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特許7499231電磁波を異なる波長を有する複数の波に分割する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】電磁波を異なる波長を有する複数の波に分割する方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
G02B5/20 101
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021512844
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 US2019056809
(87)【国際公開番号】W WO2020146029
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】62/748,677
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/776,685
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508032284
【氏名又は名称】カリフォルニア インスティチュート オブ テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100205833
【弁理士】
【氏名又は名称】宮谷 昂佑
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ カマイドームノズ
(72)【発明者】
【氏名】コナー バリュー
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ロバーツ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレイ ファラオン
【審査官】小久保 州洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0045953(US,A1)
【文献】米国特許第05385114(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0118799(US,A1)
【文献】国際公開第2004/059784(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第1635662(CN,A)
【文献】特表2021-521481(JP,A)
【文献】特表2014-534459(JP,A)
【文献】特開2004-219998(JP,A)
【文献】特表2017-538974(JP,A)
【文献】特開2015-194637(JP,A)
【文献】特開2012-015424(JP,A)
【文献】特表2011-527930(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0054172(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0092770(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波を異なる波長を有する複数の波に分割する方法であって、
前記方法は、
多層3次元(3D)散乱構造体を提供するステップであって、
前記多層3D散乱構造体は、
互いの上に積み重ねられた複数の層であって、各層は、第1の誘電体を含むピラーを備え、前記ピラーは、1つ以上のターゲット関数に従って配置される、設定された2次元(2D)パターンで配置される、前記複数の層と、
第2の誘電体で満たされる前記複数の層間の格子間空間であって、各格子間空間は、その後に続く層のための平坦な基板を形成し、前記第2の誘電体の屈折率は、前記第1の誘電体の屈折率よりも低い、前記格子間空間と、
を備える、ステップと
第1の側面で、前記複数の層及び前記格子間空間を通じて、前記多層3D散乱構造体に前記電磁波を適用するステップと、
前記電磁波を散乱させることにより、異なる波長を有する複数の電磁波を発生させるステップであって、前記複数の電磁波は、出力の第2の側面で前記多層3D散乱構造体から出るステップと、
勾配ベースアルゴリズムを用いて前記設定された2次元パターン最適化するステップと
を含み、
前記勾配ベースアルゴリズムのターゲット関数は、前記多層3D散乱構造体の外側に配置された焦点面内のターゲット位置における前記電磁波の電磁強度と、前記ターゲット位置での前記電磁波のソートとに基づいて規定され、
前記多層3D散乱構造体内の点における屈折率に関する前記ターゲット関数の感度は、前記屈折率の関数である補助密度に関して計算され、前記関数は、S字投影フィルタの規定に基づいて規定される、方法
【請求項2】
前記ソートは、1)1つ以上の波長、2)1つ以上の偏光、3)前記電磁波の入射角、4)空間分布、又はそれらの組み合わせに従って実行される、請求項1に記載の方法
【請求項3】
前記1つ以上の波長は、赤色、緑色、及び青色に対応する波長を含み、
前記1つ以上の偏光は、1つ以上の偏光方位を含む、請求項2に記載の方法
【請求項4】
前記1つ以上のターゲット領域は、1つ以上のピクセルを含
前記多層3D散乱構造体は、イメージセンサに含まれる、請求項3に記載の方法
【請求項5】
前記1つ以上のターゲット領域は、赤色に対応する第1のサブピクセルと、青色に対応する第2のサブピクセルと、第1の偏光方位を有する緑色に対応する第3のサブピクセルと、第2の偏光方位を有する緑色に対応する第4のサブピクセルと、を含み、前記第1、第2、第3、及び第4のサブピクセルは、隣接するサブピクセルであ
前記多層3D散乱構造体は、イメージセンサに含まれる、請求項3に記載の方法
【請求項6】
複数の前記イメージセンサが、カメラに含まれる、請求項4に記載の方法
【請求項7】
前記複数の層の各層は、400nmの厚さを有する2μm×2μmである、請求項1に記載の方法
【請求項8】
前記多層3D散乱構造体は、400nm~700nmの波長範囲内で動作する、請求項2に記載の方法
【請求項9】
前記第1の誘電体はTiOを含み、前記第2の誘電体はSiOを含む、請求項1に記載の方法
【請求項10】
前記各層は、シリカマトリックスに埋め込まれた多孔質ポリマーの立方体又はシリコン粒子のクラスターを備える、請求項1に記載の方法
【請求項11】
前記多層3D散乱構造体は、可視周波数で透明な材料で形成される、請求項1に記載の方法
【請求項12】
前記多層3D散乱構造体はマイクロ波フィルタに含まれ前記マイクロ波フィルタは、前記多層3D散乱構造体の側面に金属境界を含む請求項1に記載の方法
【請求項13】
電磁波を異なる波長を有する複数の波に分割する方法であって、
前記方法は、
多層3次元(3D)散乱構造体を提供するステップであって、前記多層3D散乱構造体は、
互いの上に積み重ねられた複数の層であって、各層は、第1の誘電体を含むピラーを備え、前記ピラーは、設定された2次元(2D)パターンで配置される、前記複数の層と、
第2の誘電体で満たされる前記複数の層間の格子間空間であって、各格子間空間は、その後に続く層のための平坦な基板を形成し、前記第2の誘電体の屈折率は前記第1の誘電体の屈折率よりも低い、前記格子間空間と、
を備える、ステップと、
第1の側面で、前記複数の層及び前記格子間空間を通じて、前記多層3D散乱構造体に前記電磁波を適用するステップと、
前記電磁波を散乱させることにより異なる波長を有する複数の電磁波を発生させるステップであって、前記複数の電磁波は、出力の第2の側面で前記多層3D散乱構造体から出るステップと、
勾配ベースアルゴリズム用いて前記設定された2次元パターンを最適化するステップと、
を含み、
前記勾配ベースアルゴリズムのターゲット関数は、前記多層3D散乱構造体の外側に配置された焦点面内のターゲット位置における前記電磁波の電磁強度に基づいて規定され、
多層3D散乱構造体内の点における屈折率に関する前記ターゲット関数の感度は、
前記第1の側面に印加された第1のシミュレーションされた電磁波に対応する第1のセットの電界と、
前記第2の側面に印加された第2のシミュレーションされた電磁波に対応する第2のセットの電界と、
に基づいて計算され、
前記第2のシミュレーションされた電磁波は、前記焦点面において点源を介して生成され、
前記感度は、前記屈折率の関数である補助密度に関して計算され、前記関数は、S字投影フィルタの規定に基づいて規定される、方法。
【請求項14】
前記多層3D散乱構造体の外側の対応するターゲット領域で、前記複数の電磁波の各波を収集するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記適用するステップの前に、
レーザーを液状ポリマーに集束させることによって、前記液状ポリマーをレーザー焦点で架橋及び硬化させるステップと、
前記勾配ベースアルゴリズムの目的関数に従って前記レーザーの焦点を移動させるステップと、
によって前記多層3D構造体を構築するステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法を実行するステップを含むイメージング方法であって、前記イメージング方法は、ハイパースペクトル、熱、又は光学イメージング方法から選択される、イメージング方法。
【請求項17】
前記複数の層は少なくとも5層である、請求項1に記載の方法
【請求項18】
前記複数の層は、20枚のパターン化されたポリプロピレンシートを備える、請求項12に記載の方法
【請求項19】
前記マイクロ波フィルタは、35m×35mのフットプリントを占有する、請求項12に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、米国仮出願番号62/748,677(出願日:2018年10月22日、発明の名称:Color and Multi-Spectral Image Sensor Based On 3D Engineered Materials)、及び米国仮出願番号62/776,685(出願日:2018年12月7日、発明の名称:Colorand Multi-Spectral Image Sensor BasedOn 3D Engineered Materials)の優先権を主張し、何れもその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【政府支援の声明】
【0002】
本発明は、認可番号HR0011-17-2-0035の下、DARPAによって与えられた政府支援によりなされたものである。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
【技術分野】
【0003】
本開示は、多機能光学素子に関し、より詳細には、三次元(3D)散乱構造体等の材料によって形成された単一ブロック材料内において屈折率を構造化することによって形成された多機能メタマテリアルデバイス、その構造体の製造方法、及び複数の電磁波内で電磁波を分割する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
光学系は、典型的には複雑な機能を達成するために、複数の要素のモジュールの組み合わせを介して設計される。例えば、レンズ及び回折光学系が組み合わされることにより、ハイパースペクトルイメージングが行われる。このアプローチは、直感的かつ柔軟であり、限定された要素のセットから広範囲の機能へのアクセスを提供する。しかしながら、光学系の全体的なサイズ及び重量は、その適用範囲を制限することがある。ナノ加工における最近の進歩は、サブ波長の厚さを有する共振ナノ構造のメタサーフェスの平面アレイで嵩張る要素を置換することにより、この制約を緩和する可能性がある。アレイ内の個々の要素の散乱を設計することにより、これらのデバイスは、複雑な光学系の多機能性を単一の要素内で再現することができる。しかしながら、より複雑な機能性のために複数のメタサーフェスを組み合わせる試みは、同時に行われるタスク数に反比例してスケーリングする散乱効率の減少によって妨げられてきた。
【0005】
これらの系における多機能性と効率性との間の固有のトレードオフは、デバイスの体積と最大屈折率コントラストでスケールする有限の自由度に起因するものである。特に、これは、周波数、偏光、及び入射角度に従って光をソートする等、任意の超薄型の系によって達成可能な独立した機能の範囲を制限する。これに対して、波長よりも大きな厚さを有する3次元散乱要素は、弱い散乱と低屈折率コントラストのためにこれまでのところ低効率ではあったものの、一般的に多くの同時機能をエンコードする。
【0006】
歴史的に、光学設計はモジュラーであり、光学セットアップを構築及び再構成するための直感的な方法を提供する模範であった。ナノ加工技術の進歩により、より複雑なセットアップの機能を組み合わせた多機能光学素子を可能とするサブ波長の特徴的なサイズを有する構造体を作成することが可能になった。例として、異なる偏光及びスペクトル帯域を分割することができるメタサーフェスレンズが挙げられる。しかしながら、メタサーフェス及び他の平面構造体で達成可能な性能及び機能の程度は、本質的に制御可能な光学モードの数によって制限される。
【0007】
サブ波長スケールにおいて高コントラストで屈折率を構造化することにより、多機能光学素子を実証するために利用することができる広範な光学設計空間が提供される。これは、主に2次元構造体又はメタサーフェスにおいてこれまで使用されてきた。しかしながら、それらの性能は、利用可能な光学的自由度によって制限される。
【0008】
本開示の教示の利点を以下において強調するために、ここでは、イメージセンサの例を考察する。現在、大多数のセンサは、吸収フィルタを用いて色を記録する。図1は、従来のイメージセンサを示しており、各4つの隣接するピクセルは吸収カラーフィルタを上部に有しており、2つは緑用であり、1つは青用であり、1つは赤用である。このようなイメージセンサの課題は、ほとんどの光が吸収されるので、効率が30%前後に制限されることである。
【0009】
本開示の方法及びデバイスは、上述した課題に取り組み、上述した課題に対する解決策を提供する。
【発明の概要】
【0010】
究極の光学設計空間は、屈折率がレレバントな最小波長よりも小さい空間解像度で任意に制御され得る3次元ボリュームである。この場合、光学自由度の数は、膨大であり、完全に非直観的な多機能設計を高性能で実現するために使用され得る。本開示の教示は、このような概念に基づいている。
【0011】
本開示のアプローチは、複数のターゲット関数を考慮しながら、反復する勾配ベースの最適化を介して3次元散乱要素を設計することに基づいている。本方法及びデバイスは、単一の表面ではなく、3次元ボリューム内の複雑な多重散乱に様々な機能をエンコードすることにより、既存の光学デバイスに向上をもたらす。本開示のアプローチは、メタサーフェスに典型的な局所的な有効媒体(EM)仮定又はより高い屈折率コントラストに依存せず、回折上限を超える粗い特徴を有する効率的なデバイスを可能にする。また、本開示による実施形態は、特徴的なサイズ及び層の数に関する要求が少ない標準的な多層加工を用いて製造され得る。
【0012】
本開示の第1の態様によれば、1つ以上の設定されたターゲット関数(set target functions)に基づいて設定された3次元(3D)パターン内に形成された3D散乱構造体が提供され、前記3D散乱構造体は、電磁波を受信し、前記電磁波を散乱させることにより前記1つ以上の設定されたターゲット関数を提供するように構成される。
【0013】
本開示の第2の態様によれば、電磁波を異なる波長を有する複数の波に分割する方法が開示され、第1の側面で3次元(3D)散乱構造体に前記電磁波を適用するステップであって、前記3d散乱構造体は設定された3dパターン内に形成されるステップと、前記電磁波を散乱させることにより波長の異なる複数の電磁波を生成するステップであって、前記複数の電磁波は出力の第2の側面で前記3D散乱構造体から出るステップと、が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】従来のイメージセンサを示す図である。
図2図2-1は、本開示の一実施形態による例示的な三次元(3D)散乱構造体を示す。図2-2は本開示の一実施形態による例示的な三次元(3D)散乱構造体を示す。図2-3は、図2-1及び図2-2の実施形態の波長分割機能を示す。図2-4は、図2-1及び図2-2の実施形態の波長分割機能を示す。
図3】図3-1は、本開示の別の実施形態による例示的な三次元(3D)散乱構造体を示す。図3-2のBは、本開示の別の実施形態による例示的な三次元(3D)散乱構造体を示す。図3-2のB’は、本開示の別の実施形態による例示的な三次元(3D)散乱構造体を示す。図3-3は、本開示の別の実施形態による例示的な三次元(3D)散乱構造体を示す。
図4A】本開示による例示的な実施形態の性能結果を示す。
図4B】本開示による例示的な実施形態の性能結果を示す。
図4C】本開示による例示的な実施形態の性能結果を示す。
図4D】本開示による例示的な実施形態の性能結果を示す。
図4E】本開示による例示的な実施形態の性能結果を示す。
図5】本開示の実施形態によるマイクロ波3D散乱構造体を含む例示的な構成を示す。
図6図5の構成に関連する例示的な性能結果を示す。
図7】本開示の実施形態による例示的な最適化アルゴリズムのマルチステップを示す。
図8】本開示の更なる実施形態による最適化アルゴリズムの様々な実装ステップを示す例示的なフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の更なる態様は、本出願の明細書、図面、及び特許請求の範囲において提供される。
【0016】
2-1は、本開示の一実施形態によるイメージセンサ(200)を示す。イメージセンサ(200)は、スペクトルスプリッタとして機能する3次元(3D)散乱構造体(201)を備える。3D散乱構造体(201)は、所定のパターンで光を散乱させるように形成された複数の誘電体ピラー(205)を備える。3D散乱構造体(201)を通過した入射光(202)は、誘電体ピラーから散乱される。1つ以上のターゲット関数に従った誘電体ピラー(205)の配置を通して、散乱パターンは所望の機能を実行するように調整される。一例として、3D散乱構造体(201)は、図2-1に示されるように、3D散乱構造体(201)の下に配置された焦点面(203)上の個々のピクセルにそれぞれ向けられた任意の数の波長(λ1、・・・、λn)へ入射光(202)を同時にソートし焦点を合わせるスペクトルスプリッタとして設計されてもよい。本開示の実施形態によれば、3D散乱構造体(201)は、シリカマトリックスに埋め込まれた多孔質ポリマー立方体又は誘電体若しくは半導体(例えばシリコン)粒子のクラスターであってもよい。
【0017】
当業者は、図1の従来のイメージセンサ(100)とは対照的に、図2Aのイメージセンサ(200)が吸収に基づいて機能せず、既存の解決法と比較して実質的な効率の向上をもたらすことを理解するであろう。このことは、本教示の例示的な実施形態を用いて後に定量化される。また、本開示の全体を通してより詳細に説明されるように、本開示のデバイス及び方法は、既存の解決策に対して以下の追加の利点を提供する。
・図2-1の3D散乱構造体(201)は、公知のリソグラフィプロセスによって製造されてもよい。
・図2-1の3D散乱構造体(201)は、赤外線又は中赤外線等の任意のスペクトル帯に対するスペクトルスプリッタとして機能するように設計されてもよい。言い換えれば、ハイパースペクトルイメージングに加えて、熱イメージングが本開示の教示の別の応用となり得る。
・スペクトル分割機能は、偏光分割等の他の所望の機能と組み合わせられてもよい。
・本開示による実施形態は、エッジ検出のためにガボールフィルタリング等の光学画像処理を実行するように設計されてもよい。
【0018】
2-2は、本開示の一実施形態によるスペクトルフィルタとして機能する例示的な3次元(3D)散乱構造体(21)を備えるイメージセンサ(200’)を示す。上方から入射した入射光(22)は、3D散乱構造体(21)を通過しながら散乱され、赤、青、緑(x偏光)、及び緑(y偏光)として示される4つのサブピクセルからなる焦点面(23)内でソートされる。図2-2にも示されるように、赤(600nm~700nm)及び青(400nm~500nm)のスペクトル帯は反対側の象限にソートされる。更に、緑(500nm~600nm)のスペクトル帯は直線偏光に従って更に分割される。赤及び青の象限は、偏光無依存であってもよい。
【0019】
本開示の実施形態によれば、3D散乱構造体(21)は、特定の目的関数(objectivefunction)を最適化する構造体を生成する随伴変数法を用いて設計されてもよい。一例として、図2-2を参照して、目的関数は、周波数及び偏光に依存する4つのターゲット領域のうち1つのターゲット領域への入射光の集束効率に基づいて選択されてもよい。空の3次元ボリュームから始めて、屈折率の摂動に対する性能指数の感度を計算するために、全波有限差分時間領域(FDTD)シミュレーションが実装される。規定された散乱構造体が形成され、反復的に更新される。言い換えれば、最適設計は初期形状に対する反復更新によって生成され、各ステップは性能を改善する。感度はたった2つのシミュレーションから計算されてもよく、少ないリソースで3Dデバイスを効率的に最適化することができる。可視スペクトルにわたる複数の入射波長に対する感度が計算されてもよく、各スペクトル帯を異なる象限、すなわち赤(600nm~700nm)、緑(500nm~600nm)、及び青(400nm~500nm)に割り当ててもよい。そして、スペクトル的に平均化された感度を用いて、デバイスの屈折率が更新されてもよい。
【0020】
2-3~図2-4は、図2-2の3D散乱構造体(21)内の入射光のシミュレーションされた強度を示す。強度は、図2-2の赤と青の象限と交差する対角断面に沿って分析される。各波長は、それぞれのターゲット領域に収束する前に多重散乱を受ける。図2-4は、2つの直交する入力偏光に対する緑ピクセルを通る対角断面内の入射光の強度分布を示す。いずれの場合も、上方から入射する平面波(λ=550nm)は、その偏光に対応するピクセルに優先的に送られる。一方、両方の偏光は、赤と青のスペクトル帯に対して同じ領域に割り当てられ、目的関数の鏡映対称性を維持する。
【0021】
本開示の一実施形態によれば、図2-2の3D散乱構造体(21)は、それぞれ84%、60%、及び87%の効率で赤、緑、及び青をソートする。本開示を通じて、効率は、デバイスが設計されているスペクトルにわたって、すなわち、図2A’の実施形態に対する可視スペクトルにわたって平均化されたターゲット象限に到達するデバイスに入射する全パワーの割合として定義される。
【0022】
2-1及び図2-2を参照して、当業者は、本開示の概念が任意の入射偏光、角度、又は周波数に対して独立した制御でターゲット散乱関数を定義するにあたって実質的な柔軟性を提供することを理解するであろう。しかしながら、複雑な3次元構造体は、製造に重大な課題を提示する。可視波長でのイメージセンサにおけるこれらのデバイスの大規模な実装は、サブ100nmの解像度の高い製造スループットを必要とするであろう。これは、多層リソグラフィによって達成されてもよく、そこでは、3次元デバイスは、材料の堆積及びパターニングを繰り返すことによって構築される。ここで、各層は、高屈折率の誘電体から構成される一連のパターニングされたメサからなる。格子間の空間は、低屈折率の誘電体で満たされ、その後に続く層の基板として機能する平坦な表面を形成する。
【0023】
上述した層の製造アプローチをさらに明確にするために、図3-3の3D散乱構造体(31)の層状設計を示している図3-1及び図3-3を参照する。換言すれば、図3-3の3D散乱構造体(31)は、図3-1の複数の層(301、...、305)を互いの上に積み重ねることによって構造化されてもよい。製造プロセスは、製造制約が設計アルゴリズムに直接組み込まれてもよいCMOS互換であってもよい。各層(301、...、305)は、リソグラフィを使用して製造されてもよい。3D散乱構造体(31)は、可視周波数で透明な材料であるTiO 及びSiO から構成されてもよい。層(301、...、305)は、それぞれ400nmの高さを有する2μm×2μmの層であってもよい。当業者は、これらが説明のための例示的な寸法であり、本開示による実施形態では、上述以外の層の寸法及び数も想定され得ることを理解するであろう。図3-2のBに示すように、各層は、SiO によって囲まれた不規則なTiO メサのセットを含んでもよい。図3-3のB’を参照して、リソグラフィプロセスは、基板(例えば、SiO )の上部に誘電体(例えば、TIO)の薄層を成長させることによって開始されてもよい。リソグラフィによってパターンがこの層上に転写され、保護されていない材料がエッチング除去され、2次元の誘電体構造体が暴露する。最後に、表面を低屈折率誘電体で被覆(析出)し、機械的に研磨(平坦化)する。各層について同じプロセスを繰り返し、層を積み重ねることによって、所望の3D構造体が生成される。このようなリソグラフィプロセスは、材料設計において柔軟性を提供し、上述したように業界標準のCMOS製造プロセスと互換性がある。
【0024】
以下では、本開示のデバイスに関連するいくつかの例示的な性能結果が示される。
【0025】
2-2に関して説明したものと同様に、図3-3は、赤、青、緑(x偏光)、緑(y偏光)に対応する4つのサブピクセルを含む焦点面(33)の上部に配置され、別個の四分円に配置された3D散乱構造体(31)を含むイメージセンサ(300)を示す。上方から入射した入射光(32)は、3D散乱構造体(31)を通過しながら効率よく散乱され、焦点面(33)内で別個のサブピクセルにソートされる。入射光(32)は、直線偏光、非偏光、又は他の偏光状態を有する光であってもよい。入射光は、周波数と、幾つかの周波数に対する偏光との両方に基づいて、イメージセンサ上でソートされる。3D散乱構造体(31)を設計する場合、本教示の実用面を更に実証するために、60nmという最小の特徴的サイズの要件が設定されてもよく、その結果、設計は、適度な製造プロセスに適さないであろう小さな特徴が含まれていない場合がある。
【0026】
図4Aは、図3-3のイメージセンサ(300)に関連する例示的な透過スペクトルを示す。グラフ(41A、42A、43A)は、それぞれ、色(青、緑、赤)について波長の関数としての透過率のプロットを表す。点線(44A)は、図1に関して説明したように、従来の吸収フィルタを使用して達成可能な典型的な結果に対応する。
【0027】
図4Bは、図3-3のイメージセンサ(300)に関連し、光の入射面が3度傾いた場合の例示的な透過スペクトルを示す。グラフ(41B、42B、43B)は、それぞれ、色(青、緑、赤)について波長の関数としての透過率のプロットを表す。点線(44B)は、図1に関して説明したように、従来の吸収フィルタを使用して達成可能な典型的な結果に対応する。
【0028】
図4Cは、図3-3のイメージセンサ(300)に関連し、光の入射面が6度傾いた場合の例示的な透過スペクトルを示す。グラフ(41C、42C、43C)は、それぞれ、色(青、緑、赤)について波長の関数としての透過率のプロットを表す。点線(44C)は、図1に関して説明したように、従来の吸収フィルタを使用して達成可能な典型的な結果に対応する。図4B図4Cに示される結果は、3D散乱構造体(31)がいかなる特定の入射角に対しても最適化されていないので、図4Aに示される結果よりも悪いことが期待される。
【0029】
図4Dは、図3-3のイメージセンサ(300)に関連し、光の入射面が20度傾いた場合の例示的な透過スペクトルを示す。この場合、設計は、20度の入射角を考慮に入れるように最適化されている。グラフ(41D、42D、43D)は、それぞれ、色(青、緑、赤)について波長の関数としての透過率のプロットを表す。点線(44D)は、図1に関して説明したように、従来の吸収フィルタを使用して達成可能な典型的な結果に対応する。
【0030】
本明細書の全体を通して、本開示の方法及びデバイスを説明するために、例示的な平面波が本開示の教示に従って作製された構造体への入力として使用された。しかしながら、当業者であれば、本開示の実施形態による他のデバイスも作製されてもよく、入力は平面波以外の波であってのよいことを理解するであろう。一例は、ガウシアンビームである。異なる種類の入力ビームプロファイルに異なる関数を適用する構造体も想定され得る。これは、本明細書の全体を通して「空間分布」又は「光学モード」と呼ばれる。モードプロフィールには多くの多様性があり、振幅と位相との両方の空間分布によって定義される。本開示の教示に従って製造された構造体は、線形デバイスであってもよく、すなわち、それらは直交するモードを区別することができる。
【0031】
本開示の実施形態によれば、入力電磁波のソートが、1)1つ以上の波長、2)1つ以上の偏光、3)電磁波の入射角、4)空間分布、又はそれらの組み合わせに基づいてもよい3D構造体が作製され得る。
【0032】
3-13-3を更に参照して、多機能性とデバイス厚との間のトレードオフが異なる数の層を有する一連の3D散乱構造体を設計することによって調査される。各構造体は、図3-13-3の実施形態に関して上述したように、400nmの層を使用する同一の設計アルゴリズムに従う。図4Eは、可視スペクトルにわたって平均化された、各散乱構造体のソート効率、偏光コントラスト、及びカラーコントラストを示す。単層のメタサーフェスは、空の空間よりもわずかに優れた性能を発揮し、効率デバイス厚と共に着実に成長する。加えて、より厚い構造体は、改善されたカラー及び偏光コントラストを示す。コントラストは、ここでは2つの最も強い象限間で正規化されたパワーの差として定義され、従って、入射色と偏光とを区別する容量を反映する。5層を有するボリューム散乱素子は、ソート効率(58%)、カラーコントラスト(28%)、及び偏光コントラスト(41%)に関して吸収フィルタより優れている。
【0033】
(マイクロ波周波数)
Maxwell方程式はスケール不変性を有することが知られており、これは波長及び次元が共通の因子によってスケールされる場合の任意の物理系の挙動が保存されることを意味する。この事実を用いて、マイクロ波周波数で動作する大規模類似物を用いた制約設計を示した。言い換えると、cmスケールの寸法でKa帯(26~40GHz)において動作する散乱デバイスが本開示の教示に従って実装されてもよい。
【0034】
図5は、マイクロ波フィルタとして機能する3D散乱構造体(51)を含むマイクロ波デバイス(500)を示す。3D散乱構造体(51)は、それぞれ1.6mm厚の20枚のパターン化されたポリプロピレンシート(屈折率=1.5)の積層体から構成され、立方体に組み立てられる。最小の特徴的サイズは1mmに制限されてもよい。測定デバイスからの干渉を制限するために、立方体の側面上に金属境界が組み込まれてもよい。マイクロ波デバイス(500)は、動作波長に対する光アナログと同じ、35m×35mのフットプリントを占有する。
【0035】
3D散乱構造体(51)の性能は、3D散乱構造体(51)によって散乱されたマイクロ波の複素場を測定することによって特徴付けられる。図に示される例では、3D散乱構造体(51)は、コリメートされたガウシアンビーム(半値全幅FWHM=25mm)によって照射され、これはマイクロ波ホーンアンテナ(52)及び集束ミラー(56)を介して自由空間に結合されたベクトルネットワークアナライザ(図示せず)によって生成される。上述したように、入力ビームは、構造体(51)を通過して遠方場に散乱する。複素散乱振幅S21を回復するために、3D散乱構造体(51)の出力開口を62mm越えた測定面(56)における局所電場がWR‐28導波路フランジを用いて測定される。次に、測定値は、畳み込みが解かれ、逆伝搬されて、焦点面(55)における結果が得られる。
【0036】
この解析は、Ka帯(26~40GHz)内のマイクロ波周波数の範囲、及び入力ビームの両方の直交偏光に対して繰り返される。直交偏光に対する散乱パラメータを測定するために、3D散乱構造体は90度回転される。
【0037】
図6は、焦点面(55)におけるマイクロ波場の強度をシミュレーションして測定したものであり、ある偏光の場合を示す。測定結果に対応するグラフが実線で示され、シミュレーション結果に対応するグラフが点線で示される。図6に示すグラフは、測定帯域幅内の全ての周波数についての合成強度を表し、各周波数について焦点面での全測定パワーに正規化されたものである。グラフ対(61、61’)、(62、62’)、及び(63、63’)は、それぞれ、緑色、青色、及び赤色に対応する。言及された色は、波長が1.75×10-4のファクタによってスケーリングされる場合に、類似の光学場の観察された色調に対応する。示されたグラフは、測定スペクトルにわたる図5の3D散乱構造体(51)の相対的なソート効率を表す。これらの効率は、各ターゲット象限を通って伝送されるパワーとして定義され、図5の焦点面(55)における全パワーに正規化される。実験での効率とシミュレーションでの効率の間の近い一致が観測される。各バンドは、約10%の帯域外光からの低いクロストークで効率的なソートを示す。スペクトル帯間の鋭い遷移は、典型的な分散散乱素子よりも改善された色識別を強調する。
【0038】
図3~5に戻って、上述したように、本開示のデバイスの製造方法の1つは、多層リソグラフィを使用してもよい。本開示による実施形態は、また、所望の構造体が直接印刷される2光子重合(TPP)アプローチを使用して構築されてもよい。このアプローチは、3Dプリントに類似しているが、マイクロスケールで行われる。一例として、レーザーが液状ポリマーの中心に集束されて、ポリマーをレーザー焦点で架橋及び硬化させてもよい。レーザー焦点を移動させることによって、任意の形状を有する3次元構造体が生成されてもよい。
【0039】
(最適化アルゴリズム)
(最急降下法)
2-2~図3-3に戻って、上述したように、3次元誘電構造体は、ターゲット光の散乱関数を実行するように最適化されて、本開示の教示に従って設計される。図2-2~図3-3に示す例示的な実施形態の場合、このようなターゲット散乱関数は、入射平面波を周波数と偏光に応じて異なる位置に集束させることからなる。例示的な3次元(3D)散乱構造体(21、31)は、立方体の設計領域内の空間依存性屈折率分布
によって規定される。これは、幅広い複雑な光学多機能性を表現する能力を備えた広範なデザイン空間を表している。しかしながら、所与のターゲット関数に対する最適な屈折率分布を特定することは、特に強散乱デバイスに対して困難な逆設計問題として残されている。
【0040】
このような課題を克服するために、本開示の教示によれば、最急降下法によって導かれる反復アプローチが実装されてもよく、ここでは、初期の屈折率分布から出発して、全波シミュレーション(FDTD)が使用されて、屈折率の摂動に関する集束効率の感度が計算される。この感度は、たった2つのシミュレーションから計算され、少ない資源で3次元デバイスの効率的な最適化を可能にする。この感度に基づいて、加工制約に適合しながら、性能を最大化するように、初期設計が修正される。この更新プロセスは、最適化されたデバイスがターゲット関数を効率的に実行することができるまで繰り返される。
【0041】
【0042】
【数1】
【0043】
ここで、
は、平面波で上方から照射された場合の立方体内の電場であり、ステップ(72)、
は、下方から照射された場合の立方体内の電場であり、ステップ(73)、ターゲット位置に点源がある。点源の位相及び振幅は、前進シミュレーションにおけるターゲット位置での電場によって与えられる。感度は、可視スペクトルにわたる複数の入射波長及び偏光に対して計算されてもよく、各スペクトル帯を異なる象限、赤(600nm~700nm)、緑(500nm~600nm)、及び青(400nm~500nm)に割り当てる。次に、スペクトル的に平均化された感度は、以下の式(2)を用いて、デバイスの屈折率を更新するために使用される、ステップ(74)。
【0044】
【数2】
【0045】
ステップサイズαは、屈折率の変化が線形領域における摂動として扱われ得ることを確実にするために小さな割合(例えば、α=0.001)で固定されてもよい。感度は、各更新後に再計算される。幾つかの反復の後、アルゴリズムは、最適化された設計に収束し、ステップ(75)、得られた構造体は、入射光を所望の効率で集束させる。
【0046】
(製造上の制約)
(A.バイナリインデックス)
最適化プロセスの間、製造プロセスによって要求される屈折率分布に対する一連の制約が強制されてもよい。本開示の実施形態によれば、高コントラストの3D散乱要素が2つの材料から構成されてもよい。上述した最急降下アルゴリズムは、屈折率勾配を有する最適化されたデバイスを生成するが、バイナリ条件が[0,1]の範囲の補助密度
を導入することによって強制されてもよい。図8は、そのような概念に基づいて、本開示の更なる実施形態による、勾配ベースのアルゴリズムの様々な実装ステップを示す例示的なフローチャートを示す。
【0047】
図8を更に参照して、まず、密度
が初期化される。この密度は、下記の式(3)のS字投影フィルタを介して、屈折率分布に関連する(ステップ82、83)。
【0048】
【数3】
【0049】
ここで、パラメータβはフィルタ強度を制御する。βが小さい場合、屈折率分布は、利用可能な屈折率の範囲にスケールされた密度に等しい。βが大きい場合、S字フィルタは、ヘヴィサイド関数に近くなり、屈折率分布はどちらかの極値に向かって押される。重要なことに、フィルタ関数は連続的に微分可能であり、その結果、ステップ(85、86)に示すように、
は、密度に関して記述され得る。式(2)に関して説明したものと同様に、感度は、ステップ87)に示すように、所望のスペクトル範囲にわたる平均化に基づいて計算されてもよい。最適化の間、ステップ(84)において、設計は、密度
及びβを用いてパラメータ化され、フィルタの強度を徐々に増加させる。βが小さい反復プロセスの初期段階ではこれはフィルタリングされていない場合と同等である。時間の経過と共に反復の回数が増え強度が増加することにつれて、密度は連続したままであっても、最適化された屈折率分布は徐々にバイナリ設計に近づく。ステップ(88)において、密度は算出された感度を用いて更新される。次に、ステップ(88)において、収束基準がチェックされる。この基準が満たされない場合、ステップ(89)において、パラメータβを増加することにより密度を更新し、アルゴリズムは次の反復に進む。現在の反復で収束基準が満たされる場合、ステップ(850)によって示されるように最適化された設計が達成される。
【0050】
(B.最小の特徴的サイズ)
上述した材料の制約に加えて、製造プロセスによって課される解像度限界に適合する本開示による更なる実施形態が想定されてもよい。例えば、回折及び近接ドーズ効果は、電子線リソグラフィを約10nmの特徴に制限する。デバイス設計のためのこの最小の特徴的サイズは、各点の近傍Ω内の最大密度
を表す「拡張」密度
を導入することによって強制されてもよい。
【0051】
【数4】
【0052】
【0053】
(C.連結層設計)
2-2~図3-3に示す実施形態に関して説明したように、デバイス素子設計の一部は、多層2Dリソグラフィによる加工を意図してもよく、垂直方向に不変であるいくつかのパターン化されたスラブからなる。このような場合には、各層内の垂直方向に計算された感度を平均化することによって、最適化が制限されてもよい。実際、各層内のボクセルが共有2Dプロファイルによって支配される。
【0054】
別の実施例として、図5の3D散乱構造体(51)を参照して、設計は更に制約され、各層が浮遊片無しで完全に接続される。各層内の切り離された島間に周期的な橋(ブリッジ)を追加することによって、接続は直接行われてもよい。この介入は、感度を考慮しておらず、典型的にはデバイス性能のわずかな低下を引き起こす。したがって、接続性の制約は、例えば、40回の反復毎に1回適用されてもよく、その後、性能を回復させることができる。
図1
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図2-4】
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7
図8