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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】半導体加工装置及びマグネトロン機構
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/35 20060101AFI20240606BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
C23C14/35 B
H01L21/302 101D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022564381
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-30
(86)【国際出願番号】 CN2021087780
(87)【国際公開番号】W WO2021213273
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】202010331542.2
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520266443
【氏名又は名称】ベイジン・ナウラ・マイクロエレクトロニクス・イクイップメント・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing NAURA Microelectronics Equipment Co.,LTD
【住所又は居所原語表記】No.8 Wenchang Avenue Beijing,Economic-Technological Development Area,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、イージエ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シャオイエン
【審査官】山本 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-118833(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0011894(US,A1)
【文献】特開平09-087834(JP,A)
【文献】特開2018-107388(JP,A)
【文献】特開平11-333719(JP,A)
【文献】特表2016-513336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/35
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体加工装置に適用されるマグネトロン機構であって、バックプレーンと、外部磁極と、内部磁極とを備え、
前記外部磁極は、前記バックプレーンの底面上に配置され、収容空間を形成するように取り囲み、前記内部磁極は、前記バックプレーンの前記底面上に配置され、前記収容空間中に位置し、前記内部磁極は、ターゲット材料の腐食エリアを変化させるために移動し、前記内部磁極と前記外部磁極との間の距離は、移動中に所定の距離よりも常に長く、
前記内部磁極は、前記バックプレーンの前記底面に対して平行な第1の方向に沿って直線的に移動し、前記第1の方向に沿って間隔を置いて配置された複数の所定の位置において交互に停止し、
前記外部磁極は外弧部分及び内弧部分を含み、それらは、直列に接続され、前記収容空間を共に形成し、前記外弧部分は、前記内部磁極の、前記ターゲット材料の表面の縁部に近い側上に位置し、前記内弧部分は、前記内部磁極の、前記ターゲット材料の前記表面の中心に近い側上に位置し、
前記所定の位置は3つの位置を含み、それらは、第1の位置、第2の位置、及び第3の位置であり、前記第2の位置は、前記第1の位置の、前記外弧部分に近い側上に位置し、前記第3の位置は、前記第1の位置の、前記内弧部分に近い側上に位置する、マグネトロン機構。
【請求項2】
前記マグネトロン機構は、駆動デバイスを更に含み、前記駆動デバイスは、前記バックプレーンの頂面上に配置され、前記内部磁極に接続され、前記内部磁極を駆動して移動させるように構成されている、請求項1に記載のマグネトロン機構。
【請求項3】
前記駆動デバイスは、駆動源及び接続部材を含み、前記駆動源は、前記バックプレーンの前記頂面上に配置され、動力を提供するように構成され、前記接続部材の一端は、前記駆動源に接続され、前記接続部材の他端は、前記バックプレーンを貫通し、前記内部磁極に接続される、請求項に記載のマグネトロン機構。
【請求項4】
前記駆動デバイスは、ガイドレールを更に含み、前記ガイドレールは、前記バックプレーンの前記頂面上に配置され、前記接続部材は、前記ガイドレールに接続され、前記ガイドレールに沿って移動する、請求項に記載のマグネトロン機構。
【請求項5】
前記所定の距離は、10mm以上である、請求項1に記載のマグネトロン機構。
【請求項6】
前記内部磁極及び前記外部磁極は、不等間隔で配置され、前記内部磁極と前記外部磁極との間の前記距離は、30~60mmの範囲である、請求項1に記載のマグネトロン機構。
【請求項7】
前記内部磁極は、平面螺旋形状であり、前記内部磁極の一端は前記ターゲット材料の表面の中心に近く、前記内部磁極の他端は前記ターゲット材料の前記表面の縁部に近い、請求項1に記載のマグネトロン機構。
【請求項8】
プロセスチャンバと、請求項1~のうちのいずれか一項に記載の前記マグネトロン機構とを備える半導体加工装置であって、前記マグネトロン機構は、前記プロセスチャンバの頂部上に配置される、半導体加工装置。
【請求項9】
前記マグネトロン機構として、請求項又はに記載の前記マグネトロン機構が採用され、
前記半導体加工装置は、前記プロセスチャンバの上方に配置された絶縁チャンバ本体及び中空管を更に備え、前記絶縁チャンバ本体は、脱イオン水で満たされ、前記マグネトロン機構は、前記絶縁チャンバ本体中に配置され、隔離箱が、前記バックプレーン上に配置され、前記隔離箱は、前記駆動源及び前記接続部材との前記隔離箱の接続部分を取り囲んで、前記駆動源及び前記接続部分を前記絶縁チャンバ本体中の前記脱イオン水から隔離し、
前記中空管の一端が、前記隔離箱を貫通し、前記駆動源に接続され、第1の封止部材が、前記中空管と前記隔離箱を貫通する第1の貫通孔との間に配置され、前記中空管と前記第1の貫通孔との間の隙間を封止するように構成され、前記中空管の他端が、前記絶縁チャンバ本体を貫通し、前記絶縁チャンバ本体の外側にまで延在し、第2の封止部材が、前記中空管と前記絶縁チャンバ本体を貫通する第2の貫通孔との間に配置され、前記中空管と前記第2の貫通孔との間の隙間を封止するように構成され、前記駆動源のワイヤが、前記中空管を通って配置されて、前記中空管を通って前記絶縁チャンバ本体の外側に案内される、請求項に記載の半導体加工装置。
【請求項10】
前記半導体加工装置は、前記プロセスチャンバの上方に配置された絶縁チャンバ本体を更に含み、脱イオン水が、前記絶縁チャンバ本体中に満たされ、前記マグネトロン機構は、前記絶縁チャンバ本体の上方に配置される、請求項に記載の半導体加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、一般に、半導体加工技術分野に関し、より具体的には、半導体加工装置及びマグネトロン機構に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]集積回路製造プロセスでは、物理気相堆積(以下、PVDと呼ぶ)技術は、より良好な膜一貫性、より良好な均一性、より広いプロセスウィンドウ、及び高い深さ対幅比を有する貫通孔に対する充填を実現するというその利点に起因して、異なる種類の金属層、ハードマスク、等などの関連材料層を堆積するために広く使用されている。
【0003】
[0003]従来のPVD装置は、一般に、TiN膜を調製するときに、直流(DC)スパッタリング又は無線周波数(RF)スパッタリングを使用する。スパッタリング圧力は、低圧状態(0.1~10ミリトル)である。スパッタリング環境では、プロセス粒子汚染の制御が不十分である。調製されたTiN膜は、大部分が圧縮応力であり、低密度である。しかしながら、14nmプロセスでは、プロセス粒子汚染がより厳密に制御される必要があり、TiN膜は、高密度を有し、引張応力であることが要求される。この要件を満たすためには、PVD装置は、RF+DCスパッタリングを使用する必要があり、スパッタリング圧力は、高圧状態(一般に100~250ミリトル)である必要がある。このスパッタリング条件下では、従来のPVD装置によって調製されたTiN膜の厚さ均一性は、不十分であり、従来のPVD装置は、高圧状態で完全なターゲット腐食を達成することができず、それは、プロセス粒子が規格を大幅に超える原因となり得、14nmプロセスのプロセス要件を満たすことができない。
【発明の概要】
【0004】
[0004]既存の方法の欠点に対して、本開示は、半導体加工装置及びそのマグネトロン機構を提供し、それらは、薄膜の厚さ均一性を改善することによってプロセス粒子汚染を効果的に制御するために、高圧状態のスパッタリング環境において完全なターゲット腐食を実現することができる。
【0005】
[0005]態様では、本開示の実施形態は、半導体加工装置に適用され、バックプレーンと、外部磁極と、内部磁極とを含むマグネトロン機構を提供し、
外部磁極は、バックプレーンの底面上に配置され、収容空間を形成するように取り囲み、内部磁極は、バックプレーンの底面上に配置され、収容空間中に位置し、内部磁極は、ターゲット材料の腐食エリアを変化させるために移動し、内部磁極と外部磁極との間の距離は、移動中に所定の距離よりも常に長い。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態では、内部磁極は、バックプレーンの底面に対して平行な第1の方向に沿って直線的に移動し、第1の方向に沿って間隔を置いて配置された複数の所定の位置において交互に停止する。
【0007】
[0007]いくつかの実施形態では、外部磁極は、外弧部分及び内弧部分を含み、それらは、直列に接続され、収容空間を共に形成する。外弧部分は、内部磁極の、ターゲット材料の表面の縁部に近い側上に位置する。内弧部分は、内部磁極の、ターゲット材料の表面の中心に近い側上に位置する。
所定の位置は、3つの位置を含み、それらは、第1の位置、第2の位置、及び第3の位置である。第2の位置は、第1の位置の、外弧部分に近い側上に位置し、第3の位置は、第1の位置の、内弧部分に近い側上に位置する。
【0008】
[0008]いくつかの実施形態では、マグネトロン機構は、駆動デバイスを更に含む。駆動デバイスは、バックプレーンの頂面上に配置され、内部磁極に接続され、内部磁極を駆動して移動させるように構成される。
【0009】
[0009]いくつかの実施形態では、駆動デバイスは、駆動源及び接続部材を含む。駆動源は、バックプレーンの頂面上に配置され、動力を提供するように構成される。接続部材の一端は、駆動源に接続され、接続部材の他端は、バックプレーンを貫通し、内部磁極に接続される。
【0010】
[0010]いくつかの実施形態では、駆動デバイスは、ガイドレールを更に含む。ガイドレールは、バックプレーンの頂面上に配置され、接続部材は、ガイドレールに接続され、ガイドレールに沿って移動する。
【0011】
[0011]いくつかの実施形態では、所定の距離は、10mm以上である。
【0012】
[0012]いくつかの実施形態では、内部磁極及び外部磁極は、不等間隔で配置され、内部磁極と外部磁極との間の距離は、30~60mmの範囲である。
【0013】
[0013]いくつかの実施形態では、内部磁極は、平面螺旋形状であり、内部磁極の一端は、ターゲット材料の表面の中心に近く、内部磁極の他端は、ターゲット材料の表面の縁部に近い。
【0014】
[0014]第2の態様では、本開示の実施形態は、プロセスチャンバと、第1の態様に記載のマグネトロン機構とを含む半導体加工装置を提供する。マグネトロン機構は、プロセスチャンバの頂部上に配置される。
【0015】
[0015]いくつかの実施形態では、マグネトロン機構は、本開示の実施形態のマグネトロン機構を採用する。
半導体加工装置は、プロセスチャンバの上方に配置された絶縁チャンバ本体及び中空管を更に含む。絶縁チャンバ本体は、脱イオン水で満たされ、マグネトロン機構は、絶縁チャンバ本体中に配置され、隔離箱が、バックプレーン上に配置される。隔離箱は、駆動源及び駆動源の接続部材との接続部分を取り囲んで、駆動源及び接続部分を絶縁チャンバ本体中の脱イオン水から隔離する。
中空管の一端が、隔離箱を貫通し、駆動源に接続される。第1の封止部材が、中空管と隔離箱を貫通する第1の貫通孔との間に配置され、中空管と第1の貫通孔との間の隙間を封止するように構成される。中空管の他端が、絶縁チャンバ本体を貫通し、絶縁チャンバ本体の外側にまで延在する。第2の封止部材が、中空管と絶縁チャンバ本体を貫通する第2の貫通孔との間に配置され、中空管と第2の貫通孔との間の隙間を封止するように構成される。駆動源のワイヤが、中空管を通って配置されて、中空管を通って絶縁チャンバ本体の外側に案内される。
【0016】
[0016]いくつかの実施形態では、半導体加工装置は、プロセスチャンバの上方に配置された絶縁チャンバ本体を更に含み、脱イオン水が、絶縁チャンバ本体中に満たされ、マグネトロン機構は、絶縁チャンバ本体の上方に配置される。
【0017】
[0017]本開示の実施形態の技術的解決策によってもたらされる有益な効果は、以下の通りである。
【0018】
[0018]本開示の実施形態のマグネトロン機構では、外部磁極は、バックプレーンの底面上に収容空間を形成し、内部磁極は、収容空間中に位置し、ターゲット材料の腐食エリアを変化させるために移動することができる。高圧状態のスパッタリング環境では、内部磁極を移動させることによってターゲット材料の腐食エリアを変化させることによって、内部磁極がある特定の位置に固定されていることに起因してスパッタリングプロセス全体の間に腐食され得ないターゲット材料の対応する位置が回避されて、完全なターゲット腐食が実現され得る。このことから、本開示の実施形態のマグネトロン機構を用いて、完全なターゲット腐食が、高圧状態のスパッタリング環境において実現され得る。このことから、プロセス粒子汚染が、薄膜の厚さ均一性を改善することによって効果的に制御され得、それは、特に14nmプロセスのプロセス粒子制御要件を満たす。
【0019】
[0019]本開示の実施形態によって提供される半導体加工装置は、本開示の実施形態の上述のマグネトロン機構を使用することによって、高圧状態のスパッタリング環境において完全なターゲット腐食を実現することができる。このことから、プロセス粒子汚染が、薄膜の厚さ均一性を改善することによって効果的に制御され得、それは、特に14nmプロセスのプロセス粒子制御要件を満たす。
【0020】
[0020]本開示の追加の態様及び利点は、以下で部分的に説明され、以下の説明から明らかになるか、又は本開示の実施を通して習得され得る。
【0021】
[0021]本開示の上記及び/又は追加の態様及び利点は、添付の図面に関連する実施形態の以下の説明から明らかになり、理解が容易になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】[0022]本開示のいくつかの実施形態によるマグネトロン機構の概略構造図である。
図2】[0023]図1の領域Iの概略拡大図である。
図3】[0024]本開示の実施形態による駆動デバイスの概略断面図である。
図4】[0025]本開示の実施形態による、異なる位置の内部磁極でのプロセス結果比較を示す概略図である。
図5】[0026]本開示の実施形態による半導体加工装置の概略構造図である。
図6】[0027]本開示のある実施形態による別の半導体加工装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[0028]本開示を以下に詳細に説明し、本開示の実施形態の例を添付の図面に例示する。同一又は類似の参照番号は、同一若しくは類似の部品、又は同一若しくは類似の機能を有する部品を指す。加えて、既知の技術の詳細な説明は、その説明が本開示の特徴を例示するために必要ではない場合、省略される。添付の図面を参照して以下で説明する実施形態は、例証的なものであり、本開示を説明するためにのみ使用され、本開示の限定として解釈されるべきではない。
【0024】
[0029]別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有することを、当業者は理解し得る。一般的な辞書に定義されているような用語は、先行技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると理解されるべきであり、本明細書に特に定義されない限り、理想的な意味又は過度に形式的な意味に解釈されるべきではないことも理解されたい。
【0025】
[0030]本開示の技術的解決策、及び本開示の技術的解決策が上述の技術的問題をどのように解決するかを、具体的な例を用いて以下に詳細に説明する。
【0026】
[0031]図1を参照すると、本開示の実施形態は、半導体加工装置に適用されるマグネトロン機構を提供する。マグネトロン機構は、バックプレーン1、外部磁極2、内部磁極3を含む。バックプレーン1の形状は、例えば矩形であり、金属材料で作られ得る。いくつかの実施形態では、バックプレーン1は、半導体加工装置の回転駆動機構(図示せず)に接続することができる。回転駆動機構によって駆動されると、バックプレーン1は、バックプレーン1の垂直中心線を中心として回転することができる。垂直中心線は、例えば、ターゲット表面の中心(図1の点Oによって示す)と一致する。実際の適用では、バックプレーン1の材料及び形状、並びに回転駆動機構との接続位置は、実際の状況に従って設計することができ、それは、本開示の実施形態において特に限定されないことに留意されたい。
【0027】
[0032]外部磁極2は、バックプレーン1の底面上に配置され、収容空間4を形成するように取り囲む。外部磁極2は、様々な特定の構造を有し得る。例えば、図2に示すように、外部磁極2は、複数の外部磁石21と、複数の外部磁石21を直列に接続して、バックプレーン1の底面上に連続線形状配置を形成し、上述の収容空間4を形成するように取り囲む複数の外部磁気伝導ストリップ22とから成る。外部磁気伝導ストリップ22は、例えば、ステンレス鋼で作られ得る。外部磁石21を固定するように構成された複数の取り付け穴が、外部磁気伝導ストリップ22上に配置される。
【0028】
[0033]外部磁極2は、複数の特定の配置形状を有し得る。例えば、図1に示すように、外部磁極2は、外弧部分2a及び内弧部分2bを含み、それらは、直列に接続され、収容空間4を共に形成する。外弧部分2aは、内部磁極3の、ターゲット表面の縁部に近い側上に位置し得る。内弧部分2bは、内部磁極3の、ターゲット表面の中心に近い側上に位置し得る。いくつかの実施形態では、外弧部分2a及び内弧部分2bは、両方とも平面渦巻き形状であり得る。外弧部分2a及び内弧部分2bは、端部同士が接続され得る。接続は、平滑化され得る。外弧部分2a及び内弧部分2bの接続されていない両端の間には、開口部が設けられ得る。実際の適用では、実際のプロセス要件に従って、外部磁極2の特定の配置形状は、内部磁極3を収容するように収容空間4を取り囲むことができる限り、自由に設定することができることに留意されたい。
【0029】
[0034]内部磁極3は、バックプレーン1の底面上に配置され、上述の収容空間4中に位置し得る。内部磁極3は、複数の特定の構造を有し得る。例えば、外部磁極2と同じく、内部磁極3は、複数の内部磁石と、複数の磁石を直列に接続するように構成された複数の内部磁気伝導ストライプとから成り得る。このことから、連続線形状配置が、バックプレーン1の底面に形成され得る。内部磁気伝導ストリップは、例えば、ステンレス鋼で作られ得る。内部磁石を固定するように構成された複数の取り付け穴が、内部磁気伝導ストリップ上に配置され得る。内部磁極3は、様々な特定の配置形状を有し得る。例えば、図1に示すように、内部磁極3は、平面螺旋形状であり、内部磁極3の一端は、ターゲット材料の表面の中心に近く、内部磁極3の他端は、ターゲット材料の表面の縁部に近い。即ち、内部磁極3の両端は途切れており、その間には開口部が設けられる。そのような配置により、完全なターゲット腐食の実現が容易にされ得る。
【0030】
[0035]更に、内部磁極3は、ターゲットの腐食エリアを変化させるために、バックプレーン1及び外部磁極2に対して移動することができる。その上、内部磁極3と外部磁極2との間の距離は、移動中に所定の距離よりも常に長くあり得る。即ち、内部磁極3が収容空間4中を移動するときには、内部磁極3と外部磁極2との間に一定の距離が維持されなければならない。上述の所定の距離は、内部磁極3が外部磁極2と衝突することを防止されることを満たし、半導体加工装置のプロセスチャンバの点火不連続性は、内部磁極3が外部磁極2に近すぎるため、回避され得る。このことから、点火不連続性によって引き起こされるプロセス均一性の低下が防止されて、プロセス結果の均一性が効果的に改善され得る。
【0031】
[0036]いくつかの実施形態では、所定の距離は、10mm以上であり得る。この距離範囲内であれば、内部磁極3が移動するときに内部磁極3と外部磁極2との間の衝突を回避することができ、内部磁極3が外部磁極2に近すぎることによって引き起こされる半導体装置のプロセスチャンバの点火不連続性が効果的に回避され得る。
【0032】
[0037]いくつかの実施形態では、内部磁極3及び外部磁極2は、不等間隔で配置され得る。加えて、内部磁極3と外部磁極2との間の距離は、30~60mmの範囲であり得る。例えば、上記の距離範囲内で、特定の間隔値は、35mm、40mm、42mm、48mm、53mm、55mm、58mm、及び60mmの組み合わせを含み得る。しかしながら、本開示の実施形態は、完全なターゲット腐食を達成することができる限り、これに限定されない。実際の適用では、内部磁極3及び外部磁極2はまた、別のプロセス環境に適するように等間隔で配置され得ることに留意されたい。従って、本開示の実施形態は、これに限定されず、当業者は、異なる作業条件に従って自ら設定を調整することができる。
【0033】
[0038]実際の適用では、上記の条件を満たすことによって、内部磁極3の特定の配置形状を、実際のプロセス要件に従って自由に設定することができることに留意されたい。
【0034】
[0039]高圧状態(一般に100~250ミリトル)を有するスパッタリング環境(RF+DCスパッタリング)では、膜の厚さ均一性を改善することができるものの、内部磁極3がターゲットの表面上に位置する位置の直下に対応する位置において深刻な逆スパッタリングが発生し得る。逆スパッタリングは、対応する位置が腐食されることを不可能にする原因となり得る。このことから、ターゲットのより腐食されたエリア中の粒子が、腐食され得ないエリア中に堆積されて、プロセス粒子が規格を大幅に超える原因となり得る。上記の問題を解決するために、ターゲットの腐食エリアは、内部磁極3を移動させることによって変化し得、それは、内部磁極3がある特定の位置に固定されているので、ターゲットの対応する位置がスパッタリングプロセス全体の間に腐食され得ないことを回避することができる。このことから、完全なターゲット腐食を達成することができる。従って、本開示の実施形態のマグネトロン機構は、高圧のスパッタリング環境において完全なターゲット腐食を実現することができる。このことから、プロセス粒子汚染が、膜の厚さ均一性を改善することによって効果的に制御され得、それは、特に14nmプロセスのプロセス粒子制御要件を満たす。
【0035】
[0040]本開示の実施形態では、図1に示すように、内部磁極3は、バックプレーン1の底面に対して平行な第1の方向(図1に示すY方向)に沿って直線的に移動し、第1の方向に沿って間隔を置いて配置された複数の所定の位置において交互に留まる。内部磁極3を直線的に移動させることによって、内部磁極3の移動モードは、簡略化され、実現が容易となり、全体として内部磁極3と外部磁極2との間に一定の距離を維持することは、実現するのに有益であり得る。このことから、内部磁極3は、移動中に外部磁極2に衝突することを防止され得、半導体装置のプロセスチャンバの点火不連続性は、内部磁極3が外部磁極2に近すぎることに起因して効果的に回避され得る。
【0036】
[0041]本開示の実施形態では、図1に示すように、外部磁極2が図1に示す形状を採用することに基づいて、第1の位置P1、第2の位置P2、及び第3の位置P3を含む3つの上述の所定の位置が設けられる。3つの位置は、上述の第1方向に沿って間隔を置いて配置される。第2の位置P2は、第1の位置P1の、外弧部分2aに近い側上に位置する。第3の位置P3は、第1の位置P1の、内弧部分2bに近い側上に位置する。内部磁極3を、第1の方向(即ち、図1のY方向)に沿って、上述の3つの所定の位置間で切り替えることができる。内部磁極3が第1の位置P1に位置するとき、内部磁極3は、外弧部分2aと内弧部分2bとの間の中間位置に近い位置に位置し得る。内部磁極3が第2の位置P2に位置するとき、内部磁極3は、内弧部分2bに近い位置に位置し得る。内部磁極3が第3の位置P3に位置するとき、内部磁極3は、外弧部分2aに近い位置に位置し得る。このことから、異なる位置において、内部磁極3は、ターゲットの表面上の腐食され得ない異なるエリアに対応し得る。上記の3つの所定の位置間で内部磁極3を切り替えることによって、各所定の位置に対応する腐食され得ないエリアは、内部磁極3が別の所定の位置に移動して完全なターゲット腐食を実現するときに、腐食され得る。
【0037】
[0042]本開示の実施形態の説明を容易にするために、本開示の特定の実施形態に関連して説明を行う。図1に示す点線エリア6は、回転中に本開示の実施形態のマグネトロン機構によって覆われるエリア、即ち、ターゲット腐食エリアを表す。図1及び以下の表1を参照すると、内部磁極3が第1の位置P1に位置するとき、ターゲットの表面上の3つの非腐食エリアが対応して設けられる。3つのエリアの半径範囲は、R1(35~50mm)、R2(102~110mm)、及びR3(140~150mm)である。内部磁極3が第2の位置P2に位置するとき、ターゲットの表面上の2つの非腐食エリアが対応して設けられ、2つのエリアの半径範囲は、R2(90~100mm)及びR3(145~160mm)である。内部磁極3が第3の位置P3に位置するとき、ターゲットの表面上の2つの非腐食エリアが対応して設けられ、2つのエリアの半径範囲は、R1(30~50mm)及びR2(105~125mm)である。
【0038】
【表1】
【0039】
[0043]内部磁極3が第2の位置P2に位置するとき、第1の位置P1及び第3の位置P3に対応する半径範囲R1及びR2を有する非腐食エリアが腐食され得ることが上記から分かる。内部磁極3が第3の位置P3に位置するとき、半径範囲R3を有する第2の位置P2に対応する非エッチングエリアが腐食され得る。従って、上述の3つの所定の位置間で内部磁極3を切り替えることによって、腐食され得ない各所定の位置に対応するエリアは、内部磁極3が別の所定の位置に移動されて完全なターゲット腐食を実現するときに、腐食され得る。
【0040】
[0044]図4は、本開示の実施形態による、異なる位置の内部磁極でのプロセス結果比較を示す概略図である。図4に示すように、内部磁極3を上記の3つの所定の位置に固定してプロセスを実行することによって得られた膜の厚さ均一性は、それぞれ、2.1%、3.00%、及び1.88%であった。3つ全てが、3.00%以内である。これに基づいて、プロセスを実行するプロセスでは、上記の3つの所定の位置間で内部磁極3を切り替えることによって、膜の厚さ均一性を1.58%に増加させることができ、それは、3%よりも明らかに良好であって、膜の厚さ均一性を更に改善する。
【0041】
[0045]本開示の実施形態は、上述の第1の方向及び上述の所定の位置の特定の数を限定しないことに留意されたい。例えば、上述の第1の方向は、図1のY方向に限定されず、Y方向と任意の夾角を有する方向であり得る。実際の適用では、第1の方向及び所定の位置の特定の数は、外部磁極2及び内部磁極3の配置並びに外部磁極2と内部磁極3との間の距離に従って調整及び設定することができる。従って、本開示の実施形態は、これに限定されず、当業者は、実際の状況に従って設定を調整することができる。
【0042】
[0046]本開示の実施形態では、図3に示すように、マグネトロン機構は、駆動デバイス5を更に含む。駆動デバイス5は、バックプレーン1の頂面の1つの側上に位置し、内部磁極3に接続され、内部磁極3を駆動して移動させるように構成される。駆動デバイス5により、内部磁極3の移動の自動制御を、プロセスを実行中に実現することができる。当然ながら、実際の適用では、本開示の実施形態は、これに限定されず、内部磁極3はまた、手動制御方式で移動するように駆動することができる。
【0043】
[0047]本開示の実施形態では、駆動デバイス5は、駆動源51及び接続部材52を含み得る。駆動源51は、バックプレーン1の頂面上に配置され、動力を提供するように構成される。接続部材52の一端は、駆動源51に接続され得る。接続部材52の他端は、バックプレーン1を貫通し、内部磁極3に接続される。いくつかの実施形態では、駆動デバイス5は、ガイドレール(図示せず)を更に含み得る。ガイドレールは、バックプレーン1の頂面上に配置され得る。接続部材52は、ガイドレールに接続され得、ガイドレールに沿って移動することができる。上述のガイドレールの助けを借りて、接続部材52の移動を案内して、内部磁極3の移動精度を保証することができる。バックプレーン1は、接続部材52が貫通する位置に中空構造を有し得ることに留意されたい。中空構造のサイズは、接続部材52の移動範囲に適合されて、接続部材52の移動が干渉しないことが保証され得る。
【0044】
[0048]本開示の実施形態では、駆動源51は、ステッピングモータであり得、それは、信号を通して接続部材52の変位を制御して、内部磁極3の移動精度を更に改善するように構成される。当然ながら、実際の適用では、駆動源51はまた、サーボモータ又はリードスクリューモータであり得る。異なるタイプの駆動源を使用することによって、本開示の実施形態の適用範囲が効果的に拡張されて、適用コスト及びメンテナンスコストが効果的に低減され得る。
【0045】
[0049]要約すると、本開示の実施形態のマグネトロン機構では、外部磁極は、バックプレーンの底面上に収容空間を形成し得、内部磁極は、収容空間中に位置し、ターゲット材料の腐食エリアを変化させるために移動し得る。高圧スパッタリング環境では、ターゲット材料の腐食エリアは、内部磁極を移動させることによって変化し得、それは、内部磁極がある特定の位置に固定されているとき、ターゲット材料の対応する位置がスパッタリングプロセス全体の間に腐食され得ないことを回避することができる。このことから、完全なターゲット腐食を実現することができる。従って、本開示の実施形態のマグネトロン機構は、高圧状態のスパッタリング環境において完全なターゲット腐食を実現することができる。このことから、プロセス粒子汚染が、膜の厚さ均一性を改善することによって効果的に制御され得、それは、特に14nmプロセスのプロセス粒子制御要件を満たす。
【0046】
[0050]同じ発明概念に基づいて、本開示の実施形態は、プロセスチャンバを含む半導体加工装置を提供する。例えば、図5を参照すると、プロセスチャンバは、チャンバ本体100を含む。真空ポンプシステム101は、チャンバ本体100の底部に接続され、それは、チャンバ本体100を空にして、チャンバ本体100中で決定された真空度(例えば、10~6トル)に達するように構成される。加えて、ガス導入パイプラインが、チャンバ本体100の1つの側に接続される。ガス導入パイプラインのガス入口端は、ガス源103に接続され、反応ガス(アルゴン、窒素、等など)をチャンバ本体100の内側に送るように構成される。加えて、流量計102が、ガス導入パイプラインに配置され、反応ガスのガス導入量を制御するように構成される。
【0047】
[0051]その上、基部104が、チャンバ本体100の内側に配置され、ウェハ110を支えるように構成され得る。基部104は、加熱及び/又は冷却機能を有し得る。基部104は、基部104にバイアス電力を印加して、基板の表面上の粒子エネルギー及びプラズマシースの厚さを変化させるために、バイアス電源119に電気的に接続され得る。このことから、膜の応力及び密度が改善され得る。加えて、内部ライナ112が、チャンバ本体100の側壁の内側の周りに配置され得る。基部104がプロセス位置の下方に位置するとき、内部ライナ112の底部は、圧力リング111を支え得る。圧力リング111は、基部104がプロセス位置に位置するとき、ウェハ110の縁部エリアを加圧するように構成され得る。
【0048】
[0052]ターゲット材料105は、チャンバ本体100の内側に配置され、基部104の上方に位置し得る。ターゲット材料105は、金属材料又は金属化合物材料を使用することによって調製され得る。加えて、絶縁チャンバ本体106が、チャンバ本体100の上方に配置され得る。絶縁チャンバ本体106は、脱イオン水107で満たされ得る。加えて、環状の電流拡張電極113が、絶縁チャンバ本体106の側壁の内側上に配置され得る。環状の電流拡張電極113は、ターゲット材料105と、上部RF電源118及びDC電源117の電極とに電気的に接続され、ターゲット材料にRF電力及びDC電力を印加して、RF及びDCの同時スパッタリング環境を得るように構成され得る。プラズマ114が、チャンバ本体100の内側に形成され得る。
【0049】
[0053]加えて、マグネトロン機構は、ターゲット材料105の上方に配置され、絶縁チャンバ本体106中に位置し得る。マグネトロン機構は、上述の実施形態のマグネトロン機構を採用し得る。例えば、本実施形態では、マグネトロン機構は、プロセスチャンバのチャンバ本体100の頂部上に配置され、上述の絶縁チャンバ本体106中に位置し得る。マグネトロン機構108の助けを借りて、スパッタリング堆積速度を、効果的に増加させることができる。
【0050】
[0054]図3に示すマグネトロン機構を例に取ると、マグネトロン機構は、バックプレーン1、外部磁極2、内部磁極3、駆動源51、及び接続部材52を含む。隔離箱116が、バックプレーン1上に配置される。隔離箱116は、駆動源51及び駆動源51の接続部材52との接続部分を取り囲んで、駆動源51及び駆動源51の接続部材52との接続部分を絶縁チャンバ本体106中の脱イオン水107から隔離する。その上、駆動源51のワイヤは、中空管115を通って絶縁チャンバ本体106の外に導かれて、動力源に接続され得る。特に、中空管115の一端が、隔離箱116を貫通し、駆動源51に接続される。第1の封止部材が、中空管115と隔離箱116を貫通する第1の貫通孔との間に配置され、中空管115と第1の貫通孔との間の隙間を封止するように構成される。中空管115の他端が、絶縁チャンバ本体106を貫通し、絶縁チャンバ本体106の外側にまで延在する。第2の封止部材が、中空管115と絶縁チャンバ本体106を貫通する第2の貫通孔との間に配置され、中空管115と第2の貫通孔との間の隙間を封止するように構成される。駆動源51のワイヤが、中空管115を通って配置されて、中空管115を通って絶縁チャンバ本体106の外側に導かれる。
【0051】
[0055]加えて、バックプレーン1は、回転駆動源109に接続され得る。特に、回転駆動源109の駆動シャフトが、絶縁チャンバ本体106を貫通し、絶縁チャンバ本体106の内側に延在し、マグネトロン機構のバックプレーン1に接続され、バックプレーン1を駆動することによって、バックプレーン1上の内部磁極及び外部磁極を駆動して、同期して回転させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、磁性流体ベアリングが、回転駆動源109の駆動シャフトと絶縁チャンバ本体106を貫通する貫通孔との間の隙間を封止するように構成されて、回転駆動源109の駆動シャフトが回転することができることを保証することができ、絶縁チャンバ本体106の内側を封止することができる。マグネトロン機構を駆動して回転させるために回転駆動源109を使用することによって、時間均質化された磁場が、チャンバ本体100の円周方向の様々な角度で生成されて、ターゲット材料のより均一なスパッタリング形状を達成して、膜堆積の均一性を改善することができる。
【0052】
[0056]本実施形態では、上述のマグネトロン機構は、絶縁チャンバ本体106中に配置され得ることに留意されたい。しかしながら、本開示の実施形態は、これに限定されない。例えば、図6に示すように、マグネトロン機構は更に、絶縁チャンバ本体106の外側に配置され、絶縁チャンバ本体106の上方に位置する。この状況では、駆動源51のワイヤは、従来の方式で動力源に接続することができる。図6に示す半導体加工装置の他の構造は、図5に示す半導体加工装置の構造と同じである。
【0053】
[0057]実際の適用では、上述のマグネトロン機構について、マグネトロン機構の設置位置及び設置方式は、異なる構造の半導体加工装置に従って適応的に調整することができ、それは、本開示の実施形態において特に限定されないことに留意されたい。
【0054】
[0058]本開示の実施形態の半導体加工装置を用いて、本開示の実施形態の上述のマグネトロン機構を使用することによって、完全なターゲット腐食が、高圧状態のスパッタリング環境において実現され得る。このことから、薄膜の厚さ均一性が改善され得、プロセス粒子汚染が効果的に制御され得、それは、特に14nmプロセスのプロセス粒子制御要件を満たすことができる。
【0055】
[0059]上記の実施形態は、本開示の原理を例示するために採用される例証的な実施形態に過ぎず、本開示はそれに限定されないことを理解されたい。当業者であれば、本開示の趣旨及び本質から逸脱することなく、様々な修正及び改善を行うことができ、これらの修正及び改善も本開示の保護範囲内である。
【0056】
[0060]本開示の説明では、「中央」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内部」、「外部」、等の用語によって示す向き又は位置関係は、図面に示す向き又は位置関係に基づき、参照されるデバイス又は要素が特定の向きを有し、特定の向きで構築及び動作されなければならないことを示す又は暗示するのではなく、本開示の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものに過ぎず、それらは、本開示を限定するものと解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0057】
[0061]「第1の」及び「第2の」という用語は、説明の目的で使用されるに過ぎず、相対的な重要性を示す若しくは暗示するものとして、又は示す技術的特徴の数を暗示的に示すものとして解釈されるべきではない。このことから、「第1の」又は「第2の」として定義される特徴は、特徴のうちの1つ以上を明示的又は暗示的に含み得る。本開示の説明では、別段の指定がない限り、「複数の」は、2つ以上を意味する。
【0058】
[0062]本開示の説明では、「設置された」、「接続された」、及び「結合された」という用語は、別段の明示的な指定及び限定がない限り、広い意味で理解されるべきであり、それは、例えば、固定接続又は取り外し可能な接続、又は一体型接続を含み、直接接続、又は中間媒体を経由する間接接続、及び2つの要素の内部連通も含むことに留意されたい。当業者であれば、本開示における上記の用語の特定の意味は、特定の状況において理解することができる。
【0059】
[0063]本明細書の説明では、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の1つ以上の実施形態又は例において任意の適切な方式で組み合わされ得る。
【0060】
[0064]上記は、本開示のいくつかの実施形態に過ぎない。当業者であれば、本開示の原理から逸脱することなく、いくつかの改善及び修正を行うこともできることを指摘しておく。これらの改善及び修正は、本開示の保護範囲内にあるべきである。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 半導体加工装置に適用されるマグネトロン機構であって、バックプレーンと、外部磁極と、内部磁極とを備え、
前記外部磁極は、前記バックプレーンの底面上に配置され、収容空間を形成するように取り囲み、前記内部磁極は、前記バックプレーンの前記底面上に配置され、前記収容空間中に位置し、前記内部磁極は、ターゲット材料の腐食エリアを変化させるために移動し、前記内部磁極と前記外部磁極との間の距離は、移動中に所定の距離よりも常に長い、マグネトロン機構。
[2] 前記内部磁極は、前記バックプレーンの前記底面に対して平行な第1の方向に沿って直線的に移動し、前記第1の方向に沿って間隔を置いて配置された複数の所定の位置において交互に停止する、[1]に記載のマグネトロン機構。
[3] 前記外部磁極は、外弧部分及び内弧部分を含み、それらは、直列に接続され、前記収容空間を共に形成し、前記外弧部分は、前記内部磁極の、前記ターゲット材料の表面の縁部に近い側上に位置し、前記内弧部分は、前記内部磁極の、前記ターゲット材料の前記表面の中心に近い側上に位置し、
前記所定に位置は、3つの位置を含み、それらは、第1の位置、第2の位置、及び第3の位置であり、前記第2の位置は、前記第1の位置の、前記外弧部分に近い側上に位置し、前記第3の位置は、前記第1の位置の、前記内弧部分に近い側上に位置する、[2]に記載のマグネトロン機構。
[4] 前記マグネトロン機構は、駆動デバイスを更に含み、前記駆動デバイスは、前記バックプレーンの頂面上に配置され、前記内部磁極に接続され、前記内部磁極を駆動して移動させるように構成されている、[1]~[3]のうちのいずれか一項に記載のマグネトロン機構。
[5] 前記駆動デバイスは、駆動源及び接続部材を含み、前記駆動源は、前記バックプレーンの前記頂面上に配置され、動力を提供するように構成され、前記接続部材の一端は、前記駆動源に接続され、前記接続部材の他端は、前記バックプレーンを貫通し、前記内部磁極に接続される、[4]に記載のマグネトロン機構。
[6] 前記駆動デバイスは、ガイドレールを更に含み、前記ガイドレールは、前記バックプレーンの前記頂面上に配置され、前記接続部材は、前記ガイドレールに接続され、前記ガイドレールに沿って移動する、[5]に記載のマグネトロン機構。
[7] 前記所定の距離は、10mm以上である、[1]に記載のマグネトロン機構。
[8] 前記内部磁極及び前記外部磁極は、不等間隔で配置され、前記内部磁極と前記外部磁極との間の前記距離は、30~60mmの範囲である、[1]~[3]のうちのいずれか一項に記載のマグネトロン機構。
[9] 前記内部磁極は、平面螺旋形状であり、前記内部磁極の一端は前記ターゲット材料の表面の中心に近く、前記内部磁極の他端は前記ターゲット材料の前記表面の縁部に近い、[1]~[3]のうちのいずれか一項に記載のマグネトロン機構。
[10] プロセスチャンバと、[1]~[9]のうちのいずれか一項に記載の前記マグネトロン機構とを備える半導体加工装置であって、前記マグネトロン機構は、前記プロセスチャンバの頂部上に配置される、半導体加工装置。
[11] 前記マグネトロン機構として、[5]又は[6]に記載の前記マグネトロン機構が採用され、
前記半導体加工装置は、前記プロセスチャンバの上方に配置された絶縁チャンバ本体及び中空管を更に備え、前記絶縁チャンバ本体は、脱イオン水で満たされ、前記マグネトロン機構は、前記絶縁チャンバ本体中に配置され、隔離箱が、前記バックプレーン上に配置され、前記隔離箱は、前記駆動源及び前記隔離箱の前記接続部材との接続部分を取り囲んで、前記駆動源及び前記接続部分を前記絶縁チャンバ本体中の前記脱イオン水から隔離し、
前記中空管の一端が、前記隔離箱を貫通し、前記駆動源に接続され、第1の封止部材が、前記中空管と前記隔離箱を貫通する第1の貫通孔との間に配置され、前記中空管と前記第1の貫通孔との間の隙間を封止するように構成され、前記中空管の他端が、前記絶縁チャンバ本体を貫通し、前記絶縁チャンバ本体の外側にまで延在し、第2の封止部材が、前記中空管と前記絶縁チャンバ本体を貫通する第2の貫通孔との間に配置され、前記中空管と前記第2の貫通孔との間の隙間を封止するように構成され、前記駆動源のワイヤが、前記中空管を通って配置されて、前記中空管を通って前記絶縁チャンバ本体の前記外側に案内される、[10]に記載の半導体加工装置。
[12] 前記半導体加工装置は、前記プロセスチャンバの上方に配置された絶縁チャンバ本体を更に含み、脱イオン水が、前記絶縁チャンバ本体中に満たされ、前記マグネトロン機構は、前記絶縁チャンバ本体の上方に配置される、[10]に記載の半導体加工装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6