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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】ホルダおよびホルダユニット
(51)【国際特許分類】
   B28D 5/00 20060101AFI20240606BHJP
   C03B 33/027 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
B28D5/00 Z
C03B33/027
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020182440
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022072797
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390000608
【氏名又は名称】三星ダイヤモンド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087985
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 宏司
(72)【発明者】
【氏名】岩坪 佑磨
(72)【発明者】
【氏名】阪口 良太
(72)【発明者】
【氏名】長谷田 一磨
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-174539(JP,A)
【文献】特開2019-194006(JP,A)
【文献】特許第7209349(JP,B2)
【文献】特許第6031150(JP,B1)
【文献】特許第5936733(JP,B1)
【文献】特開2016-108167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28D 5/00
C03B 33/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクライビングホイールの第1側面および第2側面を支持する支持部を含み、
前記支持部は前記第1側面を2点で支持する第1支持部、および、前記第2側面を1点で支持する第2支持部を含み、
前記第1支持部は前記第1側面に接触する第1接触部および第2接触部を含み、
前記第2支持部は前記第2側面に接触する第3接触部を含み、
前記ホルダの前後方向に関する前記第1接触部の位置および前記第2接触部の位置は前記第3接触部の位置とは異なり、
前記支持部は前記スクライビングホイールの中心面が基準中心面に対して傾斜した状態において前記第1側面および前記第2側面を支持するように構成される
ホルダ。
【請求項2】
前記ホルダの前後方向に関する前記第1接触部の位置と前記第2接触部の位置とは同じである
請求項に記載のホルダ。
【請求項3】
前記ホルダの上下方向に関する前記第3接触部の位置は前記第1接触部の位置と前記第2接触部の位置との間である
請求項またはに記載のホルダ。
【請求項4】
前記第1支持部は前記第1側面に面する第1支持面、および、前記第1支持面に設けられる凹構造を含み、
前記凹構造は前記第1接触部および前記第2接触部を含む
請求項のいずれか一項に記載のホルダ。
【請求項5】
前記凹構造は溝を含み、
前記溝は前記ホルダの前面に開口する前端部、および、前記ホルダの後面に開口する後端部を含む
請求項に記載のホルダ。
【請求項6】
前記第2支持部は前記第2側面に面する第2支持面を含み、
前記第2支持面は前記第3接触部を含む
請求項~5のいずれか一項に記載のホルダ。
【請求項7】
前記第1支持部は前記第1側面のうちの前後方向の基準位置よりも後方に位置する部分を支持し、
前記第2支持部は前記第2側面のうちの前記前後方向の基準位置よりも前方に位置する部分を支持する
請求項1~のいずれか一項に記載のホルダ。
【請求項8】
スクライビングホイールと、
前記スクライビングホイールを支持するピンと、
前記ピンを支持するホルダとを備え、
前記ホルダはスクライビングホイールの第1側面および第2側面を支持する支持部を含み、
前記支持部は前記第1側面を2点で支持する第1支持部、および、前記第2側面を1点で支持する第2支持部を含み、
前記第1支持部は前記第1側面に接触する第1接触部および第2接触部を含み、
前記第2支持部は前記第2側面に接触する第3接触部を含み、
前記ホルダの前後方向に関する前記第1接触部の位置および前記第2接触部の位置は前記第3接触部の位置とは異なり、
前記支持部は前記スクライビングホイールの中心面が基準中心面に対して傾斜した状態において前記第1側面および前記第2側面を支持するように構成される
ホルダユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホルダおよびホルダユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
脆性材料基板等の被加工物のスクライブ加工にスクライブ装置が用いられる。スクライブ装置はスクライビングホイールを被加工物に接触させ、被加工物に対してスクライビングホイールを移動させ、被加工物にスクライブラインを形成する。特許文献1には、従来のスクライブ装置の一例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-234748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スクライビングホイールが被加工物に接触することにともない、ホルダに対するスクライビングホイールの姿勢が変化する場合がある。スクライビングホイールが被加工物に接触する毎におけるスクライビングホイールの姿勢に関する相違の程度が小さくなるほど、スクライブラインの加工精度が向上すると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に関するホルダはスクライビングホイールの第1側面および第2側面を支持する支持部を含み、前記支持部は前記第1側面を2点で支持する第1支持部、および、前記第2側面を1点で支持する第2支持部を含む。
【0006】
スクライビングホイールが被加工物に接触する毎におけるスクライビングホイールの姿勢に関する相違の程度が小さくなる。
【0007】
前記ホルダは、前記第1支持部は前記第1側面に接触する第1接触部および第2接触部を含み、前記第2支持部は前記第2側面に接触する第3接触部を含み、前記ホルダの前後方向に関する前記第1接触部の位置および前記第2接触部の位置は前記第3接触部の位置とは異なり、前記支持部は前記スクライビングホイールの中心面が基準中心面に対して傾斜した状態において前記第1側面および前記第2側面を支持するように構成される。
【0008】
スクライビングホイールの姿勢の安定性が高くなる。被加工物に対する走行にともないスクライビングホイールに生じる反力により、スクライビングホイールの第1側面を第1支持部に押し付け、スクライビングホイールの第2側面を第2支持部に押し付けるようにスクライビングホイールに回転力が働く。スクライビングホイールの姿勢の安定性が高くなる。
【0009】
前記ホルダの一例では、前記ホルダの前後方向に関する前記第1接触部の位置と前記第2接触部の位置とは同じである。
【0010】
スクライビングホイールの姿勢の安定性が高くなる。
【0011】
前記ホルダの一例では、前記ホルダの上下方向に関する前記第3接触部の位置は前記第1接触部の位置と前記第2接触部の位置との間である。
【0012】
スクライビングホイールの姿勢の安定性が高くなる。
【0013】
前記ホルダの一例では、前記第1支持部は前記第1側面に面する第1支持面、および、前記第1支持面に設けられる凹構造を含み、前記凹構造は前記第1接触部および前記第2接触部を含む。
【0014】
第1支持部を容易に形成できる。
【0015】
前記ホルダの一例では、前記凹構造は溝を含み、前記溝は前記ホルダの前面に開口する前端部、および、前記ホルダの後面に開口する後端部を含む。
【0016】
第1支持部を容易に形成できる。
【0017】
前記ホルダの一例では、前記第2支持部は前記第2側面に面する第2支持面を含み、
前記第2支持面は前記第3接触部を含む。
【0018】
第2支持部を容易に形成できる。
【0019】
前記ホルダの一例では、前記第1支持部は前記第1側面のうちの前後方向の基準位置よりも後方に位置する部分を支持し、前記第2支持部は前記第2側面のうちの前記前後方向の基準位置よりも前方に位置する部分を支持する。
【0020】
スクライビングホイールが被加工物に接触する毎におけるスクライビングホイールの姿勢に関する相違の程度が小さくなる。
【0023】
本発明に関するホルダユニットはスクライビングホイールと、前記スクライビングホイールを支持するピンと、前記ピンを支持するホルダとを備え、前記ホルダはスクライビングホイールの第1側面および第2側面を支持する支持部を含み、前記支持部は前記第1側面を2点で支持する第1支持部、および、前記第2側面を1点で支持する第2支持部を含み、前記第1支持部は前記第1側面に接触する第1接触部および第2接触部を含み、前記第2支持部は前記第2側面に接触する第3接触部を含み、前記ホルダの前後方向に関する前記第1接触部の位置および前記第2接触部の位置は前記第3接触部の位置とは異なり、前記支持部は前記スクライビングホイールの中心面が基準中心面に対して傾斜した状態において前記第1側面および前記第2側面を支持するように構成される
【0024】
スクライビングホイールが被加工物に接触する毎におけるスクライビングホイールの姿勢に関する相違の程度が小さくなる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に関するホルダおよびホルダユニットはスクライブラインの加工精度の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態のスクライブヘッドの側面図。
図2】スクライブヘッドの正面図。
図3】スクライビングホイールの側面図。
図4】スクライビングホイールの断面図。
図5】ホルダユニットの断面図。
図6】第2実施形態の第1支持部の正面図(1)。
図7】第1支持部の正面図(2)。
図8】第1支持部の正面図(3)。
図9】第1支持部の正面図(4)。
図10】第2支持部の正面図。
図11】スクライビングホイールの側面図。
図12】第5実施形態の第1支持部の正面図。
図13】第2支持部の正面図。
図14】スクライビングホイールの側面図。
図15】第8実施形態の第1支持部の正面図(1)。
図16】第1支持部の正面図(2)。
図17】第1支持部の正面図(3)。
図18】第1支持部の正面図(4)。
図19】第11実施形態の第1支持部の正面図。
図20】第12実施形態の第1支持部の正面図。
図21】第13実施形態の第1支持部の正面図。
図22】第14実施形態の第1支持部の正面図。
図23】第2支持部の正面図。
図24】第17実施形態の第1支持部の正面図。
図25】第18実施形態の第1支持部の正面図。
図26】第19実施形態の第1支持部の正面図。
図27】第20実施形態の第2支持部の正面図(1)。
図28】第2支持部の正面図(2)。
図29】第2支持部の正面図(3)。
図30】第23実施形態の第2支持部の正面図。
図31】第24実施形態の第2支持部の正面図。
図32】第27実施形態の第2支持部の正面図。
図33】第28実施形態のホルダアセンブリの側面図(1)。
図34】ホルダアセンブリの側面図(2)。
図35】ホルダアセンブリの側面図(3)。
図36】第29実施形態のホルダの斜視図(1)。
図37】ホルダの斜視図(2)。
図38】ホルダの正面図。
図39】ホルダの側面図。
図40】ホルダの底面図。
図41】ホルダの断面図。
図42】第1支持部の正面図。
図43】第2支持部の正面図。
図44】第30実施形態の第2支持部の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施形態)
図1図2はスクライブヘッドA10の一例を示す。スクライブヘッドA10は被加工物をスクライブ加工するスクライブ加工装置に組み込まれる。スクライブ加工装置は例えば、スクライブヘッドA10および移動装置等を備える。
【0028】
被加工物の例として、基板が挙げられる。基板の例として、脆性材料基板が挙げられる。脆性材料基板の例として、ガラス基板、セラミックス基板、シリコン基板、化合物半導体基板、サファイア基板、および、石英基板が挙げられる。セラミックス基板の例として、低温焼成セラミックスおよび高温焼成セラミックスが挙げられる。
【0029】
スクライブヘッドA10は移動装置に取り付けられる。移動装置は被加工物に対するスクライブヘッドA10の位置を任意に変更できるように構成される。一例では、移動装置は平面移動部および垂直移動部の少なくとも1つを含む。
【0030】
平面移動部は被加工物の被加工面に対して平行な方向に関するスクライブヘッドA10の位置を変更する。垂直移動部は被加工物の被加工面に対して垂直な方向に関するスクライブヘッドA10の位置を変更する。
【0031】
スクライブヘッドA10は例えば、ベースA11、連結構造A20、ホルダジョイント保持具A12、および、ホルダアセンブリA30を備える。
【0032】
ベースA11は移動装置に取り付けられる。ベースA11と移動装置との関係について例示する。第1例では、ベースA11は移動装置の平面移動部に取り付けられる。第2例では、ベースA11は移動装置の垂直移動部に取り付けられる。
【0033】
ホルダジョイント保持具A12は連結構造A20を介してベースA11に取り付けられる。連結構造A20の構成について例示する。
【0034】
第1例では、連結構造A20はホルダジョイント保持具A12がベースA11に対して所定方向に移動できるようにホルダジョイント保持具A12をベースA11に連結する。所定方向は例えば、被加工物の被加工面に対して垂直な方向、および、被加工物の被加工面に対して平行な方向のうちの少なくとも1つを含む。図1図2は第1例の連結構造A20の一例を示す。
【0035】
第2例では、連結構造A20はホルダジョイント保持具A12がベースA11に対して移動できないようにホルダジョイント保持具A12をベースA11に連結する。
【0036】
図示される例では、連結構造A20はレールA21およびスライダA22を含む。レールA21はベースA11およびホルダジョイント保持具A12の一方に取り付けられる。スライダA22はベースA11およびホルダジョイント保持具A12の他方に取り付けられる。
【0037】
レールA21は例えばベースA11に取り付けられる。スライダA22は例えばホルダジョイント保持具A12に取り付けられる。連結構造A20は例えば被加工物の被加工面に対して垂直な方向において、ベースA11とホルダジョイント保持具A12との相対的な移動を許容する。
【0038】
ホルダジョイント保持具A12はホルダアセンブリA30を保持する状態と、ホルダアセンブリA30を保持しない状態とを選択できるように構成される。
【0039】
ホルダアセンブリA30はホルダジョイントB10およびホルダユニット10を備える。ホルダジョイントB10はホルダユニット10を支持する。一例では、ホルダジョイントB10はホルダジョイント保持具A12に対して着脱できるように構成される。
【0040】
ホルダユニット10はホルダジョイントB10を介してホルダジョイント保持具A12に連結される。
【0041】
一例では、ホルダユニット10はホルダジョイントB10の中心軸まわりでホルダジョイント保持具A12に対して回転できるようにホルダジョイントB10に支持される。
【0042】
ホルダユニット10は例えば、ホルダ100、スクライビングホイールC10、および、ピンD10を含む。
【0043】
ホルダ100はホルダジョイントB10に結合される。ピンD10はホルダ100に設けられる。スクライビングホイールC10はホルダ100に対して回転できるようにピンD10に支持される。
【0044】
スクライブヘッドA10は例えば、荷重調節部A40を備える。荷重調節部A40はスクライビングホイールC10を被加工物に押し付ける力を調節する。荷重調節部A40は例えば、アクチュエータA41およびブラケットA42を含む。
【0045】
ブラケットA42はベースA11に取り付けられる。アクチュエータA41はブラケットA42に取り付けられる。アクチュエータA41は例えば、ホルダジョイント保持具A12、ホルダジョイント保持具A12に取り付けられるレールA21、または、ホルダジョイント保持具A12に取り付けられるスライダA22を被加工物に向けて押す。
【0046】
アクチュエータA41の例として、動力シリンダ、ソレノイド、電動機、サーボモータ、および、リニアアクチュエータが挙げられる。動力シリンダの例として、油圧シリンダ、空圧シリンダ、水圧シリンダ、および、電動シリンダが挙げられる。
【0047】
図3図4はスクライビングホイールC10の一例を示す。スクライビングホイールC10は内周部C20および刃先部C30を含む。スクライビングホイールC10の基礎的構造の例として、第1構造および第2構造が挙げられる。
【0048】
第1構造では、内周部C20および刃先部C30を含むスクライビングホイールC10の全体が単一の高硬度材料により形成される。第2構造では、スクライビングホイールC10は高硬度材料により形成される内周部C20、および、内周部C20とは異なる高硬度材料により形成される刃先部C30を含む。
【0049】
高硬度材料としては例えば超硬合金、多結晶ダイヤモンド、および、単結晶ダイヤモンドが挙げられる。多結晶ダイヤモンドは例えばダイヤモンド焼結体(Poly-Crystalline Diamond、略称はPCD)、または、ナノ多結晶ダイヤモンド(Nano-Polycrystalline Diamond、略称はNPD)である。
【0050】
内周部C20はスクライビングホイールC10の中心軸であるホイール中心軸LWまわりに設けられる。以下では、ホイール中心軸LWに沿う方向をスクライビングホイールC10の軸方向と称する。
【0051】
スクライビングホイールC10の中心面であるホイール中心面C11はスクライビングホイールC10の軸方向においてスクライビングホイールC10の中心を通過し、ホイール中心軸LWに直交する。
【0052】
スクライビングホイールC10の形状はホイール中心面C11に対して対称または非対称である。図示される例では、スクライビングホイールC10の形状はホイール中心面C11に対して対称である。
【0053】
スクライビングホイールC10の側面視では、内周部C20および刃先部C30の形状は環である。刃先部C30は内周部C20に対してスクライビングホイールC10の径方向の外方に設けられる。刃先部C30はスクライビングホイールC10の刃を構成する。
【0054】
刃先部C30の厚さはスクライビングホイールC10の径方向の外方に向かうにつれて薄くなる。刃先部C30の先端には、スクライビングホイールC10の円周に相当する稜線C31が形成される。
【0055】
内周部C20は例えば、スクライビングホイールC10の第1側面である第1ホイール側面C21、および、スクライビングホイールC10の第2側面である第2ホイール側面C22を含む。
【0056】
各ホイール側面C21、C22の関係について例示する。第1例では、第1ホイール側面C21の形状は第2ホイール側面C22の形状と同じである。第2例では、第1ホイール側面C21の形状は第2ホイール側面C22の形状とは異なる。
【0057】
各ホイール側面C21、C22の形状の相違の例として、各ホイール側面C21、C22の外周形状の相違、各ホイール側面C21、C22における凹構造の有無、および、各ホイール側面C21、C22における凸構造の有無等が挙げられる。
【0058】
図示される例では、各ホイール側面C21、C22の形状は同じである。各ホイール側面C21、C22は平面である。各ホイール側面C21、C22はホイール中心面C11に対して平行である。
【0059】
各ホイール側面C21、C22の外周と刃先部C30との間には境界部C40が形成される。境界部C40は各ホイール側面C21、C22と刃先部C30の外面との間に形成されるエッジ、または、これに相当する部分である。境界部C40は各ホイール側面C21、C22に含まれる。
【0060】
内周部C20は例えば、スクライビングホイールC10の内周面であるホイール内周面C23、貫通孔C24、および、面取りC25を含む。
【0061】
ホイール内周面C23は貫通孔C24を規定する。貫通孔C24はスクライビングホイールC10の軸方向に関して内周部C20を貫通する。貫通孔C24は円形である。面取りC25は貫通孔C24の周囲に形成される。
【0062】
図5はホルダ100の一例を示す。ホルダ100に関する方向として例えば、幅方向、前後方向、および、上下方向が規定される。幅方向は第1側方および第2側方を含む。第2側方は第1側方とは反対の方向である。前後方向は前方および後方を含む。後方は前方とは反対の方向である。上下方向は上方および下方を含む。下方は上方とは反対の方向である。
【0063】
ホルダ100に関する説明には、例えば直交座標系が用いられる。X軸はホルダ100の幅方向に平行である。Y軸はホルダ100の前後方向に平行である。Z軸はホルダ100の上下方向に平行である。
【0064】
X軸およびY軸は第1基準面を定める。X軸およびZ軸は第2基準面を定める。Y軸およびZ軸は第3基準面を定める。
【0065】
ホルダ100は例えば、本体部110および支持部200を備える。本体部110はホルダジョイントB10に結合される。
【0066】
支持部200はホルダ100の上下方向に関して本体部110に対して下方に設けられる。支持部200と本体部110との関係について例示する。
【0067】
第1例では、支持部200は本体部110と一体的に構成される。第2例では、支持部200は本体部110とは別に構成される。支持部200は着脱できるように、または、着脱できないように本体部110に結合される。
【0068】
支持部200は例えば、第1支持部210および第2支持部220を含む。第1支持部210はホルダ100の幅方向に関して、ホルダ100の中心軸であるホルダ中心軸LHに対して第1側方に離れた位置に設けられる。第2支持部220はホルダ100の幅方向に関して、ホルダ中心軸LHに対して第2側方に離れた位置に設けられる。
【0069】
第1支持部210は第1支持面211を含む。第1支持面211は第1ホイール側面C21に面する。第2支持部220は第2支持面221を含む。第2支持面221は第2ホイール側面C22に面する。
【0070】
ホルダ100の幅方向に関して、第1支持部210と第2支持部220とは間隔を空けて設けられる。第1支持面211と第2支持面221との間にホイール配置空間101が形成される。ホイール配置空間101はスクライビングホイールC10を配置できるように形成される。
【0071】
支持部200は例えば、ピン支持部230を含む。ピン支持部230はピンD10を支持する。ピン支持部230は第1ピン支持部231および第2ピン支持部232を含む。第1ピン支持部231は第1支持部210に設けられる。第2ピン支持部232は第2支持部220に設けられる。
【0072】
ピンD10の形状は例えば円柱である。ピンD10は例えば、第1端部D11、第2端部D12、中間部D13、および、ピンD10の外周面であるピン外周面D14を含む。
【0073】
中間部D13はピンD10の中心軸であるピン中心軸LPに沿う方向に関して第1端部D11と第2端部D12との間に設けられる。ピンD10のうちの少なくとも中間部D13はホイール配置空間101に配置される。中間部D13のピン外周面D14はスクライビングホイールC10のホイール内周面C23に接触する。
【0074】
ピン支持部230によるピンD10の支持形態の例として、第1支持形態および第2支持形態が挙げられる。第1支持形態では、ピンD10はピン支持部230とは別に構成される。ピンD10はピン支持部230に挿入される。ピン支持部230はピンD10を支持する。第2支持形態では、ピンD10はピン支持部230と一体的に構成される。
【0075】
図示される第1支持形態の一例では、各ピン支持部231、232はピン支持面233およびピン配置空間234を含む。ピン支持面233はピン配置空間234を規定する。ピン配置空間234はピンD10を配置できるように形成される。
【0076】
ピンD10の第1端部D11は第1ピン支持部231のピン配置空間234に配置される。ピンD10の第1端部D11は第1ピン支持部231のピン支持面233に支持される。
【0077】
ピンD10の第2端部D12は第2ピン支持部232のピン配置空間234に配置される。ピンD10の第2端部D12は第2ピン支持部232のピン支持面233に支持される。
【0078】
ピンD10はピン中心軸LPがホルダ100の幅方向に平行な状態、または、ピン中心軸LPがホルダ100の幅方向に交差する状態でピン支持部230に支持される。図示される例では、ピン中心軸LPはホルダ100の幅方向に平行である。
【0079】
第1支持形態の一例では、支持部200は抜止部240を含む。抜止部240はピンD10がピン配置空間234の開口を介して支持部200の外部に移動しないように構成される。抜止部240は各ピン支持部231、232の少なくとも1つに設けられる。
【0080】
抜止部240の構成について例示する。第1例では、抜止部240は支持部200の外部に設けられる。第2例では、抜止部240はピン配置空間234に設けられる。
【0081】
抜止部240と支持部200との関係について例示する。第1例では、抜止部240は支持部200に対して着脱できるように構成される。第2例では、抜止部240は固定手段により支持部200に固定される。固定手段は例えば、カシメ、接着、および、溶接のうちの少なくとも1つを含む。
【0082】
支持部200はピンD10を介してスクライビングホイールC10を支持する。支持部200はスクライビングホイールC10の刃先部C30が被加工物に接触した状態においてスクライビングホイールC10を所定支持状態で支持できるように構成される。所定支持状態は例えば、3点支持状態および傾斜支持状態のうちの少なくとも1つを含む。
【0083】
ホルダ100は例えば3点支持構造S3を含む。3点支持構造S3はスクライビングホイールC10を3点支持状態で支持できるように構成される。第1支持部210および第2支持部220は3点支持構造S3を構成する。
【0084】
3点支持状態では、第1ホイール側面C21が第1支持部210により2点で支持され、第2ホイール側面C22が第2支持部220により1点で支持される。
【0085】
3点支持状態では、スクライビングホイールC10と支持部200とにより3つの接触点が形成される。3つの接触点は第1接触点、第2接触点、および、第3接触点を含む。
【0086】
第1接触点および第2接触点は第1支持部210と第1ホイール側面C21との接触点である。第3接触点は第2支持部220と第2ホイール側面C22との接触点である。各接触点における接触状態は点接触、線接触、または、面接触である。
【0087】
3点支持状態における第1ホイール側面C21は接触部および非接触部を含む。
【0088】
第1ホイール側面C21の接触部は第1ホイール側面C21のうちの第1接触点を形成する部分、および、第1ホイール側面C21のうちの第2接触点を形成する部分である。
【0089】
第1ホイール側面C21の非接触部は第1ホイール側面C21のうちの第1接触点を形成する部分、および、第2接触点を形成する部分以外の部分である。第1ホイール側面C21の非接触部は第1支持面211に接触しない。
【0090】
3点支持状態における第2ホイール側面C22は接触部および非接触部を含む。
【0091】
第2ホイール側面C22の接触部は第2ホイール側面C22のうちの第3接触点を形成する部分である。
【0092】
第2ホイール側面C22の非接触部は第2ホイール側面C22のうちの第3接触点を形成する部分以外の部分である。第2ホイール側面C22の非接触部は第2支持面221に接触しない。
【0093】
第1支持部210の第1支持面211は例えば第1面構造および第2面構造の少なくとも1つを含む。
【0094】
第1支持面211の第1面構造について例示する。一例では、第1支持面211は平面および曲面の少なくとも1つを含む。平面は例えば、第3基準面に対して平行な面、および、第3基準面に対して傾斜する面の少なくとも1つを含む。
【0095】
第1支持面211の第2面構造について例示する。一例では、第1支持面211は凹構造および凸構造の少なくとも1つを含む。
【0096】
第1支持面211の凹構造について例示する。
【0097】
第1例では、第1支持面211の凹構造は第1ホイール側面C21の接触部に面する1または複数の凹部を含む。3点支持状態において、第1例の凹部は第1ホイール側面C21の接触部に接触し、第1ホイール側面C21の非接触部に接触しない。
【0098】
第2例では、第1支持面211の凹構造は第1ホイール側面C21の接触部に面しない1または複数の凹部を含む。3点支持状態において、第2例の凹部は第1ホイール側面C21の接触部および非接触部に接触しない。
【0099】
第3例では、第1支持面211の凹構造は第1ホイール側面C21に面しない1または複数の凹部を含む。3点支持状態において、第3例の凹部は第1ホイール側面C21の接触部および非接触部に接触しない。
【0100】
第4例では、第1支持面211の凹構造は第1ホイール側面C21の接触部に面する1または複数の溝を含む。3点支持状態において、第4例の溝は第1ホイール側面C21の接触部に接触し、第1ホイール側面C21の非接触部に接触しない。
【0101】
第5例では、第1支持面211の凹構造は第1ホイール側面C21の接触部に面しない1または複数の溝を含む。3点支持状態において、第5例の溝は第1ホイール側面C21の接触部および非接触部に接触しない。
【0102】
第6例では、第1支持面211の凹構造は第1ホイール側面C21に面しない1または複数の溝を含む。3点支持状態において、第6例の溝は第1ホイール側面C21の接触部および非接触部に接触しない。
【0103】
第7例では、第1支持面211の凹構造は第1例~第6例のうちの少なくとも2つの構成を含む。
【0104】
第1支持面211の凸構造について例示する。
【0105】
第1例では、第1支持面211の凸構造は第1ホイール側面C21の接触部に面する1または複数の凸部を含む。3点支持状態において、第1例の凸部は第1ホイール側面C21の接触部に接触し、第1ホイール側面C21の非接触部に接触しない。
【0106】
第2例では、第1支持面211の凸構造は第1ホイール側面C21の接触部に面しない1または複数の凸部を含む。3点支持状態において、第2例の凸部は第1ホイール側面C21の接触部および非接触部に接触しない。
【0107】
第3例では、第1支持面211の凸構造は第1ホイール側面C21に面しない1または複数の凸部を含む。3点支持状態において、第3例の凸部は第1ホイール側面C21の接触部および非接触部に接触しない。
【0108】
第4例では、第1支持面211の凹構造は第1例~第3例のうちの少なくとも2つの構成を含む。
【0109】
第1支持面211に凹構造が設けられる第1支持部210では、第1支持面211は基礎面および凹面を含む。基礎面は凹構造の周囲の面である。凹構造は基礎面に対して窪む。凹構造は基礎面に開口する。凹面は凹構造の空間を規定する面である。
【0110】
第1支持面211に凸構造が設けられる第1支持部210では、第1支持面211は基礎面および凸面を含む。基礎面は凸構造の周囲の面である。凸構造は基礎面に対して突出する。凸面は凸構造の表面である。
【0111】
第1支持部210は第1ホイール側面C21に接触する第1接触部および第2接触部を含む。第1接触部および第2接触部は第1支持面211に設けられる。第1接触部が第1ホイール側面C21に接触した状態では、第1接触点が形成される。第2接触部が第1ホイール側面C21に接触した状態では、第2接触点が形成される。
【0112】
第1接触部は例えば、第1面構造における平面の一部、第1面構造における曲面の一部、第2面構造における凹構造、および、第2面構造における凸構造のうちの少なくとも1つに含まれる。
【0113】
第2接触部は例えば、第1面構造における平面の一部、第1面構造における曲面の一部、第2面構造における凹構造、および、第2面構造における凸構造のうちの少なくとも1つに含まれる。
【0114】
第2支持部220の第2支持面221は例えば第1面構造および第2面構造の少なくとも1つを含む。
【0115】
第2支持面221の第1面構造について例示する。一例では、第2支持面221は平面および曲面の少なくとも1つを含む。平面は例えば、第3基準面に対して平行な面、および、第3基準面に対して傾斜する面の少なくとも1つを含む。
【0116】
第2支持面221の第2面構造について例示する。一例では、第2支持面221は凹構造および凸構造の少なくとも1つを含む。
【0117】
第2支持面221の凹構造について例示する。
【0118】
第1例では、第2支持面221の凹構造は第2ホイール側面C22の接触部に面する1または複数の凹部を含む。3点支持状態において、第1例の凹部は第2ホイール側面C22の接触部に接触し、第2ホイール側面C22の非接触部に接触しない。
【0119】
第2例では、第2支持面221の凹構造は第2ホイール側面C22の接触部に面しない1または複数の凹部を含む。3点支持状態において、第2例の凹部は第2ホイール側面C22の接触部および非接触部に接触しない。
【0120】
第3例では、第2支持面221の凹構造は第2ホイール側面C22に面しない1または複数の凹部を含む。3点支持状態において、第3例の凹部は第2ホイール側面C22の接触部および非接触部に接触しない。
【0121】
第4例では、第2支持面221の凹構造は第2ホイール側面C22の接触部に面する1または複数の溝を含む。3点支持状態において、第4例の溝は第2ホイール側面C22の接触部に接触し、第2ホイール側面C22の非接触部に接触しない。
【0122】
第5例では、第2支持面221の凹構造は第2ホイール側面C22の接触部に面しない1または複数の溝を含む。3点支持状態において、第5例の溝は第2ホイール側面C22の接触部および非接触部に接触しない。
【0123】
第6例では、第2支持面221の凹構造は第2ホイール側面C22に面しない1または複数の溝を含む。3点支持状態において、第6例の溝は第2ホイール側面C22の接触部および非接触部に接触しない。
【0124】
第7例では、第2支持面221の凹構造は第1例~第6例のうちの少なくとも2つの構成を含む。
【0125】
第2支持面221の凸構造について例示する。
【0126】
第1例では、第2支持面221の凸構造は第2ホイール側面C22の接触部に面する1または複数の凸部を含む。3点支持状態において、第1例の凸部は第2ホイール側面C22の接触部に接触し、第2ホイール側面C22の非接触部に接触しない。
【0127】
第2例では、第2支持面221の凸構造は第2ホイール側面C22の接触部に面しない1または複数の凸部を含む。3点支持状態において、第2例の凸部は第2ホイール側面C22の接触部および非接触部に接触しない。
【0128】
第3例では、第2支持面221の凸構造は第2ホイール側面C22に面しない1または複数の凸部を含む。3点支持状態において、第3例の凸部は第2ホイール側面C22の接触部および非接触部に接触しない。
【0129】
第4例では、第2支持面221の凹構造は第1例~第3例のうちの少なくとも2つの構成を含む。
【0130】
第2支持面221に凹構造が設けられる第2支持部220では、第2支持面221は基礎面および凹面を含む。基礎面は凹構造の周囲の面である。凹構造は基礎面に対して窪む。凹構造は基礎面に開口する。凹面は凹構造の空間を規定する面である。
【0131】
第2支持面221に凸構造が設けられる第2支持部220では、第2支持面221は基礎面および凸面を含む。基礎面は凸構造の周囲の面である。凸構造は基礎面に対して突出する。凸面は凸構造の表面である。
【0132】
第2支持部220は第2ホイール側面C22に接触する第3接触部を含む。第3接触部は第2支持面221に設けられる。第3接触部が第2ホイール側面C22に接触した状態では、第3接触点が形成される。
【0133】
第3接触部は例えば、第1面構造における平面の一部、第1面構造における曲面の一部、第2面構造における凹構造、および、第2面構造における凸構造のうちの少なくとも1つに含まれる。
【0134】
ホルダ100の前後方向に関する第1接触部、第2接触部、および、第3接触部の位置関係について例示する。
【0135】
第1例では、ホルダ100の前後方向に関する第1接触部の位置は第2接触部の位置および第3接触部の位置とは異なる。第1例は例えば、例1Aおよび例1Bを含む。
【0136】
例1Aでは、ホルダ100の前後方向に関する第1接触部の位置は第2接触部の位置および第3接触部の位置に対して前方である。
【0137】
例1Bでは、ホルダ100の前後方向に関する第1接触部の位置は第2接触部の位置および第3接触部の位置に対して後方である。
【0138】
例1Aまたは例1Bでは、ホルダ100の前後方向に関する第2接触部の位置は第3接触部の位置に対して前方、後方、または、同じである。
【0139】
第2例では、ホルダ100の前後方向に関する第2接触部の位置は第1接触部の位置および第3接触部の位置とは異なる。第2例は例2Aおよび例2Bを含む。
【0140】
例2Aでは、ホルダ100の前後方向に関する第2接触部の位置は第1接触部の位置および第3接触部の位置に対して前方である。
【0141】
例2Bでは、ホルダ100の前後方向に関する第2接触部の位置は第1接触部の位置および第3接触部の位置に対して後方である。
【0142】
例2Aまたは例2Bでは、ホルダ100の前後方向に関する第1接触部の位置は第3接触部の位置に対して前方、後方、または、同じである。
【0143】
第3例では、ホルダ100の前後方向に関する第3接触部の位置は第1接触部の位置および第2接触部の位置とは異なる。第3例は例3Aおよび例3Bを含む。
【0144】
例3Aでは、ホルダ100の前後方向に関する第3接触部の位置は第1接触部の位置および第2接触部の位置に対して前方である。
【0145】
例3Bでは、ホルダ100の前後方向に関する第3接触部の位置は第1接触部の位置および第2接触部の位置に対して後方である。
【0146】
例3Aまたは例3Bでは、ホルダ100の前後方向に関する第1接触部の位置は第2接触部の位置に対して前方、後方、または、同じである。
【0147】
第4例では、ホルダ100の前後方向に関する第1接触部の位置および第2接触部の位置は同じである。第4例は例4Aおよび例4Bを含む。
【0148】
例4Aでは、ホルダ100の前後方向に関する第1接触部の位置および第2接触部の位置は第3接触部の位置に対して前方である。
【0149】
例4Bでは、ホルダ100の前後方向に関する第1接触部の位置および第2接触部の位置は第3接触部の位置に対して後方である。
【0150】
第5例では、ホルダ100の前後方向に関する第1接触部の位置および第3接触部の位置は同じである。第5例は例5Aおよび例5Bを含む。
【0151】
例5Aでは、ホルダ100の前後方向に関する第1接触部の位置および第3接触部の位置は第2接触部の位置に対して前方である。
【0152】
例5Bでは、ホルダ100の前後方向に関する第1接触部の位置および第3接触部の位置は第2接触部の位置に対して後方である。
【0153】
第6例では、ホルダ100の前後方向に関する第2接触部の位置および第3接触部の位置は同じである。第6例は例6Aおよび例6Bを含む。
【0154】
例6Aでは、ホルダ100の前後方向に関する第2接触部の位置および第3接触部の位置は第1接触部の位置に対して前方である。
【0155】
例6Bでは、ホルダ100の前後方向に関する第2接触部の位置および第3接触部の位置は第1接触部の位置に対して後方である。
【0156】
第1例~第6例における前後方向の基準位置に対する第1接触部の位置について例示する。第1例~第6例では、それぞれの例における各接触部の相対的な位置関係が満たされる範囲で第1接触部の位置が例えば以下の位置例A1~A3から選択される。
【0157】
前後方向の基準位置は例えば、ホルダ100の前後方向に関するピン支持部230の中心を含む第2基準面、ホルダ中心軸LHを含む第2基準面、ピン中心軸LPを含む第2基準面、または、ホイール中心軸LWを含む第2基準面から選択される。
【0158】
ピン中心軸LPを含む第2基準面は例えば、スクライビングホイールC10が被加工物に押し付けられた状態におけるピン中心軸LPを基準に決められる。
【0159】
ホイール中心軸LWを含む第2基準面は例えば、スクライビングホイールC10が被加工物に押し付けられた状態におけるホイール中心軸LWを基準に決められる。
【0160】
位置例A1では、ホルダ100の前後方向に関する第1接触部の位置は前後方向の基準位置に対して前方である。
【0161】
位置例A2では、ホルダ100の前後方向に関する第1接触部の位置は前後方向の基準位置に対して後方である。
【0162】
位置例A3では、ホルダ100の前後方向に関する第1接触部の位置は前後方向の基準位置の位置と同じである。
【0163】
第1例~第6例における前後方向の基準位置に対する第2接触部の位置について例示する。第1例~第6例では、それぞれの例における各接触部の相対的な位置関係が満たされる範囲で第2接触部の位置が例えば以下の位置例B1~B3から選択される。
【0164】
位置例B1では、ホルダ100の前後方向に関する第2接触部の位置は前後方向の基準位置に対して前方である。
【0165】
位置例B2では、ホルダ100の前後方向に関する第2接触部の位置は前後方向の基準位置に対して後方である。
【0166】
位置例B3では、ホルダ100の前後方向に関する第2接触部の位置は前後方向の基準位置の位置と同じである。
【0167】
第1例~第6例における前後方向の基準位置に対する第3接触部の位置について例示する。第1例~第6例では、それぞれの例における各接触部の相対的な位置関係が満たされる範囲で第3接触部の位置が例えば以下の位置例C1~C3から選択される。
【0168】
位置例C1では、ホルダ100の前後方向に関する第3接触部の位置は前後方向の基準位置に対して前方である。
【0169】
位置例C2では、ホルダ100の前後方向に関する第3接触部の位置は前後方向の基準位置に対して後方である。
【0170】
位置例C3では、ホルダ100の前後方向に関する第3接触部の位置は前後方向の基準位置の位置と同じである。
【0171】
ホルダ100の上下方向に関する第1接触部、第2接触部、および、第3接触部の位置関係について例示する。
【0172】
第1例では、ホルダ100の上下方向に関する第1接触部の位置は第2接触部の位置および第3接触部の位置とは異なる。第1例は例えば、例1Aおよび例1Bを含む。
【0173】
例1Aでは、ホルダ100の上下方向に関する第1接触部の位置は第2接触部の位置および第3接触部の位置に対して上方である。
【0174】
例1Bでは、ホルダ100の上下方向に関する第1接触部の位置は第2接触部の位置および第3接触部の位置に対して下方である。
【0175】
例1Aまたは例1Bでは、ホルダ100の上下方向に関する第2接触部の位置は第3接触部の位置に対して上方、下方、または、同じである。
【0176】
第2例では、ホルダ100の上下方向に関する第2接触部の位置は第1接触部の位置および第3接触部の位置とは異なる。第2例は例えば、例2Aおよび例2Bを含む。
【0177】
例2Aでは、ホルダ100の上下方向に関する第2接触部の位置は第1接触部の位置および第3接触部の位置に対して上方である。
【0178】
例2Bでは、ホルダ100の上下方向に関する第2接触部の位置は第1接触部の位置および第3接触部の位置に対して下方である。
【0179】
例2Aまたは例2Bでは、ホルダ100の上下方向に関する第1接触部の位置は第3接触部の位置に対して上方、下方、または、同じである。
【0180】
第3例では、ホルダ100の上下方向に関する第3接触部の位置は第1接触部の位置および第2接触部の位置とは異なる。第3例は例えば、例3Aおよび例3Bを含む。
【0181】
例3Aでは、ホルダ100の上下方向に関する第3接触部の位置は第1接触部の位置および第2接触部の位置に対して上方である。
【0182】
例3Bでは、ホルダ100の上下方向に関する第3接触部の位置は第1接触部の位置および第2接触部の位置に対して下方である。
【0183】
例3Aまたは例3Bでは、ホルダ100の上下方向に関する第1接触部の位置は第2接触部の位置に対して上方、下方、または、同じである。
【0184】
第4例では、ホルダ100の上下方向に関する第1接触部の位置および第2接触部の位置は同じである。第4例は例えば、例4Aおよび例4Bを含む。
【0185】
例4Aでは、ホルダ100の上下方向に関する第1接触部の位置および第2接触部の位置は第3接触部の位置に対して上方である。
【0186】
例4Bでは、ホルダ100の上下方向に関する第1接触部の位置および第2接触部の位置は第3接触部の位置に対して下方である。
【0187】
第5例では、ホルダ100の上下方向に関する第1接触部の位置および第3接触部の位置は同じである。第5例は例えば、例5Aおよび例5Bを含む。
【0188】
例5Aでは、ホルダ100の上下方向に関する第1接触部の位置および第3接触部の位置は第2接触部の位置に対して上方である。
【0189】
例5Bでは、ホルダ100の上下方向に関する第1接触部の位置および第3接触部の位置は第2接触部の位置に対して下方である。
【0190】
第6例では、ホルダ100の上下方向に関する第2接触部の位置および第3接触部の位置は同じである。第6例は例えば、例6Aおよび例6Bを含む。
【0191】
例6Aでは、ホルダ100の上下方向に関する第2接触部の位置および第3接触部の位置は第1接触部の位置に対して上方である。
【0192】
例6Bでは、ホルダ100の上下方向に関する第2接触部の位置および第3接触部の位置は第1接触部の位置に対して下方である。
【0193】
第1例~第6例における上下方向の基準位置に対する第1接触部の位置について例示する。第1例~第6例では、それぞれの例における各接触部の相対的な位置関係が満たされる範囲で第1接触部の位置が例えば以下の位置例D1~D3から選択される。
【0194】
上下方向の基準位置は例えば、ホルダ100の上下方向に関するピン支持部230の中心を含む第1基準面、ピン中心軸LPを含む第1基準面、または、ホイール中心軸LWを含む第1基準面から選択される。
【0195】
ピン中心軸LPを含む第1基準面は例えば、スクライビングホイールC10が被加工物に押し付けられた状態におけるピン中心軸LPを基準に決められる。
【0196】
ホイール中心軸LWを含む第1基準面は例えば、スクライビングホイールC10が被加工物に押し付けられた状態におけるホイール中心軸LWを基準に決められる。
【0197】
位置例D1では、ホルダ100の上下方向に関する第1接触部の位置は上下方向の基準位置に対して上方である。
【0198】
位置例D2では、ホルダ100の上下方向に関する第1接触部の位置は上下方向の基準位置に対して下方である。
【0199】
位置例D3では、ホルダ100の上下方向に関する第1接触部の位置は上下方向の基準位置の位置と同じである。
【0200】
第1例~第6例における上下方向の基準位置に対する第2接触部の位置について例示する。第1例~第6例では、それぞれの例における各接触部の相対的な位置関係が満たされる範囲で第2接触部の位置が例えば以下の位置例E1~E3から選択される。
【0201】
位置例E1では、ホルダ100の上下方向に関する第2接触部の位置は上下方向の基準位置に対して上方である。
【0202】
位置例E2では、ホルダ100の上下方向に関する第2接触部の位置は上下方向の基準位置に対して下方である。
【0203】
位置例E3では、ホルダ100の上下方向に関する第2接触部の位置は上下方向の基準位置の位置と同じである。
【0204】
第1例~第6例における上下方向の基準位置に対する第3接触部の位置について例示する。第3接触部の位置は例えば以下の位置例F1~F3から選択される。
【0205】
位置例F1では、ホルダ100の上下方向に関する第3接触部の位置は上下方向の基準位置に対して上方である。
【0206】
位置例F2では、ホルダ100の上下方向に関する第3接触部の位置は上下方向の基準位置に対して下方である。
【0207】
位置例F3では、ホルダ100の上下方向に関する第3接触部の位置は上下方向の基準位置の位置と同じである。
【0208】
ホルダ100は例えば傾斜支持構造SSを含む。傾斜支持構造SSはスクライビングホイールC10を傾斜支持状態で支持できるように構成される。
【0209】
傾斜支持状態はホイール中心面C11が基準中心面に対して傾斜した状態である。基準中心面はピン中心軸LPに直交する平面である。ホイール中心面C11が基準中心面に対して傾斜していない状態では、ホイール中心面C11は基準中心面に平行であり、ピン中心軸LPに直交する。
【0210】
傾斜支持状態では、被加工物に対する接触にともなうスクライビングホイールC10の反作用により、所定の回転軸まわりでスクライビングホイールC10を回転させる力(以下「所定の回転軸まわりの回転力」)が生じる。所定の回転軸は例えば、ホイール中心面C11に平行である。
【0211】
所定の回転軸まわりの回転力は、ホイール中心面C11と基準中心面とが平行な状態に近づく方向にスクライビングホイールC10を回転させるように働く。
【0212】
ホイール中心面C11と基準中心面とが平行な状態に近づく方向は、ホイール中心面C11とピン中心軸LPとが直交する状態に近づく方向である。
【0213】
傾斜支持構造SSの形態の例として、第1形態および第2形態が挙げられる。第1形態は例えば第1例~第3例を含む。第2形態は例えば第1例~第3例を含む。
【0214】
第1形態の傾斜支持構造SSはピン中心軸LPがホルダ100の幅方向に対して傾斜するように構成される。
【0215】
第1形態の第1例では、第1基準面に投影されるピン中心軸LPはX軸に対して交差する。第2基準面に投影されるピン中心軸LPはX軸に平行である。
【0216】
第1形態の第2例では、第1基準面に投影されるピン中心軸LPはX軸に平行である。第2基準面に投影されるピン中心軸LPはX軸に対して交差する。
【0217】
第1形態の第3例では、第1基準面に投影されるピン中心軸LPはX軸に対して交差する。第2基準面に投影されるピン中心軸LPはX軸に交差する。
【0218】
第2形態の傾斜支持構造SSは第1支持部210の第1支持面211および第2支持部220の第2支持面221のうちの少なくとも1つがホルダ100の前後方向に対して傾斜するように構成される。
【0219】
第1支持面211がホルダ100の前後方向に対して傾斜する構成では、第1支持面211は第3基準面に交差する。第2支持面221がホルダ100の前後方向に対して傾斜する構成では、第2支持面221は第3基準面に交差する。
【0220】
第2形態の第1例では、第1支持部210の第1支持面211および第2支持部220の第2支持面221がホルダ100の前後方向に対して傾斜する。第1支持面211と第2支持面221との関係は平行または非平行である。
【0221】
第2形態の第2例では、第1支持部210の第1支持面211がホルダ100の前後方向に対して傾斜する。第2支持部220の第2支持面221はホルダ100の前後方向に対して平行である。
【0222】
第2形態の第3例では、第1支持部210の第1支持面211はホルダ100の前後方向に対して平行である。第2支持部220の第2支持面221はホルダ100の前後方向に対して傾斜する。
【0223】
被加工物に対するスクライブ加工では、例えば以下のセット工程、押付工程、形成工程を経て、被加工物の被加工面に複数本のスクライブラインが形成される。
【0224】
セット工程では、スクライブヘッドA10が被加工物に対して準備位置にセットされる。準備位置は次に形成される予定のスクライブラインの始点に対応する。
【0225】
スクライブヘッドA10が準備位置にセットされた状態では、スクライビングホイールC10は被加工物に対して垂直方向に離れた場所に位置する。
【0226】
押付工程では、スクライビングホイールC10が被加工物に接触するようにスクライブヘッドA10が垂直方向に動かされる。スクライブヘッドA10の移動にともないスクライビングホイールC10が被加工物に押し付けられる。
【0227】
形成工程では、スクライブヘッドA10が所定の移動方向に動かされる。所定の移動方向は例えば被加工物の被加工面に平行な直線方向である。
【0228】
スクライブヘッドA10の移動にともないスクライビングホイールC10が被加工物上を走行する。スクライビングホイールC10の走行にともない被加工物がスクライブ加工され、被加工物にスクライブラインが形成される。
【0229】
スクライビングホイールC10がスクライブラインの終点に到達した場合、スクライブヘッドA10の移動が停止される。
【0230】
次のスクライブラインを形成するためのセット工程、押付工程、および、形成工程が行われる。被加工物に対する全てのスクライブラインの形成が完了するまで、セット工程、押付工程、および、形成工程が同様に繰り返される。
【0231】
スクライビングホイールC10が被加工物に押し付けられることにともない、ホルダ100に対するスクライビングホイールC10の姿勢が変化する場合がある。以下では、この姿勢の変化を「接触時の姿勢変化」と記載する。
【0232】
接触時の姿勢変化は例えば、スクライビングホイールC10まわりのクリアランス(以下「周囲クリアランス」という)に応じて生じる。
【0233】
周囲クリアランスには例えば、ホイール内周面C23とピン外周面D14との間のクリアランス、第1ホイール側面C21とホルダ100の第1支持面211との間のクリアランス、第2ホイール側面C22とホルダ100の第2支持面221との間のクリアランス、および、ピン外周面D14とピン支持面233との間のクリアランスのうちの少なくとも1つが含まれる。
【0234】
接触時の姿勢変化が生じた後のスクライビングホイールC10の姿勢を「走行開始前の姿勢」と記載する。接触時の姿勢変化が生じる毎に、走行開始前の姿勢が異なる場合がある。走行開始前の姿勢の違いは例えば、スクライビングホイールC10の中心軸まわりにおける各ホイール側面C21、C22と支持部200との接触位置に表れる。
【0235】
走行開始前の姿勢はスクライブラインの始点の位置に影響する場合がある。スクライブラインの形成毎における走行開始前の姿勢に関する相違の程度が小さくなるほど、スクライブラインの加工精度が向上すると考えられる。走行開始前の姿勢に関する相違の程度が小さい状態には、走行開始前の姿勢が実質的に同じ場合も含まれる。
【0236】
傾斜支持構造SSを含むホルダユニット10では、傾斜支持構造SSにより接触時の姿勢変化が促される。スクライビングホイールC10が被加工物に押し付けられた場合、例えば所定の回転軸まわりの回転力の作用により、第1ホイール側面C21が第1支持面211に接触し、第2ホイール側面C22が第2支持面221に接触する。
【0237】
3点支持構造S3を含むホルダユニット10では、接触時の姿勢変化にともない第1ホイール側面C21が第1支持部210の第1接触部および第2接触部に接触し、第2ホイール側面C22が第2支持部220の第3接触部に接触する。
【0238】
スクライビングホイールC10が3点で支持部200に接触するため、スクライブラインの形成毎における走行開始前の姿勢に関する相違の程度が小さくなる。
【0239】
スクライビングホイールC10が被加工物上を走行する状態では、スクライビングホイールC10がピンD10のまわりで回転する。第1支持部210の第1接触部および第2接触部に対する第1ホイール側面C21の接触位置、および、第2支持部220の第3接触部に対する第2ホイール側面C22の接触位置はスクライビングホイールC10の回転に応じてスクライビングホイールC10の中心軸まわりで変化する。
【0240】
スクライビングホイールC10が被加工物上を走行する状態では、ホイール中心面C11がスクライブヘッドA10の移動方向に平行になるように、ホルダユニット10がホルダジョイントB10の中心軸まわりで回転する。
【0241】
一例では、3点支持状態においてホイール中心面C11がスクライブヘッドA10の移動方向に平行である場合、ホルダ100の前後方向および第3基準面はスクライブヘッドA10の移動方向に対して交差する。
【0242】
一例では、スクライビングホイールC10の走行時においても所定の回転軸まわりの回転力がスクライビングホイールC10に作用し、3点支持状態が維持される。これは例えば、スクライビングホイールC10の走行時におけるスクライビングホイールC10の姿勢の安定化に寄与する。
【0243】
(第2実施形態)
第2実施形態のホルダユニット10は第1実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。
【0244】
傾斜支持構造SSを含むホルダ100によりスクライビングホイールC10が支持される状態では、ホイール中心面C11はホルダ100の第3基準面に対して傾斜する。図6図10では、模擬的に正面視のスクライビングホイールC10を第1支持部210または第2支持部220に重ねて示している。これは、他の図に2点鎖線で示されるスクライビングホイールC10にも共通する。
【0245】
図6図9は第1支持部210の一例を示す。第1支持面211の第1面構造に関して、第1支持面211は平面を含む。第1支持面211の第2面構造に関して、第1支持面211は第1ホイール側面C21に対応する凹構造300を含む。
【0246】
凹構造300は第1支持面211に設けられる。凹構造300は溝310を含む。溝310は凹面301を含む。第1支持面211は基礎面211Aおよび凹面301を含む。
【0247】
溝310は前端部311および後端部312を含む。溝310の前端部311はホルダ100の前面100Aに開口する。溝310の後端部312はホルダ100の後面100Bに開口する。
【0248】
第1支持面211は境界部320を含む。境界部320は基礎面211Aと凹面301との境界に相当する。境界部320は例えば、基礎面211Aと凹面301との間に形成されるエッジ、または、基礎面211Aと凹面301との間に形成される面取りを含む。
【0249】
境界部320は第1境界部321および第2境界部322を含む。第1境界部321はホルダ100の上下方向に関して、溝310の空間に対して上方に位置する。第2境界部322はホルダ100の上下方向に関して、溝310の空間に対して下方に位置する。
【0250】
第1境界部321は第1接触部200Aを含む。ホルダ100の前後方向に関する第1接触部200Aの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。ホルダ100の上下方向に関する第1接触部200Aの位置は上下方向の基準位置に対して上方である。
【0251】
第2境界部322は第2接触部200Bを含む。ホルダ100の前後方向に関する第2接触部200Bの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。ホルダ100の上下方向に関する第2接触部200Bの位置は上下方向の基準位置に対して下方である。
【0252】
各境界部321、322の位置とピン支持部230との関係について例示する。
【0253】
第1例では、第1境界部321はピン支持部230に重なる。第2境界部322はピン支持部230に重なる。図6は第1例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0254】
第1境界部321がピン支持部230に重なる構成では、第1境界部321はホルダ100の前後方向に関してピン支持部230に対して前方に位置する部分と、ホルダ100の前後方向に関してピン支持部230に対して後方に位置する部分とに分かれる。
【0255】
第2境界部322がピン支持部230に重なる構成では、第2境界部322はホルダ100の前後方向に関してピン支持部230に対して前方に位置する部分と、ホルダ100の前後方向に関してピン支持部230に対して後方に位置する部分とに分かれる。
【0256】
第2例では、第1境界部321はホルダ100の上下方向に関して、ピン支持部230に対して上方に位置する。第2境界部322はピン支持部230に重なる。図7は第2例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0257】
第3例では、第1境界部321はピン支持部230に重なる。第2境界部322はホルダ100の上下方向に関して、ピン支持部230に対して上方に位置する。図8は第3例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0258】
第4例では、第1境界部321はホルダ100の上下方向に関して、ピン支持部230に対して上方に位置する。第2境界部322はホルダ100の上下方向に関して、ピン支持部230に対して下方に位置する。図9は第4例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0259】
各境界部321、322と上下方向の基準位置との距離の関係について例示する。
【0260】
第1例では、第1境界部321と上下方向の基準位置との距離は第2境界部322と上下方向の基準位置との距離に等しい。図6図9は第1例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0261】
第2例では、第1境界部321と上下方向の基準位置との距離は第2境界部322と上下方向の基準位置との距離よりも長い。図7は第2例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0262】
第3例では、第1境界部321と上下方向の基準位置との距離は第2境界部322と上下方向の基準位置との距離よりも短い。図8は第3例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0263】
溝310の中心線とホルダ100の前後方向との関係について例示する。溝310の中心線は例えば第1境界部321と第2境界部322との中間に規定される。
【0264】
第1例では、溝310の中心線はホルダ100の前後方向に対して平行である。各境界部321、322はホルダ100の前後方向に対して平行である。図6図9は第1例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0265】
第2例では、溝310の中心線はホルダ100の前後方向に対して交差する。第2例は例2Aおよび例2Bを含む。
【0266】
例2Aでは、溝310の中心線はホルダ100の前方に向けてホルダ100の上方に向かうようにホルダ100の前後方向に対して交差する。
【0267】
例2Bでは、溝310の中心線はホルダ100の前方に向けてホルダ100の下方に向かうようにホルダ100の前後方向に対して交差する。
【0268】
第1境界部321と第2境界部322との間隔を「凹部間隔」と称する。凹部間隔は例えば、溝310の中心線に直交する方向に関する第1境界部321と第2境界部322との距離に相当する。
【0269】
一例では、凹部間隔は各接触部200A、200Bが第1ホイール側面C21に接触するように決められる。凹部間隔は例えば第1ホイール側面C21の直径未満である。溝310の中心線に沿う方向における凹部間隔について例示する。
【0270】
第1例では、溝310の中心線に沿う方向において凹部間隔は一定である。図6図9は第1例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0271】
第2例では、溝310の中心線に沿う方向において凹部間隔は異なる。第2例は例えば、例2A、例2B、例2C、および、例2Dを含む。
【0272】
例2Aでは、凹部間隔は溝310の前端部311から後端部312に向けて広くなる。
【0273】
例2Bでは、凹部間隔は溝310の前端部311から後端部312に向けて狭くなる。
【0274】
例2Cでは、凹部間隔は溝310の前端部311および後端部312からピン支持部230に向けて広くなる。
【0275】
例2Dでは、凹部間隔は溝310の前端部311および後端部312からピン支持部230に向けて狭くなる。
【0276】
溝310における凹面301と溝310の開口との間隔を「凹部深さ」と称する。凹部深さは例えば、第1支持面211に直交する方向に関する凹面301と溝310の開口との距離に相当する。
【0277】
一例では、凹部深さは第1接触部200Aおよび第2接触部200Bが第1ホイール側面C21に接触した状態において、第1ホイール側面C21に非接触部が形成されるように決められる。溝310の中心線に沿う方向における凹部深さについて例示する。
【0278】
第1例では、溝310の中心線に沿う方向において凹部深さは一定である。
【0279】
第2例では、溝310の中心線に沿う方向において凹部深さは異なる。第2例は例えば、例2A、例2B、例2C、および、例2Dを含む。
【0280】
例2Aでは、凹部深さは溝310の前端部311から後端部312に向けて深くなる。
【0281】
例2Bでは、凹部深さは溝310の前端部311から後端部312に向けて浅くなる。
【0282】
例2Cでは、凹部深さは溝310の前端部311および後端部312からピン支持部230に向けて深くなる。
【0283】
例2Dでは、凹部深さは溝310の前端部311および後端部312からピン支持部230に向けて浅くなる。
【0284】
図10は第2支持部220の一例を示す。第2支持面221の第1面構造に関して、第2支持面221は平面を含む。第2支持面221の第2面構造に関して、第2支持面221は凹構造および凸構造を含まない。
【0285】
第2支持面221は第3接触部200Cを含む。第3接触部200Cは第2支持面221の一部である。ホルダ100の前後方向に関する第3接触部200Cの位置は前後方向の基準位置に対して前方である。
【0286】
傾斜支持構造SSは第1ホイール側面C21の後部が第1支持面211に接近し、第2ホイール側面C22の前部が第2支持面221に接近する方向に所定の回転軸まわりの回転力が働くように構成される。
【0287】
第1ホイール側面C21の後部は第1ホイール側面C21における前後方向の基準位置よりも後方の部分である。
【0288】
第2ホイール側面C22の前部は第2ホイール側面C22における前後方向の基準位置よりも前方の部分である。
【0289】
スクライビングホイールC10が被加工物に押し付けられた状態では、第1ホイール側面C21が第1接触部200Aおよび第2接触部200Bに接触し、第2ホイール側面C22が第3接触部200Cに接触する。
【0290】
第1ホイール側面C21と第1支持部210の第1接触部200Aとの接触により第1接触点PAが形成される。第1ホイール側面C21と第1支持部210の第2接触部200Bとの接触により第2接触点PBが形成される。第2ホイール側面C22と第2支持部220の第3接触部200Cとの接触により第3接触点PCが形成される。
【0291】
一例では、第1接触点PAおよび第2接触点PBは第1ホイール側面C21のうちの境界部C40を含む部分に形成される。第3接触点PCは第2ホイール側面C22のうちの境界部C40を含む部分に形成される。
【0292】
ホルダ100の前後方向に関する第1接触点PAの位置および第2接触点PBの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。ホルダ100の前後方向に関する第3接触点PCの位置は前後方向の基準位置に対して前方である。
【0293】
図11は3点支持状態におけるスクライビングホイールC10の正面を示す。第1線分L1はホイール中心軸LWと第1接触点PAとを結ぶ線分である。第2線分L2はホイール中心軸LWと第2接触点PBとを結ぶ線分である。第3線分L3は第1接触点PAと第2接触点PBとを結ぶ線分である。接触角度Tは第1線分L1と第2線分L2とのなす角度である。
【0294】
一例では、支持部200は接触角度Tが基準の接触角度T以下の範囲に含まれるように構成される。基準の接触角度Tは例えば、135°、90°、80°、70°、60°、50°、または、45°から選択される。
【0295】
第3線分L3の長さは第1接触部200Aおよび第2接触部200Bに対応する凹部間隔に相当する。
【0296】
第3線分L3の長さについて例示する。第3線分L3はスクライビングホイールC10の貫通孔C24の直径よりも短い、直径よりも長い、または、直径に等しい。
【0297】
(第3実施形態)
第3実施形態のホルダユニット10は第2実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。
【0298】
第3実施形態のホルダユニット10では、溝310の前端部311の位置が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第3実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0299】
溝310の前端部311はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の前面100Aに対して後方に設けられる。溝310の前端部311はホルダ100の前面100Aに開口しない。溝310の前端部311の位置について例示する。
【0300】
第1例では、溝310の前端部311はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の前面100Aとピン支持部230との間に設けられる。
【0301】
第2例では、溝310の前端部311はホルダ100の前後方向に関して、ピン支持部230に重なるように設けられる。
【0302】
第3例では、溝310の前端部311はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の後面100Bとピン支持部230との間に設けられる。
【0303】
第3実施形態に例示された溝310の構成は前提の実施形態に例示された全ての溝310に適用できる。
【0304】
(第4実施形態)
第4実施形態のホルダユニット10は第2実施形態または第3実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。
【0305】
第4実施形態のホルダユニット10では、溝310の後端部312の位置が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第4実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0306】
溝310の後端部312はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の後面100Bに対して前方に設けられる。溝310の後端部312はホルダ100の後面100Bに開口しない。
【0307】
溝310の後端部312はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の後面100Bとピン支持部230との間に設けられる。
【0308】
第4実施形態に例示された溝310の構成は前提の実施形態に例示された全ての溝310に適用できる。
【0309】
(第5実施形態)
第5実施形態のホルダユニット10は第2実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。図12に第1支持部210の一例が示される。図13に第2支持部220の一例が示される。
【0310】
第5実施形態のホルダユニット10では、スクライビングホイールC10の中心軸まわりにおける各接触点の位置が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第5実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0311】
第5実施形態の第1支持部210の構成は前提の実施形態における第1支持部210の構成に対して、次の点において相違する。
【0312】
ホルダ100の前後方向に関する第1接触部200Aの位置および第2接触部200Bの位置は前後方向の基準位置に対して前方である。
【0313】
第5実施形態の第2支持部220の構成は前提の実施形態における第2支持部220の構成に対して、次の点において相違する。
【0314】
ホルダ100の前後方向に関する第3接触部200Cの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。
【0315】
傾斜支持構造SSは第1ホイール側面C21の前部が第1支持面211に接近し、第2ホイール側面C22の後部が第2支持面221に接近する方向に所定の回転軸まわりの回転力が働くように構成される。
【0316】
スクライビングホイールC10が被加工物に押し付けられた状態では、第1ホイール側面C21が第1接触部200Aおよび第2接触部200Bに接触し、第2ホイール側面C22が第3接触部200Cに接触する。
【0317】
ホルダ100の前後方向に関する第1接触点PAの位置および第2接触点PBの位置は前後方向の基準位置に対して前方である。ホルダ100の前後方向に関する第3接触点PCの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。
【0318】
図14は3点支持状態におけるスクライビングホイールC10の正面を示す。第1線分L1はホイール中心軸LWと第1接触点PAとを結ぶ線分である。第2線分L2はホイール中心軸LWと第2接触点PBとを結ぶ線分である。第3線分L3は第1接触点PAと第2接触点PBとを結ぶ線分である。接触角度Tは第1線分L1と第2線分L2とのなす角度である。
【0319】
一例では、支持部200は接触角度Tが基準の接触角度T以下の範囲に含まれるように構成される。基準の接触角度Tは例えば、135°、90°、80°、70°、60°、50°、または、45°から選択される。
【0320】
第3線分L3の長さは第1接触部200Aおよび第2接触部200Bに対応する凹部間隔に相当する。
【0321】
第3線分L3の長さについて例示する。第3線分L3はスクライビングホイールC10の貫通孔C24の直径よりも短い、直径よりも長い、または、直径に等しい。
【0322】
(第6実施形態)
第6実施形態のホルダユニット10は第5実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。
【0323】
第6実施形態のホルダユニット10では、溝310の後端部312の位置が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第6実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0324】
溝310の後端部312はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の後面100Bに対して前方に設けられる。溝310の後端部312はホルダ100の後面100Bに開口しない。溝310の後端部312の位置について例示する。
【0325】
第1例では、溝310の後端部312はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の後面100Bとピン支持部230との間に設けられる。
【0326】
第2例では、溝310の後端部312はホルダ100の前後方向に関して、ピン支持部230に重なるように設けられる。
【0327】
第3例では、溝310の後端部312はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の前面100Aとピン支持部230との間に設けられる。
【0328】
第6実施形態に例示された溝310の構成は前提の実施形態に例示された全ての溝310に適用できる。
【0329】
(第7実施形態)
第7実施形態のホルダユニット10は第5実施形態または第6実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。
【0330】
第7実施形態のホルダユニット10では、溝310の前端部311の位置が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第7実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0331】
溝310の前端部311はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の前面100Aに対して後方に設けられる。溝310の前端部311はホルダ100の前面100Aに開口しない。
【0332】
溝310の前端部311はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の前面100Aとピン支持部230との間に設けられる。
【0333】
第7実施形態の溝310の構成は前提の実施形態に例示された全ての溝310に適用できる。
【0334】
(第8実施形態)
第8実施形態のホルダユニット10は第2実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。図15図18に第1支持部210の一例が示される。
【0335】
第8実施形態のホルダユニット10では、第1支持部210の第1接触部200Aおよび第2接触部200Bの構成が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第8実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0336】
第1支持面211の第1面構造に関して、第1支持面211は平面を含む。第1支持面211の第2面構造に関して、第1支持面211は凸構造400を含む。
【0337】
凸構造400は第1支持面211に設けられる。凸構造400は第1凸部410および第2凸部420を含む。各凸部410、420は例えば細長いリブである。
【0338】
第1凸部410は凸面401を含む。第2凸部420は凸面401を含む。第1支持面211は基礎面211Aおよび凸面401を含む。各凸部410、420は基礎面211Aに対して突出する。
【0339】
第1凸部410は前端部411および後端部412を含む。第1凸部410の前端部411はホルダ100の前面100Aに位置する。第1凸部410の後端部412はホルダ100の後面100Bに位置する。
【0340】
第1凸部410は第1接触部200Aを含む。ホルダ100の前後方向に関する第1接触部200Aの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。ホルダ100の上下方向に関する第1接触部200Aの位置は上下方向の基準位置に対して上方である。
【0341】
第1凸部410は頂部413を含む。第1凸部410の頂部413は第1接触部200Aを構成する。第1凸部410の頂部413の形状は例えば、球面、平面、または、エッジを含む山型である。
【0342】
第2凸部420は前端部421および後端部422を含む。第2凸部420の前端部421はホルダ100の前面100Aに位置する。第2凸部420の後端部422はホルダ100の後面100Bに位置する。
【0343】
第2凸部420は第2接触部200Bを含む。ホルダ100の前後方向に関する第2接触部200Bの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。ホルダ100の上下方向に関する第2接触部200Bの位置は上下方向の基準位置に対して下方である。
【0344】
第2凸部420は頂部423を含む。第2凸部420の頂部423は第2接触部200Bを構成する。第2凸部420の頂部423の形状は例えば、球面、平面、または、エッジを含む山型である。
【0345】
第1凸部410および第2凸部420はホルダ100の上下方向に間隔を空けて設けられる。第1凸部410はホルダ100の上下方向に関して、第2凸部420に対して上方に位置する。
【0346】
各凸部410、420の位置とピン支持部230との関係について例示する。
【0347】
第1例では、第1凸部410はピン支持部230に重なる。第2凸部420はピン支持部230に重なる。図15は第1例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0348】
第1凸部410がピン支持部230に重なる構成では、第1凸部410はホルダ100の前後方向に関してピン支持部230に対して前方に位置する部分と、ホルダ100の前後方向に関してピン支持部230に対して後方に位置する部分とに分かれる。
【0349】
第2凸部420がピン支持部230に重なる構成では、第2凸部420はホルダ100の前後方向に関してピン支持部230に対して前方に位置する部分と、ホルダ100の前後方向に関してピン支持部230に対して後方に位置する部分とに分かれる。
【0350】
第2例では、第1凸部410はホルダ100の上下方向に関して、ピン支持部230に対して上方に位置する。第2凸部420はピン支持部230に重なる。図16は第2例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0351】
第3例では、第1凸部410はピン支持部230に重なる。第2凸部420はホルダ100の上下方向に関して、ピン支持部230に対して上方に位置する。図17は第3例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0352】
第4例では、第1凸部410はホルダ100の上下方向に関して、ピン支持部230に対して上方に位置する。第2凸部420はホルダ100の上下方向に関して、ピン支持部230に対して下方に位置する。図18は第4例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0353】
各凸部410、420と上下方向の基準位置との距離の関係について例示する。
【0354】
第1例では、第1凸部410と上下方向の基準位置との距離は第2凸部420と上下方向の基準位置との距離に等しい。図15図18は第1例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0355】
第2例では、第1凸部410と上下方向の基準位置との距離は第2凸部420と上下方向の基準位置との距離よりも長い。図16は第2例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0356】
第3例では、第1凸部410と上下方向の基準位置との距離は第2凸部420と上下方向の基準位置との距離よりも短い。図17は第3例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0357】
第1凸部410の長手方向および第2凸部420の長手方向とホルダ100の前後方向との関係について例示する。
【0358】
第1例では、各凸部410、420の長手方向はホルダ100の前後方向に対して平行である。図15図18は第1例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0359】
第2例では、各凸部410、420の長手方向はホルダ100の前後方向に対して交差する。第2例は例えば、例2Aおよび例2Bを含む。
【0360】
例2Aでは、各凸部410、420の長手方向はホルダ100の前方に向けてホルダ100の上方に向かうようにホルダ100の前後方向に対して交差する。
【0361】
例2Bでは、各凸部410、420の長手方向はホルダ100の前方に向けてホルダ100の下方に向かうようにホルダ100の前後方向に対して交差する。
【0362】
第3例では、第1凸部410の長手方向はホルダ100の前後方向に対して平行である。第2凸部420の長手方向はホルダ100の前後方向に対して交差する。第2凸部420は例2Aまたは例2Bと同様の構成を含む。
【0363】
第4例では、第2凸部420の長手方向はホルダ100の前後方向に対して平行である。第1凸部410の長手方向はホルダ100の前後方向に対して交差する。第1凸部410は例2Aまたは例2Bと同様の構成を含む。
【0364】
第5例では、第1凸部410の長手方向はホルダ100の前方に向けてホルダ100の上方に向かうようにホルダ100の前後方向に対して交差する。第2凸部420の長手方向はホルダ100の前方に向けてホルダ100の下方に向かうようにホルダ100の前後方向に対して交差する。
【0365】
第6例では、第1凸部410の長手方向はホルダ100の前方に向けてホルダ100の下方に向かうようにホルダ100の前後方向に対して交差する。第2凸部420の長手方向はホルダ100の前方に向けてホルダ100の上方に向かうようにホルダ100の前後方向に対して交差する。
【0366】
第1凸部410と第2凸部420との間隔を「凸部間隔」と称する。凸部間隔は例えば、ホルダ100の上下方向に関する第1凸部410と第2凸部420との距離である。
【0367】
一例では、凸部間隔は各凸部410、420が第1ホイール側面C21に接触するように決められる。凸部間隔は例えば第1ホイール側面C21の直径未満である。ホルダ100の前後方向における凸部間隔について例示する。
【0368】
第1例では、ホルダ100の前後方向において凸部間隔は一定である。図15図18は第1例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0369】
第2例では、ホルダ100の前後方向において凸部間隔は異なる。第2例は例えば、例2A、例2B、例2C、および、例2Dを含む。
【0370】
例2Aでは、凸部間隔は各凸部410、420の前端部411、421から後端部412、422に向けて広くなる。
【0371】
例2Bでは、凸部間隔は各凸部410、420の前端部411、421から後端部412、422に向けて狭くなる。
【0372】
例2Cでは、凸部間隔は各凸部410、420の前端部411、421および後端部412、422からピン支持部230に向けて広くなる。
【0373】
例2Dでは、凸部間隔は各凸部410、420の前端部411、421および後端部412、422からピン支持部230に向けて狭くなる。
【0374】
第1凸部410の高さは例えば、第1支持面211に直交する方向に関する第1凸部410の基部と頂部との距離に相当する。第2凸部420の高さは例えば、第1支持面211に直交する方向に関する第2凸部420の基部と頂部との距離に相当する。
【0375】
一例では、第1凸部410の高さおよび第2凸部420の高さは第1接触部200Aおよび第2接触部200Bが第1ホイール側面C21に接触した状態において、第1ホイール側面C21に非接触部が形成されるように決められる。ホルダ100の前後方向における各凸部410、420の高さについて例示する。
【0376】
第1例では、ホルダ100の前後方向において各凸部410、420の高さは一定である。
【0377】
第2例では、ホルダ100の前後方向において各凸部410、420の高さは異なる。第2例は例えば、例2A、例2B、例2C、および、例2Dを含む。
【0378】
例2Aでは、各凸部410、420の高さは各凸部410、420の前端部411、421から後端部412、422に向けて高くなる。
【0379】
例2Bでは、各凸部410、420高さは各凸部410、420の前端部411、421から後端部412、422に向けて低くなる。
【0380】
例2Cでは、各凸部410、420高さは各凸部410、420の前端部411、421および後端部412、422から前後方向の基準位置に向けて高くなる。
【0381】
例2Dでは、各凸部410、420高さは各凸部410、420の前端部411、421および後端部412、422から前後方向の基準位置に向けて低くなる。
【0382】
第1接触部200Aの高さと第2接触部200Bの高さとの関係について例示する。第1接触部200Aの高さは第2接触部200Bの高さと同じ、第2接触部200Bの高さよりも高い、または、第2接触部200Bの高さよりも低い。
【0383】
傾斜支持構造SSは第1ホイール側面C21の後部が第1支持面211に接近し、第2ホイール側面C22の前部が第2支持面221に接近する方向に所定の回転軸まわりの回転力が働くように構成される。
【0384】
スクライビングホイールC10が被加工物に押し付けられた状態では、第1ホイール側面C21が第1接触部200Aおよび第2接触部200Bに接触し、第2ホイール側面C22が第3接触部200Cに接触する。
【0385】
ホルダ100の前後方向に関する第1接触点PAの位置および第2接触点PBの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。ホルダ100の前後方向に関する第3接触点PCの位置は前後方向の基準位置に対して前方である。
【0386】
3点支持状態における各線分L1~L3の関係、および、接触角度Tの大きさは、例えば第2実施形態と同様である。
【0387】
(第9実施形態)
第9実施形態のホルダユニット10は第8実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。
【0388】
第9実施形態のホルダユニット10では、各凸部410、420の前端部411、421の位置が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第9実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0389】
各凸部410、420の前端部411、421はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の前面100Aに対して後方に設けられる。各凸部410、420の前端部411、421の位置について例示する。
【0390】
第1例では、各凸部410、420の前端部411、421はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の前面100Aとピン支持部230との間に設けられる。
【0391】
第2例では、各凸部410、420の前端部411、421はホルダ100の前後方向に関して、ピン支持部230に重なるように設けられる。
【0392】
第3例では、各凸部410、420の前端部411、421はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の後面100Bとピン支持部230との間に設けられる。
【0393】
各凸部410、420の前端部411、421の関係について例示する。ホルダ100の前後方向に関する第1凸部410の前端部411の位置は第2凸部420の前端部421の位置と同じ、第2凸部420の前端部421に対して前方、または、第2凸部420の前端部421に対して後方である。
【0394】
第9実施形態に例示された各凸部410、420の構成は前提の実施形態に例示された全ての各凸部410、420に適用できる。
【0395】
(第10実施形態)
第10実施形態のホルダユニット10は第8実施形態または第9実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。
【0396】
第10実施形態のホルダユニット10では、各凸部410、420の後端部412、422の位置が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第10実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0397】
各凸部410、420の後端部412、422はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の後面100Bに対して前方に設けられる。
【0398】
各凸部410、420の後端部412、422はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の後面100Bとピン支持部230との間に設けられる。
【0399】
各凸部410、420の後端部412、422の関係について例示する。ホルダ100の前後方向に関する第1凸部410の後端部412の位置は第2凸部420の後端部422の位置と同じ、第2凸部420の後端部422に対して前方、または、第2凸部420の後端部422に対して後方である。
【0400】
第10実施形態に例示された各凸部410、420の構成は前提の実施形態に例示された全ての各凸部410、420に適用できる。
【0401】
(第11実施形態)
第11実施形態のホルダユニット10は第8実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。図19に第1支持部210の一例が示される。
【0402】
第11実施形態のホルダユニット10では、第1凸部410の形状が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第11実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0403】
ホルダ100の前後方向に関する第1凸部410の位置は前後方向の基準位置に対して後方である。第1凸部410の形状は柱状である。第1凸部410は第1接触部200Aを含む。
【0404】
第1凸部410は頂部413を含む。第1凸部410の頂部413は第1接触部200Aを構成する。第1凸部410の頂部413の形状は例えば、球面、平面、または、エッジを含む山型である。
【0405】
(第12実施形態)
第12実施形態のホルダユニット10は第8実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。図20に第1支持部210の一例が示される。
【0406】
第12実施形態のホルダユニット10では、第2凸部420の形状が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第12実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0407】
ホルダ100の前後方向に関する第2凸部420の位置は前後方向の基準位置に対して後方である。第2凸部420の形状は柱状である。第2凸部420は第2接触部200Bを含む。
【0408】
第2凸部420は頂部423を含む。第2凸部420の頂部423は第2接触部200Bを構成する。第2凸部420の頂部423の形状は例えば、球面、平面、または、エッジを含む山型である。
【0409】
(第13実施形態)
第13実施形態のホルダユニット10は第8実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。図21に第1支持部210の一例が示される。
【0410】
第13実施形態のホルダユニット10では、第1凸部410の形状および第2凸部420の形状が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第13実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0411】
第1凸部410は第11実施形態の第1凸部410と同様の構成を含む。第2凸部420は第12実施形態の第2凸部420と同様の構成を含む。
【0412】
ホルダ100の前後方向に関する各凸部410、420の関係について例示する。ホルダ100の前後方向に関する第1凸部410の位置は第2凸部420の位置と同じ、第2凸部420に対して前方、または、第2凸部420に対して後方である。
【0413】
各凸部410、420と上下方向の基準位置との距離の関係について例示する。
【0414】
第1例では、第1凸部410と上下方向の基準位置との距離は第2凸部420と上下方向の基準位置との距離に等しい。図21は第1例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0415】
第2例では、第1凸部410と上下方向の基準位置との距離は第2凸部420と上下方向の基準位置との距離よりも長い。
【0416】
第3例では、第1凸部410と上下方向の基準位置との距離は第2凸部420と上下方向の基準位置との距離よりも短い。
【0417】
(第14実施形態)
第14実施形態のホルダユニット10は第8実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。図22に第1支持部210の一例が示される。図23に第2支持部220の一例が示される。
【0418】
第14実施形態のホルダユニット10では、スクライビングホイールC10の中心軸まわりにおける各接触点の位置が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第14実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0419】
第14実施形態の第1支持部210の構成は前提の実施形態の第1支持部210の構成に対して、次の点において相違する。
【0420】
ホルダ100の前後方向に関する第1接触部200Aの位置および第2接触部200Bの位置は前後方向の基準位置に対して前方である。
【0421】
第14実施形態の第2支持部220の構成は前提の実施形態の第2支持部220の構成に対して、次の点において相違する。
【0422】
ホルダ100の前後方向に関する第3接触部200Cの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。
【0423】
傾斜支持構造SSは第1ホイール側面C21の前部が第1支持面211に接近し、第2ホイール側面C22の後部が第2支持面221に接近する方向に所定の回転軸まわりの回転力が働くように構成される。
【0424】
スクライビングホイールC10が被加工物に押し付けられた場合、第1ホイール側面C21が第1接触部200Aおよび第2接触部200Bに接触し、第2ホイール側面C22が第3接触部200Cに接触する。
【0425】
ホルダ100の前後方向に関する第1接触点PAの位置および第2接触点PBの位置は前後方向の基準位置に対して前方である。ホルダ100の前後方向に関する第3接触点PCの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。
【0426】
3点支持状態における各線分L1~L3の関係、および、接触角度Tの大きさは、例えば第5実施形態と同様である。
【0427】
(第15実施形態)
第15実施形態のホルダユニット10は第14実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。
【0428】
第15実施形態のホルダユニット10では、各凸部410、420の後端部412、422の位置が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第15実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0429】
各凸部410、420の後端部412、422はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の後面100Bに対して前方に設けられる。各凸部410、420の後端部412、422の位置について例示する。
【0430】
第1例では、各凸部410、420の後端部412、422はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の後面100Bとピン支持部230との間に設けられる。
【0431】
第2例では、各凸部410、420の後端部412、422はホルダ100の前後方向に関して、ピン支持部230に重なるように設けられる。
【0432】
第3例では、各凸部410、420の後端部412、422はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の前面100Aとピン支持部230との間に設けられる。
【0433】
各凸部410、420の後端部412、422の関係について例示する。ホルダ100の前後方向に関する第1凸部410の後端部412の位置は第2凸部420の後端部422の位置と同じ、第2凸部420の後端部422に対して前方、または、第2凸部420の後端部422に対して後方である。
【0434】
第15実施形態に例示された各凸部410、420の構成は前提の実施形態に例示された全ての各凸部410、420に適用できる。
【0435】
(第16実施形態)
第16実施形態のホルダユニット10は第14実施形態または第15実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。
【0436】
第16実施形態のホルダユニット10では、各凸部410、420の前端部411、421の位置が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第16実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0437】
各凸部410、420の前端部411、421はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の前面100Aに対して後方に設けられる。
【0438】
各凸部410、420の前端部411、421はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の前面100Aとピン支持部230との間に設けられる。
【0439】
各凸部410、420の前端部411、421の関係について例示する。ホルダ100の前後方向に関する第1凸部410の前端部411の位置は第2凸部420の前端部421の位置と同じ、第2凸部420の前端部421に対して前方、または、第2凸部420の前端部421に対して後方である。
【0440】
第16実施形態に例示された各凸部410、420の構成は前提の実施形態に例示された全ての各凸部410、420に適用できる。
【0441】
(第17実施形態)
第17実施形態のホルダユニット10は第14実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。図24に第1支持部210の一例が示される。
【0442】
第17実施形態のホルダユニット10では、第1凸部410の形状が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第17実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0443】
ホルダ100の前後方向に関する第1凸部410の位置は前後方向の基準位置に対して前方である。第1凸部410は第11実施形態の第1凸部410と同様の構成を含む。
【0444】
(第18実施形態)
第18実施形態のホルダユニット10は第14実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。図25に第1支持部210の一例が示される。
【0445】
第18実施形態のホルダユニット10では、第2凸部420の形状が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第18実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0446】
ホルダ100の前後方向に関する第2凸部420の位置は前後方向の基準位置に対して前方である。第2凸部420は第12実施形態の第2凸部420と同様の構成を含む。
【0447】
(第19実施形態)
第19実施形態のホルダユニット10は第14実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。図26に第1支持部210の一例が示される。
【0448】
第19実施形態のホルダユニット10では、第1凸部410の形状および第2凸部420の形状が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第19実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0449】
ホルダ100の前後方向に関する第1凸部410の位置は前後方向の基準位置に対して前方である。第1凸部410は第11実施形態の第1凸部410と同様の構成を含む。
【0450】
ホルダ100の前後方向に関する第2凸部420の位置は前後方向の基準位置に対して前方である。第2凸部420は第12実施形態の第2凸部420と同様の構成を含む。
【0451】
ホルダ100の前後方向に関する各凸部410、420の関係について例示する。ホルダ100の前後方向に関する第1凸部410の位置は第2凸部420の位置と同じ、第2凸部420に対して前方、または、第2凸部420に対して後方である。
【0452】
各凸部410、420と上下方向の基準位置との距離の関係について例示する。
【0453】
第1例では、第1凸部410と上下方向の基準位置との距離は第2凸部420と上下方向の基準位置との距離に等しい。
【0454】
第2例では、第1凸部410と上下方向の基準位置との距離は第2凸部420と上下方向の基準位置との距離よりも長い。
【0455】
第3例では、第1凸部410と上下方向の基準位置との距離は第2凸部420と上下方向の基準位置との距離よりも短い。
【0456】
(第20実施形態)
第20実施形態のホルダユニット10は第1~第4、第8~第13実施形態のいずれかのホルダユニット10を前提に構成される。
【0457】
第20実施形態のホルダユニット10では、第2支持部220の第3接触部200Cの構成が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第20実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0458】
第2支持面221の第1面構造に関して、第2支持面221は平面を含む。第2支持面221の第2面構造に関して、第2支持面221は凸構造400を含む。
【0459】
凸構造400は第2支持面221に設けられる。凸構造400は第3凸部430を含む。第3凸部430は例えば細長いリブである。
【0460】
第3凸部430は凸面401を含む。第2支持面221は基礎面221Aおよび凸面401を含む。第3凸部430は基礎面221Aに対して突出する。
【0461】
第3凸部430は前端部431および後端部432を含む。第3凸部430の前端部431はホルダ100の前面100Aに位置する。第3凸部430の後端部432はホルダ100の後面100Bに位置する。
【0462】
第3凸部430は第3接触部200Cを含む。ホルダ100の前後方向に関する第3接触部200Cの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。ホルダ100の上下方向に関する第1接触部200Aの位置は上下方向の基準位置に対して上方、下方、または、同じである。
【0463】
第3凸部430は頂部433を含む。第3凸部430の頂部433は第3接触部200Cを構成する。第3凸部430の頂部433の形状は例えば、球面、平面、または、エッジを含む山型である。
【0464】
第3凸部430の位置とピン支持部230との関係について例示する。
【0465】
第1例では、第3凸部430はピン支持部230に重なる。図27は第1例に対応する第2支持部220の一例を示す。
【0466】
第3凸部430がピン支持部230に重なる構成では、第3凸部430はホルダ100の前後方向に関してピン支持部230に対して前方に位置する部分と、ホルダ100の前後方向に関してピン支持部230に対して後方に位置する部分とに分かれる。
【0467】
第2例では、第3凸部430はホルダ100の上下方向に関して、ピン支持部230に対して上方に位置する。図28は第2例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0468】
第3例では、第3凸部430はホルダ100の上下方向に関して、ピン支持部230に対して下方に位置する。図29は第2例に対応する第1支持部210の一例を示す。
【0469】
第3凸部430の長手方向とホルダ100の前後方向との関係について例示する。
【0470】
第1例では、第3凸部430の長手方向はホルダ100の前後方向に対して平行である。図27図29は第1例に対応する第2支持部220の一例を示す。
【0471】
第2例では、第3凸部430の長手方向はホルダ100の前方に向けてホルダ100の上方に向かうようにホルダ100の前後方向に対して交差する。
【0472】
第3例では、第3凸部430の長手方向はホルダ100の前方に向けてホルダ100の下方に向かうようにホルダ100の前後方向に対して交差する。
【0473】
第3凸部430の高さは例えば、第2支持面221に直交する方向に関する第3凸部430の基部と頂部との距離に相当する。
【0474】
一例では、第3凸部430の高さは第3接触部200Cが第2ホイール側面C22に接触した状態において、第2ホイール側面C22に非接触部が形成されるように決められる。第3凸部430の長手方向における第3凸部430の高さについて例示する。
【0475】
第1例では、第3凸部430の長手方向において第3凸部430の高さは一定である。
【0476】
第2例では、第3凸部430の長手方向において第3凸部430の高さは異なる。第2例は例えば、例2A、例2B、例2C、および、例2Dを含む。
【0477】
例2Aでは、第3凸部430の高さは第3凸部430の前端部431から後端部432に向けて高くなる。
【0478】
例2Bでは、第3凸部430の高さは第3凸部430の前端部431から後端部432に向けて低くなる。
【0479】
例2Cでは、第3凸部430の高さは第3凸部430の前端部431および後端部432から前後方向の基準位置に向けて高くなる。
【0480】
例2Dでは、第3凸部430の高さは第3凸部430の前端部431および後端部432から前後方向の基準位置に向けて低くなる。
【0481】
傾斜支持構造SSは第1ホイール側面C21の後部が第1支持面211に接近し、第2ホイール側面C22の前部が第2支持面221に接近する方向に所定の回転軸まわりの回転力が働くように構成される。
【0482】
スクライビングホイールC10が被加工物に押し付けられた場合、第1ホイール側面C21が第1接触部200Aおよび第2接触部200Bに接触し、第2ホイール側面C22が第3接触部200Cに接触する。
【0483】
ホルダ100の前後方向に関する第1接触点PAの位置および第2接触点PBの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。ホルダ100の前後方向に関する第3接触点PCの位置は前後方向の基準位置に対して前方である。
【0484】
(第21実施形態)
第21実施形態のホルダユニット10は第20実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。
【0485】
第21実施形態のホルダユニット10では、第3凸部430の後端部432の位置が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第21実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0486】
第3凸部430の後端部432はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の後面100Bに対して前方に設けられる。第3凸部430の後端部432の位置について例示する。
【0487】
第1例では、第3凸部430の後端部432はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の後面100Bとピン支持部230との間に設けられる。
【0488】
第2例では、第3凸部430の後端部432はホルダ100の前後方向に関して、ピン支持部230に重なるように設けられる。
【0489】
第3例では、第3凸部430の後端部432はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の前面100Aとピン支持部230との間に設けられる。
【0490】
第21実施形態に例示された第3凸部430の構成は前提の実施形態に例示された全ての第3凸部430に適用できる。
【0491】
(第22実施形態)
第22実施形態のホルダユニット10は第20実施形態または第21実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。
【0492】
第22実施形態のホルダユニット10では、第3凸部430の前端部431の位置が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第22実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0493】
第3凸部430の前端部431はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の前面100Aに対して後方に設けられる。
【0494】
第3凸部430の前端部431はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の前面100Aとピン支持部230との間に設けられる。
【0495】
第22実施形態に例示された第3凸部430の構成は前提の実施形態に例示された全ての第3凸部430に適用できる。
【0496】
(第23実施形態)
第23実施形態のホルダユニット10は第20実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。図30に第2支持部220の一例が示される。
【0497】
第23実施形態のホルダユニット10では、第3凸部430の形状が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第23実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0498】
ホルダ100の前後方向に関する第3凸部430の位置は前後方向の基準位置に対して前方である。第3凸部430の形状は柱状である。第3凸部430は第3接触部200Cを含む。
【0499】
第3凸部430は頂部433を含む。第3凸部430の頂部433は第3接触部200Cを構成する。第3凸部430の頂部433の形状は例えば、球面、平面、または、エッジを含む山型である。
【0500】
(第24実施形態)
第24実施形態のホルダユニット10は第20実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。図31に第2支持部220の一例が示される。
【0501】
第24実施形態のホルダユニット10では、スクライビングホイールC10の中心軸まわりにおける各接触点の位置が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第24実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0502】
第24実施形態の第1支持部210の構成は前提の実施形態の第1支持部210の構成に対して、次の点において相違する。
【0503】
ホルダ100の前後方向に関する第1接触部200Aの位置および第2接触部200Bの位置は前後方向の基準位置に対して前方である。
【0504】
第24実施形態の第2支持部220の構成は前提の実施形態の第2支持部220の構成に対して、次の点において相違する。
【0505】
ホルダ100の前後方向に関する第3接触部200Cの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。
【0506】
傾斜支持構造SSは第1ホイール側面C21の前部が第1支持面211に接近し、第2ホイール側面C22の後部が第2支持面221に接近する方向に所定の回転軸まわりの回転力が働くように構成される。
【0507】
スクライビングホイールC10が被加工物に押し付けられた場合、第1ホイール側面C21が第1接触部200Aおよび第2接触部200Bに接触し、第2ホイール側面C22が第3接触部200Cに接触する。
【0508】
ホルダ100の前後方向に関する第1接触点PAの位置および第2接触点PBの位置は前後方向の基準位置に対して前方である。ホルダ100の前後方向に関する第3接触点PCの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。
【0509】
(第25実施形態)
第25実施形態のホルダユニット10は第24実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。
【0510】
第25実施形態のホルダユニット10では、第3凸部430の前端部431の位置が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第25実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0511】
第3凸部430の前端部431はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の前面100Aに対して後方に設けられる。第3凸部430の前端部431の位置について例示する。
【0512】
第1例では、第3凸部430の前端部431はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の前面100Aとピン支持部230との間に設けられる。
【0513】
第2例では、第3凸部430の前端部431はホルダ100の前後方向に関して、ピン支持部230に重なるように設けられる。
【0514】
第3例では、第3凸部430の前端部431はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の後面100Bとピン支持部230との間に設けられる。
【0515】
第25実施形態に例示された第3凸部430の構成は前提の実施形態に例示された全ての第3凸部430に適用できる。
【0516】
(第26実施形態)
第26実施形態のホルダユニット10は第24実施形態または第25実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。
【0517】
第26実施形態のホルダユニット10では、第3凸部430の後端部432の位置が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第26実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0518】
第3凸部430の後端部432はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の後面100Bに対して前方に設けられる。
【0519】
第3凸部430の後端部432はホルダ100の前後方向に関して、ホルダ100の後面100Bとピン支持部230との間に設けられる。
【0520】
第26実施形態の第3凸部430の構成は前提の実施形態に例示された全ての第3凸部430に適用できる。
【0521】
(第27実施形態)
第27実施形態のホルダユニット10は第24実施形態のホルダユニット10を前提に構成される。図32に第1支持部210の一例が示される。
【0522】
第27実施形態のホルダユニット10では、第3凸部430の形状が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第27実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0523】
ホルダ100の前後方向に関する第3凸部430の位置は前後方向の基準位置に対して後方である。第3凸部430は第23実施形態の第3凸部430と同様の構成を含む。
【0524】
(第28実施形態)
第28実施形態のホルダアセンブリA30は第1~第27実施形態の少なくとも1つを前提に構成される。図33図35にホルダアセンブリA30の一例が示される。
【0525】
ホルダジョイントB10とホルダ100との結合に関する形態の例として、第1結合形態および第2結合形態が挙げられる。第1結合形態では、ホルダ100はホルダジョイントB10と一体的に構成される。第2結合形態では、ホルダ100はホルダジョイントB10とは別に構成される。
【0526】
図33は第1結合形態の一例を示す。第1結合形態では、ホルダジョイントB10は基部B11を含む。基部B11はホルダジョイント保持具A12に取り付けられる。基部B11は軸受部B20および軸B12を含む。
【0527】
軸受部B20は軸B12を支持する。軸B12の中心軸はホルダジョイントB10の中心軸であるジョイント中心軸LJを規定する。
【0528】
ホルダ100の本体部110は軸B12に結合される。軸B12と本体部110との関係について例示する。
【0529】
第1例では、本体部110は軸B12と一体的に構成される。第2例では、本体部110は軸B12とは別に構成される。本体部110は着脱できるように、または、着脱できないように軸B12に結合される。
【0530】
軸受部B20の構成について例示する。第1例では、軸受部B20は1または複数のラジアルベアリングB30を含む。第2例では、軸受部B20は第1例の構成に加え、ケースB21、ストッパB40、および、スペーサの少なくとも1つをさらに含む。
【0531】
図示される例では、軸受部B20は2つのラジアルベアリングB30、ケースB21、および、ストッパB40を含む。
【0532】
ラジアルベアリングB30の内輪B31は軸B12に固定される。ケースB21はラジアルベアリングB30を収容する。ラジアルベアリングB30の外輪B32はケースB21に固定される。
【0533】
軸B12、内輪B31、および、ホルダ100は外輪B32およびケースB21に対してジョイント中心軸LJまわりで回転する。軸受部B20にスペーサが含まれる例では、一方のラジアルベアリングB30と他方のラジアルベアリングB30との間にスペーサが設けられる。スペーサは軸B12に固定される。
【0534】
ストッパB40は例えば、第1ストッパB41を含む。第1ストッパB41は軸B12の先端に設けられる。第1ストッパB41はラジアルベアリングB30の移動を規制する第1規制面B41Aを含む。
【0535】
第1ストッパB41の構成について例示する。第1ストッパB41は軸B12の雌ねじ部にかみ合うねじ付きファスナを含む。
【0536】
ねじ付きファスナは例えばねじまたはボルトを含む。ねじ付きファスナのヘッドは第1規制面B41Aを構成する。一方のラジアルベアリングB30の内輪B31の端面は第1規制面B41Aに接触する。
【0537】
ストッパB40は例えば、第2ストッパB42を含む。第2ストッパB42は軸B12の根元に設けられる。第2ストッパB42はラジアルベアリングB30の移動を規制する第2規制面B42Aを含む。
【0538】
第2ストッパB42の構成について例示する。第2ストッパB42は軸B12の周囲に設けられるフランジを含む。フランジの端面は第2規制面B42Aを構成する。他方のラジアルベアリングB30の内輪B31の端面は第2規制面B42Aに接触する。
【0539】
図34は第2結合形態の第1例を示す。第2結合形態の第1例では、ホルダジョイントB10は基部B11およびホルダ取付部B50を含む。ホルダ取付部B50はベースB60を含む。
【0540】
ベースB60は例えば、第1プレートB61を含む。第1プレートB61はジョイント中心軸LJに沿う方向に関するホルダ100の位置を決める。
【0541】
ベースB60は例えば、第2プレートB62を含む。第2プレートB62はジョイント中心軸LJに直交する方向に関するホルダ100の位置を決める。
【0542】
ベースB60は軸B12に結合される。軸B12とベースB60との関係について例示する。
【0543】
第1例では、ベースB60は軸B12と一体的に構成される。第2例では、軸B12はベースB60とは別に構成される。ベースB60は着脱できるように、または、着脱できないように軸B12に結合される。一例では、第1プレートB61が軸B12に結合される。
【0544】
図35は第2結合形態の第2例を示す。第2結合形態の第2例では、ホルダジョイントB10は基部B11およびホルダ取付部B50を含む。
【0545】
ホルダ取付部B50はソケットB70を含む。ソケットB70は例えば配置空間B71を含む。配置空間B71はホルダ100の本体部110を配置できるように形成される。
【0546】
ソケットB70は軸B12に結合される。軸B12とソケットB70との関係について例示する。
【0547】
第1例では、ソケットB70は軸B12と一体的に構成される。第2例では、ソケットB70は軸B12とは別に構成される。ソケットB70は着脱できるように、または、着脱できないように軸B12に結合される。
【0548】
第2結合形態のホルダ100およびホルダジョイントB10に含まれる軸受部B20は、例えば第1結合形態のホルダ100およびホルダジョイントB10に含まれる軸受部B20と同様に構成される。
【0549】
軸B12、内輪B31、ホルダ取付部B50、および、ホルダ100は外輪B32およびケースB21に対してジョイント中心軸LJまわりで回転する。
【0550】
一例では、ホルダアセンブリA30の側面視において、ホイール中心軸LW、および、スクライビングホイールC10と被加工面との接触点はホルダ中心軸LH上に位置する。
【0551】
ジョイント中心軸LJとホイール中心軸LWとの関係について例示する。第1例では、ジョイント中心軸LJとホイール中心軸LWとの間にトレールが設定される。第2例では、ジョイント中心軸LJとホイール中心軸LWとの間にトレールが設定されない。
【0552】
トレールはジョイント中心軸LJと被加工面との交点と、スクライビングホイールC10と被加工物との接触点との距離である。図33図35に示されるホルダアセンブリA30の側面視では、ジョイント中心軸LJとホルダ中心軸LHとは平行である。
【0553】
ジョイント中心軸LJとホルダ中心軸LHとの距離がトレールに相当する。トレールが設定される形態では、スクライビングホイールC10の走査方向において中心軸LWがジョイント中心軸LJよりも後方に位置する場合、スクライビングホイールC10の直進性が高くなる。
【0554】
ホルダアセンブリA30に第2結合形態のホルダ100およびホルダジョイントB10が含まれる場合、ホルダアセンブリA30は連結構造A31をさらに備える。
【0555】
連結構造A31はホルダジョイントB10とホルダ100とを連結する。連結構造A31は例えば、機械的な結合方法によりホルダジョイントB10とホルダ100とを連結する機械結合部A31A、および、磁気的な結合方法によりホルダジョイントB10とホルダ100とを連結する磁気結合部A31Bの少なくとも1つを含む。
【0556】
図33図34に示される例では、連結構造A31は機械結合部A31Aを含む。機械結合部A31Aの構成について例示する。
【0557】
第1例では、機械結合部A31Aはねじ付きファスナによりホルダ取付部B50とホルダ100の本体部110とを連結する。ねじ付きファスナはねじまたはボルトを含む。
【0558】
第2例では、機械結合部A31Aは嵌合部によりホルダ取付部B50とホルダ100の本体部110とを連結する。嵌合部はホルダ取付部B50およびホルダ100の本体部110の一方に設けられる第1嵌合部と、ホルダ取付部B50およびホルダ100の本体部110の他方に設けられる第2嵌合部とを含む。
【0559】
図示される例では、機械結合部A31Aはホルダ取付部B50に設けられる雌ねじ部、ホルダ100の本体部110に設けられる貫通孔、および、ねじ付きファスナを含む。
【0560】
ねじ付きファスナはホルダ100の本体部110の貫通孔に挿入され、ホルダ取付部B50の雌ねじ部にかみ合う。ねじ付きファスナによりホルダ100の本体部110がホルダ取付部B50に固定される。
【0561】
図35に示される例では、連結構造A31は磁気結合部A31Bを含む。磁気結合部A31Bの構成について例示する。
【0562】
第1例では、磁気結合部A31BはソケットB70に設けられる永久磁石、および、ホルダ100の本体部110に設けられる磁性体を含む。
【0563】
第2例では、磁気結合部A31BはソケットB70に設けられる磁性体、および、ホルダ100の本体部110に設けられる永久磁石を含む。
【0564】
第3例では、磁気結合部A31BはソケットB70に設けられる永久磁石、および、ホルダ100の本体部110に設けられる永久磁石を含む。永久磁石と磁性体との間に働く磁力、または、永久磁石と永久磁石との間に働く磁力によりホルダ100がソケットB70に保持される。
【0565】
連結構造A31に磁気結合部A31Bが含まれる場合、一例では、ホルダ取付部B50はホルダ規制部B80をさらに備える。ホルダ規制部B80はソケットB70に対するホルダ100の位置が安定するようにホルダ100に接触する。
【0566】
ホルダ規制部B80は例えばピンB81を含む。ピンB81は配置空間B71に設けられる。ピンB81はソケットB70に支持される。
【0567】
磁気結合部A31Bによりホルダ100がソケットB70に保持された状態では、ホルダ100の傾斜面130はピンB81に接触する。傾斜面130はホルダ100の側面視においてホルダ中心軸LHに対して傾斜する。
【0568】
ピンB81と傾斜面130との接触により、ホルダ中心軸LHに沿う方向に関するソケットB70に対するホルダ100の位置が決められる。ホルダアセンブリA30の側面視において、ジョイント中心軸LJと直交する方向の力がホルダ100に働く。この力により本体部110の外周面の一部がソケットB70の内周面に押し付けられる。
【0569】
(第29実施形態)
第29実施形態のホルダ100は第28実施形態における第2結合形態の第2例のホルダ100に対応する。図36図43にホルダ100の一例が示される。
【0570】
ホルダ100の形状は全体としてはおおよそ円柱である。ホルダ100の上下方向に関して、ホルダ100は例えば、上部111、中部112、および、下部113に区分される。
【0571】
ホルダ100の表面120は例えば、外周面121、頂部平面122、上部平面123、下部平面124、側部平面125、底部平面126、および、傾斜面130を含む。
【0572】
外周面121はホルダ100における円柱の側面に相当する。
【0573】
頂部平面122は本体部110の上部111の端面に相当する。頂部平面122は第1基準面に平行である。
【0574】
上部平面123は本体部110の上部111の正面に形成される。上部平面123は第2基準面に平行である。
【0575】
下部平面124は本体部110の下部113の正面および各支持部210、220の正面に形成される。下部平面124は第2基準面に平行である。
【0576】
側部平面125は本体部110の下部113の側面および各支持部210、220の側面に形成される。側部平面125は第3基準面に平行である。
【0577】
底部平面126は各支持部210、220の底面に相当する。底部平面126は第1基準面に平行である。
【0578】
傾斜面130は本体部110の中部112の正面に形成される。ホルダ100の上下方向に関して、傾斜面130は上部平面123に対して下方に形成される。傾斜面130は第2基準面に対して傾斜する。
【0579】
傾斜面130はホルダ中心軸LHに沿う方向に関する第1端部131および第2端部132を含む。
【0580】
第1端部131は第2端部132よりも支持部200から遠い。傾斜面130は第1端部131が第2端部132よりもホルダ中心軸LHに近くなるように傾斜する。
【0581】
ホルダ100の前後方向に関して、傾斜面130は上部平面123に対して前方に形成される。傾斜面130の第1端部131は上部平面123と傾斜面130との境界を形成する。
【0582】
ホルダ100は外周凹部140を含む。外周凹部140は例えば、正面凹部141および側面凹部142を含む。
【0583】
正面凹部141は本体部110の下部113の正面および各支持部210、220の正面に形成される。正面凹部141は本体部110の中部112に対してホルダ中心軸LHに向けて窪む。
【0584】
下部平面124は正面凹部141の底面に相当する。正面凹部141の底面である下部平面124は上部平面123に平行である。
【0585】
側面凹部142は本体部110の下部113の側面および各支持部210、220の側面に形成される。側面凹部142は本体部110の中部112に対してホルダ中心軸LHに向けて窪む。
【0586】
側部平面125は側面凹部142の底面に相当する。ホルダ100の上下方向に関して、ピン配置空間234は側面凹部142の下方に形成される。各支持部210、220の下部の構成について例示する。
【0587】
第1例では、各支持部210、220におけるピン配置空間234の下部には開口溝250が形成される。開口溝250は底部平面126に開口する。開口溝250はピン配置空間234に繋がる。
【0588】
第2例では、各支持部210、220におけるピン配置空間234の下部には開口溝250は形成されない。
【0589】
ホルダ100の正面視では、ホイール配置空間101は下部平面124に開口する。ホルダ100の背面視では、ホイール配置空間101は外周面121に開口する。ホルダ100の底面視では、ホイール配置空間101は底部平面126に開口する。
【0590】
支持部200の各支持面211、221は平行である。支持部200の各支持面211、221はホルダ100の前後方向に対して傾斜する。各支持面211、221は上部平面123および下部平面124に直交する第3基準面に対して傾斜する。各支持面211、221は側部平面125に対して傾斜する。
【0591】
図42はホルダ中心軸LHを含む第3基準面から見た第1支持部210を示す。
【0592】
第1支持面211の第1面構造に関して、第1支持面211は平面を含む。第1支持面211の第2面構造に関して、第1支持面211は凹構造300を含む。
【0593】
凹構造300は第1支持面211に設けられる。凹構造300は第1ホイール側面C21の接触部および非接触部に面する溝310(以下「第1の溝310」という)、および、第1ホイール側面C21に面しない溝310を含む(以下「第2の溝310」という)。
【0594】
各溝310はホルダ100の前後方向に沿う。各溝310は凹面301を含む。第1支持面211は基礎面211Aおよび凹面301を含む。
【0595】
第1支持面211は境界部320を含む。境界部320は基礎面211Aと凹面301との境界に相当する。境界部320は例えば、基礎面211Aと凹面301との間に形成されるエッジ、または、基礎面211Aと凹面301との間に形成される面取りを含む。
【0596】
第1の溝310に対応する境界部320は第1境界部321および第2境界部322を含む。第1境界部321はホルダ100の上下方向に関して、溝310の空間に対して上方に位置する。第2境界部322はホルダ100の上下方向に関して溝310の空間に対して下方に位置する。
【0597】
ホルダ100の上下方向に関する第1境界部321の位置は上下方向の基準位置に対して上方である。ホルダ100の上下方向に関する第2境界部322の位置は上下方向の基準位置に対して下方である。
【0598】
ホルダ100の上下方向に関する第1境界部321の位置はピン支持部230の位置に重なる。ホルダ100の上下方向に関する第2境界部322の位置はピン支持部230の位置に重なる。
【0599】
第1境界部321はホルダ100の前後方向に関してピン支持部230に対して前方に位置する部分と、ホルダ100の前後方向に関してピン支持部230に対して後方に位置する部分とに分かれる。
【0600】
第2境界部322はホルダ100の前後方向に関してピン支持部230に対して前方に位置する部分と、ホルダ100の前後方向に関してピン支持部230に対して後方に位置する部分とに分かれる。
【0601】
第1境界部321は第1接触部200Aを含む。ホルダ100の前後方向に関する第1接触部200Aの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。
【0602】
第2境界部322は第2接触部200Bを含む。ホルダ100の前後方向に関する第2接触部200Bの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。
【0603】
各溝310は前端部311および後端部312を含む。溝310の前端部311はホルダ100の前面100Aに開口する。溝310の後端部312はホルダ100の後面100Bに開口する。
【0604】
各溝310の中心線はホルダ100の前後方向に対して平行である。各境界部321、322はホルダ100の前後方向に対して平行である。
【0605】
図43はホルダ中心軸LHを含む第3基準面から見た第2支持部220を示す。
【0606】
第2支持面221の第1面構造に関して、第2支持面221は平面を含む。第2支持面221の第2面構造に関して、第2支持面221は凹構造300を含む。
【0607】
第2支持面221は第3接触部200Cを含む。第3接触部200Cは第2支持面221の一部である。ホルダ100の前後方向に関する第3接触部200Cの位置は前後方向の基準位置に対して前方である。
【0608】
凹構造300は第2支持面221に設けられる。凹構造300は第2ホイール側面C22に面しない溝310を含む。第2支持面221の溝310の構成は第1支持面211の第2の溝310の構成と同様である。
【0609】
傾斜支持構造SSは第1ホイール側面C21の後部が第1支持面211に接近し、第2ホイール側面C22の前部が第2支持面221に接近する方向に所定の回転軸まわりの回転力が働くように構成される。
【0610】
スクライビングホイールC10が被加工物に押し付けられた場合、第1ホイール側面C21が第1接触部200Aおよび第2接触部200Bに接触し、第2ホイール側面C22が第3接触部200Cに接触する。
【0611】
ホルダ100の前後方向に関する第1接触点PAの位置および第2接触点PBの位置は前後方向の基準位置に対して後方である。ホルダ100の前後方向に関する第3接触点PCの位置は前後方向の基準位置に対して前方である。
【0612】
(第30実施形態)
第30実施形態のホルダユニット10は第1~第29実施形態のいずれかのホルダユニット10を前提に構成される。図44に第2支持部220の一例が示される。
【0613】
第30実施形態のホルダユニット10では、スクライビングホイールC10の支持に関する支持部200の構成が前提の実施形態のホルダユニット10と相違する。第30実施形態のホルダユニット10におけるその他の点は前提の実施形態のホルダユニット10と同様である。
【0614】
支持部200の所定支持状態は3点支持状態に替えて4点支持状態を含む。ホルダ100は3点支持構造S3に替えて4点支持構造S4を含む。4点支持構造S4はスクライビングホイールC10を4点支持状態で支持できるように構成される。第1支持部210および第2支持部220は4点支持構造S4を構成する。
【0615】
4点支持状態では、第1ホイール側面C21が第1支持部210により2点で支持され、第2ホイール側面C22が第2支持部220により2点で支持される。
【0616】
4点支持状態では、スクライビングホイールC10と支持部200とにより4つの接触点が形成される。4つの接触点は第1接触点PA、第2接触点PB、第3接触点PC、および、第4接触点PDを含む。第1接触点PAおよび第2接触点PBは第1支持部210と第1ホイール側面C21との接触点である。第3接触点PCおよび第4接触点PDは第2支持部220と第2ホイール側面C22との接触点である。
【0617】
一例では、第1接触点PAおよび第2接触点PBは第1ホイール側面C21のうちの境界部C40を含む部分に形成される。第3接触点PCおよび第4接触点PDは第2ホイール側面C22のうちの境界部C40を含む部分に形成される。
【0618】
第2支持部220は第4接触部200Dをさらに含む。第4接触部200Dは第2支持面221に設けられる。
【0619】
第3接触部200Cおよび第4接触部200Dを含む第2支持部220の構成は第1~第29実施形態のいずれかにおける第1支持部210の構成に準じる。第2支持部220の第3接触部200Cは第1支持部210の第1接触部200Aに対応する。第2支持部220の第4接触部200Dは第1支持部210の第2接触部200Bに対応する。
【0620】
一例では、各支持部210、220はホルダ中心軸LHを含む第3基準面に対して面対称になるように構成される。
【0621】
(効果)
ホルダ100によれば、例えば以下のような効果が得られる。
【0622】
ホルダ100の一例では、ホルダ100は第1ホイール側面C21および第2ホイール側面C22を支持する支持部200を含む。支持部200は第1ホイール側面C21を2点で支持する第1支持部210、および、第2ホイール側面C22を1点で支持する第2支持部220を含む。
【0623】
スクライビングホイールC10が被加工物に接触する毎におけるスクライビングホイールC10の姿勢に関する相違の程度が小さくなる。
【0624】
ホルダ100の一例では、第1支持部210は第1ホイール側面C21に接触する第1接触部200Aおよび第2接触部200Bを含む。第2支持部220は第2ホイール側面C22に接触する第3接触部200Cを含む。ホルダ100の前後方向に関する第1接触部200Aの位置および第2接触部200Bの位置は第3接触部200Cの位置とは異なる。
【0625】
スクライビングホイールC10の姿勢の安定性が高くなる。
【0626】
ホルダ100の一例では、ホルダ100の前後方向に関する第1接触部200Aの位置と第2接触部200Bの位置とは同じである。
【0627】
スクライビングホイールC10の姿勢の安定性が高くなる。
【0628】
ホルダ100の一例では、ホルダ100の上下方向に関する第3接触部200Cの位置は第1接触部200Aの位置と第2接触部200Bの位置との間である。
【0629】
スクライビングホイールC10の姿勢の安定性が高くなる。
【0630】
ホルダ100の一例では、第1支持部210は第1ホイール側面C21に面する第1支持面211、および、第1支持面211に設けられる凹構造300を含む。凹構造300は第1接触部200Aおよび第2接触部200Bを含む。
【0631】
第1支持部210を容易に形成できる。
【0632】
ホルダ100の一例では、凹構造300は溝310を含む。溝310はホルダ100の前面100Aに開口する前端部311、および、ホルダ100の後面100Bに開口する後端部312を含む。
【0633】
第1支持部210を容易に形成できる。
【0634】
ホルダ100の一例では、第2支持部220は第2ホイール側面C22に面する第2支持面221を含む。第2支持面221は第3接触部200Cを含む。
【0635】
第2支持部220を容易に形成できる。
【0636】
ホルダ100の一例では、第1支持部210は第1ホイール側面C21のうちの前後方向の基準位置よりも後方に位置する部分を支持する。第2支持部220は第2ホイール側面C22のうちの前後方向の基準位置よりも前方に位置する部分を支持する。
【0637】
スクライビングホイールC10が被加工物に接触する毎におけるスクライビングホイールC10の姿勢に関する相違の程度が小さくなる。
【0638】
ホルダ100の一例では、支持部200はホイール中心面C11が基準中心面に対して傾斜した状態において第1ホイール側面C21および第2ホイール側面C22を支持するように構成される。
【0639】
被加工物に対する走行にともないスクライビングホイールC10に生じる反力により、第1ホイール側面C21を第1支持部210に押し付け、第2ホイール側面C22を第2支持部220に押し付けるようにスクライビングホイールC10に回転力が働く。スクライビングホイールC10の姿勢の安定性が高くなる。
【0640】
なお、本発明に関するホルダおよびホルダユニットが取り得る形態は上記各実施形態に記載の説明に制限されない。本発明に関するホルダおよびホルダユニットは各実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その例として、各実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、各実施形態に新たな構成を付加した形態が挙げられる。
【符号の説明】
【0641】
10 :ホルダユニット
100 :ホルダ
200 :支持部
200A:第1接触部
200B:第2接触部
200C:第3接触部
210 :第1支持部
211 :第1支持面
220 :第2支持部
221 :第2支持面
300 :凹構造
310 :溝
311 :前端部
312 :後端部
C10 :スクライビングホイール
C21 :第1ホイール側面
C22 :第2ホイール側面
D10 :ピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
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図31
図32
図33
図34
図35
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図39
図40
図41
図42
図43
図44