(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】液圧駆動ロボットの制御装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
B25J 19/06 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
B25J19/06
(21)【出願番号】P 2020029467
(22)【出願日】2020-02-25
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000211064
【氏名又は名称】中外テクノス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 孝一
(72)【発明者】
【氏名】小林 亮介
(72)【発明者】
【氏名】石塚 一平
(72)【発明者】
【氏名】田山 宗徳
(72)【発明者】
【氏名】薄田 晴香
(72)【発明者】
【氏名】中村 勇気
(72)【発明者】
【氏名】内藤 由和
(72)【発明者】
【氏名】小林 強志
【審査官】神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-007575(JP,A)
【文献】米国特許第07617762(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
G21C 19/00-19/50
G21F 9/00- 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧で駆動される少なくとも1つの液圧駆動ロボットアーム部を備えた液圧駆動ロボットを制御する液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記制御装置は、前記液圧駆動ロボットアーム部の圧力及び流量を計測する圧力及び流量計測部と、該圧力及び流量計測部で計測された計測データに基づいて圧力値及び/又は流量値が正常か異常かを判断し、前記圧力値及び/又は流量値が異常な場合には、その異常な圧力値及び/又は流量値から異常個所を推定する自己診断装置と、該自己診断装置の診断結果に基づいて前記液圧駆動ロボットアーム部の制御方式を変更及び/又は切替える制御方式切替部と、から成り、
前記液圧駆動ロボットアーム部は、内部に注排液される注排液ラインが接続されたシリンダ筒体及び注排液される液圧により前記シリンダ筒体の内部を移動するシリンダ軸から成る液圧駆動シリンダと、前記シリンダ筒体の底部を支持する下部フレームと、前記シリンダ軸の前記シリンダ筒体内に入っている側とは反対側を支持する上部フレームと、を備え、前記下部フレームと前記上部フレームの間の円周方向に、前記液圧駆動シリンダが複数本設置された液圧駆動ユニットから構成され、
複数本設置されている前記液圧駆動シリンダの少なくとも1本が故障した場合には、この故障した前記液圧駆動シリンダを前記自己診断装置を構成する異常発生位置推定部で推定すると共に、故障した前記液圧駆動シリンダを使用しないで残りの前記液圧駆動シリンダに切替えても、前記液圧駆動ロボットアーム部の作業が継続できるかどうかを前記自己診断装置を構成する作業継続可否判定部で判定し、この作業継続可否判定部での判定結果を操作装置の表示部に表示し、該表示部の表示が作業継続“可”である場合には、
前記操作装置の前記制御方式切替部をONにして故障していない残りの前記液圧駆動ロボットアーム部の制御方式に切替えて、前記液圧駆動ロボットアーム部での作業を継続することを特徴とする液圧駆動ロボットの制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記シリンダ筒体の内部に注排液する前記注排液ラインには、前記シリンダ筒体の内部に注液するポンプユニット及び前記シリンダ筒体の内部への注排液の際に前記注排液ラインを開閉する電磁弁ユニットが設置されていることを特徴とする液圧駆動ロボットの制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記圧力及び流量計測部は、前記ポンプユニットの圧力を計測するポンプユニット圧力計測器と前記電磁弁ユニットの圧力を計測する電磁弁ユニット圧力計測器及び前記電磁弁ユニットの流量を計測する電磁弁ユニット流量計測器から成り、
前記自己診断装置は、前記ポンプユニット圧力計測器と前記電磁弁ユニット圧力計測器及び/又は前記電磁弁ユニット流量計測器からの計測値に基づいて異常発生位置を推定する異常発生位置推定部と、該異常発生位置推定部からの情報に基づいて前記制御方式切替部での制御方式切替後の前記液圧駆動ロボットアーム部の動作可能範囲を算出する動作可能範囲算出部と、前記ポンプユニット圧力計測器と前記電磁弁ユニット圧力計測器及び/又は前記電磁弁ユニット流量計測器での計測値、前記異常発生位置推定部での推定値及び前記動作可能範囲算出部での算出値を前記制御方式切替部を備えた操作装置の操作装置データ送受信部に送受信する自己診断装置データ送受信部と、該自己診断装置データ送受信部からの情報に基づいて前記液圧駆動ロボットアーム部への動作指示内容を記憶する動作指示内容記憶部と、該動作指示内容記憶部及び前記動作可能範囲算出部からの情報に基づいて前記液圧駆動ロボットアーム部の作業が継続できるかどうかを判定する作業継続可否判定部と、から成り、
前記作業継続可否判定部での判定結果を、前記自己診断装置データ送受信部及び前記操作装置データ送受信部を経由して前記操作装置の表示部に表示し、この表示部の表示が作業継続“可”の場合には、
前記操作装置の前記制御方式切替部をONにして前記液圧駆動ロボットアーム部の制御方式を切替えることを特徴とする液圧駆動ロボットの制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記操作装置と前記自己診断装置の間には制御・駆動装置が設置されており、
前記制御・駆動装置は、前記操作装置データ送受信部にデータを送受信する制御・駆動装置データ送受信部と、該制御・駆動装置データ送受信部からの情報に基づいて前記ポンプユニット及び前記電磁弁ユニットと前記液圧駆動ロボットに設置されているカメラを制御する制御盤と、から成ることを特徴とする液圧駆動ロボットの制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記制御盤は、前記圧力値及び/又は前記流量値が正常時の際に液体が流れるように制御する第1の制御回路と、前記圧力値及び/又は前記流量値が異常時の際に液体が流れるように制御する第2の制御回路と、前記制御・駆動装置データ送受信部からの情報に基づいて前記第1の制御回路から前記第2の制御回路に切替える制御回路切替スイッチと、前記制御・駆動装置データ送受信部からの情報に基づいて前記カメラの制御、映像処理を行うカメラ制御・映像処理回路と、を備えていることを特徴とする液圧駆動ロボットの制御装置。
【請求項6】
請求項3又は4に記載の液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記注排液ラインは、前記シリンダ筒体の底部側に接続された注排液ライン(A)と前記シリンダ筒体の上部側に接続された注排液ライン(B)とから成ると共に、前記電磁弁ユニットは、電磁弁(A)、電磁弁(B)、電磁弁(C)及び電磁弁(D)から成り、かつ、前記ポンプユニットは、貯液タンクと該貯液タンクの水を前記注排液ライン(A)へ供給する昇圧ポンプ及び該昇圧ポンプを駆動する電動機から成り、
前記注排液ライン(A)の他端は前記電磁弁(A)と前記電磁弁(B)の間に接続され、前記注排液ライン(B)の他端は前記電磁弁(C)と前記電磁弁(D)の間に接続され、
前記注排液ライン(A)には電磁弁ユニット圧力計測器(A)及び電磁弁ユニット流量計測器(A)が設置され、前記注排液ライン(B)には電磁弁ユニット圧力計測器(B)及び電磁弁ユニット流量計測器(B)が設置され、
前記電磁弁ユニットと前記ポンプユニットの間には前記ポンプユニット圧力計測器が設置されていることを特徴とする液圧駆動ロボットの制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記自己診断装置は、前記電磁弁(A)が開で、前記電磁弁(B)、前記電磁弁(C)及び前記電磁弁(D)が閉で、前記昇圧ポンプが昇圧した際に、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が正常値まで増加しない場合には、前記液圧駆動シリンダの故障が、前記注排液ライン(A)の流路の破損であると判断することを特徴とする液圧駆動ロボットの制御装置。
【請求項8】
請求項6に記載の液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記自己診断装置は、前記電磁弁(A)が開で、前記電磁弁(B)、前記電磁弁(C)及び前記電磁弁(D)が閉で、前記昇圧ポンプが昇圧した際に、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が正常値まで増加しない場合には、前記液圧駆動シリンダの故障が、前記注排液ライン(A)の前記シリンダ筒体との接続部の破損であると判断することを特徴とする液圧駆動ロボットの制御装置。
【請求項9】
請求項6に記載の液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記自己診断装置は、前記電磁弁(A)が開で、前記電磁弁(B)、前記電磁弁(C)及び前記電磁弁(D)が閉で、前記昇圧ポンプが昇圧した際に、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が正常値まで増加するが、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が正常値まで即座に増加しない場合には、前記液圧駆動シリンダの故障が、前記注排液ライン(B)の流路の破損であると判断することを特徴とする液圧駆動ロボットの制御装置。
【請求項10】
請求項6に記載の液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記自己診断装置は、前記電磁弁(A)が開で、前記電磁弁(B)、前記電磁弁(C)及び前記電磁弁(D)が閉で、前記昇圧ポンプが昇圧した際に、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が正常値まで増加するが、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が正常値まで即座に増加しない場合には、前記液圧駆動シリンダの故障が、前記注排液ライン(B)の前記シリンダ筒体との接続部の破損であると判断することを特徴とする液圧駆動ロボットの制御装置。
【請求項11】
請求項6に記載の液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記自己診断装置は、前記電磁弁(A)が開で、前記電磁弁(B)、前記電磁弁(C)及び前記電磁弁(D)が閉で、前記昇圧ポンプが昇圧した際に、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が正常値まで増加し、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が即座に正常値まで増加し、前記電磁弁ユニット圧力計測器(B)の計測値が正常値でなく、
前記電磁弁(A)が開、前記電磁弁(B)及び前記電磁弁(C)が閉、前記電磁弁(D)が開で、前記昇圧ポンプが昇圧した際に、前記電磁弁ユニット流量計測器(A)と前記電磁弁ユニット流量計測器(B)の計測値の比率が正常でなく、かつ、前記電磁弁(A)、前記電磁弁(B)及び前記電磁弁(C)が閉、前記電磁弁(D)が開で、前記電磁弁ユニット流量計測器(B)に液体が流れている場合には、前記液圧駆動シリンダの故障が、前記注排液ライン(A)の流路の圧詰まりであると判断することを特徴とする液圧駆動ロボットの制御装置。
【請求項12】
請求項6に記載の液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記自己診断装置は、前記電磁弁(A)が開で、前記電磁弁(B)、前記電磁弁(C)及び前記電磁弁(D)が閉で、前記昇圧ポンプが昇圧した際に、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が正常値まで増加し、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が即座に正常値まで増加し、前記電磁弁ユニット圧力計測器(B)の計測値が正常値でなく、
前記電磁弁(A)が開、前記電磁弁(B)及び前記電磁弁(C)が閉、前記電磁弁(D)が開で、前記昇圧ポンプが昇圧した際に、前記電磁弁ユニット流量計測器(A)と前記電磁弁ユニット流量計測器(B)の計測値の比率が正常でなく、かつ、前記電磁弁(A)、前記電磁弁(B)及び前記電磁弁(C)が閉、前記電磁弁(D)が開で、前記電磁弁ユニット流量計測器(B)に液体が流れていない場合には、前記液圧駆動シリンダの故障が、前記注排液ライン(B)の流路の圧詰まりであると判断することを特徴とする液圧駆動ロボットの制御装置。
【請求項13】
請求項6に記載の液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記シリンダ軸は、円盤状部材と、該円盤状部材の中心部から軸方向に延びる軸状部材とから成り、
前記自己診断装置は、前記電磁弁(A)が開、前記電磁弁(B)、前記電磁弁(C)及び前記電磁弁(D)が閉で、前記昇圧ポンプが昇圧した際に、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が正常値まで増加し、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が即座に正常値まで増加し、前記電磁弁ユニット圧力計測器(B)の計測値が正常値でなく、
前記電磁弁(A)が開、前記電磁弁(B)及び前記電磁弁(C)が閉、前記電磁弁(D)が開で、前記昇圧ポンプが昇圧した際に、前記電磁弁ユニット流量計測器(A)と前記電磁弁ユニット流量計測器(B)の計測値の比率が正常な場合には、前記液圧駆動シリンダの故障が、前記シリンダ筒体の内側と前記シリンダ軸の前記円盤状部材とをシールするシール部の破損であると判断することを特徴とする液圧駆動ロボットの制御装置。
【請求項14】
請求項6に記載の液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記シリンダ軸は、円盤状部材と、該円盤状部材の中心部から軸方向に延びる軸状部材とから成り、
前記自己診断装置は、前記電磁弁(A)が開で、前記電磁弁(B)、前記電磁弁(C)及び前記電磁弁(D)が閉で、前記昇圧ポンプが昇圧した際に、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が正常値まで増加するが、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が正常値まで即座に増加しない場合には、前記液圧駆動シリンダの故障が、前記シリンダ軸の前記軸状部材が通る開口部と前記軸状部材とをシールするシール部の破損であると判断することを特徴とする液圧駆動ロボットの制御装置。
【請求項15】
請求項6に記載の液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記シリンダ軸は、円盤状部材と、該円盤状部材の中心部から軸方向に延びる軸状部材とから成り、
前記自己診断装置は、前記電磁弁(A)が開で、前記電磁弁(B)、前記電磁弁(C)及び前記電磁弁(D)が閉で、前記昇圧ポンプが昇圧した際に、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が正常値まで増加し、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)の計測値が即座に正常値まで増加し、前記電磁弁ユニット圧力計測器(B)の計測値が正常値である場合には、前記液圧駆動シリンダの故障が、前記シリンダ軸の前記軸状部材の破損であると判断することを特徴とする液圧駆動ロボットの制御装置。
【請求項16】
液圧で駆動される少なくとも1つの液圧駆動ロボットアーム部を備えた液圧駆動ロボットを制御する液圧駆動ロボットの制御方法であって、
圧力及び流量計測部で前記液圧駆動ロボットアーム部の圧力及び/又は流量を計測し、その圧力及び流量計測部で計測された計測データに基づいて自己診断装置で圧力値及び/又は流量値が正常か異常かを判断すると共に、前記圧力値及び/又は流量値が異常な場合には、その異常な圧力値及び/又は流量値から異常個所を推定し、前記自己診断装置の診断結果に基づいて制御方式切替部で前記液圧駆動ロボットアーム部の制御方式を変更及び/又は切替え、
前記液圧駆動ロボットアーム部は、内部に注排水される注排液ラインが接続されたシリンダ筒体及び注排液される液圧により前記シリンダ筒体の内部を移動するシリンダ軸から成る液圧駆動シリンダと、前記シリンダ筒体の底部を支持する下部フレームと、前記シリンダ軸の前記シリンダ筒体内に入っている側とは反対側を支持する上部フレームと、を備え、前記下部フレームと前記上部フレームの間の円周方向に、前記液圧駆動シリンダが複数本設置された液圧駆動ユニットから構成され、
複数本設置されている前記液圧駆動シリンダの少なくとも1本が故障した場合には、この故障した前記液圧駆動シリンダを前記自己診断装置を構成する異常発生位置推定部で推定すると共に、故障した前記液圧駆動シリンダを使用しないで残りの前記液圧駆動シリンダに切替えても、前記液圧駆動ロボットアーム部の作業が継続できるかどうかを前記自己診断装置を構成する作業継続可否判定部で判定し、この作業継続可否判定部での判定結果を操作装置の表示部に表示し、該表示部の表示が作業継続“可”である場合には、
前記操作装置の前記制御方式切替部をONにして故障していない残りの前記液圧駆動ロボットアーム部の制御方式に切替えて、前記液圧駆動ロボットアーム部での作業を継続することを特徴とする液圧駆動ロボットの制御方法。
【請求項17】
請求項16に記載の液圧駆動ロボットの制御方法であって、
前記シリンダ筒体の内部に注排液する前記注排液ラインには、前記シリンダ筒体の内部に注液するポンプユニット及び前記シリンダ筒体の内部への注排液の際に前記注排液ラインを開閉する電磁弁ユニットが設置されており、
前記圧力及び流量計測部は、ポンプユニット圧力計測器では前記ポンプユニットの圧力を計測すると共に、電磁弁ユニット圧力計測器では前記電磁弁ユニットの圧力を計測し、かつ、電磁弁ユニット流量計測器では前記電磁弁ユニットの流量を計測し、
前記自己診断装置では、前記ポンプユニット圧力計測器と前記電磁弁ユニット圧力計測器及び前記電磁弁ユニット流量計測器からの計測値に基づいて異常発生位置を異常発生位置推定部で推定し、この異常発生位置推定部からの情報に基づいて前記制御方式切替部での制御方式切替後の前記液圧駆動ロボットアーム部の動作可能範囲を動作可能範囲算出部で算出し、前記ポンプユニット圧力計測器と前記電磁弁ユニット圧力計測器及び前記電磁弁ユニット流量計測器での計測値、前記異常発生位置推定部での推定値及び前記動作可能範囲算出部での算出値を前記制御方式切替部を備えた操作装置の操作装置データ送受信部に自己診断装置データ送受信部に送受信し、該自己診断装置データ送受信部からの情報に基づいて前記液圧駆動ロボットアーム部への動作指示内容を動作指示内容記憶部で記憶し、この動作指示内容記憶部及び前記動作可能範囲算出部からの情報に基づいて前記液圧駆動ロボットアーム部の作業が継続できるかどうかを作業継続可否判定部で判定し、
前記作業継続可否判定部での判定結果を、前記自己診断装置データ送受信部及び前記操作装置データ送受信部を経由して前記操作装置の表示部に表示し、この表示部の表示が作業継続“可”の場合には、
前記操作装置の前記制御方式切替部をONにして前記液圧駆動ロボットアーム部の制御方式を切替えることを特徴とする液圧駆動ロボットの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液圧駆動ロボットの制御装置及びその制御方法に係り、特に、液圧で駆動され、例えば、人間の立ち入りが困難な高放射線環境下において長時間の遠隔作業が行われるものに好適な液圧駆動ロボットの制御装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人間の立ち入りが困難な高放射線環境においては、作業を実施するために、遠隔地(低放射線量エリア)にいるオペレータが、高放射線量エリアにある遠隔操作装置(水圧駆動ロボットなどの液圧駆動ロボット)を用いながら遠隔作業を行う必要がある。
【0003】
ところが、水圧駆動ロボットが高放射線量エリア内で故障した場合には、高放射線量エリアであるため、水圧駆動ロボットにアクセスして直接修理することが困難であり、水圧駆動ロボットを低放射線量エリアに引き戻し、新たな水圧駆動ロボットを再投入して作業を行う必要がある。
【0004】
なお、作業周辺環境の状況に応じて作業装置の構成を決定し、更に、作業装置の動作を生成できるようにする作業装置の作業支援システム及び作業支援方法が特許文献1に記載されている。
【0005】
この特許文献1には、作業現場の作業周辺環境に関する情報を取得して、この作業周辺環境の状況を認識する環境認識部と、作業内容と制約条件と前記環境認識部による環境認識結果に基づいて、前記作業現場で使用する所定の作業装置の装置構成を決定する装置構成決定部と、所定の作業装置の状態と作業内容とに基づいて、所定の作業装置の動作を生成する装置動作生成部を備えた作業装置の作業支援システム及びその作業支援方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した従来技術では、故障した液圧駆動ロボットを低放射線量エリアに引き戻し、新たな液圧駆動ロボットを高放射線量エリアに再投入する作業が生じるため、それに伴い、本来の液圧駆動ロボットを用いて行う遠隔作業の停止が余儀なくされ、しかも、液圧駆動ロボットの再投入を行う作業者が被曝のリスクに晒される恐れがあるという課題があった。
【0008】
一方、上記した特許文献1に記載の作業装置の作業支援システム及びその作業支援方法においては、上記した従来技術の課題の認識はないし、それを解決しようとする記載も一切見受けられない。
【0009】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、万が一、高放射線量エリアで液圧駆動ロボットが故障したとしても、液圧駆動ロボットを用いた遠隔作業が停止することなく、しかも、作業者の被曝のリスクが回避できる液圧駆動ロボットの制御装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の液圧駆動ロボットの制御装置は、上記目的を達成するために、液圧で駆動される少なくとも1つの液圧駆動ロボットアーム部を備えた液圧駆動ロボットを制御する液圧駆動ロボットの制御装置であって、
前記制御装置は、前記液圧駆動ロボットアーム部の圧力及び流量を計測する圧力及び流量計測部と、該圧力及び流量計測部で計測された計測データに基づいて圧力値及び/又は流量値が正常か異常かを判断し、前記圧力値及び/又は流量値が異常な場合には、その異常な圧力値及び/又は流量値から異常個所を推定する自己診断装置と、該自己診断装置の診断結果に基づいて前記液圧駆動ロボットアーム部の制御方式を変更及び/又は切替える制御方式切替部と、から成り、
前記液圧駆動ロボットアーム部は、内部に注排液される注排液ラインが接続されたシリンダ筒体及び注排液される液圧により前記シリンダ筒体の内部を移動するシリンダ軸から成る液圧駆動シリンダと、前記シリンダ筒体の底部を支持する下部フレームと、前記シリンダ軸の前記シリンダ筒体内に入っている側とは反対側を支持する上部フレームと、を備え、前記下部フレームと前記上部フレームの間の円周方向に、前記液圧駆動シリンダが複数本設置された液圧駆動ユニットから構成され、
複数本設置されている前記液圧駆動シリンダの少なくとも1本が故障した場合には、この故障した前記液圧駆動シリンダを前記自己診断装置を構成する異常発生位置推定部で推定すると共に、故障した前記液圧駆動シリンダを使用しないで残りの前記液圧駆動シリンダに切替えても、前記液圧駆動ロボットアーム部の作業が継続できるかどうかを前記自己診断装置を構成する作業継続可否判定部で判定し、この作業継続可否判定部での判定結果を操作装置の表示部に表示し、該表示部の表示が作業継続“可”である場合には、前記操作装置の前記制御方式切替部をONにして故障していない残りの前記液圧駆動ロボットアーム部の制御方式に切替えて、前記液圧駆動ロボットアーム部での作業を継続することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の液圧駆動ロボットの制御方法は、上記目的を達成するために、液圧で駆動される少なくとも1つの液圧駆動ロボットアーム部を備えた液圧駆動ロボットを制御する液圧駆動ロボットの制御方法であって、
圧力及び流量計測部で前記液圧駆動ロボットアーム部の圧力及び/又は流量を計測し、その圧力及び流量計測部で計測された計測データに基づいて自己診断装置で圧力値及び/又は流量値が正常か異常かを判断すると共に、前記圧力値及び/又は流量値が異常な場合には、その異常な圧力値及び/又は流量値から異常個所を推定し、前記自己診断装置の診断結果に基づいて制御方式切替部で前記液圧駆動ロボットアーム部の制御方式を変更及び/又は切替え、
前記液圧駆動ロボットアーム部は、内部に注排水される注排液ラインが接続されたシリンダ筒体及び注排液される液圧により前記シリンダ筒体の内部を移動するシリンダ軸から成る液圧駆動シリンダと、前記シリンダ筒体の底部を支持する下部フレームと、前記シリンダ軸の前記シリンダ筒体内に入っている側とは反対側を支持する上部フレームと、を備え、前記下部フレームと前記上部フレームの間の円周方向に、前記液圧駆動シリンダが複数本設置された液圧駆動ユニットから構成され、
複数本設置されている前記液圧駆動シリンダの少なくとも1本が故障した場合には、この故障した前記液圧駆動シリンダを前記自己診断装置を構成する異常発生位置推定部で推定すると共に、故障した前記液圧駆動シリンダを使用しないで残りの前記液圧駆動シリンダに切替えても、前記液圧駆動ロボットアーム部の作業が継続できるかどうかを前記自己診断装置を構成する作業継続可否判定部で判定し、この作業継続可否判定部での判定結果を操作装置の表示部に表示し、該表示部の表示が作業継続“可”である場合には、前記操作装置の前記制御方式切替部をONにして故障していない残りの前記液圧駆動ロボットアーム部の制御方式に切替えて、前記液圧駆動ロボットアーム部での作業を継続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、万が一、高放射線量エリアで液圧駆動ロボットが故障したとしても、液圧駆動ロボットを用いた遠隔作業が停止することなく、しかも、作業者の被曝のリスクが回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の液圧駆動ロボットの制御装置の実施例1が適用される高放射線量エリアにいる液圧駆動ロボットを操作している状態を示す図である。
【
図2】
図1の状態から故障した液圧駆動ロボットをアンインスストールする状態を示す図である。
【
図3(a)】本発明に適用される液水圧駆動ロボットの液圧駆動ロボットアーム部を示す図である。
【
図3(b)】
図3(a)に示した液圧駆動ロボットアーム部の1つの液圧駆動シリンダを示す図である。
【
図3(c)】
図3(b)のA-A線に沿った断面図である。
【
図4】本発明に適用される液圧駆動シリンダが注排水ラインを介してポンプユニット及び電磁弁ユニットに接続されている詳細構造を示す図である。
【
図5】本発明の液圧駆動ロボットの制御装置の実施例1を示す系統図である。
【
図6】本発明の液圧駆動ロボットの制御装置における液圧駆動ロボットの異常発生部位推定、修理実施、液圧駆動ロボットのアンインストール要否判定のフローを示す図である。
【
図7(a)】本発明に適用される液圧駆動シリンダにおける想定故障ケース(1)を示す図である。
【
図7(b)】本発明に適用される液圧駆動シリンダにおける想定故障ケース(2)を示す図である。
【
図7(c)】本発明に適用される液圧駆動シリンダにおける想定故障ケース(3)を示す図である。
【
図7(d)】本発明に適用される液圧駆動シリンダにおける想定故障ケース(4)を示す図である。
【
図7(e)】本発明に適用される液圧駆動シリンダにおける想定故障ケース(5)を示す図である。
【
図7(f)】本発明に適用される液圧駆動シリンダにおける想定故障ケース(6)を示す図である。
【
図7(g)】本発明に適用される液圧駆動シリンダにおける想定故障ケース(7)を示す図である。
【
図7(h)】本発明に適用される液圧駆動シリンダにおける想定故障ケース(8)を示す図である。
【
図7(i)】本発明に適用される液圧駆動シリンダにおける想定故障ケース(9)を示す図である。
【
図8】本発明に適用される液圧駆動シリンダの9カ所の想定故障ケースを判定するフローを示す図である。
【
図9】本発明に適用される液圧駆動シリンダの想定故障ケース(5)、(6)、(7)を特定するフローを示す図である。
【
図10】本発明の液圧駆動ロボットの制御装置の実施例1に採用される電磁弁ユニット流量計測器の一例を示す図である。
【
図11】
図10に示した電磁弁ユニット流量計測器を用いた流量計測手順の一例であり、正常状態で、かつ、液圧駆動シリンダのシリンダ軸が中立ポジションにいる状態を示す図である。
【
図12】
図10に示した電磁弁ユニット流量計測器を用いた流量計測手順の一例であり、正常状態で、かつ、液圧駆動シリンダのシリンダ軸を最大まで伸ばした状態を示す図である。
【
図13】
図10に示した電磁弁ユニット流量計測器を用いた流量計測手順の一例であり、
図7(a)に示した故障ケース(1)を例にとり、液圧駆動シリンダのシリンダ軸を伸ばそうとした状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図示した実施例に基づいて本発明の液圧駆動ロボットの制御装置及びその制御方法を説明する。なお、各図において、同一構成部品には同符号を使用する。
【0015】
まず、
図1及び
図2を用いて、液圧駆動ロボットを用いた遠隔作業について説明する。
【0016】
図1及び
図2において、5aは低放射線量の操作エリア、5bは中放射線量のメンテナンスエリア、5cは高放射線量のロボット作業エリアであり、低放射線量の操作エリア5aと中放射線量のメンテナンスエリア5bは第1の遮蔽扉7aで、中放射線量のメンテナンスエリア5bと高放射線量のロボット作業エリア5cは第2の遮蔽扉7bで、それぞれ遮蔽されている。
【0017】
低放射線量の操作エリア5a内にはオペレータ1が居り、このオペレータ1が操作する操作装置10、制御・駆動装置20及び自己診断装置50が設置されている(操作装置10、制御・駆動装置20及び自己診断装置50については、後述する)。
【0018】
また、高放射線量のロボット作業エリア5cには、液圧駆動ロボットアーム部8aを有する液圧駆動ロボット8が配置されており、この液圧駆動ロボット8は、制御・駆動装置20とケーブル9で接続され、作業対象物6に対して所定の処理作業を行う。
【0019】
なお、液圧源としては水圧、油圧などが挙げられる。高放射線環境では水圧駆動が適しているが、以下の説明において、液圧源の種類が変わっても液圧駆動ロボット8、操作装置10、制御・駆動装置20及び自己診断装置50の構成は基本的には変わらないため、以下の説明においては“液圧”として説明する。
【0020】
液圧駆動ロボット8が故障した際には、従来、この故障した液圧駆動ロボット8を、
図1の状態から
図2に示すように、第2の遮蔽扉7bを開放して、高放射線量のロボット作業エリア5cから中放射線量のメンテナンスエリア5bに液圧駆動ロボット8を引き戻し、液圧駆動ロボット8の修理を行っていた。
【0021】
図3(a)、
図3(b)及び
図3(c)を用いて、上記した液圧駆動ロボット8の駆動部のうち、液圧駆動ロボットアーム部8aを例にとり、以下に説明する。
【0022】
図3(a)、
図3(b)及び
図3(c)に示すように、液圧駆動ロボットアーム部8aは、内部に注排液される注排液ライン(A)及び(B)33d、33eが接続されたシリンダ筒体33a及び注排液される液圧によりシリンダ筒体33aの内部を移動するシリンダ軸33bから成る液圧駆動シリンダ30と、シリンダ筒体33aの底部を支持する下部フレーム32aと、シリンダ軸33bのシリンダ筒体33a内に入っている側とは反対側を支持する上部フレーム32bとを備えた液圧駆動ユニット31A(
図3(b)参照)が複数段(本実施例では、
図3(a)に示すように、液圧駆動ユニット31A、31B及び31Cの3段)連結されて構成され、また、液圧駆動ユニット31A、31B及び31Cは、
図3(c)に示すように、それぞれ下部フレーム32aと上部フレーム32bの間の円周方向に、液圧駆動シリンダ30が複数本(本実施例では4本)設置されている。
【0023】
更に、上記した液圧駆動シリンダ30のシリンダ筒体33aの内部に注排液する注排水ライン(A)及び(B)33d、33eには、シリンダ筒体33aの内部に注液するポンプユニット42(
図4参照)及びシリンダ筒体33aの内部への注排液の際に注排液ライン(A)及び(B)33d、33eを開閉する電磁弁ユニット43(
図4参照)が設置されている。
【0024】
次に、上記した液圧駆動シリンダ30が、注排液ライン(A)及び(B)33d、33eを介してポンプユニット42及び電磁弁ユニット43に接続されている詳細構造につて、
図4を用いて説明する。
【0025】
図4に示すように、液圧駆動シリンダ30のシリンダ軸33bは、円盤状部材33b1と、この円盤状部材33b1の中心部から軸方向(
図4の右側)に延びる軸状部材33b2とから構成されており、また、注排液ライン(A)及び(B)33d、33eは、シリンダ筒体33aの底部側(
図4の左側)に接続された注排液ライン(A)33dと、シリンダ筒体33aの上部側(
図4の右側)に接続された注排液ライン(B)33eとから成り、電磁弁ユニット43は、電磁弁(A)43a、電磁弁(B)43b、電磁弁(C)43c及び電磁弁(D)43dから成り、ポンプユニット42は、貯液タンク42cと、この貯液タンク42cの液体を注排液ライン(A)33dへ供給する昇圧ポンプ42aと、この昇圧ポンプ42aを駆動する電動機42bから成り、貯液タンク42cには貯液タンク元栓42dが設置されている。
【0026】
また、注排液ライン(A)33dの他端は、電磁弁(A)43aと電磁弁(B)43bの間に接続され、注排液ライン(B)33eの他端は、電磁弁(C)43cと電磁弁(D)43dの間に接続され、前記注排液ライン(A)33dには、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202a及び電磁弁ユニット流量計測器(A)301aが設置され、注排液ライン(B)33eには、電磁弁ユニット圧力計測器(B)202b及び電磁弁ユニット流量計測器(B)301bが設置され、更に、電磁弁ユニット43とポンプユニット42の間には、ポンプユニット圧力計測器201が設置されている。
【実施例1】
【0027】
本発明の液圧駆動ロボットの制御装置の実施例1を、
図5を用いて説明する。
【0028】
本実施例の液圧駆動ロボットの制御装置は、液圧駆動ロボットアーム部8aの圧力及び流量を計測する圧力及び流量計測部(ポンプユニット圧力計測器201、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202a、電磁弁ユニット圧力計測器(B)202b、電磁弁ユニット流量計測器(A)301a、電磁弁ユニット流量計測器(B)301b)と、この圧力及び流量計測部で計測された計測データに基づいて圧力値及び/又は流量値が正常か異常かを判断し、この圧力値及び/又は流量値が異常な場合には、その異常な圧力値及び/又は流量値から異常個所を推定する自己診断装置50と、この自己診断装置50の診断結果に基づいて、液圧駆動ロボットアーム部8aの制御方式を変更及び/又は切替える制御方式切替部10bとから概略構成されている。
【0029】
具体的には、上記した圧力及び流量計測部は、ポンプユニット42の圧力を計測するポンプユニット圧力計測器201と、電磁弁ユニット43の圧力を計測する電磁弁ユニット圧力計測器(A)及び(B)202a、202b及び電磁弁ユニット43の流量を計測する電磁弁ユニット流量計測器(A)及び(B)301a、301bとから構成されている。
【0030】
また、自己診断装置50は、ポンプユニット圧力計測器201と電磁弁ユニット圧力計測器(A)及び(B)202a、202b及び/又は電磁弁ユニット流量計測器(A)及び(B)301a、301bからの計測値(矢印109a、109b、110)に基づいて異常発生位置を推定する異常発生位置推定部50aと、この異常発生位置推定部50aからの情報(矢印112)に基づいて制御方式切替部10bでの制御方式切替後の液圧駆動ロボットアーム部8aの動作可能範囲を算出する動作可能範囲算出部50bと、ポンプユニット圧力計測器201と電磁弁ユニット圧力計測器(A)及び(B)202a、202b及び/又は電磁弁ユニット流量計測器(A)及び(B)301a、301bでの計測値(矢印109a、109b、110)、異常発生位置推定部50aでの推定値(矢印111)及び動作可能範囲算出部50bでの算出値(矢印113)を制御方式切替部10bを備えた操作装置10の操作装置データ送受信部10dに送受信(矢印104c、104d))する自己診断装置データ送受信部50eと、この自己診断装置データ送受信部50eからの情報(矢印114)に基づいて液圧駆動ロボットアーム部8aへの動作指示内容を記憶する動作指示内容記憶部50cと、この動作指示内容記憶部50c及び動作可能範囲算出部50bからの情報(矢印114及び113)に基づいて、液圧駆動ロボットアーム部8aの作業が継続できるかどうかを判定する作業継続可否判定部50dとから構成されている。
【0031】
そして、作業継続可否判定部50dでの判定結果(矢印115)を、自己診断装置データ送受信部50e及び操作装置データ送受信部10dを経由して操作装置10に送信(矢印103)して表示部10cに表示し、この表示をオペレータ1が見て、オペレータ1側で“3本の制御に切替える”か“液圧駆動ロボット8をアンインストールして修理するか”の最終ジャッジを下し、“3本の制御に切替える”場合は、操作装置10の制御方式切替部10bをONにし、その後は、制御・駆動装置20の制御盤20bの4本制御回路20b2から3本制御回路20b3の制御方式に切替わる。
【0032】
なお、操作装置10は、オペレータ1からの動作指示を入力する動作指示入力部10aを備えている。
【0033】
一方、操作装置10と自己診断装置50の間には、制御・駆動装置20が設置されており、この制御・駆動装置20は、操作装置データ送受信部10dにデータを送受信(矢印104a、104b)する制御・駆動装置データ送受信部20aと、この制御・駆動装置データ送受信部20aからの情報に基づいてポンプユニット42及び電磁弁ユニット43と液圧駆動ロボット8に設置されているカメラ40aを制御する制御盤20bとから構成されている。
【0034】
上記した制御盤20bは、電磁弁ユニット圧力計測器(A)及び(B)202a、202b及び/又は電磁弁ユニット流量計測器(A)及び(B)301a、301bで計測した圧力値及び/又は流量値が正常時の際に液体が流れるように制御する第1の制御回路である4本制御回路20b2と、電磁弁ユニット圧力計測器(A)及び(B)202a、202b及び/又は電磁弁ユニット流量計測器(A)及び(B)301a、301bで計測した圧力値及び/又は流量値が異常時の際に液体が流れるように制御する第2の制御回路である3本制御回路20b3と、制御・駆動装置データ送受信部20aからの情報に基づいて4本制御回路20b2から3本制御回路20b3に切替える制御回路切替スイッチ20b1と、制御・駆動装置データ送受信部20aからの情報に基づいてカメラ40aの制御、映像処理を行うカメラ制御・映像処理回路20b4とを備えている。
【0035】
なお、液圧駆動ロボット8には、電磁弁ユニット43の電磁弁43a、43b、43c、43dの開閉により駆動される移動機構40b、アーム機構40cを備えている。
【0036】
例えば、
図3(b)及び
図3(c)に示した4本設置されている液圧駆動シリンダ30の1本が故障した場合には、この故障した1本の液圧駆動シリンダ30を異常発生位置推定部50aで推定すると共に、故障した1本の液圧駆動シリンダ30を使用しないで残りの3本の液圧駆動シリンダ30に切替えても、液圧駆動ロボットアーム部8aの作業が継続できるかどうかを作業継続可否判定部50dで判定し、この作業継続可否判定部50dでの判定結果を操作装置10の表示部10cに表示し、この表示をオペレータ1が見て、オペレータ1側で“3本の制御に切替える”か“液圧駆動ロボット8をアンインストールして修理するか”の最終ジャッジを下し、“3本の制御に切替える”場合は、操作装置10の制御方式切替部10bをONにし、その後、制御・駆動装置20の制御盤20bの4本制御回路20b2から3本制御回路20b3の制御方式に切替えて、液圧駆動ロボットアーム部8aでの作業を継続する。
【0037】
次に、本実施例の液圧駆動ロボットの制御装置における液圧駆動ロボット8の異常発生部位推定、修理実施、液圧駆動ロボット8のアンインストール要否判定のフローを、
図6を用いて説明する。
【0038】
図6において、先ず液圧駆動ロボット8のアンインストール要否判定開始(S1)し、動作指示を実施する(S2)。次に、液圧駆動ロボット8の動作結果を取得(S3)し、指示内容と動作結果に相違があるかを判定する(S4)。S4の結果がNOであれば異常は発生していないと判断(S9)し、液圧駆動ロボット8のアンインストールは不要と判断(S10)して判定は終了する(S10)。
【0039】
一方、S4の結果がYESであれば、操作装置10~液圧駆動ロボット8間のどこかで異常が発生していると判断(S5)し、操作装置10/制御盤20b/ポンプユニット42/電磁弁ユニット43の電気信号を取得(S6)してエラー信号が出ているかを確認(S7)し、S7の結果がYESであれば低放射線量の操作エリアにある当該箇所の修理を実施(S8)し、液圧駆動ロボット8のアンインストールは不要と判断(S10)して判定は終了する(S11)。
【0040】
S7の確認結果がNOであれば、当該箇所以外で異常が発生していると判断(S12)し、圧力値を取得(S13)して圧力値は異常かを判断(S14)する。S14の判断がYESの場合は、圧力値を基に異常発生個所を推定(S15)し、異常発生個所は電磁弁ユニット42~ポンプユニット43の間かを確認(S16)し、S16の結果がYESの場合は、低放射線量の操作エリアにある当該箇所の修理を実施(S8)し、液圧駆動ロボット8のアンインストールは不要と判断(S10)して判定は終了する(S11)。
【0041】
一方、S14及びS16の確認結果がNOであれば、流量値を取得(S17)して流量値は異常かを判断(S18)し、S18の結果がYESの場合は、流量値を基に異常発生個所を推定(S19)し、異常の発生しているシリンダを使用しない制御方式への切替の検討を開始(S20)して、制御切替後の液圧駆動ロボット8の動作可能範囲を呼び出し(S21)、作業継続が可能か判断(S22)し、S22の結果がYESの場合は、制御切替を実施し(S23)し、水圧駆動ロボット8のアンインストールは不要と判断(S10)して判定は終了する(S10)。
【0042】
また、S22の判断がNOの場合には、液圧駆動ロボット8のアンインストールが必要と判断(S24)して判定は終了する(S11)。
【0043】
一方、S18の判断がNOの場合には、液圧駆動シリンダ30を除くロボット構成部品に異常が発生していると判断(S25)し、液圧駆動ロボット8のアンインストールが必要と判断(S24)して判定は終了する(S10)。
【0044】
次に、本実施例における液圧駆動シリンダ30の具体的な故障個所及び想定故障内容について、
図7(a)、
図7(b)、
図7(c)、
図7(d)、
図7(e)、
図7(f)、
図7(g)、
図7(h)及び
図7(i)を用いて説明する。
【0045】
液圧駆動シリンダ30の具体的な故障個所及び想定故障内容は、
図7(a)に示す注排液ライン(A)33dの流路の破損71である場合(想定故障ケース(1))、
図7(b)に示す注排液ライン(A)33dのシリンダ筒体33aとの接続部の破損72である場合(想定故障ケース(2))、
図7(c)に示す注排液ライン(B)33eの流路の破損73である場合(想定故障ケース(3))、
図7(d)に示す注排液ライン(B)33eのシリンダ筒体33aとの接続部の破損74である場合(想定故障ケース(4))、
図7(e)に示す注排液ライン(A)33dの流路の圧詰まり75である場合(想定故障ケース(5))、
図7(f)に示す注排液ライン(B)33eの流路の圧詰まり76である場合(想定故障ケース(6))、
図7(g)に示すシリンダ筒体33aの内側と円盤状部材33b1とをシールするシール部の破損77である場合(想定故障ケース(7))、
図7(h)に示すシリンダ軸33bの軸状部材33b2が通る開口部と軸状部材33b2とをシールするシール部の破損78である場合(想定故障ケース(8))、
図7(i)に示すシリンダ軸33bの軸状部材33b2の破損である場合(想定故障ケース(9))が想定される。
【0046】
上記した液圧駆動シリンダ30の9カ所の想定故障ケースを判定するフローを
図8及び
図9に示す。
【0047】
図8に示すように、電磁弁(A)43aが開で、電磁弁(B)43b、電磁弁(C)43c及び電磁弁(D)43dが閉で、昇圧ポンプ42aが昇圧した際に、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が正常値まで増加しない場合(
図8の符号901)には、液圧駆動シリンダ30の故障が、注排液ライン(A)33dの流路の破損71(想定故障ケース(1))であると、自己診断装置50で判断する。
【0048】
また、
図8に示すように、電磁弁(A)43aが開で、電磁弁(B)43b、電磁弁(C)43c及び電磁弁(D)43dが閉で、昇圧ポンプ42aが昇圧した際に、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が正常値まで増加しない場合(
図8の符号901)には、液圧駆動シリンダ30の故障が、注排液ライン(A)33dのシリンダ筒体33aとの接続部の破損72(想定故障ケース(2))であると、自己診断装置50で判断する。
【0049】
また、
図8に示すように、電磁弁(A)43aが開で、電磁弁(B)43b、電磁弁(C)43c及び電磁弁(D)43dが閉で、昇圧ポンプ42aが昇圧した際に、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が正常値まで増加するが、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が正常値まで即座に増加しない場合(
図8の符号902)には、液圧駆動シリンダ30の故障が、注排液ライン(B)33eの流路の破損73(想定故障ケース(3))であると、自己診断装置50で判断する。
【0050】
また、
図8に示すように、電磁弁(A)43aが開で、電磁弁(B)43b、電磁弁(C)43c及び電磁弁(D)43dが閉で、昇圧ポンプ42aが昇圧した際に、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が正常値まで増加するが、前記電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が正常値まで即座に増加しない場合(
図8の符号902)には、液圧駆動シリンダ30の故障が、注排液ライン(B)33eのシリンダ筒体33aとの接続部の破損74(想定故障ケース(4))であると、自己診断装置50で判断する。
【0051】
また、
図8に示すように、電磁弁(A)43aが開で、電磁弁(B)43b、電磁弁(C)43及び電磁弁(D)43dが閉で、昇圧ポンプ42aが昇圧した際に、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が正常値まで増加し、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が即座に正常値まで増加し、電磁弁ユニット圧力計測器(B)202bの計測値が正常値でなく(
図8の符号903)、しかも、
図9に示すように、電磁弁(A)43aが開、電磁弁(B)43b及び電磁弁(C)43cが閉、電磁弁(D)43dが開で、昇圧ポンプ42aが昇圧した際に、電磁弁ユニット流量計測器(A)301aと電磁弁ユニット流量計測器(B)301bの計測値の比率が正常でなく、かつ、電磁弁(A)43a、電磁弁(B)43b及び電磁弁(C)43cが閉、電磁弁(D)43dが開で、電磁弁ユニット流量計測器(B)301bに液体が流れている場合には、液圧駆動シリンダ30の故障が、注排液ライン(A)33dの流路の圧詰まり75(想定故障ケース(5))であると、自己診断装置50で判断する。
【0052】
また、
図8に示すように、電磁弁(A)43aが開で、電磁弁(B)43b、電磁弁(C)43c及び電磁弁(D)43dが閉で、昇圧ポンプ42aが昇圧した際に、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が正常値まで増加し、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が即座に正常値まで増加し、電磁弁ユニット圧力計測器(B)202bの計測値が正常値でなく(
図8の符号903)、しかも、
図9に示すように、電磁弁(A)43aが開、電磁弁(B)43b及び電磁弁(C)43cが閉、電磁弁(D)43dが開で、昇圧ポンプ42aが昇圧した際に、電磁弁ユニット流量計測器(A)301aと電磁弁ユニット流量計測器(B)301bの計測値の比率が正常でなく、かつ、電磁弁(A)43a、電磁弁(B)43b及び電磁弁(C)43cが閉、電磁弁(D)43dが開で、電磁弁ユニット流量計測器(B)301bに液体が流れていない場合には、液圧駆動シリンダ30の故障が、注排液ライン(B)33eの流路の圧詰まり76(想定故障ケース(6))であると、自己診断装置50で判断する。
【0053】
また、
図8に示すように、電磁弁(A)43aが開、電磁弁(B)43b、電磁弁(C)43c及び電磁弁(D)43dが閉で、昇圧ポンプ42aが昇圧した際に、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が正常値まで増加し、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が正常値まで増加し、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が即座に正常値まで増加し、電磁弁ユニット圧力計測器(B)202bの計測値が正常値でなく(
図8の符号903)しかも、
図9に示すように、電磁弁(A)43aが開、電磁弁(B)43b及び電磁弁(C)43cが閉、電磁弁(D)43dが開で、昇圧ポンプ42aが昇圧した際に、電磁弁ユニット流量計測器(A)301aと電磁弁ユニット流量計測器(B)301bの計測値の比率が正常な場合には、液圧駆動シリンダ30の故障が、シリンダ筒体33aの内側とシリンダ軸33bの円盤状部材33b1とをシールするシール部の破損77(想定故障ケース(7))であると、自己診断装置50で判断する。
【0054】
また、
図8に示すように、電磁弁(A)43aが開で、電磁弁(B)43c、電磁弁(C)43c及び電磁弁(D)43dが閉で、昇圧ポンプ42aが昇圧した際に、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が正常値まで増加するが、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が正常値まで即座に増加しない場合(
図8の符号902)には、液圧駆動シリンダ30の故障が、シリンダ軸33bの軸状部材33b2が通る開口部と軸状部材33b2とをシールするシール部の破損78(想定故障ケース(8))であると、自己診断装置50で判断する。
【0055】
また、
図8に示すように、電磁弁(A)43aが開で、電磁弁(B)43b、電磁弁(C)43c及び電磁弁(D)43dが閉で、昇圧ポンプ42aが昇圧した際に、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が正常値まで増加し、電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aの計測値が即座に正常値まで増加し、電磁弁ユニット圧力計測器(B)202bの計測値が正常値である場合(
図8の符号904)には、液圧駆動シリンダ30の故障が、シリンダ軸33bの軸状部材33b2の破損79(想定故障ケース(9))であると、自己診断装置50で判断する。
【0056】
図10に、電磁弁ユニット流量計測器(A)301a及び電磁弁ユニット流量計測器(B)301bの一例を示す。なお、電磁弁ユニット流量計測器(A)301aと電磁弁ユニット流量計測器(B)301bの構成は同一なので、ここでは、電磁弁ユニット流量計測器(A)301aの構成について説明する。
【0057】
図10に示すように、電磁弁ユニット流量計測器(A)301aは、一端が注排液ライン(A)33dに接続され、他端が電磁弁ユニット圧力計測器(A)202aに接続される流量計側器シリンダ筒体302と、この流量計側器シリンダ筒体302の内部を移動する流量計側器シリンダ軸303と、流量計側器シリンダ筒体302外部の流量計側器シリンダ軸303の先端に設置された流量計側器ゲージ(針)304と、流量計側器ゲージ(目盛)305と、シール部306a及び306bとから概略構成されている。
【0058】
このように構成された電磁弁ユニット流量計測器(A)301a及び電磁弁ユニット流量計測器(B)301bを用いた流量計測手順の一例を、
図11、
図12及び
図13に示す。
【0059】
図11には、正常状態で、かつ、液圧駆動シリンダ30のシリンダ軸33bが中立ポジションにいる状態であり、この場合には、電磁弁ユニット流量計測器(A)301a及び電磁弁ユニット流量計測器(B)301bの流量計側器ゲージ(針)304は、流量計側器ゲージ(目盛)305のA0及びB0を示している。
【0060】
図12には、正常状態で、かつ、液圧駆動シリンダ30のシリンダ軸33bを最大まで伸ばした状態であり、この場合には、流量計測器側のシリンダ容積をロボット側シリンダ容積よりも大きくすることで、電磁弁ユニット流量計測器(A)301a及び電磁弁ユニット流量計測器(B)301bの流量計側器ゲージ(針)304は、流量計側器ゲージ(目盛)305のAmax及びBminで停止している。
【0061】
図13には、
図7(a)に示した故障ケース(1)を例にとり、液圧駆動シリンダ30のシリンダ軸33bを伸ばそうとした状態であり、この場合には、注排液ライン(A)33dの破損部から液体が漏れるため、液圧駆動シリンダ30のシリンダ軸33bは伸びず、電磁弁ユニット流量計測器(A)301aの値がAmaxを超え、注排液ライン(B)33eは、流量計側器ゲージ(目盛)305のB0を示している。
【0062】
このように、故障ケース特有の値を電磁弁ユニット流量計測器(A)301a及び電磁弁ユニット流量計測器(B)301bが示すので、液圧駆動ロボット8の故障個所の特定が可能となる。
【0063】
以上説明した本実施例によれば、万が一、高放射線量エリアで液圧駆動ロボット8が故障したとしても、その液圧駆動ロボット8の異常個所を見極めて作業が継続可能かを判断し、作業が継続可能な場合には、液圧駆動ロボット8の制御方式を切替えることが可能なので、液圧駆動ロボット8を用いた遠隔作業が停止することなく、しかも、故障に伴う液圧駆動ロボット8のアンインストールと再投入を行う必要がないので、作業者の被曝のリスクが回避できる。
【0064】
なお、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0065】
1…オペレータ、1b…アンインストール作業者、5a…低放射線量の操作エリア、5b…中放射線量のメンテナンスエリア、5c…高放射線量のロボット作業エリア5c、6…作業対象物、7a…第1の遮蔽扉、7b…第2の遮蔽扉、8…液圧駆動ロボット、8a…液圧駆動ロボットアーム部、9…ケーブル、10…操作装置、10a…動作指示入力部、10b…制御方式切替部、10c…表示部、10d…操作装置データ送受信部、20…制御・駆動装置、20a…制御・駆動装置データ送受信部、20b…制御盤、20b1…制御回路切替スイッチ、20b2…4本制御回路、20b3…3本制御回路、20b4…カメラ制御・映像処理回路、30…液圧駆動シリンダ、31A、31B、31C…液圧駆動ユニット、32a…下部フレーム、32b…上部フレーム、33a…シリンダ筒体、33b…シリンダ軸、33b1…円盤状部材、33b2…軸状部材、33d…給排液ライン(A)、33e…給排液ライン(B)、40a…カメラ、40b…移動機構、40c…アーム機構、42…ポンプユニット、42a…昇圧ポンプ、42b…電動機、42c…貯液タンク、42d…貯液タンク元栓、43…電磁弁ユニット、43a…電磁弁(A)、43b…電磁弁(B)、43c…電磁弁(C)、43d…電磁弁(D)、50…自己診断装置、50a…異常発生位置推定部、50b…動作可能範囲算出部、50c…動作指示内容記憶部、50d…作業継続可否判定部、50e…自己診断装置データ送受信部、71…想定故障ケース(1)の破損、72…想定故障ケース(2)の破損、73…想定故障ケース(3)の破損、74…想定故障ケース(4)の破損、75…想定故障ケース(5)の破損、76…想定故障ケース(6)の破損、77…想定故障ケース(7)の破損、78…想定故障ケース(8)の破損、79…想定故障ケース()の破損、201…ポンプユニット圧力計測器、202a…電磁弁ユニット圧力計測器(A)、202b…電磁弁ユニット圧力計測器(B)、301a…電磁弁ユニット流量計測器(A)、301b…電磁弁ユニット流量計測器(B)、302…流量計側器シリンダ筒体、303…流量計側器シリンダ軸、304…流量計側器ゲージ(針)、305…流量計側器ゲージ(目盛)、306a、306b…シール部。