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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20240606BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20240606BHJP
【FI】
G06Q30/0201
G06Q50/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020058816
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2021157636
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-03-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)新規会員希望者様向け説明会,2019年4月3日および2019年4月10日 (2)既存会員説明会,2019年5月8および2019年5月9日 (3)インテルエネルギーフォーラム,2019年7月17日 (4)第7回ビッグデータ等の利活用推進に関する産官学協議のための連携会議,2019年7月31日 (5)スマートグリッドEXPO関西,2019年9月25日から2019年9月27日 (6)中電テクノフェア,2019年10月31日から2019年11月1日 (7)イノベーションカンファレンス2020,2020年1月24日 (8)GDBL来訪者向け説明,2019年4月2日から2020年3月26日 (9)日刊工業新聞,ウェブサイト記事,2019年9月5日,https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00529917?twinews=20190905 (10)グリッドデータバンク・ラボ有限責任事業組合,ウェブサイト掲載,2019年10月10日,https://www.gdb-lab.jp/wp-contentuploads/2019/10/%E8%B6%B3%E7%AB%8B%E5%8C%BA%E5%AE%9F%E8%A8%BC%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9v3.pdf
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(73)【特許権者】
【識別番号】523286071
【氏名又は名称】株式会社NTTデータ
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(73)【特許権者】
【識別番号】000156938
【氏名又は名称】関西電力株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】山口 哲生
(72)【発明者】
【氏名】栗山 融
(72)【発明者】
【氏名】安井 威人
(72)【発明者】
【氏名】西尾 麻莉
(72)【発明者】
【氏名】片岡 宏海
(72)【発明者】
【氏名】高倉 英亮
(72)【発明者】
【氏名】林 孝尚
(72)【発明者】
【氏名】角谷 太郎
(72)【発明者】
【氏名】大川 正人
(72)【発明者】
【氏名】中川 舞音
(72)【発明者】
【氏名】荒井 浩之
(72)【発明者】
【氏名】田端 志織
(72)【発明者】
【氏名】水沼 恵子
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-194929(JP,A)
【文献】特開2006-139480(JP,A)
【文献】特開2019-215623(JP,A)
【文献】特開2014-240754(JP,A)
【文献】特許第6365791(JP,B1)
【文献】特開2000-285156(JP,A)
【文献】特開2002-123787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力管理用の計器から電力情報を取得する電力情報取得部と、
前記電力情報取得部によって取得された電力情報と、前記計器の設置位置に関する計器位置情報とに基づいて、世帯に関する世帯関連情報を生成する評価部と、
前記評価部によって評価された前記世帯関連情報と地図情報とに基づいて、前記世帯関連情報を、地理的に区画されたエリアごとに地図上に反映させた態様で出力する出力制御部と
を備えており、
前記評価部は、
前記電力情報に基づき前記計器が設置される住宅における需要家の在宅有無を判定する在宅判定部と、
前記電力情報に基づき前記需要家の活動有無を判定する活動判定部と、
前記電力情報に基づき前記計器の種別を判定する計器種別判定部と、
前記計器種別判定部による判定結果に基づき前記需要家の世帯構成を推定する世帯構成推定部と、
前記在宅判定部による判定結果と、前記活動判定部による判定結果と、前記世帯構成推定部による推定結果と、前記計器位置情報とを集計する第1集計部と、
前記世帯構成推定部による推定結果と、前記計器位置情報とを集計する第2集計部と、
前記第1集計部による集計結果と前記第2集計部による集計結果とに基づいて前記世帯関連情報を生成する生成部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記世帯関連情報として、前記第1集計部による集計結果に基づいて在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データを生成し、前記第2集計部による集計結果とに基づいて世帯構成に関する統計データを生成することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力制御部は、前記世帯関連情報を、メッシュコードに基づいて地理的に区画されたエリアごとに地図上に反映させたメッシュコードに基づくエリア特性情報を生成する第1処理部を有することを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1処理部は、前記世帯関連情報がメッシュコードに基づいて地理的に区画されたエリアごとにヒートマップで表された、前記メッシュコードに基づくエリア特性情報を生成することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記評価部は、前記計器位置情報と対象店舗の商圏に関する商圏情報とを合成する計器・商圏情報合成部をさらに有し、
前記第1集計部は、前記在宅判定部による判定結果と、前記活動判定部による判定結果と、前記世帯構成推定部による推定結果と、前記計器・商圏情報合成部によって合成された情報とを集計し、
前記第2集計部は、前記世帯構成推定部による推定結果と、前記計器・商圏情報合成部によって合成された情報とを集計し、
前記生成部は、前記商圏情報を反映させた前記世帯関連情報を生成する
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力制御部は、前記世帯関連情報を、前記商圏情報に基づいて地理的に区画されたエリアごとに地図上に反映させた商圏情報に基づくエリア特性情報を生成する第2処理部を有することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第2処理部は、前記世帯関連情報が、前記対象店舗を中心として区画された複数の商圏ごとに異なる態様で表された前記商圏情報に基づくエリア特性情報を生成することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータを、
電力管理用の計器から電力情報を取得する電力情報取得部と、
前記電力情報取得部によって取得された電力情報と、前記計器の設置位置に関する計器位置情報とに基づいて、世帯に関する世帯関連情報を生成する評価部と、
前記評価部によって評価された前記世帯関連情報と地図情報とに基づいて、前記世帯関連情報を、地理的に区画されたエリアごとに地図上に反映させた態様で出力する出力制御部と、して機能させ
前記評価部は、
前記電力情報に基づき前記計器が設置される住宅における需要家の在宅有無を判定する在宅判定部と、
前記電力情報に基づき前記需要家の活動有無を判定する活動判定部と、
前記電力情報に基づき前記計器の種別を判定する計器種別判定部と、
前記計器種別判定部による判定結果に基づき前記需要家の世帯構成を推定する世帯構成推定部と、
前記在宅判定部による判定結果と、前記活動判定部による判定結果と、前記世帯構成推定部による推定結果と、前記計器位置情報とを集計する第1集計部と、
前記世帯構成推定部による推定結果と、前記計器位置情報とを集計する第2集計部と、
前記第1集計部による集計結果と前記第2集計部による集計結果とに基づいて前記世帯関連情報を生成する生成部と、
を有する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてエリアマーケティング活動において活用可能な情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小売業や飲食業においては新規店舗の出店や既存店舗の退店などの店舗開発を実行するために、出店或いは退店の対象となるエリアにおける商圏分析などのエリアマーケティング活動が一般的に行われる。このようなエリアマーケティング活動を支援するための情報を生成するために、対象となるエリアの住民属性(性別、年代、世帯構成、住所、生活スタイルなど)に関する情報を活用する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-180855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、住民属性に関する情報には一般に個人情報が多く含まれており、プライバシー保護の観点からこれらの情報を活用するに際しては法令等に基づく取り扱いが要求される。一方で個人情報に相当する住民属性に関する情報を活用できない場合には、ターゲット顧客の絞り込みを十分に行うことができず、有効性のあるエリアマーケティング活動を実行することができないという課題があった。
【0005】
本発明の目的は、上記課題に鑑みてなされたものであり、特定の個人情報を取得することなく、有効性のあるエリアマーケティング活動などを実現することができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る第1の態様は、情報処理装置であって、電力管理用の計器から電力情報を取得する電力情報取得部と、前記電力情報取得部によって取得された電力情報と、前記計器の設置位置に関する計器位置情報とに基づいて、世帯に関する世帯関連情報を生成する評価部と、前記評価部によって評価された前記世帯関連情報と地図情報とに基づいて、前記世帯関連情報を、地理的に区画されたエリアごとに地図上に反映させた態様で出力する出力制御部とを備える。
【0007】
また前記評価部は、前記電力情報に基づき前記計器が設置される住宅における需要家の在宅有無を判定する在宅判定部と、前記電力情報に基づき前記需要家の活動有無を判定する活動判定部と、前記電力情報に基づき前記計器の種別を判定する計器種別判定部と、前記計器種別判定部による判定結果に基づき前記需要家の世帯構成を推定する世帯構成推定部と、前記在宅判定部による判定結果と、前記活動判定部による判定結果と、前記世帯構成推定部による推定結果と、前記計器位置情報とを集計する第1集計部と、前記世帯構成推定部による推定結果と前記計器位置情報とを集計する第2集計部と、前記第1集計部による集計結果と前記第2集計部による集計結果とに基づいて前記世帯関連情報を生成する生成部とを有することが好ましい。
【0008】
また前記生成部は、前記世帯関連情報として、前記第1集計部による集計結果に基づいて在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データを生成し、前記第2集計部による集計結果とに基づいて世帯構成に関する統計データを生成することが好ましい。
【0009】
また前記出力制御部は、前記世帯関連情報を、メッシュコードに基づいて地理的に区画されたエリアごとに地図上に反映させたメッシュコードに基づくエリア特性情報を生成する第1処理部を有することが好ましい。
【0010】
また前記第1処理部は、前記世帯関連情報がメッシュコードに基づいて地理的に区画されたエリアごとにヒートマップで表された、前記メッシュコードに基づくエリア特性情報を生成することが好ましい。
【0011】
また前記評価部は、前記計器位置情報と対象店舗の商圏に関する商圏情報とを合成する計器・商圏情報合成部をさらに有し、前記第1集計部は、前記在宅判定部による判定結果と、前記活動判定部による判定結果と、前記世帯構成推定部による推定結果と、前記計器・商圏情報合成部によって合成された情報とを集計し、前記第2集計部は、前記世帯構成推定部による推定結果と、前記計器・商圏情報合成部によって合成された情報とを集計し、前記生成部は、前記商圏情報を反映させた前記世帯関連情報を生成することが好ましい。
【0012】
また前記出力制御部は、前記世帯関連情報を、前記商圏情報に基づいて地理的に区画されたエリアごとに地図上に反映させた商圏情報に基づくエリア特性情報を生成する第2処理部を有することが好ましい。
【0013】
また前記第2処理部は、前記世帯関連情報が、前記対象店舗を中心として区画された複数の商圏ごとに異なる態様で表された前記商圏情報に基づくエリア特性情報を生成することが好ましい。
【0014】
また本発明に係る第2の態様は、プログラムであって、コンピュータを、電力管理用の計器から電力情報を取得する電力情報取得部と、前記電力情報取得部によって取得された電力情報と、前記計器の設置位置に関する計器位置情報とに基づいて、世帯に関する世帯関連情報を生成する評価部と、前記評価部によって評価された前記世帯関連情報と地図情報とに基づいて、前記世帯関連情報を、地理的に区画されたエリアごとに地図上に反映させた態様で出力する出力制御部と、して機能させる.
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る態様によれば、特定の個人情報を取得することなく、主としてエリアマーケティング活動の精緻化・高度化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施の形態に係る情報処理装置が適用される情報生成システムの一例を示した図である。
図2】本実施の形態に係る情報処理装置の機能ブロック構成を表す図である。
図3A】スマートメータSMから取得される電力情報の一例を示した図である。
図3B】記憶装置から取得される計器位置情報の一例を示した図である。
図3C】記憶装置から取得される商圏情報の一例を示した図である。
図4】情報処理装置を構成する第1在宅・活動世帯数評価部の機能ブロック構成を表す図である。
図5A】第1在宅・活動世帯数評価部において得られる在宅・活動判定結果の一例を示した図である。
図5B】第1在宅・活動世帯数評価部において得られる世帯構成推定結果の一例を示した図である。
図5C】第1在宅・活動世帯数評価部において得られるメッシュコードに基づく在宅・活動世帯数に関する統計データの一例を示した図である。
図6】情報処理装置を構成する第1世帯構成評価部の機能ブロック構成を表す図である。
図7】第1世帯構成評価部において得られるメッシュコードに基づく世帯構成に関する統計データの一例を示した図である。
図8】情報処理装置を構成する第2在宅・活動世帯数評価部の機能ブロック構成を表す図である。
図9】第2在宅・活動世帯数評価部において得られる商圏情報に基づく在宅・活動世帯数に関する統計データの一例を示した図である。
図10】情報処理装置を構成する第2世帯構成評価部の機能ブロック構成を表す図である。
図11】第2世帯構成評価部において得られる商圏情報に基づく世帯構成に関する統計データの一例を示した図である。
図12】情報処理装置を構成する出力制御部の機能ブロック構成を表す図である。
図13】メッシュデータに基づくエリア特性情報の一例を示した図である。
図14図14に示したエリア特性情報の所定エリアにおける(a)世帯構成人数に関する情報と、(b)世帯構成に関する情報の一例を示した図である。
図15図14に示したエリア特性情報の所定エリアにおける時間帯別の在宅世帯数に関する情報の一例を示した図である。
図16】商圏情報に基づくエリア特性情報の一例を示した図である。
図17図16に示したエリア特性情報の所定エリアにおける(a)世帯構成人数に関する情報と、(b)世帯構成に関する情報の一例を示した図である。
図18図16に示したエリア特性情報の所定エリアにおける時間帯別の在宅世帯数に関する情報の一例を示した図である。
図19】本実施の形態に係る情報処理装置による、メッシュデータに基づくエリア特性情報を生成する手順を示したフローチャートである。
図20】本実施の形態に係る情報処理装置による、メッシュデータに基づくエリア特性情報を生成する手順を示したフローチャートである。
図21】本実施の形態に係る情報処理装置による、商圏情報に基づくエリア特性情報を生成する手順を示したフローチャートである。
図22】本実施の形態に係る情報処理装置による、商圏情報に基づくエリア特性情報を生成する手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は一つの例示であり、本発明の範囲において、種々の形態をとり得る。
【0018】
図1に、本実施の形態に係る情報処理装置が適用される情報処理システムの一例を示す。情報処理システム100は、情報処理装置1と、記憶装置2と、出力装置3と、計器4と、ネットワーク5とから構成されている。
【0019】
情報処理装置1は、例えば、サーバやパーソナルコンピュータ、タブレット端末等のプログラム処理装置(コンピュータ)である。情報処理装置1は、ネットワーク5を介して計器4から取得される電力情報と記憶装置2に記憶されている各種情報とに基づいて、主としてエリアマーケティング活動に活用できる情報を生成し、当該情報を出力装置に対して出力する。
【0020】
記憶装置2は、情報処理装置1によるデータ処理に必要なパラメータやプログラム等を格納する装置である。記憶装置2は、例えば、SSDやHDD等の情報処理装置1の外部記憶装置であってもよいし、情報処理装置1からの要求に応じて必要なデータをネットワーク5を介して情報処理装置1に供給するデータベースサーバであってもよい。
記憶装置2には、例えば、計器位置情報41と、商圏情報42と、地図情報43とを格納されている。
【0021】
出力装置3は、情報処理装置1で生成された情報を利用者に対して出力する。表示装置3としては、LCD(Liquid Crystal Display)および有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置や、音声等による出力デバイスを例示することができる。
【0022】
計器4は、住宅や事業所等の建物に設置され、その建物で消費された電力を計測する電力量計である。計器4としては、例えば、ネットワーク5に接続可能にされ、ネットワーク5を介して外部と双方向通信可能なスマートメータ(SM)が挙げられる。
計器4は、例えば、単位時間(例えば30分間)当たりの電力消費量(30分電力量)を計測し、情報処理装置1からの要求に応じて、電力消費量の計測結果をネットワーク5を介して送信する
【0023】
<情報処理装置の構成>
図2を用いて、本実施の形態に係る情報処理装置の機能ブロック構成を説明する。図2に示すように、情報処理装置1は、電力情報取得部10と、評価部11と、出力制御部16とを有している。また、評価部11は、第1在宅・活動世帯数評価部12と、第1世帯構成評価部13と、第2在宅・活動世帯数評価部14と、第2世帯構成評価部15とを有している。
【0024】
これらの各機能ブロックは、情報処理装置1を構成するハードウェア資源が、情報処理装置1にインストールされたプログラム(ソフトウエア)にしたがって動作することによって実現される。すなわち、情報処理装置(コンピュータ)1は、情報処理装置1にインストールされたプログラムによって、電力情報取得部10、評価部11(第1在宅・活動世帯数評価部12、第1世帯構成評価部13、第2在宅・活動世帯数評価部14、および第2世帯構成評価部15)、および出力制御部16として機能する。
【0025】
(電力情報取得部)
電力情報取得部10は、計器4から発信される電力情報40をネットワーク5を介して取得する。図3Aに示すように、電力情報40には、例えば、計器4に関する計器ID情報と、情報を取得日(例えば年月日)に関する情報と、時間帯別(例えば30分単位)の電力消費量に関する情報が含まれている。なお電力情報取得部10によって取得された電力情報40は、データクレンジング処理が施されることが好ましい。データクレンジング処理を行うことにより、取得された電力情報40の精度を高めることができる。
【0026】
(評価部)
評価部11は、電力情報40と計器4の位置に関する計器位置情報41とに基づいて、世帯に関する世帯関連情報を生成する。世帯関連情報とは、計器4が設置された住宅の需要家が構成する世帯に関する情報であり、後述する在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データと、世帯構成に関する統計データが挙げられる。なお、電力情報40と計器位置情報41とに基づいて、とは、少なくとも電力情報40と計器位置情報41とを含む情報に基づく意味であり、評価部11が世帯関連情報を生成するに際し、他の情報が含まれていてもよい。以下に、評価部11を構成する第1在宅・活動世帯数評価部12、第1世帯構成評価部13、第2在宅・活動世帯数評価部14、および第2世帯構成評価部15の構成について説明する。
【0027】
第1在宅・活動世帯数評価部12は、電力情報40と計器位置情報41とに基づいて、世帯関連情報として、在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データ56を生成する。図4に示すように、第1在宅・活動世帯数生成部12は、在宅判定部121と、活動判定部122と、計器種別判定部123と、世帯構成推定部124と、集計部125と、生成部126とを有している。
【0028】
在宅判定部121は、取得された電力情報40の発信元である計器4が設置される住宅の需要家が在宅であるか否か(在宅若しくは不在)を判定する。具体的には、直近の一定期間(例えば1ヶ月間)の電力の使用傾向から、不在時と在宅時の電力消費量の閾値を設定し、各時間帯毎(例えば30分毎)に在宅であるか否かを判定する。また、夜間の就寝時についてなど在宅していても電気の使用がない時間帯については補正処理を行い就寝時の在宅と判定する。このように判定された判定結果に関する情報51を活動判定部122に送信する。
【0029】
活動判定部122は、上記需要家の活動有無を判定し、判定結果に関する情報52を在宅・活動世帯数集計部125に送信する。ここで需要家の活動とは、需要家による在宅から不在へと変化する外出活動と、需要家による不在から在宅へと変化する帰宅活動とをいう。活動判定部122は、一定期間に需要家において外出活動若しくは帰宅活動があったか否かを判定する。
活動判定部122による判定結果に関する情報52(在宅判定結果に関する情報51を含む)は、例えば、図5Aに示すように、計器IDと、判定実施時間(年月日時分)と、在宅有無(在宅若しくは不在)の判定結果と、活動有無(活動若しくは活動なし)の判定結果とが30分単位で表される。
【0030】
計器種別判定部123は、計器4の種別を判定し、判定結果に関する情報53を世帯構成推定部124に送信する。具体的に、計器種別判定結果123は、計器4の一定期間における電力消費量に基づいて、当該計器の設置場所が、世帯(人が住んでいる住宅)、小規模事業所、空家、空室、不明のいずれかに該当するかを判定する。具体的には、1日毎の電力使用傾向(30分×48コマの電力使用波形)をパターン分類し(例えば、朝と夜の時間帯に電力消費が認められる場合には世帯と分類、例えば日中に電力消費が認められる場合には小規模事業所と分類、例えば一日を通して電力消費が認められない場合には空家・空室と分類)、直近の一定期間でどのパターンが頻出したかを元に判定する。
【0031】
世帯構成推定部124は、計器種別判定部123によって世帯(住宅)と判定されたスマートメータ(SM)の一定期間における電力消費量に基づいて、需要家の世帯人数と世帯構成を推定する。具体的には、1日毎の電力使用傾向(30分×48コマの電力使用波形)を、計器種別判定より更に細かくパターン分類し(例えば、朝と夜の時間帯には電力消費が認められるが日中には電力消費が認められない場合には単身又は共働きと分類)、早朝に使用しており就寝も早い→高齢者世帯、といった分類)、直近の一定期間でどのパターンが頻出したかと、同期間の合計電力消費量の大きさを元に推定する。このように推定された推定結果54に関する情報を在宅・活動世帯数集計部125に送信する。
世帯構成推定部124による推定結果に関する情報54(計器種別判定結果に関する情報53を含む)は、例えば、図5Bに示すように、計器IDと、分類及び推定実施日(年月日)と、計器種別の分類結果(世帯若しくは世帯以外)と、世帯構成の推定結果(世帯人数及び世帯構成)で表される。
【0032】
集計部125は、活動判定部122による判定結果に関する情報52(在宅判定結果に関する情報51を含む)と、世帯構成推定部124による推定結果に関する情報54(計器種別判定結果に関する情報53を含む)と、計器位置情報とに基づいて、在宅世帯数と活動世帯数とを集計し、集計結果に関する情報55を生成部126に送信する。ここで計器位置情報41には、図3Bに示すように、例えば、計器ID情報と、計器4の位置を表す経度情報と緯度情報とが含まれている。集計部125は、各計器の経度情報及び緯度情報をメッシュコードに変換し、変換されたメッシュコード単位で在宅世帯数と活動世帯数とを集計する。メッシュコードとは、地理的に区画された特定のエリアを指す数値情報である。なお集計部125は、本発明に係る第1集計部に相当する。
【0033】
生成部126は、集計部125による集計結果に関する情報55に基づき、世帯関連情報として、在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データ56を生成する。在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データ56は、メッシュコードに基づいて地理的に区画されたエリアごとに生成される。生成される統計データ56は、例えば図5Cに示すように、メッシュコードと、作成時期(年月日時分)と、在宅世帯数と、在宅率と、活動世帯数と、活動率とにより構成される。
【0034】
第1世帯構成評価部13は、電力情報40と計器位置情報41とに基づいて、世帯関連情報として、世帯構成に関する統計データ58を生成する。図6に示すように、第1在宅・活動構成評価部13は、計器種別判定部131と、世帯構成推定部132と、集計部133と、生成部134とを有している。
【0035】
計器種別判定部131は、計器4の種別を判定し、判定結果に関する情報53を世帯構成推定部132に送信する。
世帯構成推定部132は、計器種別判定部123によって世帯(住宅)と判定された計器4の一定期間における電力消費量に基づいて、需要家の世帯人数と世帯構成を推定し、推定結果54に関する情報を集計部133に送信する。
計器種別判定部131及び世帯構成推定部132の構成の詳細は第1在宅・活動世帯数評価部12の場合と同じであるため説明を省略する。
【0036】
集計部133は、世帯構成推定部132による推定結果に関する情報54(計器種別判定結果に関する情報53を含む)と、計器位置情報とに基づいて、世帯人数及び世帯構成別に計器数を集計し、集計結果に関する情報57を生成部134に送信する。集計部133は、各計器の経度情報及び緯度情報をメッシュコードに変換し、変換されたメッシュコード単位で世帯人数及び世帯構成別の計器数を集計する。なお集計部133は、本発明に係る第2集計部に相当する。
【0037】
生成部134は、集計部133による集計結果に関する情報57に基づき、世帯関連情報として、世帯構成に関する統計データ58を生成する。世帯構成に関する統計データ58は、メッシュコードに基づいて地理的に区画されたエリアごとに生成される。生成される統計データ58は、例えば図7に示すように、メッシュコードと、作成時期(年月日)と、世帯人数と、世帯構成と、世帯数とにより構成される。
【0038】
第2在宅・活動世帯数評価部14は、電力情報40と計器位置情報41と商圏情報42とに基づいて、世帯関連情報として、在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データ61を生成する。図8に示すように、第2在宅・活動世帯数生成部14は、在宅判定部141と、活動判定部142と、計器種別判定部143と、世帯構成推定部144と、計器・商圏情報処理部145と、集計部146と、生成部147とを有している。
【0039】
在宅判定部141は、取得された電力情報40の発信元である計器4が設置される住宅の需要家が在宅であるか否か(在宅若しくは不在)を判定し、判定結果に関する情報51を活動判定部142に送信する。
【0040】
活動判定部142は、上記需要家の活動有無を判定し、判定結果に関する情報52を集計部146送信する。活動判定部142の構成の詳細は、第1在宅・活動世帯数評価部12と同じであるため説明を省略する。
【0041】
計器種別判定部143は、計器4の種別を判定し、判定結果に関する情報53を世帯構成推定部144に送信する。
世帯構成推定部144は、計器種別判定部143によって世帯(住宅)と判定された計器4の一定期間における電力消費量に基づいて、需要家の世帯人数と世帯構成を推定し、推定結果54に関する情報を在宅・活動世帯数集計部146に送信する。
計器種別判定部143及び世帯構成推定部144の構成の詳細は第1在宅・活動世帯数評価部12と同じであるため説明を省略する。
【0042】
計器・商圏情報合成部145は、計器位置情報41と商圏情報42とを合成する(紐づける)処理を行い、合成された情報を集計部146に送信する。
商圏情報42とは、対象店舗Sにおいて当該店舗の利用が見込まれるユーザが居住する地理的な範囲を表す情報であり、図3Cに示すように、商圏名とポリゴン情報によって表される。ポリゴン情報は、地図上に表される商圏の領域(輪郭)に相当する情報である。ポリゴン情報による商圏の領域(輪郭)は、種々の条件に基づいて設定され、例えば、対象店舗Sを中心とした距離に基づき設定される領域(同心円状に表示)や、対象店舗Sから所定時間に徒歩で到達できる領域(道路距離に基づく表示)などが挙げられる。商圏の領域(輪郭)は、1つの表示中に複数設定されていてもよい。
また商圏情報42はコンビニエンスストア、スーパーマーケット、飲食店舗、衣料店舗など、業種ごとに設定されてもよい。
【0043】
集計部146は、活動判定部142による判定結果に関する情報52(在宅判定結果に関する情報51を含む)と、世帯構成推定部144による推定結果に関する情報54(計器種別判定結果に関する情報53を含む)と、計器・商圏情報処理部145による処理情報に基づいて、商圏に含まれる在宅世帯数と活動世帯数とを集計し、集計結果に関する情報60を生成部147に送信する。なお集計部146は、本発明に係る第1集計部に相当する。
【0044】
生成部147は、集計部146による集計結果に関する情報55に基づき、世帯関連情報として、在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データ61を生成する。在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データ61は、商圏情報42すなわち商圏の領域(輪郭)に基づいて地理的に区画されたエリアごとに生成される。生成される統計データ61は、例えば図9に示すように、商圏名と、作成時期(年月日時分)と、在宅世帯数と、在宅率と、活動世帯数と、活動率とにより構成される。
【0045】
第2世帯構成評価部15は、電力情報40と計器位置情報41と商圏情報42とに基づいて、世帯関連情報として、世帯構成に関する統計データ63を生成する。図10に示すように、第2世帯構成評価部15は、計器種別判定部151と、世帯構成推定部152と、計器・商圏情報処理部153と、集計部154と、生成部155とを有している。
【0046】
計器種別判定部151は、計器4の種別を判定し、判定結果に関する情報53を世帯構成推定部152に送信する。
世帯構成推定部152は、計器種別判定部151によって世帯(住宅)と判定された計器4の一定期間における電力消費量に基づいて、需要家の世帯人数と世帯構成を推定し、推定結果54に関する情報を集計部154に送信する。
計器・商圏情報合成部153は、計器位置情報41と商圏情報42とを合成する(紐づける)処理を行い、処理情報59を集計部154に送信する。
計器種別判定部151、世帯構成推定部152及び計器・商圏情報合成部153の構成の詳細は第2世帯構成評価部14と同じであるため説明を省略する。
【0047】
集計部154は、世帯構成推定部152による推定結果に関する情報54(計器種別判定結果に関する情報53を含む)と、計器・商圏情報処理部153による処理情報59とに基づいて、商圏に含まれる世帯人数及び世帯構成別に計器数を集計し、集計結果に関する情報62を生成部155に送信する。なお集計部154は、本発明に係る第2集計部に相当する。
【0048】
生成部155は、集計部154による集計結果に関する情報62に基づき、世帯関連情報として、世帯構成に関する統計データ63を生成する。世帯構成に関する統計データ63は、商圏情報42すなわち商圏の領域(輪郭)に基づいて地理的に区画されたエリアごとに生成される。生成される統計データ63は、例えば図11に示すように、商圏名と、作成時期(年月日)と、世帯人数と、世帯構成と、世帯数とにより構成される。
【0049】
なお本実施の形態では、メッシュコードに基づく世帯関連情報を生成する処理と商圏情報に基づく世帯関連情報を生成する処理とを区別するために、便宜上、在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データを生成する機能を第1在宅・活動世帯数評価部12と第2在宅・活動世帯数評価部14とに分けて説明し、世帯構成に関する統計データを生成する機能を第1世帯構成評価部13と第2世帯構成評価部15とに分けて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、1つの在宅・活動世帯数評価部と1つの世帯構成評価部とによって上記すべての統計データが生成される態様にも適用される。
【0050】
(出力制御部)
出力制御部16は、第1在宅・活動世帯数評価部12と、第1世帯構成評価部13と、第2在宅・活動世帯数評価部14と、第2世帯構成評価部15とによって得られる各統計データ56、58、61、63の出力形式を制御する。図12に示すように、出力制御部16は、第1処理部161と、第2処理部162と、切替部163と、出力部164とを有している。
【0051】
第1処理部161は、第1在宅・活動世帯数評価部12から生成される在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データ56(世帯関連情報)と、第1世帯構成評価部13から生成される世帯構成に関する統計データ58(世帯関連情報)と、地図情報43とに基づいて、メッシュコードに基づくエリア特性情報64を生成する。生成されるエリア特性情報64は、これら統計データ56,58を、メッシュコードに基づいて地理的に区画されたエリアごとに地図上に反映させた情報である。
【0052】
第2処理部162は、第2在宅・活動世帯数評価部14から生成される世帯構成統計データ61(世帯関連情報)と、第2世帯構成評価部15から生成される世帯構成統計データ63(世帯関連情報)と、地図情報43とに基づいて、商圏情報に基づくエリア特性情報65を生成する。生成されるエリア特性情報65は、これら統計データ61,63を、商圏情報42すなわち商圏の領域(輪郭)に基づいて地理的に区画されたエリアごとに地図上に反映させた情報である。
【0053】
切替部163は、第1表示処理部161によって生成されたエリア特性情報64と、第2表示処理部162によって生成されたエリア特性情報65とのいずれか一方の情報が出力部164によって出力されるように、出力対象を一方に切り替える。
【0054】
出力部164は、切替部163によって切り替えられた(選択された)情報を出力装置3へと情報を出力する。
【0055】
(エリア特性情報の例示)
図13~15を用いて、本実施の形態に係る情報処理装置1によって生成されるメッシュコードに基づいたエリア特性情報64について説明する。図13に示すように、エリア特性情報64は、例えば、地図30上に表示されたメッシュ31(地理的に区切られたエリア)ごとに表示させることができる。地図30上の各メッシュ31には、各エリアに対応する在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データ56と、及び世帯構成に関する統計データ58とが関連付けられており、特定の条件を指定すると当該条件に合致する統計データが表示される。
【0056】
図13に示すように、例えば、ある平日の午前9時における在宅且つ活動ありと判定される世帯を条件として指定した場合には、当該条件に合致する世帯の世帯数に関する情報(在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データ56)が複数のエリアごとにヒートマップと数値(各メッシュ31の左下に位置)で表されたエリア特性情報64として表示される。これにより、該当する世帯が地図上のどのエリアに多く分布しているかなどの情報を視覚的に把握することができる。なおヒートマップの表示態様は図13に示したものに限られない。例えば他のエリアと比較した相対的な差異(大小)として視覚的に把握できるように表示されてもよい。また例えば1つのエリアにおける他の時間帯と比較した相対的な差異(大小)として視覚的に把握できるように表示されもよい。また例えば所定の閾値が設定され、閾値を超えたエリアと超えていないエリアとが視覚的に把握できるように表示されてもよい。
【0057】
また例えば、図13に示すエリア特性表示における1つのエリア31Aの世帯に関する内訳を確認する場合には、当該部分を選択することにより世帯人数と世帯構成に関する情報を表示させることができる。図14に示すように、世帯人数(例えば、1人世帯、2人世帯、3人世帯、4人世帯、5人以上世帯)に関する情報と、世帯構成(例えば、三世代世帯、単身世帯、夫婦共働き世帯、専業主婦世帯、老夫婦世帯)に関する情報とを円グラフによって表示させることができる。
【0058】
また例えば、図13に示すエリア特性表示における1つのエリア31Bにおいて、在宅且つ活動ありの世帯の時間帯ごとの数(世帯数)を確認する場合には、当該部分を選択することにより時間帯別の世帯数に関する情報を表示させることができる。図15に示すように、例えば、世帯数に関する情報を00:00~24:00までを30分単位で集計した棒グラフによって表示させることができる。
【0059】
図16図18を用いて、本実施の形態に係る情報処理装置1によって生成される商圏情報に基づいたエリア特性情報65について説明する。図16に示すように、商圏情報に基づいたエリア特性情報65は、例えば対象店舗Sに関する商圏と関連付けられた地図30上に表示させることができる。図16に示す地図上に表された商圏は、対象店舗Sから所定の時間に徒歩で到達できる(例えば、徒歩5分以内、徒歩10分以内、徒歩15分以内)当該店舗からの距離(道路距離)に応じて3つに区画されており、区画された複数の商圏ごとに色分けされている。区画された各商圏には、それぞれの区画に対応する在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データ61と、及び世帯構成に関する統計データ63とが関連付けられており、特定の条件を指定すると当該条件に合致する統計データが表示される。
【0060】
図17に示すように、例えば、ある平日の午前9時において、図16に示す1つの商圏エリア32Aの世帯に関する内訳を確認する場合には、当該部分を選択することにより世帯人数と世帯構成に関する情報を表示させることができる。図17に示すように、世帯人数(例えば、1人世帯、2人世帯、3人世帯、4人世帯、5人以上世帯)に関する情報と、世帯構成(例えば、三世代世帯、単身世帯、夫婦共働き世帯、専業主婦世帯、老夫婦世帯)に関する情報とを円グラフによって表示させることができる。
【0061】
また例えば、図16に示す1つの商圏エリア32Bにおいて、在宅且つ活動ありの世帯の時間帯ごとの数(世帯数)を確認する場合には、当該部分を選択することにより時間帯別の世帯数に関する情報を表示させることができる。図18に示すように、例えば、世帯数に関する情報を00:00~24:00までを30分単位で集計した棒グラフによって表示させることができる。
【0062】
(情報処理装置の処理手順)
図19及び図20を用いて、本実施の形態に係る情報処理装置によるメッシュコードに基づいたエリア特性情報を出力するための処理手順について説明する。最初に、在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データを生成する処理について説明する。
【0063】
まず、電力情報取得部10により、計器4から電力データが取得される(ステップS101)。
次いで取得された電力データについてデータクレンジングの処理を実行する(ステップS102)。
次のステップにおいて、活動判定処理と世帯構成推定処理に分岐する。
【0064】
活動判定処理を行う場合には、在宅判定部121により、計器が設置される住居における需要家の在宅有無が判定される(ステップS103)。具体的には、取得された電力情報である30分単位の電力消費量(図3A参照)に基づいて需要家の在宅有無(在宅若しくは不在)が30分単位で判定される。
次のステップにおいて、活動判定部122により、当該需要家の活動有無が判定される(ステップS104)。具体的には、ステップS103で判定された需要家の在宅有無(在宅若しくは不在)に基づいて需要家の活動(不在から在宅への変化若しくは在宅から不在への変化)の有無が30分単位で判定される。
次のステップにおいて、活動判定の結果が出力される(ステップS105)。判定結果は、需要家の在宅有無と活動有無とが30分単位で表される(図5A参照)。
【0065】
一方、世帯構成推定処理を行う場合には、計器種別判定部123により、計器の種別が判定される(ステップS106)。具体的には、計器の設置場所が世帯、小規模事業所、空家、空室、不明のいずれであるかが判定される。次のステップS107において、計器種別が世帯であると判定される場合には、ステップS108へ進む。一方、計器種別が世帯以外(小規模事業所、空家、空室、不明のいずれか)であると判定される場合には処理を終了する。
ステップS108では、世帯構成推定部124により、需要家の世帯構成を推定する。具体的には、世帯人数と世帯構成とが推定される。
次のステップにおいて、世帯構成推定の結果が出力される(ステップS109)。推定結果では、計器種別と世帯人数と世帯構成とが1日単位で表される(図5B参照)。
【0066】
次のステップにおいて、集計部125により、ステップS105において得られた活動判定結果と、ステップS109において得られた世帯構成推定結果と、計器位置情報(計器が設置される場所の経度情報及び緯度情報)とが30分単位で集計される(ステップS110)。
次のステップにおいて、集計部125により、集計された計器位置情報がメッシュコードへと変換される(ステップS111)。
次のステップにおいて、生成部126により、メッシュコードに基づいた在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データが生成される(ステップS112)。生成される統計データでは、特定のメッシュコードにおける在宅世帯数と在宅率と活動世帯数と活動率とが30分単位で表される(図5C参照)。
【0067】
次にメッシュコードに基づいた世帯構成に関する統計データを生成する処理について説明する。
まず、電力情報取得部10により、計器4から電力データが取得される(ステップS115)。
次いで取得された電力データについてデータクレンジングの処理を実行する(ステップS116)。
【0068】
次のステップにおいて、計器種別判定部131により、計器の種別が判定される(ステップS117)。
次のステップS118において、計器種別が世帯であると判定される場合には、ステップS119へ進む。一方、計器種別が世帯以外(小規模事業所、空家、空室、不明のいずれか)であると判定される場合には処理を終了する。
ステップS119では、世帯構成推定部132により、世帯構成が推定される。
次のステップにおいて、世帯構成推定の結果が出力される(ステップS120)。推定結果では、計器種別と世帯人数と世帯構成とが1日単位で表される(図5B参照)。
【0069】
次のステップにおいて、集計部133により、ステップS119において得られた世帯構成推定結果と、計器位置情報とが月単位で集計される(ステップS121)。
次のステップにおいて、集計部133により、集計された計器位置情報がメッシュコードへと変換される(ステップS122)。
次のステップにおいて、生成部134により、メッシュコードに基づいた世帯構成に関する統計データが生成される(ステップS123)。生成される統計データでは、特定のメッシュコードにおける世帯人数と世帯構成と世帯数とが1日単位で表される(図7参照)。
【0070】
ステップS113では、表示制御部16を構成する第1処理部161により、ステップ112において生成された在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データとステップS123において生成された世帯構成に関する統計データと地図情報とに基づいて、メッシュコードに基づいたエリア特性情報を生成する。
次のステップS114において、表示制御部16を構成する出力部164により、加工処理にされたメッシュコードに基づいたエリア特性情報が出力装置3へと出力され、当該エリア特性情報が出力装置3に表示される(図13図15参照)。
【0071】
次に、図21及び図22を用いて、本実施の形態に係る情報処理装置による商圏情報に基づいたエリア特性情報を出力するための処理手順について説明する。最初に、在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データを生成する処理について説明する。
【0072】
まず、電力情報取得部10により、計器4から電力データが取得される(ステップS201)。
次いで取得された電力データについてデータクレンジングの処理を実行する(ステップS202)。
次のステップにおいて、活動判定処理と世帯構成推定処理に分岐する。
【0073】
活動判定処理を行う場合には、在宅判定部141により、計器が設置される住居における需要家の在宅有無が判定される(ステップS203)。具体的には、取得された電力情報である30分単位の電力消費量(図3A参照)に基づいて需要家の在宅有無(在宅若しくは不在)が30分単位で判定される。
次のステップにおいて、活動判定部142により、当該需要家の活動有無が判定される(ステップS204)。具体的には、ステップS203で判定された需要家の在宅有無(在宅若しくは不在)に基づいて需要家の活動(不在から在宅への変化若しくは在宅から不在への変化)の有無が30分単位で判定される。
次のステップにおいて、活動判定の結果が出力される(ステップS205)。判定結果は、需要家の在宅有無と活動有無とが30分単位で表される(図5A参照)。
【0074】
一方、世帯構成推定処理を行う場合には、計器種別判定部143により、計器の種別が判定される(ステップS206)。具体的には、計器の設置場所が世帯、小規模事業所、空家、空室、不明のいずれであるかが判定される。次のステップS207において、計器種別が世帯であると判定される場合には、ステップS208へ進む。一方、計器種別が世帯以外(小規模事業所、空家、空室、不明のいずれか)であると判定される場合には処理を終了する。
ステップS208では、世帯構成推定部144により、世帯構成を推定する。具体的には、世帯人数と世帯構成とが推定される。
次のステップにおいて、世帯構成推定の結果が出力される(ステップS209)。推定結果では、計器種別と世帯人数と世帯構成とが1日単位で表される(図5B参照)。
【0075】
一方、ステップS210において、計器・商圏情報合成部145により、記憶装置に記憶される計器位置情報と商圏情報とを合成する処理、すなわち計器位置情報に対して商圏情報を紐づける処理が行われる。
【0076】
ステップS211では、集計部146により、ステップS205において得られた活動判定結果と、ステップS209において得られた世帯構成推定結果と、ステップS210で合成された計器位置情報及び商圏情報とが30分単位で集計される。
次のステップにおいて、生成部147により、商圏情報に基づいた在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データが生成される(ステップS212)。生成される統計データでは、特定の商圏における在宅世帯数と在宅率と活動世帯数と活動率とが30分単位で表される(図9参照)。
【0077】
次に商圏情報に基づいた世帯構成に関する統計データを生成する処理について説明する。
まず、電力情報取得部10により、計器4から電力データが取得される(ステップS215)。
次いで取得された電力データについてデータクレンジングの処理を実行する(ステップS216)。
【0078】
次のステップにおいて、計器種別判定部151により、計器の種別が判定される(ステップS217)。
次のステップS218において、計器種別が世帯であると判定される場合には、ステップS219へ進む。一方、計器種別が世帯以外(小規模事業所、空家、空室、不明のいずれか)であると判定される場合には処理を終了する。
ステップS219では、世帯構成推定部152により、世帯構成が推定される。
次のステップにおいて、世帯構成推定の結果が出力される(ステップS220)。推定結果では、計器種別と世帯人数と世帯構成とが1日単位で表される(図5B参照)。
【0079】
一方、ステップS221において、計器・商圏情報合成部153により、記憶装置に記憶される計器位置情報と商圏情報とを合成する処理、すなわち計器位置情報に対して商圏情報を紐づける処理が行われる。
【0080】
次のステップにおいて、集計部154により、ステップS220において得られた世帯構成推定結果と、ステップS221で合成された計器位置情報及び商圏情報とが月単位で集計される(ステップS222)。
次のステップにおいて、生成部155により、メッシュコードに基づいた世帯構成に関する統計データが生成される(ステップS223)。生成される統計データでは、特定の商圏における世帯人数と世帯構成と世帯数とが1日単位で表される(図11参照)。
【0081】
ステップS213では、表示制御部16を構成する第2処理部162により、ステップ212において生成された在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データとステップS223において生成された世帯構成に関する統計データと地図情報とに基づいて、商圏情報に基づいたエリア特性情報を生成する。
次のステップS214において、表示制御部16を構成する出力部164により、加工処理にされた商圏情報に基づいたエリア特性情報が出力装置3へと出力され、当該エリア特性情報が出力装置3に表示される(図16図18参照)。
【0082】
本実施の形態に係る情報処理装置1によれば、スマートメータSMなどの計器4から取得される電力情報に基づいて、需要家の在宅有無や活動有無を判定するとともに、需要家の世帯構成に関する情報を推定しているので、特定の個人情報を取得しなくても、例えば、ターゲット顧客の絞り込み、出店エリアの絞り込み、時間帯ごとのマーケティングを行うことができ、主としてエリアマーケティング活動の精緻化・高度化に寄与する有効性の高い情報を得ることができる。
さらに本実施の形態に係る情報処理装置1によれば、世帯関連情報として、在宅世帯数及び活動世帯数に関する統計データと世帯構成する統計データを生成するので、需要家の活動状態をより詳細に確認することができる。さらに本実施の形態に係る情報処理装置1によれば、これら統計データが地図上に反映されたエリア特性情報を生成するので、情報の視認性が高められエリアマーケティング活動などへの活用の有効性をより高めることができる。
【0083】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では、情報処理装置1が一台のコンピュータによって実現される場合を例示したが、これに限られず、情報処理装置1は、互いにネットワークで通信可能に構成された複数台のコンピュータによって実現されていてもよい。例えば、情報処理装置1によって実現される機能部のうち、計器4から電力消費量の測定結果を取得する電力情報取得部10を電力供給業者側のサーバによって実現し、その他の機能部をコンピュータによって実現してもよい。
また上記実施の形態では、情報処理装置1が計器4に関する情報として電力情報40、及び計器位置情報41のみを取得する場合を例示したがこれに限られない。情報処理装置1は、例えば、電圧分類に関する情報(例えば、低圧、高圧、特別高圧)、電気方式分類に関する情報(例えば、単相2線式、単相3線式、三相3線式)、契約電力分類に関する情報(例えば、低圧電圧分類に相当する3kW未満、3~10kW未満、及び10~50kW未満、高圧・特別高圧電圧分類に相当する100kW未満、100~500kW未満、500kW以上)、及び建物分類に関する情報(同一地点の計器数が2以下である戸建て、及び同一地点の計器数が3以上の集合住宅)を取得し、これらの情報に基づき、世帯関連情報を生成してもよい。これにより、需要家の活動状態や世帯構成などを表す統計データやこれに基づくエリア特性情報の精度が高まり、マーケティング活動などへの活用の有効性をより高めることができる。
また上記実施の形態では、情報処理装置1により生成される情報が主としてマーケティング活動に活用する場合を例示したがこれに限られず、種々の用途に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…情報処理装置、2…記憶装置、3…出力装置、4…計器(スマートメータSM)、5…ネットワーク、10…電力情報取得部、11…評価部、12…第1在宅・活動世帯数評価部、121…在宅判定部、122…活動判定部、123…計器種別判定部、124 世帯構成推定部、125…集計部、126…生成部、13…第1世帯構成評価部、131…計器種別判定部、132…世帯構成推定部、133…集計部、134…生成部、14 第2在宅・活動世帯数評価部、141 在宅判定部、142 活動判定部、143 計器種別判定部、144…世帯構成推定部、145…計器・商圏情報合成部、146…集計部、147…生成部、15…第2世帯構成評価部、151…計器種別判定部、152…世帯構成推定部、153…計器・商圏情報合成部、154…集計部、155…生成部、16…出力制御部、161…第1処理部、162…第2処理部、163…切替部、164…出力部
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22