(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】PVT変動に対する耐性および等しい立ち上がり/立ち下がりエッジを有する直角位相クロック生成のための新規な遅延セル
(51)【国際特許分類】
H04L 7/00 20060101AFI20240605BHJP
H03K 5/134 20140101ALI20240605BHJP
H04L 25/02 20060101ALI20240605BHJP
【FI】
H04L7/00 370
H03K5/134
H04L25/02 V
(21)【出願番号】P 2023557152
(86)(22)【出願日】2022-02-14
(86)【国際出願番号】 US2022070650
(87)【国際公開番号】W WO2022204632
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-09-15
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】タン、チウ・キョン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ジーチン
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-114858(JP,A)
【文献】特開2010-157923(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0106377(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0306554(US,A1)
【文献】国際公開第2008/047682(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/00 - 7/10
H04L 25/02 - 25/28
H03K 3/017
H03K 5/134
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遅延回路であって、
シンク電流源を有しており、入力信号を受信し、前記遅延回路の出力信号の立ち上がりエッジを生成するように構成された第1のnMOS(N)ステージと、ここにおいて、前記出力信号は、前記入力信号の遅延バージョンである、
ソース電流源を有しており、前記入力信号を受信し、前記出力信号の立ち下がりエッジを生成するように構成された第1のpMOS(P)ステージと、ここで、前記シンク電流源および前記ソース電流源は、複数のバイアス電圧のうちのそれぞれのバイアス電圧に応答して可変である、
前記第1のNステージおよび前記第1のPステージに結合されており、前記出力信号のデューティサイクル歪みを補正するために、前記出力信号の前記立ち上がりエッジおよび前記立ち下がりエッジのうちの1つのみを調整するように構成されたデューティサイクル補正モジュールと、
を備える、遅延回路。
【請求項2】
前記デューティサイクル補正モジュールは、
ドレインと、ゲートと、ソースとを各々が有する、p型金属酸化膜半導体デバイス(pMOS)のセットと、前記ドレインは、前記第1のPステージに結合され、前記ソースは、電圧源(VDD)に結合され、前記ゲートは、前記複数のバイアス電圧のうちの第1のバイアス電圧(Vbp)を受け取るように構成され、
ドレインと、ゲートと、ソースとを各々が有する、n型金属酸化膜半導体デバイス(nMOS)のセットと、前記ドレインは、前記第1のNステージに結合され、前記ソースは、接地に結合され、前記ゲートは、前記複数のバイアス電圧のうちの第2のバイアス電圧(Vbn)を受け取るように構成され、
を備える、請求項1に記載の遅延回路。
【請求項3】
前記デューティサイクル補正モジュールの前記pMOSのセットは、前記出力信号の前記立ち下がりエッジを調整するためにチューニング可能であるように構成され、前記デューティサイクル補正モジュールの前記nMOSのセットは、一定のままであるように構成される、請求項2に記載の遅延回路。
【請求項4】
前記デューティサイクル補正モジュールの前記nMOSのセットは、前記出力信号の前記立ち上がりエッジを調整するためにチューニング可能であるように構成され、前記デューティサイクル補正モジュールの前記pMOSのセットは、一定のままであるように構成される、請求項2に記載の遅延回路。
【請求項5】
遅延回路であって、
シンク電流源を有しており、入力信号を受信し、前記遅延回路の出力信号の立ち上がりエッジを生成するように構成された第1のnMOS(N)ステージと、ここにおいて、前記出力信号は、前記入力信号の遅延バージョンである、
ソース電流源を有しており、前記入力信号を受信し、前記出力信号の立ち下がりエッジを生成するように構成された第1のpMOS(P)ステージと、ここで、前記シンク電流源および前記ソース電流源は、複数のバイアス電圧のうちのそれぞれのバイアス電圧に応答して可変である、
前記第1のPステージに結合された第1の入力と、前記遅延回路の前記出力信号の前記立ち下がりエッジを提供するために、前記遅延回路の出力に結合された出力とを有する第2のNステージと、
前記第1のNステージに結合された第1の入力と、前記遅延回路の前記出力信号の前記立ち上がりエッジを提供するために、前記遅延回路の前記出力に結合された出力とを有する第2のPステージと、
を備える、遅延回路。
【請求項6】
前記第2のPステージは、
ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力pMOSと、前記出力pMOSの前記ソースは、電圧源(VDD)に結合され、前記ドレインは、前記遅延回路の出力に結合され、前記ゲートは、前記第1のNステージに結合され、
ゲートと、ソースと、ドレインとを有する補償NMOSと、前記ドレインは、前記電圧源(VDD)に結合され、前記ソースは、前記遅延回路の前記出力に結合され、前記ゲートは、第1の追跡モジュールに結合され、
を備える、請求項5に記載の遅延回路。
【請求項7】
前記第1の追跡モジュールは、前記第1のPステージの前記ソース電流源と実質的に同様の第2のソース電流源と、ゲートと、ソースと、ドレインとを有するnMOSとを備え、
前記ソースは、接地に結合され、前記ドレインは、前記第2のソース電流源に結合され、前記ゲートは、前記入力信号の相補バージョンを受信するように構成される、
請求項6に記載の遅延回路。
【請求項8】
前記第2のNステージは、
ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力nMOSと、前記ソースは、接地に結合され、前記ドレインは、前記遅延回路の前記出力に結合され、前記ゲートは、前記第1のPステージに結合され、
ゲートと、ソースと、ドレインとを有する補償pMOSと、前記ドレインは、接地に結合され、前記ソースは、前記遅延回路の前記出力に結合され、前記ゲートは、第2の追跡モジュールに結合され、
を備える、請求項7に記載の遅延回路。
【請求項9】
前記第2の追跡モジュールは、
前記第1のNステージの前記シンク電流源と実質的に同様の第2のシンク電流源と、 ゲートと、ソースと、ドレインとを有するpMOSと、を備え、
前記ソースは、前記電圧源(VDD)に結合され、前記ドレインは、前記第2のシンク電流源に結合され、前記ゲートは、前記入力信号の前記相補バージョンを受信するように構成される、
請求項8に記載の遅延回路。
【請求項10】
前記複数のバイアス電圧は、バンドギャップ基準電流から生成される、請求項1に記載の遅延回路。
【請求項11】
システムオンチップ(SoC)であって、
処理モジュールと、
前記処理モジュールに結合され、前記SoCの外部のソースから入力信号を受信するように構成された入力インターフェースと、を備え、
前記入力インターフェースは、直角位相クロック生成器を備え、前記直角位相クロック生成器は、
請求項1に記載の遅延回路、
を備える、システムオンチップ(SoC)。
【請求項12】
前記直角位相クロック生成器は、
前記
入力信号の前記遅延バージョンを受信し、前記
入力信号の前記遅延バージョンに基づいて、相補クロック信号のペアを生成するために、前記遅延回路に結合されたシングルエンド・差動コンバータと、
前記相補クロック信号のペアを受信するために、前記シングルエンド・差動コンバータに結合された位相補間器と、
をさらに備える、請求項11に記載のシステム
オンチップ。
【請求項13】
遅延回路において入力信号の遅延バージョンを生成するための方法であって、
シンク電流源を有する第1のnMOS(N)ステージを使用して、前記入力信号から
前記遅延回路の出力信号の立ち上がりエッジを生成することと、ここにおいて、前記出力信号は、前記入力信号の前記遅延バージョンである、
ソース電流源を有する第1のpMOS(P)ステージを使用して、前記出力信号の立ち下がりエッジを生成することと、ここで、前記シンク電流源および前記ソース電流源は、複数のバイアス電圧のうちのそれぞれのバイアス電圧に応答して可変である、
前記出力信号のデューティサイクル歪みを補正するために、前記出力信号の前記立ち上がりエッジおよび前記立ち下がりエッジのうちの1つのみを調整することと、
を備える、方法。
【請求項14】
第2のNステージを使用して、前記出力信号の前記立ち下がりエッジを提供することと、前記第2のNステージは、前記第1のPステージに結合された第1の入力と、前記遅延回路の出力に結合された出力とを有し、
第2のPステージを使用して、前記出力信号の前記立ち上がりエッジを提供することと、前記第2のPステージは、前記第1のNステージに結合された第1の入力と、前記遅延回路の前記出力に結合された出力とを有し、
をさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のPステージは、ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力PMOSを備え、前記出力PMOSの前記ソースは、電圧源(VDD)に結合され、前記ドレインは、前記遅延回路の出力に結合され、前記ゲートは、前記第1のNステージに結合され、前記方法は、
第1の追跡モジュールによって駆動される補償NMOSを使用して、前記出力信号の前記立ち上がりエッジに対するクロススキュー補償を提供すること、ここにおいて、前記補償NMOSは、ゲートと、ソースと、ドレインとを有し、前記ドレインは、前記電圧源(VDD)に結合され、前記ソースは、前記遅延回路の前記出力に結合され、前記ゲートは、前記第1の追跡モジュールに結合される、
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のNステージは、ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力NMOSを備え、前記出力NMOSの前記ソースは、接地に結合され、前記ドレインは、前記遅延回路の前記出力に結合され、前記ゲートは、前記第1のPステージに結合され、前記方法は、
第2の追跡モジュールによって駆動される補償PMOSを使用して、前記出力信号の前記立ち下がりエッジに対してクロススキュー補償を提供すること、ここにおいて、前記補償PMOSは、ゲートと、ソースと、ドレインとを有し、前記ドレインは、前記接地に結合され、前記ソースは、前記遅延回路の前記出力に結合され、前記ゲートは、前記第2の追跡モジュールに結合される、
をさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
バンドギャップ基準電流源から、前記複数のバイアス電圧を生成すること、
をさらに備える、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条の下での優先権の主張
[0001]本特許出願は、本特許出願の譲受人に対して譲渡され、本明細書に参照によって明示的に組み込まれている、2021年3月25日に出願された、「NOVEL DELAY CELL FOR QUADRATURE CLOCK GENERATION WITH INSENSITIVITY TO PVT VARIATION AND EQUAL RISING/FALLING EDGES」と題された非仮出願第17/212,366号の優先権を主張する。
【0002】
[0002]本開示の態様は、一般に、遅延回路に関し、より詳細には、プロセス、電圧、および温度(PVT:process, voltage, and temperature)変動に耐性(insensitive)のある遅延回路に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]集積回路(IC)は、様々な動作を行うための複数の遅延要素または遅延回路を含み得る。例えば、遅延要素は、2つ以上の信号をタイムアライメントするために、例えば、データ信号を対応するクロック信号に、および/またはこの逆にタイムアライメントするためなどに使用され得る。遅延要素は、到来データをサンプリングするために、1つまたは複数のクロック信号を生成するための入力/出力(I/O)インターフェースにおいても使用され得る。そのような遅延要素の性能が、本開示において注目される。
【発明の概要】
【0004】
[0004]以下は、そのような実装の基本的な理解を提供するために、1つまたは複数の実装の簡略化された概要を提示する。本概要は、あらゆる想定される実装の広範囲な概観ではなく、あらゆる実装の主要な要素または重要な要素を識別することも、実装のうちのいずれかまたは全部の範囲を描写することも、意図されていない。その唯一の目的は、後に提示される、より詳細な説明の前置きとして、1つまたは複数の実装のいくつかの概念を簡略化された形式で提示することである。
【0005】
[0005]本開示の一態様は、遅延回路であって、シンク電流源を有しており、入力信号を受信し、遅延回路の出力信号の立ち上がりエッジを生成するように構成された第1のNサブステージと、ここにおいて、出力信号が、入力信号の遅延バージョンである;ソース電流源を有しており、入力信号を受信し、出力信号の立ち下がりエッジを生成するように構成された第1のPサブステージと、を備え、シンク電流源およびソース電流源が、複数のバイアス電圧のうちのそれぞれのバイアス電圧に応答して変動可能である、遅延回路に関する。
【0006】
[0006]本開示の1つの態様によれば、遅延回路は、第1のNサブステージおよび第1のPサブステージに結合されており、出力信号のデューティサイクル歪みを補正するために、出力信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジのうちの1つのみを調整するように構成されたデューティサイクル補正モジュールをさらに含み得る。
【0007】
[0007]本開示のさらなる態様によれば、デューティサイクル補正モジュールは、p型金属酸化膜半導体デバイス(pMOS)のセットと、各々がドレインと、ゲートと、ソースとを有し、ドレインが、第1のPサブステージに結合され、ソースが、電圧源(VDD)に結合され、ゲートが、複数のバイアス電圧のうちの第1のバイアス電圧(Vbp)を受け取るように構成される;n型金属酸化膜半導体デバイス(nMOS)のセットと、各々がドレインと、ゲートと、ソースとを各々が有し、ドレインが、第1のNサブステージに結合され、ソースが、接地に結合され、ゲートが、複数のバイアス電圧のうちの第2のバイアス電圧(Vbn)を受け取るように構成される、を備える。
【0008】
[0008]本開示のさらなる態様によれば、デューティサイクル補正モジュールのpMOSのセットが、出力信号の立ち下がりエッジを調整するためにチューニング可能であるように構成され、デューティサイクル補正モジュールのnMOSのセットが、一定のままであるように構成される。
【0009】
[0009]本開示の別の態様によれば、デューティサイクル補正モジュールのnMOSのセットが、出力信号の立ち上がりエッジを調整するためにチューニング可能であるように構成され、デューティサイクル補正モジュールのpMOSのセットが、一定のままであるように構成される。
【0010】
[0010]本開示の1つの態様によれば、遅延回路は、第1のPサブステージに結合された第1の入力と、遅延回路の出力信号の立ち下がりエッジを提供するために、遅延回路の出力に結合された出力とを有する第2のNサブステージと、第1のNサブステージに結合された第1の入力と、遅延回路の出力信号の立ち上がりエッジを提供するために、遅延回路の出力に結合された出力とを有する第2のPサブステージと、をさらに含む。
【0011】
[0011]本開示のさらなる態様によれば、第2のPサブステージが、ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力pMOSと、出力pMOSのソースが、電圧源(VDD)に結合され、ドレインが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第1のNサブステージに結合される;ゲートと、ソースと、ドレインとを有する補償NMOSと、ドレインが、電圧源(VDD)に結合され、ソースが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第1の追跡モジュールに結合される、を含む。
【0012】
[0012]本開示のさらなる態様によれば、第1の追跡モジュールが、第1のPサブステージのソース電流源と実質的に同様の第2のソース電流源と、ゲートと、ソースと、ドレインとを有するnMOSとを含み、ソースが、接地に結合され、ドレインが、第2のソース電流源に結合され、ゲートが、入力信号の相補バージョンを受信するように構成される。
【0013】
[0013]本開示のさらなる態様によれば、第2のNサブステージが、ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力nMOSと、ソースが、接地に結合され、ドレインが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第1のPサブステージに結合される;ゲートと、ソースと、ドレインとを有する補償pMOSと、ドレインが、接地に結合され、ソースが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第2の追跡モジュールに結合される、を含む。
【0014】
[0014]本開示のさらなる態様によれば、第2の追跡モジュールが、第1のNサブステージのシンク電流源と実質的に同様の第2のシンク電流源と、ゲートと、ソースと、ドレインとを有するpMOSとを含み、ソースが、電圧源(VDD)に結合され、ドレインが、第2のシンク電流源に結合され、ゲートが、入力信号の相補バージョンを受信するように構成される。
【0015】
[0015]本開示のさらなる態様によれば、複数のバイアス電圧が、バンドギャップ基準電流から生成される。
【0016】
[0016]本開示の1つの態様によれば、システムオンチップ(SoC)が、処理モジュールと;処理モジュールに結合され、SoCの外部のソースから入力信号を受信するように構成された入力インターフェースとを含み、入力インターフェースが、直角位相クロック(quadrature clock)生成器を備え、直角位相クロック生成器が、上記段落のいずれかにおいて記載されたような遅延回路を備える。
【0017】
[0017]本開示のさらなる態様によれば、直角位相クロック生成器が、クロック信号の遅延バージョンを受信し、クロック信号の遅延バージョンに基づいて、相補クロック信号のペアを生成するために、遅延回路に結合されたシングルエンド・差動コンバータ(single end to differential converter)と;相補クロック信号のペアを受信するために、シングルエンド・差動コンバータに結合された位相補間器とをさらに備える。
【0018】
[0018]本開示の1つの態様によれば、入力信号の遅延バージョンを生成するための方法が、シンク電流源を有する第1のNサブステージを使用して、入力信号から出力信号の立ち上がりエッジを生成することと、ここにおいて、出力信号が、入力信号の前記遅延バージョンである;ソース電流源を有する第1のPサブステージを使用して、出力信号の立ち下がりエッジを生成することとを含み、シンク電流源およびソース電流源は、複数のバイアス電圧のうちのそれぞれのバイアス電圧に応答して可変である。
【0019】
[0019]本開示のさらなる態様によれば、方法は、出力信号のデューティサイクル歪みを補正するために、出力信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジのうちの1つのみを調整することをさらに含む。
【0020】
[0020]本開示のさらなる態様によれば、方法は、第2のNサブステージを使用して、出力信号の立ち下がりエッジを提供することと、第2のNサブステージが、第1のPサブステージに結合された第1の入力と、遅延回路の出力に結合された出力とを有する;第2のPサブステージを使用して、出力信号の立ち上がりエッジを提供することと、第2のPサブステージが、第1のNサブステージに結合された第1の入力と、遅延回路の出力に結合された出力とを有する、をさらに含む。
【0021】
[0021]本開示のさらなる態様によれば、第2のPサブステージが、ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力PMOSを備え、出力PMOSのソースが、電圧源(VDD)に結合され、ドレインが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第1のNサブステージに結合され;方法が、第1の追跡モジュールによって駆動される補償NMOSを使用して、出力信号の立ち上がりエッジに対するクロススキュー補償を提供すること、ここにおいて、補償NMOSが、ゲートと、ソースと、ドレインとを有し、ドレインが、電圧源(VDD)に結合され、ソースが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第1の追跡モジュールに結合される、をさらに備える。
【0022】
[0022]本開示のさらなる態様によれば、第2のNサブステージが、ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力NMOSを備え、出力NMOSのソースが、接地に結合され、ドレインが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第1のPサブステージに結合され;方法が、第2の追跡モジュールによって駆動される補償PMOSを使用して、出力信号の立ち下がりエッジに対してクロススキュー補償を提供すること、ここにおいて、補償PMOSが、ゲートと、ソースと、ドレインとを有し、ドレインが、接地に結合され、ソースが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第2の追跡モジュールに結合される、をさらに備える。
【0023】
[0023]本開示のさらなる態様によれば、方法は、バンドギャップ基準電流源から、複数のバイアス電圧を生成することをさらに含む。
【0024】
[0024]前述の目的および関連する目的の達成のために、1つまたは複数の実装は、以下に完全に説明され、特許請求の範囲において特に指摘されている特徴を含む。下記の説明および添付された図面は、1つまたは複数の実装の一定の例示的な態様を詳しく述べる。しかしながら、これらの態様は、様々な実装の原理が採用され得る様々な手法のうちの少数を示すものであり、実装の説明は、そのような態様およびそれらの均等物をすべて含むことを意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】[0025]例示的な従来の遅延回路を示す図。
【
図2】[0026]システムオンチップ(SoC)の1つの実装を示す図。
【
図3】[0027]直角位相クロック生成器の1つの実装を示す図。
【
図4】[0028]本開示のいくつかの態様による遅延ユニットの1つの実装を示す図。
【
図5】[0029]本開示のいくつかの態様による遅延回路の1つの実装を示す図。
【
図6】[0030]本開示のいくつかの態様による遅延回路の1つの実装を示す図。
【
図7】[0031]バイアス電圧生成器の1つの実装を示す図。
【
図8】[0032]入力信号の遅延バージョンを生成するための方法の1つの実装を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0033]添付の図面に関連して下記に述べられる詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書において説明される概念が実施され得る唯一の構成を表すことを意図されていない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を提供する目的のために、具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの概念は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることが、当業者には明らかであろう。いくつかの実例において、周知の構造および構成要素は、そのような概念を曖昧にしないようにするために、ブロック図の形式で示される。
【0027】
[0034]遅延回路は、多くの異なる用途において半導体回路内で広く使用されてきた。従来の遅延回路は、典型的には、単純なインバータベースの回路を含み、遅延調整は、静電容量チューニングおよび/またはデバイスサイジングによって達成される。例示的な従来のインバータベースの遅延回路100が、
図1に示される。遅延回路100は、p型金属酸化物半導体トランジスタ(pMOS)110と、別のpMOS130と、n型金属酸化物半導体トランジスタ(nMOS)120と、別のnMOS140と、調整可能な負荷コンデンサ150とを含む。pMOS110、130およびnMOS120、140の各々は、ソースと、ゲートと、ドレインとを有する。pMOS110およびnMOS120のゲート同士は、結合され、遅延回路100への入力信号clkinを受信するように構成される。pMOS110およびnMOS120のドレイン同士は、結合され、遅延回路100の出力信号clkoutを出力するように構成される。負荷コンデンサcload150は、pMOS110およびnMOS120のドレイン(すなわち、遅延回路100の出力)と接地との間に結合される。pMOS130のソースは、電力供給または電圧源VDDに結合され、pMOS130のドレインは、pMOS110のソースに結合される。pMOS130のゲートは、イネーブル信号enbの相補バージョンを受信するように構成される。pMOS130は、チューニング可能であり、電流源として構成される。nMOS140のソースは、接地に結合され、nMOS140のドレインは、nMOS120のソースに結合される。nMOS140のゲートは、イネーブル信号enを受信するように構成される。nMOS140は、チューニング可能であり、電流シンクとして構成される。電流源pMOS130および電流シンクnMOS140は、遅延回路100の特定の遅延を設定するために、それらのそれぞれのゲートにおいて、enbおよびenをそれぞれ受信する。例えば、チューニング可能なpMOS130は、pMOS110のソースとVDDとの間に並列に結合されたpMOSのセットを使用して実装されることが可能であり、ただし、pMOS130は、選択された数のpMOSをオンにすること(または起動すること(activating))によってチューニングされる。選択された数のpMOSをオンにすること(または起動すること)によって、pMOS130の実効的な(effective)サイズが調整され得る。同様に、チューニング可能なnMOS140は、nMOS120のソースと接地との間に並列に結合されたnMOSのセットを使用して実装されることが可能であり、ただし、nMOS140は、選択された数のnMOSをオンにすること(または起動すること)によってチューニングされる。選択された数のnMOSをオンにすること(または起動すること)によって、nMOS140の実効的なサイズが調整され得る。言い換えれば、遅延回路100の遅延は、pMOS130および/またはnMOS140のサイジングによって調整され得る。
【0028】
[0035]電流シンクnMOS140および電流源pMOS130に加えて、遅延回路100によって提供される遅延は、負荷静電容量cload150にも比例する。そのため、遅延回路100の遅延も、cload150を調整することによって調整され得る。いくつかの実装において、cload150は、遅延回路100の出力と接地との間に並列に結合されたコンデンサのセットを使用して実装され、ただし、コンデンサの各々は、スイッチによってオン/オフにされ得る。
【0029】
[0036]インバータベースの遅延回路100は、比較的単純であるが、遅延回路100は、プロセス、電圧、および/または温度(PVT)変動の影響を受けやすく、遅延に対する変化を引き起こし得る。したがって、遅延回路100は、PVTコーナー(PVT corners)にわたってより高い耐性を要求する、今日の多くの用途における、より複雑な半導体回路に適していないことがある。これは、
図2における例示的な電子デバイス200を参照して、以下にさらに論じられる。
【0030】
[0037]今日、電子デバイスは、多種多様な用途、例えば、自動車、コンピューティングシステム(例えば、ラップトップ、デスクトップ、サーバ等)、モバイルデバイスおよび/またはウェアラブルデバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ等)、モノのインターネット(IoT)デバイス等などにおいて使用されている。電子デバイスは、典型的には、1つまたは複数の半導体チップ、例えば、システムオンチップ(SoC)、記憶デバイス(例えば、フラッシュメモリ)等などを含む。パフォーマンス要件がますます高くなるにつれて、電子デバイス内の半導体チップ間で高速データリンクをサポートする必要がある。
図2は、本開示のいくつかの態様による電子デバイスの1つの実装を示す。電子デバイス200は、高速リンク280を介して互いに通信可能に結合された、SoC210と記憶デバイス290とを含む。クロック信号が埋め込まれたデータストリームは、高速リンク280を介して、記憶デバイス290とSoC210との間で送信され得る。例えば、記憶デバイス290は、フラッシュメモリ(例えば、NAND型フラッシュメモリ)を含むことができ、高速リンク280は、シリアライザ/デシリアライザ(SerDes)リンク、例えばユニバーサルフラッシュストレージ(UFS)準拠のリンクなどとすることができる。
【0031】
[0038]いくつかの実装において、SoC210は、処理モジュール220と、入力/出力(I/O)インターフェース230とを含む。SoC210は、
図2に例示された構成要素またはモジュールよりも多くの構成要素またはモジュールを含んでもよいことが、認識されるべきである。処理モジュール220は、アプリケーションプロセッサ(複数のコアを有する)、グラフィック処理ユニット(GPU)等とすることができる。I/Oインターフェース230は、クロックデータリカバリ(CDR)モジュール240と、直角位相クロック生成器250と、遅延ユニット260とを含むことができる。一般的に言えば、I/Oインターフェース230は、SoC210の外部の別の半導体チップ(例えば、記憶デバイス290)へ/から、高速リンク280を介して、データストリームを送るおよび/または受信するように構成される。高速リンク280を介してI/Oインターフェース230に通信可能に結合される、1つを超える半導体チップがあってもよいことが、認識されるべきである。しかし、例示を曖昧にしないように、1つの記憶デバイス290のみが
図2に示されている。
【0032】
[0039]本開示のいくつかの態様によれば、I/Oインターフェース230は、CDRモジュール240を含み、CDRモジュール240は、データストリーム中のデータのさらなる処理のために、高速リンク280を介して受信されたデータストリームにおけるクロック信号を回復するように構成される。いくつかの実装において、CDRモジュール240は、直角位相クロック(quadrature clock)生成器250を含み、直角位相クロック生成器250は、回復されたクロック信号から4つ(4)のクロック信号を生成するように構成される。さらに、4つのクロック信号は、典型的には、互いに同位相である(すなわち、2つのクロック信号ごとに互いに90度(90°)離れている)。
図2に示されるように、直角位相クロック生成器250は、遅延ユニット260を含む。遅延ユニット260を使用して、直角位相クロック生成器250は、回復されたクロック信号から、4つのクロック信号を生成することができる。本開示のいくつかの態様による直角位相クロック生成器250および遅延ユニット260のさらなる詳細は、
図3~
図7を参照して、以下にさらに論じられる。
【0033】
[0040]
図3は、直角位相クロック生成器250の1つの実装を示す。直角位相クロック生成器250は、入力バッファ310と、デューティサイクル補正(DCC:duty cycle correction)モジュール320と、第1のインバータ330と、第2のインバータ340と、遅延ユニット260と、第1のシングルエンド・差動(S2D:single-ended to differential)コンバータ350と、第2のS2Dコンバータ360と、位相補間器370とを含む。入力バッファ310は、入力と出力とを有する。入力バッファ310の出力は、DCCモジュール320の入力に結合される。DCCモジュール320は、DCCコードdcc_iを受信するための1つまたは複数の入力の付加的なセットを有する。さらに、DCCモジュール320は、出力を有し、出力は、第1のインバータ330の入力に結合される。第1のインバータ330の出力は、第2のインバータ340の入力に結合される。第1のインバータ330と第2のインバータ340とは、直列に結合される。第2のインバータ340の出力は、遅延ユニット260の入力と、第2のS2Dコンバータ360の入力とに結合される。遅延ユニット260は、コードの3つのセット、すなわち、coarse(粗)、fine(微)、dccを受信するための入力の付加的なセットを有する。遅延ユニット260は、遅延をチューニングするために、および/または遅延ユニット260の出力信号のデューティサイクルを補正するために、コードのこれらの3つのセットを使用することができる。遅延ユニット260のいくつかの実装の詳細は、以下にさらに論じられることになる。遅延ユニット260の出力は、第1のS2Dコンバータ350の入力に結合される。S2Dコンバータ350および360の各々は、2つの出力を有する。
【0034】
[0041]動作期間中に、入力バッファ310は、入力クロック信号clkin0 301を受信する。上記で論じられたように、clkin0 301は、I/Oインターフェース230において受信された入力データストリームから回復されたクロック信号であり得る。入力バッファ310は、clkin0 301をDCCモジュール320へ転送し、DCCモジュール320は、もしあれば、clkin0 301のデューティサイクル歪みを補正するように構成される。DCCモジュール320は、次いで、デューティサイクル補正されたクロック信号を第1のインバータ330および第2のインバータ340へ出力し、これらは、バッファとして構成される。インバータ340は、デューティサイクル補正されたクロック信号clkinを、遅延ユニット260および第2のS2Dコンバータ360へ出力する。同様に、インバータ330は、clkinの相補バージョン、すなわち、clkin_bを、遅延ユニット260へ出力する。遅延ユニット260は、clkinの遅延バージョンを生成し、clkinの遅延バージョンを第1のS2Dコンバータ350へ出力する。clkinの遅延バージョンは、clkinから90°離れている。第1のS2Dコンバータ350は、clkinの遅延バージョンから、差動クロック信号のペア(clkQおよびclkQb)を生成するように構成される。この差動クロック信号のペアは、Qクロックと称され得る。clkQbはclkQの相補バージョンであること、すなわち、clkQとclkQbとは互いから180°離れていることに留意されたい。同様に、第2のS2Dコンバータ360は、clkinから差動クロック信号のペア(clkIおよびclkIb)を生成するように構成される。差動クロック信号のこのペアは、Iクロックと称され得る。clkIbはclkIの相補バージョンであること、すなわち、clkIとclkIbとは互いから180°離れていることに留意されたい。そのため、生成された4つのクロック信号clkQ、clkQb、clkIおよびclkIbは、互いから90°離れている。したがって、これらの4つのクロック信号は、直角位相クロック信号とも称される。最後に、4つの直角位相クロック信号は、位相補間器370へ入力される。位相補間器370は、同相(I)および直角位相(Q)クロック位相をN回のステップで回転させ得、ただし、Nは、データストリーム中のデータ信号の感知または検出のために、同相クロックとデータストリームのデータアイの中心とを適当にアライメントするための整数である。
【0035】
[0042]上述したように、性能要件は、ますます高くなりつつある。例えば、UFS物理層(PHY)標準の新しい世代(第5世代)は、ハーフレート受信器アーキテクチャをサポートするために、クロック信号が10GHzおよび12.5GHzにあることを必要とする。一般に、位相補間器370は、クロック回復のために適当に機能するべく、正確な直角位相クロック位相を必要とする。直角位相クロック生成器250は、これらの直角位相クロック信号を精密な位相関係で生成しなければならない。具体的には、直角位相クロック生成器250は、UFS PHY標準(第5世代)をサポートするために、いかなるクロック分割もなしに、10GHzと12.5GHzの両方をサポートしなければならない。さらに、直角位相クロック生成器250は、低出力で、プロセススケーリングに対して柔軟でなければならない。直角位相クロック生成器250は、設計の複雑さを緩和するために、ロバストで、PVT変動に対する耐性もなければならない。
【0036】
[0043]遅延ユニット260は、IクロックとQクロックとの間の位相関係を決定するので、遅延ユニット260は、直角位相クロック生成器250における重要な構成要素である。従来の遅延ユニットは、
図1に例示されるCMOSインバータベースの回路100を使用して実装され得る。CMOSインバータベースの回路の遅延調整は、負荷インピーダンスまたは静電容量を修正することによって達成され得る。しかしながら、この従来の遅延回路100を使用して生成された遅延は、PVT変動に対して非常に敏感であり、したがって、PVT変動をカバーするために、より大きな較正範囲を必要とする。その上、インバータ100のpMOS110とnMOS120とのPN不整合があることがあり、これは、不均衡な出力立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジをもたらす。そのため、PVT変動に対して耐性があり、出力において実質的に等しい立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジを提供する遅延ユニットの必要がある。上記の必要を満たす遅延ユニットのいくつかの実装が、
図4~
図7を参照して、以下に論じられる。
【0037】
[0044]
図4は、本開示のいくつかの態様による遅延ユニット260の1つの実装を示す。遅延ユニット260は、バイアス電圧生成器410と、遅延回路420とを含む。バイアス電圧生成器410は、バイアス電圧のセットを生成するように構成され、バイアス電圧のセットは、遅延回路420へ入力される。遅延回路420は、入力信号clkinと、その補完信号clkin_bとを受信し、clkinの遅延バージョンであるclkoutを生成するように構成される。遅延ユニット260は、バンドギャップ基準電流源430に結合される。バンドギャップ基準電流源430は、バンドギャップ基準電流(Ie)をバイアス電圧生成器410に提供する。バンドギャップ基準電流は、実質的に一定であり、一般にPVT変動に対して耐性がある。バンドギャップ基準電流を使用して、バイアス電圧生成器410は、バイアス電圧のセットを生成し、バイアス電圧を遅延回路420に提供する。バイアス電圧生成器410は、コードcoarseを受信するように構成された入力のセットを有し、コードcoarseは、バイアス電圧の生成において使用される。同様に、遅延回路420は、コードfineを受信するように構成された入力のセットを有し、コードfineは、遅延回路420の出力clkoutの生成において使用される。また、遅延回路420は、別のコードdccを受信するように構成された入力の付加的なセットを有することができ、コードdccは、clkoutのデューティサイクル補正において使用される。遅延回路420およびバイアス電圧生成器410のさらなる詳細が、以下に論じられる。
【0038】
[0045]
図5は、本開示のいくつかの態様による遅延回路420の1つの実装を示す。遅延回路420は、第1のNサブステージ510(別称、Nサブステージ1)と、第1のPサブステージ520(別称、Pサブステージ1)と、第2のPサブステージ530(別称、Pサブステージ2)と、第2のNサブステージ540(別称、Nサブステージ2)と、第1の追跡モジュール550(別称、追跡モジュール1)と、第2の追跡モジュール560(別称、追跡モジュール2)と、任意選択で、デューティサイクル補正(DCC)モジュール570とを含み、これらのすべてが、電圧源VDDを受け取るように構成される。Nサブステージ1 510とPサブステージ1 520の両方は、入力信号clkinを受信するように構成される。Nサブステージ1 510は、バイアス電圧のセット、すなわち、Vbn_casおよびVbnを受信するようにさらに構成される。Pサブステージ1 520は、別のバイアス電圧のセット、すなわち、Vbp_casおよびVbpを受信するようにさらに構成される。Nサブステージ1 510の出力は、Pサブステージ2 530の入力に結合される。同様に、Pサブステージ1 520の出力は、Nサブステージ2 540の入力に結合される。Pサブステージ2 530は、追跡モジュール1 550からの出力を受信するようにさらに構成され、一方で、Nサブステージ2 540は、追跡モジュール2 560からの出力を受信するようにさらに構成される。Pサブステージ2 530の出力とNサブステージ2 540の出力とは、遅延回路420の出力信号clkoutを提供するために、共に結合される。追跡モジュール1 550は、入力信号の相補バージョンclkin_bと、バイアス電圧Vbp_casおよびVbpとを受信するように構成される。同様に、追跡モジュール2 560は、入力信号の相補バージョンclkin_bと、バイアス電圧Vbn_casおよびVbnとを受信するように構成される。
【0039】
[0046]いくつかの実装において、遅延回路420は、デューティサイクル補正(DCC)モジュール570をさらに含む。このDCCモジュール570は、直角位相クロック生成器250のDCCモジュール320とは別個であり、分離されていることに留意されたい。遅延回路420は、入力信号clkinの遅延バージョンを生成する場合に、デューティサイクル歪みを導入し得るので、遅延回路420内に一体化されたDCCモジュール570は、もしあれば、導入されたデューティサイクル歪みを補正または軽減するように構成され得る。DCCモジュール570は、バイアス電圧生成器410から、バイアス電圧vbpおよびvbnを受け取るように構成される。DCCモジュール570は、2つの出力を有し、一方は、Nサブステージ1 510に結合され、他方は、Nサブステージ1 520に結合される。Nサブステージ1 510および/またはPサブステージ1 520は、遅延回路420によって導入されたデューティサイクル歪みを補償するために、または軽減するために、clkinの遅延をチューニングまたは調整するべく、DCCモジュール570からのそれぞれの出力を使用することができる。例えば、Nサブステージ1 510は、clkoutにおけるデューティサイクル歪みを補正するために、DCCモジュール570の出力に応答して、遅延回路420の出力信号clkoutの立ち上がりエッジを調整することができる。代替として、Pサブステージ1 520は、clkoutにおけるデューティサイクル歪みを補正するために、DCCモジュール570の出力に応答して、出力信号clkoutの立ち下がりエッジを調整することができる。デューティサイクル歪みを補正するために、clkoutの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの両方を調整することは不必要であるので、clkoutの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジのうちの1つのみが、いくつかの実装において調整されることに留意されたい。
【0040】
[0047]いくつかの実装において、Nサブステージ1 510は、シンク電流源(図示せず)を有する。シンク電流源は、バイアス電圧生成器410からのバイアス電圧vbn_casおよびvbnによってバイアスをかけられ得る。Nサブステージ1 510は、入力信号clkinを受信し、遅延回路420の出力信号clkoutの立ち上がりエッジを生成するように構成される。具体的には、Nサブステージ1 510の出力は、clkoutの立ち上がりエッジを生成するために、Pサブステージ2 530を駆動するべく、Pサブステージ2 530の入力に結合される。Nサブステージ1 510およびPサブステージ2 530の動作のさらなる詳細は、
図6を参照して、以下に論じられることになる。
【0041】
[0048]いくつかの実装において、Pサブステージ1 520は、ソース電流源(図示せず)を有する。ソース電流源は、バイアス電圧生成器410からのバイアス電圧vbp_casおよびvbpによってバイアスをかけられ得る。Pサブステージ1 520は、入力信号clkinを受信し、遅延回路420の出力信号clkoutの立ち下がりエッジを生成するように構成される。具体的には、Pサブステージ1 520の出力は、clkoutの立ち下がりエッジを生成するために、Nサブステージ2 540を駆動するべく、Nサブステージ2 540の入力に結合される。Pサブステージ1 520およびNサブステージ2 540の動作のさらなる詳細は、
図6を参照して、以下に論じられることになる。
【0042】
[0049]PVT変動に適応する(または対抗する)ために、遅延回路420は、PVT変動を追跡し、PVT変動に対する補償を提供するために、追跡モジュール1 550と追跡モジュール2 560とをさらに含む。追跡モジュール1 550は、入力信号の相補バージョンclkin_bを受信するように構成される。さらに、追跡モジュール1 550は、Pサブステージ1 520のソース電流源と実質的に同様の、ソース電流源(図示せず)を有する。追跡モジュール1 550は、そのソース電流源にバイアスをかけるために、バイアス電圧vbp_casおよびvbpも受け取るように構成される。したがって、追跡モジュール1 550内のソース電流源は、Pサブステージ1 520におけるソース電流源を追跡し、clkin_bに応答して、追跡モジュール1 550は、clkoutの立ち上がりエッジに対してクロススキュー(cross-skew)補償を提供することができる。追跡モジュール1 550のさらなる詳細は、
図6を参照して、以下に論じられることになる。
【0043】
[0050]追跡モジュール1 550に加えて、遅延回路420は、追跡モジュール2 560を含み、追跡モジュール2 560も、入力信号の相補バージョンclkin_bを受信するように構成される。さらに、追跡モジュール2 560は、Nサブステージ1 510のシンク電流源と実質的に同様の、シンク電流源(図示せず)を有する。追跡モジュール2 560は、そのシンク電流源にバイアスをかけるために、バイアス電圧vbn_casおよびvbnも受信するように構成される。したがって、追跡モジュール2 560内のシンク電流源は、Nサブステージ1 510におけるシンク電流源を追跡し、clkin_bに応答して、追跡モジュール2 560は、clkoutの立ち下がりエッジに対するクロススキュー補償を提供することができる。追跡モジュール2 560のさらなる詳細は、
図6を参照して、以下に論じられることになる。
【0044】
[0051]
図6は、本開示のいくつかの態様による遅延回路420の1つの実装を示す。
図6における遅延回路420は、第1のNサブステージ510(別称、Nサブステージ1)と、第1のPサブステージ520(別称、Pサブステージ1)と、第2のPサブステージ530(別称、Pサブステージ2)と、第2のNサブステージ540(別称、Nサブステージ2)と、第1の追跡モジュール550(別称、追跡モジュール1)と、第2の追跡モジュール560(別称、追跡モジュール2)と、任意選択で、デューティサイクル補正(DCC)モジュール570とを含み、これらのすべてが、電圧源VDDを受け取るよう構成される。
図5および
図6における同様の参照符号は、同じ対応するモジュールを指すことに留意されたいい。一般的に言えば、遅延回路420の上半分における第1のNサブステージ510、第2のPサブステージ530、および追跡モジュール1 550は、遅延回路420の出力信号clkoutの立ち上がりエッジを生成するように構成され、一方で、遅延回路420の下半分における第1のPサブステージ520、第2のNサブステージ540、および第2の追跡モジュール560は、clkoutの立ち下がりエッジを生成するように構成される。
【0045】
[0052]
図6を参照すると、第1のNサブステージ510は、pMOS611と、nMOS613と、別のnMOS615とを含み、これらのすべてが、VDDと接地との間に互いに直列に結合される。入力pMOS611は、ソースと、ゲートと、ドレインとを有し、ただし、ソースは、VDDに結合され。ゲートは、入力信号clkinを受信するように構成される。nMOS613は、ソースと、ゲートと、ドレインとを有し、ただし、ドレインは、入力pMOS611のドレインに結合され、ゲートは、バイアス電圧のうちの1つであるvbn_casを受信するように構成される。nMOS615も、ソースと、ゲートと、ドレインとを有し、ただし、ソースは、接地に結合され、ゲートは、別のバイアス電圧vbnを受け取るように構成され、ドレインは、nMOS613のソースに結合される。いくつかの実装において、nMOS615は、チューニング可能である。例えば、nMOS615は、nMOS613のソースと接地との間に互いに並列に結合された、実質的に同様のnMOSのセット(図面を曖昧にしないようにするために図示せず)を使用して実装されてもよい。バイアス電圧vbnは、これらのnMOSのゲートに対して印加される。さらに、nMOS613のソースから接地へ流れる総電流量をチューニングするために、選択された数のこれらのnMOSが、コードfine(
図3および
図4に示される)に基づいてオンにされ(または起動され)得る。第1のNサブステージ510の出力電圧は、入力pMOS611のドレインとnMOS613のドレインとの間のノードにおいて生成される。第1のNサブステージ510の出力は、第2のPサブステージ530の入力に結合される。第1のNサブステージ510内のnMOS613および615は、それぞれ(
図4におけるバイアス電圧生成器410などの)バイアス電圧生成器からのバイアス電圧vbn_casおよびvbnによって、それらのゲートにおいて駆動され、バイアス電圧生成器は、バンドギャップ基準電流Ieからバイアス電圧を生成する。vbn_casおよびvbnに応答して、電流は、nMOS613および615を通じて接地へ流れるように生成され、したがって、シンク電流を生み出す。それゆえに、nMOS613および615は、シンク電流源またはシンクIe電流源とも称される。動作期間中に、vbn_casおよびvbnは、clkinの遅延バージョン(すなわち、clkout)の立ち上がりエッジを調整するためにチューニングされ得る。調整のさらなる詳細は、以下にさらに論じられることになる。
【0046】
[0053]いくつかの実装において、第2のPサブステージ530は、出力pMOS631と、補償nMOS633とを含む。出力pMOS631は、ソースと、ゲートと、ドレインとを有し、ただし、ソースは、VDDに結合され、ゲートは、第1のNサブステージ510の入力pMOS611のドレインおよびnMOS613のドレインに結合され、ドレインは、遅延回路420の出力clkoutを出力するように構成される。補償nMOS633は、ソースと、ゲートと、ドレインとを有し、ただし、ドレインは、VDDに結合され、ソースは、出力pMOS631のドレインに結合され、ゲートは、第1の追跡モジュール550の出力に結合される。動作期間中に、第1のNサブステージ510の入力pMOS611とシンク電流源との間のノードにおいて生成された電圧は、出力pMOS631のゲートを駆動し、出力pMOS631は、そのドレインにおいてclkoutを生成する。
【0047】
[0054]
図6に示されるように、第1の追跡モジュール550の1つの実装は、pMOS655と、別のpMOS653と、nMOS651とを含み、すべてが、VDDと接地との間に互いに直列に結合される。具体的には、pMOS655は、ソースと、ドレインと、ゲートとを有し、ただし、ソースは、VDDに結合され、ゲートは、(
図4におけるバイアス電圧生成器410などの)バイアス電圧生成器からのバイアス電圧のうちの1つであるvbpを受け取るように構成される。pMOS653も、ソースと、ドレインと、ゲートとを有し、ただし、ソースは、pMOS655のドレインに結合され、ゲートは、バイアス電圧生成器からのバイアス電圧のうちの別の1つであるvbp_casを受け取るように構成される。nMOS651は、ドレインと、ソースと、ゲートとを有し、ただし、ソースは、接地に結合され、ドレインは、第2のPサブステージ530に出力電圧を提供するために、pMOS653のドレインに結合され、ゲートは、入力信号の相補バージョンclkin_bを受信するように構成される。第1の追跡モジュール550内のpMOS653および655は、それぞれバイアス電圧vbp_casおよびvbpによって、それらのゲートにおいて駆動される。上述したように、バイアス電圧生成器は、バンドギャップ基準電流Ieからバイアス電圧を生成する。vbp_casおよびvbpに応答して、電流は、VDDからpMOS655および653を通じてnMOS651のドレインへ流れるように生成され、したがって、ソース電流を生成することができる。それゆえに、pMOS653および655は、ソース電流源またはソースIe電流源とも称される。いくつかの実装において、pMOS655は、チューニング可能である。例えば、pMOS655は、pMOS653のソースとVDDとの間に互いに並列に結合された、実質的に同様のpMOSトランジスタのセット(図面を曖昧にしないようにするために図示せず)を使用して実装され得る。バイアス電圧vbpは、これらのpMOSのゲートに対して印加される。さらに、VDDからpMOS653へ流れる総電流量をチューニングするために、選択された数のこれらのpMOSが、コードfine(
図3に示される)に基づいてオンにされ(または起動され)得る。pMOS653および655によって形成されるソース電流源は、いくつかの実装例において、第1のPサブステージ520内のpMOS623および625によって形成されるソース電流源と実質的に同様であることに留意されたい。したがって、第1の追跡モジュール550内のソース電流源は、異なるPVT条件にわたって、第1のPサブステージ520内のソース電流源を追跡することができる。
【0048】
[0055]第1の追跡モジュール550を再び参照すると、pMOS653のドレインは、第2のPサブステージ530内の補償nMOS633のゲートに結合される。動作期間中に、pMOS653のドレインにおける電圧は、補償nMOS633のゲートを駆動し、補償nMOS633に、クロススキューコーナー補償を出力pMOS631へ提供させ、出力pMOS631は、第1のNサブステージ510の内の入力pMOS611とシンク電流源との間のノードにおける電圧によって駆動される。
【0049】
[0056]遅延回路420の動作をさらに例示するために、clkinがロー(low)からハイ(high)へ遷移するシナリオを考慮する。clkinの高電圧は、VDDからシンク電流源(すなわち、nMOS613および615)へ電流が流れることを防止するために、入力pMOS611を停止させる(またはオフにする)。入力pMOS611およびnMOS613のドレイン同士が結合されるノードにおける電圧は、ロー(または実質的に接地)へ引き下げられる。出力pMOS631のゲートは、入力pMOS611のドレインおよびnMOS613のドレインに結合されるので、出力pMOS631が起動され(またはオンにされ)、出力pMOS631のドレインにおける電圧を引き上げ、pMOS631は、clkoutを出力する。結果として、clkoutは、clkoutの立ち上がりエッジを形成するために、ハイへ遷移する。clkinがローからハイへ遷移する場合、遅延回路420の下半分(すなわち、第1のPサブステージ520および第2のNサブステージ540)はオフにされることに留意されたいい。出力信号clkoutの立ち上がりエッジは、共に動作する第1のNサブステージ510および第2のPサブステージ530によって生成される。上記で論じられたように、第1の追跡モジュール550は、クロススキューコーナー補償を出力pMOS631に提供する。具体的には、現在の例において、clkinがローからハイへ遷移する場合、clkin_bは、ハイからローへ遷移する。上述したように、第1の追跡モジュール550内のnMOS651のゲートは、clkin_bを受信するように構成される。したがって、clkin_bがローへ遷移することに応答して、nMOS651は停止され(またはオフにされ)、VDDからpMOS655および653を通じて接地へ電流が流れることを遮断する。したがって、pMOS653のドレインにおけるノードは、VDDへ引き上げられる。補償nMOS633のゲートは、pMOS653のドレインに結合されるので、clkoutの立ち上がりエッジが生成される場合、クロススキューコーナー補償を出力pMOS631に提供するために、補償nMOS633は、VDDによって起動される(またはオンにされる)。clkoutの立ち下がりエッジの生成は、
図6における遅延回路420の下半分を参照して、以下に論じられることになる。
【0050】
[0057]
図6に示されるように、遅延回路420の下半分は、第1のPサブステージ520と、第2のNサブステージ540と、第2の追跡モジュール560とを含む。いくつかの実装において、第1のPサブステージ520は、入力nMOS621と、2つのpMOS623および625とを含み、すべてが、VDDと接地との間に互いに直列に結合される。入力nMOS621は、ソースと、ゲートと、ドレインとを有し、ただし、ソースは、接地に結合され、ゲートは、入力信号clkinを受信するように構成される。pMOS623は、ソースと、ゲートと、ドレインとを有し、ただし、ドレインは、入力nMOS621のドレインに結合され、ゲートは、バイアス電圧のうちの1つであるvbp_casを受け取るように構成される。pMOS625も、ソースと、ゲートと、ドレインとを有し、ただし、ソースは、VDDに結合され、ゲートは、別のバイアス電圧であるvbpを受け取るように構成され、ドレインは、pMOS623のソースに結合される。いくつかの実装において、pMOS625は、チューニング可能である。例えば、pMOS625は、pMOS623のソースとVDDとの間に互いに並列に結合された、実質的に同様のpMOSのセット(図面を曖昧にしないようにするために図示せず)を使用して実装され得る。バイアス電圧vbpは、これらのpMOSのゲートに対して印加される。さらに、VDDからpMOS623のソースへ流れる総電流量をチューニングするために、選択された数のこれらのpMOSが、コードfine(
図3および
図4に示される)に基づいてオンにされ(または起動され)得る。第1のPサブステージ520の出力電圧は、入力nMOS621のドレインとpMOS623のドレインとの間のノードにおいて生成される。第1のPサブステージ520の出力は、第2のNサブステージ540の入力に結合される。第1のPサブステージ520内のpMOS623および625は、それぞれ(
図4におけるバイアス電圧生成器410などの)バイアス電圧生成器からのバイアス電圧vbp_casおよびvbpによって、それらのゲートにおいて駆動され、バイアス電圧生成器は、バンドギャップ基準電流Ieからバイアス電圧を生成する。vbp_casおよびvbpに応答して、電流は、VDDからpMOS623および625を通じて流れるように生成され、したがって、ソース電流を生み出す。したがって、pMOS623および625は、ソース電流源またはソースIe電流源とも称される。動作期間中に、vbp_casおよびvbpは、clkinの遅延バージョン(すなわち、clkout)の立ち下がりエッジを調整するためにチューニングされ得る。調整のさらなる詳細は、以下にさらに論じられることになる。
【0051】
[0058]いくつかの実装において、第2のNサブステージ540は、出力nMOS641と、補償pMOS643とを含む。出力nMOS641は、ソースと、ゲートと、ドレインとを有し、ただし、ソースは、接地に結合され、ゲートは、第1のPサブステージ520の入力nMOS621のドレインおよびpMOS623のドレインに結合され、ドレインは、遅延回路420の出力clkoutを出力するように構成される。補償pMOS643は、ソースと、ゲートと、ドレインとを有し、ただし、ドレインは、接地に結合され、ソースは、出力nMOS641のドレインに結合され、ゲートは、第2の追跡モジュール560の出力に結合される。動作期間中に、第1のPサブステージ520の入力nMOS621とソース電流源との間のノードにおいて生成された電圧は、出力nMOS641のゲートを駆動し、出力nMOS641は、そのドレインにおいてclkoutを生成する。
【0052】
[0059]
図6に示されるように、第2の追跡モジュール560の1つの実装は、nMOS665と、別のnMOS663と、pMOS661とを含み、すべてが、VDDと接地との間に互いに直列に結合される。具体的には、nMOS665は、ソースと、ドレインと、ゲートとを有し、ただし、ソースは、接地に結合され、ゲートは、(
図4におけるバイアス電圧生成器410などの)バイアス電圧生成器からのバイアス電圧のうちの1つであるvbnを受け取るように構成される。nMOS663も、ソースと、ドレインと、ゲートとを有し、ただし、ソースは、nMOS665のドレインに結合され、ゲートは、バイアス電圧生成器からのバイアス電圧のうちの別の1つであるvbn_casを受け取るように構成される。pMOS661は、ドレインと、ソースと、ゲートとを有し、ただし、ソースは、VDDに結合され、ドレインは、出力電圧を第2のNサブステージ540に提供するために、nMOS663のドレインに結合され、ゲートは、入力信号の相補バージョンclkin_bを受信するように構成される。第2の追跡モジュール560内のnMOS663および665は、それぞれバイアス電圧vbn_casおよびvbnによって、それらのゲートにおいて駆動される。上述したように、バイアス電圧生成器は、バンドギャップ基準電流Ieからバイアス電圧を生成する。vbn_casおよびvbnに応答して、電流は、pMOS661のドレインからnMOS665および663を通じて接地へ流れることを許容され、したがって、シンク電流を生み出すことができる。それゆえに、nMOS663および665は、シンク電流源またはソースIe電流源とも称される。いくつかの実装において、nMOS665は、チューニング可能である。例えば、nMOS665は、nMOS653のソースと接地との間に互いに並列に結合された、実質的に同様のnMOSトランジスタのセット(図面を曖昧にしないようにするために図示せず)を使用して実装され得る。バイアス電圧vbnは、これらのnMOSのゲートに対して印加される。さらに、pMOS663から接地へ流れる総電流量をチューニングするために、選択された数のこれらのnMOSが、コードfine(
図3および
図4に示される)に基づいてオンにされ(または起動され)得る。nMOS663および665によって形成されるシンク電流源は、いくつかの実装例において、第1のNサブステージ510内のnMOS613および615によって形成されるシンク電流源と実質的に同様であることに留意されたい。したがって、第2の追跡モジュール560内のシンク電流源は、異なるPVT条件にわたって、第1のNサブステージ510内のシンク電流源を追跡することができる。
【0053】
[0060]第2の追跡モジュール560を再び参照すると、nMOS663のドレインは、第2のNサブステージ540内の補償pMOS643のゲートに結合される。動作期間中に、pMOS663のドレインにおける電圧は、補償pMOS643のゲートを駆動し、補償pMOS643に、クロススキューコーナー補償を出力nMOS641へ提供させ、出力nMOS641は、第1のPサブステージ520内の入力nMOS621とソース電流源との間のノードにおける電圧によって駆動される。
【0054】
[0061]遅延回路420の動作をさらに例示するために、clkinがハイからローへ遷移するシナリオを考慮する。clkinの低電圧は、ソース電流源(すなわち、pMOS623および625)から接地へ電流が流れることを防止するために、入力nMOS621を停止させる(またはオフにする)。そのため、入力nMOS621およびpMOS623のドレイン同士が結合されるノードにおける電圧は、引き上げられる。出力nMOS641のゲートは、入力nMOS621のドレインおよびpMOS623のドレインに結合されるので、出力nMOS641は、起動され(またはオンにされ)、出力nMOS641のドレインにおける電圧を引き下げ、出力nMOS641は、clkoutを出力する。結果として、clkoutは、clkoutの立ち下がりエッジを形成するために、ローへ遷移する。clkinがハイからローへ遷移する場合、遅延回路420の上半分(すなわち、第1のNサブステージ510および第2のPサブステージ530)は、オフにされることに留意されたい。出力信号clkoutの立ち下がりエッジは、共に動作する第1のPサブステージ520および第2のNサブステージ540によって生成される。遅延回路420の別個の部分を別々に使用して、clkoutの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジを生成することによって、遅延回路420は、有利なことに、実質的に等しい立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとを生成することができる。PN不整合に起因して、不均衡な立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジを生成し得る、
図1に示される従来のインバータベースの遅延回路100と異なり、遅延回路420は、この点に関してPN不整合の影響を受けにくい。上記で論じられたように、第2の追跡モジュール560は、クロススキューコーナー補償を出力nMOS641に提供する。具体的には、現在の例において、clkinがハイからローへ遷移する場合、clkin_bは、ローからハイへ遷移する。上述したように、第2の追跡モジュール560内のpMOS661のゲートは、clkin_bを受信するように構成される。したがって、clkin_bがハイに遷移することに応答して、pMOS661は停止され(またはオフにされ)、VDDからnMOS665および663を通じて接地へ電流が流れることを遮断する。したがって、nMOS663のドレインにおけるノードは、低電圧(例えば、実質的に接地)へ引き下げられる。補償pMOS643のゲートは、nMOS663のドレインに結合されるので、clkoutの立ち下がりエッジが生成される場合、クロススキューコーナー補償を出力nMOS641に提供するために、補償pMOS643は、低電圧によって起動される(またはオンにされる)。クロススキューコーナー補償が追跡モジュール550および560によって提供されるので、遅延回路420は、有利なことに、PVT変動に対して実質的に耐性を持つようにされ得る。
【0055】
[0062]いくつかの実装において、遅延回路420は、もしあれば、遅延回路420によって導入されたデューティサイクル歪みを補正し、補償し、または軽減するためのデューティサイクル補正(DCC)モジュール570を含む。DCCモジュール570は、遅延回路420内に一体化されており、
図3に示されるDCCモジュール320とは別個であり、分離されていることに留意されたい。
図6を参照すると、DCCモジュール570は、nMOS671と、pMOS673とを含む。nMOS671は、ドレインと、ソースと、ゲートとを有し、ただし、ソースは、接地に結合され、ドレインは、第1のNサブステージ510のnMOS613のソースおよびnMOS615のドレインに結合され、ゲートは、vbnを受け取るように構成される。pMOS673も、ドレインと、ソースと、ゲートとを有し、ただし、ソースは、VDDに結合され、ドレインは、第1のPサブステージ520のpMOS623のソースおよびpMOS625のドレインに結合され、ゲートは、vbpを受け取るように構成される。
【0056】
[0063]いくつかの実装において、pMOS673が、チューニング可能であるのに対して、nMOS671は、一定(または不変)のままである。例えば、pMOS673は、pMOS625のドレインとVDDとの間に互いに並列に結合された、実質的に同様のpMOSのセット(図面を曖昧にしないようにするために図示せず)を使用して実装され得る。バイアス電圧vbpは、これらのpMOSのゲートに対して印加される。さらに、VDDからpMOSのソースへ流れる総電流量をチューニングするために、選択された数のこれらのpMOSが、コードdcc(
図3に示される)に基づいてオンにされ(または起動され)得る。チューニング可能なpMOS673は、出力信号clkoutの立ち下がりエッジを制御するために電流を調整することができる。clkoutの立ち上がりエッジは調整されないことに留意されたい。代替として、nMOS671は、pMOS673の代わりにチューニング可能であるように構成されてもよく、この場合には、clkoutの立ち上がりエッジが調整され、一方で、clkoutの立ち下がりエッジは不変のままである。例えば、nMOS671は、接地とnMOSのドレインとの間に互いに並列に結合された、実質的に同様のnMOSのセット(図面を曖昧にしないようにするために図示せず)を使用して実装され得る。バイアス電圧vbnは、これらのnMOSのゲートに対して印加される。さらに、nMOSを通じて接地へ流れる総電流量をチューニングするために、選択された数のこれらのnMOSが、(
図3におけるdccと同様の)コードに基づいてオンにされ(または起動され)得る。clkoutの立ち下がりエッジおよび立ち上がりエッジのうちの1つのみを調整することによって、遅延およびDCC較正は、遅延回路420を通じて独立して調整され得るので、遅延とDCC較正との間のレースコンディションが除去され得る。さらに、DCCモジュール570は、遅延回路420内に一体化されており、それゆえに、遅延ユニット260からのclkoutにおけるDCCを補正するために、遅延ユニット260の外部の付加的なDCCモジュールを提供する必要を取り除く。したがって、遅延回路420内にDCCモジュール570を有することは、性能を改善しながら、面積および電力を節約するのに役立つ。
【0057】
[0064]
図7は、本開示のいくつかの態様によるバイアス電圧生成器410の1つの実装を示す。上記で論じられたように、バイアス電圧生成器410は、遅延回路420のためのバイアス電圧のセット(すなわち、vbp、vbp_cas、vbn、およびvbn_cas)を生成するように構成される。
図7を参照すると、バイアス電圧生成器410は、6つ(6)のnMOS710、720、722、724、730、および732と、5つ(5)のpMOS721、723、725、731、および733とを含み、これらの各々が、ソースと、ドレインと、ゲートとを有する。nMOS710のソースは、接地に結合され、nMOS710のゲートおよびドレインは、共に結合され、バンドギャップ電流源からバンドギャップ基準電流Ieを受け取るように構成される。nMOS720のソースも、接地に結合され、nMOS720のゲートは、nMOS710のゲートに結合され、nMOS720のドレインは、pMOS721のドレインおよびゲートに結合される。pMOS721のソースは、電力供給VDDに結合される。nMOS710および720は、nMOS710を通じて流れるバンドギャップ基準電流Ieが、反対側のnMOS720へミラーリングされる(または複製される)ように、カレントミラーとして構成される。したがって、Ieと実質的に同じ電流が、nMOS720およびpMOS721によって形成されるパスを通じて流れる。
【0058】
[0065]いくつかの実装において、pMOS723のソースも、VDDに結合される。pMOS723のゲートは、pMOS721のゲートおよびドレインに結合される。pMOS723のドレインは、nMOS722のドレインおよびゲートに結合される。nMOS722のソースは、接地に結合される。pMOS723のように、pMOS725のソースも、VDDに結合される。pMOS725のゲートは、pMOS721のゲートおよびドレインに結合される。pMOS725のドレインは、nMOS724のドレインおよびゲートに結合される。nMOS724のソースは、接地に結合される。動作期間中に、pMOS721およびpMOS723も、カレントミラーとして構成される。したがって、pMOS721を通じて流れる電流(すなわち、Ie)は、pMOS723およびnMOS722によって形成されるパスへさらにミラーリングされる(または複製される)。nMOS722のドレインおよびゲートにおいて生成された電圧は、バイアス電圧のうちの1つであるvbnとして出力される。同様に、pMOS721およびpMOS725も、カレントミラーとして構成される。したがって、pMOS721を通じて流れるIeは、pMOS725およびnMOS724によって形成されるパスへ再びミラーリングされる(または複製される)。nMOS724のドレインおよびゲートにおいて生成された電圧は、バイアス電圧のうちの別の1つであるvbn_casとして出力される。
【0059】
[0066]いくつかの実装において、pMOS731のソースは、VDDに結合され、pMOS731のゲートおよびドレインは、nMOS730のドレインに共に結合される。nMOS730のソースは、接地に結合され、nMOS730のゲートは、nMOS710とnMOS720の両方のゲートに結合される。pMOS731のように、pMOS733のソースは、VDDに結合され、pMOS733のゲートおよびドレインは、nMOS732のドレインに共に結合される。nMOS732のソースは、接地に結合され、nMOS732のゲートは、nMOS710とnMOS720の両方のゲートに結合される。動作期間中に、nMOS710および730は、nMOS710を通じて流れる電流Ieが、nMOS730およびpMOS731によって形成されるパスへミラーリングされる(または複製される)ように、カレントミラーとして構成される。したがって、Ieと実質的に同じ電流が、pMOS731を通じて流れ、pMOS731のゲートおよびドレインにおいて生成された電圧は、バイアス電圧のうちの1つであるvbpとして出力される。同様に、nMOS710および732も、nMOS710を通じて流れる電流Ieが、nMOS732およびpMOS733によって形成されるパスへミラーリングされる(または複製される)ように、カレントミラーとして構成される。したがって、Ieと実質的に同じ電流が、pMOS733を通じて流れ、pMOS733のゲートおよびドレインにおいて生成された電圧は、バイアス電圧のうちの1つであるvbp_casとして出力される。
【0060】
[0067]いくつかの実装において、nMOS710は、信号またはコード「coarse」(例えば、
図3および
図4に示されるコードcoarseなど)に応答してチューニング可能とされ得る。具体的には、nMOS710は、nMOSのドレインと接地との間に互いに並列に結合された、実質的に同様のサイズのnMOSのセットを用いて実装され得る。選択された数のnMOSが、nMOSのゲートに対して印加されるコードに基づいてオンにされ(起動され)得る。
【0061】
[0068]
図8は、入力信号の遅延バージョンを生成するための方法800の1つの実装を示す。方法800は、上記に論じられた遅延回路420の様々な実装を使用して実施され得る。方法800は、ブロック810において始まり、ブロック810において、出力信号の立ち上がりエッジが、シンク電流源を有する第1のNサブステージを使用して、入力信号から生成される。例えば、立ち上がりエッジは、
図5~
図6に示される第1のNサブステージ510のいくつかの実装を使用して生成され得る。次いで、方法800は、ブロック820へ移行し、ブロック820において、出力信号の立ち下がりエッジは、ソース電流源を有する第1のPサブステージを使用して生成される。例えば、立ち下がりエッジは、
図5~
図6に示される第1のPサブステージ520のいくつかの実装を使用して生成され得る。さらに、シンク電流源およびソース電流源は、バイアス電圧のセットのうちのそれぞれのバイアス電圧に応答して可変(またはチューニング可能)である。例えば、バイアス電圧は、バイアス電圧生成器、例えば、
図4および
図7に示されるバイアス電圧生成器410のいくつかの実装などによって提供され得る。
【0062】
[0069]いくつかの実装において、方法は、ブロック820からブロック830へさらに移行し、ブロック830において、出力信号のデューティサイクル歪みを補正するために、出力信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジのうちの1つのみが調整される。例えば、方法800は、デューティサイクル歪み(DCC)モジュール、例えば、
図5および
図6に示されるDCCモジュール570のいくつかの実装などを使用することができる。出力信号の立ち下がりエッジが、デューティサイクル歪みを補正するために調整される実装において、DCCモジュールは、チューニング可能なpMOS(例えば、
図6におけるチューニング可能なpMOS673)を用いて実装され得る。代替として、出力信号の立ち上がりエッジが、デューティサイクル歪みを補正するために調整される、いくつかの実装において、DCCモジュールは、チューニング可能なnMOSを用いて実装されてもよい。
【0063】
[0070]本開示は、本開示の態様を説明するために上記で使用された例示的な専門用語に限定されないことが認識されるべきである。例えば、遅延デバイスは、遅延ステージ、遅延バッファ、遅延要素とも称され、または別の用語で称され得る。直角位相クロック生成器は、クロック生成器とも称され、または別の用語で称され得る。クロックは、クロック信号、タイミング信号とも称され、または別の用語で称され得る。
【0064】
[0071]本開示において、「例示的な」という単語は、「例、実例、または例示としての役割を果たすこと」を意味するために使用されている。「例示的な」ものとして本明細書において説明されるいかなる実装または態様も、必ずしも本開示の他の態様よりも好適または有利なものとして解釈されるべきとは限らない。同様に、「態様」という用語は、本開示のすべての態様が、論じられた特徴、利点、または動作モードを含むことを必要としない。「結合される」という用語は、2つの構造間の直接的または間接的な電気結合を指すために本明細書において使用されている。「接地」という用語は、DC接地またはAC接地を指してもよく、したがって、「接地」という用語は、両方の可能性を網羅することも認識されるべきである。
【0065】
[0072]いくつかの実装例は、以下の番号が付けられた条項において説明される。
1.シンク電流源を有しており、入力信号を受信し、遅延回路の出力信号の立ち上がりエッジを生成するように構成された第1のNサブステージと、ここにおいて、出力信号が、入力信号の遅延バージョンである、ソース電流源を有しており、入力信号を受信し、出力信号の立ち下がりエッジを生成するように構成された第1のPサブステージとを備え、シンク電流源およびソース電流源が、複数のバイアス電圧のうちのそれぞれのバイアス電圧に応答して可変である、遅延回路。
2.第1のNサブステージおよび第1のPサブステージに結合されており、出力信号のデューティサイクル歪みを補正するために、出力信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジのうちの1つのみを調整するように構成されたデューティサイクル補正モジュールをさらに備える、条項1の遅延回路。
3.デューティサイクル補正モジュールが、ドレインと、ゲートと、ソースとを各々が有する、p型金属酸化膜半導体デバイス(pMOS)のセットと、ドレインが、第1のPサブステージに結合され、ソースが、電圧源(VDD)に結合され、ゲートが、複数のバイアス電圧のうちの第1のバイアス電圧(Vbp)を受け取るように構成される、ドレインと、ゲートと、ソースとを各々が有する、n型金属酸化膜半導体デバイス(nMOS)のセットと、ドレインが、第1のNサブステージに結合され、ソースが、接地に結合され、ゲートが、複数のバイアス電圧のうちの第2のバイアス電圧(Vbn)を受け取るように構成される、を備える、条項2の遅延回路。
4.デューティサイクル補正モジュールのpMOSのセットが、出力信号の立ち下がりエッジを調整するためにチューニング可能であるように構成され、デューティサイクル補正モジュールのnMOSのセットが、一定のままであるように構成される、条項3の遅延回路。
5.デューティサイクル補正モジュールのnMOSのセットが、出力信号の立ち上がりエッジを調整するためにチューニング可能であるように構成され、デューティサイクル補正モジュールのpMOSのセットが、一定のままであるように構成される、条項3の遅延回路。
6.第1のPサブステージに結合された第1の入力と、遅延回路の出力信号の立ち下がりエッジを提供するために、遅延回路の出力に結合された出力とを有する第2のNサブステージと、第1のNサブステージに結合された第1の入力と、遅延回路の出力信号の立ち上がりエッジを提供するために、遅延回路の出力に結合された出力とを有する第2のPサブステージとをさらに備える、条項1の遅延回路。
7.第2のPサブステージが、ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力pMOSと、出力pMOSのソースが、電圧源(VDD)に結合され、ドレインが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第1のNサブステージに結合される、ゲートと、ソースと、ドレインとを有する補償nMOSと、ドレインが、電圧源(VDD)に結合され、ソースが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第1の追跡モジュールに結合される、を備える、条項6の遅延回路。
8.第1の追跡モジュールが、第1のPサブステージのソース電流源と実質的に同様の第2のソース電流源と、ゲートと、ソースと、ドレインとを有するnMOSとを備え、ソースが、接地に結合され、ドレインが、第2のソース電流源に結合され、ゲートが、入力信号の相補バージョンを受信するように構成される、条項7の遅延回路。
9.第2のNサブステージが、ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力nMOSと、ソースが、接地に結合され、ドレインが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第1のPサブステージに結合される、ゲートと、ソースと、ドレインとを有する補償pMOSと、ドレインが、接地に結合され、ソースが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第2の追跡モジュールに結合される、を備える、条項8の遅延回路。
10.第2の追跡モジュールが、第1のNサブステージのシンク電流源と実質的に同様の第2のシンク電流源と、ゲートと、ソースと、ドレインとを有するpMOSとを備え、ソースが、電圧源(VDD)に結合され、ドレインが、第2のシンク電流源に結合され、ゲートが、入力信号の相補バージョンを受信するように構成される、条項9の遅延回路。
11.複数のバイアス電圧が、バンドギャップ基準電流から生成される、条項1の遅延回路。
12.システムオンチップ(SoC)であって、処理モジュールと、処理モジュールに結合され、SoCの外部のソースから入力信号を受信するように構成された入力インターフェースとを備え、入力インターフェースが、直角位相クロック生成器を備え、直角位相クロック生成器が、条項1に記載されたような遅延回路を備える、システムオンチップ。
13.直角位相クロック生成器が、クロック信号の遅延バージョンを受信し、クロック信号の遅延バージョンに基づいて、相補クロック信号のペアを生成するように遅延回路に結合されたシングルエンド・差動コンバータと、相補クロック信号のペアを受信するようにシングルエンド・差動コンバータに結合された位相補間器とをさらに備える、条項12のシステム。
14.入力信号の遅延バージョンを生成するための方法であって、シンク電流源を有する第1のNサブステージを使用して、入力信号から出力信号の立ち上がりエッジを生成することと、ここにおいて、出力信号が、入力信号の遅延バージョンである、ソース電流源を有する第1のPサブステージを使用して、出力信号の立ち下がりエッジを生成することとを備え、シンク電流源およびソース電流源は、複数のバイアス電圧のうちのそれぞれのバイアス電圧に応答して可変である、方法。
15.出力信号のデューティサイクル歪みを補正するために、出力信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジのうちの1つのみを調整することをさらに備える、条項14の方法。
16.第2のNサブステージを使用して、出力信号の立ち下がりエッジを提供することと、第2のNサブステージが、第1のPサブステージに結合された第1の入力と、遅延回路の出力に結合された出力とを有する、第2のPサブステージを使用して、出力信号の立ち上がりエッジを提供することと、第2のPサブステージが、第1のNサブステージに結合された第1の入力と、遅延回路の出力に結合された出力とを有する、をさらに備える、条項14の方法。
17.第2のPサブステージが、ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力PMOSを備え、出力PMOSのソースが、電圧源(VDD)に結合され、ドレインが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第1のNサブステージに結合され、方法が、第1の追跡モジュールによって駆動される補償NMOSを使用して、出力信号の立ち上がりエッジに対するクロススキュー補償を提供すること、ここにおいて、補償NMOSが、ゲートと、ソースと、ドレインとを有し、ドレインが、電圧源(VDD)に結合され、ソースが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第1の追跡モジュールに結合される、をさらに備える、条項16の方法。
18.第2のNサブステージが、ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力NMOSを備え、出力NMOSのソースが、接地に結合され、ドレインが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第1のPサブステージに結合され、方法が、第2の追跡モジュールによって駆動される補償PMOSを使用して、出力信号の立ち下がりエッジに対してクロススキュー補償を提供すること、ここにおいて、補償PMOSが、ゲートと、ソースと、ドレインとを有し、ドレインが、接地に結合され、ソースが、遅延回路の出力に結合され、ゲートが、第2の追跡モジュールに結合される、をさらに備える、条項17の方法。
19.バンドギャップ基準電流源から、複数のバイアス電圧を生成することをさらに備える、条項14の方法。
【0066】
[0073]本開示の先行する説明は、任意の当業者が本開示を行うことまたは使用することを可能にするために提供されている。本開示に対する様々な変形は、当業者にとって容易に明らかになり、本明細書において定義されている一般的な原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱せずに、他のバリエーションに対して適用され得る。したがって、本開示は、本明細書において説明された例に限定されることを意図されていないが、本明細書において開示された原理および新規な特徴に一致する最も広い範囲に合致するべきものである。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
遅延回路であって、
シンク電流源を有しており、入力信号を受信し、前記遅延回路の出力信号の立ち上がりエッジを生成するように構成された第1のNサブステージと、ここにおいて、前記出力信号は、前記入力信号の遅延バージョンである、
ソース電流源を有しており、前記入力信号を受信し、前記出力信号の立ち下がりエッジを生成するように構成された第1のPサブステージと、
を備え、前記シンク電流源および前記ソース電流源は、複数のバイアス電圧のうちのそれぞれのバイアス電圧に応答して可変である、遅延回路。
[C2]
前記第1のNサブステージおよび前記第1のPサブステージに結合されており、前記出力信号のデューティサイクル歪みを補正するために、前記出力信号の前記立ち上がりエッジおよび前記立ち下がりエッジのうちの1つのみを調整するように構成されたデューティサイクル補正モジュール、
をさらに備える、C1に記載の遅延回路。
[C3]
前記デューティサイクル補正モジュールは、
ドレインと、ゲートと、ソースとを各々が有する、p型金属酸化膜半導体デバイス(pMOS)のセットと、前記ドレインは、前記第1のPサブステージに結合され、前記ソースは、電圧源(VDD)に結合され、前記ゲートは、前記複数のバイアス電圧のうちの第1のバイアス電圧(Vbp)を受け取るように構成され、
ドレインと、ゲートと、ソースとを各々が有する、n型金属酸化膜半導体デバイス(nMOS)のセットと、前記ドレインは、前記第1のNサブステージに結合され、前記ソースは、接地に結合され、前記ゲートは、前記複数のバイアス電圧のうちの第2のバイアス電圧(Vbn)を受け取るように構成され、
を備える、C2に記載の遅延回路。
[C4]
前記デューティサイクル補正モジュールの前記pMOSのセットは、前記出力信号の前記立ち下がりエッジを調整するためにチューニング可能であるように構成され、前記デューティサイクル補正モジュールの前記nMOSのセットは、一定のままであるように構成される、C3に記載の遅延回路。
[C5]
前記デューティサイクル補正モジュールの前記nMOSのセットは、前記出力信号の前記立ち上がりエッジを調整するためにチューニング可能であるように構成され、前記デューティサイクル補正モジュールの前記pMOSのセットは、一定のままであるように構成される、C3に記載の遅延回路。
[C6]
前記第1のPサブステージに結合された第1の入力と、前記遅延回路の前記出力信号の前記立ち下がりエッジを提供するために、前記遅延回路の出力に結合された出力とを有する第2のNサブステージと、
前記第1のNサブステージに結合された第1の入力と、前記遅延回路の前記出力信号の前記立ち上がりエッジを提供するために、前記遅延回路の前記出力に結合された出力とを有する第2のPサブステージと、
をさらに備える、C1に記載の遅延回路。
[C7]
前記第2のPサブステージは、
ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力pMOSと、前記出力pMOSの前記ソースは、電圧源(VDD)に結合され、前記ドレインは、前記遅延回路の出力に結合され、前記ゲートは、前記第1のNサブステージに結合され、
ゲートと、ソースと、ドレインとを有する補償NMOSと、前記ドレインは、前記電圧源(VDD)に結合され、前記ソースは、前記遅延回路の前記出力に結合され、前記ゲートは、第1の追跡モジュールに結合され、
を備える、C6に記載の遅延回路。
[C8]
前記第1の追跡モジュールは、前記第1のPサブステージの前記ソース電流源と実質的に同様の第2のソース電流源と、ゲートと、ソースと、ドレインとを有するnMOSとを備え、
前記ソースは、接地に結合され、前記ドレインは、前記第2のソース電流源に結合され、前記ゲートは、前記入力信号の相補バージョンを受信するように構成される、
C7に記載の遅延回路。
[C9]
前記第2のNサブステージは、
ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力nMOSと、前記ソースは、接地に結合され、前記ドレインは、前記遅延回路の前記出力に結合され、前記ゲートは、前記第1のPサブステージに結合され、
ゲートと、ソースと、ドレインとを有する補償pMOSと、前記ドレインは、接地に結合され、前記ソースは、前記遅延回路の前記出力に結合され、前記ゲートは、第2の追跡モジュールに結合され、
を備える、C8に記載の遅延回路。
[C10]
前記第2の追跡モジュールは、
前記第1のNサブステージの前記シンク電流源と実質的に同様の第2のシンク電流源と、
ゲートと、ソースと、ドレインとを有するpMOSと、を備え、
前記ソースは、前記電圧源(VDD)に結合され、前記ドレインは、前記第2のシンク電流源に結合され、前記ゲートは、前記入力信号の前記相補バージョンを受信するように構成される、
C9に記載の遅延回路。
[C11]
前記複数のバイアス電圧は、バンドギャップ基準電流から生成される、C1に記載の遅延回路。
[C12]
システムオンチップ(SoC)であって、
処理モジュールと、
前記処理モジュールに結合され、前記SoCの外部のソースから入力信号を受信するように構成された入力インターフェースと、を備え、
前記入力インターフェースは、直角位相クロック生成器を備え、前記直角位相クロック生成器は、
C1に記載の遅延回路、
を備える、システムオンチップ(SoC)。
[C13]
前記直角位相クロック生成器は、
前記クロック信号の前記遅延バージョンを受信し、前記クロック信号の前記遅延バージョンに基づいて、相補クロック信号のペアを生成するために、前記遅延回路に結合されたシングルエンド・差動コンバータと、
前記相補クロック信号のペアを受信するために、前記シングルエンド・差動コンバータに結合された位相補間器と、
をさらに備える、C12に記載のシステム。
[C14]
入力信号の遅延バージョンを生成するための方法であって、
シンク電流源を有する第1のNサブステージを使用して、前記入力信号から出力信号の立ち上がりエッジを生成することと、ここにおいて、前記出力信号は、前記入力信号の前記遅延バージョンである、
ソース電流源を有する第1のPサブステージを使用して、前記出力信号の立ち下がりエッジを生成することと、
を備え、前記シンク電流源および前記ソース電流源は、複数のバイアス電圧のうちのそれぞれのバイアス電圧に応答して可変である、方法。
[C15]
前記出力信号のデューティサイクル歪みを補正するために、前記出力信号の前記立ち上がりエッジおよび前記立ち下がりエッジのうちの1つのみを調整すること、
をさらに備える、C14に記載の方法。
[C16]
第2のNサブステージを使用して、前記出力信号の前記立ち下がりエッジを提供することと、前記第2のNサブステージは、前記第1のPサブステージに結合された第1の入力と、前記遅延回路の出力に結合された出力とを有し、
第2のPサブステージを使用して、前記出力信号の前記立ち上がりエッジを提供することと、前記第2のPサブステージは、前記第1のNサブステージに結合された第1の入力と、前記遅延回路の前記出力に結合された出力とを有し、
をさらに備える、C14に記載の方法。
[C17]
前記第2のPサブステージは、ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力PMOSを備え、前記出力PMOSの前記ソースは、電圧源(VDD)に結合され、前記ドレインは、前記遅延回路の出力に結合され、前記ゲートは、前記第1のNサブステージに結合され、前記方法は、
第1の追跡モジュールによって駆動される補償NMOSを使用して、前記出力信号の前記立ち上がりエッジに対するクロススキュー補償を提供すること、ここにおいて、前記補償NMOSは、ゲートと、ソースと、ドレインとを有し、前記ドレインは、前記電圧源(VDD)に結合され、前記ソースは、前記遅延回路の前記出力に結合され、前記ゲートは、前記第1の追跡モジュールに結合される、
をさらに備える、C16に記載の方法。
[C18]
前記第2のNサブステージは、ソースと、ゲートと、ドレインとを有する出力NMOSを備え、前記出力NMOSの前記ソースは、接地に結合され、前記ドレインは、前記遅延回路の前記出力に結合され、前記ゲートは、前記第1のPサブステージに結合され、前記方法は、
第2の追跡モジュールによって駆動される補償PMOSを使用して、前記出力信号の前記立ち下がりエッジに対してクロススキュー補償を提供すること、ここにおいて、前記補償PMOSは、ゲートと、ソースと、ドレインとを有し、前記ドレインは、前記接地に結合され、前記ソースは、前記遅延回路の前記出力に結合され、前記ゲートは、前記第2の追跡モジュールに結合される、
をさらに備える、C17に記載の方法。
[C19]
バンドギャップ基準電流源から、前記複数のバイアス電圧を生成すること、
をさらに備える、C14に記載の方法。