(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】容器内で所定量の未処理のパスタを調理するための機械
(51)【国際特許分類】
A47J 27/04 20060101AFI20240606BHJP
A47J 27/16 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
A47J27/04 A
A47J27/16 D
(21)【出願番号】P 2021561783
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 IB2020053616
(87)【国際公開番号】W WO2020212909
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-03-29
(31)【優先権主張番号】102019000005912
(32)【優先日】2019-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520407079
【氏名又は名称】パスティフィッチョ・ラナ・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ルカ・ラナ
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト・ルイジ・コローニ
(72)【発明者】
【氏名】マッティア・デ・サンティス
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0256287(US,A1)
【文献】特開平06-304067(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0199748(US,A1)
【文献】特開平07-087915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00-36/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内で所定量の未処理のパスタを調理するための機械であって、前記機械(2)が、
- 前記所定量の未処理のパスタの上で前記容器(3)内に温水を選択的に注入するための温水供給パイプ(7)と;
- 前記温水の注入から独立して前記容器(3)内に蒸気を選択的に注入するための蒸気供給パイプ(8)と;
- 前記容器(3)内に温水を送達するために前記温水供給パイプ(7)に接続された少なくとも1つの第1ノズル(22)と、前記容器(3)内に蒸気を送達するために前記蒸気供給パイプ(8)に接続された少なくとも1つの第2ノズル(23)と、を備えているディスペンサ(11)と:
を備え
、
前記温水供給パイプ(7)が、前記第1ノズル(22)に温水を選択的に供給するように構成された第1ソレノイドバルブ(20)を備えていることを特徴とする機械。
【請求項2】
前記ディスペンサ(11)が、前記容器(3)のための蓋を規定するような形状とされていることを特徴とする請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記機械が、ボイラ(5)であって、前記ボイラ(5)の内部に熱交換器(6)が設置された、ボイラ(5)と、前記熱交換器(6)及び前記ボイラ(5)に供給するための冷水供給パイプ(4)と、を備え;前記温水供給パイプ(7)が、前記熱交換器(6)を前記第1ノズル(22)と接続し;前記蒸気供給パイプ(8)が、前記ボイラ(5)を前記第2ノズル(23)と接続することを特徴とする請求項1又は2に記載の機械。
【請求項4】
前記ボイラ(5)が、タンク(18)と、前記ボイラ(5)内に収納された複数の電気抵抗器(19)と、を備え、特に、各電気抵抗器(19)が、独立して選択的に動作させられ得ることを特徴とする請求項3に記載の機械。
【請求項5】
前記ボイラ(5)が、前記ボイラ(5)内の水位に関連する第1信号を取得するためのレベルセンサ(L)を備え;前記冷水供給パイプ(4)が、前記第1信号に応じて前記ボイラ(5)に選択的に供給するために切替ソレノイドバルブ(17)を備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の機械。
【請求項6】
前記冷水供給パイプ(4)が、水供給部との接続部(14)及び/又はウォータータンクと、ポンプ(16)と、を備えていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の機械。
【請求項7】
前記冷水供給パイプ(4)が、水濾過のためのフィルタ(15)を備えていることを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の機械。
【請求項8】
前記第1ソレノイドバルブ(20)が、前記温水供給パイプ(7)から温水を排出するように構成されていることを特徴とする請求項
1から7のいずれか一項に記載の機械。
【請求項9】
前記温水供給パイプ(7)が、前記温水供給
パイプ(7)内の温度に関連する第2信号を発するように構成された温度センサ(T)を備えていることを特徴とする請求項1から
8のいずれか一項に記載の機械。
【請求項10】
前記蒸気供給パイプ(8)が、前記第2ノズル(23)に蒸気を選択的に供給するように構成された第2ソレノイドバルブ(21)を備えていることを特徴とする請求項1から
9のいずれか一項に記載の機械。
【請求項11】
前記第2ソレノイドバルブ(21)が、前記蒸気供給パイプ(8)から蒸気を排出するように構成されていることを特徴とする請求項
10に記載の機械。
【請求項12】
前記蒸気供給パイプ(8)が、前記蒸気供給パイプ(8)内の蒸気圧力に関連する第3信号を発するように構成された圧力センサ(P)を備えていることを特徴とする請求項1から
11のいずれか一項に記載の機械。
【請求項13】
前記機械が、前記温水供給パイプ(7)及び前記蒸気供給パイプ(8)を互いに独立して制御するように構成された制御ユニット(12)と;前記温水供給パイプ(7)及び前記蒸気供給パイプ(8)の制御をプログラムするために前記制御ユニット(12)に接続されたユーザインターフェース(13)と;を備えていることを特徴とする請求項1から
12のいずれか一項に記載の機械。
【請求項14】
前記制御ユニット(12)が、マイクロプロセッサ(24)と;所定量のパスタを調理するための複数の異なるレシピに対応する複数の異なる調理手順を記憶するように構成されたメモリ(25)と;を備えていることを特徴とする請求項
13に記載の機械。
【請求項15】
所定量の未処理のパスタを調理するためのシステムであって、
前記システムが、請求項1から
14のいずれか一項に記載の機械(2)と、容器(3)であって、ベース壁部(26)と、側壁部(27)と、前記ベース壁部(26)の反対側にありかつ縁部(29)によって境界を定められた開口部(28)と、を備える、容器(3)と、を備え;前記側壁部(27)に含まれる2つのポイントの間の最大距離が、前記ベース壁部(26)と前記開口部(28)の前記縁部(29)との間の距離よりも大きく、特に、前記側壁部(27)に含まれる2つのポイントの間の最大距離が、前記ベース壁部(26)と前記開口部(28)の前記縁部(29)との間の距離の2倍よりも大きいことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2019年4月16日付けで出願されたイタリア特許出願第102019000005912号からの優先権を主張するものであり、この出願の開示全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、所定量の食品(a dose of food)を調理するための機械に関する。
【0003】
特に、本発明は、容器内で所定量の未処理のパスタ(a dose of raw pasta)を調理するように構成された機械に関する。機械は、一般性を失うことなく、外食現場、例えばレストラン又はバーと、家庭と、の双方で使用されるように構成されている。
【背景技術】
【0004】
一般に、所定量の食品を調理するための機械は、蒸気発生器と、所定量の食品を収容する容器内に蒸気を供給するためのノズルと、を備えている。
【0005】
特に、特許文献1は、蒸気発生器と、蒸気を供給するためのノズルを有する棒部と、を備える、容器内で食品を調理するための装置を開示している。
【0006】
現在公知の調理機械は、所定量のパスタの官能特性を維持すると同時に、クイックサービス食品分野で要求される、短時間で所定量のパスタを調理することができない。
【0007】
さらに、現在公知の調理機械は、特定の必要性に基づいて調理手順を変更することができないので、柔軟性がほとんどない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2010/0151092号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、従来技術の欠点を減少することができる機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、容器内で所定量の未処理のパスタを調理するための機械であって、機械が、
- 所定量のパスタの上で容器内に温水を選択的に注入するための温水供給パイプと;
- 水の注入から独立して容器内に蒸気を選択的に注入するための蒸気供給パイプと;
- 容器内に温水を送達するために温水供給パイプに接続された少なくとも1つの第1ノズルと、容器内に蒸気を送達するために蒸気供給パイプに接続された少なくとも1つの第2ノズル(23)と、を備えているディスペンサと;
を備えている機械が提供される。
【0011】
このようにして、1つのシングルノズルが、容器に対して配置される必要があり、蒸気及び水は、同時にかつ/又は任意の順番により供給され、これにより、異なるタイプのパスタの調理の時間及び品質を最適化することができる。
【0012】
特に、ディスペンサは、前記容器のための蓋を規定するような形状とされている。
【0013】
このようにして、ディスペンサは、蓋としても働き、このため、ディスペンサと容器との間の相対的な位置決めは、閉鎖された区画の規定をもたらし、温水及び蒸気が、閉鎖された区画内に注入され、閉鎖された区画は、蓋により、容器の外部の周囲圧力に対してわずかに過圧に保たれる。
【0014】
特に、機械が、熱交換器を収納するボイラと、熱交換器及びボイラに供給するための冷水供給パイプと、を備え;前記温水供給パイプが、前記熱交換器を第1ノズルに接続し;前記蒸気供給パイプが、ボイラを第2ノズルに接続する。
【0015】
このようにして、ボイラは、水が蒸発することを可能にする熱を提供し、熱交換器の内部の水を加熱する。
【0016】
特に、前記ボイラが、タンクと、前記ボイラ内に収納された複数の電気抵抗器と、を備え、特に、各電気抵抗器が、独立して選択的に動作させられ得る。
【0017】
このようにして、電流が貫流する複数の電気抵抗器を制御し、これにより、タンクの内部で水に伝達される熱量を減少させることが可能である。
【0018】
特に、ボイラが、ボイラ内の水位に関連する第1信号を取得するためのレベルセンサを備え;冷水供給パイプが、前記第1信号に応じてボイラに選択的に供給するために切替ソレノイドバルブを備えている。
【0019】
このようにして、切替ソレノイドバルブが、特定の必要性に応じて、冷水供給パイプから来る冷水の流れを熱交換器又はボイラに選択的に導くために動作させられ得る。
【0020】
特に、ボイラの内部の水位が所定の閾値を下回ると、切替ソレノイドバルブが、冷水の流れをボイラに導くために動作させられる。
【0021】
特に、冷水供給パイプが、順に、水供給部との接続部及び/又はウォータータンクと、ポンプと、を備えている。
【0022】
このようにして、ポンプが、冷水を熱交換器及び/又はボイラに供給することを可能にするために、所定の水頭を提供する。
【0023】
より詳細に、冷水供給パイプが、水濾過のためのフィルタを備えている。
【0024】
このようにして、冷水供給パイプの水は、不純物を除去するためにかつ機械の構成要素が損傷されることを防止するために、濾過される。
【0025】
特に、温水供給パイプが、第1ノズルに温水を選択的に供給するように構成された第1ソレノイドバルブを備えている。
【0026】
このようにして、容器内への温水の注入は、制御され得る。
【0027】
特に、第1ソレノイドバルブが、温水供給パイプから温水を排出するように構成されている。
【0028】
このようにして、容器内に注入される水の温度は、調節され得る。
【0029】
特に、温水供給パイプが、温水供給ライン内の温度に関連する第2信号を発するように構成された温度センサを備えている。
【0030】
温度センサにより、容器内に注入される水の温度を調節するために、温水供給パイプ内の水の温度の測定を得ることが可能である。
【0031】
特に、蒸気供給パイプが、第2ノズルに蒸気を選択的に供給するように構成された第2ソレノイドバルブを備えている。
【0032】
このようにして、容器内への蒸気の注入は、制御され得る。
【0033】
特に、第2ソレノイドバルブが、蒸気供給パイプから蒸気を排出するように構成されている。
【0034】
このようにして、容器内に注入される蒸気の圧力及び温度を調節することが可能である。
【0035】
特に、蒸気供給パイプが、蒸気供給パイプ内の蒸気圧力に関連する第3信号を発するように構成された圧力センサを備えている。
【0036】
圧力センサにより、容器内に注入される蒸気の特性を調節するために、蒸気供給パイプ内の蒸気の圧力の測定を得ることが可能である。
【0037】
特に、蒸気圧力の測定に基づいて、蒸気供給パイプ内の蒸気の温度を決定することが可能である。従って、容器内に注入される蒸気の温度を調節することが可能である。
【0038】
特に、機械が、温水供給パイプ及び蒸気供給パイプを互いに独立して制御するように構成された制御ユニットと;温水供給パイプ及び蒸気供給パイプの制御をプログラムするために制御ユニットに接続されたユーザインターフェースと;を備えている。
【0039】
このようにして、制御ユニットが、所定量のパスタの調理動作を自動的に扱うことができる。
【0040】
特に、制御ユニットが、ポンプ、切替ソレノイドバルブ、電気抵抗器、第1の三方ソレノイドバルブ及び第2の三方ソレノイドバルブを制御し、かつポンプ、温度センサ及び圧力センサから信号を受信するように構成されている。
【0041】
より詳細に、本発明により、制御ユニットは、容器内への温水の注入と同時に容器内への蒸気の注入を制御することができる。
【0042】
さらに、ユーザインターフェースにより、人間のオペレータが、例えば容器内への温水又は蒸気の注入が行われる時間間隔と、容器内への温水及び蒸気の注入の順番と、を含む調理パラメータを手動で設定することができる。
【0043】
特に、制御ユニットが、マイクロプロセッサと;所定量のパスタを調理するための複数の異なるレシピに対応する複数の異なる調理手順を記憶するように構成されたメモリと;を備えている。
【0044】
マイクロプロセッサにより、制御ユニットは、複雑な制御ロジックを通じて、所定量のパスタの調理動作をプログラム及び制御することができる。
【0045】
さらに、メモリにより、新しいレシピを記憶し、特定の必要性に応じて所定量のパスタを調理するために複数の記憶されたレシピからレシピを選択することが可能である。
【0046】
本発明の別の目的は、所定量の未処理のパスタを調理するためのシステムであって、システムが、上述した機械と、容器であって、ベース壁部と、側壁部と、ベース壁部の反対側にありかつ縁部によって境界を定められた開口部と、を備える、容器と、を備え;側壁部に含まれる2つのポイントの間の最大距離が、ベース壁部と開口部の縁部との間の距離よりも大きく、特に、側壁部に含まれる2つのポイントの間の最大距離が、ベース壁部と開口部の縁部との間の距離の2倍よりも大きいシステムを提供することである。
【0047】
所定量のパスタを調理するためのシステムにより、容器の内部に収容された所定量のパスタは、均一に広がった様式で、温水で濡らされ、これにより、所定量のパスタの調理を容易にする。
【0048】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付の図面を参照する、その非限定的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】所定量の未処理のパスタを調理するためのシステムの概略図である。
【
図2】
図1の、所定量の未処理のパスタを調理するためのシステムの容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1を参照すると、符号1は、全体として、所定量のパスタを調理するためのシステム1を示す。
【0051】
システム1は、所定量の未処理のパスタを調理するための機械2と、所定量のパスタを収容するように構成された容器3と、を備えている。所定量のパスタは、容器3の内部に配置された複数の単体パスタ要素を含み、単体要素の間には空間がある。
【0052】
機械2は、冷水供給パイプ4と;冷水供給パイプ4に液圧接続され、かつ熱交換器6を収納するボイラ5と;温水供給パイプ7と;蒸気供給パイプ8と;温水放出部9と;蒸気放出部10と;ディスペンサ11と;制御ユニット12と;ユーザインターフェース13と;を備えている。
【0053】
冷水供給パイプ4は、順に、冷水の基本的に制限されない供給を保証する、水供給ネットワークへの接続部14と;水の不純物を除去するために水供給ネットワークから来る水の濾過を保証するように構成されたフィルタ15と;水が機械2の内部で流れることを可能にするのに十分な水圧を提供するように構成されたポンプ16と;ボイラ5又は熱交換器6に選択的に供給するように構成された切替ソレノイドバルブ17と;を備えている。
【0054】
添付の図面には示されない、好ましい実施形態の変形例によれば、接続部14は、水を収容するように構成されたウォータータンクによって置換される。
【0055】
ボイラ5は、タンク18と、複数の電気抵抗器19と、ボイラ5内の水位に関連する信号を発するように構成されたレベルセンサLと、を備えている。
【0056】
特に、ボイラ5の内部での水位が、所定の閾値を下回ると、切替ソレノイドバルブ17は、ボイラ5を冷水で再充填するために冷水の流れをボイラ5に導くために動作させられる。
【0057】
切替ソレノイドバルブ17は、ボイラ5の内部での所定の最大水位に到達するまで、冷水をボイラ5に導くように構成されている。
【0058】
ボイラ5には、冷水供給パイプ4によって冷水が供給され、冷水は、ボイラ5の下方部分内に導入され、ボイラ5は、続いて、蒸気供給パイプ8に蒸気を供給し、蒸気供給パイプ8は、タンク18の上方部分に配置された開口部を通じてボイラ5に液圧接続されている。
【0059】
熱交換器6には、冷水供給パイプ4によって冷水が供給され、熱交換器6は、続いて、温水供給パイプ7に温水を供給する。
【0060】
図1に示される例では、ボイラ5は、タンク18内に収容された水に伝達される熱量を調節するために3つの電気抵抗器19を備え、3つの電気抵抗器19は、互いに電気的に並列接続され、独立様式で動作させられ得る。
【0061】
温水供給パイプ7は、熱交換器6をディスペンサ11に液圧接続し、温水供給パイプ7内の温度に関連する第1信号を発するように構成された温度センサTと、温度センサTの下流に配置されたソレノイドバルブ20であって、温水をディスペンサ11に選択的に供給し、必要であれば温度センサTによって測定された温度値に応じて温水供給パイプ7から水を排出するように構成された、ソレノイドバルブ20と、を備えている。
【0062】
より詳細に、温度センサTによって測定された温度値が所定の閾値を超えると、ソレノイドバルブ20は、温水の流れを温水放出部9に向かって導くために動作させられる。
【0063】
このようにして、容器3内に注入される温水の温度は、94℃と100℃との間、好ましくは96℃と98℃との間に含まれるように調節される。
【0064】
蒸気供給パイプ8は、ボイラ5をディスペンサ11に液圧接続し、蒸気供給パイプ8内の圧力に関連する信号を発するように構成された圧力センサPと、圧力センサPの下流に配置されたソレノイドバルブ21であって、ディスペンサ11に蒸気を選択的に供給し、必要であれば蒸気圧力に関連する信号に応じて蒸気供給パイプ8から蒸気を排出するように構成された、ソレノイドバルブ21と、を備えている。
【0065】
特に、圧力センサPによって測定された圧力値が、所定の閾値を超えると、ソレノイドバルブ21は、蒸気の流れを蒸気放出部10に向かって導くために動作させられる。
【0066】
このようにして、蒸気供給パイプ8の内部の蒸気圧力は、1.1barと3barとの間、好ましくは1.1barと1.5barとの間に含まれるように調節される。
【0067】
ディスペンサ11は、容器3に温水を送達するために温水供給パイプ7に接続されたノズル22と、容器3に蒸気を送達するために蒸気供給パイプ8に接続された少なくとも1つのノズル23と、を備えている。
【0068】
ディスペンサ11は、ディスペンサ11の下に配置された容器3のための蓋を規定するようなサイズとされている。
【0069】
制御ユニット12は、所定量のパスタの調理動作を制御するように構成されたマイクロプロセッサ24を備えている。
【0070】
好ましい実施形態によれば、PLCが、マイクロプロセッサ24に統合されている。
【0071】
用語“PLC”は、プログラマブルロジックコントローラを意味する。より詳細に、“PLC”は、産業プロセスにおいて制御及び自動化問題に対処して解決するように構成されたデジタルプロセッサである。
【0072】
特に、制御ユニット12は、ポンプ16、温度センサT、圧力センサP及びレベルセンサLから受信した信号に基づいて、ポンプ16、切替ソレノイドバルブ17、電気抵抗器19及びソレノイドバルブ20,21を制御するように構成されている。
【0073】
好ましい実施形態によれば、制御ユニット12は、容器3内への蒸気の注入から独立して、容器3内への温水の注入を制御するように構成されている。
【0074】
特定の実施形態では、制御ユニット12は、容器3内への蒸気の注入と同時に容器3内への温水の注入を制御することができる。
【0075】
さらに、制御ユニット12は、形態、幾何学形状及び組成の観点から異なるタイプの所定量のパスタを調理するための複数の異なるレシピに対応する複数の異なる調理手順を記憶するように構成されたメモリ25を備えている。
【0076】
ユーザインターフェース13は、温水供給パイプ7及び蒸気供給パイプ8の制御をプログラムするために、制御ユニット12に接続されている。
【0077】
特に、ユーザインターフェース13は、人間のオペレータが、例えば容器3内への温水又は蒸気の注入が行われる時間間隔又は容器3内への温水及び蒸気の注入の順番などの調理パラメータを手動で設定することと、この情報をメモリ25内に記憶することと、を可能にするように構成される。
【0078】
より詳細に、人間のオペレータは、ユーザインターフェース13を通じて、メモリ25に記憶された複数のレシピから特定のレシピを選択することができるか、又はメモリ25に記憶されるべき新たなレシピを入力することができる。
【0079】
図2及び
図3を参照すると、容器3は、ベース壁部26と、側壁部27と、ベース壁部26の反対側にある開口部28と、を備え;ベース壁部26に沿った、側壁部27に含まれる2つのポイントの間の最大距離が、ベース壁部26と開口部28の縁部29との間の距離よりも大きい。
【0080】
特に、
図3を参照すると、ベース壁部26に沿った、側壁部27の2つのポイントの間の最大距離D1が、ベース壁部26と開口部28の縁部29との間の距離D2の2倍よりも大きい。
【0081】
言い換えると、容器3は、その高さの2倍よりも大きい水平方向寸法を有する。
【0082】
図2及び
図3に示される例では、容器3は、円形状を有するベース壁部26と、若干フレア状の側壁部27と、を有する。この形態では、ベース壁部26の直径は、ベース壁部26と開口部28の縁部29との間の距離の2倍よりも大きい。
【0083】
変更が、添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく本発明になされ得ることは明らかである。
【符号の説明】
【0084】
2 機械、3 容器、4 冷水供給パイプ、5 ボイラ、6 熱交換器、7 温水供給パイプ、8 蒸気供給パイプ、11 ディスペンサ、12 制御ユニット、13 ユーザインターフェース、14 接続部、15 フィルタ、16 ポンプ、17 切替ソレノイドバルブ、18 タンク、19 電気抵抗器、20 第1ソレノイドバルブ、21 第2ソレノイドバルブ、22 第1ノズル、23 第2ノズル、24 マイクロプロセッサ、25 メモリ、26 ベース壁部、27 側壁部、28 開口部、29 縁部、L レベルセンサ、P 圧力センサ、T 温度センサ