Gln、Glu)、IV類(His、Arg、Lys)、V類(Ile、Leu、Val、Met)及びVI類(Phe、Tyr、Trp)を含む。例を挙げると、Aspを別のIII類残基、例えばAsn、Gln又はGluで置換することは保存的置換である。このため、抗EGFR抗体において予想される非必須アミノ酸残基は、同じクラスからの別のアミノ酸残基で置換されることが好ましい。抗原結合を排除しないヌクレオチド及びアミノ酸の保存的置換を同定する方法は、当該技術分野において周知である。
【0106】
本発明はさらに分離可能な核酸を提供し、前記核酸で上記に言及された抗体又は抗体断片をコードする。言及された分離可能な核酸とは、核酸が基本的に他の物質から分離し、材料又は化学物質を基本的に含有しない。核酸が完全な細胞、細胞溶解産物に存在してもよいし、又は部分的に精製された、または基本的に純粋な形態で存在してもよい。アルカリ性/SDS処理、CsClバンド、カラムクロマトグラフィー、アガロースゲル電気泳動及びその他のこの分野でよく知られている技術を含む標準技術により他の細胞成分又はその他の不純物、例えば、他の細胞核酸又はタンパク質から精製されたとき、核酸は「分離された」又は「基本的に純粋な」ものである。
【0107】
本発明は発現ベクターをさらに提供し、前記発現ベクターは前記の核酸を含有する。多種の発現ベクターを使用して本明細書に言及された抗体又は結合断片のポリヌクレオチドをコードして発現することができる。ウイルス及び非ウイルスに基づく発現ベクターを使用して哺乳動物宿主細胞に抗体を生成することができる。非ウイルスベクター及びシステムはプラスミド、付加型ベクターを含み、常にタンパク質又はRNAを発現した発現コンポーネント、及びヒトの人工染色体(例えば、Harringtonなどによる(1997)Nat Genet 15:345を参照)を有する。例えば、哺乳動物(例えば、ヒト)細胞にポリヌクレオチド及びポリペプチドを発現するための非ウイルスベクターは、pThioHis A,B&C、pcDNA3.1/His、pEBVHis A,B&C(Invitrogen,San Diego,CA)、MPSVベクター及び本技術分野において公知である大量の他のタンパク質を発現するための他のベクターを含む。使用可能なウイルスベクターはレトロウイルスウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルスに基づくベクター、SV40、パピローマウイルス、HBP Epstein Barrウイルス、牛ポックスウイルスベクター及びセムリキ森林ウイルス(SFV)に基づくベクターを含む。Brentなどによる、(1995)Annu.Rev.Microbiol.49:807、及びRosenfeldなどによる(1992)Cell 68:143を参照する。
【0108】
発現ベクターは抗体又は抗体断片をコードするポリヌクレオチドと作動可能に連結されたプロモーター及び他の調節配列(例えば、エンハンサー)を含有する。幾つかの実施形態において、誘導型プロモーターを使用することにより、誘導条件の以外に挿入された配列を発現することを防止することができる。誘導型プロモーターは、アラビア砂糖、lacZ、金属硫黄タンパク質プロモーター又はホットショックプロモーターを含むが、これらに限定されない。プロモーターに加えて、抗体または抗体断片を効率的に発現させる他の調節要素が要求または必要とされてもよい。これらの元件は、通常、ATG開始コドン及び隣接するリボソーム結合部位または他の配列を含む。なお、利用された細胞システムに適用されたエンハンサーを含み、例えば、SV40エンハンサー又はCMVエンハンサーを使用することにより、哺乳動物宿主細胞における発現を増加する。
【0109】
本発明は宿主細胞をさらに提供し、前記宿主細胞は上記に記載の抗体又は抗体断片を発現する。本発明の実施例によれば、前記宿主細胞は本願に言及された抗体を発現することができる上記に記載の発現ベクターを含有する。発現ベクターは宿主細胞のゲノムに組み込まれることができる。前記宿主細胞は哺乳動物細胞であってもよい。CHO又はHEK293細胞を含むが、これらに限定されない。
【0110】
抗体または抗体断片を有し、発現するために使用される宿主細胞は、原核細胞または真核細胞であり得る。例えば、原核宿主細胞である大腸菌(E.coli)が挙げられる。他の使用に適用される微生物宿主は、枯草バチルス(Bacillus subtilis)などのバチルス属細菌、及びサルモネラ(Salmonella)、サルモネラ(Serratia)、様々な偽単胞菌(Pseudomonas)種などの他の腸内細菌科を含む。これらの原核宿主においても、通常、宿主細胞と相溶する発現制御配列を含む発現ベクターを生成しても良い。なお、これらの宿主細胞においては、プロモーター、例えば、ラクトースプロモーター系、トリプトファン(trp)プロモーター系、β-ラクタムプロモーター系、またはファージλ由来のプロモーター系をさらに含んでも良い。プロモーターは、通常、必要に合わせて操作子配列とともに発現を制御し、転写及び翻訳を誘発し、完成させるためのリボソーム結合部位配列等を有する。酵母などの他の微生物を用いて本開示内容のポリペプチドを発現させることもできる。また、棒状ウイルスベクターと組み合わせて昆虫細胞を用いることもできる。
【0111】
幾つかの好ましい実施形態にいて、哺乳動物宿主細胞を使用して本開示内容の抗PVRIG抗体又は抗体断片を発現して生成する。例えば、これらは内因性免疫グロブリン遺伝子を発現するハイブリドーマ細胞系であってもよい。好ましくは、SP2/0骨髄腫細胞、CHO細胞、HeLa細胞、PER.C6細胞、COS細胞、HKB11細胞、NS0細胞などの正常な致死性または正常または異常な永遠の命を持つ動物またはヒト細胞を含む外来性発現ベクター付きの哺乳動物細胞系を使用する。例えば、CHO細胞系、各種Cos細胞系、HeLa細胞、骨髄腫細胞系、形質転換されたB-細胞、ハイブリドーマなど、完全な免疫グロブリンを分泌できる適切な宿主細胞系が多数開発されている。宿主細胞に含まれる適切なプロモーターは、組成型、細胞型特異性、段階特異性及び/または制御可能または調節可能であってもよい。使用可能なプロモーターは、金属チオタンパク質プロモーター、構成型アデノウイルスの主要な後期プロモーター、デキサメタゾン誘導型MMTVプロモーター、SV40プロモーター、MRP pollllプロモーター、構成型MPSVプロモーター、構成型CMVプロモーター、及び当該技術分野で公知のプロモーター-エンハンサーの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0112】
公知の方法によって標的ポリヌクレオチド配列(例えば、抗体ポリペプチドをコードする核酸及び発現制御配列)を含むベクターを宿主細胞に転写することができ、その方法は細胞宿主の種類に応じて変化する。例えば、原核細胞に対して塩化カルシウムトランスフェクションが多く使用され、他の細胞宿主に対してリン酸カルシウム処理またはエレクトロポレーションが使用される。その他の方法として、例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム処理、リポソーム媒介形質転換、注射及びマイクロインジェクション、ウイルス、免疫リポソーム、ポリカチオン性核酸コンジュゲート、裸DNA、人工ウイルスなどが挙げられる。
【0113】
本発明はさらに薬物組成物を提供し、前記薬物組成物は、上記に記載の抗体及び薬学的に許容されるベクターを含む。
【0114】
薬学的に許容されるベクターは、任意及びすべての生理学的相溶性の溶媒、分散媒、コーティング剤、抗細菌剤、抗真菌剤、等張化及び吸収遅延剤などを含む。好ましくは、該ベクターは、静脈内、筋肉内、皮下、胃腸外、脊髄または表皮の投与(例えば、注射又は注入によって投与される)に適している。異なる投与経路に応じて、活性化合物、即ち抗体は、酸作用及び化合物を不活性化する可能性のある他の自然条件から化合物を保護するために、特定の材料で包まれることができる。
【0115】
提供された薬物組成物は本技術分野において公知である多種の方法によって投与されることができる。抗体は、適当なベクター、例えば、インプラント、経皮パッチ、マイクロカプセル化送達システムを含む放出制御製剤とともに調製されることができる。生分解性、生体適合性ポリマー、例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリプロトゲン酸エステル、ポリ乳酸を用いることができる。このような製剤の調製に使用される多くの方法は、特許を取得している、または当業者に広く知られている。
【0116】
本発明の実施例によれば、提供される抗体は、特定の材料で包まれたり、組成物を特定の材料と共投与されたりして、その不活性化を防ぐために使用されることができる。例えば、組成物を、適切なベクター、例えば、リポソームまたは希釈剤で被験者に投与することができる。許容希釈剤には、生理食塩水及び水性緩衝液が含まれる。リポソームは、水中油中水CGF乳液及び従来のリポソームを含む。
【0117】
本発明の実施例によれば、薬学的に許容されるベクターは、無菌注射溶液又は無菌粉末として調製された無菌水溶液又は分散体を含む。本明細書に提供される医薬組成物は、当業者の公知の常法により薬学的に許容される剤形に製剤化されることができる。
【0118】
本発明は、癌を治療する薬物の調製における上記に記載の抗体又は上記に記載の薬物組成物の使用をさらに提供する。
【0119】
本発明は、被験者に有効量の上記に記載の抗体又は上記に記載の薬物組成物を投与することを含む、癌を予防又は治療する方法をさらに提供する。
【0120】
「治療有効量」又は「有効量」とは、所望の生体応答を引き起こするために必要なPVRIG抗体の量を意味する。本発明によれば、治療有効量は、疾患の治療及び/又は予防に必要なPVRIG抗体の量である。
【0121】
本明細書に提供される抗体の治療有効量は、抗体及び組み合わせの相対活性(例えば、細胞増殖を阻害する活性)、及び治療を受ける被験者及び疾患状態、被験者の体重及び年齢、疾患状態の重症度、投与方法等によって異なるが、当業者は容易に治療有効量を決定することができる。投与に使用される用量は、以下の範囲であり得る。例えば、約1ng~約6000mg、約5ng~約5500mg、約10ng~約5000mg、約20ng~約4500mg、約30ng~約5000mg、約300ng~約4,500mg、約500ng~約4,000mg、約1μg~約3,500mg、約5μg~約3,000mg、約10μg~約2,600mg、約20μg~約2,575mg、約30μg~約2,550mg、約40μg~約2,500mg、約50μg~約2,475mg、約100μg~約2,450mg、約200μg~約2,425mg、約300μg~約2,000、約400μg~約1,175mg、約500μg~約1,150mg、約0.5mg~約1,125mg、約1mg~約1,100mg、約1.25mg~約1,075mg、約1.5mg~約1,050mg、約2.0mg~約1,025mg、約2.5mg~約1,000mg、約3.0mg~約975mg、約3.5mg~約950mg、約4.0mg~約925mg、約4.5mg~約900mg、約5mg~約875mg、約10mg~約850mg、約20mg~約825mg、約30mg~約800mg、約40mg~約775mg、約50mg~約750mg、約100mg~約725mg、約200mg~約700mg、約300mg~約675mg、約400mg~約650mg、約500mg又は約525mg~約625mgの抗体が挙げられる。
【0122】
本明細書において、「被験者」とは、マウス又はラットなどのげっ歯類動物、カニクイザル(Macaca fascicularis)、アカゲザル(Macaca mulatta)又はヒト(Homo sapiens)などの霊長類動物を含む任意の動物である。好ましくは、被験者は霊長類動物であり、より好ましくはヒトである。本明細書において、「予防」とは、病気の発症を防止するか、又は病気の発症を遅延させる方法を意味する。
【0123】
本明細書において、癌の例は、癌、リンパ腫、胚細胞腫、肉腫及び白血病を含むが、これらに限定されない。より具体的な例としては、扁平上皮癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、胃癌、膵臓癌、グリオーマおよび神経線維腫症などのグリア細胞腫瘍、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、肝細胞腫、乳癌、結腸癌、メラノーマ、結腸直腸癌、子宮内膜癌、唾液腺癌、腎癌、腎臓癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝癌及び様々なタイプの頭頸癌が挙げられる。具体的な実施形態では、本明細書に開示される方法を用いて治療または診断される癌は、メラノーマ、乳癌、卵巣癌、腎癌、胃腸/結腸癌、肺癌および前立腺癌から選択される。本発明の好ましい実施例によれば、前記癌は、黒色腫、肺癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、膵臓癌、胃癌、腎臓癌、膀胱癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌又は肝癌を含むが、これらに限定されない。
【0124】
本発明は、さらに、薬物併用を提供し、上記言及された抗体又は抗体断片以外、癌を治療するための他の薬物を含んでも良い。組成物は、単独投与で、または併用投与、すなわち、他の薬剤と併用して投与することができる。例えば、併用治療は本明細書に提供された組成物及び少なくとも1種又は多種の他の治療剤、例えば本明細書に記載の抗癌剤を含んでもよい。該組成物は放射線治療及び/又は手術と併用投与することもできる。抗EGFR抗体の特定の組み合わせは、他の治療剤とは別に投与しても、あるいは順次投与してもよい。
【0125】
例えば、提供される他の癌治療薬は抗体であってもよく、例えば、抗CTLA-4抗体、抗PD-L1抗体、抗LAG-3抗体、抗TIM-3抗体、抗BTLA抗体であるか、または他の抗腫瘍抗体と組み合わせて使用することができる。
【0126】
本発明によって提供される例示的な抗体は、マウス由来抗体またはヒト化抗体のいずれであっても、ヒトPVRIGタンパク質を高い親和性で結合させることができ、かつ、ヒトPBMCによる腫瘍細胞の殺傷を促進することができる。なお、提供される抗体はまた、体内の腫瘍の成長を阻害する活性を示す。
【0127】
当業者は、以下の実施例は本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではないことを理解することができる。実施例に具体的な技術や条件が明記されていない場合は、当該分野内の文献に記載されている技術や条件に従って、または製品説明書に従って行う。使用する試薬または機器にメーカーが明記されていないものは、市で購入できる通常の製品である。
【0128】
実施例1
(I)抗ヒトPVRIGモノクローナル抗体の調製
通常のハイブリドーマ細胞融合技術を参照して少し調整した後、抗PVRIGのモノクローナル抗体を調製する。具体的には、以下のとおりである。
【0129】
(1)組換え融合タンパク質の調製
ヒトPVRIGタンパク質(SEQ ID NO:45に示す)をコードする全長遺伝子を人工的に合成し、SEQ ID NO:46に示すタンパク質断片をPCRで増幅し、且つ目的配列のC末端にはヒトIgG1定常領域(SEQ ID NO:47に示す)のタンパク質断片を導入し、且つpLVX-IRES-zsGreenベクターにクローンし、レンチウイルスを包装することにより、HEK293T細胞株に感染し、ヒトPVRIG-ヒトIgG1 Fcを発現する融合タンパク質を取得し、続いて、通常の細胞培養により、細胞培養上清を採取し、Protein Gアフィニティークロマトグラフィー法(GE Healthcare)により精製して純度90%を超える組換えヒトPVRIG-ヒトIgG1Fc融合タンパク質を得た。質量分析により、目的蛋白のペプチドセグメントとPVRIG配列が一致し、この組換え蛋白が組換えヒトPVRIG-ヒトIgG1 Fc融合蛋白であることが証明された。
【0130】
ヒトPVRIG全長アミノ酸配列:
MRTEAQVPALQPPEPGLEGAMGHRTLVLPWVLLTLCVTAGTPEVWVQVRMEATELSSFTIRCGFLGSGSISLVTVSWGGPNGAGGTTLAVLHPERGIRQWAPARQARWETQSSISLILEGSGASSPCANTTFCCKFASFPEGSWEACGSLPPSSDPGLSAPPTPAPILRADLAGILGVSGVLLFGCVYLLHLLRRHKHRPAPRLQPSRTSPQAPRARAWAPSQASQAALHVPYATINTSCRPATLDTAHPHGGPSWWASLPTHAAHRPQGPAAWASTPIPARGSFVSVENGLYAQAGERPPHTGPGLTLFPDPRGPRAMEGPLGVR (SEQ ID NO:45)
【0131】
ヒトPVRIG細胞外セグメントアミノ酸配列:(41-172)
TPEVWVQVRMEATELSSFTIRCGFLGSGSISLVTVSWGGPNGAGGTTLAVLHPERGIRQWAPARQARWETQSSISLILEGSGASSPCANTTFCCKFASFPEGSWEACGSLPPSSDPGLSAPPTPAPILRADL (SEQ ID NO:46)
【0132】
ヒトIgG1定常領域アミノ酸配列:
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK (SEQ ID NO:47)
【0133】
同様の方法で、組換えヒトCD112-ヒトIgG1 Fc融合タンパク質を調製した。ヒトCD112全長アミノ酸配列はSEQ ID NO:48に示され、ヒトCD112細胞外セグメントアミノ酸配列はSEQ ID NO:49に示される。
【0134】
ヒトCD112全長アミノ酸配列:
MARAAALLPSRSPPTPLLWPLLLLLLLETGAQDVRVQVLPEVRGQLGGTVELPCHLLPPVPGLYISLVTWQRPDAPANHQNVAAFHPKMGPSFPSPKPGSERLSFVSAKQSTGQDTEAELQDATLALHGLTVEDEGNYTCEFATFPKGSVRGMTWLRVIAKPKNQAEAQKVTFSQDPTTVALCISKEGRPPARISWLSSLDWEAKETQVSGTLAGTVTVTSRFTLVPSGRADGVTVTCKVEHESFEEPALIPVTLSVRYPPEVSISGYDDNWYLGRTDATLSCDVRSNPEPTGYDWSTTSGTFPTSAVAQGSQLVIHAVDSLFNTTFVCTVTNAVGMGRAEQVIFVRETPNTAGAGATGGIIGGIIAAIIATAVAATGILICRQQRKEQTLQGAEEDEDLEGPPSYKPPTPKAKLEAQEMPSQLFTLGASEHSPLKTPYFDAGASCTEQEMPRYHELPTLEERSGPLHPGATSLGSPIPVPPGPPAVEDVSLDLEDEEGEEEEEYLDKINPIYDALSYSSPSDSYQGKGFVMSRAMYV (SEQ ID NO:48)
【0135】
ヒトCD112細胞外セグメントアミノ酸配列:(32-360)
QDVRVQVLPEVRGQLGGTVELPCHLLPPVPGLYISLVTWQRPDAPANHQNVAAFHPKMGPSFPSPKPGSERLSFVSAKQSTGQDTEAELQDATLALHGLTVEDEGNYTCEFATFPKGSVRGMTWLRVIAKPKNQAEAQKVTFSQDPTTVALCISKEGRPPARISWLSSLDWEAKETQVSGTLAGTVTVTSRFTLVPSGRADGVTVTCKVEHESFEEPALIPVTLSVRYPPEVSISGYDDNWYLGRTDATLSCDVRSNPEPTGYDWSTTSGTFPTSAVAQGSQLVIHAVDSLFNTTFVCTVTNAVGMGRAEQVIFVRETPNTAGAGATGG (SEQ ID NO:49)
【0136】
同様の方法で、カニクイザルPVRIG-ヒトIgG1 Fc融合タンパク質を調製した。カニクイザルPVRIGアミノ酸配列はSEQ ID NO:50に示され、カニクイザルPVRIG細胞外セグメント配列はSEQ ID NO:51に示される。
【0137】
カニクイザルPVRIGアミノ酸配列:
MRTEAQVLALQSPEPGLEGAMGRRTLALPWVLLTLCVTAGTPEVWVQVQMEATELSSFTVHCGFLGPGSISLVTVSWGGPDGAGGTKLAVLHPELGTRQWAPARQARWETQSSISLALEDSGASSPFANTTFCCKFASFPEGSWESCGSLPPSSDPGLSAPPTPVPILRADLAGILGLSGVLLFGCGYLLHLLRRQKHRPTPRLQPSHTNSQALTAQAWAPSQASQAALHDPYATINTSFCPATLDTAHPNGWASLPTHAAHQPQGPAASASTPILARGSFVSVENGLYTQAGERPPHTGPGLTLFPDCRGPRALEGRFGVR (SEQ ID NO:50)
【0138】
カニクイザルPVRIG細胞外セグメント配列:(39-171)
AGTPEVWVQVQMEATELSSFTVHCGFLGPGSISLVTVSWGGPDGAGGTKLAVLHPELGTRQWAPARQARWETQSSISLALEDSGASSPFANTTFCCKFASFPEGSWESCGSLPPSSDPGLSAPPTPVPILRAD (SEQ ID NO:51)
【0139】
(2)動物免疫、ハイブリドーマ細胞融合及びクローンスクリーニング
以上に取得した組換えヒトPVRIG-ヒトIgG1 Fc融合タンパク質を等体積の完全フロイントアジュバント(CFA)と十分に混合し、8-10週齢のBALB/c雌マウス(上海レスクから購入、体重20g程度)を初回免疫し、マウス1匹あたり40-60μgの組換えヒトPVRIG-ヒトIgG1 Fc融合タンパク質を腹腔内注射し、今後2週間ごとに免疫し、同量の組換えヒトPVRIG-ヒトIgG1 Fc融合タンパク質と等体積不完全フロイントアジュバントを混合し、合計5回の免疫後、ELISA検査でマウスの血清力価が1:105以上の場合、最後に40-60μgの組換えヒトPVRIG-ヒトIgG1 Fc融合タンパク質を注射して強化する。強化後3日目に、標準技術を用いて脾細胞を分離し、マウス骨髄腫瘍細胞SP2/0細胞(ATCC番号CRL-1581)と融合する。
【0140】
ELISAとフローサイトメトリーの両方で陽性シグナルを示すハイブリドーマ細胞を同定し、サブクローン・スクリーニングを行い、4株のハイブリドーマ細胞を得る。
【0141】
(3)モノクローナル抗体の発現及び精製
モノクローナル抗体の調製はマウス腹腔内接種法を利用し、まず無菌の流動パラフィン500μlを腹腔内により8-10週齢のBALB/c雌マウスを免疫し、一週間後にハイブリドーマ細胞1×106を腹腔内注射し、7-10日程度で腹水を集め、高速遠心分離で上清を集める。上記方法により得られた上清を、プロテインGアフィニティークロマトグラフィー法で精製し、純度95%以上のモノクローナル抗体を得た。
【0142】
(II)抗PVRIGモノクローナル抗体の可変領域配列
選択対象であるハイブリドーマ細胞の総数を106まで培養し、800rpmで10分間遠心分離して細胞を収集し、Trizolキット(Invitrogen)で全RNAを抽出し、全RNAを鋳型とし、cDNAライブラリー(Invitrogen)を逆転写合成し、さらに、cDNAを鋳型としてハイブリドーマ細胞の対応する可変領域核酸配列をPCRで増幅する。その後、ハイブリドーマ細胞の重鎖及び軽鎖可変領域アミノ酸配列(CDR配列を含む)をシーケンシングによって取得する。
【0143】
アミノ酸配列を同定し、各抗体配列はそれぞれ以下の通りである。
番号が抗体4の重鎖可変領域配列はSEQ ID NO:1に示され、軽鎖可変領域配列はSEQ ID NO:2に示され、番号が抗体1の重鎖可変領域配列はSEQ ID NO:39に示され、軽鎖可変領域配列はSEQ ID NO:40に示され、番号が抗体2の重鎖可変領域配列はSEQ ID NO:41に示され、軽鎖可変領域配列はSEQ ID NO:42に示され、番号が抗体3の重鎖可変領域配列はSEQ ID NO:43に示され、軽鎖可変領域配列はSEQ ID NO:44に示される。
【0144】
上記番号が抗体1、抗体2、抗体3及び抗体4の抗体はいずれもマウス由来抗体である。
【0145】
(III)ヒト化抗体の発現及び精製:
上記ような異なる抗体はヒト化されてもよい。抗体4を例として、ヒト化を行う。得られたヒト化抗体は、抗体4-hu1~抗体4-hu11を含むが、これらに限定されない。以下の方法によりほぼ調製して精製することができる。人工遺伝子合成により、ヒト化抗体をコードするHCおよびLC核酸配列を含むベクターを得、適切な宿主細胞を取得し、例えば、HEK293またはCHOは、最適なプリセットHC:LCベクター比(例えば、1:1または1:2)を分泌可能な抗体の発現系として瞬間的または安定にトランスフェクションする。続いて、細胞培養上清を採取し、Protein Aアフィニティークロマトグラフィーで精製することにより、純度95%を超えるヒト化抗体を得ることができる。
【0146】
実施例2
実施例2は、上記実施例1で調製された異なる抗体の活性及び抗原結合の特異性を評価した。使用した同型対照はマウスIgG1,κ(Biolegendから購入)である。
【0147】
ヒトPVRIG-Fc融合タンパク質に対する異なるクローンされたマウス由来抗体の結合の活性をELISAで評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0148】
組換えヒトPVRIG-ヒトIgG1 Fc融合タンパク質を1×PBS(リン酸塩緩衝液)で1.0μg/mlに希釈し、100μl/ウェルで96ウェルのELISAプレートを包み、4℃で一晩静置し、PBST(0.05%のTween20-PBS)で3回洗浄し、1%のBSAを閉鎖し、37℃で2時間インキュベートした。PBSTで3回洗浄し、それぞれ、倍比希釈されたマウス由来抗体(抗体1、抗体2、抗体3又は抗体4)を添加し、8個の濃度を設定し、マウスIgG1(Biolegendから購入)を陰性対照とし、100μl/ウェルで、37℃で1時間インキュベートした。PBSTで3回洗浄し、各ウェルに100μl西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で標識されたヤギ抗マウスIgG抗体(博士徳生物から購入、1:10000で希釈)を添加し、37℃で1時間インキュベートした。洗浄後各ウェルに100μlのTMBプライマー液を添加し、10~15分間発色を避け、停止液(2MのH2SO4)を100μl/ウェルで添加し、終了直後に酵素マーカーで検出し、波長450nmの吸光値(OD450)を読み取り、その結果を
図1に示す。
【0149】
図1から分かるように、異なるクローンされたマウス由来抗体はいずれもヒトPVRIG-Fc融合タンパク質に特異的に結合することができる。
【0150】
フローサイトメトリーを用いて細胞膜表面のヒトPVRIGタンパク質に対する異なるクローンされたマウス由来抗体の結合の活性を評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0151】
293T-ヒトPVRIG細胞系を収集し、1×PBSで洗浄して再懸濁した後、細胞計数を行った。その後、各1.5mlのEPチューブに2×105個の細胞を添加し、それぞれ異なる濃度の各マウス由来抗体(抗体1、抗体2、抗体3又は抗体4)を添加し、4℃で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。100μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、そして、AF647で標識されたヤギ抗マウスIgG抗体(Biolegendから購入)を添加し、4℃避光で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して2回洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。200μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、フローサイトメトリー(BD LSR II)を用いて検出する。
【0152】
図2の結果から分かるように、異なるクローンされたマウス由来抗体はいずれも細胞膜表面のヒトPVRIGタンパク質に特異的に結合することができる。
【0153】
フローサイトメトリーを用いて異なるクローンされたマウス由来抗体によるヒトPVRIGとそのリガンドCD112との結合遮断の活性を評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0154】
293T-ヒトCD112細胞系を収集し、1×PBSで洗浄して再懸濁した後、細胞計数を行った。その後、各1.5mlのEPチューブに2×105個の細胞を添加し、それぞれ異なる濃度の各マウス由来抗体(抗体1、抗体2、抗体3又は抗体4)及び10μg/mlのヒトCD112-ヒトIgG1 Fc融合タンパク質を添加し、4℃で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。100μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、そして、AF647で標識されたマウス抗ヒトIgG-Fc抗体(Biolegendから購入)を添加し、4℃避光で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して2回洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。200μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、フローサイトメトリー(BD LSR II)を用いて検出する。
【0155】
図3の結果から分かるように、異なるクローンされたマウス由来抗体はいずれもヒトPVRIGとそのリガンドCD112との結合を効果的に遮断することができる。
【0156】
フローサイトメトリーを用いてヒトPVRIGタンパク質に対する異なるクローンされたマウス由来抗体の競合的結合の活性を評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0157】
293T-human PVRIG細胞系を収集し、1×PBSで洗浄して再懸濁した後、細胞計数を行った。その後、各1.5mlのEPチューブに2×10
5個の細胞を添加し、それぞれ10μg/mlの対照抗体マウスIgG1及び異なるクローンされた各マウス由来抗体(抗体1、抗体2、抗体3又は抗体4)を添加し、4℃で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。100μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、そして、AF647で標識された抗体4の抗体を添加し、4℃避光で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して2回洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。200μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、フローサイトメトリー(BD LSR II)を用いて検出し、解析統計の結果を
図4に示す。
【0158】
図4から分かるように、抗体1、抗体2及び抗体4はヒトPVRIGに競合的に結合する関係を有し、抗体3と抗体4は異なるヒトPVRIGエピトープに結合される。
【0159】
フローサイトメトリーを用いてカニクイザル及びマウスPVRIGに対するマウス由来抗体の結合の活性を評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0160】
293T-カニクイザルPVRIG及び293T-マウスPVRIG細胞系を収集し、1×PBSで洗浄して再懸濁した後、細胞計数を行った。その後、各1.5mlのEPチューブに2×10
5個の細胞を添加し、そして、AF647で標識された抗体4マウス由来抗体を添加し、4℃避光で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して2回洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。200μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、フローサイトメトリー(BD LSR II)を用いて検出し、解析統計の結果を
図5に示す。
【0161】
図5から分かるように、抗体4マウス由来抗体は、カニクイザルのPVRIGタンパク質に結合することができるが、マウスのPVRIGタンパク質に結合することができない。
【0162】
ELISAの方法でカニクイザルPVRIGに対するマウス由来抗体の結合の活性を評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0163】
1×PBS(リン酸塩緩衝液)で組換えカニクイザルPVRIG-ヒトIgG1 Fc融合タンパク質を1.0μg/mlに希釈し、100μl/ウェルで、96ウェルのELISAプレートを包み、4℃で一晩静置し、PBST(0.05%のTween20-PBS)で3回洗浄し、1%のBSAで閉鎖し、37℃で2時間インキュベートする。PBSTで3回洗浄し、それぞれ倍比希釈されたマウス由来抗体(抗体4)を添加し、11個の濃度を設定し、マウスIgG1を陰性対照とし、100μl/ウェルで、37℃で1時間インキュベートした。PBSTで3回洗浄し、各ウェルに100μlの西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で標識されたヤギ抗マウスIgG抗体(博士徳生物から購入、1:10000で希釈)を添加し、37℃で1時間インキュベートした。洗浄後各ウェル100μlのTMBプライマー液を添加し、10~15分間発色を避け、停止液(2MのH
2SO
4)を100μl/ウェルで添加し、終了直後に酵素マーカーで検出し、波長450nmの吸光値(OD450)を読み取り、その結果を
図6に示す。抗体4マウス由来抗体がカニクイザルのPVRIGタンパク質に結合することができることが分かる。
【0164】
フローサイトメトリーを用いてNKG細胞系膜表面PVRIGに対するマウス由来抗体結合の活性を評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0165】
NKG細胞系を収集し、1×PBSで洗浄して再懸濁した後、細胞計数を行った。その後、各1.5mlのEPチューブに2×10
5個の細胞を添加し、そして、10μlのマウス血清を添加し、4℃で30分間閉鎖し、その後、1×PBSを添加して洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。100μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、そして、AF647で標識された抗体4を添加し、4℃避光で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して2回洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。200μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、フローサイトメトリー(BD LSR II)を用いて検出し、検出の結果を
図7に示す。
【0166】
図7から分かるように、マウス由来抗体4はNKG細胞系表面のヒトPVRIGタンパク質に結合することができる。
【0167】
フローサイトメトリーを用いてリンパ球膜表面PVRIGに対するマウス由来抗体の結合の活性を評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0168】
Ficoll(末梢血リンパ球分離液、GE Healthcare)遠心分離法を使用することにより、400g、30分間で、正常なヒト末梢血からリンパ球を分離し、1×PBSで再懸濁し、細胞計数を行った。その後、各1.5mlのEPチューブに1×10
6個の細胞を添加し、そして、10μlのマウス血清を添加し、4℃で30分間閉鎖し、その後、1×PBSを添加して洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。100μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、そして、AF647で標識された抗体4、PercP-Cy5.5で標識されたマウス抗ヒトCD3抗体(Biolegendから購入)、PE-Cy7で標識されたマウス抗ヒトCD8抗体(BDから購入)、BV421で標識されたマウス抗ヒトCD4抗体(BDから購入)及びBV605で標識されたマウス抗ヒトCD56抗体(Biolegendから購入)を添加し、4℃避光で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して2回洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。200μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、フローサイトメトリー(BD LSR II)を用いて検出し、検出の結果を
図8に示す。
【0169】
図8から分かるように、マウス由来抗体4はヒトリンパ球膜表面のPVRIGタンパク質に結合することができる。
【0170】
フローサイトメトリーを用いて腫瘍細胞系表面CD112の発現を評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0171】
SW620大腸癌細胞系(中国科学院上海細胞バンク)、A375メラノーマ細胞系(中国科学院上海細胞バンク)及びSK-OV-3卵巣癌細胞系(中国科学院上海細胞バンク)を収集し、1×PBSで洗浄して再懸濁した後、細胞計数を行った。その後、各1.5mlのEPチューブに2×10
5個の細胞を添加し、そして、10μlのマウス血清を添加し、4℃で30分間閉鎖し、その後、1×PBSを添加して洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。100μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、そして、APCで標識されたマウス抗ヒトCD112抗体(Biolegendから購入)を添加し、4℃避光で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して2回洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。200μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、フローサイトメトリー(BD LSR II)を用いて検出し、検出の結果を
図9に示す。
【0172】
図9から分かるように、多種の腫瘍細胞系の表面でPVRIGのリガンドCD112を高く発現する。
【0173】
実験によりNK細胞の細胞毒性効果に対するマウス由来抗体の促進を続いて評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0174】
Ficoll(末梢血リンパ球分離液、GE Healthcare)遠心分離法を使用することにより、400g、30分間で、正常なヒト末梢血からリンパ球を分離し、1×PBSで再懸濁し、その後、NK細胞選別キット(メティニ、Human NKセルアイソニックキット)を用いてNK細胞を精製した。その後、精製されたNK細胞をエフェクター細胞とし、CFSE(Thermo Scientificから購入)で標識されたSW620大腸癌細胞系を標的細胞とし、1.25:1、2.5:1及び5:1の有効ターゲット比に従って、96ウェルの円形底板に入れ、培養系においてそれぞれ10μg/mlのマウスIgG1を添加して対照抗体及びマウス由来抗体(抗体4)とし、250gで、4分間遠心分離し、そして、37℃で4時間インキュベートした。7AADで殺傷された腫瘍細胞を標識し、フローサイトメトリー(BD LSR II)を用いて検出し、解析統計の結果を
図10に示す。
【0175】
図10から分かるように、異なる有効ターゲット比の条件下で、マウス由来抗体(抗体4)はすべて腫瘍細胞に対するNK細胞の殺傷を大幅に促進することができる。
【0176】
実験により、ヒトPBMCの細胞毒性効果に対するマウス由来抗体の促進をさらに評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0177】
Ficoll(末梢血リンパ球分離液、GE Healthcare)遠心分離法を使用することにより、400g、30分間で、正常なヒト末梢血からリンパ球を分離し、1×PBSで再懸濁し、その後、ヒトPBMC細胞をエフェクター細胞とし、CFSE(Thermo Scientificから購入)で標識されたSW620大腸癌細胞系又はA375メラノーマ細胞又はSK-OV-3卵巣癌細胞を標的細胞とし、12.5:1、25:1及び50:1の有効ターゲット比に従って、96ウェルの円形底板に入れ、培養系においてそれぞれ10μg/mlのマウスIgG1を添加して対照抗体及びマウス由来抗体(抗体4)とし、250gで、4分間遠心分離し、そして、37℃で4時間インキュベートした。7AADで殺傷された腫瘍細胞を標識し、フローサイトメトリー(BD LSR II)を用いて検出し、解析統計の結果を
図11に示す。
【0178】
図11から分かるように、異なる有効ターゲット比の条件下で、マウス由来抗体Antibody 4はすべて多種の腫瘍細胞に対するヒトPBMC細胞の殺傷を大幅に促進することができる。
【0179】
実験により、フローサイトメトリーを用いてNK細胞のエフェクター分子発現効果に対するマウス由来抗体の促進をさらに評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0180】
Ficoll(末梢血リンパ球分離液、GE Healthcare)遠心分離法を使用することにより、400g、30分間で、正常なヒト末梢血からリンパ球を分離し、1×PBSで再懸濁し、そして、ヒトPBMC細胞をエフェクター細胞とし、SW620大腸癌細胞系を標的細胞とし、25:1の有効ターゲット比に従って、96ウェルの円形底板に入れ、培養系においてそれぞれ10μg/mlのマウスIgG1を添加して対照抗体及びマウス由来抗体(抗体4)とし、250gで、4分間遠心分離し、そして、37℃で24時間インキュベートする。最後の4時間のインキュベートのとき、2.5μg/mlのモネンシン(Sigmaから購入)及びBV510で標識されたマウス抗ヒトCD107a抗体(Biolegendから購入)を添加する。インキュベート終了後、細胞を収集し、そして1×PBSで洗浄し、100μlの1×PBSで細胞を再懸濁し、10μlのマウス血清を添加し、4℃で30分間閉鎖する。1×PBSで洗浄し、100μlの1×PBSで細胞を再懸濁し、それぞれPercP-Cy5.5で標識されたマウス抗ヒトCD3抗体(Biolegendから購入)、PE-Cy7で標識されたマウス抗ヒトCD8抗体(BDから購入)、BV421で標識されたマウス抗ヒトCD4抗体(BDから購入)及びBV605で標識されたマウス抗ヒトCD56抗体(Biolegendから購入)を添加し、4℃避光で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して2回洗浄し、350gで5分間遠心分離し、細胞を収集する。Foxp3 / Transcription Factor Staining Buffer(eBioscienceから購入)で細胞を再懸濁し、そして、FITCで標識されたマウス抗ヒトIFN-γ(Biolegendから購入)及びPEで標識されたマウス抗ヒトTNF-α(Biolegendから購入)を添加し、4℃で1時間インキュベートした。そして1×PBSを添加して2回洗浄し、500gで5分間遠心分離し、細胞を収集する。200μlの1×PBSで細胞を再懸濁し、そして、フローサイトメトリー(BD FACS Celesta)を用いて検出し、解析統計の結果を
図12に示す。
【0181】
図12から分かるように、マウス由来抗体(抗体4)は、NK細胞の脱顆粒能を高め、サイトカインの分泌を促進することができる。
【0182】
実験によりELISAの方法でNK細胞のサイトカインの分泌効果に対するマウス由来抗体の促進を評価した。実験の過程は以下の通りである。Ficoll(末梢血リンパ球分離液、GE Healthcare)遠心分離法を使用することにより、400g、30分間で、正常なヒト末梢血からリンパ球を分離し、1×PBSで再懸濁し、その後、NK細胞選別キット(メティニ、Human NK Cell Isolation Kit)を利用してNK細胞を精製する。そして、精製されたNK細胞をエフェクター細胞とし、SW620大腸癌細胞系を標的細胞とし、2.5:1の有効ターゲット比に従って、96ウェルの円形底板に入れ、培養系においてそれぞれ10μg/mlのマウスIgG1を添加して対照抗体及びマウス由来抗体(抗体4)とし、250gで、4分間遠心分離し、その後、37℃で18時間インキュベートする。その後、細胞培養上清を収集し、ELISAキット(ダコから購入)により培養上清中のIFN-γの含有量を検出した。ELISA解析統計の結果を
図13に示す。マウス由来抗体(抗体4)はNK細胞によるIFN-γの分泌を促進することができることが分かる。
【0183】
実験により腫瘍成長に対するマウス由来抗体の抑制の活性を評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0184】
体外でSW620大腸癌細胞(中国科学院上海細胞バンク)を増幅し、細胞を収集し、1×PBSで2回洗浄し、800rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集し、無菌生理食塩水で細胞を再懸濁し、細胞計数を行った。細胞濃度を1×10
7個/mlに調整し、6~8週齢のB-NDGマウスの右側脇皮下に100μlの細胞を接種し、7日目に、ホルママウスをランダムにグループ分けし、Ficoll分離により得られたヒトPBMC細胞を尾静脈転送し、各マウスに1×10
7個の細胞を接種する。翌日からPBSまたはマウスIgG対照抗体またはマウス由来抗体antibody4(250μg/匹))の腹腔内注射を行い、3日に1回投与し、合計5回治療する。3日ごとにマウス皮下腫瘍の長辺と短辺を測定し、マウスを重量測定する。経験式(腫瘍サイズ=長辺×短辺×短辺/2)に従って算出できる腫瘍サイズの結果を
図14に示す。その結果、マウス由来抗体(抗体4)は体内で皮下腫瘍の成長を抑制できることが判明した。
【0185】
実験によりELISAの方法でヒトPVRIGに対するヒト化抗体の結合の活性をさらに評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0186】
1×PBS(リン酸塩緩衝液)で組換えヒトPVRIG-ヒトIgG1 Fc融合タンパク質を1.0μg/mlに希釈し、100μl/ウェルで、96ウェルのELISAプレートを包み、4℃で一晩静置し、PBST(0.05%のTween20-PBS)で3回洗浄し、1%のBSAで閉鎖し、37℃で2時間インキュベートする。PBSTで3回洗浄し、それぞれ倍比希釈されたヒト化抗体を添加し、8個の濃度を設定し、ヒトIgG4(Biolegendから購入)を陰性対照とし、100μl/ウェルで、37℃で1時間インキュベートした。PBSTで3回洗浄し、各ウェルに100μlの西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で標識されたマウス抗ヒトIgG4-Fc抗体(Southern Biotechから購入、1:5000で希釈)を添加し、37℃で1時間インキュベートした。洗浄後各ウェルに100μlのTMBプライマー液を添加し、10~15分間発色を避け、100μl/ウェルで、停止液(2MのH
2SO
4)を添加し、終了直後に酵素マーカーで検出し、波長450nmの吸光値(OD450)を読み取り、その結果を
図15に示す。
【0187】
図15から分かるように、ヒト化抗体はすべてヒトPVRIGタンパク質に特異的に結合することができる。
【0188】
実験によりフローサイトメトリーでヒトPVRIGに対するヒト化抗体の結合の活性を評価した。
【0189】
293T-human PVRIG細胞系を収集して、1×PBSで洗浄して再懸濁した後、細胞計数を行った。その後、各1.5mlのEPチューブに2×10
5個の細胞を添加し、それぞれ異なる濃度の各ヒト化抗体を添加し、4℃で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。100μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、そして、AF647で標識されたマウス抗ヒトIgG-Fc抗体(Biolegendから購入)を添加し、4℃避光で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して2回洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。200μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、フローサイトメトリー(BD LSR II)を用いて検出し、解析統計の結果を
図16に示す。各ヒト化抗体はいずれも細胞膜表面のヒトPVRIGタンパク質に特異的に結合することができることが分かる。
【0190】
実験によりフローサイトメトリーでカニクイザルPVRIGに対するヒト化抗体の結合の活性を評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0191】
293T-カニクイザルPVRIG細胞系を収集し、1×PBSで洗浄して再懸濁した後、細胞計数を行った。その後、各1.5mlのEPチューブに2×10
5個の細胞を添加し、それぞれ異なる濃度の各ヒト化抗体を添加し、4℃で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。100μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、そして、AF647で標識されたマウス抗ヒトIgG-Fc抗体(Biolegendから購入)を添加し、4℃避光で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して2回洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。200μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、フローサイトメトリー(BD LSR II)を用いて検出し、解析統計の結果を
図17に示す。
【0192】
図17から分かるように、各ヒト化抗体はいずれも細胞膜表面のカニクイザルPVRIGタンパク質に特異的に結合することができる。
【0193】
実験によりフローサイトメトリーを用いてヒト化抗体によるヒトPVRIGとリガンドとの結合遮断の活性を評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0194】
293T-ヒトCD112細胞系を収集し、1×PBSで洗浄して再懸濁した後、細胞計数を行った。その後、各1.5mlのEPチューブに2×10
5個の細胞を添加し、それぞれヒト化抗体及び10μg/mlのヒトPVRIG-ヒトIgG1 Fc融合タンパク質を添加し、4℃で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。100μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、そして、AF647で標識されたマウス抗ヒトIgG-Fc抗体(Biolegendから購入)を添加し、4℃避光で30分間インキュベートし、その後、1×PBSを添加して2回洗浄し、3500rpmで5分間遠心分離し、細胞を収集する。200μlの1×PBSで細胞沈殿を再懸濁し、フローサイトメトリー(BD LSR II)を用いて検出する。解析統計の結果を
図18に示し、ヒト化抗体はいずれもヒトPVRIGとそのリガンドCD112との結合を効果的に遮断することができる。
【0195】
実験によりヒトPBMCの細胞毒性効果に対するヒト化抗体の促進をさらに評価した。実験の過程は以下の通りである。
【0196】
Ficoll(末梢血リンパ球分離液、GE Healthcare)遠心分離法を使用することにより、400g、30分間で、正常なヒト末梢血からリンパ球を分離し、1×PBSで再懸濁し、その後、ヒトPBMC細胞をエフェクター細胞とし、CFSE(Thermo Scientificから購入)で標識されたSW620大腸癌細胞系を標的細胞とし、25:1の有効ターゲット比に従って、96ウェルの円形底板に入れ、培養系においてそれぞれ10μg/mlのヒトIgG4を添加して対照抗体、マウス由来抗体(抗体4)及びヒト化抗体とし、250gで、4分間遠心分離し、そして、37℃で4時間インキュベートした。7AADで殺傷された腫瘍細胞を標識し、フローサイトメトリー(BD LSR II)を用いて検出し、解析統計の結果を
図19に示す。ヒト化抗体はいずれも腫瘍細胞に対するヒトPBMC細胞の殺傷を大幅に促進することができることが分かる。
【0197】
表面プラズモン共鳴(SPR)による親和性定数の測定:
表面プラズモン共鳴(Biacore)測定方法で本発明の抗体のヒトPVRIGに対する結合ダイナミクス及び解離平衡定数(KD)を測定する。簡単に言えば、ヒトPVRIG-ヒトIgG1 Fc融合タンパク質をCM5チップ上に包み、封入した後、CM5チップを介して異なる濃度の抗体溶液を固定流速で2分間結合させ、その後、解離バッファーに移し、6分間後、解離率の測定を行う。1:1結合モデルを用いてそのダイナミクスを解析する。
【0198】
上記のような実験では、測定して得られたマウス由来抗体の親和性は表1に示され、及び各ヒト化抗体の親和性は表2に示される。
【0199】
【0200】
【0201】
上記内容から分かるように、得られた抗体1~4及び対応する抗体4のヒト化抗体はいずれも優れたPVRIGの親和性を表現し、且つ優れた抗腫瘍効果を表現することができる。
【0202】
本明細書の記載において、用語「1つの実施例」、「幾つかの実施例」、「例示」、「具体的な例示」、又は「幾つかの例示」などの記載は、該実施例又は例示に記載の具体的な特徴、構造、材料又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本明細書において、上記の用語の例示的な表現は、同じ実施形態または例示を対象とする必要はない。また、記載された特定の特徴、構造、材料、または特性を、任意の複数の実施例または例示において適切な方法で組み合わせることができる。また、当業者は、矛盾することなく、本明細書に記載される異なる実施例または例示、ならびに異なる実施例または例示の特徴を結合して組み合わせることができる。
【0203】
以上、本発明の実施例を示し、説明したが、上記実施例は例示であり、本発明の限定とは理解できず、当業者は本発明の範囲内で上記実施例を変更、修正、置換、変形することができる。
【0204】
本願は、出願番号が202110250342.9、出願日が2021年03月08日の中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は援用により本願に組み込まれている。
【配列表】