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特許7499165手数料計上データ生成装置、手数料計上データ生成方法および手数料計上データ生成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】手数料計上データ生成装置、手数料計上データ生成方法および手数料計上データ生成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240606BHJP
   G06Q 40/12 20230101ALI20240606BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240606BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q40/12
G06Q30/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020196042
(22)【出願日】2020-11-26
(65)【公開番号】P2022084284
(43)【公開日】2022-06-07
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓介
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 有弐
(72)【発明者】
【氏名】岸山 千智
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-169976(JP,A)
【文献】特開2001-228983(JP,A)
【文献】特開2009-53822(JP,A)
【文献】特開2020-154918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える手数料計上データ生成装置であって、
前記制御部は、
取引先の現場を識別するための現場識別データと、前記取引先との契約を識別するための契約識別データと、前記取引先に対して納品する商品を識別するための商品識別データと、前記商品の売上単価および仕入単価と、手数料毎に設定される前記手数料の発生有無を識別するための区分と、を含む商品データから、売上登録および仕入登録を行うための画面である売上仕入登録画面において入力された現場識別データ、契約識別データおよび商品識別データと紐づく単価および前記手数料であって発生有の前記区分が設定されているものを取得する売上単価等取得手段と、
前記現場識別データと、前記契約識別データと、前記手数料を識別するための手数料識別データと、前記手数料の単価である手数料単価と、を含む手数料データから、前記入力された現場識別データおよび契約識別データと紐づき、かつ、前記売上単価等取得手段で取得した前記手数料についての手数料識別データおよび手数料単価を取得する手数料単価等取得手段と、
前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記入力された商品識別データと、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の売上数および前記売上単価等取得手段で取得した前記売上単価に基づいて算出した売上金額と、を含む売上データを生成する売上データ生成手段と、
前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記入力された商品識別データと、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の仕入数および前記売上単価等取得手段で取得した前記仕入単価に基づいて算出した仕入金額と、を含む仕入データを生成する仕入データ生成手段と、
前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記手数料単価等取得手段で取得した前記手数料識別データと、前記入力された前記商品の前記数および前記手数料単価等取得手段で取得した前記手数料単価に基づいて算出して計上した手数料額と、を含む手数料計上データを生成する手数料計上データ生成手段と、
を備えること、
を特徴とする手数料計上データ生成装置。
【請求項2】
前記手数料単価が前記売上登録および前記仕入登録の後に決定したために未計上となっていた前記手数料についても、当該決定のタイミングで前記手数料計上データを生成可能であり、
前記手数料計上データ生成手段は、前記未計上となっていた前記手数料の計上を指示するための画面からの前記指示を契機として、前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記手数料単価等取得手段で取得した前記手数料識別データと、前記入力された前記商品の前記数および前記手数料データに設定された前記決定後の前記手数料単価に基づいて算出して計上した手数料額と、を含む前記手数料計上データを生成すること、
を特徴とする請求項1に記載の手数料計上データ生成装置。
【請求項3】
制御部を備える情報処理装置で実行される手数料計上データ生成方法であって、
前記制御部で実行される、
取引先の現場を識別するための現場識別データと、前記取引先との契約を識別するための契約識別データと、前記取引先に対して納品する商品を識別するための商品識別データと、前記商品の売上単価および仕入単価と、手数料毎に設定される前記手数料の発生有無を識別するための区分と、を含む商品データから、売上登録および仕入登録を行うための画面である売上仕入登録画面において入力された現場識別データ、契約識別データおよび商品識別データと紐づく単価および前記手数料であって発生有の前記区分が設定されているものを取得する売上単価等取得ステップと、
前記現場識別データと、前記契約識別データと、前記手数料を識別するための手数料識別データと、前記手数料の単価である手数料単価と、を含む手数料データから、前記入力された現場識別データおよび契約識別データと紐づき、かつ、前記売上単価等取得ステップで取得した前記手数料についての手数料識別データおよび手数料単価を取得する手数料単価等取得ステップと、
前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記入力された商品識別データと、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の売上数および前記売上単価等取得ステップで取得した前記売上単価に基づいて算出した売上金額と、を含む売上データを生成する売上データ生成ステップと、
前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記入力された商品識別データと、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の仕入数および前記売上単価等取得ステップで取得した前記仕入単価に基づいて算出した仕入金額と、を含む仕入データを生成する仕入データ生成ステップと、
前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記手数料単価等取得ステップで取得した前記手数料識別データと、前記入力された前記商品の前記数および前記手数料単価等取得ステップで取得した前記手数料単価に基づいて算出して計上した手数料額と、を含む手数料計上データを生成する手数料計上データ生成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする手数料計上データ生成方法。
【請求項4】
制御部を備える情報処理装置に実行させるための手数料計上データ生成プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
取引先の現場を識別するための現場識別データと、前記取引先との契約を識別するための契約識別データと、前記取引先に対して納品する商品を識別するための商品識別データと、前記商品の売上単価および仕入単価と、手数料毎に設定される前記手数料の発生有無を識別するための区分と、を含む商品データから、売上登録および仕入登録を行うための画面である売上仕入登録画面において入力された現場識別データ、契約識別データおよび商品識別データと紐づく単価および前記手数料であって発生有の前記区分が設定されているものを取得する売上単価等取得ステップと、
前記現場識別データと、前記契約識別データと、前記手数料を識別するための手数料識別データと、前記手数料の単価である手数料単価と、を含む手数料データから、前記入力された現場識別データおよび契約識別データと紐づき、かつ、前記売上単価等取得ステップで取得した前記手数料についての手数料識別データおよび手数料単価を取得する手数料単価等取得ステップと、
前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記入力された商品識別データと、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の売上数および前記売上単価等取得ステップで取得した前記売上単価に基づいて算出した売上金額と、を含む売上データを生成する売上データ生成ステップと、
前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記入力された商品識別データと、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の仕入数および前記売上単価等取得ステップで取得した前記仕入単価に基づいて算出した仕入金額と、を含む仕入データを生成する仕入データ生成ステップと、
前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記手数料単価等取得ステップで取得した前記手数料識別データと、前記入力された前記商品の前記数および前記手数料単価等取得ステップで取得した前記手数料単価に基づいて算出して計上した手数料額と、を含む手数料計上データを生成する手数料計上データ生成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする手数料計上データ生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手数料計上データ生成装置、手数料計上データ生成方法および手数料計上データ生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建設発生土の流通情報管理と運用システムが開示されており(特許文献1の0007段落参照)、当該システムにおいては、情報管理者が管理情報の運用において利用者からシステム利用料、あるいは土砂の取り扱い状況に応じて情報斡旋手数料を徴収することが開示されている(特許文献1の0008段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-21130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のような建設・工事業界等では、従来においては、商品の取引に伴う売上および仕入の登録と、商品の取引に伴い発生する各種手数料と、は別々に管理していたため、非常に業務効率が悪かった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、売上登録および仕入登録と同時に、手数料の計上も行うことができる手数料計上データ生成装置、手数料計上データ生成方法および手数料計上データ生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る手数料計上データ生成装置は、制御部を備える手数料計上データ生成装置であって、前記制御部が、取引先の現場を識別するための現場識別データと、前記取引先との契約を識別するための契約識別データと、前記取引先に対して納品する商品を識別するための商品識別データと、前記商品の売上単価および仕入単価と、手数料毎に設定される前記手数料の発生有無を識別するための区分と、を含む商品データから、売上登録および仕入登録を行うための画面である売上仕入登録画面において入力された現場識別データ、契約識別データおよび商品識別データと紐づく単価および前記手数料であって発生有の前記区分が設定されているものを取得する売上単価等取得手段と、前記現場識別データと、前記契約識別データと、前記手数料を識別するための手数料識別データと、前記手数料の単価である手数料単価と、を含む手数料データから、前記入力された現場識別データおよび契約識別データと紐づき、かつ、前記売上単価等取得手段で取得した前記手数料についての手数料識別データおよび手数料単価を取得する手数料単価等取得手段と、前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記入力された商品識別データと、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の売上数および前記売上単価等取得手段で取得した前記売上単価に基づいて算出した売上金額と、を含む売上データを生成する売上データ生成手段と、前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記入力された商品識別データと、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の仕入数および前記売上単価等取得手段で取得した前記仕入単価に基づいて算出した仕入金額と、を含む仕入データを生成する仕入データ生成手段と、前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記手数料単価等取得手段で取得した前記手数料識別データと、前記入力された前記商品の前記数および前記手数料単価等取得手段で取得した前記手数料単価に基づいて算出して計上した手数料額と、を含む手数料計上データを生成する手数料計上データ生成手段と、を備えること、を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る手数料計上データ生成装置は、前記手数料単価が前記売上登録および前記仕入登録の後に決定したために未計上となっていた前記手数料についても、当該決定のタイミングで前記手数料計上データを生成可能であり、前記手数料計上データ生成手段が、前記未計上となっていた前記手数料の計上を指示するための画面からの前記指示を契機として、前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記手数料単価等取得手段で取得した前記手数料識別データと、前記入力された前記商品の前記数および前記手数料データに設定された前記決定後の前記手数料単価に基づいて算出して計上した手数料額と、を含む前記手数料計上データを生成すること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る手数料計上データ生成方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される手数料計上データ生成方法であって、前記制御部で実行される、取引先の現場を識別するための現場識別データと、前記取引先との契約を識別するための契約識別データと、前記取引先に対して納品する商品を識別するための商品識別データと、前記商品の売上単価および仕入単価と、手数料毎に設定される前記手数料の発生有無を識別するための区分と、を含む商品データから、売上登録および仕入登録を行うための画面である売上仕入登録画面において入力された現場識別データ、契約識別データおよび商品識別データと紐づく単価および前記手数料であって発生有の前記区分が設定されているものを取得する売上単価等取得ステップと、前記現場識別データと、前記契約識別データと、前記手数料を識別するための手数料識別データと、前記手数料の単価である手数料単価と、を含む手数料データから、前記入力された現場識別データおよび契約識別データと紐づき、かつ、前記売上単価等取得ステップで取得した前記手数料についての手数料識別データおよび手数料単価を取得する手数料単価等取得ステップと、前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記入力された商品識別データと、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の売上数および前記売上単価等取得ステップで取得した前記売上単価に基づいて算出した売上金額と、を含む売上データを生成する売上データ生成ステップと、前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記入力された商品識別データと、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の仕入数および前記売上単価等取得ステップで取得した前記仕入単価に基づいて算出した仕入金額と、を含む仕入データを生成する仕入データ生成ステップと、前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記手数料単価等取得ステップで取得した前記手数料識別データと、前記入力された前記商品の前記数および前記手数料単価等取得ステップで取得した前記手数料単価に基づいて算出して計上した手数料額と、を含む手数料計上データを生成する手数料計上データ生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る手数料計上データ生成プログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるための手数料計上データ生成プログラムであって、前記制御部に実行させるための、取引先の現場を識別するための現場識別データと、前記取引先との契約を識別するための契約識別データと、前記取引先に対して納品する商品を識別するための商品識別データと、前記商品の売上単価および仕入単価と、手数料毎に設定される前記手数料の発生有無を識別するための区分と、を含む商品データから、売上登録および仕入登録を行うための画面である売上仕入登録画面において入力された現場識別データ、契約識別データおよび商品識別データと紐づく単価および前記手数料であって発生有の前記区分が設定されているものを取得する売上単価等取得ステップと、前記現場識別データと、前記契約識別データと、前記手数料を識別するための手数料識別データと、前記手数料の単価である手数料単価と、を含む手数料データから、前記入力された現場識別データおよび契約識別データと紐づき、かつ、前記売上単価等取得ステップで取得した前記手数料についての手数料識別データおよび手数料単価を取得する手数料単価等取得ステップと、前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記入力された商品識別データと、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の売上数および前記売上単価等取得ステップで取得した前記売上単価に基づいて算出した売上金額と、を含む売上データを生成する売上データ生成ステップと、前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記入力された商品識別データと、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の仕入数および前記売上単価等取得ステップで取得した前記仕入単価に基づいて算出した仕入金額と、を含む仕入データを生成する仕入データ生成ステップと、前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記手数料単価等取得ステップで取得した前記手数料識別データと、前記入力された前記商品の前記数および前記手数料単価等取得ステップで取得した前記手数料単価に基づいて算出して計上した手数料額と、を含む手数料計上データを生成する手数料計上データ生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、売上登録および仕入登録と同時に、手数料の計上も行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、手数料計上データ生成装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、生コン取引における商流の一例を示す図である。
図3図3は、各データの関係を示すツリー構造の一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態に係る処理により生成されるデータ一覧の一例を示す図である。
図5図5は、現場データ、契約データおよび商品データの一例を示す図である。
図6図6は、受取手数料データおよび支払手数料データの一例を示す図である。
図7図7は、売上仕入登録処理画面の一例を示す図である。
図8図8は、売上データ、仕入データ、受取手数料計上データおよび支払手数料計上データの一例を示す図である。
図9図9は、未決単価が決定して決定後の単価が設定された受取手数料データの一例を示す図である。
図10図10は、手数料自動計上処理画面の一例を示す図である。
図11図11は、決定後の単価に基づいて新たに生成した明細を追加した受取手数料計上データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る手数料計上データ生成装置、手数料計上データ生成方法および手数料計上データ生成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[1.概要]
生コン・セメント取引を行う業界等においては、生コン・セメントを使用する現場(売上先)および仕入先との売買取引だけではなく、協同組合や生コン工場(プラント)との手数料の管理が必要となる。図2に、生コン取引における商流の一例を示している。
【0014】
(1)ここで、従来においては、現場(売上先)と仕入先の直送売買取引と各手数料を別々に管理および入力する必要があった。例えば、取引先との各手数料は、手書きの台帳等により別で管理していた。しかしながら、この運用だと、業務が煩雑であり各手数料の入力漏れも生じていた。このため、1回の出荷に際して、複数の取引先に対して発生する各手数料を同時に管理できる機能が求められていた。
【0015】
そこで、本実施形態においては、例えば、現場ごとの取引契約にて、商品の出荷に際して発生する各種手数料(販売手数料、協力金および運賃等)の取引先、発生手数料および手数料単価を同時に管理できるようにした。具体的には、生コン・セメントの出荷実績を元に売上仕入登録を行うが、売上仕入登録を行った際に、同時に手数料を自動で計上できるようにした。なお、手数料単価が未決の際には手数料は計上されない。
【0016】
(2)また、従来においては、手数料の単価の交渉に時間がかかった等の理由により手数料単価が未決のものに対しては、手数料単価が決定後に、手数料未計上分の出荷済データを探し、手入力する必要があった。しかしながら、この運用だと、業務が煩雑であり各手数料の入力漏れも生じていた。このため、手数料単価の交渉により決定した後に手数料のみを別途計上できる機能が求められていた。
【0017】
そこで、本実施形態においては、例えば、手数料単価が決まった後、手数料の自動計上処理を行うことで、未計上分の手数料を計上できるようにした。
【0018】
以上、(1)および(2)により、事務作業効率の向上および手数料の計上漏れの防止を実現することができた。なお、本実施形態においては、同一の取引先に対して、債権・債務が発生した際は相殺も可能である。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0019】
[2.構成]
本実施形態に係る手数料計上データ生成装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、手数料計上データ生成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
手数料計上データ生成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、手数料計上データ生成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0021】
手数料計上データ生成装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。手数料計上データ生成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、手数料計上データ生成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、手数料計上データ生成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0023】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0024】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0025】
記憶部106は、例えば、現場データ106aと、契約データ106bと、商品データ106cと、手数料データとしての受取手数料データ106dおよび支払手数料データ106eと、売上データ106fと、仕入データ106gと、手数料計上データとしての受取手数料計上データ106hおよび支払手数料計上データ106iと、を備えている。
【0026】
各データは、図3に示すツリー構造の関係となっている。また、詳細は以下の[3.処理の具体例]で説明するが、現場データ106a、契約データ106b、商品データ106c、受取手数料データ106dおよび支払手数料データ106eは、契約登録処理により生成され、売上データ106f、仕入データ106g、受取手数料計上データ106hおよび支払手数料計上データ106iは、売上仕入登録処理により生成され、受取手数料計上データ106hおよび支払手数料計上データ106iは、手数料自動計上処理により更新される。
【0027】
現場データ106aは、現場コード、現場名、現場住所、現場電話番号、工期および協同組合等を管理するためのデータである。現場データ106aは、図5に示すように、例えば、取引先の現場を識別するための現場識別データ(現場コードおよび現場名)と、現場住所と、現場電話番号と、工期と、協同組合と、等を含む。
【0028】
契約データ106bは、商品取引先(得意先および仕入先等)ならびに決済条件(締日、サイトおよび決済方法等)等を管理するためのデータである。契約データ106bは、図5に示すように、例えば、前記現場識別データ(現場コード)と、前記取引先との契約を識別するための契約識別データ(契約枝番)と、得意先を識別するための得意先識別データ(得意先コードおよび得意先名)と、仕入先を識別するための仕入先識別データ(仕入先コードおよび仕入先名)と、回収締日、回収月と、回収日と、回収方法と、支払締日と、支払月と、支払日と、支払方法と、等を含む。
【0029】
商品データ106cは、商品コード、商品名、契約数、売上単価、仕入単価および手数料発生等を管理するためのデータである。商品データ106cは、図5に示すように、例えば、前記現場識別データ(現場コード)と、前記契約識別データ(契約枝番)と、前記取引先に対して納品する商品を識別するための商品識別データ(商品行No、商品コードおよび商品名)と、契約数と、前記商品の売上単価と、前記商品の仕入単価と、手数料毎に設定される前記手数料の発生有無を識別するための区分(受手1発生~支手10発生)と、等を含む。
【0030】
前記手数料は、仕入先から前記商品を仕入れて前記取引先に前記商品を納品するまでの一連の商流において発生する手数料であれば如何なるものであってもよいが、例えば、前記商品が出荷(販売)された際に同時に発生する手数料である。具体的には、前記手数料の一例としては、受取販売手数料、販売事業協力金、支払販売手数料および運賃等が挙げられる。前記手数料は、自社が払う金額と自社が受け取る金額のいずれであってもよい。
【0031】
前記区分としては、発生有の区分(図5の商品データ106cにおける受手1発生~支手10発生のマス目中の「〇」)または発生無の区分(図5の商品データ106cにおける受手1発生~支手10発生のマス目中の空白)が挙げられる。例えば、図5の商品データ106cの例では、現場コードGB0001の契約枝番1の商品行No1の商品「生コンクリート」に対しては、受取手数料1「受取販売手数料」、受取手数料2「販売事業協力金」および支払手数料1「支払販売手数料」が発生する旨が設定されている。また、現場コードGB0001の契約枝番2の商品行No1の商品「生コンクリート」に対しては、受取手数料1「受取販売手数料」および支払手数料1「支払販売手数料」が発生する旨が設定されている。
【0032】
受取手数料データ106dは、受取手数料取引先(得意先)、決済条件(締日、サイトおよび決済方法等)ならびに手数料単価等を管理するためのデータである。手数料の仕入先としては、商品の得意先、商社および協同組合等が挙げられる。受取手数料データ106dは、図6に示すように、例えば、前記現場識別データ(現場コード)と、前記契約識別データ(契約枝番)と、前記手数料を識別するための手数料識別データ(受取手数料行No、手数料コードおよび手数料名)と、前記得意先識別データ(得意先コードおよび得意先名)と、前記手数料の単価である手数料単価(売上単価)と、回収締日と、回収月と、回収日と、回収方法と、手数料開始年月と、等を含む。
【0033】
支払手数料データ106eは、支払手数料取引先(仕入先)、決済条件(締日、サイトおよび決済方法等)ならびに手数料単価等を管理するためのデータである。手数料の仕入先としては、商品の仕入先、生コン工場、協同組合および運送会社等が挙げられる。支払手数料データ106eは、図6に示すように、例えば、前記現場識別データ(現場コード)と、前記契約識別データ(契約枝番)と、前記手数料識別データ(支払手数料行No、手数料コードおよび手数料名)と、前記仕入先識別データ(仕入先コードおよび仕入先名)と、前記手数料単価(仕入単価)と、支払締日と、支払月と、支払日と、支払方法と、手数料開始年月と、等を含む。
【0034】
受取手数料データ106dおよび支払手数料データ106eにおいて、前記手数料単価は、前記取引先との交渉により、前記商品の取引後に決定されるものであってもよい。例えば、図6の受取手数料データ106dの例では、現場コードGB0001の契約枝番1の受取手数料行No2「販売事業協力金」については、前記手数料単価が当初未決であるため、売上単価および手数料開始年月の列が空欄で設定されている。一方で、図9の受取手数料データ106dの例では、現場コードGB0001の契約枝番1の受取手数料行No2「販売事業協力金」について前記手数料単価が決定したため、売上単価および手数料開始年月の列には、それぞれ、ハッチングで示すように300円および2020/9が設定されている。
【0035】
売上データ106fは、図8に示すように、例えば、取引番号と、売上番号と、前記現場識別データ(現場コード)と、前記契約識別データ(契約枝番)と、前記商品識別データ(商品行No、商品コードおよび商品名)と、売上日と、前記得意先識別データ(得意先コードおよび得意先名)と、回収予定日と、回収方法と、前記商品の売上数と、前記商品の売上単価と、前記商品の売上金額と、等を含む。
【0036】
仕入データ106gは、図8に示すように、例えば、前記取引番号と、仕入番号と、前記現場識別データ(現場コード)と、前記契約識別データ(契約枝番)と、前記商品識別データ(商品行No、商品コードおよび商品名)と、仕入日と、前記仕入先識別データ(仕入先コードおよび仕入先名)と、支払予定日と、回収方法と、前記商品の仕入数と、前記商品の仕入単価と、前記商品の仕入金額と、等を含む。
【0037】
受取手数料計上データ106hは、図8に示すように、例えば、前記取引番号と、受取手数料番号と、前記現場識別データ(現場コード)と、前記契約識別データ(契約枝番)と、前記手数料識別データ(受取手数料行No、手数料コードおよび手数料名)と、計上日と、前記得意先識別データ(得意先コードおよび得意先名)と、回収予定日と、前記回収方法と、前記売上数と、前記手数料単価(売上単価)と、手数料額(売上金額)と、等を含む。
【0038】
支払手数料計上データ106iは、図8に示すように、例えば、前記取引番号と、支払手数料番号と、前記現場識別データ(現場コード)と、前記契約識別データ(契約枝番)と、前記手数料識別データ(支払手数料行No、手数料コードおよび手数料名)と、計上日と、前記仕入先識別データ(仕入先コードおよび仕入先名)と、支払予定日と、回収方法と、前記仕入数と、前記手数料単価(仕入単価)と、前記手数料額(仕入金額)と、等を含む。
【0039】
制御部102は、手数料計上データ生成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0040】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)取引先の現場を識別するための現場識別データと、前記取引先との契約を識別するための契約識別データと、前記取引先に対して納品する商品を識別するための商品識別データと、前記商品の売上単価および仕入単価と、手数料毎に設定される前記手数料の発生有無を識別するための区分と、を含む商品データから、売上登録および仕入登録を行うための画面である売上仕入登録画面において入力された現場識別データ、契約識別データおよび商品識別データと紐づく単価および前記手数料であって発生有の前記区分が設定されているものを取得する売上単価等取得手段としての売上単価等取得部102aと、(2)前記現場識別データと、前記契約識別データと、前記手数料を識別するための手数料識別データと、前記手数料の単価である手数料単価と、を含む手数料データから、前記入力された現場識別データおよび契約識別データと紐づき、かつ、前記売上単価等取得手段で取得した前記手数料についての手数料識別データおよび手数料単価を取得する手数料単価等取得手段としての手数料単価等取得部102bと、(3)前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記入力された商品識別データと、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の売上数および前記売上単価等取得手段で取得した前記売上単価に基づいて算出した売上金額と、を含む売上データを生成する売上データ生成手段としての売上データ生成部102cと、(4)前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記入力された商品識別データと、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の仕入数および前記売上単価等取得手段で取得した前記仕入単価に基づいて算出した仕入金額と、を含む仕入データを生成する仕入データ生成手段としての仕入データ生成部102dと、(5)前記入力された現場識別データと、前記入力された契約識別データと、前記手数料単価等取得手段で取得した前記手数料識別データと、前記入力された前記商品の前記数および前記手数料単価等取得手段で取得した前記手数料単価に基づいて算出して計上した手数料額と、を含む手数料計上データを生成する手数料計上データ生成手段としての手数料計上データ生成部102eと、を備えている。
【0041】
売上単価等取得部102aは、前記現場識別データ(現場コード)と、前記契約識別データ(契約枝番)と、前記商品識別データ(商品コード)と、前記売上単価および前記仕入単価と、前記区分と、を含む商品データ106cから、売上仕入登録画面(図7参照)入力された現場識別データ(現場コード)、契約識別データ(契約枝番)および商品識別データ(商品コード)と紐づく単価および前記手数料であって発生有の前記区分(「〇」)が設定されているものを取得する。
【0042】
手数料単価等取得部102bは、前記現場識別データ(現場コード)と、前記契約識別データ(契約枝番)と、前記手数料を識別するための手数料識別データ(手数料コード)と、前記手数料の単価である手数料単価と、を含む前記手数料データ(受取手数料データ106dおよび支払手数料データ106e)から、前記入力された現場識別データ(現場コード)および契約識別データ(契約枝番)と紐づき、かつ、売上単価等取得部102aで取得した前記手数料についての手数料識別データ(手数料コード)および手数料単価を取得する。
【0043】
売上データ生成部102cは、前記入力された現場識別データ(現場コード)と、前記入力された契約識別データ(契約枝番)と、前記入力された商品識別データ(商品コード)と、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の売上数および売上単価等取得部102aで取得した前記売上単価に基づいて算出した売上金額と、を含む売上データ106fを生成する。
【0044】
仕入データ生成部102dは、前記入力された現場識別データ(現場コード)と、前記入力された契約識別データ(契約枝番)と、前記入力された商品識別データ(商品コード)と、前記売上仕入登録画面において入力された前記商品の仕入数および売上単価等取得部102aで取得した前記仕入単価に基づいて算出した仕入金額と、を含む仕入データ106gを生成する。
【0045】
手数料計上データ生成部102eは、前記入力された現場識別データ(現場コード)と、前記入力された契約識別データ(契約枝番)と、手数料単価等取得部102bで取得した前記手数料識別データ(手数料コード)と、前記入力された前記商品の前記数および手数料単価等取得部102bで取得した前記手数料単価に基づいて算出して計上した手数料額と、を含む前記手数料計上データ(受取手数料計上データ106hおよび支払手数料計上データ106i)を生成する。
【0046】
手数料計上データ生成部102eは、前記手数料単価が前記売上登録および前記仕入登録の後に決定したために未計上となっていた前記手数料についても、当該決定のタイミングで前記手数料計上データを生成することができる。この場合、手数料計上データ生成部102eは、前記入力された現場識別データ(現場コード)と、前記入力された契約識別データ(契約枝番)と、手数料単価等取得部102bで取得した前記手数料識別データ(手数料コード)と、前記入力された前記商品の前記数および前記手数料データ(受取手数料データ106dおよび支払手数料データ106e)に設定された前記決定後の前記手数料単価に基づいて算出して計上した手数料額と、を含む前記手数料計上データ(受取手数料計上データ106hおよび支払手数料計上データ106i)を生成する。
【0047】
[3.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例を説明する。
【0048】
[3-1.契約登録処理]
まず、取引先との商品情報の売買の契約を行った際に、図5および図6に示すように、契約登録処理により、契約情報が登録される。すなわち、現場データ106a、契約データ106bおよび商品データ106cは、図5に示す内容で登録される。また、受取手数料データ106dおよび支払手数料データ106eは、図6に示す内容で登録される。
【0049】
[3-2.売上仕入登録処理]
続いて、図7の売上仕入登録処理画面において売上および仕入の登録が行われることにより、売上データ106fおよび仕入データ106gが生成される。この際に、受取手数料計上データ106hおよび支払手数料計上データ106iも同時に生成される。以下、具体的に説明する。
【0050】
まず、図7の売上仕入登録処理画面において、計上日として「2020/9/10」が入力され、現場コードとして「GB0001」が入力され、契約枝番として「1」が入力され、商品行1(商品:生コンクリート)の売上数および仕入数として「400」が入力され、商品行2(商品:袋セメント)の売上数および仕入数として「200」が入力された上で、画面右下の「登録」ボタンが押下される。当該押下がされると、以下の(1)~(5)の処理が実行される。
【0051】
(1)売上単価等取得処理
売上単価等取得部102aは、図5の商品データ106cから、前記入力された現場コード「GB0001」、契約枝番「1」および商品行1(商品:生コンクリート)と紐づく売上単価および仕入単価として、それぞれ、1,800円および1,900円を取得する。また、売上単価等取得部102aは、図5の商品データ106cから、前記入力された現場コード「GB0001」、契約枝番「1」および商品行1(商品:生コンクリート)と紐づく前記手数料として、「〇」が付された手数料、すなわち、受取手数料1、受取手数料2および支払手数料1を取得する。
【0052】
同様に、売上単価等取得部102aは、図5の商品データ106cから、前記入力された現場コード「GB0001」、契約枝番「1」および商品行2(商品:袋セメント)と紐づく売上単価および仕入単価として、それぞれ、900円および950円を取得する。一方で、図5の商品データ106cを参照すると、現場コード「GB0001」、契約枝番「1」および商品行2(商品:袋セメント)の行には「〇」が付された手数料が存在しないため、売上単価等取得部102aは、現場コード「GB0001」、契約枝番「1」および商品行2(商品:袋セメント)については手数料を取得しない。
【0053】
(2)手数料単価等取得処理
次に、手数料単価等取得部102bは、図6の受取手数料データ106dまたは支払手数料データ106eから、前記入力された現場コード「GB0001」および契約枝番「1」と紐づき、かつ、(1)において売上単価等取得部102aで取得した手数料についての手数料名および手数料単価を取得する。
【0054】
具体的には、手数料単価等取得部102bは、図6の受取手数料データ106dから、前記入力された現場コード「GB0001」および契約枝番「1」と紐づき、かつ、(1)において取得した受取手数料1(受取手数料行No1に対応)についての手数料名「受取販売手数料」および受取手数料単価「500円」を取得する。一方で、図6の受取手数料データ106dを参照すると、前記入力された現場コード「GB0001」および契約枝番「1」と紐づき、かつ、(1)において取得した受取手数料1(受取手数料行No2に対応)と紐づく受取手数料単価は、空白である(すなわち、単価未決である)ため、手数料単価等取得部102bは、手数料名「販売事業協力金」の取得は行うが、受取手数料単価の取得は行わない。
【0055】
同様に、手数料単価等取得部102bは、図6の支払手数料データ106eから、前記入力された現場コード「GB0001」および契約枝番「1」と紐づき、かつ、(1)において
取得した支払手数料1(支払手数料行No1に対応)についての手数料名「支払販売手数料」および支払手数料単価「400円」を取得する。
【0056】
(3)売上データ生成処理
次に、売上データ生成部102cは、商品行1(商品:生コンクリート)についての売上明細データおよび商品行2(商品:袋セメント)についての売上明細データを含む図8の売上データ106fを生成する。商品行1(商品:生コンクリート)についての売上明細データは、図8に示すように、前記入力された現場コード「GB0001」と、前記入力された契約枝番「1」と、前記入力された商品行1(商品:生コンクリート)と、前記入力された売上数400および(1)で取得した売上単価1,800円に基づいて算出した売上金額「720,000円」と、等を含む。また、商品行2(商品:袋セメント)についての売上明細データは、図8に示すように、前記入力された現場コード「GB0001」と、前記入力された契約枝番「1」と、前記入力された商品行2(商品:袋セメント)と、前記入力された売上数200および(1)で取得した売上単価900円に基づいて算出した売上金額「180,000円」と、等を含む。
【0057】
(4)仕入データ生成処理
同様に、仕入データ生成部102dは、商品行1(商品:生コンクリート)についての仕入明細データおよび商品行2(商品:袋セメント)についての仕入明細データを含む図8の仕入データ106gを生成する。商品行1(商品:生コンクリート)についての仕入明細データは、図8に示すように、前記入力された現場コード「GB0001」と、前記入力された契約枝番「1」と、前記入力された商品行1(商品:生コンクリート)と、前記入力された仕入数400および(1)で取得した仕入単価1,900円に基づいて算出した仕入金額「760,000円」と、等を含む。また、商品行2(商品:袋セメント)についての仕入明細データは、図8に示すように、前記入力された現場コード「GB0001」と、前記入力された契約枝番「1」と、前記入力された商品行2(商品:袋セメント)と、前記入力された仕入数200および(1)で取得した仕入単価950円に基づいて算出した仕入金額「190,000円」と、等を含む。
【0058】
(5)手数料計上データ生成処理
最後に、手数料計上データ生成部102eは、受取手数料計上データ106hおよび支払手数料計上データ106iを生成する。ここで、(3)および(4)で説明したように、売上データ106fおよび仕入データ106gは、商品行1(商品:生コンクリート)と商品行2(商品:袋セメント)の両方について生成された。これに対して、(1)で説明したように、商品行2(商品:袋セメント)についての手数料は取得されていない(すなわち、袋セメントについての手数料はそもそも発生しない)ため、受取手数料計上データ106hおよび支払手数料計上データ106iは、商品行1(商品:生コンクリート)についてのみ生成される。以下、具体的に説明する。
【0059】
手数料計上データ生成部102eは、商品行1(商品:生コンクリート)について、前記入力された現場コード「GB0001」と、前記入力された契約枝番「1」と、(2)で取得した手数料名「受取販売手数料」と、前記入力された売上数400および(2)で取得した受取手数料単価500円に基づいて算出した売上金額「200,000円」と、等を含む図8の受取手数料計上データ106hを生成する。
【0060】
なお、(2)で説明したように、受取手数料2(販売事業協力金)については、図6の受取手数料データ106d中の手数料単価は空白である(すなわち、単価未決である)。このため、商品行1(商品:生コンクリート)の受取手数料2(販売事業協力金)については、この時点では、受取手数料計上データ106hは生成されない。
【0061】
手数料計上データ生成部102eは、商品行1(商品:生コンクリート)について、前記入力された現場コード「GB0001」と、前記入力された契約枝番「1」と、(2)で取得した手数料名「支払販売手数料」と、前記入力された仕入数400および(2)で取得した支払手数料単価400円に基づいて算出した仕入金額「160,000円」と、等を含む図8の支払手数料計上データ106iを生成する。
【0062】
以上、本項目[3-2]において生成したデータをまとめると、次のとおりとなる。すなわち、現場コード「GB0001」および契約枝番「1」を対象として、データが生成された。売上データ106fおよび仕入データ106gは、商品行1(商品:生コンクリート)と商品行2(商品:袋セメント)の両方について生成された。これに対して、商品行2(商品:袋セメント)については手数料がそもそも発生しないため、受取手数料計上データ106hおよび支払手数料計上データ106iは、商品行1(商品:生コンクリート)についてのみ生成された。商品行1(商品:生コンクリート)について発生する手数料は、受取手数料1(受取販売手数料)および支払手数料1(支払販売手数料)である。受取手数料2(販売事業協力金)は、単価未決であるためこの時点では発生しない。このため、商品行1(商品:生コンクリート)についての受取手数料1(受取販売手数料)を含む受取手数料計上データ106hおよび商品行1(商品:生コンクリート)についての支払手数料1(支払販売手数料)を含む支払手数料計上データ106iが生成された。
【0063】
[3-3.契約登録処理]
続いて、未決だった受取手数料2(販売事業協力金)についての手数料単価が決定されると、再度の契約登録処理により、決定した手数料単価300円および手数料開始年月2020/9が、図9に示すように、受取手数料データ106dに登録される。
【0064】
[3-4.手数料自動計上処理]
最後に、手数料自動計上処理により、未計上分の手数料である受取手数料2(販売事業協力金)についての受取手数料計上データ106hが生成される。
【0065】
具体的には、図10に示す手数料自動計上処理画面において、会計年月と、必要に応じて現場コードと、が入力された上で画面右下の「実行」ボタンが押下されると、以下の手数料計上データ生成処理が実行される。
【0066】
手数料計上データ生成部102eは、商品行1(商品:生コンクリート)について、前記入力された現場コード「GB0001」と、前記入力された契約枝番「1」と、(2)で取得した手数料名「販売事業協力金」と、前記入力された売上数400および[3-3]で決定した手数料単価300円に基づいて算出した売上金額「120,000円」と、等を含む明細(図11に★を付した明細)を受取手数料計上データ106hに追加する。
【0067】
[4.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る手数料計上データ生成装置100によれば、売上登録および仕入登録と同時に、手数料の計上も行うことができる。また、本実施形態に係る手数料計上データ生成装置100によれば、手数料単価が決まった後、手数料の自動計上処理を行うことで、未計上分の手数料を計上することもできる。
【0068】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0069】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0070】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0071】
また、手数料計上データ生成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0072】
例えば、手数料計上データ生成装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて手数料計上データ生成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0073】
また、このコンピュータプログラムは、手数料計上データ生成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0074】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0075】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0076】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0077】
また、手数料計上データ生成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、手数料計上データ生成装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0078】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、取引に伴い手数料が発生するあらゆる業界および業種において有用であるが、特に、生コン・セメントを扱う卸・商社業界においては極めて有用である。
【符号の説明】
【0080】
100 手数料計上データ生成装置
102 制御部
102a 売上単価等取得部
102b 手数料単価等取得部
102c 売上データ生成部
102d 仕入データ生成部
102e 手数料計上データ生成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 現場データ
106b 契約データ
106c 商品データ
106d 受取手数料データ
106e 支払手数料データ
106f 売上データ
106g 仕入データ
106h 受取手数料計上データ
106i 支払手数料計上データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11