(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】判定装置、判定プログラム及び情報生成方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/03 20230101AFI20240606BHJP
【FI】
G06Q40/03
(21)【出願番号】P 2020168638
(22)【出願日】2020-10-05
【審査請求日】2023-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】小松 聡司
(72)【発明者】
【氏名】小一原 彩
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-240767(JP,A)
【文献】特開2011-145934(JP,A)
【文献】特開2010-244395(JP,A)
【文献】特開2012-212209(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える判定装置であって、
評価業務の対象となる評価対象と、評価業務における評価対象の状況を捉えるための観点との紐付けを保持する第一のマスタ、及び、観点と、前記評価業務の実施方法との紐付けを保持する第二のマスタにアクセス可能であり、
前記制御部は、
ある評価対象に紐付く観点を、前記第一のマスタを参照して特定する観点特定手段と、
前記観点特定手段で特定した観点に紐付く実施方法を、前記第二のマスタを参照して特定する実施方法特定手段と、
前記実施方法特定手段で特定した実施方法を基に、所定の判定基準に従って、前記ある評価対象に適用する実施方法を判定する判定手段
と、を備え、
前記第二のマスタには、
前記第一のマスタに対する前記評価対象と前記観点との紐付けを自動設定するか、又は、手動設定するかを示す設定情報と、
前記自動設定及び手動設定の判定基準値とが保持されており、
前記判定基準値以上の値を有する前記観点に対しては、前記第一のマスタに対する前記評価対象と前記観点との紐付けの自動設定が可能であること、
を特徴とする判定装置。
【請求項2】
前記判定基準値は、前記評価対象の業務に応じて異なる値の前記判定基準値が保持されていること
を特徴とする
請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記第二のマスタには、前記実施方法として、個別適用される実施方法及び自動適用される実施方法が保持され、
前記判定手段は、前記実施方法特定手段で特定された前記実施方法に、個別適用となる実施方法が含まれる場合は、前記評価対象に対して個別適用の実施方法を適用すると判定し、前記実施方法特定手段で特定された前記実施方法に、個別適用となる実施方法が含まれない場合は、前記評価対象に対して自動適用の実施方法を適用すると判定すること
を特徴とする
請求項1又は請求項2に記載の判定装置。
【請求項4】
評価業務の対象となる評価対象と、評価業務における評価対象の状況を捉えるための観点との紐付けを保持する第一のマスタ、及び、観点と、前記評価業務の実施方法との紐付けを保持する第二のマスタにアクセス可能な制御部を備える判定装置の前記制御部に実行させるための、
ある評価対象に紐付く観点を、前記第一のマスタを参照して特定する観点特定ステップと、
前記観点特定ステップで特定した観点に紐付く実施方法を、前記第二のマスタを参照して特定する実施方法特定ステップと、
前記実施方法特定ステップで特定した実施方法を基に、所定の判定基準に従って、前記ある評価対象に適用する実施方法を判定する判定ステップ
と、を含み、
前記第二のマスタには、
前記第一のマスタに対する前記評価対象と前記観点との紐付けを自動設定するか、又は、手動設定するかを示す設定情報と、
前記自動設定及び手動設定の判定基準値とが保持されており、
前記判定基準値以上の値を有する前記観点に対しては、前記第一のマスタに対する前記評価対象と前記観点との紐付けの自動設定が可能であること、
を特徴とする判定プログラム。
【請求項5】
評価業務の対象となる評価対象と、評価業務における評価対象の状況を捉えるための観点との紐付けを保持する第一のマスタ、及び、観点と、前記評価業務の実施方法との紐付けを保持する第二のマスタにアクセス可能な制御部を備える判定装置の前記制御部に実行させるための、
ある評価対象に紐付く観点を、前記第一のマスタを参照して特定する観点特定ステップと、
前記観点特定ステップで特定した観点に紐付く実施方法を、前記第二のマスタを参照して特定する実施方法特定ステップと、
前記実施方法特定ステップで特定した実施方法を基に、所定の判定基準に従って、前記ある評価対象に適用する実施方法を判定した判定情報を生成する判定情報生成ステップ
と、を含み、
前記第二のマスタには、
前記第一のマスタに対する前記評価対象と前記観点との紐付けを自動設定するか、又は、手動設定するかを示す設定情報と、
前記自動設定及び手動設定の判定基準値とが保持されており、
前記判定基準値以上の値を有する前記観点に対しては、前記第一のマスタに対する前記評価対象と前記観点との紐付けの自動設定が可能であること、
を特徴とする情報生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定装置、判定プログラム及び情報生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従前において、金融機関が巨額の不良債権により突然破綻する事態を未然に防ぎ、金融機関の健全な経営を維持するために、金融機関の資産の状況及び業務体制等をチェックする際の指針として「金融検査マニュアル」が、金融庁により作成された。各金融機関は、この金融検査マニュアルに基づいて、各債務者に対する画一的な自己査定(信用リスク管理)を行っていた。
【0003】
なお、特許文献1には、債務者格付を行った結果、賃金がきわめて安全な企業については自己査定額の算出を行う必要がないため、自己査定抽出手段が、自己査定額の計算が必要な企業のみを自動的に抽出することが記載されている(例えば段落0033参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来は、各金融機関は、金融検査マニュアルに基づいて、各債務者に対する画一的な自己査定が可能となる点は良い。しかし、この金融検査マニュアルの存在により、自己査定業務に金融機関独自の考え方及び工夫を取り入れることが困難となっていた。
【0006】
ここで、近年において、金融検査マニュアルが廃止となり、各金融機関に対しては、自己査定業務に対する独自性及び自由度が認められることとなった。このため、各金融機関が、例えば地域性及び債務者の業種特性等の独自の観点を反映させた債務者の自己査定業務を可能とする装置の開発が望まれている。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、金融機関等の評価業務者が、例えば地域性及び債務者の業種特性等の独自の観点を反映させて債務者等の評価対象の評価業務を行うことを可能とする判定装置、判定プログラム及び情報生成方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る判定装置は、制御部を備える判定装置であって、評価業務の対象となる評価対象と、評価業務における評価対象の状況を捉えるための観点との紐付けを保持する第一のマスタ、及び、観点と、前記評価業務の実施方法との紐付けを保持する第二のマスタにアクセス可能であり、前記制御部は、ある評価対象に紐付く観点を、前記第一のマスタを参照して特定する観点特定手段と、前記観点特定手段で特定した観点に紐付く実施方法を、前記第二のマスタを参照して特定する実施方法特定手段と、前記実施方法特定手段で特定した実施方法を基に、所定の判定基準に従って、前記ある評価対象に適用する実施方法を判定する判定手段と、を備え、前記第二のマスタには、前記第一のマスタに対する前記評価対象と前記観点との紐付けを自動設定するか、又は、手動設定するかを示す設定情報と、前記自動設定及び手動設定の判定基準値とが保持されており、前記判定基準値以上の値を有する前記観点に対しては、前記第一のマスタに対する前記評価対象と前記観点との紐付けの自動設定が可能であること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る判定装置は、前記判定基準値は、前記評価対象の業務に応じて異なる値の前記判定基準値が保持されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る判定装置は、前記第二のマスタには、前記実施方法として、個別適用される実施方法及び自動適用される実施方法が保持され、前記判定手段は、前記実施方法特定手段で特定された前記実施方法に、個別適用となる実施方法が含まれる場合は、前記評価対象に対して個別適用の実施方法を適用すると判定し、前記実施方法特定手段で特定された前記実施方法に、個別適用となる実施方法が含まれない場合は、前記評価対象に対して自動適用の実施方法を適用すると判定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る判定プログラムは、評価業務の対象となる評価対象と、評価業務における評価対象の状況を捉えるための観点との紐付けを保持する第一のマスタ、及び、観点と、前記評価業務の実施方法との紐付けを保持する第二のマスタにアクセス可能な制御部を備える判定装置の前記制御部に実行させるための、ある評価対象に紐付く観点を、前記第一のマスタを参照して特定する観点特定ステップと、前記観点特定ステップで特定した観点に紐付く実施方法を、前記第二のマスタを参照して特定する実施方法特定ステップと、前記実施方法特定ステップで特定した実施方法を基に、所定の判定基準に従って、前記ある評価対象に適用する実施方法を判定する判定ステップと、を含み、前記第二のマスタには、前記第一のマスタに対する前記評価対象と前記観点との紐付けを自動設定するか、又は、手動設定するかを示す設定情報と、前記自動設定及び手動設定の判定基準値とが保持されており、前記判定基準値以上の値を有する前記観点に対しては、前記第一のマスタに対する前記評価対象と前記観点との紐付けの自動設定が可能であること、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る情報生成方法は、評価業務の対象となる評価対象と、評価業務における評価対象の状況を捉えるための観点との紐付けを保持する第一のマスタ、及び、観点と、前記評価業務の実施方法との紐付けを保持する第二のマスタにアクセス可能な制御部を備える判定装置の前記制御部に実行させるための、ある評価対象に紐付く観点を、前記第一のマスタを参照して特定する観点特定ステップと、前記観点特定ステップで特定した観点に紐付く実施方法を、前記第二のマスタを参照して特定する実施方法特定ステップと、前記実施方法特定ステップで特定した実施方法を基に、所定の判定基準に従って、前記ある評価対象に適用する実施方法を判定した判定情報を生成する判定情報生成ステップと、を含み、前記第二のマスタには、前記第一のマスタに対する前記評価対象と前記観点との紐付けを自動設定するか、又は、手動設定するかを示す設定情報と、前記自動設定及び手動設定の判定基準値とが保持されており、前記判定基準値以上の値を有する前記観点に対しては、前記第一のマスタに対する前記評価対象と前記観点との紐付けの自動設定が可能であること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、例えば金融機関等の評価業務者が、地域性及び債務者の業種特性等の独自の観点を反映させて債務者等の評価対象の評価業務を可能とすることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、判定装置100の構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、顧客情報マスタ106aの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、抽出符号マスタ106bの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、顧客抽出符号関連マスタ106cの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、顧客情報マスタ106a、抽出符号マスタ106b及び顧客抽出符号関連マスタ106cで形成さるデータベースのER図である。
【
図6】
図6は、顧客抽出符号関連マスタ106cの形成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、抽出符号判定エンジン102aによる、抽出符号マスタ106bに記憶されている抽出符号データの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、査定対象区分判定部102bによる、査定対象区分の判定動作の流れを示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、査定対象区分判定部102bによる、査定対象区分の判定例を説明するための他の図である。
【
図10】
図10は、査定対象区分判定部102bによる、査定対象区分の判定例を説明するための図である。
【
図11】
図11は、人事考課システムにおける異動判定動作の流れを示す模式図である。
【
図12】
図12は、プロジェクト難易度判定システムにおけるプロジェクトの難易度の判定動作の流れを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る判定装置、判定プログラム及び情報生成方法の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0017】
[第1の実施形態]
[構成]
本実施形態に係る判定装置の構成の一例について、
図1等を参照して説明する。
図1は、判定装置の構成の一例を示すブロック図である。判定装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、判定装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン又はタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0018】
判定装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。判定装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0019】
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)等で構成される。制御部102は、後述する判定プログラムに基づいて、抽出符号エンジン102a及び査定対象区分判定部102bとして機能する。抽出符号エンジン102aは、各債務者に対して対応する抽出符号を選択して関連付ける。また、査定対象区分判定部102bは、関連付けられた抽出符号に基づいて、債務者の自己査定を、システムにより自動で行うか、又は、人手を介して個別に行うかを判定する。
【0020】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、判定装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、判定装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ装置200に格納されてもよい。
【0021】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカ装置又はプリンタ装置を用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス装置、及びマイクロホン装置の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置を用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112又はマウス装置112として記載する場合がある。
【0022】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)SSD(Solid State Drive)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0023】
記憶部106には、顧客情報マスタ106a、抽出符号マスタ106b(本発明の第二のマスタを含む)及び顧客抽出符号関連マスタ106c(本発明の第一のマスタを含む)及び判定プログラム106d(本発明の判定プログラムを含む)などが格納される。
【0024】
(顧客情報マスタ106aの構成)
図2は、顧客情報マスタ106aの一例を示す図である。顧客情報マスタ106aは、金融機関で金品の貸付を行っている債務者(本発明の評価対象を含む)の情報(顧客情報)を管理するためのマスタ(データベース)となっている。この顧客情報マスタ106aには、顧客毎に割り当てられた顧客情報キーに、基準日、店番、CIF,債務者名、与信額(円)、延滞フラグ(延滞FLG)及び業種の各情報が関連付けられて記憶されている。
【0025】
基準日は、顧客情報の正確性の判断の基準となる日付を示している。例えば、「1」の顧客情報キーの債務者太郎さんの基準日は、2020年3月31日であるが、これは、2020年3月31日の3月末の時点で、債務者太郎さんの顧客情報は、正確な情報であったことを示している。同様に、「6」の顧客情報キーの債務者三郎さんの基準日は、2020年4月30日であるが、これは、2020年4月30日の4月末の時点で、債務者三郎さんの顧客情報は、正確な情報であったことを示している。
【0026】
店番の情報は、顧客情報キーが割り当てられた債務者に対して、金品の貸付を行った金融業者の店番号である。CIF(Customer Information File)は、顧客管理のための基本的な番号である。与信額(与信限度額)は、債務者に対する貸付限度額を示す情報である。
図2の例では、2020年3月31の基準日における債務者太郎さんの与信額は、200,000,000円となっている。また、2020年4月30日の基準日における債務者太郎さんの与信額は、220,000,000円となっている。
【0027】
延滞フラグは、貸付金の返済に延滞が生じているか否かを示す情報である。
図2の例では、「0」のフラグは延滞が発生していないことを示し、「1」のフラグは延滞が発生していることを示している。業種は、債務者の業種を示す情報である。
図2の例は、債務者太郎さんは、製造業に従事し、債務者次郎さんは、不動産業に従事していることを示している。
【0028】
(抽出符号マスタ106bの構成)
図3は、抽出符号マスタ106bの一例を示す図である。抽出符号マスタ106bは、債務者の現状に基づいて付加される符号情報となっている。この抽出符号(本発明の観点を含む)は、各金融機関が独自かつ自由に形成して用いることができる。例えば、所定の兆候が表れると貸し倒れになる危険性が高いことが、過去の経験から分かっている場合、金融機関は、その兆候を示す抽出符号を形成して用いることができる。また、抽出符号は、各金融機関が作成して用いてもよいし、一部又は全部をサーバ200等の外部から取得して用いてもよい。
【0029】
この
図3に示すように、抽出符号は、抽出符号コード(抽出符号CD)、抽出符号名称、抽出符号略称、査定対象区分、手動判定区分、第1の与信額バー、及び、第2の与信額バーの各情報を含んで形成されている。
【0030】
抽出符号コード(抽出符号CD)は、抽出符号毎に付されるユニークな番号の情報である。抽出符号名称は、その抽出符号の名称の情報である。抽出符号略称は、その抽出符号の略称の情報である。査定対象区分は、抽出符号毎の自己査定を実施する重み付けを設定するための情報(本発明の実施方法を含む)である。「1」の査定対象区分の情報は、その債務者の個別査定を指示する情報となっている。また、「2」の査定対象区分の情報は、その債務者の一覧査定を指示する情報となっている。
【0031】
顧客抽出符号関連マスタ106cの説明で
図4を用いて後述するが、手動判定区分は、この顧客抽出符号関連マスタ106cに記憶される顧客情報と抽出符号の関連性を、手動で設定するか(手動設定)、又は自動で設定するか(自動設定)を示す情報(本発明の設定情報を含む)となっている。手動設定の場合は、その抽出符号の手動判定区分として「1」が設定され、自動判定の場合は、その抽出符号の自動判定区分として「2」が設定される。
【0032】
与信額バーは、その顧客に対して貸付可能な金品の上限額(本発明の判断基準値を含む)を示しており、その抽出符号に対して上述の手動設定を行うか、又は、自動設定を行うかの判断を行うための、閾値となる金額が設定されている。また、与信額バーとしては、顧客の業種に応じた2つの与信額バーが設けられている。第1の与信額バーは、不動産業及び建築業以外の業種の顧客に対して用いられる与信額バーである。第2の与信額バーは、不動産業及び建築業の業種の顧客に対して用いられる与信額バーである。
【0033】
詳しくは後述するが、この与信額バーは、例えば大口貸出先及び延滞貸出先等の所定の抽出符号と顧客情報との関連性を、手動設定するか又は自動設定するか(上述の手動判定区分)を決定する際に参照される情報となっている。一例ではあるが、
図2に示す製造業である債務者太郎さんの与信額は、3月31日の時点で200,000,000円である。このため、後述する抽出符号判定エンジン102aは、この債務者太郎さんに対する大口貸出先の抽出符号の手動判定区分を設定する際に、債務者太郎さんの業種が不動産業及び建築業以外の業種であるため、第1の与信額バーを参照する。
【0034】
この場合、第1の与信額バーには、100,000,000円が設定されており、債務者太郎さんの与信額は、3月31日の時点で第1の与信額バーの設定金額を上回る。このため、抽出符号判定エンジン102aは、この債務者太郎さんに対する大口貸出先の抽出符号の手動判定区分に自動判定であることを示す「2」を設定する。
【0035】
同様に、
図2に示す不動産業の債務者次郎さんの与信額は、3月31日の時点で55,000,000円である。このため、後述する抽出符号判定エンジン102aは、この債務者次郎さんに対する延滞貸出先の抽出符号の手動判定区分を設定する際に、債務者次郎さんの業種が不動産業又は建築業に該当するため、第2の与信額バーを参照する。この場合、第2の与信額バーには、50,000,000円が設定されており、債務者次郎さんの与信額は、3月31日の時点で第1の与信額バーの設定金額を上回る。このため、抽出符号判定エンジン102aは、この債務者次郎さんに対する延滞貸出先の抽出符号の手動判定区分に自動判定であることを示す「2」を設定する。
【0036】
(抽出符号関連マスタ106cの構成)
次に、
図4は、顧客抽出符号関連マスタ106cの一例を示す図である。顧客抽出符号関連マスタ106cは、各顧客に対して割り当てられている抽出符号を示すマスタである。顧客抽出符号関連マスタ106cには、各顧客の顧客情報キーと、その顧客に対して割り当てられた抽出符号の抽出符号コードとが関連付けされて記憶されている。
【0037】
(各マスタのER構成)
図5は、このような各マスタ106a~106cで形成されるデータベースのER(Entity Relationship Diagram)図である。この
図5に示すように、顧客情報マスタ106aは、「0」又は多数の関連マスタ106cに関連付けされ、また、各関連マスタ106cは、それぞれ対応する抽出符号マスタ106bに関連付けされている。
【0038】
[顧客抽出符号関連マスタ106cの形成動作]
次に、
図6のフローチャートを用いて、顧客抽出符号関連マスタ106cの形成動作を説明する。この
図6のフローチャートは、
図1に示す制御部102(本発明の制御部を含む)が、記憶部106に記憶されている判定プログラム106dに基づいて、抽出符号判定エンジン102a(本発明の観点特定手段を含む)として機能することで実行する動作の流れを示している。
【0039】
まず、抽出符号判定エンジン102aは、
図2に示す顧客情報マスタ106aから、指定された基準日に対応する顧客情報を取得する(ステップS1)。次に、抽出符号判定エンジン102aは、顧客情報で示される与信額、延滞フラグ及び業種等の各情報に基づいて、
図3に示す抽出符号マスタを参照し、その顧客に対応して付加する抽出符号を検出する(ステップS2)。そして、抽出符号判定エンジン102aは、顧客の顧客情報キーと、その顧客に顧客情報に基づいて検出された抽出符号とを関連付けて顧客抽出符号関連マスタ106cに記憶する(ステップS3)。これにより、顧客毎に、顧客情報と抽出符号とを関連付けして形成した顧客抽出符号関連マスタ106cが形成される(
図4参照)。
【0040】
図4に示す顧客抽出符号関連マスタ106cの例を用いて具体的に説明すると、顧客情報キーが「1」で製造業の債務者太郎さんは、3月31日の基準日の時点で与信額が200,000,000円で、延滞実績は無い(延滞フラグ「0」)。このため、抽出符号判定エンジン102aは、債務者太郎さんは、大口貸出先に相当するため、大口貸出先の抽出符号を、
図3に示す抽出符号マスタから抽出する。この際、抽出符号判定エンジン102aは、大口貸出先の抽出符号の第1の与信額バー(不動産業又は建設業以外の業種)を参照し、3月31日の基準日の時点での債務者太郎さんの与信額と比較する。この場合、債務者太郎さんの与信額は、第1の与信額バーで設定されている金額よりも多い。このため、抽出符号判定エンジン102aは、大口貸出先の抽出符号の手動判定区分の設定を、自動判定を示す「2」に設定して、債務者太郎さんの顧客情報キーに付加し、
図4の顧客抽出符号関連マスタ106cに記憶する。
【0041】
このようにして、抽出符号判定エンジン102aは、顧客毎に、顧客情報と抽出符号とを自動的に関連付けして顧客抽出符号関連マスタ106cに記憶させる。
図4の例は、顧客情報キーが「1」の債務者太郎さんに対して、抽出符号コードが「1」の「大口貸出先」、抽出符号コードが「3」の「赤字決算先」及び、抽出符号コードが「5」の「前回分類先」の各抽出符号が付された例である。また、
図4の例は、顧客情報キーが「2」の債務者次郎さんに対して、抽出符号コードが「3」の「赤字決算先」及び、抽出符号コードが「4」の「延滞貸出先」の各抽出符号が付された例である。
【0042】
図7は、このように各顧客に対して付された抽出符号を、概念的に示す図である、この
図7は、チェックが付された抽出符号が、その顧客に対して付された抽出符号を示している。すなわち、
図7(a)は、債務者Aに対して、「赤字」及び「条件変更あり」の抽出符号が付された例を示している。また、
図7(b)は、債務者Bに対して、「赤字」、「債務超過」、「条件変更あり」及び「不渡手形あり」の抽出符号が付された例を示している。また、
図7(c)は、債務者Cに対して付す抽出符号は、無かった例を示している。
【0043】
このように、各顧客情報と抽出符号とを関連付けして記憶した顧客抽出符号関連マスタ106cが形成されると、査定対象区分の自動判定動作が可能となる。
【0044】
[査定対象区分の自動判定動作]
次に、
図7が、査定対応区分の自動判定動作の流れを示すフローチャートである。この
図7のフローチャートは、
図1に示す制御部102が、記憶部106に記憶されている判定プログラムに基づいて、査定対象区分判定部102b(本発明の実施方法特定手段と判定手段を含む)として機能することで実行する動作の流れを示している。
【0045】
まず、査定対象区分判定部102bは、
図2に示す顧客抽出符号関連マスタ106cを参照して、指定された基準日に対応する顧客情報を検出する(ステップS11)。また、査定対象区分判定部102bは、
図2に示す顧客抽出符号関連マスタ106cを参照して、顧客に関連付けされている各抽出符号を検出する(ステップS12)。
【0046】
次に、査定対象区分判定部102bは、顧客情報に対して付されている抽出符号は「無し」であるか否かを判別する(ステップS13)。顧客情報に対して付されている抽出符号が「無し」と判別した場合(ステップS13:Yes)、査定対象区分判定部102bは、その顧客に対する査定対象区分を、人の手を介さずにシステムで自動的に自己査定(信用リスク管理)を行う「システム査定先」の顧客として判定する(ステップS17)。
【0047】
一方、顧客情報に対して付されている抽出符号が「有り」と判別した場合(ステップS13:No)、査定対象区分判定部102bは、査定対象区分に「個別査定先」を含む抽出符号が、その顧客情報に付加されているか否かを判別する(ステップS14)。
【0048】
査定対象区分に「個別査定先」を含む抽出符号が顧客情報に付加されている場合(ステップS14:Yes)、査定対象区分判定部102bは、その顧客に対する査定対象区分を、個別に手動で自己査定(信用リスク管理)を行う「個別査定先」の顧客として判定する(ステップS15)。
【0049】
これに対して、査定対象区分に「個別査定先」を含む抽出符号が顧客情報に付加されていない場合(ステップS14:No)、査定対象区分判定部102bは、その顧客に対する査定対象区分を、システムで仮判定を行った後に、一覧で内容確認のみの承認を行う「一覧査定先」の顧客として判定する(ステップS18)。
【0050】
このような個別査定、一覧査定、システム査定は、システム査定<一覧査定<個別査定の順に、慎重な査定が必要となる。このため、個別査定、一覧査定、システム査定の査定に必要となる人手の多さは、
図9に示すようにシステム査定<一覧査定<個別査定の順に、多くの人手を要する。すなわち、システム査定は、簡易的な判定手法であり、システムが自動で査定を行うため、人手がほとんどかからない。これに対し、一覧査定は、債務者区分をシステムで仮判定した後、一覧を用いた承認を必要とするため、多少、人手を要する。しかし、個別査定は、債務者毎に個別に債務者区分を判断し、個別承認が必要となるため、多くの人手を必要とする。多くの顧客がシステム査定又は一覧査定に区分けされることで、必要となる人手及び作業を軽減できる。
【0051】
査定対象区分判定部102bは、このような査定対象区分の自動区分を、全顧客(又は、指定された各顧客に対して行ってもよい)に対して実行するまで繰り返し行う(ステップS16:No)。そして、査定対象区分判定部102bにより、全顧客(又は、指定された各顧客に対して行ってもよい)に対する査定対象区分の自動的な区分けが完了したと判別された際に(ステップS16:Yes)、
図8のフローチャートの全処理が終了となる。
【0052】
このような査定対象区分の判定動作を、
図10を用いて具体的に説明する。
図10(a)は、基準日が3月31日において、債務者太郎さんに対して、大口貸出先、赤字決算先、及び、前回分類先の各抽出符号が付加されている例である。この場合、査定対象区分判定部102bは、査定対象区分が個別査定先となっているため、債務者太郎さんを個別査定先として判定する(ステップS14→ステップS15)。
【0053】
また、
図10(b)は、基準日が3月31日において、債務者次郎さんに対して、赤字決算先、及び、延滞貸出先の各抽出符号が付加されている例である。この場合、査定対象区分判定部102bは、査定対象区分に個別査定先が含まれていないため、債務者次郎さんを一覧査定先として判定する(ステップS14→ステップS18)。
【0054】
また、
図10(c)は、基準日が3月31日において、債務者三郎さんに対して付されている抽出符号が無い例である。この場合、査定対象区分判定部102bは、慎重な査定を要する事項が無いことを意味するため、債務者三郎さんをシステム査定先として判定する(ステップS13→ステップS17)。
【0055】
金融機関は、このように自動的に区分けされた査定対象区分に従って、各顧客に対する自己査定を行う。なお、ステップS15、ステップS17及びステップS18は、本発明の判定情報生成ステップを含む。
【0056】
[第1の実施形態の効果]
以上の説明から明らかなように、第1の実施形態の判定装置100は、各金融機関が、任意の査定項目となる抽出符号を設定する。抽出符号エンジン102aは、各顧客の与信額、延滞の有無、赤字決算の有無、及び、業種等の各種情報を含む顧客情報を参照して、該当する抽出符号を選択し、顧客情報と関連付けて記憶する(顧客抽出符号関連マスタ106c)。査定対象区分判定部102bは、例えば査定対象区分に個別査定先が設定されている抽出符号が付加されている場合、個別かつ慎重に査定を行う必要があるため、その顧客を個別査定先として判定する。これに対して、顧客情報に対して抽出符号が付加されていない場合、慎重な査定は必要ないため、査定対象区分判定部102bは、その顧客をシステム査定先として判定する。金融機関は、このように自動的に区分けされた査定対象区分に従って、各顧客に対する自己査定を行う。
【0057】
抽出符号としては、各金融機関が、独自のノウハウを用いて開発した抽出符号を用いることができる。このため、各金融機関の経験等に基づいて作成した抽出符号を用いて、各顧客の査定対象区分を自動的に判定可能とすることができる。
【0058】
ここで、第1の実施形態の判定装置100は、上述のように各顧客に対する査定対象区分を自動的に区分け可能である。しかし、自己査定業務は、例えば顧客の格付け、自己査定の難易度等の整合性を保つために、1万人の顧客に対して、3千人の顧客を個別査定の対象とする等のように、「自己査定を行う全体的な数」に対する、「人手により慎重に自己査定を行う個別査定の数」も重要となる。
【0059】
第1の実施形態の判定装置100の場合、査定対象区分の判定を行う際に、基準日を指定可能となっている。これにより、自動で自己査定を行う顧客の数(システム査定の顧客の数+一覧査定の顧客の数)と、人手による自己査定である個別査定を行う顧客の数との比を、シミュレーションすることができ、個別査定を行う顧客の数の調整を図ることができる。
【0060】
[第2の実施形態]
上述の第1の実施形態は、金融機関の自己査定業務に本願発明を適用した例であったが、本願発明は、金融機関以外の業務にも適用可能である。この第2の実施形態は、企業の人事考課を行う人事考課システムに対して本願発明を適用した例である。なお、第1の実施形態及び第2の実施形態は、この点のみが異なる。このため、以下、両者の差異の説明のみ行い、重複した説明を省略する。
【0061】
図11は、人事考課システムにおける異動判定動作の流れを示す模式図である。この場合、企業は、まず、
図11(b)に示すように、人事考課を行う際に参酌される各判定項目に対応する抽出符号を形成する。この
図11(b)は、滞留10年(勤続期間)、業績増、評価ランクC以上、面談要注意判定等の抽出符号が形成された例である。
図11(a)に示す抽出符号エンジン102aは、各社員の社員情報に対して、このような抽出符号のうち、該当する抽出符号を関連付けて記憶部に記憶する(顧客抽出符号関連マスタ106cに相当。この例の場合は、人事マスタ)。
【0062】
査定対象区分判定部102bは、各社員の社員情報に付されている抽出符号に基づいて、システム査定先の社員であるか、又は、個別査定先の社員であるかを判定する。具体的には、A氏の場合、
図11(b)に示すように滞留10年の抽出符号が付加されている。このため、査定対象区分判定部102bは、
図11(c)に示すように、自動判定が可能であり、異動対象とする社員であることを示すシステム査定先にA氏を判定する。これに対して、B氏の場合、
図11(b)に示すように滞留10年の面談要注意判定の抽出符号が付加されている。このため、査定対象区分判定部102bは、
図11(c)に示すように、自動判定が不可であり、個別面談を必要とする社員であることを示す個別査定先にB氏を判定する。
【0063】
このように人事考課の判断事項に対応する抽出符号を形成し、各社員の社員情報に付加された抽出符号に基づいて、システム査定先の社員であるか、又は、個別面談先の社員であるかを判定する。これにより、各企業は、自由な判断項目の抽出符号に基づいて、自動的に各社員の人事考課の判定を行うことができる他、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0064】
[第3の実施形態]
次に、第2の実施形態は、プロジェクトの難易度の自動判定を行うプロジェクト難易度判定装置に対して本願発明を適用した例である。なお、上述の各実施形態及び第3の実施形態は、この点のみが異なる。このため、以下、差異の部分の説明のみ行い、重複した説明を省略する。
【0065】
図12は、プロジェクト難易度判定装置における難易度判定動作の流れを示す模式図である。この場合、企業は、まず、
図12(b)に示すように、プロジェクトの難易度を判定する際に参酌される各判定項目に対応する抽出符号を形成する。この
図12(b)は、業界レベル低、運用レベル低、他拠点展開有無、トラブル実績有無等の抽出符号が形成された例である。
図12(a)に示す抽出符号エンジン102aは、各プロジェクトのプロジェクト名に対して、このような抽出符号のうち、該当する抽出符号を関連付けて記憶部に記憶する(顧客抽出符号関連マスタ106cに相当)。
【0066】
査定対象区分判定部102bは、各プロジェクトに付されている抽出符号に基づいて、難易度の自動判定が可能なプロジェクトであるか、又は、難易度の自動判定が不可であり、人による難易度判定が必要なプロジェクトであるかを判定する。具体的には、プロジェクトAの場合、
図12(b)に示すように業界レベル低、及び、トラブル実績有無の抽出符号が付加されている。このため、査定対象区分判定部102bは、
図12(c)に示すように、プロジェクトA(商品A)は、難易度の自動判定が可能なプロジェクトと判定する。これに対して、プロジェクトBの場合、
図11(b)に示すように業界レベル低、運用レベル低、他拠点展開有無、及び、トラブル実績有無の抽出符号が付加されている。このため、査定対象区分判定部102bは、
図12(c)に示すように、プロジェクトB(商品B)は、難易度の自動判定が不可であり、人により難易度の判定を行うプロジェクトと判定する。
【0067】
このようにプロジェクトの難易度を判定する際に参酌される各判定項目に対応する抽出符号を形成し、各プロジェクトに付加された抽出符号に基づいて、難易度の自動判定が可能なプロジェクトであるか、又は、人による難易度の判定が必要なプロジェクトであるかを判定する。これにより、各企業は、自由な判断項目の抽出符号に基づいて、自動的に各プロジェクトの難易度を判定できる他、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0068】
[変型例]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0069】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0070】
また、判定装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0071】
例えば、判定装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU及びCPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、各実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて判定装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0072】
また、このコンピュータプログラムは、判定装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0073】
また、各実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0074】
また、「プログラム」とは、任意の言語又は記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成及び読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0075】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM又はROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0076】
また、判定装置100は、既知のパーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、判定装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0077】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、特に金融業界において有用である。
【符号の説明】
【0079】
100 判定装置
102 制御部
102a 抽出符号判定エンジン
102b 査定対象区分判定部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 顧客情報マスタ
106b 抽出符号マスタ
106c 顧客抽出符号関連マスタ
106d 判定プログラム
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ装置
300 ネットワーク