(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】多目的タイルシステム、タイルカバー及びタイル
(51)【国際特許分類】
E04F 15/02 20060101AFI20240606BHJP
E04F 13/08 20060101ALI20240606BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
E04F15/02 G
E04F15/02 A
E04F15/02 C
E04F13/08 N
E04F13/08 A
E04F13/08 E
B32B27/00 E
(21)【出願番号】P 2020565334
(86)(22)【出願日】2019-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2019062703
(87)【国際公開番号】W WO2019224107
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-05-13
(32)【優先日】2018-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】520250741
【氏名又は名称】アイ4エフ・ライセンシング・エヌヴィ
【氏名又は名称原語表記】I4F LICENSING NV
【住所又は居所原語表記】INDUSTRIEDIJK 19, 2300 TURNHOUT, BELGIUM
(73)【特許権者】
【識別番号】519416440
【氏名又は名称】タワー・イプコ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TOWER IPCO COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】28‐32 UPPER PEMBROKE STREET, DUBLIN, 2, IRELAND
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ブーケ,エディ・アルベリック
(72)【発明者】
【氏名】フェーケン,ヤコプ・ゲラルドゥス・ニコラース・ラウレンティウス
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/115202(WO,A1)
【文献】実開昭62-105250(JP,U)
【文献】特表2005-503502(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0029407(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0370109(US,A1)
【文献】特開2007-211584(JP,A)
【文献】特開2017-101550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00-15/22
E04F 13/00-13/30
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の多目的タイルを含む
タイルシステムであって、タイルが、シェブロン模様で接合されるように構成され、各タイルが、
第1端部と反対側の第2端部とからなる第1対の対向端部と、
第3端部と対向する第4端部とからなる第2対の対向端部と、を含み、
前記第1端部及び前記第3端部が第1鋭角を囲み、前記第2端部及び前記第4端部が前
記第1鋭角に対向する第2鋭角を囲み、前記第2端部及び前記第3端部が第1鈍角を囲み
、前記第1端部及び前記第4端部が前記第1鈍角に対向する第2鈍角を囲み、
前記第1対の対向端部が、
前記タイルの上側に実質的に平行な方向に延びる横向きトングを含む第1連結プロファ
イルと、
さらなるタイルの横向きトングの少なくとも一部を収容するために構成された凹部を含
む対向する第2連結プロファイルであって、前記凹部が上側リップ及び下側リップによっ
て規定され、第1連結プロファイルが、内側に角度を向けることによって前記タイルを共
に係止することを可能にすることによって、前記横向きトングの少なくとも一部が前記凹
部によって収容される、対向する第2連結プロファイルと、を含む、少なくとも垂直に、
前記タイルを共に係止するための対向する第1機械的連結手段の対を有し、
前記第2対の対向端部が、
上向きトングと、前記上向きトングから距離をおいて存在する少なくとも一つの上向き
フランクと、前記上向きトングと前記上向きフランクとの間に形成された上向き溝とを含
む第3連結プロファイルであって、前記上向きフランクに対向する前記上向きトングの側
面の少なくとも一部が前記上向きフランクの方へ傾斜し、前記上向きフランクから離れて
対向する前記上向きトングの側面の少なくとも一部が、前記上向きトングの一体部分を作
る少なくとも一つの第1係止素子を含む、第3連結プロファイルと、
下向きトングと、前記下向きトングから距離をおいて存在する少なくとも一つの下向き
フランクと、前記下向きトングと前記下向きフランクとの間に形成された下向き溝とを含
む第4連結プロファイルであって、前記下向きフランクに対向する前記下向きトングの側
面の少なくとも一部が前記下向きフランクの方へ傾斜し、
前記下向きフランクが、前記下向きフランクの一体部分を作る少なくとも一つの第2係止素子を含み、さらなるタイルの前記少なくとも一つの第1係止素子との相互作用のために適合し、第2連結プロファイルが、前記タイルの前記第1連結プロファイルと別のタイルの前記第2連結プロファイルとを内側に角度を向ける間に前記タイルを共に係止することを可能にし、連結対象の前記タイルの前記第4連結プロファイルによって、前記第3連結プロファイル及び前記第4連結プロファイルの係止をもたらすさらに別のタイルの前記第3連結プロファイルの方へのシザリング移動が生じる、第4連結プロファイルと、を含む、垂直且つ水平に前記タイルを共に係止するための対向する第2機械的連結手段の対を有し、
各タイルが、少なくとも一つの可塑性材料と少なくとも一つの充填剤とを含む発泡複合
体で少なくとも部分的に作製された実質的に剛性の基層を含み、少なくとも一つのタイル
が、前記基層の上側に付着させた少なくとも一つの上側基板を含み、前記上側基板が装飾
層を含み、少なくとも一つのタイルが、前記基層の上側に付着させた複数の帯板形状上側
基板を含み、前記帯板形状上側基板が、同一平面内に並んで配置され、少なくとも二つの
帯板形状上側基板の対向する長手方向端部が、最上部側の近くでベベルを有し、
前記タイルシステムが二つの異なる型のタイル(それぞれA及びB)を含み、前記第1対の対向端部に沿った一方の型のタイルの前記第1機械的連結手段が、
前記一方の型のタイルのミラー反転様式の形状である他方の型のタイルの同一の前記第1対の対向端部部分に沿った前記対応する第1機械的連結手段に対してミラー反転様式で配置される
タイルシステム。
【請求項2】
少なくとも一つのタイルが、
前記第1連結プロファイルが前記第1端部に配置され、
前記第2連結プロファイルが前記第2端部に配置され、
前記第3連結プロファイルが前記第3端部に配置され、
前記第4連結プロファイルが前記第4端部に配置される、構成を有する、請求項1に記
載のタイルシステム。
【請求項3】
少なくとも一つのタイルが、
前記第1連結プロファイルが前記第2端部に配置され、
前記第2連結プロファイルが前記第1端部に配置され、
前記第3連結プロファイルが前記第3端部に配置され、
前記第4連結プロファイルが前記第4端部に配置される、構成を有する、請求項1また
は2に記載のタイルシステム。
【請求項4】
前記第1連結プロファイルが、前記タイルの前記上側に実質的に平行な方向に延びる横
向きトングを含み、前記横向きトングの底部前部領域、前記トングの底部後部領域がベア
リング領域として構成され、前記底部後部領域が、前記底部前部領域の最下部よりも前記
タイルの上側のレベルに近くに位置し、
前記第2連結プロファイルが、さらなるタイルの前記横向きトングの少なくとも一部を
収容するための凹部を含み、前記凹部が上側リップ及び下側リップによって規定され、前
記下側リップが、前記横向きトングの前記ベアリング領域を支持する且つ/又は対向する
ための上方突出肩部を有し、係止が、前記横向きトング、さらなるタイルの前記凹部内へ
の導入移動と、前記第1連結プロファイルに平行な軸線の周りの下に角度を向ける移動と
によって起こるように、前記横向きトングが設計され、その結果、前記横向きトングの最
上部側が前記上側リップに係合することになり、前記横向きトングの前記ベアリング領域
が前記下側リップの肩部に支持され、且つ/又は対向することになり、それによって、水
平方向及び垂直方向の両方における前記第1端部及び前記第2端部における隣接するタイ
ルの係止が生じる、請求項1~3の何れか一項に記載のタイルシステム。
【請求項5】
前記第3連結プロファイルが、上向きトングと、前記上向きトングから距離をおいて存
在する少なくとも一つの上向きフランクと、前記上向きトングと前記上向きフランクとの
間に形成された上向き溝とを含み、前記上向きフランクに対向する前記上向きトングの側
面の少なくとも一部が前記上向きフランクの方へ傾斜し、
前記第4連結プロファイルが、下向きトングと、前記下向きトングから距離をおいて存
在する少なくとも一つの下向きフランクと、前記下向きトングと前記下向きフランクとの
間に形成された下向き溝とを含み、前記下向きフランクに対向する前記下向きトングの側
面の少なくとも一部が前記下向きフランクの方へ傾斜し、
前記下向きフランクが、前記下向きフランクの一体部分を作る少なくとも一つの第2係止素子を含み、さらなるタイルの前記第3連結プロファイルの前記少なくとも一つの第1係止素子との相互作用のために適合し、
前記第3連結プロファイル及び前記第4連結プロファイルが、前記第1連結プロファイ
ルにおける連結対象のタイルの角度をさらなるタイルの前記第2連結プロファイルに下げ
る間に係止が起こるように設計され、水平方向及び垂直方向の両方における前記第3連結
プロファイル及び前記第4連結プロファイルにおける隣接するタイルの係止につながる、
前記第3連結プロファイル及び/又は連結プロファイル端部の変形によって、連結対象の
前記タイルの前記第4連結プロファイルの前記下向きトングが前記別のタイルの前記第3
連結プロファイルの前記上向き溝内に圧入され、前記別のタイルの前記上向きトングが連
結対象の前記タイルの前記下向き溝内に圧入されるように、連結対象の前記タイルの前記
第4連結プロファイルが、さらに別のタイルの第3連結プロファイルの方へのシザリング
移動を生じる、請求項1~4の何れか一項に記載のタイルシステム。
【請求項6】
タイルの前記第1端部の長さ及び前記第2端部の長さが実質的に同一である、請求項1
~5の何れか一項に記載のタイルシステム。
【請求項7】
タイルの前記第1端部の前記長さ及び前記第2端部の前記長さが、前記タイルの前記第
3端部及び前記第4端部の前記長さよりも長い、請求項
6に記載のタイルシステム。
【請求項8】
前記第1鋭角及び前記第2鋭角が、30~60度の間である、請求項1~7の何れか一
項に記載のタイルシステム。
【請求項9】
前記第1鈍角及び前記第2鈍角が、120~150度の間である、請求項1~8の何れ
か一項に記載のタイルシステム。
【請求項10】
タイルの少なくとも一対の対向端部が、前記最上部側の近くでベベルを有する、請求項
1~9の何れか一項に記載のタイルシステム。
【請求項11】
各帯板形状上側基板が、
装飾層と、
前記装飾層をカバーし、摩耗層の上面が前記タイルの前記上面であり、前記摩耗層が透
明材料及び/又は半透明材料であり、その結果、装飾層が透明摩耗層を通して視認可能で
あり、少なくとも二つの帯板形状上側基板の対向する長手方向端部において提供される各
ベベルが前記摩耗層の切取部分及び/又は刻印部分によって形成される、耐摩耗性摩耗層
と、を含む、請求項1~10の何れか一項に記載のタイルシステム。
【請求項12】
少なくとも一つの上側基板が、金属、合金、ビニルモノマーコポリマー及び/又はホモ
ポリマーなどの巨大分子材料;ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、
フェノールホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂などの縮合重合体;植物繊
維、動物繊維、鉱物繊維、セラミック繊維及び炭素繊維などの天然巨大分子材料又はそれ
らの改質誘導体、からなる群から選択される少なくとも一つの材料で少なくとも部分的に
作製される、請求項1~11の何れか一項に記載のタイルシステム。
【請求項13】
前記基層の前記発泡複合体の前記可塑性材料が、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリ
ウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(P
S)、ポリ塩化ビニル(PVC)又はそれらの混合物からなる群から選択される少なくと
も一つの材料である、請求項1~12の何れか一項に記載のタイルシステム。
【請求項14】
前記基層の少なくとも一つの充填剤が、タルク、チョーク、木材、炭酸カルシウム及び
無機充填剤からなる群から選択される、請求項1~13の何れか一項に記載のタイルシス
テム。
【請求項15】
前記下向きフランクから離れて対向する前記下向きトングの側面が第3係止素子を有し
、前記上向きフランクが第4係止素子を有し、前記第3係止素子が、別のタイルの第4係
止素子と協働するように適合される請求項1~14の何れか一項に記載のタイルシステム
。
【請求項16】
前記タイルシステムが、異なる型のタイル(それぞれA及びB)を含み、第1の型のタ
イル(A)の大きさが、第2の型のタイル(B)の大きさと異なる、請求項1~15の何
れか一項に記載のタイルシステム。
【請求項17】
特徴的な視覚的マークが、異なるタイルの型に適用される請求項1~16の何れか一項
に記載のタイルシステム。
【請求項18】
請求項1~17の何れか一項に記載の前記タイルシステムの相互に連結されたタイルか
らなるタイルカバー。
【請求項19】
請求項1~17の何れか一項に記載の
タイルシステムにおける使用のためのタイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の多目的タイル、特に、床タイル、壁タイル又は天井タイルを含む多目的タイルシステム、特に、床タイルシステムに関する。本発明は、本発明にかかる相互に連結されたタイルからなるタイルカバー、特に、床カバー、天井カバー又は壁カバーにも関する。本発明は、さらに、本発明にかかる多目的タイルシステムにおける使用のためのタイルに関する。
【背景技術】
【0002】
シェブロン模様は、クレタ島(古代ギリシャ)で発見された復元陶器上における、約4000年前の意匠として芸術において現れた。シェブロンは、後の芸術、建築物及び床材のための主要な模様意匠の内の一つになった。シェブロンは、ラテン語の単語である「山羊(capra)」から翻訳された、黄道帯の有名なV字形の星座である山羊座(Capricornus)(horned goat)を指すフランス語の単語であるシュブレ(chevre)(「山羊」)に由来する。明らかに、このV字形は、前記V字形シェブロン模様床材のインスピレーション源であったが、そのことは今日では依然として知られている。前記シェブロン模様は、典型的には、寄せ木パネルが下地床に接着されるか又は釘着される寄せ木床材の分野で用いられる。前記シェブロン床タイルは、通常の矩形寄せ木厚板から切断された平行四辺形の形状を有し、通常、前記パネルの両端表面は、前記タイルの長手方向の軸線に対して45度の角度を囲むように切断される。設置の後、前記シェブロン模様は、作製されたV字形(矢筈模様(herringbone))レイアウトを、エレガントで、広々とした、格式さえある外観をもたらす2つの同一のレイアウト部分に分割する直線の分離線を特徴とする。知られた前記シェブロン床タイルの欠点は、これらのタイルが、(二つの端部を共に接続する)それらのとがった頂点において非常に脆弱であるということである。しかし、比較的容易に設置することが可能な相互接続可能シェブロン床パネルを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
シェブロン模様を実現するための複数の相互接続可能タイルを含む多目的床システムを提供することが第一の目的である。
【0004】
シェブロン模様を実現するための複数の比較的脆弱ではない相互接続可能タイルを含む多目的床システムを提供することが第2の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの目的の内の少なくとも一つは、プリアンブルにかかる多目的システムであって、タイルが、シェブロン模様で接合されるように構成され、各タイルが、第1端部と反対側の第2端部とからなる第1対の対向端部と、第3端部と対向する第4端部とからなる第2対の対向端部と、を含み、前記第1端部及び前記第3端部が第1鋭角を囲み、前記第2端部及び前記第4端部が前記第1鋭角に対向する第2鋭角を囲み、前記第2端部及び前記第3端部が第1鈍角を囲み、前記第1端部及び前記第4端部が前記第1鈍角に対向する第2鈍角を囲み、前記第1対の対向端部が、前記タイルの上側に実質的に平行な方向に延びる横向きトングを含む第1連結プロファイルと、さらなるタイルの横向きトングの少なくとも一部を収容するために構成された凹部を含む対向する第2連結プロファイルであって、前記凹部が上側リップ及び下側リップによって規定され、第1機械的連結プロファイルが、内側に角度を向けることによって前記タイルを共に係止することを可能にすることによって、前記横向きトングの少なくとも一部が前記凹部によって収容される、対向する第2連結プロファイルと、を含む、少なくとも垂直に、好ましくは水平にも前記タイルを共に係止するための対向する第1機械的連結手段の対を有し、前記第2対の対向端部が、上向きトングと、前記上向きトングから距離をおいて存在する少なくとも一つの上向きフランクと、前記上向きトングと前記上向きフランクとの間に形成された上向き溝とを含む第3連結プロファイルであって、前記上向きフランクに対向する前記上向きトングの側面の少なくとも一部が前記上向きフランクの方へ傾斜し、前記上向きフランクから離れて対向する前記上向きトングの側面の少なくとも一部が少なくとも一つの第1係止素子を所望により含み、(所望による)前記第1係止素子が好ましくは前記上向きトングの一体部分を作る、第3連結プロファイルと、下向きトングと、前記下向きトングから距離をおいて存在する少なくとも一つの下向きフランクと、前記下向きトングと前記下向きフランクとの間に形成された下向き溝とを含む第4連結プロファイルであって、前記下向きフランクに対向する前記下向きトングの側面の少なくとも一部が前記下向きフランクの方へ傾斜し、前記下向きフランクが少なくとも一つの第2係止素子を所望により含み、(所望による)前記第2係止素子が好ましくは前記下向きフランクの一体部分を作り、なおさらなるタイルの前記少なくとも一つの第1係止素子(適用される場合)との相互作用のために適合し、第2機械的連結プロファイルが、前記タイルの前記第1連結プロファイルと別のタイルの前記第2連結プロファイルとを内側に角度を向ける間に前記タイルを共に係止することを可能にし、連結対象の前記タイルの前記第4連結プロファイルによって、前記第3連結プロファイル及び前記第4連結プロファイルの係止をもたらすさらに別のタイルの前記第3連結プロファイルの方へのシザリング移動が生じる、第4連結プロファイルと、を含む、垂直且つ水平に前記タイルを共に係止するための対向する第2機械的連結手段の対を有し、各タイルが、少なくとも一つの可塑性材料と少なくとも一つの充填剤とを含む発泡複合体で少なくとも部分的に作製された実質的に剛性の基層を含み、前記複合体及び/又は前記可塑性材料が好ましくは独立気泡発泡体である、多目的システムを提供することによって達成され得る。
【0006】
本発明にかかる前記タイルシステムは、接合状態でシェブロン模様を形成することになる平行四辺形、好ましくは斜方形又は長斜方形の形状を有するタイルを含む。タイルカバーを作製するために前記タイルを相互接続することによる前記タイルシステムの設置は、少なくとも垂直方向に、好ましくは水平方向にも第1タイル及び第2タイルを係止することになる、すでに設置されたタイルに対して設置されるタイルの角度を下げることによって典型的には(必ずというわけではないが)実現される、すでに設置された第2タイルの凹部内に設置される第1タイルの横向きトングを内側に角度を向けることによって実現され得る。前記第1タイル及び前記第2タイルのこの内側に角度を向けることの間、一般に、設置対象の前記第1タイルの第4連結プロファイルは、別のすでに設置された第3タイルの第3連結プロファイルに(同時に)接続されることになり、それは前記第3タイルに対して前記第1タイルを降下させることによって典型的には実現され、その間、前記第3連結プロファイル及び前記第4連結プロファイルは互いにシザリングが行われ(留められ)、それによって水平方向及び垂直方向の両方で前記第3タイルに対する前記第1タイルの係止が生じる。前記タイルの平行四辺形形状のため、シェブロン模様は、従来の寄せ木タイルの設置と比較して、比較的簡便で効率的な様式で、この様式で実現され得る。本発明にかかる前記タイルシステムの前記多目的タイルは、製造が比較的安価であり、取り扱い及び設置に特別な技能又は訓練を必要とせず、タイルを設置する経験を以前にしてこなかった自作を行う個人にとってそれは魅力的なものになる。各タイルの実質的に剛性の基層は、脆弱なとがった頂点を含む前記タイルにそれ自体で充分な剛性及び衝撃強度を提供する少なくとも一つの可塑性材料と少なくとも一つの充填剤とを含む少なくとも部分的に発泡複合体、好ましくは独立気泡複合体で構成される。このことによって、不慣れな人でも、耐久性があり且つ損傷を受けていないシェブロン模様を実現するために、この複合体を平行四辺形形状のタイルに適用するために理想的に適切なものになる。HDF及びMDFなどの従来の材料は、上述した発泡複合体よりも弱く、これらの従来の材料をシェブロン模様を実現する目的に不適切なものにする前記とがった頂点の破壊及び/又は損傷に容易につながる。ゆえに、前記基層中の前記発泡複合体の成分として用いられる、前記実質的に剛性の、好ましくは独立気泡発泡体の可塑性材料は、(通常の使用中における)前記連結プロファイル及び/又は前記とがった頂点の損傷及び特に破壊を阻止するそのような所望の剛性及び堅牢性として、前記タイルを提供する。発泡体可塑性材料を使用することのさらなる長所は、独立気泡の存在が、寸法的に同様の非発泡体可塑性材料と比較して、且つ、HDF及びMDFなどの従来の材料と比較して、剛性の向上と耐衝撃性の向上とにつながるだけでなく、密度の減少と重量の減少とにつながるということである。一般にあまり好ましいものではないが、実質的に剛性の基層が、連続気泡発泡体可塑性材料、又は連続気泡発泡体可塑性材料及び独立気泡発泡体可塑性材料の組み合わせで少なくとも部分的に作製されることが考えられる。前記基層の前記複合体の剛性は、強化剤を適用することによってさらに向上されてもよく、独立気泡発泡体可塑性材料の基層は、例えば、約3重量%~9重量%の強化剤を含有してもよい。前記連結プロファイルに特異的な形態が付与されるので、隣接するタイルの実質的に相補的に形成された前記第1連結プロファイル及び前記第2連結プロファイルと実質的に相補的に形成された前記第3連結プロファイル及び第4連結プロファイルとが、比較的簡単に、しかし耐久的且つ効率的に、互いに連結され得る。隣接するタイルの連結の間、ここで相補的な第3連結プロファイル及び第4連結プロファイルの一つ又は両方に力が作用することになることによって、前記一つ又は両方の連結プロファイルは、わずかに且つ一時的に(弾性的に)ある程度変形することになり、その結果、前記上向きトング及び前記下向きトングをそれぞれ前記下向き溝及び前記上向き溝内に比較的簡単に配置することができるように前記下向き溝及び/又は前記上向き溝によって取られる体積が増加する。続いて、力が加えられた前記連結プロファイルを元の位置へ戻して(弾性的に)移動させることによって、信頼性のある、係止された結合が、前記第3連結プロファイル及び前記第4連結プロファイルの間で実現され、それによって前記二つのタイルの間で実現される。ゆえに、前記第3連結プロファイル及び/又は前記第4連結プロファイルは、連結を可能にする制限された程度の弾力性を有する実質的に剛性の連結プロファイルであると考えることができる。前記基層の剛性のため、且つ、前記連結部分の少なくとも一部が前記基層と典型的には一体化されるという事実のため(少なくともいくつかの実施形態において)、前記連結部分の弾力性は、タイルの連結及び離脱を行うために充分であるが、一般に非常に制限される。両方の連結部分が比較的信頼性のある様式で相互に係合し、一般に水平方向及び垂直方向の両方で二つのタイル間の係止効果をもたらすこの係止連結は、好ましくは遊びがないものであり、それによってきしんだノイズの発生のリスクが抑制される。これによって、摺動剤を付与しない場合であっても(しかし、このことは、摺動剤を本発明にかかる前記タイルの前記連結部分上に依然として付与することができることを除外しない)前記望ましくないノイズのリスクが低下するように、前記連結部分のプロファイルの適切な意匠によるこのリスクを低下させることが望まれる。その上、前記基層の前記発泡複合体のさらなる長所は、この複合体が、前記タイルを屋内使用及び屋外使用の両方に適切なものとする耐水特性を有するということである。従来のHDF/MDFは、水を吸収し、濡れている間にさらに脆弱化することになり、それによって、前記タイルの剛性、特に前記(さらにより多くの)脆弱なとがった頂点の剛性はさらに低下する。前記発泡複合体のさらなる特性は、従来の材料と比較して比較的低い密度であり、このことは、経済的観点から有利であるだけでなく、例えば航空機、乗物及び船舶、特に船の中又は上における発明にかかる前記床システムの適用性を広げる軽量なタイルにつながる。したがって、本発明にかかる前記タイルシステムは、異なる目的のために使用され得る。典型的には、前記軽量多目的タイルは、天井カバー、壁カバー及び/又は床カバーを実現するために、又は、例えば、家具の一部のカバーとして使用される。
【0007】
本発明にかかる前記タイルシステムの前記タイルは、パネルと称されてもよい。前記基層は、コア層と称されてもよい。前記連結プロファイルは、連結部分又は接続プロファイルと称されてもよい。「相補的」連結プロファイルは、これらの連結プロファイルが互いに協働することが可能であることを意味する。しかし、このために、前記相補的連結プロファイルは、必ずしも完全に相補的な形態を有する必要はない。「垂直方向」の係止は、前記タイルの平面に対して垂直な方向の係止を意味する。「水平方向」の係止は、二つのタイルのそれぞれの連結端部に対して垂直で、且つ前記タイルによって規定された平面と平行又は共にある方向の係止を意味する。本文献が「床タイル」又は「床パネル」を参照する場合、これらの表現は、「タイル」、「壁タイル」、「天井タイル」、「カバータイル」などの表現によって置き換えてもよい。本文献の文脈において、「発泡複合体」及び「発泡可塑性材料」(又は「発泡体可塑性材料」)という表現は交換可能であり、実際、前記発泡複合体は、少なくとも一つの(熱)可塑性材料と少なくとも一つの充填剤とを含む発泡混合物を含む。典型的には、前記可塑性材料は、技術的に前記発泡体を形成することを可能にするが、そのように形成された前記発泡体は、少なくとも一つの(熱)可塑性材料及び少なくとも一つの充填剤の両方を含む発泡体マトリックスによって形成される。
【0008】
シェブロン模様を実現する場合、前記システムが二つの異なる型のタイル(それぞれA及びB)を含み、前記第1対の対向端部に沿った一方の型のタイルの前記第1機械的連結手段が、他方の型のタイルの同一の前記第1対の対向端部部分に沿った前記対応する第1機械的連結手段に対してミラー反転様式で配置される場合が有利である。本発明にかかるシステムにおいて用いられる同一で且つミラー反転のタイルの長所は、前記タイルを容易に製造することが可能であり、例えば、前記A型のタイル及び前記B型のタイルの両方の前記第2機械的連結手段を、例えば第1機械において機械加工することが可能であることである。次いで、前記A型のタイルは、前記第1機械的連結手段が機械加工される別の機械へ進む。しかし、ミラー反転第1機械的連結手段を有する板、例えば、前記B型のタイルを、前記第1機械的連結手段を機械加工する前に同一平面内で180を通して回転させる。したがって、前記二つの型の板A及びBは、同一の機械と同一の組の工具とを用いて製造され得る。特徴的な視覚的マーク、例えば着色されたラベル、記号的ラベル、(あらかじめ取り付けられた)異なって着色されたバッキング層、及び/又はテキストラベルを異なるタイルの型に適用して、使用者が設置の間に前記異なるタイルの型を容易に認識することを可能にしてもよい。好ましくは、前記視覚的マークは、(上から見て)前記タイルの連結条件で視認可能ではない。視覚的マークは、例えば、前記上向きトングの上側上に、及び/又は前記上向き溝内に、及び/又は下向き溝内に適用されてもよい。本発明にかかる前記システムが三つ以上の異なる型のタイルを含むことが考えられる。
【0009】
好ましい構成において、少なくとも一つのタイルは、前記第1連結プロファイルが前記第1端部に配置され、前記第2連結プロファイルが前記第2端部に配置され、前記第3連結プロファイルが前記第3端部に配置され、前記第4連結プロファイルが前記第4端部に配置される、構成を有する。このタイルであれば、例えば、A型のタイルと称され得る。別の好ましい構成において、少なくとも一つのタイルは、前記第1連結プロファイルが前記第2端部に配置され、前記第2連結プロファイルが前記第1端部に配置され、前記第3連結プロファイルが前記第3端部に配置され、前記第4連結プロファイルが前記第4端部に配置される、構成を有する。このタイルであれば、例えば、B型のタイルと称され得る。
【0010】
本発明にかかる前記タイルシステムのタイルの好ましい実施形態において、前記第1連結プロファイルが、前記タイルの前記上側に実質的に平行な方向に延びる横向きトングを含み、前記横向きトングの底部前部領域、前記トングの底部後部領域がベアリング領域として構成され、前記底部後部領域が、前記底部前部領域の最下部よりも前記タイルの上側のレベルに近くに位置し、前記第2連結プロファイルが、さらなるタイルの前記横向きトングの少なくとも一部を収容するための凹部を含み、前記凹部が上側リップ及び下側リップによって規定され、前記下側リップが、前記横向きトングの前記ベアリング領域を支持する且つ/又は対向するための上方突出肩部を有し、係止が、前記横向きトング、さらなるタイルの前記凹部内への導入移動と、前記第1連結プロファイルに平行な軸線の周りの下に角度を向ける移動とによって起こるように、前記横向きトングが設計され、その結果、前記横向きトングの最上部側が前記上側リップに係合することになり、前記横向きトングの前記ベアリング領域が前記下側リップの肩部に支持され、且つ/又は対向することになり、それによって、水平方向及び垂直方向の両方における前記第1端部及び前記第2端部における隣接するタイルの係止が生じる。前記第1端部及び前記第2端部において、二つのタイル間の水平方向の係止は、前記横向きトング(オス部分)の前記底部前部領域が前記相補的凹部(メス部分)及び前記上方突出肩部に対して水平方向に変位することを阻止する前記上方突出肩部の存在によって確立される。ゆえに、前記肩部は、前記横向きトングの前記底部前部領域を所定位置に係止する。好ましくは、前記肩部は、実質的に平坦な上側表面を有する。好ましくは、前記肩部の上側表面は、この上側表面が前記上側リップに対向するように、又はこの上側表面が前記上側リップから向きをそらすように、傾斜してもよいが、実質的に水平に方向づけられる。前記タイルコアに対向するか、又は方向づけられた肩部(側)壁は、好ましくは充分に傾斜して(急な)、連結タイルを水平方向に係止するための係止表面として作用する。好ましくは、上側肩部表面に接続する前記(内側)肩部壁の少なくとも上側端部部分は、水平平面に対して少なくとも45度、より好ましくは少なくとも60度の方向に延び、それによって水平方向の堅固な係止が確保されることになる。湾曲した肩部壁によって第2タイルの前記第2端部の前記凹部内への第1タイルの横向きトングの挿入が容易になるので、前記肩部壁は、好ましくは湾曲しているが、平坦であってもよい。好ましくは、前記コアと前記肩部との間で延びる前記下側リップの底部領域は、少なくとも部分的に湾曲しており(丸みを帯びており)、より好ましくは、前記下側リップの前記底部領域の形状は、前記横向きトングの前記少なくとも部分的に丸みを帯びた底部前部領域の形状に対して実質的に相補的である。前記相補的湾曲表面は、前記タイルの連結の間、摺動面として作用することになる。前記上側表面は、前記下側リップの対応する底部領域に対して実質的に相補的な形状を有する。二つのタイルの前記第1端部及び前記第2端部における垂直方向の係止は、係止表面として作用する前記上側リップの底面への前記横向きトングの上面の係合によって確立される。実際、前記上側リップは、挿入された前記横向きトングが垂直方向に変位することを阻止する。結合後、前記横向きトングの上面は、好ましくは、前記上側リップの底面に少なくとも部分的に係合する。結合後、前記横向きトングの上面は、好ましくは、前記上側リップの完全底面に係合する。この部分的又は完全な係合によって、連結されたタイルの間の遊びが阻止される。ゆえに、タイルは、前記第1端部及び前記第2端部における遊びなしで連結され得る。
【0011】
本発明にかかる前記タイルシステムのタイルの好ましい実施形態において、前記第3連結プロファイルが、上向きトングと、前記上向きトングから距離をおいて存在する少なくとも一つの上向きフランクと、前記上向きトングと前記上向きフランクとの間に形成された上向き溝とを含み、前記上向きフランクに対向する前記上向きトングの側面の少なくとも一部が前記上向きフランクの方へ傾斜し、前記上向きフランクから離れて対向する前記上向きトングの側面の少なくとも一部が、好ましくは前記上向きトングの一体部分を作る少なくとも一つの第1係止素子を含み、前記第4連結プロファイルが、下向きトングと、前記下向きトングから距離をおいて存在する少なくとも一つの下向きフランクと、前記下向きトングと前記下向きフランクとの間に形成された下向き溝とを含み、前記下向きフランクに対向する前記下向きトングの側面の少なくとも一部が前記下向きフランクの方へ傾斜し、前記下向きフランクが、好ましくは前記下向きフランクの一体部分を作る少なくとも一つの第2係止素子を含み、なおさらなるタイルの前記第3連結プロファイルの前記少なくとも一つの第1係止素子との相互作用のために適合し、前記第3連結プロファイル及び前記第4連結プロファイルが、前記第1連結プロファイルにおける連結対象のタイルの角度をさらなるタイルの前記第2連結プロファイルに下げる間に係止が起こるように設計され、水平方向及び垂直方向の両方における前記第3連結プロファイル及び前記第4連結プロファイルにおける隣接するタイルの係止につながる、前記第3連結プロファイル及び/又は連結プロファイル端部の変形によって、連結対象の前記タイルの前記第4連結プロファイルの前記下向きトングが前記別のタイルの前記第3連結プロファイルの前記上向き溝内に圧入され、前記別のタイルの前記上向きトングが連結対象の前記タイルの前記下向き溝内に圧入されるように、連結対象の前記タイルの前記第4連結プロファイルが、さらに別のタイルの第3連結プロファイルの方へのシザリング移動を生じる。
【0012】
典型的には、タイルの前記第1端部の長さ及び前記第2端部の長さが実質的に同一である。タイルの前記第3端部の長さ及び前記第4端部の長さが実質的に同一であることも典型的である。タイルの前記第1端部の前記長さ及び前記第2端部の前記長さが、前記タイルの前記第3端部及び前記第4端部の前記長さに実質的に同一であることが考えられる。この構成は、菱形形状のタイルをもたらすことになる。しかし、一般に、タイルの前記第1端部の前記長さ及び前記第2端部の前記長さが、前記タイルの前記第3端部及び前記第4端部の前記長さよりも長いことがより好ましい。この構成は、平行四辺形形状を有する長方形タイルをもたらすことになる。
【0013】
本発明にかかる前記タイルシステムの各タイルの前記第1鋭角及び前記第2鋭角は、好ましくは30~60度の間であり、より好ましくは40~50度の間であり、特に好ましくは約45度(±1又は2度)に等しい。本発明にかかる前記タイルシステムの各タイルの前記第1鈍角及び前記第2鈍角は、好ましくは120~150度の間であり、より好ましくは130~140度の間であり、特に好ましくは約135度(±1又は2度)に等しい。
【0014】
各タイルは、好ましくは、前記基層の上側に付着させた上側基板を含み、前記基板は、好ましくは装飾層を含む。前記上側基板は、金属、合金、ビニルモノマーコポリマー及び/又はホモポリマーなどの巨大分子材料;ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂などの縮合重合体;植物繊維、動物繊維、鉱物繊維、セラミック繊維及び炭素繊維などの天然巨大分子材料又はそれらの改質誘導体、からなる群から選択される少なくとも一つの材料で好ましくは少なくとも部分的に作製される。ここで、前記ビニルモノマーコポリマー及び/又はホモポリマーは、好ましくは、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ABS、(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)コポリマー、ポリプロピレン、エチレン―プロピレンコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン及びスチレン-無水マレイン酸コポリマー並びにそれらの誘導体からなる群から選択される。前記上側基板は、最も好ましくは、ポリエチレン又はポリ塩化ビニル(PVC)を含む。前記ポリエチレンは、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン又は超高密度ポリエチレンであることができる。前記上側基板層は、充填剤と、製品の物理的特性及び/又は化学的特性及び/又は加工性を向上させる他の添加剤とを含むこともできる。これらの添加剤としては、知られた強化剤、可塑剤、補強剤、抗カビ(防腐)剤、難燃剤及び同種のものが挙げられる。前記一つ以上の上側基板の装飾層は、好ましくは、前記基層又は前記基層上に適用されたプライマー層などの支持層上にデジタル的に印刷されたインク層によって形成される。前記一つ以上の上側基板の前記装飾層は、印刷PETフィルム又は印刷PVCフィルムなどの印刷合成フィルムによって形成されることも考えられる。
【0015】
好ましい実施形態において、少なくとも一つのタイルが、前記基層の上側に直接的又は間接的に付着させた複数の帯板形状上側基板を含み、前記上側基板は、同一平面内に並んで、好ましくは平行構成の少なくとも二つの上側基板で配置され、少なくとも二つの帯板形状上側基板の対向する長手方向端部は、前記最上部側の近くでベベルを有する。好ましくは、各上側基板、好ましくは、各帯板形状上側基板は、装飾層と、前記装飾層をカバーする耐摩耗性摩耗層とを含み、前記摩耗層の上面は前記タイルの前記上面であり、前記摩耗層は透明材料及び/又は半透明材料であり、その結果、装飾層は透明摩耗層を通して視認可能である。好ましくは、少なくとも二つの帯板形状上側基板の対向長手端部は、前記最上部側の近くにベベルを(各々)有する。前記ベベルは、視認可能な継ぎ目の形成を阻止するために適用され、隣接する上側基板の継ぎ目のない係合を確保する。前記ベベルは、好ましくは、切取部分及び/又は刻印部分及び/又は前記装飾層をカバーする摩耗層の面取り部分によって形成される。好ましくは、前記ベベルは、前記装飾層の上に位置する。好ましくは、前記ベベルは、前記装飾層を無傷のままにする。好ましくは、透明仕上げ層は、前記装飾層と前記摩耗層との間にある。この仕上げ層は、PVC又はPETなどの熱可塑性材料で作製されてもよい。好ましくは、各帯板形状上側基板は、前記基層と前記装飾層との間にある背面層を含む。前記背面層は、好ましくは、PVC又はPETなどの熱可塑性材料で作製される。好ましくは、背面層厚さは、前記上側基板の厚さの少なくとも50%である。前記背面層は、好ましくは、前記基層、又は前記基層の前記上面に付着されるプライマー層などの中間層に接着されるか、融合されるか、又は溶接される。好ましくは、前記背面層の最上部分の幅は、典型的には断面で認められるように、前記背面層の底部分の幅よりも大きい。好ましくは、前記長手端部の前記底部分を切断する(トリムする)且つ/又は変形させることによって、少なくとも前記(一つ又は複数の)上面の近くにおける、隣接する上側基板の継ぎ目がなく且つ密着した係合の向上を得ることができる。好ましくは、前記背面層の対向する長手端部の底部分は面取りされる。前記面取りは、好ましくは、前記タイルによって規定された前記平面に平行な(水平)平面の方よりも、前記タイルによって規定された前記平面に対して垂直な(垂直)平面の方へ傾斜する。前記面取りは、好ましくは、(前記基層の方へ)下向き方向に内側に傾斜する。製造の間、前記上側基板は、前記基層の前記上側表面に直接的又は間接的に付着され、前記上側基板は、好ましくは、互いに隣接して、むしろ密着して位置する。前記(一つ又は複数の)上側基板の前記底部分の前記狭い幅が適用される場合、小さい空気チャネルが、前記上側基板の底部側において、又は近くで、隣接する前記上側基板の間に形成されることが考えられる。前記上側基板の短い端部が、前記タイルの一対の対向端部、好ましくは前記タイルの一対の長い端部を共に形成することが考えられ、好ましい可能性もある。ここで、前記(一つ又は複数の)上側基板の短い端部が、前記上面の近くでベベルも有することが好ましく、それによって、隣接するタイルが互いに継ぎ目なしで係合することが可能になるか、又は容易になる。
【0016】
前記上側基板は、典型的には、装飾層と前記装飾層をカバーする耐摩耗性摩耗層とを含み、前記摩耗層の上面は前記タイルの前記上面であり、前記摩耗層は透明材料であり、その結果、装飾層は、前記透明摩耗層を通して視認可能である。
【0017】
前記上側基板の厚さは、典型的には、約0.1~3.5mm、好ましくは約0.5~3.2mm、より好ましくは、約1~3mm、最も好ましくは約2~2.5mmで変化する。前記上側基板に対する前記発泡体基層の厚さ比は、一般に、それぞれ、約1~15:0.1~3.5、好ましくは約1.5~10:0.5~3.2、より好ましくは約1.5~8:1~3、最も好ましくは約2~8:2~2.5で変化する。
【0018】
各タイルは、前記基層上へ前記上側基板を直接的又は間接的に付着させるために接着剤層を含んでもよい。前記接着剤層は、前記上側基板及び前記発泡体基層を共に結合することが可能な任意のよく知られた結合剤又はバインダ、例えば、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアクリレート、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー及び同種のものであることができる。好ましくは、前記接着剤層は、ホットメルト結合剤である。
【0019】
上記したように前記上側基板の一部であってもよい前記装飾層又は意匠層は、PVC樹脂、安定剤、可塑剤及び本技術分野でよく知られている他の添加剤の知られた調合物などの任意の適切な知られた可塑性材料を含むことができる。前記意匠層には、印刷模様、例えば、木目、金属若しくは石の意匠、及び線維模様、又は三次元図形が形成又は印刷され得る。したがって、前記意匠層は、花崗岩、石又は金属などのより重い生成物に似ている三次元外観を有するタイルを提供することができる。前記意匠層の厚さは、典型的には、約0.01~0.1mm、好ましくは約0.015~0.08mm、より好ましくは約0.2~0.7mm、最も好ましくは約0.02~0.5mmで変化する。典型的には前記タイルの前記上側表面を形成する前記摩耗層は、その下の層上へコーティングされる耐摩耗性巨大分子材料、又は知られたセラミックビーズコーティングなどの任意の適切な知られた耐摩耗材料を含むことができる。前記摩耗層が層形態で与えられる場合、それは、その下の前記層に結合され得る。前記摩耗層は、紫外線コーティング又は別の有機ポリマー層及び紫外線コーティングの組み合わせなどの有機ポリマー層及び/又は無機材料層を含むこともできる。例えば、前記製品の表面引掻抵抗性、光沢、抗菌薬耐性及び他の特性を向上させることが可能な紫外線塗料。必要に応じて、ビニル樹脂などのポリ塩化ビニル樹脂又は他のポリマーを含む他の有機ポリマー、並びに適切な量の可塑剤及び他の処理添加剤が含まれてもよい。
【0020】
好ましい実施形態において、少なくとも一つのタイルは、前記基層の上側に直接的又は間接的に付着させた複数の帯板形状上側基板を含み、前記上側基板は、同一平面内に並んで配置される。ここで、好ましくは、少なくとも二つの上側基板は、平行構成で方向づけられる。あるいは、又は、さらに、少なくとも二つの上側基板は、垂直配向性で方向づけられる。好ましくは、少なくとも一つの上側基板は、前記上側基板の長手方向軸線が前記タイルの一対の対向端部に対して平行であるように前記基層の前記上側に付着される。ここで、前記複数の上側基板は、好ましくは、前記基層の前記上側表面を実質的に完全にカバーし、より好ましくは、前記タイルの前記第1端部から前記第2端部に延びる。前記複数の上側基板の各々は、好ましくは装飾層を含み、少なくとも二つの隣接して配置された上側基板の前記装飾層は、好ましくは異なる外観を有する。同一平面内に並んで配置され、前記基層に直接的又は間接的に付着された複数の帯板形状上側基板の適用によって、設置の間、時間がかかり、高価である前記帯板形状上側基板ではなく、単にそのような前記タイルが連結されることになるという利点があると共に、前記シェブロンタイルがそのような前記帯板形状上側基板によって規定されるという魅力的な美的効果が生じることになる。
【0021】
好ましくは、前記基層は、少なくとも一つの発泡剤を含む。前記少なくとも一つの発泡剤は、前記基層の密度を低下させることになる前記基層の発泡の処理を行う。これによって、寸法的に類似しており、非発泡基層を有するタイルと比較してより重量が軽い軽重量タイルが得られることになる。前記好ましい発泡剤は、前記基層で用いられる(熱)可塑性材料に、並びに所望の発泡体比、発泡体構造、及び、好ましくは、さらに、所望の発泡体比及び/又は発泡体構造を実現するための所望の(又は必要とされる)発泡体温度に依存する。このために、それぞれ異なる温度で前記基層を発泡させるために構成された複数の発泡剤を適用することが有利であり得る。このことによって、前記発泡基層は、より漸進的で、より制御された様式で実現され得る。前記基層中に(同時に)存在し得る二つの異なる発泡剤の例としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)及び重炭酸ナトリウムがある。これらの発泡剤は、それらの相乗効果のために共に使用されることが好ましい。両成分は、非常に異なる分解挙動を示す。ADCAは、発熱を伴って分解し、摂氏190~210度の、狭いが比較的高い温度範囲にわたって、主要な質量を喪失することになる。分解促進剤とも称される活性化剤と共にADCAを用いることによってADCAを活性化することによって、この分解温度を低下させることが可能であり、好ましくは低下させる。ADCAのための適切な活性化剤は、例えば、二塩基性亜リン酸鉛、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ及び他の無機化合物である。重炭酸ナトリウムは、摂氏100~140度の、より広いが比較的低い温度範囲にわたって分解することが分かった。活性化剤として、例えばクエン酸、好ましくは無水クエン酸を用いることによって、実際の分解温度を低下させることが可能であり、好ましくは低下させる。ADCAの使用によって、発砲体密度の急激な低下が生じる。前記二つの発泡剤の間の相乗作用によって、ADCA及び重炭酸ナトリウムの組み合わせが微細で均一な気泡構造を伴う比較的低い発砲体密度につながるという事実が生じる。この微細な気泡構造の生成によって、ADCAの分解から生成されるガス泡、特に窒素ガスが、前記分解から生じる二酸化炭素泡の核形成のための部位として作用するという結論が導かれた。
【0022】
この点で、前記基層にわたって比較的安定した発泡体構造を保持するために、メチルメタクリレート(MMA)及び/又はアクリル酸ブチル-メチルメタクリレート(BAMMA)などの少なくとも一つの改質剤を適用することも多くの場合有利である。好ましくは、前記改質剤、好ましくはMMA又はBAMMAの重量含有率は、2~5%の間、より好ましくは3~4%の間にある。
【0023】
前記発泡体基層を形成するために適切な発泡体可塑性材料としては、ポリウレタン、ポリアミドコポリマー、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン及びポリエチレン発泡可塑物質を挙げることが可能であり、それらの全ては良好な成形加工性を有する。好ましくは、塩素化PVC(CPVC)及び/又は塩素化ポリエチレン(CPE)及び/又は別の塩素化熱可塑性材料を用いて、そのように前記基層及び前記タイルの硬度及び剛性をさらに向上させ、それによって各タイルのとがった頂点の脆弱性は低下し、それによって、前記タイルは、シェブロン模様を実現するための平行四辺形/菱形タイルとして用いるためにさらにより適切なものになる。ポリ塩化ビニル(PVC)発泡体材料は、前記発泡体基層を形成するためにとりわけ適切であるが、その理由は、それらが、化学的に安定であり、耐食性があり、優れた難燃特性を有するからである。前記基層中の発泡体可塑性材料として用いられる前記可塑性材料は、前記基層の所望の剛性を増加させるために、好ましくはいずれの可塑剤も含まないが、このことは、その上、環境的観点からも好ましい。好ましくは、前記基層の複合体は、35~50%の間、より好ましくは40~45%の間の熱可塑性材料、特にPVCを含む。
【0024】
前記基層は、(PVCを含まない)熱可塑性組成物から少なくとも部分的に構成されてもよい。この熱可塑性組成物は、(a)少なくとも一つのイオノマー及び/又は少なくとも一つの酸コポリマーと、(b)少なくとも一つのスチレン系熱可塑性ポリマー及び、所望により、少なくとも一つの充填剤と、を含むポリマーマトリックスを含んでもよい。イオノマーは、電気的に中性の及びイオン化された単位の繰り返し単位を含むコポリマーであると考えられる。イオノマーのイオン化単位は、特に、金属カチオンで部分的に中和されたカルボン酸基であってもよい。通常は少量(典型的には15モル%未満の構成単位)で存在するイオン基は、連続ポリマー相からのイオンドメインのミクロ相分離を引き起こし、物理的架橋として作用する。結果は、従来の可塑物質と比較して増強された物性を有するイオンによって強化された熱可塑性物質である。
【0025】
前記基層の前記複合体は、好ましくは、一つ以上の充填剤を含み、少なくとも一つの充填剤は、タルク、チョーク、木材、炭酸カルシウム、二酸化チタン、か焼クレー、磁器、一つの(他の)無機充填剤及び一つの(他の)天然充填剤からなる群から選択される。好ましくは上記の群から選択される前記充填剤は、繊維によって形成されてもよく、且つ/又はダスト状粒子によって形成されてもよい。ここで、「ダスト」という表現は、木材ダスト、コルクダスト、又は無機ダスト、石粉末、特にセメントなどの非木材ダストなどの小さいダスト状粒子(粉末)であると考えられる。前記ダストの平均粒径は、好ましくは14~20ミクロンの間、より好ましくは16~18ミクロンの間である。この段落において記載される通りの(この種の)充填剤の主要な役割は、前記基層と、充分な硬度のこのような前記(一つ又は複数の)平行四辺形/菱形タイルとを提供することである。このことによって、それらの(一般に比較的脆弱な)とがった頂点を含む前記タイルが、信頼性があり且つ耐久性のある様式でシェブロン模様を実現することが可能になる。その上、この種の充填剤は、典型的には、そのような前記基層及び前記(一つ又は複数の)タイルの衝撃強度も向上させることになる。前記複合体中におけるこの種の充填剤の重量含有率は、前記複合体が発泡複合体である場合、好ましくは35~75%の間、より好ましくは40~48%の間、最も好ましくは45~48%の間であり、前記複合体が非発泡(中実)複合体である場合、より好ましくは65~70%の間である。
【0026】
特に好ましい実施形態において、前記基層の前記複合体は、40~45重量%のPVCと、45~48重量%の無機充填剤、特に炭酸カルシウム(チョーク)とを含む。研究によって、材料及び材料範囲のこの組み合わせが、硬度(堅牢性/剛性)及び可撓性に関して前記基層に優れた特性を提供して、使用中、特に連結中における前記パネルの破壊のリスクをさらに低下させることが示された。より高い含有率の炭酸カルシウム(48%超)によって、典型的には、むしろ容易に破損し得る脆弱な組成物となり、一方でより低い含有率の炭酸カルシウム(45%未満)によって、典型的には、前記パネルが適切な様式で機能するにはあまりに可撓性であり過ぎるあるが、充分に硬質(剛性)ではない複合体となる。より低い含有率のPVC(40%未満)によって、典型的には、前記パネルが適切に機能するにはあまりに剛性であり過ぎる複合体となり、その上、PVCが結着剤(結着マトリックス)として作用する場合、そのような比較的低い含有率は、典型的には、そのような前記複合体の適切で且つ安定した結着に影響を及ぼす。好ましくは、前記複合体中に存在する前記改質剤、好ましくはMMAの重量含有率は、2~5%の間、より好ましくは3~4%の間にある。
【0027】
本発明にかかる前記タイルシステムの代替的構成において、各タイルは、少なくとも一つの可塑性材料と少なくとも一つの充填剤とを含む非発泡(中実)複合体で少なくとも部分的に作製された実質的に剛性の基層を含む。中実の基層は、タイル強度の向上につながり、ゆえに、前記とがった頂点の脆弱性の低下につながり、前記タイルを使用するための適合性をさらに向上させて、シェブロン模様を実現することができる。前記基層中における発泡複合体の代わりに前記基層中における中実複合体を適用することの欠点は、(同一の厚さの基層が適用される場合)タイル重量が増加し、それによって、取り扱いコストがより高くなり、材料コストがより高くなるということである。
【0028】
好ましくは、前記基層の前記複合体は、塩、ステアリン酸塩、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸亜鉛からなる群から選択される前記基層の少なくとも一つの充填剤を含む。ステアリン酸塩は、安定剤の機能を有し、発泡剤活性化剤として作用して、より有益な処理温度をもたらすことが可能であり、処理中及び処理後における前記複合体の成分の分解を防止し、ゆえに、それによって、長期安定性が得られる。ステアリン酸塩の代わりに、又はステアリン酸塩に加えて、例えば、安定剤としてカルシウム亜鉛又は酸化亜鉛を用いてもよい。前記複合体中における前記(一つ又は複数の)安定剤、特にステアリン酸亜鉛の重量含有率は、好ましくは1~5%の間、より好ましくは1.5~4%の間、最も好ましくは1~2%の間である。
【0029】
前記基層の前記複合体は、好ましくは、少なくとも一つのアルキルメタクリレートを含む少なくとも一つの衝撃改質剤を含み、前記アルキルメタクリレートは、好ましくは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート及びイソブチルメタクリレートからなる群から選択される。前記衝撃改質剤は、典型的には、生成物性能、特に耐衝撃性を向上させる。その上、前記衝撃改質剤は、典型的には前記基層を強化し、ゆえに、破壊のリスクをさらに低下させる強化剤であるとみなすことも可能である。多くの場合、前記改質材は、例えば、すでに上記で言及されたように、比較的安定した(一定の)発泡体構造を有する発泡体の形成を制御するために、製造プロセスも容易にする。前記複合体中における前記衝撃改質剤の重量含有率は、好ましくは1~9%の間、より好ましくは3~6%の間である。好ましくは、前記実質的に完全な基層は、前記発泡複合体によって形成される。
【0030】
前記基層中で用いられる少なくとも一つの可塑性材料は、前記基層の所望の剛性を増加させるために、好ましくはいずれの可塑剤も含まないが、このことは、その上、環境的観点からも好ましい。
【0031】
前記発泡体基層の密度は、典型的には、約0.1~1.5グラム/cm3、好ましくは約0.2~1.4グラム/cm3、より好ましくは約0.3~1.3グラム/cm3、さらにより好ましくは約0.4~1.2グラム/cm3、さらにより好ましくは約0.5~1.2グラム/cm3、最も好ましくは約0.6~1.2グラム/cm3で変化する。好ましくは、前記発泡体は、少なくともその中心部分内で、且つ、おそらく上部分及び底部分において、比較的均一な(独立又は連続)気泡分布を有する。前記発泡体基層の前記上部分及び前記底部分は、前記発泡体基層の前記中心部分よりも大きい密度を有してもよい。
【0032】
前記基層内で用いられる前記可塑性発泡体は、好ましくは、(摂氏23度の温度及び50%の相対湿度で)700MPa超の弾性係数を有する。これは、一般に充分に剛性を前記基層に与え、ゆえに、そのような前記平行四辺形/菱形タイルに与える。
【0033】
前記基層の密度は、好ましくは、前記基層の高さに沿って変化する。このことは、そのような前記タイルの音響(音抑制)特性に良い影響を及ぼす可能性がある。好ましくは、前記発泡基層の最上部(最上部分)及び/又は底部(底部分)において、クラスト層が形成されてもよい。この少なくとも一つのクラスト層は、前記基層の一体部分を形成し得る。より好ましくは、前記基層の前記最上部及び前記底部の両方は、前記発泡体構造を囲むクラスト層を形成する。前記クラスト層は、比較的閉じられており(多孔度が低下しているか、又はさらに泡(気泡)を含まない)、ゆえに、前記より多孔性の発泡体構造と比較して、比較的剛性の(副)層を形成する。一般に、必要ではないが、前記クラスト層は、前記コア層の底面及び上面を封止する(焼く)ことによって形成される。好ましくは、各クラスト層の厚さは、0.01~1mmの間、好ましくは0.1~0.8mmの間、より好ましくは0.4~0.6mmの間である。あまりに厚いクラストは、前記コア層のコスト及び剛性の両方を増加させる前記コア層のより高い平均密度につながる。前記発泡基層の中心部(中心部分)は、両クラスト層によって囲まれる。好ましくは、前記中心部の厚さは、クラスト層の厚さの少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%である。概して、前記発泡基層又は(例えば、前記基層の前記中心部分の中における)少なくともその一部の平均気泡サイズは、好ましくは60~140ミクロンの間、より好ましくは80~120ミクロンの間であることが示される。好ましくは、前記発泡基層又は(例えば、前記基層の前記中心部分の中における)少なくともその一部の気泡サイズは、60~140ミクロン、より好ましくは80~120ミクロンの範囲の比較的狭い気泡分布を有する。この狭い気泡分布は、例えば、発泡剤の組み合わせを用いることによって得られ得、前記発泡剤の分解温度は相互に異なる。
【0034】
そのような前記基層(コア層)の厚さは、好ましくは2~10mmの間、より好ましくは3~8mmの間、典型的には約4又は5mmである。好ましくは、前記(複合体)基層の最上部及び/又は底部は、前記基層の前記独立気泡発泡体可塑性材料の多孔度未満である多孔度を有するクラスト層を形成し、各クラスト層の厚さは、好ましくは0.01~1mmの間、好ましくは0.1~0.8mmの間である。好ましくは、各タイルは、前記基層の底側に付着された少なくとも一つのバッキング層を含み、前記少なくとも一つのバッキング層は、可撓性材料、好ましくはエラストマーで少なくとも部分的に作製される。前記バッキング層の厚さは、典型的には、約0.1~2.5mmで変化する。前記バッキング層が作製され得る材料の非限定的な例としては、ポリエチレン、コルク、ポリウレタン及びエチレン酢酸ビニルがある。ポリエチレンバッキング層の厚さは、例えば、典型的には、2mm以下である。前記バッキング層は、一般に、そのような各タイルにさらなる堅牢性及び耐衝撃性を提供し、それによって前記タイルの耐久性が増大する。その上、前記(可撓性)バッキング層は、前記タイルの音響(音抑制)特性を増大させる可能性がある。特定の実施形態において、前記基層は、前記少なくとも一つのバッキング層に付着された複数の別々の基層セグメントから構成され、その結果、好ましくは、前記基層セグメントは相互にヒンジ可能である。タイルの軽量の特徴は、垂直の壁面上に前記タイルを設置する場合に安定した結合を得るために有利である。交差する壁の内側コーナなどの垂直のコーナ、家具の部分、入り口用通路などの外側コーナに前記タイルを設置することも、とりわけ容易である。内側コーナ又は外側コーナにおける設置は、前記タイルの前記発泡体基層内に溝を形成して、前記タイルの曲げ又は折りたたみを容易にすることによって達成される。
【0035】
少なくとも一つの補強層が、前記基層と前記上側基板との間にあってもよい。このことは、そのような前記タイルの剛性のさらなる向上につながる可能性がある。このことは、前記タイルの音響(音抑制)特性の向上につながる可能性もある。前記補強層は、織布繊維材料又は不織布繊維材料、例えば、ガラス繊維材料を含んでもよい。それらは、0.2~0.4mmの厚さを有してもよい。各タイルが互いの最上部の上に積層された複数の(一般により薄い)基層を含み、所望により、少なくとも一つの補強層が二つの隣接する基層の間にあることも考えられる。好ましくは、前記補強層の密度は、好ましくは、1.000~2.000kg/m3の間、好ましくは1.400~1.900kg/m3の間、より好ましくは1.400~1.700kg/m3の間である。
【0036】
前記基層が互いの最上部の上に積層された複合層の積層体を含むことも考えられる。そのような多層基層は、例えば、共押出によって形成されてもよい。前記基層の異なる複合層は、異なる組成を有してもよい。しかし、前記基層の前記異なる層の組成が同一であるが、異なる層の構造が異なることも考えられる。例えば、前記基層の少なくとも一つの複合層が(むしろ)中実構造を有し、一方で前記基層の少なくとも一つの他の複合層が発泡体構造を有することが考えられる。特に、前記多層基層が少なくとも一つの発泡体複合層を囲む少なくとも二つの中実複合層を含むことが考えられ、このことは好ましい可能性もある。
【0037】
好ましくは、前記完全第1機械的連結手段及び/又は前記完全第2機械的連結手段は、前記基層に一体的に接続される。このことは、前記第1機械的連結手段及び/又は前記完全第2機械的連結手段が、前記基層内に一体的に形成され、且つ/又は前記基層によって形成されると理解され得る。
【0038】
すでに上記で言及されたように、前記第3連結プロファイル及び/又は前記第4連結プロファイルは主に剛性であるが、前記第3連結プロファイル及び/又は前記第4連結プロファイルによって結合及び離脱の間における(わずかな)変形が可能になり、それによって結合及び離脱が著しく容易になる。
【0039】
結合及び離脱の間、前記連結部分は、それらの最も弱い部分において、又はその中において、一般に傾斜して変形する。このために、前記第1連結部分及び前記第2連結部分の内の少なくとも一つの連結部分は、好ましくは、前記連結素子の前記トングを前記基層に接続する架橋を含み、前記架橋の最小厚さは、前記トングの最小幅よりも小さい。このことによって、前記トング自体ではなく、前記(一つ又は複数の)架橋は、結合及び離脱の間にわずかに変形させられるが、このことは、一般に、前記トングの耐久性(及び形状安定性)、ゆえに、二つのタイルの間に実現される前記結合の耐久性及び信頼性のためである。
【0040】
前記下向き溝の上側(上側表面)を規定する前記第2連結部分の上側架橋の下側(下側表面)は、少なくとも部分的に傾斜してもよく、好ましくは、前記タイルの前記コアの方へ下向きに延びる。前記上向きトングの前記上側(上側表面)は、同様に、少なくとも部分的に傾斜してもよく、前記上向きトングのこの上側の傾きと前記第2連結部分の前記上側架橋の傾きとが同一でもよいが、両傾きは、例えば、相互に0~5度の間の角度を囲むことも考えられる。前記第2連結部分の前記架橋部分の傾きによって、変形が起こる可能性がある前記架橋部分の固有の脆弱化領域が生じる。
【0041】
前記上向きトング及び前記下向きトングの各々は、好ましくは、実質的に剛性であり、このことは、前記トングが変形するように構成されないことを意味する。そのような前記トングは、比較的硬く、ゆえに非可撓性である。その上、前記トングは、好ましくは、実質的に中実であり、このことは、前記トングが、実質的に塊状であり、したがって材料で完全に充填され、ゆえに上側表面に溝を有さず、それによって前記トングの構築が脆弱化し、ゆえに実現されるタイル接続の構築が脆弱化することを意味する。剛性で中実のトングを適用することによって、比較的堅固で耐久性のあるトングが得られ、それによって、耐久性のある接続を実現するために、別々の、さらなる構成要素を使用することなく、信頼性があり且つ耐久性のあるタイル接続を実現することができる。
【0042】
前記タイルの実施形態において、前記タイルの前記上側に隣接する前記上向きフランクの少なくとも一部は、これらのタイルの連結状態で別のタイルの前記上側に隣接する前記下向きトングの少なくとも一部に接触するように適合される。これらの表面の係合によって、前記連結部分の間の有効接触表面の増加が生じることになり、ゆえに、二つのタイル間の接続の安定性及び頑丈の増加が生じることになる。好ましい実施形態において、前記タイルの前記上側は、別のタイルの前記上側に実質的に継ぎ目なしで係合するように適合され、その結果、二つのタイル、特にその前記上側表面の間の継ぎ目のない接続が実現され得る。
【0043】
別の実施形態において、前記第1係止素子は、前記上向きトングの上側から距離をおいて位置する。このことは有利であるが、その理由は、このことによって、一般に、前記第1係止素子が前記タイルの上向き配置端部よりも低いレベルに位置する状況になり、このことには前記第2連結部分の最大変形を低下させる可能性があるという利点があるが、一方で、接続プロセス及び変形プロセスを連続的ステップで実行することが可能であるからである。より少ない変形は、前記(一つ又は複数の)連結部分の、ゆえに前記(一つ又は複数の)タイルの寿命のためになるより少ない材料ストレスにつながる。本実施形態において、前記第2係止素子は、前記下向き溝の上側から距離をおいて相補的に位置する。
【0044】
さらに別の実施形態において、前記下向き配置端部の有効高さは、前記上向きトングの有効高さよりも高い。このことによって、一般に、タイルの前記下向き配置端部が配置前状態(中間状態)の場合に別のタイルに係合しない状況が生じる。位置選択的非接触プレアライメントは、前記タイルを損傷させる可能性がある、別のタイルの前記上側表面に沿ってタイルの下向き配置端部を生じさせることを阻止又は防止する。
【0045】
実施形態において、前記上向きフランクに対向する前記上向きトングの側面の少なくとも一部及び前記上向きフランク(及び/又は前記基層の前記上側の法線)によって囲まれる前記相互角度は、前記下向きフランクに対向する前記下向きトングの側面の少なくとも一部及び前記下向きフランク(及び/又は前記基層の前記下側の法線)によって囲まれる前記相互角度に実質的に等しい。それによって、前記二つのトング部分の互いへの締り嵌め接続を実現することが可能であり、このことによって、概して、前記二つのタイルの間の結合の堅固さが増強される。実施形態の変形例において、一方で、前記上向きフランクに対向する前記上向きトングの側面の少なくとも一部が延びる前記方向、及び他方で、前記上向きフランク、及び/又は前記基層の前記上側の前記法線によって囲まれる前記角度が、0~60度の間、特に0~45度の間、より詳細には0~10度の間である。別の実施形態の変形例において、一方で、前記下向きフランクに対向する前記下向きトングの側面の少なくとも一部が延びる前記方向、及び他方で、前記下向きフランク、及び/又は前記基層の前記下側の前記法線によって囲まれる前記角度が、0~60度の間、特に0~45度の間、より詳細には0~10度の間である。前記フランクに対向する前記トング側面の最終的な傾きは、通常、前記タイルを製造するために適用される製造手段にも依存する。実施形態において、前記下方配置端部の傾きは、前記上向きフランクの少なくとも上側部分の傾き未満であり、その結果、膨張チャンバが両表面の間に形成され、このことは、遊びを可能にして、例えば前記タイルによる吸湿による膨張を補償するために良好となる。
【0046】
変形例において、前記上向きトングの上側の少なくとも一部は、前記基層の前記上側の前記法線の方への方向に延びる。この結果、前記上向きトングの厚さは、前記上向きフランクから離れて対向する前記トングの前記側面の前記方向に減少する。前記下向き溝の上側が前記基層の前記下側の前記法線の前記方向に延びる本発明にかかる二つのタイルの結合位置において、前記上向きトングの前記上側に前記下向き溝を実質的に接続させることによって、一方では、比較的強固で中実であり、他方では、隣接するタイルの第1連結部分への結合を実現すること可能にするための充分な弾力性を保証することができる第2連結部分を提供することができる。
【0047】
前記配置端部は、二つのタイルを連結するプロセスの間の別の連結部分の誘導が概してできるだけ制御された様式で進行することを可能にするように、好ましくは平坦表面によって形成される。しかし、丸い配置端部の適用も考えられる。別の実施形態の変形例において、前記第2連結部分の前記配置端部の少なくとも一部は、前記第1連結部分の前記上向きフランクの少なくとも一部よりも実質的に平坦な配向性を有する。この方策を適用することによって、前記第2連結部分の前記配置端部と前記第1連結部分のフランクとの間のエアギャップが概して結合位置において発生する。前記二つの連結部分の間に意図的に発生させたこの間隙は、隣接するタイルの結合中において通常有利であるが、その理由は、この間隙が前記連結部分の一時的変形を阻止せず、このことによって前記連結部分の連結が容易になるからである。さらに、発生させた前記間隙は、例えば環境的な温度変化から生じる前記タイルの膨張を吸収する目的ために有利である。
【0048】
実施形態の変形例において、前記基層に接続する前記第1連結部分の前記上向きフランクの一部は、前記下向きフランクから離れて対向する前記下向きトングの前記側面の少なくとも一部のための停止面を形成する。このようにして、前記タイルの少なくとも前記上側の締り嵌めを実現することが可能であり、このことは、通常、使用者の視点から有利である。前記基層に接続する前記第1連結部分の前記上向きフランクの一部は、ここで好ましくは、実質的に垂直に方向づけられる。前記下向きフランクから離れて対向する前記下向きトングの前記側面の少なくとも一部も、ここで好ましくは、実質的に垂直に方向づけられる。両連結部分における実質的に垂直の停止表面を適用することには、結合位置において前記連結部分が比較的締り嵌めで堅固な様式で互いに接続し得る効果がある。
【0049】
隣接するタイルの下向きトングをクランプ嵌合によって収容するように前記上向き溝を適合させることは、概して有利である。前記下向きトングにおいてクランプ嵌合によって前記上向き溝又はその少なくとも一部を収容することには、前記下向きトングが前記上向き溝によって比較的締り嵌めで囲まれ、このことによって、通常、連結された構築物の堅固さが増強されるという効果がある。同じことは、前記下向き溝が隣接するタイルの上向きトングをクランプ嵌合によって収容するために適合される実施形態の変形例について当てはまる。
【0050】
実施形態の変形例において、前記上向きフランク及び前記下向きフランクは、実質的に平行の方向に延びる。このことによって、前記フランク及び前記係止素子を結合位置において互いに比較的密接して接続することが可能になり、それによって、前記係止素子によって実現される係止効果が概して増強される。
【0051】
別の実施形態の変形例において、前記第1係止素子は、適用される場合、少なくとも一つの外側バルジを含み、前記第2係止素子は、適用される場合、少なくとも一つの凹部を含み、前記外側バルジは、係止結合を実現する目的のために、隣接する連結タイルの凹部内に少なくとも部分的に収容されるように適合される。この実施形態の変形例は、概して、生産工学の観点から有利である。前記第1係止素子及び前記第2係止素子は、好ましくは、相補的形態を取ることによって、隣接するタイルの係止素子の互いへの形態嵌合接続が実現されることになり、このことによって前記係止の有効性が増強される。あるいは、前記第2係止素子は、少なくとも一つの外側バルジを含み、前記第1係止素子は、少なくとも一つの凹部を含み、前記外側バルジは、係止結合を実現する目的のために、隣接する連結タイルの凹部内に少なくとも部分的に収容されるように適合される。前記第1係止素子及び前記第2係止素子は、バルジ-凹部の組み合わせによって形成されないが、共同作用するプロファイル表面及び/又は高摩擦接触表面の別の組み合わせによって形成されることも考えられる。この後者の実施形態において、前記第1係止素子及び/又は前記第2係止素子は、係合(連結)状態の別のタイルの他の係止素子との摩擦が生じるように構成された、所望により別々の可塑性の材料から構成される(それ以外の場合、平坦形状の)接触表面によって形成され得る。
【0052】
摩擦を生じるために適切な可塑物質の例としては、以下の物質が挙げられる。
アセタール(POM)(良好な耐クリープ性を有すると共に、剛性で且つ強固である。それは、低摩擦係数を有し、高温で安定したままであり、良好な耐温水性を提供する);
ナイロン(PA)(ほとんどのポリマーよりも多くの水分を吸収し、それが水分を吸収すると衝撃強度及び一般的エネルギー吸収性質が実際に向上する。ナイロンは、低摩擦係数、良好な電気物性及び良好な耐化学性も有する);
ポリフタルアミド(PPA)(この高性能ナイロンは、向上した温度耐性及びより低い吸湿性を有する。それは、良好な耐化学性も有する);
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(高強度と組み合わされた良好な耐化学性及び耐炎性を有すると共に、高温度熱可塑性である。PEEKは、航空宇宙産業において好ましい);
ポリフェニレンスルフィド(PPS)(耐化学性、耐高温性、難燃性、流動性、寸法安定性及び良好な電気特性を含む特性のバランスを提供する);
ポリブチレンテレフタレート(PBT)(寸法的に安定しており、良好な電気特性を有すると共に、高い耐熱性及び耐化学性を有する);
熱可塑性ポリイミド(TPI)(良好な物理的、化学的及び耐摩耗性特性を有すると共に、固有に難燃性である);
ポリカーボネート(PC)(良好な衝撃強度、高耐熱性及び良好な寸法安定性を有する。PCは、良好な電気特性も有し、水及び無機酸又は有機酸中において安定している);及び
ポリエーテルイミド(PEI)(高温における強度及び剛性を維持する。それは、良好な長時間耐熱性、寸法安定性、固有の難燃性、耐炭化水素性、耐アルコール性及びハロゲン化溶媒に対する耐性も有する)
【0053】
(所望により)摩擦を低下させるある種の添加剤を用いることによって、上記のポリマーの内の多くの性能を増強させることもできる。高摩擦ポリマー材料は、例えば、(別々の)材料帯板として適用されてもよい。この高い摩擦ポリマー材料の適用によって、前記上向きトング及び前記下向きフランクの遠隔側(外側)は、実質的に平坦な意匠を有することが可能になる。
【0054】
本発明にかかる前記タイルの実施形態において、前記第1係止素子は、前記上向きトングの上側から距離をおいて位置する。前記上向きトングの前記上側から距離をおいて前記第1係止素子を位置決めすることには、多くの長所がある。第1の長所は、前記第1係止素子のこの位置決めによって、隣接するタイルの間の前記連結が容易になる可能性があるということであり、その理由は、前記第1係止素子が前記上向きトングの前記配置端部よりも低く位置する(下側部分)ことによって、二つの連結部分間の前記結合が段階的に行われ得るからである。前記連結プロセスの間、関連する前記フランクに対向する前記トング側面がまず互いに係合し、その後、前記係止素子が互いに係合するが、このことは、前記第1配置端部及び前記第1係止素子がある程度同じ高さで位置する場合よりも概してあまり大きくない最大旋回(振幅)を必要とし、それによって隣接するタイルの第2連結部分の変形が生じる。前記上向きトングの上側から距離をおいて前記第1係止素子を位置決めするさらなる長所は、概して各連結部分の弾性的架橋によって形成される各連結部分と前記基層との間の弾性的接続までの距離が増加することによって、前記連結部分に及ぼされるトルクを前記係止素子によって比較的迅速に補償することが可能であり、それによって前記係止の信頼性がさらに増強され得るということである。前記第1係止素子及び第2係止素子を適用しない場合、前記上向フランクから離れて対向する前記上向きトングの側面は、隣接するタイルの連結状態において前記下向きフランクから距離をおいて位置することが有利であり得る。
【0055】
好ましい実施形態において、前記下向きフランクから離れて対向する前記下向きトングの側面は第3係止素子を有し、前記上向きフランクは第4係止素子を有し、前記第3係止素子は、別のタイルの第4係止素子と協働するように適合される。このことによって、前記連結の安定性及び信頼性をさらに向上させることが可能なさらなる内側係止機構が得られる。また、本実施形態において、前記第3(又は第4)係止素子は、一つ以上のバルジによって形成されてもよく、前記第4(又は第3)係止素子は、隣接するタイルの連結状態において前記バルジと相互作用するために適合される、より相補的な凹部の内の一つによって形成されてもよい。好ましくは、二つのタイルの連結状態における前記第3係止素子と前記第4係止素子との間の前記相互作用は、前記タイルによって規定された平面に対する角度A1を囲む接平面T1を規定し、前記角度A1は、前記タイルによって規定された前記平面と、前記上向きフランクに対向する前記上向きトングの側面の傾斜部分と前記下向きフランクに対向する前記下向きトングの側面の傾斜部分との間の相互作用によって規定される接平面T2とによって囲まれた角度A2よりも小さい。より好ましくは、角度A1と角度A2との間の最大差は5~10度の間である。前記下向きトングの上側端部と前記基層の下側との間の最短距離が平面を規定し、前記第3係止素子と前記下向きトングの少なくとも一部とが前記平面の反対側に位置することが考えられる。この場合、前記第3係止素子は、前記タイルの上部又は上側表面によって規定される前記タイル端部に対して突出する。ここで、前記第3係止素子は、連結状態において隣接するタイル内に突出してもよく、それによって前記タイル連結はさらに向上し得る。前記係止表面と前記タイルの上側との間の最小距離が、前記上向きトングの上側と前記タイルの前記上側との間の最小距離よりも小さい場合、有利である。このことによって、前記第2(又は第1)連結部分の最大変形が減少し、前記接続プロセス及び前記変形プロセスが連続的ステップで実行され得る。より少ない変形は、前記(一つ又は複数の)連結部分の、ゆえに前記(一つ又は複数の)タイルの寿命のためになるより少ない材料ストレスにつながる。
【0056】
「第1」、「第2」、「第3」及び「第4」などの本文献で用いられる順序数は、識別目的のためだけに用いられる。ゆえに、「第3係止素子」及び「第4係止素子」という表現の使用は、「第1係止素子」及び「第2係止素子」の共存を必ずしも必要とするというわけではない。
【0057】
本発明は、本発明にかかる相互に連結されたタイルからなるタイルカバー、特に床カバー、壁カバー、天井カバー及び/又は家具カバーにも関する。本発明は、本発明にかかる多目的タイルシステムにおける使用のためのタイルにも関する。
【0058】
本発明の好ましい実施形態は、以下の非限定的な条項において示される。
【0059】
条項
1.複数の多目的タイル、特に床タイルを含む多目的タイルシステム、特に床タイルシステムであって、タイルが、シェブロン模様で接合されるように構成され、各タイルが、
第1端部と反対側の第2端部とからなる第1対の対向端部と、
第3端部と対向する第4端部とからなる第2対の対向端部と、を含み、
前記第1端部及び前記第3端部が第1鋭角を囲み、前記第2端部及び前記第4端部が前記第1鋭角に対向する第2鋭角を囲み、前記第2端部及び前記第3端部が第1鈍角を囲み、前記第1端部及び前記第4端部が前記第1鈍角に対向する第2鈍角を囲み、
前記第1対の対向端部が、
前記タイルの上側に実質的に平行な方向に延びる横向きトングを含む第1連結プロファイルと、
さらなるタイルの横向きトングの少なくとも一部を収容するために構成された凹部を含む対向する第2連結プロファイルであって、前記凹部が上側リップ及び下側リップによって規定され、第1機械的連結プロファイルが、内側に角度を向けることによって前記タイルを共に係止することを可能にすることによって、前記横向きトングの少なくとも一部が前記凹部によって収容される、対向する第2連結プロファイルと、を含む、少なくとも垂直に、好ましくは水平にも前記タイルを共に係止するための対向する第1機械的連結手段の対を有し、
前記第2対の対向端部が、
上向きトングと、前記上向きトングから距離をおいて存在する少なくとも一つの上向きフランクと、前記上向きトングと前記上向きフランクとの間に形成された上向き溝とを含む第3連結プロファイルであって、前記上向きフランクに対向する前記上向きトングの側面の少なくとも一部が前記上向きフランクの方へ傾斜し、前記上向きフランクから離れて対向する前記上向きトングの側面の少なくとも一部が、好ましくは前記上向きトングの一体部分を作る少なくとも一つの第1係止素子を所望により含む、第3連結プロファイルと、
下向きトングと、前記下向きトングから距離をおいて存在する少なくとも一つの下向きフランクと、前記下向きトングと前記下向きフランクとの間に形成された下向き溝とを含む第4連結プロファイルであって、前記下向きフランクに対向する前記下向きトングの側面の少なくとも一部が前記下向きフランクの方へ傾斜し、前記下向きフランクが、好ましくは前記下向きフランクの一体部分を作る少なくとも一つの第2係止素子を所望により含み、なおさらなるタイルの前記少なくとも一つの第1係止素子との相互作用のために適合し、第2機械的連結プロファイルが、タイルの前記第1連結プロファイルと別のタイルの前記第2連結プロファイルとを内側に角度を向ける間に前記タイルを共に係止することを可能にし、連結対象の前記タイルの前記第4連結プロファイルによって、前記第3連結プロファイル及び前記第4連結プロファイルの係止をもたらすさらに別のタイルの前記第3連結プロファイルの方へのシザリング移動が生じる、第4連結プロファイルと、を含む、垂直且つ水平に前記タイルを共に係止するための対向する第2機械的連結手段の対を有し、
各タイルが、少なくとも一つの可塑性材料と少なくとも一つの充填剤とを含む発泡複合体で少なくとも部分的に作製された実質的に剛性の基層を含む、多目的タイルシステム。
【0060】
2.前記タイルシステムが二つの異なる型のタイル(それぞれA及びB)を含み、前記第1対の対向端部に沿った一方の型のタイルの前記第1機械的連結手段が、他方の型のタイルの同一の前記第1対の対向端部部分に沿った前記対応する第1機械的連結手段に対してミラー反転様式で配置される、条項1に記載のタイルシステム。
【0061】
3.少なくとも一つのタイルが、
前記第1連結プロファイルが前記第1端部に配置され、
前記第2連結プロファイルが前記第2端部に配置され、
前記第3連結プロファイルが前記第3端部に配置され、
前記第4連結プロファイルが前記第4端部に配置される、構成を有する、条項1または2に記載のタイルシステム。
【0062】
4.少なくとも一つのタイルが、
前記第1連結プロファイルが前記第2端部に配置され、
前記第2連結プロファイルが前記第1端部に配置され、
前記第3連結プロファイルが前記第3端部に配置され、
前記第4連結プロファイルが前記第4端部に配置される、構成を有する、条項1~3の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0063】
5.前記第1連結プロファイルが、前記タイルの前記上側に実質的に平行な方向に延びる横向きトングを含み、前記横向きトングの底部前部領域、前記トングの底部後部領域がベアリング領域として構成され、前記底部後部領域が、前記底部前部領域の最下部よりも前記タイルの上側のレベルに近くに位置し、
前記第2連結プロファイルが、さらなるタイルの前記横向きトングの少なくとも一部を収容するための凹部を含み、前記凹部が上側リップ及び下側リップによって規定され、前記下側リップが、前記横向きトングの前記ベアリング領域を支持する且つ/又は対向するための上方突出肩部を有し、係止が、前記横向きトング、さらなるタイルの前記凹部内への導入移動と、前記第1連結プロファイルに平行な軸線の周りの下に角度を向ける移動とによって起こるように、前記横向きトングが設計され、その結果、前記横向きトングの最上部側が前記上側リップに係合することになり、前記横向きトングの前記ベアリング領域が前記下側リップの肩部に支持され、且つ/又は対向することになり、それによって、水平方向及び垂直方向の両方における前記第1端部及び前記第2端部における隣接するタイルの係止が生じる、条項1~4の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0064】
6.前記第3連結プロファイルが、上向きトングと、前記上向きトングから距離をおいて存在する少なくとも一つの上向きフランクと、前記上向きトングと前記上向きフランクとの間に形成された上向き溝とを含み、前記上向きフランクに対向する前記上向きトングの側面の少なくとも一部が前記上向きフランクの方へ傾斜し、前記上向きフランクから離れて対向する前記上向きトングの側面の少なくとも一部が、好ましくは前記上向きトングの一体部分を作る少なくとも一つの第1係止素子を所望により含み、
前記第4連結プロファイルが、下向きトングと、前記下向きトングから距離をおいて存在する少なくとも一つの下向きフランクと、前記下向きトングと前記下向きフランクとの間に形成された下向き溝とを含み、前記下向きフランクに対向する前記下向きトングの側面の少なくとも一部が前記下向きフランクの方へ傾斜し、前記下向きフランクが、好ましくは前記下向きフランクの一体部分を作る少なくとも一つの第2係止素子を所望により含み、なおさらなるタイルの前記第3連結プロファイルの前記少なくとも一つの第1係止素子との相互作用のために適合し、
前記第3連結プロファイル及び前記第4連結プロファイルが、前記第1連結プロファイルにおける連結対象のタイルの角度をさらなるタイルの前記第2連結プロファイルに下げる間に係止が起こるように設計され、水平方向及び垂直方向の両方における前記第3連結プロファイル及び前記第4連結プロファイルにおける隣接するタイルの係止につながる、前記第3連結プロファイル及び/又は連結プロファイル端部の変形によって、連結対象の前記タイルの前記第4連結プロファイルの前記下向きトングが前記別のタイルの前記第3連結プロファイルの前記上向き溝内に圧入され、前記別のタイルの前記上向きトングが連結対象の前記タイルの前記下向き溝内に圧入されるように、連結対象の前記タイルの前記第4連結プロファイルが、さらに別のタイルの第3連結プロファイルの方へのシザリング移動を生じる、条項1~5の何れか一項に記載のタイルシステム
【0065】
7.タイルの前記第1端部の長さ及び前記第2端部の長さが実質的に同一である、条項1~6の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0066】
8.タイルの前記第1端部の前記長さ及び前記第2端部の前記長さが、前記タイルの前記第3端部及び前記第4端部の前記長さよりも長い、条項1~7の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0067】
9.前記第1鋭角及び前記第2鋭角が、30~60度の間であり、好ましくは実質的に45度である、条項1~8の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0068】
10.前記第1鈍角及び前記第2鈍角が、120~150度の間であり、好ましくは実質的に135度である、条項1~9の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0069】
11.少なくとも一つのタイルが、前記基層の上側に付着させた少なくとも一つの上側基板を含み、前記上側基板が、好ましくは装飾層を含む、条項1~10の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0070】
12.前記少なくとも一つの上側基板が、
装飾層と、
前記装飾層をカバーし、摩耗層の上面が前記タイルの前記上面であり、前記摩耗層が透明材料であり、その結果、装飾層が透明摩耗層を通して視認可能である、耐摩耗性摩耗層と、
所望により、前記装飾層と前記摩耗層との間にある透明仕上げ層と、を含む、条項11に記載のタイルシステム。
【0071】
13.前記少なくとも一つの上側基板が、前記基層と前記装飾層との間にある背面層、好ましくは熱可塑性背面層を含む、条項1~12の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0072】
14.前記上側基板が、金属、合金、ビニルモノマーコポリマー及び/又はホモポリマーなどの巨大分子材料;ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂などの縮合重合体;植物繊維、動物繊維、鉱物繊維、セラミック繊維及び炭素繊維などの天然巨大分子材料又はそれらの改質誘導体、からなる群から選択される少なくとも一つの材料で少なくとも部分的に作製される、条項11~13の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0073】
15.前記ビニルモノマーコポリマー及び/又はホモポリマーが、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ABS、(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)コポリマー、ポリプロピレン、エチレン―プロピレンコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン及びスチレン-無水マレイン酸コポリマーからなる群から選択される、条項14に記載のタイルシステム。
【0074】
16.前記少なくとも一つの上側基板が、接着剤によって前記基層の前記上側に付着される、条項11~15の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0075】
17.少なくとも一つのタイルが、前記基層の上側に付着される複数の帯板形状上側基板を含み、前記上側基板が、同一平面内に並んで、好ましくは平行構成で配置される、条項11~16の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0076】
18.前記複数の上側基板が、前記基層の上側表面を実質的に完全にカバーする、条項17に記載のタイルシステム。
【0077】
19.前記複数の上側基板の各々が、前記タイルの前記第1端部から前記第2端部に延びる、条項17または18に記載のタイルシステム。
【0078】
20.前記複数の上側基板の各々が装飾層を含み、少なくとも二つの隣接して配置された上側基板の前記装飾層が異なる外観を有する、条項17~19の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0079】
21.各帯板形状上側基板が、前記基層と前記装飾層との間にある背面層を含む、条項17~20の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0080】
22.前記背面層の最上部分の幅が、前記背面層の底部分の幅よりも大きい、条項21に記載のタイルシステム。
【0081】
23.少なくとも一つの帯板形状上側基板の対向する長手方向端部が、下向き方向に見られるように、内側に傾斜する、条項21または22に記載のタイルシステム。
【0082】
24.少なくとも二つの帯板形状上側基板の対向する長手方向端部が、最上部側の近くでベベルを有する条項17~23の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0083】
25.各ベベルが、前記装飾層をカバーする摩耗層の切取部分及び/又は刻印部分によって形成される、条項24にかかるタイルシステム。
【0084】
26.各帯板形状上側基板が、プリント層を少なくとも部分的にカバーする実質的に透明又は半透明な三次元エンボス加工構造を含む、条項1~25の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0085】
27.前記基層中の可塑性材料の重量割合が40%~45%の間にある、条項1~26の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0086】
28.少なくとも一つの充填剤が炭酸カルシウムであり、前記基層中の炭酸カルシウムの重量割合が45%~48%の間にある、条項1~27の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0087】
29.前記基層が発泡剤を含む、条項1~28の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0088】
30.前記基層が、異なる分解温度で分解するように構成された少なくとも二つの異なる発泡剤を含む、条項29にかかるタイルシステム。
【0089】
31.前記基層が、少なくとも一つの活性化発泡剤、好ましくは複数の活性化発泡剤、より好ましくは異なる分解温度で分解するように構成された少なくとも二つの異なる活性化発泡剤を含んでなる、条項29または30にかかるタイルシステム。
【0090】
32.前記基層が、少なくとも一つの吸熱性発泡剤、好ましくは重炭酸ナトリウム、及び少なくとも一つの発熱発泡剤、好ましくはアゾジカルボンアミド(ACDA)を含む、条項29~31の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0091】
33.前記基層の前記発泡複合体の前記可塑性材料がポリ塩化ビニル(PVC)である、条項1~32の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0092】
34.前記基層の前記発泡複合体の前記可塑性材料が、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)又はそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの材料である、条項1~33の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0093】
35.前記基層の少なくとも一つの充填剤が、タルク、チョーク、木材、炭酸カルシウム及び無機充填剤からなる群から選択される、条項1~34の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0094】
36.前記基層の少なくとも一つの充填剤が、塩、ステアリン酸塩、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸亜鉛からなる群から選択される、条項1~35の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0095】
37.前記基層が、少なくとも一つのアルキルメタクリレートを含む少なくとも一つの衝撃改質剤を含み、前記アルキルメタクリレートが、好ましくは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート及びイソブチルメタクリレートからなる群から選択される、条項1~36の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0096】
38.前記実質的に剛性の基層が、独立気泡発泡体可塑性材料で少なくとも部分的に作製され、前記可塑性材料が可塑剤を含まない、条項1~37の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0097】
39.前記発泡複合体が、約0.1~1.5g/cm3の範囲の密度を有する、条項1~38の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0098】
40.前記発泡複合体が、約3重量%~9重量%の強化剤を含む、条項1~39の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0099】
41.前記発泡複合体が、700MPa超の弾性係数を有する、条項1~40の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0100】
42.前記基層の密度が、前記基層の高さに沿って変化する、条項1~41の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0101】
43.前記基層の最上部及び/又は底部が、前記基層の中心領域の多孔度未満である多孔度を有するクラスト層を形成し、各クラスト層の厚さが、0.01~1mmの間、好ましくは0.1~0.8mmの間である、条項1~42の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0102】
44.各タイルが、前記基層の底側に付着された少なくとも一つのバッキング層を含み、前記少なくとも一つのバッキング層が、可撓性材料、好ましくはエラストマーで少なくとも部分的に作製される、条項1~43の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0103】
45.前記バッキング層の厚さが少なくとも0.5mmである、条項42に記載のタイルシステム。
【0104】
46.各タイルが少なくとも一つの補強層を含み、前記補強層の密度が、好ましくは、1000~2000kg/m3の間、好ましくは1400~1900kg/m3の間、より好ましくは1400~1700kg/m3の間である、条項1~45の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0105】
47.各タイルの第1連結部分の少なくとも一部及び/又は第2連結部分の少なくとも一部が前記基層に一体的に接続される、条項1~46の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0106】
48.第1連結部分及び/又は第2連結部分は、連結及び離脱中における変形を可能にする、条項1~47の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0107】
49.第1連結部分及び第2連結部分の内の少なくとも一つの連結部分が、前記連結素子の前記トングを前記基層に接続する架橋を含み、前記架橋の最小厚さが、前記トングの最小幅よりも小さい、条項1~48の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0108】
50.第2連結部分が、前記下向きトングを前記基層に接続する上側架橋を含み、前記上側架橋が、隣接するタイルの連結中に変形して、前記下向き溝を広げるように構成され、好ましくは、前記第2連結部分の前記上側架橋の下側が少なくとも部分的に傾斜する、条項1~49の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0109】
51.前記上向きトングの前記上側が、少なくとも部分的に傾斜し、前記上向きトングの上側の傾きと前記第2連結部分の架橋部分の傾きとが実質的に同様であり、両傾きが、例えば、相互に0~5度の間の角度を囲む、条項50に記載のタイルシステム。
【0110】
52.前記タイルの前記上側に隣接する前記上向きフランクの少なくとも一部が、これらのタイルの連結状態で別のタイルの前記上側に隣接する前記下向きトングの少なくとも一部に接触するように適合される、条項1~51の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0111】
53.前記タイルの前記上側が、別のタイルの前記上側に実質的に継ぎ目なしで係合するように適合される、条項52に記載のタイルシステム。
【0112】
54.前記第1係止素子が、前記上向きトングの上側から距離をおいて位置する、条項1~53の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0113】
55.前記第2係止素子が、前記下向き溝の上側から距離をおいて位置する、条項1~54の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0114】
56.下向き配置端部の有効高さが、前記上向きトングの有効高さよりも高い、条項1~55の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0115】
57.前記上向きフランクに対向する前記上向きトングの側面の少なくとも傾斜部分及び前記上向きフランクによって囲まれる相互角度が、前記下向きフランクに対向する前記下向きトングの側面の少なくとも傾斜部分及び前記下向きフランクによって囲まれる前記相互角度に実質的に等しい、条項1~56の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0116】
58.一方で、前記上向きフランクに対向する前記上向きトングの側面の少なくとも一部が延びる前記方向、及び他方で、前記基層の上側の法線によって囲まれる前記角度が、0~60度の間、特に0~45度の間である、条項1~57の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0117】
59.一方で、前記下向きフランクに対向する前記下向きトングの側面の少なくとも一部が延びる前記方向、及び他方で、前記基層の下側の法線によって囲まれる前記角度が、0~60度の間、特に0~45度の間である、条項1~58の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0118】
60.前記第1係止素子が少なくとも一つの外側バルジを含み、前記第2係止素子が少なくとも一つの凹部を含み、前記外側バルジが、係止結合を実現する目的のために、隣接する連結タイルの凹部内に少なくとも部分的に収容されるように適合される、条項1~59の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0119】
61.前記第1係止素子が、前記上向きトングの上側から距離をおいて位置する、条項1~60の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0120】
62.前記下向きフランクから離れて対向する前記下向きトングの側面が第3係止素子を有し、前記上向きフランクが第4係止素子を有し、前記第3係止素子が、別のタイルの第4係止素子と協働するように適合される、条項1~61の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0121】
63.二つのタイルの連結状態における前記第3係止素子と前記第4係止素子との間の前記相互作用が、前記タイルによって規定された平面に対する角度A1を囲む接平面T1を規定し、前記角度A1が、前記タイルによって規定された前記平面と、前記上向きフランクに対向する前記上向きトングの側面の傾斜部分と前記下向きフランクに対向する前記下向きトングの側面の傾斜部分との間の相互作用によって規定される接平面T2とによって囲まれた角度A2よりも小さい、条項62に記載のタイルシステム。
【0122】
64.角度A1と角度A2との間の最大差が5~10度の間である、条項63に記載のタイルシステム。
【0123】
65.前記下向きトングの上側端部と前記基層の下側との間の最短距離が平面を規定し、前記第3係止素子と前記下向きトングの少なくとも一部とが前記平面の反対側に位置する、条項62~64の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0124】
66.前記第3係止素子と前記タイルの上側との間の最小距離が、前記上向きトングの上側と前記タイルの前記上側との間の最小距離よりも小さい、条項62~65の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0125】
67.前記上向きフランクから離れて対向する前記上向きトングの側面が、隣接するタイルの連結状態において前記下向きフランクから距離をおいて位置する、条項1~66の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0126】
68.少なくとも多くのタイルが同一である、条項1~67の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0127】
69.前記タイルシステムが、異なる型のタイル(それぞれA及びB)を含み、第1の型のタイル(A)の大きさが、第2の型のタイル(B)の大きさと異なる、条項1~68の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0128】
70.特徴的な視覚的マークが、好ましくは設置目的のために、異なるタイルの型に適用される、条項1~69の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0129】
71.特徴的な視覚的マークが、各タイルの型の少なくとも一つの第1連結素子の前記上向きトングに適用される、条項70に記載のタイルシステム。
【0130】
72.タイル、好ましくは各タイルの少なくとも一対の対向端部が、前記最上部側の近くでベベルを有する、条項1~71の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0131】
73.前記装飾層が、前記基層又は前記基層上に適用されたプライマー層などの支持層上にデジタル的に印刷されたインク層によって形成される、条項1~72の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0132】
74.前記装飾層が印刷合成フィルムによって形成される、条項1~73の何れか一項に記載のタイルシステム。
【0133】
75.条項1~74の何れか一項に記載の相互に連結されたタイルからなるタイルカバー、特に床カバー、天井カバー又は壁カバー。
【0134】
76.条項1~74の何れか一項に記載の多目的タイルシステムにおける使用のためのタイル。
【0135】
以下の図に示される非限定的な例示的実施形態に基づいて本発明を説明する。本明細書において、以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【
図1】本発明にかかる多目的タイルシステムにおける使用のためのタイルの概略図である。
【
図2a】
図1に示される前記タイルの第1断面を示した図である。
【
図2b】
図2aに示される連結プロファイルを含む二つのタイルの連結位置を示した図である。
【
図2c】
図2aに示される前記タイルの代替的構成を示した図である。
【
図2d】
図2cに示される連結プロファイルを含む二つのタイルの連結位置を示した図である。
【
図3a】
図1に示される前記タイルの第2断面を示した図である。
【
図3b】
図3aに示される二つのタイルの連結位置を示した図である。
【
図3c】
図3a及び
図3bに示される前記タイルの連結プロファイルの代替的構成を示した図である。
【
図3d】
図3a及び
図3bに示される前記タイルの連結プロファイルの代替的構成を示した図である。
【
図3e】
図3a及び
図3bに示される前記タイルの連結プロファイルの代替的構成を示した図である。
【
図3f】
図3a及び
図3bに示される前記タイルの連結プロファイルの代替的構成を示した図である。
【
図3g】
図3a及び
図3bに示される前記タイルの連結プロファイルの代替的構成を示した図である。
【
図4】本発明にかかるタイルの第1の可能な実施形態の積層体の詳細についての側面図の概略図である。
【
図5】本発明にかかるタイルの第2の可能な実施形態の積層体の詳細についての側面図の概略図である。
【
図6a】本発明にかかる多目的タイルシステムにおける使用のための第1の型のタイルの概略図である。
【
図6b】本発明にかかる多目的タイルシステムにおける使用のための第2の型のタイルの概略図である。
【
図7】本発明にかかる多目的タイルシステムの第1の例の概略図である。
【
図8】本発明にかかる多目的タイルシステムの第2の例の概略図である。
【
図9】本発明にかかる多目的タイルシステムの第3の例の概略図である。
【
図10】本発明にかかる多目的タイルシステムの第4の例の概略図である。
【
図11】本発明にかかるタイルの概略断面図である。
【
図12】
図11にかかる前記タイルに用いられる通りの上側基板の詳細断面を示した図である。
【
図13】
図11に示される通りの前記タイルの別の概略断面を示した図である。
【
図14】本発明にかかるタイルにおける使用のための多層基層の断面を示した図である。
【
図15】本発明にかかるタイルにおける使用のための発泡基層の詳細断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0137】
図1は、本発明にかかる多目的タイルシステムにおける使用のためのタイル101の概略構成の概略図を示す。前記図は、第1端部101及び反対側の第2端部102からなる第1対の対向端部と、第3端部103及び対向する第4端部104からなる第2対の対向端部とを含むタイル100を示す。前記第1端部101及び前記第3端部103は第1鋭角105を囲み、前記第2端部102及び前記第4端部104は、前記第1鋭角105に対向する第2鋭角106を囲む。前記第2端部102及び前記第3端部103は第1鈍角107を囲み、前記第1端部101及び前記第4端部104は、前記第1鈍角107に対向する第2鈍角108を囲む。前記第1対の対向端部101,102及び前記第2対の対向端部103,104の両方は、係止目的のための対向機械的連結手段を含む。
図1は、前記タイル100の機械的連結手段の構成がどのように行われ得るのかについて表示する仕方で示す。前記第1端部101は第1連結プロファイル109を含み、前記第2端部102は第2連結プロファイル110を含む。前記第1連結プロファイル109及び前記第2連結プロファイル110は、
図3a及び
図3bにおいて、さらに詳細に説明される。前記第3端部103は第3連結プロファイル111を含み、前記第4端部104は第4連結プロファイル112を含む。前記第3連結プロファイル111及び前記第4連結プロファイル112は、
図2a及び
図2bにおいて、さらに詳細に説明され、その変形例は
図2c及び
図2dにおいて説明される。前記タイル100は、少なくとも一つの独立気泡発泡体可塑性材料と少なくとも一つの充填剤とを含む発泡複合体から少なくとも部分的に作製される実質的に剛性の基層113を含む。線A-A’及びB-B’の断面並びにそれらの変形例は、
図2a~
図3gに概略的に示される。前記タイル100は、平行四辺形の形状を有し、その結果、複数のタイル100は、接合状態でシェブロン模様を形成することができる。所望により、前記第1対の対向端部101,102及び/又は前記第2対の対向端部103,104は、上面の近くでベベルを有してもよい。以下で考察される図において、同様に、一つ以上のベベルが適用されてもよい。さらに、前記タイル101は、例えば
図5、
図6a及び
図6bに示されるように、前記タイルの基層(コア層)の上側に付着される複数の帯板形状上側基板を含んでもよい。ここで、少なくとも二つの帯板形状上側基板の長手方向端部は、好ましくは、前記上面の近くでベベルを有する。
【0138】
図2aは、
図1に示される前記タイル100の線A-A’の断面の概略図を示す。前記図は、第3連結プロファイル111を含む前記第3端部103と、第4連結プロファイル112を含む前記第4端部104とを示す。
図2bは、
図2aに示される連結プロファイル111,112を含む二つのタイル100a,100bの連結位置の概略図を示す。前記第3連結プロファイルは、上向きトング113と、前記上向きトング113から距離をおいた上向きフランク114と、前記上向きトング113と前記上向きフランク114との間に形成された上向き溝115とを含む。前記第4連結プロファイル112は、下向きトング116と、前記下向きトング116から距離をおいた下向きフランク117と、前記下向きトング116と前記下向きフランク117との間に形成された下向き溝118とを含む。前記下向きフランク117から離れて対向する側面116bは斜めに方向づけられる。前記側面116bは、実質的に直線の意匠を有し、前記上向きフランク114の相補的側面114aは、丸みを帯びた意匠を有する。エアギャップ119は、
図2bに示される前記連結位置に形成される。前記第3連結プロファイル111は、前記第4連結プロファイル112の前記フランク117において提供される第2係止素子121との相互作用のために適合される第1係止素子120を含む。前記第1係止素子120は外側バルジを含み、前記第2係止素子121は凹部を含み、前記外側バルジは、係止連結を実現する目的のために隣接する連結タイルの凹部内で少なくとも部分的に収容されるように適合される。
図2bは、タイル100bが隣接するタイル100aに連結され、それによって前記第3連結プロファイル111及び前記第4連結プロファイル112が係止されることを示す。
図2a~
図2bに示された実施形態のトング113,116,フランク114,117及び溝115,118は、実質的に丸みを帯びた意匠を有する。しかし、トング113,116,フランク114,117及び/又は溝115,118は、より直線的な意匠を有することも可能である。
【0139】
図2cは、
図2a及び
図2bに示される前記タイル100と同等の前記タイル100の代替的構成の概略図を示し、前記図は、
図1に示される前記タイル100の線A-A’の可能な断面を示す。同様の参照符号は、同様又は同等の技術的特徴を示す。前記第3端部103は第3連結プロファイル111を含み、前記第4端部104は第4連結プロファイル112を含む。
図2dは、
図2cに示される連結プロファイル111,112を含む二つのタイル100a,100bの連結位置の概略図を示す。前記第3連結プロファイルは、上向きトング113と、前記上向きトング113から距離をおいた上向きフランク114と、前記上向きトング113と前記上向きフランク114との間に形成された上向き溝115とを含む。前記第4連結プロファイル112は、下向きトング116と、前記下向きトング116から距離をおいた下向きフランク117と、前記下向きトング116と前記下向きフランク117との間に形成された下向き溝118とを含む。示された前記実施形態において、前記下向きフランク117から離れて対向する前記下向きトング116の側面は第3係止素子126を有し、前記上向きフランク114は第4係止素子127を有し、前記第3係止素子126は、別のタイル100の第4係止素子127と協働するように適合される。このことによって、前記連結の安定性及び信頼性をさらに向上させることが可能なさらなる内側係止機構が得られる。二つのタイルの連結状態における前記第3係止素子126と前記第4係止素子127との間の前記相互作用は、前記タイルによって規定された前記平面に対する角度A1を囲む接平面T1を規定し、前記角度A1は、前記タイルによって規定された前記平面と、前記上向きフランク114に対向する前記上向きトング113の側面の傾斜部分と前記下向きフランク117に対向する前記下向きトング116の側面の傾斜部分との間の相互作用によって規定される接平面T2とによって囲まれた角度A2よりも小さい。概して、角度A1と角度A2との間の最大差は、5~10度の間である。
【0140】
図3aは、
図1に示される前記タイル100の第2断面の概略図を示す。前記図は、特に、線B-B’の断面を示す。前記図は、第1連結プロファイル109を含む前記第1端部101と、第2連結プロファイル110を含む前記第2端部102とを示す。
図3bは、
図3aに示される連結プロファイル109,110を含む二つのタイル100a,100bの連結位置の概略図を示す。前記第1連結プロファイル109は、前記タイル100の上側に実質的に平行な方向に延びる横向きトング122を含む。前記第2連結プロファイル110は、さらなるタイルの前記横向きトング122の少なくとも一部を収容するために構成される凹部123を含み、前記凹部123は、上側リップ124及び下側リップ125によって規定され、前記第1機械的連結プロファイル109,110は、内側への角度を向けることによって隣接するタイル100を共に係止することが可能であり、それによって、前記横向きトング122の少なくとも一部が前記凹部123に収容される。前記第1連結プロファイル109の前記横向きトング122の底部後部領域は、ベアリング領域として構成される。前記第2連結プロファイル110の前記下側リップ125は、前記横向きトング122の前記ベアリング領域を支持する且つ/又は対向するための上方突出肩部を有する。係止が、さらなるタイルの前記凹部123内への導入移動と、前記第1連結プロファイル109に平行な軸線の周りの下に角度を向ける移動とによって起こるように、前記横向きトング122が設計され、その結果、前記横向きトング122の最上部側が前記上側リップ124を係合することになり、前記横向きトングの前記ベアリング領域が前記下側リップ125の前記肩部に支持され、且つ/又は対向することになり、それによって、水平方向及び垂直方向の両方における前記第1端部及び前記第2端部101,102における隣接するタイル100a,100bの係止が生じる。
【0141】
図3c~
図3gは、本発明にかかるタイル100c~100gの前記第1端部101c~101g及び前記第2端部102c~102gに存在し得る前記第1連結プロファイル109c~109g及び前記第2連結プロファイル110c~110gの異なる代替的実施形態を示す。これらの連結プロファイル109c~109g,110c~110gの内の一つ以上が、
図1に示される前記タイル101に適用されてもよい。
図3cは、前記第1連結プロファイル109cの前記横向きトング122cの前部領域が、丸みを帯びた底面を有することを示す。前記丸みを帯びた底面の外側端部は傾斜係止表面に隣接する。前記丸みを帯びた底面の反対端部は、前記横向きトング122cの後部領域のベアリング表面作製部分に隣接する。前記第2連結プロファイル110cは、凹部123cを規定する上側リップ124c及び下側リップ125cを含む。両リップ124c,125cは、前記タイル100cの前記基層に一体的に接続される。
図3dは、タイル100dの第1連結プロファイル及び第2連結プロファイル109d,110dを示し、滑らかに丸みを帯びた底部分の代わりに、より鉤状の(分かれて丸みを帯びた)底部分が示される。
図3eにおいて、
図3cに示される前記タイルとほとんど同じであるが、前記第1連結プロファイル及び前記第2連結プロファイル109e,110eが傾斜係止表面の代わりに水平係止表面を有する、タイル100eの実施形態が示される。
図3fにおいて、前記二つの連結プロファイル109f,110fの間の底部接触部分が部分的に滑らかに丸みを帯び、部分的に非連続に丸みを帯びる(分かれて丸みを帯びる)ように前記第1連結プロファイル及び前記第2連結プロファイル109f,110fが成形されるタイル100fの代替的実施形態が示される。前記第1連結プロファイル109fの横向きトング122f、及び前記第2連結プロファイル110fの上側リップ124fの係止表面は、実質的に水平の配向性を有する。
図3gにおいて、横向きトング122gの前部底部分が滑らかな丸みを帯びないが平坦であり、それによって前記横向きトング122gの底部分がそのような分かれて丸みを帯びた(鉤状の)形状として与えられるという差があるが、
図3fにおいて示される前記タイル100fとほとんど同じタイル100gの実施形態が示される。
【0142】
図4は、本発明にかかるタイル200の第1の可能な実施形態の積層体の詳細の側面図の概略図を示す。前記タイル200は、少なくとも一つの独立気泡発泡体可塑性材料と少なくとも一つの充填剤とを含む発泡複合体から少なくとも部分的に作製される実質的に剛性の基層201を含む。前記基層201は、下側又は底面201b及び上側201aを含む。前記連結プロファイルは、概して前記剛性基層201において提供される。前記タイル100は、前記基層201の前記上側201aに付着される上側基板202を含む。層又はコーティングであることが可能な接着剤203は、前記上側基板層202及び前記剛性基層201を共に接合するために、前記剛性基層201の前記上側表面201aと前記上側基板層202の前記下側表面202bとの間に提供される。場合によっては、前記タイル200は、前記基板層202の前記上側表面202aの上の、又は前記上側表面202aにおける任意の選択された型の意匠模様又は装飾用外観を含むことができる。前記意匠模様は、木目意匠、大理石、花崗岩若しくはいずれか他の天然石粒に似ている無機物粒意匠、又はいくつかの設計の可能性だけを示すための色模様、混色若しくは単色であることができる。前記装飾模様又は前記意匠模様は、前記上側基板層202の前記上側表面202aの上に印刷され得るか、又は、それ以外の場合、印加されるが、好ましくは、任意の適切な知られた可塑性材料の別々の印刷フィルム又は装飾層204上に提供される。前記装飾層204は、前記意匠層204を視認することが可能な知られた材料及び制作物の透明又は半透明の耐摩耗性摩耗層205によってカバーされる。前記摩耗層205の最上部は、前記タイル100の上面である。場合によっては、透明仕上げ層(図示せず)は、前記装飾層204と前記摩耗層205との間にあることができる。前記タイル100は、前の図に示される前記連結素子の内のいずれかを有することができる。最初に前記上側基板層202、前記意匠層204及び前記摩耗層205を共に積層して、上側基板積層体部分構築体206を形成することができる。次いで、前記積層体部分組立品206及び前記基層201を共に積層して、前記タイル200を形成することができる。典型的には、連結プロファイルを一方又は両方の対の前記タイル200の対向端部に適用して、これらの連結プロファイルの例は
図1~
図3gに示される。この
図4に示される前記タイル200は、
図1~
図3gの内の一つに示されるものと同じタイルであってもよい。
【0143】
図5は、本発明にかかるタイル300の第2の可能な実施形態の積層体の詳細の側面図の概略図を示す。前記タイル300は、少なくとも一つの可塑性材料と少なくとも一つの充填剤との複合体で少なくとも部分的に作製される実質的に剛性の基層301を含み、前記複合体及び/又は前記少なくとも一つの可塑性材料は、独立気泡発泡体を含み、且つ/又は独立気泡発泡体によって形成される。前記実質的に剛性の基層301が、少なくとも一つの可塑性材料と少なくとも一つの充填剤とを含む非発泡(中実の)複合体で少なくとも部分的に作製されることも可能でもある。前記タイル300は、前記基層301の前記上側301aに付着される複数の帯板形状上側基板302a~302eを含む。前記複数の帯板形状上側基板302a~302eをあらかじめ構築した後、それらを前記基層301に付着させることができる。前記上側基板302a~302eは、接着剤303によって前記基層301の前記上側301aに付着される。しかし、高圧及び高圧処理によって前記上側基板302a~302eを前記基層301の前記上側301aに付着させることも可能である。前記上側基板302a~302eは、知られた材料及び制作物の透明又は半透明の耐摩耗性摩耗層305によってカバーされる。前記上側基板302a~302eは平行配向性を有する。タイル300のプロファイリングは、概して前記タイル300の積層の後で行われる。前記連結プロファイルは、前記剛性基層301において提供される。下敷き306又はバッキング306(点線で示される)を用いる場合、前記下敷き306は、プロファイリングステップの後で前記基層301の下側301bに付着される。前記下敷き306は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリウレタン又はコルクで作製され得る。
【0144】
図6a及び
図6bは、前記第1対の反対端部に沿った一方の型のタイル(A)の前記第1機械的連結手段が、他方の型のタイル(B)の同一の前記第1対の反対端部部分に沿った前記対応する第1機械的連結手段に対してミラー反転様式で配置される、二つの異なる型のタイル構成の概略図を示す。前記図は上面図を示す。
図6aは、前記第1連結プロファイル609が前記第1端部601に配置され、前記第2連結プロファイル610が前記第2端部602に配置され、前記第3連結プロファイル611が前記第3端部603に配置され、前記第4連結プロファイル612が前記第4端部604に配置される、タイル600Aを示す。しかし、
図6bは、前記第1連結プロファイル609が前記第2端部602に配置され、前記第2連結プロファイル610が前記第1端部601に配置され、前記第3連結プロファイル611が前記第3端部603に配置され、前記第4連結プロファイル612が前記第4端部604に配置される構成を有するタイル600Bを示す。前記連結プロファイル609,610,611,612は、
図1~
図3gの実施形態において示される前記連結プロファイルの内のいずれかであることができる。A型及びB型のタイルの両方について、前記第1端部601及び前記第3端部603は第1鋭角605を囲み、前記第2端部602及び前記第4端部604は、前記第1鋭角605に対向する第2鋭角606を囲み、前記第2端部602及び前記第3端部603は第1鈍角607を囲み、前記第1端部601及び前記第4端部604は、前記第1鈍角607に対向する第2鈍角608を囲む。各タイル600A,600Bは、独立気泡発泡体可塑性材料と少なくとも一つの充填剤とを含む複合体で少なくとも部分的に作製される実質的に剛性の基層を含む。各タイル600A,600Bは、前記基層の上側に付着される複数の帯板形状上側基板620a~620fをさらに含み、前記上側基板620a~620fは、平行構成で同一平面内に並んで配置される。前記タイル600A,600B及び前記帯板形状上側基板620a~620fの両方は、平行四辺形の形状を有する。
図6a及び
図6bに示される複数のタイル600A,600Bを相互接続する場合、前記上側基板620a~620fは、シェブロン模様を形成する。これは、
図8においてさらに詳細に示される。前記上側基板620a~620fは、装飾層と、前記装飾層をカバーする耐摩耗性摩耗層とを含む。美的観点から、少なくとも二つの隣接して配置された上側基板620a~620fの前記装飾層が異なる外観を有することが望ましいが、その理由は、このことによって前記シェブロン模様が際立つ可能性があるからである。複数の上側基板620a~620fは、前記タイル600A、600Bの前記基層の前記上側表面を実質的に完全にカバーする。ゆえに、前記複数の上側基板620a~620fの各々は、前記タイル600A,600Bの前記第1端部601から前記第2端部602に延びる。前記上側基板620a~620eは、各上側基板620a~620eの長手方向が前記タイル600A,600Bの前記第3端部603及び前記第4端部604に沿っている平行配向性を有する。上側基板620a~620fの理想的な数及び寸法は、とりわけ前記タイル600A、600Bの寸法に依存する。タイル600A、600Bの示された実施形態において、タイル600A,600Bの第1端部601の長さは、前記タイル600A,600Bの第2端部602の長さと実質的に同じである。この長さは、前記タイル600A,600Bの前記第3端部603及び前記第4端部604の長さよりも長い。前記第1鋭角605及び前記第2鋭角606は30~60度の間であり、好ましくは実質的に45度である。前記第1鈍角607及び前記第2鈍角608は120~150度の間であり、好ましくは実質的に135度である。
【0145】
図7は、複数の多目的タイル700A,700Bを含む本発明にかかる多目的タイルシステム770の第1例の概略図を示す。前記図は上面図を示す。前記システム770は、二つの異なる型のタイル700A,700Bを含む。タイル700A,700Bの示された実施形態において、タイル700A,700Bの第1端部701及び第2端部702の長さ(L1)は、前記タイル700A,700Bの第3端部703及び第4端部704の長さ(L2)よりも著しく長い。この構成のために、前記第1端部701及び前記第2端部702が、隣接するタイル700A,700Bの角度を内側へ向けるために配置される連結プロファイルを含む場合、前記第3端部703及び前記第4端部704が、前記タイル700A,700Bのさらなる係止のために配置される連結プロファイルを含むことが有益である。適用され得る前記連結プロファイルの例は、
図1~
図3gに示される。
【0146】
図8は、複数の多目的タイル800A,800Bを含む本発明にかかる多目的タイルシステム880の第2例の概略図を示す。前記図は上面図を示す。前記タイル800A,800Bは、
図6a及び
図6bに示され、例が
図1~
図3gにも示される同等の連結プロファイルを有する前記タイル600A,600Bと同等である。前記タイル800A,800Bは、対向端部801,802,803,804が同様の長さを有し、隣接する端部の長さが異なる平行四辺形の形状を有する。各タイル800A,800Bは、前記基層の上側に付着される複数の帯板形状上側基板820a~820fを含む。前記上側基板820a~820fは、平行に配向される。タイル800A,800Bの各上側基板820a~820fの長手方向は、前記タイル800A,800Bの短い端部に実質的に平行である。ゆえに、タイル800A,800Bの長手方向は、それに付着される上側基板820a~820eの長手方向と異なる。前記タイル800A,800Bが、例えば前記図の左側に示されるように接合構成である場合、タイルの前記複数の上側基板820a~820eは、前記タイルの長手方向に、隣接するタイルの前記上側基板820a~820eの接続を形成する。このことは、A型のタイル800Aの前記上側基板820a~820eが、隣接するA型のタイル800Aの前記上側基板に実質的に平行であることを意味する。同じことは、B型のタイル800Bに当てはまる。上側基板820a~820eのこの構成のため、前記上側基板820a~820eが前記タイルシステムの形成中に相互に接続される個別のタイルでないことは、観察することが困難であるか、又は不可能でさえある。前記シェブロン模様を視覚化する全ての前記上側基板820a~820eが相互に接合される必要があるというわけではないことが、前記構成の利益である。少なくとも一つの可塑性材料と少なくとも一つの充填剤とを含む発泡複合体で少なくとも部分的に作製される実質的に剛性の基層を含む前記タイル800A,800Bのために、前記タイル800A,800Bは、比較的大きい寸法を有するために充分な剛性を有する。前記第1端部801及び前記第2端部802は、例えば、長さ(L)が最高で2メートルであることができる。前記タイルの幅(W)は、例えば、30~50センチメートルであることができる。ゆえに、上側基板820a~820eの寸法における従来のタイルを含むシステムであって、視覚的に同様に見える前記従来のシステムと比較して、本発明にかかる前記システムは、前記タイルシステム880の設置のための必要時間を著しく低下させることができる。
【0147】
図9は、複数の多目的タイル900A,900Bを含む本発明にかかる多目的タイルシステム990の第3の例の概略図を示す。前記図は上面図を示す。前記タイル900A,900Bは、
図7に示される前記タイル700A,700bと同等であるが、前記タイル900A,900Bは異なる様式で接合され、それによって前記タイルシステム990の異なるタイルパターンが得られる。前記端部901,902,903,904は、前の図に記載される連結プロファイルを有することができる。前記タイル900A,900Bは、斜方形又は長斜方形の形状を有することも可能である。前記タイルシステム990の設置は、少なくとも垂直方向に、好ましくは水平方向にも第1タイル900A,900B及び第2タイル900A,900Bを係止することになる、すでに設置されたタイル900A,900Bに対して設置されるタイル900A,900Bの角度を下げることによって典型的には(必ずというわけではないが)実現される、すでに設置された第2タイル900A,900Bの凹部内に設置される第1タイル900A,900Bの横向きトングを内側に角度を向けることによって実現され得る。前記第1タイル900A,900B及び前記第2タイル900A,900Bのこの内側に角度を向けることの間、一般に、設置対象の前記第1タイル900A,900Bの第4連結プロファイルは、別のすでに設置された第3タイル900A,900Bの第3連結プロファイルに(同時に)接続されることになり、それは前記第3タイル900A,900Bに対して前記第1タイル900A,900Bを降下させることによって典型的には実現され、その間、前記第3連結プロファイル及び前記第4連結プロファイルは互いにシザリングが行われ(留められ)、それによって水平方向及び垂直方向の両方で前記第3タイル900A,900Bに対する前記第1タイル900A,900Bの係止が生じる。
【0148】
図10は、複数の多目的タイル1000A,1000Bを含む本発明にかかる多目的タイルシステム1100の第4の例の概略図を示す。図は上面図を示す。前記タイル1000A,1000Bは、例が
図1~
図3gにも示される第1端部、第2端部、第3端部及び第4端部1001,1002,1003,1004において同等の連結プロファイルを有する
図6a及び
図6bに示される前記タイルと同等である。この図に示される多目的タイルシステム1100は、
図7及び
図8に示される前記システム770,880との類似性を有する。主な差は、前記タイル1000A,1000Bの上側基板10a,10b,10cの不均一性にあることが見出され得る。各タイル1000A,1000Bは、前記基層の上側に付着される複数の帯板形状上側基板10a~10cを含む。前記上側基板10a~10cは、互いに平行に配向される。タイル1000A,1000Bの一つあたりの上側基板10a~10cの数は、前記上側基板10a~10cの幅Wa,Wb,Wcが変化し得るにつれて変化し得る。前記幅Wa,Wb,Wcは、前記タイル1000A,1000Bの長手方向Lにおいて規定される。前記タイル1000A,1000Bが、例えば前記図の左側に示されるように接合構成である場合、前記複数の上側基板10a~10cは、上側基板10a~10cの不均一模様を形成する。示される前記上側基板10a~10cが全て平行四辺形の形状を有するにもかかわらず、前記上側基板の形状がそれから逸脱することも可能である。
【0149】
図11は、本発明にかかるタイル1100の概略断面を示す。前記断面は、
図1に示される前記タイル100の線A-A’の断面と同等である。前記連結プロファイル1111,1112は、
図2a及び
図2bに示される前記連結プロファイルと同等であるが、用いることが可能な連結プロファイルのさらに可能な例は、
図1~
図3gに示される。前記タイル1100は、少なくとも一つの可塑性材料と少なくとも一つの充填剤との複合体で少なくとも部分的に作製される実質的に剛性の基層1101を含み、前記複合体及び/又は前記少なくとも一つの可塑性材料は、独立気泡発泡体を含み、且つ/又は独立気泡発泡体によって形成される。前記タイル1100は、前記基層1101の前記上側1101aに付着される複数の帯板形状上側基板1102a,1102bを含む。前記複数の帯板形状上側基板1102a,1102bをあらかじめ構築した後、それらを前記基層1101に付着させることができる。前記上側基板1102a,1102bは、例えば、接着剤によって前記基層1101の前記上側1101aに付着されてもよい。前記上側基板1102a,1102bは、典型的には、透明又は半透明の耐摩耗性摩耗層によってカバーされる。バッキング層1106は、プロファイリングステップの後、前記基層1101の下側1101bに付着される。前記上側基板1102a,1102bは、平行構成を有し、前記隣接する帯板形状上側基板1102a,1102bの対向する長手端部は、前記最上部側の近くでベベル1170を有する。各ベベル1170は、形状上側基板1102a,1102bの対向する長手方向端部において提供され、前記摩耗層の切取部分及び/又は刻印部分によって形成される。前記ベベル1170は、視認可能な継ぎ目の形成を阻止するために適用され、隣接する上側基板1102a,1102bの継ぎ目のない係合を確保する。各帯板形状上側基板1102a,1102bは、典型的には、前記基層1101と前記上側基板1102a,1102bの装飾層との間にある背面層を含む。好ましい実施形態において、前記背面層の最上部分の幅は、典型的には断面に見られるように、
図12においても見ることができるように、前記背面層の底部分の幅よりも大きい。このことによって、隣接する上側基板1102a,1102bの継ぎ目がなく且つ密着した係合の向上を得ることができる。前記背面層の対向する長手端部の底部分は、好ましくは面取りされている。
図11は、前記上側基板1102a,1102bが、互いに隣接して、むしろ密着して位置し、前記上側基板1102a,1102bの底部分の狭い幅が適用されるので、小さい空気チャネル1171が、前記上側基板の底部側において、前記隣接する上側基板1102a,1102bの間に形成されることを示す。
【0150】
図12は、
図11にかかる前記タイル1100において用いられる上側基板1102の詳細な断面を示す。前記図は、前記帯板形状上側基板1102が、装飾層1104と、前記装飾層1104をカバーする耐摩耗性摩耗層1105とを含むことを示す。前記摩耗層1105の上面は、前記タイル1100の上面である。前記摩耗層1105は、典型的には、透明及び/又は半透明の材料で作製され、その結果、装飾層1104は、透明摩耗層1105を通して視認可能である。前記帯板形状上側基板1102の長手方向端部はベベル1170を有する。前記ベベル1170は、視認可能な継ぎ目の形成を阻止するために適用され、隣接する上側基板1102の継ぎ目のない係合を確保する。前記ベベル1170は、前記摩耗層1105の切取部分によって形成される。ゆえに、示された前記実施形態において、前記ベベル1170は、前記装飾層1104の上に位置し、前記ベベル1170は、前記装飾層1104を無傷のままにする。前記ベベル1170は、典型的には、前記タイルの上面によって規定される通りの水平な表面の下で10~30度の間の角度(アルファ)を有する。示された前記実施形態における前記ベベル1170の角度は、約15度である。前記装飾層1104と前記摩耗層1105との間にある透明仕上げ層が考えられる。前記帯板形状上側基板1102は、前記タイル(図示せず)の前記基層と前記装飾層1104との間にある背面層1180を含む。前記背面層1180は、好ましくは、PVC又はPETなどの熱可塑性材料で作製される。好ましくは、前記背面層1180の厚さは、前記上側基板の厚さの少なくとも50%である。前記背面層1180の最上部分の幅(W)は、前記背面層1180の底部分の幅よりも大きいことを認めることができる。
【0151】
図13は、
図11に示される前記タイルの別の概略断面を示す。前記断面は、
図1に示される前記タイル100の線B-B’の断面と同等である。前記連結プロファイル1111、1112は、
図3a及び
図3bに示される前記連結プロファイルと同等であるが、使用することが可能な連結プロファイルのさらに可能な例は、
図1~
図3gに示される。前記上側基板1102の短い端部が、前記上面の近くでベベル1170sも有し、それによって隣接するタイルが互いに継ぎ目なしで係合することが可能になるか、又は容易になることを見ることができる。
【0152】
図14は、本発明にかかるタイルにおける使用のための多層基層1401の断面を示す。図は、前記基層1401が基本的に三つの層1401a、1401b、1401cを含むことを示す。前記上層1401a及び前記底層1401cは、発泡中間層1401bを囲む。ゆえに、互いの上に積層される複合層1401a、1401b、1401cの積層体が形成される。この多層基層1401は、例えば、共押出によって形成されてもよい。前記基層1401の前記異なる複合層1401a、1401b、1401cが異なる組成を有することを見ることができる。前記上層1401a及び前記底層1401cは(むしろ)中実の構造を有するが、前記中間層1401は発泡体構造を有する。ゆえに、二つの実質的に中実の複合層1401a、1401cが発泡体複合層1401bを囲むサンドイッチ構造が得られる。
【0153】
図15は、本発明にかかるタイルにおける使用のための発泡基層1501のさらなる例の詳細な断面を示す。クラスト層(C)が前記発泡基層1501の最上部(最上部分)及び底部(底部分)の両方における前記発泡基層1501の中で形成されることを見ることができる。このクラスト層は、前記基層1501の一体部分を形成する。さらに、前記基層1501の前記最上部及び前記底部の前記クラスト層は、前記発泡体構造(F)を囲む。各クラスト層は、比較的独立気泡構造を有する。前記クラスト層Cは、より多孔性の前記発泡体構造Fと比較して多孔度が低下していることを見ることができる。前記発泡基層1501の中心部は、両クラスト層によって囲まれる。前記発泡中心部は、クラスト層の厚さよりも大きい厚さを有する。前記中心部は、実質的に均質な気泡の大きさを有する。前記発泡基層1501の前記発泡部Fの平均気泡大きさは、典型的には、60~140ミクロンの間、より特には、80~120ミクロンの間である。
【0154】
本発明が、本明細書において図と共に記載される作業例に限定されるものではないが、当業者にとって明らかである添付の特許請求の範囲の範囲内で多くの変形例が可能であることは、明らかであろう。その上、本発明にかかる前記タイルの各種の実施形態の上記記載において述べられた一つ以上の詳細及び技術的特徴は、図に示され、且つ上記で記載される前記タイルにおいて組み込まれてもよい。ゆえに、上記の本発明の概念は、いくつかの例示的な実施形態によって示される。その際、記載される例の他の詳細を適用することもなく個別の本発明の概念を適用してもよいことが考えられる。特定の適用に達するために多くの本発明の概念を(再度)組み合わせることができることを当業者は理解するので、上記の本発明の概念の全ての考えられる組み合わせの例を詳しく述べることは必要ではない。
【0155】
本特許公開において用いられる「含む(comprise)」という動詞及びその活用形は、「含む」だけを意味するものと理解されるのではなく、「含む(contain)」、「実質的になる(substantially consist of)」、「によって形成される(formed by)」という句及びそれらの活用形も意味するものと理解される。