(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】表示パネルの製造方法
(51)【国際特許分類】
H10K 71/20 20230101AFI20240605BHJP
H10K 59/35 20230101ALI20240605BHJP
H10K 50/84 20230101ALI20240605BHJP
【FI】
H10K71/20
H10K59/35
H10K50/84
(21)【出願番号】P 2024003838
(22)【出願日】2024-01-15
(62)【分割の表示】P 2022563251の分割
【原出願日】2021-11-05
【審査請求日】2024-01-16
(31)【優先権主張番号】P 2020191144
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020196998
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020202373
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
(72)【発明者】
【氏名】江口 晋吾
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 哲史
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 健一
【審査官】藤岡 善行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/004086(WO,A1)
【文献】特開2012-216501(JP,A)
【文献】特開2003-332051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極および第2の電極を形成する第1のステップと、
前記第1の電極上および前記第2の電極上に第1の発光層を形成する第2のステップと、
フォトエッチング法を用いて、前記第2の電極上の前記第1の発光層を取り除く第3のステップと、
前記第1の発光層上および前記第2の電極上に第2の発光層を形成する第4のステップと、
フォトエッチング法を用いて、前記第1の発光層上の前記第2の発光層を取り除く第5のステップと、
前記第1の発光層の側面および前記第2の発光層の側面に接する絶縁膜を成膜する第6のステップと、
を有する、表示パネルの製造方法。
【請求項2】
第1の電極および第2の電極を形成する第1のステップと、
前記第1の電極上および前記第2の電極上に第1の層を形成する第2のステップと、
前記第1の層上に第1の発光層を形成する第3のステップと、
フォトエッチング法を用いて、前記第2の電極上の前記第1の層および前記第1の発光層を取り除く第4のステップと、
前記第1の発光層上および前記第2の電極上に第2の層を形成する第5のステップと、
前記第2の層上に第2の発光層を形成する第6のステップと、
フォトエッチング法を用いて、前記第1の発光層上の前記第2の層および前記第2の発光層を取り除く第7のステップと、
前記第1の発光層の側面、前記第1の層の側面、前記第2の発光層の側面および前記第2の層の側面に接する絶縁膜を成膜する第8のステップと、
を有する、表示パネルの製造方法。
【請求項3】
第1の電極および第2の電極を形成する第1のステップと、
前記第1の電極および前記第2の電極の間に隔壁を形成する第2のステップと、
前記第1の電極上
および前記第2の電極上に第1の発光層を形成する第3のステップと、
フォトエッチング法を用いて、前記第2の電極上の前記第1の発光層を取り除く第4のステップと、
前記第1の発光層上および前記第2の電極上に第2の層を形成する第5のステップと、
前記第2の層上に第2の発光層を形成する第6のステップと、
フォトエッチング法を用いて、前記第1の発光層上の前記第2の層および前記第2の発光層を取り除く第7のステップと、
前記第1の発光層の側面および前記第2の発光層の側面に接する絶縁膜を成膜する第8のステップと、
を有する、表示パネルの製造方法。
【請求項4】
第1の電極および第2の電極を形成する第1のステップと、
前記第1の電極および前記第2の電極の間に隔壁を形成する第2のステップと、
前記第1の電極上および前記第2の電極上に第1の層を形成する第3のステップと、
前記第1の層上に第1の発光層を形成する第4のステップと、
フォトエッチング法を用いて、前記第2の電極上の前記第1の層および前記第1の発光層を取り除く第5のステップと、
前記第1の発光層上および前記第2の電極上に第2の層を形成する第6のステップと、
前記第2の層上に第2の発光層を形成する第7のステップと、
フォトエッチング法を用いて、前記第1の発光層上の前記第2の層および前記第2の発光層を取り除く第8のステップと、
前記第1の発光層の側面、前記第1の層の側面、前記第2の発光層の側面および前記第2の層の側面に接する絶縁膜を成膜する第9のステップと、
を有する、表示パネルの製造方法。
【請求項5】
第1の電極および第2の電極を形成する第1のステップと、
前記第1の電極および前記第2の電極の間に隔壁を形成する第2のステップと、
前記第1の電極および前記第2の電極上に第1の層を形成する第3のステップと、
前記第1の層上に第1の発光層を形成する第4のステップと、
前記第1の発光層上に、第3の電極を形成する第5のステップと、
フォトエッチング法を用いて、前記第2の電極上の前記第1の層、前記第1の発光層および前記第3の電極を取り除いて、第1の発光デバイスを形成する第6のステップと、
前記第3の電極および前記第2の電極上に第2の層を形成する第7のステップと、
前記第2の層上に第2の発光層を形成する第8のステップと、
前記第2の発光層上に、第4の電極を形成する第9のステップと、
フォトエッチング法を用いて、前記第3の電極上の前記第2の層、前記第2の発光層および前記第4の電極を取り除いて、前記第1の発光デバイスから分離して、第2の発光デバイスを形成する第10のステップと、
前記第1の発光層の側面、前記第1の層の側面、前記第2の発光層の側面および前記第2の層の側面に接する絶縁膜を成膜する第11のステップと、
を有する表示パネルの製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項において、
前記絶縁膜は第1の絶縁膜と前記第1の絶縁膜上の第2の絶縁膜とを有し、
前記第1の絶縁膜は、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムの少なくともいずれか一を有し、
前記第2の絶縁膜は、窒化シリコンを有する、表示パネルの製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項において、
前記絶縁膜は、スパッタリング法、化学気相成長法、分子線エピタキシー法および原子層堆積法の少なくともいずれか一を用いて成膜された膜である、表示パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示パネル、表示パネルの製造方法、情報処理装置または半導体装置に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
【背景技術】
【0003】
ファインメタルマスクを使用することなく、発光層を形成可能とする有機ELディスプレイの製造方法が知られている。その一例としては、絶縁基板の上方に形成された第1及び第2画素電極を含んだ電極アレイの上方にホスト材料とドーパント材料との混合物を含んだ第1ルミネッセンス性有機材料を堆積させて、電極アレイを含む表示領域に亘って広がった連続膜として第1の発光層を形成する工程と、第1の発光層のうち第1画素電極の上方に位置した部分に紫外光を照射することなしに、第1の発光層のうち第2画素電極の上方に位置した部分に紫外光を照射する工程と、第1の発光層上にホスト材料とドーパント材料との混合物を含み且つ第1ルミネッセンス性有機材料とは異なる第2ルミネッセンス性有機材料を堆積させて、第2の発光層を表示領域に亘って広がった連続膜として形成する工程と、第2の発光層の上方に対向電極を形成する工程とを含む、有機ELディスプレイの製造方法がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一態様は、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することを課題の一とする。または、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルの製造方法を提供することを課題の一とする。または、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な情報処理装置を提供することを課題の一とする。または、新規な表示パネル、新規な表示パネルの製造方法、新規な情報処理装置または新規な半導体装置を提供することを課題の一とする。
【0006】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様は、第1の発光デバイスと、第2の発光デバイスと、隔壁と、を有する表示パネルである。
【0008】
第1の発光デバイスは、第1の電極、第2の電極および第1の層を備え、第1の層は、第2の電極および第1の電極の間に挟まれる領域を備える。
【0009】
第1の層は、第1の正孔輸送性を有する材料および第1のアクセプタ性を有する物質を含み、第1の層は、1×102[Ω・cm]以上1×108[Ω・cm]以下の電気抵抗率を備える。
【0010】
第2の発光デバイスは、第3の電極、第4の電極および第2の層を備え、第2の層は、第4の電極および第3の電極の間に挟まれる領域を備える。
【0011】
第2の層は、第1の正孔輸送性を有する材料および第1のアクセプタ性を有する物質を含み、第2の層は、第1の層との間に第1の間隙を備える。
【0012】
第1の間隙は隔壁と重なる領域を備え、第1の間隙は第1の層および第2の層の間の電気的な導通を妨げる。
【0013】
(2)また、本発明の一態様は、第1の発光デバイスと、第2の発光デバイスと、隔壁と、を有する表示パネルである。
【0014】
第1の発光デバイスは、第1の電極、第2の電極、第1のユニットおよび第1の層を備え、第2の電極は第1の電極と重なり、第1のユニットは、第2の電極および第1の電極の間に挟まれる領域を備える。また、第1の層は、第1のユニットおよび第1の電極の間に挟まれる領域を備える。
【0015】
第1の層は、第1の正孔輸送性を有する材料および第1のアクセプタ性を有する物質を含み、第1の層は1×102[Ω・cm]以上1×108[Ω・cm]以下の電気抵抗率を備える。
【0016】
第2の発光デバイスは、第3の電極、第4の電極、第2のユニットおよび第2の層を備え、第4の電極は第3の電極と重なり、第2のユニットは、第4の電極および第3の電極の間に挟まれる領域を備える。また、第2の層は、第2のユニットおよび第1の電極の間に挟まれる領域を備える。
【0017】
第2の層は、第1の正孔輸送性を有する材料および第1のアクセプタ性を有する物質を含み、第2の層は第1の層との間に第1の間隙を備える。
【0018】
隔壁は、第1の開口部および第2の開口部を備え、第1の開口部は第1の電極と重なり、第2の開口部は第3の電極と重なる。また、隔壁は、第1の開口部および第2の開口部の間において、第1の間隙と重なる。
【0019】
これにより、第1の層および第2の層の間の電気的な導通が妨げられる。また、第1の層および第2の層を介して、第1の電極および第4の電極の間に電流が流れる現象を抑制することができる。また、第1の層および第2の層を介して、第3の電極および第2の電極の間に電流が流れる現象を抑制することができる。また、第1の発光デバイスおよび第2の発光デバイスの間に生じるクロストーク現象を抑制することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0020】
(3)また、本発明の一態様は、第1の発光デバイスが、第3のユニットおよび第1の中間層を備える上記の表示パネルである。
【0021】
第3のユニットは、第2の電極および第1のユニットの間に挟まれる領域を備え、第1の中間層は、第3のユニットおよび第1のユニットの間に挟まれる領域を備える。
【0022】
第1の中間層は、第2の正孔輸送性を有する材料および第2のアクセプタ性を有する物質を含み、第1の中間層は、1×102[Ω・cm]以上1×108[Ω・cm]以下の電気抵抗率を備える。
【0023】
第2の発光デバイスは、第4のユニットおよび第2の中間層を備え、第4のユニットは第4の電極および第2のユニットの間に挟まれる領域を備える。また、第2の中間層は、第4のユニットおよび第2のユニットの間に挟まれる領域を備える。
【0024】
第2の中間層は、第2の正孔輸送性を有する材料および第2のアクセプタ性を有する物質を含み、第2の中間層は、第1の中間層との間に第2の間隙を備える。
【0025】
隔壁は、第1の開口部および第2の開口部の間において、第2の間隙と重なる。
【0026】
これにより、第1の層および第2の層または第3の中間層および第4の中間層を介して、第1の電極および第4の電極の間に電流が流れる現象を抑制することができる。また、第1の層および第2の層を介して、第3の電極および第2の電極の間に電流が流れる現象を抑制することができる。また、第1の発光デバイスおよび第2の発光デバイスの間に生じるクロストーク現象を抑制することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0027】
(4)また、本発明の一態様は、第1の正孔輸送性を有する材料が、芳香族アミン化合物またはπ電子過剰型複素芳香環を備える有機化合物であり、第1のアクセプタ性を有する物質が、フッ素もしくはシアノ基を含む有機化合物または遷移金属酸化物である、上記の表示パネルである。
【0028】
これにより、陽極側から陰極側に向けて正孔を供給することができる。なお、第2の発光デバイスの第2の層は、第1の発光デバイスの第1の層から分離されているため、クロストーク現象を抑制することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0029】
(5)また、本発明の一態様は、第1の絶縁膜を有する上記の表示パネルである。第1の絶縁膜は第1の電極との間に第2の電極を挟み、第1の絶縁膜は第3の電極との間に第4の電極を挟む。
【0030】
これにより、第1の発光デバイスの周囲に存在する不純物の第1の発光デバイス内への拡散を抑制することができる。また、第2の発光デバイスの周囲に存在する不純物の第2の発光デバイス内への拡散を抑制することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0031】
(6)また、本発明の一態様は、第1の層が第1の側壁を備え、第2の層が第2の側壁を備える上記の表示パネルである。第2の側壁は第1の側壁と対向し、第2の側壁は第1の側壁との間に、第1の間隙を挟む。また、第1の絶縁膜は、第1の側壁および第2の側壁と接する。
【0032】
(7)また、本発明の一態様は、第1の絶縁膜が隔壁と接する、上記の表示パネルである。
【0033】
(8)また、本発明の一態様は、第1の絶縁膜が、第2の絶縁膜および第3の絶縁膜を備える、上記の表示パネルである。
【0034】
第2の絶縁膜は、第3の絶縁膜および第2の電極の間に挟まれ、第2の絶縁膜は、第3の絶縁膜および第4の電極の間に挟まれる。また、第2の絶縁膜は酸素とアルミニウムを含み、第3の絶縁膜は窒素とシリコンを含む。
【0035】
(9)また、本発明の一態様は、隔壁が第2の絶縁膜と接し、隔壁が窒素とシリコンを含む、上記の表示パネルである。
【0036】
(10)また、本発明の一態様は、絶縁層を有し、絶縁層は第1の間隙を満たし、絶縁層は、第1のユニットおよび第2のユニットの間を満たす、上記の表示パネルである。
【0037】
これにより、第1の発光デバイスおよび第2の発光デバイスに不純物が拡散する現象を抑制することができる。また、第1の発光デバイスおよび第2の発光デバイスの信頼性を向上することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0038】
(11)また、本発明の一態様は、第1の着色層と、第2の着色層と、を有する上記の表示パネルである。第1の着色層は第1の発光デバイスと重なり、第2の着色層は第2の発光デバイスと重なる。
【0039】
第2の着色層は第1の着色層との間に第3の間隙を備え、第2の着色層は第1の着色層の側に第1の側壁を備える。
【0040】
第4のユニットは、第1の側壁と連続する第2の側壁を備え、第2のユニットは、第2の側壁と連続する第3の側壁を備える。
【0041】
これにより、第2の発光デバイスが射出する光を効率よく第2の着色層に導くことができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0042】
(12)また、本発明の一態様は、機能層と、第1の画素と、第2の画素と、を有する、上記の表示パネルである。
【0043】
第1の画素は、第1の発光デバイスおよび画素回路を備える。また、第2の画素は、第2の発光デバイスを備える。
【0044】
機能層は、画素回路および透光性を有する領域を備え、画素回路は、第1の発光デバイスと電気的に接続され、透光性を有する領域は、第1の発光デバイスから射出される光を透過する。
【0045】
(13)また、本発明の一態様は、キーボード、ハードウェアボタン、ポインティングデバイス、タッチセンサ、照度センサ、撮像装置、音声入力装置、視線入力装置、姿勢検出装置、のうち一以上と、上記の表示パネルと、を含む、情報処理装置である。
【0046】
これにより、さまざまな入力装置を用いて供給する情報に基づいて、画像情報または制御情報を演算装置に生成させることができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な情報処理装置を提供することができる。
【0047】
(14)また、本発明の一態様は、第1のステップ乃至第10のステップを有する、表示パネルの製造方法である。
【0048】
第1のステップにおいて、第1の電極および第2の電極を形成する。
【0049】
第2のステップにおいて、第1の電極および第2の電極の間に隔壁を形成する。
【0050】
第3のステップにおいて、第1の電極および第2の電極上に第1の層を形成する。
【0051】
第4のステップにおいて、第1の層上に第1のユニットを形成する。
【0052】
第5のステップにおいて、第1のユニット上に、第3の電極を形成する。
【0053】
第6のステップにおいて、フォトエッチング法を用いて、第2の電極上の第1の層、第1のユニットおよび第3の電極を取り除いて、第1の発光デバイスを形成する。
【0054】
第7のステップにおいて、第3の電極および第2の電極上に第2の層を形成する。
【0055】
第8のステップにおいて、第2の層上に第2のユニットを形成する。
【0056】
第9のステップにおいて、第2のユニット上に、第4の電極を形成する。
【0057】
第10のステップにおいて、フォトエッチング法を用いて、第3の電極上の第2の層、第2のユニットおよび第4の電極を取り除いて、第1の発光デバイスから分離して、第2の発光デバイスを形成する。
【0058】
(15)また、本発明の一態様は、第1のステップ乃至第8のステップを有する、表示パネルの製造方法である。
【0059】
第1のステップにおいて、第1の電極および第2の電極を形成する。
【0060】
第2のステップにおいて、第1の電極および第2の電極の間に隔壁を形成する。
【0061】
第3のステップにおいて、第1の電極および第2の電極上に層を形成する。
【0062】
第4のステップにおいて、層上に第1のユニットを形成する。
【0063】
第5のステップにおいて、第1のユニット上に、中間層を形成する。
【0064】
第6のステップにおいて、中間層上に、第2のユニットを形成する。
【0065】
第7のステップにおいて、第2のユニット上に、導電膜を形成する。
【0066】
第8のステップにおいて、フォトエッチング法を用いて隔壁上の、層、第1のユニット、中間層、第2のユニットおよび導電膜を取り除いて、第1の発光デバイスおよび第2の発光デバイスを形成する。
【0067】
これにより、メタルマスクを用いることなく、複数の発光デバイスを備える表示パネルを作製できる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルの製造方法を提供することができる。
【0068】
本明細書に添付した図面では、構成要素を機能ごとに分類し、互いに独立したブロックとしてブロック図を示しているが、実際の構成要素は機能ごとに完全に切り分けることが難しく、一つの構成要素が複数の機能に係わることもあり得る。
【0069】
本明細書においてトランジスタが有するソースとドレインは、トランジスタの極性及び各端子に与えられる電位の高低によって、その呼び方が入れ替わる。一般的に、nチャネル型トランジスタでは、低い電位が与えられる端子がソースと呼ばれ、高い電位が与えられる端子がドレインと呼ばれる。また、pチャネル型トランジスタでは、低い電位が与えられる端子がドレインと呼ばれ、高い電位が与えられる端子がソースと呼ばれる。本明細書では、便宜上、ソースとドレインとが固定されているものと仮定して、トランジスタの接続関係を説明する場合があるが、実際には上記電位の関係に従ってソースとドレインの呼び方が入れ替わる。
【0070】
本明細書においてトランジスタのソースとは、活性層として機能する半導体膜の一部であるソース領域、或いは上記半導体膜に接続されたソース電極を意味する。同様に、トランジスタのドレインとは、上記半導体膜の一部であるドレイン領域、或いは上記半導体膜に接続されたドレイン電極を意味する。また、ゲートはゲート電極を意味する。
【0071】
本明細書においてトランジスタが直列に接続されている状態とは、例えば、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方のみが、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方のみに接続されている状態を意味する。また、トランジスタが並列に接続されている状態とは、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方が第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方に接続され、第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方が第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方に接続されている状態を意味する。
【0072】
本明細書において接続とは、電気的な接続を意味しており、電流、電圧または電位が、供給可能、或いは伝送可能な状態に相当する。従って、接続している状態とは、直接接続している状態を必ずしも指すわけではなく、電流、電圧または電位が、供給可能、或いは伝送可能であるように、配線、抵抗、ダイオード、トランジスタなどの回路素子を介して間接的に接続している状態も、その範疇に含む。
【0073】
本明細書において回路図上は独立している構成要素どうしが接続されている場合であっても、実際には、例えば配線の一部が電極として機能する場合など、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。本明細書において接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
【0074】
また、本明細書中において、トランジスタの第1の電極または第2の電極の一方がソース電極を、他方がドレイン電極を指す。
【発明の効果】
【0075】
本発明の一態様によれば、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。または、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルの製造方法を提供することができる。または、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な情報処理装置を提供することができる。または、新規な表示パネル、新規な表示パネルの製造方法、新規な情報処理装置または新規な半導体装置を提供することができる。
【0076】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【
図1】
図1A乃至
図1Cは、実施の形態に係る表示パネルの構成を説明する図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る表示パネルの画素を説明する回路図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る表示パネルの構成を説明する図である。
【
図8】
図8Aおよび
図8Bは、実施の形態に係る表示パネルの構成を説明する図である。
【
図12】
図12は、実施の形態に係る表示パネルの構成を説明する図である。
【
図13】
図13は、実施の形態に係る表示パネルの構成を説明する図である。
【
図14】
図14は、実施の形態に係る表示パネルの構成を説明する図である。
【
図15】
図15は、実施の形態に係る表示パネルの構成を説明する図である。
【
図16】
図16は、実施の形態に係る表示パネルの構成を説明する図である。
【
図29】
図29は、実施の形態に係る発光デバイスの構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
本発明の一態様の表示パネルは、第1の発光デバイスと、第2の発光デバイスと、隔壁と、を有する。第1の発光デバイスは、第1の電極、第2の電極および第1の層を備え、第1の層は、第2の電極および第1の電極の間に挟まれる領域を備える。また、第1の層は、第1の正孔輸送性を有する材料および第1のアクセプタ性を有する物質を含み、第1の層は、1×102[Ω・cm]以上1×108[Ω・cm]以下の電気抵抗率を備える。第2の発光デバイスは、第3の電極、第4の電極および第2の層を備え、第2の層は、第4の電極および第3の電極の間に挟まれる領域を備える。また、第2の層は、第1の正孔輸送性を有する材料および第1のアクセプタ性を有する物質を含み、第2の層は、第1の層との間に第1の間隙を備える。第1の間隙は隔壁と重なる領域を備え、第1の間隙は第1の層および第2の層の間の電気的な導通を妨げる。
【0079】
これにより、第1の層および第2の層の間の電気的な導通が妨げられる。また、第1の層および第2の層を介して、第1の電極および第4の電極の間に電流が流れる現象を抑制することができる。また、第1の層および第2の層を介して、第3の電極および第2の電極の間に電流が流れる現象を抑制することができる。また、第1の発光デバイスおよび第2の発光デバイスの間に生じるクロストーク現象を抑制することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0080】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0081】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルの構成について、
図1乃至
図16を参照しながら説明する。
【0082】
図1は本発明の一態様の表示パネルの構成を説明する図である。
図1Aは本発明の一態様の表示パネルを説明する上面図であり、
図1Bは表示パネルの一部を説明する上面図である。
図1Cは、本発明の一態様の表示パネルが射出する光の方向を説明する断面図である。
【0083】
図2は本発明の一態様の表示パネルの画素を説明する回路図である。
【0084】
図3は本発明の一態様の表示パネルの構成を説明する断面図である。
図3Aは
図1Aに示す切断線X1-X2、切断線X3-X4および一組の画素703(i,j)における断面を説明する図である。
図3Bは、本発明の一態様の表示パネルに用いることができるトランジスタを説明する断面図である。
図3Cは、本発明の一態様の表示パネルが射出する光の方向を説明する断面図であり、
図3Dは、
図3Cを用いて説明する本発明の一態様の表示パネルとは異なる、本発明の一態様の表示パネルが射出する光の方向を説明する断面図である。
【0085】
図4は本発明の一態様の表示パネルの構成を説明する図である。
図4Aは本発明の一態様の表示パネルの画素の断面図であり、
図4Bは
図4Aに示す画素の斜視図であり、
図4Cは
図4Aに示す画素の上面図である。
【0086】
図5は本発明の一態様の表示パネルの構成を説明する図である。
図5Aは本発明の一態様の表示パネルの画素の断面図であり、
図5Bは
図5Aに示す画素の斜視図であり、
図5Cは
図5Aに示す画素の上面図である。なお、
図5Aは絶縁膜を備える点が
図4Aに示す画素とは異なり、
図5Aおよび
図5Cは図の煩雑さを避けるために絶縁膜を省略した図である。
【0087】
図6は本発明の一態様の表示パネルの構成を説明する断面図である。
【0088】
図7は本発明の一態様の表示パネルの画素の断面図であり、
図7は
図6に示す画素の一部を説明する図である。
【0089】
図8は本発明の一態様の表示パネルの構成を説明する図である。
図8Aは本発明の一態様の表示パネルの画素の断面図であり、
図8Bは
図8Aに示す表示パネルの一部を説明する断面図である。
【0090】
図9は本発明の一態様の表示パネルの構成を説明する図である。
図9Aは本発明の一態様の表示パネルの画素の断面図であり、
図9Bは
図9Aに示す画素の斜視図であり、
図9Cは
図9Aに示す画素の上面図である。
【0091】
【0092】
図11は本発明の一態様の表示パネルの画素の断面図であり、
図10Aに示す画素の一部を説明する図である。
【0093】
図12は本発明の一態様の表示パネルの構成を説明する断面図である。
【0094】
図13は本発明の一態様の表示パネルの構成を説明する断面図である。
【0095】
図14は本発明の一態様の表示パネルの構成を説明する断面図である。
【0096】
図15は本発明の一態様の表示パネルの構成を説明する断面図である。
【0097】
図16は本発明の一態様の表示パネルの構成を説明する断面図である。
【0098】
本明細書等において、メタルマスク、またはFMM(ファインメタルマスク、高精細なメタルマスク)を用いるデバイスをMM(メタルマスク)構造と呼称する場合がある。また、本明細書等において、メタルマスク、またはFMMを用いないデバイスをMML(メタルマスクレス)構造と呼称する場合がある。
【0099】
なお、本明細書等において、各色の発光デバイス(ここでは青(B)、緑(G)、及び赤(R))で、発光層を作り分ける、または発光層を塗り分ける構造をSBS(Side By Side)構造と呼ぶ場合がある。また、本明細書等において、白色光を発することのできる発光デバイスを白色発光デバイスと呼ぶ場合がある。なお、白色発光デバイスは、着色層(たとえば、カラーフィルタ)と組み合わせることで、フルカラー表示の発光デバイスとすることができる。
【0100】
また、発光デバイスは、シングル構造と、タンデム構造とに大別することができる。シングル構造のデバイスは、一対の電極間に1つの発光ユニットを有し、当該発光ユニットは、1以上の発光層を含む構成とすることが好ましい。白色発光を得るには、2以上の発光層の各々の発光が補色の関係となるような発光層を選択すればよい。例えば、第1の発光層の発光色と第2の発光層の発光色を補色の関係になるようにすることで、発光デバイス全体として白色発光する構成を得ることができる。また、発光層を3つ以上有する発光デバイスの場合も同様である。
【0101】
タンデム構造のデバイスは、一対の電極間に2以上の複数の発光ユニットを有し、各発光ユニットは、1以上の発光層を含む構成とすることが好ましい。白色発光を得るには、複数の発光ユニットの発光層からの光を合わせて白色発光が得られる構成とすればよい。なお、白色発光が得られる構成については、シングル構造の構成と同様である。なお、タンデム構造のデバイスにおいて、複数の発光ユニットの間には、電荷発生層などの中間層を設けると好適である。
【0102】
また、上述の白色発光デバイス(シングル構造またはタンデム構造)と、SBS構造の発光デバイスと、を比較した場合、SBS構造の発光デバイスは、白色発光デバイスよりも消費電力を低くすることができる。消費電力を低く抑えたいデバイスの場合においては、SBS構造の発光デバイスを用いると好適である。一方で、白色発光デバイスは、製造プロセスがSBS構造の発光デバイスよりも簡単であるため、製造コストを低くすることができる、又は製造歩留まりを高くすることができるため、好適である。
【0103】
なお、本明細書において、1以上の整数を値にとる変数を符号に用いる場合がある。例えば、1以上の整数の値をとる変数pを含む(p)を、最大p個の構成要素のいずれかを特定する符号の一部に用いる場合がある。また、例えば、1以上の整数の値をとる変数mおよび変数nを含む(m,n)を、最大m×n個の構成要素のいずれかを特定する符号の一部に用いる場合がある。
【0104】
<表示パネル700の構成例1>
表示パネル700は、表示領域231を備え、表示領域231は一組の画素703(i,j)を有する(
図1A参照)。また、一組の画素703(i,j)に隣接する一組の画素703(i+1,j)を備える(
図1B参照)。
【0105】
《表示領域231の構成例1》
例えば、表示領域231は、1インチあたり500個以上の一組の画素を備える。また、1インチあたり1000個以上、好ましくは5000個以上、より好ましくは10000個以上の一群の一組の画素を備える。これにより、例えば、表示パネル700をゴーグル型の表示装置に用いる場合、スクリーン・ドア効果を軽減することができる。
【0106】
《表示領域231の構成例2》
例えば、表示領域231は、複数の画素を行列状に備える。例えば、表示領域231は、7600個以上の画素を行方向に備え、表示領域231は4300個以上の画素を列方向に備える。具体的には、7680個の画素を行方向に備え、4320個の画素を列方向に備える。
【0107】
これにより、精細な画像を表示することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0108】
《表示領域231の構成例3》
例えば、表示パネル700をテレビジョンシステムに用いる場合、表示領域231は、対角線の長さが32インチ以上、好ましくは55インチ以上、より好ましくは80インチ以上である。また、表示領域231は、対角線の長さが例えば200インチ以下であると、重量を軽くできるため好ましい。
【0109】
これにより、臨場感のある画像を表示することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0110】
《画素703(i,j)の構成例1》
複数の画素を画素703(i,j)に用いることができる(
図1B参照)。例えば、色相が互いに異なる色を表示する複数の画素を用いることができる。なお、複数の画素のそれぞれを副画素と言い換えることができる。または、複数の副画素を一組にして、画素と言い換えることができる。
【0111】
これにより、当該複数の画素が表示する色を加法混色または減法混色することができる。または、個々の画素では表示することができない色相の色を、表示することができる。
【0112】
具体的には、青色を表示する画素702B(i,j)、緑色を表示する画素702G(i,j)および赤色を表示する画素702R(i,j)を画素703(i,j)に用いることができる。また、画素702B(i,j)、画素702G(i,j)および画素702R(i,j)のそれぞれを副画素と言い換えることができる。
【0113】
また、例えば、白色等を表示する画素を上記の一組に加えて、画素703(i,j)に用いることができる。また、シアンを表示する画素、マゼンタを表示する画素およびイエローを表示する画素を、画素703(i,j)に用いることができる。
【0114】
また、例えば、赤外線を射出する画素を上記の一組に加えて、画素703(i,j)に用いることができる。具体的には、650nm以上1000nm以下の波長を備える光を射出する画素を、画素703(i,j)に用いることができる。
【0115】
<表示パネル700の構成例2>
本実施の形態で説明する表示パネル700は、駆動回路GDと、駆動回路SDと、を有する(
図1Aおよび
図3A参照)。また、端子519Bを備える。端子519Bは、例えば、フレキシブルプリント回路FPC1と電気的に接続できる。
【0116】
《駆動回路GDの構成例》
駆動回路GDは、第1の選択信号および第2の選択信号を供給する機能を備える。例えば、駆動回路GDは導電膜G1(i)と電気的に接続され、第1の選択信号を供給し、導電膜G2(i)と電気的に接続され、第2の選択信号を供給する。
【0117】
《駆動回路SDの構成例》
駆動回路SDは、画像信号および制御信号を供給する機能を備え、制御信号は第1のレベルおよび第2のレベルを含む。例えば、駆動回路SDは導電膜S1g(j)と電気的に接続され、画像信号を供給し、導電膜S2g(j)と電気的に接続され、制御信号を供給する。
【0118】
<表示パネル700の構成例3>
表示パネル700は、一組の画素703(i,j)と、機能層520と、を有する(
図3A参照)。
【0119】
一組の画素703(i,j)は、画素702B(i,j)、画素702G(i,j)および隔壁528を備える(
図1B参照)。
【0120】
画素702B(i,j)は、発光デバイス550B(i,j)および画素回路530B(i,j)を備える(
図3A参照)。
【0121】
なお、画素702G(i,j)は、発光デバイス550G(i,j)を備える。
【0122】
表示パネル700は基材510、基材770および機能層520を備える(
図3A参照)。機能層520は、基材770および基材510の間に挟まれる。また、表示パネル700は絶縁層705を備え、絶縁層705は基材770および機能層520を貼り合わせる機能を備える。
【0123】
機能層520は、画素回路530B(i,j)ならびに画素回路530G(i,j)および駆動回路GDを含む。画素回路530B(i,j)は、発光デバイス550B(i,j)と開口部591Bを介して電気的に接続し、画素回路530G(i,j)は、発光デバイス550G(i,j)と開口部591Gを介して電気的に接続する。
【0124】
なお、表示パネル700は、基材770を通して情報を表示する(
図3C参照)。換言すれば、発光デバイス550B(i,j)は光を機能層520が配置されていない方向に向けて射出する。また、発光デバイス550B(i,j)をトップエミッション型の発光素子ということができる。
【0125】
なお、マトリクス状にタッチセンサを備える基材を基材770に用いることができる。例えば、静電容量式のタッチセンサまたは光学式のタッチセンサを基材770に用いることができる。これにより、本発明の一態様の表示パネルをタッチパネルとして使用できる。
【0126】
<表示パネル700の構成例4>
表示パネル700は基材510、基材770および機能層520を備える(
図3D参照)。なお、
図3Dを用いて説明する表示パネル700は、基材510を通して表示をする点が、
図3Cを用いて説明する表示パネル700とは異なる。換言すれば、発光デバイス550B(i,j)は光を機能層520に向けて射出する。また、発光デバイス550B(i,j)をボトムエミッション型の発光素子ということができる。
【0127】
機能層520は、画素回路530B(i,j)および透光性を有する領域520Tを備える(
図3Aおよび
図3D参照)。画素回路530B(i,j)は、発光デバイス550B(i,j)と電気的に接続され、透光性を有する領域520Tは、発光デバイス550B(i,j)から射出される光を透過する。
【0128】
<表示パネル700の構成例5>
表示パネル700は導電膜G1(i)と、導電膜G2(i)と、導電膜S1g(j)と、導電膜S2g(j)と、導電膜ANOと、導電膜VCOM2を有する(
図2参照)。
【0129】
なお、例えば、導電膜G1(i)は第1の選択信号を供給され、導電膜G2(i)は第2の選択信号を供給され、導電膜S1g(j)は画像信号を供給され、導電膜S2g(j)は制御信号を供給される。
【0130】
《画素703(i,j)の構成例2》
一組の画素703(i,j)は画素702G(i,j)を備える(
図1B参照)。画素702G(i,j)は画素回路530G(i,j)および発光デバイス550G(i,j)を備える(
図2参照)。
【0131】
《画素回路530G(i,j)の構成例1》
画素回路530G(i,j)は第1の選択信号を供給され、画素回路530G(i,j)は、第1の選択信号に基づいて、画像信号を取得する。例えば、導電膜G1(i)を用いて、第1の選択信号を供給することができる(
図2参照)。または、導電膜S1g(j)を用いて画像信号を供給することができる。なお、第1の選択信号を供給し、画像信号を画素回路530G(i,j)に取得させる動作を「書き込み」ということができる。
【0132】
《画素回路530G(i,j)の構成例2》
画素回路530G(i,j)は、スイッチSW21、スイッチSW22、トランジスタM21、容量C21およびノードN21を備える(
図2参照)。また、画素回路530G(i,j)はノードN22、容量C22およびスイッチSW23を備える。
【0133】
トランジスタM21は、ノードN21と電気的に接続されるゲート電極と、発光デバイス550G(i,j)と電気的に接続される第1の電極と、導電膜ANOと電気的に接続される第2の電極と、を備える。
【0134】
スイッチSW21は、ノードN21と電気的に接続される第1の端子と、導電膜S1g(j)と電気的に接続される第2の端子と、導電膜G1(i)の電位に基づいて、導通状態または非導通状態を制御する機能を備える。
【0135】
スイッチSW22は、導電膜S2g(j)と電気的に接続される第1の端子と、導電膜G2(i)の電位に基づいて、導通状態または非導通状態を制御する機能を備える。
【0136】
容量C21は、ノードN21と電気的に接続される導電膜と、スイッチSW22の第2の電極と電気的に接続される導電膜を備える。
【0137】
これにより、画像信号をノードN21に格納することができる。または、ノードN21の電位を、スイッチSW22を用いて、変更することができる。または、発光デバイス550G(i,j)が射出する光の強度を、ノードN21の電位を用いて、制御することができる。
【0138】
《トランジスタM21の構成例》
ボトムゲート型のトランジスタまたはトップゲート型のトランジスタなどを、機能層520に用いることができる。具体的には、トランジスタをスイッチに用いることができる。
【0139】
トランジスタM21は、半導体膜508、導電膜504、導電膜512Aおよび導電膜512Bを備える(
図3B参照)。トランジスタM21は、例えば、絶縁膜501C上に形成される。なお、絶縁膜518を形成し、絶縁膜501Cおよび絶縁膜518の間にトランジスタM21を挟んでもよい。また、絶縁膜518および絶縁膜501Cの間に絶縁膜516を形成し、絶縁膜516および絶縁膜501Cの間に半導体膜508を挟んでもよい。例えば、絶縁膜516Aおよび絶縁膜516Bを積層した膜を絶縁膜516に用いることができる。
【0140】
半導体膜508は、導電膜512Aと電気的に接続される領域508A、導電膜512Bと電気的に接続される領域508Bを備える。半導体膜508は、領域508Aおよび領域508Bの間に領域508Cを備える。
【0141】
導電膜504は領域508Cと重なる領域を備え、導電膜504は第1のゲート電極の機能を備える。
【0142】
絶縁膜506は、半導体膜508および導電膜504の間に挟まれる領域を備える。絶縁膜506は第1のゲート絶縁膜の機能を備える。
【0143】
導電膜512Aはソース電極の機能またはドレイン電極の機能の一方を備え、導電膜512Bはソース電極の機能またはドレイン電極の機能の他方を備える。
【0144】
また、導電膜524をトランジスタM21に用いることができる。導電膜524は、導電膜504との間に半導体膜508を挟む領域を備える。導電膜524は、第2のゲート電極の機能を備える。絶縁膜501Dは半導体膜508および導電膜524の間に挟まれ、第2のゲート絶縁膜の機能を備える。
【0145】
なお、画素回路のトランジスタに用いる半導体膜を形成する工程において、駆動回路のトランジスタに用いる半導体膜を形成することができる。例えば、画素回路のトランジスタに用いる半導体膜と同じ組成の半導体膜を、駆動回路に用いることができる。
【0146】
《半導体膜508の構成例1》
例えば、14族の元素を含む半導体を半導体膜508に用いることができる。具体的には、シリコンを含む半導体を半導体膜508に用いることができる。
【0147】
[水素化アモルファスシリコン]
例えば、水素化アモルファスシリコンを半導体膜508に用いることができる。または、微結晶シリコンなどを半導体膜508に用いることができる。これにより、例えば、ポリシリコンを半導体膜508に用いる表示パネルより、表示ムラが少ない表示パネルを提供することができる。または、表示パネルの大型化が容易である。
【0148】
[ポリシリコン]
例えば、ポリシリコンを半導体膜508に用いることができる。これにより、例えば、水素化アモルファスシリコンを半導体膜508に用いるトランジスタより、トランジスタの電界効果移動度を高くすることができる。または、例えば、水素化アモルファスシリコンを半導体膜508に用いるトランジスタより、駆動能力を高めることができる。または、例えば、水素化アモルファスシリコンを半導体膜508に用いるトランジスタより、画素の開口率を向上することができる。
【0149】
または、例えば、水素化アモルファスシリコンを半導体膜508に用いるトランジスタより、トランジスタの信頼性を高めることができる。
【0150】
または、トランジスタの作製に要する温度を、例えば、単結晶シリコンを用いるトランジスタより、低くすることができる。
【0151】
または、駆動回路のトランジスタに用いる半導体膜を、画素回路のトランジスタに用いる半導体膜と同一の工程で形成することができる。または、画素回路を形成する基板と同一の基板上に駆動回路を形成することができる。または、電子機器を構成する部品数を低減することができる。
【0152】
[単結晶シリコン]
例えば、単結晶シリコンを半導体膜508に用いることができる。これにより、例えば、水素化アモルファスシリコンを半導体膜508に用いる表示パネルより、精細度を高めることができる。または、例えば、ポリシリコンを半導体膜508に用いる表示パネルより、表示ムラが少ない表示パネルを提供することができる。または、例えば、スマートグラスまたはヘッドマウントディスプレイを提供することができる。
【0153】
《半導体膜508の構成例2》
例えば、金属酸化物を半導体膜508に用いることができる。これにより、アモルファスシリコンを半導体膜に用いたトランジスタを利用する画素回路と比較して、画素回路が画像信号を保持することができる時間を長くすることができる。具体的には、フリッカーの発生を抑制しながら、選択信号を30Hz未満、好ましくは1Hz未満、より好ましくは一分に一回未満の頻度で供給することができる。その結果、情報処理装置の使用者に蓄積する疲労を低減することができる。また、駆動に伴う消費電力を低減することができる。
【0154】
例えば、酸化物半導体を用いるトランジスタを利用することができる。具体的には、インジウムを含む酸化物半導体、インジウムとガリウムと亜鉛を含む酸化物半導体またはインジウムとガリウムと亜鉛と錫とを含む酸化物半導体を半導体膜に用いることができる。
【0155】
一例を挙げれば、オフ状態におけるリーク電流が、半導体膜にアモルファスシリコンを用いたトランジスタより小さいトランジスタを用いることができる。具体的には、酸化物半導体を半導体膜に用いたトランジスタをスイッチ等に利用することができる。これにより、アモルファスシリコンを用いたトランジスタをスイッチに利用する回路より長い時間、フローティングノードの電位を保持することができる。
【0156】
《発光デバイス550G(i,j)の構成例1》
発光デバイス550G(i,j)は画素回路530G(i,j)と電気的に接続される(
図2参照)。また、発光デバイス550G(i,j)は、画素回路530G(i,j)と電気的に接続される電極551G(i,j)と、導電膜VCOM2と電気的に接続される電極552を備える(
図2および
図4A参照)。なお、発光デバイス550G(i,j)は、ノードN21の電位に基づいて動作する機能を備える。
【0157】
例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンス素子、発光ダイオードまたはQDLED(Quantum Dot LED)等を、発光デバイス550G(i,j)に用いることができる。
【0158】
<表示パネル700の構成例6>
本実施の形態で説明する表示パネル700は、発光デバイス550B(i,j)と、発光デバイス550G(i,j)と、隔壁528と、発光デバイス550R(i,j)と、を有する(
図4A参照)。
【0159】
《発光デバイス550B(i,j)の構成例1》
発光デバイス550B(i,j)は、電極551B(i,j)、電極552B(j)、ユニット103B(j)および層104B(j)を備える(
図4A参照)。また、層105B(j)を備える。なお、層105B(j)は、例えば、電子注入層に用いることができる。
【0160】
電極552B(j)は電極551B(i,j)と重なり、ユニット103B(j)は電極552B(j)および電極551B(i,j)の間に挟まれる領域を備える。ユニット103B(j)は発光層を含み、光を射出する機能を備える。例えば、青色の光を射出することができる。
【0161】
例えば、正孔輸送層、電子輸送層、キャリアブロック層、などから選択した層を、ユニット103B(j)に用いることができる。
【0162】
層104B(j)は、ユニット103B(j)および電極551B(i,j)の間に挟まれる領域を備え、正孔輸送性を有する材料およびアクセプタ性を有する物質を含む。また、層104B(j)は、1×102[Ω・cm]以上1×108[Ω・cm]以下の電気抵抗率を備える。なお、層104B(j)は、例えば、正孔注入層に用いることができる。
【0163】
《発光デバイス550G(i,j)の構成例2》
発光デバイス550G(i,j)は、電極551G(i,j)、電極552G(j)、ユニット103G(j)および層104G(j)を備える。また、層105G(j)を備える。なお、層105G(j)は、例えば、電子注入層に用いることができる。
【0164】
電極552G(j)は電極551G(i,j)と重なり、ユニット103G(j)は電極552G(j)および電極551G(i,j)の間に挟まれる領域を備える。ユニット103G(j)は発光層を含み、光を射出する機能を備える。例えば、緑色の光を射出することができる。
【0165】
例えば、正孔輸送層、電子輸送層、キャリアブロック層、などから選択した層を、ユニット103G(j)に用いることができる。
【0166】
層104G(j)はユニット103G(j)および電極551G(i,j)の間に挟まれる領域を備え、層104G(j)は、層104B(j)とおなじ正孔輸送性を有する材料およびアクセプタ性を有する物質を含む。なお、層104G(j)は、例えば、正孔注入層に用いることができる。
【0167】
層104G(j)は層104B(j)との間に間隙104S(j)を備える。なお、層104B(j)および層104G(j)は導電性を備えるため、間隙104S(j)は層104B(j)と層104G(j)の間の電気的な導通を妨げる機能を備える。
【0168】
《層104B(j)および層104G(j)の構成例1》
正孔輸送性を有する材料およびアクセプタ性を有する物質を、層104B(j)および層104G(j)に用いることができる。
【0169】
[正孔輸送性を有する材料]
例えば、芳香族アミン化合物またはπ電子過剰型複素芳香環を備える有機化合物を、正孔輸送性を有する材料に用いることができる。
【0170】
これにより、陽極側から陰極側に向けて正孔を供給することができる。なお、発光デバイス550G(i,j)の層104G(j)は、発光デバイス550B(i,j)の層104B(j)から分離されているため、クロストーク現象を抑制することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0171】
例えば、芳香族アミン骨格を有する化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、ビニル基を有している芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)などを、複合材料の正孔輸送性を有する材料に用いることができる。また、正孔移動度が、1×10-6cm2/Vs以上である材料を、正孔輸送性を有する材料に好適に用いることができる。
【0172】
芳香族アミン骨格を有する化合物としては、例えば、N,N’-ジ(p-トリル)-N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’-ビス{4-[ビス(3-メチルフェニル)アミノ]フェニル}-N,N’-ジフェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5-トリス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、等を用いることができる。
【0173】
カルバゾール誘導体としては、例えば、3-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6-ビス[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3-[N-(1-ナフチル)-N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、4,4’-ジ(N-カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5-トリス[4-(N-カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9-[4-(10-フェニル-9-アントラセニル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CzPA)、1,4-ビス[4-(N-カルバゾリル)フェニル]-2,3,5,6-テトラフェニルベンゼン、等を用いることができる。
【0174】
芳香族炭化水素としては、例えば、2-tert-ブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:t-BuDNA)、2-tert-ブチル-9,10-ジ(1-ナフチル)アントラセン、9,10-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2-tert-ブチル-9,10-ビス(4-フェニルフェニル)アントラセン(略称:t-BuDBA)、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10-ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2-tert-ブチルアントラセン(略称:t-BuAnth)、9,10-ビス(4-メチル-1-ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2-tert-ブチル-9,10-ビス[2-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10-ビス[2-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7-テトラメチル-9,10-ジ(1-ナフチル)アントラセン、2,3,6,7-テトラメチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン、9,9’-ビアントリル、10,10’-ジフェニル-9,9’-ビアントリル、10,10’-ビス(2-フェニルフェニル)-9,9’-ビアントリル、10,10’-ビス[(2,3,4,5,6-ペンタフェニル)フェニル]-9,9’-ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11-テトラ(tert-ブチル)ペリレン、ペンタセン、コロネン、等を用いることができる。
【0175】
ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’-ビス(2,2-ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10-ビス[4-(2,2-ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)、等を用いることができる。
【0176】
高分子化合物としては、例えば、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N-(4-{N’-[4-(4-ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル-N’-フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’-ビス(4-ブチルフェニル)-N,N’-ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly-TPD)、等を用いることができる。
【0177】
また、例えば、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、ジベンゾチオフェン骨格およびアントラセン骨格のいずれかを備える物質を、複合材料の正孔輸送性を有する材料に好適に用いることができる。また、ジベンゾフラン環またはジベンゾチオフェン環を含む置換基を有する芳香族アミン、ナフタレン環を有する芳香族モノアミン、または9-フルオレニル基がアリーレン基を介してアミンの窒素に結合する芳香族モノアミンを備える物質を、複合材料の正孔輸送性を有する材料に用いることができる。なお、N,N-ビス(4-ビフェニル)アミノ基を有する物質を用いると、発光デバイスの信頼性を向上することができる。
【0178】
これらの材料としては、例えば、N-(4-ビフェニル)-6,N-ジフェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-アミン(略称:BnfABP)、N,N-ビス(4-ビフェニル)-6-フェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-アミン(略称:BBABnf)、4,4’-ビス(6-フェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-イル)-4’’-フェニルトリフェニルアミン(略称:BnfBB1BP)、N,N-ビス(4-ビフェニル)ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-6-アミン(略称:BBABnf(6))、N,N-ビス(4-ビフェニル)ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-アミン(略称:BBABnf(8))、N,N-ビス(4-ビフェニル)ベンゾ[b]ナフト[2,3-d]フラン-4-アミン(略称:BBABnf(II)(4))、N,N-ビス[4-(ジベンゾフラン-4-イル)フェニル]-4-アミノ-p-ターフェニル(略称:DBfBB1TP)、N-[4-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]-N-フェニル-4-ビフェニルアミン(略称:ThBA1BP)、4-(2-ナフチル)-4’,4’’-ジフェニルトリフェニルアミン(略称:BBAβNB)、4-[4-(2-ナフチル)フェニル]-4’,4’’-ジフェニルトリフェニルアミン(略称:BBAβNBi)、4,4’-ジフェニル-4’’-(6;1’-ビナフチル-2-イル)トリフェニルアミン(略称:BBAαNβNB)、4,4’-ジフェニル-4’’-(7;1’-ビナフチル-2-イル)トリフェニルアミン(略称:BBAαNβNB-03)、4,4’-ジフェニル-4’’-(7-フェニル)ナフチル-2-イルトリフェニルアミン(略称:BBAPβNB-03)、4,4’-ジフェニル-4’’-(6;2’-ビナフチル-2-イル)トリフェニルアミン(略称:BBA(βN2)B)、4,4’-ジフェニル-4’’-(7;2’-ビナフチル-2-イル)トリフェニルアミン(略称:BBA(βN2)B-03)、4,4’-ジフェニル-4’’-(4;2’-ビナフチル-1-イル)トリフェニルアミン(略称:BBAβNαNB)、4,4’-ジフェニル-4’’-(5;2’-ビナフチル-1-イル)トリフェニルアミン(略称:BBAβNαNB-02)、4-(4-ビフェニリル)-4’-(2-ナフチル)-4’’-フェニルトリフェニルアミン(略称:TPBiAβNB)、4-(3-ビフェニリル)-4’-[4-(2-ナフチル)フェニル]-4’’-フェニルトリフェニルアミン(略称:mTPBiAβNBi)、4-(4-ビフェニリル)-4’-[4-(2-ナフチル)フェニル]-4’’-フェニルトリフェニルアミン(略称:TPBiAβNBi)、4-フェニル-4’-(1-ナフチル)トリフェニルアミン(略称:αNBA1BP)、4,4’-ビス(1-ナフチル)トリフェニルアミン(略称:αNBB1BP)、4,4’-ジフェニル-4’’-[4’-(カルバゾール-9-イル)ビフェニル-4-イル]トリフェニルアミン(略称:YGTBi1BP)、4’-[4-(3-フェニル-9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]トリス(1,1’-ビフェニル-4-イル)アミン(略称:YGTBi1BP-02)、4-ジフェニル-4’-(2-ナフチル)-4’’-{9-(4-ビフェニリル)カルバゾール)}トリフェニルアミン(略称:YGTBiβNB)、N-[4-(9-フェニル-9Hカルバゾール-3-イル)フェニル]-N-[4-(1-ナフチル)フェニル]-9,9’-スピロビ(9H-フルオレン)-2-アミン(略称:PCBNBSF)、N,N-ビス(4-ビフェニリル)-9,9’-スピロビ[9H-フルオレン]-2-アミン(略称:BBASF)、N,N-ビス(1,1’-ビフェニル-4-イル)-9,9’-スピロビ[9H-フルオレン]-4-アミン(略称:BBASF(4))、N-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ(9H-フルオレン)-4-アミン(略称:oFBiSF)、N-(4-ビフェニル)-N-(ジベンゾフラン-4-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:FrBiF)、N-[4-(1-ナフチル)フェニル]-N-[3-(6-フェニルジベンゾフラン-4-イル)フェニル]-1-ナフチルアミン(略称:mPDBfBNBN)、4-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4-フェニル-3’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、4-フェニル-4’-[4-(9-フェニルフルオレン-9-イル)フェニル]トリフェニルアミン(略称:BPAFLBi)、4-フェニル-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’-ジフェニル-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4-(1-ナフチル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’-ジ(1-ナフチル)-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-アミン(略称:PCBASF)、N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:PCBBiF)、N,N-ビス(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ-9H-フルオレン-4-アミン、N,N-ビス(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ-9H-フルオレン-3-アミン、N,N-ビス(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ-9H-フルオレン-2-アミン、N,N-ビス(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ-9H-フルオレン-1-アミン、等を用いることができる。
【0179】
[アクセプタ性を有する物質]
例えば、フッ素もしくはシアノ基を含む有機化合物または遷移金属酸化物を、アクセプタ性を有する物質に用いることができる。アクセプタ性を有する物質は、電界の印加により、隣接する正孔輸送層あるいは正孔輸送性を有する材料から電子を引き抜くことができる。なお、アクセプタ性を有する有機化合物は蒸着が容易で成膜がしやすい。これにより、発光デバイスの生産性を高めることができる。
【0180】
具体的には、7,7,8,8-テトラシアノ-2,3,5,6-テトラフルオロキノジメタン(略称:F4-TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11-ヘキサシアノ-1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT-CN)、1,3,4,5,7,8-ヘキサフルオロテトラシアノ-ナフトキノジメタン(略称:F6-TCNNQ)、2-(7-ジシアノメチレン-1,3,4,5,6,8,9,10-オクタフルオロ-7H-ピレン-2-イリデン)マロノニトリル、等を用いることができる。
【0181】
特に、HAT-CNのように複素原子を複数有する縮合芳香環に電子吸引基が結合している化合物が、熱的に安定であり好ましい。
【0182】
また、電子吸引基(特にフルオロ基のようなハロゲン基またはシアノ基)を有する[3]ラジアレン誘導体は、電子受容性が非常に高いため好ましい。
【0183】
具体的には、α,α’,α’’-1,2,3-シクロプロパントリイリデントリス[4-シアノ-2,3,5,6-テトラフルオロベンゼンアセトニトリル]、α,α’,α’’-1,2,3-シクロプロパントリイリデントリス[2,6-ジクロロ-3,5-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンアセトニトリル]、α,α’,α’’-1,2,3-シクロプロパントリイリデントリス[2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゼンアセトニトリル]、等を用いることができる。
【0184】
また、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を、アクセプタ性を有する物質に用いることができる。
【0185】
また、フタロシアニン(略称:H2Pc)、銅フタロシアニン(CuPc)等のフタロシアニン系の錯体化合物、4,4’-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’-ビス{4-[ビス(3-メチルフェニル)アミノ]フェニル}-N,N’-ジフェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(略称:DNTPD)等の芳香族アミン骨格を有する化合物を用いることができる。
【0186】
また、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等の高分子等を用いることができる。
【0187】
《隔壁528の構成例1》
隔壁528は、開口部528B(i,j)および開口部528G(i,j)を備える(
図4C参照)。開口部528B(i,j)は電極551B(i,j)と重なり、開口部528G(i,j)は電極551G(i,j)と重なる。また、隔壁528は、開口部528R(i,j)を備える。
【0188】
隔壁528は、開口部528B(i,j)および開口部528G(i,j)の間において、間隙104S(j)と重なる(
図4A参照)。
【0189】
無機材料、有機材料または無機材料と有機材料の複合材料等を隔壁528に用いることができる。具体的には、無機酸化物膜、無機窒化物膜または無機酸化窒化物膜等またはこれらから選ばれた複数を積層した積層材料を、隔壁528に用いることができる。例えば、酸化珪素膜、アクリル樹脂を含む膜またはポリイミドを含む膜等を隔壁528に用いることができる。
【0190】
これにより、層104B(j)および層104G(j)を介して、電極551B(i,j)および電極552G(j)の間に電流が流れる現象を抑制することができる。また、層104B(j)および層104G(j)を介して、電極551G(i,j)および電極552B(j)の間に電流が流れる現象を抑制することができる。また、発光デバイス550B(i,j)および発光デバイス550G(i,j)の間に生じるクロストーク現象を抑制することができる。
【0191】
例えば、1000ppiを超える高精細な表示パネルにおいて、層104B(j)と層104G(j)の間に電気的な導通が認められると、クロストーク現象が発生し、表示パネルの表示可能な色域が狭くなってしまう。1000ppiを超える高精細な表示パネル、好ましくは2000ppiを超える高精細な表示パネル、より好ましくは5000ppiを超える超高精細な表示パネルに間隙104Sを設けることで、鮮やかな色彩を表示可能な表示パネルを提供できる。
【0192】
《発光デバイス550R(i,j)の構成例》
発光デバイス550R(i,j)は、電極551R(i,j)、電極552R(j)、ユニット103R(j)および層104R(j)を備える。ユニット103R(j)は光を射出する機能を備える。例えば、赤色の光を射出することができる。また、層104R(j)は、例えば、正孔注入層に用いることができる。また、層105R(j)を備え、層105R(j)は、例えば、電子注入層に用いることができる。
【0193】
例えば、青色の発光材料をユニット103B(j)に、緑色の発光材料をユニット103G(j)に、赤色の発光材料をユニット103R(j)に、用いる構成にすることができる。これにより、それぞれの発光デバイスの発光効率を高めることができる。また、発光デバイスが射出した光を効率よく利用できる。
【0194】
<表示パネル700の構成例7>
本実施の形態で説明する表示パネル700は、絶縁層705を有する(
図4A参照)。
【0195】
《絶縁層705の構成例》
絶縁層705は間隙104S(j)を満たし、絶縁層705はユニット103B(j)およびユニット103G(j)の間を満たす。
【0196】
絶縁層705は、機能層520および基材770の間に挟まれる領域を備え、機能層520および基材770を貼り合わせる機能を備える。
【0197】
無機材料、有機材料または無機材料と有機材料の複合材料等を絶縁層705に用いることができる。
【0198】
具体的には、無機酸化物膜、無機窒化物膜または無機酸化窒化物膜等またはこれらから選ばれた複数を積層した積層材料を、絶縁層705に用いることができる。
【0199】
例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等またはこれらから選ばれた複数を積層した積層材料を含む膜を、絶縁層705に用いることができる。なお、窒化シリコン膜は緻密な膜であり、不純物の拡散を抑制する機能に優れる。または、絶縁層705として、酸化物半導体(例えば、IGZO膜など)を用いてもよい。具体的には、酸化アルミニウム膜と、当該酸化アルミニウム膜上のIGZO膜との積層構造などを用いることができる。
【0200】
例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリシロキサン若しくはアクリル樹脂等またはこれらから選択された複数の樹脂の積層材料もしくは複合材料などを絶縁層705に用いることができる。
【0201】
例えば、反応硬化型接着剤、光硬化型接着剤、熱硬化型接着剤または/および嫌気型接着剤等の有機材料を絶縁層705に用いることができる。
【0202】
これにより、発光デバイス550B(i,j)および発光デバイス550G(i,j)に不純物が拡散する現象を抑制することができる。また、発光デバイス550B(i,j)および発光デバイス550G(i,j)の信頼性を向上することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0203】
<表示パネル700の構成例8>
本発明の一態様の表示パネルの構成について、
図5を参照しながら説明する。
【0204】
なお、表示パネル700が絶縁膜573を備える点が、
図4を参照しながら説明する表示パネル700とは異なる。
【0205】
《絶縁膜573の構成例1》
絶縁膜573は、電極551B(i,j)との間に電極552B(j)を挟み、電極551G(i,j)との間に電極552G(j)を挟む(
図5A参照)。
【0206】
例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウム、インジウムガリウム亜鉛酸化物、窒化シリコン、または窒化酸化シリコンなどを、絶縁膜573に用いることができる。
【0207】
これにより、発光デバイス550B(i,j)の周囲に存在する不純物の発光デバイス550B(i,j)内への拡散を抑制することができる。また、発光デバイス550G(i,j)の周囲に存在する不純物の発光デバイス550G(i,j)内への拡散を抑制することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0208】
《絶縁膜573Aの構成例》
例えば、アモルファス構造を有する酸化物を絶縁膜573Aに用いることができる。具体的には、酸化アルミニウム(AlOx:xは0より大きい任意数)、または酸化マグネシウム(MgOy:yは0より大きい任意数)などの金属酸化物を、好適に用いることができる。酸化アルミニウムを絶縁膜573Aに用いる場合、絶縁膜573Aは、少なくとも酸素と、アルミニウムと、を含む。
【0209】
また、アモルファス構造を有する金属酸化物において、酸素原子はダングリングボンドを有し、当該ダングリングボンドは水素または水素を含む分子を捕獲または固着する性質を有する場合がある。これにより、水、または発光デバイス550G(i,j)の周囲に存在する水を捕獲または固着することができる。
【0210】
絶縁膜573Aは、アモルファス構造であることが好ましいが、一部に結晶領域が形成されていてもよい。また、絶縁膜573Aは、アモルファス構造の層と、結晶領域を有する層と、が積層された多層構造であってもよい。例えば、絶縁膜573Aは、アモルファス構造の層の上に結晶領域を有する層、代表的には多結晶構造の層が形成された積層構造でもよい。
【0211】
また、複数の層を積層した積層膜を絶縁膜573Aに用いることができる。例えば、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法で成膜した酸化アルミニウムと、スパッタリング法で成膜した酸化アルミニウムとを積層した積層膜を絶縁膜573Aに用いることができる。これにより、スパッタリング法で成膜した膜にピンホールまたは段切れなどが形成された場合、被覆性の良好なALD法で成膜した膜を用いて、ピンホールまたは段切れなどと重畳する部分を塞ぐことができる。
【0212】
[絶縁膜573Aの形成方法]
スパッタリング法、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、パルスレーザー堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、ALD法などを用いて、絶縁膜573Aを形成することができる。また、リソグラフィー法などを用いて、絶縁膜573Aを所定の形状にすることができる。
【0213】
例えば、酸素ガスを含む雰囲気でアルミニウムターゲットを用いて、パルスDCスパッタリング法を用いて、酸化アルミニウムを成膜することができる。これにより、成膜ガスに水素分子を含むガスを用いることなく、スパッタリング法を用いて絶縁膜573Aを形成することができる。また、絶縁膜573Aの水素濃度を低減することができる。また、発光デバイス550G(i,j)に含まれる水などの不純物を、より多く捕獲または固着することができる。
【0214】
《絶縁膜573Bの構成例》
例えば、窒化シリコン(SiNx:xは0より大きい任意数。)を、好適に用いることができる。この場合、絶縁膜573Bは、少なくとも窒素と、シリコンと、を含む絶縁膜となる。窒化シリコンは、水などの不純物の拡散を抑制する能力が高い。
【0215】
また、複数の層を積層した積層膜を絶縁膜573Bに用いることができる。例えば、スパッタリング法で成膜した窒化シリコンと、プラズマ原子層堆積(PEALD:Plasma Enhanced ALD)法で成膜した窒化シリコンとを積層した積層膜を絶縁膜573Bに用いることができる。これにより、スパッタリング法で成膜した膜にピンホールまたは段切れなどが形成された場合、被覆性の良好なALD法で成膜した膜を用いて、ピンホールまたは段切れなどと重畳する部分を塞ぐことができる。
【0216】
また、絶縁膜573Bの成膜後に加熱処理を行うことができる。これにより、発光デバイス550G(i,j)に含まれる水を脱離させ、発光デバイス550G(i,j)から絶縁膜573Aに拡散させることができる。また、発光デバイス550G(i,j)中に含まれていた水の濃度を低減することができる。また、絶縁膜573Bは、絶縁膜573Bの外部から発光デバイス550G(i,j)へ、水が拡散するのを抑制することができる。
【0217】
《隔壁528の構成例2》
隔壁528は絶縁膜573Aと接し、隔壁528は窒化シリコンを含む。
【0218】
水などの不純物の拡散を抑制する能力が高い絶縁膜を、隔壁528に用いることができる。例えば、絶縁膜573Bと同様の構成を好適に用いることができる。発光デバイス550G(i,j)と重畳しない領域で、隔壁528が絶縁膜573Aと接する。換言すれば、絶縁膜573A、絶縁膜573Bおよび隔壁528によって、発光デバイス550G(i,j)を封止することができる。
【0219】
これにより、絶縁膜573Bおよび隔壁528の外部から発光デバイス550G(i,j)に水が拡散する現象を抑制することができる。また、絶縁膜573Bおよび隔壁528の内部の水を捕獲、または固着することができる。また、発光デバイス550G(i,j)の水の濃度を低減することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0220】
《絶縁膜573の構成例2》
また、絶縁膜573(1)、絶縁膜573(2)および絶縁膜573(3)を絶縁膜573に用いることができる(
図6および
図7参照)。
【0221】
絶縁膜573(1)は、絶縁膜573C、絶縁膜573D、絶縁膜573Eおよび絶縁膜573Fを備える。絶縁膜573Cは、層104B(j)の側壁WL1および隔壁528と接する。絶縁膜573Dは、電極552B(j)との間に絶縁膜573Cを挟む。
【0222】
絶縁膜573(2)は、絶縁膜573D、絶縁膜573Eおよび絶縁膜573Fを備える。絶縁膜573Dは、層104G(j)の側壁WL2および隔壁528と接する。絶縁膜573Eは、電極552G(j)との間に絶縁膜573Dを挟む。
【0223】
絶縁膜573(3)は、絶縁膜573Eおよび絶縁膜573Fを備える。絶縁膜573Eは、層104R(j)の側壁および隔壁528と接する。絶縁膜573Fは、電極552R(j)との間に絶縁膜573Eを挟む。また、絶縁膜573Fは、絶縁膜573Eを覆う。
【0224】
これにより、例えば、発光デバイス550B(i,j)を形成した後に絶縁膜573Cを形成し、その後、発光デバイス550G(i,j)を形成することができる。または、発光デバイス550G(i,j)を形成した後に絶縁膜573Dを形成し、その後、発光デバイス550R(i,j)を形成することができる。また、発光デバイス550G(i,j)の形成工程において、絶縁膜573Cを用いて、発光デバイス550B(i,j)を保護することができる。また、発光デバイス550R(i,j)の形成工程において、絶縁膜573Dを用いて、発光デバイス550G(i,j)を保護することができる。絶縁膜573(3)を用いて、発光デバイス550B(i,j)、発光デバイス550G(i,j)および発光デバイス550R(i,j)を保護することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0225】
<表示パネル700の構成例9>
本発明の一態様の表示パネルの構成について、
図8を参照しながら説明する。
【0226】
なお、発光デバイス550B(i,j)、発光デバイス550G(i,j)および発光デバイス550R(i,j)が、いずれも白色の光を射出する点が、
図5を参照しながら説明する表示パネル700とは異なる。
【0227】
また、着色層CFB(j)と、着色層CFG(j)と、着色層CFR(j)と、を有する点が、
図5を参照しながら説明する表示パネル700とは異なる(
図8A参照)。ここでは、異なる部分について詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分については、上記の説明を援用する。
【0228】
《ユニット103B(j)の構成例1》
例えば、青色の光EL(1)を射出する層111B、緑色の光EL(2)を射出する層111Gおよび赤色の光EL(3)を射出する層111Rを、一つのユニット103B(j)に用いることができる(
図8B参照)。これにより、白色の光を射出することができる。
【0229】
具体的には、青色の発光性の材料を含む層111Bと、緑色の発光性の材料を含む層111Gと、赤色の発光性の材料を含む層111Rとが、積層された構成を、ユニット103B(j)に用いることができる(
図8B参照)。
【0230】
また、正孔輸送性の材料を含む層、電子輸送性の材料を含む層、バイポーラ性の材料を含む層を、ユニット103B(j)に用いることができる。例えば、正孔輸送性の材料を層112(1)に用いることができる。また、電子輸送性の材料を層113に用いることができる。また、バイポーラ性の材料を層112(2)に用いることができる。
【0231】
なお、ユニット103B(j)に用いる構成を、ユニット103G(j)およびユニット103R(j)に用いることができる。
【0232】
《着色層の構成例1》
着色層CFB(j)は発光デバイス550B(i,j)と重なり、着色層CFG(j)は発光デバイス550G(i,j)と重なり、着色層CFG(j)は、着色層CFB(j)とは異なる色の光を透過する。また、着色層CFR(j)は発光デバイス550R(i,j)と重なり、着色層CFR(j)は、着色層CFB(j)および着色層CFG(j)とは異なる色の光を透過する。
【0233】
例えば、青色の光を優先的に透過する材料を、着色層CFB(j)に用いることができる。これにより、白色の光から青色の光を取り出すことができる。
【0234】
例えば、緑色の光を優先的に透過する材料を、着色層CFG(j)に用いることができる。これにより、白色の光から緑色の光を取り出すことができる。
【0235】
例えば、赤色の光を優先的に透過する材料を、着色層CFR(j)に用いることができる。これにより、白色の光から赤色の光を取り出すことができる。
【0236】
《ユニット103B(j)の構成例2》
例えば、青色の発光性の材料を、ユニット103B(j)、ユニット103G(j)およびユニット103R(j)に、用いることができる。これにより、発光デバイス550B(i,j)、発光デバイス550G(i,j)および発光デバイス550R(i,j)は青色の光を射出することができる。
【0237】
また、着色層に換えて色変換層を用いることができる。例えば、ナノ粒子、量子ドットなどを色変換層に用いることができる。
【0238】
例えば、着色層CFG(j)に換えて、青色の光を緑色の光に変換する色変換層を用いることができる。これにより、発光デバイス550G(i,j)が射出する青色の光を緑色の光に変換することができる。また、着色層CFR(j)に換えて青色の光を赤色の光に変換する色変換層を用いることができる。これにより、発光デバイス550R(i,j)が射出する青色の光を赤色の光に変換することができる。
【0239】
これにより、第1の発光デバイスを形成する工程で、第2の発光デバイスも形成することができる。また、第1の発光デバイスおよび第2の発光デバイスを用いて、色相を変化することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0240】
<表示パネル700の構成例10>
本発明の一態様の表示パネルの構成について、
図9を参照しながら説明する。
【0241】
なお、発光デバイス550B(i,j)がユニット103B2(j)および中間層106B(j)を備え、発光デバイス550G(i,j)がユニット103G2(j)および中間層106G(j)を備える点が、
図4を参照しながら説明する表示パネル700とは異なる。また、発光デバイス550R(i,j)がユニット103R2(j)および中間層106R(j)を備える。ここでは、異なる部分について詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分については、上記の説明を援用する。
【0242】
《発光デバイス550B(i,j)の構成例2》
発光デバイス550B(i,j)はユニット103B2(j)および中間層106B(j)を備える(
図9A参照)。
【0243】
ユニット103B2(j)は電極552B(j)およびユニット103B(j)の間に挟まれる領域を備える。
【0244】
《中間層106B(j)の構成例1》
中間層106B(j)はユニット103B2(j)およびユニット103B(j)の間に挟まれる領域を備え、正孔輸送性を有する材料およびアクセプタ性を有する物質を含む。また、中間層106B(j)は、1×102[Ω・cm]以上1×108[Ω・cm]以下の電気抵抗率を備える。なお、中間層106B(j)は、電圧を加えることにより、陽極側に電子を供給し、陰極側に正孔を供給する機能を備える。
【0245】
正孔輸送性を有する材料およびアクセプタ性を有する物質を、中間層106B(j)に用いることができる。例えば、層104B(j)および層104G(j)に用いることができる構成を、中間層106B(j)に用いることができる。
【0246】
例えば、ユニット103B(j)の発光色とは発光色が異なる構成を、ユニット103B2(j)に用いることができる。具体的には、赤色の光および緑色の光を射出するユニット103B(j)と、青色の光を射出するユニット103B2(j)を用いることができる。これにより、所望の色の光を射出する発光デバイスを提供することができる。例えば、白色の光を射出する発光デバイスを提供することができる。
【0247】
なお、着色層CFB(j)を用いて、発光デバイスが射出した白色の光から青色の光を取り出すことができ、着色層CFG(j)を用いて、発光デバイスが射出した白色の光から緑色の光を取り出すことができ、着色層CFR(j)を用いて、発光デバイスが射出した白色の光から赤色の光を取り出すことができる。
【0248】
また、例えば、ユニット103B(j)とユニット103B2(j)の発光色を同じにすることができる。具体的には、青色の光を射出するユニット103B(j)と、青色の光を射出するユニット103B2(j)を用いることができる。これにより、消費電力を抑制しながら高い輝度の発光を得ることができる。
【0249】
なお、着色層CFB(j)に換えて色変換層を用いると、青色の光を緑色の光または赤色の光に変換することができる。例えば、ナノ粒子、量子ドットなどを色変換層に用いることができる。
【0250】
《発光デバイス550G(i,j)の構成例3》
発光デバイス550G(i,j)はユニット103G2(j)および中間層106G(j)を備え、ユニット103G2(j)は電極552G(j)およびユニット103G(j)の間に挟まれる領域を備える。
【0251】
中間層106G(j)はユニット103G2(j)およびユニット103G(j)の間に挟まれる領域を備え、中間層106G(j)は中間層106B(j)とおなじ正孔輸送性を有する材料およびアクセプタ性を有する物質を含む。また、中間層106G(j)は中間層106B(j)との間に間隙106S(j)を備える。なお、中間層106B(j)および中間層106G(j)は導電性を備えるため、間隙106S(j)は中間層106B(j)と中間層106G(j)の間の電気的な導通を妨げる機能を備える。
【0252】
《隔壁528の構成例3》
隔壁528は開口部528B(i,j)および開口部528G(i,j)の間において、間隙106S(j)と重なる(
図9Aおよび
図9C参照)。
【0253】
これにより、層104B(j)および層104G(j)または中間層106Bおよび中間層106Gを介して、電極551B(i,j)および電極552G(j)の間に電流が流れる現象を抑制することができる。また、層104B(j)および層104G(j)または中間層106Bおよび中間層106Gを介して、電極551G(i,j)および電極552B(j)の間に電流が流れる現象を抑制することができる。また、発光デバイス550B(i,j)および発光デバイス550G(i,j)の間に生じるクロストーク現象を抑制することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0254】
<表示パネル700の構成例11>
本発明の一態様の表示パネルの構成について、
図10および
図11を参照しながら説明する。
【0255】
なお、絶縁膜573を備える点が、
図9を参照しながら説明する表示パネル700とは異なる。
【0256】
《層104B(j)および層104G(j)の構成例2》
層104B(j)は第1の側壁WL1を備え、層104G(j)は第2の側壁WL2を備える(
図11参照)。
【0257】
第2の側壁WL2は第1の側壁WL1と対向し、第2の側壁WL2は第1の側壁WL1との間に間隙104S(j)を挟む。
【0258】
《絶縁膜573の構成例3》
絶縁膜573は第1の側壁WL1および第2の側壁WL2と接する。
【0259】
《絶縁膜573の構成例4》
また、絶縁膜573は隔壁528と接する(
図11参照)。
【0260】
《絶縁膜573の構成例5》
絶縁膜573は、絶縁膜573Aおよび絶縁膜573Bを備える。
【0261】
絶縁膜573Aは絶縁膜573Bおよび電極552B(j)の間に挟まれ、絶縁膜573Aは絶縁膜573Bおよび電極552G(j)の間に挟まれる。
【0262】
<表示パネル700の構成例12>
本発明の一態様の表示パネルの構成について、
図12を参照しながら説明する。
【0263】
なお、着色層CFG(j)が着色層CFB(j)との間に間隙CFS(j)を備える点および着色層CFB(j)と電極552B(j)の間に絶縁膜573を備える点が、
図9を参照しながら説明する表示パネル700とは異なる。ここでは、異なる部分について詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分については、上記の説明を援用する。
【0264】
《着色層の構成例2》
また、本発明の一態様の表示パネルは、着色層CFG(j)が着色層CFB(j)との間に間隙CFS(j)を備える(
図12参照)。また、着色層CFG(j)は、着色層CFB(j)側に第3の側壁を備える。
【0265】
《発光デバイス550G(i,j)の構成例4》
ユニット103G2(j)は第3の側壁と連続する第4の側壁を備え、ユニット103G(j)は第4の側壁と連続する第5の側壁を備える。
【0266】
これにより、発光デバイス550G(i,j)が射出する光を効率よく着色層CFG(j)に導くことができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0267】
《絶縁膜573の構成例6》
本発明の一態様の表示パネルは、着色層CFB(j)および電極552B(j)の間と、着色層CFG(j)および電極552G(j)の間に、絶縁膜573を備える(
図12参照)。また、着色層CFR(j)および電極552R(j)の間に、絶縁膜573を備える。
【0268】
例えば、有機材料と無機材料とが積層された積層膜を絶縁膜573に用いることができる。これにより、欠陥の少ない良質な絶縁膜573を形成することができる。また、着色層CFB(j)、着色層CFG(j)および着色層CFR(j)を形成する工程において、例えば、絶縁膜573は、絶縁膜573および電極551B(i,j)の間に挟まれる構成を保護することができる。また、発光デバイス550B(i,j)、発光デバイス550G(i,j)および発光デバイス550R(i,j)に不純物が拡散する現象を抑制することができる。
【0269】
<表示パネル700の構成例13>
本発明の一態様の表示パネルの構成について、
図13を参照しながら説明する。
【0270】
なお、着色層CFB(j)と電極552B(j)の間に絶縁膜573を備える点および絶縁膜573が間隙104S(j)を満たす点が、
図9を参照しながら説明する表示パネル700とは異なる。
【0271】
<表示パネル700の構成例14>
本発明の一態様の表示パネルの構成について、
図14を参照しながら説明する。
【0272】
なお、隔壁528上に隔壁528(2)を備えている点、電極552が、発光デバイス550B(i,j)、発光デバイス550G(i,j)および発光デバイス550R(i,j)の一方の電極として機能する点が、
図9を参照しながら説明する表示パネル700とは異なる。
【0273】
例えば、フォトエッチング法を用いて、層104B(j)、ユニット103B(j)、中間層106Bおよびユニット103B2を形成した後に、フォトリソグラフィ法を用いて隔壁528(2)を隔壁528上に形成することができる。さらに、電極552をユニット103B(j)および隔壁528を覆うように形成することができる。
【0274】
<表示パネル700の構成例15>
本発明の一態様の表示パネルの構成について、
図15を参照しながら説明する。
【0275】
なお、隔壁528上に隔壁528(2)を備えている点、隔壁528(2)と電極551B(i,j)の間に大きな段差を備える点および隔壁528(2)が下部より上部がひさし状にせり出している形状を備えている点が、
図9を参照しながら説明する表示パネル700とは異なる。これにより、層104B(j)と層104G(j)の間の電気的な導通および中間層106B(j)と中間層106G(j)の間の電気的な導通が妨げられている。
【0276】
<表示パネル700の構成例16>
本発明の一態様の表示パネルの構成について、
図16を参照しながら説明する。
【0277】
なお、ユニット1032が、発光デバイス550B(i,j)と、発光デバイス550G(i,j)と、発光デバイス550R(i,j)の一方のユニットとして機能する点および電極552が、発光デバイス550B(i,j)と、発光デバイス550G(i,j)と、発光デバイス550R(i,j)の一方の電極として機能する点が、
図9を参照しながら説明する表示パネル700とは異なる。
【0278】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0279】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルの製造方法について、
図17乃至
図23を参照しながら説明する。
【0280】
図17乃至
図20は、本発明の一態様の表示パネルの製造方法を説明する図である。
【0281】
図17乃至
図20を用いて説明する本発明の一態様の表示パネルとは異なる、本発明の一態様の表示パネルの製造方法を説明する図である。
【0282】
図22および
図23は、
図17乃至
図20を用いて説明する本発明の一態様の表示パネルとは異なる、本発明の一態様の表示パネルの製造方法を説明する図である。
【0283】
<表示パネルの製造方法の例1>
本発明の一態様の表示パネルの製造方法は、以下の第1のステップ乃至第13のステップを有する。例えば、
図5を用いて説明する本発明の一態様の表示パネル700を作製することができる。
【0284】
《第1のステップ》
第1のステップにおいて、電極551B(i,j)、電極551G(i,j)を形成する。また、電極551R(i,j)を形成する。例えば、基材510上に導電膜を形成し、フォトリソグラフィ法を用いて、所定の形状に加工する(
図17A参照)。
【0285】
《第2のステップ》
第2のステップにおいて、電極551B(i,j)および電極551G(i,j)の間、電極551G(i,j)および電極551R(i,j)の間に隔壁528を形成する。例えば、電極551B(i,j)乃至電極551R(i,j)を覆う絶縁膜を形成し、フォトリソグラフィ法を用いて開口部を形成し、電極551B(i,j)乃至電極551R(i,j)の一部を露出させる(
図17B参照)。
【0286】
《第3のステップ》
第3のステップにおいて、電極551B(i,j)および電極551G(i,j)上に層104B(j)を形成する。例えば、真空蒸着法を用いて、電極551B(i,j)および電極551G(i,j)上に、これらを覆うように形成する。なお、電極551R(i,j)も覆われる。
【0287】
《第4のステップ》
第4のステップにおいて、層104B(j)上にユニット103B(j)を形成する。例えば、真空蒸着法を用いて形成する。
【0288】
《第5のステップ》
第5のステップにおいて、ユニット103B(j)上に層105B(j)および電極552B(j)を形成する。例えば、真空蒸着法を用いて形成する(
図18A参照)。
【0289】
《第6のステップ》
第6のステップにおいて、層104B(j)、ユニット103B(j)および電極552B(j)を所定の形状に加工する(
図18C参照)。例えば、フォトエッチング法を用いて、電極551G(i,j)上の層104B(j)、ユニット103B(j)および電極552B(j)を取り除いて、残った層104B(j)、ユニット103B(j)および電極552B(j)を紙面と交差する方向に延びる帯状の形状に加工する。これにより、発光デバイス550B(i,j)を形成する。なお、電極551R(i,j)上の層104B(j)、ユニット103B(j)および電極552B(j)も取り除かれる。
【0290】
具体的には、電極552B(j)上に形成したレジストRESを用いる(
図18B参照)。また、隔壁528をエッチングストッパーに用いることができる。
【0291】
《第7のステップ》
第7のステップにおいて、電極552B(j)および電極551G(i,j)上に層104G(j)を形成する。例えば、真空蒸着法を用いて、電極551B(i,j)および電極551G(i,j)上に、これらを覆うように形成する。なお、電極551R(i,j)も覆われる。
【0292】
《第8のステップ》
第8のステップにおいて、層104G(j)上にユニット103G(j)を形成する。例えば、真空蒸着法を用いて形成する。
【0293】
《第9のステップ》
第9のステップにおいて、ユニット103G(j)上に、電極552G(j)を形成する。例えば、真空蒸着法を用いて形成する(
図19A参照)。
【0294】
《第10のステップ》
第10のステップにおいて、層104G(j)、ユニット103G(j)および電極552G(j)を所定の形状に加工する(
図19C参照)。例えば、フォトエッチング法を用いて、電極552B(i,j)上の層104G(j)、ユニット103G(j)および電極552G(j)を取り除いて、残った層104G(j)、ユニット103G(j)および電極552G(j)を紙面と交差する方向に延びる帯状の形状に加工し、発光デバイス550B(i,j)から分離する。これにより、発光デバイス550G(i,j)を形成する。なお、電極551R(i,j)上の層104G(j)、ユニット103G(j)および電極552G(j)も取り除かれる。
【0295】
具体的には、電極552G(j)上に形成したレジストRESを用いる(
図19B参照)。また、隔壁528をエッチングストッパーに用いることができる。
【0296】
《第11のステップ》
第11のステップにおいて、層104R(j)、ユニット103R(j)、層105R(j)および電極552R(j)を、この順に形成する。例えば、真空蒸着法を用いて、電極551R(i,j)を覆うように形成する(
図20A参照)。
【0297】
《第12のステップ》
第12のステップにおいて、層104R(j)、ユニット103R(j)および電極552R(j)を所定の形状に加工する(
図20C参照)。例えば、紙面と交差する方向に延びる帯状の形状に加工する。
【0298】
具体的には、層104R(j)、ユニット103R(j)および電極552R(j)上に形成したレジストRESおよびエッチング法を用いる(
図20B参照)。また、電極552B(j)、電極552G(j)および隔壁528をエッチングストッパーに用いることができる。
【0299】
以上の工程により、発光デバイス550B(i,j)、発光デバイス550G(i,j)および発光デバイス550R(i,j)を分離して形成することができる。
【0300】
《第13のステップ》
また、第13のステップにおいて、隔壁528に接する絶縁膜573を形成して、発光デバイス550B(i,j)、発光デバイス550G(i,j)および発光デバイス550R(i,j)を覆う。以上の工程により、発光デバイス550B(i,j)、発光デバイス550G(i,j)および発光デバイス550R(i,j)を、絶縁膜573を用いて保護することができる(
図20C参照)。
【0301】
<表示パネルの製造方法の例2>
本発明の一態様の表示パネルの製造方法は、以下の第1のステップ乃至第8のステップを有する。例えば、
図12を用いて説明する本発明の一態様の表示パネル700を作製することができる。
【0302】
《第1のステップ》
第1のステップにおいて、電極551B(i,j)、電極551G(i,j)を形成する。また、電極551R(i,j)を形成する。例えば、基材510上に導電膜を形成し、フォトリソグラフィ法を用いて、所定の形状に加工する(
図17A参照)。
【0303】
《第2のステップ》
第2のステップにおいて、電極551B(i,j)および電極551G(i,j)の間に隔壁528を形成する。例えば、電極551B(i,j)乃至電極551R(i,j)を覆う絶縁膜を形成し、フォトリソグラフィ法を用いて開口部を形成し、電極551B(i,j)乃至電極551R(i,j)の一部を露出させる(
図17B参照)。
【0304】
《第3のステップ》
第3のステップにおいて、電極551B(i,j)および電極551G(i,j)上に層104を形成する。例えば、真空蒸着法を用いて、電極551B(i,j)および電極551G(i,j)上に、これらを覆うように形成する。なお、電極551R(i,j)も覆われる。
【0305】
《第4のステップ》
第4のステップにおいて、層104上にユニット103を形成する。例えば、真空蒸着法を用いて形成する。
【0306】
《第5のステップ》
第5のステップにおいて、ユニット103上に層106を形成する。例えば、真空蒸着法を用いて形成する。
【0307】
《第6のステップ》
第6のステップにおいて、層106上にユニット1032を形成する。例えば、真空蒸着法を用いて形成する。
【0308】
《第7のステップ》
第7のステップにおいて、ユニット1032上に電極552を形成する。例えば、真空蒸着法を用いて形成する(
図21A参照)。
【0309】
また、電極552上に絶縁膜573を形成し、絶縁膜573上に着色層CFB(j)、着色層CFG(j)並びに着色層CFR(j)をそれぞれ形成する(
図21B参照)。
【0310】
例えば、平坦な膜と緻密な膜を積層して絶縁膜573を形成する。具体的には、塗布法を用いて平坦な膜を形成し、化学気相成長法または原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)などを用いて緻密な膜を平坦な膜の上に積層する。これにより、欠陥の少ない良質な絶縁膜573を形成することができる。
【0311】
例えば、カラーレジストを用いて、着色層CFB(j)、着色層CFG(j)および着色層CFR(j)を所定の形状に形成する。なお、着色層CFG(j)を着色層CFB(j)から離れた位置に形成し、着色層CFG(j)および着色層CFB(j)の間に間隙CFS(j)を形成する。
【0312】
《第8のステップ》
第8のステップにおいて、層104、ユニット103、層106、ユニット1032、電極552および絶縁膜573を所定の形状に加工する(
図21C参照)。例えば、紙面と交差する方向に延びる帯状の形状に加工する。
【0313】
具体的には、着色層CFB(j)、着色層CFG(j)および着色層CFR(j)上に形成したレジストおよびエッチング法を用いて、間隙CFS(j)と重なる部分を除去する。または、着色層CFB(j)、着色層CFG(j)および着色層CFR(j)をレジストに用いてもよい。また、隔壁528をエッチングストッパーに用いることができる。
【0314】
層104は、層104B(j)、層104G(j)および層104R(j)に加工される。ユニット103は、ユニット103B(j)、ユニット103G(j)およびユニット103R(j)に加工される。層106は、中間層106B(j)、中間層106G(j)および中間層106R(j)に加工される。ユニット1032は、ユニット103B2(j)、ユニット103G2(j)およびユニット103R2(j)に加工される。電極552は、電極552B(j)、電極552G(j)および電極552R(j)に加工される。例えば、間隙104S(j)は、層104B(j)と層104G(j)の間の電気的な導通を妨げ、中間層106B(j)および中間層106G(j)の間の電気的な導通を妨げる。
【0315】
以上の工程により、発光デバイス550B(i,j)、発光デバイス550G(i,j)および発光デバイス550R(i,j)を分離して形成することができる。
【0316】
<表示パネルの製造方法の例3>
本発明の一態様の表示パネルの製造方法は、以下の第1のステップ乃至第6のステップを有する。例えば、
図16を用いて説明する本発明の一態様の表示パネル700を作製することができる。
【0317】
《第1のステップ》
第1のステップにおいて、電極551B(i,j)および電極551G(i,j)を形成する。また、電極551R(i,j)を形成する。例えば、基材510上に導電膜を形成し、フォトリソグラフィ法を用いて、所定の形状に加工する(
図17A参照)。
【0318】
《第2のステップ》
第2のステップにおいて、電極551B(i,j)および電極551G(i,j)の間、電極551G(i,j)および電極551R(i,j)の間に隔壁528を形成する。例えば、電極551B(i,j)乃至電極551R(i,j)を覆う絶縁膜を形成し、フォトリソグラフィ法を用いて開口部を形成し、電極551B(i,j)乃至電極551R(i,j)の一部を露出させる(
図17B参照)。
【0319】
《第3のステップ》
第3のステップにおいて、電極551B(i,j)および電極551G(i,j)上に層104、ユニット103および層106を、この順に形成する(
図22A参照)。例えば、真空蒸着法を用いて、電極551B(i,j)および電極551G(i,j)上に、これらを覆うように形成する。なお、電極551R(i,j)も覆われる。
【0320】
《第4のステップ》
第4のステップにおいて、層104、ユニット103および層106を所定の形状に加工する(
図22C参照)。例えば、電極551B(i,j)に重なる島状の形状と、電極551G(i,j)に重なる島状の形状に加工する。または、紙面と交差する方向に延びる帯状の形状に加工してもよい。また、電極551R(i,j)に重なる形状に加工する。
【0321】
具体的には、層104、ユニット103および層106上に形成したレジストRESおよびエッチング法を用いる(
図22B参照)。また、隔壁528をエッチングストッパーに用いることができる。
【0322】
層104は、層104B(i,j)、層104G(i,j)および層104R(i,j)に加工される。ユニット103は、ユニット103B(i,j)、ユニット103G(i,j)およびユニット103R(i,j)に加工される。層106は、中間層106B(i,j)、中間層106G(i,j)および中間層106R(i,j)に加工される。例えば、間隙104S(j)は、層104B(i,j)と層104G(i,j)の間の電気的な導通を妨げ、中間層106B(i,j)および中間層106G(i,j)の間の電気的な導通を妨げる。
【0323】
《第5のステップ》
第5のステップにおいて、ユニット1032、層105および電極552をこの順に形成する(
図23A参照)。例えば、真空蒸着法を用いて、中間層106B(i,j)、中間層106G(i,j)および中間層106R(i,j)を覆うように形成する。
【0324】
《第6のステップ》
第6のステップにおいて、絶縁膜573および着色層CFB(j)、着色層CFG(j)並びに着色層CFR(j)を形成する(
図23B参照)。
【0325】
例えば、平坦な膜と緻密な膜を積層して絶縁膜573を形成する。具体的には、塗布法を用いて平坦な膜を形成し、化学気相成長法または原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)などを用いて緻密な膜を平坦な膜の上に積層する。これにより、欠陥の少ない良質な絶縁膜573を形成することができる。
【0326】
例えば、カラーレジストを用いて、着色層CFB(j)、着色層CFG(j)および着色層CFR(j)を所定の形状に形成する。なお、隔壁528上で、着色層CFR(j)および着色層CFB(j)が重なるように加工する。これにより、隣接する発光デバイスが射出する光が回り込んでしまう現象を抑制できる。
【0327】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0328】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルに適用可能な発光デバイス150の構成について、
図24Aを参照しながら説明する。なお、発光デバイス150に用いることができる構成を、例えば、実施の形態1において説明する発光デバイス550B(i,j)、発光デバイス550G(i,j)または発光デバイス550R(i,j)に用いることができる。
【0329】
<発光デバイス150の構成例>
本実施の形態で説明する発光デバイス150は、電極101と、電極102と、ユニット103と、を有する。電極102は、電極101と重なる領域を備え、ユニット103は、電極101および電極102の間に挟まれる領域を備える。なお、ユニット103に用いることができる構成を、例えば、実施の形態1において説明するユニット103B(j)、ユニット103G(j)またはユニット103R(j)に用いることができる。
【0330】
<ユニット103の構成例>
ユニット103は単層構造または積層構造を備える。例えば、ユニット103は、層111、層112および層113を備える(
図24A参照)。ユニット103は光EL1を射出する機能を備える。
【0331】
層111は層112および層113の間に挟まれる領域を備え、層112は電極101および層111の間に挟まれる領域を備え、層113は電極102および層111の間に挟まれる領域を備える。
【0332】
例えば、発光層、正孔輸送層、電子輸送層、キャリアブロック層、などから選択した層を、ユニット103に用いることができる。また、正孔注入層、電子注入層、励起子ブロック層および電荷発生層などから選択した層を、ユニット103に用いることができる。
【0333】
《層112の構成例》
例えば、正孔輸送性を有する材料を、層112に用いることができる。また、層112を正孔輸送層ということができる。なお、層111に含まれる発光性の材料より大きいバンドギャップを備える材料を、層112に用いる構成が好ましい。これにより、層111において生じる励起子から層112へのエネルギー移動を、抑制することができる。
【0334】
[正孔輸送性を有する材料]
正孔移動度が、1×10-6cm2/Vs以上である材料を、正孔輸送性を有する材料に好適に用いることができる。
【0335】
例えば、アミン化合物またはπ電子過剰型複素芳香環骨格を有する有機化合物を、正孔輸送性を有する材料に用いることができる。具体的には、芳香族アミン骨格を有する化合物、カルバゾール骨格を有する化合物、チオフェン骨格を有する化合物、フラン骨格を有する化合物等を用いることができる。特に、芳香族アミン骨格を有する化合物またはカルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。
【0336】
《層113の構成例》
例えば、電子輸送性を有する材料、アントラセン骨格を有する材料および混合材料等を、層113に用いることができる。また、層113を電子輸送層ということができる。なお、層111に含まれる発光性の材料より大きいバンドギャップを有する材料を、層113に用いる構成が好ましい。これにより、層111において生じる励起子から層113へのエネルギー移動を、抑制することができる。
【0337】
[電子輸送性を有する材料]
例えば、金属錯体またはπ電子不足型複素芳香環骨格を有する有機化合物を、電子輸送性を有する材料に用いることができる。
【0338】
電界強度[V/cm]の平方根が600である条件において、電子移動度が1×10-7cm2/Vs以上、5×10-5cm2/Vs以下である材料を、電子輸送性を有する材料に好適に用いることができる。これにより、電子輸送層における電子の輸送性を制御することができる。または、発光層への電子の注入量を制御することができる。または、発光層が電子過多の状態になることを防ぐことができる。
【0339】
π電子不足型複素芳香環骨格を有する有機化合物としては、例えば、ポリアゾール骨格を有する複素環化合物、ジアジン骨格を有する複素環化合物、ピリジン骨格を有する複素環化合物、トリアジン骨格を有する複素環化合物等を用いることができる。特に、ジアジン骨格を有する複素環化合物またはピリジン骨格を有する複素環化合物は、信頼性が良好であり好ましい。また、ジアジン(ピリミジンまたはピラジン)骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧を低減することができる。
【0340】
[アントラセン骨格を有する材料]
アントラセン骨格を有する有機化合物を、層113に用いることができる。特に、アントラセン骨格と複素環骨格の両方を含む有機化合物を好適に用いることができる。
【0341】
例えば、アントラセン骨格と含窒素5員環骨格の両方を含む有機化合物を用いることができる。または、2つの複素原子を環に含む含窒素5員環骨格とアントラセン骨格の両方を含む有機化合物を用いることができる。具体的には、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、等を当該複素環骨格に好適に用いることができる。
【0342】
例えば、アントラセン骨格と含窒素6員環骨格の両方を含む有機化合物を用いることができる。または、2つの複素原子を環に含む含窒素6員環骨格とアントラセン骨格の両方を含む有機化合物を用いることができる。具体的には、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環等を当該複素環骨格に好適に用いることができる。
【0343】
[混合材料の構成例]
また、複数種の物質を混合した材料を、層113に用いることができる。具体的には、アルカリ金属、アルカリ金属化合物またはアルカリ金属錯体と、電子輸送性を有する物質とを含む混合材料を、層113に用いることができる。なお、電子輸送性を有する材料のHOMO準位が-6.0eV以上であるとより好ましい。
【0344】
なお、例えば、アクセプタ性を有する物質と正孔輸送性を有する材料の複合材料を層104に用いることができる。具体的には、アクセプタ性を有する物質と、-5.7eV以上-5.4eV以下の比較的深いHOMO準位HOMO1を有する物質との複合材料を、層104に用いることができる(
図24B参照)。このような複合材料を層104に用いる構成と組み合わせて、当該混合材料を層113に好適に用いることができる。これにより、発光デバイスの信頼性を向上することができる。
【0345】
また、当該混合材料を層113と、上記複合材料を層104に用いる構成に、さらに、正孔輸送性を有する材料を層112に用いる構成を組み合わせて、好適に用いることができる。例えば、上記比較的深いHOMO準位HOMO1に対して、-0.2eV以上0eV以下の範囲にHOMO準位HOMO2を有する物質を、層112に用いることができる(
図24B参照)。これにより、発光デバイスの信頼性を向上することができる。
【0346】
アルカリ金属、アルカリ金属化合物またはアルカリ金属錯体が、層113の厚さ方向において濃度差(0である場合も含む)をもって存在する構成が好ましい。
【0347】
例えば、8-ヒドロキシキノリナト構造を含む金属錯体を用いることができる。また、8-ヒドロキシキノリナト構造を含む金属錯体のメチル置換体(例えば2-メチル置換体または5-メチル置換体)等を用いることもできる。
【0348】
《層111の構成例1》
例えば、発光性の材料、または発光性の材料およびホスト材料を、層111に用いることができる。また、層111を発光層ということができる。なお、正孔と電子が再結合する領域に層111を配置する構成が好ましい。これにより、キャリアの再結合により生じるエネルギーを、効率よく光にして射出することができる。また、電極等に用いる金属から遠ざけて層111を配置する構成が好ましい。これにより、電極等に用いる金属による消光現象を抑制することができる。
【0349】
例えば、蛍光発光物質、りん光発光物質または熱活性化遅延蛍光TADF(Thermally Delayed Fluorescence)を示す物質(TADF材料ともいう)を、発光性の材料に用いることができる。これにより、キャリアの再結合により生じたエネルギーを、発光性の材料から光EL1として放出することができる(
図24A参照)。
【0350】
[蛍光発光物質]
蛍光発光物質を層111に用いることができる。例えば、以下に例示する蛍光発光物質を層111に用いることができる。なお、これに限定されず、さまざまな公知の蛍光性発光物質を層111に用いることができる。
【0351】
特に、1,6FLPAPrnまたは1,6mMemFLPAPrn、1,6BnfAPrn-03のようなピレンジアミン化合物に代表される縮合芳香族ジアミン化合物は、ホールトラップ性が高く、発光効率または信頼性に優れているため好ましい。
【0352】
[りん光発光物質]
りん光発光物質を層111に用いることができる。例えば、以下に例示するりん光発光物質を層111に用いることができる。なお、これに限定されず、さまざまな公知のりん光性発光物質を層111に用いることができる。
【0353】
例えば、4H-トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体、1H-トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体、イミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体、電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属イリジウム錯体、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体、ピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体、希土類金属錯体、白金錯体、等を層111に用いることができる。
【0354】
[熱活性化遅延蛍光(TADF)を示す物質]
TADF材料を層111に用いることができる。例えば、以下に例示するTADF材料を発光性の材料に用いることができる。なお、これに限定されず、さまざまな公知のTADF材料を、発光性の材料に用いることができる。
【0355】
TADF材料は、S1準位とT1準位との差が小さく、わずかな熱エネルギーによって三重項励起状態から一重項励起状態に逆項間交差(アップコンバート)できる。これにより、三重項励起状態から一重項励起状態を効率よく生成することができる。また、三重項励起エネルギーを発光に変換することができる。
【0356】
また、2種類の物質で励起状態を形成する励起錯体(エキサイプレックス、エキシプレックスまたはExciplexともいう)は、S1準位とT1準位との差が極めて小さく、三重項励起エネルギーを一重項励起エネルギーに変換することが可能なTADF材料としての機能を有する。
【0357】
なお、T1準位の指標としては、低温(例えば77Kから10K)で観測されるりん光スペクトルを用いればよい。TADF材料としては、その蛍光スペクトルの短波長側の裾において接線を引き、その外挿線の波長のエネルギーをS1準位とし、りん光スペクトルの短波長側の裾において接線を引き、その外挿線の波長のエネルギーをT1準位とした際に、そのS1とT1の差が0.3eV以下であることが好ましく、0.2eV以下であることがさらに好ましい。
【0358】
また、TADF材料を発光物質として用いる場合、ホスト材料のS1準位はTADF材料のS1準位より高い方が好ましい。また、ホスト材料のT1準位はTADF材料のT1準位より高いことが好ましい。
【0359】
例えば、フラーレン及びその誘導体、アクリジン及びその誘導体、エオシン誘導体等をTADF材料に用いることができる。また、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンをTADF材料に用いることができる。
【0360】
また、例えば、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環の一方または両方を有する複素環化合物をTADF材料に用いることができる。
【0361】
該複素環化合物は、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有するため、電子輸送性及び正孔輸送性が共に高く、好ましい。特に、π電子不足型複素芳香環を有する骨格のうち、ピリジン骨格、ジアジン骨格(ピリミジン骨格、ピラジン骨格、ピリダジン骨格)、およびトリアジン骨格は、安定で信頼性が良好なため好ましい。特に、ベンゾフロピリミジン骨格、ベンゾチエノピリミジン骨格、ベンゾフロピラジン骨格、ベンゾチエノピラジン骨格はアクセプタ性が高く、信頼性が良好なため好ましい。
【0362】
また、π電子過剰型複素芳香環を有する骨格の中でも、アクリジン骨格、フェノキサジン骨格、フェノチアジン骨格、フラン骨格、チオフェン骨格、及びピロール骨格は、安定で信頼性が良好なため、当該骨格の少なくとも一を有することが好ましい。なお、フラン骨格としてはジベンゾフラン骨格が、チオフェン骨格としてはジベンゾチオフェン骨格が、それぞれ好ましい。また、ピロール骨格としては、インドール骨格、カルバゾール骨格、インドロカルバゾール骨格、ビカルバゾール骨格、3-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H-カルバゾール骨格が特に好ましい。
【0363】
なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環の電子供与性とπ電子不足型複素芳香環の電子受容性が共に強くなり、S1準位とT1準位のエネルギー差が小さくなるため、熱活性化遅延蛍光を効率よく得られることから特に好ましい。なお、π電子不足型複素芳香環の代わりに、シアノ基のような電子吸引基が結合した芳香環を用いても良い。また、π電子過剰型骨格として、芳香族アミン骨格、フェナジン骨格等を用いることができる。
【0364】
また、π電子不足型骨格として、キサンテン骨格、チオキサンテンジオキサイド骨格、オキサジアゾール骨格、トリアゾール骨格、イミダゾール骨格、アントラキノン骨格、フェニルボランまたはボラントレン等の含ホウ素骨格、ベンゾニトリルまたはシアノベンゼン等のニトリル基またはシアノ基を有する芳香環または複素芳香環、ベンゾフェノン等のカルボニル骨格、ホスフィンオキシド骨格、スルホン骨格等を用いることができる。
【0365】
このように、π電子不足型複素芳香環およびπ電子過剰型複素芳香環の少なくとも一方の代わりにπ電子不足型骨格およびπ電子過剰型骨格を用いることができる。
【0366】
《層111の構成例2》
キャリア輸送性を備える材料をホスト材料に用いることができる。例えば、正孔輸送性を有する材料、電子輸送性を有する材料、熱活性化遅延蛍光TADF(Thermally Delayed Fluorescence)を示す物質、アントラセン骨格を有する材料および混合材料等をホスト材料に用いることができる。なお、層111に含まれる発光性の材料より大きいバンドギャップを備える材料を、ホスト材料に用いる構成が好ましい。これにより、層111において生じる励起子からホスト材料へのエネルギー移動を、抑制することができる。
【0367】
[正孔輸送性を有する材料]
正孔移動度が、1×10-6cm2/Vs以上である材料を、正孔輸送性を有する材料に好適に用いることができる。
【0368】
例えば、層112に用いることができる正孔輸送性を有する材料を、層111に用いることができる。具体的には、正孔輸送層に用いることができる正孔輸送性を有する材料を、層111に用いることができる。
【0369】
[電子輸送性を有する材料]
例えば、層113に用いることができる電子輸送性を有する材料を、層111に用いることができる。具体的には、電子輸送層に用いることができる電子輸送性を有する材料を、層111に用いることができる。
【0370】
[アントラセン骨格を有する材料]
アントラセン骨格を有する有機化合物を、ホスト材料に用いることができる。特に、発光物質に蛍光発光物質を用いる場合において、アントラセン骨格を有する有機化合物は好適である。これにより、発光効率および耐久性が良好な発光デバイスを実現することができる。
【0371】
アントラセン骨格を有する有機化合物としては、ジフェニルアントラセン骨格、特に9,10-ジフェニルアントラセン骨格を有する有機化合物が化学的に安定であるため好ましい。また、ホスト材料がカルバゾール骨格を有する場合、正孔の注入・輸送性が高まるため好ましい。特に、ホスト材料がジベンゾカルバゾール骨格を含む場合、カルバゾールよりもHOMO準位が0.1eV程度浅くなり、正孔が入りやすくなる上に、正孔輸送性にも優れ、耐熱性も高くなるため好適である。なお、正孔注入・輸送性の観点から、カルバゾール骨格に換えて、ベンゾフルオレン骨格またはジベンゾフルオレン骨格を用いてもよい。
【0372】
したがって、9,10-ジフェニルアントラセン骨格およびカルバゾール骨格を共に有する物質、9,10-ジフェニルアントラセン骨格およびベンゾカルバゾール骨格を共に有する物質、9,10-ジフェニルアントラセン骨格およびジベンゾカルバゾール骨格を共に有する物質は、ホスト材料として好ましい。
【0373】
[熱活性化遅延蛍光(TADF)を示す物質]
TADF材料をホスト材料に用いることができる。TADF材料をホスト材料に用いると、TADF材料で生成した三重項励起エネルギーを、逆項間交差によって一重項励起エネルギーに変換することができる。さらに、励起エネルギーを発光物質に移動することができる。換言すれば、TADF材料はエネルギードナーとして機能し、発光物質はエネルギーアクセプターとして機能する。これにより、発光デバイスの発光効率を高めることができる。
【0374】
これは、上記発光物質が蛍光発光物質である場合に、非常に有効である。また、このとき、高い発光効率を得るためには、TADF材料のS1準位は、蛍光発光物質のS1準位より高いことが好ましい。また、TADF材料のT1準位は、蛍光発光物質のS1準位より高いことが好ましい。したがって、TADF材料のT1準位は、蛍光発光物質のT1準位より高いことが好ましい。
【0375】
また、蛍光発光物質の最も低エネルギー側の吸収帯の波長と重なるような発光を呈するTADF材料を用いることが好ましい。そうすることで、TADF材料から蛍光発光物質への励起エネルギーの移動がスムーズとなり、効率よく発光が得られるため、好ましい。
【0376】
また、効率よく三重項励起エネルギーから逆項間交差によって一重項励起エネルギーが生成されるためには、TADF材料でキャリア再結合が生じることが好ましい。また、TADF材料で生成した三重項励起エネルギーが蛍光発光物質の三重項励起エネルギーに移動しないことが好ましい。そのためには、蛍光発光物質は、蛍光発光物質が有する発光団(発光の原因となる骨格)の周囲に保護基を有すると好ましい。該保護基としては、π結合を有さない置換基が好ましく、飽和炭化水素が好ましく、具体的には炭素数3以上10以下のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3以上10以下のシクロアルキル基、炭素数3以上10以下のトリアルキルシリル基が挙げられ、保護基が複数あるとさらに好ましい。π結合を有さない置換基は、キャリアを輸送する機能に乏しいため、キャリア輸送またはキャリア再結合に影響をほとんど与えずに、TADF材料と蛍光発光物質の発光団との距離を遠ざけることができる。
【0377】
ここで、発光団とは、蛍光発光物質において発光の原因となる原子団(骨格)を指す。発光団は、π結合を有する骨格が好ましく、芳香環を含むことが好ましく、縮合芳香環または縮合複素芳香環を有すると好ましい。
【0378】
縮合芳香環または縮合複素芳香環としては、フェナントレン骨格、スチルベン骨格、アクリドン骨格、フェノキサジン骨格、フェノチアジン骨格等が挙げられる。特に、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、フルオレン骨格、クリセン骨格、トリフェニレン骨格、テトラセン骨格、ピレン骨格、ペリレン骨格、クマリン骨格、キナクリドン骨格、ナフトビスベンゾフラン骨格を有する蛍光発光物質は蛍光量子収率が高いため好ましい。
【0379】
例えば、発光性の材料に用いることができるTADF材料を、ホスト材料に用いることができる。
【0380】
[混合材料の構成例1]
また、複数種の物質を混合した材料を、ホスト材料に用いることができる。例えば、電子輸送性を有する材料と正孔輸送性を有する材料を、混合材料に用いることができる。混合材料に含まれる正孔輸送性を有する材料と電子輸送性を有する材料の重量比の値は、(正孔輸送性を有する材料/電子輸送性を有する材料)=(1/19)以上(19/1)以下とすればよい。これにより、層111のキャリア輸送性を容易に調整することができる。また、再結合領域の制御も簡便に行うことができる。
【0381】
[混合材料の構成例2]
りん光発光物質を混合した材料を、ホスト材料に用いることができる。りん光発光物質は、発光物質として蛍光発光物質を用いる際に蛍光発光物質へ励起エネルギーを供与するエネルギードナーとして用いることができる。
【0382】
励起錯体を形成する材料を含む混合材料を、ホスト材料に用いることができる。例えば、形成される励起錯体の発光スペクトルが、発光物質の最も低エネルギー側の吸収帯の波長と重なる材料を、ホスト材料に用いることができる。これにより、エネルギー移動がスムーズとなり、発光効率を向上することができる。または、駆動電圧を抑制することができる。
【0383】
励起錯体を形成する材料の少なくとも一方に、りん光発光物質を用いることができる。これにより、逆項間交差を利用することができる。または、三重項励起エネルギーを効率よく一重項励起エネルギーへ変換することができる。
【0384】
励起錯体を形成する材料の組み合わせとしては、正孔輸送性を有する材料のHOMO準位が電子輸送性を有する材料のHOMO準位以上であると好ましい。または、正孔輸送性を有する材料のLUMO準位が電子輸送性を有する材料のLUMO準位以上であると好ましい。これにより、効率よく励起錯体を形成することができる。なお、材料のLUMO準位およびHOMO準位は、電気化学特性(還元電位および酸化電位)から導出することができる。具体的には、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定法を用いて、還元電位および酸化電位を測定することができる。
【0385】
なお、励起錯体の形成は、例えば正孔輸送性を有する材料の発光スペクトル、電子輸送性を有する材料の発光スペクトル、およびこれら材料を混合した混合膜の発光スペクトルを比較し、混合膜の発光スペクトルが、各材料の発光スペクトルよりも長波長シフトする(あるいは長波長側に新たなピークを持つ)現象を観測することにより確認することができる。あるいは、正孔輸送性を有する材料の過渡フォトルミネッセンス(PL)、電子輸送性を有する材料の過渡PL、及びこれら材料を混合した混合膜の過渡PLを比較し、混合膜の過渡PL寿命が、各材料の過渡PL寿命よりも長寿命成分を有する、あるいは遅延成分の割合が大きくなるなどの過渡応答の違いを観測することにより、確認することができる。また、上述の過渡PLは過渡エレクトロルミネッセンス(EL)と読み替えても構わない。すなわち、正孔輸送性を有する材料の過渡EL、電子輸送性を有する材料の過渡EL及びこれらの混合膜の過渡ELを比較し、過渡応答の違いを観測することによっても、励起錯体の形成を確認することができる。
【0386】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0387】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルに適用可能な発光デバイス150の構成について、
図24Aを参照しながら説明する。なお、発光デバイス150に用いることができる構成を、例えば、実施の形態1において説明する発光デバイス550B(i,j)、発光デバイス550G(i,j)または発光デバイス550R(i,j)に用いることができる。
【0388】
<発光デバイス150の構成例>
本実施の形態で説明する発光デバイス150は、電極101と、電極102と、ユニット103と、層104と、を有する。電極102は、電極101と重なる領域を備え、ユニット103は、電極101および電極102の間に挟まれる領域を備える。また、層104は、電極101およびユニット103の間に挟まれる領域を備える。なお、電極101に用いることができる構成を、例えば、実施の形態1において説明する電極551B(i,j)、電極551G(i,j)または電極551R(i,j)に用いることができる。また、層104に用いることができる構成を、例えば、実施の形態1において説明する層104B(j)、層104G(j)または層104R(j)に用いることができる。
【0389】
<電極101の構成例>
例えば、導電性材料を電極101に用いることができる。具体的には、金属、合金、導電性化合物およびこれらの混合物などを、電極101に用いることができる。例えば、4.0eV以上の仕事関数を備える材料を好適に用いることができる。
【0390】
例えば、酸化インジウム-酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、ケイ素若しくは酸化ケイ素を含有した酸化インジウム-酸化スズ、酸化インジウム-酸化亜鉛、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等を用いることができる。
【0391】
また、例えば、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等を用いることができる。または、グラフェンを用いることができる。
【0392】
《層104の構成例1》
例えば、正孔注入性を有する材料を、層104に用いることができる。また、層104を正孔注入層ということができる。
【0393】
例えば、正孔移動度が、電界強度[V/cm]の平方根が600であるときに、1×10-3cm/Vs以下である材料を層104に用いることができる。また、1×104[Ω・cm]以上1×107[Ω・cm]以下の抵抗率を備える膜を、層104に用いることができる。また、好ましくは、層104は、5×104[Ω・cm]以上1×107[Ω・cm]以下の抵抗率を備え、より好ましくは、1×105[Ω・cm]以上1×107[Ω・cm]以下の抵抗率を備える。
【0394】
《層104の構成例2》
具体的には、アクセプタ性を有する物質を、層104に用いることができる。または、複数種の物質を含む複合材料を、層104に用いることができる。これにより、正孔を、例えば、電極101から注入しやすくすることができる。または、発光デバイス150の駆動電圧を小さくすることができる。
【0395】
[アクセプタ性を有する物質]
有機化合物および無機化合物を、アクセプタ性を有する物質に用いることができる。アクセプタ性を有する物質は、電界の印加により、隣接する正孔輸送層あるいは正孔輸送性を有する材料から電子を引き抜くことができる。
【0396】
例えば、電子吸引基(ハロゲン基またはシアノ基)を有する化合物を、アクセプタ性を有する物質に用いることができる。なお、アクセプタ性を有する有機化合物は蒸着が容易で成膜がしやすい。これにより、発光デバイス150の生産性を高めることができる。
【0397】
具体的には、7,7,8,8-テトラシアノ-2,3,5,6-テトラフルオロキノジメタン(略称:F4-TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11-ヘキサシアノ-1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT-CN)、1,3,4,5,7,8-ヘキサフルオロテトラシアノ-ナフトキノジメタン(略称:F6-TCNNQ)、2-(7-ジシアノメチレン-1,3,4,5,6,8,9,10-オクタフルオロ-7H-ピレン-2-イリデン)マロノニトリル、等を用いることができる。
【0398】
特に、HAT-CNのように複素原子を複数有する縮合芳香環に電子吸引基が結合している化合物が、熱的に安定であり好ましい。
【0399】
また、電子吸引基(特にフルオロ基のようなハロゲン基またはシアノ基)を有する[3]ラジアレン誘導体は、電子受容性が非常に高いため好ましい。
【0400】
具体的には、α,α’,α’’-1,2,3-シクロプロパントリイリデントリス[4-シアノ-2,3,5,6-テトラフルオロベンゼンアセトニトリル]、α,α’,α’’-1,2,3-シクロプロパントリイリデントリス[2,6-ジクロロ-3,5-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンアセトニトリル]、α,α’,α’’-1,2,3-シクロプロパントリイリデントリス[2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゼンアセトニトリル]、等を用いることができる。
【0401】
また、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を、アクセプタ性を有する物質に用いることができる。
【0402】
また、フタロシアニン(略称:H2Pc)、銅フタロシアニン(CuPc)等のフタロシアニン系の錯体化合物、4,4’-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’-ビス{4-[ビス(3-メチルフェニル)アミノ]フェニル}-N,N’-ジフェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(略称:DNTPD)等の芳香族アミン骨格を有する化合物を用いることができる。
【0403】
また、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等の高分子等を用いることができる。
【0404】
[複合材料の構成例1]
また、例えば、アクセプタ性を有する物質と正孔輸送性を有する材料を含む複合材料を層104に用いることができる。これにより、仕事関数が大きい材料だけでなく、仕事関数の小さい材料を電極101に用いることができる。または、仕事関数に依らず、広い範囲の材料から、電極101に用いる材料を選ぶことができる。
【0405】
例えば、芳香族アミン骨格を有する化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、ビニル基を有している芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)などを、複合材料の正孔輸送性を有する材料に用いることができる。また、正孔移動度が、1×10-6cm2/Vs以上である材料を、複合材料の正孔輸送性を有する材料に好適に用いることができる。
【0406】
また、比較的深いHOMO準位を有する物質を、複合材料の正孔輸送性を有する材料に好適に用いることができる。具体的には、HOMO準位が-5.7eV以上-5.4eV以下であると好ましい。これにより、ユニット103への正孔の注入を容易にすることができる。また、層112への正孔の注入を容易にすることができる。また、発光デバイス150の信頼性を向上することができる。
【0407】
芳香族アミン骨格を有する化合物としては、例えば、N,N’-ジ(p-トリル)-N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’-ビス{4-[ビス(3-メチルフェニル)アミノ]フェニル}-N,N’-ジフェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5-トリス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、等を用いることができる。
【0408】
カルバゾール誘導体としては、例えば、3-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6-ビス[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3-[N-(1-ナフチル)-N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、4,4’-ジ(N-カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5-トリス[4-(N-カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9-[4-(10-フェニル-9-アントラセニル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CzPA)、1,4-ビス[4-(N-カルバゾリル)フェニル]-2,3,5,6-テトラフェニルベンゼン、等を用いることができる。
【0409】
芳香族炭化水素としては、例えば、2-tert-ブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:t-BuDNA)、2-tert-ブチル-9,10-ジ(1-ナフチル)アントラセン、9,10-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2-tert-ブチル-9,10-ビス(4-フェニルフェニル)アントラセン(略称:t-BuDBA)、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10-ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2-tert-ブチルアントラセン(略称:t-BuAnth)、9,10-ビス(4-メチル-1-ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2-tert-ブチル-9,10-ビス[2-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10-ビス[2-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7-テトラメチル-9,10-ジ(1-ナフチル)アントラセン、2,3,6,7-テトラメチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン、9,9’-ビアントリル、10,10’-ジフェニル-9,9’-ビアントリル、10,10’-ビス(2-フェニルフェニル)-9,9’-ビアントリル、10,10’-ビス[(2,3,4,5,6-ペンタフェニル)フェニル]-9,9’-ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11-テトラ(tert-ブチル)ペリレン、ペンタセン、コロネン、等を用いることができる。
【0410】
ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’-ビス(2,2-ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10-ビス[4-(2,2-ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)、等を用いることができる。
【0411】
高分子化合物としては、例えば、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N-(4-{N’-[4-(4-ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル-N’-フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’-ビス(4-ブチルフェニル)-N,N’-ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly-TPD)、等を用いることができる。
【0412】
また、例えば、カルバゾール骨格、ジベンゾフラン骨格、ジベンゾチオフェン骨格およびアントラセン骨格のいずれかを備える物質を、複合材料の正孔輸送性を有する材料に好適に用いることができる。また、ジベンゾフラン環またはジベンゾチオフェン環を含む置換基を有する芳香族アミン、ナフタレン環を有する芳香族モノアミン、または9-フルオレニル基がアリーレン基を介してアミンの窒素に結合する芳香族モノアミンを備える物質を、複合材料の正孔輸送性を有する材料に用いることができる。なお、N,N-ビス(4-ビフェニル)アミノ基を有する物質を用いると、発光デバイス150の信頼性を向上することができる。
【0413】
これらの材料としては、例えば、N-(4-ビフェニル)-6,N-ジフェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-アミン(略称:BnfABP)、N,N-ビス(4-ビフェニル)-6-フェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-アミン(略称:BBABnf)、4,4’-ビス(6-フェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-イル)-4’’-フェニルトリフェニルアミン(略称:BnfBB1BP)、N,N-ビス(4-ビフェニル)ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-6-アミン(略称:BBABnf(6))、N,N-ビス(4-ビフェニル)ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-アミン(略称:BBABnf(8))、N,N-ビス(4-ビフェニル)ベンゾ[b]ナフト[2,3-d]フラン-4-アミン(略称:BBABnf(II)(4))、N,N-ビス[4-(ジベンゾフラン-4-イル)フェニル]-4-アミノ-p-ターフェニル(略称:DBfBB1TP)、N-[4-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]-N-フェニル-4-ビフェニルアミン(略称:ThBA1BP)、4-(2-ナフチル)-4’,4’’-ジフェニルトリフェニルアミン(略称:BBAβNB)、4-[4-(2-ナフチル)フェニル]-4’,4’’-ジフェニルトリフェニルアミン(略称:BBAβNBi)、4,4’-ジフェニル-4’’-(6;1’-ビナフチル-2-イル)トリフェニルアミン(略称:BBAαNβNB)、4,4’-ジフェニル-4’’-(7;1’-ビナフチル-2-イル)トリフェニルアミン(略称:BBAαNβNB-03)、4,4’-ジフェニル-4’’-(7-フェニル)ナフチル-2-イルトリフェニルアミン(略称:BBAPβNB-03)、4,4’-ジフェニル-4’’-(6;2’-ビナフチル-2-イル)トリフェニルアミン(略称:BBA(βN2)B)、4,4’-ジフェニル-4’’-(7;2’-ビナフチル-2-イル)トリフェニルアミン(略称:BBA(βN2)B-03)、4,4’-ジフェニル-4’’-(4;2’-ビナフチル-1-イル)トリフェニルアミン(略称:BBAβNαNB)、4,4’-ジフェニル-4’’-(5;2’-ビナフチル-1-イル)トリフェニルアミン(略称:BBAβNαNB-02)、4-(4-ビフェニリル)-4’-(2-ナフチル)-4’’-フェニルトリフェニルアミン(略称:TPBiAβNB)、4-(3-ビフェニリル)-4’-[4-(2-ナフチル)フェニル]-4’’-フェニルトリフェニルアミン(略称:mTPBiAβNBi)、4-(4-ビフェニリル)-4’-[4-(2-ナフチル)フェニル]-4’’-フェニルトリフェニルアミン(略称:TPBiAβNBi)、4-フェニル-4’-(1-ナフチル)トリフェニルアミン(略称:αNBA1BP)、4,4’-ビス(1-ナフチル)トリフェニルアミン(略称:αNBB1BP)、4,4’-ジフェニル-4’’-[4’-(カルバゾール-9-イル)ビフェニル-4-イル]トリフェニルアミン(略称:YGTBi1BP)、4’-[4-(3-フェニル-9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]トリス(1,1’-ビフェニル-4-イル)アミン(略称:YGTBi1BP-02)、4-ジフェニル-4’-(2-ナフチル)-4’’-{9-(4-ビフェニリル)カルバゾール)}トリフェニルアミン(略称:YGTBiβNB)、N-[4-(9-フェニル-9Hカルバゾール-3-イル)フェニル]-N-[4-(1-ナフチル)フェニル]-9,9’-スピロビ(9H-フルオレン)-2-アミン(略称:PCBNBSF)、N,N-ビス(4-ビフェニリル)-9,9’-スピロビ[9H-フルオレン]-2-アミン(略称:BBASF)、N,N-ビス(1,1’-ビフェニル-4-イル)-9,9’-スピロビ[9H-フルオレン]-4-アミン(略称:BBASF(4))、N-(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ(9H-フルオレン)-4-アミン(略称:oFBiSF)、N-(4-ビフェニル)-N-(ジベンゾフラン-4-イル)-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:FrBiF)、N-[4-(1-ナフチル)フェニル]-N-[3-(6-フェニルジベンゾフラン-4-イル)フェニル]-1-ナフチルアミン(略称:mPDBfBNBN)、4-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4-フェニル-3’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、4-フェニル-4’-[4-(9-フェニルフルオレン-9-イル)フェニル]トリフェニルアミン(略称:BPAFLBi)、4-フェニル-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’-ジフェニル-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4-(1-ナフチル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’-ジ(1-ナフチル)-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-アミン(略称:PCBASF)、N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:PCBBiF)、N,N-ビス(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ-9H-フルオレン-4-アミン、N,N-ビス(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ-9H-フルオレン-3-アミン、N,N-ビス(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ-9H-フルオレン-2-アミン、N,N-ビス(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9,9’-スピロビ-9H-フルオレン-1-アミン、等を用いることができる。
【0414】
[複合材料の構成例2]
例えば、アクセプタ性を有する物質と、正孔輸送性を有する材料と、アルカリ金属のフッ化物またはアルカリ土類金属のフッ化物とを、含む複合材料を、正孔注入性を有する材料に用いることができる。特に、原子比率において、フッ素原子が20%以上である複合材料を好適に用いることができる。これにより、層104の屈折率を低下することができる。または、発光デバイス150の内部に屈折率の低い層を形成することができる。または、発光デバイス150の外部量子効率を向上することができる。
【0415】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0416】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルに適用可能な発光デバイス150の構成について、
図24Aを参照しながら説明する。なお、発光デバイス150に用いることができる構成を、例えば、実施の形態1において説明する発光デバイス550B(i,j)、発光デバイス550G(i,j)または発光デバイス550R(i,j)に用いることができる。
【0417】
<発光デバイス150の構成例>
本実施の形態で説明する発光デバイス150は、電極101と、電極102と、ユニット103と、層105と、を有する。電極102は、電極101と重なる領域を備え、ユニット103は、電極101および電極102の間に挟まれる領域を備える。また、層105は、ユニット103および電極102の間に挟まれる領域を備える。なお、例えば、実施の形態3において説明する構成を、ユニット103に用いることができる。また、電極102に用いることができる構成を、例えば、実施の形態1において説明する電極552B(j)、電極552G(j)または電極552R(j)に用いることができる。また、層105に用いることができる材料を、例えば、実施の形態1において説明する層105B(j)、層105G(j)または層105R(j)に用いることができる。
【0418】
<電極102の構成例>
例えば、導電性材料を電極102に用いることができる。具体的には、金属、合金、導電性化合物およびこれらの混合物などを、電極102に用いることができる。例えば、電極101より仕事関数が小さい材料を電極102に好適に用いることができる。具体的には、仕事関数が3.8eV以下である材料が好ましい。
【0419】
例えば、元素周期表の第1族に属する元素、元素周期表の第2族に属する元素、希土類金属およびこれらを含む合金を、電極102に用いることができる。
【0420】
具体的には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)等、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)を、電極102に用いることができる。
【0421】
《層105の構成例》
例えば、電子注入性を有する材料を、層105に用いることができる。また、層105を電子注入層ということができる。
【0422】
具体的には、ドナー性を有する物質を、層105に用いることができる。または、ドナー性を有する物質と電子輸送性を有する材料を複合した材料を、層105に用いることができる。または、エレクトライドを、層105に用いることができる。これにより、電子を、例えば、電極102から注入しやすくすることができる。または、仕事関数が小さい材料だけでなく、仕事関数の大きい材料を電極102に用いることができる。または、仕事関数に依らず、広い範囲の材料から、電極102に用いる材料を選ぶことができる。具体的には、Al、Ag、ITO、ケイ素または酸化ケイ素を含有した酸化インジウム-酸化スズなどを、電極102に用いることができる。または、発光デバイスの駆動電圧を小さくすることができる。
【0423】
[ドナー性を有する物質]
例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属またはこれらの化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩等)を、ドナー性を有する物質に用いることができる。または、テトラチアナフタセン(略称:TTN)、ニッケロセン、デカメチルニッケロセン等の有機化合物を、ドナー性を有する物質に用いることもできる。
【0424】
[複合材料の構成例1]
また、複数種の物質を複合した材料を、電子注入性を有する材料に用いることができる。例えば、ドナー性を有する物質と電子輸送性を有する材料を、複合材料に用いることができる。
【0425】
[電子輸送性を有する材料]
例えば、金属錯体またはπ電子不足型複素芳香環骨格を有する有機化合物を、電子輸送性を有する材料に用いることができる。
【0426】
例えば、ユニット103に用いることができる電子輸送性を有する材料を、複合材料に用いることができる。
【0427】
[複合材料の構成例2]
また、微結晶状態のアルカリ金属のフッ化物と電子輸送性を有する材料を、複合材料に用いることができる。または、微結晶状態のアルカリ土類金属のフッ化物と電子輸送性を有する材料を、複合材料に用いることができる。特に、アルカリ金属のフッ化物またはアルカリ土類金属のフッ化物を50wt%以上含む複合材料を好適に用いることができる。または、ビピリジン骨格を有する有機化合物を含む複合材料を好適に用いることができる。これにより、層105の屈折率を低下することができる。または、発光デバイスの外部量子効率を向上することができる。
【0428】
[エレクトライド]
例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等を、電子注入性を有する材料に用いることができる。
【0429】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0430】
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルに適用可能な発光デバイス150の構成について、
図25Aを参照しながら説明する。
【0431】
図25Aは本発明の一態様の表示パネルに適用可能な発光デバイスの構成を説明する断面図である。
【0432】
<発光デバイス150の構成例>
また、本実施の形態で説明する発光デバイス150は、電極101と、電極102と、ユニット103と、層106と、を有する(
図25A参照)。電極102は、電極101と重なる領域を備え、ユニット103は、電極101および電極102の間に挟まれる領域を備える。層106は、ユニット103および電極102の間に挟まれる領域を備える。
【0433】
《層106の構成例》
層106は、層106(1)および層106(2)を備える。層106(2)は、層106(1)および電極102の間に挟まれる領域を備える。
【0434】
《層106(1)の構成例》
例えば、電子輸送性を有する材料を層106(1)に用いることができる。また、層106(1)を電子リレー層ということができる。層106(1)を用いると、層106(1)の陽極側に接する層を、層106(1)の陰極側に接する層から遠ざけることができる。層106(1)の陽極側に接する層と、層106(1)の陰極側に接する層の間の相互作用を軽減することができる。層106(1)の陽極側に接する層に電子をスムーズに供給することができる。
【0435】
層106(1)の陽極側に接する層に含まれるアクセプタ性を有する物質のLUMO準位と、層106(1)の陰極側と接する層に含まれる物質のLUMO準位の間に、LUMO準位を備える物質を、層106(1)に好適に用いることができる。
【0436】
例えば、-5.0eV以上、好ましくは-5.0eV以上-3.0eV以下の範囲にLUMO準位を備える材料を、層106(1)に用いることができる。
【0437】
具体的には、フタロシアニン系の材料を層106(1)に用いることができる。または、金属-酸素結合および芳香族配位子を有する金属錯体を層106(1)に用いることができる。
【0438】
《層106(2)の構成例》
例えば、電圧を加えることにより、陽極側に電子を供給し、陰極側に正孔を供給する材料を、層106(2)に用いることができる。具体的には、陽極側に配置されるユニット103に電子を供給することができる。また、層106(2)を電荷発生層ということができる。
【0439】
具体的には、層104に用いることができる正孔注入性を有する材料を層106(2)に用いることができる。例えば、複合材料を層106(2)に用いることができる。または、例えば、当該複合材料を含む膜と、正孔輸送性を有する材料を含む膜を積層した積層膜を、層106(2)に用いることができる。
【0440】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0441】
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示パネルに適用可能な発光デバイス150の構成について、
図25Bおよび
図29を参照しながら説明する。
【0442】
図25Bは、
図25Aに図示する構成とは異なる構成を備える本発明の一態様の表示パネルに適用可能な発光デバイスの構成を説明する断面図である。
【0443】
図29は、
図25Bに図示する構成とは異なる構成を備える本発明の一態様の表示パネルに適用可能な発光デバイスの構成を説明する断面図である。
【0444】
<発光デバイス150の構成例1>
本実施の形態で説明する発光デバイス150は、電極101と、電極102と、ユニット103と、層106と、ユニット103(12)と、を有する(
図25B参照)。電極102は、電極101と重なる領域を備え、ユニット103は、電極101および電極102の間に挟まれる領域を備え、層106は、ユニット103および電極102の間に挟まれる領域を備える。また、ユニット103(12)は、層106および電極102の間に挟まれる領域を備え、ユニット103(12)は、光EL1(2)を射出する機能を備える。
【0445】
なお、層106および複数のユニットを備える構成を、積層型の発光デバイスまたはタンデム型の発光デバイスという場合がある。これにより、電流密度を低く保ったまま、高輝度の発光を得ることができる。または、信頼性を向上することができる。または、同一の輝度で比較して駆動電圧を低減することができる。または、消費電力を抑制することができる。
【0446】
《ユニット103(12)の構成例》
ユニット103に用いることができる構成を、ユニット103(12)に用いることができる。言い換えると、発光デバイス150は、積層された複数のユニットを有する。なお、積層された複数のユニットの数は2に限られず、3以上のユニットを積層することができる。
【0447】
ユニット103と同一の構成をユニット103(12)に用いることができる。または、ユニット103とは異なる構成をユニット103(12)に用いることができる。
【0448】
例えば、ユニット103の発光色とは発光色が異なる構成を、ユニット103(12)に用いることができる。具体的には、赤色の光および緑色の光を射出するユニット103と、青色の光を射出するユニット103(12)を用いることができる。これにより、所望の色の光を射出する発光デバイスを提供することができる。例えば、白色の光を射出する発光デバイスを提供することができる。
【0449】
《層106の構成例》
層106は、ユニット103またはユニット103(12)の一方に電子を供給し、他方に正孔を供給する機能を備える。例えば、実施の形態6で説明する層106を用いることができる。
【0450】
<発光デバイス150の構成例2>
本実施の形態で説明する発光デバイス150は、電極101と、電極102と、ユニット103と、層106と、ユニット103(12)と、ユニット103(13)と、層105(12)と、層105(13)と、層106(13)とを有する(
図29参照)。
【0451】
なお、層106およびユニット103(12)の間に、ユニット103(13)、層105(13)および層106(13)を備える点が、
図25Bを用いて説明する発光デバイス150とは異なる。
【0452】
層111は光EL1を射出する機能を備え、層111(12)は光EL1(2)を射出する機能を備え、層111(13)は光EL1(3)を射出する機能を備え、層111(14)は光EL1(4)を射出する機能を備える。
【0453】
例えば、青色の光を発する発光性の材料を層111および層111(12)に用いることができる。また、例えば、黄色の光を発する発光性の材料を層111(13)に用いることができる。また、例えば、赤色の光を発する発光性の材料を層111(14)に用いることができる。
【0454】
例えば、ユニット103に用いることができる構成をユニット103(13)に用いることができ、層105に用いることができる構成を層105(12)および層105(13)に用いることができ、層106に用いることができる構成を層106(13)に用いることができる。
【0455】
<発光デバイス150の製造方法>
例えば、乾式法、湿式法、蒸着法、液滴吐出法、塗布法または印刷法等を用いて、電極101、電極102、ユニット103、層106、およびユニット103(12)の各層を形成することができる。また、異なる方法を各構成の形成に用いることができる。
【0456】
具体的には、真空蒸着装置、インクジェット装置、スピンコーターなどのコーティング装置、グラビア印刷装置、オフセット印刷装置、スクリーン印刷装置などを用いて発光デバイス150を作製することができる。
【0457】
例えば、金属材料のペーストを用いる湿式法またはゾル-ゲル法を用いて、電極を形成することができる。また、酸化インジウムに対し1wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いて、スパッタリング法により、酸化インジウム-酸化亜鉛膜を形成することができる。また、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5wt%以上5wt%以下、酸化亜鉛を0.1wt%以上1wt%以下含有したターゲットを用いて、スパッタリング法により酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)膜を形成することができる。
【0458】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0459】
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様の情報処理装置の構成について、
図26乃至
図28を参照しながら説明する。
【0460】
【0461】
<情報処理装置>
本実施の形態で説明する情報処理装置5200Bは、演算装置5210と、入出力装置5220と、を有する(
図26A参照)。
【0462】
演算装置5210は、操作情報を供給される機能を備え、操作情報に基づいて画像情報を供給する機能を備える。
【0463】
入出力装置5220は、表示部5230、入力部5240、検知部5250、通信部5290、操作情報を供給する機能および画像情報を供給される機能を備える。また、入出力装置5220は、検知情報を供給する機能、通信情報を供給する機能および通信情報を供給される機能を備える。
【0464】
入力部5240は操作情報を供給する機能を備える。例えば、入力部5240は、情報処理装置5200Bの使用者の操作に基づいて操作情報を供給する。
【0465】
具体的には、キーボード、ハードウェアボタン、ポインティングデバイス、タッチセンサ、照度センサ、撮像装置、音声入力装置、視線入力装置、姿勢検出装置などを、入力部5240に用いることができる。
【0466】
表示部5230は表示パネルおよび画像情報を表示する機能を備える。例えば、実施の形態1において説明する表示パネルを表示部5230に用いることができる。
【0467】
検知部5250は検知情報を供給する機能を備える。例えば、情報処理装置が使用されている周辺の環境を検知して、検知情報として供給する機能を備える。
【0468】
具体的には、照度センサ、撮像装置、姿勢検出装置、圧力センサ、人感センサなどを検知部5250に用いることができる。
【0469】
通信部5290は通信情報を供給される機能および供給する機能を備える。例えば、無線通信または有線通信により、他の電子機器または通信網と接続する機能を備える。具体的には、無線構内通信、電話通信、近距離無線通信などの機能を備える。
【0470】
《情報処理装置の構成例1》
例えば、円筒状の柱などに沿った外形を表示部5230に適用することができる(
図26B参照)。また、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える。また、人の存在を検知して、表示内容を変更する機能を備える。これにより、例えば、建物の柱に設置することができる。または、広告または案内等を表示することができる。または、デジタル・サイネージ等に用いることができる。
【0471】
《情報処理装置の構成例2》
例えば、使用者が使用するポインタの軌跡に基づいて画像情報を生成する機能を備える(
図26C参照)。具体的には、対角線の長さが20インチ以上、好ましくは40インチ以上、より好ましくは55インチ以上の表示パネルを用いることができる。または、複数の表示パネルを並べて1つの表示領域に用いることができる。または、複数の表示パネルを並べてマルチスクリーンに用いることができる。これにより、例えば、電子黒板、電子掲示板、電子看板等に用いることができる。
【0472】
《情報処理装置の構成例3》
他の装置から情報を受信して、表示部5230に表示することができる(
図26D参照)。または、いくつかの選択肢を表示できる。または、使用者は選択肢からいくつかを選択し、当該情報の送信元に返信できる。または、例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える。これにより、例えば、携帯型電子機器の消費電力を低減することができる。または、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像を携帯型電子機器に表示することができる。
【0473】
《情報処理装置の構成例4》
表示部5230は、例えば、筐体の側面に沿って緩やかに曲がる曲面を備える(
図26E参照)。または、表示部5230は表示パネルを備え、表示パネルは、例えば、前面、側面、上面および背面に表示する機能を備える。これにより、例えば、携帯電話の前面だけでなく、側面、上面および背面に情報を表示することができる。
【0474】
《情報処理装置の構成例5》
例えば、インターネットから情報を受信して、表示部5230に表示することができる(
図27A参照)。または、作成したメッセージを表示部5230で確認することができる。または、作成したメッセージを他の装置に送信できる。または、例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える。これにより、スマートフォンの消費電力を低減することができる。または、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像をスマートフォンに表示することができる。
【0475】
《情報処理装置の構成例6》
リモートコントローラーを入力部5240に用いることができる(
図27B参照)。または、例えば、放送局またはインターネットから情報を受信して、表示部5230に表示することができる。または、検知部5250を用いて使用者を撮影できる。または、使用者の映像を送信できる。または、使用者の視聴履歴を取得して、クラウド・サービスに提供できる。または、クラウド・サービスから、レコメンド情報を取得して、表示部5230に表示できる。または、レコメンド情報に基づいて、番組または動画を表示できる。または、例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える。これにより、晴天の日に屋内に差し込む強い外光が当たっても好適に使用できるように、映像をテレビジョンシステムに表示することができる。
【0476】
《情報処理装置の構成例7》
例えば、インターネットから教材を受信して、表示部5230に表示することができる(
図27C参照)。または、入力部5240を用いて、レポートを入力し、インターネットに送信することができる。または、クラウド・サービスから、レポートの添削結果または評価を取得して、表示部5230に表示できる。または、評価に基づいて、好適な教材を選択し、表示できる。
【0477】
例えば、他の情報処理装置から画像信号を受信して、表示部5230に表示することができる。または、スタンドなどに立てかけて、表示部5230をサブディスプレイに用いることができる。これにより、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像をタブレットコンピュータに表示することができる。
【0478】
《情報処理装置の構成例8》
情報処理装置は、例えば、複数の表示部5230を備える(
図27D参照)。例えば、検知部5250で撮影しながら表示部5230に表示することができる。または、撮影した映像を検知部に表示することができる。または、入力部5240を用いて、撮影した映像に装飾を施せる。または、撮影した映像にメッセージを添付できる。または、インターネットに送信できる。または、使用環境の照度に応じて、撮影条件を変更する機能を備える。これにより、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に閲覧できるように、被写体をデジタルカメラに表示することができる。
【0479】
《情報処理装置の構成例9》
例えば、他の情報処理装置をスレイブに用い、本実施の形態の情報処理装置をマスターに用いて、他の情報処理装置を制御することができる(
図27E参照)。または、例えば、画像情報の一部を表示部5230に表示し、画像情報の他の一部を他の情報処理装置の表示部に表示することができる。画像信号を供給することができる。または、通信部5290を用いて、他の情報処理装置の入力部から書き込む情報を取得できる。これにより、例えば、携帯可能なパーソナルコンピュータを用いて、広い表示領域を利用することができる。
【0480】
《情報処理装置の構成例10》
情報処理装置は、例えば、加速度または方位を検知する検知部5250を備える(
図28A参照)。または、検知部5250は、使用者の位置または使用者が向いている方向に係る情報を供給することができる。または、情報処理装置は、使用者の位置または使用者が向いている方向に基づいて、右目用の画像情報および左目用の画像情報を生成することができる。または、表示部5230は、右目用の表示領域および左目用の表示領域を備える。これにより、例えば、没入感を得られる仮想現実空間の映像を、ゴーグル型の情報処理装置に表示することができる。
【0481】
《情報処理装置の構成例11》
情報処理装置は、例えば、撮像装置、加速度または方位を検知する検知部5250を備える(
図28B参照)。または、検知部5250は、使用者の位置または使用者が向いている方向に係る情報を供給することができる。または、情報処理装置は、使用者の位置または使用者が向いている方向に基づいて、画像情報を生成することができる。これにより、例えば、現実の風景に情報を添付して表示することができる。または、拡張現実空間の映像を、めがね型の情報処理装置に表示することができる。
【0482】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0483】
ANO:導電膜、CFB:着色層、CFG:着色層、CFR:着色層、CFS:間隙、C21:容量、C22:容量、G1:導電膜、G2:導電膜、M21:トランジスタ、N21:ノード、N22:ノード、S1g:導電膜、S2g:導電膜、SW21:スイッチ、SW22:スイッチ、SW23:スイッチ、VCOM2:導電膜、WL1:側壁、WL2:側壁、101:電極、102:電極、103:ユニット、103B:ユニット、103B2:ユニット、103G:ユニット、103G2:ユニット、103R:ユニット、103R2:ユニット、104:層、104B:層、104G:層、104R:層、104S:間隙、105:層、105B:層、105G:層、105R:層、106:層、106(1):層、106(2):層、106(13):層、106B:中間層、106G:中間層、106R:中間層、106S:間隙、111:層、111B:層、111G:層、111R:層、112:層、113:層、150:発光デバイス、231:表示領域、501C:絶縁膜、501D:絶縁膜、504:導電膜、506:絶縁膜、508:半導体膜、508A:領域、508B:領域、508C:領域、510:基材、512A:導電膜、512B:導電膜、516:絶縁膜、516A:絶縁膜、516B:絶縁膜、518:絶縁膜、519B:端子、520:機能層、520T:領域、524:導電膜、528:隔壁、528B:開口部、528G:開口部、528R:開口部、550B:発光デバイス、550G:発光デバイス、550R:発光デバイス、551B:電極、551G:電極、551R:電極、552:電極、552B:電極、552G:電極、552R:電極、573:絶縁膜、573A:絶縁膜、573B:絶縁膜、573C:絶縁膜、573D:絶縁膜、573E:絶縁膜、573F:絶縁膜、591B:開口部、591G:開口部、700:表示パネル、705:絶縁層、770:基材、1032:ユニット、5200B:情報処理装置、5210:演算装置、5220:入出力装置、5230:表示部、5240:入力部、5250:検知部、5290:通信部