(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、情報処理方法、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/52 20220101AFI20240605BHJP
H04L 67/131 20220101ALI20240605BHJP
H04L 51/222 20220101ALI20240605BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240605BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20240605BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240605BHJP
【FI】
H04L67/52
H04L67/131
H04L51/222
G06F3/01 510
G06F3/048
G06T19/00 600
(21)【出願番号】P 2023559521
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(86)【国際出願番号】 JP2022039042
(87)【国際公開番号】W WO2023085029
(87)【国際公開日】2023-05-19
【審査請求日】2024-02-21
(31)【優先権主張番号】P 2021183883
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000139403
【氏名又は名称】株式会社ワコム
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【氏名又は名称】小林 功
(74)【代理人】
【識別番号】100169225
【氏名又は名称】山野 明
(72)【発明者】
【氏名】井出 信孝
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-097453(JP,A)
【文献】特開2016-071720(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111061575(CN,A)
【文献】特開2008-278271(JP,A)
【文献】特開2021-157717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/52
H04L 67/131
H04L 51/222
G06F 3/01
G06F 3/048
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間の経過に伴い地球の上空を移動する仮想の移動体の現在位置を示す情報を取得し、
前記移動体の現在位置が、ユーザ端末により撮像される撮像範囲内に含まれる場合に、アートワークを前記ユーザ端末に表示させ、
表示された前記アートワークに対するコメンタリーの投稿を前記ユーザ端末から受け付ける、情報処理装置。
【請求項2】
三次元空間における位置と時刻との対応関係を示す軌道を設定する軌道設定部と、
少なくともユーザ端末の位置に基づき、前記ユーザ端末により撮像される撮像範囲内に前記軌道の一部が含まれる場合に、前記軌道に対応する主コンテンツを前記ユーザ端末に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部により表示された前記主コンテンツに対する副コンテンツの投稿を前記ユーザ端末から受け付ける投稿受付部と、
を備える情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記撮像範囲内に前記軌道の一部が含まれる場合に、前記ユーザ端末により撮像された映像に前記軌道に対応する仮想の移動体の画像を重畳させて前記ユーザ端末に表示させると共に、前記移動体の画像に対する所定の操作を前記ユーザ端末から受け付けた場合に、前記主コンテンツを表示させる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記投稿受付部は、前記副コンテンツの投稿を前記ユーザ端末から受け付ける際、前記ユーザ端末のユーザの署名情報の入力を前記副コンテンツに対応付けて受け付ける、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記主コンテンツを表示させる際、表示させる前記主コンテンツに対して前記投稿が受け付けられた前記副コンテンツを前記主コンテンツと共に表示させる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記軌道設定部は、前記軌道における始点及び終点を設定し、
前記始点から前記終点までの間に前記投稿が受け付けられた前記副コンテンツを、前記副コンテンツに対応付けられた前記主コンテンツと共に出力する出力部を更に備える、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータを、
三次元空間における位置と時刻との対応関係を示す軌道を設定する軌道設定部、
少なくともユーザ端末の位置に基づき、前記ユーザ端末により撮像される撮像範囲内に前記軌道の一部が含まれる場合に、前記軌道に対応する主コンテンツを前記ユーザ端末に表示させる表示制御部、
前記表示制御部により表示された前記主コンテンツに対する副コンテンツの投稿を前記ユーザ端末から受け付ける投稿受付部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
三次元空間における位置と時刻との対応関係を示す軌道を設定する軌道設定ステップと、
少なくともユーザ端末の位置に基づき、前記ユーザ端末により撮像される撮像範囲内に前記軌道の一部が含まれる場合に、前記軌道に対応する主コンテンツを前記ユーザ端末に表示させる表示制御ステップと、
前記表示制御ステップにおいて表示された前記主コンテンツに対する副コンテンツの投稿を前記ユーザ端末から受け付ける投稿受付ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項9】
サーバ装置と、前記サーバ装置と通信可能なユーザ端末と、を含む情報処理システムであって、
前記サーバ装置が、
三次元空間における位置と時刻との対応関係を示す軌道を設定する軌道設定部と、
少なくとも前記ユーザ端末の位置に基づき、前記ユーザ端末により撮像される撮像範囲内に前記軌道の一部が含まれると前記ユーザ端末により判定された場合に、前記軌道に対応する主コンテンツを前記ユーザ端末に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部により表示された前記主コンテンツに対する副コンテンツの投稿を前記ユーザ端末から受け付ける投稿受付部と、
を備え、
前記ユーザ端末が、
前記ユーザ端末の位置を特定する位置特定部と、
前記位置特定部により特定された前記位置に基づき、前記ユーザ端末により撮像される撮像範囲内に前記軌道の一部が含まれるか否かを判定する判定部と、
前記副コンテンツの入力を受け付ける入力受付部と、
を備える情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主コンテンツに対する副コンテンツの投稿を受け付けるための情報処理装置、プログラム、情報処理方法、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、所定の作家が創作したアートワークには、人を感動させる、人に何かの動機付けを生じさせる、感受性を豊かにさせる等の力がある。このため、アートワークを閲覧する機会を求める人は多い。
【0003】
アートワークを閲覧する機会をユーザに提供する技術に関し、従来、サーバ上で管理されたデジタル作画のアートワークを所定のディスプレイに表示し、当該アートワークに対するコメント等の投稿をユーザから受け付けるシステムが知られている。例えば特開2020-92408号公報には、サーバ上で管理されたアートワークを公共又は私的な場で表示するシステムにおいて、アートワークに対するコメント等をユーザがオンラインコミュニティに投稿することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開2020-92408号公報に記載された技術では、複数のユーザが同じタイミングで同じサーバにアクセスしたならば、各ユーザがどこにいても同じようにアートワークを閲覧してコメント等を投稿することになる。このため、主コンテンツとしてのアートワークの閲覧機会や、副コンテンツとしてのコメント等の投稿機会に希少感が得られず、主コンテンツ及び副コンテンツを含むコンテンツを通じた特別な体験をユーザに提供することができない。
【0006】
そこで、本発明は、コンテンツを通じた特別な体験をユーザに提供することができる情報処理装置、プログラム、情報処理方法、及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様に係る情報処理装置は、時間の経過に伴い地球の上空を移動する仮想の移動体の現在位置を示す情報を取得し、前記移動体の現在位置が、ユーザ端末により撮像される撮像範囲内に含まれる場合に、アートワークを前記ユーザ端末に表示させ、表示された前記アートワークに対するコメンタリーの投稿を前記ユーザ端末から受け付ける。
【0008】
例えば、ユーザの現在位置に移動体が移動してくるタイミングでユーザがユーザ端末のカメラを上空にかざし、そのカメラによる撮像範囲内に移動体の現在位置が含まれると、アートワークが表示されると共に当該アートワークに対するコメンタリーを投稿することができる。よって、アートワークを閲覧し、当該アートワークに対するコメンタリーを投稿するための日常的なサービスやイベント等において、あたかもアートワークが地球の上空を移動してユーザの元に訪ねてきたかのような演出効果を付与することができる。すなわち、「アートが時空を超える」という体験や、「アートがあなたを訪ねてくる」という新しい表現の楽しみ方をユーザに提供することができる。以上より、コンテンツを通じた特別な体験をユーザに提供することができる。
【0009】
本発明の第二態様に係る情報処理装置は、三次元空間における位置と時刻との対応関係を示す軌道を設定する軌道設定部と、少なくともユーザ端末の位置に基づき、前記ユーザ端末により撮像される撮像範囲内に前記軌道の一部が含まれる場合に、前記軌道に対応する主コンテンツを前記ユーザ端末に表示させる表示制御部と、前記表示制御部により表示された前記主コンテンツに対する副コンテンツの投稿を前記ユーザ端末から受け付ける投稿受付部と、を備える。
【0010】
本発明の第三態様に係る情報処理装置では、前記表示制御部は、前記撮像範囲内に前記軌道の一部が含まれる場合に、前記ユーザ端末により撮像された映像に前記軌道に対応する仮想の移動体の画像を重畳させて前記ユーザ端末に表示させると共に、前記移動体の画像に対する所定の操作を前記ユーザ端末から受け付けた場合に、前記主コンテンツを表示させる。
【0011】
本発明の第四態様に係る情報処理装置では、前記投稿受付部は、前記副コンテンツの投稿を前記ユーザ端末から受け付ける際、前記ユーザ端末のユーザの署名情報の入力を前記副コンテンツに対応付けて受け付ける。
【0012】
本発明の第五態様に係る情報処理装置では、前記表示制御部は、前記主コンテンツを表示させる際、表示させる前記主コンテンツに対して前記投稿が受け付けられた前記副コンテンツを前記主コンテンツと共に表示させる。
【0013】
本発明の第六態様に係る情報処理装置では、前記軌道設定部は、前記軌道における始点及び終点を設定し、前記始点から前記終点までの間に前記投稿が受け付けられた前記副コンテンツを、前記副コンテンツに対応付けられた前記主コンテンツと共に出力する出力部を更に備える。
【0014】
本発明の第七態様に係るプログラムは、コンピュータを、三次元空間における位置と時刻との対応関係を示す軌道を設定する軌道設定部、少なくともユーザ端末の位置に基づき、前記ユーザ端末により撮像される撮像範囲内に前記軌道の一部が含まれる場合に、前記軌道に対応する主コンテンツを前記ユーザ端末に表示させる表示制御部、前記表示制御部により表示された前記主コンテンツに対する副コンテンツの投稿を前記ユーザ端末から受け付ける投稿受付部、として機能させる。
【0015】
本発明の第八態様に係る情報処理方法は、三次元空間における位置と時刻との対応関係を示す軌道を設定する軌道設定ステップと、少なくともユーザ端末の位置に基づき、前記ユーザ端末により撮像される撮像範囲内に前記軌道の一部が含まれる場合に、前記軌道に対応する主コンテンツを前記ユーザ端末に表示させる表示制御ステップと、前記表示制御ステップにおいて表示された前記主コンテンツに対する副コンテンツの投稿を前記ユーザ端末から受け付ける投稿受付ステップと、を含む。
【0016】
本発明の第九態様に係る情報処理システムは、サーバ装置と、前記サーバ装置と通信可能なユーザ端末と、を含む情報処理システムであって、前記サーバ装置が、三次元空間における位置と時刻との対応関係を示す軌道を設定する軌道設定部と、少なくとも前記ユーザ端末の位置に基づき、前記ユーザ端末により撮像される撮像範囲内に前記軌道の一部が含まれると前記ユーザ端末により判定された場合に、前記軌道に対応する主コンテンツを前記ユーザ端末に表示させる表示制御部と、前記表示制御部により表示された前記主コンテンツに対する副コンテンツの投稿を前記ユーザ端末から受け付ける投稿受付部と、を備え、前記ユーザ端末が、前記ユーザ端末の位置を特定する位置特定部と、前記位置特定部により特定された前記位置に基づき、前記ユーザ端末により撮像される撮像範囲内に前記軌道の一部が含まれるか否かを判定する判定部と、前記副コンテンツの入力を受け付ける入力受付部と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、コンテンツを通じた特別な体験をユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示すユーザ端末としてスマートフォンのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】アートワークテーブルの一例を示す図である。
【
図8】ユーザ入力画像テーブルの一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る情報処理システムにおいて、
図4に示す各機能構成が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】ユーザ端末におけるアプリ実行画面の遷移図の一例を示す図である。
【
図11】ユーザ端末におけるアプリ実行画面の遷移図の一例を示す図である。
【
図12】ユーザ端末におけるアプリ実行画面の遷移図の一例を示す図である。
【
図13】情報処理システムにおいて、始点時刻から終点時刻までの間に投稿された複数のユーザ入力画像を出力する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<概要>
本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)に係る情報処理システムは、主コンテンツ及び副コンテンツを含むコンテンツをユーザ間で共有するためのコンテンツ共有アプリを提供するものである。主コンテンツは、例えば所定の作家が創作したアートワークであり、副コンテンツは、例えば当該アートワークに対してユーザ端末からコメンタリーとして入力されたコメントや絵等のユーザ入力画像である。本実施形態に係る情報処理システムが提供するコンテンツ共有アプリは、アートワークを表示することでユーザに閲覧させる閲覧機会と、ユーザ入力画像を投稿する投稿機会と、をユーザに与えるためのアプリケーションである。
【0020】
当該コンテンツ共有アプリを起動したユーザは、例えば、ユーザの現在位置に仮想の移動体である彗星が移動してくるタイミングでユーザ端末のカメラを上空にかざす。この上空にかざしたカメラによる撮像範囲内に彗星の現在位置が含まれた場合に、ユーザはアートワークの閲覧機会及びユーザ入力画像の投稿機会を得ることができる。このように、アートワークの閲覧機会及びユーザ入力画像の投稿機会を、場所的・時間的に制限し、あたかもアートワークが地球の上空を移動して一期一会のようなタイミングでユーザの元に訪ねてきたかのような演出効果を付与する。
【0021】
また、当該コンテンツ共有アプリでは、ユーザ入力画像の投稿に対応付けてユーザの署名情報の入力を受け付けることにより、ユーザ入力画像の著作者を署名情報によって証明する。すなわち、「アートに対してコメンタリーを打って、それをあなたのものだと証明できる」という効果を付与する。
【0022】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について詳細に説明する。説明の理解を容易するため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0023】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように、情報処理システム1は、サーバ装置10と、一又は複数のユーザ端末12と、を備える。これらのサーバ装置10とユーザ端末12とは、イントラネットやインターネット、電話回線等の通信ネットワークNTを介して通信可能に構成されている。
【0025】
サーバ装置10は、プログラム14を実行して得られる実行結果、又はプログラム14そのものを、通信ネットワークNTを介して各ユーザ端末12に提供する情報処理装置である。サーバ装置10は、例えばクラウドサーバとして実現される。
【0026】
各ユーザ端末12は、各ユーザが所持する情報処理装置である。これらのユーザ端末12としては、例えばスマートフォンや、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ等の様々なものが挙げられる。本実施形態では、ユーザ端末12をスマートフォンとして説明する。
【0027】
本実施形態では、サーバ装置10からユーザ端末12を介してユーザにコンテンツ共有アプリが提供される。例えば、ユーザ端末12におけるユーザの所定の操作に基づき、例えば通信ネットワークNTを通じて提供されウェブブラウザ上で利用されるウェブアプリケーションとしてのコンテンツ共有アプリが起動する。ここでの所定の操作としては、例えば、ユーザ端末12において所定のウェブサイト上のリンクをクリックすることや、コンテンツ共有イベント会場等に展示されたQRコード(登録商標)をユーザ端末12で読み込むこと等が挙げられる。なお、サーバ装置10から受信したプログラム14がユーザ端末12にインストールされた後、ユーザ端末12において当該プログラム14を実行することで、ユーザにコンテンツ共有アプリを提供するものであってもよい。
【0028】
<ハードウェア構成>
図2は、
図1に示すサーバ装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0029】
図2に示すように、サーバ装置10は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ24を主に備えて構成される。これらの構成要素がプログラム等によって動作することにより、
図4を参照して後述する各種の機能構成として機能する。
【0030】
制御装置20は、CPU22がメモリ24或いは記憶装置28等に格納された所定のプログラムを実行する。
【0031】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。この通信装置26は、例えば、ユーザ端末12との間で各種の情報を送受信する。
【0032】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。この記憶装置28は、プログラム14を含む、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0033】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータ等の情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置により構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置により構成されるものであってもよい。また、
図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。
【0034】
図3は、
図1に示すユーザ端末12としてスマートフォンのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
図3に示すように、ユーザ端末12は、主制御部30と、タッチパネル32と、カメラ34と、移動体通信部36と、無線LAN(Local Area Network)通信部38と、記憶部40と、スピーカ42と、加速度・方位センサ44と、GPS(Global Positioning System)受信部46と、を備える。これらの構成要素がプログラム等によって動作することにより、
図4を参照して後述する各種の機能構成として機能する。
【0036】
主制御部30は、CPUやメモリ等を含んで構成される。この主制御部30には、タッチパネル32と、カメラ34と、移動体通信部36と、無線LAN通信部38と、記憶部40と、スピーカ42と、加速度・方位センサ44と、GPS受信部46と、が接続されている。そして、主制御部30は、これら接続先を制御する機能を有する。
【0037】
タッチパネル32は、表示装置及び入力装置の両方の機能を有し、表示機能を担うディスプレイ32Aと、入力機能を担うタッチセンサ32Bとで構成される。ディスプレイ32Aは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の一般的な表示デバイスにより構成される。ディスプレイ32Aは、例えばプログラム14の実行により生成されるコンテンツ共有アプリの画像を含む画面を表示する。
【0038】
タッチセンサ32Bは、ディスプレイ32Aが表示する画面に対する接触操作を検知するための素子により構成される。タッチセンサ32Bによる接触操作の検知方式は、静電容量式、抵抗膜式(感圧式)、電磁誘導式等の既知の方式のうち任意の方法を採用することができる。タッチセンサ32Bは、画面に対して接触する操作子としてユーザの指やスタイラス等の動作を検知することで、ユーザの操作入力を受け付ける。タッチセンサ32Bは、ユーザの指やスタイラス等の動作を検知すると、画面に対する接触の位置を示す座標を検出し、当該座標を主制御部30に出力する。当該位置を示す座標は、例えば、ディスプレイ32Aが表示する画面に沿ったxy平面上の座標値として示される。
【0039】
カメラ34は、静止画又は/及び動画を撮影し、撮影した結果を記憶部40に保存する機能を有する。
【0040】
移動体通信部36は、アンテナ36Aを介して、移動体通信網と接続し、当該移動体通信網に接続されている他の通信装置と通信する機能を有する。
【0041】
無線LAN通信部38は、アンテナ38Aを介して、通信ネットワークNTと接続し、当該通信ネットワークNTに接続されているサーバ装置10等の他の装置と通信する機能を有する。
【0042】
記憶部40には、プログラム14を含む各種プログラムや各種の情報が記憶されている。
【0043】
スピーカ42は、コンテンツ共有アプリを実行中の音等を出力する機能を有する。
【0044】
加速度・方位センサ44は、ユーザ端末12の向きや傾きを算出するための情報を取得する機能を有し、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサを含む。
【0045】
GPS受信部46は、アンテナ46Aを介して、ユーザ端末12の位置を特定するためのGPS信号をGPS衛星から受信する機能を有する。
【0046】
なお、
図3は、ユーザ端末12が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、ユーザ端末12は、音声を入力するマイク、リアルタイムクロック、近距離無線通信等、スマートフォンが一般的に備える他の構成を備えることができる。
【0047】
<機能構成>
図4は、本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0048】
<サーバ装置10の機能構成>
図4に示すように、情報処理システム1におけるサーバ装置10は、機能構成として、記憶部50と、軌道取得部52と、画像取得部54と、表示制御部56と、投稿受付部58と、出力部60と、を備える。なお、これらの機能構成のうち全部又は一部は、ユーザ端末12が備えてもよい。
【0049】
記憶部50は、軌道設定部として機能し、三次元空間における位置と時刻との対応関係を示す軌道を設定して記憶する。三次元空間における位置は、三次元の位置ベクトルで決定される三次元空間上の位置であってもよく、三次元空間内における二次元の位置ベクトルで決定される位置すなわち二次元平面上の位置であってもよい。
【0050】
図5は、軌道100の概念を示す概念図である。
図5に示すように、軌道100は、時間の経過に伴い変化する位置の道筋であって、例えば日本を始点及び終点として世界の都市上空を移動する経路を示す。始点とは、軌道100が始まる位置を示し、終点とは、軌道100が終わる位置を示す。軌道100は、例えば日本から、韓国、台湾、香港、中国、オーストラリア、ブルガリア、ルーマニア、チェコ、ドイツ、フランス、イギリス、アイルランド、アメリカ、カナダと移動した後、再度日本に戻ってくる経路として描かれる。
【0051】
また、記憶部50は、軌道100に対応する彗星の画像を設定して記憶する。ここでの彗星とは、現実の天体を示すのではなく、時間の経過に伴い地球の上空を移動する仮想の移動体である。彗星は、軌道100に沿って移動し、軌道100の位置及び時刻に対応付けて設定されている。
【0052】
図4に戻り、記憶部50は、軌道テーブル50Aと、アートワークテーブル50Bと、ユーザ入力画像テーブル50Cと、を記憶する。
【0053】
図6は、軌道テーブル50Aの一例を示す図である。軌道テーブル50Aは、軌道100を設定して管理するテーブルである。
図6に示すように、軌道テーブル50Aには、三次元空間における位置と時刻とが対応付けて格納されている。具体的には、軌道テーブル50Aには、「時刻」、「場所」、「位置」、「始点フラグ」、「終点フラグ」、「彗星画像のファイルパス」、及び「アートID」が、互いに対応付けられて格納されている。
【0054】
「時刻」は、例えば日本時間で示される24時制の時刻である。「場所」は、所定の領域を示す場所情報であって、例えば国や都市の名前で示される。「位置」は、三次元空間上の位置情報であって、例えば緯度、経度、及び高度で示される。高度は、一定であってもよいし、緯度又は経度によって変更されてもよい。なお、「位置」は、三次元空間内における二次元平面上の位置であってもよく、緯度及び経度のみで示されてもよい。
【0055】
「始点フラグ」は、軌道100における所定の「時刻」及び所定の「位置」に対応付けられた点が始点であるか否かを示すフラグである。「始点フラグ」としては、始点である場合には「1」、始点でない場合には「0」が格納される。「終点フラグ」は、軌道100における所定の「時刻」及び所定の「位置」に対応付けられた点が終点であるか否かを示すフラグである。「終点フラグ」としては、終点である場合には「1」、終点でない場合には「0」が格納される。本実施形態では、軌道テーブル50Aにおいて、同じ「時刻」及び「位置」に始点及び終点が設定されているが、終点における「時刻」は、始点における「時刻」の24時間後の時刻を示すものとする。
【0056】
「彗星画像のファイルパス」は、軌道100における所定の「位置」「及び所定の「時刻」に対応付けられた彗星の画像(以下、「彗星画像」という。)の格納先を示す情報である。なお、彗星画像は、予め設計者等により設定され、サーバ装置10における所定の格納先に記憶されている。ここで、地球上におけるどの位置からどの時刻に見るかによって彗星が異なる見え方となる演出を行うため、サーバ装置10には、軌道100における所定の「位置」及び所定の「時刻」毎に異なる複数の彗星画像が記憶されている。例えば、軌道100における所定の「位置」及び所定の「時刻」と、地球上における所定の位置及び所定の時刻とを対応させ、その対応関係に基づき複数の彗星画像が記憶されている。
【0057】
「アートID」は、所定の作家が創作したデジタル作画のアートワーク(以下、単に「アートワーク」ともいう。)の識別情報である。「アートID」は、軌道100に対応付けて格納されている。すなわち、軌道100に対応するアートワークが設定されている。
【0058】
図7は、アートワークテーブル50Bの一例を示す図である。アートワークテーブル50Bは、アートワークをアートIDに対応付けて管理するためのテーブルである。
図7に示すように、アートワークテーブル50Bには、「アートID」、「アートワークのファイルパス」、及び「ユーザ入力画像の有無のフラグ」が、互いに対応付けられて格納されている。
【0059】
「アートID」は、
図6に格納された「アートID」同様、アートワークの識別情報である。「アートワークのファイルパス」は、アートワークの格納先を示す情報である。なお、アートワークは、設計者等により予め設定され、サーバ装置10における所定の格納先に記憶されている。
【0060】
「ユーザ入力画像の有無のフラグ」は、アートワークに対応付けられたユーザ入力画像が有るか否かを示すフラグである。ユーザ入力画像とは、アートワークに対してユーザ端末12から受け付けられた情報であって、例えばユーザから入力されたコメントや絵等の画像である。「ユーザ入力画像の有無のフラグ」としては、アートワークに対応付けられたユーザ入力画像が有る場合には「1」、アートワークに対応付けられたユーザ入力画像が無い場合には「0」が格納される。
【0061】
図8は、ユーザ入力画像テーブル50Cの一例を示す図である。ユーザ入力画像テーブル50Cは、ユーザ入力画像をアートIDに対応付けて管理するためのテーブルである。
図8に示すように、ユーザ入力画像テーブル50Cには、「入力時刻」、「入力場所」、「入力位置」、「ユーザ入力画像のファイルパス」、「署名情報」、及び「アートID」が、互いに対応付けられて格納されている。
【0062】
「入力時刻」は、ユーザ端末12からユーザ入力画像の投稿を受け付けた時刻であって、例えば日本時間の24時制で示される。「入力時刻」は、年月日で示される日付を含んでいる。「入力場所」は、ユーザ端末12からユーザ入力画像の投稿を受け付けた所定の領域を示す場所情報であって、例えば国や都市の名前で示される。「入力位置」は、ユーザ端末12からユーザ入力画像の投稿を受け付けた二次元平面上の位置情報であって、例えば緯度及び経度で示される。
【0063】
「ユーザ入力画像のファイルパス」は、ユーザ入力画像の格納先を示す情報である。なお、ユーザ入力画像は、ユーザ端末12から投稿を受け付けると、サーバ装置10における所定の格納先に記憶される。「署名情報」は、ユーザ入力画像の投稿をしたユーザのサインとして、ユーザ入力画像に対応付けてユーザ端末12から入力を受け付けた署名情報である。「アートID」は、
図6及び
図7に格納された「アートID」同様、アートワークの識別情報である。
【0064】
図4に戻り、軌道取得部52は、軌道テーブル50Aから軌道情報を取得する。軌道情報とは、軌道100の一部を示す情報であって、例えば、軌道100における現在時刻に対応する位置を示す。ここで、彗星は軌道100に対応して設定されており、軌道100における現在時刻に対応する位置とは、彗星の現在位置に相当する。以下、軌道100における現在時刻に対応する位置を、彗星の現在位置として説明する。軌道取得部52は、彗星の現在位置を示す情報を取得する移動体取得部として機能する。
【0065】
例えば、軌道取得部52は、現在時刻が「19:00」である場合に、軌道テーブル50Aから、当該現在時刻に対応する彗星の現在位置を示す情報を取得する。すなわち、軌道取得部52は、当該現在時刻と同じ時刻に対応する「日本,新宿」という場所情報や、当該現在時刻と同じ時刻に対応する「35.685, 139.709, 100」という緯度、経度、高度の位置情報を取得する。
【0066】
軌道取得部52は、例えば、所定間隔で定期的に、又は、ユーザ端末12からの要求等に応じた所定のタイミングで、彗星の現在位置を示す情報を取得する。軌道取得部52は、取得した彗星の現在位置を示す情報を、ユーザ端末12に送信する。なお、現在時刻に対応する彗星の現在位置とは、現在時刻と丁度同じ時刻に対応する場所情報や位置情報に限らず、現在時刻を含む所定の時間帯や現在時刻に近い所定の時間帯に対応する場所情報や位置情報であってもよい。
【0067】
また、軌道取得部52は、取得する彗星の現在位置が軌道100において始点又は終点として設定されている場合には、その旨を示すフラグ情報を取得する。例えば、軌道取得部52は、軌道テーブル50Aを参照し、取得する彗星の現在位置に対応付けられた「始点フラグ」が「1」で設定されている場合には、始点として設定されている旨を示すフラグ情報を取得する。同様に、軌道取得部52は、取得する彗星の現在位置に対応付けられた「終点フラグ」が「1」で設定されている場合には、終点として設定されている旨を示すフラグ情報を取得する。軌道取得部52は、取得したフラグ情報を、取得した彗星の現在位置を示す情報と共にユーザ端末12に送信する。
【0068】
画像取得部54は、ユーザ端末12のカメラ34により撮像される撮像範囲内に軌道の一部(彗星の現在位置)が含まれる場合に、当該彗星の現在位置に対応する彗星画像を取得する。この場合、画像取得部54は、軌道テーブル50Aを参照し、撮像範囲内に含まれる彗星の現在位置に対応付けられた「彗星画像のファイルパス」を抽出する。そして、画像取得部54は、抽出した「彗星画像のファイルパス」が示す格納先に記憶された彗星画像を取得する。画像取得部54は、当該格納先に記憶された複数の彗星画像の中から、例えばユーザ端末12の現在位置に対応する彗星画像を取得する。すなわち、画像取得部54は、彗星の現在位置とユーザ端末12の現在位置との対応関係に基づき、ユーザ端末12の現在位置から見た彗星の見え方として適切な彗星画像を取得する。画像取得部54は、取得した彗星画像を表示制御部56に出力する。
【0069】
また、画像取得部54は、ディスプレイ32Aに表示された彗星画像に対する所定の操作をユーザ端末12から受け付けた場合に、軌道100に対応するアートワークを取得する。所定の操作は、例えば、ディスプレイ32Aが彗星画像を表示する画面を、ユーザの指等によってズームインするズーム操作である。なお、所定の操作は、当該ズームイン操作に限らず、タップ操作等であってもよい。
【0070】
この場合、画像取得部54は、軌道テーブル50Aを参照し、撮像範囲内に含まれる彗星の現在位置に対応付けられた「アートID」を特定する。次に、画像取得部54は、アートワークテーブル50Bを参照し、特定された「アートID」に対応付けられた「アートワークのファイルパス」を抽出する。そして、画像取得部54は、抽出した「アートワークのファイルパス」が示す格納先に記憶されたアートワークを取得する。画像取得部54は、取得したアートワークを表示制御部56に出力する。
【0071】
また、画像取得部54は、アートワークを取得する際、取得するアートワークに対応付けられたユーザ入力画像が有る場合には、当該ユーザ入力画像も取得する。例えば、画像取得部54は、アートワークテーブル50Bにおいて、取得するアートワークの「アートID」に対応付けられた「ユーザ入力画像の有無のフラグ」の欄を参照する。画像取得部54は、「ユーザ入力画像の有無のフラグ」が「1」である場合には、ユーザ入力画像テーブル50Cを参照して、ユーザ入力画像を取得する。この場合、画像取得部54は、取得するアートワークの「アートID」に対応付けられた「ユーザ入力画像のファイルパス」を抽出し、当該「ユーザ入力画像のファイルパス」が示す格納先に記憶されたユーザ入力画像を取得する。画像取得部54は、取得したユーザ入力画像を、当該ユーザ入力画像に対応するアートワークと共に表示制御部56に出力する。
【0072】
また、画像取得部54は、軌道100における始点から終点までの間に投稿が受け付けられた複数のユーザ入力画像を取得する。例えば、画像取得部54は、現在時刻が、軌道100における始点として設定された時刻(以下、「始点時刻」という。)から軌道100における終点として設定された時刻(以下、「終点時刻」という。)まで経過したか否かを判定する。画像取得部54は、当該判定を肯定判定した場合に、始点時刻から終点時刻までの間に投稿された複数のユーザ入力画像を取得する。
【0073】
この場合、画像取得部54は、ユーザ入力画像テーブル50Cを参照し、軌道100に対応するアートワークに対応付けられた「ユーザ入力画像のファイルパス」の中から、始点時刻から終点時刻までの間に含まれるものを全て抽出する。なお、始点時刻から終点時刻までの間に含まれるものを全て抽出するのではなく、そこから更に複数選んで抽出してもよい。そして、画像取得部54は、抽出した各「ユーザ入力画像のファイルパス」が示す格納先に記憶されたユーザ入力画像を取得する。画像取得部54は、取得した複数のユーザ入力画像を、当該ユーザ入力画像に対応するアートワークと共に、出力部60に出力する。
【0074】
なお、画像取得部54は、例えばユーザ端末12の撮像範囲内に軌道100における始点(始点として設定された彗星の現在位置)が含まれた後、同じユーザ端末12の撮像範囲内に軌道100における終点(終点として設定された彗星の現在位置)が再度含まれた場合に、始点時刻から終点時刻までの間に投稿された複数のユーザ入力画像を取得してもよい。
【0075】
表示制御部56は、コンテンツ共有アプリを実行中のユーザ端末12のディスプレイ32Aの画面表示を制御する。例えば、表示制御部56は、画像取得部54により取得された各画像を含む画面をユーザ端末12のディスプレイ32Aに表示させる。表示制御部56は、少なくともユーザ端末12の位置に基づき、ユーザ端末12のカメラ34により撮像される撮像範囲内に、軌道100の一部(彗星の現在位置)が含まれる場合に、軌道100に対応するアートワークを表示させる。ユーザ端末12の位置は、例えば、ユーザ端末12の現在位置である。撮像範囲は、予め設定されたカメラ34の画角と、カメラ34から被写体までの距離等とに基づき算出される。撮像範囲は、水平撮像範囲と、垂直撮像範囲と、を含む。
【0076】
本実施形態では、表示制御部56は、ユーザ端末12の現在位置に加え、ユーザ端末12の向きや傾き等に基づき、撮像範囲内に彗星の現在位置が含まれる場合に、軌道100に対応するアートワークを表示させる。ユーザ端末12の向きは、水平方向でのユーザ端末12の向きであり、例えばユーザ端末12が有するカメラ34のレンズが向いている方向を示す。また、ユーザ端末12の傾きは、水平方向と交差する方向でのユーザ端末12の角度であり、ユーザ端末12が水平方向に対してどの程度傾いているかを示す。
【0077】
なお、撮像範囲内に彗星の現在位置が含まれるか否かの判定は、実際に撮像範囲内にあるか否かだけでなく、撮像範囲内にあると推定される場合も含まれる。この推定は、ユーザ端末12の現在位置のみを用いて行ってもよい。例えば、ユーザ端末12の現在位置が彗星の現在位置から所定範囲内に位置する等、ユーザ端末12の現在位置が彗星の現在位置に対して二次元平面的に近い場合に、撮像範囲内に彗星の現在位置が含まれると推定してもよい。また、この推定は、ユーザ端末12の現在位置に加えて、方位(向き)、仰角(傾き)及び標高のうち少なくとも一つを用いて行ってもよく、仰角及び標高に代えて撮像画像の認識結果を用いて行ってもよい。撮像画像の認識結果を用いる場合は、具体的には、撮像画像内において色値が平坦であり空として認識される空領域の面積が、撮像画像全体の面積に対して所定値以上を占める場合に、撮像範囲内に彗星の現在位置が含まれると推定してもよい。
【0078】
本実施形態では、表示制御部56は、撮像範囲内に彗星の現在位置が含まれる場合に、まず彗星画像を表示させてから、その彗星画像に対するズームイン操作等をユーザから受け付けたことに応じてアートワークを表示させる。また、表示制御部56は、表示させるアートワークに対して投稿が受け付けられたユーザ入力画像が有る場合には、当該ユーザ入力画像をアートワークと共に表示させる。
【0079】
また、表示制御部56は、彗星画像、アートワーク、又はユーザ入力画像を表示させる際、ユーザ端末12のカメラ34により撮像された映像にこれらの画像を重畳して表示させる。すなわち、表示制御部56は、いわゆる拡張現実(Augmented Reality:AR)の手法を用いることにより、カメラ34により実際に撮像された映像に、これらの画像を重畳して表示させる。
【0080】
投稿受付部58は、表示制御部56により表示されたアートワークに対するユーザ入力画像の投稿をユーザ端末12から受け付ける。この際、投稿受付部58は、ユーザ端末12のユーザの署名情報の入力を、ユーザ入力画像に対応付けて受け付ける。投稿受付部58は、受け付けたユーザ入力画像をサーバ装置10内の所定の格納先に格納する。また、投稿受付部58は、その格納先を「ユーザ入力画像のファイルパス」として、受け付けた署名情報と共に「アートID」に対応付けてユーザ入力画像テーブル50Cに格納する。また、投稿受付部58は、ユーザ入力画像を受け付けた時刻、場所、及び位置を、それぞれ「入力時刻」、「入力場所」、及び「入力位置」として、「ユーザ入力画像のファイルパス」と対応付けてユーザ入力画像テーブル50Cに格納する。
【0081】
出力部60は、軌道100における始点から終点までの間に投稿が受け付けられた複数のユーザ入力画像を、アートワークと共に出力する。具体的には、出力部60は、現在時刻が始点時刻から終点時刻まで経過した場合に画像取得部54によって取得される複数のユーザ入力画像を、アートワークと共に出力する。また、出力部60は、ユーザ端末12の撮像範囲内に軌道100における始点(始点として設定された彗星の現在位置)が含まれた後、同じユーザ端末12の撮像範囲内に軌道100における終点(終点として設定された彗星の現在位置)が再度含まれたタイミングで、複数のユーザ入力画像を出力してもよい。
【0082】
出力部60は、例えばコンテンツ共有イベント会場の天井等にプロジェクションマッピングとして投影させること等によって、複数のユーザ入力画像及びアートワークを出力する。なお、出力部60は、複数のユーザ入力画像及びアートワークを、ユーザ端末12のディスプレイ32Aに表示させることによって出力してもよいし、サーバ装置10内又はサーバ装置10外の記憶装置等に出力してもよい。
【0083】
<ユーザ端末12の機能構成>
次に、情報処理システム1におけるユーザ端末12は、機能構成として、位置特定部62と、判定部64と、表示部66と、入力受付部68と、を備える。なお、これらの機能構成のうち全部又は一部は、サーバ装置10が備えてもよい。
【0084】
位置特定部62は、ユーザ端末12の現在位置、向き、傾きを含む位置情報を特定する。位置特定部62は、例えばGPS受信部46により受信したGPS信号に基づく位置測定技術や、ユーザ端末12のIPアドレス等に基づき、ユーザ端末12の現在位置を特定する。また、位置特定部62は、例えば加速度・方位センサ44により取得された各種情報に基づき、ユーザ端末12の向きや傾きを検出して特定する。位置特定部62は、例えば所定間隔で定期的に位置情報を特定し、特定した位置情報を判定部64に出力する。
【0085】
判定部64は、位置特定部62により特定された位置情報に基づき、軌道取得部52により取得された軌道情報が示す彗星の現在位置がカメラ34による撮像範囲内に含まれるか否かを判定する。判定部64は、当該判定を肯定判定した場合に、その判定結果をサーバ装置10の画像取得部54に送信する。
【0086】
例えば、判定部64は、ユーザ端末12の現在位置、向き、傾きに基づき、彗星の現在位置が水平撮像範囲及び垂直撮像範囲の両方に含まれているか否かの判定を行う。そして、判定部64は、当該判定を肯定判定した場合に、彗星の現在位置が撮像範囲内に含まれると肯定判定し、当該判定を否定判定した場合に、彗星の現在位置が撮像範囲内に含まれないと否定判定する。なお、垂直撮像範囲は考慮せず、彗星の現在位置が水平撮像範囲内に含まれているか否かの判定のみを行ってもよい。
【0087】
また、判定部64は、ユーザ端末12の撮像範囲内に軌道100における始点(始点として設定された彗星の現在位置)が含まれた後、ユーザ端末12の撮像範囲内に軌道100における終点(終点として設定された彗星の現在位置)が含まれたか否かを判定してもよい。彗星の現在位置が始点又は終点として設定されているか否かは、軌道取得部52から送信されるフラグ情報に基づき判定される。判定部64は、当該判定結果を、サーバ装置10の画像取得部54や出力部60に送信する。
【0088】
また、判定部64は、入力受付部68からの情報に基づき、ユーザ端末12から所定の入力操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、判定部64は、入力受付部68からズームイン操作情報を出力された場合に、ディスプレイ32Aに表示された彗星画像に対するズームイン操作があったと判定する。判定部64は、当該判定結果を、画像取得部54に送信する。また、判定部64は、入力受付部68によりアートワークに対する入力操作情報が出力された場合に、アートワークに対するユーザの入力操作があったと判定する。
【0089】
表示部66は、サーバ装置10の表示制御部56の制御によって画像を表示するディスプレイ32Aである。例えば、表示部66は、カメラ34により撮像される撮像範囲内に彗星の現在位置が含まれる場合に、カメラ34により撮像された映像に重畳してサーバ装置10の画像取得部54によって取得された彗星画像を表示する。また、表示部66は、彗星画像を含む画面に対するユーザのズームイン操作に応じて画像取得部54によって取得されたアートワークや当該アートワークに対応付けられたユーザ入力画像を表示する。
【0090】
入力受付部68は、ユーザからの所定の操作の入力を受け付けるタッチセンサ32Bである。例えば、ディスプレイ32Aが彗星画像を含む画面を表示している場合に、当該画面に対してユーザの指によるズームイン操作があったとする。この場合、入力受付部68は、ズームイン操作をタッチセンサ32Bにより検知して受け付けて、当該ズームイン操作があったことを示すズームイン操作情報を判定部64に出力する。
【0091】
また、例えば、ディスプレイ32Aがアートワークを含む画面を表示している場合に、当該画面に対してユーザの指やスタイラス等によって、アートワークに対するコメントや絵等のユーザ入力画像や、ユーザのサイン等の署名情報が入力されたとする。この場合、入力受付部68は、ユーザの指やスタイラス等からの入力操作をタッチセンサ32Bにより検知して受け付けて、入力操作があったことを示す入力操作情報として判定部64に出力する。また、入力受付部68は、受け付けたユーザ入力画像及び署名情報を互いに対応付けて投稿受付部58に送信する。
【0092】
<情報処理システム1の処理の流れ>
次に、
図9のフローチャート及び
図10の画面遷移図を参照して、情報処理システム1の各機能構成による処理の流れについて説明する。
図9は、本実施形態に係る情報処理システムにおいて、
図4に示す各機能構成が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下のステップの順番は、適宜、変更することができる。
【0093】
また、
図10~
図12は、ユーザ端末12におけるコンテンツ共有アプリの実行画面の遷移図の一例を示す図である。
図10は、彗星画像が表示されてからアートワークが表示されるまでの画面の流れを示す。
図11は、アートワークが表示されてからユーザ入力画像の入力を受け付けるまでの画面の流れを示す。
図12は、ユーザ入力画像を入力後にサインの入力と共にユーザ入力画像の投稿を受け付けるまでの画面の流れを示す。
【0094】
(ステップSP10)
サーバ装置10の記憶部50は、軌道100を設定して、軌道テーブル50Aとして記憶しておく。
【0095】
例えば、ユーザ端末12において所定のウェブサイト上のリンクをユーザがクリックする、又は、イベント会場等に展示されたQRコード(登録商標)をユーザがユーザ端末12で読み込むことにより、ユーザ端末12のウェブブラウザ上でコンテンツ共有アプリが起動して、ステップSP12の処理が開始する。
【0096】
(ステップSP12)
ユーザ端末12の位置特定部62は、ユーザ端末12の現在位置、向き、傾きを含む位置情報を特定する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0097】
(ステップSP14)
サーバ装置10の軌道取得部52は、例えばステップSP12の処理で位置情報が特定されたことに応じて又は所定のタイミングで、彗星の現在位置を示す情報を軌道情報として取得し、ユーザ端末12の判定部64に送信する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0098】
(ステップSP16)
ユーザ端末12の判定部64は、ステップSP12の処理で特定された位置情報に基づき、ステップSP14の処理で送信された軌道情報が示す彗星の現在位置が、カメラ34による撮像範囲内に含まれるか否かを判定する。当該判定が否定判定されると、処理は、ステップSP12の処理に移行する。すなわち、彗星の現在位置が撮像範囲内に含まれるまで、ステップSP12~ステップSP16の処理を繰り返す。これに対し、当該判定が肯定判定されると、判定部64は、判定結果をサーバ装置10の画像取得部54に送信する。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0099】
(ステップSP18)
サーバ装置10の画像取得部54は、軌道100に対応する彗星画像を取得する。例えば、画像取得部54は、ステップSP16の処理において撮像範囲内に含まれると判定された彗星の現在位置に対応付けられた「彗星画像のファイルパス」を軌道テーブル50Aから抽出する。続いて、画像取得部54は、当該「彗星画像のファイルパス」が示す格納先に格納された彗星画像の中から、ユーザ端末12の現在位置から見た彗星の見え方として適切な彗星画像を取得する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0100】
(ステップSP20)
サーバ装置10の表示制御部56は、ステップSP18の処理において取得された彗星画像を、ユーザ端末12のディスプレイ32Aに表示させる。この際、表示制御部56は、ユーザ端末12のカメラにより撮像された映像に重畳して彗星画像を表示させる。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0101】
(ステップSP22)
ユーザ端末12の表示部66であるディスプレイ32Aは、ステップSP20の処理における表示制御部56による制御によって、彗星画像を表示する。ディスプレイ32Aは、例えば
図10の(A)に示すように、カメラ34により撮像された街中の上空の映像に重畳して彗星画像102を表示する。そして、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0102】
(ステップSP24)
ユーザ端末12の判定部64は、例えばステップSP22の処理において彗星画像102が表示されてから所定時間内にズームイン操作をユーザから受け付けたか否かを判定する。判定部64は、入力受付部68からズームイン操作情報が出力されないまま所定時間が経過した場合には、当該判定を否定判定する。当該判定が否定判定されると、コンテンツ共有アプリが終了し、
図9に示す一連の処理が終了する。
【0103】
これに対し、判定部64は、入力受付部68からズームイン操作情報が出力された場合には、当該判定を肯定判定する。当該判定が肯定判定されると、ディスプレイ32Aは、拡大表示を実行する。ディスプレイ32Aは、例えば
図10の(B)及び(C)に示すように、彗星画像102を一定の倍率で拡大して表示する。判定部64は、肯定判定した判定結果を、サーバ装置10の画像取得部54に送信する。そして、処理は、ステップSP26の処理に移行する。
【0104】
(ステップSP26)
サーバ装置10の画像取得部54は、ステップSP24の処理において肯定判定された判定結果に応じて、軌道100に対応するアートワーク及びユーザ入力画像を取得する。例えば、画像取得部54は、軌道テーブル50Aを参照し、ステップSP16の処理において撮像範囲内に含まれると判定された彗星の現在位置に対応付けられた「アートID」を特定する。続いて、画像取得部54は、アートワークテーブル50Bを参照し、特定した「アートID」に対応付けられた「アートワークのファイルパス」を抽出し、当該「アートワークのファイルパス」が示す格納先に記憶されたアートワークを取得する。
【0105】
また、画像取得部54は、アートワークテーブル50Bを参照し、取得するアートワークの「アートID」に対応付けられた「ユーザ入力画像の有無のフラグ」が「1」である場合には、ユーザ入力画像テーブル50Cを参照して、ユーザ入力画像を取得する。すなわち、取得するアートワークの「アートID」に対応付けられた「ユーザ入力画像のファイルパス」を抽出し、当該「ユーザ入力画像のファイルパス」が示す格納先に記憶されたユーザ入力画像を取得する。そして、処理は、ステップSP28の処理に移行する。
【0106】
(ステップSP28)
サーバ装置10の表示制御部56は、ステップSP26の処理において取得されたアートワーク及びユーザ入力画像を、ユーザ端末12のディスプレイ32Aに表示させる。この際、表示制御部56は、ユーザ端末12のカメラにより撮像された映像に重畳してアートワーク及びユーザ入力画像を表示させる。表示制御部56は、ユーザ入力画像が取得されていない場合には、アートワークのみを表示させてもよい。そして、処理は、ステップSP30の処理に移行する。
【0107】
(ステップSP30)
ユーザ端末12の表示部66であるディスプレイ32Aは、ステップSP28の処理における表示制御部56による制御によって、アートワーク及びユーザ入力画像を表示する。ディスプレイ32Aは、例えば
図10の(D)に示すように、カメラ34により撮像された街中の上空の映像に重畳して、アートワーク104及びユーザ入力画像106を表示する。ディスプレイ32Aは、アートワーク104を最も目立つように中心に近い位置に表示し、当該アートワーク104の周囲を取り囲むようにユーザ入力画像106を表示してもよい。
【0108】
また、ディスプレイ32Aは、
図10の(D)に示すような表示を所定時間行った後、例えば
図11の(E)に示すように、アートワーク104に対するコメントや絵等の投稿をユーザに促すための投稿催促アイコン108を表示する。また、投稿催促アイコン108の表示に応じて、ユーザの指やスタイラス等による入力が入力受付部68により受け付けられると、ディスプレイ32Aは、
図11の(F)に示されるように、指やスタイラス等で描いた描画線112を表示する。この描画線112によって、
図11の(H)に示すような絵117が形成されることとなる。
【0109】
また、ディスプレイ32Aは、色選択ボタン110a、ペン選択ボタン110b、及び、OKボタン110cを含むツールバー110を表示する。色選択ボタン110aは、描画線112の色を選択するためのアイコンである。色選択ボタン110aがユーザに選択されると、ディスプレイ32Aは、
図11の(G)に示すようなカラーパレット114を表示する。また、ペン選択ボタン110bは、描画線112の太さ等の種類を選択するためのアイコンである。また、OKボタン110cは、入力が終わったコメントや絵等を一時的に保存するためのアイコンである。ディスプレイ32Aが投稿催促アイコン108を表示すると、処理は、ステップSP32の処理に移行する。
【0110】
(ステップSP32)
ユーザ端末12の判定部64は、例えばステップSP30の処理において投稿催促アイコン108が表示されてから所定時間内に、アートワーク104に対するユーザの入力操作があったか否かを判定する。判定部64は、入力受付部68から入力操作情報が出力されないまま所定時間が経過した場合には、当該判定を否定判定する。当該判定が否定判定されると、コンテンツ共有アプリが終了し、
図9に示す一連の処理が終了する。これに対し、判定部64は、入力受付部68による入力操作情報の出力があった場合には、当該判定を肯定判定する。
【0111】
入力受付部68により入力操作情報を受け付ける際、例えば、ユーザが指やスタイラス等で描いた結果として
図11の(H)に示すような絵117が形成され、OKボタン116がユーザにより選択されると、入力受付部68は、絵117の画像データをユーザ入力画像106として一時的に保存する。続いて、ディスプレイ32Aは、例えば
図12の(I)に示すように、サインの入力をユーザに促すための「サインをしてください」という署名催促アイコン118、サイン欄120、及びOKボタン122を表示する。
【0112】
続いて、署名催促アイコン118の表示に応じて、ユーザの指やスタイラス等によるサインの入力が入力受付部68により受け付けられると、ディスプレイ32Aは、
図12の(J)に示されるように、指やスタイラス等で描いたサイン線124を表示する。続いて、OKボタン122がユーザにより選択されると、入力受付部68は、入力されたサイン線124を署名情報として受け付けると共に、先に保存した絵117をユーザ入力画像106として受け付けて、互いに対応付けた状態でサーバ装置10に送信する。そして、処理は、ステップSP34の処理に移行する。
【0113】
(ステップSP34)
サーバ装置10の投稿受付部58は、ステップSP32の処理においてユーザ端末12の入力受付部68から送信されたユーザ入力画像106及び署名情報を、受信して受け付ける。そして、処理は、ステップSP36の処理に移行する。
【0114】
(ステップSP36)
投稿受付部58は、ステップSP34の処理において受け付けたユーザ入力画像106を、サーバ装置10内の所定の格納先に格納する。この際、投稿受付部58は、ユーザ入力画像106の格納先である「ユーザ入力画像のファイルパス」を「署名情報」と共に「アートID」に対応付けて、ユーザ入力画像テーブル50Cに格納する。また、投稿受付部58は、ユーザ入力画像106を受け付けた時刻、場所、及び位置を、「ユーザ入力画像のファイルパス」と対応付けてユーザ入力画像テーブル50Cに格納する。そして、処理は、ステップSP38の処理に移行する。
【0115】
(ステップSP38)
サーバ装置10の表示制御部56は、ユーザ端末12のディスプレイ32Aに、ユーザ入力画像106の投稿が完了したことを示す投稿完了画面を表示させる。そして、処理は、ステップSP39の処理に移行する。
【0116】
(ステップSP39)
ユーザ端末12のディスプレイ32Aは、ステップSP38の処理における表示制御部56による制御によって、投稿完了画面を表示する。例えば、ディスプレイ32Aは、
図12の(K)に示すように、ステップSP34の処理において投稿を受け付けたユーザ入力画像106をズームアウトした投稿アイコン画像126を他のユーザ入力画像106と共に表示する。続いて、ディスプレイ32Aは、発射した彗星の軌跡を示すアニメーション128を表示する。なお、当該アニメーションは、例えば予めサーバ装置10に設定されている。これにより、あたかもユーザ入力画像106が、ユーザ端末12のカメラ34により撮像された映像上の上空に打ち上げられ、彗星として発射されたかのような演出を行うことができる。
【0117】
以上により、
図9に示す一連の処理が終了する。なお、例えばユーザによりコンテンツ共有アプリを終了するボタン等の選択をユーザ端末12から受け付けたタイミング等、所定のタイミングで
図9に示す一連の処理の途中で終了してもよい。
【0118】
次に、
図13のフローチャートを参照して、情報処理システム1において、始点時刻から終点時刻までの間に投稿された複数のユーザ入力画像を出力する処理の流れについて説明する。
【0119】
図13は、情報処理システム1において、始点時刻から終点時刻までの間に投稿された複数のユーザ入力画像106を出力する処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下のステップは、ユーザがユーザ端末12に対して所定の操作を実行してコンテンツ共有アプリを起動させることにより開始する。なお、以下のステップの順番は、適宜、変更することができる。
【0120】
(ステップSP40)
ユーザ端末12の位置特定部62は、ユーザ端末12の現在位置、向き、傾きを含む位置情報を特定する。そして、処理は、ステップSP42の処理に移行する。
【0121】
(ステップSP42)
サーバ装置10の軌道取得部52は、例えばステップSP40で位置情報が特定されたことに応じて又は所定のタイミングで、彗星の現在位置を示す情報を軌道情報として取得し、ユーザ端末12の判定部64に送信する。この際、軌道取得部52は、取得する彗星の現在位置が始点として設定されている場合には、その旨を示すフラグ情報を取得し、軌道情報と共にユーザ端末12の判定部64に送信する。そして、処理は、ステップSP44の処理に移行する。
【0122】
(ステップSP44)
ユーザ端末12の判定部64は、ステップSP40の処理で特定された位置情報に基づき、ステップSP42で送信された軌道情報が示す彗星の現在位置が、カメラ34による撮像範囲内に含まれるか否かを判定する。当該判定が否定判定されると、処理は、ステップSP40の処理に移行する。すなわち、彗星の現在位置が撮像範囲内に含まれるまで、ステップSP40~ステップSP44の処理を繰り返す。これに対し、当該判定が肯定判定されると、判定部64は、判定結果をサーバ装置10の画像取得部54に送信する。また、この際、判定部64は、ステップSP42の処理で送信された彗星の現在位置が始点として設定されている場合には、始点が撮像範囲内に含まれたことを記憶しておく。そして、処理は、ステップSP46の処理に移行する。
【0123】
ステップSP46~ステップSP50の処理は、
図9のステップSP18~SP22の処理と同様であるため説明を省略する。また、ステップSP50の処理に続いて、
図9のステップSP24~ステップSP39の処理と同様の処理が行われ、ユーザ入力画像106の投稿が受け付けられる。このようにしてユーザ入力画像106を受け付けるまでの一連の処理を、移動していく彗星の現在位置に対応する場所にいる異なる複数のユーザ端末12から実行することができる。例えば、日本の新宿で19:00のタイミングに、ユーザ端末12においてアートワーク104が表示され、ユーザ入力画像106の投稿が受け付けられたとする。その後、日本の新宿とは別の場所で19:00よりも数時間経過した後のタイミング(例えばフランスのパリで1:00)に、他ユーザのユーザ端末12において、既に投稿が受け付けられたユーザ入力画像106と共にアートワーク104が表示され、更なるユーザ入力画像106の投稿が受け付けられる。
【0124】
ユーザ端末12のユーザは、ユーザ入力画像106を投稿した後、一度コンテンツ共有アプリを終了する。そして、ユーザは、例えばユーザ入力画像106を投稿してから所定時間(例えば24時間)が経過した後、再度ユーザ端末12に対して所定の操作を実行してコンテンツ共有アプリを起動させる。これにより、ステップSP60の処理が開始する。
【0125】
(ステップSP60)
ユーザ端末12の位置特定部62は、ユーザ端末12の現在位置、向き、傾きを含む位置情報を特定する。そして、処理は、ステップSP62の処理に移行する。
【0126】
(ステップSP62)
サーバ装置10の軌道取得部52は、例えばステップSP60の処理で位置情報が特定されたことに応じて又は所定のタイミングで、彗星の現在位置を示す情報を軌道情報として取得し、ユーザ端末12の判定部64に送信する。この際、軌道取得部52は、取得する彗星の現在位置が終点として設定されている場合には、その旨を示すフラグ情報を取得し、軌道情報と共にユーザ端末12の判定部64に送信する。そして、処理は、ステップSP64の処理に移行する。
【0127】
(ステップSP64)
ユーザ端末12の判定部64は、ステップSP60で特定された位置情報に基づき、ステップSP62で送信された軌道情報が示す彗星の現在位置が、カメラ34による撮像範囲内に含まれるか否かを判定する。当該判定が否定判定されると、処理は、ステップSP60の処理に移行する。すなわち、彗星の現在位置が撮像範囲内に含まれるまで、ステップSP60~ステップSP64の処理を繰り返す。これに対し、当該判定が肯定判定されると、判定部64は、判定結果をサーバ装置10の画像取得部54に送信する。また、この際、判定部64は、ステップSP62の処理で取得された彗星の現在位置が終点として設定されている場合には、終点が撮像範囲内に含まれたことを記憶する。判定部64は、ステップSP44、SP64の処理で記憶された情報に基づき、カメラ34による撮像範囲内に始点が含まれた後、カメラ34による撮像範囲内に終点が含まれたか否かを判定してもよい。そして、処理は、ステップSP66の処理に移行する。
【0128】
(ステップSP66)
サーバ装置10の画像取得部54は、現在時刻が始点時刻から終点時刻まで経過したか否かを判定する。当該判定が否定判定されると、ステップSP46の処理に移行し、ユーザ入力画像106の投稿を受け付ける処理を実行する。当該判定が肯定判定されると、ステップSP68の処理に移行する。
【0129】
(ステップSP68)
画像取得部54は、ユーザ入力画像テーブル50Cを参照し、始点時刻から終点時刻までの間に含まれる「ユーザ入力画像のファイルパス」を複数又は全て抽出する。続いて、画像取得部54は、抽出した各「ユーザ入力画像のファイルパス」が示す格納先に記憶されたユーザ入力画像106を取得する。そして、処理は、ステップSP70の処理に移行する。
【0130】
(ステップSP70)
サーバ装置10の出力部60は、ステップSP68の処理において取得した複数のユーザ入力画像106と共に、当該ユーザ入力画像106が対応付けられたアートワーク104を出力する。出力部60は、例えばコンテンツを共有する際のイベント会場の天井等にプロジェクションマッピング等として投影させること等によって複数のユーザ入力画像106を出力する。なお、出力部60は、ステップSP64の処理において、カメラ34による撮像範囲内に始点が含まれた後、カメラ34による撮像範囲内に終点が含まれたと判定されたことに応じて、複数のユーザ入力画像106を出力してもよい。以上により、
図13に示す一連の処理を終了する。
【0131】
<作用効果>
以上、本実施形態に係るサーバ装置10は、時間の経過に伴い地球の上空を移動する彗星の現在位置を示す情報を取得し、彗星の現在位置が、ユーザ端末12により撮像される撮像範囲内に含まれる場合に、アートワーク104をユーザ端末12に表示させ、表示されたアートワーク104に対するコメンタリーとしてユーザ入力画像106の投稿をユーザ端末12から受け付ける。
【0132】
この構成によれば、例えばユーザの現在位置に彗星が移動してくるタイミングでユーザがユーザ端末12のカメラ34を上空にかざし、そのカメラ34による撮像範囲内に彗星の現在位置が含まれると、アートワーク104が表示されると共に当該アートワーク104に対するユーザ入力画像106を投稿することができる。よって、あたかもアートワーク104が世界中を旅してユーザの元に一期一会のタイミングで訪ねてきたかのような演出効果や、コンテンツをユーザ間で共有する仮想的なイベント会場が世界中を移動していくかのような演出効果を付与することができる。すなわち、「アートが時空を超える」という体験や、「アートがあなたを訪ねてくる」という新しい表現の楽しみ方をユーザに提供することができる。以上より、コンテンツを通じた特別な体験をユーザに提供することができる。
【0133】
また、本実施形態に係る情報処理システム1は、サーバ装置10と、サーバ装置10と通信可能なユーザ端末12と、を含む情報処理システム1であって、サーバ装置10が、三次元空間における位置と時刻との対応関係を示す軌道100を設定する軌道設定部として機能する記憶部50、少なくともユーザ端末12の位置に基づき、ユーザ端末12により撮像される撮像範囲内に軌道100の一部(彗星の現在位置)が含まれるとユーザ端末12により判定された場合に、軌道100に対応するアートワーク104をユーザ端末12に表示させる表示制御部56と、表示制御部56により表示されたアートワーク104に対するユーザ入力画像106の投稿をユーザ端末12から受け付ける投稿受付部58と、を備え、ユーザ端末12が、ユーザ端末12の位置を特定する位置特定部62と、位置特定部62により特定された位置に基づき、ユーザ端末12により撮像される撮像範囲内に軌道の一部が含まれるか否かを判定する判定部64と、ユーザ入力画像106の入力を受け付ける入力受付部68と、を備える。
【0134】
また、本実施形態に係る情報処理方法は、三次元空間における位置と時刻との対応関係を示す軌道100を設定する軌道設定ステップ(ステップSP10)と、少なくともユーザ端末12の位置に基づき、ユーザ端末12により撮像される撮像範囲内に軌道100の一部が含まれる場合に、軌道100に対応するアートワーク104をユーザ端末12に表示させる表示制御ステップ(ステップSP28)と、表示制御ステップにおいて表示されたアートワーク104に対するユーザ入力画像106の投稿をユーザ端末12から受け付ける投稿受付ステップ(ステップSP34)と、を含む。
【0135】
以上の情報処理システム1、サーバ装置10、及び情報処理方法によれば、アートワーク104の閲覧機会及びユーザ入力画像106の投稿機会が所定位置及び所定時刻で制限される。よって、上記同様の演出効果を付与することができ、コンテンツを通じた特別な体験をユーザに提供することができる。
【0136】
また、本実施形態において、表示制御部56は、撮像範囲内に軌道100の一部(彗星の現在位置)が含まれる場合に、ユーザ端末12により撮像された映像に軌道100に対応する彗星画像102を重畳させてユーザ端末12に表示させると共に、彗星画像102に対するズームイン操作をユーザ端末12から受け付けた場合に、アートワーク104を表示させる。
【0137】
この構成によれば、ユーザ端末12により撮像された映像に重畳させて彗星画像102が表示されるので、ユーザ端末12を介してまるで望遠鏡で上空を実際に移動する彗星を見るかのような見え方をユーザに提供することができる。また、彗星画像102に対するユーザのズームイン操作に応じてアートワーク104が表示されるので、まるでアートワーク104が彗星に乗ってユーザの元に訪ねてきたかのような体験をユーザに提供することができる。また、ユーザ端末12の現在位置から見た彗星の見え方として適切な彗星画像102が表示されるので、ユーザがどの位置にいるかによって彗星画像102の見え方が異なるという演出をすることができる。
【0138】
また、本実施形態において、投稿受付部58は、ユーザ入力画像106の投稿をユーザ端末12から受け付ける際、ユーザ端末12のユーザの署名情報の入力をユーザ入力画像106に対応付けて受け付ける。
【0139】
この構成によれば、ユーザ入力画像106の投稿に紐付けて署名情報の入力を受け付けることにより、ユーザ入力画像106の著作者を署名情報によって証明することができる。すなわち、「アートに対してコメンタリーを打って、それをあなたのものだと証明できる」という効果をもたらすことができる。
【0140】
また、本実施形態において、表示制御部56は、アートワーク104を表示させる際、表示させるアートワーク104に対して投稿が受け付けられたユーザ入力画像106をアートワーク104と共に表示させる。
【0141】
この構成によれば、アートワーク104と共にユーザ入力画像106が表示されるので、自分のユーザ入力画像106を他ユーザに見てもらうことや、他ユーザのユーザ入力画像106がどのようなものかを見ることができる。例えば、他ユーザのユーザ入力画像106を見て、どのような投稿を行うかを決めることもできる。
【0142】
また、本実施形態において、軌道設定部としての記憶部50は、軌道100における始点及び終点を設定し、始点から終点までの間に投稿が受け付けられたユーザ入力画像106を、ユーザ入力画像106に対応付けられたアートワーク104と共に出力する出力部60を更に備える。
【0143】
この構成によれば、軌道100における始点から終点までの様々な位置及び時刻で、ユーザ入力画像106の投稿を受け付けるので、アートワーク104に対するユーザ入力画像106の投稿数を、始点から終点までに次第に増やして集めることができる。そして、集めた結果を出力することにより、コンテンツをユーザ間で共有する際のイベントにおいて、始点から出発して軌道100に沿ってアートワーク104が移動し、より多くのユーザ入力画像106を引き連れて終点に戻ってくるような特別な体験をユーザに提供することができる。
【0144】
<変形例>
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記の実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0145】
例えば、コンテンツの種類は、静止画像に限らず、動画像、映像(音声を伴う動画像)、テキスト文字、絵文字、イラスト、又はこれらの組み合わせであってもよい。仮想の移動体は、彗星に限られず、[1]飛行機、ドローン、ロケット、隕石、惑星、鳥などの実在する飛行体や、[2]ドラゴン、飛空艇、未確認飛行物体などの架空の飛行体であってもよい。
【0146】
判定部64の機能は、ユーザ端末12の代わりに、サーバ装置10に設けられてもよい。この場合、ユーザ端末12は、自身が取得した位置・姿勢情報を、定期的に又は不定期にサーバ装置10に供給すればよい。軌道100は、1本に限られず、複数本が同時に設定されてもよい。
【0147】
表示制御部56は、ユーザ端末12の撮像範囲内に彗星の現在位置が含まれる場合に、彗星画像102を表示させずに最初からアートワーク104を表示させてもよく、彗星画像102と共にアートワーク104を表示させてもよい。
【0148】
アートワーク104は、ブロックチェーン技術等によって著作権管理されたものであってもよい。例えば、記憶部50は、アートワーク104と対応付けられた作品証明情報を記憶してもよい。作品証明情報とは、例えば、原著作者情報、販売証明情報、真贋鑑定情報、真正性管理情報、二次的著作者情報等を含む。作品証明情報は、NFT(Non-Fungible Token)を含むデジタルトークンであってもよい。画像取得部54は、アートワーク104を取得する際に、記憶部50に記憶された情報の中からアートワーク104に対応する作品証明情報を取得してもよく、表示制御部56は、アートワーク104を表示させる際に、当該作品証明情報をユーザ端末12に表示させてもよい。
【0149】
また、上記実施形態では、コンテンツをユーザ間で共有するイベントとして特別な体験をユーザに提供する例について説明したが、これに限らない。例えば、本発明は、イベントに限らず日常的・一般的なサービス等においても適用することができ、このようなサービスの中でコンテンツを通じた特別な体験をユーザに提供することができる。
【0150】
本発明は、コンピュータを、上述した記憶部50、表示制御部56、投稿受付部58等の各機能構成として機能させるためのプログラム14であってもよい。当該プログラム14は、サーバ装置10やユーザ端末12等の内部に配置された記憶手段に記憶されてもよく、ネットワークでサーバ装置10やユーザ端末12等に接続された外部の記憶手段に記憶されてもよい。また、当該プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよく、インターネット等のネットワーク経由でインストールする形式で提供してもよい。ここで、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)等の記憶装置や、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD(Compact Disc)-ROM、フラッシュメモリ等の可搬媒体として構成される。
【0151】
[符号の説明]
1:情報処理システム、10:サーバ装置(情報処理装置)、12:ユーザ端末、50:記憶部(軌道設定部)、56:表示制御部、58:投稿受付部、60:出力部、62:位置特定部、64:判定部、68:入力受付部