(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】カプセルユニット及び放射性同位体の製造方法
(51)【国際特許分類】
G21G 1/02 20060101AFI20240606BHJP
G21K 5/08 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
G21G1/02
G21K5/08 R
(21)【出願番号】P 2020186814
(22)【出願日】2020-11-09
【審査請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中塚 淳次朗
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 由香里
(72)【発明者】
【氏名】前田 茂
(72)【発明者】
【氏名】喜多村 文
【審査官】藤田 健
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-133855(JP,A)
【文献】国際公開第2020/025120(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/173664(WO,A1)
【文献】特開2011-047937(JP,A)
【文献】米国特許第03324540(US,A)
【文献】特表2020-512545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21G 1/00
G21C 23/00
G21K 5/08
G21K 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空形状をなして収納空間の内部に放射性同位体の原料であるRI原料が収納されるケース部と、
前記ケース部に接続される被連結部と、
を含むカプセルを複数有し、
前記カプセル同士を接続する連結部を設
け、
前記連結部は、前記カプセルと前記他のカプセルとが連結された状態で、前記カプセルと前記他のカプセルとを軸方向に相対移動可能に連結すると共に、屈曲可能に連結する、
カプセルユニット。
【請求項2】
前記被連結部は、前記ケース部の端部に取り付けられる、
請求項1に記載のカプセルユニット。
【請求項3】
前記連結部により連結される複数の前記ケース部は、それぞれ異なる形状の前記RI原料が収納されている、
請求項1
または請求項2に記載のカプセルユニット。
【請求項4】
複数の異なる形状の前記RI原料は、棒形状をなすRI原料と、タブレット形状をなすRI原料である、
請求項3に記載のカプセルユニット。
【請求項5】
前記連結部により連結される複数の前記ケース部のうちの少なくとも1つの前記ケース部は、ダミー原料が収納される、
請求項1から
請求項4のいずれか1項に記載のカプセルユニット。
【請求項6】
ケーブルを有し、前記連結部が前記ケーブルに連結されている、
請求項1から
請求項5のいずれか1項に記載のカプセルユニット。
【請求項7】
前記連結部は、連結ケーブルであり、複数の前記カプセルは、それぞれ前記連結ケーブルを介してケーブルに長手方向に間隔を空けて連結されている、
請求項6に記載のカプセルユニット。
【請求項8】
複数の前記カプセルの前記ケース部の側部がそれぞれ前記連結ケーブルに長手方向に間隔を空けて連結される、
請求項7に記載のカプセルユニット。
【請求項9】
連結される複数の前記カプセルのうちの末尾に設けられる前記カプセルには、他の前記カプセルに連結される側とは反対側の端部に、前記カプセルを管内に挿入する挿入機構が、前記連結部を介して接続されている、
請求項1から
請求項8のいずれか1項に記載のカプセルユニット。
【請求項10】
前記RI原料が収納された、請求項1から
請求項9のいずれか1項に記載のカプセルユニットを、原子炉に設けられた計装管に挿入することで、前記RI原料に中性子束を照射させて放射性同位体を製造する、放射性同位体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カプセルユニット及び放射性同位体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用や工業用などの用途に、放射性同位体を用いることが知られている。特許文献1には、原料を原子炉の計装管に挿入して、原料に中性子を照射させることで、放射性同位体を製造する旨が記載されている。特許文献1では、原料が収納された保持構体を送り出しシステムの管から計装管に移動させることで、放射性同位体を製造する旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、計装管は、長く形成されていたり、湾曲して形成されていたりするため、原料が収納された保持構体を計装管に適切に挿入して放射性同位体を製造するには、改善の余地がある。例えば特許文献1では、保持構体の構造について詳細構成が開示されておらず、保持構体を計装管に適切に挿入できないおそれもある。
【0005】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、放射性同位体の原料を計装管に適切に挿入可能なカプセルユニット及び放射性同位体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るカプセルユニットは、放射性同位体の原料であるRI原料が収納されるケース部と、前記ケース部の端部に接続される連結部と、を含むカプセルを複数有し、前記連結部が、他の前記カプセルの前記ケース部に接続されている。
【0007】
また、本開示に係るカプセルユニットは、放射性同位体の原料であるRI原料が収納されるケース部を含むカプセルを複数有し、複数の前記カプセルの前記ケース部の側部がそれぞれケーブルに長手方向に間隔を空けて連結されている。
【0008】
また、本開示に係るカプセルユニットは、放射性同位体の原料であるRI原料が保持されるケース部と、前記ケース部の端部に設けられる連結部と、を含むカプセルを複数有し、前記RI原料が、他の前記カプセルの前記連結部に接続されている。
【0009】
また、本開示に係るカプセルユニットの製造方法は、前記RI原料が収納された前記カプセルユニットを、原子炉に設けられた計装管に挿入することで、前記RI原料に中性子束を照射させて放射性同位体を製造する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、放射性同位体の原料を計装管に適切に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る原子炉容器の模式的な一部断面図である。
【
図2】
図2は、計装管を説明する概略側面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るカプセルユニットの模式図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係るカプセルの模式的な断面図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係るカプセルの模式的な一部断面図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係るカプセルの模式的な一部断面図である。
【
図7】
図7は、カプセルユニットを計装管内に挿入する方法を説明するための模式図である。
【
図8】
図8は、カプセルユニットを計装管内に挿入する方法を説明するための模式図である。
【
図9】
図9は、本実施形態に係るカプセルユニットの第1変形例を示す模式図である。
【
図10】
図10は、本実施形態に係るカプセルユニットの第2変形例を示す模式図である。
【
図11】
図11は、本実施形態に係るカプセルユニットの第3変形例を示す模式図である。
【
図12】
図12は、本実施形態に係るカプセルユニットの第3変形例を示す模式図である。
【
図13】
図13は、本実施形態に係るカプセルユニットの第4変形例を示す模式図である。
【
図14】
図14は、本実施形態に係るカプセルユニットの第5変形例を示す模式図である。
【
図15】
図15は、本実施形態に係るカプセルユニットの第5変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0013】
(原子炉容器)
図1は、本実施形態に係る原子炉容器の模式的な一部断面図である。本実施形態に係る原子炉容器101は、原子力発電プラントの加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)に用いられる。ただし、原子炉容器101は、加圧水型原子炉に用いられることに限られず、例えば沸騰水型原子炉に用いられてもよい。
図1に示すように、原子炉容器101は、原子炉容器本体101aの内部に、燃料集合体120を含む炉内構造物を有している。
【0014】
図2は、計装管を説明する概略側面図である。また、原子炉容器本体101aは、複数の計装管147Aが接続されている。計装管147Aは、原子炉容器本体101aの下部の複数個所に配置される。計装管147Aは、計装管台146と、炉内計装案内管147と、コンジットチューブ148と、シンブルチューブ151と、を含む。計装管台146は、下部鏡101eを貫通する。計装管台146は、炉内側の上端部に炉内計装案内管147が連結される一方、炉外側の下端部にコンジットチューブ148が連結されている。炉内計装案内管147は、計装管台146に接続され、炉心内部の燃料集合体120が配置される領域まで伸びている。コンジットチューブ148は、原子炉容器本体101aの外側に配置され、計装管台146とシールテーブル156とに接続される。シンブルチューブ151は、コンジットチューブ148、計装管台146及び炉内計装案内管147に挿入される管である。シンブルチューブ151は、中性子束を計測可能な中性子束検出器(図示略)が挿入されるが挿通される。シンブルチューブ151は、コンジットチューブ148、計装管台146及び炉内計装案内管147に挿入されることで燃料集合体120が配置される領域まで挿入可能となっている。
【0015】
計装管147Aは、中性子束検出器が挿入される。計装管147Aは、炉心129まで延在することで、挿入された中性子束検出器が、中性子束に晒されて中性子束を検出する。
【0016】
図2に示すように、コンジットチューブ148は、原子炉容器101の外部まで延出される。原子炉格納容器100は、原子炉容器101の下方に配管室155が形成されている。複数のコンジットチューブ148は、下部鏡101eにある計装管台146から原子炉容器101の外部に引き出され、配管室155を湾曲して上方に引き回された後、端部が別室のシールテーブル156に固定されている。シンブルチューブ151は、この固定されたコンジットチューブ148の端部から挿通される。そして、このシンブルチューブ151に中性子束検出器が挿入される。
【0017】
シールテーブル156は、板状に形成され、コンジットチューブ148の端部が下から上に貫通された状態で固定されている。複数のコンジットチューブ148は、シールテーブル156の上面から林立されている。
【0018】
このように、計装管147Aは、コンジットチューブ148がシンブルチューブ151に挿入される構成であるが、それに限られず、中性子束検出器や後述するカプセルユニット10が挿入される任意の形状の管、また、内部空間が細長い通路となる中空部材であってよい。
【0019】
(カプセルユニット)
図3は、本実施形態に係るカプセルユニットの模式図である。本実施形態に係るカプセルユニット10は、連結された複数のカプセル12で構成されており、計装管147A内に挿入される。カプセル12は、内部にRI(Radioisotope)原料Mが収納される容器である。
【0020】
(RI原料)
RI原料Mは、放射性同位体の原料である。RI原料は、計装管147Aの原子炉容器101内に位置する箇所内で、中性子束に暴露されることで、放射性同位体に変換される。RI原料Mは、粉末が焼き固められたブロック状となっているが、それに限られない。RI原料は、例えば、モリブデン‐98、クロム‐50、銅‐63、ジスプロシウム‐164、エルビウム‐168、ホルミウム‐165、ヨウ素-130、イリジウム-191、鉄‐58、ルテチウム‐176、パラジウム‐102、リン‐31、カリウム‐41、レニウム‐185、サマリウム‐152、セレン‐74、ナトリウム‐23、ストロンチウム‐88、イッテルビウム‐168、イッテルビウム‐176、イットリウム‐89、のうち少なくとも1つであってよい。そして、それらのRI原料に中性子束が照射されることで、放射性同位体として、それぞれ、モリブデン‐99、クロム‐51、銅‐64、ジスプロシウム‐165、エルビウム‐169、ホルミウム‐166、ヨウ素-131、イリジウム-192、鉄‐59、ルテチウム‐177、パラジウム‐103、リン‐32、カリウム‐42、レニウム‐186、サマリウム‐153、セレン‐75、ナトリウム‐24、ストロンチウム‐89、イッテルビウム‐169、イッテルビウム‐177、イットリウム‐90、が製造される。
【0021】
(カプセル)
図4は、本実施形態に係るカプセルの模式的な断面図である。
図4に示すように、カプセル12は、RI原料Mが収納されるケース部20と、ケース部20の端部に取り付けられる被連結部22と、ケース部20に接続される連結部24を有する。カプセルユニット10は、1つのカプセル12のケース部20に接続された連結部24が、他のカプセル12の被連結部22にも接続されることで、カプセル12同士が直列で連結されている。なお、本実施形態では、1つのカプセル12において、連結部24は、そのカプセル12の被連結部22に接続されている。すなわち、1つのカプセル12において、連結部24は、被連結部22を介して、ケース部20に接続されている。
【0022】
以下、カプセル12の具体的な構造を説明する。
図5及び
図6は、本実施形態に係るカプセルの模式的な一部断面図である。
【0023】
(ケース部)
図5に示すように、ケース部20は、RI原料Mが収納される収納空間SP1が内部に形成される中空の部材である。ケース部20は、筒部20Aと、蓋部20Bとを有する。筒部20Aは、筒状、ここでは円筒状の部材である。筒部20Aの内周面に囲われる空間が、収納空間SP1となる。蓋部20Bは、筒部20Aの軸方向における一方の端部と他方の端部とに設けられる部材である。蓋部20Bは、筒部20Aの端部に形成される開口を覆うことで、収納空間SP1を閉塞する。蓋部20Bは、本実施形態では円板状の部材であるが、形状はそれに限られず任意であってよい。蓋部20Bは、例えば、表面が筒部20Aの端部に接触した状態で溶接されることで、筒部20Aに対して固定される。この場合例えば、ケース部20の収納空間SP1にRI原料Mを収納した後で、蓋部20Bが筒部20Aに固定されて、収納空間SP1が閉塞される。
【0024】
ケース部20の外径は、カプセル12が挿入される計装管147Aの内径よりも小さく形成されており、例えば4mm以上5mm以下程度となっている。また、ケース部20のX方向に沿った長さは、例えば50mm以上60mm以下程度となっている。X方向は、ケース部20の軸方向である。なお、ケース部20の外径や長さは、以上の数値範囲に限られず、カプセル12が計装管147Aに適切に挿入可能となるように、計装管147Aのレイアウトに応じて任意に設定されてよい。
【0025】
ケース部20は、例えば、アルミニウム、ケイ素、ステンレス鋼などある程度の強度を有する材料で製造されることが好ましいが、それに限られず、任意の材料で製造されてよい。
【0026】
(被連結部)
図5に示すように、被連結部22は、ケース部20のX方向における端部に取り付けられる部材である。被連結部22は、ケース部20に対して固定されている。被連結部22は、ケース部20のX方向における一方側の端部と他方側の端部とのそれぞれに取り付けられる。被連結部22は、ケース部20の端部からX方向に突出する取付部30を含む。取付部30は、表面30B側がケース部20の端部に取り付けられる。表面30Bは、ケース部20の端部に、ここではケース部20の蓋部20Bに、接触している。本実施形態では、表面30Bは、蓋部20Bに合わせて平面形状となっているが、それに限られず、任意の形状であってよい。
【0027】
取付部30は、ケース部20の蓋部20Bに接触する表面30Bから、ケース部20から離れる方向に向かうに従って、外径が小さくなっている。また、取付部30は、先端に向かうに従って外径の減少率が大きくなっている。言い換えれば、取付部30は、X方向において表面30Bと反対側の表面30Aが、放射方向外側に凸となる曲面形状となっており、より具体的には、半球面形状となっている。このように、取付部30は、表面30Aが、エッジを有さない曲面形状となっている。
【0028】
取付部30は、最大外径が、ケース部20の外径以下となっていることが好ましい。取付部30の最大外径がケース部20の外径以下となることで、カプセル12を計装管147A内でスムーズに移動させることができる。
【0029】
取付部30は、内部に空間SP2が形成される中空の部材となっている。また、取付部30は、表面30Aに、空間SP2に連通する開口部30Cが形成されている。開口部30Cは、表面30Aの先端に形成されているが、先端に形成されることに限られない。
【0030】
被連結部22(取付部30)は、溶接によりケース部20に固定されている。被連結部22は、表面30Bがケース部20の端部に接触した状態で、表面30Bの外周部とケース部20の端部の外周部とを溶接することで、ケース部20に固定される。本実施形態では、被連結部22とケース部20の外周部が、周方向の全周にわたって溶接されるため、被連結部22とケース部20との境界箇所において、溶接部Cが周方向の全周にわたって形成されている。ただし、被連結部22とケース部20とは、全周にわたって溶接されることに限られず、例えば周方向に所定の間隔をおいて溶接されてもよい。また、被連結部22とケース部20とは、溶接に限られず、任意の方法で固定されてもよい。
【0031】
被連結部22(取付部30)は、以上説明したような形状となっているが、以上の説明に限られず任意の形状であってよい。また、被連結部22の材料は任意であるが、例えば、ケース部20と同じ材料で製造されてよい。
【0032】
(連結部)
図5に示すように、連結部24は、カプセル12同士を連結する部材である。連結部24は、カプセル12の一方の端部側の被連結部22と、他方の端部側の被連結部22とに、それぞれに設けられている。一方の端部側の被連結部22は、別のカプセル12にも接続されており、他方の端部側の被連結部22は、一方の端部側に接続されている別のカプセル12とは異なるカプセル12に接続されている。なお、カプセルユニット10の先頭または末尾のカプセル12については、一方側の被連結部22にのみ連結部24が接続されており、他方側の被連結部22に連結部24が接続されていなくてもよい。
【0033】
一方の端部側と他方の端部側とのそれぞれの連結部24は、被連結部22に取り付けられているが、ケース部20には直接取り付けられていない。言い換えれば、カプセル12においては、一方の端部側に接続される連結部24と他方の端部側の接続される連結部24とが別部材であり、それぞれの連結部24は、カプセル12(ケース部20及びケース部20の両端部に設けられる被連結部22)の一方の端部から他方の端部までにわたって設けられているわけでなく、カプセル12の一方の端部と他方の端部とのそれぞれに分離されて配置されている。また、カプセル12は、後述するように、被連結部22が他のカプセル12の被連結部22に接触するため、他のカプセル12と接触する部分である被連結部22に、連結部24が接続されているといえる。
【0034】
ここで、連結部24によって連結される一方のカプセル12をカプセル12Aとし、他方のカプセル12をカプセル12Bとする。連結部24は、カプセル12Aの被連結部22と、カプセル12Bの被連結部22とに接続される。連結部24は、連結されるカプセル12同士が相対移動可能となるように、すなわち、カプセル12Bがカプセル12Aに対して移動可能となるように(言い換えればカプセル12Aがカプセル12Bに対して移動可能となるように)、カプセル12Aとカプセル12Bとを連結する。連結部24は、カプセル12Bが、カプセル12Aに対して任意の方向に移動可能となるように、カプセル12Aとカプセル12Bとを連結する。例えば、カプセル12Bは、カプセル12Aに対してカプセル12Aの軸方向に移動可能となるように、カプセル12Aに連結されている。また例えば、カプセル12Aの中心軸を中心軸AXAとし、カプセル12Bの中心軸を中心軸AXBとした場合、カプセル12Bは、中心軸AXBと中心軸AXAとのなす角度が変化可能なように、カプセル12Aに連結されている。
【0035】
(連結部の具体的な構造)
本実施形態に係る連結部24の具体的な構造について説明する。本実施形態に係る連結部24は、一方の端部40Aと、他方の端部40Bと、軸部42とを有する。軸部42は、端部40Aと端部40Bとを接続する軸状の部材である。端部40A及び端部40Bは、軸部42に対して固定されている。端部40A及び端部40Bの、軸部42の軸方向に直交する方向に沿った最大長さを、長さD1とする。端部40A及び端部40Bは、長さD1が、軸部42の軸方向に直交する方向に沿った長さ(外径)D2よりも、長くなるように形成されている。より具体的には、被連結部22の開口部30Cの内径を内径D3とすると、長さD1は、内径D3より長く、長さD2は、内径D3より短くなっている。
【0036】
連結部24は、端部40Aが、カプセル12Aの被連結部22内の空間SP2内に配置されており、端部40Bが、カプセル12Bの被連結部22内の空間SP2内に配置されている。そして、軸部42は、端部40Aとの接続箇所から端部40Bとの接続箇所までにおいて、カプセル12A内の空間SP2から、カプセル12Aの開口部30C及びカプセル12Bの開口部30Cを通って、カプセル12B内の空間SP2まで、延在している。本実施形態の連結部24は、RI原料Mで形成される。
【0037】
連結部24は、このようにしてカプセル12A及びカプセル12Bに取り付けられることで、カプセル12Aとカプセル12Bとが相対移動可能なように、カプセル12Aの被連結部22とカプセル12Bの被連結部22とを連結する。例えば、
図5は、カプセル12Aとカプセル12Bとが軸方向において離れた状態の例を示しており、
図6は、カプセル12Aとカプセル12Bとが軸方向において近接した状態の例を示している。
図5及び
図6は、カプセル12Aとカプセル12Bとが軸方向に沿って相対移動した例を示しているが、上述のように、カプセル12Aとカプセル12Bとは、軸方向以外の任意の方向にも相対移動可能である。
【0038】
(カプセル同士の相対移動)
カプセル12Aとカプセル12Bとは、連結部24で連結されることで、一体で移動可能となっている。例えば、カプセル12Bにカプセル12Aから離れる方向の力(
図5の例では右側)が作用した場合、カプセル12Bは、カプセル12Aから離れる方向(
図5の例では右側)に移動する。この場合、
図5に示すように、連結部24の端部40A、40Bが、カプセル12A、12Bの被連結部22の内面に接触することで、連結部24がカプセル12Aを引っ張って、カプセル12Aにカプセル12Bと同じ方向の力が作用する。これにより、カプセル12Aは、カプセル12Bと同じ方向に(
図5の例では右側に)移動する。このように、連結部24は、カプセル12の被連結部22の内面に接触することでカプセル12を引っ張る。本実施形態に係る連結部24は、端部40Aのカプセル12の被連結部22の内面に接触する面が、被連結部22の内面と同様に球面状となっていることが好ましい。これにより、連結部24は、カプセル12を任意の方向に適切に引っ張ることが可能となる。
【0039】
一方、例えばカプセル12Bにカプセル12Aと近づく方向の力(
図5の例では左側)が作用した場合、カプセル12Bはカプセル12Aに近づく方向(
図5の例では左側)に移動する。この場合、
図6に示すように、カプセル12Bの表面30Aがカプセル12Aの表面に接触して、カプセル12Bがカプセル12Aを押して、カプセル12Aにカプセル12Bと同じ方向の力が作用する。これにより、カプセル12Aは、カプセル12Bと同じ方向に(
図5の例では左側に)移動する。このように、カプセル12は、被連結部22の表面30Aが他方のカプセル12の被連結部22の表面30Aと接触して、他方のカプセル12を押す。被連結部22は、他の被連結部22と接触する表面30Aが球面状となっていることで、他方のカプセル12を任意の方向に適切に押すことが可能となる。
【0040】
(RI原料の形状)
カプセルユニット10は、複数のケース部20の被連結部22が連結部24により接続されることで、複数のカプセル12が直列をなして接続されている。本実施形態にて、複数のケース部20は、それぞれ異なる形状のRI原料Mが収納されている。例えば、カプセル12Aのケース部20は、収納空間SP1に棒形状をなすRI原料M1が収納されている。カプセル12Bのケース部20は、収納空間SP1にタブレット形状をなすRI原料M2が収納されている。カプセル12Aのケース部20に収納された棒形状をなすRI原料M1は、収納空間SP1の形状、つまり、収納空間SP1の内径および軸方向長さとほぼ同様の円柱形状をなしている。一方、カプセル12Bのケース部20に収納されたタブレット形状をなすRI原料M2は、RI原料M1より軸方向長さが短い円柱形状をなしている。すなわち、タブレット形状をなすRI原料M2は、外径が収納空間SP1の形状、つまり、収納空間SP1の内径とほぼ同様の寸法であり、軸方向長さ及び個数が収納空間SP1の形状、つまり、収納空間SP1の軸方向長さとほぼ同様の寸法である。なお、RI原料M2の個数は、収納空間SP1の形状(軸方向長さ)に応じて適宜設定すればよい。
【0041】
また、異なる形状のRI原料Mは、棒形状をなすRI原料M1やタブレット形状をなすRI原料M2に限定されるものではなく、使用する放射性同位体の形状に応じて適宜設定すればよい。そして、カプセルユニット10は、RI原料M1が収納されたカプセル12Aと、RI原料M2が収納されたカプセル12Bが交互に連結される。ただし、カプセルユニット10は、このような配置に限るものではない。例えば、RI原料M1が収納されたカプセル12Aを複数連結した後にRI原料M2が収納されたカプセル12Bを1個または複数連結してもよい。
【0042】
(カプセルユニット)
カプセルユニット10は、カプセル12の被連結部22と他のカプセル12の被連結部22とに連結部24を接続して、カプセル12と他のカプセル12とを連結することで、組み立てられる。カプセルユニット10は、それぞれのカプセル12が連結部24を介して直列に連結されている。カプセルユニット10は、例えばロール状に巻き取られた状態で保管されていてよい。カプセルユニット10は、カプセル12同士を連結部24で連結しているため、適切に巻き取ることが可能となる。なお、カプセルユニット10は、連結される複数のカプセル12のうちの全てにRI原料Mが収納されていることに限られず、少なくとも一部のカプセル12にRI原料Mが収納されていてよい。例えば、先頭のカプセル12Sや末端のカプセル12Tには、RI原料Mが収納されていなくてもよい。この場合、カプセル12S、12Tのケース部20は、中空でなく中実の部材となっていてよい。カプセル12Sや末端のカプセル12TにRI原料Mを収納しないことで、カプセル12S、12Tの破損によるRI原料Mの露出を抑制しつつ、カプセルユニット10を計装管147Aにスムーズに出し入れ可能となる。
【0043】
(挿入機構)
図3に示すように、カプセルユニット10には、挿入機構14が設けられている。挿入機構14は、カプセルユニット10を計装管147A内に挿入するための機構である。挿入機構14は、連結されているカプセル12のうちの、末尾のカプセル12Tの被連結部22に接続されている。より詳しくは、カプセル12Tの一方の被連結部22は、連結部24を介して他のカプセル12に接続されているが、カプセル12Tの他方の被連結部22は、連結部24を介して挿入機構14に接続されている。
【0044】
挿入機構14は、被連結部14aと、軸部14bとを備えている。軸部14bは、軸状の部材であり、被連結部14aは、軸部14bの先端に形成されている。挿入機構14の被連結部14aは、連結部24を介して、カプセル12Tの他方の被連結部22に接続されている。被連結部14aの形状は任意であってよいが、カプセル12の被連結部22と同様の形状であってよい。
【0045】
このような構成の挿入機構14によると、被連結部14aをカプセル12Tの他方の被連結部22に接触させて、被連結部14aを介してカプセル12Tを押すことで、カプセル12Tや連結される他のカプセル12を押して、カプセルユニット10を計装管147A内に押し込むことができる。また、挿入機構14にカプセル12Tから離れる方向側の力を作用させることで、連結部24を介して、カプセル12Tや連結される他のカプセル12を引っ張って、カプセルユニット10を計装管147A内から取り出すことができる。挿入機構14は、例えば作業者が軸部14bを把持して押したり引いたりすることで、カプセルユニット10を計装管147A内に出し入れすることが可能である。ただし、挿入機構14は、手動でなく、例えば駆動機構により動作して、カプセルユニット10を計装管147A内に出し入れしてもよい。
【0046】
なお、挿入機構14の形状は、以上の説明に限られず、任意の形状であってもよい。また、挿入機構14は必須の構成でなく、カプセルユニット10に設けられていなくてもよい。
【0047】
(カプセルユニットの挿入方法及び放射性同位体の製造方法)
次に、カプセルユニット10を計装管147A内に挿入する方法を説明する。
図7及び
図8は、カプセルユニットを計装管内に挿入する方法を説明するための模式図である。
図7に示すように、本実施形態では、カプセルユニット10は、シールテーブル156の上面から突出した計装管147Aの端部の開口から、計装管147A内に、カプセルユニット10を挿入する。具体的には、中性子束検出器が挿入されていないシンブルチューブ151に、カプセルユニット10を挿入する。すなわち、カプセルユニット10は、中性子束検出器用のシンブルチューブ151(計装管147A)に、挿入される。
【0048】
本実施形態では、例えば、カプセルユニット10の末尾のカプセル12T(
図3参照)まで計装管147Aに挿入した状態で、挿入機構14の被連結部14aでカプセル12Tを押して、
図8に示すように、連結されているカプセル12を、原子炉容器101内の所定の位置まで移動させる。カプセル12内のRI原料Mには、中性子束が照射されて、放射性同位体が製造される。放射性同位体が製造されたら、挿入機構14を用いて、カプセルユニット10を計装管147Aから引き出して、カプセル12を回収する。その後、カプセル12のケース部20を切断することで、放射性同位体が取り出される。なお、カプセルユニット10を計装管147Aに挿入している際には、計装管147A内を二酸化炭素雰囲気とすることが好ましい。
【0049】
(効果)
本実施形態に係るカプセルユニット10は、カプセル12の端部に被連結部22を設けて、それぞれのカプセル12の被連結部22を連結部24で接続した構成となっている。これにより、カプセル12同士が、互いに相対移動可能に連結されて、例えば計装管147Aが長く形成されていたり、湾曲して形成されていたりする場合にも、RI原料Mが収納されたカプセルユニット10を適切に計装管147Aに出し入れすることが可能となる。すなわち、カプセル12の被連結部22を連結部24で接続した構成とすることで、カプセルユニット10を計装管147Aでスムーズに移動させるとともに、摩擦などによるカプセルユニット10の破損を抑制することができる。また、連結部24をRI原料で形成することで、カプセル12を連結する機構でも放射性同位体を製造することができる。また、連結部24を、放射性同位体として回収することで、廃棄物を低減することもできる。
【0050】
(カプセルユニットの他の構造例)
なお、カプセルユニット10の構造は以上説明したものに限られない。以下、カプセルユニット10の他の例について説明する。
【0051】
(第1変形例)
図9は、本実施形態に係るカプセルユニットの第1変形例を示す模式図である。
図9に示すように、第1変形例に係るカプセルユニット10aは、カプセル12aの被連結部22と他のカプセル12bの被連結部22とに連結部24を接続して、カプセル12aと他のカプセル12bとを連結することで、複数のカプセル12a,12bが連結部24を介して連結されている。ここで、本実施形態の連結部24は、RI原料で製造されることに限定されない。連結部24は、例えば、アルミニウム、ケイ素、ステンレス鋼などある程度の強度を有する材料で製造されることができる。
【0052】
カプセルユニット10aは、連結部24により連結される複数のケース部20にタブレット形状をなすRI原料M2が収納されている。また、連結部24により連結される複数のケース部20のうちの少なくとも1つのケース部20にダミー原料Nが収納されている。ここでは、ケース部20にRI原料M2が収納されたカプセル12aと、ケース部20にダミー原料Nが収納されたカプセル12bとが交互に連結されている。ここで、ダミー原料とは、RI原料以外の材料であり、放射性同位体を種々の目的で使用する元素以外の材料で形成される。ここで、ダミー原料としては、例えば、アルミニウム、ケイ素、ステンレス鋼や活性炭などの材料を用いることができる。
【0053】
この場合、カプセル12aのケース部20に収納されたRI原料M2は、タブレット形状に限らず、棒形状など他の形状をなすRI原料Mであってもよい。また、ケース部20にRI原料M2が収納されたカプセル12aと、ケース部20にダミー原料Nが収納されたカプセル12bとを交互に連結したが、この構成に限定されない。例えば、ケース部20にRI原料M2が収納されたカプセル12aを複数連結した後、ケース部20にダミー原料Nが収納されたカプセル12bを1個または複数連結してもよい。
【0054】
(第2変形例)
図10は、本実施形態に係るカプセルユニットの第2変形例を示す模式図である。
図10に示すように、第2変形例に係るカプセルユニット10bは、カプセル12aの被連結部22と他のカプセル12cの被連結部22とに連結部24を接続して、カプセル12aと他のカプセル12cとを連結することで、複数のカプセル12a,12cが連結部24を介して連結されている。
【0055】
カプセルユニット10bは、連結部24により連結される複数のケース部20にタブレット形状をなすRI原料M2が収納されている。また、連結部24により連結される複数のケース部20のうちの少なくとも1つのケース部20aが中実形状となっている。中実形状をなすケース部20aとは、ケース部20aにおける収納空間SP1がケース部20aと同様の材料により埋められたものである。ここでは、ケース部20にRI原料M2が収納されたカプセル12aと、ケース部20aが中実形状であるカプセル12cとが交互に連結されている。
【0056】
この場合、カプセル12aのケース部20に収納されたRI原料M2は、タブレット形状に限らず、棒形状など他の形状をなすRI原料Mであってもよい。また、ケース部20にRI原料M2が収納されたカプセル12aと、中実形状をなすケース部20aを有するカプセル12cとを交互に連結したが、この構成に限定されない。例えば、ケース部20にRI原料M2が収納されたカプセル12aを複数連結した後、中実形状をなすケース部20aを有するカプセル12cを1個または複数連結してもよい。
【0057】
なお、ケース部20を中実形状のケース部20aとしたが、別の形状としてもよい。例えば、ケース部20の内部にRI原料Mのチェッカー(検査装置)を収納したカプセル12としたり、ケース部20の外形形状に一部変更して切断時の目印などとしたりしてもよい。すなわち、ケース部20にRI原料M2が収納されたカプセル12aとは別に、ケース部20に別の機能を持たせたカプセル12を接続してもよい。
【0058】
(第3変形例)
図11及び
図12は、本実施形態に係るカプセルユニットの第3変形例を示す模式図である。
図11に示すように、第3変形例に係るカプセルユニット10cは、カプセル12の被連結部22と他のカプセル12の被連結部22とに連結部24aを接続して、カプセル12と他のカプセル12とを連結することで、複数のカプセル12が連結部24aを介して直列に連結されている。
【0059】
カプセルユニット10cは、ケーブル26を有する。ケーブル26は、連結部24aを介してカプセル12が連結されている。連結部24aは、連結ケーブルであり、ケーブル26と同様の材料により形成されている。ケーブル26は、長手方向に所定間隔を空けて連結部24aとしての連結ケーブルの一端部が接続されている。連結部24aとしての連結ケーブルは、一端部がケーブル26に接続され、他端部がカプセル12の被連結部22に接続されている。そのため、複数のカプセル12は、それぞれ連結部24aとしての連結ケーブルを介してケーブル26に長手方向に間隔を空けて連結されている。なお、ケーブル26は、図示しないが先頭のカプセル12Sの被連結部22に接続される。
【0060】
ここで、ケーブル26と連結部(連結ケーブル)24aとの接続部から、連結部(連結ケーブル)24aが接続されていないカプセル12の端部までの長さをL1とする。また、ケーブル26と連結部(連結ケーブル)24aとの接続部から、ケーブル26に次に連結部(連結ケーブル)24aを介して接続されているカプセル12の端部の連結部までの長さをL2とする。そして、長さL1,L2を、L1<L2となる長さに設定する。すると、
図12に示すように、複数のカプセル12は、互いに干渉せずに、ほぼ直線状に配列することが可能となり、カプセルユニット10cを中性子束検出器用のシンブルチューブ151(計装管147A)に容易に挿入することが可能となる。
【0061】
(第4変形例)
図13は、本実施形態に係るカプセルユニットの第4変形例を示す模式図である。
図13に示すように、第4変形例に係るカプセルユニット10dは、カプセル12の側部と他のカプセル12の側部とがケーブル26に接続されることで、複数のカプセル12がケーブル26を介して連結されている。ケーブル26は、長手方向に所定間隔を空けて複数のカプセル12が配置される。複数のカプセル12は、ケース部20の側部がそれぞれケーブル26に長手方向に間隔を空けて連結されている。カプセルユニット10dは、ケーブル26の先頭にカプセル12Sが連結され、ケーブル26のケーブル26に挿入機構14が連結されている。
【0062】
なお、ケーブル26は、連続しており、連続するケーブル26に複数のカプセル12の側部を連結したが、この構成に限定されない。例えば、ケーブル26を不連続な複数のケーブルとし、1本のケーブルにより2つのカプセル12の側部同士を連結してもよい。
【0063】
(第5変形例)
図14及び
図15は、本実施形態に係るカプセルの第5変形例を示す模式図である。
図14に示すように、第5変形例に係るカプセルユニット10eは、カプセル12eと他のカプセル12eのRI原料Mとが連結部24eを介して連結することで、複数のカプセル12eが連結部24eを介して連結されている。
【0064】
カプセル12eは、ケース部20eを有する。ケース部20eは、一端部にRI原料Mを保持する。ケース部20eは、他端部に連結部24eが設けられる。カプセル12eは、ケース部20eに保持されたRI原料Mが、他のカプセル12eのケース部20eに設けられた連結部24eに接続されている。連結部24eは、ケース部20eの他端部に設けられて凹形状なす連結穴である。
【0065】
そのため、
図15に示すように、複数のカプセル12eは、ケース部20eに保持されたRI原料Mが、それぞれ他のカプセル12eのケース部20eに設けられた連結部24eとしての連結穴に挿入されることで、連結されている。
【0066】
なお、複数のカプセル12eは、若干屈曲できるように、RI原料Mの外周面と連結部24eとしての連結穴の内周面に隙間を確保しておくことが好ましい。
【0067】
(効果)
以上説明したように、本開示に係るカプセルユニット10は、放射性同位体の原料であるRI原料Mが収納されるケース部20と、ケース部20の端部に接続される連結部24と、を含むカプセル12を複数有する。連結部24は、他のカプセル12のケース部20に接続されている。本開示に係るカプセルユニット10は、カプセル12同士が連結部24を介して連結されているので、例えば計装管147Aが長く形成されていたり、湾曲して形成されていたりする場合にも、RI原料Mを適切に計装管147Aに挿入することが可能となる。すなわち、カプセル12のケース部20を連結部24で接続した構成とすることで、カプセルユニット10を計装管147Aでスムーズに移動させるとともに、摩擦などによるカプセルユニット10の破損を抑制することができる。
【0068】
また、ケース部20は、端部に取り付けられる被連結部22を有し、連結部24は、被連結部22同士を連結する。本開示に係るカプセルユニット10は、ケース部20被連結部22同士を連結部24により連結することで、例えば計装管147Aが長く形成されていたり、湾曲して形成されていたりする場合にも、RI原料Mを適切に計装管147Aに挿入することが可能となる。
【0069】
また、連結部24は、カプセル12と他のカプセル12とを、相対移動可能に連結する。本開示に係るカプセルユニット10は、カプセル12同士を相対移動可能に連結することで、例えば計装管147Aが長く形成されていたり、湾曲して形成されていたりする場合にも、RI原料Mを適切に計装管147Aに挿入することが可能となる。
【0070】
また、連結部24により連結される複数のケース部20にそれぞれ異なる形状のRI原料Mが収納されている。本開示に係るカプセルユニット10は、放射性同位体の用途に応じて所望の形状のRI原料Mをケース部20に収納することができる。
【0071】
また、複数の異なる形状のRI原料Mは、棒形状をなすRI原料M1と、タブレット形状をなすRI原料M2である。本開示に係るカプセルユニット10は、放射性同位体の用途に応じて棒形状をなすRI原料M1やタブレット形状をなすRI原料M2をケース部20に収納することができる。
【0072】
また、連結部24により連結される複数のケース部20のうちの少なくとも1つのケース部20にダミー原料Nが収納されている。本開示に係るカプセルユニット10は、RI原料Mを所望の配置でケース部20に収納することができる。
【0073】
また、複数のカプセル12の連結部24aがそれぞれ1本のケーブル26に連結されている。本開示に係るカプセルユニット10は、複数のカプセル12をケーブル26により容易に連結することができる。
【0074】
また、複数のカプセル12は、それぞれ連結部24aとしての連結ケーブルを介してケーブル26に長手方向に間隔を空けて連結されている。本開示に係るカプセルユニット10は、複数のカプセル12をケーブル26により容易に連結することができるとともに、適切に計装管147Aに挿入することができる。
【0075】
また、RI原料Mが収納されるケース部20を含むカプセル12を複数有し、複数のカプセル12のケース部20の側部がそれぞれケーブル26に長手方向に間隔を空けて連結されている。本開示に係るカプセルユニット10は、複数のカプセル12をケーブル26に容易に連結することができるとともに、適切に計装管147Aに挿入することが可能となる。
【0076】
また、RI原料Mが保持されるケース部20eと、ケース部20eの端部に設けられる連結部24eとを含むカプセル12eを複数有し、RI原料Mが他のカプセル12eの連結部24eに接続されている。本開示に係るカプセルユニット10は、RI原料Mを保持したカプセル12eを、他のカプセル12eに容易に連結することができる。
【0077】
また、ケース部20eは、一端部にRI原料Mを保持し、他端部に凹形状をなしてRI原料Mが挿入される連結部24eが設けられている。本開示に係るカプセルユニット10は、複数のカプセル12e同士の連結を容易に実施することができる。
【0078】
また、連結される複数のカプセル12のうちの末尾に設けられるカプセル12Tには、他のカプセル12に連結される側とは反対側の被連結部22に、カプセル12を管内に挿入する挿入機構14が、連結部24を介して接続されている。本開示に係るカプセルユニット10によると、挿入機構14を用いることで、カプセル12を適切に計装管147Aに挿入することが可能となる。
【0079】
また、本開示の放射性同位体の製造方法は、RI原料Mが収納されたカプセルユニット10を原子炉容器101に設けられた計装管147Aに挿入することで、RI原料Mに中性子束を照射させて放射性同位体を製造する。この製造方法によると、放射性同位体を好適に製造できる。
【0080】
以上、本開示の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0081】
10 カプセルユニット
12 カプセル
20 ケース部
22 被連結部
24 連結部
26 ケーブル
30 取付部
101 原子炉容器
147A 計装管
M,M1,M2 RI原料