(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】電池セル、電池及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20240606BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20240606BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20240606BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20240606BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M50/105
H01M50/55 301
H01M50/284
(21)【出願番号】P 2021517379
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(86)【国際出願番号】 CN2020082272
(87)【国際公開番号】W WO2021195917
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2021-03-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513054978
【氏名又は名称】寧徳新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Ningde Amperex Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xingang Road, Zhangwan Town, Jiaocheng District, Ningde City, Fujian Province, 352100, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】胡 東閣
(72)【発明者】
【氏名】袁 杰林
(72)【発明者】
【氏名】王 涛
(72)【発明者】
【氏名】呉 飛
【審査官】小川 進
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101188308(CN,A)
【文献】特開2001-167743(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110061282(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106159332(CN,A)
【文献】中国実用新案第203377340(CN,U)
【文献】特表2014-523102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 50/105
H01M 50/55
H01M 50/284
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体と、前記電極組立体を収容する梱包袋と、を備える電池セルであって、
前記電極組立体は、積層するように配置されている第1電極シート及び第2電極シートを有する第1組立体と、積層するように配置されている第3電極シート及び第4電極シートを有する第2組立体と、を含み、
前記電極組立体は、第1本体部と、前記第1本体部に接続される第2本体部とを含み、
前記第1組立体と前記第2組立体が積み重ねられて巻回されて、前記第1本体部及び前記第2本体部を構成し、
前記電極組立体の厚さ方向に沿って、前記第1本体部の厚さは、前記第2本体部の厚さより大き
く、
前記第1組立体の幅は、前記第2組立体の幅より大きく、前記第2組立体は、前記第1組立体の表面に設けられ、
前記第1組立体と前記第2組立体が順次に積み重ねられて巻回されることによって、前記第1本体部を構成され、
前記第1組立体の厚さ方向において、前記第2組立体と重ならない一部の前記第1組立体が巻回されることによって、前記第2本体部を構成されることを特徴とする電池セル。
【請求項2】
前記第1組立体の幅方向において、前記第1組立体は、第1側辺と、前記第1側辺に対向する第2側辺とを含み、前記第2組立体の前記第1側辺に対向する側辺は、前記第1側辺と面一であり、又は前記第2組立体の前記第2側辺に対向する側辺は、前記第2側辺と面一であり、又は前記第2組立体は前記第1側辺と前記第2側辺との間に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記電極組立体は、第5電極シート及び第6電極シートを有する第3組立体をさらに含み、前記第5電極シートと前記第6電極シートは、積層するように配置され、
前記第1組立体の幅は、前記第2組立体の幅と前記第3組立体の幅より大きく、前記第3組立体は、前記第1組立体の表面に設けられ、
前記第1組立体の幅方向において、前記第3組立体と前記第2組立体は、間隔をあけて設けられ、
前記第1組立体、セパレータ及び前記第3組立体が順次に積み重ねられて巻回されることによって、第3本体部を構成し、
前記第3本体部の厚さは、前記第2本体部の厚さより大きいことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項4】
前記第1組立体は、その長手方向において第3側辺と、前記第3側辺に対向する第4側辺とを含み、
前記電極組立体の巻取方向において、前記第1組立体の前記第3側辺及び/又は前記第4側辺を巻き始め端として、前記第2組立体と積み重ねられて共に巻回されて、前記第1本体部を構成し、一部の巻き取られない前記第1組立体及び前記第2組立体は積み重ねられて、前記第2本体部を構成することを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項5】
前記第1組立体の前記第3側辺及び前記第4側辺は、それぞれ第1巻き始め端と第2巻き始め端とされており、前記第1巻き始め端の巻取方向は、前記第2巻き始め端の巻取方向と逆であることを特徴とする請求項
4に記載の電池セル。
【請求項6】
前記第1組立体の前記第3側辺及び前記第4側辺は、それぞれ第1巻き始め端と第2巻き始め端とされており、前記第1巻き始め端の巻取方向は、前記第2巻き始め端の巻取方向と同じであることを特徴とする請求項
4に記載の電池セル。
【請求項7】
前記電極組立体は、前記第1本体部及び/又は前記第2本体部と電気的に接続され、且つ前記電極組立体から離れる方向に延在するタブをさらに備えることを特徴とする請求項
4に記載の電池セル。
【請求項8】
請求項1~
7の何れか一項に記載の電池セルと、前記電池セルを収容するケースと、を備えることを特徴とする電池。
【請求項9】
電池と、前記電池に電気的に接続される回路素子とを備える電子機器であって、
前記電池は、請求項
8に記載の電池を含むことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池分野に関し、特に、電池セルと、この電池セルを備える電池及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイスのスペースをより良く利用し、より高いエネルギーを提供するために、デバイスの中に特殊形状の電池を用いることは理想的な解決策となる。このように、デバイス内に残る空間を十分に利用することができ、電池のエネルギー密度を高めることができる。
【0003】
現在、特殊形状の電池セルの生産は、常にベアスタック技術を用いて実現される。具体的には、各々のベアスタック過程では、異なる種類の電極シートを1層ずつ積み重ねる必要がある。このような方法は、効率が低く、かつ、製造コストが比較的高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況に鑑み、製造し易い特殊形状の電池セル及びこの電池セルを備える電池及び電子機器の提供が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る電池セルは、電極組立体と、前記電極組立体を収容する梱包袋とを備える。前記電極組立体は、第1組立体及び第2組立体を含み、前記第1組立体は、積層するように配置されている第1電極シート及び第2電極シートを有し、前記第1組立体は、その幅方向において第1側辺と、前記第1側辺に対向する第2側辺とを含み、前記第2組立体は、積層するように配置されている第3電極シート及び第4電極シートを有する。前記電極組立体は、第1本体部と、前記第1本体部に接続される第2本体部とを含み、前記第1組立体と前記第2組立体が積み重ねられた後に巻回されて、前記第1本体部及び前記第2本体部を形成し、前記電極組立体の厚さ方向に沿って、前記第1本体部の厚さは、前記第2本体部の厚さより大きい。
【0006】
本発明の一態様によれば、前記第1組立体の幅は、前記第2組立体の幅より大きく、前記第2組立体は、前記第1組立体の表面に設けられ、前記第1組立体の幅方向において、前記第1組立体は、第1側辺と、前記第1側辺に対向する第2側辺とを含み、前記第2組立体の前記第1側辺に対向する側辺は、前記第1側辺と面一であり、又は前記第2組立体の前記第2側辺に対向する側辺は、前記第2側辺と面一であり、又は前記第組立体は前記第1側辺と前記第2側辺との間に設けられる。
【0007】
さらに、前記第1組立体と前記第2組立体が順次に積み重ねられた後に巻回されることによって、前記第1本体部は形成され、
前記第1組立体の厚さ方向において、前記第2組立体と重ならない一部の前記第1組立体が巻回されることによって、前記第2本体部は形成される。
【0008】
本発明の一態様によれば、前記電極組立体は、第5電極シート及び第6電極シートを有する第3組立体をさらに含み、前記第5電極シートと前記第6電極シートは、積層するように配置され、
前記第1組立体の幅は、前記第2組立体の幅と前記第3組立体の幅より大きく、前記第3組立体は、前記第1組立体の表面に設けられ、
前記第1組立体の幅方向において、前記第3組立体と前記第2組立体は、間隔をあけて設けられ、
前記第1組立体、前記セパレータ及び前記第3組立体が順次に積み重ねられた後に巻回されることによって、第3本体部は形成され、
前記第3本体部の厚さは、前記第2本体部の厚さより大きい。
【0009】
本発明の一態様によれば、前記第1組立体は、その長手方向において第3側辺と、前記第3側辺に対向する第4側辺とを含み、
前記電極組立体の巻取方向において、前記第1組立体の前記第3側辺及び/又は前記第4側辺を巻き始め端として、前記第2組立体と積み重ねられた後に共に巻回されて、前記第1本体部を形成し、一部の巻き取られない前記第1組立体及び前記第2組立体は積み重ねられた後に、前記第2本体部を形成する。
【0010】
さらに、前記第1組立体の前記第3側辺及び前記第4側辺は、それぞれ第1巻き始め端と第2巻き始め端とされており、前記第1巻き始め端の巻取方向は、前記第2巻き始め端の巻取方向と逆である。
【0011】
本発明の一態様によれば、前記第1組立体の前記第3側辺及び前記第4側辺は、それぞれ第1巻き始め端と第2巻き始め端とされており、前記第1巻き始め端の巻取方向は、前記第2巻き始め端の巻取方向と同じである。
【0012】
本発明の一態様によれば、前記電極組立体は、前記第1本体部及び/又は前記第2本体部と電気的に接続され、且つ前記電極組立体から離れる方向に延在するタブをさらに備える。
【0013】
また、本願発明の実施形態には、電池セル及び前記電池セルを収容するケースを含む電池が提供される。前記電池は、上記の何れか態様に記載した電池セルを含む。
【0014】
また、本願発明の実施形態には、上記の何れかの電池及び前記電池に電気的に接続される回路素子を含む電子機器がさらに開示されている。
【発明の効果】
【0015】
上記の電池セルは、第1組立体及び第2組立体を積み重ねて巻回して、厚さの異なる第1本体部及び第2本体部を形成することにより、特殊形状の電池セルの製造過程を簡略化し、既存のスタックにより特殊形状の電池セルを製造する方法を置換して、生産効率を効果的に高めると共に生産コストを低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態における電池セルの電極組立体の展開構造を示す図である。
【
図3】一変形例における電極組立体の展開構造を示す図である。
【
図4】変形例における電池セルの構造を示す図である。
【
図5】電極組立体の他の変形例における展開構造を示す図である。
【
図6】他の変形例における電池セルの構造を示す図である。
【
図7】第2実施形態における電極組立体の展開構造を示す図である。
【
図8】電池セルの第2実施形態での構造を示す図である。
【
図9】電池セルの第3実施形態での構造を示す図である。
【
図10】電池セルの第3実施形態の変形例での構造を示す図である。
【
図11】第4実施形態における電池セルの構造を示す図である。
【
図12】第5実施形態における電池セルの構造を示す図である。
【
図13】一実施形態における電池の構造を示すブロック図である。
【
図14】一実施形態における電子デバイスの構造を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の実施形態の図面に関連して、本発明の実施形態における技術的な態様を明確にし、完全に説明するが、説明した実施形態は、全ての実施形態ではなく、本発明の一部の実施形態のみであることは明らかである。本発明の実施例に基づいて、創造的な労働がなされていない前提下で当業者により取得される他のすべての実施形態も、本発明の保護範囲内に属する。
【0018】
ある要素がもう1つの要素に「固定された」と称される場合、それは直接に前記もう1つの要素に存在してもよいし、他の要素を介して前記もう1つの要素に固定されてもよい。1つの要素がもう1つの要素に「接続される」と考えられる場合、それは前記もう1つの要素に直接に接続されてもよいし、他の要素を介して前記もう1つの要素に接続されてもよい。ある要素がもう1つの要素に「設けられる」と考えられる場合、それは前記もう1つの要素に直接に設けられてもよいし、他の要素を介して前記もう1つの要素に設けられてもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「左」、「右」及び類似する表現は、説明の目的だけに使用される。
【0019】
別段の定義がない限り、本文で使用するすべての技術及び科学的用語は、本願の技術分野に属する技術者が一般的に理解する意味と同様である。本願明細書において使用する用語は、具体的な実施形態を説明する目的に過ぎず、本願を限定する旨ではない。本明細書で使用される用語「又は/及び」は、1つ又は複数の関連する項目の任意及びすべての組み合わせを含む。
【0020】
本願実施形態に係る電池セルは、電極組立体と、前記電極組立体を収容する梱包袋と、を含む。前記電極組立体は、第1組立体と第2組立体とを含み、前記第1組立体は、積層するように配置されている第1電極シート及び第2電極シートを含み、前記第1組立体は、その幅方向において第1側辺と前記第1側辺に対向する第2側辺とを含み、前記第2組立体は、積層するように配置されている第3の電極シート及び第4の電極シートを含み、前記電極組立体は、第1本体部と前記第1本体部に接続された第2本体部とを含み、前記第1組立体と前記第2組立体とが積み重ねられた後に巻回されて、前記第1本体部と前記第2本体部とを形成する。前記電極組立体の厚さ方向に沿って、前記第1本体部の厚さは、前記第2本体部の厚さより大きい。
【0021】
上記の電池セルは、第1組立体及び第2組立体を積み重ねて巻回して、厚さの異なる第1本体部及び第2本体部を形成することにより、特殊形状の電池セルの製造過程を簡略化し、既存のスタックにより特殊形状の電池セルを製造する方法を置換して、生産効率を効果的に高めると共に生産コストを低減させる。本願のいくつかの実施形態を詳細に説明する。衝突しない場合、下記の実施形態及び実施形態における特徴は、互いに組み合わせてもよい。
【0022】
[第1実施形態]
図1及び
図2に示すように、電池セル100は、電極組立体10と、電極組立体10を収容する梱包袋とを含む。電極組立体10は、第1組立体11と、第2組立体12とを含む。第1組立体11は、極性が逆である第1電極シート111及び第2電極シート112を含む。第1電極シート111と第2電極シート112は、積層するように配置される。第1組立体11は、その幅方向(
図1において矢印Aがで指示される方向)において第1側辺113と、第1側辺113に対向する第2側辺114とを含む。第2組立体12は、極性が逆である第3電極シート121と第4電極シート122とを含む。第3電極シート121と第4電極シート122とは、積層するように配置される。電極組立体10は、第1本体部13と、第1本体部13に接続された第2本体部14とを含む。第1組立体11と第2組立体12とが積み重ねられた後に、巻回されて第1本体部13と第2本体部14とを形成する。電極組立体10の厚さ方向、即ち第1組立体11と第2組立体12との積層方向に沿って、第1本体部13の厚さは第2本体部14の厚さよりも大きい。
【0023】
短絡が生じないようにするため、第1電極シート111と第2電極シート112との間には、セパレータが設けられている。第1電極シート111、前記セパレータ及び第2電極シート112は、この順で積層されて第1組立体11が形成される。第3電極シート121と第4電極シート122との間にも、セパレータが設けられていてもよい。第3電極シート121、前記セパレータ及び第4電極シート122は、この順で積層されて、上記の第2組立体12が形成される。他の実施形態では、第1組立体11と第2組立体12との間にも、セパレータが設けられていてもよい。第1組立体11、前記セパレータ及び第2組立体12は順次に積み重ねられた後に、巻き取るように設けられる。なお、他の実施形態では、各々の電極シートの外面の間にセパレータを設けてもよい。前記梱包袋は、前記電極組立体10の外表面に被覆されて、前記電極組立体10を封止する。
【0024】
さらに、第1組立体11の幅は、第1組立体11の表面に設けられた第2組立体12の幅よりも大きい。第1組立体11の幅方向において、第2組立体12の第1側辺113と対向する側辺は第1側辺113と面一である。第1組立体11、前記セパレータ及び第2組立体12が順次に積み重ねられた後に巻回されることによって、第1本体部13が形成される。第1組立体11の厚さ方向において、第2組立体12と重なっていない部分の第1組立体11は、巻回されて第2本体部14を形成する。電池セル100の長手方向(
図2において矢印Bで指示された方向)に沿って、電池セル100は、対向するように配置された第1端部101と、第2端部102とを有する。第1本体部13は、電池セル100の第1端部101に位置する。電極組立体10は、第1本体部13及び/又は第2本体部14と電気的に接続され、且つ電極組立体10から離れる方向に延在するタブ15をさらに含む。本願の実施形態では、2つのタブ15は、第1端部101から張り出している。しかし、他の実施形態では、タブ15の数は、複数であってもよい。複数のタブ15は、それぞれ電池セル100の異なる位置から張り出すことが可能であり、本発明はこれに限定されない。
【0025】
図3及び
図4に示すように、一変形例において、第2組立体12の第2側辺114と対向する側辺は、第2側辺114と面一になっている。これにより、第1本体部13は、第2端部102に位置している。
【0026】
図5及び
図6に示すように、他の一変形例において、第2組立体12は、第1側辺113と第2側辺114との間に配置される。この場合、第1本体部13は、第1端部101と第2端部102との間に位置する。なお、本願における第1組立体11と第2組立体12との相対位置は、その他の組み合わせ形態があることが可能であり、実際の応用における電池ボックスの形状と空間サイズに応じて構成されることができ、本願はこれに限定されない。
【0027】
[第2実施形態]
図7及び
図8に示すように、第2実施形態に係る電池セル100は、第1実施形態と略同様であるが、第2実施形態に係る電極組立体10が第3組立体16をさらに備える点で、第1の実施形態と相違している。第3組立体16は、極性が逆であり、且つ積層するように配置される第5電極シート161と、第6電極シート162とを含む。さらに、第5電極シート161と第6電極シート162との間には、短絡を回避するためのセパレータが設けられてもよい。
【0028】
第1組立体11の幅は、第2組立体12及び第1組立体11の表面に設けられた第3組立体16の幅よりも広い。第1組立体11の幅方向において、第3組立体16と第2組立体12とが間隔をあけて設けられる。第3本体部17は、第1組立体11、前記セパレータ及び第3組立体16が順次に積み重ねられた後に巻回されることによって、形成される。第3本体部17の厚さは、第2本体部14の厚さより大きい。他の変形例では、電極組立体10は、電極組立体10が複数の本体部を有して、多種の生産ニーズを満たすように、第4組立体、第5組立体などを備えてもよい。
【0029】
[第3実施形態]
図9に示すように、第3実施形態の電池セル100は、第1実施形態と略同様であるが、第3実施形態では、第1組立体11がその長手方向(
図3において矢印Cで指示された方向)において、第3側辺115と、第3側辺115に対向する第4側辺116とを含み、第3側辺115と第4側辺116は、それぞれ第1側辺113と第2側辺114との間に設けられ、電極組立体10の巻取方向において、第1組立体11は、第3側辺115を巻き始め端として、第2組立体12と積み重ねられた後に、共に巻回されて、第1本体部13を形成し、一部の巻き取られない第1組立体11及び第2組立体12は積み重ねられた後に第2本体部14を形成する点で、第1実施形態と相違している。なお、第3実施形態において、第1組立体11の長さ及び幅は、第2組立体12と同じである。
【0030】
図10に示すように、一変形例において、第4側辺116を巻き始め端としてもよい。これにより、第1本体部13と第2本体部14との位置を交換させて、異なる生産ニーズに適合させてもよい。
【0031】
[第4実施形態]
図11に示すように、第4実施形態の電池セル100は、第3実施形態と略同様であるが、第4実施形態では、第1組立体11の第3側辺115及び第4側辺116がそれぞれ第1巻き始め端及び第2巻き始め端とされ、前記第1巻き始め端の巻取方向が前記第2巻き始め端の巻取方向と同じであり、第3側辺115が巻回されて第1本体部13を形成し、第4側辺が巻回されて第3本体部17を形成し、第1本体部13と第3本体部17が間隔をあけて設けられ、第1本体部13と第3本体部17との間の巻き取られない部分が第2本体部14とされている点で、第3実施形態と相違している。巻取方向が同じであるため、電極組立体10の厚さ方向に沿って、第1本体部13の突出方向は、第3本体部17の突出方向と同じである。
【0032】
[第5実施形態]
図12に示すように、第5実施形態の電池セル100は、第3実施形態と略同様であるが、第5実施形態では、第1組立体11の第3側辺115及び第4側辺116がそれぞれ第1巻き始め端及び第2巻き始め端とされ、前記第1巻き始め端の巻取方向が前記第2巻き始め端の巻取方向と反対であり、第3側辺115が巻回されて第1本体部13を形成し、第4側辺が巻回されて第3本体部17を形成し、第1本体部13と第3本体部17が間隔をあけて設けられ、第1本体部13と第3本体部17との間の巻き取られない部分が第2本体部14とされている点で、第3実施形態と相違している。巻取方向が反対であるため、電極組立体10の厚さ方向に沿って、第1本体部13の突出方向は、第3本体部17の突出方向と逆である。
【0033】
図13に示すように、本発明の実施形態には、上述した何れかの実施形態又は実施形態の組み合わせにおける電池セル100を含む電池セルと、当該電池セルを収容するケース201とを備える電池200がさらに提供される。
【0034】
さらに、
図14に示すように、本願発明に係る電子機器300は、電池と、前記電池に電気的に接続された回路素子301と、を備える。前記電池は、上述した電池200を含む。
【0035】
以上の実施形態は、本出願の技術的な態様を説明するためにのみ用いられるものであり、限定するものではないが、以上のより良い実施形態を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者は、本出願の技術的な態様を修正または同等に置換しても本出願の技術案の精神的及び範囲から逸脱してはならないことを理解すべきである。
【符号の説明】
【0036】
100 電池セル
101 第1端部
102 第2端部
10 電極組立体
11 第1組立体
111 第1電極シート
112 第2電極シート
113 第1側辺
114 第2側辺
115 第3側辺
116 第4側辺
12 第2組立体
121 第3電極シート
122 第4電極シート
13 第1本体部
14 第2本体部
15 タブ
16 第3組立体
161 第5電極シート
162 第6電極シート
17 第3本体部
200 電池
201 ケース
300 電子機器
301 回路素子