IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社関電工の特許一覧

特許7498911情報処理装置、情報処理装置を用いた方法及び情報処理装置に手順を実行させるプログラム
<>
  • 特許-情報処理装置、情報処理装置を用いた方法及び情報処理装置に手順を実行させるプログラム 図1
  • 特許-情報処理装置、情報処理装置を用いた方法及び情報処理装置に手順を実行させるプログラム 図2
  • 特許-情報処理装置、情報処理装置を用いた方法及び情報処理装置に手順を実行させるプログラム 図3
  • 特許-情報処理装置、情報処理装置を用いた方法及び情報処理装置に手順を実行させるプログラム 図4
  • 特許-情報処理装置、情報処理装置を用いた方法及び情報処理装置に手順を実行させるプログラム 図5
  • 特許-情報処理装置、情報処理装置を用いた方法及び情報処理装置に手順を実行させるプログラム 図6
  • 特許-情報処理装置、情報処理装置を用いた方法及び情報処理装置に手順を実行させるプログラム 図7
  • 特許-情報処理装置、情報処理装置を用いた方法及び情報処理装置に手順を実行させるプログラム 図8
  • 特許-情報処理装置、情報処理装置を用いた方法及び情報処理装置に手順を実行させるプログラム 図9
  • 特許-情報処理装置、情報処理装置を用いた方法及び情報処理装置に手順を実行させるプログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置を用いた方法及び情報処理装置に手順を実行させるプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
H02J13/00 301K
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019192277
(22)【出願日】2019-10-21
(65)【公開番号】P2021069177
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-10-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1) 公開日:2019年2月25日 公開した展示会名:株式会社関電工 平成30年度技術開発・改善事例報告会 公開場所:東京商工会議所Hall & Conference Room(東京都千代田区丸の内3-2-2丸の内二重橋ビル5階) 公開者:株式会社関電工 公開された発明の内容: 特許を受ける権利を有する、株式会社関電工が、自身が開催した「株式会社関電工 平成30年度技術開発・改善事例報告会」で、出願に係る発明「情報処理装置、情報処理装置を用いた方法及び情報処理装置に手順を実行させるプログラム」の内容を開示しました。 (2) 公開日:2019年5月22日~24日 公開した展示会名:第67回電設工業展(=JECA FAIR 2019) 公開場所:東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1) 公開者:株式会社関電工 公開された発明の内容: 特許を受ける権利を有する、株式会社関電工が、「第67回電設工業展」(=JECA FAIR 2019)で、出願に係る発明「情報処理装置、情報処理装置を用いた方法及び情報処理装置に手順を実行させるプログラム」の内容を開示しました。
(73)【特許権者】
【識別番号】000141060
【氏名又は名称】株式会社関電工
(74)【代理人】
【識別番号】100075410
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 則昭
(74)【代理人】
【識別番号】100135541
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 紘輝
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-212616(JP,A)
【文献】特開2019-133442(JP,A)
【文献】特開2016-166761(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0266287(US,A1)
【文献】特開平09-160954(JP,A)
【文献】特開2012-210019(JP,A)
【文献】特開2011-010436(JP,A)
【文献】特開2018-085600(JP,A)
【文献】特開2015-114166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F30/00-30/398
G06F111/00-119/22
G06Q10/00-10/10
G06Q30/00-30/08
G06Q50/00-50/20
G06Q50/26-99/00
G16Z99/00
H02J3/00-5/00
H02J13/00
H03J9/00-9/06
H04Q9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンセントテスタと通信可能に接続される情報処理装置であって、
図情報を表示する表示手段と、
情報を記憶する記憶手段と、
前記コンセントテスタから情報を受信すると、前記表示手段上に表示された、前記図情報中に、当該情報を表示させ、また、当該情報を前記記憶手段に記憶させる制御手段を有
前記制御手段は、前記図情報からコンセントを識別するコンセント識別情報を特定し、特定したコンセント識別情報に基づいて、前記表示手段上に表示された、図情報中のコンセント記号を、特定色で、かつ、ハッチング処理された状態で表示させ、また、前記コンセント記号以外の図情報を、前記コンセント記号の表示色とは異なる表示色で表示させることを特徴とする、情報処理装置。
【請求項2】
ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記制御手段は、前記コンセントテスタから情報を受信すると、当該情報に含まれるコンセントテスタ判定結果に基づいて判定を行い、
前記入力手段を通じて選択されたコンセント記号を前記判定結果に応じた特定色で表示させることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記制御手段は、前記表示手段上に表示され、前記入力手段を通じて選択された前記コンセント記号を、特定色で表示させることを特徴とする、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記記憶手段は、前記表示手段上に表示された、図情報中のコンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶するコンセント属性情報記憶手段であって、
前記制御手段は、前記コンセントテスタから情報を受信すると、前記表示手段上に表示された、図中のコンセント記号のうち、前記入力手段を通じて選択されたコンセント記号に関連付けて、当該情報を前記コンセント属性情報記憶手段に記憶させ、
前記制御手段は、前記入力手段を通じて、前記表示手段上に表示された、図中のいずれかのコンセント記号の選択を認識すると、前記コンセント属性情報記憶手段内の、選択されたコンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶する領域をアクティブにし、
前記コンセントテスタから情報を受信するまで、あるいはアクティブにしてから所定の時間が経過するまで、他の入力操作を受け付けないことを特徴とする、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンセントテスタと通信可能に接続される情報処理装置を用いた方法であって、
前記情報処理装置は、図情報を表示する表示手段と、
情報を記憶する記憶手段を有し、
前記コンセントテスタから情報を受信すると、前記表示手段上に表示された、前記図情報中に、当該情報を表示させ、また、当該情報を前記記憶手段に記憶させるステップと、
前記図情報からコンセントを識別するコンセント識別情報を特定し、特定したコンセント識別情報に基づいて、前記表示手段上に表示された、図情報中のコンセント記号を、特定色で、かつ、ハッチング処理された状態で表示させ、また、前記コンセント記号以外の図情報を、前記コンセント記号の表示色とは異なる表示色で表示させるステップを有することを特徴とする、方法。
【請求項6】
ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記コンセントテスタから情報を受信すると、当該情報に含まれるコンセントテスタ判定結果に基づいて判定を行うステップと、
前記入力手段を通じて選択されたコンセント記号を前記判定結果に応じた特定色で表示させるステップを更に有することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記表示手段上に表示され、前記入力手段を通じて選択された前記コンセント記号を、特定色で表示させるステップを更に有することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記記憶手段は、前記表示手段上に表示された、図情報中のコンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶するコンセント属性情報記憶手段であって、
前記コンセントテスタから情報を受信すると、前記表示手段上に表示された、図中のコンセント記号のうち、前記入力手段を通じて選択されたコンセント記号に関連付けて、当該情報を前記コンセント属性情報記憶手段に記憶させるステップと、
前記入力手段を通じて、前記表示手段上に表示された、図中のいずれかのコンセント記号の選択を認識すると、前記コンセント属性情報記憶手段内の、選択されたコンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶する領域をアクティブにし、
前記コンセントテスタから情報を受信するまで、あるいはアクティブにしてから所定の時間が経過するまで、他の入力操作を受け付けないステップを有することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
コンセントテスタと通信可能に接続される情報処理装置に、手順を実行させるプログラムであって、
前記情報処理装置は、図情報を表示する表示手段と、
情報を記憶する記憶手段を有し、
前記情報処理装置に、前記コンセントテスタから情報を受信すると、前記表示手段上に表示された、前記図情報中に、当該情報を表示させ、また、当該情報を前記記憶手段に記憶させ、
前記図情報からコンセントを識別するコンセント識別情報を特定し、特定したコンセント識別情報に基づいて、前記表示手段上に表示された、図情報中のコンセント記号を、特定色で、かつ、ハッチング処理された状態で表示させ、また、前記コンセント記号以外の図情報を、前記コンセント記号の表示色とは異なる表示色で表示させる制御手段として機能させることを特徴とする、プログラム。
【請求項10】
前記情報処理装置は、ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記情報処理装置に、前記コンセントテスタから情報を受信すると、当該情報に含まれるコンセントテスタ判定結果に基づいて判定を行わせ、
前記入力手段を通じて選択されたコンセント記号を前記判定結果に応じた特定色で表示させる制御手段として機能させることを特徴とする、請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記情報処理装置は、ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記表示手段上に表示され、前記入力手段を通じて選択された前記コンセント記号を、特定色で表示させる制御手段として機能させることを特徴とする、請求項9に記載のプログラム。
【請求項12】
前記情報処理装置は、ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記記憶手段は、前記表示手段上に表示された、図情報中のコンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶するコンセント属性情報記憶手段であって、
前記コンセントテスタから情報を受信すると、前記表示手段上に表示された、図中のコンセント記号のうち、前記入力手段を通じて選択されたコンセント記号に関連付けて、当該情報を前記コンセント属性情報記憶手段に記憶させ、
前記入力手段を通じて、前記表示手段上に表示された、図中のいずれかのコンセント記号の選択を認識すると、前記コンセント属性情報記憶手段内の、選択されたコンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶する領域をアクティブにし、
前記コンセントテスタから情報を受信するまで、あるいはアクティブにしてから所定の時間が経過するまで、他の入力操作を受け付けない制御手段として機能させることを特徴とする、請求項9に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気設備の設計に使用されている製図用ソフトウェアを用いて、当該電気設備の品質確認を行うシステムに係る情報処理装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電流、電圧および抵抗等の電気的なパラメータを測定する測定装置は、従来から、多種・多様なものが開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ノブを有するロータリスイッチ等の切替手段で所望のスケールで電圧測定を行うように切り替えるのを忘れた場合でも、大電流が流れるのを防止可能な測定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015―114166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような測定装置を用いて行われる、現場の電気設備の品質確認は、通常、2名一組で行われる。
【0006】
具体的には例えば、当該コンセント(=配線から電力を得るための、電気器具等のプラグの差し込み口)に適切に配線がなされているか否かを確認する、コンセント誤配線確認試験(≒コンセント品質確認試験)を行う場合、一人は分電盤内の遮断機を操作して、対象回路のみに電力を供給する。もう一人は、コンセントテスタ等の測定装置で誤配線の有無を測定し、配線図に記録する。試験対象とするコンセントの数が多い場合、この作業(試験)は、かなり煩雑になり、測定結果の記載漏れや誤記入が発生する。
【0007】
そこで本発明は、上記問題点に対処するため、電気設備の設計に使用されている製図用ソフトウェアを用いて、当該電気設備の品質確認を行うシステムに係る情報処理装置、当該情報処理装置を用いた方法及び当該情報処理装置に手順を実行させるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、請求項1の発明は、
コンセントテスタと通信可能に接続される情報処理装置であって、
図情報を表示する表示手段と、
情報を記憶する記憶手段と、
前記コンセントテスタから情報を受信すると、前記表示手段上に表示された、前記図情報中に、当該情報を表示させ、また、当該情報を前記記憶手段に記憶させる制御手段を有
前記制御手段は、前記図情報からコンセントを識別するコンセント識別情報を特定し、特定したコンセント識別情報に基づいて、前記表示手段上に表示された、図情報中のコンセント記号を、特定色で、かつ、ハッチング処理された状態で表示させ、また、前記コンセント記号以外の図情報を、前記コンセント記号の表示色とは異なる表示色で表示させる、情報処理装置とした。
【0009】
また、請求項2の発明は、
ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記制御手段は、前記コンセントテスタから情報を受信すると、当該情報に含まれるコンセントテスタ判定結果に基づいて判定を行い、
前記入力手段を通じて選択されたコンセント記号を前記判定結果に応じた特定色で表示させる、請求項1に記載の情報処理装置とした。
【0010】
また、請求項3の発明は、
ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記制御手段は、前記表示手段上に表示され、前記入力手段を通じて選択された前記コンセント記号を、特定色で表示させる、請求項に記載の情報処理装置とした。
【0011】
また、請求項4の発明は、
ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記記憶手段は、前記表示手段上に表示された、図情報中のコンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶するコンセント属性情報記憶手段であって、
前記制御手段は、前記コンセントテスタから情報を受信すると、前記表示手段上に表示された、図中のコンセント記号のうち、前記入力手段を通じて選択されたコンセント記号に関連付けて、当該情報を前記コンセント属性情報記憶手段に記憶させ、
前記制御手段は、前記入力手段を通じて、前記表示手段上に表示された、図中のいずれかのコンセント記号の選択を認識すると、前記コンセント属性情報記憶手段内の、選択されたコンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶する領域をアクティブにし、
前記コンセントテスタから情報を受信するまで、あるいはアクティブにしてから所定の時間が経過するまで、他の入力操作を受け付けない、請求項に記載の情報処理装置とした。
【0012】
また、請求項5の発明は、
コンセントテスタと通信可能に接続される情報処理装置を用いた方法であって、
前記情報処理装置は、図情報を表示する表示手段と、
情報を記憶する記憶手段を有し、
前記コンセントテスタから情報を受信すると、前記表示手段上に表示された、前記図情報中に、当該情報を表示させ、また、当該情報を前記記憶手段に記憶させるステップと、
前記図情報からコンセントを識別するコンセント識別情報を特定し、特定したコンセント識別情報に基づいて、前記表示手段上に表示された、図情報中のコンセント記号を、特定色で、かつ、ハッチング処理された状態で表示させ、また、前記コンセント記号以外の図情報を、前記コンセント記号の表示色とは異なる表示色で表示させるステップを有する、方法とした。
【0013】
また、請求項6の発明は、
ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記コンセントテスタから情報を受信すると、当該情報に含まれるコンセントテスタ判定結果に基づいて判定を行うステップと、
前記入力手段を通じて選択されたコンセント記号を前記判定結果に応じた特定色で表示させるステップを更に有する、請求項5に記載の方法とした。
【0014】
また、請求項7の発明は、
ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記表示手段上に表示され、前記入力手段を通じて選択された前記コンセント記号を、特定色で表示させるステップを更に有する、請求項5に記載の方法とした。
【0015】
また、請求項8の発明は、
ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記記憶手段は、前記表示手段上に表示された、図情報中のコンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶するコンセント属性情報記憶手段であって、
前記コンセントテスタから情報を受信すると、前記表示手段上に表示された、図中のコンセント記号のうち、前記入力手段を通じて選択されたコンセント記号に関連付けて、当該情報を前記コンセント属性情報記憶手段に記憶させるステップと、
前記入力手段を通じて、前記表示手段上に表示された、図中のいずれかのコンセント記号の選択を認識すると、前記コンセント属性情報記憶手段内の、選択されたコンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶する領域をアクティブにし、
前記コンセントテスタから情報を受信するまで、あるいはアクティブにしてから所定の時間が経過するまで、他の入力操作を受け付けないステップを有する、請求項5に記載の方法とした。
【0016】
また、請求項9の発明は、
コンセントテスタと通信可能に接続される情報処理装置に、手順を実行させるプログラムであって、
前記情報処理装置は、図情報を表示する表示手段と、
情報を記憶する記憶手段を有し、
前記情報処理装置に、前記コンセントテスタから情報を受信すると、前記表示手段上に表示された、前記図情報中に、当該情報を表示させ、また、当該情報を前記記憶手段に記憶させ、
前記図情報からコンセントを識別するコンセント識別情報を特定し、特定したコンセント識別情報に基づいて、前記表示手段上に表示された、図情報中のコンセント記号を、特定色で、かつ、ハッチング処理された状態で表示させ、また、前記コンセント記号以外の図情報を、前記コンセント記号の表示色とは異なる表示色で表示させる制御手段として機能させる、プログラムとした。
【0017】
また、請求項10の発明は、
前記情報処理装置は、ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記情報処理装置に、前記コンセントテスタから情報を受信すると、当該情報に含まれるコンセントテスタ判定結果に基づいて判定を行わせ、
前記入力手段を通じて選択されたコンセント記号を前記判定結果に応じた特定色で表示させる制御手段として機能させる、請求項9に記載のプログラムとした。
【0018】
また、請求項11の発明は、
前記情報処理装置は、ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記表示手段上に表示され、前記入力手段を通じて選択された前記コンセント記号を、特定色で表示させる制御手段として機能させる、請求項9に記載のプログラムとした。
【0019】
また、請求項12の発明は、
前記情報処理装置は、ユーザから入力操作を受け付ける入力手段を更に有し、
前記記憶手段は、前記表示手段上に表示された、図情報中のコンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶するコンセント属性情報記憶手段であって、
前記コンセントテスタから情報を受信すると、前記表示手段上に表示された、図中のコンセント記号のうち、前記入力手段を通じて選択されたコンセント記号に関連付けて、当該情報を前記コンセント属性情報記憶手段に記憶させ、
前記入力手段を通じて、前記表示手段上に表示された、図中のいずれかのコンセント記号の選択を認識すると、前記コンセント属性情報記憶手段内の、選択されたコンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶する領域をアクティブにし、
前記コンセントテスタから情報を受信するまで、あるいはアクティブにしてから所定の時間が経過するまで、他の入力操作を受け付けない制御手段として機能させる、請求項9に記載のプログラムとした。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、環境情報取得装置から情報を受信すると、前記表示手段上に表示された、前記図情報中に、当該情報を表示させ、また、当該情報を前記記憶手段に記憶させる構成としたため、環境情報取得装置から出力された測定結果等の情報をそのまま、製図用ソフトウェアを用いて表示された配線図等の図情報中に表示させ、また、記憶させることができる。その結果、作業者等のユーザによる測定結果の記載漏れや誤記入を防止することができ、便宜である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施の形態例1の電気設備品質確認システムに係る情報処理装置のハードウェア構成を模式的に示した概念図である。
図2】本発明の実施の形態例1の電気設備品質確認システムに係る情報処理装置に配線図情報が表示された状態を示した図である。
図3】本発明の実施の形態例1の電気設備品質確認システムの動作の流れを示した流れ図である。
図4】本発明の実施の形態例2の電気設備品質確認システムに係る測定器のハードウェア構成を模式的に示した概念図である。
図5】本発明の実施の形態例2の電気設備品質確認システムに係る情報処理装置のハードウェア構成を模式的に示した概念図である。
図6】本発明の実施の形態例2の電気設備品質確認システムに係る情報処理装置に配線図情報が表示された状態を示した図である。
図7】本発明の実施の形態例2の電気設備品質確認システムに係る情報処理装置に表示されるコンセント記号を、(a)ハッチング処理されていない場合と、(b)ハッチング処理が行われた場合に分けて、例示的に示した図である。
図8】本発明の実施の形態例2の電気設備品質確認システムに係る情報処理装置に表示される測定結果・判定結果表示欄を、(a)判定結果が正常の場合と、(b)判定結果に異常が含まれている場合に分けて、例示的に示した図である。また、本発明の実施の形態例2の電気設備品質確認システムに係る情報処理装置に表示されるコンセント記号を、(c)判定結果が正常の場合と、(d)判定結果に異常が含まれている場合に分けて、例示的に示した図である。
図9】本発明の実施の形態例2の電気設備品質確認システムに係る情報処理装置の記憶手段のコンセント属性情報記憶領域内の構造を模式的に示した図である。
図10】本発明の実施の形態例2の電気設備品質確認システムの動作の流れを示した流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施の形態例1)
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態例1を詳細に説明する。ただし、本実施の形態例に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0029】
電気設備品質確認システムAは、主として、環境情報取得装置と情報処理装置4から構成されている。そして、環境情報取得装置と情報処理装置4は、BLE(=Bluetooth(登録商標)Low Energy)等を用いて、相互に情報通信可能に接続される。なお、BLEを用いた、環境情報取得装置と情報処理装置4との接続の仕方については、後述する。
【0030】
<環境情報取得装置の構成>
環境情報取得装置は、空間内の環境に係る情報を取得し、取得した環境情報を、情報処理装置4等の外部機器に出力可能な装置であれば良く、例えば、照度情報を取得する照度計、風量情報を取得する風量計、温度・湿度情報を取得する温湿度計、粉塵濃度情報を取得する粉塵測定計、磁気環境情報を取得する磁気測定計、室内の無線LAN等の感度情報を取得する電波感度計といった測定器や、360°の外観情報を取得する360°カメラ、空間を撮影する通常のカメラ、空間を録画するビデオカメラ等のカメラである。なお、本実施の形態例1では、環境情報取得装置として、デジタルマルチメータを用いて説明する。作業者等のユーザは、対象の電気設備が電気的に適切に接続されているか否かを確認するため、対象の電気設備に、デジタルマルチメータである環境情報取得装置を接続し、電流、電圧、高調波等の電気量を測定し、測定結果(=環境情報)を取得する。
【0031】
<情報処理装置4の構成>
情報処理装置4は、例えば、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、スマートフォン等であって、環境情報取得装置から出力された対象の電気設備に係る測定結果等の環境情報取得装置に係る情報を受信し、それらの情報を含めた図情報を、液晶ディスプレイ等の表示手段44上に、表示する機能を有している。なお、情報処理装置4は、当該機能に特化した専用の装置で実現しても良いし、汎用のパソコンやサーバに当該機能を組み込んで実現しても良い。また、表示手段44上に表示する図情報は、環境情報を取得する空間を示した図であれば良く、例えば、配線図、配管図等の設備図や、建物の間取りやデザイン、仕様等の建物の完成後の姿を表現する意匠図や、柱や梁、壁等の建物を支えている構造部材の配置や大きさ、接合部の形状等、実際に建物を建てるためのさまざまな情報が示されている構造図である。なお、本実施の形態例1及び後述する本実施の形態例2では、図情報として、配線図を用いて説明する。
【0032】
また、本実施の形態例では、情報処理装置4は、タブレットPCを想定して説明している。タブレットPCは、液晶ディスプレイ等の表示手段44上にタッチパネル等の入力手段43が設けられており、作業員等のユーザが、表示手段44上の画面に指で直接タッチして命令や情報の入力を行うことができ、キーボードやポインティングデバイスを用いる必要がない。そのため、作業員等のユーザが現場で、命令や情報の入力がし易い。また、画面上に表示された配線図の表示箇所の移動や、表示倍率の変更を、画面に指で直接タッチして行うことができ、便宜である。
【0033】
次に、情報処理装置4のハードウェア構成について、図1を参照して説明する。図1は、情報処理装置4のハードウェア構成を模式的に示した概念図である。
【0034】
図1において、制御手段41は、例えば、CPU(=Central Processing Unit)で実現され、後述する記憶手段42に含まれるHD(=Hard Disk)等に格納されているアプリケーションプログラム、オペレーティングシステム(OS)や制御プログラム等を実行し、記憶手段42に含まれるRAM(=Random Access Memory)にプログラムの実行に必要な情報、ファイル等を一時的に格納する制御を行う。
【0035】
特に、制御手段41は、入力手段43を通じて入力された、作業者等のユーザからの命令に応じて、記憶手段42の配線図情報記憶領域421に記憶されている配線図情報を呼び出して、他の形式に変換して、配線図情報記憶領域421に記憶させる。制御手段41は、例えば、元の形式が、アプリケーションプログラム「CADWe’ll」(=製図用ソフトウェア)で保存された.「tfx.」や「tfs.」の配線図情報を、アプリケーションプログラム「Auto CAD」(=製図用ソフトウェア)で開くことのできる「dwg.」形式に変換して別途記憶させる。
【0036】
また、制御手段41は、図2に示すように、配線図情報記憶領域421に記憶されている配線図情報を呼び出して、表示手段44上に表示させる。
【0037】
また、制御手段41は、環境情報取得装置情報記憶領域422内の、表示手段44上に表示された、配線図中の選択された箇所に係る環境情報取得装置情報を記憶する領域に、取得ポイント識別情報(取得ポイントID)、配線図上の取得ポイントの座標(位置)、取得ポイントを作成した端末(=情報処理装置4)を識別する取得ポイント作成端末識別情報(取得ポイント作成端末ID)、取得ポイント作成時刻を記憶させる。
【0038】
また、制御手段41は、BLEを用いた、環境情報取得装置との接続を確立する。即ち、制御手段41は、入力手段43を通じて入力された、作業者等のユーザからの命令に応じて、情報処理装置4の周辺をスキャンする。そして、通信手段46を通じて、環境情報取得装置から出力されているAdvertiseパケットの受信に成功すると、環境情報取得装置との接続を確立する。
【0039】
一方、情報処理装置4の周辺をスキャンしても、接続したい環境情報取得装置のAdvertiseパケットを受信できなかった場合には、接続が失敗した旨のダイアログボックスを表示手段44上に表示させる。
【0040】
また、制御手段41は、環境情報取得装置情報記憶領域422内の、表示手段44上に表示された、配線図中の選択された箇所に係る環境情報取得装置情報を記憶する領域について、当該領域をアクティブ(=環境情報取得装置情報入力待機状態)にする。
【0041】
そして、制御手段41は、環境情報取得装置から情報を受信するまで、あるいはアクティブにしてから所定の時間が経過するまで、入力手段43等から、他の入力操作を受け付けない、ロックした状態としても良い。
【0042】
このように他の入力操作を受け付けない構成とすることによって、作業者等のユーザの誤操作を防止することができ、便宜である。
【0043】
また、制御手段41は、通信手段46を通じて、環境情報取得装置から、環境情報取得装置を識別する環境情報取得装置識別情報(環境情報取得装置ID)、表示手段44上に表示された、配線図中の作業者等のユーザによって選択された箇所に係る測定結果等の情報を受信すると、記憶手段42の環境情報取得装置情報記憶領域422内のアクティブにした領域に記憶させる。
【0044】
また、制御手段41は、通信手段46を通じて、環境情報取得装置から、環境情報取得装置識別情報、表示手段44上に表示された、配線図中の作業者等のユーザによって選択された箇所に係る測定結果を受信すると、図2に示すように、配線図中の選択された箇所付近に測定結果を表示させる。
【0045】
記憶手段42は、各種情報を一時記憶するためのものであり、制御手段41の主メモリ、ワークエリア等として機能するRAMや、内部に基本I/Oプログラム等のプログラム、基本処理において使用する各種情報を記憶するROM(=Read Only Memory)を有している。
【0046】
記憶手段42は、大容量メモリとして機能するHD(=Hard Disk)を有しており、このHDには、配線図情報記憶領域421、環境情報取得装置情報記憶領域422が設けられている。
【0047】
この配線図情報記憶領域421には、配線図情報が記憶される。そして、配線図情報は、アプリケーションプログラム「CADWe’ll」で保存された.「tfx.」や「tfs.」形式や、アプリケーションプログラム「Auto CAD」で開くことのできる「dwg.」形式で記憶される。
【0048】
また、環境情報取得装置情報記憶領域422は、測定結果等の環境情報が記憶される。例えば、環境情報は、取得順(取得した順番)に、環境情報を入力(受信)した端末(=情報処理装置4)を識別する入力端末識別情報(入力端末ID)、取得時刻、環境情報取得装置識別情報(測定器ID)、取得ポイント識別情報(取得ポイントID)、配線図上の取得ポイントの座標(位置)、取得ポイント作成端末識別情報(取得ポイント作成端末ID)、取得ポイント作成時刻、電圧値等の測定結果等が記憶される。なお、環境情報取得装置ID、測定結果等の環境情報は、接続された環境情報取得装置から受信する。
【0049】
入力手段43は、作業員等のユーザから情報処理装置4に対する情報や命令の入力を受け付ける、例えば、表示手段44上等に設けられたタッチパネル、キーボード、ポインティングデバイス、ボタンである。
【0050】
表示手段44は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットマトリクス型のディスプレイであり、入力手段43から入力された命令や、それに対する情報処理装置4の応答出力等を表示するものである。特に、表示手段44は、配線図を表示する。
【0051】
計時手段45は、例えば、リアルタイムクロックであって、現在時刻を計時する。
【0052】
バス47は、情報処理装置4内の情報の流れを司るものである。通信手段46はインターフェイス(I/F)であり、情報処理装置4は、この通信手段46を介してBLE等で接続され、環境情報取得装置と情報のやり取りを行う。
【0053】
なお、以上の各装置と同等の機能を実現するソフトウェアにより、ハードウェア装置の代替として構成することもできる。
【0054】
次に、電気設備品質確認システムAの動作の流れについて、図2及び図3を用いて、説明する。なお、この電気設備品質確認システムAの動作は、各環境情報取得装置について、独立して実行する。
【0055】
まず準備として、作業者等のユーザは、記憶手段42の配線図情報記憶領域421に記憶されている配線図情報が、アプリケーションプログラム「Auto CAD」で開くことのできない「tfx.」や「tfs.」の形式のみの場合には、入力手段43を操作して、当該配線図情報をアプリケーションプログラム「Auto CAD」で開くことのできる「dwg.」形式に変換して、記憶手段42の配線図情報記憶領域421に別途記憶させる。
【0056】
次に、作業員等のユーザが、タッチパネル等の入力手段43を操作して、表示手段44上のアイコン「接続開始」をタップする。
【0057】
すると、情報処理装置4は、情報処理装置4の周辺をスキャンする。そして、通信手段46を通じて、環境情報取得装置から出力されているAdvertiseパケットの受信に成功すると、環境情報取得装置との接続を確立する(ステップS301)。
【0058】
作業員等のユーザは、測定を行う電気設備付近まで移動する。そして、図2に示すように、タッチパネル等の入力手段43を操作して、表示手段44上に表示された、配線図中の、測定を行う電気設備に対応する箇所をタップ(選択)する。
【0059】
すると、情報処理装置4は、選択操作を受け付け(ステップS302)、環境情報取得装置情報記憶領域422内の、表示手段44上に表示された、配線図中の選択された箇所に係る環境情報取得装置情報を記憶する領域に、取得ポイント識別情報(取得ポイントID)、配線図上の取得ポイントの座標(位置)、取得ポイントを作成した端末(=情報処理装置4)を識別する取得ポイント作成端末識別情報(取得ポイント作成端末ID)、取得ポイント作成時刻を記憶する。
【0060】
また、情報処理装置4は、選択操作を受け付け(ステップS302)、環境情報取得装置情報記憶領域422内の、配線図中の選択された箇所に係る環境情報取得装置情報を記憶する領域をアクティブにする。
【0061】
作業員等のユーザは、対象の電気設備に環境情報取得装置を接続等して、環境情報を取得する。
【0062】
情報処理装置4は、通信手段46を通じて、環境情報取得装置から、配線図中の選択された箇所に係る測定結果等の環境情報取得装置に係る情報を受信すると(ステップS303)、記憶手段42の環境情報取得装置情報記憶領域422内のアクティブにした領域に記憶する。
【0063】
情報処理装置4は、通信手段46を通じて、環境情報取得装置から、配線図中の選択された箇所に係る測定結果等の環境情報取得装置に係る情報を受信すると(ステップS303)、配線図中の選択された箇所付近に当該測定結果を表示する。
【0064】
その後、作業員等のユーザは、次に測定を行う電気設備の場所まで移動する。そして、タッチパネル等の入力手段43を操作して、表示手段44上に表示された配線図中の、次に測定を行う電気設備に対応する箇所をタップ(選択)する。すると、情報処理装置4は、選択操作を受け付ける(ステップS302)。以降、情報処理装置4は、測定が必要な全ての電気設備に対する作業員等のユーザの環境情報の取得が完了するまで、ステップS302及びS303を繰り返す。
【0065】
なお、本実施の形態例1では、配線図中の取得箇所を選択してから、測定結果等の環境情報取得装置に係る情報を受信する構成を示したが、この構成に限定されるものではない。測定結果等の環境情報取得装置に係る情報を受信してから、配線図中の測定箇所を選択する構成としても良い。
【0066】
このように、本実施の形態例1では、環境情報取得装置から測定結果等の環境情報取得装置に係る情報を受信すると、表示手段44上に表示された、配線図中に、当該情報を表示させ、また、当該情報を環境情報取得装置情報記憶領域422に記憶させる構成としたため、環境情報取得装置から出力された測定結果等の環境情報取得装置に係る情報をそのまま、製図用ソフトウェアを用いて表示された配線図等の図情報中に表示させ、また、記憶させることができる。その結果、作業者等のユーザによる測定結果の記載漏れや誤記入を防止することができ、便宜である。
【0067】
(実施の形態例2)
上記実施の形態例1では、環境情報取得装置から受信した測定結果等を、情報処理装置4の表示手段44上のユーザの任意の箇所に表示させ、また、測定結果等を情報処理装置4の環境情報取得装置情報記憶領域422内に記憶させる構成を示した。
【0068】
しかし、配線図には、他の設備を示す記号も記載され、また、配線図では、一般的に、設備を示す記号は全て同じ色で記載されていることが多い。そのため、配線図上の電気設備に係る記号を見落とす場合があり、そのような場合には、見落とした場所の電気設備に戻って作業を行う必要が生じ、効率が損なわれる。
【0069】
そこで、以下の本実施の形態例2では、このような問題点に対処するため、作業者等のユーザが電気設備の品質確認を行うに際し、配線図上の、品質確認対象の電気設備に係る記号を容易に識別できる構成を示す。なお、本実施の形態例2では、電気設備の品質確認の具体例として、コンセント誤配線確認試験を用いて説明する。また、環境情報取得装置として、測定器1を用いて説明する。
【0070】
<電気設備品質確認システムBの構成>
電気設備品質確認システムBは、主として、測定器1と情報処理装置2から構成されている。そして、測定器1と情報処理装置2は、BLE(=Bluetooth(登録商標)Low Energy)等を用いて、相互に情報通信可能に接続される。なお、BLEを用いた、測定器1と情報処理装置2との接続の仕方については、後述する。
【0071】
<測定器1の構成>
測定器1は、コンセントテスタである。作業者等のユーザは、コンセントが適切に配線されているか否かを確認するため、測定器1の測定部11を測定対象のコンセントに差し込んで、例えば、当該コンセントの結線(=「2P」:アースなし、「3P」:アースありといったコンセントのタイプ)、電圧値(V)、端子極性(=L端子、N端子、E端子が夫々適切に接続されているか否かを測定する)、接地抵抗値(Ω、あるいはohm)等を測定し、測定結果を得る。
【0072】
また、測定器1は、これらの測定結果が正常であるか否かを判定する。具体的には例えば、測定した当該コンセントの電圧値が、所定の範囲内であるか否かを判定し、電圧値に係る測定器判定結果(=「正常」、「電圧異常」)を得る。また、端子極性を判定し、端子極性に係る測定器判定結果(=「正常」、「L-N逆接続」、「L-E逆接続」、「N-E逆接続」、「N未接続」、「N-E判定不可」、「E未接続」)を得る。そして、測定器1は、自身を識別する測定器識別情報(測定器ID)と、測定結果と、当該測定結果に対応する測定器判定結果等の情報を、情報処理装置2に出力する。また、測定器1は、測定対象のコンセントの測定結果にNOISE(ノイズ)が含まれていた場合には、その旨の情報を、情報処理装置2に出力する。
【0073】
図4に示すように、測定器1は、対象のコンセントを測定する測定部11と、測定部11から受信した測定結果が正常であるか否かを判定する測定結果判定部12と、測定結果や当該測定結果に対応する測定器判定結果等を表示する表示部13と、情報処理装置2等の外部機器と通信を行う通信部14を有している。
【0074】
<情報処理装置2の構成>
情報処理装置2は、例えば、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、スマートフォン等であって、測定器1から出力されたコンセントに係る測定結果や測定器判定結果等の情報を受信し、それらの情報を含めた配線図情報を、液晶ディスプレイ等の表示手段24上に、表示する機能を有している。なお、情報処理装置2は、当該機能に特化した専用の装置で実現しても良いし、汎用のパソコンやサーバに当該機能を組み込んで実現しても良い。
【0075】
また、本実施の形態例では、情報処理装置2は、タブレットPCを想定して説明している。タブレットPCは、液晶ディスプレイ等の表示手段24上にタッチパネル等の入力手段23が設けられており、作業員等のユーザが、表示手段24上の画面に指で直接タッチして命令や情報の入力を行うことができ、キーボードやポインティングデバイスを用いる必要がない。そのため、作業員等のユーザが現場で、命令や情報の入力がし易い。また、画面上に表示された配線図の表示箇所の移動や、表示倍率の変更を、画面に指で直接タッチして行うことができ、便宜である。
【0076】
次に、情報処理装置2のハードウェア構成について、図5を参照して説明する。図5は、情報処理装置2のハードウェア構成を模式的に示した概念図である。
【0077】
図5において、制御手段21は、例えば、CPU(=Central Processing Unit)で実現され、後述する記憶手段22に含まれるHD(=Hard Disk)等に格納されているアプリケーションプログラム、オペレーティングシステム(OS)や制御プログラム等を実行し、記憶手段22に含まれるRAM(=Random Access Memory)にプログラムの実行に必要な情報、ファイル等を一時的に格納する制御を行う。
【0078】
特に、制御手段21は、入力手段23を通じて入力された、作業者等のユーザからの命令に応じて、記憶手段22の配線図情報記憶領域221に記憶されている配線図情報を呼び出して、他の形式に変換して、配線図情報記憶領域221に記憶させる。制御手段21は、例えば、元の形式が、アプリケーションプログラム「CADWe’ll」(製図用ソフトウェア)で保存された.「tfx.」や「tfs.」の配線図情報を、アプリケーションプログラム「Auto CAD」(製図用ソフトウェア)で開くことのできる「dwg.」形式に変換して別途記憶させる。
【0079】
また、制御手段21は、図6に示すように、配線図情報記憶領域221に記憶されている配線図情報を呼び出して、表示手段24上に表示させる。
【0080】
また、制御手段21は、入力手段23を通じて入力された、作業者等のユーザからの命令に応じて、表示手段24上に表示された、配線図中の、線、文字、記号等の表示色を変更する。例えば、配線図中の全ての線、文字、記号等の表示色を白から黒に反転(変更)して表示させる。
【0081】
また、制御手段21は、入力手段23を通じて入力された、作業者等のユーザからの命令に応じて、配線図情報からコンセントを識別するコンセント識別情報を特定し、特定したコンセント識別情報に基づいて、表示手段24上に表示された、配線図中の各コンセント記号を、特定色(例えば、黄色)で表示させる。
【0082】
なお、コンセント記号を表示する特定色は、配線図情報中のコンセント記号以外の線、文字、記号の表示色と、異なるものとする必要がある。作業者等のユーザが、表示手段24上に表示された配線図を見た際に、見つけやすいように、コンセント記号を目立たせるためである。従って、コンセント記号以外の線、文字、記号と比較して、配線図中のコンセント記号を目立たせる構成であれば良く、例えば、コンセント記号のみを点滅させる、あるいは蛍光化して表示させる構成としても良い。
【0083】
また、制御手段21は、入力手段23を通じて入力された、作業者等のユーザからの命令に応じて、配線図情報からコンセント識別情報を特定し、特定したコンセント識別情報に基づいて、図7(b)に示すように、前記表示手段24上に表示された各コンセント記号にハッチング処理を行う。なお、この「ハッチング処理」は、所定の領域を平行な線や所定の色等で埋める(塗りつぶす)ことを指す。
【0084】
表示手段24上に表示されたコンセント記号を、作業者等のユーザがタッチパネル等の入力手段23をタップして選択する場合、図7(a)に示すように、ハッチング処理前のコンセント記号は、主として線で構成されているため、コンセント記号を構成する線の上で、的確にタップすることが難しい。一方、ハッチング処理を行うと、図7(b)に示すように、コンセント記号上の所定の領域が所定の色で塗りつぶされる。その場合、塗りつぶされた領域のいずれかの箇所をタップするだけで、当該コンセント記号が選択されるため、コンセント記号の選択操作がし易くなる。
【0085】
また、制御手段21は、入力手段23を通じて入力された、作業者等のユーザからの命令に応じて、配線図情報からコンセント識別情報を特定し、特定したコンセント識別情報に基づいて、前記表示手段24上に表示された各コンセント記号に対応する測定結果・判定結果表示欄を作成する。
【0086】
また、制御手段21は、入力手段23を通じて入力された、作業者等のユーザからの命令に応じて、配線図情報からコンセント識別情報を特定し、特定したコンセント識別情報に基づいて、前記表示手段24上に表示された各コンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶する領域を、記憶手段22のコンセント属性情報記憶領域222内に確保する。
【0087】
また、制御手段21は、コンセント属性情報記憶領域222内の、表示手段24上に表示された各コンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶する領域に、測定ポイント識別情報(測定ポイントID)、配線図上の測定ポイントの座標(位置)、測定ポイントを作成した端末(=情報処理装置2)を識別する測定ポイント作成端末識別情報(測定ポイント作成端末ID)、測定ポイント作成時刻を記憶させ、各コンセント記号との関連付けを行う。つまり、制御手段21は、表示手段24上に表示された各コンセント記号について、測定ポイント識別情報(測定ポイントID)等を一括して記憶させる。
【0088】
また、制御手段21は、BLEを用いた、測定器1との接続を確立する。即ち、制御手段21は、入力手段23を通じて入力された、作業者等のユーザからの命令に応じて、情報処理装置2の周辺をスキャンする。そして、通信手段26を通じて、測定器1から出力されているAdvertiseパケットの受信に成功すると、測定器1との接続を確立する。
【0089】
一方、情報処理装置2の周辺をスキャンしても、接続したい測定器1のAdvertiseパケットを受信できなかった場合には、接続が失敗した旨のダイアログボックスを表示手段24上に表示させる。
【0090】
また、制御手段21は、コンセント属性情報記憶領域222内の、選択されたコンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶する領域について、当該領域をアクティブ(=測定結果・判定結果入力待機状態)にする。
【0091】
そして、制御手段21は、測定器1から情報を受信するまで、あるいはアクティブにしてから所定の時間が経過するまで、入力手段23等から、他の入力操作を受け付けない、ロックした状態としても良い。
【0092】
このように他の入力操作を受け付けない構成とすることによって、作業者等のユーザの誤操作を防止することができ、便宜である。
【0093】
また、制御手段21は、通信手段26を通じて、測定器1から、測定器を識別する測定器識別情報(測定器ID)、作業者等のユーザによって選択されたコンセント記号に係る測定結果、当該測定結果に対応する測定器判定結果、測定結果にNOISEが含まれている旨の情報等の情報を受信すると、図9に示すように、記憶手段22のコンセント属性情報記憶領域222内のアクティブにした領域に記憶させる。測定器1から受信する測定結果は、例えば、結線、電圧値、接地抵抗値である。また、受信する測定器判定結果は、例えば、「正常」、「L-N逆接続」、「L-E逆接続」、「N-E逆接続」、「N未接続」、「N-E判定不可」、「E未接続」、「電圧異常」のいずれかである。また、制御手段21は、受信した測定器判定結果に基づいて判定を行い、「端子極性に係る判定結果」と、「接地に係る判定結果」を記憶させる。なお、測定器識別情報(測定器ID)についても、このように記憶しておく構成とすることによって、複数の測定器1を用いて測定を行い、各測定器1から測定結果等を受信した場合であっても、当該測定結果等が、どの測定器1からのものであるか判別することができ、便宜である。
【0094】
制御手段21は、通信手段26を通じて、測定器1から、測定器識別情報、選択されたコンセント記号に係る測定結果、当該測定結果に対応する測定器判定結果を受信すると、受信した測定器判定結果に基づいて判定を行う。そして、図6又は図8に示すように、選択されたコンセント記号に対応する測定結果・判定結果表示欄内に「測定順」、「電圧値」、「端子極性に係る判定結果(図6及び図8では、「端子極性」)」、「接地に係る判定結果(図6及び図8では、「接地」)」を表示させる。
【0095】
なお、測定結果・判定結果表示欄に表示させる「電圧値」は、測定器1から受信した測定結果に含まれる「電圧値」である。
【0096】
また、コンセント属性情報記憶領域222に記憶させ、測定結果・判定結果表示欄に表示させる「端子極性に係る判定結果」について、制御手段21は、測定器1から測定器判定結果として、「L-N逆接続」、「L-E逆接続」、「N-E逆接続」、「N未接続」、「N-E判定不可」のいずれかを受信した場合には、「NG」と判定・表示させる。一方、上述したいずれの測定器判定結果も、受信しなかった場合には、「OK」と判定・表示させる。
【0097】
また、コンセント属性情報記憶領域222に記憶させ、測定結果・判定結果表示欄に表示させる「接地に係る判定結果」について、制御手段21は、測定器1から測定器判定結果として、「L-E逆接続」、「N-E逆接続」、「E未接続」、「N-E判定不可」のいずれかを受信した場合には、「NG」と判定・表示させる。一方、上述したいずれの測定器判定結果も、受信しなかった場合には、「OK」と判定・表示させる。
【0098】
また、制御手段21は、測定器1から受信した測定器判定結果が「正常」であり、かつ、測定結果にNOISEが含まれている旨の情報を受信していない場合、図8(a)に示すように、測定結果・判定結果表示欄の表示色を水色にする。また、図8(c)に示すように、配線図中の選択されたコンセント記号の表示色も水色にする。
【0099】
一方、測定器1から受信した測定器判定結果が、異常(「L-N逆接続」、「L-E逆接続」、「N-E逆接続」、「N未接続」、「N-E判定不可」、「E未接続」)「電圧異常」)である場合、あるいは、測定結果にNOISEが含まれている旨の情報を受信した場合、図8(b)に示すように、測定結果・判定結果表示欄の表示色を赤色にする。また、図8(d)に示すように、配線図中の選択されたコンセント記号の表示色も赤色にする。
【0100】
なお、本実施の形態例では、測定器1から受信した測定器判定結果が「正常」であり、かつ、測定結果にNOISEが含まれている旨の情報を受信していない場合、測定結果・判定結果表示欄及び配線図中の選択されたコンセント記号の表示色を水色にし、測定器1から受信した測定器判定結果が、異常である、あるいは、測定結果にNOISEが含まれている旨の情報を受信した場合は、測定結果・判定結果表示欄及び配線図中の選択されたコンセント記号の表示色を赤色にする構成を示したが、この構成は例示であって限定されるわけではない。例えば、測定器1から受信した測定器判定結果が、異常である、あるいは、測定結果にNOISEが含まれている旨の情報を受信した場合は、測定結果・判定結果表示欄及び配線図中の選択されたコンセント記号を点滅させ、測定器1から受信した測定器判定結果が「正常」であり、かつ、測定結果にNOISEが含まれている旨の情報を受信していない場合、測定結果・判定結果表示欄及び配線図中の選択されたコンセント記号の表示色を水色にする構成としても良い。要は、測定器1から受信した測定器判定結果が、異常である、あるいは、測定結果にNOISEが含まれている旨の情報を受信した場合と、測定器1から受信した判定結果が「正常」であり、かつ、測定結果にNOISEが含まれている旨の情報を受信していない場合とによって、作業者等のユーザがその違いを認識できるように、態様を異ならせて、表示させる構成であれば良い。
【0101】
また、測定結果及び測定器判定結果等がコンセント属性情報記憶領域222内に記憶されている、配線図中のコンセント記号について、作業者等のユーザにタップされる等、作業者等のユーザから入力手段23を通じて、コンセント記号の選択操作を再度受け付けると、制御手段21は、コンセント属性情報記憶領域222内の、選択されたコンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶する領域をアクティブ(=測定結果・判定結果入力待機状態)にする。
【0102】
制御手段21は、測定器1から、測定器識別情報(測定器ID)、選択されたコンセント記号に係る測定結果及び測定器判定結果等を新たに受信すると、既に記憶されている測定結果及び測定器判定結果等を削除(消去)することなく、記憶手段22のコンセント属性情報記憶領域222内に別途記憶させる。また、制御手段21は、測定器1から新たに受信した測定結果及び測定器判定結果に基づいて、測定結果・判定結果表示欄を表示手段24上に表示させる。なお、当該測定結果・判定結果表示欄及び選択されたコンセント記号の表示色は、受信した測定器判定結果に基づいて行った判定結果等に応じて、赤色、あるいは水色で表示させる。
【0103】
このように、本実施の形態例1に係る情報処理装置2では、同一のコンセントについて、測定結果及び判定結果等を、既に記憶済みのものを削除(消去)させることなく、複数記憶させることができ、便宜である。
【0104】
また、制御手段21は、作業者等のユーザから入力手段23を通じて、選択されたコンセント記号を特定色に変更する旨の命令を受け付けると、選択されたコンセント記号を、命令に応じた特定色に変更させる。例えば、配線図上には記載があるが、実際の現場には実物がない場合には、当該コンセント記号の表示色を青色に変更させる。また、配線図上に記載があり、実物もあるが、測定できない場合には、当該コンセント記号の表示色を緑色に変更させる。更に、また、配線図上に記載があり、実物もあるが、測定対象ではない場合には、当該コンセント記号の表示色を白色に変更させる。
【0105】
記憶手段22は、各種情報を一時記憶するためのものであり、制御手段21の主メモリ、ワークエリア等として機能するRAMや、内部に基本I/Oプログラム等のプログラム、基本処理において使用する各種情報を記憶するROM(=Read Only Memory)を有している。
【0106】
記憶手段22は、大容量メモリとして機能するHD(=Hard Disk)を有しており、このHDには、配線図情報記憶領域221、コンセント属性情報記憶領域222が設けられている。
【0107】
この配線図情報記憶領域221には、配線図情報が記憶される。そして、配線図情報は、アプリケーションプログラム「CADWe’ll」で保存された.「tfx.」や「tfs.」形式や、アプリケーションプログラム「Auto CAD」で開くことのできる「dwg.」形式で記憶される。
【0108】
また、コンセント属性情報記憶領域222は、測定結果が記憶される。例えば、測定結果は、図9に示すように、測定順(測定した順番)に、測定結果を入力(受信)した端末(=情報処理装置2)を識別する入力端末識別情報(入力端末ID)、測定時刻、測定器識別情報(測定器ID)、測定ポイント識別情報(測定ポイントID)、配線図上の測定ポイントの座標(位置)、測定ポイント作成端末識別情報(測定ポイント作成端末ID)、測定ポイント作成時刻、結線、電圧値、測定器判定結果、端子極性に係る判定結果(図9では、「端子極性」)、接地に係る判定結果(図9では、「接地」)、接地抵抗値、NOISE等が記憶される。なお、測定器ID、結線、電圧値、測定器判定結果、接地抵抗値、NOISEは、接続された測定器1から受信する。
【0109】
入力手段23は、作業員等のユーザから情報処理装置2に対する情報や命令の入力を受け付ける、例えば、表示手段24上等に設けられたタッチパネル、キーボード、ポインティングデバイス、ボタンである。
【0110】
表示手段24は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットマトリクス型のディスプレイであり、入力手段23から入力された命令や、それに対する情報処理装置2の応答出力等を表示するものである。特に、表示手段24は、コンセント記号を含む配線図を表示する。
【0111】
計時手段25は、例えば、リアルタイムクロックであって、現在時刻を計時する。
【0112】
バス27は、情報処理装置2内の情報の流れを司るものである。通信手段26はインターフェイス(I/F)であり、情報処理装置2は、この通信手段26を介してBLE等で接続され、測定器1と情報のやり取りを行う。
【0113】
なお、以上の各装置と同等の機能を実現するソフトウェアにより、ハードウェア装置の代替として構成することもできる。
【0114】
次に、電気設備品質確認システムBの動作の流れについて、図6及び図10を用いて、説明する。なお、この電気設備品質確認システムBの動作は、各測定器1について、独立して実行する。
【0115】
まず準備として、作業者等のユーザは、記憶手段22の配線図情報記憶領域221に記憶されている配線図情報が、アプリケーションプログラム「Auto CAD」で開くことのできない「tfx.」や「tfs.」の形式のみの場合には、入力手段23を操作して、当該配線図情報をアプリケーションプログラム「Auto CAD」で開くことのできる「dwg.」形式に変換して、記憶手段22の配線図情報記憶領域221に別途記憶させる。
【0116】
作業員等のユーザが、タッチパネル等の入力手段23を操作して、表示手段24上のアイコン「測定ポイントの指定」をタップする。
【0117】
すると、情報処理装置2は、「測定ポイントの指定」する旨の命令を認識すると、表示手段24上の表示された、配線図中の、線、文字、記号等の表示色を変更する(ステップS1001)。例えば、配線図中の全ての線、文字、記号等の表示色を白から黒に反転(変更)して表示する。
【0118】
また、情報処理装置2は、配線図情報からコンセントを識別するコンセント識別情報を特定し、特定したコンセント識別情報に基づいて、表示手段24上に表示された、配線図中の各コンセント記号を、特定色(例えば、黄色)に表示変更する(ステップS1002)。
【0119】
更に、情報処理装置2は、コンセント属性情報記憶領域222内の、表示手段24上に表示された各コンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶する領域に、測定ポイント識別情報(測定ポイントID)、配線図上の測定ポイントの座標(位置)、測定ポイントを作成した端末(=情報処理装置2)を識別する測定ポイント作成端末識別情報(測定ポイント作成端末ID)、測定ポイント作成時刻を記憶させ、各コンセント記号との関連付けを行う。
【0120】
なお、本実施の形態例1では、配線図中の、線、文字、記号等の表示色を変更した後(ステップS1001)、配線図中の各コンセント記号を特定色に表示変更する(ステップS1002)の構成を示したが、これは説明の便宜上のためである。そのため、例えば、配線図中の各コンセント記号を特定色に表示変更した後、配線図中の、線、文字、記号等の表示色を変更する構成としても良い。また、配線図中の、各コンセント記号以外の線、文字、記号等の表示色の変更と、配線図中の各コンセント記号の特定色への表示変更を同時に行う構成としても良い。
【0121】
このように、情報処理装置2は、作業者等のユーザからのアイコン「測定ポイントの指定」のタップ(ユーザからの入力手段23に対する操作)による命令を認識すると、自動的に、配線図中の、線、文字、記号等の表示色を変更し、配線図中の各コンセント記号を特定色に表示変更する。
【0122】
次に、作業員等のユーザが、タッチパネル等の入力手段23を操作して、表示手段24上のアイコン「接続開始」をタップする。
【0123】
すると、情報処理装置2は、情報処理装置2の周辺をスキャンする。そして、通信手段26を通じて、測定器1から出力されているAdvertiseパケットの受信に成功すると、測定器1との接続を確立する(ステップS1003)。
【0124】
作業員等のユーザが、タッチパネル等の入力手段23を操作して、表示手段24上のアイコン「測定」をタップする。
【0125】
すると、情報処理装置2は、配線図情報からコンセント識別情報を特定し、特定したコンセント識別情報に基づいて、図7(b)に示すように、前記表示手段24上に表示された各コンセント記号にハッチング処理を行う。
【0126】
作業員等のユーザは、測定を行うコンセント付近まで移動する。そして、タッチパネル等の入力手段23を操作して、表示手段24上に表示された、測定を行うコンセントに対応する、配線図中のコンセント記号をタップ(選択)する。
【0127】
すると、情報処理装置2は、測定対象の選択操作を受け付け(ステップS1004)、コンセント属性情報記憶領域222内の、タップ(選択)されたコンセント記号に係るコンセント属性情報を記憶する領域をアクティブにする。
【0128】
作業員等のユーザは、測定器1の測定部11を測定対象のコンセントに差し込んで、測定を行う。
【0129】
情報処理装置2は、通信手段26を通じて、測定器1から、測定器識別情報、選択されたコンセント記号に係る測定結果、当該測定結果に対応する測定器判定結果等の情報を受信すると(ステップS1005)、記憶手段22のコンセント属性情報記憶領域222内のアクティブにした領域に記憶する。また、受信した測定器判定結果に基づいて判定を行い、図6又は図8に示すように、選択されたコンセント記号に対応する測定結果・判定結果表示欄内に「測定順」、「電圧値」、「端子極性に係る判定結果」、「接地に係る判定結果」を表示する。なお、測定結果・判定結果表示欄及び選択されたコンセント記号は、受信した測定器判定結果に基づいて行った判定結果等に応じた、特定色で表示する。
【0130】
その後、作業員等のユーザは、次に測定を行うコンセントの場所まで移動する。そして、タッチパネル等の入力手段23を操作して、表示手段24上に表示された、次に測定を行うコンセントに対応する、配線図中のコンセント記号をタップ(選択)する。すると、情報処理装置2は、測定対象の選択操作を受け付ける(ステップS1004)。以降、情報処理装置2は、測定が必要な全てのコンセントに対する作業員等のユーザの測定が完了するまで、ステップS1004及びS1005を繰り返す。
【0131】
このように、表示手段24上に表示された、配線図中のコンセント記号を、特定色で表示し、また、配線図中のコンセント記号以外の線、文字、記号については、コンセント記号の表示色とは異なる色で表示する構成であるため、配線図中のコンセント記号の視認性が向上し、誤配線確認試験等を行う作業者等のユーザは、見落とすことなく、対象の全てのコンセントに対して、確認試験等を適切に行うことができる。また、作業者等のユーザが、対象のコンセントを見落とすことがなくなるため、作業全体の効率が高まる。
【0132】
また、配線図中のいずれかのコンセント記号をタップ(選択)する際には、配線図中のコンセント記号を、ハッチング処理された状態で表示する構成であるため、作業者等のユーザは、コンセント記号の選択操作がし易くなる。
【0133】
また、測定器1から選択されたコンセント記号に係る測定結果等を受信するたびに、それらを測定結果・判定結果表示欄内に表示させ、また、当該表示欄及びコンセント記号を、受信した測定器判定結果に基づいて行った判定結果に応じた特定色で表示させる構成であるため、作業者等のユーザは、測定を行うたびに、その結果及び判定結果を視覚的に認識でき、測定結果及び判定結果を認識せずに見過ごした状態で、次のコンセントの測定作業に進むことがない。
【0134】
更に、実際の現場には実物がない、測定対象ではない等、測定不可の場合には、対応する配線図上のコンセント記号を特定色に変更可能な構成であるため、配線図に実際の現場の状況を書き込むことができ、便宜である。
【符号の説明】
【0135】
1:測定器、11:測定部、12:測定結果判定部、13:表示部、14:通信部、
2:情報処理装置、21:制御手段、22:記憶手段、221:配線図情報記憶領域、222:コンセント属性情報記憶領域、23:入力手段、24:表示手段、25:計時手段、26:通信手段、27:バス、
4:情報処理装置、41:制御手段、42:記憶手段、421:配線図情報記憶領域、422:環境情報取得装置情報記憶領域、43:入力手段、44:表示手段、45:計時手段、46:通信手段、47:バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10