(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20240605BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20240605BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20240605BHJP
G02F 1/1347 20060101ALI20240605BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240605BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240605BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240605BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240605BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02F1/13357
G02F1/1343
G02F1/1347
F21S2/00 480
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2023530443
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 JP2022024412
(87)【国際公開番号】W WO2022270444
(87)【国際公開日】2022-12-29
【審査請求日】2023-10-05
(31)【優先権主張番号】P 2021103584
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】池田 幸次朗
(72)【発明者】
【氏名】小糸 健夫
(72)【発明者】
【氏名】黒川 多惠
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-149000(JP,A)
【文献】特開2003-172912(JP,A)
【文献】特表2010-525388(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0177255(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/25657(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/13357
G02F 1/1343
G02F 1/1347
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指向性を有する光を出射する第1の光学素子及び第2の光学素子を有する光源と、
前記光源から照射される光を透過させる又は透過させつつ拡散させる1つの液晶光学素子と、
を有し、
前記光源は、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とが光の出射方向が異なるように配置され、
前記液晶光学素子は、
前記第1の光学素子の光の出射面に対向する第1の電極群と、
前記第2の光学素子の光の出射面に対向し、前記第1の電極群に隣接して設けられる第2の電極群と、
を有し、
前記第1の電極群は、第1の透明電極、及び前記第1の透明電極と交互に配置される第2の透明電極を有し、
前記第2の電極群は、第3の透明電極、及び前記第3の透明電極と交互に配置される第4の透明電極を有し、
前記第1の透明電極、及び前記第2の透明電極が交互に配置されるピッチは、前記第3の透明電極、及び前記第4の透明電極が交互に配置されるピッチと異なる、照明装置。
【請求項2】
前記第1の電極群、及び前記第2の電極群は、電気的に接続されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1の電極群、及び前記第2の電極群は、独立に電位を供給される、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1の透明電極、前記第2の透明電極、前記第3の透明電極、及び前記第4の透明電極は第1の方向に平行に配置される、請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1の電極群、及び前記第2の電極群が設けられる第1の基板と、
前記第1の基板に重なる第2の基板と、
前記第2の基板上に、前記第1の電極群に対向して設けられる第3の電極群と、
前記第2の基板上に、前記第2の電極群に対向して前記第3の電極群の隣に設けられる第4の電極群と、
を有する、請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第3の電極群は、第5の透明電極、及び前記第5の透明電極と交互に配置される第6の透明電極を有し、
前記第4の電極群は、第7の透明電極、及び前記第7の透明電極と交互に配置される第8の透明電極を有し、
第5の透明電極、前記第6の透明電極、前記第7の透明電極、及び前記第8の透明電極は、前記第1の方向と交差する第2の方向に平行に設けられる、
を有する、請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記液晶光学素子は、第1の液晶セル、第1の液晶セルに重なる第2の液晶セル、前記第2の液晶セルに重なる第3の液晶セル、及び前記第3の液晶セルに重なる第4の液晶セルを有し、
前記第1の液晶セル、前記第2の液晶セル、前記第3の液晶セル、及び前記第4の液晶セルのそれぞれは、前記第1の電極群、前記第2の電極群、前記第3の電極群、及び前記第4の電極群を有する、
請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記第2の液晶セルに含まれる前記第2の基板は、前記第1の液晶セルに含まれる前記第1の基板に重なり、
前記第3の液晶セルに含まれる前記第2の基板は、前記第2の液晶セルに含まれる前記第2の基板に重なり、
前記第4の液晶セルに含まれる前記第2の基板は、前記第2の液晶セルに含まれる前記第1の基板に重なる、請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1の透明電極及び前記第3の透明電極は、電気的に接続され、第1の電位を供給され、
前記第2の透明電極及び前記第4の透明電極は、電気的に接続され、第2の電位を供給され、
前記第5の透明電極及び前記第7の透明電極は、電気的に接続され、第3の電位を供給され、
前記第6の透明電極及び前記第8の透明電極は、電気的に接続され、第4の電位を供給される、請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記第1の光学素子、及び前記第2の光学素子の光の照射を制御する制御信号を、前記第1の光学素子、及び前記第2の光学素子に送信すると共に、
前記第1の透明電極及び前記第3の透明電極に前記第1の電位を供給し、前記第2の透明電極及び前記第4の透明電極に前記第2の電位を供給し、前記第5の透明電極及び前記第7の透明電極に前記第3の電位を供給し、前記第6の透明電極及び前記第8の透明電極に前記第4の電位を供給する、
制御回路を有する、請求項9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記制御回路は、前記第1の電位、前記第2の電位、前記第3の電位、前記第4の電位のそれぞれを、絶対値の異なる少なくとも3つの電位のうちの1つの電位とする、請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
前記第2の方向は、前記第1の方向と直交する方向である、請求項6に記載の照明装置。
【請求項13】
前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子は、端部断面において凸状の面を有する支持部材の上に設けられる、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項14】
前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子は、端部断面において凹状の面を有する支持部材の上に設けられる、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項15】
前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子のそれぞれは、電位を供給すると光を出射する発光素子を有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項16】
前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子のそれぞれは、光を集光する凸レンズを有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項17】
前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子のそれぞれは、光を前記液晶光学素子に入射させるように反射させる反射器を有する、請求項1に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、液晶の光学特性を利用し配光を制御する素子、及び液晶の光学特性を利用し配光を制御する素子を含む照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶に電圧を供給し液晶の屈折率を変化させ、焦点距離を電気的に制御する液晶を用いた光学素子(液晶光学素子)として、液晶レンズが知られている。例えば、特許文献1、及び特許文献2には、同心円状に電極が設けられた液晶セルを用いて、光源から放射される光の広がりを制御する照明装置が開示されている。また、例えば、特許文献3には、液晶に電圧を供給するための電極の形状を変えて配光を制御するビーム成形デバイスパターンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-317879号公報
【文献】特開2010-230887号公報
【文献】特開2014-160277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1又は特許文献2に記載された照明装置では、液晶レンズを利用し、光の拡がる分布、すなわち光の配光角を制御して集光することを目的としているに過ぎない。換言すれば、特許文献1又は特許文献2に記載された照明装置では、光の配光パターンが同心円状に限られていた。また、特許文献3に記載されたビーム成形デバイスは、液晶に印加する電極のパターンを変えて配光パターンを変化させるなど、光の配向パターンのバリエーションを得るためには、複雑な構成を有する液晶セルが必要とされ、量産性に乏しかった。
【0005】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑み、光の配光又は配光パターンを制御可能な液晶光学素子及び照明装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る照明装置は、指向性を有する光を出射する第1の光学素子及び第2の光学素子を有する光源と、前記光源から照射される光を透過させる又は透過させつつ拡散させる1つの液晶光学素子と、を有し、前記光源は、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とが光の出射方向が異なるように配置され、前記液晶光学素子は、前記第1の光学素子の光の出射面に第1の電極群と、前記第2の光学素子の光の出射面に対向し、前記第1の電極群に隣接して設けられる第2の電極群と、を有し、前記第1の電極群は、第1の透明電極、及び前記第1の透明電極と交互に櫛歯状に配置される第2の透明電極を有し、前記第2の電極群は、第3の透明電極、及び前記第3の透明電極と交互に櫛歯状に配置される第4の透明電極を有し、前記第1の透明電極、及び前記第2の透明電極が交互に配置されるピッチは、前記第3の透明電極、及び前記第4の透明電極が交互に配置されるピッチと異なる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る照明装置の模式的な端部断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る光学素子の模式的な端部断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る液晶光学素子の模式的な斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る液晶光学素子の模式的な端部断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る液晶光学素子の模式的な端部断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る液晶光学素子において、第1の基板上の第1の透明電極、第2の透明電極、第5の透明電極、第6の透明電極、第9の透明電極、及び第10の透明電極の配置を示す模式的な平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る液晶光学素子において、第2の基板上の第3の透明電極、第4の透明電極、第7の透明電極、第8の透明電極、第11の透明電極、及び第12の透明電極の配置を示す模式的な平面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る液晶光学素子において、液晶層の液晶の配向を示す模式的な端部断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る液晶光学素子において、液晶層の液晶の配向を示す模式的な端部断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る照明装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る液晶光学素子の透明電極の接続を説明するための模式的な平面図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る照明装置から出射された光において、相対輝度と極角との関係を示すグラフである。
【
図13】本発明の一実施形態に係る照明装置から出射された光において、相対輝度と極角との関係を示すグラフである。
【
図14】本発明の一実施形態に係る照明装置から出射された光において、相対輝度と極角との関係を示すグラフである。
【
図15】本発明の一実施形態に係る照明装置から出射された光において、相対輝度と極角との関係を示すグラフである。
【
図16】本発明の一実施形態に係る照明装置から出射された光において、相対輝度と極角との関係を示すグラフである。
【
図17】本発明の一実施形態に係る照明装置から出射された光において、相対輝度と極角との関係を示すグラフである。
【
図18】
図18(A)~
図28(H)に示される配光パターンは、本発明の一実施形態に係る照明装置から出射された光の配光パターンを示す模式図である。
【
図19】本発明の一実施形態に係る照明装置の端部断面図である。
【
図20】本発明の一実施形態に係る光学素子の端部断面図である。
【
図21】本発明の第2実施形態に係る照明装置の端部断面図である。
【
図22】本発明の第2実施形態に係る光源の平面図である。
【
図23】本発明の第3実施形態に係る照明装置の端部断面図である。
【
図24】本発明の第4実施形態に係る液晶光学素子において、第1の基板上の第1の透明電極、第2の透明電極、第5の透明電極、第6の透明電極、第9の透明電極、及び第10の透明電極の配置を示す模式的な平面図である。
【
図25】本発明の第4実施形態に係る液晶光学素子において、第2の基板上の第3の透明電極、第4の透明電極、第7の透明電極、第8の透明電極、第11の透明電極、及び第12の透明電極の配置を示す模式的な平面図である。
【
図26】本発明の第4実施形態に係る液晶光学素子の透明電極の接続を説明するための模式的な平面図である。
【
図27】本発明の第5実施形態に係る光源の平面図である。
【
図28】
図28(A)~
図28(F)に示される配光パターンは、本発明の第5実施形態に係る照明装置から出射された光の配光パターンを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号、数字の後にa、b、A、Bなどのアルファベット、又は、数字の後にハイフンと数字を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。さらに各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有しない。
【0009】
本明細書において、ある部材又は領域が他の部材又は領域の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限りこれは他の部材又は領域の直上(又は直下)にある場合のみでなく他の部材又は領域の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の部材又は領域の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
【0010】
また、本明細書において、ある一つの膜を加工して複数の構造体を形成した場合、各々の構造体は異なる機能、役割を有する場合があり、また、各々の構造体はそれが形成される下地が異なる場合がある。しかしながら、これら複数の構造体は、同一の工程で同一層として形成された膜に由来するものであり、同一の材料を有する。従って、これら複数の膜は同一層に存在しているものと定義する。
【0011】
また、本明細書において「αはA、B又はCを含む」、「αはA,B及びCのいずれかを含む」、「αはA,B及びCからなる群から選択される一つを含む」、といった表現は、特に明示が無い限り、αはA乃至Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。さらに、これらの表現は、αが他の要素を含む場合も排除しない。
【0012】
<第1実施形態>
<1-1.照明装置30の構成>
図1は本発明の一実施形態に係る照明装置30の一例を示す模式的な端部断面図である。
図2は本発明の一実施形態に係る光学素子40の模式的な端部断面図である。
図1に示すように、照明装置30は、1つの液晶光学素子10、及び光源20を含む。
【0013】
詳細は後述するが、液晶光学素子10は、第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、第4の液晶セル110d、第1の透明接着層130a、第2の透明接着層130b、第3の透明接着層130cを有する。第1の透明接着層130aは、第1の液晶セル110aと第2の液晶セル110bとの間に設けられ、第2の透明接着層130bは、第2の液晶セル110bと第3の液晶セル110cとの間に設けられ、第3の透明接着層130cは、第3の液晶セル110cと第4の液晶セル110dとの間に設けられている。第1の液晶セル110a、第1の透明接着層130a、第2の液晶セル110b、第2の透明接着層130b、第3の液晶セル110c、第3の透明接着層130c、及び第4の液晶セル110dはz軸方向に積層されている。
【0014】
第1の透明接着層130aは、第1の液晶セル110aと第2の液晶セル110bとを接着し、固定する。第1の透明接着層130aと同様に、第2の透明接着層130bは第2の液晶セル110bと第3の液晶セル110cとを接着し、固定し、第3の透明接着層130cは、第3の液晶セル110cと第4の液晶セル110dとを接着し、固定する。
【0015】
第1の透明接着層130a、第2の透明接着層130b、及び第3の透明接着層130cを形成する材料は、光学弾性樹脂を用いることができる。光学弾性樹脂は、例えば、透光性を有するアクリル樹脂を含む接着材である。
【0016】
光源20は、光学素子40、及び支持部材50aを有する。光源20は、液晶光学素子10の第1の液晶セル110aの下方に配置されている。したがって、光源20から出射された光は、第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dを順に透過する。
【0017】
支持部材50aは、光学素子40を支持(固定)する役割を有する。支持部材50aは曲面を有し、断面視において、凸状の形状を有する。支持部材50aは、例えば、ポリカーボネート基板(PCB基板)、セラミック基板、又はアルミニウム、銅などの金属材料をベースとした金属基板を用いることができる。
【0018】
本実施形態では、光学素子40は、第1の光学素子40a、第2の光学素子40b、及び第3の光学素子40cから構成される。第1の光学素子40a、第2の光学素子40b、及び第3の光学素子40cは、平面視においてx軸方向又はy軸方向に平行又は略平行に配置される。本実施形態では、第1の光学素子40aは第2の光学素子40bの隣に配置され、第2の光学素子40bは第3の光学素子40cの隣に配置される。なお、本実施形態では、光学素子は光学部と呼ばれる場合がある。
【0019】
第1の光学素子40a、第2の光学素子40b、及び第3の光学素子40cは、支持部材50aの曲面に実装される。第1の光学素子40a、第2の光学素子40b、及び第3の光学素子40cは、光の出射方向に指向性を有する。第1の光学素子40a、第2の光学素子40b、及び第3の光学素子40cは、光の出射方向が異なるように配置される。光学素子40が出射する光は曲面に接する面に対して垂直な方向に出射される。例えば、各光学素子が
図1に示すように配置されると、第1の光学素子40aはz軸方向に対して右斜め方向に光180aを出射し、第2の光学素子40bはz軸方向に対して平行又は略平行に光180bを出射し、第3の光学素子40cはz軸方向に対して左斜め方向に光180cを出射する。第1の光学素子40a、第2の光学素子40b、及び第3の光学素子40cのそれぞれにおいて、光が出射される方向を含む面は光の出射面と呼ばれる場合がある。
【0020】
本実施形態では、光学素子40と液晶光学素子10とが
図1に示すように配置される。換言すると、第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40cの光の出射方向が異なる3つの光学素子に対して1つの液晶光学素子10が
図1に示すように配置される。その結果、3つの光学素子が、左側用光源、センター用の光源及び右側用光源として使用され、液晶光学素子10が各光学素子から出射された方向の異なる光を透過させるか又は透過させつつ拡散させることができる。その結果、本実施形態に係る照明装置30は、光の配光及び配光パターンを様々に制御することができる。
【0021】
なお、本実施形態では、光源20が3つの光学素子(第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40c)から構成されるが、光源20の構成は、本実施形態に係る構成に限定されない。例えば、光源20は、光の出射方向の異なる少なくとも2つ以上の光学素子から構成されればよい。光源20が光の出射方向の異なる少なくとも2つ以上の光学素子から構成されることで、液晶光学素子10が各光学素子から出射された方向の異なる光を透過させる又は透過させつつ拡散させ、本実施形態に係る照明装置30は光の配光及び配光パターンを様々に制御することができる。
【0022】
図2に示すように、第1の光学素子40a、第2の光学素子40b、及び第3の光学素子40cのそれぞれは、例えば、発光素子210及び反射器220から構成される。
【0023】
発光素子210は、例えば、電球、蛍光灯、冷陰極管、発光ダイオード(LED)、又はレーザダイオード(LD)である。本実施形態では、発光素子210は、LEDである。LEDの発光効率は、一般的に、電球、蛍光灯などより高い。よって、LEDを用いた照明装置30は、高輝度及び低消費電力な照明装置である。なお、LED及びLDは、それぞれ、有機発光ダイオード(OLED)及び有機レーザダイオード(OLD)を含む。
【0024】
反射器220は、発光素子210から出射された光を反射し、反射した光を液晶光学素子10に入射させることができる。反射器220の形状は、例えば、
図2に示すような略円錐形であるが、反射器220の形状は略円錐形に限定されない。また、反射器220の表面は平面であってよく、曲面であってもよい。
【0025】
<1-2.液晶光学素子10の構成>
図3は、本発明の一実施形態に係る液晶光学素子10の模式的な斜視図である。
図3に示すように、液晶光学素子10は、第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dを含む。第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dは、z軸方向に積層されている。第2の液晶セル110bは、第1の液晶セル110a上に設けられている。第3の液晶セル110cは、第2の液晶セル110b上に設けられている。第4の液晶セル110dは、第3の液晶セル110c上に設けられている。
【0026】
図4及び
図5は、本発明の一実施形態に係る液晶光学素子10の模式的な断面図である。具体的には、
図4は、
図3に示すA1-A2線に沿って切断されたzx面内の模式的な断面図であり、
図5は、
図3に示すB1-B2線に沿って切断されたyz面内の模式的な断面図である。本実施形態では、x軸方向、x軸方向と交差するy軸方向、x軸及びy軸と交差するz軸を、それぞれ、第1の方向、第2の方向、第3の方向と呼ぶ場合がある。また、x軸はy軸と直交し、z軸はxy平面(x軸及びy軸)に垂直である。
【0027】
第1の液晶セル110aは、第1の透明電極181a、第2の透明電極182a、第5の透明電極185a、第6の透明電極186a、第9の透明電極189a及び第10の透明電極190aが形成された第1の基板111aと、第3の透明電極183a、第4の透明電極184a、第7の透明電極187a、第8の透明電極188a、第11の透明電極191a及び第12の透明電極192aが形成された第2の基板121aと、を含む。
【0028】
第1の基板111a上には、第1の透明電極181a、第2の透明電極182a、第5の透明電極185a、第6の透明電極186a、第9の透明電極189a及び第10の透明電極190aを覆う第1の配向膜114aが形成されている。
【0029】
また、第2の基板121a上には、第3の透明電極183a、第4の透明電極184a、第7の透明電極187a、第8の透明電極188a、第11の透明電極191a及び第12の透明電極192aを覆う第2の配向膜124aが形成されている。
【0030】
また、第1の基板111a上の第1の透明電極181a及び第2の透明電極182aと、第2の基板121a上の第3の透明電極183a及び第4の透明電極184aとが対向する。第1の基板111a上の第5の透明電極185a及び第6の透明電極186aと、第2の基板121a上の第7の透明電極187a及び第8の透明電極188aとが対向する。第1の基板111a上の第9の透明電極189a及び第10の透明電極190aと、第2の基板121a上の第11の透明電極191a及び第12の透明電極192aとが対向する。
【0031】
シール材150aが、第1の基板111a及び第2の基板121aの各々の周辺部に設けられ、第1の基板111aと第2の基板121aとを接着している。液晶を含む液晶層160aが、第1の基板111a(より具体的には、第1の配向膜114a)、第2の基板121a(より具体的には、第2の配向膜124a)、及びシール材115で囲まれた空間に設けられている。
【0032】
第2の液晶セル110bは、第1の透明電極181b、第2の透明電極182b、第5の透明電極185b、第6の透明電極186b、第9の透明電極189b及び第10の透明電極190bが形成された第1の基板111bと、第3の透明電極183b、第4の透明電極184b、第7の透明電極187b、第8の透明電極188b、第11の透明電極191b及び第12の透明電極192bが形成された第2の基板121bと、を含む。
【0033】
第1の基板111b上には、第1の透明電極181b、第2の透明電極182b、第5の透明電極185b、第6の透明電極186b、第9の透明電極189b及び第10の透明電極190bを覆う第1の配向膜114bが形成されている。
【0034】
また、第2の基板121b上には、第3の透明電極183b、第4の透明電極184b、第7の透明電極187b、第8の透明電極188b、第11の透明電極191b及び第12の透明電極192bを覆う第2の配向膜124bが形成されている。
【0035】
また、第1の基板111b上の第1の透明電極181b及び第2の透明電極182bと、第2の基板121b上の第3の透明電極183b及び第4の透明電極184bとが対向する。第1の基板111b上の第5の透明電極185b及び第6の透明電極186bと、第2の基板121b上の第7の透明電極187b及び第8の透明電極188bとが対向する。第1の基板111b上の第9の透明電極189b及び第10の透明電極190bと、第2の基板121b上の第11の透明電極191b及び第12の透明電極192bとが対向する。
【0036】
シール材150bが、第1の基板111b及び第2の基板121bの各々の周辺部に設けられ、第1の基板111bと第2の基板121bとを接着している。液晶を含む液晶層160bが、第1の基板111b(より具体的には、第1の配向膜114b)、第2の基板121b(より具体的には、第2の配向膜124b)、及びシール材115で囲まれた空間に設けられている。
【0037】
第3の液晶セル110cは、第1の透明電極181c、第2の透明電極182c、第5の透明電極185c、第6の透明電極186c、第9の透明電極189c及び第10の透明電極190cが形成された第1の基板111cと、第3の透明電極183c、第4の透明電極184c、第7の透明電極187c、第8の透明電極188c、第11の透明電極191c及び第12の透明電極192cが形成された第2の基板121cと、を含む。
【0038】
第1の基板111c上には、第1の透明電極181c、第2の透明電極182c、第5の透明電極185c、第6の透明電極186c、第9の透明電極189c及び第10の透明電極190cを覆う第1の配向膜114cが形成されている。
【0039】
また、第2の基板121c上には、第3の透明電極183c、第4の透明電極184c、第7の透明電極187c、第8の透明電極188c、第11の透明電極191c及び第12の透明電極192cを覆う第2の配向膜124cが形成されている。
【0040】
また、第1の基板111c上の第1の透明電極181c及び第2の透明電極182cと、第2の基板121c上の第3の透明電極183c及び第4の透明電極184cとが対向する。第1の基板111c上の第5の透明電極185c及び第6の透明電極186cと、第2の基板121c上の第7の透明電極187c及び第8の透明電極188cとが対向する。第1の基板111c上の第9の透明電極189c及び第10の透明電極190cと、第2の基板121c上の第11の透明電極191c及び第12の透明電極192cとが対向する。
【0041】
シール材150cが、第1の基板111c及び第2の基板121cの各々の周辺部に設けられ、第1の基板111cと第2の基板121cとを接着している。液晶を含む液晶層160cが、第1の基板111c(より具体的には、第1の配向膜114c)、第2の基板121c(より具体的には、第2の配向膜124c)、及びシール材115cで囲まれた空間に設けられている。
【0042】
第4の液晶セル110dは、第1の透明電極181d、第2の透明電極182d、第5の透明電極185d、第6の透明電極186d、第9の透明電極189d及び第10の透明電極190dが形成された第1の基板111dと、第3の透明電極183d、第4の透明電極184d、第7の透明電極187d、第8の透明電極188d、第11の透明電極191d及び第12の透明電極192dが形成された第2の基板121dと、を含む。
【0043】
第1の基板111d上には、第1の透明電極181d、第2の透明電極182d、第5の透明電極185d、第6の透明電極186d、第9の透明電極189d及び第10の透明電極190dを覆う第1の配向膜114dが形成されている。
【0044】
また、第2の基板121d上には、第3の透明電極183d、第4の透明電極184d、第7の透明電極187d、第8の透明電極188d、第11の透明電極191d及び第12の透明電極192dを覆う第2の配向膜124dが形成されている。
【0045】
また、第1の基板111d上の第1の透明電極181d及び第2の透明電極182dと、第2の基板121d上の第3の透明電極183d及び第4の透明電極184dとが対向する。第1の基板111d上の第5の透明電極185d及び第6の透明電極186dと、第2の基板121d上の第7の透明電極187d及び第8の透明電極188dとが対向する。第1の基板111d上の第9の透明電極189d及び第10の透明電極190dと、第2の基板121d上の第11の透明電極191d及び第12の透明電極192dとが対向する。
【0046】
シール材150dが、第1の基板111d及び第2の基板121dの各々の周辺部に設けられ、第1の基板111dと第2の基板121dとを接着している。液晶を含む液晶層160dが、第1の基板111d(より具体的には、第1の配向膜114d)、第2の基板121d(より具体的には、第2の配向膜124d)、及びシール材115dで囲まれた空間に設けられている。
【0047】
第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dの基本的な構成は同じである。但し、第1の透明電極181、第2の透明電極182、第3の透明電極183、第4の透明電極184、第5の透明電極185、第6の透明電極186、第7の透明電極187、第8の透明電極188、第9の透明電極189、第10の透明電極190、第11の透明電極191及び第12の透明電極192の配置が異なる。
【0048】
第1の液晶セル110aでは、第1の透明電極181a、第2の透明電極182a、第5の透明電極185a、第6の透明電極186a、第9の透明電極189a及び第10の透明電極190aはy軸方向に延在し、第3の透明電極183a、第4の透明電極184a、第7の透明電極187a、第8の透明電極188a、第11の透明電極191a及び第12の透明電極192aはx軸方向に延在している。
【0049】
第1の透明電極181aと第2の透明電極182a、第5の透明電極185aと第6の透明電極186a、及び第9の透明電極189aと第10の透明電極190aは、x軸方向において交互に櫛歯状に配置されている。第3の透明電極183aと第4の透明電極184a、第7の透明電極187aと第8の透明電極188a、及び第11の透明電極191aと第12の透明電極192aは、第2の方向において交互に櫛歯状に配置されている。平面視において、第1の透明電極181a、第2の透明電極182a、第5の透明電極185a、第6の透明電極186a、第9の透明電極189a及び第10の透明電極190aの延在する方向(y軸方向)は、第3の透明電極183a、第4の透明電極184a、第7の透明電極187a、第8の透明電極188a、第11の透明電極191a及び第12の透明電極192aの延在する方向(x軸方向)と直交しているが、僅かにずれて交差していてもよい。
【0050】
第2の液晶セル110bでは、第1の透明電極181b、第2の透明電極182b、第5の透明電極185b、第6の透明電極186b、第9の透明電極189b及び第10の透明電極190bはy軸方向に延在し、第3の透明電極183b、第4の透明電極184b、第7の透明電極187b、第8の透明電極188b、第11の透明電極191b及び第12の透明電極192bはx軸方向に延在している。
【0051】
第1の透明電極181bと第2の透明電極182b、第5の透明電極185bと第6の透明電極186b、及び第9の透明電極189bと第10の透明電極190bは、x軸方向において交互に櫛歯状に配置されている。第3の透明電極183bと第4の透明電極184b、第7の透明電極187bと第8の透明電極188b、及び第11の透明電極191bと第12の透明電極192bは、第2の方向において交互に櫛歯状に配置されている。平面視において、第1の透明電極181b、第2の透明電極182b、第5の透明電極185b、第6の透明電極186b、第9の透明電極189b及び第10の透明電極190bの延在する方向(y軸方向)は、第3の透明電極183b、第4の透明電極184b、第7の透明電極187b、第8の透明電極188b、第11の透明電極191b及び第12の透明電極192bの延在する方向(x軸方向)と直交しているが、僅かにずれて交差していてもよい。
【0052】
第3の液晶セル110cでは、第1の透明電極181c、第2の透明電極182c、第5の透明電極185c、第6の透明電極186c、第9の透明電極189c及び第10の透明電極190cはy軸方向に延在し、第3の透明電極183c、第4の透明電極184c、第7の透明電極187c、第8の透明電極188c、第11の透明電極191c及び第12の透明電極192cはx軸方向に延在している。
【0053】
第1の透明電極181cと第2の透明電極182c、第5の透明電極185cと第6の透明電極186c、及び第9の透明電極189cと第10の透明電極190cは、x軸方向において交互に櫛歯状に配置されている。第3の透明電極183cと第4の透明電極184c、第7の透明電極187cと第8の透明電極188c、及び第11の透明電極191cと第12の透明電極192cは、第2の方向において交互に櫛歯状に配置されている。平面視において、第1の透明電極181c、第2の透明電極182c、第5の透明電極185c、第6の透明電極186c、第9の透明電極189c及び第10の透明電極190cの延在する方向(y軸方向)は、第3の透明電極183c、第4の透明電極184c、第7の透明電極187c、第8の透明電極188c、第11の透明電極191c及び第12の透明電極192cの延在する方向(x軸方向)と直交しているが、僅かにずれて交差していてもよい。
【0054】
第4の液晶セル110dでは、第1の透明電極181d、第2の透明電極182d、第5の透明電極185d、第6の透明電極186d、第9の透明電極189d及び第10の透明電極190dはy軸方向に延在し、第3の透明電極183d、第4の透明電極184d、第7の透明電極187d、第8の透明電極188d、第11の透明電極191d及び第12の透明電極192dはx軸方向に延在している。
【0055】
第1の透明電極181dと第2の透明電極182d、第5の透明電極185dと第6の透明電極186d、及び第9の透明電極189dと第10の透明電極190dは、x軸方向において交互に櫛歯状に配置されている。第3の透明電極183dと第4の透明電極184d、第7の透明電極187dと第8の透明電極188d、及び第11の透明電極191dと第12の透明電極192dは、第2の方向において交互に櫛歯状に配置されている。平面視において、第1の透明電極181d、第2の透明電極182d、第5の透明電極185d、第6の透明電極186d、第9の透明電極189d及び第10の透明電極190dの延在する方向(y軸方向)は、第3の透明電極183d、第4の透明電極184d、第7の透明電極187d、第8の透明電極188d、第11の透明電極191d及び第12の透明電極192dの延在する方向(x軸方向)と直交しているが、僅かにずれて交差していてもよい。
【0056】
平面視において、第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c及び第4の液晶セル110dに設けられる第1の透明電極181同士の延在する方向(y軸方向)は互いに一致又は略一致するように重畳している。第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c及び第4の液晶セル110dに設けられる同一名の透明電極も同様に、延在する方向(y軸方向又はx軸方向)は互いに一致又は略一致するように重畳している。なお、
図4及び
図5に示す如く、第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110bにおいては、各液晶セルを構成する上下一対の基板のうち下側の基板(光源側の基板)が第1の基板111a、111bとなっている。これに対し、第3の液晶セル110c及び第4の液晶セル110dにおいては、各液晶セルを形成する上下一対の基板のうち上側の基板が第1の基板111c、111dとなっている。
【0057】
第1の基板111a、第1の基板111b、第1の基板111c、第1の基板111d、第2の基板121a、第2の基板121b、第2の基板121c、及び第2の基板121dは、例えば、透光性を有する剛性基板、又は透光性を有する可撓性基板を用いることができる。透光性を有する剛性基板は、例えば、ガラス基板、石英基板、又はサファイア基板である。透光性を有する可撓性基板は、例えば、ポリイミド樹脂基板、アクリル樹脂基板、シロキサン樹脂基板、又はフッ素樹脂基板である。
【0058】
第1の透明電極181、第2の透明電極182、第3の透明電極183、第4の透明電極184、第5の透明電極185、第6の透明電極186、第7の透明電極187、第8の透明電極188、第9の透明電極189、第10の透明電極190、第11の透明電極191及び第12の透明電極192は、各液晶セルに含まれる液晶層160に電界を形成するための電極として機能する。第1の透明電極181、第2の透明電極182、第3の透明電極183、第4の透明電極184、第5の透明電極185、第6の透明電極186、第7の透明電極187、第8の透明電極188、第9の透明電極189、第10の透明電極190、第11の透明電極191及び第12の透明電極192を形成する材料は、例えば、透明導電材料である。透明導電材料は、例えば、インジウム・スズ酸化物(ITO)又はインジウム・亜鉛酸化物(IZO)である。
【0059】
液晶層160a、液晶層160b、液晶層160c及び液晶層160dは、液晶分子の配向状態に応じて、透過する光を屈折し、又は透過する光の偏光状態を変化させることができる。液晶層160a、液晶層160b、液晶層160c及び液晶層160dのそれぞれの層に含まれる液晶は、例えば、ねじれネマティック液晶を用いることができる。本実施形態では、一例として、液晶はポジ型ねじれネマティック液晶を用いているが、液晶分子の初期の配向方向を変更することによりネガ型ねじれネマティック液晶であってもよい。また、液晶は、液晶分子にねじれを付与するカイラル剤を含むことが好ましい。
【0060】
第1の配向膜114a、第1の配向膜114b、第1の配向膜114c、第1の配向膜114d、第2の配向膜124a、第2の配向膜124b、第2の配向膜124c及び第2の配向膜124dのそれぞれは、各液晶セルに含まれる液晶層160内の液晶分子を所定の方向に配列する。第1の配向膜114a、第1の配向膜114b、第1の配向膜114c、第1の配向膜114d、第2の配向膜124a、第2の配向膜124b、第2の配向膜124c及び第2の配向膜124dのそれぞれを形成する材料は、例えば、ポリイミド樹脂を用いることができる。
【0061】
第1の配向膜114a、第1の配向膜114b、第1の配向膜114c、第1の配向膜114d、第2の配向膜124a、第2の配向膜124b、第2の配向膜124c及び第2の配向膜124dは、配向処理によって配向特性を付与されてよい。配向処理は、例えば、ラビング法、又は光配向法を用いることができる。ラビング法は、配向膜の表面を一方向に擦る方法である。光配向法は、配向膜に直線偏光の紫外線を出射する方法である。
【0062】
シール材115は、例えば、エポキシ樹脂接着材、又はアクリル樹脂接着材を用いることができる。接着材は、紫外線硬化型であってもよく、熱硬化型であってもよい。
【0063】
液晶光学素子10は、少なくとも2つの液晶セル(例えば、第1の液晶セル110a及び第2の液晶セル110b)を含むことにより、無偏光の光の配光を制御することができる。そのため、第1の液晶セル110aの第1の基板111a及び第2の液晶セル110bの第2の基板121bの各表面、並びに、第3の液晶セル110cの第2の基板121c及び第4の液晶セル110dの第1の基板111bの各表面には、例えば、液晶表示素子の表裏面に設けられるような一対の偏光板を設ける必要はない。
【0064】
<1-3.透明電極の配置>
図6は本発明の一実施形態に係る液晶光学素子10において、第1の基板111上の第1の透明電極181、第2の透明電極182、第5の透明電極185、第6の透明電極186、第9の透明電極189、及び第10の透明電極190の配置を示す模式的な平面図である。
図7は、本発明の一実施形態に係る液晶光学素子において、第2の基板121上の第3の透明電極183、第4の透明電極184、第7の透明電極187、第8の透明電極188、第11の透明電極191、及び第12の透明電極192の配置を示す模式的な平面図である。なお、
図7において示される電極群や配線は、第2の基板121越しに視認されるものであるが、分かり易さを優先して
図7ではこれらを実線で示している。後述の
図25においても同様である。
【0065】
図6に示す透明電極の構成では、第1の電極群117-1、第2の電極群117-3、及び第3の電極群117-5が第1の基板111上に設けられる。第2の電極群117-3は第1の電極群117-1と第3の電極群117-5との間に設けられる。また、第1の電極群117-1は第1の光学素子40a及び第1の光学素子40aの光の出射面に対向するように設けられ、第2の電極群117-3は第2の光学素子40b及び第2の光学素子40bの光の出射面に対向するように設けられ、第3の電極群117-5は第3の光学素子40c及び第3の光学素子40cの光の出射面に対向するように設けられる。
【0066】
第1の電極群117-1は、第1の透明電極181、及び第2の透明電極182を含む。第1の電極群117-1は、第1の透明電極181、及び第2の透明電極182に電位を供給され、例えば、右側用光源として用いられる第1の光学素子40a(
図1)から出射される光を透過させるか又は透過させつつ拡散させる機能を有する。第1の透明電極181、及び第2の透明電極182は、x軸方向に交互に配置され、y軸方向に延在している。第1の透明電極181の電極の幅、及び第2の透明電極182の電極の幅は、x軸方向に第1の幅w
1である。第1の透明電極181と第2の透明電極182とのx軸方向の電極間距離(電極間隔)は、第1の電極間距離s
1である。第1の透明電極181と第2の透明電極182との電極間のピッチは第1のピッチp
1であり、第1のピッチp
1はp
1=w
1+s
1を満たす。
【0067】
第1の透明電極181及び第2の透明電極182は、それぞれ、第1の基板111上に形成された第1の配線116-1及び第2の配線116-2と電気的に接続されている。第1の配線116-1は、第1の透明電極181の下に形成されてよく、第1の透明電極181の上に形成されてもよい。また、第1の配線116-1は、第1の透明電極181と同じ層に形成されてよい。第2の配線116-2は、第2の透明電極182の下に形成されてよく、第2の透明電極182の上に形成されてもよい。また、第2の配線116-2は、第2の透明電極182と同じ層に形成されてよい。本実施形態では、第1の透明電極181、第2の透明電極182、第1の配線116-1及び第2の配線116-2は同じ層に形成されている。
【0068】
第2の電極群117-3は、第5の透明電極185、及び第6の透明電極186を含む。第2の電極群117-3は、第5の透明電極185、及び第6の透明電極186に電位を供給され、例えば、センター用光源として用いられる第2の光学素子40b(
図1)から出射される光を透過させるか又は透過させつつ拡散させる機能を有する。第5の透明電極185、及び第6の透明電極186は、x軸方向に交互に配置され、y軸方向に延在している。第5の透明電極185の電極の幅、及び第6の透明電極186の電極の幅は、x軸方向に第2の幅w
2である。第5の透明電極185と第6の透明電極186とのx軸方向の電極間距離(電極間隔)は、第2の電極間距離s
2である。第5の透明電極185と第6の透明電極186との電極間のピッチは第2のピッチp
2であり、第2のピッチp
2はp
2=w
2+s
2を満たす。
【0069】
第5の透明電極185及び第6の透明電極186は、それぞれ、第1の基板111上に形成された第1の配線116-1及び第2の配線116-2と電気的に接続されている。第1の配線116-1は、第5の透明電極185の下に形成されてよく、第5の透明電極185の上に形成されてもよい。また、第1の配線116-1は、第5の透明電極185と同じ層に形成されてよい。第2の配線116-2は、第6の透明電極186の下に形成されてよく、第6の透明電極186の上に形成されてもよい。また、第2の配線116-2は、第6の透明電極186と同じ層に形成されてよい。本実施形態では、第5の透明電極185、第6の透明電極186、第1の配線116-1及び第2の配線116-2は同じ層に形成されている。
【0070】
第5の透明電極185及び第6の透明電極186の第2の幅w2、第2の電極間距離s2、及び第2のピッチp2は、第1の透明電極181及び第2の透明電極182の第1の幅w1、第1の電極間距離s1、及び第1のピッチp1より狭い。
【0071】
第3の電極群117-5は、第9の透明電極189、及び第10の透明電極190を含む。第3の電極群117-5は、第9の透明電極189、及び第10の透明電極190に電位を供給され、例えば、左側用光源として用いられる第3の光学素子40c(
図1)から出射される光を透過させる又は透過させつつ拡散させる機能を有する。第9の透明電極189、及び第10の透明電極190は、第1の透明電極181、及び第2の透明電極182と同様の構成及び機能を有するため、ここでの詳細な説明は省略される。なお、第1の電極群117-1と第3の電極群117-5とは、機能が入れ替わってもよい。
【0072】
第1の配向膜114aは、x軸方向(
図6において白抜きの矢印で示す方向)に配向処理が行われている。この場合、液晶層160aを構成する液晶分子のうち、第1の基板111側の液晶分子の長軸は、x軸方向に沿って配向する。すなわち、第1の配向膜114aの配向方向(x軸方向)と第1の透明電極181、第2の透明電極182、第5の透明電極185、第6の透明電極186、第9の透明電極189及び第10の透明電極190の延在する方向(y軸方向)は、直交している。
【0073】
図7に示す透明電極の構成では、第4の電極群117-2、第5の電極群117-4、及び第6の電極群117-6が第2の基板121上に設けられる。第5の電極群117-4は第4の電極群117-2と第6の電極群117-6との間に設けられる。また、第4の電極群117-2は第1の光学素子40a及び第1の光学素子40aの光の出射面に対向するように設けられ、第5の電極群117-4は第2の光学素子40b及び第2の光学素子40bの光の出射面に対向するように設けられ、第6の電極群117-6は第3の光学素子40c及び第3の光学素子40cの光の出射面に対向するように設けられる。
【0074】
第4の電極群117-2は、第3の透明電極183、及び第4の透明電極184を含む。第4の電極群117-2は、第3の透明電極183、及び第4の透明電極184に電位を供給され、例えば、右側用光源として用いられる第1の光学素子40a(
図1)から出射される光を透過させるか又は透過させつつ拡散させる機能を有する。第3の透明電極183、及び第4の透明電極184は、y軸方向に交互に配置され、x軸方向に延在している。第3の透明電極183の電極の幅、及び第4の透明電極184の電極の幅は、x軸方向に第3の幅w
3である。第3の透明電極183と第4の透明電極184とのx軸方向の電極間距離(電極間隔)は、第3の電極間距離s
3である。第3の透明電極183と第4の透明電極184との電極間のピッチは第3のピッチp
3であり、第3のピッチp
3はp
3=w
3+s
3を満たす。
【0075】
第3の透明電極183、及び第4の透明電極184は、それぞれ、第2の基板121上に形成された第3の配線116-3及び第4の配線116-4と電気的に接続されている。第3の配線116-3は、第3の透明電極183の下に形成されてよく、第3の透明電極183の上に形成されてもよい。また、第3の配線116-3は、第3の透明電極183と同じ層に形成されてよい。第4の配線116-4は、第4の透明電極184の下に形成されてよく、第4の透明電極184の上に形成されてもよい。また、第4の配線116-4は、第4の透明電極184と同じ層に形成されてよい。本実施形態では、第3の透明電極183、第4の透明電極184、第3の配線116-3及び第4の配線116-4は同じ層に形成されている。
【0076】
第5の電極群117-4は、第7の透明電極187、及び第8の透明電極188を含む。第5の電極群117-4は、第7の透明電極187、及び第8の透明電極188に電位を供給され、例えば、センター用光源として用いられる第2の光学素子40b(
図1)から出射される光を透過させるか又は透過させつつ拡散させる機能を有する。第7の透明電極187、及び第8の透明電極188は、y軸方向に交互に配置され、x軸方向に延在している。第7の透明電極187の電極の幅、及び第8の透明電極188の電極の幅は、x軸方向に第4の幅w
4である。第7の透明電極187と第8の透明電極188とのx軸方向の電極間距離(電極間隔)は、第4の電極間距離s
4である。第7の透明電極187と第8の透明電極188との電極間のピッチは第4のピッチp
4であり、第4のピッチp
4はp
4=w
4+s
4を満たす。
【0077】
第7の透明電極187及び第8の透明電極188は、それぞれ、第2の基板121上に形成された第3の配線116-3及び第4の配線116-4と電気的に接続されている。第3の配線116-3は、第7の透明電極187の下に形成されてよく、第7の透明電極187の上に形成されてもよい。また、第3の配線116-3は、第7の透明電極187と同じ層に形成されてよい。第4の配線116-4は、第8の透明電極188の下に形成されてよく、第8の透明電極188の上に形成されてもよい。また、第4の配線116-4は、第8の透明電極188と同じ層に形成されてよい。本実施形態では、第7の透明電極187、第8の透明電極188、第3の配線116-3及び第4の配線116-4は同じ層に形成されている。
【0078】
第7の透明電極187及び第8の透明電極188の第4の幅w4、第4の電極間距離s4、及び第4のピッチp4は、第3の透明電極183、及び第4の透明電極184の第3の幅w3、第3の電極間距離s3、及び第3のピッチp3より狭い。
【0079】
第6の電極群117-6は、第11の透明電極191、及び第12の透明電極192を含む。第6の電極群117-6は、第11の透明電極191、及び第12の透明電極192に電位を供給され、例えば、左側用光源として用いられる第3の光学素子40c(
図1)から出射される光を透過させるか又は透過させつつ拡散させる機能を有する。第11の透明電極191、及び第12の透明電極192は、第3の透明電極183、及び第4の透明電極184と同様の構成及び機能を有するため、ここでの詳細な説明は省略される。なお、第4の電極群117-2と第6の電極群117-6とは、機能が入れ替わってもよい。
【0080】
第2の配向膜124は、y軸方向(
図7において白抜きの矢印で示す方向)に配向処理が行われている。この場合、液晶層160を構成する液晶分子のうち、第2の基板121側の液晶分子の長軸は、y軸方向に沿って配向する。すなわち、第2の配向膜124の配向方向(y軸方向)と第3の透明電極183、第4の透明電極184、第7の透明電極187、第8の透明電極188、第11の透明電極191及び第12の透明電極192の延在する方向(x軸方向)は、直交している。
【0081】
第1の透明電極181と第2の透明電極182は、第1の基板111上に、第1のピッチp1を有した櫛歯状パターンで形成されているということができ、第5の透明電極185と第6の透明電極186は、第1の基板111上に、第2のピッチp2を有した櫛歯状パターンで形成されているということができ、第9の透明電極189と第10の透明電極190は、第1の基板111上に第1のピッチp1を有した櫛歯状パターンで形成されているということができる。同様に、第3の透明電極183と第4の透明電極184は、第2の基板121上に、第3のピッチp3を有した櫛歯状パターンで形成されているということができ、第7の透明電極187と第8の透明電極188は、第2の基板121上に、第4のピッチp4を有した櫛歯状パターンで形成されているということができ、第11の透明電極191と第12の透明電極192は、第2の基板121上に、第3のピッチp3を有した櫛歯状パターンで形成されているということができる。
【0082】
第1の液晶セル110aにおいて、第1の透明電極181及び第2の透明電極182と、第3の透明電極183及び第4の透明電極184とは、液晶層113を介して対向し、第5の透明電極185及び第6の透明電極186と、第7の透明電極187及び第8の透明電極188とは、液晶層113を介して対向し、第9の透明電極189及び第10の透明電極190と、第11の透明電極191及び第12の透明電極192とは、液晶層113を介して対向している。
【0083】
ここで、第1の透明電極181、第2の透明電極182、第5の透明電極185、第6の透明電極186、第9の透明電極189及び第10の透明電極190の延在する方向(y軸方向)は、第3の透明電極183、第4の透明電極184、第7の透明電極187、第8の透明電極188、第11の透明電極191及び第12の透明電極192の延在する方向(x軸方向)と直交している。換言すると、第1の基板111上に形成される櫛歯状の電極パターンと、第2の基板121上に形成される櫛歯状の電極パターンとは、平面視で互いに直交している。
【0084】
また、第1の基板111には、第5の配線116-5、及び第6の配線116-6が形成されている。第1の基板111が第2の基板121と貼り合わされると、第3の配線116-3及び第4の配線116-4は、それぞれ、第1の基板111に設けられる第5の配線116-5及び第6の配線116-6と電気的に接続される。なお、
図4及び
図5に示されるように、
図6及び
図7に示される各電極は、各基板に対して、透明接着層と接する面と反対側の液晶層が設けられる面に設けられる。換言すると、
図6及び
図7に示される各電極は、各基板に対して、液晶層を介して互いに対向する面(対向面)に設けられる。例えば、液晶光学素子10の光の出射側(z軸方向において、光源20が設けられる側と反対側)から第1の基板111を平面視すると、
図6に示される各電極は、第1の液晶セル110aでは、第1の基板111aの表面(対向面)に設けられ、第3の液晶セル110cでは、第1の基板111cの裏面(対向面)に設けられる。例えば、液晶光学素子10の光の出射側から第2の基板121を平面視すると、
図7に示される各電極は、第1の液晶セル110aでは、第2の基板121aの裏面(対向面)に設けられ、第3の液晶セル110cでは、第2の基板121cの表面(対向面)に設けられる。
【0085】
第3の配線116-3と第5の配線116-5、及び、第4の配線116-4と第6の配線116-6は、例えば、銀ペースト又は導電粒子を用いて、電気的に接続することができる。なお、導電粒子は金属を被覆した粒子を含む。
【0086】
本実施形態では、第1の透明電極181と第2の透明電極182とが交互に配置された第1の方向と、第3の透明電極183と第4の透明電極184とが交互に配置された第2の方向とは、直交しているが、これらは交差していればよい。同様に、第5の透明電極185と第6の透明電極186とが交互に配置された第1の方向と、第7の透明電極187と第8の透明電極188とが交互に配置された第2の方向とは、直交しているが、これらは交差していればよく、第9の透明電極189と第10の透明電極190とが交互に配置された第1の方向と、第11の透明電極191と第12の透明電極192とが交互に配置された第2の方向とは、直交しているが、これらは交差していればよい。当該交差角度は、90度はもちろん、90±10度の範囲が好ましく、より好ましくは90±5度の範囲である。
【0087】
第1の基板111の第2の基板121に対向する側、又は、第2の基板121の第1の基板111に対向する側には、第1の基板111と第2の基板121との間隔を保持するためのフォトスペーサが形成されている(図示は省略)。
【0088】
第1の配線116-1、第2の配線116-2、第3の配線116-3、第4の配線116-4、第5の配線116-5、及び第6の配線116-6を形成する材料は、金属材料、又は透明導電材料を用いることができる。金属材料、又は透明導電材料は、例えば、アルミニウム、モリブデン、インジウム・スズ酸化物(ITO)、又はインジウム・亜鉛酸化物(IZO)である。なお、第1の配線116-1、第2の配線116-2、第3の配線116-3、第4の配線116-4、第5の配線116-5、及び第6の配線116-6は、外部装置と接続するための端子が設けられてよく、第1の配線116-1、第2の配線116-2、第3の配線116-3、第4の配線116-4、第5の配線116-5、及び第6の配線116-6が、外部装置と接続するための端子であってもよい。
【0089】
第1の配線116-1、第2の配線116-2、第5の配線116-5(又は第3の配線116-3)、及び第6の配線116-6(又は第4の配線116-4)は、互いに電気的に絶縁されている。したがって、第1の液晶セル110aでは、第1の透明電極181a、第5の透明電極185a、及び第9の透明電極189aと、第2の透明電極182a、第6の透明電極186a、及び第10の透明電極190aと、第3の透明電極183a、第7の透明電極187a、及び第11の透明電極191aと、第4の透明電極184a、第8の透明電極188a、及び第12の透明電極192aとを独立に制御し、各透明電極を用いて、液晶層113の液晶分子の配向を制御することができる。例えば、第1の透明電極181a、第5の透明電極185a、及び第9の透明電極189aは第1の電位V1を供給され、第2の透明電極182a、第6の透明電極186a、及び第10の透明電極190aは第2の電位V2を供給され、第3の透明電極183a、第7の透明電極187a、及び第11の透明電極191aは第3の電位V3を供給され、第4の透明電極184a、第8の透明電極188a、及び第12の透明電極192aは第4の電位V4を供給される。なお、第1の電位V1、第2の電位V2、第3の電位V3、第4の電位V4は、互いに異なる電位であってよく、同じ電位であってもよい。
【0090】
本実施形態に係る照明装置30は、第1の基板111の第1の電極群117-1に含まれる第1の透明電極181及び第2の透明電極182と、第2の基板121の第4の電極群117-2に含まれる第3の透明電極183及び第4の透明電極184とが交差することで、各透明電極に供給する電位を制御して液晶層113の液晶の配向を制御することができる。また、本実施形態に係る照明装置30は、第1の基板111の第2の電極群117-3に含まれる第5の透明電極185及び第6の透明電極186と、第2の基板121の第5の電極群117-4に含まれる第7の透明電極187及び第8の透明電極188とが交差することで、各透明電極に供給する電位を制御して液晶層113の液晶の配向を制御することができる。また、本実施形態に係る照明装置30は、第1の基板111の第3の電極群117-5に含まれる第9の透明電極189及び第10の透明電極190と、第2の基板121の第6の電極群117-6に含まれる第11の透明電極191及び第12の透明電極192とが交差することで、各透明電極に供給する電圧を制御して液晶層113の液晶の配向を制御することができる。その結果、液晶光学素子10は、第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40cから出射された3つの異なる方向からの光を、第1の電極群117-1及び第4の電極群117-2を用いて右側に透過させるか又は透過させつつ拡散させ、第2の電極群117-3及び第5の電極群117-4を用いてセンターに透過させるか又は透過させつつ拡散させ、第3の電極群117-5及び第6の電極群117-6を用いて左側に透過させるか又は透過させつつ拡散させることができる。
【0091】
また、本実施形態に係る液晶光学素子10では、第1の基板111のセンター又は略センターに設けられた第2の電極群117-3、及び第2の基板121のセンター又は略センターに設けられた第5の電極群117-4の透明電極の当該電極の幅、電極間距離、及び電極間のピッチを狭くすることで、第2の電極群117-3及び第5の電極群117-4に設けられた透明電極に電位を供給した際に、液晶が配向する範囲を狭い範囲で制御することができる。すなわち、本実施形態に係る液晶光学素子10では、同様の透明電極配置を有する第1の液晶セル110aと第2の液晶セル110bとが積層され、センター又は略センターに拡散する光のx軸方向への光の拡散度合いをより細かく制御することができる。また、本実施形態に係る液晶光学素子10では、同様の透明電極配置を有する第1の液晶セル110aと第2の液晶セル110bの上に、同様の透明電極配置を有する第3の液晶セル110cと第4の液晶セル110dとが積層され、センター又は略センターに拡散する光のy軸方向への光の拡散度合いもより細かく制御することができる。その結果、センター又は略センターに配置された第2の光学素子40bからの光を、左右上下方向により細かく拡散させ、左右上下方向への配光及び配光パターンをより細かく制御することができる。
【0092】
また、本実施形態に係る液晶光学素子10では、第2の透明電極182の端部、第6の透明電極186の端部、及び第10の透明電極190の端部は、第1の配線116-1から距離d1離れて配置されている。第1の透明電極181の端部、第5の透明電極185の端部、及び第9の透明電極189の端部は、第2の配線116-2との距離d2離れて配置されている。第4の透明電極184の端部は、第3の配線116-3と距離d3離れて配置されている。第8の透明電極188の端部は、第3の配線116-3と距離d5離れて配置されている。第12の透明電極192の端部は、第3の配線116-3と距離d7離れて配置されている。第3の透明電極183の端部は、第4の配線116-4と距離d4離れて配置されている。第7の透明電極187の端部は、第4の配線116-4と距離d6離れて配置されている。第11の透明電極191の端部は、第4の配線116-4と距離d8離れて配置されている。距離d1及び距離d2が第1の電極間距離s1及び第2の電極間距離幅s2より大きい。距離d3、距離d4、距離d5、距離d6、距離d7、及び距離d8が第3の電極間距離s3及び第4の電極間距離幅s4より大きい。透明電極の端部が、透明電極同士を接続する配線116と離れて配置されることによって、透明電極間で発生する横電界の大きさに対して、透明電極の端部と配線116との間で発生する電界を無視できるレベルまで低減することができる。よって、本実施形態に係る照明装置30では、透明電極の端部と配線116との間で発生する電界の影響を抑制することができる。本実施形態では、隣接する透明電極間に生じる電界を横電界と呼ぶ場合がある。
【0093】
<1-4.液晶光学素子10による光の配光の制御>
図8及び
図9は、本発明の一実施形態に係る液晶光学素子10において、液晶層160aの液晶分子の配向を示す模式的な端部断面図である。
図8及び
図9は、それぞれ、
図3に示すA1-A2線に沿った第1の液晶セル110a及び第2の液晶セル110bの端部断面図の一部に対応するものである。以下の説明では、主に、第1の液晶セル110a又は第2の液晶セル110bの構成を説明する。
【0094】
図8では、第1の透明電極181a、第2の透明電極182a、第4の透明電極184a、第1の透明電極181b、第2の透明電極182b、及び第4の透明電極184bに電位が供給されていない状態の液晶光学素子10が示されている。
図9では、第1の透明電極181a、第2の透明電極182a、第4の透明電極184a、第1の透明電極181b、第2の透明電極182b、及び第4の透明電極184bに電位が供給されている状態の液晶光学素子10が示されている。具体的には、第1の液晶セル110aの第1の透明電極181a及び第4の透明電極184aにLow電位が供給され、第2の透明電極182a及び第3の透明電極183a(図示は省略)にHigh電位が供給されている。同様に、第2の液晶セル110bの第1の透明電極181b及び第4の透明電極184bにLow電位が供給され、第2の透明電極182b及び第3の透明電極183b(図示は省略)にHigh電位が供給されている。
図9では、便宜上、Low電位及びHigh電位を、それぞれ、「-」及び「+」の記号を用いて図示している。本実施形態では、隣接する透明電極間に生じる電界を横電界と呼ぶ場合がある。
【0095】
第1の配向膜114aはx軸方向に配向処理されている。
図8に示すように、液晶層160aの第1の基板111a側の液晶分子の長軸は、x軸方向に配向する。すなわち、第1の基板111a側の液晶分子の配向方向は、第1の透明電極181a及び第2の透明電極182aの延在する方向(y軸方向)に直交する方向である。また、第2の配向膜124aはy軸方向に配向処理されている。また、液晶層160aの第2の基板121a側の液晶分子の長軸は、y軸方向に配向する。すなわち、液晶層160aの第2の基板121a側の液晶分子の配向方向は、第4の透明電極184a及び第3の透明電極183a(
図7)の延在する方向(x軸方向)に直交する方向である。したがって、液晶層160aの液晶分子は、第1の基板111aから第2の基板121aに向かうにつれて徐々に長軸の向きをx軸方向からy軸方向に変化し、90度ねじれた状態で配向している。
【0096】
透明電極に電位が供給されると、
図9に示すように、液晶分子の配向方向が変化する。液晶層160aの第1の透明電極181aと第2の透明電極182aとの間の横電界の影響によって、液晶層160aの第1の基板111a側の液晶分子は、全体として、第1の基板111aに対してx軸方向に凸の円弧状に配向する。同様に、液晶層160aの第4の透明電極184aと第3の透明電極183aとの間の横電界の影響によって、液晶層160aの第2の基板121a側の液晶分子は、全体として、第2の基板121aに対してy軸方向に凸の円弧状に配向する。第1の透明電極181aと第2の透明電極182aとの間のほぼ中央に位置する液晶層160aの液晶分子は、いずれの横電界によっても配向がほとんど変化しない。よって、液晶層160aに入射した光は、第1の基板111a側のx軸方向に凸の円弧状に配向された液晶分子の屈折率分布にしたがってx軸方向に拡散され、第2の基板121a側のy軸方向に凸の円弧状に配向された液晶分子の屈折率分布にしたがってy軸方向に拡散される。
【0097】
なお、第1の基板111aと第2の基板121aとは、十分に離れた基板間距離を有しているため、第1の基板111aの第1の透明電極181aと第2の透明電極182aとの間の横電界は、第2の基板121a側の液晶分子の配向に対して影響を及ぼさないか、又は、無視できるほどに小さい。同様に、第2の基板121aの第4の透明電極184aと第3の透明電極183aとの間の横電界は、第1の基板111a側の液晶分子の配向に対して影響を及ぼさないか、又は、無視できるほどに小さい。
【0098】
第1の透明電極181b~第4の透明電極184bに電位が供給された場合における液晶層160bの液晶分子も、液晶層160aの液晶分子と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0099】
続いて、液晶光学素子10を透過する光の配光について説明する。光源から出射された光は、x軸方向の偏光成分(P偏光成分)及びy軸方向の偏光成分(S偏光成分)を有するが、以下では、便宜上、光をP偏光成分とS偏光成分とに分けて説明する。すなわち、光源から出射された光(
図8及び
図9中の(1)参照)は、P偏光成分を有する第1の偏光310及びS偏光成分を有する第2の偏光320を含む。なお、
図8及び
図9中の矢印の記号及び丸印にバツを付した記号は、それぞれ、P偏光成分及びS偏光成分を表している。なお、光源から出射された光は、液晶光学素子10に入射する光(入射光180)である。
【0100】
第1の偏光310は、第1の基板111aに入射した後、第2の基板121aに向かうにつれて、液晶分子の配向のねじれにしたがってP偏光成分からS偏光成分に変化する(
図8及び
図9中の(2)~(4)参照)。より具体的には、第1の偏光310は、第1の基板111a側ではx軸方向に偏光軸を有しているが、液晶層160aの厚さ方向に通過する過程でその偏光軸を徐々に変化させる。また、第1の偏光310は、第2の基板121a側ではy軸方向に偏光軸を有し、その後、第2の基板121a側から出射される(
図8及び
図9中の(5)参照)。
【0101】
ここで、第1の透明電極181aと第2の透明電極182aとの間に横電界が発生すると、当該横電界の影響で第1の基板111a側の液晶分子がx軸方向に凸の円弧状に配向し、屈折率分布が変化する。そのため、第1の偏光310は、当該液晶分子の屈折率分布にしたがって、x軸方向に拡散する。また、第4の透明電極184aと第3の透明電極183aとの間に横電界が発生すると、当該横電界の影響で第2の基板121a側の液晶分子がy軸方向に凸の円弧状に配向し、屈折率分布が変化する。そのため、第1の偏光310は、当該液晶分子の屈折率分布の変化にしたがって、y軸方向に拡散する。
【0102】
したがって、横電界が発生していない場合(
図8参照)、第1の液晶セル110aを透過する第1の偏光310は、偏光成分がP偏光成分からS偏光成分に変化する。一方、横電界が発生している場合(
図9参照)、第1の液晶セル110aを透過する第1の偏光310は、偏光成分がP偏光成分からS偏光成分に変化するとともに、x軸方向及びy軸方向に拡散する。
【0103】
第2の偏光320は、第1の基板111aに入射した後、第2の基板121aに向かうにつれて、液晶分子の配向のねじれにしたがってS偏光成分からP偏光成分に変化する(
図8及び
図9中の(2)~(4)参照)。より具体的には、第2の偏光320は、第1の基板111a側ではy軸方向に偏光軸を有しているが、液晶層160aの厚さ方向に通過する過程でその偏光軸を徐々に変化させる。また、第2の偏光320は、第2の基板121a側ではx軸方向に偏光軸を有し、その後、第2の基板121a側から出射される(
図8及び
図9中の(5)参照)。
【0104】
ここで、第1の透明電極181aと第2の透明電極182aとの間に横電界が発生すると、当該横電界の影響で第1の基板111a側の液晶分子がx軸方向に凸の円弧状に配向し、屈折率分布が変化する。しかしながら、第2の偏光320の偏光軸は、第1の基板111a側の液晶分子の配向と直交しているため、当該液晶分子の屈折率分布の影響を受けず、拡散せずにそのまま通過する。また、第4の透明電極184aと第3の透明電極183aとの間に横電界が発生すると、当該横電界の影響で第2の基板121a側の液晶分子がy軸方向に凸の円弧状に配向し、屈折率分布が変化する。しかしながら、第2の偏光320の偏光軸は、第2の基板121a側の液晶分子の配向と直交しているため、当該液晶分子の屈折率分布の影響を受けず、拡散せずにそのまま通過する。
【0105】
したがって、横電界が発生していない場合(
図8参照)だけでなく、横電界が発生している場合(
図9参照)も、第1の液晶セル110aを透過する第2の偏光320は、偏光成分がS偏光成分からP偏光成分に変化するが、拡散しない。
【0106】
第2の液晶セル110bの液晶層160bの液晶分子も、第1の液晶セル110aの液晶層160aの液晶分子と同様の屈折率分布を有する。但し、第1の偏光310及び第2の偏光320は、第1の液晶セル110aを透過することで、偏光軸が変化しているため、液晶層160bの液晶分子の屈折率分布の影響を受ける偏光は逆となる。すなわち、横電界が発生していない場合(
図8参照)だけでなく、横電界が発生している場合(
図9参照)も、第2の液晶セル110bを透過する第1の偏光310は、偏光成分がS偏光成分からP偏光成分に変化するが、拡散しない(
図8及び
図9中の(6)~(8)参照)。一方、横電界が発生していない場合(
図8参照)、第2の液晶セル110bを透過する第2の偏光320は、偏光成分がP偏光成分からS偏光成分に変化するのみであるが、横電界が発生している場合(
図9参照)、第2の液晶セル110bを透過する第2の偏光320は、偏光成分がP偏光成分からS偏光成分に変化するとともに、x軸方向及びy軸方向に拡散する。
【0107】
以上からわかるように、液晶光学素子10では、同一の構造を有する2つの液晶セル(第1の液晶セル110a及び第2の液晶セル110b)を積層させることにより、液晶光学素子10に入射する光の偏光成分が2度にわたって変化する。その結果、液晶光学素子10では、入射前の偏光成分と入射後の偏光成分とを変わらなくすることができる(
図8及び
図9中の(1)及び(9)参照)。すなわち、液晶光学素子10では、入射光180の偏光成分と、出射光200の偏光成分とを変わらなくすることができる。
【0108】
また、液晶光学素子10は、透明電極に電位を供給し、第1の液晶セル110aの液晶層160aの液晶分子が有する屈折率分布を変化させ、第1の液晶セル110aを透過する光を屈折させることができる。具体的には、第1の液晶セル110aが第1の偏光310(P偏光成分)の光をx軸方向、y軸方向、又はx軸及びy軸の両軸方向に拡散させ、第2の液晶セル110bが第2の偏光320(S偏光成分)の光をx軸方向、y軸方向、又はx軸及びy軸の両軸方向に拡散させることができる。
【0109】
図8および
図9では第1の液晶セル110a及び第2の液晶セル110bのみを図示し、第1の液晶セル110a及び第2の液晶セル110bを透過する光の配光について説明したが、第3の液晶セル110c及び第4の液晶セル110dを透過する光の配光も同様である。すなわち、第3の液晶セル110cが第2の偏光320(S偏光成分)の光をx軸方向、y軸方向、またはx軸およびy軸の両軸方向に拡散させ、第4の液晶セル110dが第1の偏光310(P偏光成分)の光をx軸方向、y軸方向、またはx軸およびy軸の両軸方向に拡散させることができる。
【0110】
<1-5.液晶光学素子10の透明電極への電位の供給>
図10は、本発明の一実施形態に係る照明装置30の構成を示す模式的な平面図である。
図11は、本発明の一実施形態に係る液晶光学素子10の透明電極の接続を説明するための模式的な図である。
【0111】
図10に示すように、照明装置30は、センサ60、制御回路70、第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40cの3つの光学素子を備える光源20、及び液晶光学素子10を含む。液晶光学素子10及び光源20は、
図1~
図9を用いて説明した構成及び機能を有するため、ここでの詳細な説明は省略される。センサ60は制御回路70に電気的に接続される。制御回路70は光源20、及び液晶光学素子10に電気的に接続される。
【0112】
センサ60は、例えば、赤外線センサである。センサ60は、例えば、センサ付近の人を検知し、検知信号を制御回路70に出力する。
【0113】
制御回路70は、液晶光学素子10及び光源20を駆動する回路を含む。例えば、制御回路70は、センサ60から検知信号を受信すると、第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、第4の液晶セル110dに対し、フレキシブル配線基板(図示は省略)を介して液晶の配向状態を制御する電位を出力する。また、制御回路70は、センサ60から検知信号を受信すると、光源20に対し、フレキシブル配線基板(図示は省略)を介して光源20が有するLEDのON又はOFFを制御する電位を出力する。
【0114】
図11に示すように、第1の液晶セル110aの第1の透明電極181a、第5の透明電極185a、及び第9の透明電極189a、第4の液晶セル110dの第1の透明電極181d、第5の透明電極185d、及び第9の透明電極189dは、第1の電位V1を供給する第1の電位供給線461に接続されている。すなわち、第1の液晶セル110aの第1の透明電極181a、第5の透明電極185a、及び第9の透明電極189a、第4の液晶セル110dの第1の透明電極181d、第5の透明電極185d、及び第9の透明電極189dは、互いに電気的に接続されている。
【0115】
また、第1の液晶セル110aの第2の透明電極182a、第6の透明電極186a、及び第10の透明電極190a、第4の液晶110dセルの第2の透明電極182d、第6の透明電極186d、及び第10の透明電極190dは、第2の電位V2を供給する第2の電位供給線462に接続されている。すなわち、第1の液晶セル110aの第2の透明電極182a、第6の透明電極186a、及び第10の透明電極190a、第4の液晶セル110dの第2の透明電極182d、第6の透明電極186d、及び第10の透明電極190dは、互いに電気的に接続されている。
【0116】
第1の液晶セル110aの第3の透明電極183a、第7の透明電極187a、及び第11の透明電極191a、第4の液晶セル110dの第3の透明電極183d、第7の透明電極187d、及び第11の透明電極191dは、第3の電位V3を供給する第3の電位供給線463に接続されている。すなわち、第1の液晶セル110aの第3の透明電極183a、第7の透明電極187a、及び第11の透明電極191a、第4の液晶セル110dの第3の透明電極183d、第7の透明電極187d、及び第11の透明電極191dは、互いに電気的に接続されている。
【0117】
第1の液晶セル110aの第4の透明電極184a、第8の透明電極188a、及び第12の透明電極192a、第4の液晶セル110dの第4の透明電極184d、第8の透明電極188d、及び第12の透明電極192dは、第4の電位V4を供給する第4の電位供給線464に接続されている。すなわち、第1の液晶セル110aの第4の透明電極184a、第8の透明電極188a、及び第12の透明電極192a、第4の液晶セル110dの第4の透明電極184d、第8の透明電極188d、及び第12の透明電極192dは、互いに電気的に接続されている。
【0118】
第2の液晶セル110bの第1の透明電極181b、第5の透明電極185b、及び第9の透明電極189b、第3の液晶セル110cの第1の透明電極181c、第5の透明電極185c、及び第9の透明電極189cは、第5の電位V5を供給する第5の電位供給線481に接続されている。すなわち、第2の液晶セル110bの第1の透明電極181b、第5の透明電極185b、及び第9の透明電極189b、第3の液晶セル110cの第1の透明電極181c、第5の透明電極185c、及び第9の透明電極189cは、互いに電気的に接続されている。
【0119】
第2の液晶セル110bの第2の透明電極182b、第6の透明電極186b、及び第10の透明電極190b、第3の液晶セル110cの第2の透明電極182c、第6の透明電極186c、及び第10の透明電極190cは、第6の電位V6を供給する第6の電位供給線482に接続されている。すなわち、第2の液晶セル110bの第2の透明電極182b、第6の透明電極186b、及び第10の透明電極190b、第3の液晶セル110cの第2の透明電極182c、第6の透明電極186c、及び第10の透明電極190cは、互いに電気的に接続されている。
【0120】
第2の液晶セル110bの第3の透明電極183b、第7の透明電極187b、及び第11の透明電極191b、第3の液晶セル110cの第3の透明電極183c、第7の透明電極187c、及び第11の透明電極191cは、第7の電位V7を供給する第7の電位供給線483に接続されている。すなわち、第2の液晶セル110bの第3の透明電極183b、第7の透明電極187b、及び第11の透明電極191b、第3の液晶セル110cの第3の透明電極183c、第7の透明電極187c、及び第11の透明電極191cは、互いに電気的に接続されている。
【0121】
第2の液晶セル110bの第4の透明電極184b、第8の透明電極188b、及び第12の透明電極192b、第3の液晶セル110cの第4の透明電極184c、第8の透明電極188c、及び第12の透明電極192cは、第8の電位V8を供給する第8の電位供給線484に接続されている。すなわち、第2の液晶セル110bの第4の透明電極184b、第8の透明電極188b、及び第12の透明電極192b、第3の液晶セル110cの第4の透明電極184c、第8の透明電極188c、及び第12の透明電極192cは、互いに電気的に接続されている。
【0122】
図11に示す第1の電位V1~第8の電位V8は、固定電位であってもよく、変動電位であってもよい。第1の電位供給線461~第8の電位供給線484には、Low電位およびHigh電位だけでなく、Low電位とHigh電位との間の中間電位も供給される。すなわち、第1の電位V1~第8の電位V8には、絶対値の異なる3つの電位が含まれる。よって、液晶光学素子10は、第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40cの3つの光学素子から出射された光を、x軸方向及びy軸方向に透過及び拡散し、本実施形態に係る照明装置30は光の配光及び配光パターンを様々に制御することができる。
【0123】
以下の説明では、便宜上、各透明電極に供給される電位を、第1の変動電位(例えば、Low電位が0V及びHigh電位が30V)、第1の変動電位と位相が反転している第2の変動電位(例えば、Low電位が0V及びHigh電位が30V)、及び中間電位(例えば、15V)として説明する。中間電位は、Low電位とHigh電位との間の電位であり、固定電位であってよく、変動電位であってもよい。本実施形態に係る各透明電極に供給される電位は一例であって、各透明電極に供給される電位はここで示される電位に限定されるものではない。
【0124】
<1-5-1.3つの光学素子を制御する場合>
図12は、本発明の一実施形態に係る照明装置30から出射された光において、相対輝度と極角との関係を示すグラフである。
図12では、第2の光学素子40aの光軸を極角0°とすると共に、紙面左右方向に各光学素子が並んでいる(以下、
図13~17において同様)。また、
図12では、制御回路70が、光の出射方向が異なる3つの光学素子(第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40c)のそれぞれのLEDを点灯させる電位を第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40cに供給し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に中間電位を供給した場合のグラフである。すなわち、制御回路70から液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に供給される第1の電位V1~第8の電位V8は中間電位である。
【0125】
このとき、第1の液晶セル110aにおいて、第1の透明電極181aと第2の透明電極182aとの電位差、及び、第3の透明電極183aと第4の透明電極184aとの電位差は無い。第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dのそれぞれにおいても、第1の液晶セル110aと同様の電極に対応する電極間の電位差は無いため、第1の光学素子40aから出射される光は、第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dを透過し、極角40度をピークに持つ光として液晶光学素子10から出射される。
【0126】
同様にして、第1の液晶セル110aにおいて、第5の透明電極185aと第6の透明電極186aとの電位差、及び、第7の透明電極187aと第8の透明電極188aとの電位差は無く、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dのそれぞれにおいても、第1の液晶セル110aと同様の電極に対応する電極間の電位差は無いため、第2の光学素子40bから出射される光は、第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dを透過し、例えば、極角0度をピークに持つ光として液晶光学素子10から出射される。また、同様にして、第1の液晶セル110aにおいて、第9の透明電極189aと第10の透明電極190a、及び、第11の透明電極191aと第12の透明電極192aとの電位差は無く、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dのそれぞれにおいても、第1の液晶セル110aと同様の電極に対応する電極間の電位差は無いため、第3の光学素子40cから出射される光は、第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dを透過し、例えば、極角-40度をピークに持つ光として液晶光学素子10から出射される。
【0127】
図13は、本発明の一実施形態に係る照明装置30から出射された光において、相対輝度と極角との関係を示すグラフである。
図13では、制御回路70は、光の出射方向が異なる3つの光学素子(第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40c)のそれぞれのLEDを点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に第1の変動電位又は第2の変動電位を供給した場合のグラフである。例えば、制御回路70から液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に供給される第1の電位V1、第3の電位V3、第5の電位V5及び第7の電位V7は第1の変動電位であり、第2の電位V2、第4の電位V4、第6の電位V6及び第8の電位V8は第2の変動電位である。
【0128】
このとき、第1の液晶セル110aの第1の透明電極181aと第2の透明電極182aとの電位差、第3の透明電極183aと第4の透明電極184aとの電位差、第5の透明電極185aと第6の透明電極186aとの電位差、第7の透明電極187aと第8の透明電極188aとの電位差、第9の透明電極189aと第10の透明電極190a、及び、第11の透明電極191aと第12の透明電極192aとの電位差は30Vであり、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dのそれぞれにおいても、第1の液晶セル110aと同様の電極に対応する電極間の電位差は30Vである。その結果、第1の光学素子40aから出射される光、第2の光学素子40bから出射される光、及び第3の光学素子40cから出射される光は、第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dのそれぞれにおいて拡散される。よって、第1の光学素子40aから出射される光、第2の光学素子40bから出射される光、及び第3の光学素子40cから出射される光は、少なくとも
図12に示された極角60度から極角-60度にわたって拡散された光として液晶光学素子10から出射される。
【0129】
<1-5-2.2つの光学素子を制御する場合>
図14は、本発明の一実施形態に係る照明装置30から出射された光において、相対輝度と極角との関係を示すグラフである。
図14では、制御回路70は、光の出射方向が異なる3つの光学素子(第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40c)のうち、右側に配置された第1の光学素子40aのLED、及び左側に配置された第3の光学素子40cのLEDを点灯させる電位を第1の光学素子40a及び第3の光学素子40cに供給し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に中間電位を供給した場合のグラフである。すなわち、制御回路70から液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に供給される第1の電位V1~第8の電位V8は中間電位である。
【0130】
第1の液晶セル110aにおいて、第1の透明電極181aと第2の透明電極182aとの電位差、及び、第3の透明電極183aと第4の透明電極184aとの電位差は無く、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dのそれぞれにおいても、第1の液晶セル110aと同様の電極に対応する電極間の電位差は無いため、第1の光学素子40aから出射される光は、第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dを透過し、極角40度をピークに持つ光として液晶光学素子10から出射される。
【0131】
同様にして、第1の液晶セル110aにおいて、第9の透明電極189aと第10の透明電極190a、及び、第11の透明電極191aと第12の透明電極192aとの電位差は無く、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dのそれぞれにおいても、第1の液晶セル110aと同様の電極に対応する電極間の電位差は無いため、第3の光学素子40cから出射される光は、第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dを透過し、例えば、極角-40度をピークに持つ光として液晶光学素子10から出射される。
【0132】
同様にして、第1の液晶セル110aにおいて、第5の透明電極185aと第6の透明電極186aとの電位差、及び、第7の透明電極187aと第8の透明電極188aとの電位差は無く、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dのそれぞれにおいても、第1の液晶セル110aと同様の電極に対応する電極間の電位差は無いが、第2の光学素子40bのLEDは点灯していないため、第2の光学素子40bから光は出射されない。
【0133】
図15は、本発明の一実施形態に係る照明装置30から出射された光において、相対輝度と極角との関係を示すグラフである。
図15では、制御回路70は、光の出射方向が異なる3つの光学素子(第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40c)のうち、右側に配置された第1の光学素子40aのLED、及び左側に配置された第3の光学素子40cのLEDを点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に第1の変動電位又は第2の変動電位を供給した場合のグラフである。例えば、制御回路70から液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に供給される第1の電位V1、第3の電位V3、第5の電位V5及び第7の電位V7は第3の変動電位であり、第2の電位V2、第4の電位V4、第6の電位V6及び第8の電位V8は第4の変動電位である。ここで、第3の変動電位は、第1の変動電位よりLow電位とHigh電位の電位差が小さく、第4の変動電位は、第3の変動電位と位相が反転している。
【0134】
第1の液晶セル110aにおいて、第1の透明電極181aと第2の透明電極182aとの電位差、第3の透明電極183aと第4の透明電極184aとの電位差、第5の透明電極185aと第6の透明電極186aとの電位差、第7の透明電極187aと第8の透明電極188aとの電位差、第9の透明電極189aと第10の透明電極190a、及び、第11の透明電極191aと第12の透明電極192aとの電位差は、例えば、10V以上15V以下であり、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dのそれぞれにおいても、第1の液晶セル110aと同様の電極に対応する電極間の電位差は10V以上15V以下であり、第1の光学素子40aから出射される光、及び第3の光学素子40cから出射される光は、第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dのそれぞれにおいて拡散される。よって、第1の光学素子40aから出射される光、及び第3の光学素子40cから出射される光は、少なくとも
図15に示された極角50度付近、及び極角-50度付近に弱いピークをもち、かつ、極角60度から極角-60度にわたって拡散された光として液晶光学素子10から出射される。第3の変動電位及び第4の変動電位の電位差は、第1の変動電位及び第2の変動電位の電位差より小さいため、第3の変動電位及び第4の変動電位が印加された場合の光の拡散度合いは、第1の変動電位及び第2の変動電位が各電極に印加された場合より、少ない。
【0135】
<1-5-3.1つの光学素子を制御する場合>
図16は、本発明の一実施形態に係る照明装置30から出射された光において、相対輝度と極角との関係を示すグラフである。
図16では、制御回路70は、光の出射方向が異なる3つの光学素子(第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40c)のうち、左側に配置された第3の光学素子40cのLEDを点灯させる電位を第3の光学素子40cに供給し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に中間電位を供給した場合のグラフである。すなわち、制御回路70から液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に供給される第1の電位V1V1~第8の電位V8は中間電位である。
【0136】
第1の液晶セル110aにおいて、第9の透明電極189aと第10の透明電極190a、及び、第11の透明電極191aと第12の透明電極192aとの電位差は無く、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dのそれぞれにおいても、第1の液晶セル110aと同様の電極に対応する電極間の電位差は無いため、第3の光学素子40cから出射される光は、第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dを透過し、例えば、極角-40度をピークに持つ光として液晶光学素子10から出射される。
【0137】
第1の液晶セル110aにおいて、第1の透明電極181aと第2の透明電極182aとの電位差、第3の透明電極183aと第4の透明電極184aとの電位差、第5の透明電極185aと第6の透明電極186aとの電位差、及び、第7の透明電極187aと第8の透明電極188aとの電位差は無く、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dのそれぞれにおいても、第1の液晶セル110aと同様の電極に対応する電極間の電位差は無いが、第1の光学素子40aのLED、及び第2の光学素子40bのLEDは点灯していないため、第1の光学素子40a及び第2の光学素子40bから光は出射されない。
【0138】
図17は、本発明の一実施形態に係る照明装置30から出射された光において、相対輝度と極角との関係を示すグラフである。
図17では、制御回路70は、制御回路70は、光の出射方向が異なる3つの光学素子(第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40c)のうち、左側に配置された第3の光学素子40cのLEDを点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に第1の変動電位又は第2の変動電位を供給した場合のグラフである。例えば、制御回路70から液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に供給される第1の電位V1、第3の電位V3、第5の電位V5及び第7の電位V7は第5の変動電位であり、第2の電位V2、第4の電位V4、第6の電位V6及び第8の電位V8は第6の変動電位である。ここで、第5の変動電位は、第3の変動電位よりLow電位とHigh電位の電位差が大きい。第6の変動電位は、第5の変動電位と位相が反転している。
【0139】
第1の液晶セル110aにおいて、第9の透明電極189aと第10の透明電極190a、及び、第11の透明電極191aと第12の透明電極192aとの電位差は30V又はそれよりもやや小さく、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dのそれぞれにおいても、第1の液晶セル110aと同様の電極に対応する電極間の電位差は30V又はそれよりやや小さいものであるため、第3の光学素子40cから出射される光は、第1の液晶セル110a、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dのそれぞれにおいて拡散される。よって、第3の光学素子40cから出射される光は、少なくとも
図17に示された極角-40度付近に弱いピークをもち、かつ、極角60度から極角0度にわたって拡散された光として液晶光学素子10から出射される。
【0140】
第1の液晶セル110aにおいて、第1の透明電極181aと第2の透明電極182aとの電位差、第3の透明電極183aと第4の透明電極184aとの電位差、第5の透明電極185aと第6の透明電極186aとの電位差、及び、第7の透明電極187aと第8の透明電極188aとの電位差は30V又はそれより小さく、第2の液晶セル110b、第3の液晶セル110c、及び第4の液晶セル110dのそれぞれにおいても、第1の液晶セル110aと同様の電極に対応する電極間の電位差は30V又はそれより小さいものであるが、第1の光学素子40aのLED、及び第2の光学素子40bのLEDは点灯していないため、第1の光学素子40a及び第2の光学素子40bから光は出射されない。
【0141】
<1-5-4.光の配光パターンの例>
図18(A)~
図18(H)に示される配光パターンは、本発明の一実施形態に係る照明装置30から出射された光の配光パターンを示す模式図である。例えば、
図18(A)~
図18(H)に示される配光パターンは、第4の液晶セル110dの出射面(z軸方向において、光源20が設けられる側と反対側の面)に投影される(出射面に現れる)パターンである。
【0142】
図18(A)に示される配光パターンは、
図12に示す相対輝度と極角の関係に対応する光の配光パターンである。すなわち、3つの光学素子を点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に中間電位を供給した場合に照明装置30から出射された光の配光パターンである。
図18(A)に示される配光パターンは、x軸方向に並ぶ右側スポット光80a、センタースポット光80b、及び左側スポット光80cを照射した場合の配光パターンである。
【0143】
また、
図14に示す相対輝度と極角の関係に対応する光の配光パターンのように、3つの光学素子のうち、右側に配置された第1の光学素子40aのLED、及び左側に配置された第3の光学素子40cのLEDを点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に中間電位を供給する。図示は省略するが、この場合、x軸方向に対して右側、及び左側に照明装置30からスポット光が照射される。
【0144】
また、
図16に示す相対輝度と極角の関係に対応する光の配光パターンのように、3つの光学素子のうち、左側に配置された第3の光学素子40cのLEDを点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に中間電位を供給する。図示は省略するが、この場合、x軸方向に対して左側に照明装置30からスポット光が照射される。
【0145】
また、
図18(B)に示される配光パターンも形成可能である。すなわち、3つの光学素子を点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に選択的に第1の変動電位又は第2の変動電位を供給した場合に照明装置30から出射される光の配光パターンである。より具体的には、各液晶セルにつき、x軸方向に並んでy軸方向に延在する電極に対し、第1の変動電位と第2の変動電位を交互に供給する。これにより、各光学素子からの入射光はx軸方向に拡散する。
図18(B)に示される配光パターンは、x軸方向に対して拡散された光(拡散光81)が出射されている状態を示している。
【0146】
また、制御回路70を用いて、3つの光学素子を点灯させ、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に供給する電位を調整することで、照明装置30は、
図18(C)に示すように、右側、センター、及び左側の光をy軸方向に対して拡散された光(拡散光82a、82b、82c)として照射することができる。より具体的には、各液晶セルにつき、y軸方向に並んでx軸方向に延在する電極に対し、第1の変動電位と第2の変動電位を交互に供給する。これにより、各光学素子からの入射光はy軸方向に拡散する。
図18(C)に示される配光パターンは、拡散光82a、82b、82cが出射されている状態を示している。
【0147】
また、制御回路70を用いることで、照明装置30は、
図18(D)に示すように、右側、センター、及び左側の光をx軸方向及びy軸方向に対して拡散させた楕円形の光(拡散光83)として照射することができる。
図18(D)に示される配光パターンは、拡散光83が出射されている状態を示している。
【0148】
さらに、制御回路70を用いることで、照明装置30は、
図18(E)に示すように、右側、センター、及び左側のそれぞれの光をx軸方向及びy軸方向に対して十字状に拡散させ、合成した光84として照射することができる。より具体的には、3つの光学素子をすべて点灯させ、且つ、第1の液晶セル110aの第1の基板111a側に設けられた複数の電極と第4の液晶セル110dの第2の基板121d側に設けられた複数の電極に電位を供給する第1の電位V1と第2の電位V2をそれぞれ第1の変動電位と第2の変動電位とし、第2の液晶セル110bの第2の基板121b側に設けられた複数の電極と第3の液晶セル110cの第1の基板111c側に設けられた複数の電極に電位を供給する第7の電位V7と第8の電位V8をそれぞれ第1の変動電位と第2の変動電位とする。これにより、各光学素子からの入射光はx軸方向とy軸方向の十字状に拡散する。
図18(E)に示される配光パターンは、光84が出射されている状態を示している。
【0149】
また、
図18(F)に示される配光パターンも形成可能である。すなわち、すなわち、3つの光学素子のうち、右側に配置された第1の光学素子40aのLED、及び左側に配置された第3の光学素子40cのLEDを点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に第1の変動電位又は第2の変動電位を供給した場合に照明装置30から出射された光85の配光パターンである。より具体的には、第1の液晶セル110aの第1の基板111a側に設けられた複数の電極と第4の液晶セル110dの第2の基板121d側に設けられた複数の電極に電位を供給する第1の電位V1と第2の電位V2をそれぞれ第1の変動電位と第2の変動電位とし、第2の液晶セル110bの第2の基板121b側に設けられた複数の電極と第3の液晶セル110cの第1の基板111c側に設けられた複数の電極に電位を供給する第7の電位V7と第8の電位V8をそれぞれ第1の変動電位と第2の変動電位とする。これにより、各光学素子からの入射光はx軸方向とy軸方向の十字状に拡散する。
図18(F)に示される配光パターンは、光85が出射されている状態を示している。
図18(F)に示すように、照明装置30は、右側、及び左側のそれぞれの光をx軸方向及びy軸方向に対して拡散させると共に、これら右側、左側でx軸方向に拡散した光を各液晶セルの中央の電極群により再度拡散することができる。ただし、直接光でなくx軸方向に拡散してきた光を再度拡散させるものとなるので、例えば、領域85a及び85bに示される配光パターンのようにその十字状の拡散性は強く現れることなく、領域85cに示されるように中央付近で拡散作用は視認できなくなる。
【0150】
また、
図18(G)に示される配光パターンも形成可能である。すなわち、3つの光学素子のうち、左側に配置された第3の光学素子40cのLEDを点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に選択的に第1の変動電位又は第2の変動電位を供給した場合に照明装置30から出射される光の配光パターンである。より具体的には、各液晶セルにつき、y軸方向に並んでx軸方向に延在する電極に対し、第1の変動電位と第2の変動電位を交互に供給する。これにより、各光学素子からの入射光はy軸方向に拡散する。
図18(G)に示される配光パターンは、光86が出射されている状態を示している。
図18(G)に示すように、照明装置30は、左側の光をy軸方向に拡散させた光を照射することができる。
【0151】
図18(H)に示される配光パターンも形成可能である。すなわち3つの光学素子のうち、左側に配置された第3の光学素子40cのLEDを点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に選択的に第1の変動電位又は第2の変動電位を供給した場合に照明装置30から出射された光87の配光パターンである。より具体的には、第1の液晶セル110aの第1の基板111a側に設けられた複数の電極と第4の液晶セル110dの第2の基板121d側に設けられた複数の電極に電位を供給する第1の電位V1と第2の電位V2をそれぞれ第1の変動電位と第2の変動電位とし、第2の液晶セル110bの第2の基板121b側に設けられた複数の電極と第3の液晶セル110cの第1の基板111c側に設けられた複数の電極に電位を供給する第7の電位V7と第8の電位V8をそれぞれ第1の変動電位と第2の変動電位とする。これにより、各光学素子からの入射光はx軸方向とy軸方向の十字状に拡散する。
図18(H)に示される配光パターンは、光87が出射されている状態を示す。
図18(H)に示すように、照明装置30は、左側の光を十字状に拡散させると共に、各液晶セルの中央部の電極群及び右側の電極群によって当該x軸方向に拡散する光をより右側に且つ十字状に拡散させる。ただし、直接光でなく中央方向に拡散してきた光を再度拡散させるものとなるので、その十字状の拡散性は強く現れることなく、例えば、領域87aに示すように、中央を超えたあたりで拡散作用は視認できなくなる。
【0152】
本実施形態に係る液晶光学素子10は、光の出射方向が互いに異なる第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40cの3つの光学素子から出射された光を、x軸方向及びy軸方向に透過及び拡散することができる。その結果、本実施形態に係る照明装置30は光の配光及び配光パターンを様々に制御することができる。
【0153】
<1-6.照明装置の第1の変形例>
図19は、本発明の一実施形態に係る照明装置30bの端部断面図である。
図19に示す照明装置30bは、
図1に示す照明装置30と比較して、光学素子20bが支持部材50bを有する点が異なる。支持部材50bの形状は、断面視において、凹状の形状である。各光学素子が
図19に示すように配置されると、第1の光学素子40aはz軸方向に対して左斜め方向に光180aを出射し、第2の光学素子40bはz軸方向に対して平行又は略平行に光180bを出射し、第3の光学素子40cはz軸方向に対して右斜め方向に光180cを出射する。照明装置30bは、照明装置30と比較して、それ以外の点は同じであるから、ここでの詳細な説明省略される。
【0154】
<1-7.照明装置の第2の変形例>
図20は、本発明の一実施形態に係る光学素子40の端部断面図である。
図20に示す光学素子40は、
図2に示す光学素子40と比較して、凸レンズ230を有する点において異なる。凸レンズ230は、発光素子210から出射された光を集光し、集光した光を液晶光学素子10に入射させることができる。反射器220は、発光素子210から出射された光を反射し、反射した光を凸レンズ230に入射させることができる。
図20に示す光学素子40は、
図2に示す光学素子40と比較して、それ以外の点は同じであるから、ここでの詳細な説明省略される。
【0155】
図1~
図20を用いて、本発明の一実施形態に係る照明装置30を説明した。
図1~
図20に示す照明装置30の形態は一例であって、本発明の一実施形態に係る照明装置30の形態は、
図1~
図20に示す形態に限定されない。
【0156】
本発明の一実施形態に係る照明装置30を用いることで、異なる方向に光を照射する光学素子のONとOFF、及び、液晶光学素子の各透明電極に供給する電位を制御することができる。その結果、光を照射する対象に対して、異なる方向の光の透過及び拡散を細かく制御することができる。
【0157】
<第2実施形態>
第2実施形態では、光源20cが、第4の光学素子40d、第5の光学素子40e、及び第6の光学素子40fから構成され、それぞれの光学素子は断面視において向きの異なる反射器220を有する形態について説明する。
図21は本発明の第2実施形態に係る照明装置30cの端部断面図である。
図22は本発明の第2実施形態に係る光源20cの平面図である。
図21及び
図22に示す照明装置30cの形態は一例であって、第2実施形態に係る照明装置30cの形態は、
図21及び
図22に示す形態に限定されない。第2実施形態の説明では、第1実施形態と同様の説明を省略する場合がある。
【0158】
図21に示す照明装置30cは、
図1に示す照明装置30と比較して、光源20cが支持部材50cを有する点において異なり、光源20cが、第4の光学素子40d、第5の光学素子40e、及び第6の光学素子40fから構成され、それぞれの光学素子は断面視において向きの異なる反射器220を有する点において異なる。照明装置30cは、照明装置30と比較して、それ以外の点は同じであるから、ここでの詳細な説明は省略される。
【0159】
図21に示すように、照明装置30cは、液晶光学素子10、及び光源20cを有する。光源20cは、光学素子40、及び支持部材50cを有する。支持部材50cは、光学素子40を支持(固定)する役割を有する。支持部材50aは断面視において平坦な面を有する。支持部材50cは、支持部材50aと同様の材料を用いることができる。
【0160】
光学素子40は、第4の光学素子40d、第5の光学素子40e、及び第6の光学素子40fから構成される。第4の光学素子40d、第5の光学素子40e、及び第6の光学素子40fは、平面視においてx軸方向又はy軸方向に平行又は略平行に配置される。本実施形態では、第4の光学素子40dは第5の光学素子40eの隣に配置され、第5の光学素子40eは第6の光学素子40fの隣に配置される。
【0161】
第4の光学素子40d、第5の光学素子40e、及び第6の光学素子40fは、支持部材50cの液晶光学素子10に面した平坦な面に実装される。第4の光学素子40dは、第1の反射器220a及び第1の発光素子210aを有する。第5の光学素子40eは、第2の反射器220b及び第2の発光素子210bを有する。第6の光学素子40fは、第3の反射器220c及び第3の発光素子210cを有する。
【0162】
第1の反射器220a、第2の反射器220b、及び第3の反射器220cは、反射した光を互いに異なる方向に出射するように、互いに異なる方向に向けて配置される。各例えば、各光学素子が
図21に示すように配置されると、第1の反射器220aを有する第4の光学素子40dはz軸方向に対して右斜め方向に光180dを出射し、第2の反射器220bを有する第5の光学素子40eはz軸方向に対して平行又は略平行に光180eを出射し、第3の反射器220cを有する第6の光学素子40fはz軸方向に対して左斜め方向に光180fを出射する。
【0163】
第4の光学素子40d、第5の光学素子40e、及び第6の光学素子40fと各電極群との位置関係は、第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40cと各電極群の位置関係と同様である。例えば、第1の電極群117-1及び第4の電極群117-2は第4の光学素子40d及び第4の光学素子40dの光の出射面に対向するように設けられ、第2の電極群117-3及び第5の電極群117-4は第5の光学素子40e及び第5の光学素子40eの光の出射面に対向するように設けられ、第3の電極群117-5及び第6の電極群117-6は第6の光学素子40f及び第6の光学素子40fの光の出射面に対向するように設けられる。
【0164】
本実施形態では、互いに異なる方向に向けて配置される反射器を有する光学素子40と液晶光学素子10とが
図21に示すように配置される。換言すると、第4の光学素子40d、第5の光学素子40e、及び第6の光学素子40fのそれぞれが反射器を有し、第4の光学素子40d、第5の光学素子40e、及び第6の光学素子40fの光の出射方向が異なる3つの光学素子に対して1つの液晶光学素子10が
図21に示すように配置される。その結果、3つの光学素子が、左側用光源、センター用の光源及び右側用光源として使用され、液晶光学素子10が各光学素子から出射された方向の異なる光を透過させるか又は透過させつつ拡散させることできる。
【0165】
第4の光学素子40d、第5の光学素子40e、及び第6の光学素子40fのそれぞれは、支持部材50c上に、ランダムに複数個設けられてもよい。例えば、
図22に示す例では、支持部材50c上に、第4の光学素子40d、第5の光学素子40e、及び第6の光学素子40fのそれぞれが、ランダムに3個設けられている。
【0166】
光の出射方向の異なる光学素子を複数個備えた光源20cを用いることによって、例えば、直進性の高い光と、斜め方向に強い光とを、使い分けて出射することが可能となる。例えば、車、飛行機、電車などの移動手段において、照明装置30cを配置することによって、隣接する3つの座席に対して、中央の座席には直進性の高い光を照射するとともに、中央の右側に隣接する座席には斜め方向に強い光を照射することができる。すなわち、照明装置30は、方向の異なる光を同時に複数の異なる対称物に照射することができる。
【0167】
なお、光源20cは、様々な構成を用いることができる。例えば、光源20cは、導光板を重ねた構成を有する光源であってよく、1つの基板上に赤色を発するLEDと緑色を発するLEDと青色を発するLEDとを設けたLEDであってよく、レンズアレイを構成する直下型MiniLEDであってよく、有機発光素子(OLED)であってもよい。また、各光学素子と液晶光学素子10との間に
図20に示された凸レンズ230を設けてもよい。
【0168】
<第3実施形態>
第3実施形態では、第2実施形態で示した光源20cに含まれる第4の光学素子40d、第5の光学素子40e、及び第6の光学素子40fのそれぞれの光学素子に対して、液晶光学素子が1つ設けられる形態について説明する。
図23は本発明の第3実施形態に係る照明装置30dの端部断面図である。
図23に示す照明装置30dの形態は一例であって、第3実施形態に係る照明装置30dの形態は、
図23に示す形態に限定されない。第3実施形態の説明では、第1実施形態及び第2実施形態と同様の説明を省略する場合がある。
【0169】
図23に示す照明装置30dは、
図21に示す照明装置30cと比較して、第4の光学素子40d、第5の光学素子40e、及び第6の光学素子40fのそれぞれの光学素子に対して、液晶光学素子が1つ設けられる点において異なる。照明装置30dは、照明装置30cと比較して、それ以外の点は同じであるから、ここでの詳細な説明は省略される。
【0170】
図23に示す照明装置30dは、液晶光学素子10a、液晶光学素子10b、液晶光学素子10c、及び光源20cを有する。光源20cの構成は、第2実施形態で示した光源20cと同様の構成であり、光源20cは、第4の光学素子40d、第5の光学素子40e、及び第6の光学素子40fを有する。
【0171】
第4の光学素子40dは液晶光学素子10aに対向し、第4の光学素子40dからz軸方向に対して右斜め方向に出射された光180dは、液晶光学素子10aに入射する。第5の光学素子40eは液晶光学素子10bに対向し、第5の光学素子40eからz軸方向に対して平行又は略平行に出射された光180eは、液晶光学素子10bに入射する。第6の光学素子40fは液晶光学素子10cに対向し、第6の光学素子40fからz軸方向に対して左斜め方向に出射された光180fは、液晶光学素子10cに入射する。
【0172】
第4の光学素子40d、第5の光学素子40e、及び第6の光学素子40fと各電極群との位置関係は、第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40cと各電極群の位置関係と同様である。例えば、液晶光学素子10aに含まれる各電極群は第4の光学素子40d及び第4の光学素子40dの光の出射面に対向するように設けられ、液晶光学素子10bに含まれる各電極群は第5の光学素子40e及び第5の光学素子40eの光の出射面に対向するように設けられ、液晶光学素子10cに含まれる各電極群は第6の光学素子40f及び第6の光学素子40fの光の出射面に対向するように設けられる。
【0173】
図23に示す照明装置30dを用いることで、光を照射する対象に対して、異なる方向の光の透過及び拡散をさらに細かく制御することができる。
【0174】
<第4実施形態>
第4実施形態では、
図6及び
図7で示した透明電極の配置に対して、各透明電極を独立に制御可能な形態について説明する。
図24は、本発明の第4実施形態に係る液晶光学素子10において、第1の基板111上の第1の透明電極181、第2の透明電極182、第5の透明電極185、第6の透明電極186、第9の透明電極189、及び第10の透明電極190の配置を示す模式的な平面図である。
図25は、本発明の第4実施形態に係る液晶光学素子10において、第2の基板121上の第3の透明電極183、第4の透明電極184、第7の透明電極187、第8の透明電極188、第11の透明電極191、及び第12の透明電極192の配置を示す模式的な平面図である。
図26は本発明の第4実施形態に係る液晶光学素子10の透明電極の接続を説明するための模式的な平面図である。
図24~
図26に示す液晶光学素子10の形態は一例であって、第4実施形態に係る液晶光学素子10の形態は一例であって、第4実施形態に係る液晶光学素子10の形態は
図24~
図26に示す形態に限定されない。第4実施形態の説明では、第1実施形態~第3実施形態と同様の説明を省略する場合がある。
【0175】
図24及び
図25に示す透明電極の配置は、
図6及び
図7に示す透明電極の配置と比較して、各透明電極がそれぞれ独立に制御可能な点において異なる。
図24及び
図25に示す透明電極の配置は、
図6及び
図7に示す透明電極の配置と比較して、それ以外の点は同じであるから、ここでの詳細な説明省略される。
【0176】
図24では、第1の透明電極181は第1の配線116-1に電気的に接続される。第2の透明電極182は第2の配線116-2に電気的に接続される。第5の透明電極185は第7の配線116-7に電気的に接続される。第6の透明電極186は第8の配線116-8に電気的に接続される。第9の透明電極189は第13の配線116-13に電気的に接続される。第10の透明電極190は第14の配線116-14に電気的に接続される。
【0177】
第1の配線116-1、第2の配線116-2、第5の配線116-5、第6の配線116-6、第7の配線116-7、第8の配線116-8、第11の配線116-11、第12の配線116-12、第13の配線116-13、第14の配線116-14、第17の配線116-17、及び第18の配線116-18は、第1の基板111上に設けられる。
【0178】
第1の配線116-1は、第1の透明電極181の下に形成されてよく、第1の透明電極181の上に形成されてよく、第1の透明電極181と同じ層に形成されてよい。第2の配線116-2は、第2の透明電極182の下に形成されてよく、第2の透明電極182の上に形成されてよく、第2の透明電極182と同じ層に形成されてよい。第7の配線116-7は、第5の透明電極185の下に形成されてよく、第5の透明電極185の上に形成されてよく、第5の透明電極185と同じ層に形成されてよい。第8の配線116-8は、第6の透明電極186の下に形成されてよく、第6の透明電極186の上に形成されてよく、第6の透明電極186と同じ層に形成されてよい。第13の配線116-13は、第9の透明電極189の下に形成されてよく、第9の透明電極189の上に形成されてよく、第9の透明電極189と同じ層に形成されてよい。第14の配線116-14は第10の透明電極190の下に形成されてよく、第10の透明電極190の上に形成されてよく、第10の透明電極190と同じ層に形成されてよい。
【0179】
図25では、第3の透明電極183は第3の配線116-3に電気的に接続される。第4の透明電極184は第4の配線116-4に電気的に接続される。第7の透明電極187は第9の配線116-9に電気的に接続される。第8の透明電極188は第10の配線116-10に電気的に接続される。第11の透明電極191は第15の配線116-15に電気的に接続される。第12の透明電極192は第16の配線116-16に電気的に接続される。
【0180】
第3の配線116-3、第4の配線116-4、第9の配線116-9、第10の配線116-10、第15の配線116-15、及び第16の配線116-16は、第2の基板121上に設けられる。
【0181】
第3の配線116-3は、第3の透明電極183の下に形成されてよく、第3の透明電極183の上に形成されてよく、第3の透明電極183と同じ層に形成されてよい。第4の配線116-4は、第4の透明電極184の下に形成されてよく、第4の透明電極184の上に形成されてよく、第4の透明電極184と同じ層に形成されてよい。第9の配線116-9は、第7の透明電極187の下に形成されてよく、第7の透明電極187の上に形成されてよく、第7の透明電極187と同じ層に形成されてよい。第10の配線116-10は、第8の透明電極188の下に形成されてよく、第8の透明電極188の上に形成されてよく、第8の透明電極188と同じ層に形成されてよい。第15の配線116-15は、第11の透明電極191の下に形成されてよく、第11の透明電極191の上に形成されてよく、第11の透明電極191と同じ層に形成されてよい。第16の配線116-16は第12の透明電極192の下に形成されてよく、第12の透明電極192の上に形成されてよく、第12の透明電極192と同じ層に形成されてよい。
【0182】
第1の基板111が第2の基板121と貼り合わされると、第2の基板121に設けられる第3の配線116-3、第4の配線116-4、第9の配線116-9、第10の配線116-10、第15の配線116-15、及び第16の配線116-16は、それぞれ、第1の基板111に設けられる第5の配線116-5、第6の配線116-6、第11の配線116-11、第12の配線116-12、第17の配線116-17、及び第18の配線116-18と電気的に接続される。
【0183】
第3の配線116-3と第5の配線116-5、第4の配線116-4と第6の配線116-6、第9の配線116-9と第11の配線116-11、第10の配線116-10と第12の配線116-12、第15の配線116-15と第17の配線116-17、及び、第16の配線116-16と第18の配線116-18は、例えば、銀ペースト又は導電粒子を用いて、電気的に接続することができる。なお、導電粒子は金属を被覆した粒子を含む。
【0184】
第1の配線116-1、第2の配線116-2、第5の配線116-5、第6の配線116-6、第7の配線116-7、第8の配線116-8、第11の配線116-11、第12の配線116-12、第13の配線116-13、第14の配線116-14、第17の配線116-17、及び第18の配線116-18が、外部装置と接続するための端子であってもよい。
【0185】
第1の配線116-1、第2の配線116-2、第5の配線116-5(又は第3の配線116-3)、第6の配線116-6(又は第4の配線116-4)、第11の配線116-11(又は第9の配線116-9)、第12の配線116-12(又は第10の配線116-10)、第17の配線116-17(又は第15の配線116-15)、第18の配線116-18(又は第16の配線116-16)は、互いに電気的に絶縁されている。したがって、第1の液晶セル110aでは、第1の透明電極181a、第5の透明電極185a、第9の透明電極189a、第2の透明電極182a、第6の透明電極186a、第10の透明電極190a、第3の透明電極183a、第7の透明電極187a、第11の透明電極191a、第4の透明電極184a、第8の透明電極188a、及び第12の透明電極192aを独立に制御し、各透明電極を用いて、液晶層113の液晶分子の配向を制御することができる。例えば、第1の透明電極181a、第5の透明電極185a、及び第9の透明電極189aは第1の電位V1を供給され、第2の透明電極182a、第6の透明電極186a、及び第10の透明電極190aは第2の電位V2を供給され、第3の透明電極183a、第7の透明電極187a、及び第11の透明電極191aは第3の電位V3を供給され、第4の透明電極184a、第8の透明電極188a、及び第12の透明電極192aは第4の電位V4を供給される。なお、第1の電位V1、第2の電位V2、第3の電位V3、第4の電位V4は、互いに異なる電位であってよく、同じ電位であってもよい。
【0186】
本実施形態に係る照明装置30は、第1の基板111の第1の電極群117-1に含まれる第1の透明電極181及び第2の透明電極182と、第2の基板121の第4の電極群117-2に含まれる第3の透明電極183及び第4の透明電極184とが交差することで、各透明電極に供給する電位を制御して液晶層113の液晶の配向を制御することができる。また、本実施形態に係る照明装置30は、第1の基板111の第2の電極群117-3に含まれる第5の透明電極185及び第6の透明電極186と、第2の基板121の第5の電極群117-4に含まれる第7の透明電極187及び第8の透明電極188とが交差することで、各透明電極に供給する電位を制御して液晶層113の液晶の配向を制御することができる。また、本実施形態に係る照明装置30は、第1の基板111の第3の電極群117-5に含まれる第9の透明電極189及び第10の透明電極190と、第2の基板121の第6の電極群117-6に含まれる第11の透明電極191及び第12の透明電極192とが交差することで、各透明電極に供給する電圧を制御して液晶層113の液晶の配向を制御することができる。その結果、液晶光学素子10は、3つの光学素子(例えば、第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40c)から出射された3つの異なる方向からの光を、第1の電極群117-1及び第4の電極群117-2を用いて右側に透過させる又は透過させつつ拡散させ、第2の電極群117-3及び第5の電極群117-4を用いてセンターに透過させるか又は透過させつつ拡散させ、第3の電極群117-5及び第6の電極群117-6を用いて左側に透過させる又は透過させつつ拡散させることができる。
【0187】
また、本実施形態に係る液晶光学素子10では、第1の基板111のセンター又は略センターに設けられた第2の電極群117-3、及び第2の基板121のセンター又は略センターに設けられた第5の電極群117-4の透明電極の電極の幅、電極間距離、及び電極間のピッチを狭くすることで、第2の電極群117-3及び第5の電極群117-4に設けられた透明電極に電位を供給した際に、液晶が配向する範囲を狭い範囲で制御することができる。すなわち、センター又は略センターに拡散する光のx軸方向又はy軸方向への光の拡散度合いをより細かく制御することができる。本実施形態に係る液晶光学素子10では、同様の透明電極配置を有する第1の液晶セル110aと第2の液晶セル110bとが積層され、センター又は略センターに拡散する光のx軸方向への光の拡散度合いをより細かく制御することができる。また、本実施形態に係る液晶光学素子10では、同様の透明電極配置を有する第1の液晶セル110aと第2の液晶セル110bの上に、同様の透明電極配置を有する第3の液晶セル110cと第4の液晶セル110dとが積層され、センター又は略センターに拡散する光のy軸方向への光の拡散度合いもより細かく制御することができる。その結果、センター又は略センターに配置された第2の光学素子40bからの光を、左右上下方向により細かく拡散させ、左右上下方向への配光及び配光パターンをより細かく制御することができる。
【0188】
図26に示す透明電極の接続を説明するための模式的な平面図は、
図11に示す透明電極の接続を説明するための模式的な平面図と比較して、各透明電極がそれぞれ独立に電位を供給される点において異なる。
図26に示す図は、
図11に示す図と比較して、それ以外の点は同じであるから、ここでの詳細な説明は省略される。
【0189】
第1の透明電極181a及び第1の透明電極181dは第1の電位V1を供給する第1の電位供給線461に接続されている。第5の透明電極185a及び第5の透明電極185dは第9の電位V9を供給する第9の電位供給線465に接続されている。第9の透明電極189a及び第9の透明電極189dは第17の電位V17を供給する第17の電位供給線469に接続されている。
【0190】
第2の透明電極182a及び第2の透明電極182dは第2の電位V2を供給する第2の電位供給線462に接続されている。第6の透明電極186a及び第6の透明電極186dは第10の電位V10を供給する第10の電位供給線466に接続されている。第10の透明電極190a及び第10の透明電極190dは第18の電位V18を供給する第18の電位供給線470に接続されている。
【0191】
第3の透明電極183a及び第3の透明電極183dは第3の電位V3を供給する第3の電位供給線463に接続されている。第7の透明電極187a及び第7の透明電極187dは第11の電位V11を供給する第11の電位供給線467に接続されている。第11の透明電極191a及び第11の透明電極191dは第19の電位V19を供給する第19の電位供給線471に接続されている。
【0192】
第4の透明電極184a及び第4の透明電極184dは第4の電位V4を供給する第4の電位供給線464に接続されている。第8の透明電極188a及び第8の透明電極188dは第12の電位V12を供給する第12の電位供給線468に接続されている。第12の透明電極192a及び第12の透明電極192dは第20の電位V20を供給する第20の電位供給線472に接続されている。
【0193】
第1の透明電極181b及び第1の透明電極181cは第5の電位V5を供給する第5の電位供給線481に接続されている。第5の透明電極185b及び第5の透明電極185cは第13の電位V13を供給する第13の電位供給線485に接続されている。第9の透明電極189b及び第9の透明電極189cは第21の電位V21を供給する第21の電位供給線489に接続されている。
【0194】
第2の透明電極182b及び第2の透明電極182cは第6の電位V6を供給する第6の電位供給線482に接続されている。第6の透明電極186b及び第6の透明電極186cは第14の電位V14を供給する第14の電位供給線486に接続されている。第10の透明電極190b及び第10の透明電極190cは第22の電位V22を供給する第22の電位供給線490に接続されている。
【0195】
第3の透明電極183b及び第3の透明電極183cは第7の電位V7を供給する第7の電位供給線483に接続されている。第7の透明電極187b及び第7の透明電極187cは第15の電位V15を供給する第15の電位供給線487に接続されている。第11の透明電極191b及び第11の透明電極191cは第23の電位V23を供給する第23の電位供給線491に接続されている。
【0196】
第4の透明電極184b及び第4の透明電極184cは第8の電位V8を供給する第8の電位供給線484に接続されている。第8の透明電極188b及び第8の透明電極188cは第16の電位V16を供給する第16の電位供給線488に接続されている。第12の透明電極192b及び第12の透明電極192cは第24の電位V24を供給する第24の電位供給線492に接続されている。
【0197】
図26に示す第1の電位V11~第24の電位V24は、固定電位であってよく、変動電位であってもよい。第1の電位供給線461~第24の電位供給線492には、Low電位およびHigh電位だけでなく、Low電位とHigh電位との間の中間電位も供給される。すなわち、第1の電位V11~第24の電位V24には、絶対値の異なる3つの電位が含まれる。
【0198】
第4実施形態に係る液晶光学素子10では、各透明電極は制御回路70(
図10)から独立に電位を供給される。よって、第1の光学素子40a、第2の光学素子40b及び第3の光学素子40cの3つの光学素子から出射された光を、それぞれ独立にx軸方向及びy軸方向に透過及び拡散することができる。その結果、第4実施形態に係る液晶光学素子10を含む照明装置は、光の配光及び配光パターンをさらに様々な形状に制御することができる。
【0199】
<第5実施形態>
第5実施形態では、4つの光学素子がx軸方向及びy軸方向にマトリクス状に配置される形態について説明する。
図27は本発明の第5実施形態に係る光源20dの平面図である。
図28(A)~
図28(F)に示される配光パターンは本発明の第5実施形態に係る照明装置から出射された光の配光パターンを示す模式図である。例えば、
図28(A)~
図28(F)に示される配光パターンは、第4の液晶セル110dの出射面(z軸方向において、光源20が設けられる側と反対側の面)に投影(照射)されるパターンである。
図27及び
図28(A)~
図28(F)に示す形態は一例であって、第5実施形態は、
図27及び
図28(A)~
図28(F)に示す形態に限定されない。第5実施形態の説明では、第1実施形態~第4実施形態と同様の説明を省略する場合がある。
【0200】
図27では、光源20dは、光学素子40及び支持部材50dを有する。光学素子40は、第5の光学素子40g、第6の光学素子40h、第7の光学素子40i、及び第8の光学素子40jから構成される。第5の光学素子40g、第6の光学素子40h、第7の光学素子40i、及び第8の光学素子40jは、平面視において、x軸方向及びy軸方向にマトリクス状に、支持部材50d上に配置される。
【0201】
例えば、第6の光学素子40hは、x軸方向に対して第5の光学素子40gに隣接して配置され、y軸方向に対して第8の光学素子40jに隣接して配置される。第7の光学素子40iは、第6の光学素子40hに対して対角に配置され、x軸方向に対して第8の光学素子40jに隣接して配置され、y軸方向に対して第5の光学素子40gに隣接して配置される。第8の光学素子40jは、第5の光学素子40gに対して対角に配置される。各光学素子は第1実施形態~第4実施形態で示す光学素子と同様の光学素子を用いることができる。
【0202】
図27では、各光学素子が離れて配置される例が示されるが、各光学素子の配置は
図27に示される例に限定されない。各光学素子は密接するように配置されてもよい。
【0203】
支持部材50dは平坦な面を有し、第5の光学素子40g、第6の光学素子40h、第7の光学素子40i、及び第8の光学素子40jが当該平坦な面上に配置される例を示すが、支持部材50dは第5実施形態で示す例に限定されない。例えば、断面視において、支持部材50dは、第1実施形態に示すような凸状の形状を有してよく、第1実施形態に示すような凹状の形状を有してもよい。また、支持部材50dは、第1実施形態に示す支持部材50a又は50bと同様の基板を用いることができる。
【0204】
図28(A)に示される配光パターンは、4つの光学素子を点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に中間電位を供給した場合に照明装置30から出射された光の配光パターンである。
図28(A)に示される配光パターンは、x軸方向及びy軸方向にマトリクス状に4つのスポット光90a、90b、90c、90dが照射されている。
【0205】
図28(B)に示される配光パターンは、2つの光学素子(第5の光学素子40g及び第7の光学素子40i)を点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に第1の変動電位又は第2の変動電位を供給した場合に照明装置から出射される光の配光パターンである。
図28(B)に示される配光パターンは、y軸方向に平行に並ぶ第5の光学素子40g及び第7の光学素子40iに沿って拡散された光(拡散光91)が照射されている配光パターンである。
【0206】
図28(C)に示される配光パターンは、2つの光学素子(第5の光学素子40g及び第6の光学素子40h)を点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に第1の変動電位又は第2の変動電位を供給した場合に照明装置から出射された光の配光パターンである。
図18(C)に示される配光パターンは、x軸方向に平行に並ぶ第5の光学素子40g及び第6の光学素子40hに沿って拡散された光(拡散光92)が照射されている。
【0207】
図28(D)に示される配光パターンは、4つの光学素子を点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極にx軸方向への光の拡散を抑制するレベルの第1の変動電位又は第2の変動電位を供給した場合に照明装置から出射された光の配光パターンである。
図28(D)に示される配光パターンは、y軸方向に平行に並ぶ第5の光学素子40gと第7の光学素子40iに沿って拡散された光(拡散光93a)、及び、y軸方向に平行に並ぶ第6の光学素子40h及び第8の光学素子40jに沿って拡散された光(拡散光93b)が照射されている。
【0208】
図28(E)に示される配光パターンは、4つの光学素子を点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極にy軸方向への光の拡散を抑制するレベルの第1の変動電位又は第2の変動電位を供給した場合に照明装置から出射された光の配光パターンである。
図28(E)に示される配光パターンは、x軸方向に平行に並ぶ第5の光学素子40g及び第6の光学素子40hに沿って拡散された光(拡散光94a)、及び、x軸方向に平行に並ぶ第7の光学素子40i及び第8の光学素子40jに沿って拡散された光が(拡散光94b)照射されている。
【0209】
図28(F)に示される配光パターンは、4つの光学素子を点灯し、液晶光学素子10の各液晶セルの各透明電極に第1の変動電位又は第2の変動電位を供給した場合に照明装置から出射された光の配光パターンである。
図28(F)に示される配光パターンは、x軸方向に平行に並ぶ第5の光学素子40g及び第6の光学素子40hに沿って拡散された光、x軸方向に平行に並ぶ第7の光学素子40i及び第8の光学素子40jに沿って拡散された光、y軸方向に平行に並ぶ第5の光学素子40g及び第7の光学素子40iに沿って拡散された光、及び、y軸方向に平行に並ぶ第6の光学素子40h及び第8の光学素子40jに沿って拡散された光を合成した光95が照射されている。
【0210】
図28(A)~
図28(F)に示す光の配光パターンでは、光源20dの4つの光学素子のそれぞれのLEDをON又はOFFする制御信号が制御回路70から光源20dに送信される。また、制御回路70から液晶光学素子10に含まれる各透明電極に所定の電位が供給される。
【0211】
第5実施形態に係る光源20dは4つの光学素子を有し、4方向に光を出射することができる。第5実施形態に係る照明装置は、光の照射方向が互いに異なる第5の光学素子40g、第6の光学素子40h、第7の光学素子40i、及び第8の光学素子40jの4つの光学素子から出射された光を、液晶光学素子10を用いてx軸方向及びy軸方向に透過及び拡散することができる。その結果、第5実施形態に係る照明装置は、光の配光及び配光パターンを様々に制御することができる。
【0212】
本発明の実施形態として上述した液晶光学素子の構成、光源の構成、照明装置の構成は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、液晶光学素子の構成、光源の構成、照明装置の構成を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0213】
また、上述した実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0214】
10:液晶光学素子、10a:液晶光学素子、10b:液晶光学素子、10c:液晶光学素子、20:光源、20b:光学素子、20c:光源、20d:光源、30:照明装置、30b:照明装置、30c:照明装置、30d:照明装置、40:光学素子、40a:第1の光学素子、40b:第2の光学素子、40c:第3の光学素子、40d:第4の光学素子、40e:第5の光学素子、40f:第6の光学素子、40g:第5の光学素子、40h:第6の光学素子、40i:第7の光学素子、40j:第8の光学素子、50a:支持部材、50b:支持部材、50c:支持部材、50d:支持部材、60:センサ、70:制御回路、80a:右側スポット光、80b:センタースポット光、80c:左側スポット光、81、82a、82b、82c、83:拡散光、84、85、86、87:光、85a、85b、85c、87a:領域、90a、90b、90c、90d:スポット光、91、92:拡散光、93a、93b:拡散光、94a、94b:拡散光、95:光、110a:第1の液晶セル、110b:第2の液晶セル、110c:第3の液晶セル、110d:第4の液晶セル、111:第1の基板、111a:第1の基板、111b:第1の基板、111c:第1の基板、111d:第1の基板、113:液晶層、114a:第1の配向膜、114b:第1の配向膜、114c:第1の配向膜、114d:第1の配向膜、115:シール材、116:配線、116-1:第1の配線、116-11:第11の配線、116-12:第12の配線、116-13:第13の配線、116-14:第14の配線、116-17:第17の配線、116-18:第18の配線、116-2:第2の配線、116-3:第3の配線、116-4:第4の配線、116-5:第5の配線、116-6:第6の配線、116-7:第7の配線、116-8:第8の配線、117-1:第1の電極群、117-2:第4の電極群、117-3:第2の電極群、117-4:第5の電極群、117-5:第3の電極群、117-6:第6の電極群、121:第2の基板、121a:第2の基板、121b:第2の基板、121c:第2の基板、121d:第2の基板、124:第2の配向膜、124a:第2の配向膜、124b:第2の配向膜、124c:第2の配向膜、124d:第2の配向膜、130a:第1の透明接着層、130b:第2の透明接着層、130c:第3の透明接着層、150a:シール材、150b:シール材、150c:シール材、150d:シール材、160:液晶層、160a:液晶層、160b:液晶層、160c:液晶層、160d:液晶層、180:入射光、180a:光、180b:光、180c:光、180d:光、180e:光、180f:光、181:第1の透明電極、181a:第1の透明電極、181b:第1の透明電極、181c:第1の透明電極、181d:第1の透明電極、182:第2の透明電極、182a:第2の透明電極、182b:第2の透明電極、182c:第2の透明電極、182d:第2の透明電極、183:第3の透明電極、183a:第3の透明電極、183b:第3の透明電極、183c:第3の透明電極、183d:第3の透明電極、184:第4の透明電極、184a:第4の透明電極、184b:第4の透明電極、184c:第4の透明電極、184d:第4の透明電極、185:第5の透明電極、185a:第5の透明電極、185b:第5の透明電極、185c:第5の透明電極、185d:第5の透明電極、186:第6の透明電極、186a:第6の透明電極、186b:第6の透明電極、186c:第6の透明電極、186d:第6の透明電極、187:第7の透明電極、187a:第7の透明電極、187b:第7の透明電極、187c:第7の透明電極、187d:第7の透明電極、188:第8の透明電極、188a:第8の透明電極、188b:第8の透明電極、188c:第8の透明電極、188d:第8の透明電極、189:第9の透明電極、189a:第9の透明電極、189b:第9の透明電極、189c:第9の透明電極、189d:第9の透明電極、190:第10の透明電極、190a:第10の透明電極、190b:第10の透明電極、190c:第10の透明電極、190d:第10の透明電極、191:第11の透明電極、191a:第11の透明電極、191b:第11の透明電極、191c:第11の透明電極、191d:第11の透明電極、192:第12の透明電極、192a:第12の透明電極、192b:第12の透明電極、192c:第12の透明電極、192d:第12の透明電極、200:出射光、210:発光素子、210a:第1の発光素子、210b:第2の発光素子、210c:第3の発光素子、220:反射器、220a:第1の反射器、220b:第2の反射器、220c:第3の反射器、230:凸レンズ、310:第1の偏光、320:第2の偏光、461:第1の電位供給線、462:第2の電位供給線、463:第3の電位供給線、464:第4の電位供給線、465:第9の電位供給線、466:第10の電位供給線、467:第11の電位供給線、468:第12の電位供給線、469:第17の電位供給線、470:第18の電位供給線、471:第19の電位供給線、472:第20の電位供給線、481:第5の電位供給線、482:第6の電位供給線、483:第7の電位供給線、484:第8の電位供給線、485:第13の電位供給線、486:第14の電位供給線、487:第15の電位供給線、488:第16の電位供給線、489:第21の電位供給線、490:第22の電位供給線、491:第23の電位供給線、492:第24の電位供給線