(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】操作パネル
(51)【国際特許分類】
H05K 5/03 20060101AFI20240606BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
H05K5/03 A
B60R16/02 630Z
(21)【出願番号】P 2020143824
(22)【出願日】2020-08-27
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂田 真隆
(72)【発明者】
【氏名】吉井 祥平
(72)【発明者】
【氏名】石川 智章
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-083413(JP,A)
【文献】特開2014-125043(JP,A)
【文献】特開2017-211882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00-5/06
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の操作パネルであって、
少なくとも二つ以上の同形状の開口部が設けられるパネル本体部と、
前記同形状の開口部のいずれにも嵌合可能な形状の少なくとも一つのダミーカバーと、
前記ダミーカバーに取り付けられる電子部品であるマイクロホンと、
を備え、
前記ダミーカバーは、
前記マイクロホンが配置され、音を入力する音孔が設けられる第1部材と、
前記第1部材と対になって前記マイクロホンを挟み込む第2部材と、
を備える、操作パネル。
【請求項2】
前記開口部の少なくとも一つは、前記電子機器が有するコネクタを露出させるコネクタ用開口部であり、
前記電子部品が取り付けられる前記ダミーカバーは、前記コネクタ用開口部以外の前記開口部に嵌められている、請求項
1に記載の操作パネル。
【請求項3】
前記ダミーカバーとは異なる素材で構成され、前記コネクタ用開口部に嵌められるコネクタカバーを更に備える、請求項
2に記載の操作パネル。
【請求項4】
前記電子機器は、画像を表示する画面を有する電子機器であって、
前記画面を平面視した場合に、前記パネル本体部は、前記画面の外周部を囲む枠状の部分を有するとともに、前記画面を二等分する線に対して対称に配置される一対の前記開口部を少なくとも二つ有する、請求項1から
3のいずれか1項に記載の操作パネル。
【請求項5】
前記第2部材は、前記マイクロホンから引き出される引き出し線をガイドするガイド構造を有する、請求項1
から4のいずれか1項に記載の操作パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の操作パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作ボタン等の操作部が設けられる操作パネルを備える電子機器が知られる。例えば、操作パネルは、画像を表示する画面の外周を囲む矩形状の部分を有する。このような操作パネルを備える電子機器として、例えば、カーナビゲーション装置やディスプレイオーディオ等が挙げられる。操作パネルには、マイクロホンが配置されることがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ディスプレイオーディオ等の車両に搭載される電子機器については、左ハンドル車両用と、右ハンドル車両用との2つの製品が用意されることがある。例えば、操作パネルに配置されるマイクロホンは、運転者の近くとなるように、左ハンドル車両用の製品では左側に、右ハンドル車両用の製品では右側に配置される。操作パネルのマイクロホンが配置される位置には、音を入力するための孔が設けられる。このために、従来においては、左ハンドル車両用の製品と、左ハンドル車両用の製品とでは、異なる構成の操作パネルが必要であった。
【0005】
また、車両側にマイクロホンが配置されている場合には、電子機器側にマイクロホンを設定する必要がなく、マイクロホンが必要とされる場合と、必要とされない場合とで、操作パネルの構成を変更する必要があった。ここでは、マイクロホンを例に説明したが、マイクロホン以外の電子部品が操作パネルに配置される場合でも、電子部品の要・不要で、操作パネルの構成を変更する必要が生じることが懸念された。
【0006】
様々な要求に応じて複数種類の操作パネルを準備する場合、例えば、金型の設計費用や製造コストが増大する可能性がある。コストの増大を避けるために、操作パネルの種類を限定すると、搭載可能な車種が限定されたり、不要な孔(例えばマイクロホン用の音孔)が開いたままとなったりすることが懸念される。不要な孔は、例えば、操作パネルの見栄えの低下や、内部への水等の侵入による部品の破損の原因となることが懸念される。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑み、製造や開発に必要とされるコストの増加を抑制しつつ、様々な要求に柔軟に対応することができる電子機器の操作パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の電子機器の操作パネルは、少なくとも二つ以上の同形状の開口部が設けられるパネル本体部と、前記同形状の開口部のいずれにも嵌合可能な形状の少なくとも一つのダミーカバーと、前記ダミーカバーに取り付けられる電子部品と、を備える構成(第1の構成)になっている。
【0009】
上記第1の構成の操作パネルにおいて、前記開口部の少なくとも一つは、前記電子機器が有するコネクタを露出させるコネクタ用開口部であり、前記電子部品が取り付けられる前記ダミーカバーは、前記コネクタ用開口部以外の前記開口部に嵌められている構成(第2の構成)であってよい。
【0010】
上記第2の構成の操作パネルは、前記ダミーカバーとは異なる素材で構成され、前記コネクタ用開口部に嵌められるコネクタカバーを更に備える構成(第3の構成)であることが好ましい。
【0011】
上記第1から第3のいずれかの構成の操作パネルにおいて、前記電子機器は、画像を表示する画面を有する電子機器であって、前記画面を平面視した場合に、前記パネル本体部は、前記画面の外周部を囲む枠状の部分を有するとともに、前記画面を二等分する線に対して対称に配置される一対の前記開口部を少なくとも一つ有する構成(第4の構成)であってよい。
【0012】
上記第1から第4のいずれかの構成の操作パネルにおいて、前記電子部品はマイクロホンである構成(第5の構成)が好ましい。
【0013】
上記第5の構成の操作パネルにおいて、前記ダミーカバーは、前記マイクロホンが配置され、音を入力する音孔が設けられる第1部材と、前記第1部材と対になって前記マイクロホンを挟み込む第2部材と、を備える構成(第6の構成)であってよい。
【0014】
上記第5の構成の操作パネルにおいて、前記第2部材は、前記マイクロホンから引き出される引き出し線をガイドするガイド構造を有する構成(第7の構成)であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電子機器の操作パネルは、製造や開発に必要とされるコストの増加を抑制しつつ、様々な要求に柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】操作パネルが適用される電子機器の構成を示す概略平面図
【
図2】
図1におけるカバーがパネル本体部から取り外された図
【
図5】ダミーカバーのパネル本体部への取り付け手順例を説明するための概略図
【
図6】パネル本体部に装着されたダミーカバーにおける、マイクロホンの引き出し線の処理例について説明するための概略図
【
図7】ダミーカバーから引き出されたマイクロホンの引き出し線の処理例について説明するための概略図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面においては、適宜、3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、矢印の先端となる側はプラス側である。例えば、
図1において、左から右に向かう方向が+X方向であり、下から上に向かう方向が+Z方向である。なお、
図1において、+Y方向は、紙面手前から紙面奥側に向かう方向である。また、
図3において、+Y方向は、紙面奥側から紙面手前側に向かう方向である。ただし、これらの方向は単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係及び方向を限定する意図はない。
【0018】
<1.電子機器>
図1は、本発明の実施形態に係る操作パネル1が適用される電子機器100の構成を示す概略平面図である。本実施形態の電子機器100は、車両に搭載される。すなわち、電子機器100は車載電子機器である。電子機器100は、例えば、車両のダッシュボードの適所に取り付けられる。電子機器100は、例えば、車両の運転席と助手席との左右方向間に配置される。
【0019】
なお、本発明の操作パネルが適用される電子機器は、車両以外の移動体に搭載されてもよい。また、本発明の操作パネルが適用される電子機器は、例えば家庭用又は事務用の電子機器であってもよい。
【0020】
図1に示すように、電子機器100は、画像を表示する画面101を有する電子機器である。画面101は、例えば、液晶パネルや有機ELパネル等で構成される。本実施形態では、画面101は、平面視(詳細には、-Y側から+Y側に向かって平面視)において矩形状である。ただし、画面101は矩形状以外であってもよく、例えば円形状や楕円状等であってもよい。電子機器100は、例えば、ディスプレイオーディオやナビゲーション装置であってよい。
【0021】
電子機器100の操作パネル1は、電子機器100に対して外部から働きかけることを可能とする要素が配置される部分である。このような要素には、例えば、操作ボタン、操作つまみ、操作レバー、スイッチ、音声認識用のマイクロホン、光センサ、外部機器との有線接続を可能とする接続部等が含まれてよい。接続部には、例えばUSBコネクタやAUXジャック等が含まれてよい。
【0022】
<2.操作パネル>
以下、操作パネル1について、詳細に説明する。
【0023】
(2-1.全体構成)
図1に示すように、本実施形態の電子機器100の操作パネル1は、パネル本体部11と、操作ボタン12と、カバー13とを備える。
図2は、
図1におけるカバー13がパネル本体部11から取り外された図である。
【0024】
図1および
図2に示すように、画面101を平面視した場合に(詳細には、-Y側から+Y側に向かって平面視した場合に)、パネル本体部11は、画面101の外周部を囲む枠状の部分を有する。枠状の部分は、-Y側から+Y側に向かう平面視において、画面101を構成する表示パネルの一部を覆う構成であってよい。詳細には、枠状の部分は、矩形の枠状である。パネル本体部11は、例えば樹脂製、又は、金属製である。
【0025】
矩形の枠状の部分のうち、Z方向に延びる2つの矩形状領域11aには、それぞれ、操作ボタン12が配置されている。詳細には、Z方向に延びる2つの矩形状領域11aのそれぞれには、操作ボタン12が2つずつ配置されている。-Y側から+Y側に向かって平面視した場合に、2つの矩形領域11aのそれぞれに配置される操作ボタン12は、画面101のX方向を二等分する線Lに対して線対称に配置されることが好ましい。操作ボタン12には、例えば、音量を調整するためのボタンや、ホーム画面に戻るためのホームボタン等が含まれる。なお、操作ボタン12の一部、或いは、全部は設けられなくてもよい。
【0026】
図2に示すように、パネル本体部11には、少なくとも二つ以上の同形状の開口部111が設けられる。同形状の開口部111は、形状のみならず、サイズも同じである。本実施形態では、同形状の開口部111の数は2つである。同形状の2つの開口部111は、-Y側から+Y側に向かう平面視において矩形状である。同形状の開口部111の数、および、形状は、本実施形態の構成から変更されてもよい。
【0027】
なお、詳細には、操作ボタン12用の開口部も、パネル本体部11には設けられている。操作ボタン用の開口部も、上述の同形状の開口部111に含まれてもよい。
【0028】
本実施形態では、同形状の開口部111の少なくとも一つは、電子機器100が有するコネクタ14を露出させるコネクタ用開口部1111である。詳細には、2つの同形状の開口部111のうちの一方は、コネクタ用開口部1111である。本実施形態では、コネクタ用開口部1111により露出されるコネクタ14は、USBコネクタである。より詳細には、コネクタ14は、タイプAのUSBコネクタである。なお、コネクタ14は、USBコネクタでなくてもよく、また、コネクタ14がUSBコネクタである場合であっても、当該コネクタは、タイプA以外のUSBコネクタであってよい。
【0029】
本実施形態では、2つの同形状の開口部111のうち、コネクタ用開口部1111でない方の開口部1112は、電子機器100の内部に存在する何らかの要素を外部に露出させる目的で設けられた開口部ではない。コネクタ用開口部1111でない方の開口部1112は、例えば、車両のハンドルが左右のいずれに設けられるかによって電子機器100のコネクタ14を設ける左右の位置が替っても対応可能とすべく設けられた予備的な開口部である。以下、コネクタ用開口部1111でない方の開口部1112を、予備開口部1112という。
【0030】
予備開口部1112は、内部を露出させるという意味においては必要ではない。このために、本実施形態では、予備開口部1112をあたかも存在しないように見せるダミーカバー132が使用される。ダミーカバー132は、その目的から、同形状の開口部111のいずれにも嵌合可能である。また、予備開口部1112が複数存在する場合、複数の予備開口部1112のそれぞれに、ダミーカバー132は使用される。すなわち、操作パネル1は、同形状の開口部111のいずれにも嵌合可能な形状の少なくとも一つダミーカバー132を備える。
【0031】
本実施形態では、ダミーカバー132の数は1つである。ダミーカバー132は、パネル本体部11と同じ素材で構成されても、異なる素材で構成されてもよい。ダミーカバー132は、樹脂で構成されることが好ましい。ダミーカバー132は、例えば、PC/ABSアロイ等で構成される。
【0032】
本実施形態では、操作パネル1は、コネクタ用開口部1111に嵌められるコネクタカバー131を備える。これにより、電子機器100のコネクタ14が使用されない場合に、コネクタ14を保護することができる。また、好ましい形態として、コネクタカバー131は、ダミーカバー132と異なる素材で構成される。コネクタカバー131とダミーカバー132とは、設けられる目的が異なる。このために、両者の素材を互いに異なる素材とすることにより、コネクタカバー131とダミーカバー132とのそれぞれについて、適切な機能を発揮させることができる。
【0033】
なお、本実施形態では、コネクタカバー131は、パネル本体部11への着脱が容易となるように可撓性を有する部材で構成される。コネクタカバー131は、例えばゴム製の部材で構成される。一方、ダミーカバー132は、基本的に車両の乗員が着脱することを想定していないので、コネクタカバー131に比べて硬い素材で構成されることが好ましい。なお、場合によっては、コネクタカバー131とダミーカバー132とは、同じ素材で構成されてもよい。
【0034】
ダミーカバー132には、電子部品20(後述の
図3参照)が取り付けられる。すなわち、操作パネル1は、ダミーカバー132に取り付けられる電子部品20を備える。このように構成することにより、複数存在する同形状の開口部111のいずれかに、電子部品20を搭載するダミーカバー132を配置することが可能になる。このために、パネル本体部11の構成を変更することなく、電子部品20の取り付け位置を変更しやすくすることができる。すなわち、製造や開発に必要とされるコストの増加を抑制しつつ、様々な要求に柔軟に対応することができる電子機器100の操作パネル1を提供することが可能になる。
【0035】
電子部品20が取り付けられるダミーカバー132は、コネクタ用開口部1111以外の開口部(予備開口部)1112に嵌められている。このような構成とすることにより、コネクタ14を露出させる必要がない開口部分に簡単に電子部品20を取り付けることが可能になる。電子部品20を取り付けるために必要となる構造は、パネル本体部11ではなく、ダミーカバー132に設けられればよいために、開発コストや開発期間の短縮を図ることができる。
【0036】
なお、以上では、複数の同形状の開口部111のうちの一つがコネクタ用開口部1111とされる構成としたが、電子機器100は必ずしもコネクタ14を備える必要はなく、コネクタ用開口部1111が設けられない構成としてもよい。この場合、コネクタ用開口部1111に嵌められるコネクタカバー131は必要がなく、この部分にダミーカバー132が取り付けられてよい。このダミーカバー132は、電子部品20が搭載されても、搭載されなくてもよい。電子部品20を搭載しないダミーカバー132は、電子部品を搭載するダミーカバー132と同じ構造を有する構成でもよいが、異なる構造を有する構造であってもよい。
【0037】
本実施形態では、画面101を平面視した場合に、パネル本体部11は、画面101を二等分する線Lに対して対称配置される一対の開口部111を少なくとも一つ備える。詳細には、画面101は、-Y側から+Y側に平面視される。また、画面101を二等分する線Lは、画面101のX方向を二等分する二等分線である。一対の開口部111は、二等分線Lに対して線対称に配置される。
【0038】
詳細には、一対の開口部111は、コネクタ用開口部1111と、予備開口部1112とで構成される。X方向が、例えば、電子機器100が搭載される車両において左右方向であるとする。このよう構成では、例えば、右ハンドル仕様と、左ハンドル仕様とが準備される車両に電子機器100を搭載するにあたって、パネル本体部11の形状を変更しなくても、両ハンドル仕様の車両に対応することが可能となる。すなわち、このような構成とすれば、右ハンドル用と左ハンドル用とで電子機器100の構成変更を極力少なくすることができる。
【0039】
本実施形態では、ダミーカバー132に搭載される電子部品20は、マイクロホンである。例えば、マイクロホン20は、車両側に搭載されることがあり、このような場合には、電子機器100側にはマイクロホン20の設定は不要となる。本実施形態の操作パネル1を利用する場合、マイクロホン20が必要な場合には、マイクロホン20を搭載したダミーカバー132を予備開口部1112に嵌め込み、マイクロホン20が不要な場合には、マイクロホン20を搭載しないダミーカバー132を予備開口部1112に嵌め込めばよい。すなわち、マイクロホン20の要・不要に合わせてパネル本体部11に音を入力する孔を設けたり、設けなかったりする必要がなく、製造や開発のコストを抑制することができる。マイクロホン20を搭載しないダミーカバー132は、音孔を備えない構成としてよい。これにより、操作パネル1の見栄えの低下や、音孔を介しての水等の侵入を防ぐことができる。
【0040】
また、例えば、受音性能を確保するために、右ハンドル車両では、電子機器100の右寄りにマイクロホン20が配置されことが望まれ、左ハンドル車両では、電子機器100の左寄りにマイクロホン20が配置されることが望まれる。ここでは、左右方向において、電子機器100が運転席と助手席の間に配置されることを前提としている。本実施形態の操作パネル1を利用する場合、パネル本体部11の構造を変更することなく、マイクロホン20を搭載するダミーカバー132の左右の位置を入れ替えることで、マイクロホン20を適切な位置に設けることができる。なお、ここで説明した例に従った構成であるとした場合、
図1に示す操作パネル1は、右ハンドル車両に適した構成と言える。
【0041】
なお、ダミーカバー132に搭載される電子部品20は、マイクロホン以外であってもよい。電子部品20は、例えば、スイッチ、AUXジャック、タイプC等の小型のUSBコネクタ等であってよい。スイッチは、例えば、音声認識を開始させるためのスイッチや、コネクタカバー131がコネクタ用開口部1111から取り除かれた場合にコネクタ14を照らす照明のためのスイッチ等であってよい。
【0042】
(2-2.ダミーカバーの詳細例)
次に、マイクロホン20が搭載されるダミーカバー132の構成の詳細例について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るダミーカバー132の構成を示す概略平面図である。
図4は、本発明の実施形態に係るダミーカバー132の構成を示す概略分解斜視図である。なお、
図3は、+Y側から-Y側に向かってダミーカバー132を見た図である。
図3および
図4に示すように、ダミーカバー132は、第1部材1321と、第2部材1322とを備える。
【0043】
なお、本実施形態では、ダミーカバー132が、第1部材1321と第2部材1322との2つの部材を組み合わせて形成される構成としているが、ダミーカバー132は、1つの部材のみで形成されたり、3つ以上の部材で構成されたりしてもよい。
【0044】
第1部材1321には、マイクロホン20が配置される。第1部材1321は、Y方向からの平面視において矩形状である。第1部材1321の+Y側の面の中央部には、+Y側に延びる筒状部分を有するマイクロホン配置部1321aが設けられる。マイクロホン配置部1321aの筒状部分に嵌め込まれたマイクロホン20から延びる引き出し線20aは、筒状部分の一部に設けられる切欠き部から筒状部分の外に引き出し可能となっている。
【0045】
また、第1部材1321には、音を入力する音孔1321b(
図1参照)が設けられる。音孔1321bは、第1部材1321の中央部に配置され、第1部材1321をY方向に貫通する。音孔1321bは、マイクロホン配置部1321aに配置されるマイクロホン20とY方向に対向する。
【0046】
また、第1部材1321の+Y側の面のZ方向の両端部には、+Y側に突出する支持台1321cが設けられる。支持台1321cは、第1部材1321に対して+Y側に配置される第2部材1322を支持する。支持台1321cには、第2部材1322を第1部材1321に固定するための螺子1323を取り付けるための螺子穴1321dが設けられる。
【0047】
第2部材1322は、第1部材1321と対になってマイクロホン20を挟み込む。第2部材1322の-Y方向側の面の一部は、マイクロホン20とマイクロホン配置部1321aとのうち、少なくとも一方と接触することが好ましい。このような構成とすることにより、マイクロホンをしっかり固定することができる。第1部材1321と第2部材1322とは、同じ素材で構成されてもよいが、異なる素材で構成されてもよい。
【0048】
第2部材1322は、マイクロホン20から引き出される引き出し線20aをガイドするガイド構造1322aを有する。このような構成とすることにより、マイクロホン20が搭載されるダミーカバー132において引き出し線20aの少なくとも一部を固定することができ、引き出し線20aの処理を容易とすることができる。詳細には、ガイド構造1322aは、第2部材1322の+Y側の面の中央部に設けられる。ガイド構造1322aは、+Y側に突出する突出部に凹凸を設けて構成される。
【0049】
第2部材1322は、ダミーカバー132をパネル本体部11に係合する係合部1322bが設けられる。係合部1322bは、第2部材1322の+Y側の面から+Y側に延び、先端にフックを有する。ダミーカバー132は、パネル本体部11への取り付け時に弾性変形する係合部1322bを利用して、パネル本体部11に取り付けることができる。係合部1322bは、詳細には、ガイド構造1322aの+X側と、-X側とに2つずつ配置される。ただし、係合部1322bの位置および数は適宜変更されてよい。
【0050】
その他、第2部材1322には、Z方向の両端部に、Y方向に貫通する貫通孔1322cが1つずつ設けられる。貫通孔1322cは、第2部材1322を第1部材1321に固定する螺子1323を通す孔である。
【0051】
(2-3.ダミーカバーの装着例)
図5は、ダミーカバー132のパネル本体部11への取り付け手順例を説明するための概略図である。パネル本体部11にダミーカバー132を取り付けるにあたって、まず、第1部材1321と第2部材1322とでマイクロホン20を挟み込んだ状態(
図3の状態が該当)のダミーカバー132が準備される。
【0052】
そして、このように組み立てられたダミーカバー132が、
図5に示すように、パネル本体部11の予備開口部1112に-Y側から嵌め込まれる。予備開口部1112は、パネル本体部11をY方向に貫通する。予備開口部1112は、-Y側の端部に比べて+Y側の端部の開口面積が狭い形状となっている。予備開口部1112にダミーカバー132が嵌め込まれることにより、係合部1322b(
図3、4参照)が予備開口部1112の+Y側の端部にてパネル本体部11と係合する。これにより、ダミーカバー132は、パネル本体部11に固定される。なお、ダミーカバー132が予備開口部1112に嵌め込まれる際に、マイクロホン20の引き出し線20aは、予備開口部1112の+Y側の端部から+Y側に引き出される。
【0053】
図6は、パネル本体部11に装着されたダミーカバー132における、マイクロホン20の引き出し線20aの処理例について説明するための概略図である。
図6に示すように、ダミーカバー132が予備開口部1112に嵌め込まれた状態においては、予備開口部1112の+Y側の端部からガイド構造1322aが+Y側に突出する。マイクロホン20の引き出し線20aは、ガイド構造1322aの構造にしたがって配線され、第2部材1322に固定される。
【0054】
図7は、ダミーカバー132から引き出されたマイクロホン20の引き出し線20aの処理例について説明するための概略図である。
図7に示すように、ダミーカバー132における引き出し線20aの処理が完了すると、ダミーカバー132より+Y側に配置される回路基板30がパネル本体部11に取り付けられる。すなわち、ダミーカバー132は、回路基板30により覆われる。
【0055】
なお、回路基板30には、例えば、電子機器100の電源回路や、電子機器100が備える通信回路等が備えられる。また、回路基板30の+Y側の面には、マイクロホン20の引き出し線20aの先端と接続されるマイクロホン用コネクタ40が取り付けられている。
【0056】
図7に示すように、回路基板30の+X側端には、-X方向に凹む切欠き30aが設けられる。ダミーカバー132から引き出されたマイクロホン20の引き出し線20aは、切欠き30aを介して、回路基板30の-Y側から+Y側に引き出され、マイクロホン用コネクタ40に接続される。なお、切欠き30aに替えてY方向に回路基板30を貫通する貫通孔としてもよい。ただし、切欠き30aの方が、配線処理を行い易く、好ましい。
【0057】
<3.留意事項>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態および変形例のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態および変形例は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態および変形例の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で適宜組み合わせて実施されてよい。
【符号の説明】
【0058】
1・・・操作パネル
11・・・パネル本体部
14・・・コネクタ
20・・・電子部品、マイクロホン
20a・・・引き出し線
100・・・電子機器
101・・・画面
111・・・開口部
131・・・コネクタカバー
132・・・ダミーカバー
1111・・・コネクタ用開口部
1321・・・第1部材
1321b・・・音孔
1322・・・第2部材
1322a・・・ガイド構造