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特許7499162登録支援システム及び登録支援システムのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】登録支援システム及び登録支援システムのプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20240606BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240606BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
H04L12/28 500F
H04Q9/00 301D
H04M11/00 301
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020191188
(22)【出願日】2020-11-17
(65)【公開番号】P2022080167
(43)【公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 航平
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/061517(WO,A1)
【文献】特開2007-133796(JP,A)
【文献】特開2014-230060(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0143355(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
H04Q 9/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末と機器との組み合わせをサーバに登録する作業を支援する登録支援システムにおいて、
狭域通信ネットワークを介して前記サーバに登録することによって前記通信端末による遠隔操作が可能となる未登録の第1機器を検出する検出部と、
前記狭域通信ネットワークを介して前記サーバに接続され前記サーバに既に登録されている第2機器の有無を判断する登録機器判断部と、
前記検出部において検出された前記第1機器の前記サーバへの登録を提案する登録提案情報を報知する報知部とを備え、
前記登録機器判断部が判断した前記第2機器の有無によって前記報知部が報知する内容及び頻度の少なくとも一方を異ならせる登録支援システム。
【請求項2】
前記登録機器判断部において前記第2機器が有ると判断された場合、前記第2機器が無いと判断された場合に比べて、前記報知部は、前記第1機器が前記サーバに登録可能であることを報知する頻度を多く設定する請求項1に記載の登録支援システム。
【請求項3】
前記第1機器と前記検出部との間の通信規格が、前記第2機器と前記サーバとの間の通信規格と異なっている請求項1又は2に記載の登録支援システム。
【請求項4】
前記登録機器判断部において前記第2機器が有ると判断された後に前記第1機器が残存していると、前記報知部は、残存する前記第1機器が前記サーバに登録可能であることを報知する請求項1~3のいずれか1項に記載の登録支援システム。
【請求項5】
前記報知部が前記第2機器に設けられている請求項1~4のいずれか1項に記載の登録支援システム。
【請求項6】
前記報知部が前記第1機器に設けられている請求項1~4のいずれか1項に記載の登録支援システム。
【請求項7】
通信端末と機器との組み合わせをサーバに登録する作業を支援する登録支援システムのプログラムにおいて、
狭域通信ネットワークを介して前記サーバに登録することによって前記通信端末による遠隔操作が可能となる未登録の第1機器を検出する検出部と、
前記狭域通信ネットワークを介して前記サーバに接続され前記サーバに既に登録されている第2機器の有無を判断する登録機器判断部と、
前記検出部において検出された前記第1機器が前記サーバに登録可能であることを報知する報知部とを備え、
前記登録機器判断部が判断した前記第2機器の有無によって前記報知部が報知する内容及び頻度の少なくとも一方を異ならせることをコンピュータによって実現させるための登録支援システムのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、登録支援システム及び登録支援システムのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫や洗濯機やエアコンなどの機器では、PCやスマートフォンなどの通信端末と連携し、通信端末と機器との間で制御データの送受信を行うことで、機器を遠隔操作する技術が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
ユーザが通信端末から機器を遠隔操作するには、予め機器の品番や製造番号等の機器の情報をユーザの情報と関連付けて管理データベースに登録しておく必要があり、ユーザが機器の登録を怠ると機器を遠隔操作することができない。
【0004】
そこで、サーバに登録することによって通信端末による遠隔操作が可能となる未登録の機器を検出すると、この機器を管理データベースへ登録するようにユーザに報知する登録支援システムがある。このような登録支援システムは、通信端末による機器の遠隔操作を希望するユーザにとっては有益なものであるが、これを希望しないユーザにとっては不要な報知が繰り返し行われ、目障りあるいは耳障りに感じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-61131号公報
【文献】特開2017-175670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、上記事情を考慮してなされたものであり、通信端末による機器の遠隔操作を希望するユーザに対して機器の登録を促すことができ、通信端末による機器の遠隔操作を希望しないユーザに対して不要な報知を抑えることができる登録支援システム及び登録支援システムのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態の登録支援システムは、通信端末と機器との組み合わせをサーバに登録する作業を支援する登録支援システムにおいて、狭域通信ネットワークを介して前記サーバに登録することによって前記通信端末による遠隔操作が可能となる未登録の第1機器を検出する検出部と、前記狭域通信ネットワークを介して前記サーバに接続され前記サーバに既に登録されている第2機器の有無を判断する登録機器判断部と、前記検出部において検出された前記第1機器が前記サーバに登録可能であることを報知する報知部とを備え、前記登録機器判断部が判断した前記第2機器の有無によって前記報知部が報知する内容及び頻度の少なくとも一方を異ならせる登録支援システムである。
【0008】
一実施形態の登録支援システムは、通信端末と機器との組み合わせをサーバに登録する作業を支援する登録支援システムのプログラムにおいて、狭域通信ネットワークを介して前記サーバに登録することによって前記通信端末による遠隔操作が可能となる未登録の第1機器を検出する検出部と、前記狭域通信ネットワークを介して前記サーバに接続され前記サーバに既に登録されている第2機器の有無を判断する登録機器判断部と、前記検出部において検出された前記第1機器が前記サーバに登録可能であることを報知する報知部とを備え、前記登録機器判断部が判断した前記第2機器の有無によって前記報知部が報知する内容及び頻度の少なくとも一方を異ならせることをコンピュータによって実現させるための登録支援システムのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る登録支援システムの構成例を示す図
図2】通信端末の構成例を示すブロック図
図3】機器の構成例を示すブロック図
図4】本発明の実施例に係る登録支援システムの制御を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態の登録支援システム及び登録支援システムのプログラムを、図面を参照して説明する。本実施形態の登録支援システムは、通信端末30と機器10との組み合わせをサーバ20に登録する作業を支援するものである。ここでは、図1に示すような家電機器等の機器10を遠隔操作する遠隔操作システムに搭載されている登録支援システムを例に説明する。
【0011】
図1は、本実施形態の登録支援システムが搭載される遠隔操作システムの概略構成を示す図である。遠隔操作システムは、複数の機器10、サーバ20及び通信端末30とを含んで構築されている。
【0012】
この遠隔操作システムでは、サーバ20に通信端末30と機器10との組み合わせが登録(ペアリング)されることで、通信端末30から機器10の遠隔操作が可能となる。
【0013】
機器は、ユーザの宅内50に設置され機器であって、例えば、冷蔵庫10a、オーブンレンジ10b、エアコン10c、テレビ10d、洗濯機10e、扇風機10f等の家電機器がある。なお、以下、冷蔵庫10a、オーブンレンジ10b、エアコン10c、テレビ10d、洗濯機10e及び扇風機10fを総称して機器10ということもある。
【0014】
機器10は、図2に示すように、制御部11と、操作部12と、第1通信部13と、第2通信部14、機器機能部15と、報知部16とを備える。機器10は、操作部12がユーザからの操作入力を受け付けて制御部11に伝達し、これを受け付けた制御部11が、第1通信部13、第2通信部14、機器機能部15、及び報知部16を制御することで、機器10の動作全般を制御する。
【0015】
第1通信部13は、宅内50に整備された無線LAN等の狭域通信ネットワークの中継器40を介してインターネットを含む広域通信ネットワーク42と接続されている。第1通信部13は、広域通信ネットワーク42を介してサーバ20や通信端末30と相互通信を行ったり、無線LANの中継器40を介して複数の機器10の間で相互通信を行う。
【0016】
第2通信部14は、IrDAやBluetooth(登録商標)等の第1通信部13で用いた無線LANと異なる通信規格によって宅内50に設置された複数の機器10の間で相互通信を行う。機器10がペアリングされていない場合、第2通信部14は、ペアリングすることで通信端末30による遠隔操作が可能となる機器であること示す信号を、機器10の動作時に送信する。
【0017】
機器機能部15は、制御部11の指示に応じて当該機器10の装置機能を実行するものである。機器10が冷蔵庫10aであれば機器機能部15は、庫内の冷却等の冷蔵庫10aの運転を実行する。
【0018】
報知部16は、表示装置やスピーカを備え、機器10の動作状態など各種情報を表示したり音声で通知することでユーザに知らせる。
【0019】
サーバ20は、周知のコンピュータシステムにより構成されており、広域通信ネットワーク42および無線LANの中継器40を介して各宅内50に設置され機器10と通信可能となっている。サーバ20は、機器10を操作するために通信端末30と機器10との通信を中継する。
【0020】
通信端末30は、PCやスマートフォンやタブレット端末などであって、広域通信ネットワーク42を介してクラウドサーバ20と接続される。通信端末30と広域通信ネットワーク42におけるインターネットとの間は、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、LTE(Long Term Evolution)や、宅内あるいは公衆のWiFi(登録商標)アクセスポイントなどを介して接続される。
【0021】
なお、機器10と通信端末30とは、無線通信機器であって、宅内50において広域通信ネットワーク62を介することなく中継器40を介して相互に通信可能となる。
【0022】
通信端末30は、機器10を遠隔操作するためのアプリケーションと、通信端末30と機器10との組み合わせをサーバ20に登録する作業を支援ためのアプリケーションがインストールされている。ユーザは、通信端末30においてアプリケーションを起動して、機器10を遠隔操作したり、通信端末30と機器10との組み合わせをサーバ20に登録する。
【0023】
通信端末30は、図3に示すように、当該通信端末30の動作全般を制御する制御部31を主体として構成されている。この制御部31には、表示部32、操作部33、通信部34などが接続されている。表示部32は、例えば液晶パネルや有機EL等といった表示器により構成され、制御部31の指示に応じてユーザに提示するための各種情報を表示する。操作部33は、表示部32の表示画面上に形成されるタッチパネルスイッチや表示部32の周囲に設けられた機械式のスイッチなどで構成され、ユーザからの操作入力を受け付けて制御部31に伝達する。通信部34は、例えば、4Gや、5Gや、LTEや、無線LAN等の規格に従って外部の機器10と無線通信を実現する要素である。
【0024】
また、制御部31は、表示部32、操作部33、通信部34の動作を制御するとともに、機器登録部35と操作設定部36を備える。
【0025】
機器登録部35は、ユーザの通信端末30と遠隔操作を行う機器10との組み合わせをサーバ20に登録する。具体的には、機器登録部35は、ユーザの指示を受けて、通信端末30のMACアドレス(Media Access Control adress)等のアドレス情報を通信部34からサーバ20へ送信する。また、機器登録部35は、通信端末30のアドレス情報と、機器10の第1通信部13よりサーバ20へ送信された機器10のMACアドレス等のアドレス情報とを紐付けるとともに、ユーザのアカウントに対応づけて登録するようにサーバ20に要求する。
【0026】
操作設定部36は、操作部33からユーザが選択した機能を命じる信号を、通信部34を介してペアリングされた機器10へ送信し、機器10にユーザが選択した機能を実行させる。
【0027】
以上のような遠隔操作システムにおいて、機器10の制御部11は、検出部17、登録機器判断部18及び報知制御部19を備える。検出部17、登録機器判断部18及び報知制御部19は、通信端末30と機器10との組み合わせをサーバ20に登録する作業を支援する登録支援システムを構成する。
【0028】
なお、検出部17、登録機器判断部18及び報知制御部19は、宅内50に設置された任意の機器10に設けることができるが、常時、電源が供給されている機器に設けられていることが好ましい。一例として、検出部17、登録機器判断部18及び報知制御部19が冷蔵庫10aの制御部11に設けられている。
【0029】
検出部17は、通信端末30とペアリングされていない未登録の機器10であって、ユーザの宅内50の狭域通信ネットワーク及び広域通信ネットワーク42を介してサーバ20に登録することによって、通信端末30による遠隔操作が可能となる機器10(以下、このような機器を「未登録機器」ということもある)を検出する。
【0030】
つまり、宅内50に設置された複数の機器10のうちの1つ(例えば、冷蔵庫10a)に設けられた検出部17が、同じ宅内50にある他の機器10(例えば、オーブンレンジ10b、エアコン10c、テレビ10d、洗濯機10e、扇風機10f)の中から、宅内50に設置されている狭域通信ネットワークを介してサーバ20に登録可能であるにも関わらす登録されていない未登録機器(例えば、オーブンレンジ10b)を検出する。
【0031】
具体的には、未登録機器が動作すると当該未登録機器は、第2通信部14からIrDAやBluetooth(登録商標)等の狭域通信ネットワークと異なる通信規格を使って、ペアリングすることで通信端末30による遠隔操作が可能となること示す信号を送信する。検出部17は、当該信号を未登録機器から受信することで、宅内50に未登録機器が存在することを検出する。
【0032】
検出部17による未登録機器の検出方法は、上記以外にも、例えば、検出部17が、宅内50の中継器40にアクセスして機器検索を実行させ、狭域通信ネットワークに接続されている未登録機器を検出してもよい。
【0033】
また、検出部17は、検出した未登録機器のうち、これまでに検出したことのない未登録機器があれば、そのような未登録機器を宅内50に新たに設置された未登録機器として検出する。例えば、検出部17は、所定時間ごとに宅内50にある未登録機器を繰り返し検索し、前回の検索において未登録機器が検出されず、今回の検索において未登録機器が検出されると、当該未登録機器を宅内50に新たに設置された未登録機器として検出する。
【0034】
そして、検出部17は、未登録機器及び新たに設置された未登録機器に関する検出結果を記憶する。
【0035】
登録機器判断部18は、ユーザの宅内50の狭域通信ネットワーク及び広域通信ネットワーク42を介してサーバ20に接続されており、既にユーザの通信端末30とペアリングが完了している機器(以下、このような機器を「登録済み機器」ということもある)の有無をサーバ20に問い合わせ、登録済み機器の有無を判断する。なお、登録済み機器は、検出部17、登録機器判断部18及び報知制御部19を備える機器(ここでは、冷蔵庫10a)に限られず、宅内50に設置され通信端末30とペアリングが完了している機器10であれば任意の機器であってもよい。
【0036】
報知制御部19は、機器10の報知部16が有する表示装置やスピーカを使って、未登録機器がサーバ20に登録可能であることや、未登録機器をサーバ20に登録することで通信端末30から遠隔操作可能になること等、ユーザに未登録機器のサーバ20への登録を提案する情報(以下、この情報を「登録提案情報」ということもある)をユーザに報知する。
【0037】
報知制御部19は、登録機器判断部18が判断した登録済み機器の有無に応じて、機器10の報知部16がユーザに報知する内容及び頻度を変化させる。
【0038】
ユーザに登録提案情報を報知する頻度を変化させる例としては、登録機器判断部18が宅内50に登録済み機器が存在すると判断した場合、報知制御部19は報知部16から登録提案情報をユーザに報知し、登録済み機器が存在しないと判断した場合、報知制御部19は報知部16から登録提案情報をユーザに報知しないこととすることができる。
【0039】
ユーザに登録提案情報を報知する頻度を変化させる他の例としては、登録機器判断部18が宅内50に登録済み機器が存在すると判断した場合、報知制御部19はユーザが未登録機器をサーバ20に登録するまで所定時間t1が経過する毎に報知部16から登録提案情報をユーザに報知し、登録済み機器が存在しないと判断した場合、報知制御部19は検出部17が未登録機器を検出した後に1度だけ報知部16から登録提案情報をユーザに報知したり、ユーザが未登録機器をサーバ20に登録するまで上記所定時間t1より長い所定時間t2が経過する毎に報知部16から登録提案情報をユーザに報知したりすることができる。
【0040】
また、ユーザに報知する登録提案情報の内容を変化させる例としては、登録機器判断部18が宅内50に登録済み機器が存在すると判断した場合、報知制御部19は、未登録機器を登録することで当該未登録機器と登録済み機器とを組み合わせた制御によって実現可能となる機能を説明する登録提案情報を報知部16からユーザに報知し、登録済み機器が存在しないと判断した場合、未登録機器をサーバ20に登録することで実現可能となる機能の説明や未登録機器をサーバ20に登録するための手順を登録提案情報として報知部16からユーザに報知することができる。
【0041】
なお、報知制御部19は、報知制御部19が設けられた機器10aの報知部16以外にも、未登録機器の報知部16や、その他の機器10c,10d,10e,10fの報知部16に対して登録提案情報を報知させることができ、宅内50に設置された任意の機器10の報知部16に対して登録提案情報を報知させることができる。また、報知制御部19は、機器10の報知部16とともに、あるいは機器10の報知部16に代えて通信端末30の表示部32に登録提案情報を報知してもよい。
【0042】
報知制御部19が設けられた機器10a以外の機器10b、10c,10d,10e,10fの報知部16に対して、報知制御部19が登録提案情報を報知させる場合、第1通信部13から狭域通信ネットワークを用いて登録提案情報を送信したり、第2通信部14からIrDAやBluetooth(登録商標)等の第1通信部13と異なる通信規格を用いて登録提案情報を送信したりすることができる。
【0043】
以上のような本実施形態の登録支援システムでは、登録機器判断部18が判断した登録済み機器の有無によって、報知部16がユーザに報知する内容及び頻度を変化させる。そのため、遠隔操作システムを利用しているユーザに対して未登録機器が宅内50に存在することを知らせて未登録機器の登録を促すことができるとともに、遠隔操作システムの利用を希望しないユーザに対して不要な通知を抑えることができたり、遠隔操作システムの利用状況に応じた情報をユーザに提案することができる。
【0044】
また、本実施形態では、未登録機器と検出部17が設けられた機器10aとの間の通信規格が、登録済み機とサーバ20とを接続する狭域通信ネットワークの通信規格と異なるため、未登録機器が狭域通信ネットワークに接続することができない状態であっても、検出部17が設けられた機器10aと未登録機器との間で通信が可能となり未登録機器を検出することができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0046】
上記した実施形態では、登録支援システムを構成する検出部17、登録機器判断部18及び報知制御部19を宅内50に設置された機器10に設ける場合について説明したが、機器10に代えてサーバ20や通信端末30に設けてもよい。
【0047】
また、電子機器10、サーバ20、及び通信端末30の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路のようなハードウェアによって実現してもよく、CPU(Central Processing Unit)を用いたソフトウェアによって実現してもよい。CPUを用いた
ソフトウェアによって実現する場合、機器10、サーバ20、通信端末30は、各機能を実現するプログラムを実行するCPUや、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)や、上記プログラムを展開するRAM(RandomAccess Memory)や、上記プログラムおよび各種データを格納する記憶装置(記録媒体)などを備えている。
【0048】
本実施形態では、上述した機能を実現するソフトウェア、つまり、機器10、サーバ20、通信端末30の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録媒体に記録し、当該記録媒体を機器10、サーバ20、通信端末30に供給し、各コンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、上記した登録支援システムを達成可能である。
【0049】
また、機器10、サーバ20、通信端末30を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。
(実施例)
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。本実施例では、宅内50に未登録機器がある場合の上記登録支援システムの動作について、図4を参照して説明する。
【0050】
登録支援システムでは、まず、宅内50に設置されている機器10に設けられた検出部17が、宅内50に未登録機器が存在するか否か判断する(ステップS1)。未登録機器が存在する場合(ステップS1のYes)、検出部17は、宅内50に新たな未登録機器が設置されたか否か判断する(ステップS2)。未登録機器が存在しない場合(ステップS1のNo)、登録支援システムの動作を終了する。
【0051】
そして、宅内50に新たな未登録機器が設置されたことを検出部17において検出すると(ステップS2のYes)、ステップS3へ進み、登録機器判断部18が、宅内50に登録済み機器が存在するか否か判断する。
【0052】
そして、登録済み機器が存在する場合(ステップS3のYes)、ステップS4へ進み、報知制御部19が報知部16から新たな未登録機器について登録提案情報を報知する。また、登録済み機器が存在しない場合(ステップS3のNo)、登録支援システムの動作を終了する。
【0053】
報知部16からユーザに報知する登録提案情報としては、ステップS1において検出した未登録機器の種類や、ステップS3において検出した登録済み機器の種類によらず、報知部16から同じ登録提案情報を報知してもよく、また、未登録機器や登録済み機器の種類によって報知部16から異なる登録提案情報を報知してもよい。
【0054】
未登録機器や登録済み機器の種類によって報知部16から異なる登録提案情報を報知する場合として、未登録機器を登録することで当該未登録機器と登録済み機器とを組み合わせた制御によって実現可能となる機能を説明する登録提案情報を報知してもよい。
【0055】
例えば、宅内50に登録済み機器として冷蔵庫10aが存在し、宅内50にオーブンレンジ10bが未登録機器として新たに設置された場合、登録提案情報として「オーブンレンジを登録しませんか?レシピ連携ができます。レンジのレシピと連携して買い物リストに追加したり、冷蔵庫の在庫食材からのレシピ提案等ができます。」と報知することができる。
【0056】
また、宅内50に登録済み機器としてオーブンレンジ10bが存在し、宅内50に冷蔵庫10aが未登録機器として新たに設置された場合、登録提案情報として「冷蔵庫を登録しませんか?食材管理機能を利用することができます。オーブンレンジのレシピと連携して買い物リストに追加したり、レンジのレシピと連携して買い物リストに追加したり、冷蔵庫の在庫食材からのレシピ提案等ができます。」と報知することができる。
【0057】
また、宅内50に登録済み機器としてエアコン10cが存在し、宅内50に扇風機10fが未登録機器として新たに設置された場合、登録提案情報として「扇風機を登録しませんか?エアコンと連携して効率的な室温管理ができます。」と報知することができる。
【0058】
また、宅内50に登録済み機器としてエアコン10cが存在し、宅内50に別のエアコン10cが未登録機器として新たに設置された場合、登録提案情報として「新たに設置したエアコンも登録しませんか?複数のエアコンを登録すると一括制御ができます」と報知することができる。
【0059】
また、宅内50に登録済み機器としてテレビ10dが存在し、宅内50にオーブンレンジ10bが未登録機器として新たに設置された場合、登録提案情報として「オーブンレンジを登録しませんか?テレビと連携してレシピ動画等のコンテンツが利用できます。」と報知することができる。
【0060】
また、宅内50に登録済み機器として洗濯機10eが存在し、宅内50にエアコン10cが未登録機器として新たに設置された場合、登録提案情報として「エアコンを登録しませんか?洗濯機と連携して雨の多い季節でも最適な部屋干しのお手伝いができます。」と報知することができる。
【0061】
また、宅内50に新たな未登録機器が設置されたことを検出しない場合(ステップS2のNo)、ステップS5へ進み、登録機器判断部18が、宅内50に登録済み機器が存在するか否か判断する。
【0062】
登録済み機器が存在する場合(ステップS5のYes)、ステップS6へ進み、検出部17が宅内50に未登録機器が存在するか否か判断し、未登録機器が宅内50にあれば、ステップS7へ進み、報知制御部19が報知部16から登録提案情報を報知する。つまり、宅内50に存在する機器10の中の少なくとも1つの機器10がサーバ20に登録されたが、未登録機器が宅内50に残存する場合、ステップS7へ進み、報知制御部19が報知部16から残存する未登録機器について登録提案情報を報知する。なお、この時、報知部16から報知する登録提案情報は、ステップS4において報知部16から報知する登録提案情報と同じ内容であっても、異なる内容であってもよい。
【0063】
また、登録済み機器が存在しない場合(ステップS5のNo)や、宅内50に未登録機器が残っていない場合(ステップS6のNo)、登録支援システムの動作を終了する。
【0064】
そして、登録支援システムの動作の終了後、所定時間が経過すると再びステップS1を開始して上記制御を繰り返す。
【0065】
本実施例では、登録済み機器が存在する宅内50に新たな未登録機器が設置されると、ステップS4において登録提案情報を報知部16から報知する。そのため、宅内50に登録済み機器が存在し、既に遠隔操作システムを利用しているユーザに対して、新たに宅内50に追加した未登録機器も遠隔操作システムに追加できることを報知することができる。
【0066】
また、宅内50に存在する機器10の中の少なくとも1つの機器10がサーバ20に登録されたが、未登録機器が宅内50に残っていると、ステップS7において宅内50に残っている未登録機器に関する登録提案情報を報知部16から報知する。そのため、ユーザが1つの機器10を登録した時に、宅内50にある他の未登録機器も遠隔操作システムに追加可能であることを報知することができ、ユーザが宅内50にある未登録機器をまとめて登録することができる。
【0067】
一方、宅内50に登録済み機器が存在しないユーザに対しては、報知部16から登録提案情報を報知することなく本制御を終了するため、登録提案情報の報知が繰り返しおこなわれることがなく、本登録支援システムに対してユーザが不快に感じることを低減することができる。
【0068】
なお、上記した本実施例では、図4のステップS3及びステップS6において、登録機器判断部18が宅内50に登録済み機器が存在しないと判断すると、登録提案情報を報知することなく登録支援システムの動作を終了する場合について説明した。本実施例では、例えば、新たに宅内50に追加した未登録機器について、1度だけ登録提案情報を報知したり、宅内50に登録済み機器が存在する場合に登録提案情報を繰り返し報知する周期より長い周期で登録提案情報を報知するなど、宅内50に登録済み機器が存在しない場合であっても、登録済み機器が存在する場合より登録提案情報を報知する頻度を少なくしてこれを報知してもよい。
【0069】
また、上記した本実施例では、宅内50に登録済み機器が存在する場合と存在しない場合とで、登録提案情報を報知する頻度が異なることとともに、あるいは登録提案情報を報知する頻度が異なることに代えて、報知する登録提案情報が異なってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…遠隔操作システム、10…機器、11…制御部、12…操作部、13…第1通信部、14…第2通信部、15…機器機能部、16…報知部 、17…検出部、18…登録機器判断部、19…報知制御部、20…サーバ、30…通信端末、31…制御装置、32…表示部、33…操作部、34…通信部、35…機器登録部、36…操作設定部、40…中継器、42…広域通信ネットワーク、50…宅内
図1
図2
図3
図4