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特許7499276水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3203 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
A61B17/3203
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021570447
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 IB2020055443
(87)【国際公開番号】W WO2020250142
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】1908251.0
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519295384
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・アジア・パシフィク・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】テイ、ウィー チン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ、シアオトン
(72)【発明者】
【氏名】ラン、リー
(72)【発明者】
【氏名】タン、テン、テン
(72)【発明者】
【氏名】プーン、チー ソン
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-503682(JP,A)
【文献】特表2006-517832(JP,A)
【文献】特表2011-511670(JP,A)
【文献】特開2004-033779(JP,A)
【文献】特表2010-514521(JP,A)
【文献】特開平06-205785(JP,A)
【文献】特表2005-510285(JP,A)
【文献】特表2013-515210(JP,A)
【文献】特表2000-508247(JP,A)
【文献】特表2019-513452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/3203
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を処置するための水ジェットハンドピースであって、
ハウジングを含むハンドルと、
液体ジェットを供給するためのジェット管であって、前記ジェット管は前記ハウジングに装着されており、前記ジェット管は180度湾曲した遠位端を含み、前記ジェット管の前記遠位端は流体出口を有する、ジェット管と、
前記ジェット管の前記遠位端に受容された液体出口オリフィス部材と、
を備え、
前記ハウジングは、一体的である遠位先端を備え、前記遠位先端は、液体ジェットを用いて組織を処置するための処置窓を画定し、前記処置窓は、使用時に前記処置窓が前記流体出口からの液体ジェットを受けるように、前記流体出口に対して配置されており、
前記ハウジングが、上部ハウジングおよび下部ハウジングを含み、前記遠位先端が、前記上部ハウジングと一体的である、水ジェットハンドピース。
【請求項2】
前記上部ハウジングが、遠位ハウジングおよび近位ハウジングを備え、前記遠位先端および前記遠位ハウジングが、一体的な一片の構成要素である、請求項に記載の水ジェットハンドピース。
【請求項3】
前記下部ハウジングによって受容された排出管をさらに備える、請求項に記載の水ジェットハンドピース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年6月10日に出願されたGB1908251.0に対する優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
Smith&Nephew Versajet(商標)のハイドロサージェリーシステムは、デブリードマンおよび創傷床調製用の高圧生理食塩水ジェットを使用する。Versajet(商標)ハイドロサージェリーシステムの構成要素は、米国特許第9,597,107号および同第9,341,184号に記載されており、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。先行技術の図1A~1Cを参照すると、生理食塩水は、ハンドルの頂部にある高圧ジェット管11から流れ、ジェット管11の端12を通って180°転回し、ジェット管11からハンドルの底部にある排出管7に排出される。ジェット管11は、処置窓14を画定する遠位先端5に溶接される。
【0003】
ジェット管11のオリフィス部材(ノズル)6は、水圧およびデブリードマン効果を決定するための重要な構成要素である。Versajet(商標)ハイドロサージェリーシステムでは、オリフィス部材6は、圧着プロセスによってジェット管11に組み立てられる。オリフィス部材6は、ジェット管11のフレア状端上に配置され、ジェット管11の端は、オリフィス部材6をジェット管11内に固設するために内向きに曲げられることによって圧着される。
【0004】
オリフィス部材は、液体ジェットを形成するように構成されたリングの形態であり、第1の末端から第2の末端に近接する場所まで連続的に減少する直径を有する液体流路を画定する。排出管は、オリフィス部材の反対側に位置付けられた開口部を有し、オリフィス部材から放出される液体ジェットの少なくとも一部分を受容し、開口部から離れて液体の流れを運ぶように構成されている。圧力ジェット管は、液体の流れをオリフィス部材に運ぶように構成され、位置付けられている。圧力ジェット管は、ハウジングの外面上に装着され、圧力ジェット管の遠位開口部に位置するホルダを含む。ホルダは、圧力ジェット管の遠位端に凹状ウェルを形成し、オリフィス部材が圧力ジェット管の遠位端および液体の流れと同軸であるように、オリフィス部材をホルダ内側に完全に保持および位置付けるように構成されている。圧力ジェット管の開口部の遠位端は、動作中、オリフィス部材からの液体の流れがハンドルに向けられるように、排出管の遠位端を越えて延在する。
【0005】
ノズルアセンブリは、平坦表面および湾曲した対向表面を有するトーラスの形状で、オリフィス部材をホルダに、またはホルダ内に固定することによって作製される。ノズルアセンブリは、少なくとも約1,000psigの内部液体圧力に故障なしで耐えることができる。
【0006】
先行技術の図2に例示されるように、Versajet(商標)ハイドロサージェリーシステムは、単回使用のハンドピース内に実装されたピストンポンプを含む。ポンプは、駆動コンソールによる取り外し可能な受容のために構成されたポンプハウジングを含む。挿入区分、結合区分、およびハンドルを含むポンプハウジング。挿入区分、結合区分、およびハンドルは、挿入区分とハンドルとの間の結合区分と直線的に配置されている。挿入区分は、駆動コンソールのプッシュロッドを取り外し可能に受容するように構成されている。結合区分は、外側楕円フランジを含む。ポンプハウジング内に位置するバルブアセンブリは、入口通路、出口通路、入口ボールバルブ、および出口ボールバルブを含む。入口および出口通路は、ポンプハウジング内に並んで位置し、挿入区分で画定されるチャンバと流体連通している。チャンバは、入口通路および出口通路と軸方向に整列されている傾斜壁を有する。ピストンは、チャンバ内に摺動可能に受容され、プッシュロッドと係合するために傾斜壁によって作用されるチャンバ内に配置された可撓性部材を含む。ピストンをプッシュロッドに連結させるために必要な唯一の外力は、第1の方向のピストンに対する軸力であり、プッシュロッドからピストンを結合解除するために必要な唯一の外力は、第1の方向に反対の第2の方向のピストンに対する軸力である。
【0007】
先行技術の図3に例示されるように、Versajet(商標)ハイドロサージェリーシステムは、単一のスパイクを使用して生理食塩水バッグと接続する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
Versajet(商標)ハイドロサージェリーシステムのハンドピースのハンドルは、複雑な組立/溶接プロセスを必要とする複数の部品を含む。特に、Versajet(商標)ハイドロサージェリーシステムの遠位先端5(図1A~1C)は、金属射出成形によって形成された複雑な幾何学的形状を有し、薄いジェット管11へのレーザ溶接を必要とする。
【0009】
現在の設計は、部品およびサブアセンブリの数を低減し、例えば、数個の部品が、部品の組立を回避し、かつ部品の位置合わせを維持するために、一片に一体化される。
【0010】
組織を処置するための水ジェットハンドピースは、上部ハウジングおよび下部ハウジングを有するハンドルと、上部ハウジングに装着されたジェット管と、ジェット管から液体を受容し、かつ液体ジェットを用いて組織を処置するための処置窓を画定する、遠位先端と、を含む。遠位先端は、上部ハウジングと一体的である。
【0011】
Versajet(商標)ハイドロサージェリーシステムの頂部から底部への水流は、ジェット管11の先端の曲げ、および遠位先端5へのジェット管11の遠位先端5への溶接を必要とする。
【0012】
現在の設計の特定の実施形態は、ジェット管および排出管の位置を切り替え、直線遠位端領域を有するジェット管および遠位先端の除去を可能にする。
【0013】
組織を処置するための水ジェットハンドピースは、上部ハウジングおよび下部ハウジングを含むハンドルを含む。下部ハウジングは、処置窓を画定する。ハンドピースは、下部ハウジングに装着されたジェット管を含む。ジェット管は、直線遠位端領域を有する。処置窓は、ジェット管を介して処置窓に送達された液体ジェットを用いて組織を処置するために構成されている。ハンドピースは、上部ハウジングに装着された排出管を含む。
【0014】
Versajet(商標)ハイドロサージェリーシステムのピストンポンプはまた、複雑なアセンブリを必要とする複数の部品を含む。
【0015】
現在の設計は、部品およびサブアセンブリの数を低減し、例えば、数個の部品が、部品の組立を回避し、かつ部品の位置合わせを維持するために、一片に一体化される。
【0016】
水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのピストンポンプは、継手保持器、供給ライン継手、および支持スクリーンを含む一体的な一片のピストンアセンブリを含む。この態様の実施形態は、一体的な一片のピストンアセンブリを含むピストンポンプの構成要素を収容する内部空洞を形成するように接続可能である2つのハンドル半部を含み得る。
【0017】
Versajet(商標)ハイドロサージェリーシステムにおける単一のスパイクの使用は、空気が、管に進入し、生理食塩水バッグが空である場合に生理食塩水配管をインターロックすることを可能にし得る。
【0018】
現在の設計の2つのスパイクアセンブリは、空気が開スパイクから排出されることを可能にする。
【0019】
水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムは、ピストンポンプと、ピストンポンプの入口から延在し、かつシステムに進入する空気を制御するように構成された配管を有する、2つのスパイクと、を含む。
【0020】
一態様によると、組織を処置するための水ジェットハンドピースは、ハンドルハウジングと、ハウジングに装着されたジェット管と、ジェット管から液体を受容し、かつ液体ジェットを用いて組織を処置するための処置窓を画定する、遠位先端と、を含む。遠位端は、ハウジングと一体的である。
【0021】
この態様の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0022】
ハウジングは、上部ハウジングおよび下部ハウジングを含み、遠位先端は、上部ハウジングと一体的である。上部ハウジングは、遠位ハウジングおよび近位ハウジングを含み、遠位先端および遠位ハウジングが、一体的な一片の構成要素である。水ジェットハンドピースは、下部ハウジングによって受容された排出管を含む。ジェット管は、180度湾曲した遠位端を含む。水ジェットハンドピースは、オリフィス部材を含む。
【0023】
別の態様によると、組織を処置するための水ジェットハンドピースは、上部ハウジングおよび下部ハウジングを含むハンドルと、下部ハウジングに装着されたジェット管と、上部ハウジングに装着された排出管と、を含む。下部ハウジングは、処置窓を画定する。ジェット管は、直線遠位端領域を有する。処置窓は、ジェット管を介して処置窓に送達された液体ジェットを用いて組織を処置するために構成されている。
【0024】
この態様の実施形態は、遠位内面を画定する下部ハウジングと、遠位内面を画定する上部ハウジングと、を含み得る。遠位内面は、液体ジェットを処置窓から排出管にガイドするように構成されている。
【0025】
別の態様によると、組織を処置するための水ジェットハンドピースは、内部流路および処置窓を画定する遠位先端と、遠位先端キャップと、遠位先端とキャップとの間に位置付けられたオリフィス部材と、を含む。ハンドピースは、流路を通り、かつオリフィス部材から処置窓に出る、液体流のために構成されている。
【0026】
別の態様によると、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システム用のポンプは、継手保持器、供給ライン継手、および支持スクリーンを含む一体的な一片のピストンアセンブリを含む。
【0027】
この態様の実施形態は、ハンドル、ピストン、ピストンキャップ、単一のOリング、および2つのバルブボールのうちの1つ以上を含み得る。例示された実施形態では、ポンプは、一体的な一片のピストンアセンブリを収容する内部空洞を形成するように接続可能である、2つのハンドル半部を含む。接続されたハンドル半部は、ピストンキャップを形成する。
【0028】
別の態様によると、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムは、ピストンポンプと、ピストンポンプの入口から延在し、かつシステムに進入する空気を制御するように構成された配管を有する、2つのスパイクと、を含む。
【0029】
別の態様によると、組織を処置するための水ジェットハンドピースは、ジェット管と、ジェット管の遠位端内に受容されたオリフィス部材と、オリフィス部材とジェット管の流体出口との間のオリフィス部材の頂部上でジェット管の遠位端内に受容されたスペーサと、を含む。例示された実施形態では、スペーサは、ジェット管に溶接されている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1A図1Aは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムの先行技術のハンドルを例示する。
図1B図1Bは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムの先行技術のハンドルを例示する。
図1C図1Cは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムの先行技術のハンドルを例示する。
図2図2は、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムの先行技術のピストンポンプを例示する。
図3図3は、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムの生理食塩水バッグへの先行技術の単一のスパイク接続を例示する。
図4A図4Aは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドルの様々な図を含む。
図4B図4Bは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドルの様々な図を含む。
図4C図4Cは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドルの様々な図を含む。
図4D図4Dは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドルの様々な図を含む。
図4E図4Eは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドルの様々な図を含む。
図4F図4Fは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドルの様々な図を含む。
図4G図4Gは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドルの様々な図を含む。
図4H図4Hは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドルの様々な図を含む。
図4I図4Iは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドルの様々な図を含む。
図5図5は、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドルの代替的な実施形態の断面図である。
図6A図6Aは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドルの別の代替的な実施形態の様々な図を含む。
図6B図6Bは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドルの別の代替的な実施形態の様々な図を含む。
図6C図6Cは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドルの別の代替的な実施形態の様々な図を含む。
図6D図6Dは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドルの別の代替的な実施形態の様々な図を含む。
図7A図7Aは、ハンドピースの工業デザインの様々な実施形態を示す。
図7B図7Bは、ハンドピースの工業デザインの様々な実施形態を示す。
図7C図7Cは、ハンドピースの工業デザインの様々な実施形態を示す。
図7D図7Dは、ハンドピースの工業デザインの様々な実施形態を示す。
図7E図7Eは、ハンドピースの工業デザインの様々な実施形態を示す。
図7F図7Fは、ハンドピースの工業デザインの様々な実施形態を示す。
図8A図8Aは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのピストンポンプの様々な図を含む。
図8B図8Bは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのピストンポンプの様々な図を含む。
図8C図8Cは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのピストンポンプの様々な図を含む。
図8D図8Dは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのピストンポンプの様々な図を含む。
図9A図9Aは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのピストンポンプの代替的な実施形態の様々な図を含む。
図9B図9Bは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのピストンポンプの代替的な実施形態の様々な図を含む。
図9C図9Cは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのピストンポンプの代替的な実施形態の様々な図を含む。
図9D図9Dは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのピストンポンプの代替的な実施形態の様々な図を含む。
図10図10は、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのデュアルスパイク生理食塩水バッグアセンブリを例示する。
図11図11は、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのデュアルスパイク生理食塩水バッグアセンブリを例示する。
図12図12は、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのドリップチャンバを例示する。
図13A図13Aは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのコンソールを例示する。
図13B図13Bは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのコンソールを例示する。
図13C図13Cは、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのコンソールを例示する。
図14A図14Aは、オリフィス部材アセンブリプロセスの様々な実施形態を例示する。
図14B図14Bあは、オリフィス部材アセンブリプロセスの様々な実施形態を例示する。
図15図15は、オリフィス部材アセンブリプロセスの様々な実施形態を例示する。
図16A図16Aは、オリフィス部材アセンブリプロセスの様々な実施形態を例示する。
図16B図16Bは、オリフィス部材アセンブリプロセスの様々な実施形態を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図4A~4Hを参照すると、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドピース20は、ハンドル頂部ハウジング22およびハンドル底部ハウジング24を含む。ハンドル上部ハウジング22は、近位ハウジング22aおよび遠位先端26を有する遠位ハウジング22bを有し、これは、遠位ハウジング22bの一体的な構成要素であり、例えば、遠位先端26および遠位ハウジング22bが一体的な一片の構成要素であり、かつハンドピースの組立が遠位ハウジング22bへの遠位先端26の取り付けを含まないように、1つのプラスチック成形または機械加工された部品である。遠位ハウジング22b内に受容されているものは、液体出口オリフィス部材30を有するジェット管28である。遠位ハウジング22bの遠位先端26は、液体のジェットを用いて組織を処置するための処置窓36を画定する。近位ハウジング22a内には、高圧水がジェット管28に供給されるときに通る高圧ホース23である。遠位先端26を遠位ハウジング22bと一体的にすることは、ジェット管を遠位先端に溶接する必要性を排除する。
【0032】
図4Hおよび4Iも参照すると、ハンドル底部ハウジング24は、近位ハウジング24aおよび遠位ハウジング24bを有する。組み立てられると、近位ハウジング24aは、近位ハウジング22aと嵌合し、遠位ハウジング24bは、遠位ハウジング22bと嵌合する。処置窓36の近位端36aから遠位ハウジング24bまで繋がっているものは、遠位ハウジング24bによって部分的に覆われた排出管32である。接続管33は、排出管32からホース34まで繋がり、これを通って帰還流がハンドピースを出る。
【0033】
先行技術のVersajet(商標)ハイドロサージェリーシステムと比較して、高圧ジェット管28はより短く、排出管32はより短い。
【0034】
図5を参照すると、代替的な実施形態では、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのハンドピース40は、液体出口オリフィス部材44を有するジェット管42を含む。ジェット管42は、ハンドル底部ハウジング46内で受容され、排出管48は、ハンドル頂部ハウジング50内で受容される。図4Dのジェット管28と比較して、ジェット管42は、直線遠位端領域52を有する。加えて、ハンドピース40は、図4Dの遠位先端26に対応する構成要素を含まない。
【0035】
使用時に、液体は、ジェット管42のオリフィス部材44から排出され、ジェットが創傷床を清浄化するように作用する組織処置窓54を横切って移動し、ハンドル底部46および頂部ハウジング50の内面56、58にそれぞれ衝突し、排出管48に流入する。
【0036】
図6A~6Dを参照すると、代替的な実施形態では、ハンドピース200は、金属射出成形された遠位端202および金属射出成形された遠位端キャップ204を含む。先端キャップ204によって遠位先端202に押し込められるものは、液体出口オリフィス部材206およびOリング203である。液体は、高圧ライン208によって遠位先端202に送達され、液体は、排出管210を介して出る。液体は、高圧ライン208から遠位先端202の経路212、214を通って、オリフィス部材206の外へ、処置窓216を横切って、かつ排出管210を通って流れる。
【0037】
図7A~7Dは、代替的なハンドル設計を例示する。
【0038】
図7Eおよび7Fは、図6Aの実施形態に対応する代替的なハンドル設計を例示する。
【0039】
図8A~8Dを参照すると、ピストンポンプ60は、図2のピストンポンプと比較して、低減された数の部品およびサブアセンブリを有する。ピストンポンプ60は、継手保持器64、供給ライン継手66、68、および支持スクリーン70を含む、一体的な一片のピストンアセンブリ62を含み、図2のダウエルピン16を用いて供給ライン継手を継手保持器に組み立てる必要性、および図2のアセンブリ内の支持スクリーン17の配置の必要性を否定する。一体的なピストンアセンブリ62は、例えば、金属射出成形、機械加工および/またはセラミック射出成形によって製造され得る。
【0040】
図2の2つのOリング18ではなく、ピストンポンプ60は、単一のOリング71を含む。ピストンポンプ60は、継手66、68を受容する2つのチャネル73を画定するハンドル72を含む。ピストンポンプ60は、2つのボールバルブ73、ポンプ本体74、ピストン75、およびピストンキャップ76をさらに含む。
【0041】
図9A~9Dを参照すると、別の実施形態では、ピストンポンプ80は、図2のハンドル19および図8Aのハンドル72よりも長い2つのハンドル半部82、84を含み、接続されると、一体的な一片のピストンアセンブリ62を含む、ピストンポンプの構成要素を収容する内部空洞を形成する。ピストンポンプ80は、Oリング71およびボールバルブ73のうちの1つを受容する、バルブソケット85を含む。バルブソケット85は、供給ライン継手68への開口部90内に受容される。ハンドル半部82、84は、ピストンアセンブリ62のフィン88を受容するスロット86を画定する。接続されると、ハンドル半部は、ピストンキャップ92を形成する。ハンドル半部82、84は、ピストンポンプ80の組立を容易にし、図2および図8Aのハンドル内に流体チャネル15および73を必要としない。
【0042】
図10および11を参照すると、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システム98は、ピストンポンプハンドル106の入口104から延在する2つの生理食塩水管100、102を含む。生理食塩水管100は、生理食塩水バッグ108に接続するスパイク107で終端する。生理食塩水管102は、大気に対して開放され得るか(図10)、または第2の生理食塩水バッグ110に接続するスパイク109を含み得る(図11)。図10のアセンブリでは、空気は、システムにエアロックが存在するとき、クランプ111が開位置にある状態で開管102から排出される。図10の管102は、スパイクなしで例示されているが、任意選択的に、スパイクを含み得る。図11のアセンブリでは、2つのスパイク107、109は、配管100、102上にそれぞれのクランプ112、114を有する、別個の生理食塩水バッグ108、110に接続される。使用時に、クランプのうちの1つ、例えば、クランプ112が閉じられ、他方のクランプ、例えば、クランプ114が開かれる。クランプ開放バッグ110内の生理食塩水が、最初に使用される。生理食塩水バッグ110が空であるとき、空気は、管102およびポンプに進入することになり、これは、システムのエアロックを結果的にもたらし得る。ポンプに再び呼水注入し、エアロックを除去するために、クランプ112が開かれ、生理食塩水が、バッグ108から管100を流下して、ポンプチャンバを通って、管102を空のバッグ110に向かって逆流し、したがって、システムにロックされた空気を押し出すことを可能にする。ポンプから出る空気が確認されることができなくなると、クランプ114が閉じられ、ポンプは、次に、呼水注入され、バッグ108から流体を引き込むことになる。
【0043】
図12を参照すると、代替的な実施形態では、ドリップチャンバ120は、生理食塩水ラインで使用され、これは、空気が下流を通過しないように、空気が液体から上昇して出ることを可能にする。ドリップチャンバは、管を閉塞して手順を停止し得る空気が生理食塩水配管に入ることを防止するために、約半分の充填状態を維持されるべきである。図10および11の実施形態と比較して、空気が既に配管内にある場合、呼水注入が停止することになる。図10および11の実施形態は、手順が影響を受けないように、空気が既に生理食塩水配管内にある場合でも、空気が上昇して出ることを可能にする。
【0044】
図13A~13Cを参照すると、水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムのコンソール250は、デバイス状態情報、例えば、電力レベル、手順実行時間、外来/手術室モード、およびサービスリマインダを表示するためのLCD画面252を含む。コンソールは、ピストンポンプ256を受容するためのインターフェース254と、ピストンポンプハンドピース内に設置されたRFIDタグ262を識別するためのRFIDリーダ258およびアンテナ260と、を含む。
【0045】
図14A~16Bは、オリフィス部材アセンブリプロセスの様々な実施形態を例示する。
【0046】
図14Aおよび14Bを参照すると、ジェット管306へのオリフィス部材308の追加の固設を提供するために、金属スペーサ302、例えば、ガスケットまたはブッシングが、アセンブリに追加される。組立プロセスでは、ジェット管306の端304は、フレア状であり、オリフィス部材308は、ジェット管の端内に配置される。金属ガスケットまたは金属ブッシング302は、次いで、オリフィス部材308とジェット管の端304にある流体出口との間で、オリフィス部材308の頂部上に配置される。ジェット管306の端304が圧着されて、ガスケットまたはブッシング302をオリフィス部材308に押し付け、ガスケットまたはブッシングをオリフィス部材と共にジェット管に圧着する。ガスケットまたはブッシングの追加は、オリフィス部材が組立プロセス中に移動するために少ないスペース有することを確保し、これは、圧着プロセスの一貫性を向上させ、収率を改善する。
【0047】
図15を参照すると、オリフィス部材308は、ジェット管306の端内に直接レーザ溶接され得る。オリフィス部材は、ジェット管のフレア状の端に配置され、その後、レーザ溶接される。溶接バンプは、オリフィス部材を定位置に固設する。
【0048】
図16Aおよび16Bを参照すると、図14Aおよび14Bのオリフィス部材308の上の位置のガスケットまたはブッシング302は、レーザ溶接と組み合わせられ得る。オリフィス部材308は、フレア状のジェット管306の端に配置され、その後、オリフィス部材の頂部上の金属ガスケットまたはブッシングの配置に続く。レーザ溶接は、金属ガスケットまたはブッシングの頂部の全周で実施される。金属ガスケットまたはブッシングは、オリフィス部材が組立プロセス中に移動するために少ないスペースを有することを確保する。金属ガスケット上のレーザ溶接は、材料特性を変化させ得るか、またはオリフィス部材を脆弱化し得る、レーザ溶接からオリフィス部材への直接熱を回避するという利点を有する。レーザ溶接は、高い一貫性および再現性を有し、製造中のより高い収率を確保する。
【0049】
代替的な実施形態では、オリフィスは、マイクロマシニングまたはEDM技術によってジェット管上に直接作製されてもよい。
【0050】
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
[付記項1]
組織を処置するための水ジェットハンドピースであって、
ハウジングを含むハンドルと、
前記ハウジングに装着されたジェット管と、
前記ジェット管から液体を受容し、液体ジェットを用いて組織を処置するための処置窓を画定する、遠位先端であって、前記遠位先端が、前記ハウジングと一体的である、遠位先端と、を備える、水ジェットハンドピース。
[付記項2]
前記ハウジングが、上部ハウジングおよび下部ハウジングを含み、前記遠位先端が、前記上部ハウジングと一体的である、付記項1に記載の水ジェットハンドピース。
[付記項3]
前記上部ハウジングが、遠位ハウジングおよび近位ハウジングを備え、前記遠位先端および前記遠位ハウジングが、一体的な一片の構成要素である、付記項2に記載の水ジェットハンドピース。
[付記項4]
前記下部ハウジングによって受容された排出管をさらに備える、付記項2に記載の水ジェットハンドピース。
[付記項5]
前記ジェット管が、180度湾曲した遠位端を含む、付記項1に記載の水ジェットハンドピース。
[付記項6]
オリフィス部材をさらに備える、付記項1に記載の水ジェットハンドピース。
[付記項7]
組織を処置するための水ジェットハンドピースであって、
上部ハウジングおよび下部ハウジングを含むハンドルであって、前記下部ハウジングが、処置窓を画定する、ハンドルと、
前記下部ハウジングに装着されたジェット管であって、前記ジェット管が、直線遠位端領域を有し、前記処置窓が、前記ジェット管を介して前記処置窓に送達される液体ジェットを用いて組織を処置するように構成されている、ジェット管と、
前記上部ハウジングに装着された排出管と、を備える、水ジェットハンドピース。
[付記項8]
前記下部ハウジングが、遠位内面を画定し、前記上部ハウジングが、遠位内面を画定し、前記遠位内面が、前記液体ジェットを前記処置窓から前記排出管にガイドするように構成されている、付記項7に記載の水ジェットハンドピース。
[付記項9]
組織を処置するための水ジェットハンドピースであって、
内部流路および処置窓を画定する、遠位先端と、
遠位先端キャップと、
前記遠位先端と前記キャップとの間に位置付けられたオリフィス部材と、を備え、
前記ハンドピースが、前記流路を通り、かつ前記オリフィス部材から前記処置窓に出る、液体流のために構成されている、水ジェットハンドピース。
[付記項10]
水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システム用のポンプであって、
継手保持器、供給ライン継手、および支持スクリーンを含む、一体的な一片のピストンアセンブリ、を備える、ポンプ。
[付記項11]
ハンドルをさらに備える、付記項10に記載のポンプ。
[付記項12]
ピストンをさらに備える、付記項10に記載のポンプ。
[付記項13]
ピストンキャップをさらに備える、付記項12に記載のポンプ。
[付記項14]
単一のOリングから構成されている、付記項10に記載のポンプ。
[付記項15]
2つのバルブボールをさらに備える、付記項10に記載のポンプ。
[付記項16]
前記一体的な一片のピストンアセンブリを収容する内部空洞を形成するように接続可能である、2つのハンドル半部をさらに備える、付記項10に記載のポンプ。
[付記項17]
前記接続されたハンドル半部が、ピストンキャップを形成する、付記項16に記載のポンプ。
[付記項18]
水ジェットデブリードマンおよび創傷床調製システムであって、
ピストンポンプと、
前記ピストンポンプの入口から延在し、かつ前記システムに進入する空気を制御するように構成された配管を有する、2つのスパイクと、を備える、システム。
[付記項19]
組織を処置するための水ジェットハンドピースであって、
ジェット管と、
前記ジェット管の遠位端内に受容されたオリフィス部材と、
前記オリフィス部材と前記ジェット管の流体出口との間の前記オリフィス部材の頂部上で前記ジェット管の前記遠位端内に受容されたスペーサと、を備える、水ジェットハンドピース。
[付記項20]
前記スペーサが、前記ジェット管に溶接されている、付記項19に記載の水ジェットハンドピース。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15
図16A
図16B