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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】X線検査方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/18 20180101AFI20240606BHJP
   G01N 23/04 20180101ALI20240606BHJP
【FI】
G01N23/18
G01N23/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020120390
(22)【出願日】2020-07-14
(65)【公開番号】P2021099302
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-07-03
(31)【優先権主張番号】P 2019230683
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】522193547
【氏名又は名称】株式会社エー・アンド・デイ
(74)【代理人】
【識別番号】100168088
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 悠
(72)【発明者】
【氏名】大和田 憲太郎
【審査官】比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-272357(JP,A)
【文献】特開2009-236637(JP,A)
【文献】特開2015-161522(JP,A)
【文献】特開2005-127962(JP,A)
【文献】特開2002-148212(JP,A)
【文献】特開2018-009839(JP,A)
【文献】特開平09-236556(JP,A)
【文献】国際公開第2016/063380(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N23/00-G01N23/2276
G01N21/84-G01N21/958
G01B15/00-G01B15/08
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容領域とシール領域を有する包装物にX線を照射することによって検査を行うX線検査方法において、
前記包装物と同じ構成のサンプルに対して、該サンプルの収容領域とシール領域の一方にX線の不透過加工を施し、該サンプルにX線を照射することによって得られたX線透過画像から、前記サンプルの収容領域またはシール領域を示すサンプル画像を取得する前処理ステップと、
前記包装物にX線を照射することによって前記包装物のX線透過画像を取得し、該包装物のX線透過画像に前記サンプル画像を適合させることによって前記包装物の収容領域またはシール領域を特定し、その特定した領域の良否判定を行う検査ステップと、
を有することを特徴とするX線検査方法。
【請求項2】
収容領域とシール領域を有する包装物にX線を照射することによって検査を行うX線検査方法において、
前記包装物と同じ構成のサンプルにX線を照射することによって得られたX線透過画像を画面に表示し、該画面上で前記サンプルの収容領域またはシール領域を特定することによってサンプル画像を取得する前処理ステップと、
前記包装物にX線を照射することによって前記包装物のX線透過画像を取得し、該包装物のX線透過画像に前記サンプル画像を適合させることによって前記包装物の収容領域またはシール領域を特定し、その特定した領域の良否判定を行う検査ステップと、
を有することを特徴とするX線検査方法。
【請求項3】
前記前処理ステップは、複数の前記サンプル画像を取得し、
前記検査ステップは、前記複数のサンプル画像のなかから前記包装物のX線透過画像との比較に適したサンプル画像を選択して適合させることを特徴とする請求項1または2のX線検査方法。
【請求項4】
前記前処理ステップは前記サンプルのX線透過画像から特徴点を抽出し、前記検査ステップは前記包装物のX線透過画像から前記サンプルの特徴点に対応する特徴点を抽出し、前記サンプルの特徴点と前記包装物の特徴点とを基準として、前記包装物のX線透過画像に前記サンプル画像を適合させることを特徴とする請求項1または2のX線検査方法。
【請求項5】
収容領域とシール領域を有する包装物にX線を照射するX線照射部と、前記包装物を透過したX線透過画像を取得するX線検出部と、を備えたX線検査装置において、
前記包装物と同じ構成のサンプルに対して前記X線照射部と前記X線検出部を用いて取得した前記サンプルのX線透過画像から、前記収容領域または前記シール領域のサンプル画像を取得するサンプル画像取得手段と、
前記サンプル画像を前記包装物のX線透過画像に適合させることによって、前記包装物の収容領域またはシール領域を特定し、その良否判定を行う特定領域判定手段と、
を備えたことを特徴とするX線検査装置。
【請求項6】
前記サンプル画像取得手段は、予め前記収容領域と前記シール領域の一方に施されたX線の不透過加工の部分を判別することによって前記サンプル画像を取得することを特徴とする請求項5に記載のX線検査装置。
【請求項7】
前記サンプル画像取得手段は、
前記サンプルのX線透過画像が表示されるタッチパネルと、
前記タッチパネルに表示された前記サンプルのX線透過画像との接触を検知することによって、前記サンプルの収容領域またはシール領域を特定する特定手段と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載のX線検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はX線検査方法および装置に係り、特に包装物を検査するX線検査方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
袋に商品が収容された包装物に異物が混入しているかを検査する装置として、X線検査装置が知られている。X線検査装置は、X線照射部から包装物に向けてX線を照射し、包装物を透過したX線をX線検出部で検出することによって、X線透過画像を取得し、その画像の濃淡レベルによって異物の有無を判定している。
【0003】
近年のX線検査装置には、シール部分の噛み込み不良の検査機能を備えているものがある。噛み込み不良は、包装体の開口部をシールした際に商品等を挟み込んだり、袋がよれて皺になることによって発生するものであり、包装物のX線透過画像からシール領域を特定し、そのシール領域の濃淡レベルによって良否判定が行われる。たとえば特許文献1のX線検査装置は、包装物のX線透過画像から外形領域を抽出し、その外形領域を基準として予め設定されたシール部の幅寸法だけ縮小することによってシール領域を特定し、そのシール領域の濃淡レベルによって噛み込み不良の判定を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許6556671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、実際の包装物は、商品を収容したことによって膨らんでおり、袋の外形に乱れが生じていることが多い。たとえば、包装物が膨らんだことによって外縁の一部がゆがんでいたり、袋が傾いたりしていることがあり、このような場合にはシール領域を正確に特定できないという問題を生じる。上述した特許文献1のX線検査装置は、外形領域に基づいてシール領域の幅寸法だけ縮小してシール領域を特定するので、外形領域と類似した単純形状のシール領域しか求めることができないという問題や、外形に乱れが生じた場合にシール領域を正確に特定できないという問題があった。
【0006】
このため、従来のX線検査装置は、シール領域を正確に特定することが困難であり、噛み込み不良(特にシール部領域の境界で発生する噛み込み不良)を正確に判断できないという問題があった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたものであり、外形に乱れがある場合やシール領域が複雑な形状の場合であっても対応することのできるX線検査方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は前記目的を達成するために、収容領域とシール領域を有する包装物にX線を照射することによって検査を行うX線検査方法において、前記包装物のサンプルに対して、該サンプルの収容領域とシール領域の一方にX線の不透過加工を施し、該サンプルにX線を照射することによって得られたX線透過画像から、前記サンプルの収容領域またはシール領域を示すサンプル画像を取得する前処理ステップと、前記包装物にX線を照射することによって前記包装物のX線透過画像を取得し、該包装物のX線透過画像に前記サンプル画像を適合させることによって前記包装物の収容領域またはシール領域を特定し、その特定した領域の良否判定を行う検査ステップと、を有することを特徴とするX線検査方法を提供する。
【0009】
本発明では、包装物のサンプルにX線の不透過加工を施すことによって、収容領域またはシール領域が明確なX線透過画像を取得する。そして、そのサンプル画像を、包装物のX線透過画像に適合させることによって、包装物の収容領域またはシール領域を特定する。このようにサンプル画像を取得し、包装物のX線透過画像に適合させることによって、画像同士の比較から領域の特定を行う。これにより、収容領域やシール領域が複雑な形状であっても確実に領域を特定することができる。また、包装物の外形に乱れがある場合であっても、領域の特定を確実に行うことができる。したがって、本発明によれば、収容領域やシール領域を正しく特定することができ、良否判定を正確に行うことができる。なお、包装物のX線透過画像とサンプル画像の適合は、パターンマッチング等の画像マッチング技術により実施される。
【0010】
請求項2の発明は前記目的を達成するために、収容領域とシール領域を有する包装物にX線を照射することによって検査を行うX線検査方法において、前記包装物のサンプルにX線を照射することによって得られたX線透過画像を画面に表示し、該画面上で前記サンプルの収容領域またはシール領域を特定することによってサンプル画像を取得する前処理ステップと、前記包装物にX線を照射することによって前記包装物のX線透過画像を取得し、該包装物のX線透過画像に前記サンプル画像を適合させることによって前記包装物の収容領域またはシール領域を特定し、その特定した領域の良否判定を行う検査ステップと、を有することを特徴とするX線検査方法を提供する。
【0011】
本発明では、画面上にサンプルのX線透過画像を表示し、その画面上で収容領域またはシール領域を特定する。したがって、収容領域またはシール領域が明確なサンプル画像を取得することができ、収容領域やシール領域が複雑な形状であっても確実に領域を特定することができる。また、包装物の外形に乱れがある場合であっても、領域の特定を確実に行うことができる。したがって、本発明によれば、収容領域やシール領域を正しく特定することができ、良否判定を正確に行うことができる。
【0012】
請求項3の発明は請求項1または2において、前記前処理ステップは、複数の前記サンプル画像を取得し、前記検査ステップは、前記複数のサンプル画像のなかから前記包装物のX線透過画像との比較に適したサンプル画像を選択して適合させることを特徴とする。本発明によれば、製品ごとに形状が少しずつ異なる場合であっても、複数のサンプル画像のなかから適切なサンプル画像を選択することによって、正確に領域を特定することができる。
【0013】
請求項4の発明は請求項1または2において、前記前処理ステップは前記サンプルのX線透過画像から特徴点を抽出し、前記検査ステップは前記包装物のX線透過画像から前記サンプルの特徴点に対応する特徴点を抽出し、前記サンプルの特徴点と前記包装物の特徴点とを基準として、前記包装物のX線透過画像に前記サンプル画像を適合させることを特徴とする。本発明によれば、2つの画像で特徴点を抽出し、その特徴点を基準として2つの画像をマッチングさせるので、2つの画像にずれがあった場合(たとえば、一方が変形・回転している場合や、画像の大きさが異なる場合等)であっても、マッチングさせることができる。
【0014】
請求項5の発明は前記目的を達成するために、収容領域とシール領域を有する包装物にX線を照射するX線照射部と、前記包装物を透過したX線透過画像を取得するX線検出部と、を備えたX線検査装置において、前記包装物のサンプルに対して前記X線照射部と前記X線検出部を用いて取得した前記サンプルのX線透過画像から、前記収容領域または前記シール領域のサンプル画像を取得するサンプル画像取得手段と、前記サンプル画像を前記包装物のX線透過画像に適合させることによって、前記包装物の収容領域またはシール領域を特定し、その良否判定を行う特定領域判定手段と、を備えたことを特徴とするX線検査装置を提供する。
【0015】
請求項6の発明は請求項5において、前記サンプル画像取得手段は、予め前記収容領域と前記シール領域の一方に施されたX 線の不透過加工の部分を判別することによって前記サンプル画像を取得することを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は請求項5において、前記サンプル画像取得手段は、前記サンプルのX線透過画像が表示されるタッチパネルと、前記タッチパネルに表示された前記サンプルのX線透過画像との接触を検知することによって、前記サンプルの収容領域またはシール領域を特定する特定手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、シール領域または収容領域のサンプル画像を取得し、そのサンプル画像を包装物のX線透過画像に適合させるようにしたので、包装物のシール領域または収容領域をより正しく特定することができ、その領域の良否判定を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態のX線検査装置の構成を示す模式図
図2】包装物とサンプルの構成を示す模式図
図3】第1の実施形態におけるX線検査のフローを示す図
図4】特徴点の一例を示す図
図5】適合処理を説明する図
図6】第1の実施形態における作用を説明する図
図7】第1の実施形態における作用を説明する図
図8】本発明の第2の実施形態のX線検査装置の構成を示す模式図
図9】第2の実施形態におけるサンプル画像設定画面の一例を示す図
図10】第2の実施形態におけるX線検査のフローを示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下添付図面に従って、本発明に係るX線検査装置の好ましい実施形態について説明する。図1は本発明のX線検査装置の構成を模式的に示している。同図に示すX線検査装置10は、包装物12をX線で検査する装置であり、包装物12の異物検査や噛み込み不良検査を実施する機能を備えている。
【0020】
図2(a)は包装物12の一例であり、商品12Yが外袋12Xに収容されている。外袋12Xは、外周部分が全周にわたってシールされることによってシール領域12Aが形成されており、その内側に商品12Yのための収容領域12Bが形成されている。シール領域12Aの一辺にはチャック12Cが設けられており、このチャック12Cを介して商品12Yを収容領域12Bに出し入れできるようになっている。また、チャック12Cの近傍には穴12Dが形成されており、商品棚のフック等を孔12Dに挿入することによって包装物12を吊り下げられるようになっている。さらに、チャック12Cの近傍には、切り込み12Eが形成されており、この切り込み12Eから外袋12Yを裂けるようになっている。なお、包装物12は上述した構成に限定されるものではなく、たとえばシール領域12Aが包装物12の一辺だけに設けられたものや、対向する2辺だけに設けられたものであってもよい。また、チャック12C、穴12D、切り込み12Eは必要に応じて適宜設けられるものであり、無くてもよい。
【0021】
図2(b)は、包装物12のサンプル14を示している。サンプル14は、包装物12と同じ構成になっており、外袋14Xの外周部分が全周にわたってシールされることによってシール領域14Aが形成され、その内側に収容領域14Bが形成される。また、シール領域14Aの一辺にはチャック14Cが形成され、その近傍に穴14Dと切り込み14Eが形成される。なお、サンプル14は、収容領域14Bに商品12Yが無くてもよく、代わりに異物のサンプルを設けてもよい。このサンプル14は後述するように、X線の不透過加工を施した後、X線検査装置10で検査される。
【0022】
X線検査装置10は図1に示すように、主として搬送部20、X線照射部22、X線検出部24、操作部26、表示部28、制御部30を備える。搬送部20は、包装物12やサンプル14(以下、搬送物12等という)を搬送するベルトコンベアであり、制御部30によって搬送速度等が制御される。
【0023】
搬送部20の上方にはX線照射部22が設けられ、このX線照射部22から下向きにX線が照射される。搬送部20のベルトの下方には、X線検出部24が設けられており、このX線検出部24によって包装物12等を透過したX線が検出される。
【0024】
X線検出部24は、制御部30に接続されており、X線検出部24からの検出信号が制御部30に入力される。制御部30は、検出信号に各種の信号処理を行うことによって異物検査や噛み込み検査の判断を行っており、画像生成部32、サンプル画像生成部34、適合処理部36、良否判定部38、メモリ40等を備える。
【0025】
X線検出部24の検出信号はまず画像生成部32に送られ、画像生成部32によってX線の透過画像が生成される。このX線透過画像の信号は、検査対象によって出力先が切り替えられ、検査対象が包装物12の場合には適合処理部36に出力され、検査対象がサンプル14の場合にはサンプル画像生成部34に出力される。
【0026】
サンプル画像生成部34は、サンプル14のX線透過画像に対して、濃淡濃度が基準値を超えているかを判別し、超えている部分をサンプル14のシール領域14Aとして抽出し、その抽出した画像を表示部28に表示する。作業者は、表示部28に表示されたシール領域14Aの画像を確認し、必要に応じて操作部26を操作して画像を修正した後、操作部26の確定ボタン(不図示)を操作することによってサンプル画像として確定する。サンプル画像として確定されることによって、そのシール領域14Aの画像データがメモリ40に記憶される。
【0027】
一方、適合処理部36は、包装物12のX線透過画像が入力されると、そのX線透過画像と、メモリ40に記憶されたサンプル画像との画像マッチング処理を行う。すなわち、X線透過画像のどこにサンプル画像(=シール領域14Bの画像)に類似する形状があるかを探して特定する。これにより、包装物12のX線透過画像のなかからシール領域12Aの画像が特定される。なお、画像マッチング処理の種類は特に限定するものでは無いが、後述するように特徴ベースマッチング(Feature-Based Matching)が好ましい。
【0028】
適合処理部36は、包装物12のX線透過画像からシール領域12Aを特定した後、それを抽出した画像データを良否判定部38に出力する。良否判定部38では、シール領域12Aの画像の濃淡濃度に基づいて判定を行い、濃淡濃度が基準値を超えていない場合には「OK(噛み込み不良無し)」と判定する。逆に、濃淡濃度が基準値を超えた場合には「NG(噛み込み不良有り)」と判定し、その超えた部分を強調したシール部12Aの画像を表示部28に表示する。このようにして噛み込み不良の検査が行われる。
【0029】
なお、噛み込み不良の検査のほか、収容領域12B内の異物検査も同時に行うことができる。具体的には、適合処理部36でシール領域12Aを特定した際に、その内部領域である収容領域12Bを特定する。そして、適合処理部36で収容領域12Bの画像を抽出して良否判定部38に出力し、良否判定部38において濃淡濃度が基準値を超えるかどうかを判定し、基準値を超えた場合には「NG(異物あり)」と判定し、その部分を強調した画像を表示部28に表示する。これにより、収容領域12Bの異物検査を行うことができる。
【0030】
図1の操作部26は、表示部28の周囲に設けられたボタンや、表示部28の画面上に表示されたボタンである。操作部26の詳細は省略するが、たとえばモード切替ボタン(不図示)が設けられる。モード切替ボタンは、検査対象が包装物12かサンプル14かによって切り替えるボタンであり、包装物12の場合には検査モードに設定し、サンプル14の場合にはサンプルモードに切り替える。サンプルモードでは、サンプル14のX線撮影を行った後に表示部28にシール領域14Aの抽出画像が表示され、その修正や確認を行うようになっている。一方、検査モードでは、包装物12のX線撮影を行った後に噛み込み不良の判定結果が表示部28に表示され、連続して検査を行えるようになっている。
【0031】
次に上記の如く構成されたX線検査装置10の処理フローについて図3に基づいて説明する。
【0032】
まず、サンプル14に不透過加工処理を施す(ステップS1)。不透過加工は、サンプル14のシール領域14Aの全体に対して、X線を透過しないように加工する。たとえば、シール領域14Aの表面全体にX線遮断テープを貼ったり、シール領域14Aの表面全体にX線不透過の塗料を塗ったりする。なお、本実施の形態では、サンプル14のシール領域14Aの全体に不透過加工を施すが、シール領域14Aの形状が分かるのであればよく、たとえばシール領域14Aの縁に沿って加工しても良い。
【0033】
次に、サンプル14をX線撮影する(ステップS2)。すなわち、操作部26によってサンプルモードを選択した後、サンプル14を搬送部20で搬送しながらX線照射部22からサンプル14にX線を照射し、X線検出部24でX線を検出することによって、サンプル14のX線透過画像を取得する。サンプル14のX線透過画像は、ステップS1で不透過加工処理をした部分(すなわちシール領域14Aの全体)がX線を透過しないので、その領域が他の部分と比べて明確になっている。
【0034】
次に、サンプル14のX線透過画像からシール領域14Aを特定し、それをサンプル画像として取得する(ステップS3)。その際、サンプル14のX線透過画像は、シール領域14Aが明確になっているので、簡単な画像処理、例えば2値化によって確実に特定することができる。特定したシール領域14Aの画像は表示部28に表示し、作業者が確認するとよい。さらに必要に応じて、作業者がシール領域14Aの画像を修正するとよい。取得したサンプル画像は、メモリ40に記憶する。以上のステップS1~S3が前処理ステップであり、包装物12の検査を連続的に実施する前に予め行われる。
【0035】
次に包装物12を連続的に検査する検査ステップを実施する。検査ステップではまず、包装物12のX線撮影を行う(ステップS4)。すなわち、操作部26によって検査モードを選択した後、包装物12を搬送部20で搬送しながらX線照射部22から包装物12にX線を照射し、X線検出部24でX線を検出することによって、包装物12のX線透過画像(以下、検査画像という)を取得する。
【0036】
次に、検査画像とサンプル画像を適合させることによって、検査画像のシール領域12Aを特定する(ステップS5)。すなわち、検査画像に対してサンプル画像(すなわちサンプル14のシール領域14Aの画像)を画像マッチング処理することによって、検査画像における包装物12のシール領域12Aを特定する。なお、適合処理の詳細については、後述する。
【0037】
次に特定されたシール領域12Aについて良否判定を行う(ステップS6)。すなわち、シール領域12A内における濃淡レベルによって判定を行い、濃淡レベルが所定値を超えた部分がある場合には、噛み込み不良有りと判定する。噛み込み不良有りと判定した場合には、その部分を強調した検査画像を表示部28に表示するとともに、「NG」と表示する。そして、必要に応じて後段の処理設備(不図示)で、包装物12を検査ラインから排出する。一方、濃淡レベルが所定値を超えた部分が無い場合には、噛み込み不良無しと判定し、次の処理に進む(ステップS7)。以上のステップS4~S6が検査ステップであり、操作部26で運転停止しないかぎり、連続して繰り返し行われる。
【0038】
次に上述した適合処理について特徴ベースマッチングの例で説明する。特徴ベースマッチングでは、複数の特徴点を特定する必要がある。図4は、サンプル14のX線透過画像から抽出したシール領域14Aの画像であり、特徴点16A~16Hの一例を示している。なお、画面上のシール領域14Aは本来、黒く(或いは濃淡を逆転して白く)表示されるが、説明のために斜線で示している。
【0039】
上述のサンプルモードで表示部28にシール領域14Aの画像が表示された際、作業者は、図4に示す如く、特徴点16A~16Hを選択する。特徴点16A~16Hは、シール領域14A(斜線で示す部分)のうち、形状に特徴がある部分で、且つ、X線不透過加工を施さなくても現れる点(すなわち、包装物12のX線透過画像からも読み取れる点)を選択する。たとえば、特徴点16A~16Dは外形の各コーナー部分であり、特徴点16E、16Fはチャック14Cの両端であり、特徴点16Gは、穴14Dの位置であり、特徴点16Hは切り込み14Eの位置である。特徴点16A~16Hの数や位置はこれに限定するものでは無いが、特徴点16A~16Hの数が多いほど画像マッチング処理が正確になることから、3以上が好ましく、4以上がより好ましい。また、特徴点16A~16Hは、その候補を画像解析によって自動的に選んで表示し、作業者が修正、確認、特定するようにしてもよい。さらに、X線不透過加工の無いサンプル14のX線透過画像と比較することによって、自動或いは手動で特徴点16A~16Hを選ぶようにしてもよい。
【0040】
図5は特徴ベースマッチングを説明する説明図であり、上段の図はサンプル14のシール領域14Aの画像(図4の画像)を示している。下段左側は検査モードで取得した包装物12のX線透過画像であり、下段右側は適合後の画像を示している。
【0041】
検査モードでは、図5の下段左側に示すように、包装物12のX線透過画像内において、特徴点18A~18Hを自動で探索する。特徴点18A~18Hは前述の特徴点16A~16Hに対応する点であり、自動的に探索が行われる。そして、この特徴点18A~18Hと、特徴点16A~16Hを対応づけていくことによって画像マッチング処理を行い、サンプル画像(=シール領域14Aの画像)を包装物12のX線透過画像に適合させる。これにより、下段右側に示すように、包装物12のシール領域12Aが特定される。
【0042】
上記の如く画像マッチング処理を行うことによって、包装物12のシール領域12A(および収容領域12B)が複雑な形状であっても、シール領域12Aを確実に特定することができる。たとえば図6(a)はシール領域12Aの内側の境界線が各コーナー部において円弧状になっている。このような形状のシール領域12Aは、従来の方法で特定すると、非常に複雑な演算が必要になり、形状によっては演算しても正確に特定できないという問題が発生する。しかし、本実施の形態では、画像同士を適合させるので、複雑な形状であっても簡単且つ正確に特定することができる。
【0043】
図6(b)は、商品12Yの形状に合わせてシール領域12A(および収容領域12B)が形成されている例を示している。この場合、シール領域12Aは、商品12Yの種類ごとに異なり、しかも複雑な形状をしている。従来の方法ではシール領域12Aが複雑な形状の場合には全く対応できないという問題があった。しかし、本実施の形態では、画像同士を適合させるので、複雑な形状であっても簡単且つ正確に特定することができる。
【0044】
また、上記の如く画像マッチング処理を行うことによって、包装物12が回転、傾斜している場合や、外形に乱れが生じている場合等であっても、収容領域12Aを特定することができる。たとえば、図7(a)は包装物12が二点鎖線で示す位置から回転した場合である。この場合、従来の装置では回転した角度を算出して元に戻してからでないと収容領域12Aを特定できないという問題があった。しかし、上述の画像マッチング処理によれば、包装物12の特徴点18A~18Hを抽出し、サンプル12の特徴点16A~16Hと比較して画像マッチングを行うことによって、シール領域12Aを簡単に特定することができる。
【0045】
図7(b)は、包装物12の側面図であり、包装物12が傾いた状況を示している。同図に示すように、包装物12の収容領域12Aが膨らんでいる場合、傾くことがある。その場合、外形の長さ寸法(或いは幅寸法)に誤差が生じるので、従来の方法でシール領域12Aを特定すると、シール領域12を正しく特定できないという問題が生じる。これに対して、本実施の形態では、包装物12の特徴点18A~18Hを抽出し、サンプル12の特徴点16A~16Hと比較して画像マッチングを行うことによって、包装物12に傾きが生じた場合であっても自動的に補正されるため、シール領域12Aを正しく特定することができる。
【0046】
図7(c)は、包装物12の袋に変形部12Fが生じている状況を示している。この変形部12Fは外袋12Xの縁が上側か下側に曲がって変形している。このような場合、従来の方法では、外形の乱れに伴ってシール領域12Aの算出結果に影響してしまうが、本実施の形態のように画像同士のマッチング処理を行うことによって、シール領域12Aを正しく特定することができる。
【0047】
次に適合処理の別の例として、重心を基準として適合する例で説明する。
【0048】
サンプルモードでは、サンプル14のシール領域14Aを二値化して特定した後、それに基づいてサンプル14の重心位置を算出して特定する。そして、シール領域14Aの画像とともに重心位置をメモリ40に記憶しておく。なお、シール領域14Aの画像が傾斜していた場合には、画像を回転させて修正しておくとよい。
【0049】
一方、検査モードでは、包装物12のX線透過画像を取得した後、そのX線透過画像から包装物12の重心位置を特定する。そして、包装物12の重心位置にサンプル14の重心位置を重ねるようにして、包装物12のX線透過画像にサンプル14のシール領域14Aの画像を重ねる。そして重心を基準として、一方もしくは両方の画像を回転させたり、拡縮させたりすることによってサンプル14のシール領域の画像を包装物12のX線透過画像に合わせる。これにより、包装物12のシール領域12Aが特定される。このような方法で画像同士をマッチングさせた場合にも、上述したのと同様に、シール領域12Aが複雑な形状であっても特定することができる。
【0050】
なお、上述した実施形態では、サンプル14を1つのみ用意し、シール領域14Aの画像を1つのみ取得したが、これに限定するものではなく、複数のサンプル14を用意し、複数のシール領域14Aの画像を取得するようにしてもよい。その場合、検査モードにおいて、複数のサンプル画像のなかから、包装物12のX線透過画像に最も類似するものを自動的に選択する。これにより、包装物12のシール領域12Aの特定をより正確に行うことができる。具体的に説明すると、包装物12は種類ごとに外袋12Xに曲げ癖、折り癖がついていることがあり、そのパターンによってシール領域12Aの形状が少し変化することがある。また、商品12Yの片寄りによってもシール領域12Aがいくつかのパターンで変形することがある。このような場合に、複数のパターンのシール領域14Aを用意しておくことによって、包装物12のシール領域12Aをより正確に特定することができる。
【0051】
また、上述した実施形態では、サンプル14のシール領域14Aに不透過加工を施したが、これに限定するものではなく、シール領域14Aの形状が分かるのであれば他の領域に不透過加工を施してもよい。たとえば、収容領域14Bの全体にX線遮断のテープを貼ったり、X線遮断の塗料を塗ったり、或いは、収容領域14Bの内部にX線不透過の液体を充填したりすることによって、収容領域14Bの形状を特定できるようにし、その特定した収容領域14Bと包装物12のX線透過画像から、シール領域12Aを特定するようにしてもよい。
【0052】
また、上述した実施形態において、不透過加工処理は、X線透過画像に明らかな特徴が現れるような加工を施してもよい。たとえば、X線遮断テープとして、縞模様、ドット模様、星模様、波模様のように特徴のある模様での遮断効果を有するテープを使用してもよい。その場合、サンプル14のX線不透過画像を取得した際に、X線透過画像上に模様が現れるので、シール領域14A(または収容領域14B)を簡単に特定することができる。したがって、シール領域14A以外にX線の不透過部分が存在する場合(たとえばサンプルの収容領域14Bに商品を収容している場合)であっても、X線透過画像上のシール領域14Aを簡単に識別することができ、シール領域14Aの自動特定も可能になる。
【0053】
さらに、不透過加工処理は、X線を完全に遮断するものに限定されるものではなく、周囲と比べてX線透過画像に明らかな差ができる程度に、X線の遮断効果を有するものであれば良い。たとえば、X線透過率が50%程度の遮断テープを使用し、目印となる位置にその遮断テープを重ねて貼り付けるようにしてもよい。
【0054】
次に第2の実施形態のX線検査装置11について説明する。なお、上述した第1の実施形態とほぼ同じ構成のものに関しては、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0055】
図8は第2の実施形態のX線検査装置11の構成を模式的に示している。同図に示すX線検査装置11は、第1の実施形態のX線検査装置10と比較して、表示部29と制御部31のサンプル画像生成部35が異なっている。表示部29はタッチパネルになっており、画面にX線透過画像を表示できるとともに、画面に指等が接触するとその箇所を検知できるようになっている。
【0056】
一方、制御部31のサンプル画像生成部35は、画像生成部32で生成したサンプル14のX線透過画像の信号が入力されると、表示部29に信号を出力してサンプル画像設定画面を表示させる。サンプル画像設定画面は、サンプル14のX線透過画像上でシール領域14A(または収容領域14B)を特定するための画面であり、たとえば図9に示すように、サンプル14のX線透過画像と複数の操作ボタン29a~29eが表示される。操作ボタン29a~29eとしては、シール領域14Aの特定を開始するための操作ボタン29aや、その特定を完了して確定するための操作ボタン29b、一旦特定した部分を修正(または消去)するための操作ボタン29cや、特定時に検知する部分の太さ(大きさ)を変更するための操作ボタン29d、さらにはX線透過画像の一部を拡大したり元に戻したりするための操作ボタン29e等であり、これらの操作ボタン29a~29eを操作したりサンプル14のX線透過画像に触れたりすることによってシール領域14Aの特定が行われる。
【0057】
図10は第2の実施形態のX線検査装置11の処理フローを示している。同図に示すように、まず、サンプル14をX線撮影する(ステップS11)。すなわち、操作部26によってサンプルモードを選択した後、サンプル14を搬送部20で搬送しながらX線照射部22からサンプル14にX線を照射し、X線検出部24でX線を検出することによって、サンプル14のX線透過画像を取得する。
【0058】
次に、サンプル画像設定画面を表示部29に表示し、シール領域14A(または収容領域14B)の特定処理を行う(ステップS12)。サンプル画像設定画面は、図9に示すように、サンプル14のX線透過画像が表示されているので、作業者は、開始用の操作ボタン29aを押した後、画面上のX線透過画像のうちシール領域14Aと思われる部分全てを指(またはペン等)でなぞっていく。画面に指が触れた部分は、X線透過画像と異なる色、たとえば赤色で表示されるようになっており、作業者は、シール領域14Aが全て赤色になるように特定していく。その際、作業者はシール領域14Aのおよその形状が分かっているので、シール領域14Aと収容領域14Bの濃淡の差が僅かな場合(すなわち境界線がやや不明確な場合)であっても、シール領域14Aを確実に特定することができる。また、画面上のシール領域14Aと思われる部分に触れるだけなので、シール領域14Aが複雑な形状であっても簡単に特定することができる。特定作業の際、赤色の部分がシール領域14Aをはみ出した場合は修正用のボタン29cを押してから、はみ出した部分に触れることでその部分の赤色を消すことができる。また、シール領域14Aの形状が複雑な場合には、太さ変更用の操作ボタン29dを押して赤色の太さを変更したり、サイズ変更用の操作ボタン29eを押してX線透過画像を拡大したりすることができる。
【0059】
作業者は、シール領域14Aの特定処理が終了したと判断した際、確定用の操作ボタン29bを押して、シール領域14Aを確定する(ステップS13)。これにより、シール領域14Aのデータがメモリ40に保存される。以上のステップS11~S13が前処理ステップであり、包装物12の検査を連続的に実施する前に予め行われる。なお、第2の実施形態では、サンプル14の代わりに包装物12の1つを用いてもよい。
【0060】
次に包装物12を連続的に検査する検査ステップを実施する。検査ステップは、第1の実施形態と同様なので詳細な説明は省略するが、包装物12のX線撮影を行い(ステップS14)、検査画像とサンプル画像を適合させることによって検査画像のシール領域12Aを特定し(ステップS15)、特定されたシール領域12Aについて良否判定を行って結果と検査画像を表示部29に表示する(ステップS16)。これにより、シール領域12A内における濃淡レベルによって噛み込み不良の有無を判定することができる。
【0061】
上述したように第2の実施形態のX線検査装置11によれば、作業者がサンプル14のX線透過画像を画面で確認しながら画面上でサンプル14のシール領域14Aを特定するので、複雑な形状であっても、簡単且つ確実にシール領域14Aを特定することができる。
【0062】
なお、上述した第2の実施形態では、サンプル14のX線透過画像を表示部29に表示し、シール領域14Aと思われる部分に触れて赤色で塗りつぶすことによってシール領域14Aを特定するようにしたが、これに限定するものではなく、様々な態様が可能である。たとえば、サンプル14のX線透過画像を表示部29に表示し、「シール領域14Aでは無い」と思われる部分に触れて白色で塗りつぶすことによって、残った部分をシール領域14Aとして特定してもよい。
【0063】
また、シール領域14Aの外形を示す線と、シール領域14Aの内側で収容領域14Bとの境界を示す線をペン等でなぞって、囲まれた領域をシール領域14Aとして特定してもよい。
【0064】
また、上述した第2の実施形態では、X線検査装置11の表示部29(すなわち検査ステップにおいて検査画像と判定結果を表示するための表示手段)にサンプル画像設定画面を表示し、その画面上でシール領域14A等を特定するようにしたが、これに限定するものではなく、別の表示手段を利用してもよい。たとえば、スマートフォン、タブレット、パソコン等の外部機器に無線または有線で通信することによって、その表示画面にサンプル画像設定画面を表示し、その画面上でシール領域14Aを特定し、特定した結果をX線検査装置11の制御部31に通信するようにしてもよい。その際、外部機器にインストールした画像処理ソフト等を利用することによって、シール領域14Aを自動で特定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0065】
10…(第1の実施形態の)X線検査装置、11…(第2の実施形態の)X線検査装置、12…包装物、14…サンプル、16A~16H…特徴点、18A~18H…特徴点、20…搬送部、22…X線照射部、24…X線検出部、26…操作部、28…(第1の実施形態の)表示部、29…(第2の実施形態の)表示部、30…(第1の実施形態の)制御部、31…(第2の実施形態の)制御部、32…画像生成部、34…(第1の実施形態の)サンプル画像生成部、35…(第2の実施形態の)サンプル画像生成部、36…適合処理部、38…良否判定部、40…メモリ


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10