(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】選択的に可変の硬さを有する構造
(51)【国際特許分類】
F15B 15/10 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
F15B15/10 H
(21)【出願番号】P 2021522459
(86)(22)【出願日】2019-10-15
(86)【国際出願番号】 US2019056225
(87)【国際公開番号】W WO2020086325
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-09-22
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガンディー,ウメシュ・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】プロホロフ,ダニル・ブイ
(72)【発明者】
【氏名】ロー,マイケル・ポール
(72)【発明者】
【氏名】弦田 遼平
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-175394(JP,A)
【文献】特開平07-124039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬さが可変の構造であって、
可変硬さ領域を有する第1のプレートを備え、前記第1のプレートは剛性支持体に取り付けられ、さらに
可変硬さ領域を有する第2のプレートを備え、前記第2のプレートは、前記第1のプレートの反対側に位置決めされかつ前記剛性支持体に取り付けられ、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートは区画を規定し、さらに
前記第1のプレートの内側面に取り付けられる中詰材と、
前記区画内に位置するアクチュエータとを備え、軟質でかつ油圧式の前記アクチュエータは、前記中詰材および前記第2のプレートに対して油圧力を生成するように構成さ
れ、
前記アクチュエータは、チャンバを規定する流動体不透過膜と、誘電性流体を含むチャンバと、互いに対向する前記流動体不透過膜内に形成されている第1の導電部分と第2の導電部分と、を備え、
前記アクチュエータは、前記第1の導電部分と前記第2の導電部分に電気入力すると静電引力によって互いに近づくように構成されている、構造。
【請求項2】
前記アクチュエータは、制御部からの電気入力を用いて前記油圧力を生成するように構成される、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記制御部は、電極を用いて前記アクチュエータと接続される演算装置である、請求項2に記載の構造。
【請求項4】
前記中詰材は、接着剤を用いて前記第1のプレートの前記内側面に取り付けられる、請求項1に記載の構造。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記中詰材に向かって油圧力を生成するように構成される複数の導電部分を備える、請求項1に記載の構造。
【請求項6】
前記第1のプレートまたは前記第2のプレートは可撓性合金材を備える、請求項1に記載の構造。
【請求項7】
複数の前記アクチュエータをさらに備え、前記アクチュエータは、前記構造の1つ以上の領域を独立して制御するように構成される、請求項1に記載の構造。
【請求項8】
硬さが可変の構造であって、
可変硬さ領域を有する第1のプレートを備え、前記第1のプレートは剛性支持体に取り付けられ、さらに
可変硬さ領域を有する第2のプレートを備え、前記第2のプレートは、前記第1のプレートの反対側に位置決めされかつ前記剛性支持体に取り付けられ、さらに
前記第2のプレートの内側面と接触している係止油圧アクチュエータを備え、前記係止油圧アクチュエータは、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートに対して油圧力を生成するように構成され、
前記係止油圧アクチュエータは、チャンバを規定する流動体不透過膜と、誘電性流体を含むチャンバと、互いに対向する前記流動体不透過膜内に形成されている第1の導電部分と第2の導電部分と、を備え、
前記係止油圧アクチュエータは、前記第1の導電部分と前記第2の導電部分に電気入力すると静電引力によって互いに近づくように構成されている、構造。
【請求項9】
前記係止油圧アクチュエータは、制御部からの電気入力を用いて前記油圧力を生成するように構成され、前記制御部は、電極を用いて前記係止油圧アクチュエータと接続される演算装置である、請求項8に記載の構造。
【請求項10】
前記係止油圧アクチュエータは、接着剤を用いて前記第1のプレートおよび前記第2のプレートに接着される、請求項8に記載の構造。
【請求項11】
前記係止油圧アクチュエータは、前記第1のプレートに向けて油圧力を生成するように構成される複数の導電部分を備える、請求項8に記載の構造。
【請求項12】
前記第1のプレートまたは前記第2のプレートは可撓性合金材を備える、請求項8に記載の構造。
【請求項13】
複数の前記係止油圧アクチュエータをさらに備え、前記係止油圧アクチュエータは、前記構造の1つ以上の領域を独立して制御するように構成される、請求項8に記載の構造。
【請求項14】
硬さ制御システムであって、
1つ以上のアクチュエータを有し、かつ電流に応答して硬化するように構成される構造と、
構造を制御するための硬さ制御システムとを備え、
前記1つ以上のアクチュエータは、チャンバを規定する流動体不透過膜と、誘電性流体を含むチャンバと、互いに対向する前記流動体不透過膜内に形成されている第1の導電部分と第2の導電部分と、を備え、
前記第1の導電部分と前記第2の導電部分に電気入力すると静電引力によって互いに近づくように構成され、
前記硬さ制御システムは、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに通信可能に結合されるメモリとを備え、前記メモリは、
前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、前記構造のための応答パラメータに関する入力を受信させ、かつ前記応答パラメータに関連して作動信号を送らせる命令を含む可撓性制御モジュールと、
前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、前記作動信号に応答して1つ以上のアクチュエータに電流を送達する命令を含む応答モジュールとを記憶する、硬さ制御システム。
【請求項15】
前記構造は、
剛性支持体に取り付けられる第1のプレートと、
第1のプレートの反対側に位置決めされかつ前記剛性支持体に取り付けられる第2のプレートとをさらに備え、
前記1つ以上のアクチュエータは係止油圧アクチュエータであり、前記係止油圧アクチュエータは、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に位置決めされかつ前記第1のプレートおよび前記第2のプレートに取り付けられる、請求項14に記載の硬さ制御システム。
【請求項16】
前記構造は、
可変硬さ領域を有する第1のプレートをさらに備え、前記第1のプレートは剛性支持体に取り付けられ、さらに
可変硬さ領域を有する第2のプレートをさらに備え、前記第2のプレートは、前記第1のプレートの反対側に位置決めされかつ前記剛性支持体に取り付けられ、さらに
前記第1のプレートの内側面に取り付けられる中詰材をさらに備え、前記1つ以上のアクチュエータのうちの少なくとも1つはアクチュエータであり、軟質でかつ油圧式の前記アクチュエータは、前記第2のプレートの内側面および前記中詰材と接続され、前記アクチュエータは、前記中詰材および前記第2のプレートに対して油圧力を生成するように構成される、請求項14に記載の硬さ制御システム。
【請求項17】
前記入力は、1つ以上のセンサから導出される検出された移動である、請求項14に記載の硬さ制御システム。
【請求項18】
前記アクチュエータを
複数備え、前記
アクチュエータは、前記構造の1つ以上の領域を独立して制御するように構成される、請求項14に記載の硬さ制御システム。
【請求項19】
前記応答モジュールは、前記
アクチュエータを独立して制御するように構成される、請求項18に記載の硬さ制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に記載される主題は、概して剛性構造に関し、より特定的には、可変硬さ特性を有する剛性構造に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
商品および材料をさまざまな場所に輸送して保管するためには、テーブル、構造的支持体、平台トラック、フォークリフト、倉庫保管棚などのさまざまな荷重受け装置が必要である。たとえば、大規模な重い配送品は、大型トラックを用いて日々輸送され、さまざまな種類の材料を保持することができる倉庫に保管される。これらの輸送および保管装置は、他の対象物を保持および支持するために用いられる。また、これらの輸送および保管装置には、安全性または配慮を損なわずに大規模な商品および材料を移動または保管することができるものがある。これらの装置は一般的に、壊れるまでは最大重量よりも小さい重量および最大重量までの重量を受け、特定の量の力に耐え、そのレベルの力を超えると壊れるように構築される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
本明細書中には、1つ以上のアクチュエータを利用して制御可能な硬さを有することができる構造が開示される。一実施形態では、硬さが可変の構造が開示される。硬さが可変の構造は、可変硬さ領域を有する第1のプレートを含むことができ、第1のプレートは剛性支持体に取り付けられる。硬さが可変の構造は、可変硬さ領域を有する第2のプレートをさらに含むことができ、第2のプレートは、第1のプレートの反対側に位置決めされかつ剛性支持体に取り付けられる。硬さが可変の構造は、第1のプレートの内側面に取り付けられる中詰材をさらに含むことができる。硬さが可変の構造は、第2のプレートの内側面および中詰材と接続されるアクチュエータをさらに含むことができ、軟質油圧アクチュエータは、中詰材および第2のプレートに対して油圧力を生成するように構成される。
【0004】
別の実施形態では、硬さが可変の構造が開示される。硬さが可変の構造は、可変硬さ領域を有する第1のプレートをさらに含むことができ、第1のプレートは剛性支持体に取り付けられる。硬さが可変の構造は、可変硬さ領域を有する第2のプレートをさらに含むことができ、第2のプレートは、第1のプレートの反対側に配置されかつ剛性支持体に取り付けられる。硬さが可変の構造は、第2のプレートの内側面と接続される係止油圧アクチュエータをさらに含むことができ、係止油圧アクチュエータは、第1のプレートおよび第2のプレートに対して油圧力を生成するように、また電気入力を受けることに応答して変形に抗するように構成される。
【0005】
別の実施形態では、硬さ制御システムが開示される。硬さ制御システムは、1つ以上のアクチュエータを有し、かつ電流に応答して硬化するように構成される構造を含むことができる。硬さ制御システムは、構造を制御するための硬さ制御システムをさらに含むことができる。硬さ制御システムは、1つ以上のプロセッサを含むことができる。硬さ制御システムは、1つ以上のプロセッサに通信可能に結合されるメモリをさらに含むことができる。メモリは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに構造に対する応答パラメータに関する入力を受信させ、かつ応答パラメータに関連して作動信号を送らせる命令を含む可撓性制御モジュールを記憶することができる。メモリは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、作動信号に応答して1つ以上のアクチュエータに電流を送達する命令を含む応答モジュールをさらに記憶することができる。
【0006】
本開示の上に記載した特徴を詳細に理解できるように、実施形態を参照することによって、上で簡単に要約した開示のより特定的な説明を提供し得、実施形態の一部を添付の図面に示す。しかしながら、添付の図面はこの開示の典型的な実施形態のみを示すものであり、したがって、その範囲を限定すると考えるべきではないことに留意すべきである。開示は、他の等しく有効な実施形態を許容し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】1つ以上の実施形態に従うアクチュエータの断面図である。
【
図1B】1つ以上の実施形態に従うアクチュエータの断面図である。
【
図2A】1つ以上の実施形態に従う1つ以上のアクチュエータを含む可変硬さ部分を有する構造の一例の図である。
【
図2B】1つ以上の実施形態に従う1つ以上のアクチュエータを含む可変硬さ部分を有する構造の一例の図である。
【
図3A】1つ以上の実施形態に従う1つ以上の係止アクチュエータを含む可変硬さ部分を有する構造の一例の図である。
【
図3B】1つ以上の実施形態に従う1つ以上の係止アクチュエータを含む可変硬さ部分を有する構造の一例の図である。
【
図4】本明細書中に記載される1つ以上の実施形態と共に用いるのに適合可能な演算装置である。
【
図5】1つ以上の実施形態に従う硬さ制御のための硬さ制御システムである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
理解を容易にするために、可能な場合はどこでも、図同士に共通の同一の要素を同一の参照番号を用いて示している。加えて、有利には、一実施形態の要素を、本明細書中に記載される他の実施形態での利用のために適合させ得る。
【0009】
本明細書中には、可変硬さ特性を有する構造、ならびにその作製および使用の方法が開示される。剛性構造は一般的には硬さが均一であり、したがって、荷重管理性を変えることができない。この均一な硬さのために、表面は、要求が変化するのに応えられないままになる可能性があり、負荷が低い時に高い支持を提供したり、より負荷が高いと壊れてしまったりする。本明細書中に記載される可変硬さ特性を有する構造は、油圧力を用いることによってこの問題に対処する。本明細書中に用いられるような「硬さ」は、一般的に、構造またはその部分の機械的性質に関し、これは、展性、可撓性、変形性、剛性、脆性、および/または構造の他の機械的特性を含む。可変硬さ特性を有する構造は、1つ以上のアクチュエータを用いることができる。アクチュエータは一連のプレートに作用することができ、これにより力を分散させることができるる。
【0010】
アクチュエータは、膜の拡張と中詰材に対する圧力の印加との両方に基づいて動作することができる。一例では、中詰材は、粗い材料もしくはグリット材料、または高い表面域粗さを有する他の材料であり得る。表面域粗さは、平均線からの表面平坦度の変動に関する。一例では、高い表面粗さは、少なくとも0.38ミクロンのRa値を有する表面など、0.3ミクロンを上回るRa値を有する表面を指すことができる。中詰材は、アクチュエータの剛性を増大させる、および/またはアクチュエータ係止を提供するように構成可能である。可変硬さ特性を有する構造はさまざまなパターンを有することができる。一実施形態では、剛性プレートは可撓性または半可撓性であることができ、これにより、最終的なアクチュエータの力が一旦達成されると可撓性を維持できる。以下の図面を参照して、本明細書に開示される実施形態をより詳細に説明する。
【0011】
図1Aおよび
図1Bは、1つ以上の実施形態に従うアクチュエータ100の断面図である。アクチュエータ100は油圧アクチュエータであり得る。本明細書中に記載するように、表面と接続しかつ1つ以上の対象物を移動させるようにアクチュエータ100を構成することができる。アクチュエータ100は、曲げやすいもしくはやや曲げやすい本体を有することができ、またはそうでない場合は軟質の本体を有することができる。アクチュエータ100は、電荷の印加により流体の流れを変位させるおよび/またはそれに影響を与えることができる静電装置であることができる。
【0012】
電荷の印加を用いて、2つ以上の導電性素子を共に作動位置に引き寄せることができる。本明細書中に用いるような「作動位置」は、入力を受けるのに応答したアクチュエータの位置に関する。1つ以上の実施形態では、作動位置は、本明細書中に記載するように、流体不透過膜の導電部分に電気入力を送達することによって達成することができる。その結果、静電引力によって、膜の対向する内側面同士を互いに近付けることができる。こうして油圧力を生成することができる。本明細書中に用いるような「弛緩位置」は、入力がない場合のアクチュエータの位置を指す。弛緩位置では、アクチュエータ100は、静電引力に膜中に油圧力を生成させる入力がない状態にある。
【0013】
一実施形態では、弛緩位置は、導電部分への電気入力の停止に応答した膜の元の形状または実質的に元の形状を含む。アクチュエータ100は電荷の存在下で形状を変化させることができるため、流体圧力を流体不透過膜110aおよび110bの部分に印加することができる。次に、この流体圧力により、流体不透過膜110aおよび110bの弾性に関してアクチュエータ100の形状が変化することができる。このように、アクチュエータ100は、電気入力がない場合に維持される第1の形状を有する。次に、アクチュエータ100に電荷を送達することができ、油圧力により、アクチュエータ100を、1つ以上の作動形状を含み得る第2の状態にすることができる。電荷が除去されると、アクチュエータ100は実質的に第1の形状に戻ることができる。
【0014】
1つ以上の実施形態に従うアクチュエータ100の構成要素を図示する。ここに示されるように、アクチュエータ100は、流体不透過膜110aおよび110bと、誘電性流体114とを含む。流体不透過膜110aおよび110bは、外部絶縁部分102aおよび102b、導電部分104aおよび104b、ならびに内部絶縁部分106aおよび106bなどの層から構成され得る。本明細書中に用いるような「部分」は、アクチュエータ100の流体不透過膜110aおよび110bの層、層の部分、または構造を形成する1つ以上の構成要素に関する。当該部分は、所望により、不均一な被覆範囲または厚みを有することができる。上記部分は、簡略化のために、単一の均一な要素または層として説明される。しかしながら、当該部分は、本明細書に開示されるような層、層の部分、またはその変形例のいずれかのうち1つ以上を含むことができる。そのため、当該部分は、流体不透過膜110aおよび110bの寸法を部分的にのみ拡大し得る。また、流体不透過膜110aおよび110bの部分同士が合わさって封止体を形成することができ、これにより流体不透過膜110aおよび110bの内側領域内にチャンバまたは区画118が形成される。なお、内部絶縁部分106aと106bとは、構造が同じまたは別個であることができる。さらに、外部絶縁部分102aと102bとは、別個の部分または同じ構造であることができる。
【0015】
流体不透過膜110aおよび110bまたはその構成要素(たとえば、外部絶縁部分102aおよび102b、導電部分104aおよび104b、ならびに/または内部絶縁部分106aおよび106b)は、流体不透過膜110aおよび110bの1つ以上の点においておよび/または1つ以上の部分にわたって、可撓性および/または弾性であることができる。一実施形態では、流体不透過膜110aおよび110bまたはその構成要素は、完全に可撓性かつ弾性である。別の実施形態では、流体不透過膜110aおよび110bは、全体にわたって可撓性であるが、流体不透過膜110aおよび110bの1つ以上のストリップにわたってのみ弾性である。別の実施形態では、流体不透過膜110aおよび110bは、外部絶縁部分102aおよび102bならびに内部絶縁部分106aおよび106bにおいて可撓性かつ弾性であるが、導電部分104aおよび104bでは可撓性でも弾性でもない。当業者は、本明細書中に特定の例をさらに明示的に記載しなくても、流体不透過膜110aおよび110bの部分の可撓性、弾性、および位置決めのさまざまな組合せを理解するであろう。
【0016】
外部絶縁部分102aおよび102bは、流体不透過膜110aおよび110bの外側面108を形成することができる。一実施形態では、外部絶縁部分102aおよび102bは、流体不透過膜110aおよび110bの外側面全体を形成することができる。外部絶縁部分102aおよび102bは、1つ以上の部分において可撓性および/または弾性であることができる。一実施形態では、外部絶縁部分102aおよび102bは、全体的に可撓性かつ弾性である。別の実施形態では、外部絶縁部分102aおよび102bは、可撓性、または可撓性かつ弾性の点在領域を有することができる。点在領域は、所望により、パターン状であるまたはランダムであることができる。外部絶縁部分102aおよび102bは、内部絶縁部分106aおよび106bならびに/または導電部分104aおよび104bなどの1つ以上の内側層の表面との界面を形成することができる。
【0017】
外部絶縁部分102aおよび102bは、ポリマー、エラストマーポリマー(エラストマー)、またはその両方を含むことができる。柔らかさおよび硬度の程度が異なる複数の異なる封入エラストマーおよび/またはポリマーの使用を採用することができる。本明細書中に記載される実施形態で用いられるポリマーは、フタル酸エステルなどの可塑剤の添加をさらに含むことができる。ポリマーまたはエラストマーは天然でも合成でもよい。外部絶縁部分102aおよび102bの一部として使用可能なエラストマーの例としては、ニトリル、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、フルオロシリコーン(FVMQ)、フッ化ビニリデン(VDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、パーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、天然ゴム、ネオプレン、ポリウレタン、シリコーン、シリコーンゴム、またはその組合せなどの絶縁エラストマーを挙げることができる。電気絶縁に関して外部絶縁部分102aおよび102bを説明することができる。外部絶縁部分102aおよび102bの電気絶縁は、材料の誘電率またはκ値に関して説明することができる。本明細書中に用いられるような「エラストマー」という用語は、室温(20℃から25℃の間)で外力によってその元の長さの少なくとも2倍に伸張でき、外力が即座に解放されるとその元の長さに戻ることができる材料を意味する。本明細書中に用いられるようなエラストマーは熱可塑性物質を含むことができ、架橋または熱硬化され得る。
【0018】
導電部分104aおよび104bは、大方または全体的に、流体不透過膜110aおよび110bの内部要素であることができる。導電部分104aおよび104bは、導電部分が電界を生成するように電流に対して導電性であることができる。一実施形態では、導電部分104aおよび104bを外部絶縁部分102aおよび102bと内部絶縁部分106aおよび106bとの間に形成することができる。別の実施形態では、導電部分104aおよび104bはヒドロゲルを含むことができる。導電部分104aおよび104bは、ポリマー、エラストマーポリマー(エラストマー)、またはその両方をさらに含むことができる。導電部分104aおよび104bの一部として使用可能なエラストマーの例としては、ニトリル、EPDM、フルオロシリコーン(FVMQ)、フッ化ビニリデン(VDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、パーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、天然ゴム、ネオプレン、ポリウレタン、シリコーン、またはその組合せを挙げることができる。導電部分104aおよび104bは、銀、金、白金、銅、アルミニウム、またはその他などの導電性ドーパントをさらに含むことができる。さらなる実施形態では、導電部分104aおよび104bは、可撓性および/または導電性のために、インクおよび接着剤を含むことができる。
【0019】
流体不透過膜110aおよび110bが流体不透過区画118を形成できるように、1つ以上の端縁で流体不透過膜110aおよび110bを封止することができる。しかしながら、実現例によっては、流体不透過膜110aおよび110b(またはその部分)は、別個の構造ではなく、代わりに一体構造であってもよい。区画は、誘電性流体114を保持することができる。誘電性流体114は、電気的絶縁破壊に対する耐性があるおよび/または絶縁性を与える流体であることができる。1つ以上の実施形態では、誘電性流体114は、1つ以上の対向する層(たとえば、対向する導電部分104)同士の間のアーク放電を防止することができる。誘電性流体114は、植物油系の誘電性流体などの脂質系流体であることができる。誘電性流体114はエチレングリコールであることができる。誘電性流体114は、関連する誘電率またはκ値を有することができる。
【0020】
内部絶縁部分106aおよび106bは、流体不透過膜110aおよび110bの内側面112を形成することができる。内部絶縁部分106aおよび106bは、外部絶縁部分102aおよび102bと同様の材料で構成することができる。1つ以上の実施形態では、内部絶縁部分106aおよび106bは、ニトリル、EPDM、フルオロシリコーン(FVMQ)、フッ化ビニリデン(VDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、パーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、天然ゴム、ネオプレン、ポリウレタン、シリコーン、またはその組合せなどの絶縁エラストマーを含むことができる。1つ以上の実施形態では、内部絶縁部分106aおよび106bは、高い電気的絶縁破壊電圧を有しかつ非導電性のポリマーおよびエラストマーを含むことができる。内部絶縁部分106aおよび106bは保護層116をさらに含むことができる。
図1に示すように、保護層116を内部絶縁部分106aおよび106bと誘電性流体114との間に形成することができる。いくつかの配置では、保護層116は内側面112の一部を形成することができる。保護層116は、大きさまたは組成が均一であるまたは異なることができる。さらに、保護層116は、非導電性および/または耐腐食性であることができる。1つ以上の実施形態では、保護層116は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)などの可撓性かつ耐腐食性のプラスチックである。
【0021】
ある事例では、内部絶縁部分106aおよび106bは粒子材料117をさらに含むことができる。
図1Bでは、粒子材料117は、誘電性流体中に懸濁されて示されるが、これは限定を意図していない。いくつかの実現例では、粒子材料117を内部絶縁部分106aおよび106b内に埋め込むまたは誘電性流体114に懸濁させることができる。粒子材料117は、大きさまたは組成が均一であるまたは異なることができる。さらに、粒子材料117は非導電性であることができる。一実施形態では、粒子材料117は、粒子状のガラス、二酸化ケイ素、または炭化ケイ素である。粒子材料117は、アクチュエータ100が作動されるときまたはそれ以外の場合に作動位置にあるときにアクチュエータ100が横方向にシフトしないように、アクチュエータ100に係止性を与えることができる。本明細書中に記載されるように粒子材料117を含むアクチュエータ100は、1つ以上の実施形態で「係止アクチュエータ」と称され得る。
【0022】
図2Aおよび
図2Bは、1つ以上の実施形態に従う可変硬さ特性を有する構造200の断面図を示す。構造200は、電気入力などの入力を受けると、構造の部分の硬さを制御できるように構成可能である。そのため、構造200は、構造200に加えられる二次的な力に応答して構造の硬さのレベルを制御することができる。一般的に、構造200は、第1のプレート202および第2のプレート208と1つ以上の電極210とを含むことができる。構造200は、接着剤204、中詰材206、およびアクチュエータ240を含むことができる。アクチュエータ240はアクチュエータであることができる。アクチュエータ240は、
図1を参照して説明されるアクチュエータ100と組成および構造が実質的に同様であることができる。
【0023】
図2Aは、1つ以上の実施形態に従う、弛緩位置にあるアクチュエータ240を示す。1つ以上の実施形態では、構造200は、第1のプレート202および第2のプレート208などの1つ以上の可変硬さプレートを含むことができる。第1のプレート202は、接着剤204と接続された状態にあることができる。一実施形態では、第1のプレート202の内側面と接続した状態で接着剤204を位置決めすることができる。接着剤204はアクチュエータ240に接続することができる。第2のプレート208に接続された状態でアクチュエータ240を位置決めすることができる。一実施形態では、構造200は、
図2Aに示されるように構成可能である。この実施形態では、第1のプレート202および第2のプレート208は、互いに実質的に平行でありかつ構造200の外側面を形成するものとして示される。接着剤204およびアクチュエータ240は、ここでは第1のプレート202と第2のプレート208との間に位置決めされて示されている。
【0024】
一実施形態では、構造200は第1のプレート202を含むことができる。第1のプレート202は、構造200の外側境界を形成することができる。第1のプレート202は実質的に平坦な表面を有することができる。本明細書中に用いられるように、「実質的に」という用語は、それが修飾するまさにその用語とそれからのわずかなばらつきとを含む。したがって、「実質的に平坦」という用語は、まさに平坦であることと、それからのわずかなばらつきとを意味する。この特定の例では、それからのわずかなばらつきは、通常の製造公差内、約10度/パーセント以下もしくはそれ以内、約5度/パーセント以下もしくはそれ以内、約4度/パーセント以下もしくはそれ以内、約3度/パーセント以下もしくはそれ以内、約2度/パーセント以下もしくはそれ以内、または約1度/パーセント以下もしくはそれ以内を含み得る。
【0025】
第1のプレート202は、第1のプレート202を制御可能に剛性にすることができるように、さまざまな物理的パラメータを有することができる。第1のプレート202は、剛性材料、半剛性材料、可撓性材料、またはその組合せを含むことができる。本明細書中に記載される1つ以上の実施形態では、第1のプレート202は、金属、合金、ポリマー、セラミック、または印加される力に応答して少なくともいくらかの可撓性を与えることができる他のものを含むことができる。第1のプレート202はさらに実質的に均一であることができる。1つ以上の実施形態では、第1のプレート202は、実質的に均一な厚み、組成、剛性、表面粗さなどを有することができる。第1のプレート202のこの説明は、第2のプレート208に等しく当てはまる。
【0026】
第1のプレート202は、第1の表面216と、第2の表面218と、保持端縁220と、延在端縁222とを有することができる。第1の表面216は、第1のプレート202の外向きに面する部分を形成することができ、第2の表面218は内側面を形成する。さらに、第1の表面216は、特定の表面粗さ、材料の種類など、1つ以上の対象物と接することと整合する特徴を有することができる。第1のプレート202を、剛性支持体212などの、保持端縁220にある支持体に取り付けることができる。次に、延在端縁222は、第1のプレート202の剛性支持体212から片持ち梁状に延在することができる。そのため、保持端縁220は、第1のプレート202の支点となることができる。保持端縁220は、第1のプレート202、第2のプレート208、および/または構造200の完全性または動作を維持するように支持され得るまたはそれ以外の態様で適合され得る。
【0027】
接着剤204は、第1のプレート202と接続された状態にあることができる。接着剤204は、単一の接着剤または複数の接着剤であることができる。一実施形態では、接着剤204は、材料が耐久性を有しかつさまざまな他の材料と強い接合を形成できるようにする性質を有するエポキシまたは別の材料であることができる。接着剤204は、固体層を形成することができ、さまざまな外部要因に対する耐性を有することができる。接着剤204は、水分、湿度、および極端な高温または低温などのさまざまな環境パラメータに対する耐性を有することができる。接着剤204は嫌気性接着剤であることができる。接着剤204は、複数の化学物質による劣化または機能不全に対する耐性を有することができる。これらの化学物質は、さまざまな種類の作動液、油、および燃料を含むことができる。接着剤204は、中詰材206と第1のプレート202の第2の表面218との間に接着することができる。
【0028】
中詰材206は接着剤204と接続することができる。中詰材206は、中詰材206がアクチュエータ240および/または構造200に安定性および係止能力を与えることができるように、さまざまな物理的パラメータを有することができる。中詰材206は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、炭化ケイ素、または高い表面粗さを与えることができる他のものなどのさまざまな粗い材料を含むことができる。さらに、中詰材206は被覆研磨材であることができる。一例では、中詰材206は、研磨材が一方面に接着された紙または布のシートを含むことができる。中詰材206は、さまざまなグリットサイズ(20または40のようなより小さい数は粗いグリットを示す一方で、1500のようなより大きい数は微細なグリットを示す)の酸化アルミニウム紙または炭化ケイ素紙などの被覆研磨材であることができる。さらなる実施形態では、中詰材206は、高圧用途に用いることができるセラミック酸化アルミニウムであることができる。さらなる実施形態では、中詰材206は砂であることができる。アクチュエータ240に面する中詰材206によってなど、アクチュエータ240と第1のプレート202との間に摩擦を生じさせるように中詰材206を位置決めすることができる。
【0029】
アクチュエータ240は、中詰材206に接続された状態で位置決めすることができる。アクチュエータ240は、
図1を参照して説明されるアクチュエータ100と実質的に同様であることができる。アクチュエータ240は、電気入力などの入力を受けるように構成可能であり、電極210を通して入力を送達することができる。電極210は、アクチュエータ240の1つ以上の導電部分215に接続され得るまたはそれと接続され得る。複数の場所に電極210を位置決め可能である。1つ以上の実施形態では、電極210は、第2のプレート208の第2の表面226でアクチュエータ240に接続することができる。1つ以上のさらなる実現例では、アクチュエータ240は保護コーティングをさらに含むことができる。アクチュエータ240の外側面または内側面上に保護コーティングを位置決めすることができる。保護コーティングは、
図1を参照して上述した保護層116と実質的に同様であることができる。保護コーティングは、アクチュエータ240の摩損を低減するようにまたはそうでない場合は中詰材206に対する耐摩耗性を与えるように構成可能である。
【0030】
アクチュエータ240は、この
図2Aでは弛緩位置に示されている。アクチュエータ240は、電気入力が電極210を通じて印加されると、作動位置(
図2B)に移動する。1つ以上の実施形態では、アクチュエータ240は、中詰材206に向かって優先的に油圧力を生成するように構成される複数の導電部分を含むことができる。さらなる実施形態では、構造200は、複数のアクチュエータ240を含むように構成可能である。アクチュエータ240は、構造の1つ以上の領域を独立して制御するように構成可能である。
【0031】
ここに示されるように、第2のプレート208は、第1のプレート202と実質的に平行であることができる。第2のプレート208は、第1の表面224と、第2の表面226と、保持端縁228と、延在端縁230とを有することができる。第1の表面224は、第2のプレート208の外向きに面する部分を形成することができ、第2の表面226は内側面を形成する。さらに、第1の表面224は、指定された表面域粗さ、材料の種類など、1つ以上の対象物と接することに整合する特徴を有することができる。第2のプレート208を、剛性支持体214などの、保持端縁228にある支持体に取り付けることができる。次に、延在端縁230は、剛性支持体212から片持ち梁状に延在することができる。第1のプレート202および第2のプレート208を、それぞれ剛性支持体212および214に接続することができる。したがって、剛性支持体212および214は、第1のプレート202および第2のプレート208に安定性を与えることができる。
【0032】
剛性支持体212および214は、構造200の構成要素を固着および支持する要素であることができる。剛性支持体212および214は、構造200に安定性を与えるように構成可能である。剛性支持体212および214は、動作の際に第1のプレート202および第2のプレート208に抵抗および支持を与えることができる異なる材料からなることができる。1つ以上の実施形態では、剛性支持体212および214は、金属、合金、ポリマー、セラミック、または印加される力に応答してしっかりした安定性を与えることができる他のものであることができる。剛性支持体212および214はさらに、均一な厚み、組成、剛性、表面粗さなどを有するなど、1つ以上の物理的特性が実質的に均一であることができる。剛性支持体212、214は別個の構造であることができる。これに代えて、剛性支持体212、214は同じ構造であることができる。
【0033】
アクチュエータ240を制御部245に接続することができる。制御部245は、電気入力などの入力を送達するように構成可能である。電極210を通じて電気入力を導電部分215に印加することができる。1つ以上の実施形態では、制御部245は、演算装置から信号を受信するための通信装置であることができる。さらなる実施形態では、制御部245は演算装置であることができる。本明細書中に用いられるような演算装置を、
図4を参照してより詳細に説明する。アクチュエータ240の導電部分215が入力を受けると、導電部分215同士は互いを引き寄せ合うことができ、これによりアクチュエータ240が作動位置に移動し、中詰材206に油圧力が印加される。中詰材206に力が加わると、第1のプレート202および第2のプレート208にさらに力を加えることができ、その結果、構造200が剛性になる。アクチュエータ240の作動の制御により、構造200は、印加される力のレベルを制御することができる。第1のプレート202および第2のプレート208を剛性支持体212および214に接続すると、構造200が曲がることができる起点となる支点ができる。
【0034】
アクチュエータ240は、剛性支持体212および214から延在して示されているが、これは、プレート202および208に対してアクチュエータ240がとり得る位置および/または向きを限定することを意図するものではない。1つ以上の実現例では、アクチュエータ240を、長さ方向に、幅方向に、またはプレート202と208との間の任意の途中の位置に位置決め可能である。さらに、ここでは単一のアクチュエータ240が示されるが、アクチュエータ240は、任意の編成または配列で位置決めまたは積層される複数のアクチュエータ240のうちの1つであることができる。
【0035】
一例として、一実現例では、プレート202および208において幅方向に延在する複数のアクチュエータ240が存在することができる。規則的な間隔または不規則な間隔を含む、プレート202および208の長さに沿った任意の好適な態様で、複数のアクチュエータ240を分散させることができる。さらに、複数の導電部分215を有するものとして示されているが、本明細書中に記載される1つ以上の実現例では、導電部分215のさまざまな編成を用いることができる。当業者は、さらなる明示的な記載がなくても、本明細書中に開示されるさまざまな組合せを理解するであろう。
【0036】
図2Bは、一実施形態に従う、制御部245からの電気入力が印加された構造200を示す。
図2Aを参照して上述したように、制御部245をさまざまな場所で構造200に接続することができる。1つ以上の実施形態では、制御部245は、電気入力などの入力を導電部分に送達するように構成可能である。1つ以上の実施形態では、制御部245は、演算装置から信号を受信するための通信装置であることができる。さらなる実施形態では、制御部245は演算装置であることができる。
【0037】
動作の際、可変硬さプレート202および208の保持端縁(たとえば、保持端縁220および228)と延在端縁(たとえば、延在端縁222および230)との間で構造200に力を加えることができる。力は、適用される対象物の重量からなど、さまざまな使用可能な力であり得る。この力は、構造200中に歪みまたは曲げを生じさせることができる。曲げは、第1の位置から第2の位置への延在端縁の移動に関することができ、第2の位置では、保持端縁は実質的に同じ位置に留まる。
【0038】
制御部245は、1つ以上の入力を構造200に与えて構造200の硬さを変化させることができる。一実施形態では、制御部245は電気入力を与える。電極210を通じて電気入力をアクチュエータ240の導電部分215に印加することができる。1つ以上の実施形態では、アクチュエータ240は、制御部245からの電気入力を用いて油圧力を生成するように構成可能である。電極210は、第2の表面226を介してなど、導電部分215と接続した状態で位置決めされて、1つ以上の導電部分215においてアクチュエータ240の膜に接続されることができる。電極210は、アクチュエータ240と第2の表面226との間を接続することができる。電気入力に応答して、導電部分215は電界を生じさせることができ、これによりそれらがともに引き寄せられ、こうしてアクチュエータ240を作動位置に移動させる。
【0039】
導電部分215の収縮により、誘電性流体がアクチュエータ240の他の領域に押し込まれ、油圧力を生成する。次に、作動されると、油圧力を中詰材206および第1のプレート202に印加して、中詰材206をアクチュエータ240と第1のプレート202との両方に接触させることができる。第1のプレート202および第2のプレート208に対するアクチュエータ240の拡張により、構造200はより剛性になることができる。さらに、油圧力は、第1のプレート202および第2のプレート208を真っ直ぐにすることができる。このように、アクチュエータ240による油圧力の印加の結果、構造200が制御可能に剛性になることができる。
【0040】
図3Aおよび
図3Bは、1つ以上の実施形態に従う、アクチュエータ330が作動位置にある構造300を示す。構造300は、
図2Aおよび
図2Bに示されるような構造200と構成が実質的に同様であることができる。構造300は、第1のプレート302および第2のプレート304を含むことができる。第1のプレート302と第2のプレート304との間にアクチュエータ330を位置決めすることができる。1つ以上の実施形態では、アクチュエータ330は、係止油圧アクチュエータであることができる。構造300は、電気入力などの入力を受けると制御可能に剛性になるように構成可能である。そのため、構造300は、二次的な力に応答して印加される力のレベルを制御することができる。
【0041】
図3Aは、1つ以上の実施形態に従う構造300を示す。構造300は、制御部340によって送達されるような電気入力などの入力を受けると制御可能に剛性となるように構成可能である。1つ以上の実施形態では、制御部340は、演算装置から信号を受信するための通信装置であることができる。さらなる実施形態では、制御部340は演算装置であることができる。制御部340またはその要素は、
図2Aを参照して説明される制御部245と実質的に同様であることができる。そのため、構造300は、二次的な力に応答して印加される力のレベルを制御することができる。
【0042】
一般的に、構造300は第1のプレート302を含むことができる。第1のプレート302は、第1の表面312と、第2の表面314と、保持端縁316と、延在端縁318とを有することができる。第1の表面312は、第1のプレート302の外向きに面する部分を形成することができ、第2の表面314は内側面を形成する。第1のプレート302を、剛性支持体308などの、保持端縁316にある支持体に取り付けることができる。次に、延在端縁318は、第1のプレート302の剛性支持体308から延在することができる。そのため、保持端縁316は、第1のプレート302の支点であることができる。第1のプレート302は、
図2Aに記載されるような第1のプレート202と実質的に同様であることができる。
【0043】
構造300は、第2のプレート304を含むことができる。ここで示されるように、第2のプレート304は、第1のプレート302に平行に位置決め可能である。第2のプレート304は、第1の表面320と、第2の表面322と、保持端縁324と、延在端縁326とを有することができる。第2のプレート304は、
図2Aおよび
図2Bを参照して説明される第2のプレート208と実質的に同様であることができる。第1の表面320は、第2のプレート304の外向きに面する部分を形成することができ、第2の表面322は内側面を形成する。第2のプレート304を、剛性支持体310などの、保持端縁324にある支持体に取り付けることができる。次に、延在端縁326は、第2のプレート304から延在することができる。第1のプレート302および第2のプレート304を、それぞれ剛性支持体308および310に接続することができる。
【0044】
剛性支持体308および310は、構造300の構成要素を固着および支持する要素であることができる。剛性支持体308および310は、構造300に安定性を与えるように構成可能である。剛性支持体308および310は、
図2Aおよび2Bを参照して説明される剛性支持体212および214と実質的に同様であることができる。
【0045】
構造300はアクチュエータ330を含むことができる。アクチュエータ330は、
図1を参照して説明したように、粒子材料117を含む上記アクチュエータ100の1つ以上の要素と組成が同様であることができる、および/またはそれらを含むことができる。アクチュエータ330は、電気入力などの入力を受けるように構成可能である。1つ以上の電極306を通じて入力をアクチュエータ330に送達することができる。電極306は、
図2Aおよび
図2Bを参照して説明した電極210と実質的に同様であることができる。電極306は、アクチュエータ330の1つ以上の導電部分315に接続され得るまたはそれと接続され得る。アクチュエータ330は、ここでは弛緩位置に示されている。アクチュエータ330は、電極306を通じて電気入力が印加されると、作動位置に移動する。
【0046】
接着剤335は、第1のプレート302に接続された状態にあることができる。接着剤335は、
図2Aおよび
図2Bを参照して説明した接着剤204と実質的に同様であることができる。1つ以上の実施形態では、接着剤335は、アクチュエータ330の外側面の1つ以上の部分と、第1のプレート302の第2の表面314との間を接着することができる。さらなる実施形態では、接着剤335は、アクチュエータ330の外側面の1つ以上の部分と、第2のプレート304の第2の表面322との間を接着することができる。第1のプレート302に接続された状態でアクチュエータ330を位置決めすることができる。アクチュエータ330は、
図1を参照して説明した粒子材料117を含むアクチュエータ100と実質的に同様であることができる。1つ以上のさらなる実現例では、アクチュエータ335は保護コーティングをさらに含むことができる。アクチュエータ335の外側面または内側面上に保護コーティングを位置決めすることができる。保護コーティングは、
図1を参照して上述した保護層116と実質的に同様であることができる。保護コーティングは、構造300の1つ以上の表面から生じ得るようなアクチュエータ335の摩損を低減するように、またはそうでない場合は耐摩耗性を与えるように構成可能である。
【0047】
アクチュエータ330は、電極306を通して電気入力などの入力を受けるように構成可能である。アクチュエータ330の1つ以上の導電部分315に電極306を接続することができる。ここで示されるように、アクチュエータ330は弛緩位置に示される。電極306を通じて導電部分315に電気入力が印加されると作動位置に移動するようにアクチュエータ330を構成することができる。作動位置では、アクチュエータ330は、第1のプレート302および第2のプレート304に油圧力を印加することができる。アクチュエータ330は、第1のプレート302と第2のプレート304との両方に力を印加しながら横方向の移動に抗することができるため、構造300の剛性を増すことができる。
【0048】
図3Bは、一実施形態に従う、制御部340からの電気入力が印加される構造300を示す。構造300は、
図3Aを参照して上述したように、構造300と実質的に同様であることができる。さまざまな場所で制御部340を構造300に接続することができる。制御部340は、電気入力などの入力を電極306を通じて構造300に送達するように構成可能である。1つ以上の実施形態では、制御部340は、演算装置から信号を受信するための通信装置であることができる。さらなる実施形態では、制御部340は演算装置であることができる。制御部340またはその要素は、
図2Aを参照して説明される制御部245と実質的に同様であることができる。この実施形態では、電極306は、
図3Aに記載されるように、第1の電極306と同様に位置決め可能である。第2の表面322上に第1の電極306を位置決めすることができる。電極306は、アクチュエータ330を第2のプレート304の第2の表面322に接続することができる。電極306は、アクチュエータ330の1つ以上の導電部分315に接続することができる。電極306から導電部分315に電荷が送達されると、アクチュエータ330は作動位置に移動する。次に、アクチュエータ330は、第1のプレート302に印加され得る油圧力を生成することができる。アクチュエータ330によって油圧力が印加される結果、構造300が制御可能に剛性になることができる。アクチュエータ330は、制御部340からの電気入力が終了されるなど、入力が終了されるまでまたは別の入力を受けるまで、定位置に「係止」されたままであることができる。
【0049】
本明細書の実施形態に記載されるように、構造は、印加される力に選択的に可変の硬さを与えることができる。このように、構造300は多数の利点を提供することができる。構造300は、ロボティクス、自動車、または建築などの可撓性用途のための構造的支持体またはフレーム支持体として働くことができる。さらに、構造300は、速度が変化する強い風または空気力学に対応する場合などに可変抵抗を与えることができる。上記層は、簡略化のため、単一の均一な要素として説明される。しかしながら、上記は、本明細書に開示されるような層、層の部分、またはその変形例のいずれかのうちの1つ以上を含むことができる。
【0050】
図4は、1つ以上の実施形態に従う、上述の構造とともに使用可能な演算装置400のブロック図である。演算装置400は、限定はしないが、サーバ、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション、内蔵コンピュータ、またはマイクロプロセッサ、DSP(デジタル信号プロセッサ)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、もしくはASIC(特定用途向け集積回路)などの演算部を有するスタンドアロン装置などの任意の適切な種類の演算装置であることができる。演算装置400は、当該演算装置に割り当てられる機能を実行するためのさまざまな構成要素を内蔵することができる。構成要素は、中央処理ユニット(CPU)のようなプロセッサ404と、メモリ406と、電源408と、通信装置410と、入力および/または出力装置と、上述の構成要素同士を接続する少なくとも1つのバス416とを含むことができる。いくつかの実施形態では、これらの構成要素のうちの1つ以上は、少なくとも部分的に筐体418内に収容される。
【0051】
CPUとも称され得るプロセッサ404は、演算装置の一部としてタスクを実行するための1つ以上の命令を受信しかつ実行することができる装置であり得る。一実施形態では、プロセッサ404は、特定用途向け命令セットプロセッサ(ASIP)、グラフィック処理ユニット(GPU)、物理処理ユニット(PPU)、DSP、画像プロセッサ、コプロセッサなどのマイクロプロセッサを含むことができる。プロセッサ404として参照されるが、本明細書中に記載される1つ以上の実施形態では、プロセッサ404の組合せを含む1つ以上のプロセッサ404を用いることができることが理解される。
【0052】
メモリ406は、データまたは情報を記憶することができる任意のハードウェアである。メモリ406に記憶することができるデータまたは情報の例は、一時的および/または永続的のいずれかで、データ、機能的形態のプログラムコード、および/または他の好適な情報を含むが、これらに限定されない。メモリ406は、プロセッサ404によって実行されると、本明細書中に論じる方法および機能をプロセッサ404に実行させるコンピュータ可読命令を含む1つ以上のモジュールを含むことができる。メモリ406は、揮発性および/または不揮発性メモリを含むことができる。メモリ406は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに含むことができる。好適なメモリ406の例は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(読出専用メモリ)、PROM(プログラマブル読出専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル読出専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル読出専用メモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、または任意の他の好適な記憶媒体、またはその任意の組合せを含む。
【0053】
メモリ406はプロセッサ404の構成要素であることができる、またはプロセッサ404が用いるためにプロセッサ404に動作可能にメモリ406を接続することができる。メモリ406は、LINUX(登録商標)などのオペレーティングシステム420を含むことができる。オペレーティングシステム420は、バッチ、ライブ、タイムシェアリング、リアルタイム、および他の種類のオペレーティングシステムを含むことができる。本明細書中に記載するようなオペレーティングシステム420は、演算装置400とのインターフェイスを制御しかつこれを設けるためにユーザが選択するような、データを処理するため、データにアクセスするため、データを書込むため、データを格納するため、データを検索するため、または他の機能のための命令を含むことができる。メモリ406は、ネットワーク490および/または別の演算装置と通信するための通信手順を含むことができる。
【0054】
通信装置410は、演算装置400が他の演算装置と通信できるようにする、有線もしくは無線接続構成要素および/またはソフトウェアであることができる。通信装置410は、ネットワークプロトコル(たとえば、イーサネット(登録商標)または同様のプロトコル)を介してなど、ローカルにまたは遠隔に装置との通信を可能にすることができる。一例では、演算装置400は、通信装置410を用いてネットワーク490に接続される。通信装置410は、他の演算装置に関連付けられる遠隔装置とさらに接続され得る。さらなる実施形態では、演算装置400を1つ以上の演算装置と接続することができ、第2の演算装置に接続されるかまたは第2の演算装置と接続された状態にある1つ以上のセンサへのアクセスが可能になる。
【0055】
演算装置400は、硬さ制御システム470またはその構成要素をさらに含むことができる。本明細書中に記載するように、硬さ制御システム470のある構成要素を演算装置400またはその組合せの中に格納することができる。そのため、硬さ制御システム470の1つ以上の実施形態は、格納される、収集される、作成される、比較される、またはそれ以外に演算装置400のメモリ406もしくはデータベース422から利用可能にされるような、硬さ制御システム470、そのモジュール、またはその構成要素を含むことができる。演算装置400の一部として格納されると、硬さ制御システム470は、通信装置410およびネットワーク490を通じて別の演算装置400または他の装置にアクセスすることができ、硬さ制御システム470を備える1つ以上の構成要素同士の間の連続性を可能にする。
【0056】
硬さ制御システム470の考察は、一実施形態に従う硬さ制御システム470を示す
図5から始まる。硬さ制御システム470は、
図4に示される演算装置400からのプロセッサ404を含むものとして示される。したがって、プロセッサ404は、硬さ制御システム470の一部であることができる。硬さ制御システム470は、プロセッサ404とは別個のプロセッサを含むことができる、または硬さ制御システム470は、データバスもしくは別の通信経路を通じてプロセッサ404にアクセスすることができる。一実施形態では、硬さ制御システム470は、可撓性制御モジュール520および応答モジュール530を記憶することができるメモリ514を含む。メモリ514は、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、またはモジュール520および530を記憶するための他の好適なメモリであることができる。モジュール520および530は、たとえば、プロセッサ404によって実行されると、プロセッサ404に、本明細書に開示されるさまざまな機能を実行させるコンピュータ可読命令である。
【0057】
硬さ制御システム470は、データベース510をさらに含むことができる。データベース510は、メモリ514の一部として、メモリ514とは独立した構成要素として、(メモリ514とは区別される)別個のメモリの一部として、またはその他を含む多数の構成で提示することができる。データベース510は、変形データ560およびユーザ情報570を含むことができる。変形データ560は、最大変形、現在の変形、耐用寿命、および使用中に構造を制御するのに用いることができる他の詳細に関して、構造および/またはアクチュエータの各々について検出または決定されるデータセットを含むことができる。ユーザ情報570は、ユーザによる構造の選択および使用に関する情報を含むことができる。硬さ制御システム470またはその部分を、演算装置400の一部として、サーバの一部として、またはその他として格納することができる。そのため、硬さ制御システム470またはその中に内蔵されるモジュールの機能のうち1つ以上を遠隔で実行して、本明細書中に記載される実施形態の一部として構造に移すことができる。
【0058】
可撓性制御モジュール520は、一般的に、プロセッサ404によって実行されると、構造のための応答パラメータに関する入力を受信するようにプロセッサ404を制御する命令を含むことができる。応答パラメータは、ユーザまたは構造が使用されている環境からの入力に関する1つ以上の制御限定である。1つ以上の実施形態では、応答パラメータは、構造のたわみの上下の境界を含むことができる。入力は、ユーザまたは対象が構造と相互作用することを意図するか、またはその過程にある信号である。そのため、入力は、カメラ、ジャイロスコープ、加速度計、および動きまたは構造との相互作用を示す他のものからの信号など、構造に関連して1つ以上のセンサから受信するセンサ信号を含むことができる。入力は、所望の硬度を示すかまたは表面が対象から力を受けているであろうことを示す命令などの、ユーザからの選択または命令をさらに含むことができる。本明細書中で用いられるような構造は、
図2-
図3を参照して説明される構造200および300と実質的に同様であることができる。
【0059】
構造は、アクチュエータの形状を変化させる1つ以上の力によって変形することができる。本明細書中に用いられるような変形とは、構造全体の元の状態もしくは応力を受けていない状態からの変化、またはアクチュエータのうちの1つ以上の係止解除を指す。上述のように、構造は、構造に対する1つ以上の対象物からの力によって剛性を変化させることができる。可撓性制御モジュール520は、外部センサ、膜の静電容量の検出、またはその他などの多数のメカニズムによって構造の変形を検出することができる。可撓性制御モジュール520は、アクチュエータの各々が個々に分析されるように、アクチュエータ同士の間の変形の差をさらに検出することができる。さらなる実施形態では、ユーザの要望に基づき、構造の変形を群でまたは全体として分析することができる。次に、可撓性制御モジュール520によって、変形レベルをデータベース510の変形データ560に格納することができる。
【0060】
応答パラメータは、硬さ制御システム470がいつ応答するかを規定する入力に関する1つ以上の限定であることができる。ユーザからの直接の入力に関して、可撓性制御モジュール520は、所望により、与えられる任意の入力、特定のユーザ、特定のコマンド、または他のものに応答するように構成可能である。センサまたはセンサシステムからの入力に関して、可撓性制御モジュール520は、任意の入力、特定のパラメータ内の入力、センサの組合せから受けた入力、あるしきい値を上回るもしくは下回る入力、または他のものに応答するように構成可能である。一例では、可撓性制御モジュール520は、カメラまたは加速度計またはその組合せによって検出されるような動きに応答するように構成可能である。別の例では、可撓性制御モジュール520は、あるしきい値を超える振動または重量に応答するように構成可能である。別の実施形態では、可撓性制御モジュール520は、伸張の際に見られるような、構造のアクチュエータにおける静電容量の変化に応答するように構成可能である。
【0061】
可撓性制御モジュール520は、応答パラメータに関して作動信号を送る命令をさらに含むことができる。作動信号は、場所または特定の総硬度に影響を与える剛性の変化など、構造において適切な応答を作成するように可撓性制御モジュール520が決定する入力であることができる。
図2-
図3を参照して上述したように、作動信号を構造に送達することができる。作動信号は、可撓性制御モジュール520によって直接に、またはネットワーク490などのネットワークを通じて受信され得る。作動信号は、構造と接続している1つ以上のスイッチに関する個別の入力または群での入力をさらに含むことができる。別の実施形態では、作動信号は、本明細書中に記載する実施形態に従う、制御部によってアクチュエータの1つ以上の導電領域に送達される信号である。個別の入力は、ユーザ情報570の一部としてデータベース510に格納することができる。
【0062】
可撓性制御モジュール520は、構造のアクチュエータのうちの1つ以上を解放する(たとえば、係止解除する)命令をさらに含むことができる。本明細書中に記載される1つ以上の実施形態に従うと、アクチュエータを係止状態または係止解除状態に維持することができる。係止状態に維持されている場合、アクチュエータのうち1つ以上において電流を減少させるまたは除去することによって、アクチュエータを解放することができる。次に、導電部分は、電荷の除去によって離れていき、そうするとアクチュエータを曲げやすくなる。一旦膜が曲げやすくなると、次に構造は、1つ以上の外力(たとえば、弾性による流体圧力の変化)に応答し、これにより構造が弛緩状態になることができる。
【0063】
応答モジュール530は、一般的に、プロセッサ404を制御して所望の変形レベルでアクチュエータを作動させるように機能する命令を含むことができる。一旦構造が所望の状態または1つ以上の二次的因子(たとえば、最大重量容量)によって限定される状態に達すると、応答モジュール530は、アクチュエータのうちの1つ以上を作動させて、構造に力を割り当てることができる。アクチュエータが一旦再作動されると、アクチュエータの弾性が再び限定される。このように、構造は、所望により、または硬さ制御システム470によって設定される1つ以上のパラメータに基づいて、特定の剛性を保持することができる。
【0064】
こうして硬さ制御システム470および構造は、構造の動きを調節することができる。構造は、弛緩状態から収縮状態に変化することができ、各状態をアクチュエータによって保持することができるため、外力に対する構造の剛性を可変に維持することができる。構造は、多数の利点を提供することができる。構造は、必要に応じてさまざまな装置に構造的剛性を与えることができ、こうして、エネルギー入力を用いて重量を低減する。硬さ制御システム470は、構造に変調のレベルを加えることができ、これにより構造を高度に制御できるようになる。
【0065】
上述のシステムおよび方法の組合せまたはそれらからの削除を含め、当該システムおよび方法の他のおよびさらなる実施形態が、その具体的な列挙がなくても、企図される。詳細な実施形態を本明細書に開示する。しかしながら、開示される実施形態は例としてのみ意図されることを理解されたい。したがって、本明細書中に開示される具体的な構造的および機能的詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に請求項の根拠として、および事実上任意の適切に詳細な構造において本明細書中の局面をさまざまに採用するように当業者に教示するための代表的な根拠として解釈されるべきである。さらに、本明細書中で用いる用語および表現は、限定することを意図するものではなく、むしろ、可能な実現例の理解可能な説明を提供することを意図する。さまざまな実施形態を
図1-
図5に示すが、実施形態は図示の構造または用途に限定されない。
【0066】
図中のフローチャートおよびブロック図は、さまざまな実施形態に従うシステム、方法、およびコンピュータプログラムプロダクトの可能な実施形態のアーキテクチャ、機能性、および動作を示す。この点に関して、フローチャートまたはブロック図中の各ブロックは、特定される論理的機能を実現するための1つ以上の実行可能命令を含むことができるモジュール、セグメント、またはコードの部分を表すことができる。いくつかの代替的な実施形態では、ブロック中に注記される機能を、図に注記される順序以外で行うことができることにも留意されたい。たとえば、続けて示される2つのブロックを実際には実質的に同時に実行することができる、または関与する機能性に応じて当該ブロックを逆の順序で実行できることがある。
【0067】
上述のシステム、構成要素、および/または方法を、ハードウェアまたはハードウェアとソフトウェアとの組合せで実現することができ、また、1つの処理システムにおいて集中的に、またはいくつかの相互接続された処理システムにわたって異なる要素が散らばる分散態様で、これらを実現することができる。本明細書中に記載の方法を実行するように適合される任意の種類の処理システムまたは他の機器が適している。ハードウェアとソフトウェアとの典型的な組合せは、ロードされかつ実行されると、本明細書中に記載される方法を実行するように処理システムを制御するコンピュータ使用可能プログラムコードを有する処理システムであることができる。システム、構成要素、および/または方法を、コンピュータプログラムプロダクト、または機械によって可読であり、本明細書中に記載される方法および方法を実行する機械によって実行可能な命令のプログラムを有形に具現化する他のデータプログラムの記憶装置などのコンピュータ可読記憶装置に埋め込むこともできる。これらの要素は、本明細書中に記載される方法の実施形態を可能にするすべての特徴を含むことができ、かつ、処理システムにロードされると、これらの方法を実行することができるアプリケーションプロダクトに埋め込まれることもできる。
【0068】
さらに、本明細書中に記載される配置は、格納されるなどコンピュータ可読プログラムコードが具現化または埋め込まれた1つ以上のコンピュータ可読媒体中に具現化されるコンピュータプログラムプロダクトの形態をとることができる。1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組合せを利用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であり得る。「コンピュータ可読記憶媒体」という表現は、非一時的記憶媒体を意味する。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線、もしくは半導体システム、機器、もしくは装置、または前述の任意の好適な組合せであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、以下を含む:1つ以上の配線を有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、固体状態ドライブ(SSD)、RAM、ROM、EPROMもしくはフラッシュメモリ、光ファイバ、可搬コンパクトディスク読出専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、光記憶装置、磁気記憶装置、または前述の任意の好適な組合せである。この書類の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、機器、または装置が用いるための、またはそれに関連して用いるためのプログラムを含有するまたは記憶することができる任意の有形の媒体であり得る。
【0069】
無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RFなど、または前述の任意の好適な組合せを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を用いて、コンピュータ可読媒体上で具現化されるプログラムコードを送信することができる。本配置の局面のための動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語とを含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで書くことができる。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部はユーザのコンピュータ上で一部は遠隔コンピュータ上で、または完全に遠隔コンピュータもしくはサーバ上で、実行することができる。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができる、または外部コンピュータ(たとえば、インターネットサービスプロバイダを用いてインターネットを通じて)に接続することができる。
【0070】
本明細書中で用いるような「a」および「an」という用語は、1つまたは1つより多くとして定義される。本明細書中で用いるような用語「複数」は、2つまたは2つより多くとして定義される。本明細書中で用いるような用語「別の(another)」は、少なくとも第2またはそれ以上のものとして定義される。本明細書中で用いるような「含む(including)」および/または「有する(having)」という用語は、含む(すなわち、制限のない文言)として定義される。本明細書中で用いるような「...および...のうちの少なくとも1つ」という表現は、関連する列挙される項目のうちの1つ以上のいずれかおよびすべての可能な組合せを指しかつそれらを包含する。一例として、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、またはそれらの任意の組合せ(たとえば、AB、AC、BC、またはABC)を含む。
【0071】
以上は、開示される装置、システム、および方法の実施形態に向けられるが、その基本的な範囲から逸脱することなく、開示される装置、システム、および方法の他のおよびさらなる実施形態を考案することができる。その範囲は、以下の請求項によって定められる。