(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】使い捨てシェーバーおよびバーのための力吸収システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/00 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
A61B17/00
(21)【出願番号】P 2021556489
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(86)【国際出願番号】 US2020023338
(87)【国際公開番号】W WO2020191035
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-02-07
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514290052
【氏名又は名称】アースレックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARTHREX, INC.
【住所又は居所原語表記】1370 Creekside Blvd, Naples, FL 34108, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アダムス,ケン
(72)【発明者】
【氏名】バリカン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】オークイン,フィリップ エス.
(72)【発明者】
【氏名】ヘッジス,ベンジャミン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ファース,マーチン エー.
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-500920(JP,A)
【文献】米国特許第4428443(US,A)
【文献】特表2013-537091(JP,A)
【文献】特開昭58-80789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
A61B 17/16
A61B 17/32
A61B 17/3207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち式回転式医療デバイスの駆動システムであって、
駆動モーターと回転式手術用具との間に位置付けられるように構成された駆動連結器と、
前記駆動連結器に組み込まれた力吸収システムであって、それによって、前記力吸収システムが前記駆動連結器の長手方向軸と整合された直線力を吸収する、力吸収システムと、を備え
、
前記力吸収システムが、前記駆動連結器の中空で円筒形の近位端から形成され、前記駆動連結器の前記中空で円筒形の近位端を形成する材料が、複数のリリーフスロットと、前記駆動システムの駆動シャフトと係合するための前記中空で円筒形の近位端に位置付けられた係合突出部とを含み、
前記複数のリリーフスロットが、前記駆動連結器の前記長手方向軸に対して非直交および非平行に位置付けられる、駆動システム。
【請求項2】
前記複数のリリーフスロットの隣接するリリーフスロットが、互いから円周方向にオフセットしている、請求項
1に記載の駆動システム。
【請求項3】
前記複数のリリーフスロットが列にまとめられ、それによって、少なくとも1つの列が、前記駆動連結器の円周の約4分の1に各々広がる少なくとも2つのリリーフスロットを含む、請求項
1に記載の駆動システム。
【請求項4】
前記リリーフスロットの列が各々、前記駆動連結器の円周の4分の1に各々広がる少なくとも2つのリリーフスロットを含み、前記リリーフスロットが、隣接するリリーフスロットの列から円周方向にオフセットしている、請求項
3に記載の駆動システム。
【請求項5】
前記力吸収システムが、前記駆動連結器の中空で円筒形の近位端から形成され、前記駆動連結器の前記近位端から近位に延在する複数の力伝達タブを含み、前記力伝達タブは、角度付き駆動面に向かって前記力吸収システムに印加された直線力が前記力伝達タブを半径方向外側に偏向させるように、前記角度付き駆動面と係合するように構成された角度付き近位端を含み、係合突出部が、前記駆動システムの駆動シャフトと係合するために、前記中空で円筒形の近位端に位置付けられる、請求項1に記載の駆動システム。
【請求項6】
前記力伝達タブが、180度離れて位置付けられる、請求項
5に記載の駆動システム。
【請求項7】
前記力吸収システムが、前記駆動システムの駆動シャフトと係合するため
の近位端から近位に延在する係合突出部と、駆動シャフトと接触するように構成された前記係合突出部の各側面の前記駆動連結器
の近位端上の少なくとも1つの力吸収体とを含む、前記駆動連結器の円筒形近位端から形成される、請求項1に記載の駆動システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの力吸収体が、板ばねである、請求項
7に記載の駆動システム。
【請求項9】
前記力吸収システムが、前記駆動連結器の中空で円筒形の近位端から形成され、前記駆動連結器の前記中空で円筒形の近位端を形成する材料が、ウィングを形成する複数のリリーフスロットと、前記駆動システムの駆動シャフトと係合するための前記中空で円筒形の近位端に位置付けられた係合突出部とを含む、請求項1に記載の駆動システム。
【請求項10】
前記力吸収システムが、前記駆動連結器の中空で円筒形の近位端から形成され、前記駆動連結器の近位端から近位に延在し、かつ前記駆動システムの駆動シャフトと接触するように構成されている複数のペグを含む、請求項1に記載の駆動システム。
【請求項11】
前記ペグの少なくとも1つが、前記駆動連結器の前記近位端と整合された基部部分、および前記基部部分から半径方向内側に角度が付いた先端部分から形成される、請求項
10に記載の駆動システム。
【請求項12】
前記複数のペグが、4つのペグを含み、各々が、前記駆動連結器の前記近位端と整合された前記基部部分、および前記基部部分から半径方向内側に角度が付いた前記先端部分から形成される、請求項
11に記載の駆動システム。
【請求項13】
前記ペグの各々が、前記駆動連結器の前記近位端上の隣接するペグから円周方向に90度に位置付けられる、請求項
12に記載の駆動システム。
【請求項14】
前記力吸収システムが、前記駆動連結器の中空で円筒形の近位端から形成され、衝撃吸収体が、前記近位端の中空チャンバー内に位置付けられ、前記駆動システムの駆動シャフトと接触するように露出され、前記中空チャンバーの内面から半径方向内側に延在して前記駆動システムの前記駆動シャフト内の受容部と係合する複数のタブをさらに備える、請求項1に記載の駆動システム。
【請求項15】
前記衝撃吸収体が、コイルばねである、請求項
14に記載の駆動システム。
【請求項16】
前記力吸収システムが、前記駆動連結器の円筒形近位端、前記駆動連結器の前記円筒形近位端の外面から半径方向外側に延在するフランジ、および前記駆動連結器
の近位端に連結された衝撃吸収体から形成される、請求項1に記載の駆動システム。
【請求項17】
前記衝撃吸収体が、コイルばねである、請求項
16に記載の駆動システム。
【請求項18】
前記コイルばねが
、近位端で前記駆動連結器を少なくとも部分的に包含する、請求項
17に記載の駆動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、手持ち式回転式医療デバイスに関し、より具体的には、使い捨てシェーバーおよびバー(burr)を有する手持ち式回転式医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
手持ち式回転式医療デバイスは、典型的には、シェーバーまたはバーであることが多い取り外し可能な作業端部を含む。取り外し可能な作業端部は、典型的には、多数の解除可能な接続システムのうちのいずれか1つを介して手持ち式デバイスに取り付けられる。解除可能な接続システムにより、取り外し可能な作業端部が迅速かつ容易に取り外され、置き換えられるかまたは交換されることが可能になる。また、解除可能な接続システムにより、使い捨て作業端部が有効になり、かつ容易に置き換えられことが可能となる。
【発明の概要】
【0003】
駆動システムの駆動連結器に組み込まれた力吸収システムを含む手持ち式回転式医療デバイスのための駆動システムが開示される。力吸収システムは、駆動連結器に含まれてもよく、それによって、力吸収システムは、駆動連結器の長手方向軸と整合された直線力を吸収する。その結果、力吸収システムは、駆動シャフトおよび手持ち式筐体に対する、シェーバー、バーなどであってもよい回転式手術用具の制限された直線運動を可能にする。
【0004】
少なくとも1つの実施形態では、手持ち式回転式医療デバイスのための駆動システムは、駆動モーターと回転式手術用具との間に位置付けられるように構成された駆動連結器と、駆動連結器に組み込まれた力吸収システムとを含み、それによって、力吸収システムは、駆動連結器の長手方向軸と整合された直線力を吸収する。力吸収システムは、駆動連結器の中空で円筒形の近位端から形成され、駆動連結器の中空で円筒形の近位端を形成する材料は、複数のリリーフスロットと、駆動システムの駆動シャフトと係合するための中空で円筒形の近位端に位置付けられた係合突出部とを含む。複数のリリーフスロットの隣接するリリーフスロットは、互いから円周方向にオフセットしてもよい。複数のリリーフスロットは、列にまとめられてもよく、それによって、少なくとも1つの列が、駆動連結器の円周の約4分の1に各々広がる少なくとも2つのリリーフスロットを含む。リリーフスロットの列は各々、駆動連結器の円周の4分の1に各々広がる少なくとも2つのリリーフスロットを含んでもよく、リリーフスロットは、隣接するリリーフスロットの列から円周方向にオフセットしている。
【0005】
少なくとも1つの実施形態では、力吸収システムは、駆動連結器の中空で円筒形の近位端から形成されてもよく、駆動連結器の近位端から近位に延在する複数の力伝達タブを含んでもよい。力伝達タブは、角度付き駆動面に向かって力吸収システムに印加された直線力が力伝達タブを半径方向外側に偏向させるように、角度付き駆動面と係合するように構成された角度付き近位端を含んでもよい。力吸収システムは、駆動システムの駆動シャフトと係合するための中空で円筒形の近位端に位置付けられた係合突出部を含んでもよい。力伝達タブは、180度離れて位置付けられてもよい。
【0006】
少なくとも1つの実施形態では、力吸収システムは、駆動システムの駆動シャフトと係合するための近位端から近位に延在する係合突出部と、駆動シャフトと接触するように構成された係合突出部の各側面の駆動連結器の近位端上の少なくとも1つの力吸収体とを含む、駆動連結器の円筒形近位端から形成されてもよい。力吸収体は、板ばねであってもよいが、これに限定されない。
【0007】
少なくとも1つの実施形態では、力吸収システムは、駆動連結器の中空で円筒形の近位端から形成され、駆動連結器の中空で円筒形の近位端を形成する材料は、ウィングを形成する複数のリリーフスロットと、駆動システムの駆動シャフトと係合するための中空で円筒形の近位端に位置付けられた係合突出部とを含む。
【0008】
少なくとも1つの実施形態では、力吸収システムは、駆動連結器の中空で円筒形の近位端から形成されてもよく、駆動連結器の近位端から近位に延在し、かつ駆動システムの駆動シャフトと接触するように構成されている複数のペグを含んでもよい。ペグの少なくとも1つは、駆動連結器の近位端と整合された基部部分、および基部部分から半径方向内側に角度が付いた先端部分から形成されてもよい。複数のペグは、4つのペグを含んでもよく、各々が、駆動連結器の近位端と整合された基部部分、および基部部分から半径方向内側に角度が付いた先端部分から形成される。ペグの各々は、駆動連結器の近位端上の隣接するペグから円周方向に90度に位置付けられてもよい。
【0009】
少なくとも1つの実施形態では、力吸収システムは、駆動連結器の中空で円筒形の近位端から形成されてもよい。衝撃吸収体は、近位端の中空チャンバー内に位置付けられ、駆動システムの駆動シャフトと接触するように露出されてもよい。力吸収システムは、中空チャンバーの内面から半径方向内側に延在して、駆動システムの駆動シャフト内の受容部と係合する複数のタブを含んでもよい。少なくとも1つの実施形態では、衝撃吸収体は、コイルばねであってもよい。
【0010】
少なくとも1つの実施形態では、力吸収システムは、駆動連結器の円筒形近位端、駆動連結器の円筒形近位端の外面から半径方向外側に延在するフランジ、および駆動連結器の近位端に連結された衝撃吸収体から形成されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、衝撃吸収体は、コイルばねであってもよい。コイルばねは、近位端で駆動連結器を少なくとも部分的に包含してもよい。
【0011】
力吸収システムの1つの利点は、力吸収システムが使い捨て器具をモーター駆動と整合させることである。
【0012】
力吸収システムの別の利点は、力吸収システムが、遠位切断部材の位置を維持するために、使い捨て器具の内側部材に軸力を提供することである。
【0013】
力吸収システムのさらに別の利点は、力吸収システムが、使い捨て器具とモーター駆動との間の公差累積を低減することである。
【0014】
力吸収システムの別の利点は、力吸収システムが、内側ハブとモーター駆動との間の逃げの影響を最小限に抑えるための方法を提供することである。
【0015】
力吸収システムのさらに別の利点は、力吸収システムが、ばねリテーナーの必要性を排除することによってなど、構成要素の数を最小限に抑えながら、上記に列挙された利点を提供する低コストの方法であることである。
【0016】
これらおよび他の実施形態は、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】力吸収システムを含む駆動システムの駆動連結器を受容するように構成された、手持ち式回転式医療デバイスの斜視図である。
【
図2】切断線2-2に沿って取られた、
図1の手持ち式回転式医療デバイスの一部分の断面図である。
【
図3】
図2の力吸収システムを有する駆動連結器の近位端の部分斜視図である。
【
図4】
図3の力吸収システムを有する駆動連結器の近位端の別の斜視図である。
【
図5】切断線2-2に沿って取られた、力吸収システムの別の実施形態を有する
図1の手持ち式回転式医療デバイスの一部分の断面図である。
【
図6】
図5の力吸収システムを有する駆動連結器の近位端の部分斜視図である。
【
図7】
図6の力吸収システムを有する駆動連結器の近位端の別の斜視図である。
【
図8】切断線2-2に沿って取られた、力吸収システムのさらに別の実施形態を有する
図1の手持ち式回転式医療デバイスの一部分の断面図である。
【
図9】
図8の力吸収システムを有する駆動連結器の部分斜視図である。
【
図10】
図9の力吸収システムを有する駆動連結器の別の斜視図である。
【
図11】切断線2-2に沿って取られた、力吸収システムの別の実施形態を有する
図1の手持ち式回転式医療デバイスの一部分の断面図である。
【
図12】
図11の力吸収システムを有する駆動連結器の側面図である。
【
図13】
図11の力吸収システムを有する駆動連結器の斜視図である。
【
図14】切断線2-2に沿って取られた、力吸収システムの別の実施形態を有する
図1の手持ち式回転式医療デバイスの一部分の断面図である。
【
図15】
図14の力吸収システムを有する駆動連結器の斜視図である。
【
図16】
図14の力吸収システムを有する駆動連結器の近位端の側面図である。
【
図17】切断線2-2に沿って取られた、力吸収システムのさらに別の実施形態を有する
図1の手持ち式回転式医療デバイスの一部分の断面図である。
【
図18】
図17の力吸収システムを有する駆動連結器の斜視図である。
【
図19】
図17の力吸収システムを有する駆動連結器の近位端の部分斜視図である。
【
図20】
図17の力吸収システムを有する駆動連結器の近位端の別の部分斜視図である。
【
図21】切断線3-3に沿って取られた、力吸収システムのさらに別の実施形態を有する
図1の手持ち式回転式医療デバイスの一部分の断面図である。
【
図22】
図21の力吸収システムを有する駆動連結器の側面である。
【
図23】
図21の力吸収システムを有する駆動連結器の近位端の斜視図である。
【
図24】
図2の力吸収システムを有する駆動連結器の近位端の別の構成の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1~24に示されるように、駆動システム10の駆動連結器16に組み込まれた力吸収システム14を含む手持ち式回転式医療デバイス12のための駆動システム10が開示される。力吸収システム14は、駆動連結器16に含まれてもよく、それによって、力吸収システム14は、駆動連結器16の長手方向軸18と整合された直線力を吸収する。その結果、力吸収システム14は、駆動シャフト22および手持ち式筐体24に対する、シェーバー、バーなどであってもよい回転式手術用具20の制限された直線運動を可能にする。
【0019】
少なくとも1つの実施形態では、駆動システム10は、手持ち式回転式医療デバイス12のために構成されてもよい。駆動システム10は、駆動モーター26と回転式手術用具20との間に位置付けられるように構成された駆動連結器16を含んでもよい。駆動システム10はまた、駆動連結器16に組み込まれた力吸収システム14を含んでもよく、それによって、力吸収システム14は、駆動連結器16の長手方向軸18と整合された直線力を吸収する。
【0020】
少なくとも1つの実施形態では、
図2~4に示されるように、力吸収システム14は、駆動連結器16の中空で円筒形の近位端28から形成されてもよい。駆動連結器16の中空で円筒形の近位端28を形成する材料は、駆動システム10の駆動シャフト22に対する駆動連結器16の直線運動を可能にする直線力の下に置かれたときに偏向するように構成された、少なくとも1つのリリーフスロット30を含んでもよい。リリーフスロット30は、略細長形状であってもよく、長方形、卵形、楕円形などであってもよい。リリーフスロット30を形成する角は、丸みを帯びていてもよい。リリーフスロットは、駆動連結器16の周囲を略円周方向に延在するように位置付けられてもよく、これは、少なくとも1つの実施形態では、駆動連結器16の長手方向軸18に略直交してもよい。リリーフスロット30の円周長さは、任意の適切な長さであってもよい。少なくとも1つの実施形態では、リリーフスロット30の円周長さは、駆動連結器16の円周長さの約8分の1~4分の3、および少なくとも1つの実施形態では、駆動連結器16の全円周の4分の1~2分の1であってもよい。
【0021】
少なくとも1つの実施形態では、力吸収システム14は、
図2および3に示されるように、複数のリリーフスロット30を含んでもよい。複数のリリーフスロット30は、複数のリリーフスロット30の隣接するリリーフスロット30が互いから円周方向にオフセットするように構成されてもよい。複数のリリーフスロット30は、1つ以上のリリーフスロット30の列34にまとめられてもよい。列34は、直線的に分離されてもよく、列34は、駆動連結器16の周囲を円周方向に延在してもよい。少なくとも1つの実施形態では、2つ以上のリリーフスロット30が、列34にまとめられてもよい。単一の列34を形成する複数のリリーフスロット30は、駆動連結器16の周囲を円周方向に端部から端部まで延在してもよい。単一の列34を形成する複数のリリーフスロット30は各々、駆動連結器16の円周長さの約8分の1~2分の1、および少なくとも1つの実施形態では、駆動連結器16の円周の4分の1などであるがこれに限定されない、駆動連結器16の円周長さの8分の1~2分の1であってもよい。隣接する列34の隣接するリリーフスロット30は、隣接する列34のリリーフスロット30から円周方向にオフセットしてもよい。少なくとも1つの実施形態では、リリーフスロット30の隣接する列34は、約20度~約180度円周方向にオフセットしていてもよく、少なくとも1つの実施形態では、円周方向に約90度オフセットしてもよい。単一の列34の両側の隣接する列34のリリーフスロット30は、互いに整合されてもよく、中央列34を形成するリリーフスロット34は、2つの隣接する列34に対してオフセットしてもよい。駆動連結器16には、リリーフスロット30の任意の適切な数の列34があってもよい。少なくとも1つの実施形態では、駆動連結器16は、1~6つの列34を含んでもよく、特に、限定ではなく、リリーフスロット30の3つの列34を含んでもよい。
【0022】
図3および4に示されるように、力吸収システム14は、駆動システム10の駆動シャフト22と係合するための中空で円筒形の近位端28に位置付けられた係合突出部32を含んでもよい。係合突出部32は、係合突出部32を介して駆動シャフト22から駆動連結器16に回転運動を伝達するための任意の適切な構成を有してもよい。少なくとも1つの実施形態では、駆動シャフト22は、係合突出部32を受容するためのスロット36を含んでもよい。係合突出部32は、丸みを帯びた縁部を有してもよく、駆動シャフト22のスロット36への滑らかな挿入を容易にするために丸みを帯びた端部を有してもよい。
【0023】
別の実施形態では、
図24に示されるように、力吸収システム14は、リリーフスロットが別の構成を有し得ることを除いて、
図2~4に示される実施形態と同様に形成されてもよい。したがって、
図24に示される実施形態は、上記に列挙され、
図2~4に示される要素を含んでもよく、ここで詳細に考察される。むしろ、上の説明は、
図24の説明のために本明細書に組み込まれる。さらに、
図24の力吸収システム14のリリーフスロット30のうちの1つ以上は、駆動連結器16の長手方向軸18に対して非直交および非平行に位置付けられてもよい。リリーフスロット30は、リリーフスロット30が駆動連結器16の周囲を円周方向に延在する際に、リリーフスロット30が駆動連結器16の長手方向軸18に対して角度が付けられるようにらせん状構成を形成してもよい。リリーフスロット30は、互いに平行に整合されてもよい。他の実施形態では、らせん状リリーフスロット30のうちの1つ以上は、互いに対して不整合であってもよい。
【0024】
図5~7に示されるように、駆動連結器16の別の実施形態では、力吸収システム14は、駆動連結器16の中空で円筒形の近位端28から形成されてもよく、駆動連結器16の近位端28から近位に延在する複数の力伝達タブ38を含んでもよい。力伝達タブ38は、角度付き駆動面40に向かって力吸収システム14に印加された直線力が力伝達タブ38を半径方向外側に偏向させ、駆動連結器16の長手方向軸18に沿った駆動連結器16の制限された直線運動を可能にするように、角度付き駆動面40と係合するように構成された角度付き近位端28を含んでもよい。力伝達タブ38の屈曲は、力が駆動連結器16から取り除かれてそれを近位方向に押すとき、屈曲したタブ38が駆動連結器16の長手方向軸18に沿って遠位方向に直線的に駆動連結器16を移動させる、タブ38内に蓄えられた力を半径方向外側に生み出す。
【0025】
力伝達タブ38は、任意の適切な構成を有してもよい。少なくとも1つの実施形態では、力伝達タブ38は、角度付き駆動面40と接触するように構成された角度付き接触面42を有してもよい。力伝達タブ38の角度付き接触面42は、タブ38がタブ38上に先端44を含み、それによって、先端44がタブ38の半径方向最も外側の部分上にあるように構成されてもよい。力伝達タブ38の角度付き接触面42は、先端44から半径方向内側に延在してもよい。少なくとも1つの実施形態では、力伝達タブ38の角度付き接触面42はまた、先端44から遠位に延在してもよい。対応する角度付き駆動面40は、近位直径よりも小さい遠位直径を有する角度付き表面を有してもよい。角度付き駆動面40は、駆動連結器16が駆動連結器16の長手方向軸18に沿って直線的に移動するとき、力伝達タブ38が角度付き駆動面40と接触するように、駆動システム10内に位置付けられてもよい。角度付き駆動面40は、駆動連結器16の長手方向軸18と整合された長手方向軸を有する円錐面であってもよい。
【0026】
駆動連結器16は、1つ以上の力伝達タブ38を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態では、駆動連結器16は、2つ以上の力伝達タブ38を含んでもよい。2つの力伝達タブ38を有する一実施形態では、力伝達タブ38は、180度離れて位置付けられてもよい。2つを超える力伝達タブ38を有する実施形態では、力伝達タブ38は、互いから等距離離間していてもよく、または代替的な構成であってもよい。
【0027】
駆動連結器16は、長手方向軸18に沿った駆動連結器16の直線運動の量を制限するように構成された1つ以上の停止部46を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態では、
図5および6に示されるように、駆動連結器16は、2つの停止部46を含んでもよい。停止部46は、互いに分離していてもよく、各停止部46は、力伝達タブ38の間に位置付けられている。停止部46は、力伝達タブ38と同様に、駆動連結器16の半径方向外面に隣接して位置付けられてもよい。停止部42は、角度付き駆動面40からの突出部50と接触する曲面48を有して構成されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、突出部50は、角度付き駆動面40上に約180度離れて位置付けられてもよい。
【0028】
図6および
図7に示される駆動連結器はまた、駆動システム10の駆動シャフト22と係合するための中空で円筒形の近位端28に位置付けられた係合突出部32を含んでもよい。
図2に示される係合突出部32は、
図3および
図4に示される係合突出部32と類似していてもよい。
【0029】
力吸収システム14の別の実施形態では、
図8~10に示されるように、力吸収システム14は、駆動システム10の駆動シャフト22と係合するための近位端28から近位に延在する係合突出部32を含む、駆動連結器16の円筒形近位端28から形成されてもよい。
図3に示される係合突出部32は、
図3および
図4に示される係合突出部32と類似してもよい。
図3に示される係合突出部32は、駆動連結器16の任意の他の部分よりも近位にさらに延在してもよい。
図3に示される係合突出部32は、プレート52から延在してもよい。
【0030】
図8~10に示される力吸収システム14は、駆動シャフト22と接触するように構成された係合突出部32の各側面上の駆動連結器16の近位端28上に、少なくとも1つの力吸収体54を含んでもよい。力吸収体54は、駆動連結器16の長手方向軸18に沿った駆動連結器16の直線運動を可能にするが、そのような運動に対する抵抗も提供するように構成されてもよい。駆動連結器16が力吸収体54に対してさらに近位に移動するにつれて、駆動連結器16に対して力吸収体54に与えられる力の量は、増加する。少なくとも1つの実施形態では、力吸収体54は、近位端28を形成するプレート52から駆動連結器16まで近位に突出してもよい。少なくとも1つの実施形態では、力吸収システム14は、2つ以上の力吸収体54を含んでもよい。力吸収体54は、駆動連結器16の近位端28から近位に延在してもよく、係合突出部32の対向面上に位置付けられてもよい。力吸収体54は、プラスチック、金属、およびゴムなどの柔軟な材料などであるがこれらに限定されない、任意の適切な材料から形成されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、プラスチック力吸収体54は、駆動連結器16の一部であるように構成されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、力吸収体54は、板ばねであってもよい。
【0031】
力吸収システム14の別の実施形態では、
図11~13に示されるように、力吸収システム14は、駆動連結器16の中空で円筒形の近位端28から形成されてもよく、駆動連結器16の中空で円筒形の近位端28を形成する材料は、ウィング56を形成する少なくとも1つのリリーフスロット30を含む。ウィング56は、駆動連結器16の長手方向軸18と整列された近位方向のウィング56の幅が、同じ方向で測定される隣接するリリーフスロットの幅よりも大きいように形成されてもよい。ウィング56は、湾曲して、駆動連結器16の周囲を円周方向に移動してもよい。特に、ウィング56は、第1の取り付け点58から、駆動連結器16の一部分の周囲を円周方向および近位に、第1の取り付け点58と第2の取り付け点60との間の中間点62まで延在してもよい。中間点62から第2の取り付け点60まで、ウィング56は、駆動連結器16の一部分の周囲を円周方向および遠位に、第2の取り付け点60まで延在する。少なくとも1つの実施形態では、力吸収システム14は、2つ以上のウィング56を含んでもよい。2つのウィング56を有する一実施形態では、ウィング56は、同一の長さまたは異なる長さを有してもよい。ウィング56は、駆動連結器の円周の4分の3未満にわたって延在してもよい。少なくとも1つの実施形態では、ウィング56は両方とも、駆動連結器の円周長さの2分の1以下の長さを有してもよい。そのような構成では、
図11~13に示されるように、ウィングは、駆動連結器16の長手方向軸18に直交して見たときに非直線的であってもよく、駆動連結器16の長手方向軸18に直交して延在する溝64を形成してもよい。駆動連結器16が駆動シャフト22に取り付けられたとき、突出部66は、駆動シャフト22から半径方向外側に延在し、ウィング56の間に形成された溝64内に存在してもよい。
【0032】
図11~13に示される駆動連結器はまた、駆動システム10の駆動シャフト22と係合するための中空で円筒形の近位端28に位置付けられた係合突出部32を含んでもよい。
図4に示される係合突出部32は、
図1に示される係合突出部32と類似していてもよく、
図3および
図4の係合突出部32に関連して上の説明に記載されるように構成されてもよい。
【0033】
力吸収システム14の別の実施形態では、
図14~16に示されるように、力吸収システム14は、駆動連結器16の中空で円筒形の近位端28から形成されてもよく、駆動連結器16の近位端28から近位に延在し、かつ駆動システム10の駆動シャフト22と接触するように構成された複数のペグ68を含んでもよい。1つ以上のペグ68は、駆動連結器16の近位端28と整合された基部部分70、および基部部分70から半径方向内側に角度が付いた先端部分72から形成されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、力吸収システム14は、2つのペグ68を含んでもよく、各々は、駆動連結器16の長手方向軸18と整合され、かつ駆動連結器16の近位端28から延在する基部部分70、および基部部分70から半径方向内側に角度が付いた先端部分72から形成される。力吸収システム14が複数のペグ68を含む場合、ペグ68は、互いから等距離に、または別の様式で位置付けられてもよい。4つのペグ68を有する一実施形態では、ペグ68の各々は、駆動連結器16の近位端28上の隣接するペグ68から円周方向に180度に位置付けられてもよい。少なくとも1つの実施形態では、ペグ68の基部部分70は、駆動連結器16の近位端28から近位に延在し、近位端28の周辺部76から延在する。ペグ68の厚さは、ペグ68を形成するために使用される材料、および駆動連結器16に印加される予想される直線力に基づいて決定され得る。ペグ68は、半径方向外側に屈曲して、駆動連結器16の制限された直線運動を提供する一方で、力が駆動連結器16から取り除かれてそれを近位方向に押すとき、屈曲したペグ68が駆動連結器16の長手方向軸18に沿って遠位方向に直線的に駆動連結器16を移動させる、ペグ68内に蓄えられた直線力を生み出すように構成されてもよい。
【0034】
図14~16に示される駆動連結器はまた、駆動システム10の駆動シャフト22と係合するための中空で円筒形の近位端28に位置付けられた係合突出部32を含んでもよい。
図6に示される係合突出部32は、
図1に示される係合突出部32と類似していてもよく、
図3および
図4の係合突出部32に関連して上の説明に記載されるように構成されてもよい。
【0035】
力吸収システム14の別の実施形態では、
図17~20に示されるように、力吸収システム14は、駆動連結器16の中空で円筒形の近位端28から形成されてもよく、衝撃吸収体78は、近位端28の中空チャンバー80内に位置付けられ、駆動システム10の駆動シャフト22と接触するように露出される。衝撃吸収体78は、駆動シャフト22と接触して、駆動連結器16の制限された直線運動を提供する一方で、力が駆動連結器16から取り除かれてそれを近位方向に押すとき、衝撃吸収体78が駆動連結器16の長手方向軸18に沿って遠位方向に直線的に駆動連結器16を移動させる、衝撃吸収体78内に蓄えられた直線力を生み出すように位置付けられてもよい。衝撃吸収体78は、任意の適切な材料から形成されてもよく、コイルばねであってもよい。力吸収システム14はまた、中空チャンバー80の内面84から半径方向内側に延在して、駆動システムの駆動シャフト22内の受容部88と係合する複数のタブ82を含んでもよい。(
図7)タブ82は、駆動シャフト22から駆動連結器16への回転の動きを伝達するための任意の適切なサイズおよび数であってもよい。少なくとも1つの実施形態では、力吸収システム14は、2つのタブ82を含んでもよい。
【0036】
力吸収システム14の別の実施形態では、
図21~23に示されるように、力吸収システム14は、駆動連結器16の円筒形近位端28、駆動連結器16の円筒形近位端28の外面92から半径方向外側に延在するフランジ90、および駆動連結器16の近位端28に連結された衝撃吸収体94から形成されてもよい。衝撃吸収体94は、駆動連結器16の外面の周囲に延在してもよい。衝撃吸収体94は、衝撃吸収体94が駆動シャフト22と接触するとき、フランジ90を押し付けてもよい。衝撃吸収体94は、任意の適切な材料から形成されてもよく、コイルばねであってもよい。少なくとも1つの実施形態では、コイルばね94は、近位端28で駆動連結器16を少なくとも部分的に包含してもよい。
【0037】
図5に示される力吸収システム14は、駆動システム10の駆動シャフト22と係合するための近位端28から近位に延在する係合突出部32を含む、駆動連結器16の円筒形近位端28から形成されてもよい。
図5に示される係合突出部32は、
図1に示される係合突出部32と類似していてもよい。
図5に示される係合突出部32は、駆動連結器16の任意の他の部分よりも近位にさらに延在してもよい。
【0038】
上記は、本発明の実施形態を例示、説明、および記載するために提供される。これらの実施形態に対する修正および適合は、当業者に明らかであり、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく行われ得る。