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特許7499163貯水型側溝およびそれを用いた貯水型側溝設備
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  • 特許-貯水型側溝およびそれを用いた貯水型側溝設備 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】貯水型側溝およびそれを用いた貯水型側溝設備
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/04 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
E03F5/04 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020191351
(22)【出願日】2020-11-18
(65)【公開番号】P2022080350
(43)【公開日】2022-05-30
【審査請求日】2023-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000230836
【氏名又は名称】日本興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多田 綾夫
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真一郎
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-213778(JP,A)
【文献】特開2011-247014(JP,A)
【文献】実開平06-027981(JP,U)
【文献】登録実用新案第3004656(JP,U)
【文献】実開平02-148085(JP,U)
【文献】特開平10-121555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 1/00 - 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水型側溝を複数個連設した側溝連設体により構成された貯水型側溝設備であって、
前記貯水型側溝は、
断面U字形のU字側溝体と上蓋とで断面四角形に形成されており、
前記U字側溝体は、内部が雨水を貯める貯槽であって、内寸高さが600mmから2100mmであり内寸幅が600mmから1000mmであり、
前記上蓋には雨水を落下させる通水孔が形成されており、
前記側溝連設体の一端と他端には、遮水壁が立設され、前記一端の遮水壁には排水口が形成されており、
前記複数個の貯水型側溝のうち1個の貯水型側溝については、上蓋に管理口が形成されている
ことを特徴とする貯水型側溝設備。
【請求項2】
前記側溝連設体は、該側溝連設体の底板部上において、連設方向に間隔をあけて複数枚の隔壁が立設されたものである
ことを特徴とする請求項記載の貯水型側溝設備。
【請求項3】
前記側溝連設体は、該側溝連設体の底板部が連設方向における他端から一端に向けて下向きに傾斜している
ことを特徴とする請求項2記載の貯水型側溝設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯水型側溝およびそれを用いた貯水型側溝設備に関する。さらに詳しくは、本発明は、道路等に沿って配置され豪雨時に雨水を貯留できる貯水型側溝およびそれを用いた貯水型側溝設備に関する。
【背景技術】
【0002】
雨天時や台風時に発生する路面上の雨水を逃がすための側溝に関しては、特許文献1~3の従来技術がある。
特許文献1の従来技術は、道路面の側縁に沿って連続的に透水性側溝を設け、かつ透水性側溝の間に間隔をあけて雨水貯留・浸透桝を設けたものである。この従来技術では、雨水貯留・浸透桝の設置数が道路の全長のうち部分的にならざるをえないので、雨水の貯留量が少ないという欠点がある。したがって、通常の雨天時には支障ないが豪雨時には路面上に雨水があふれ出す欠点がある。
【0003】
特許文献2の従来技術は、道路面の側縁に通常用いられる排水専用の側溝を備えており、この側溝に道路側溝用集水桝を付設し、さらに道路側溝用集水桝に対して流入管を介して貯留浸透用集水桝を接続している。この従来技術では、道路側溝用集水桝と貯留浸透用集水桝に雨水を貯めることができる。
しかし、通常の排水専用側溝の側方に道路側溝用集水桝と貯留浸透用集水桝を土中に施工しなければならないので工数が大きくなるし、設備も大がかりなものとなる。また貯留浸透用集水桝は地盤が水はけの悪い粘土質の場合は、槽内の雨水を排出できないので豪雨時には路面上に雨水があふれ出す欠点がある。しかも粘土質地盤に排出が行われると地盤強度が低下するので予め地盤改良しておく等の手間がかかる。
【0004】
特許文献3の従来技術は、道路面の側縁に設けた通常用いられる排水専用の側溝の下方に浸透貯留槽を設置したものである。
この側溝に集められた雨水は、側溝の底壁を通して浸透貯留槽に集められる。浸透貯留槽に貯められた雨水は徐々に地中に浸透して放出される。
この従来技術では、地盤が水はけの悪い粘土質の場合は、槽内の雨水を排出できないので豪雨時には路面上に雨水があふれ出す欠点がある。しかも粘土質地盤に排出が行われると地盤強度が低下するので予め地盤改良しておく等の手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-16988号公報
【文献】特開2011-202472号公報
【文献】特開2008-163637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、設備が簡単で施工も容易であり、雨水の貯水量を大きくとれる貯水型側溝およびそれを用いた貯水型側溝設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明の貯水型側溝設備は、貯水型側溝を複数個連設した側溝連設体により構成された貯水型側溝設備であって、前記貯水型側溝は、断面U字形のU字側溝体と上蓋とで断面四角形に形成されており、前記U字側溝体は、内部が雨水を貯める貯槽であって、内寸高さが600mmから2100mmであり内寸幅が600mmから1000mmであり、前記上蓋には雨水を落下させる通水孔が形成されており、前記側溝連設体の一端と他端には、遮水壁が立設され、前記一端の遮水壁には排水口が形成されており、前記複数個の貯水型側溝のうち1個の貯水型側溝については、上蓋に管理口が形成されていることを特徴とする
第2発明の貯水型側溝設備は、第発明において、前記側溝連設体は、該側溝連設体の底板部上において、連設方向に間隔をあけて複数枚の隔壁が立設されたものであることを特徴とする。
発明の貯水型側溝設備は、第2発明において、前記側溝連設体は、該側溝連設体の底板部が連設方向における他端から一端に向けて下向きに傾斜していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1発明によれば、つぎの効果を奏する。
a)雨水は上蓋の通水孔を通って下方に落下しU字側溝体の内部である貯槽に貯えるので、豪雨時でも道路面を冠水させることはない。
b)U字側溝体は内寸高さが600mmから2100mmあって上下寸法が長いので貯水量を大きくすることができる。
c)貯水型側溝を複数個連設したことにより、貯槽内の貯水量を大きくすることができる。また、連設する貯水型側溝の連設数は任意であるので、連設数を少なくして小型の設備にしたり、連設数を多くして大型で大量の貯水が可能な設備にすることができる。
d)側溝連設体の両端に遮水壁が配置されていることにより、貯槽内が密閉され雨水を洩れ出さないように貯えることができる。さらに、貯槽内に貯えた雨水は地中に浸透させないので、粘土質の地盤にも施工できる。
e)U字側溝体は寸法が上下に長いものの構成部材は通常の排水専用側溝と同じ部品点数なので構造が簡単であり、施工も地盤を深く掘削する以外は通常の排水専用側溝の場合と同様なので施工工数は少なくてすむ。
f)複数の貯水型側溝のうち1個の貯水型側溝の上蓋には管理口が形成されているので、管理口を用いて貯水型側溝設備全体の保守点検が行える。
発明によれば、底板部が傾斜しているので、貯水型側溝設備を地盤上に水平に設置した場合でも、貯槽内の雨水の排水を完全に行える。
発明によれば、貯槽内が複数枚の隔壁で仕切られているので、貯水型側溝設備を地盤上に傾斜させて設置した場合でも、雨水の貯水量を多くできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る貯水型側溝の斜視図である。
図2図1の貯水型側溝の施工状態を示す断面図である。
図3】本発明に係る貯水型側溝設備の第1実施形態の施工例を示す平面図および長手方向縦断面図である。
図4】本発明に係る貯水型側溝設備の第2実施形態の施工例を示す長手方向断面図である。
図5】本発明に係る貯水型側溝設備の第3実施形態の施工例を示す長手方向断面図である。
図6】本発明に係る貯水型側溝設備の第4実施形態の施工例を示す長手方向断面図である。
図7】本発明に係る貯水型側溝設備の通常降雨時の貯水量を示す短手方向断面図である。
図8】本発明に係る貯水型側溝設備の計画豪雨時の貯水量を示す短手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明における貯水型側溝設備GEは、側溝連設体GSとその両端に立設された遮水壁10,11とからなり、側溝連設体GSは複数個を連設した貯水型側溝Gからなる。
【0011】
(貯水型側溝G)
まず、貯水型側溝Gの単体を図1に基づき説明する。
貯水型側溝Gは、U字側溝体1とその上面にのせる上蓋2とからなる。
U字側溝体1は、底板3とこの底板3の両側縁から上方に向け立ち上る2枚の側板4,4とからなり、コンクリート製の一体構成物である。底板3には、複数の開口7が形成されている。開口7は底板3の幅方向の中央位置において、長手方向に間隔をあけて4個が形成されている。この開口7は後述するコンクリート基礎21に接触するようコンクリートを充満させるために設けられている。
上蓋2は、平板状の蓋体5に通水孔6を形成して構成されたコンクリート構成物である。
【0012】
上記の基本構成は、通常用いられる排水専用側溝と変わらないが、本発明に特徴的なのはU字側溝体1の上下寸法が長いことである。
本発明の貯水型側溝GにおけるU字側溝体1の内寸高さは、通常用いられる排水専用側溝におけるU字側溝体の外寸高さの1.5~3倍とされ、代表的には約2倍とされる。したがって、通常用いられる排水専用側溝におけるU字側溝体の内寸高さが300mmから1000mmであるので、本発明におけるU字側溝体の内寸高さhは、450mmから3000mmとされ、代表的には500mmから2100mmとされる。ただし、これらの寸法に制約されるものではない。
なお、U字側溝体1の内寸幅wは600mmから1000mmが代表的であるが、この寸法幅に制限はない。
【0013】
上蓋2の形状と寸法にとくに制限はなく、U字側溝体1の寸法に合わせておけばよい。ただし、雨水を通過させる通水孔6は必要である。通水孔6は、雨水をU字側溝体1に落し込むことができればよく、その形状、寸法、形成位置および形成数は任意である。
【0014】
(側溝連設体GS)
図2は、貯水型側溝Gを道路面の側縁に沿って設置した状態を示している。同図において、rwは自動車が走行する道路面であり、fpは人が走行する歩道である。
貯水型側溝Gは、道路面rwの側縁に沿って配置されるのが代表的な設置例である。貯水型側溝Gの配置数は1個でもよく、2個以上の複数であってもよい。図2では3個の貯水型側溝Gが示されているが、設置数の上限に制限はない。図示のように、貯水型側溝Gを複数個連設したものを側溝連設体GSという。
【0015】
側溝連設体GSは、土中に設けた基礎20の上に設置される。基礎20はコンクリートを打設したコンクリート基礎21とその下面に置かれた基礎砕石22とからなる。
側溝連設体GSがコンクリート基礎21の上面に置かれた状態で、各貯水型側溝Gの底板3の上にはコンクリートが後打ちで打設され、後打ちコンクリート底9が形成されている。底板3と後打ちコンクリート底9とで、特許請求の範囲にいう底板部が構成される。後打ちコンクリートの一部は図1に示す開口7にも充満してコンクリート基礎21と一体化する。
【0016】
(貯水型側溝設備GE)
貯水型側溝設備GEは、側溝連設体GSとその両端に立設された遮水壁10,11とからなる。図2では後述する一端側の遮水壁10のみ示しているが、図3では両端の遮水壁10,11を示している。
【0017】
以下、貯水型側溝設備GEの第1実施形態から第4実施形態を説明する。なお、第1実施形態から第4実施形態の貯水型側溝設備に、それぞれGEa、GEb、GEcおよびGEdの符号を割り当てるが、全実施形態を総称するときは、符号GEを用いる。図3では、貯水型側溝設備GEaの長手方向断面図のほかに上蓋2を示す平面図も示しているが、図4から図6では平面図は省略している。
【0018】
(第1実施形態)
図3は、第1実施形態の貯水型側溝設備GEaを示している。
この貯水型側溝設備GEaは、5個の貯水型側溝Gを連設して構成されている。5個の貯水型側溝GにおいてU字側溝体1は共通した構成のものである。上蓋2は、5個のうち4個が細長い通水孔6をもつものであり、1個が通水孔兼用の管理口8を形成したものである。
【0019】
5個の貯水型側溝Gを連設した側溝連設体GSの両端には、遮水壁10,11が立設されている。一端側の遮水壁10は、U字側溝体1の端面を覆う大きさと形状のコンクリート板である。ただし、その高さはU字側溝体1より少し低い高さとなっている。他端側の遮水壁11は、遮水壁10と同じく、U字側溝体1の端面を覆う大きさと形状のコンクリート板であり、その高さはU字側溝体1より少し高く上蓋2の上端に届くようになっている。
一端の遮水壁10には、接続口12が形成されている。接続口12には適宜の排水管(図示省略)が接続され、この排水管は雨水の排出先である河川等まで導かれる。なお、排水管の途中にはポンプ等が介装されることもある。
【0020】
貯水型側溝設備GEaは、水平な地盤上に水平に設置されている。
各貯水型側溝Gの底板3の上面には既述の後打ちコンクリート底9が形成されている。この後打ちコンクリート底9の厚さは均一なので、後打ちコンクリート底9の上面は水平である。そして、各貯水型側溝Gの底板3は同じ厚さであり、これを5個連設した側溝連設体GSの全ての底板部も水平である。
【0021】
本実施形態の貯水型側溝設備GEaにおいて、上蓋2の通水孔6および管理口8から落下した雨水WはU字側溝体1で構成した槽内に貯えられる。雨水Wを貯える上限は遮水壁10の上限位置となる。この貯水型側溝設備GEaでは、雨水Wの貯水量が多いので、豪雨時でも道路面等を冠水させることはない。
槽内に貯えられた雨水Wは、一端側の遮水壁10に連結された排水管で外部に排出される。ここでいう外部とは、河川などである。
【0022】
図4は、第2実施形態の貯水型側溝設備GEbを示している。
この貯水型側溝設備GEbでは、底板部の上面が連設方向における他端から一端に向けて下向きに傾斜している。図4に示す5個の貯水型側溝Gのうち、各底板3の厚さは均一であるが、その上面に打設した後打ちコンクリート底9は一端(図中左端)から他端(図中右端)にかけて、厚くなる方向に変化している。
【0023】
この結果、側溝連設体GSの連設方向における他端から一端に向けて下向きに傾斜した緩いスロープが後打ちコンクリート底9によって形成されている。
この実施形態であると、貯えられた雨水Wの全量が一端側の接続口12を介して外部に排出されやすくなる。この貯水型側溝設備GEbでは、雨水Wの貯水量が多いので豪雨時でも道路面等を冠水させることはない。
【0024】
図5は、第3実施形態の貯水型側溝設備GEcを示している。
この貯水型側溝設備GEcでは、水平線HLに対し傾斜した傾斜地盤gに側溝連設体GSを傾斜させて設置したものである。その余の構成は、第1実施形態の貯水型側溝設備GEaと同様である。この貯水型側溝設備GEcにおいても、雨水の貯水量は多いのであるが、水平線HLに対して持ち上っている他端側の貯水型側溝Gは傾斜度合いに応じて貯水量は少なくなる。
【0025】
図6は、第4実施形態の貯水型側溝設備GEdを示している。
この貯水型側溝設備GEdでは、水平線HLに対し傾斜した傾斜地盤gに側溝連設体GSを傾斜させて設置したものである。このように傾斜させると他端側に至るほど貯槽内への雨水の貯水量が少なくなるが、その問題を解決するため、隔壁13が用いられている。
【0026】
すなわち、本実施形態では、各側溝連設体GSの底板部上において、連設方向に間隔をあけて複数枚の隔壁13が立設されている。
図示の実施形態では、一端側の貯水型側溝Gを除き、他の4個の貯水型側溝Gには、各底板3上に隔壁13を立設している。各隔壁13はU字側溝体1の内部断面と同じ形状と寸法のコンクリート板であり、下端には底板3に形成された開口7に嵌る突起が形成されている。
その突起を開口7に挿入した状態で、底板3の上面にコンクリートを打設して後打ちコンクリート底9を形成すると、各隔壁13はU字側溝体1内に固定される。
【0027】
前記各隔壁13の下方部分には、雨水を移動させる通水口14が形成されている。この実施形態であると、4枚の隔壁13で区切られた貯槽毎に隔壁13の上端まで雨水Wが貯えられるので、貯水量を多くできる。
【0028】
つぎに、上記各実施形態に共通する雨水の貯留状態を説明する。図7は、第1実施形態の貯水型側溝設備GEaにおける通常降雨時の貯水状態を示し、図8は計画豪雨時の貯水状態を示している。両図面の符号(A)、(B)、(C)は図3に示す矢視A、矢視B、矢視Cに対応する。
【0029】
通常降雨時は、図7に示すように、U字側溝体1内の貯槽の底に少量の雨水が貯えられる。この少量の雨水も必要に応じ接続口12を介して外部に排出すればよい。
計画豪雨時には、図8に示すように、U字側溝体1内の貯槽一杯に大量の雨水が貯えられる。この大量の雨水を貯えることにより、道路面の冠水を防止したり、住宅地での浸水を防止することができる。
雨水の貯水量が限界に達すると、接続口12に接続された排水管で近くの河川へ放流できる。また、排水管にポンプなどを介装しておけば、強制排水も可能である。
【0030】
上記した雨水の貯水排水機能は、第2実施形態から第4実施形態の貯水型側溝設備GEb、GEc、GEdにおいても基本的に同様である。
なお、第3実施形態の貯水型側溝設備GEcよりも第4実施形態の貯水型側溝設備GEdが貯水量を多く確保できることは、既述のとおりである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
上記実施形態は、自動車道路の側縁に貯水型側溝設備GEを設置したものであったが、自動車用以外の道路面の側縁に沿って貯水型側溝設備GEを設置したものも本発明に含まれる。
また、本発明の貯水型側溝設備GEは、道路面の側縁だけでなく、歩車道境界ブロックを用いた縁石や車道の中央分離帯の下方空間にも設置することができる。
しかも、貯水型側溝Gを多数連設して道路等に沿って長く延びる貯水型側溝設備GEを構成することも容易である。
【符号の説明】
【0032】
1 U字側溝体
2 上蓋
3 底板
4 側板
5 蓋体
6 通水孔
8 管理口
9 後打ちコンクリート底
10 遮水壁
11 遮水壁
G 貯水型側溝
GS 側溝連設体
GE 貯水型側溝設備
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8