(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換する方法とシステム
(51)【国際特許分類】
B09B 3/35 20220101AFI20240606BHJP
B09B 5/00 20060101ALI20240606BHJP
B09B 101/45 20220101ALN20240606BHJP
【FI】
B09B3/35 ZAB
B09B5/00 F
B09B5/00 M
B09B101:45
(21)【出願番号】P 2021544088
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(86)【国際出願番号】 NL2019050653
(87)【国際公開番号】W WO2020071906
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-09-28
(32)【優先日】2018-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】522351848
【氏名又は名称】シー 2 シー エイ テクノロジー ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディ マイオ、フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】レム、ピーター カルロ
(72)【発明者】
【氏名】バネルジー、シュヤマー プラサド
(72)【発明者】
【氏名】ベルクハウト、サイモン ペトルス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ハーマンズ、ギール
(72)【発明者】
【氏名】ゲブレマリアム、アブラハム テクレイ
【審査官】上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0000402(US,A1)
【文献】特開2006-145385(JP,A)
【文献】特開2008-063900(JP,A)
【文献】台湾特許出願公開第200741067(TW,A)
【文献】独国特許出願公開第102015122818(DE,A1)
【文献】特開2003-233666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 1/00-5/00
C04B 18/16、28/00-28/30
G06Q 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
解体されたコンクリートを、リサイクルしやすい製品であって、コンクリートの製造に使用される未使用の原料を確実に置き換えることができる前記製品に変換する方法であり、
解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換することが、解体されたコンクリートを粗い部分と細かい部分とに粉砕(2)すること
と、解体されたコンクリートの特性を分析(3)することと、その分析によって確立された特性をデータベース(8)に提供することとを含み、
解体されたコンクリートの特性の前記分析(3)を、解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換する際に、インラインかつリアルタイムで実行し、
複数の情報担体(7)が前記製品に追加(5)され、コンクリートを粉砕した直後または粉砕から短時間のうちに、複数の情報担体(7)が追加されることによって、
各情報担体は、この情報担体の識別子がデータベース(8)内のエントリに対応するように、識別子によって一意に識別され、
情報担体(7)が、前記製品に規則的に分散され、かつ埋没されて、前記製品に保持され、
リサイクルされる前記製品の粗い部分または細かい部分に関連付けて埋没された専用の情報担体(7)に提供される特定の識別子を使用して、
前記分析によって確立された前記製品の関連する部分
の特性を参照できるように、前記製品の粗い部分と細かい部分のそれぞれに、専用の情報担体(7)が配置されること
を特徴とする解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換する方法。
【請求項2】
専用の情報担体が、製品の粉砕されたそれぞれの部分の
、コンクリートの粒度の工業規格用の篩サイズに一致する寸法を備えていることを特徴とする請求項1記載の解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換する方法。
【請求項3】
情報担体(7)が、セラミック材料にて作られた外殻を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換する方法。
【請求項4】
専用の情報担体をRFIDタグの形態とすることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換する方法。
【請求項5】
製品が1トンの重さで提供されることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換する方法。
【請求項6】
解体されたコンクリートの特性を分析(3)することが、コンクリートの部分の特性を導出するためにレーザ誘起破壊分光法によってコンクリートの部分の流れをモニタすることを含むことを特徴とする請求項
1記載の解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換する方法。
【請求項7】
解体されたコンクリートのそれぞれの部分の前記特性が、汚染物質の濃度と、化学組成とを含むグループのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項
6に記載の解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換する方法。
【請求項8】
レーザ誘起破壊分光法が、毎秒30~100分析の速度でコンクリート部分の特性を提供することを特徴とする請求項
6または
7記載の解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換する方法。
【請求項9】
請求項1から
8までのいずれか1項記載の方法を実施するためのシステムであって、このシステムが複数の情報担体(7)を含み、この情報担体(7)は関連する情報担体(7)に供給される一意の識別子によって個別化されるものであり、前記システムは複数のエントリを備えたデータベース(8)をさらに含み、各エントリが情報担体(7)の1つの識別子に対応するものにおいて、
前記システムは、データベース(8)に接続されて解体されたコンクリートの部分に関する情報をこのデータベースに供給するレーザ誘導破壊分光設備(9)をさらに有して、情報担体(7)の識別子で識別されるデータベース(8)の各エントリが、前記解体されたコンクリートの部分に供給される情報担体(7)の識別子によって識別されるところの、前記解体されたコンクリートの部分に関する情報を、保持するように構成されていることを特徴とする解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換するシステム。
【請求項10】
データベース(8)は、リサイクルしやすい製品に変換される解体されたコンクリートのための取引プラットフォーム(10)よってアクセスできるものであることを特徴とする請求項
9記載の解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換するシステム。
【請求項11】
情報担体(7)が、セラミック材料にて作られた外殻を備えていることを特徴とする請求項
9または
10記載の解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解体されたコンクリートを、容易にリサイクル可能である製品であって、コンクリートの製造に使用される未使用の原料を確実に置き換えることができるところの同製品に変換する方法に関する。本発明はまた、この方法を実施するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
キンバリ メアリ コクランによる論文は、2006年にフロリダ大学の大学院に提出され、「建設時および解体時の破片のリサイクル:方法、市場、方針」と題されたものであるが、現在砕石で満足しているほとんどの市場において、コンクリートをリサイクルできると報告してしている。再生コンクリートの最も一般的な市場は、建設に関する市場である。具体的には、道路基盤(86%)、アスファルトコンクリート(8%)、一般的な充填材(6%)である。コンクリートがリサイクルされると、リサイクルされた骨材で置き換えることができるところの未使用の骨材の必要性を減らすことで、利益が得られる。
【0003】
しかし、業界が一次原料を二次原料に置き換えることを躊躇しているため、未使用の骨材の置き換えは妨げられている。業界は、リサイクルされた材料は品質に大きなばらつきがあり、コンクリート製造のための未使用の原料に取って代わることを目的としたリサイクル製品の有用性を判断するのに高いコストがかかると認識している。リサイクル材の品質が基準に達していない場合は、そのようなリサイクル製品に基づくコンクリートから製造された構造物の信頼性は保証されない。
【0004】
ルン・チュアン ワンが発表した、オートメーション イン コンストラクション(Automation in Construction)誌 第17巻(2008)、467~479ページの記事「RFID技術を使用した建設品質検査と管理の強化」(非特許文献1)から、異なる建設現場からのコンクリートの混合物に複数のRFIDタグを導入することが知られている。この記事のRFIDタグは、品質テストラボでの自動データ収集と情報管理を強化するために、品質データを収集、フィルタリング、管理、監視、共有するためのプラットフォームとして機能する品質管理システムをサポートすることを目的としている。
【0005】
アメリカ特許出願公開第2011/0000402号(特許文献1)は、解体されたコンクリートを、コンクリートの製造に使用される未使用の原料と置き換えることができる、リサイクル可能な製品に変換する方法を開示する。この方法においては、コンクリートを解体した直後や解体してから短時間の後を含む様々な段階で、複数の情報担体が前記の製品に付加される。情報担体は、たとえば、シリアル番号やその他の情報を含む、RFIDとして具体化されたり、あるいは単にバーコード付きの紙やプラスチックシートとして具体化されたりする。タグは、コンテナ/ユニットにリサイクル可能な材料が装填される前に、このコンテナ/ユニットに用いられる。コンテナ/ユニットにリサイクル可能な材料を装填した後、タグがスキャンされ、これらのタグとコンテナ/ユニット内のリサイクル可能な材料とに関連する情報が、データベースに格納される。しかし、このシステムと方法は詐欺行為に対して脆弱であり、信頼性が低い。つまり、コンテナ/ユニット内のリサイクル可能な材料に他の製品が混入され、コンテナ/ユニットに用いられるタグ内の情報がそれに応じて更新される場合は、または単に、特許文献1の開示に従って、後に別のタグがコンテナ/ユニットに用いられて最初に配置されたタグと置き換えられた場合は、リサイクル可能な材料についての、出発点から目的点までに関する信頼性の高い追跡が損なわれる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】ルン・チュアン ワンが発表した、オートメーション イン コンストラクション(Automation in Construction)誌 第17巻(2008)、467~479ページの記事「RFID技術を使用した建設品質検査と管理の強化」
【特許文献】
【0007】
【文献】アメリカ特許出願公開第2011/0000402号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、解体されたコンクリートを、コンクリートの製造に使用される未使用の原料を確実に置き換えることができるところの、容易にリサイクル可能な実際の製品に変換し、かつ解体されたコンクリートの、未使用原料との交換用のリサイクル製品としての品質と適合性に疑問が生じる状況について、試験機関を関与させる必要性を廃止するための、方法およびシステムを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、解体されたコンクリートに関するリアルタイムで入手可能な情報を提供することである。この情報は前記コンクリートを高精度ベースで特徴づけるものであり、それは、情報が、特許文献1に記載の場合のように大量の解体されたコンクリートにはあまり関係しないものではなく、解体されたコンクリートに細かい部分で十分に関連しており、また未使用の原料を信頼できるように交換することをこの細かい部分によってサポートすることを意味するものである。
【0010】
これらの目的に関連して、砕いたコンクリート(高品質の骨材に加工する前のもの)は、通常、市場で0~5ユーロ/トンになることを理解すべきである。処理して品質チェックに合格すると、その値は12~20ユーロ/トンに増加する。企業ベースのラボでの単一サンプルの分析(サンプリングのコストと取扱いのコストとを含む)は、およそ50ユーロである。よって、このコストのために、実際にはこれを用いる選択肢はない。それにもかかわらず、木材のような本質的な汚染物質が存在すると、骨材製品の価値を、約マイナス5から0ユーロ/トンに再び戻し、アスベストが存在すると、埋め立て費用が約100ユーロ/トン発生する。したがって、リサイクル骨材の潜在的な購入者は、困難な立場にある。というのは、購入者は、もしすべてが順調である場合は、材料に支払われる価格は、実験室での分析チェックを許容しない。一方、購入者は、もし材料が改ざんされた場合は、埋め立てや建物の破壊の費用を許容できない。したがって、本発明の目的は、このジレンマの解決策を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の方法およびシステムは、この目的のために、添付の特許請求の範囲の1つまたは複数についての特徴を備える。
【0012】
本発明の一態様では、解体されたコンクリートを容易にリサイクル可能な製品に変換することが、コンクリートを解体した直後や解体してから短時間の後に、複数の情報担体を前記製品に追加することを含む。その場合において、複数の情報担体は、製品自体に規則的に分配されて、製品の各個別の部分が専用の情報担体を保持するようにされる。また、そのような各専用情報担体は、この専用の情報担体が含まれる製品の部分に特徴的な情報を、持つようにされている。これにより、リサイクル製品の透明性が高まり、そして、そのようなリサイクル製品と、解体されたコンクリートおよびリサイクル製品を取り扱う関係者との情報にアクセスするための信頼性の高い簡単な方法が提供される。この情報は、したがって、品質、解体されたコンクリートの特性、解体の方法、解体されたコンクリートの元の用途と場所、輸送方法、元の建物の所有者、製品内の情報担体の集中度などに関連することができる。特にこの情報は、製品のユーザが新しいコンクリートについての最適な処方を設計するのに役立つ。この処方としては、たとえば、リサイクル製品の品質と新しいコンクリートの使用目的を考慮して、リサイクル製品に追加される、セメント、水、高性能減水剤の量が挙げられる。
【0013】
好ましくは、専用の情報担体は、製品のそれぞれの部分の篩サイズに一致する寸法を有する、リサイクル可能な、上記の部分に提供される。これは、実際には、好ましくは約4mmの寸法になってよい。4mmという寸法は、リサイクル可能な製品が一般的に用いられる篩サイズの上限と下限に対応する。通常、それぞれ0~4ミリメートルおよび4~12ミリメートルの範囲である。その場合、リサイクル可能な製品のそれぞれの部分から情報担体を探し出すことは、事実上不可能である。
【0014】
情報担体は、セラミック材料から作られた外殻を備えていることがさらに好ましい。この外殻は、情報担体をリサイクル可能な製品と区別することを、不可能ではないにしても困難とする。
【0015】
専用の情報担体は、RFIDタグの形態であることが適切である。RFIDタグは、費用対効果の高いRFIDリーダーで簡単に認識でき、そして、タグが視認できず、リサイクル製品に埋没している場合でも、RFIDタグの存在を確認できる。
【0016】
製品の部分がそれぞれ約1トンの重さで提供されることが有益であることが見出されている。これにより、リサイクル製品に情報担体が十分に密集して分布して、この製品のそのままについての、またはこの製品から作られた構造物に含まれる同製品についての、信頼性の高い特性評価をサポートする。そして、リサイクル製品の必要な仕様からの、許容できない逸脱を、正確に評価することができる。
【0017】
各情報担体は、識別子で一意に識別されて、情報担体の識別子がデータベース内のエントリに対応し、このエントリが、情報担体が含まれる製品の部分を特徴づける情報を保持するようにすることが、さらに好ましい。これにより、情報へのアクセスは、同情報が含まれているデータベースへのアクセスが必要なだけとなる。
【0018】
情報担体は、新しいコンクリートの意図された用途と共用するところの、サイズ、材料表面、堅牢性を有することがさらに好ましい。この共用することは、たとえば、セラミック材料で作られるとともにリサイクル製品の粒子サイズの範囲内のサイズとされた外殻を用いることによって、達成される。
【0019】
本発明の利点を促進するために、解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換することが、解体されたコンクリートの特性を分析することと、確立された特性をデータベースに提供することとを含むことが望ましい。
【0020】
本発明のさらなる望ましい態様では、解体されたコンクリートの特性の分析が、解体されたコンクリートを、容易にリサイクル可能な製品に変換する際の、リアルタイムでの測定に基づいてインラインで行われる。これは、再生コンクリートの品質に疑問が生じたときに時間のかかる試験手順を実行する必要がある従来技術に比べて、大きな利点をもたらす。先行技術によるこれらの試験手順は最大30日かかることがあるが、本発明では、特性がリアルタイムでモニタされ、データベースに保存されて、意図されたアプリケーションのユーザがすぐにアクセスできるようにされる。これにより、製品のバッチを、リサイクル製品の品質が確立されるまでの間、製造元または最終目的地から離れた施設における別々の場所に輸送して保管するためのコストを節約できる。
【0021】
解体されたコンクリートをリサイクルしやすい製品に変換する本発明の方法の好ましい実施形態は、解体されたコンクリートを粗い部分と細かい部分に粉砕することを含む。
【0022】
解体されたコンクリートの特性を分析することが、レーザ誘起破壊分光法によりコンクリートの部分の流れをモニタしてこれらコンクリートの部分の特性を導き出すことを含むと、さらに有利である。コンクリート廃棄物を分析するためのレーザ誘起破壊分光法は、テフニッシェス メッセン(Technisches Messen)誌、2015年、第82巻、第12号、第606-615ページに、ハン シァ氏と、マーテン シー.エム. バッカー氏とが「屋外の廃棄物粒子のためのシングルショットLIBSスペクトル品質」と題して発表した記事によって知られている。レーザ誘起破壊分光法は、何千ものケモメトリックポイント分析を用いて、汚染物質の濃度と、化学組成と、乾燥バインダ/セメントペースト材料とを含むグループのうちの少なくとも1つについて、解体されたコンクリートのそれぞれの部分を特徴付けることができる。
【0023】
レーザ誘起破壊分光法が毎秒約30~100分析の速度でコンクリートの部分の特性を求め、数千のこれらの分析を組み合わせて、リサイクルされた製品における分析された部分の文書化に使用される平均/標準偏差とすることが好ましい。
【0024】
本発明はまた、本発明による方法を実施するためのシステムにおいて具体化される。このシステムは複数の情報担体を含み、関連する各情報担体に提供される一意の識別子によって個別化された複数の情報担体を含む。これらの情報担体は、関連する情報担体のそれぞれに提供される一つの識別子によって個別化される。このシステムは、複数のエントリを備えたデータベースをさらに含み、各エントリは、解体されたコンクリートの部分に埋没されるように構成された、情報担体の1つの識別子に対応する。このシステムは、さらに、解体されたコンクリートのそれぞれの部分に特徴的な情報をデータベースに供給するためにデータベースに接続された、少なくとも1つのレーザ誘起破壊分光設備をさらに含む。これにより、情報担体の識別子で識別されるところの、データベース内の各エントリは、解体されたコンクリートの部分に埋没されている情報担体で識別されるそのような解体されたコンクリートの部分に関する情報を保持するように装備される。
【0025】
好ましくは、システムのデータベースは、本発明により容易にリサイクル可能な製品に変換されたところの解体されたコンクリートのための取引プラットフォームによってアクセス可能である。取引プラットフォームは、リサイクル製品を特徴付けるデータベース内の情報へのアクセスをユーザに提供して、製品が意図した目的に使用できるかどうかをそのようなユーザが評価できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の方法およびシステムを表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明は、本発明によるシステムおよび方法の例示的な実施形態の図面を参照してさらに解明される。この実施の形態は、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0028】
参照符号1は、コンクリートを解体するステップを示す。この解体ステップに続いて、参照符号2は、コンクリートを粗い部分と細かい部分に粉砕するステップに関連する。
【0029】
解体ステップ1の直後または短時間の後に、好ましくはステップ2で破砕した後に、コンクリートのそれぞれの部分の特性がステップ3において確立される。この目的のために、好ましくはレーザ誘起破壊分光装置9が使用される。この装置9はデータベース8に接続され、このデータベース8は、装置9から、解体および粉砕されたコンクリートの部分に関する情報を受け取ることができる。この情報は、好ましくは、汚染物質の濃度、化学組成、乾燥バインダ/セメントペースト材料に関する。
【0030】
レーザ誘起破壊分光装置9が、測定されているコンクリートの部分に関する情報をデータベース8に提供するのと同時に、複数の情報担体7のうちの1つが、レーザ誘起破壊分光装置9によってちょうど測定されている部分に埋没されている。この情報担体7は、やはりデータベース8に提供される識別子によって一意に識別され、そのような情報担体7の識別子は、データベース8の特定のエントリに対応する。したがって、情報担体7が埋没されている製品の一部は、データベース8に提供される情報によって特徴付けられる。この情報は、リサイクル製品に埋没されている情報担体7で提供されるこの特定の識別子を使用していつでも取得できる。したがって、データベース8では、識別子は具体的に情報を参照する。この情報としては、品質、解体されたコンクリートの特性、解体の方法、解体されたコンクリートの元の用途と場所、輸送方法、元の建物の所有者などが挙げられる。これらはすべて、関連する識別子を持つ情報担体7が埋没されている、リサイクル製品の部分に関連している。
【0031】
図1はさらに、解体されたコンクリートのための取引プラットフォーム10から、データベース8にアクセスできることを示している。
【0032】
次の表は、調査されたどのタイプのリサイクル製品のデータベースにも含めることができるパラメータ/特性の例である。
【0033】
【0034】
本発明の方法およびシステムの例示的な実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、この特定の実施形態に限定されずに、本発明から逸脱することなく多くの方法で変更することができる。したがって、上記で説明された例示的な実施形態は、添付された特許請求の範囲を同実施形態に従って厳密に解釈するために使用されてはならない。それどころか、同実施形態は、特許請求の範囲をこの例示的な実施形態に限定することを意図することなく、添付の特許請求の範囲の文言を説明することを単に意図したものである。したがって、本発明の保護の範囲は、添付の特許請求の範囲のみに従って解釈されるべきであり、請求項の文言において起こり得る曖昧さは、この例示的な実施形態を使用して解決されるものとする。