(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】仮想スポーツ装置、仮想スポーツシステム、及び仮想スポーツシステムにおいてコマンドを実行するための方法
(51)【国際特許分類】
A63B 69/00 20060101AFI20240606BHJP
A63B 71/06 20060101ALI20240606BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
A63B69/00 A
A63B71/06 Z
G06F3/16 630
G06F3/16 650
(21)【出願番号】P 2020181405
(22)【出願日】2020-10-29
【審査請求日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0032400
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520330571
【氏名又は名称】エスジーエム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SGM Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】池本 理絵
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウィボム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ガプス
(72)【発明者】
【氏名】アン,ヒョウォン
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0016925(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1703859(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0112145(KR,A)
【文献】"[小ネタ] Echoのウェイクワードを変更する方法",DevelopersIO[online],2017年12月22日,[2023年12月14日検索], <https://dev.classmethod.jp/articles/how-to-change-wakeword/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00
A63B 71/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想スポーツ装置と、
前記仮想スポーツ装置と通信網で連結されているサーバーユニットと、
を含み、
ユーザーは所定のステップを通じて前記仮想スポーツ装置にコマンドを実行させることができ、
前記コマンドを実行させるためのステップは、
ユーザーがモバイル機器にコマンドを入力する第1ステップと、
前記モバイル機器が、ユーザーが入力した情報を前記サーバーユニットに伝達する第2ステップと、
前記サーバーユニットが前記仮想スポーツ装置を通じて前記コマンドが実行されるように処理する第3ステップと、
を含
み、
前記第1ステップにおいて、前記モバイル機器はユーザーの音声を通じて前記コマンドの入力を受け、
前記コマンドのうちの特定コマンドについて、前記音声は前記特定コマンドに対応するようにユーザーによって設定される単語を含み、
ユーザーは複数であり、
前記仮想スポーツ装置に対する同一の特定コマンドについて、複数のユーザーにより前記同一の特定コマンドに対応するように設定される単語が相異なる単語で設定されることができ、
前記サーバーユニットは、前記複数のユーザーそれぞれに対するユーザー情報を貯蔵するデータベースを具備し、
前記第3ステップは、前記サーバーユニットが前記伝達された情報からデータベースを検索して該当するコマンドが何であるかを把握するステップを含む、
仮想スポーツシステム。
【請求項2】
前記仮想スポーツ装置は、
ユーザーがプレイしたスポーツの映像を表示する表示部と、
ユーザーが行った所定のプレイの結果を算出する制御部と、
を含む、請求項1に記載の仮想スポーツシステム。
【請求項3】
前記仮想スポーツ装置に対する相異なる特定コマンドについて、前記複数のユーザーにより前記相異なる特定コマンドに対応するように設定される単語が同じ単語で設定されることができる、請求項1に記載の仮想スポーツシステム。
【請求項4】
仮想スポーツ装置、及び前記仮想スポーツ装置と通信網で連結されているサーバーユニットを含む仮想スポーツシステムにおいてコマンドを実行するための方法であって、
ユーザーがモバイル機器にコマンドを入力する第1ステップと、
前記モバイル機器が、ユーザーが入力した情報を前記サーバーユニットに伝達する第2ステップと、
前記サーバーユニットが前記仮想スポーツ装置を通じて前記コマンドが実行されるように処理する第3ステップと、
を含
み、
前記第1ステップにおいて、前記モバイル機器はユーザーの音声を通じて前記コマンドの入力を受け、
前記コマンドのうちの特定コマンドについて、前記音声は前記特定コマンドに対応するようにユーザーによって設定される単語を含み、
ユーザーは複数であり、
前記仮想スポーツ装置に対する同一の特定コマンドについて、複数のユーザーにより前記同一の特定コマンドに対応するように設定される単語が相異なる単語で設定されることができ、
前記サーバーユニットは、前記複数のユーザーそれぞれに対するユーザー情報を貯蔵するデータベースを具備し、
前記第3ステップは、前記サーバーユニットが前記伝達された情報からデータベースを検索して該当するコマンドが何であるかを把握するステップを含む、
仮想スポーツシステムにおいてコマンドを実行するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想スポーツ装置、仮想スポーツシステム、及び仮想スポーツシステムにおいてコマンドを実行するための方法に関する。より詳細には、ユーザーがスクリーンスポーツをプレイしながら希望するコマンドを便利に実行することができる仮想スポーツ装置、仮想スポーツシステム、及び仮想スポーツシステムにおいてコマンドを実行するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、3次元立体映像とコンピュータシミュレーション技術を用いて現場に出なくてもスポーツ競技を楽しむことができるシミュレーション装置が開発されており、ゴルフや野球などのような仮想の屋内スクリーンスポーツ競技が広く普及している。このようなスクリーンスポーツは、屋外で実際の競技をしているような感じを与えながらも、屋外のフィールドで試合することに比べて時間とコストがセーブされるので、時間や経済的な理由などで実際の競技をプレイし難い現代人に人気が高い。
【0003】
スクリーンスポーツはプレイ方式等について様々な設定が必要であり、また、実際のスポーツをプレイしているような臨場感を与えるために、ユーザーが様々なオプションを選択することができるように構成されている。例えば、スクリーンゴルフの場合、ユーザーはゴルフプレイの難易度を選択することができる。また、ユーザーはゴルフ場の風の強さや方向などのような気象条件を変更することができる。また、スクリーンゴルフのプレイ中に、ユーザーは正確なショットをすることができるようにゴルフボールが位置する地点の周辺地形を見てみることができる。このように、オプションを選択したり、設定を変更したりするためには、ユーザーは実行を希望するコマンドを手で入力する必要がある。しかし、スクリーンスポーツにおけるコマンドが非常に多い点を勘案すると、このコマンドを必要な時にいちいち手で入力することはユーザーにとって非常に不便である。したがって、ユーザーが面倒な入力手順を経なくても、簡単に自分の指示を伝達することができる新しいシステムの開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような事情を勘案してなされたものであり、ユーザーがスクリーンスポーツをプレイしながら希望するコマンドを簡単に実行させることができる仮想スポーツ装置を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、仮想スポーツシステムを提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、仮想スポーツシステムにおいてコマンドを実行するための方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明の他の目的は、以下の説明と添付した図面から明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の実施例による仮想スポーツ装置は、ユーザーがプレイするスポーツの映像を表示する表示部と、ユーザーが行った所定のプレイに対する結果を算出する制御部と、ユーザーのコマンドを入力するための入力部とを含み、前記入力部はユーザーの音声を通じて前記コマンドの入力を受ける。
【0009】
本発明の実施例による仮想スポーツシステムは、仮想スポーツ装置と、前記仮想スポーツ装置と通信網で連結されているサーバーユニットを含む。ユーザーは所定のステップを通じて前記仮想スポーツ装置にコマンドを実行させることができ、前記コマンドを実行させるためのステップは、ユーザーがモバイル機器にコマンドを入力する第1ステップと、前記モバイル機器がユーザーが入力した情報を前記サーバーユニットに伝達する第2ステップと、前記サーバーユニットが前記仮想スポーツ装置を通じて前記コマンドが実行されるように処理する第3ステップとを含む。
【0010】
前記仮想スポーツシステムにおいて、前記第3ステップは、前記サーバーユニットが前記モバイル機器から伝達された情報を前記仮想スポーツ装置に伝達したり、または前記サーバーユニットが前記伝達された情報から該当コマンドの内容を把握した後に把握されたコマンドを前記仮想スポーツ装置に伝達したりするステップを含む。
【0011】
前記仮想スポーツシステムにおける前記第1ステップにおいて、前記モバイル機器はユーザーの操作またはユーザーの音声を通じて前記コマンドの入力を受ける。
【0012】
前記仮想スポーツシステムにおいて、特定コマンドについて、前記音声は前記特定コマンドに対応するように設定される単語を含む。
【0013】
前記仮想スポーツシステムにおいて、ユーザーは複数であり、同一の特定コマンドについて、ユーザーにより、前記特定コマンドに対応するように設定される単語が相異なる単語で設定されることができる。
【0014】
本発明の実施例による仮想スポーツシステムにおいてコマンドを実行するための方法は、仮想スポーツ装置、及び前記仮想スポーツ装置と通信網で連結されているサーバーユニットを含む仮想スポーツシステムにおいてコマンドを実行するための方法であって、ユーザーがモバイル機器にコマンドを入力する第1ステップと、前記モバイル機器がユーザーが入力した情報を前記サーバーユニットに伝達する第2ステップと、前記サーバーユニットが前記仮想スポーツ装置を通じて前記コマンドが実行されるように処理する第3ステップとを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明の仮想スポーツ装置、仮想スポーツシステム、及び仮想スポーツシステムにおいてコマンドを実行するための方法によれば、ユーザーがスクリーンスポーツをプレイしながら希望するコマンドを簡単に実行させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構成図である。
【
図2】本発明の実施例による仮想野球装置の概略的な構成図である。
【
図3】
図1の仮想ゴルフ装置または
図2の仮想野球装置において、ユーザーがコマンドを実行する過程を説明するための図である。
【
図4】
図1の仮想ゴルフ装置において、音声認識によって実行されることができるコマンドの例を示す図である。
【
図5】
図1の仮想ゴルフ装置において、音声認識によって実行されることができるコマンドの例を示す図である。
【
図6】
図1の仮想ゴルフ装置において、音声認識によって実行されることができるコマンドのさらに他の例を示す図である。
【
図7】本発明の実施例による仮想スポーツシステムの概略的な構成図である。
【
図8】
図7の仮想スポーツシステムにおいて、コマンドを実行するための方法を段階的に示す図である。
【
図9】
図7の仮想スポーツシステムにおいて、コマンドを実行するための方法を段階的に示す図である。
【
図10】
図7の仮想スポーツシステムにおいて、コマンドを実行するための方法を段階的に示す図である。
【
図11】
図7の仮想スポーツシステムにおけるデータベースの構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の目的、特徴、利点は以下の実施例から容易に理解できるであろう。本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底的で完全なものとなるように、かつ本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。よって、以下の実施例により本発明が限定されてはならない。
【0018】
本明細書において、第1、第2などの用語が様々な要素(elements)を記述するために使用されているが、前記要素がこのような用語によって限定されてはならない。この用語は、単に前記要素を相互に区別するために使用されただけである。また、とある層(膜)が他の層(膜)または基板上にあると言及されている場合に、それは、他の層(膜)または基板上に直接形成されること、またはそれらの間に第3の層(膜)が介在することもできることを意味する。
【0019】
図面において、要素の大きさ、または要素間の相対的な大きさは、本発明に対するさらに明確な理解のために多少誇張して図示され得る。また、図示した要素の形状が製造工程上の変異などによって多少変更できるであろう。したがって、本明細書で開示した実施例は、特別な記載がない限り、図示した形状に限定されてはならず、ある程度の変形を含むものと理解されるべきである。
【0020】
図1は、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構成図である。
【0021】
ここで「仮想」という用語を使用したのは、ユーザーのプレイ結果がスクリーンに表示される点とスクリーンの中の映像が現実の世界に存在するものと異なるという点とを考慮したものである。同一の趣旨でスクリーンに表示される一部の対象について、現実に存在するものではないという意味をより明確に示すために、「仮想」という用語を付けて表現する。例えば、「仮想のゴルフコース」とはスクリーンに表示さるゴルフコースという意味であり、「仮想のゴルフボール」とはスクリーンに表示されるゴルフボールという意味である。
【0022】
図1を参照すると、仮想ゴルフ装置(100)は、打撃プレート(110)、制御部(120)、感知部(130)、入力部(140)、及び表示部(150)を含む。
【0023】
打撃プレート(110)には打撃マットが具備され、打撃マットに打撃用ゴルフボールが置かれる。スクリーンゴルフのプレイ時、ユーザーは打撃プレート(110)に位置して打撃マットに置かれるゴルフボールを打撃する。
【0024】
制御部(120)は仮想ゴルフ装置の構成要素の間の全体的な動作を制御する役割をする。例えば、図面に図示されていないが、打撃マットには自動的に打撃用ゴルフボールを提供するオートティーが設置され、制御部(120)はユーザーが打撃する時点に合わせてゴルフボールが提供されるように前記オートティーを制御する。また、制御部(120)はユーザーがゴルフボールを打撃すると、前記ゴルフボールが実際のゴルフ場で飛行すると仮定したときにどのような軌跡及び/又はどの程度の飛距離で飛行するかを算出する役割をする。図面に図示されていないが、制御部(120)にはデータベースが具備されており、前記データベースにはユーザーが打撃したゴルフボールの打撃結果を算出するために必要な情報や表示部(150)に表示されるゴルフ関連映像の情報が保存される。
【0025】
感知部(130)はユーザーによって打撃されたゴルフボールの速度、移動方向、回転角度などの物理的状態を感知する。感知部(130)はゴルフボールの物理的な状態を感知するためのセンシング手段を含み、前記センシング手段としては、各種センサーやカメラなどを使用することができる。前記カメラや感知センサーなどは単独で使用されたり、又は一緒に使用されたりすることができる。また、一個のみが使用されたり、又は複数個が使用されたりすることもできる。感知部(130)で感知された情報は制御部(120)に伝達され、制御部(120)は感知部(130)からの情報に基づいてゴルフボールの軌跡や飛距離などを算出する。
【0026】
入力部(140)はユーザーから各種の情報を受けるためのものであり、キーボード、マウス、タッチスクリーンなどを使用することができる。スクリーンゴルフでは、ユーザーがログインのために自分のIDやパスワードを入力する場合やユーザーがプレイしたいゴルフコースやプレイ難易度を選択する場合などのように、ユーザーから情報の入力が必要な場合があり得る。このような場合のために入力部(140)が具備される。入力部(140)を通じて入力された情報は制御部(120)に伝達され、制御部(120)は伝達された情報に基づいてユーザーの要求を処理する。例えば、ユーザーが特定のゴルフコースを選択した場合、そのゴルフコースでプレイできるように制御部(120)は必要な処理を行う。すなわち、制御部(120)は映像を処理する映像処理手段を具備し、ユーザーが特定のゴルフコースを選択した場合、前記映像処理手段はそのゴルフコースの映像を生成して表示部(150)に伝達し、表示部(150)は伝達された映像を表示してユーザーに提供する。後述するように、本実施例による仮想ゴルフ装置(100)はユーザーが音声でコマンドを入力することができるように構成されており、そのために入力部(140)は音声を受信することができる手段を含むことが好ましい。
【0027】
表示部(150)はビームプロジェクター(151)とスクリーン(152)を含む。ビームプロジェクター(151)は仮想ゴルフコースと仮想ゴルフボールがスクリーン(152)に表示されるように関連映像をスクリーン(152)に投射し、スクリーン(152)は投射されたゴルフ関連映像を表示してユーザーに提供する役割をする。
【0028】
なお、図面に図示されていないが、仮想ゴルフ装置(100)はユーザーにゲームの進行状況を案内しゲームの進行に応じた各種の効果音を再生する音響機器を具備することが好ましい。
【0029】
上記のような構成を有する仮想ゴルフ装置(100)でのスクリーンゴルフのプレイ過程は、次のとおりである。ユーザーが打撃プレート(110)のゴルフボールを打撃すると、感知部(130)が打撃されたゴルフボールの状態を感知し、制御部(120)が感知部(130)からの感知情報に基づいて打撃されたゴルフボールの飛行軌跡を算出し、スクリーン(152)では前記算出された結果により仮想のゴルフボールが動く映像が表示される。この時に、スクリーン(152)の中の仮想のゴルフボールは算出された軌跡により飛行した後にスクリーン(152)の中の仮想のゴルフコースでの特定地点に着地し、ユーザーはスクリーン(152)の中の仮想のゴルフボールが着地した地点から打撃を続ける。ユーザーはこのような過程をホールカップにホールインするまで繰り返す。
【0030】
図2は本発明の実施例による仮想野球装置の概略的な構成図である。
【0031】
図2を参照すると、仮想野球装置(200)は、打撃プレート(210)、制御部(220)、感知部(230)、入力部(240)、表示部(250)、及びボールピッチング部(260)を含む。表示部(250)はビームプロジェクター(251)とスクリーン(252)を含む。
【0032】
打撃プレート(210)はユーザーが位置して野球ボールを打撃するための場所である。打撃プレート(210)はスクリーン(252)から所定の距離離隔されている。実際の野球で投手と捕手との間の距離は約18mであり、スクリーン野球では前記距離に対応する長さにまたは設置スペースが不足する場合には前記距離より短い長さに打撃プレート(210)とスクリーン(252)との間の距離が設定される。
【0033】
制御部(220)は仮想野球装置(200)の構成要素の間の全体的な動作を制御する役割をする。例えば、打撃プレート(210)にユーザーが位置すると、ユーザーに野球ボールがピッチングされるようにボールピッチング部(260)を制御する。また制御部(220)は、ユーザーがピッチングされた野球ボールを打撃すると、打撃された野球ボールの打撃結果(ゴロ、フライ、ヒット、ホームランなど)を算出する役割をする。図面に図示されていないが、制御部(220)はデータベースを具備することが好ましい。前記データベースにはユーザーが打撃した野球ボールの打撃結果を算出するために必要な情報やスクリーン(252)に表示される野球関連映像に対する情報が保存される。
【0034】
感知部(230)はユーザーが打撃した野球ボールの動きなどを感知して打撃された野球ボールの全体的な物理的状態を把握する。把握された情報は制御部(220)に伝達されて制御部(220)の算出動作に使用される。感知部(230)としてカメラや感知センサーなどのような任意の感知手段を使用することができる。前記カメラや感知センサーなどは単独で使用されたり又は一緒に使用されたりすることができる。また、一個のみが使用されたり又は複数個が使用されたりすることもできる。
【0035】
入力部(240)はユーザーから各種の情報を受けるためのものであり、キーボード、マウス、タッチスクリーンなどが使用されることができる。スクリーン野球ではさまざまな状況でユーザーからの入力が必要である。例えば、スクリーン野球では複数のユーザーが先攻(各イニングの先攻撃)と後攻(各イニングの後攻撃)の2つのチームに分けられて勝敗を争う。このような方式の試合でチームメンバーのニックネームやチームの名前などを入力する必要があり、この時に入力部(240)が必要である。後述するように、本実施例による仮想野球装置(200)は、ユーザーからの音声でコマンドを入力することができるように構成されている。この構成のために、入力部(240)は音声を受信することができる手段を含むことが好ましい。
【0036】
表示部(250)のビームプロジェクター(251)は、ピッチングする投手の姿、ユーザーが打撃した野球ボールに対応してスクリーン(252)に表示される仮想の野球ボール、前記仮想の野球ボールを守備するディフェンダーの姿などの映像をスクリーン(252)に投射する役割をする。スクリーン(252)はビームプロジェクター(251)によって投射された映像を表示してユーザーに提供する。
【0037】
スクリーン(252)において打撃プレート(210)と向かい合う面を便宜上「前面」とし、その反対面を「後面」とすると、スクリーン(252)の後面側にボールピッチング部(260)が設置されている。ボールピッチング部(260)は打撃プレート(210)に位置するユーザーが打撃することができるように野球ボールを発射する。図面に図示されていないが、スクリーン(252)にはピッチングホールが形成されており、ボールピッチング部(260)から発射された野球ボールは前記ピッチングホールを通じてスクリーン(252)を通過してユーザーに到達することができる。
【0038】
なお、図面に図示されていないが、仮想野球装置(200)はユーザーにゲームの進行状況を案内しゲームの進行に応じた各種の効果音を再生する音響機器を具備することが好ましい。
【0039】
上記のような構成を有する仮想野球装置(200)でのプレイ過程は、次のとおりである。ユーザーが打撃プレート(210)においてピッチングされた野球ボールを打撃すると、感知部(230)が打撃された野球ボールの状態を感知し、制御部(220)が感知部(230)からの感知情報に基づいて打撃された野球ボールの飛行軌跡と打撃結果を算出し、スクリーン(252)は前記算出された結果の映像を表示する。チームプレイの場合、一つのチームがスリーアウトになるまで上記の過程を繰り返し、スリーアウトになると、攻守が交代されて他のチームがスリーアウトになるまで上記の過程を繰り返す。この方法で互いに攻守を交代しながら試合が終了するまでプレイを進行して、高得点を得たチームが勝者となる。
【0040】
図3は、
図1の仮想ゴルフ装置または
図2の仮想野球装置において、ユーザーがコマンドを実行する過程を説明するための図である。
【0041】
図3を参照すると、本発明の実施例による仮想スポーツ装置(
図1の仮想ゴルフ装置や
図2の仮想野球装置だけでなく、他のスポーツ装置にも適用可能)では、ユーザーが実行しようとするコマンドを音声を通じて伝達して実行することができる。具体的には、
図3に図示されたように、ユーザーが所定のコマンドに対応する音声を言うと、前記音声は入力部に入力されてアナログ及び/又はデジタル音声信号に変換される。この動作のために入力部は音声を音声信号に変換することができるマイクなどの機器を具備する。例えば、前記入力部としてAIスピーカーなどが使用されることができる。入力部によって変換された音声信号は制御部に伝達される。制御部は伝達された音声信号がどのようなコマンドを意味するかを把握した後、該当コマンドを実行する。前記コマンドは制御部で直接実行されたりまたは制御部の制御下でそのコマンドを実行することができる他の構成品で実行されたりすることができる。
【0042】
従来技術では、特定のコマンドを実行するために、ユーザーがマウスやキーボードなどのような入力機器が位置する場所に移動して前記入力機器を操作しなければならない。前記入力機器は概してユーザーがプレイする位置(仮想ゴルフ装置(100)の打撃プレート(110)または仮想野球装置(200)の打撃プレート(210)など)から離れているので、ユーザーの立場ではコマンドを実行するために入力機器に移動して入力機器を操作することが非常に不便である。しかし、本発明によれば、ユーザーは自分がプレイしている現在の位置において音声コマンドを言うだけで簡単且つ非常に便利に希望するコマンドを実行させることができる。
【0043】
図4乃至
図6は、
図1の仮想ゴルフ装置において、音声認識によって実行されることができるコマンドの様々な例を示す。
【0044】
図4を参照すると、スクリーンゴルフをプレイするユーザーは、打撃プレート(110)でティーショットをしようとする場合に、オートティー(111)の高さを音声コマンドで調節することができる。ユーザーがティーショットをするために打撃プレート(110)に位置する場合、その上部にゴルフボール(RB)が置かれているオートティー(111)が打撃プレート(110)の所定の領域で上に上がってくる。オートティー(111)によってユーザーに所定の高さの打撃用ゴルフボール(RB)が提供されるが、身体のサイズ、スイングの姿勢などが個人ごとに異なるので、自身に適したオートティー(111)の高さもユーザー個人ごとに違いがある。したがって、ユーザーが最初にオートティー(111)に置かれているゴルフボール(RB)の高さが自分の打撃には低いと判断する場合、オートティー(111)の高さを上げることを希望することになり、この時にユーザーは「ティー高さを上げよ」のような音声コマンドを言うことで、オートティー(111)を高めることができる。
【0045】
従来技術では、ユーザーが入力機器を操作してティーの高さを上昇させる動作をする場合、ユーザーは一連の操作過程を経て該当コマンドを入力する必要がある。例えば、特定のボタンを押してコマンドメニューを活性化し、コマンドメニューにおいてティーの高さの調節と関連したメニューを検索し、最終的にマウスなどを操作して対応するコマンドをクリックしなければならない等の一連の過程が必要である。このような一連の過程を経ることはそれ自体がユーザーに不便である。また、ユーザーの立場では、どのような過程を経てティーの高さを操作するボタンに到達することができるかについて別の学習過程が必要な場合もありえるので、非常に煩わしい。これに比べて、「ティー高さを上げよ」のような音声コマンドを言うことでコマンドを実行することは、その過程が単純であるため非常に便利である。
【0046】
図5を参照すると、実際のゴルフでキャディーがゴルファーにスイング姿勢、打撃方向などについてアドバイスするように、スクリーンゴルフでもユーザーは簡単な音声コマンドでキャディーを召喚してキャディーのアドバイスを受けることができる。例えば、ユーザーが「キャディー」のような音声コマンドを言うことで、スクリーンに仮想のキャディーが現れて、現在のユーザーが直面している状況を考慮して適切なアドバイスを提供することができる。
図5に図示されたように、ユーザーが現在パッティング段階にある場合、「キャディー」という音声コマンドに対応してスクリーンに仮想のキャディーが登場し、仮想のキャディーは現在のパッティング段階に役立つ情報やアドバイスを提供することができる。
【0047】
音声コマンドは「ティー高さを上げよ」のような複数の単語が結合された文章からなることができる。又は、音声コマンドは「キャディー」のような単一のキーワードからなることができる。キーワードより正確な音声コマンドとして「キャディーヘルプ」などのような単純な文章の形式がありえるが、「キャディー」の場合には、他の単語が付加されていなくても「キャディー」というキーワードだけでユーザーの意思を把握することができるので、他の単語を付加するか否かにかかわらず、ユーザーが要求するコマンドを実行することができる。この場合、ユーザーが「キャディーヘルプ」などのような音声コマンドを話しても、「キャディー」というキーワードが感知されると、他の単語に対する解釈過程は省略し、感知された「キャディー」という単語だけでも十分にユーザーが希望する動作を実行することができる。
【0048】
図6を参照すると、スクリーンゴルフをプレイするユーザーは、パッティング段階において音声コマンドでエイミング(Aiming)を調節することができる。パッティング段階ではスクリーンに仮想のゴルフボール(VB)とホールカップ(HC)が表示され、ユーザーが選択したオプションにより適切なパッティング方向を示すパッティングガイド(PG)が表示される。例えば、
図6の右側の上部図面には仮想のゴルフボール(VB)の正面にホールカップ(HC)が位置する状況が図示されており、このような状況で仮想のゴルフボール(VB)を正面方向にパッティングする場合、パッティングに失敗する可能性が高い。なぜなら、ゴルフコースの地形に傾斜があり得、左側が高く右側が低い傾斜の地形を仮定すると、正面を向いてパッティングしても仮想のゴルフボール(VB)がホールカップ(HC)に近づくにつれて右側方向に転がって行く可能性が高いからである。したがって、ゴルフコースの地形を考慮してパッティングする必要がある。実際のゴルフでは、ユーザーが直接ゴルフボールとホールカップとの間の距離やホールカップの周りの傾斜を把握して適切にパッティングをすることができるが、スクリーンゴルフでは、仮想のゴルフコースが2次元の平面に表示されるので、地形を把握してパッティングすることが容易ではない。したがって、スクリーンゴルフではパッティング状況での地形を考慮してユーザーにパッティング方向を案内するパッティングガイド(PG)が提供される。パッティングガイド(PG)が表示される場合、パッティングガイド(PG)が指示する方向(
図6の右側の上部図面でパッティングガイド(PG)が示す北方向と西方向の間の方向)にパッティングしたり、又はエイミングをした後に正面方向(北方向)にパッティングしたりすることができる。エイミングをしようとするユーザーはパッティングガイド(PG)が正面を向くようにエイミングをした後、正面方向にパッティングすることができる。従来技術によれば、エイミングをするためにはユーザーが入力機器を操作しなければならないが、本実施例によれば、音声コマンドをいうことで簡単に該当コマンドを実行することができる。具体的には、「右側二つ」などのようにエイミングの方向と距離をいうことにより、パッティングガイド(PG)の方向が北方向と西方向の間の方向(
図6の右側の上部図面)から正面方向(
図6の右側の下部図面)に変更されるようにエイミングをすることができる。
【0049】
以上、仮想ゴルフ装置において音声で簡単にコマンドを実行させることができる例を説明したが、これは仮想野球装置や他の仮想スポーツ装置にも適用することができる。以下では、複数の仮想スポーツ装置がネットワークに連結されているシステムにおいて簡単にコマンドを実行させることができる方法について説明する。
【0050】
図7は本発明の実施例による仮想スポーツシステムの概略的な構成図であり、
図8乃至
図10は
図7の仮想スポーツシステムにおいてコマンドを実行するための方法を段階的に示し、
図11は
図7の仮想スポーツシステムにおけるデータベースの構造の一例を示す。
【0051】
図7を参照すると、本実施例による仮想スポーツシステムは、複数の仮想スポーツ装置(10)とサーバーユニット(20)を含む。複数の仮想スポーツ装置(10)はサーバーユニット(20)と有無線通信網などを通じて連結されている。仮想スポーツ装置(10)はログイン(前記ログインは会員ログインやゲストログインなどをすべて含む)が行われた後にユーザーにスクリーンスポーツサービスを提供する。仮想スポーツ装置(10)は
図1を参照して説明した仮想ゴルフ装置と同一または類似の構造を有したり、
図2を参照して説明した仮想野球装置と同一または類似の構造を有したりすることができる。あるいは、仮想スポーツ装置(10)としてゴルフや野球以外の他のスクリーンスポーツサービスを提供する装置が使用されることも可能である。
【0052】
サーバーユニット(20)は、複数の仮想スポーツ装置(10)を運営するサービス業者が複数の仮想スポーツ装置(10)を管理するために使用する一種の中央サーバの役割をする。スクリーンスポーツのサービスを利用しようとするユーザーは、前記サービスの提供を受けるためにまずログインを行い、サーバーユニット(20)はログインをする際にユーザーの身元を確認してログインの承認可否を決定する。サーバーユニット(20)にはユーザーの身元を確認するために必要な情報を保存しているデータベース(30)が具備される。データベース(30)には、ユーザーの身元を確認するための情報と、これに加えてユーザー個人がスクリーンスポーツをプレイした過去の記録などの人的情報が保存されている。
【0053】
本実施例による仮想スポーツシステムで仮想スポーツ装置(10)を利用するユーザーが所定のコマンドを実行させるためのプロセスは、以下の通りである。
【0054】
図8を参照すると、ユーザーはモバイル機器(1)に所定のコマンドを入力する。ユーザーはモバイル機器(1)に音声コマンドをいうことで、音声認識の方法でコマンドを入力することができる。あるいは、図面に図示されていないが、ユーザーはモバイル機器(1)の画面にタッチスクリーンなどの方法でモバイル機器(1)の入力手段を操作して直接コマンドを入力することもできる。このように、モバイル機器(1)はユーザーからのコマンドの入力を受けるための入力機器としての役割をする。モバイル機器(1)としてユーザー自身が有している携帯電話が使用されることができる。最近、携帯電話としてスマートフォンが使用されていることが多く、スマートフォンはミニコンピュータということができるほどの多様な機能を備えていて、音声コマンドを受信したりタッチスクリーンなどの操作でコマンドを入力したりすることはスマートフォンを用いて容易に行うことができる。ユーザーが携帯電話をコマンドを入力する入力機器として使用するためには、携帯電話を入力機器として動作させることができる適切なソフトウェアが設置される必要がある。前記ソフトウェアは仮想スポーツサービスを提供するサービス業者がサーバーユニット(20)や他のソフトウェアの配布サイトなどを通じて配布することができる。
【0055】
図9を参照すると、ユーザーの操作やユーザーの音声を通じて入力されたコマンドの情報はモバイル機器(1)からサーバーユニット(20)に伝達される。サーバーユニット(20)に伝達される情報は、ユーザーが入力したコマンドの情報のみを有したり又はユーザーが入力したコマンドの情報に加えて他の情報をさらに含んだりすることができる。例えば、前記他の情報はコマンドを入力したユーザーの身元を把握することができる情報(便宜上、これを「個人確認情報」とする)を含む。
【0056】
ユーザー自身の携帯電話をモバイル機器(1)として用いる場合、個人の携帯電話機器に付与された固有値であるシリアルナンバー(Serial Number)、個人の携帯電話におけるUSIM(Universal Subscriber Identity Module)カード番号、電話番号などを利用して携帯電話の所有者を識別することができる。したがって、個人の携帯電話をモバイル機器(1)として用いる場合、モバイル機器(1)に入力されたコマンドの情報をサーバーユニット(20)に伝達する際に、モバイル機器(1)の所有者個人を識別することができる上記の個人識別情報を一緒にサーバーユニット(20)に伝達することで、サーバーユニット(20)がコマンドの実行を要求しているユーザーの身元を確認することができる。サーバーユニット(20)のデータベース(30)に各ユーザーに対する携帯電話の識別情報が貯蔵されていれば、サーバーユニット(20)は伝達された個人識別情報を参照してデータベース(30)を検索することにより、現在どのようなユーザーが特定のコマンドの実行を要求しているかを把握することができる。
【0057】
図10を参照すると、サーバーユニット(20)はユーザーが入力したコマンドに関連した情報を受信した後に前記コマンドが実行されるように処理する。サーバーユニット(20)は先ず前記コマンドの内容を把握した後、ユーザーが位置している仮想スポーツ装置(10)に該当コマンドを実行するように指示することができる。あるいは、サーバーユニット(20)は前記コマンドの内容を把握せず、前記コマンドに関連した情報をユーザーが位置している仮想スポーツ装置(10)に伝達して該当仮想スポーツ装置(10)が該当コマンドの内容を把握して実行するように指示することもできる。
【0058】
本段階においてサーバーユニット(20)は、複数の仮想スポーツ装置(10)のうちのコマンドを入力したユーザーが位置している仮想スポーツ装置(10)に指示しなければならない。従って、サーバーユニット(20)はコマンドを入力したユーザーが位置している仮想スポーツ装置(10)に対する情報(便宜上、これを「装置確認情報」とする)が必要である。装置確認情報は、携帯電話の固有識別番号と同様に、複数の仮想スポーツ装置(10)を区別するために使用される固有識別番号である。
【0059】
サーバーユニット(20)は様々な方法で前記装置識別情報を把握することができる。例えば、ユーザーがログインを行う際に、装置識別情報を把握することができる。すなわち、ユーザーはスクリーンスポーツをプレイする前に自分が位置している仮想スポーツ装置(10)を通じてサーバーユニット(20)にログインを行うことができ、この時に仮想スポーツ装置(10)がサーバーユニット(20)に自分の装置識別情報を伝達することができる。具体的には、ユーザーAがスクリーンゴルフ場aを訪問してスクリーンゴルフをプレイする場合、ユーザーAはスクリーンゴルフ場aに具備されている端末などのような入力機器を利用してログインを行い、スクリーンゴルフ場aはサーバーユニット(20)にユーザーAのログイン要求を伝達する。サーバーユニット(20)はスクリーンゴルフ場aからの前記要求に応じてユーザーAのログインを進行しながら、ユーザーAがスクリーンゴルフ場aにあるという点を認知し、これにより前記装置識別情報を把握することができる。または、ユーザーAはサーバーユニット(20)に接続可能な自身の携帯電話を利用してログインを行うことができ、この場合にもログインの過程において携帯電話を通じてスクリーンゴルフ場aの情報をサーバーユニット(20)に伝達することで、サーバーユニット(20)が前記装置識別情報を把握するようにすることができる。あるいは、ユーザーAは自分の携帯電話とスクリーンゴルフ場aに具備されている機器を一緒に利用してログインを行うことができる(例えば、スクリーンゴルフ場aにパスワードやQRコード(登録商標)が表示されると、ユーザーAが自分の携帯電話に前記パスワードやQRコード(登録商標)を入力して入力された情報が携帯電話からサーバーユニット(20)に伝達されて、サーバーユニット(20)がログインを処理する方式)。どの方式を使用してもサーバーユニット(20)に前記装置識別情報を伝達してこれを把握するようにすることができる。
【0060】
上記のように、サーバーユニット(20)がユーザーAが位置している仮想スポーツ装置(10)に対する装置識別情報を把握すると、これを利用してユーザーAが要求したコマンドを該当仮想スポーツ装置(10)に伝達して実行するように指示することができる。例えば、モバイル機器(1)を通じて特定のユーザーが所定のコマンドを入力すると、モバイル機器(1)からユーザーが入力したコマンドの情報がサーバーユニット(20)に伝達されるときに(
図9の段階を参照)該当するユーザーの個人確認情報が一緒に伝達されてサーバーユニット(20)は所定のコマンドを入力したユーザーの身元を確認することができ、また装置確認情報から該当ユーザーが位置している仮想スポーツ装置(10)も確認することができるので、これにより該当仮想スポーツ装置(10)にコマンドを実行するように指示することができる。
【0061】
上記のように、ユーザーはモバイル機器(1)を操作したり、または音声認識を利用したりして、非常に便利に自分が希望するコマンドを実行させることができる。音声認識を利用する場合、音声コマンドをいうことでコマンドを実行する。前記音声コマンドは、(I)複数のユーザーについてユーザーごとに類似の音声コマンドが使用される場合、(II)複数のユーザーについてユーザーごとに同一の音声コマンドが使用される場合、(III)複数のユーザーについてユーザーごとに音声コマンドが異なる場合があり得る。
【0062】
(I)に関して、前に
図4を参照して説明したものを例として挙げると、ティーの高さをより高めることを希望するユーザーA、Bがあると仮定する場合、ユーザーAは「ティー高さを上げよ」と指示しユーザーBは「ティー上に」と指示して希望するコマンドを実行させることができる。「ティー高さを上げよ」と「ティー上に」とは同一ではないが、「ティー」というキーワードが共通に使用されるので、類似の音声コマンドとすることができる。ただし、「ティー」というキーワードだけではティーを上げることを希望するか又はティーを下げることを希望するかを把握することができないので、ユーザーの要請を把握するために、「ティー」というキーワードの後にある音声まで分析する必要がある。
【0063】
(II)に関して、前に
図5を参照して説明したものを例として挙げると、キャディーのアドバイスを希望するユーザーA、Bがあると仮定する場合、ユーザーA、Bの両方が「キャディー」と指示してキャディーのアドバイスを受けることができる。ただし、ユーザーごとに「キャディーヘルプ」、「キャディーアドバイスを」などのように「キャディー」というキーワードに他の単語をさらに追加することができるが、「キャディー」というキーワードだけでキャディーのアドレスを希望するユーザーの要請を十分に把握することができるので、「キャディー」以外の他の音声が追加されてもこの音声まで分析する必要はない。
【0064】
(III)に関して、複数のユーザーごとに音声コマンドが異なるということは、特定のコマンドを指示する音声命令語をあらかじめ設定するが、前記コマンドと前記音声命令語との間の対応関係がユーザーごとに異なるように設定することを意味する。前に
図6を参照して説明したものを例として挙げると、右側二つのエイミングを希望の場合に、これを予め設定した音声命令語で指示するが、ユーザーによる異なる音声命令語を設定することができる。具体的には、右側にMまたは左側にNのエイミングを希望するユーザーA、Bがあると仮定する場合、ユーザーAは該当コマンドについて「プラスMまたはマイナスN」のような音声命令語を設定することができ、ユーザーBは「右にMまたは左にN」のような音声命令語を設定することができる。
【0065】
図11を参照すると、(III)の場合のように、音声命令語とコマンドとの間の対応関係を予め設定し、またユーザーにより前記対応関係が異なるように設定されるために、データベース(30)はユーザーごとに貯蔵領域が区分されている。例えば、互いに異なるユーザーA、Bについて、データベース(30)にはユーザーAのためのDB(31)とユーザーBのためのDB(32)が区分されている。また、ユーザーAのためのDB(31)はユーザーAの個人情報DB(31a)とユーザーAが設定した音声命令語とコマンドとの間の対応関係が保存されている音声語/コマンドDB(31b)とを含む。同様に、ユーザーBのためのDB(32)はユーザーBの個人情報DB(32a)とユーザーBが設定した音声命令語とコマンドとの間の対応関係が保存されている音声語/コマンドDB(32b)とを含む。
【0066】
このようにデータベース(30)が構成されている状態において、ユーザーAとユーザーBが同一の仮想スポーツ装置(10)で一緒にプレイすると仮定する。ユーザーAがプレイしながら自分のスマートフォンで「Help(ヘルプ)」と言うと、ユーザーAのスマートフォンはこれを認識してその音声情報をサーバーユニット(20)に伝達する。また、前記伝達過程において情報を送るスマートフォンがユーザーAのスマートフォンであるという情報(個人識別情報)も一緒に伝達される。これについて、サーバーユニット(20)はユーザーAのスマートフォンから情報が受信されたことを把握した後、ユーザーAのためのDB(31)を検索する。検索の結果、ユーザーAが「Help(ヘルプ)」を仮想のキャディーを要請するコマンドで設定した点を認知し、スクリーンに仮想のキャディーを表示して適切なアドバイスを提供する。
【0067】
ユーザーBがプレイしながら自分のスマートフォンで「Help(ヘルプ)」と言うと、類似の過程を経て該当コマンドが実行される。すなわち、ユーザーBのスマートフォンはこれを認識してその音声情報をサーバーユニット(20)に伝達し、またこのような情報を送るスマートフォンがユーザーBのスマートフォンであるという情報(個人識別情報)も一緒に伝達する。これについて、サーバーユニット(20)はユーザーBのスマートフォンから情報が受信されたことを把握した後、ユーザーBのためのDB(32)を検索する。検索の結果、ユーザーBが「Help(ヘルプ)」をショットキャンセルを要請するコマンドで設定した点を認知し、現在のショットをキャンセルしてユーザーがゴルフボールを再び打撃することができるように処理する。
【0068】
特定のコマンドに音声命令語を事前に設定するときには、音声命令語は比較的簡単な形態であって認識が容易なものを設定し、ここに対応するコマンドをユーザーが希望するコマンドに選択することができるように構成することが好ましい。例えば、音声命令語はワン(one)、ツー(two)のように記憶し易く発音が容易なものを固定して使用し、ユーザーAについては「ワン」という音声命令語にコマンドa1が設定され、「ツー」という音声命令語にコマンドa2が設定され、ユーザーBについては、「ワン」という音声命令語にコマンドb1が設定され、「ツー」という音声命令語にコマンドb2が設定されるようにする。コマンドa1、a2、b1またはb2は、ユーザーが頻繁に使用するコマンドであるのがよい。または、コマンドa1、a2、b1またはb2は、指示内容が複雑であるために、通常の音声で指示し難いコマンドであるのがよい。
【0069】
具体的には、
図11に図示されたように、ユーザーAがまだ初級者であってショットが不完全でありよくキャンセルしたい場合が発生するようであれば、ユーザーAは自分がよく使用するコマンドである「ショットキャンセル」に対応する音声命令語を「ワン」に設定することにより、スクリーンゴルフのプレイ中にいつでも「ワン」と言って簡単にショットを取り消すことができる。ユーザーBは中級者であってショットをキャンセルしたい場合はあまりなく、個人的に「目標表示」をよく使用するようであれば、ユーザーBは自分がよく使用するコマンドである「目標表示」に対応する音声名命令を「ワン」に設定することにより、スクリーンゴルフのプレイ中にいつでも「ワン」と言って簡単に目標表示を実行させることができる。
【0070】
指示内容が複雑であるために、通常の音声で指示し難いコマンドの例として、ユーザーAとBが一緒にプレイしている時にユーザーAの打撃順序でユーザーBが先にショットをすることができるようにプレイ順序を変更しようとする場合(または、逆にユーザーBの打撃順序でユーザーAが先にショットをすることができるようにプレイ順序を変更しようとする場合)がある。この場合には、「現在の選手の代わりにプレイ順序を変更します」のように長く複雑な文章を言うことに比べて、該当コマンドに対応する音声命令語を「ツー」と設定すると、スクリーンゴルフのプレイ中にいつでも「ツー」ということにより、簡単に希望するコマンドを実行させることができる。
【0071】
このように、特定の音声命令語に特定のコマンドが対応するようにユーザーごとに自身の希望により設定することにより(または全てのユーザーについて音声命令語とコマンドとの間の対応関係が同一に設定されることも可能である)、音声命令語を一つの単語で簡単にいうことができるのでユーザーの便宜を高めることができ、またシステムの立場では音声を認識し易くて動作上のエラーを防止することができる。
【0072】
ユーザーごとに音声命令語とコマンドとの対応関係が異なる場合、ユーザーがスクリーンスポーツをプレイする間に使用するコマンドは非常に多様であるため、ユーザーがどのような音声命令語にどのようなコマンドが対応するかを正確に記憶することができないことがあり得る。したがって、ユーザーの要請があれば、いつでもスクリーンなどにどのような音声命令語がどのようなコマンドに対応するかについてユーザーに表示することができるように構成することが好ましい。また、ユーザーの要請があれば、音声命令語とコマンドとの対応関係をいつでも変更することができるように構成することが好ましい。
【0073】
以上、本発明の具体的な実施例について考察した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形した形態で具現できることを理解することができるであろう。したがって、開示された実施例は限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0074】
10:仮想スポーツ装置
20:サーバーユニット
30:データベース
100:仮想ゴルフ装置
200:仮想野球装置