(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】光ビームステアリングのためのプラズモニック表面散乱素子、およびメタ表面
(51)【国際特許分類】
H01Q 15/14 20060101AFI20240606BHJP
G02B 6/122 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
H01Q15/14 Z
G02B6/122
(21)【出願番号】P 2020550834
(86)(22)【出願日】2019-03-19
(86)【国際出願番号】 US2019022935
(87)【国際公開番号】W WO2019183066
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-03-01
(32)【優先日】2018-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514106982
【氏名又は名称】エルファー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】アクセリロート,グレブ エム.
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ユエンムー
(72)【発明者】
【氏名】ボウエン,パトリック
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0223723(US,A1)
【文献】特表2011-509418(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0162658(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0248829(US,A1)
【文献】特表2003-529260(JP,A)
【文献】国際公開第2009/107811(WO,A1)
【文献】特表2003-529259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 15/14
G02B 6/122
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学表面散乱アンテナ装置であって、
光放射を反射するための反射面と、
前記反射面から第1の高さまで垂直に延在し、前記装置の光の動作波長未満である素子間隔で配置されることで、サブ波長の反射の位相パターンを、前記反射面によって反射された前記光放射に選択的に適用する、複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路と、を備え、
複数の調節可能な前記プラズモン共鳴導波路のそれぞれは、隣接するプラズモン共鳴導波路の間のチャネル内に配置された、電気的に可変な屈折率を有する電気的に調節可能な誘電体材料を備えており、
前記プラズモン共鳴導波路は、垂直に共鳴することで、前記反射面と前記第1の高さとの間において、垂直にプラズモンを伝える、装置。
【請求項2】
複数の調節可能な前記プラズモン共鳴導波路のそれぞれは、少なくとも一つのプラズモニック金属レールを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
隣り合って配置された調節可能な前記プラズモン共鳴導波路は、共通のプラズモニック金属レールを共有することで、2つの隣り合った調節可能なプラズモン共鳴導波路が、
第1のプラズモニック金属レールと第2のプラズモニック金属レールとの間に配置された第1の電気的に調節可能な誘電体
材料と、
第2のプラズモニック金属レールと第三のプラズモニックレールとの間に配置された第2の電気的に調節可能な誘電体
材料とにより形成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記反射面が
、誘電体基板を含み、
前記誘電体基板が、絶縁体と、前記絶縁体の中に埋め込まれた複数の銅パッチとを含んでおり、
前記銅パッチのうちの1つが、調節可能な前記プラズモン共鳴導波路のそれぞれのチャネルの下に配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
光ビームステアリング装置であって、
電力と光電磁放射との間で変換する光電磁放射変換器と、
前記光電磁放射を反射する表面と、
前記装置の光の動作波長未満の素子間隔で、前記表面から第1の高さまで延在することで、前記第1の高さから前記表面まで垂直にプラズモンを伝え、サブ波長の反射の位相パターンを前記光電磁放射に選択的に適用する、複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路と、を備え、
複数の調節可能な前記プラズモン共鳴導波路のそれぞれは、隣接するプラズモン共鳴導波路の間のチャネル内に配置された、電気的に可変な屈折率を有する電気的に調節可能な誘電体材料を備えている、光ビームステアリング装置。
【請求項6】
複数の調節可能な前記プラズモン共鳴導波路のそれぞれは、少なくとも一つのプラズモニック金属レールを備えている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
複数の調節可能な前記プラズモン共鳴導波路のそれぞれは、互いに間隔を置いて、その間にチャネルを形成する2つのプラズモニック金属レールを備え、
電気的に調節可能な前記誘電体
材料は、2つの前記プラズモニック金属レールの間の前記チャネル内に配置されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記表面は、前記装置の前記光の動作波長を含む動作帯域幅内で光電磁放射を反射する光反射器を備えている、請求項5~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記光反射器は、導電性反射器を備えている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記導電性反射器は、金属層を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記金属層は、調節可能な前記プラズモン共鳴導波路のそれぞれの下にノッチを有している、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記表面が複数の光学的反射パッチを含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
複数の調節可能な前記プラズモン共鳴導波路のそれぞれは、
前記表面から第1の高さまで延びる第1のプラズモニック金属レールおよび前記表面から第2の高さまで延びる第2のプラズモニック金属レールであって、
前記第1及び第2のプラズモニック金属レールは、互いに間隔を置いて配置され、その間にチャネルを形成する;と、
前記チャネルの少なくとも一部分内に配置される電気的に調節可能な
前記誘電体
材料;と、を備えている、請求項5~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
複数の前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれは、
前記第1および第2のプラズモニック金属レールに適用された電圧差を受け取るための電気接点をさらに備え、
第1および第2のプラズモニック金属レールへの第1の電圧差の適用が、第1の反射の位相に対応し、
前記第1および第2のプラズモニック金属レールへの第2の電圧差の適用が、第2の反射の位相に対応している、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
複数の調節可能な前記プラズモン共鳴導波路が、前記第1及び第2のプラズモニック金属レールの長さに垂直な一次元アレイに配置されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
複数の調節可能な前記プラズモン共鳴導波路が前記表面上の行及び列に配列されてM×Nアレイを形成し、ここで、Mは行の数に対応し、Nは列の数に対応している、請求項5~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
調節可能な前記プラズモン共鳴導波路のそれぞれをアドレス指定するために、行及び列によってインデックス付けされたマトリクス回路をさらに備えている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
調節可能な前記プラズモン共鳴導波路のそれぞれにおける2つの前記プラズモニック金属レール間の前記チャネルは、前記装置の光動作帯域幅内の周波数の基本高調波モードに対応している、請求項7に記載の装置。
【請求項19】
調節可能な前記プラズモン共鳴導波路のそれぞれにおける前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面から、前記装置の光学動作帯域幅内の周波数におけるN次高調波モードに対応する高さまで延びることで、N個の磁場アンチノードが、前記表面と前記プラズモニック金属レールの頂部との間の前記チャネル内に実現できるようになっている、請求項7に記載の装置。
【請求項20】
それぞれの調節可能な前記プラズモン共鳴導波路におけるそれぞれの前記2つのプラズモニック金属レールは、それぞれ、前記装置の光学動作帯域幅内の周波数の第N調和モードに対応する長さを有することで、N個の磁場アンチノードがN個の数値で前記2つのプラズモニック金属レールの間の前記チャネルの長さに沿って実現できるようになっている、請求項7に記載の装置。
【請求項21】
複数の調節可能な前記プラズモン共鳴導波路のそれぞれにおけるプラズモニック金属レールに電圧差のパターンを選択的に適用するコントローラをさらに備え、前記電圧差のパターンは、(i)複数の調節可能な前記プラズモン共鳴導波路のそれぞれにおける電気的に調節可能な前記誘電体
材料の屈折率のパターン、及び(ii)複数の調節可能な前記プラズモン共鳴導波路に入射する光電磁放射の波の反射パターンに対応している、請求項7に記載の装置。
【請求項22】
ステアリング可能な反射光ビームを送信するための方法であって、
送信機を介して、光電磁放射を反射面に伝送することと、
複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれに対する反射の位相を調節し、伝送された前記光電磁放射の反射パターンを修正し、
ここで、複数の調節可能な前記プラズモン共鳴導波路は、垂直にプラズモンを伝えるように構成されており、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の光の動作波長未満の素子間隔で、前記反射面上に配置されており、
複数の調節可能な前記プラズモン共鳴導波路のそれぞれは、隣接するプラズモン共鳴導波路の間のチャネル内に配置された、電気的に可変な屈折率を有する電気的に調節可能な誘電体材料を備えていることと、を含み、
前記プラズモン共鳴導波路が垂直に共鳴することで、前記反射面と、それぞれ各自の調節可能なプラズモン共鳴導波路の最大の高さとの間に、垂直にプラズモンを伝える、方法。
【請求項23】
ステアリング可能な反射光ビームを受信するための方法であって、
プラズモンを伝えるように構成された、複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれに対する反射の位相を調節し、ここで、調節可能な前記プラズモン共鳴導波路は、調節可能な前記プラズモン共鳴導波路の光の動作波長未満の素子間隔で反射面上に配置されていることと、
複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれにおける反射の位相に対応している反射パターンによって修正された前記反射面からの光電磁放射を、受信機を介して受信し、
ここで、複数の調節可能な前記プラズモン共鳴導波路のそれぞれは、隣接するプラズモン共鳴導波路の間のチャネル内に配置された、電気的に可変な屈折率を有する電気的に調節可能な誘電体材料を備えていることと、を含み、
ここで、前記プラズモン共鳴導波路が垂直に共鳴することで、前記反射面と、それぞれ各自の調節可能なプラズモン共鳴導波路の最大の高さとの間に、垂直にプラズモンを伝える、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
優先出願の全ての主題は、そのような主題が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔技術分野〕
本開示は、再構成可能なアンテナ技術に関する。具体的には、本開示は光の周波数で動作可能な、再構成可能な反射型アンテナ素子に関する。
【0003】
〔図面の簡単な説明〕
図1Aは、調節可能なプラズモン共鳴導波路を有する光学表面散乱アンテナ装置の簡略化された実施形態を示す図である。
【0004】
図1Bは、絶縁体及び反射体を有する表面から延在する単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【0005】
図1Cは、横方向磁気(TM)偏光を伴う垂直に対して約70°において光励起を伴う、
図1Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路内における電気及び磁気エネルギー密度の概念図である。
【0006】
図2Aは、調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの下に反射器パッチを備えた光学表面散乱アンテナ装置の簡略化された実施形態を示す図である。
【0007】
図2Bは、絶縁体及び埋め込み反射器パッチを有する表面から延在する単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【0008】
図2Cは、
図2Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路管内の電気及び磁気エネルギー密度の概念図である。
【0009】
図3Aは、調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの下にノッチ付き反射器を備えた光学表面散乱アンテナ装置の簡略化された実施形態を示す図である。
【0010】
図3Bは、絶縁体及びノッチ付き反射器を有する表面から延在する単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【0011】
図3Cは、
図3Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路管内の電気及び磁気エネルギー密度の概念図である。
【0012】
図4Aは、n個の下部ブラッグ反射器を備えた光学表面散乱アンテナ装置の簡略化された実施形態を示す図である。
【0013】
図4Bは、ブラッグ反射器表面から延びる単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【0014】
図4Cは、
図4Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路管内の電気及び磁気エネルギー密度の概念図である。
【0015】
図5Aは、調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの下にマルチチャネル幅の反射器パッチを備えた光学表面散乱アンテナ装置の簡略化された実施形態を示す図である。
【0016】
図5Bは、絶縁体及び埋め込みマルチチャネル幅の反射器パッチを有する表面から延在する単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【0017】
図6は、電気的に調節可能な誘電体の屈折率の関数として、単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の1つの例の反射位相の近似を示す。
【0018】
図7は、高いQ調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例の反射スペクトルの近似図である。
【0019】
図8は、
図1Aに示されたアンテナに類似した光学表面散乱アンテナを介して可能な反射光放射のステアリング可能なビームの簡略化された図である。
【0020】
図9は、送信および/または受信光学表面散乱アンテナシステムを形成するためのホログラフィックメタ表面、制御ロジック、メモリ、および入力/出力ポートを示す。
【0021】
図10は、特定の動作帯域幅に対する例示的な寸法を有する調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【0022】
図11Aは、光送信機又は受信機を備えた同調可能な光表面散乱アンテナ装置の一例を示す図である。
【0023】
図11Bは、調節可能なプラズモン共鳴導波路を含む同調可能な光学表面からステアリング可能な光ビームを介して光放射を送信(または受信)する送信機(または受信機)を示す。
【0024】
図12は、光学的に透明な窓を有するパッケージ化された固体ステアリング可能な光ビームアンテナシステムの一実施形態を示す図である。
【0025】
〔発明の詳細な説明〕
様々な実施形態では、再構成可能アンテナがメタマテリアル表面アンテナ技術(MSAT)を利用する。表面散乱アンテナおよびメタ表面アンテナとしても知られるメタマテリアル表面アンテナは例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許公開第2012/0194399号に記載されている。基準波または供給波を特徴とする表面散乱アンテナの追加の要素、用途、および特徴は、米国特許公報に記載されている。2014/0266946,2015/0318618、2015/0318620、2015/0380828、2015/0372389、それぞれを参照して全体に組み込んでいる。自由空間の基準波または供給波を利用する関連システムの実施例は実施例えば、米国特許出願公開第2015/0162658号に記載されており、この出願もまた、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0026】
本明細書に記載されるシステムおよび方法は、反射面を照明するための構成を提供する自由空間を利用する。反射面には調節可能なプラズモン共鳴導波路が密集している。本開示全体を通して、自由空間の基準波で表面を照射して、特定のフィールドパターンを有する反射出射または透過波を提供することを含む開示された各実施形態について、表面からの入射または受信波を反射し、次いで、特定のフィールドパターンに従って反射波を検出することを含む、対応する実施形態も企図される。より一般的には、本明細書で説明されるアンテナシステムおよび方法が同じ装置(送信機)を介して送信および受信し、送信のみ、受信のみ、または1つの装置を介して送信し、別個であるが同様の装置を介して受信するために使用され得る。簡潔にするために、そのような装置および方法は、受信および/または送信の他の組合せが企図されることを理解して、送信のみまたは受信のみとして説明され得る。
【0027】
現在記載されているシステムおよび方法は、上述の出版物の多くよりも高周波数で動作する。具体的には、本明細書に記載されるシステムおよび方法が赤外線および/または可視周波数範囲で動作する。本明細書で使用されるように、近赤外線、赤外線、可視、および近紫外の周波数は一般に、「光」の周波数および波長と呼ばれ得る。動作周波数が光周波数にスケールアップされると、個々の散乱素子のサイズ及び隣接する散乱素子間の間隔は、サブ波長(例えば、メタマテリアル)という技術の態様を保持するように比例的にスケールダウンされる。光周波数で動作するための関連する長さスケールは、ミクロンまたはそれよりも小さいオーダーであってもよい。一般に、主要なサイズは、従来のプリント回路基板(PCB)処理のための典型的な長さスケールよりも小さい。従って、本開示の実施形態の多くは、相補型金属-酸化物-半導体(CMOS)製造方法などのマイクロリソグラフィおよび/またはナノリソグラフィ処理を使用して製造されてもよい。
【0028】
本発明のシステムおよび方法は、上述の公報の多くとは実質的に異なる構造を利用する。具体的には、本明細書に記載されたシステムおよび方法は、金属および誘電体のプラズモン界面に関する。本明細書に記載される光学表面散乱アンテナの種々の用途は光検出および測距(LiDAR)を介した撮像、構造化された照明を介した撮像、自由空間光通信(例えば、単一ビームおよび多入力多出力(MIMO)構成)、および自由空間光通信のための指向および追跡を含むが、これらに限定されない。
【0029】
様々な実施形態では、再構成可能なアンテナ開口部が調節可能なプラズモン共鳴導波路で密集される。表面プラズモンは光周波数において負の誘電率を有する材料(例えば、金、銀、白金、アルミニウムなどのプラズモニック金属)と光周波数において正の誘電率を有する材料(例えば、誘電体)との間の界面を進む非放射電磁波である。従って、調節可能なプラズモン共鳴導波路は、2つの金属レールの間に挟まれた調節可能な誘電率を有する誘電体として具現化することができる。
【0030】
光周波数における誘電体の誘電率は、誘電体の誘電率と相関しており、光周波数における誘電体の屈折率とも密接に関連していることが理解される。したがって、高Qプラズモン共鳴導波路の誘電体の屈折率のわずかな変化は、高Qプラズモン共鳴導波路の共鳴波長の実質的なシフトをもたらす。Q係数が高くなると、誘電率の所与の変化に対する共鳴のシフトが大きくなる。
【0031】
プラズモン共鳴導波路の共鳴付近での固定された動作周波数を仮定すると、アンテナシステムからの散乱場は、個々のプラズモン共鳴導波路の調節された誘電値の関数として、位相および/または振幅が変化し得る。位相および振幅はローレンツ共鳴を介して相関しているが、開口を越える照射野の位相はホログラフィックおよび/またはビーム形成設計のために使用されてもよい。以下に記載されるシステムおよび方法は追加的に導入される移相器なしに、かなりの制御を可能にする。
【0032】
波長可変誘電体材料(例えば、電気的に調節可能な誘電体)の屈折率変調温度範囲は、材料選択に基づいて制限される。同調可能な放射または散乱素子のアレイを有するアンテナ開口は、高Q、低損失、サブ波長のプラズモン共鳴導波路を有し得る。
【0033】
様々な実施形態では、比較的高いQを有し、低損失であり、完全な又はほぼ完全な位相制御を提供するのに十分に同調可能な、散乱及び/又は放射用の波長可変プラズモン共鳴導波路が本明細書に記載される。具体例として、表面は、複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路を備えて構成されてもよい。調節可能なプラズモン共鳴導波路の素子間隔は例えば、動作帯域幅内の光学動作波長よりも小さくてもよい。表面は光学的に反射する表面を含み、動作帯域幅内の光学的電磁放射を反射することができる。
【0034】
一実施形態では、プラズモン共鳴導波路が表面から延びる第1の金属レールと、表面から延びる第2の金属レールとを含んでもよい。第1および第2の金属レールは、銀、金、および/またはアルミニウムなどの表面プラズモンを支持する金属の1つまたは複数の組合せを含むことができる。場合によっては、銅、チタン、および/またはクロムなどの他のプラズモン金属を使用することができる。電気的に調節可能な誘電体が、第1の金属レールと第2の金属レールとの間のチャネル内に配置し、調節可能なプラズモン共鳴導波路を形成するとよい。調節可能なプラズモン共鳴導波路は、電気的に調節可能な誘電体に印加される電圧を変化させることによって同調または調節することができる。
【0035】
金属レールのそれぞれは、幅よりも長い長さを有することができる。各細長いレールの長さは、各金属レールが表面から延びる高さよりも長くてもよい。各長形金属レールの幅は、特定の構成に応じて、高さよりも小さくてもよく、等しくてもよく、または大きくてもよい。長形金属レールは表面に対して垂直に、又は表面に対してある角度で延在してもよい。引き続いて説明される図に従って、長形金属レールは、表面の2つの端部または端部の間を走る壁または隆起部として現れ得る。第1の金属レールは第2の金属レールと実質的に平行であってもよく、電気的に調節可能な誘電体は第1の金属レールおよび第2の金属レールによって画定されるチャネル内に配置されてもよい。
【0036】
前述のように、各調節可能なプラズモン共鳴導波路は、表面から高さHまで延在する第1および第2の金属レールを含んでもよい。金属レールのそれぞれは幅Wおよび長さLを有してもよく、長さLは高さHおよび/または幅Wよりもはるかに大きくてもよい。各プラズモン共鳴導波路は互いに実質的に平行であり、チャネル幅Cだけ離間している、2つの実質的に平行な金属レールによって規定されてもよい。電気的に調節可能な誘電体が、チャネル内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では電気的に調節可能な誘電体がチャネルを金属レールの頂部まで充填してもよく、他の実施形態では電気的に調節可能な誘電体がチャネルを部分的にのみ充填してもよい。
【0037】
可変の電圧差が調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの第1および第2の金属レールに(例えば、コントローラを介して)印加されてもよい。電気的に調節可能な誘電体の誘電率は、印加される電圧差に基づいて変化させてもよい。各電圧差は異なる誘電率および関連する屈折率に対応することができ、各誘電率または屈折率は、各個別の調節可能なプラズモン共鳴導波路の固有の反射位相に対応することができる。
【0038】
様々な実施形態では、表面は金属表面などの光学的に反射性で導電性の表面を含むことができる。具体例として、表面は、絶縁層によって金属レールから分離された銅の層を含む。別の実施例では、銅の細長いパッチが各調節可能なプラズモン共鳴導波路の1つ以上のチャネルの下に延在してもよい。光学的反射面は基板の下に配置されてもよいし、基板内に埋め込まれてもよい。基板は光学的に透明であってもよく、または動作帯域幅内の波長でエネルギーの大部分を吸収してもよい。いくつかの実施形態では、基板が反射性金属で実質的に覆われてもよい。材料は、動作帯域幅および/または反射率の他の所望の特性に依存し得る。様々な動作帯域幅に適した金属の実施例には、銅、銀、金、ニッケル、イリジウム、アルミニウムなどが含まれる。
【0039】
いくつかの実施態様において、基板上の反射パッチ又は反射コーティングは複数の材料層(例えば、高屈折率の第1の層及び低屈折率の第2の層)を有する高反射パッチ又はコーティングとして形成されてもよい。例えば、表面は、高屈折率および低屈折率を有する誘電体の交互の層を含んでもよい。そのような反射器は、ブラッグ反射器として構成されてもよく、またはブラッグ反射器と呼ばれてもよい。
【0040】
前述のように、表面は、層として反射材料で完全に覆われた基板を含むことができる。他の実施形態では、表面が埋め込み層として反射材料を含む基板を含むことができる。他の実施形態では、調節可能なプラズモン共鳴導波路の寸法に対応する寸法を有する反射材料のパッチが調節可能なプラズモン共鳴導波路の各実質的に下に配置される。いくつかの実施形態では、非導電層(例えば、二酸化ケイ素)が反射パッチまたは反射層(導電性であってもよい)を金属レールおよび電気的に調節可能な誘電体から分離してもよい。
【0041】
表面上の調節可能なプラズモン共鳴導波路の配置は、各調節可能なプラズモン共鳴導波路が動作帯域幅に対してサブ波長割合のメタマテリアル装置として機能するメタ表面として記載されてもよい。したがって、隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路間の素子間隔は一般に、動作帯域幅内の最小波長の1波長(例えば、波長の4分の3または波長の2分の1)未満である。いくつかの実施形態では、素子間隔が2分の1波長未満(例えば、5分の1、10分の1、またはそれ未満)であってもよい。
【0042】
調節可能なプラズモン共鳴導波路は、調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの長さに対して垂直に定められた一次元アレイ内に配置することができる。前述したように、調節可能なプラズモン共鳴導波路は表面の一端部または縁から、表面の別の端部または縁まで延在するように細長いものであってもよい。いくつかの実施態様において、細長い調整可能プラズモン共鳴導波路の一次元アレイは、各調整可能プラズモン共鳴導波路の一方又は両方の端部が表面の端部まで延在していない表面上に形成されてもよい。すなわち、調節可能なプラズモン共鳴導波路の一次元アレイは、各調節可能なプラズモン共鳴導波路の長さおよび/または調節可能なプラズモン共鳴導波路のアレイの全幅よりも大きな寸法を有する表面上に配置されてもよい。
【0043】
いくつかの実施態様において、実質的に長形の金属レールを、実質的に均一な間隔で互いに実質的に平行に配置することができ、電気的に調節可能な誘電体を、隣接する金属レールによって画定されるチャネルのそれぞれの内部に配置することができる。このような実施形態では、調節可能なプラズモン共鳴導波路の多くは隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路と金属レールを共有し得る。
【0044】
調節可能なプラズモン共鳴導波路の共鳴は、少なくとも部分的に、金属レールの高さ、幅、および/または長さに依存し得る。したがって、金属レールの1つまたは複数の寸法は、目標動作帯域幅、目標共振帯域幅、調節可能なプラズモン共振導波路の目標Q係数、および/または他の目標機能を達成するように選択され得る。
【0045】
特定の例を提供するために、長形金属レールは、表面から約300ナノメートルと1500ナノメートルとの間の高さまで延在してもよい。例えば、長形金属レールは、905ナノメートルの動作波長を含む実施形態では表面から400ナノメートルの高さまで延びることができる。別の実施形態では、細長い金属レールが905ナノメートルの動作波長を含む実施形態では表面から600ナノメートルの高さまで延びることができる。より長い波長(例えば、1550ナノメートル)を含む動作帯域幅の場合、長形金属レールは、2次または3次の高調波の実施形態ではそれぞれ、表面から約700または1050ナノメートルの高さまで延びることができる。さらに他の実施形態では、1500ナノメートルを超える壁の長形金属レールを使用することができる。細長い壁の正確な高さは、特定の周波数または周波数帯に適合させることができ、および/または後述するように種々の標的共振特性を達成することができる。
【0046】
長形金属レールのそれぞれは、約50~300ナノメートルの幅を有することができる。一例として、長形金属レールのそれぞれは、約150ナノメートルの幅を有することができる。各長形金属レールは、100ナノメートルと200ナノメートルとの間のチャネル間隔またはチャネル幅によって、隣接する長形金属レールから離間されてもよい。様々な実施形態において、長形金属レール間の間隔は、均一、パターン化、ランダム、または擬似ランダムであってもよい。
【0047】
本明細書に記載されるように、調節可能なプラズモン共鳴導波路は、金属レールを共有する可能性がある。したがって、調節可能なプラズモン共鳴導波路の素子間隔、またはピッチは、第1の調節可能なプラズモン共鳴導波路のチャネルの中心と、第2の調節可能なプラズモン共鳴導波路のチャネルの中心との間の距離として記述され得る。チャネルおよびプラズモニック金属レールの幅が均一である実施形態では、素子間の間隔またはピッチがチャネルと単一プラズモニック金属レールとを合わせた幅に等しくてもよい。
【0048】
1つの実施例では調節可能なプラズモン共鳴導波路の行の端部(すなわち、調節可能なプラズモン共鳴導波路の1次元アレイ)の調節可能なプラズモン共鳴導波路は一方の長形金属レールのみを共有し、他方の調節可能なプラズモン共鳴導波路の全ては両方の長形金属レールを、両側の隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路と共有する。このような実施形態では、互いに実質的に平行に配置された100本の長形金属レールが1次元アレイ内に99個の調節可能なプラズモン共鳴導波路を形成することができる。
【0049】
長形金属レールのそれぞれの高さおよび幅の寸法は、動作帯域幅内の1つまたは複数の波長に対する標的共振および/またはQ係数に基づくことができる。調節可能なプラズモン共鳴導波路の総数及び調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれにおける金属レールの長さは、アンテナ装置のための目標反射面を達成するように選択され得る。
【0050】
上述の実施形態は表面上の長形金属レールの一次元アレイを企図しているが、一部の実施形態では細長い壁を任意の数の行を有する任意の数の列に配置して、調節可能なプラズモン共鳴導波路のM×Nアレイを形成してもよい。制御システムは、調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれを選択的にアドレス指定して、対になった長形金属レール間の電圧差を供給するための回路のマトリクスを含んでもよい。さらに他の実施態様において、長形金属レールは、同心のリング又は多角形の同心の側面として配置されてもよい。例えば、長形金属レールは、同心円状リングが円形となるように湾曲してもよい。あるいは、長形金属レールが直線状であって、六角形、八角形などの多角形の同心側として配置されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では長形金属レールが実質的に長方形の基部を有する可能性があるが、側面はわずかに内に広がっていてもよい(または外に広がっていてもよい)。製造上の欠陥、または製造上の定量化可能なもしくは予想されるアーチファクトは、現在説明されている実施形態の範囲および機能から逸脱することなく、完全に矩形ではない金属レールおよび/またはチャネルをもたらす可能性がある。例えば、金属レールは平面壁、基部、または頂部を有してもよく、あるいはこれらは現在説明されている実施形態の範囲から逸脱することなく、わずかに凸状または凹状であってもよい。
【0052】
いくつかの実施態様において、各金属レールの基部は各金属レールの頂部よりもわずかに大きいか又は小さくすることができ、その結果、各金属レールは、細長くて切断されたピラミッド又は反転された細長くて切断されたピラミッドのような形状とすることができる。このような形状の変動は、場合によっては製造またはエッチングの産物であり得る。例えば、化学的または物理的エッチングを使用して長方形の基部を作成しようとすると、基部と同じ面積を有していない可能性のある丸みを帯びたエッジおよび基部および頂部を有するわずかに変形した形状となる可能性がある。
【0053】
調節可能なプラズモン共鳴導波路は、特定の周波数帯に対して選択され、かつチャネル内に配置された電気的に調節可能な誘電体に基づいて共鳴及びQ値を有するように構成されてもよい。複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれは、ほぼ5~100の間のQ値を有する「高いQ」であるように構成されてもよい。例えば、複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれは、ほぼ10~30の間のQ係数を有する可能性がある。1つの具体的な実施形態では、複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれはおよそ20のQ係数を有する。
【0054】
前述のように、長形金属レールは、光動作帯域幅内の周波数の基本高調波モードに対応するチャネル幅だけ離間されてもよい。このような実施形態では、チャネル幅において1つのアンチノードを実現することができる。金属レールの高さは同様に、基本高調波モードに対応してもよく、その結果、チャネル内の磁界アンチノードの数はチャネルの長さに沿って実現され得る磁界アンチノードの数を1倍したものである。
【0055】
あるいは、金属レールの高さは2つの磁界アンチノードが金属レールの表面と頂部との間のチャネル内で実現され得るように、2次高調波モードに対応するように選択されてもよい。このような実施形態では、単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路内で実現され得る磁場アンチノードの数がチャネルの長さに沿って実現され得る磁場アンチノードの数を2倍した数に等しい。2つの磁場アンチノードを収容するより広いチャネルでは、単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路内で実現できる磁場アンチノードの数がチャネルの長さに沿って実現できる磁場アンチノードの数を4倍したものに等しい。したがって、各調節可能なプラズモン共鳴導波路の2つの金属レール間の電気的に調節可能な誘電体内に形成することができる磁界アンチノードの総数は、(i)チャネル幅、(ii)表面からの垂直高さ、および(iii)金属レールの長さの関数である。高さ、チャネル幅、および長さの任意の組み合わせを選択して、所与の次元における基本波、2次、3次…等の調和モードを達成することができる。
【0056】
様々な実施形態では反射された電磁放射(例えば、光放射)の位相は金属レールのペアの間に配置された電気的に調節可能な誘電体の屈折率に依存する。電気的に調節可能な誘電体の屈折率および関連する誘電率及び誘電率(permittivity and dielectric constant)は、電気的に調節可能な誘電体の両端に電圧差を作り出すために、一方または両方の金属レールに印加されるバイアス電圧に基づいて、動的に選択可能かつ調節可能である。
【0057】
コントローラを使用して、アレイ内の調節可能なプラズモン共鳴導波路の個別またはグループに電圧差を選択的に印加してもよい。調節可能なプラズモン共鳴導波路のアレイに印加される電圧差のパターンは調節可能なプラズモン共鳴導波路の屈折率のパターンに対応し、調節可能なプラズモン共鳴導波路の反射位相のパターンに対応する。調節可能なプラズモン共鳴導波路のサブ波長間隔及び素子サイズにより、調節可能なプラズモン共鳴導波路の反射位相のパターンは、入射光放射の特定の反射パターンに対応する。
【0058】
従って、印加電圧差の一組のパターンは、入射光放射の一組の反射パターンに対応する。印加電圧差動パターンは、送信および受信の両方のアプリケーションにおける光ビーム成形のために決定することができる。調節可能なプラズモン共鳴導波路の個々又はグループに電圧差の決定可能なパターンを適用することにより、目標のビームフォームを達成することができる。
【0059】
適切な電気的に調節可能な誘電体の一例は液晶である。1つの具体的な実施形態では、電圧差が第1(低)電圧と第2(高)電圧との間で変化させて、液晶の屈折率を約10パーセント変化させることができる。いくつかの適用のための別の適切な電気調節可能な誘電体は、電気光学ポリマーである。電気光学(EO)ポリマー材料はポッケルス効果として知られる二次分極率に基づく屈折率変化を示し、ここで、屈折率変調は、印加された静的または無線周波数電界に比例する。これらの材料は典型的にはポリマー宿主にドープされた低分子有機物であり、その結果、優れた溶液加工性が得られる。インデックス変調は、以下の式1によって与えられる。
【0060】
【0061】
式1では、nが線形屈折率であり、Eが印加電場であり、r33がポッケルス係数である。電場は絶縁破壊によって制限されるので、合成化学と材料開発の目標はポッケルス係数を増加させることである。最新の材料は~150pm/Vのポッケルス係数を有し、その結果、約2%のΔn/nの性能が得られる。よりエキゾチックで最近開発された化学は、6%もの大きな屈折率変調を潜在的に達成することができる電気光学ポリマーをもたらした。その効果は非線形分極率に起因するので、電気光学ポリマーの応答時間は極端に速く(数fs)、その結果、>40GHzの装置変調速度が得られる。ニオブ酸リチウムのような電気光学結晶材料と比較して大きな非線形係数のために、電気光学ポリマーが変調器として使用され、高密度フォトニック集積回路を可能にする可能性がある。
【0062】
多くの企業が電気光学材料の合成と、そのマッハツェンダー変調器への統合を実用化している。たとえば、Lightwave LogicやSoluxraなどである。その結果、熱安定性、長期動作、および電界方向に沿った非線形分子の効率的なポーリング(方位)など、電気光学ポリマーに関連する多くの課題が対処されてきた。その結果、電気光学材料は、いくつかの適用において、電気的に調節可能な誘電体として使用することができる。幾つかのアプローチでは、電気光学ポリマーがLiDAR単一ビーム走査及び構造化照明のようなMHz及びGHz速度スイッチングが望ましい場合がある用途、又はビーム成形及びデータ符号化を同時に行うホログラムを有する自由空間光通信(従って、マルチユーザMIMOスキームを可能にする)に適していてもよい。
【0063】
前述のように、液晶は、電気的に調節可能な誘電体として使用されてもよい。液晶は分子配向に依存し、交流電場で制御される、屈折率の異方性を示す広範なクラスの有機材料である。広く使用されているネマチック液晶では、異常屈折率と常屈折率との間の変調が電気光学ポリマーの性能を超えて13%までであり得る。しかしながら、屈折率変調は分子全体の物理的な再配向によって生じるので、ディスプレイのような典型的な液晶装置におけるスイッチング時間は比較的遅く(~10ミリ秒)、液体の回転粘度および弾性定数によって制限される。
【0064】
マイクロスケールのディスプレイと比較して、液晶のスイッチング時間は電極間隔がより小さい幾何学的形状および低粘度に最適化された材料において、著しく減少させることができ、その結果、メタ表面構成においてマイクロ秒のスイッチング時間が可能となる。スイッチング時間は弾性緩和によるオンからオフへの遷移によってほとんど制限され、その結果、直交電極を採用した装置形状はスイッチング時間をさらに低減することができる。
【0065】
液晶部材のユビキティ、それらの工業生産、およびそれらの堅牢性は、動的光学メタ表面と共に使用するための液晶の主要な利点である。いくつかのアプローチでは比較的低いスイッチング速度を有する液晶材料が自由空間光通信のための動的ホログラムを提供するのに適していてもよく、ここで、光ビームは典型的にはミリ秒のタイムスケールで、送信機および受信機の運動および振動の時間スケールで操縦されてもよい。他のアプローチでは、比較的高いスイッチング速度を有する液晶材料(例えば、低粘度液晶および/または対向電極形状の使用によって強化されるよう)が、MHz速度が所望され得る構造化照明に基づくLiDARおよび/または計算画像をスキャンするのに適し得る。
【0066】
さらに他の実施形態では、1つまたは複数のタイプのカルコゲニドガラスを電気的に調節可能な誘電体として使用することができる。カルコゲニドガラスは、30%を超える短波赤外スペクトルの屈折率変調を伴う、著しく異なる電気的および光学的特性を有する、結晶相から非晶質相への独特の構造相転移を有する。
【0067】
カルコゲニドガラスの相転移は、熱的に誘導され、カルコゲニドの直接電気加熱によって達成され得る。例えば、~200℃で結晶化し、~500℃の溶融急冷温度で非晶質に戻すことができるGe2Sb2Te5(GST)である。これら2つの状態の間の大きな屈折率変調(~30%)に加えて、別の魅力的な特徴は、材料状態が追加の電気刺激がない状態で維持されることである。この理由から、GSTは不揮発性電子メモリに使用することができ、全光メモリの構成要素としても実証されている。
【0068】
いくつかのアプローチでは、カルコゲニドガラス材料がメタ表面を時折再構成するだけでよく、しかも良好な熱安定性および環境安定性を提供することが望ましい用途に適している場合がある。例えば、自由空間光学リンクにおいて、送信機又は受信機の緩やかなドリフトは、ビーム指向方向への低デューティサイクル変化によって補償され得る。同時に、これらの材料における大きな屈折率変調はより低いQの共振器の使用を可能にし、設計を単純化し、製造公差を容易にする。
【0069】
本明細書に記載される種々のメタ表面アーキテクチャは、標準的なCMOS互換材料およびプロセスを使用して製造されてもよい。例えば、金属反射器は、性能を犠牲にすることなく、アルミニウム又は銅のような種々のCMOS互換金属から作製することができる。本明細書に記載される実施形態では、最小フィーチャサイズが約100ナノメートルであり、十分に深UVリソグラフィの限界内である。例えば、40ナノメートルノード技術は現在、多くのCMOSファウンドリによって提供される商品プロセスであり、一方、インテルによって提供されるカスタムファウンドリサービスは、14ナノメートルノードで動作する。さらに、AIMフォトニクスのようなフォトニック-エレクトロニクス統合に特に焦点を当てるいくつかのファウンドリが最近確立されている。
【0070】
前述したように、可視光スペクトル、赤外スペクトル、近赤外スペクトル、短波長赤外スペクトル、中波長赤外スペクトル、長波長赤外スペクトル、遠赤外スペクトル、及びマイクロ波等の様々な電気通信波長を含む動作帯域幅に対して、調節可能なプラズモン共鳴導波路の特徴サイズを変化させることができる。いくつかの実施形態では、調節可能なプラズモン共鳴導波路のアレイが第1の周波数帯用の第1のセットの素子と、第2の周波数帯用の第2のセットの素子とを含んでもよい。所与の時間にどの周波数帯域が動作可能であるかに応じて、一方のセットまたは他方のセットを利用することができる。他の実施形態では、両方の組の要素を同時に使用することができる。複数の周波数帯には、複数組の素子を用いることができる。
【0071】
送信機は、光放射を反射面に透過させることができる。反射面は調節可能なプラズモン共鳴導波路のアレイに印加される電圧差動パターンに基づく反射パターン(例えば、ビーム形成)に従って、透過した光放射を反射することができる。同様に、入射ビーム形成光放射は、印加電圧差動パターンに基づいて、調節可能なプラズモン共鳴導波路のアレイによって受信されてもよい。受信ビーム形成光放射は、受信機に反射されてもよい。いくつかの実施形態では、調節可能なプラズモン共鳴導波路の第1のアレイを送信用に使用し、調節可能なプラズモン共鳴導波路の第2のアレイを受信用に使用してもよい。他の実施形態では、調節可能なプラズモン共鳴導波路の単一のアレイを、受信用と送信用の両方に共有することができる。
【0072】
調節可能なプラズモン共鳴導波路の制御機能性は、他のメタマテリアル装置及びメタ表面の制御に類似していてもよい。個々のサブ波長素子の位相(例えば、反射位相)を制御することによって、ビーム成形を達成することができる。個々の要素の制御は、計算、最適化、ルックアップテーブル、および/または試行錯誤によって達成することができる。上記で参照され、参照により本明細書に組み込まれる開示は、個々の要素を制御するためのいくつかの適切な例を提供する。当技術分野で知られている他のアプローチも同様に利用することができる。実際、多くの既存のコンピューティング装置およびインフラストラクチャを、現在記載されているシステムおよび方法と組み合わせて使用することができる。
【0073】
汎用コンピュータ、コンピュータプログラムツールおよび技術、デジタル記憶媒体、および通信リンクなど、本明細書で開示される実施形態で使用することができるインフラストラクチャのいくつかは、既に利用可能である。本明細書に記載するシステム、サブシステム、モジュール、構成要素などの多くは、ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアとして実装することができる。様々なシステム、サブシステム、モジュール、および構成要素は、そのような多種多様な可能な実装が存在するので、それらが実行する機能に関して記述される。例えば、多くの既存のプログラミング言語、ハードウェア装置、周波数帯域、回路、ソフトウェアプラットフォーム、ネットワークインフラストラクチャ、および/またはデータストアが、単独で、または組み合わせて、特定の制御機能を実装するために利用され得ることが理解される。
【0074】
本明細書で説明される素子、装置、システム、サブシステム、構成要素、モジュールなどのうちの2つ以上は、単一の素子、装置、システム、サブシステム、モジュール、または構成要素として組み合わされ得ることも理解される。さらに、素子、装置、システム、サブシステム、構成要素、およびモジュールの多くは、本明細書で説明されるものサブタスクを実行するために、別個の素子、装置、システム、サブシステム、構成要素、またはモジュールに複製またはさらに分割され得る。本明細書に記載される任意の実施形態は、本明細書に記載される他の実施形態の任意の組み合わせと組み合わせることができる。実施形態の様々な置換および組み合わせは、それらが互いに矛盾しない範囲で企図される。
【0075】
本明細書で使用されるように、コンピューティング装置、システム、サブシステム、モジュール、またはコントローラは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、論理回路などのプロセッサを含むことができる。プロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルアレイロジック(PAL)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、プログラマブルロジック装置(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のカスタマイズ可能および/またはプログラマブル装置などの1つまたは複数の専用処理装置を含むことができる。計算装置はまた、不揮発性メモリ、スタティックRAM、動的RAM、ROM、CD-ROM、ディスク、テープ、磁気、光学、フラッシュメモリ、または別の機械可読記憶媒体のような機械可読記憶装置を含んでもよい。特定の実施形態の様々な態様は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せを使用して実装または拡張され得る。
【0076】
開示された実施形態のいくつかの構成要素は、本明細書の図面に記載され、図示されている。その多くの部分は、多種多様な異なる構成で配置および設計することができる。さらに、一実施形態に関連付けられた特徴、構造、および動作は、別の実施形態に関連して説明された特徴、構造、または動作に適用され得るか、またはそれらと組み合わされ得る。多くの場合、周知の構造、材料、または動作は本開示の態様を曖昧にすることを回避するために、詳細には示されず、または説明されない。図のいずれか1つに、および/または新しい図として、説明される実施形態または特徴を追加する権利は、明示的に留保される。
【0077】
本開示内で提供されるシステムおよび方法の実施形態は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、単に可能な実施形態を代表するものである。さらに、メソッドのステップは、必ずしも特定の順序で実行される必要はなく、連続的に実行される必要もない。また、ステップを一度だけ実行する必要もない。前述のように、送信機に関して説明した説明および変形は受信機にも同様に適用可能であり、その逆も同様である。
【0078】
図1Aは、複数の細長い、プラズモニック金属レール150~164(白色長方形プリズム)を有する光学表面散乱アンテナ装置100の簡略化された実施形態を示す。長形金属レール150~164の間のチャネル内には、電気的に調節可能な誘電体(灰色で示される)が示されている。絶縁体195は、長形金属レール150~164を下にある反射体190から絶縁する。図示の実施形態では、絶縁体195及び反射体190が、長形金属レール150が延在する表面を構成することができる。図示の実施形態では、長形金属レール150~164が表面190および195の一方の端部またはエッジから他方の端部まで細長い。代替の実施形態では、絶縁体195および/または反射体190が長形金属レール150~164よりもさらに延在してもよい。
【0079】
図1Bは、光反射器197及び絶縁体199を含む表面から延在する単一の、サブ波長の調節可能なプラズモン共鳴導波路150の一例を示す。図示されるように、調節可能なプラズモン共鳴導波路150は、規定された幅Wおよび長さLを有する絶縁体199から高さHまで延在する第1の長形金属レール140を備える。
【0080】
図1Aに関連して記載されるように、長形金属レール140は、下部表面のエッジ間に延在してもよく、及び/又は少なくともそれが幅広であるよりも数倍長くてもよい。第2の対向する長形金属レール142は、第1の長形金属レール140と実質的に平行である。第1および第2の金属レール140および142は銀、金、および/またはアルミニウムなどの表面プラズモンを支持する金属の1つまたは複数の組合せを含むことができ、したがってプラズモン金属レールと呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、銅、チタン、および/またはクロムなどの他のプラズモン金属を使用することができる。
【0081】
電気的に調節可能な(例えば、調整可能である)誘電体145が、第1の140と第2の142金属レールとの間のチャネル内に配置される。いくつかの実施形態では誘電体145が第1の140金属レール及び第2の142金属レールの周囲に全て配置されてもよいが、第1の140金属レールと第2の142金属レールとの間のチャネル内に少なくとも配置される。いくつかの実施形態では絶縁体199が二酸化ケイ素を含んでもよく、電気的に調節可能な誘電体145は液晶を含んでもよい。他の実施形態では、絶縁体199及び電気的に調節可能な誘電体145が同じ材料であっても、及び/又は単一の部品として形成されてもよい。
【0082】
第1の140及び第2の142金属レールの幅W及び高さHは、特定の共振周波数同調を達成するように選択することができる。さらに、第1の140および第2の142金属レール間の間隔(すなわち、チャネルの幅)および第1の140および第2の142金属レールのそれぞれの高さHは、基本調和モード、第2調和モードなどに対応するように選択されてもよい。寸法は、第1の140および第2の142金属レールの間で、チャネルの幅にわたって、かつチャネルの高さに沿って、目標数の磁界アンチノードを達成するように選択され得る。第1の140及び第2の142金属レールの長さに関して同様の寸法選択を行うことができる。
【0083】
前述のように、電気レール140および142、反射器197、絶縁体199、および/または誘電体145は、化学エッチング、ボンディング、マイクロリソグラフィプロセス、ナノリソグラフィプロセス、CMOSリソグラフィ、PECVD、反応性イオンエッチング、電子ビームエッチング、スパッタリング、および/または同様のもの一部として、またはそれらと併せて形成することができる。
【0084】
前述のように、電気的に調節可能な誘電体145は、液晶を含んでもよい。他の実施形態では、電気的に調節可能な誘電体145が電気光学ポリマー、液晶、カルコゲニドガラス、および/またはケイ素のうちの1つまたは複数を含むことができる。これらの材料のそれぞれは動作帯域幅(すなわち、光学動作帯域幅)に対して静的または準静的屈折率を有する可能性がある。しかしながら、第1の140及び第2の142金属レールの一方又は両方に電圧を印加することによって、2つの金属レール140及び142の間の電圧差が、電気的に調節可能な誘電体145を電場にさらすことができる。
【0085】
電気的に調節可能な誘電体145のための材料は、所望の同調機構、屈折率変調(以下にパーセンテージとして示される)、および典型的な周波数応答に基づいて選択されてもよい。4つの一般的なカテゴリーの材料の値の例を以下の表1に示す。しかし、所与の材料の特定の種または特性に基づいて、異なる値を達成することができることを理解されたい。
【0086】
【0087】
波長可変材料の選択において、多くの材料の考察およびトレードオフを考慮することができる。1つの材料パラメータは相対屈折率変調(Δn/n)であり、これは、素子の達成可能な局所位相シフトと高度に相関している。より大きな屈折率変調を有する材料は、所与の共振Q係数に対してより大きな位相シフトを可能にする。完全な位相変調を達成するために、素子の共振Q係数は、Q > n/Δnであってもよい。一般に、インデックス変調と材料の応答速度の間にはトレードオフがある。液晶のような~30%の最大屈折率変調を有する材料は典型的には~100Hzのオーダーの応答速度を有し、一方、ポッケルス効果に基づく電気光学ポリマーは典型的には6%以下の屈折率変調を有するが、GHz応答速度を有する。同時に、高効率の位相ホログラムが望まれるならば、材料は動作波長で低い光吸収を持つべきである。
【0088】
図1Cは、横方向磁気(TM)偏光を有する垂直に対して約70~80°のすれすれ入射角で光波長の励起を伴う、
図1Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路管内の電気115及び磁気120エネルギー密度のそれぞれの概念図を示す。可能な波長の実施例には、実施例えば、約905ナノメートルまたは1,550ナノメートルの光波長が含まれる。多種多様な特定の波長および/または波長帯域を同様の効果で使用することができる。
【0089】
金属レールと電気的に調節可能な誘電体との界面により、各調節可能なプラズモン共鳴導波路の上部と表面(具体的には反射体)との間の非放射電磁波のプラズモニック送信が可能になる。電気的に調節可能な誘電体の誘電率は、チャネルの両側の金属レールに印加される電圧差に基づいて動的に変調することができる。図示されるように、斜入射励起下では、電場115および磁界120が第1の140および第2の142金属レールの間の電気的に調節可能な誘電体145内に強く局在化される。
【0090】
図2Aは、複数の細長い、プラズモニック金属レール250~264がその中に電気的に調節可能な誘電体が配置されるチャネルを形成する、光学表面散乱アンテナ装置200の代替の、簡略化された実施形態を示す。長形金属レール250~264が延びる表面は、複数の反射器パッチ293が埋め込まれた絶縁体290を含んでいる(そのうちの数個のみが図面を不明瞭にすることを避けるためにラベル付けされている)。図示の実施形態では、単一の反射器パッチ293が複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路の各チャネルの下にある。埋め込まれた反射器パッチ293は、長形金属レール250~264間のチャネルのそれぞれの長さを走るように細長くすることができる。したがって、反射器パッチ293は、長形金属レール250~264及び関連するチャネルの長さに対応する長さを有する細長い反射器パッチとすることができる。
【0091】
図2Bは、絶縁体290内に埋め込まれた細長い光反射器パッチ293を含む表面から延在する、単一の、サブ波長、調節可能なプラズモン共鳴導波路250の実施例を示す。図示されるように、調節可能なプラズモン共鳴導波路250は第1の長形金属レール240を含み、第2の対向する長形金属レール242は、第1の長形金属レール240と実質的に平行である。第1および第2の金属レール240および242は、銀、金、および/またはアルミニウム、銅、チタン、および/またはクロムなどの表面プラズモンを支持する金属の1つまたは複数の組合せを含むことができる。
【0092】
前述の実施形態のように、電気的に調節可能な誘電体245が、第1の240と第2の242金属レールとの間のチャネル内に配置される。前述のように、電気的に調節可能な誘電体245は、液晶を含んでもよい。他の実施形態では、電気的に調節可能な誘電体245が電気光学ポリマー、液晶、カルコゲニドガラス、および/またはケイ素のうちの1つまたは複数を含むことができる。様々な実施形態では、埋め込み反射器パッチ293が第1の240及び第2の242金属レールによって形成された調節可能なプラズモン共鳴導波路と、それらの間に形成されたチャネル内に配置された電気調節可能な誘電体とからの光電磁放射を反射することができる。
【0093】
図2Cは、横方向磁気(TM)偏光を有する垂直に対して約70~80°のすれすれ入射角における光波長の励起を伴う、
図2Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路管内の電気215及び磁気220エネルギー密度のそれぞれの概念図を示す。金属レールと電気的に調節可能な誘電体との界面により、各調節可能なプラズモン共鳴導波路の上部と反射器パッチとの間の非放射電磁波のプラズモニック送信が可能になる。前述したように、電気的に調節可能な誘電体の誘電率は、チャネルのいずれかの側の金属レールに印加される電圧差に基づいて動的に変調することができる。チャネルの下の埋め込み反射器パッチ293は図示されるように、電場および磁場に影響を与え得る。
【0094】
図3Aは複数の細長い、プラズモニック金属レール350~364が内部に電気的に調節可能な誘電体が配置されるチャネルを形成する、光学表面散乱アンテナ装置300の別の代替の、簡略化された実施形態を示す。長形金属レール350~364が延在する表面は、絶縁体390と、下にある反射体層397とを含む。図示されるように、ノッチ393は、種々の調節可能なプラズモン共鳴導波路の各チャネルの下の反射体層397内に形成される。図面を不明瞭にすることを避けるために、ノッチのいくつかのみに符号が付されている。ノッチ293はチャネルの長さに延在し、1つまたは複数のチャネルの幅に対応する幅を有することができる。図示の実施形態では、各ノッチ293がその上のチャネルの幅に実質的に等しい幅を有する。他の実施形態では、各ノッチ293の幅が各チャネルの幅よりわずかに大きくてもよく、またはわずかに小さくてもよい。
【0095】
図3Bは、絶縁体層390によって長形金属レール340及び342から分離された反射体層397内の細長いノッチ393を含む表面から延在する単一の、サブ波長の調節可能なプラズモン共鳴導波路350の実施例を示す。前述の実施形態と同様に、調節可能なプラズモン共鳴導波路350は、第1の長形金属レール340と、第2の並列長形金属レール342とを備える。
【0096】
図示の実施形態では、反射体層397の切欠き393が電気的に調節可能な誘電体345が配置されるチャネルの幅よりもわずかに大きい幅を有する。第1および第2の金属レール340および342は、銀、金、および/またはアルミニウム、銅、チタン、および/またはクロムなどの表面プラズモンを支持する金属の1つまたは複数の組合せを含むことができる。前述の実施形態のように、電気的に調節可能な誘電体345が、第1の340と第2の342金属レールとの間のチャネル内に配置される。
【0097】
図3Cは、横方向磁気(TM)偏光を有する垂直に対して約70~80°のすれすれ入射角での光波長の励起を伴う、
図3Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路内の電気315及び磁気320エネルギー密度のそれぞれの概念図を示す。前述したように、電気的に調節可能な誘電体の誘電率は、チャネルのいずれかの側の金属レールに印加される電圧差に基づいて動的に変調することができる。下にある反射体層393内のノッチ393は図示されるように、電界密度および磁界密度に影響を及ぼす。誘電性スペーサ(例えば、絶縁体層390)は隣接する導波路間の結合を最小化するために、プラズモニック導波路内の磁界のノードに配置され得る。
【0098】
図4Aは、複数の細長い、プラズモニック金属レール450~464が内部に電気的に調節可能な誘電体が配置されるチャネルを形成する、光学表面散乱アンテナ装置400の別の代替実施形態を示す。長形金属レール450~464が延在する表面490は、低屈折率および高屈折率(明暗の充填パターンの交互の層として示される)を有する交互の層の誘電体を含む。低い屈折率を有する誘電体と高い屈折率を有する誘電体との交互の層は、アンテナ装置400の動作帯域幅内の光波長を反射するためのブラッグ反射器を生成する。様々な実施形態では、層の数が目標反射効率を達成するように調整されてもよい(すなわち、図示される層よりも追加の層またはより少ない層)。
【0099】
図4Bは、誘電体の複数の層を含む表面から延在する単一の、サブ波長、調節可能なプラズモン共鳴導波路450の実施例を示す。層状誘電体表面はアンテナの動作帯域幅内の光波長を反射するためのブラッグ反射器を提供し、すべてが同じ屈折率を有しても有しなくてもよい比較的高い屈折率491、493、および495を有する誘電体を含み、これらの誘電体は、すべてが同じ屈折率を有しても、有しなくてもよい比較的低い屈折率492、494、および496を有する誘電体と交互に配置される。層の数は変化してもよく、ドットは、層の数が図に適合するよりもはるかに多くてもよいことを示すために示されている。一例として、1つの特定の実施形態では、17の層が利用される。
【0100】
先の実施形態と同様に、調節可能なプラズモン共鳴導波路450は、第1の長形金属レール440と、実質的に平行な第2の長形金属レール442とを含む。電気的に調節可能な誘電体445が、その間のチャネル内に配置される。第1および第2の金属レール440および442は、表面プラズモンを支持する金属の1つまたは複数の組合せを含むことができる。各金属レールに電気接点を接続して、それに電圧差を選択的に印加することができる。
【0101】
図4Cは、横方向磁気(TM)偏光を有する垂直に対して約70~80°のすれすれ入射角での光波長の励起を伴う、
図4Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路管内の電気415及び磁気420エネルギー密度のそれぞれの概念図を示す。前述したように、電気的に調節可能な誘電体の誘電率は、チャネルのいずれかの側の金属レールに印加される電圧差に基づいて動的に変調することができる。
【0102】
図5Aは、複数の細長い、プラズモニック金属レール550~564がその中に電気的に調節可能な誘電体が配置されるチャネルを形成する、光学表面散乱アンテナ装置500の代替の、簡略化された実施形態を示す。長形金属レール550~564が延在する表面は、複数の反射器パッチ593が埋め込まれた絶縁体590を含む。図示の実施形態では、単一の、細長い反射器パッチ593が様々な調節可能なプラズモン共鳴導波路の3つのチャネルごとに下にある。
【0103】
埋め込まれた反射器パッチ593は、長形金属レール550~564の間のチャネルのそれぞれの長さを走るように細長くすることができる。
図2Bは、各埋め込み反射器パッチの幅が単一チャネルの幅に対応する実施形態を示す図である。代替の実施形態は、任意の数のチャネルに対応する埋め込み反射器パッチを含むことができる。いくつかの実施態様において、各反射器パッチの幅はいくつかの反射器パッチが単一のチャネルにまたがるように変化させることができ、他のものは2つ又は3つのチャネルにまたがることができ、さらに他のものはさらに多くのチャネルにまたがることができる。
【0104】
図5Bは、絶縁体590内に埋め込まれた細長い光反射器パッチ593を含む表面から延在する、3つのサブ波長、調節可能なプラズモン共鳴導波路550の一例を示す。長形の光反射器パッチ593は、3つの調節可能なプラズモン共鳴導波路550の幅に対応する幅を有する。調節可能なプラズモン共鳴導波路550のそれぞれは、2つの対向する金属レール540、542、549、および553の間のチャネル内に配置された、電気的に調節可能な誘電体545、547、および551を備える。
【0105】
図6は、電気的に調節可能な誘電体の屈折率の関数として、単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の実効反射位相の近似を示す。図示するように、調節可能なプラズモン共鳴導波路の反射位相は、誘電体の屈折率に基づいて著しく変化させることができる。図示したように、わずか7%の屈折率変調でほぼ2πの位相変調が可能である。
【0106】
図7は、高Q調節可能なプラズモン共鳴導波路の反射スペクトルの近似図である。この誘電体の屈折率に対する高い感度は、図示の例では共振(Q = 64)の高いQによって可能になっている。本明細書に記載される装置は、第1の金属レールと第2の金属レールとの間のチャネル内に配置された電気的に調節可能な誘電体の屈折率に対する反射位相の高い感度を示す。高い感度及び誘電体の屈折率を調整又は調節する能力は、本明細書に記載される動的メタ表面の機能性を容易にする。
【0107】
例示的な実施形態では、高Q誘電体共振が一次元ビーム形成ホログラムを画定するために利用される。一次元ホログラムの使用は単に便宜的な説明のためであり、他の実施形態は、二次元ホログラムを提供する。1つのアプローチでは、ホログラム位相が例えば、Gerchberg-Saxtonアルゴリズムを使用することによって計算されてもよく、一方、メタ表面素子のローレンツ共鳴性のために、ホログラムの平面内に位相-振幅の制約を課す。各誘電体共振素子における計算された位相は、各誘電体共振素子の調節可能な屈折率の屈折率と高度に相関している。
【0108】
屈折率を調整することにより、特定のホログラフ位相に対応する屈折率のパターンを達成することができる。各誘電体共振素子の屈折率は、特定の印加電圧差にマッピングすることができる。従って、印加された電圧差の各パターンは、屈折率の独特のパターンおよび対応する位相ホログラフに対応する。
【0109】
図8は、
図1Aに示すアンテナに類似した光学面散乱アンテナ800を介して可能な反射光放射のステアリング可能(steerable)ビーム850の簡略図を示す。図示されるように、絶縁体層895は、複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路を、下にある反射器890から分離する。
【0110】
図9は、絶縁体および反射体を含む表面990の上部にある14個の調節可能なプラズモン共鳴導波路のアレイ900の簡略化された実施形態を示す。この単純化されたアレイ900は14個の調節可能なプラズモン共鳴導波路のみを示すが、機能的な実施形態は様々な行及び列に図示又は組織化されているように、1次元アレイ内に数千個、数万個、数十万個、又は数百万個の調節可能なプラズモン共鳴導波路を含み得る。例えば、幅3センチメートルのアンテナは数万の調節可能なプラズモン共鳴導波路(例えば、350ナノメートル装置では約90,000)を含み得る。より大きなアンテナは、所与の動作帯域幅に対する特徴サイズに応じて、比例してより多くの数の調節可能なプラズモン共鳴導波路を含み得る。図示の実施形態では金属レール902~914のそれぞれが2つの調節可能なプラズモン共鳴導波路によって共有されるが、2つの端部金属レール901及び915は共有されない。
【0111】
金属レール901~915のそれぞれは電気リードに接続されて、特定の電圧値を提供し、それによって、隣接する金属レール910~915の各対の間に形成されたチャネル内に配置された電気的に調節可能な誘電体内に所望の電界を誘導することができる。いくつかの実施形態では、一方の端部から他方の端部に印加される電圧値が連続的に増加している。
【0112】
例えば、1.5ボルトまでの電圧差が各隣接する金属レールセット間で望まれると仮定すると、次に、15の金属レール901~915を含む図示の実施形態については、一方の端部(金属レール901)で-10ボルトから他方の端部(金属レール915)で+11ボルトまでの電圧範囲で十分であろう。いくつかの実施形態では、1.5の電圧差が十分な範囲の調節可能性を提供しないことがあり、隣接する金属レール間のより高い電圧差を利用することができる。他の実施形態では、1.5ボルトが必要以上の範囲を提供することができ、したがって、より低い電圧差を採用することができる。数十、数千、又は数万の金属レールが採用される実施形態では、電圧パターンが何度も繰り返され得る。例えば、10の金属レールは、-5ボルトから+5ボルトまでの電圧範囲を利用することができる。10本の金属レールの各組の始めと端の隣接する金属レールは10ボルト全体の電圧差を見ることができ、「通常の」電圧差を経験する他の調節可能なプラズモン共鳴導波路と同じように機能する場合もあれば、機能しない場合もある。液晶が電気的に調節可能な材料である実施形態では、液晶は電場の大きさにのみ反応するので、より小さな電圧範囲で十分であり得る。
【0113】
図示されるように、複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路900は、ホログラフィックメタ表面950を構成してもよい。制御ロジック952、メモリ954、および入力/出力ポート956は、ホログラフィックメタ表面950と対になって、送信および/または受信光学表面散乱アンテナシステムを形成することができる。他の実施形態では、プラズモニック導波路のための制御エレクトロニクスが別個のチップ上に配置され、ワイヤボンド、無線、または他の相互接続方法を介してメタ表面チップに接続されてもよい。
【0114】
制御論理回路は、各誘電部材に電圧信号を供給して、金属レール901~915のそれぞれの間の電気的に調節可能な誘電体内に電場を生成することができる。電圧差のパターンは光学表面散乱アンテナシステムの目標反射パターンに対応する特定のパターンの屈折率を達成するために、制御ロジックによって生成されてもよい。
【0115】
図10は、905ナノメートルの赤外光を含む比較的狭い帯域幅で動作するように構成された、調節可能なプラズモン共鳴導波路1000の具体例を示す。特定の実施では、調節可能なプラズモン共鳴導波路1000がその間にチャネルを形成する2つの対向する金属レール1040および1042を含む。電気的に調節可能な誘電体1045が、チャネル内に配置される。調節可能なプラズモン共鳴導波路1000が延在する表面は、絶縁体1090内に埋め込まれた細長い反射器パッチ1093を含む。
【0116】
図示の実施形態では、金属レール1040および1042が動作モード(すなわち、チャネルの高さに沿って達成可能な磁界アンチノードの数)に応じて、約400から600ナノメートルの間の表面から延在してもよい。チャネル幅は、約100ナノメートルと200ナノメートルとの間とすることができる。金属レール1040および1042とチャネル1045とを合わせた幅は、約350ナノメートルと500ナノメートルとの間であってもよい。金属レール1040および1042の一方または両方は隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路によって共有され得、その結果、素子の有効ピッチは約350~500ナノメートルの組み合わせ幅よりわずかに小さくなり得る。
【0117】
反射パッチ1093は、50~200ナノメートルの深さだけ絶縁体1090内に埋め込まれてもよく、それ自体が50~500ナノメートルの厚さを有する可能性がある。反射パッチ1093の幅は少なくとも、チャネルと同程度に広くてもよく、または約200~500ナノメートルの幅を有するチャネルよりもわずかに広くてもよい。
【0118】
図11Aは、基地1110に取り付けられた光送信機および/または受信機1175を有する、同調可能(tunable)な光学表面散乱アンテナ装置1150を含む、システム1100の一例を示す。光送信機及び/又は受信機1175は同調可能な光表面散乱アンテナ装置1150からの光放射を斜入射角(例えば、60~89度)で送信及び/又は受信するように構成することができる。同調可能な光学表面散乱アンテナ装置1150は、反射器であるか、又は反射器を含む表面から延在する調節可能なプラズモン共鳴導波路を採用する、本明細書に記載される実施形態の任意の組み合わせに従って構成されてもよい。
【0119】
例えば、同調可能な光学表面散乱アンテナ装置1150は、複数の細長い調節可能なプラズモン共鳴導波路を備えるように構成されてもよい。調節可能なプラズモン共鳴導波路は並列で長形金属レールの一次元アレイを含み、その間に形成されたチャネルを有する。電気的に調節可能な誘電体は、金属-誘電体界面に動作帯域幅内の波長でのプラズモニック送信に支持を提供するためにチャネル内に配置してもよい。
【0120】
図11Bは、細長い壁誘電体部材を含む同調可能な光学表面1151からの反射されたステアリング可能な光ビーム1185を介してグレージング角度で光放射1180を送信する(または受信する)送信機1175(または受信機)を示す。ビーム1185はX-Z矢印によって示されるように、一方向に調節されてもよい。電気接点1130は、同調可能な光学表面1151内の複数の金属レールの各電圧差動を印加するための潜在的なピン配置を表すように図示される。いくつかの実施形態では、(
図11Aのように)より多くのピンアウトを利用することができ、および/または複数の金属レールを同じピンアウトに接続することができる。
【0121】
図12は、光学的に透明な窓1250を有する、パッケージ化された固体ステアリング可能な光ビームアンテナシステム1200の一実施形態を示す。図示の実施形態はパッケージ内に、1つまたは複数の同調可能な光表面散乱アンテナ装置と光通信する送信機、受信機、および/または送信機を含むことができる。例えば、送信機は、単一の同調可能な光学表面散乱アンテナ装置と対になってもよい。代替的に、パッケージはそれぞれが、自身の可変同調光学表面散乱アンテナ装置と通信している個別送信機及び個別受信機-受信用及び送信用のもの-を含んでもよい。パッケージは敏感な構成要素を保護することができ、光学的に透明な窓1250は、ステアリング可能なビームが種々の角度で操縦されることを可能にすることができる。
【0122】
本開示は、最良の形態を含む様々な例示的な実施形態を参照してなされた。しかし、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に変更および修正を加えることができることを認識するのであろう。本開示の原理を様々な実施形態で示したが、本開示の原理および範囲から逸脱することなく、構造、配置、比率、素子、材料、および構成要素の多くの修正を、特定の環境および/または動作要件に適合させることができる。これらおよび他の変更または修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0123】
本明細書に記載される主題の態様は、以下の番号付けされた条項に記載される:
1. 表面と、
実質的に垂直に前記表面から延在し、光動作波長未満の素子間隔で前記表面上に配置された複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路と、を備える、装置。
【0124】
2. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれは、前記電気的に調節可能な誘電体と、少なくとも1つのプラズモン金属レールとを備える、条項1に記載の装置。
3.前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれは互いに間隔を置いてチャネルを形成する2つのプラズモニック金属レールを備え、前記電気調節可能な誘電体は前記2つのプラズモニック金属レールの間の前記チャネル内に配置される、第2項に記載の装置。
【0125】
4. 前記プラズモニック金属レールは、互いに実質的に平行である、条項3に記載の装置。
【0126】
5. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは各プラズモニック金属レールの長さが、前記金属レールが前記表面から延在する高さの少なくとも2倍であるように細長い、条項2に記載の装置。
【0127】
6. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記電気的に調節可能な誘電体は、隣接するプラズモン金属レールの間のチャネル内に配置される、条項2に記載の装置。
【0128】
7. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれが、銅、銀、アルミニウム、および金のうちの少なくとも1つを含む、条項2に記載の装置。
【0129】
8. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれが、銅を含む、条項2に記載の装置。
【0130】
9. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれが、アルミニウムを含む、条項2に記載の装置。
【0131】
10. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、アルミニウム、チタンおよびクロムのうちの少なくとも1つを含む、条項2に記載の装置。
【0132】
11. 前記プラズモン金属レールのそれぞれは、前記光学動作波長において実質的な損失正接を有する金属を含む、条項2に記載の装置。
【0133】
12. 前記プラズモン金属レールのそれぞれは、前記光学動作波長において実質的に0.1未満の損失正接を有する金属を含む、条項2に記載の装置。
【0134】
13. 前記プラズモン金属レールのそれぞれは、前記光学動作波長において実質的に0.01未満の損失正接を有する金属を含む、条項2に記載の装置。
【0135】
14. 隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路が、共通のプラズモン金属レールを共有し、2つの隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路が、
第1のプラズモニック金属レールと第2のプラズモニック金属レールとの間に配置された第1の電気調節可能な誘電体と、
第2のプラズモニック金属レールと第三のプラズモニックレールとの間に配置された第2の電気調節可能な誘電体とにより、形成される、条項6に記載の装置。
【0136】
15. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面に沿って互いに実質的に平行に延在する、条項14に記載の装置。
【0137】
16. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは前記表面上に円を形成し、隣接する円形プラズモニック金属レールと同心である、条項14に記載の装置。
【0138】
17. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、隣接するプラズモニック金属レールに対応する曲率半径で前記表面に沿って延在する、条項14に記載の装置。
【0139】
18. 前記表面は、前記光学動作波長を含む動作帯域幅内の光学電磁放射を反射する光反射器を備える、条項1に記載の装置。
【0140】
19. 前記光反射器が、低屈折率材料と高屈折率誘電体材料とを交互に含むブラッグ反射器を含む、第18項に記載の装置。
【0141】
20. 前記光反射器は、導電性反射器を備える、条項18に記載の装置。
【0142】
21. 前記導電性反射体が、銅を含む、条項20に記載の装置。
【0143】
22. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路を前記導電性反射器から分離する絶縁体をさらに備える、第20項に記載の装置。
【0144】
23. 前記絶縁体が、誘電絶縁体層を含む、条項22に記載の装置。
【0145】
24. 前記誘電絶縁体層が二酸化ケイ素を含む、条項23に記載の装置。
【0146】
25. 前記誘電絶縁体層は、10~400ナノメートルの厚さを有する、条項23に記載の装置。
【0147】
26. 前記導電性反射体は、金属層を含む、条項20に記載の装置。
【0148】
27. 前記金属層は、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの下にノッチを有する、条項26に記載の装置。
【0149】
28. 前記ノッチは、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の中央部の下にある、条項27に記載の装置。
【0150】
29. 前記表面は、埋め込まれた光反射器を備えた誘電体基板を含む、条項1に記載の装置。
【0151】
30. 前記表面が、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの下に埋め込まれた光反射器を有する誘電体基板を備える、条項1に記載の装置。
【0152】
31. 前記表面は、複数の光学的反射パッチを含む、条項1に記載の装置。
【0153】
32. 前記複数の光学的反射パッチのそれぞれは、基板上に形成される、条項31に記載の装置。
【0154】
33. 前記基板は動作帯域幅内で実質的に反射しない、条項32に記載の装置。
【0155】
34. 前記表面が、前記光学的反射パッチを前記調節可能なプラズモン共鳴導波路から分離する絶縁層を含む、第32項に記載の装置。
35. 前記複数の光学的反射パッチのそれぞれは、金属パッチを含む、条項31に記載の装置。
【0156】
36. 前記光学的反射金属パッチのそれぞれは、銅パッチを含む、条項35に記載の装置。
【0157】
37. 前記光学的反射パッチのそれぞれは、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の寸法に対応する寸法を有する、第31項に記載の装置。
【0158】
38. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの下に、1つの光学的反射パッチが存在する、第37項に記載の装置。
【0159】
39. 前記表面がその中に埋め込まれた複数の銅パッチを有する誘電体基板を含み、前記銅パッチのうちの1つが、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の各チャネルの下に配置される、条項1に記載の装置。
【0160】
40. 隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路間の前記素子間隔は、前記動作帯域幅内の最小波長の半分未満である、条項1に記載の装置。
【0161】
41. 隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路間の前記素子間隔が、前記動作帯域幅内の最小波長の1波長未満である、条項1に記載の装置。
【0162】
42. 隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路間の前記素子間隔が、前記動作帯域幅内の最小波長の1/5未満である、条項1に記載の装置。
【0163】
43. 隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路の間の前記素子間隔が、前記動作帯域幅内の最小波長の約1/2から1/10である、条項1に記載の装置。
【0164】
44. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれが、
前記表面から第1の高さまで延びる第1のプラズモン金属レールおよび前記表面から第2の高さまで延びる第2のプラズモニック金属レール、
前記第1及び第2のプラズモニック金属レールは、互いに間隔を置いて配置され、その間にチャネルを形成する;と、
前記チャネルの少なくとも一部分内に配置される電気的に調節可能な誘電体;と、を備える、条項1に記載の装置。
【0165】
45. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれは、
前記第1および第2のプラズモニック金属レールに適用された電圧差を受け取るための電気接点であって、
前記第1および第2のプラズモニック金属レールへの第1の電圧差の適用は第1の反射位相に対応し、前記第1および第2のプラズモニック金属レールへの第2の電圧差の適用は、第2の反射位相に対応する、電気接点をさらに備える、条項44に記載の装置。
【0166】
46. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路は、前記第1および第2のプラズモン金属レールの長さに垂直な一次元アレイ内に配置される、条項45に記載の装置。
【0167】
47. 前記第1および第2のプラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面の対向する縁部の間に延在する、条項46に記載の装置。
【0168】
48. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの高さは、前記動作光波長を含む動作帯域幅内の波長に対する標的共鳴に基づく、条項1に記載の装置。
【0169】
49. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの全幅は、前記動作光波長を含む動作帯域幅内の波長に対する標的共鳴に基づく、条項1に記載の装置。
【0170】
50. 前記プラズモン金属レールのそれぞれの幅は、前記動作光波長を含む動作帯域幅内の波長に対する標的共振に基づく、条項2に記載の装置。
【0171】
51. 前記電気的に調節可能な誘電体のそれぞれの幅は、前記動作光波長を含む動作帯域幅内の波長に対する標的共振に基づく、条項2に記載の装置。
【0172】
52. 各プラズモニック金属レールが前記表面から実質的に垂直に延びる高さは、動作帯域幅内の波長に対する標的共鳴及び品質係数(Q係数)に基づく、条項2に記載の装置。
【0173】
53. 動作帯域幅が905ナノメートルの波長を含み、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれが、前記表面から約400ナノメートルの高さまで延在する、条項1に記載の装置。
【0174】
54. 動作帯域幅が905ナノメートルの波長を含み、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれが、前記表面から約600ナノメートルの高さまで延在する、条項1に記載の装置。
【0175】
55. 動作帯域幅が1550ナノメートルの波長を含み、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれが前記表面から約700ナノメートルの高さまで延在する、条項1に記載の装置。
【0176】
56. 動作帯域幅が1550ナノメートルの波長を含み、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれが前記表面から約1050ナノメートルの高さまで延在する、条項1に記載の装置。
【0177】
57. 動作帯域幅は905ナノメートルの波長を含み、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記2つのプラズモニック金属レールは、約100ナノメートルから200ナノメートルの間のチャネル幅だけ互いに間隔を空けて配置される、条項3に記載の装置。
【0178】
58. 動作帯域幅が1550ナノメートルの波長を含み、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記2つのプラズモニック金属レールが、約175~350ナノメートルのチャネル幅だけ互いに間隔を空けて配置される、条項3に記載の装置。
【0179】
59. 前記素子間隔は、約350~650ナノメートルで条項1に記載の装置。
【0180】
60. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路は、前記表面上に一行に配行される、条項1に記載の装置。
【0181】
61. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路が前記表面上の行及び列に配列されて、M×Nアレイを形成し、Mは行の数に対応し、Nは列の数に対応する、条項1に記載の装置。
【0182】
62. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれに対処するために、行および列によってインデックス付けされたマトリクス回路をさらに備える、条項61に記載の装置。
【0183】
63. 前記マトリックス回路が受動マトリックスアドレス指定回路を含む、条項62に記載の装置。
【0184】
64. 前記マトリックス回路が、活性マトリックスアドレス指定回路を含む、条項62に記載の装置。
【0185】
65. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路が、前記表面上に実質的に同心円状のリングに配置される、条項1に記載の装置。
【0186】
66. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路は、前記表面上に均一に分布される、条項1に記載の装置。
【0187】
67. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路は、前記表面上に非周期的に配置される、条項1に記載の装置。
【0188】
68. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路は、前記表面上に準ランダムに配置される、条項1に記載の装置。
【0189】
69. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路の各が、約5~100の共鳴品質係数を有する、条項1に記載の装置。
【0190】
70. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路の各が、約10~30の共鳴品質係数を有する、条項1に記載の装置。
【0191】
71. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれは、約15の共鳴品質係数を有する、条項1に記載の装置。
【0192】
72. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記2つのプラズモン金属レールの間の前記チャネルは、光動作帯域幅内の周波数の基本高調波モードに対応する、条項3に記載の装置。
【0193】
73. 前記プラズモン金属レールのそれぞれは前記表面から、前記光学動作帯域幅内の周波数の前記基本高調波モードに対応する高さまで延在する、条項72に記載の装置。
【0194】
74. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは前記表面から、前記光動作帯域幅内の周波数の二次高調波モードに対応する高さまで延在し、その結果、前記2つのプラズモニック金属レールの前記表面と前記頂部との間の前記チャネル内で2つの磁場アンチノードを実現することができる、条項72に記載の装置。
【0195】
75. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記2つのプラズモン金属レールの間の前記チャネルは前記2つのプラズモン金属レールの間の前記電気的に調節可能な誘電体内で2つの磁場アンチノードを実現することができるように、光動作帯域幅内の周波数の2次高調波モードに対応する、条項3に記載の装置。
【0196】
76. 前記プラズモン金属レールのそれぞれは前記表面から、前記光動作帯域幅内の周波数の基本高調波モードに対応する高さまで延在する、条項75に記載の装置。
【0197】
77. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは前記表面から、前記光動作帯域幅内の周波数の前記二次高調波モードに対応する高さまで延在し、その結果、前記プラズモニック金属レールの前記表面と前記頂部との間の前記チャネル内で2つの磁場アンチノードを実現することができる、条項75に記載の装置。
【0198】
78. 前記調整可能プラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記プラズモン金属レールのそれぞれは前記表面から、光動作帯域内の周波数の基本高調波モードに対応する高さまで延在する、条項3に記載の装置。
【0199】
79. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記プラズモン金属レールは前記表面から、光動作帯域幅内の周波数の二次高調波モードに対応する高さまで延在し、その結果、前記プラズモン金属レールの前記表面と前記頂部との間の前記チャネル内で2つの磁場アンチノードを実現することができる、条項3に記載の装置。
【0200】
80. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記プラズモニック金属レールは前記表面から、光学動作帯域幅内の周波数のN次高調波モードに対応する高さまで延び、その結果、N個の磁場アンチノードが、前記プラズモニック金属レールの前記表面と頂部との間の前記チャネル内で実現され得る、条項3に記載の装置。
【0201】
81. 前記調整可能プラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記2つのプラズモン金属レール間の前記チャネルの幅は、前記光動作帯域幅内の周波数の基本高調波モードに対応する、条項80に記載の装置。
【0202】
82. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記2つのプラズモン金属レール間の前記チャネルの幅は2つの磁場アンチノードが前記電気的に調節可能な誘電体内で実現され得るように、前記光動作帯域幅内の周波数の2次高調波モードに対応する、条項80に記載の装置。
【0203】
83. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記2つのプラズモン金属レールは、それぞれ、光動作帯域内の周波数の基本高調波モードに対応する長さを有する、条項3に記載の装置。
【0204】
84. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記2つのプラズモニック金属レールはそれぞれ、光学動作帯域幅内の周波数の第2調和モードに対応する長さを有し、その結果、2つの磁場アンチノードが、前記2つのプラズモニック金属レールの間の前記チャネルの長さに沿って実現され得る、条項3に記載の装置。
【0205】
85. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記2つのプラズモニック金属レールのそれぞれはそれぞれ、光学動作帯域幅内の周波数の第N調和モードに対応する長さを有し、その結果、N個の磁場アンチノードはN個の数値で前記2つのプラズモニック金属レールの間の前記チャネルの長さに沿って実現され得る、条項3に記載の装置。
【0206】
86. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは前記表面から、前記光学動作帯域幅内の周波数のM次高調波モードに対応する高さまで延び、それにより、M個の磁界アンチノードが前記2つのプラズモニック金属レールの前記表面と頂部との間の前記チャネル内で実現でき、ここで、Mは数値である、条項85に記載の装置
87. MがNに等しい、条項86の装置。
【0207】
88. MがN未満で条項86に記載の装置。
【0208】
89. 前記2つのプラズモン金属レールの間の前記チャネルの幅は、前記光動作帯域幅内の周波数の基本高調波モードに対応する、条項85に記載の装置。
【0209】
90. 前記調整可能プラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記2つのプラズモン金属レール間の前記チャネルの幅は、前記光動作帯域幅内の周波数の2次高調波モードに対応し、その結果、前記2つのプラズモン金属レール間の前記電気的に調節可能な誘電体内で2つの磁場アンチノードを実現される、条項85に記載の装置。
【0210】
91. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記2つのプラズモン金属レール間の前記チャネルの幅は前記光動作帯域幅内の周波数の3次高調波モードに対応し、その結果、前記2つのプラズモン金属レール間の前記電気的に調節可能な誘電体内で3つの磁場アンチノードを実現することができる、条項85に記載の装置。
【0211】
92. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれが、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの標的共鳴及びQ値を達成するための寸法を有するように構成される、条項3に記載の装置。
【0212】
93. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面から実質的に垂直に延在する、条項3に記載の装置。
【0213】
94. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面からある角度で延在する、条項3に記載の装置。
【0214】
95. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記プラズモニック金属レールに電圧差を選択的に印加するコントローラを更に含み、複数の選択可能な電圧差のそれぞれが、それぞれの前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの反射位相に対応する、条項3に記載の装置。
【0215】
96. 前記コントローラは前記2つのプラズモニック金属レールのうちの一方に電圧を印加することによって、前記電圧差を前記プラズモニック金属レールに選択的に印加し、他方のプラズモニック金属レールはグラウンドに接続される、条項95に記載の装置。
【0216】
97. 前記電気的に調節可能な誘電体は液晶を含み、前記複数の選択可能な電圧差のうちの第1は、前記複数の選択可能な電圧差のうちの第2に対応する屈折率よりもほぼ15パーセント大きい屈折率に対応する、条項95に記載の装置。
【0217】
98. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記プラズモン金属レールに電圧差のパターンを選択的に適用するコントローラをさらに備え、前記電圧差のパターンは、(i)前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記電気的に調節可能な誘電体の屈折率のパターン、および(ii)前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路に入射する光電磁放射の波の反射パターンに対応する、条項3に記載の装置。
【0218】
99. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、前記可視光スペクトルの一部を含む、条項1に記載の装置。
【0219】
100. 前記調整可能プラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、前記赤外光スペクトルの一部を含む、条項1に記載の装置。
【0220】
101. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、近赤外電磁放射を含む、条項100に記載の装置。
【0221】
102. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、短波長赤外電磁放射を含む、条項100に記載の装置。
【0222】
103. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、中波長赤外電磁放射を媒体、条項100に記載の装置。
【0223】
104. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、長波長赤外電磁放射を含む、条項100に記載の装置。
【0224】
105. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、遠赤外電磁放射を含む、条項100に記載の装置。
【0225】
106. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、電気通信波長を含む、条項100に記載の装置。
【0226】
107. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路を通って前記光動作波長を含む電磁放射を前記表面に送信する送信機をさらに備える、条項1に記載の装置。
【0227】
108. 前記光動作波長を含む前記調整可能プラズモン共鳴導波路を通過した後に、前記表面によって反射された電磁放射を受信する受信機をさらに備える、条項1に記載の装置。
【0228】
109. 前記電気的に調節可能な誘電体は、液晶材料を含む、条項2に記載の装置。
【0229】
110. 前記電気的に調節可能な誘電体は、電気光学ポリマー材料を含む、条項2に記載の装置。
【0230】
111. 前記電気的に調節可能な誘電体は、ケイ素を含む、条項2に記載の装置。
【0231】
112. 前記電気的に調節可能な誘電体は、カルコゲニドガラスを含む、条項2に記載の装置。
【0232】
113. 位相調節可能なサブ波長共振素子であって、
表面;と、
前記表面から延びる最初のプラズモニック金属レールおよび前記表面から延在する第2のプラズモニック金属レールであって、
前記第1及び第2のプラズモニック金属レールは、互いに間隔を置いて配置され、その間にチャネルを形成する;と、
チャネルの少なくとも一部分内に配置された電気的に調節可能な誘電体;と、
前記第1および第2のプラズモニック金属レールに適用された電圧差を受け取るための電気接点;と、を備え、
前記第1および第2のプラズモニック金属レールへの第1の電圧差動の適用はサブ波長共振素子の第1の反射位相に対応し、前記第1および第2のプラズモニック金属レールへの第2の電圧差動の適用は、サブ波長共振素子の第2の反射位相に対応する、位相調節可能なサブ波長共振素子。
【0233】
114. 前記プラズモニック金属レールは、互いに実質的に平行で条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0234】
115. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記金属レールが前記表面から延びる高さの少なくとも2倍の長さを有する、条項113に記載のサブ波長共振要素。
【0235】
116. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、銅、銀、アルミニウム、および金のうちの少なくとも1つを含む、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0236】
117. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、アルミニウム、チタン、およびクロムのうちの少なくとも1つを含む、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0237】
118. 前記プラズモン金属レールのそれぞれは、光学動作波長において実質的に1未満の損失正接を有する金属を含む、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0238】
119. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、光動作波長において実質的に0.1未満の損失正接を有する金属を含む、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0239】
120. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、光動作波長において実質的に0.01未満の損失正接を有する金属を含む、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0240】
121. 前記表面は、動作帯域幅内の光電磁放射を反射する光反射器を備える、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0241】
122. 前記光反射器は、低屈折率材料と高屈折率誘電体材料とを交互に含むブラッグ反射器を含む、条項121に記載のサブ波長共振素子。
【0242】
123. 前記光反射器は、導電性反射器を備える、条項121に記載のサブ波長共振素子。
【0243】
124. 前記導電性反射器は、銅を含む、条項123に記載のサブ波長共振素子。
【0244】
125. 前記プラズモニック金属レールを前記導電性反射器から分離する絶縁体をさらに備える、第123項に記載のサブ波長共鳴素子。
【0245】
126. 前記絶縁体は、誘電絶縁体層を備える、条項125に記載のサブ波長共鳴素子。
【0246】
127. 前記誘電絶縁体層は、二酸化ケイ素を含む、条項126に記載のサブ波長共振素子。
【0247】
128. 前記誘電絶縁体層は、窒化物ベースの誘電体を含む、条項126に記載のサブ波長共振素子。
【0248】
129. 前記誘電性絶縁体層は、25~300ナノメートルの厚さを有する、条項126に記載のサブ波長共振素子。
【0249】
130. 前記導電性反射器は、金属層を含む、条項123に記載のサブ波長共振素子。
【0250】
131. 前記金属の層は、前記チャネル内の前記電気的に調節可能な誘電体の下にノッチングされる、条項130に記載のサブ波長共振素子。
【0251】
132. 前記表面は、埋め込まれた光反射器を有する誘電体基板を含む、条項113に記載のサブ波長共鳴素子。
【0252】
133. 前記表面が、前記チャネル内で前記電気的に調節可能な誘電体の下に埋め込まれた光反射器を備える誘電体基板を備える、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0253】
134. 前記第1および第2のプラズモニック金属レールとそれらの間の前記チャネルとの結合された幅は、動作帯域幅内の最小波長の半分未満で条項113に記載のサブ波長共振要素。
【0254】
135. 前記第1および第2のプラズモニック金属レールとそれらの間の前記チャネルとの結合された幅は、動作帯域幅内の最小波長の1波長未満で条項113に記載のサブ波長共振要素。
【0255】
136. 前記第1および第2のプラズモニック金属レールと、それらの間のチャネルとの結合された幅は、動作帯域幅内の最小波長の1/5未満で条項113に記載のサブ波長共振要素。
【0256】
137. 前記第1のプラズモニック金属レールと前記第2のプラズモニック金属レールとの間の前記チャネルの合成幅は、動作帯域幅内で最小波長の約1/2から1/10で条項113に記載のサブ波長共鳴素子。
【0257】
138. 前記第1および第2のプラズモニック金属レールとその間の前記チャネルとの組み合わせられた幅は、約300~1200ナノメートルで条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0258】
139. 前記第1および第2のプラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面の対向するエッジの間に延在する、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0259】
140. 前記プラズモニック金属レールの各が前記表面から延在する高さは、動作帯域幅内の波長に対する標的共鳴に基づく、条項113に記載のサブ波長共鳴要素。
【0260】
141. 前記プラズモニック金属レールの各幅は、動作帯域幅内の波長に対する標的共鳴に基づく、条項113に記載のサブ波長共鳴要素。
【0261】
142. 前記電気的に調節可能な誘電体が配置される前記チャネルの幅は、動作帯域幅内の波長に対する標的共振に基づく、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0262】
143. 前記プラズモニック金属レールの各が前記表面から延在する高さは、動作帯域幅内の波長に対する標的共鳴および品質係数(Q係数)に基づく、条項113に記載のサブ波長共鳴要素。
【0263】
144. 動作帯域幅は905ナノメートルの波長を含み、前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面から約400ナノメートルの高さまで延在する、条項113に記載のサブ波長共鳴要素。
【0264】
145. 動作帯域幅は905ナノメートルの波長を含み、前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面から約600ナノメートルの高さまで延在する、条項113に記載のサブ波長共鳴要素。
【0265】
146. 動作帯域幅は1550ナノメートルの波長を含み、前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面から約700ナノメートルの高さまで延在する、条項113に記載のサブ波長共鳴要素。
【0266】
147. 動作帯域幅は1550ナノメートルの波長を含み、前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面から約1050ナノメートルの高さまで延在する、条項113に記載のサブ波長共鳴要素。
【0267】
148. 動作帯域幅は905ナノメートルの波長を含み、前記第1および第2のプラズモニック金属レールは、約100~250ナノメートルのチャネル幅だけ互いに離間される、条項113に記載のサブ波長共鳴要素。
【0268】
149. 動作帯域幅は1550ナノメートルの波長を含み、前記第1および第2のプラズモニック金属レールは、約175~350ナノメートルのチャネル幅だけ互いに離間される、条項113に記載のサブ波長共鳴要素。
【0269】
150. (i)前記第1および第2のプラズモニック金属レールのそれぞれの少なくとも1つの寸法と、(ii)前記電気的に調節可能な誘電体が配置される、それらの間の前記チャネルの少なくとも1つの寸法とが、約10~100の共振品質係数を有するように構成される、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0270】
151. (i)前記第1および第2のプラズモニック金属レールのそれぞれの少なくとも1つの寸法と、(ii)前記電気的に調節可能な誘電体が配置される、それらの間の前記チャネルの少なくとも1つの寸法とが、約10~30の共振品質係数を有するように構成される、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0271】
152. (i)前記第1および第2のプラズモニック金属レールのそれぞれの少なくとも1つの寸法と、(ii)前記電気的に調節可能な誘電体が配置される、それらの間の前記チャネルの少なくとも1つの寸法とが、約15の共振品質係数を有するように構成される、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0272】
153. 前記第1のプラズモニック金属レールと前記第2のプラズモニック金属レールとの間のチャネルは、光動作帯域幅内の周波数の基本高調波モードに対応する、条項113に記載のサブ波長共振要素。
【0273】
154. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面から、前記光動作帯域幅内の周波数の前記基本高調波モードに対応する高さまで延びる、条項153に記載のサブ波長共振要素。
【0274】
155. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面から、前記光学動作帯域幅内の周波数の2次高調波モードに対応する高さまで延び、その結果、2つの磁場アンチノードが前記プラズモニック金属レールの前記表面と頂部との間の前記チャネル内で実現され得る、条項153に記載のサブ波長共振素子。
【0275】
156. 前記2つのプラズモニック金属レール間の前記チャネルは光学動作帯域幅内の周波数の2次高調波モードに対応し、その結果、2つの磁界腹は、前記プラズモニック金属レール間の前記チャネル内の前記電気的に調節可能な誘電体内で実現され得る、条項113に記載のサブ波長共振要素。
【0276】
157. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面から、前記光動作帯域幅内の周波数の基本高調波モードに対応する高さまで延びる、条項156に記載のサブ波長共振要素。
【0277】
158. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面から、前記光学動作帯域幅内の周波数の前記2次高調波モードに対応する高さまで延び、その結果、2つの磁場アンチノードが前記プラズモニック金属レールの前記表面と前記頂部との間の前記チャネル内で実現され得る、条項156に記載のサブ波長共振素子。
【0278】
159. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面から、光動作帯域幅内の周波数の基本高調波モードに対応する高さまで延在する、条項113に記載のサブ波長共振要素。
【0279】
160. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面から、光学動作帯域幅内の周波数の2次高調波モードに対応する高さまで延び、その結果、2つの磁場アンチノードが前記プラズモニック金属レールの前記表面と頂部との間の前記チャネル内で実現され得る、条項113に記載のサブ波長共鳴要素。
【0280】
161. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面から、光学動作帯域幅内の周波数のN次高調波モードに対応する高さまで延在し、その結果、N個の磁場アンチノードが前記プラズモニック金属レールの前記表面と前記頂部との間の前記チャネル内で実現され得る、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0281】
162. 前記プラズモニック金属レール間の前記チャネルの幅は、前記光動作帯域幅内の周波数の基本高調波モードに対応する、条項161に記載のサブ波長共振要素。
【0282】
163. 前記プラズモニック金属レール間の前記チャネルの幅は前記光学動作帯域幅内の周波数の2次高調波モードに対応し、その結果、2つの磁界腹は、前記電気的に調節可能な誘電体内で実現され得る、条項161に記載のサブ波長共振要素。
【0283】
164. 前記プラズモニック金属レールは、それぞれ、光動作帯域幅内の周波数の基本高調波モードに対応する長さまで伸長される、条項113に記載のサブ波長共振要素。
【0284】
165. 前記プラズモニック金属レールは、それぞれ、光学動作帯域幅内の周波数の第2調和モードに対応する長さまで伸長され、その結果、2つの磁場アンチノードが前記プラズモニック金属レール間の前記チャネルの長さに沿って実現され得る、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0285】
166. 前記プラズモニック金属レールはそれぞれ、N個の磁場アンチノードが前記プラズモニック金属レール間の前記チャネルの長さに沿って実現され得るように、光学動作帯域幅内の周波数のN次高調波モードに対応する長さまで伸長される、条項113に記載のサブ波長共振素子(Nは数値である)。
【0286】
167. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは前記表面から、前記光学動作帯域幅内の周波数のM次高調波モードに対応する高さまで延在し、その結果、M個の磁界腹は前記プラズモニック金属レールの前記表面と頂部との間の前記チャネル内で実現され得、Mは数値である、条項166に記載のサブ波長共振要素。
【0287】
168. MがNに等しい、条項167に記載のサブ波長共振素子。
【0288】
169. MがN未満である、条項167に記載のサブ波長共振素子。
【0289】
170. 前記プラズモニック金属レール間の前記チャネルの幅は、前記光動作帯域幅内の周波数の基本高調波モードに対応する、条項167に記載のサブ波長共振要素。
【0290】
171. 前記2つのプラズモニック金属レール間の前記チャネルの幅は前記光学動作帯域幅内の周波数の2次高調波モードに対応し、その結果、2つの磁界アンチノードは、前記プラズモニック金属レール間の前記電気的に調節可能な誘電体内で実現され得る、条項167に記載のサブ波長共振要素。
【0291】
172. 前記2つのプラズモニック金属レール間の前記チャネルの幅は前記光学動作帯域幅内の周波数の3次高調波モードに対応し、その結果、3つの磁界アンチノードが、前記プラズモニック金属レール間の前記電気的に調節可能な誘電体内で実現され得る、条項167に記載のサブ波長共振要素。
【0292】
173. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面から実質的に垂直に延在する、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0293】
174. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面からある角度で延在する、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0294】
175. 反射位相に対応する前記プラズモニック金属レールに電圧差を選択的に印加するためのコントローラをさらに備える、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0295】
176. 前記コントローラは前記プラズモニック金属レールの一方に電圧を印加することによって、前記プラズモニック金属レールに前記電圧差を選択的に印加し、一方、他方のプラズモニック金属レールは、グランドに接続される、条項175に記載のサブ波長共振要素。
【0296】
177. 前記電気的に調節可能な誘電体は、液晶を含む、条項175に記載のサブ波長共振素子。
【0297】
178. 前記サブ波長共振素子の動作帯域幅は、前記可視光スペクトルの一部を含む、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0298】
179. 前記サブ波長共振素子の動作帯域幅は、前記赤外光スペクトルの一部を含む、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0299】
180. サブ波長共振素子の動作帯域幅は、近赤外線電磁放射を含む、条項179に記載のサブ波長共振素子。
【0300】
181. 前記サブ波長共振素子の動作帯域幅は、短波長赤外線電磁放射を含む、条項179に記載のサブ波長共振素子。
【0301】
182. 前記サブ波長共振要素の動作帯域幅は、中波長赤外線電磁放射を含む、条項179に記載のサブ波長共振要素。
【0302】
183. 前記サブ波長共振素子の動作帯域幅は、長波長赤外線電磁放射を含む、条項179に記載のサブ波長共振素子。
【0303】
184. 前記サブ波長共振素子の動作帯域幅は、遠赤外線電磁放射を含む、条項179に記載のサブ波長共振素子。
【0304】
185. 前記サブ波長共振素子の動作帯域幅は、遠隔通信波長を含む、条項179に記載のサブ波長共振素子。
【0305】
186. 前記電気的に調節可能な誘電体は、液晶材料を含む、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0306】
187. 前記電気的に調節可能な誘電体は、電気光学ポリマー材料を含む、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0307】
188. 前記電気的に調節可能な誘電体は、ケイ素を含む、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0308】
189. 前記電気的に調節可能な誘電体がカルコゲニドガラスを含む、条項113に記載のサブ波長共振素子。
【0309】
190. 電力と光電磁放射との間で変換する光電磁放射変換器と、
光電磁放射を反射する表面と、
サブ波長反射位相パターンを光電磁放射に選択的に印加するために、光動作波長未満の素子間隔で、表面上に配置された複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路と、備える、光ビームステアリング装置。
【0310】
191. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路に電圧のパターンを選択的に印加するコントローラを更に含み、前記光電磁放射変換器が前記表面上に配置された前記調節可能なプラズモン共鳴導波路に光学的電磁放射を照射し、前記電圧のパターンが、前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路の反射位相のパターンに対応して、前記反射された光学的電磁放射を操縦する、条項190に記載の装置。
【0311】
192. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路に電圧のパターンを選択的に印加するコントローラをさらに含み、前記電圧のパターンが、前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路の反射位相のパターンに対応する、条項190に記載の装置。
【0312】
193. 前記光電磁放射変換器は、電力を光電磁放射に変換するレーザを含む、条項190に記載の装置。
【0313】
194. 前記光電磁放射変換器が、電力を光電磁放射に変換する発光ダイオード(LED)を備える、条項190に記載の装置。
【0314】
195. 前記光電磁放射変換器は、光電磁放射を電力に変換するフォトダイオードを備える、条項190に記載の装置。
【0315】
196. 前記光電磁放射変換器は、光電磁放射を電力に変換するためのアバランシェフォトダイオード(APD)を備える、条項190に記載の装置。
【0316】
197. 前記光ビームステアリング装置は、電力を光電磁放射に変換するように構成された前記光電磁放射変換器を備えた伝送装置を備える、条項190に記載の装置。
【0317】
198. 前記光ビームステアリング装置は、光電磁放射を電力に変換するように構成された前記光電磁放射変換器を備えた受信装置を備える、条項190に記載の装置。
【0318】
199. 前記光ビームステアリング装置は、光電磁放射の受信と送信とを切り替えるように構成された送信機を備える、条項190に記載の装置。
【0319】
200. 前記光ビームステアリング装置は、光電磁放射を受信および送信するように構成された送信機を備える、条項190に記載の装置。
【0320】
201. 前記光ビームステアリング装置は、光電磁放射を送信するレーザと、光電磁放射を受信するフォトダイオードとを備える、条項190に記載の装置。
【0321】
202. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれは、電気的に調節可能な誘電体と、少なくとも1つのプラズモニック金属レールとを備える、条項190に記載の装置。
【0322】
203. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれは互いに間隔をあけてチャネルを形成する2つのプラズモニック金属レールを含み、前記電気調節可能な誘電体は前記2つのプラズモニック金属レールの間の前記チャネル内に配置される、条項202に記載の装置。
【0323】
204. 前記プラズモニック金属レールは、互いに実質的に平行である、条項203に記載の装置。
【0324】
205. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、各プラズモニック金属レールの長さが、前記金属レールが前記表面から延びる高さの少なくとも2倍になるように細長い、条項202に記載の装置。
【0325】
206. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記電気的に調節可能な誘電体は、隣接するプラズモニック金属レール間のチャネル内に配置される、条項202に記載の装置。
【0326】
207. 隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路が、共通のプラズモニック金属レールを共有し、その結果、2つの隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路が、
第1のプラズモニック金属レールと第2のプラズモニック金属レールとの間に配置された第1の電気的に調節可能な誘電体と、
第2のプラズモニック金属レールと第三のプラズモニックレールとの間に配置された第2の電気調節可能な誘電体とにより形成される、条項206に記載の装置。
【0327】
208. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面に沿って互いに実質的に平行に延在する、条項207に記載の装置。
【0328】
209. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは前記表面上に円を形成し、隣接する円形プラズモニック金属レールと同心で条項207に記載の装置。
【0329】
210. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、隣接するプラズモニック金属レールに対応する曲率半径で前記表面に沿って延在する、条項207に記載の装置。
【0330】
211. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、銅、銀、および金のうちの少なくとも1つを含む、条項202に記載の装置。
【0331】
212. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、アルミニウム、チタンおよびクロムのうちの少なくとも1つを含む、条項202に記載の装置。
【0332】
213. 前記プラズモン金属レールのそれぞれは、前記光学動作波長において実質的な損失正接を有する金属を含む、条項202に記載の装置。
【0333】
214. 前記プラズモン金属レールのそれぞれは、前記光学動作波長において実質的に0.1未満の損失正接を有する金属を含む、条項202に記載の装置。
【0334】
215. 前記プラズモン金属レールのそれぞれは、前記光学動作波長において実質的に0.01未満の損失正接を有する金属を含む、条項202に記載の装置。
【0335】
216. 前記表面は、光学動作波長を含む動作帯域幅内の光学電磁放射を反射する光反射器を備える、条項190に記載の装置。
【0336】
217. 前記光反射器が、低屈折率材料と高屈折率誘電体材料とを交互に含むブラッグ反射器を含む、条項216に記載の装置。
【0337】
218. 前記光反射器は、導電性反射器を含む、条項216に記載の装置。
【0338】
219. 前記導電性反射体は、銅を含む、条項218に記載の装置。
【0339】
220. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路を前記導電性反射器から分離する絶縁体をさらに備える、第218条項に記載の装置。
【0340】
221. 前記絶縁体は、誘電絶縁体層を含む、条項220に記載の装置。
【0341】
222. 前記誘電絶縁体層は、二酸化ケイ素を含む、条項221に記載の装置。
【0342】
223. 前記誘電絶縁体層は、50~200ナノメートルの厚さを有する、条項221に記載の装置。
【0343】
224. 前記導電性反射体は、金属層を含む、条項218に記載の装置。
【0344】
225. 前記金属層は、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの下にノッチを有する、条項224に記載の装置。
【0345】
226. 前記ノッチは、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の中心部分の下にある、条項225に記載の装置。
【0346】
227. 前記表面は、埋め込まれた光反射器を備えた誘電体基板を含む、条項190に記載の装置。
【0347】
228. 前記表面が、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの下に埋め込まれた光反射器を有する誘電体基板を備える、条項190に記載の装置。
【0348】
229. 前記表面は、複数の光学的反射パッチを含む、条項190に記載の装置。
【0349】
230. 前記複数の光学的反射パッチのそれぞれは、基板上に形成される、条項229に記載の装置。
【0350】
231. 前記基板は動作帯域幅内で実質的に反射しない、条項230に記載の装置。
【0351】
232. 前記表面が、前記光学的反射パッチを前記調節可能なプラズモン共鳴導波路から分離する絶縁層を含む、条項230に記載の装置。
【0352】
233. 前記複数の光学的反射パッチのそれぞれは、金属パッチを含む、条項229に記載の装置。
【0353】
234. 前記光学的反射金属パッチのそれぞれは、銅パッチを含む、条項233に記載の装置。
【0354】
235. 前記光学的反射パッチのそれぞれは、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の寸法に対応する寸法を有する、条項229に記載の装置。
【0355】
236. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの下に、1つの光学的反射パッチが存在する、条項235に記載の装置。
【0356】
237. 前記表面が内部に埋め込まれた複数の銅パッチを有する誘電体基板を含み、前記銅パッチのうちの1つが、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の各チャネルの下に配置される、条項190に記載の装置。
【0357】
238. 隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路間の素子間隔は、動作帯域幅内の最小波長の半分未満で条項190に記載の装置。
【0358】
239. 隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路間の素子間隔が、動作帯域幅内の最小波長の1波長未満で条項190記載の装置。
【0359】
240. 隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路間の素子間隔は、動作帯域幅内の最小波長の1/5未満で条項190に記載の装置。
【0360】
241. 隣接する調節可能なプラズモン共鳴導波路の間の素子間隔が、動作帯域幅内の最小波長の約1/2から1/10で条項190に記載の装置。
【0361】
242. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれは、
表面から第1の高さまで延びる第1のプラズモン金属レール及び表面から第2の高さまで延びる第2のプラズモニック金属レールであって、
前記第1及び第2のプラズモニック金属レールは、互いに間隔を置いて配置され、その間にチャネルを形成する;と、
前記チャネルの少なくとも一部分内に配置される電気的に調節可能な誘電体;と、を備える、条項190に記載の装置。
【0362】
243. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれは、
第1および第2のプラズモニック金属レールに適用された電圧差を受け取るための電気接点であって、
第1および第2のプラズモニック金属レールへの第1の電圧差動の適用は第1の反射位相に対応し、
第1および第2のプラズモニック金属レールへの第2の電圧差動の適用は、第2の反射位相に対応する、電気接点をさらに備える、条項242に記載の装置。
【0363】
244. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路が、前記第1及び第2のプラズモニック金属レールの長さに垂直な一次元アレイ内に配置される、条項243に記載の装置。
【0364】
245. 前記第1および第2のプラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面の対向する縁部の間に延在する、条項244に記載の装置。
【0365】
246. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの高さは、前記動作光波長を含む動作帯域幅内の波長に対する標的共鳴に基づく、条項190に記載の装置。
【0366】
247. 前記調整可能プラズモン共鳴導波路のそれぞれの総幅は、前記動作光波長を含む動作帯域幅内の波長に対する標的共鳴に基づく、条項190に記載の装置。
【0367】
248. 前記プラズモン金属レールのそれぞれの幅は、前記動作光波長を含む動作帯域幅内の波長に対する標的共振に基づく、条項203に記載の装置。
【0368】
249. 前記電気的に調節可能な誘電体のそれぞれの幅は、前記動作光波長を含む動作帯域幅内の波長に対する標的共振に基づく、条項203に記載の装置。
【0369】
250. 各プラズモニック金属レールが前記表面から実質的に垂直に延びる高さは、動作帯域幅内の波長に対する標的共振および品質係数(Q係数)に基づく、条項203に記載の装置。
【0370】
251. 動作帯域幅が905ナノメートルの波長を含み、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれが、表面から約400ナノメートルの高さまで延在する、条項190に記載の装置。
【0371】
252. 動作帯域幅が905ナノメートルの波長を含み、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれが、表面から約600ナノメートルの高さまで延在する、条項190に記載の装置。
【0372】
253. 動作帯域幅が1550ナノメートルの波長を含み、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれが、表面から約700ナノメートルの高さまで延在する、条項190記載の装置。
【0373】
254. 動作帯域幅は1550ナノメートルの波長を含み、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれは、表面から約1050ナノメートルの高さまで延在する、条項190に記載の装置。
【0374】
255. 動作帯域幅は905ナノメートルの波長を含み、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記2つのプラズモニック金属レールは、約100~200ナノメートルのチャネル幅だけ互いに間隔を空けて配置される、条項203に記載の装置。
【0375】
256. 動作帯域幅は1550ナノメートルの波長を含み、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記2つのプラズモニック金属レールは、約175~350ナノメートルのチャネル幅だけ互いに間隔を空けて配置される、条項203に記載の装置。
【0376】
257. 前記素子間隔は、約350~650ナノメートルで条項190に記載の装置。
【0377】
258. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路が、前記表面上に一行に配置される、条項190に記載の装置。
【0378】
259. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路が、前記表面上の行及び列に配列されて、M×Nアレイを形成し、ここで、Mは行の数に対応し、Nは列の数に対応する、条項190に記載の装置。
【0379】
260. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれに対処するために、行および列によってインデックス付けされたマトリクス回路をさらに備える、条項259に記載の装置。
【0380】
261. 前記マトリックス回路が、受動マトリックスアドレス指定回路を含む、条項260に記載の装置。
【0381】
262. 前記マトリックス回路が、有効マトリックスアドレス指定回路を含む、条項260に記載の装置。
【0382】
263. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路が、前記表面上の実質的に同心円状のリングに配置される、条項190に記載の装置。
【0383】
264. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路は、前記表面上に均一に分布される、条項190に記載の装置。
【0384】
265. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路が、前記表面上に非周期的に配置される、第190項に記載の装置。
【0385】
266. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路は、前記表面上に準ランダムに配置される、条項190に記載の装置。
【0386】
267. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれは、約10~100の共鳴品質係数を有する、条項190に記載の装置。
【0387】
268. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれは、約10~30の共鳴品質係数を有する、条項190に記載の装置。
【0388】
269. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれは、約20の共鳴品質係数を有する、条項190に記載の装置。
【0389】
270. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記2つのプラズモン金属レールの間の前記チャネルは、光動作帯域幅内の周波数の基本高調波モードに対応する、条項203に記載の装置。
【0390】
271. 前記プラズモン金属レールのそれぞれは前記表面から、前記光学動作帯域幅内の周波数の前記基本高調波モードに対応する高さまで延在する、条項270に記載の装置。
【0391】
272. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは前記表面から、前記光動作帯域幅内の周波数の二次高調波モードに対応する高さまで延在し、その結果、2つの磁場アンチノードが、前記2つのプラズモニック金属レールの前記表面と前記頂部との間の前記チャネル内で実現され得る、条項270に記載の装置。
【0392】
273. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれにおける前記2つのプラズモン金属レール間のチャネルは、光動作帯域幅内の周波数の2次高調波モードに対応し、その結果、2つの磁場アンチノードが前記2つのプラズモン金属レール間の前記電気的に調節可能な誘電体内で実現され得る、条項203に記載の装置。
【0393】
274. 前記プラズモン金属レールのそれぞれは前記表面から、前記光動作帯域幅内の周波数の基本高調波モードに対応する高さまで延在する、条項273に記載の装置。
【0394】
275. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは前記表面から、前記光動作帯域幅内の周波数の前記二次高調波モードに対応する高さまで延在し、その結果、前記プラズモニック金属レールの前記表面と前記頂部との間の前記チャネル内で2つの磁場アンチノードを実現することができる、条項273に記載の装置。
【0395】
276. 前記調整可能プラズモン共鳴導波路のそれぞれのプラズモン金属レールのそれぞれは前記表面から、光動作帯域内の周波数の基本高調波モードに対応する高さまで延在する、条項203に記載の装置。
【0396】
277. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記プラズモニック金属レールは、2つの磁場アンチノードが前記プラズモニック金属レールの前記表面と頂部との間の前記チャネル内で実現され得るように、光学動作帯域幅内の周波数の2次高調波モードに対応する高さまで前記表面から延在する、条項203に記載の装置。
【0397】
278. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記プラズモニック金属レールは、前記表面から光学動作帯域幅内の周波数のN次高調波モードに対応する高さまで延び、その結果、N個の磁場アンチノードが、前記プラズモニック金属レールの前記表面と頂部との間の前記チャネル内で実現され得る、条項203に記載の装置。
【0398】
279. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれにおける前記2つのプラズモン金属レール間の前記チャネルの幅は、前記光動作帯域内の周波数の基本高調波モードに対応する、条項278に記載の装置。
【0399】
280. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれにおける前記2つのプラズモン金属レール間の前記チャネルの幅は、前記光動作帯域幅内の周波数の2次高調波モードに対応し、その結果、2つの磁場アンチノードが前記電気的に調節可能な誘電体内で実現され得る、条項278に記載の装置。
【0400】
281. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれにおける前記2つのプラズモン金属レールは、それぞれ、光動作帯域内の周波数の基本高調波モードに対応する長さを有する、条項203に記載の装置。
【0401】
282. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれにおける前記2つのプラズモニック金属レールは、それぞれ、光学動作帯域幅内の周波数の第2調和モードに対応する長さを有し、その結果、2つの磁場アンチノードが、前記2つのプラズモニック金属レールの間の前記チャネルの長さに沿って実現され得る、条項203に記載の装置。
【0402】
283. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれにおける前記2つのプラズモニック金属レールは、それぞれ、光学動作帯域幅内の周波数の第N調和モードに対応する長さを有し、その結果、N個の磁場アンチノードはN個の数値で2つのプラズモニック金属レールの間の前記チャネルの長さに沿って実現され得る、条項203に記載の装置。
【0403】
284. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは前記表面から、前記光動作帯域幅内の周波数のM次高調波モードに対応する高さまで延在し、M個の磁場アンチノードが前記2つのプラズモニック金属レールの前記表面と前記頂部との間の前記チャネル内で実現可能であり、ここで、Mは数値で条項283に記載の装置。
【0404】
285. MがNに等しい、条項284の装置。
【0405】
286. MがN未満である、条項284に記載の装置。
【0406】
287. 前記2つのプラズモン金属レールの間の前記チャネルの幅は、前記光動作帯域幅内の周波数の基本高調波モードに対応する、条項283に記載の装置。
【0407】
288. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記2つのプラズモン金属レール間の前記チャネルの幅は前記2つのプラズモン金属レール間の前記電気的に調節可能な誘電体内で2つの磁場アンチノードを実現そのようなように、前記光動作帯域幅内の周波数の2次高調波モードに対応する、条項283に記載の装置。
【0408】
289. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれにおける前記2つのプラズモン金属レール間の前記チャネルの幅は、前記光動作帯域幅内の周波数の3次高調波モードに対応し、その結果、前記2つのプラズモン金属レール間の前記電気的に調節可能な誘電体内で3つの磁場アンチノードを実現することができる、条項283に記載の装置。
【0409】
290. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれにおける標的共鳴およびQ値を達成するための寸法を有するように構成される、条項203に記載の装置。
【0410】
291. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面から実質的に垂直に延在する、条項203に記載の装置。
【0411】
292. 前記プラズモニック金属レールのそれぞれは、前記表面からある角度で延在する、条項203に記載の装置。
【0412】
293. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の各における前記プラズモニック金属レールに電圧差を選択的に印加するコントローラを更に含み、複数の選択可能な電圧差の各が、各の前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の各の反射位相に対応する、条項203に記載の装置。
【0413】
294. 前記コントローラは前記2つのプラズモニック金属レールのうちの一方に電圧を印加することによって、前記電圧差を前記プラズモニック金属レールに選択的に印加し、他方のプラズモニック金属レールはグラウンドに接続される、条項293に記載の装置。
【0414】
295. 前記電気的に調節可能な誘電体は液晶を含み、前記複数の選択可能な電圧差のうちの第1の電圧差は、該複数の選択可能な電圧差のうちの第2の電圧差に対応する屈折率よりもほぼ10パーセント大きい屈折率に対応する、条項293に記載の装置。
【0415】
296. 前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれにおけるプラズモン金属レールに電圧差のパターンを選択的に適用するコントローラをさらに備え、前記電圧差のパターンは、(i)前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの前記電気的に調節可能な誘電体の屈折率のパターン、および(ii)前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路に入射する光電磁放射の波の反射パターンに対応する、条項203に記載の装置。
【0416】
297. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、前記可視光スペクトルの一部を含む、条項190に記載の装置。
【0417】
298. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、前記赤外光スペクトルの一部を含む、条項190に記載の装置。
【0418】
299. 前記調整可能プラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、近赤外電磁放射を含む、条項298に記載の装置。
【0419】
300. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、短波長赤外電磁放射を含む、条項298に記載の装置。
【0420】
301. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、中波長赤外電磁放射を媒体、条項298に記載の装置。
【0421】
302. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、長波長赤外電磁放射を含む、条項298に記載の装置。
【0422】
303. 前記調節可能なプラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、遠赤外電磁放射を含む、条項298に記載の装置。
【0423】
304. 前記調整可能プラズモン共鳴導波路の動作帯域幅は、電気通信波長を含む、条項298に記載の装置。
【0424】
305. 前記調整可能プラズモン共鳴導波路を通る前記光学動作波長を含む電磁放射を前記表面に送信する送信機をさらに備える、条項190に記載の装置。
【0425】
306. 前記光動作波長を含む前記調整可能プラズモン共鳴導波路を通過した後に、前記表面によって反射された電磁放射を受信する受信機をさらに備える、条項190に記載の装置。
【0426】
307. 前記電気的に調節可能な誘電体は、液晶材料を含む、条項202に記載の装置。
【0427】
308. 前記電気的に調節可能な誘電体は、電気光学ポリマー材料を含む、条項202に記載の装置。
【0428】
309. 前記電気的に調節可能な誘電体は、ケイ素を含む、条項202に記載の装置。
【0429】
310. 前記電気的に調節可能な誘電体は、カルコゲニドガラスを含む、条項202に記載の装置。
【0430】
311. ステアリング可能な反射光ビームを送信するための方法であって、
送信機を介して、光電磁放射を反射面に送信することと、
前記反射面上に配置された複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれについて、光動作周波数未満の素子間隔で反射位相を調節して、送信された光電磁放射の反射パターンを修正することと、を含む、方法。
【0431】
312. ステアリング可能な反射光ビームを受け取るための方法であって、
光動作周波数未満の素子間隔で前記反射面上に配置された複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれに対する反射位相を調節することと、
前記複数の調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの反射位相に対応する反射パターンによって修正された反射面からの光電磁放射を、受信機を介して受信することと、を含む、方法。
【0432】
この開示は限定的な意味ではなく、例示的な意味で見なされるべきであり、すべてのそのような改変は、その範囲内に含まれることが意図される。同様に、様々な実施形態に関して、利益、他の利点、および問題に対する解決策を上述した。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、および任意の利益、利点、または解決策を生じさせるか、またはより顕著にすることができる任意の要素は、臨界、必要な、または本質的な特徴または要素として解釈されるべきではない。したがって、本開示は、少なくとも以下の特許請求の範囲を包含するように決定されるべきである。
【0433】
〔図面の簡単な説明〕
図1Aは、調節可能なプラズモン共鳴導波路を有する光学表面散乱アンテナ装置の簡略化された実施形態を示す図である。
【0434】
図1Bは、絶縁体及び反射体を有する表面から延在する単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【0435】
図1Cは、横方向磁気(TM)偏光を伴う垂直に対して約70°において光励起を伴う、
図1Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路内における電気及び磁気エネルギー密度の概念図である。
【0436】
図2Aは、調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの下に反射器パッチを備えた光学表面散乱アンテナ装置の簡略化された実施形態を示す図である。
【0437】
図2Bは、絶縁体及び埋め込み反射器パッチを有する表面から延在する単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【0438】
図2Cは、
図2Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路管内の電気及び磁気エネルギー密度の概念図である。
【0439】
図3Aは、調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの下にノッチ付き反射器を備えた光学表面散乱アンテナ装置の簡略化された実施形態を示す図である。
【0440】
図3Bは、絶縁体及びノッチ付き反射器を有する表面から延在する単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【0441】
図3Cは、
図3Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路管内の電気及び磁気エネルギー密度の概念図である。
【0442】
図4Aは、n個の下部ブラッグ反射器を備えた光学表面散乱アンテナ装置の簡略化された実施形態を示す図である。
【0443】
図4Bは、ブラッグ反射器表面から延びる単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【0444】
図4Cは、
図4Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路管内の電気及び磁気エネルギー密度の概念図である。
【0445】
図5Aは、調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの下にマルチチャネル幅の反射器パッチを備えた光学表面散乱アンテナ装置の簡略化された実施形態を示す図である。
【0446】
図5Bは、絶縁体及び埋め込みマルチチャネル幅の反射器パッチを有する表面から延在する単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【0447】
図6は、電気的に調節可能な誘電体の屈折率の関数として、単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の1つの例の反射位相の近似を示す。
【0448】
図7は、高いQ調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例の反射スペクトルの近似図である。
【0449】
図8は、
図1Aに示されたアンテナに類似した光学表面散乱アンテナを介して可能な反射光放射のステアリング可能なビームの簡略化された図である。
【0450】
図9は、送信および/または受信光学表面散乱アンテナシステムを形成するためのホログラフィックメタ表面、制御ロジック、メモリ、および入力/出力ポートを示す。
【0451】
図10は、特定の動作帯域幅に対する例示的な寸法を有する調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【0452】
図11Aは、光送信機又は受信機を備えた同調可能な光表面散乱アンテナ装置の一例を示す図である。
【0453】
図11Bは、調節可能なプラズモン共鳴導波路を含む同調可能な光学表面からステアリング可能な光ビームを介して光放射を送信(または受信)する送信機(または受信機)を示す。
【0454】
図12は、光学的に透明な窓を有するパッケージ化された固体ステアリング可能な光ビームアンテナシステムの一実施形態を示す図である。
【図面の簡単な説明】
【0455】
【
図1A】
図1Aは、調節可能なプラズモン共鳴導波路を有する光学表面散乱アンテナ装置の簡略化された実施形態を示す図である。
【
図1B】
図1Bは、絶縁体及び反射体を有する表面から延在する単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【
図1C】
図1Cは、横方向磁気(TM)偏光を伴う垂直に対して約70°において光励起を伴う、
図1Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路内における電気及び磁気エネルギー密度の概念図である。
【
図2A】
図2Aは、調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの下に反射器パッチを備えた光学表面散乱アンテナ装置の簡略化された実施形態を示す図である。
【
図2B】
図2Bは、絶縁体及び埋め込み反射器パッチを有する表面から延在する単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【
図2C】
図2Cは、
図2Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路管内の電気及び磁気エネルギー密度の概念図である。
【
図3A】
図3Aは、調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの下にノッチ付き反射器を備えた光学表面散乱アンテナ装置の簡略化された実施形態を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、絶縁体及びノッチ付き反射器を有する表面から延在する単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【
図3C】
図3Cは、
図3Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路管内の電気及び磁気エネルギー密度の概念図である。
【
図4A】
図4Aは、n個の下部ブラッグ反射器を備えた光学表面散乱アンテナ装置の簡略化された実施形態を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、ブラッグ反射器表面から延びる単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【
図4C】
図4Cは、
図4Bの調節可能なプラズモン共鳴導波路管内の電気及び磁気エネルギー密度の概念図である。
【
図5A】
図5Aは、調節可能なプラズモン共鳴導波路のそれぞれの下にマルチチャネル幅の反射器パッチを備えた光学表面散乱アンテナ装置の簡略化された実施形態を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、絶縁体及び埋め込みマルチチャネル幅の反射器パッチを有する表面から延在する単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、電気的に調節可能な誘電体の屈折率の関数として、単一の調節可能なプラズモン共鳴導波路の1つの例の反射位相の近似を示す。
【
図7】
図7は、高いQ調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例の反射スペクトルの近似図である。
【
図8】
図8は、
図1Aに示されたアンテナに類似した光学表面散乱アンテナを介して可能な反射光放射のステアリング可能なビームの簡略化された図である。
【
図9】
図9は、送信および/または受信光学表面散乱アンテナシステムを形成するためのホログラフィックメタ表面、制御ロジック、メモリ、および入力/出力ポートを示す。
【
図10】
図10は、特定の動作帯域幅に対する例示的な寸法を有する調節可能なプラズモン共鳴導波路の一例を示す図である。
【
図11A】
図11Aは、光送信機又は受信機を備えた同調可能な光表面散乱アンテナ装置の一例を示す図である。
【
図11B】
図11Bは、調節可能なプラズモン共鳴導波路を含む同調可能な光学表面からステアリング可能な光ビームを介して光放射を送信(または受信)する送信機(または受信機)を示す。
【
図12】
図12は、光学的に透明な窓を有するパッケージ化された固体ステアリング可能な光ビームアンテナシステムの一実施形態を示す図である。