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特許7499372遠心分離システムおよび遠心分離機を動作させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】遠心分離システムおよび遠心分離機を動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   B04B 1/08 20060101AFI20240606BHJP
   B04B 11/02 20060101ALI20240606BHJP
   B04B 7/14 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
B04B1/08
B04B11/02
B04B7/14
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023044677
(22)【出願日】2023-03-20
(62)【分割の表示】P 2022511057の分割
【原出願日】2020-07-03
(65)【公開番号】P2023083282
(43)【公開日】2023-06-15
【審査請求日】2023-04-18
(31)【優先権主張番号】19192213.7
(32)【優先日】2019-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509005513
【氏名又は名称】アルファ-ラヴァル・コーポレート・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ペール-グスタフ・ラーション
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/228992(WO,A1)
【文献】特表2013-517939(JP,A)
【文献】特表2003-501235(JP,A)
【文献】特開2002-066382(JP,A)
【文献】特表2002-537997(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0171645(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0304277(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04B 1/00-15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体供給混合物を軽相と重相とに分離するように構成された遠心分離機(2)と、制御システム(30)とを含む遠心分離システム(1)であって、
処理液が、前記液体供給混合物、前記軽相、および前記重相のうちの1つ以上を含み、前記遠心分離機は、垂直回転軸(6)周りで回転するように構成されかつ分離空間(8)が設けられたローター(4)を含み、
前記遠心分離機(2)は、前記分離空間(8)に通じる入口(10)と、前記分離空間(8)から通じる軽相出口(12)と、前記分離空間(8)から通じる重相出口(14)と、前記分離空間(8)内に配置された分離ディスク(18)の積層体(16)と、をさらに含み、
前記制御システム(30)は、温度測定値を提供するための、前記分離空間(8)内の第1の半径位置に配置された第1のセンサ(34)と、制御ユニット(32)とを含み、
前記制御システム(30)は、温度測定値を提供するための、前記分離空間(8)内の第2の半径位置に配置された第2のセンサ(36)を含み、
前記第1の半径位置は、前記第2の半径位置の半径方向外側にあり、
前記第1および第2のセンサ(34、36)は、前記遠心分離機(2)の動作中に前記処理液の中に沈められるように設置され、
前記制御ユニット(32)は、前記第1および第2のセンサ(34、36)からの測定値に基づいて、前記遠心分離機(2)の動作中に前記分離空間(8)内の前記液体供給混合物の1つ以上の成分の密度を決定するように構成されることを特徴とする、遠心分離システム(1)。
【請求項2】
流量制御手段(38、40、44、46)を含み、前記制御ユニット(32)は、前記密度に基づいて前記流量制御手段(38、40、44、46)を制御するように構成される、請求項1に記載の遠心分離システム(1)。
【請求項3】
前記重相出口(14)内に配置された重相弁(38)を含み、流量制御手段は、前記重相弁(38)を含む、請求項1または2に記載の遠心分離システム(1)。
【請求項4】
前記軽相出口(12)内に配置された軽相弁(40)を含み、流量制御手段は、前記軽相弁(40)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の遠心分離システム(1)。
【請求項5】
前記重相出口(14)は、前記ローター(4)の外周に配置されたノズル(42)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の遠心分離システム(1)。
【請求項6】
スラッジ出口を含み、前記スラッジ出口は、前記ローター(4)の外周に配置されたノズル(42)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の遠心分離システム(1)。
【請求項7】
流量制御手段は、前記ノズル(42)を開閉するように構成された滑動可能なボウル底(46)を含む、請求項5または6に記載の遠心分離システム(1)。
【請求項8】
流量制御手段は、前記ノズル(42)の全開口面積を変更するための機構(44)を含む、請求項5または6に記載の遠心分離システム(1)。
【請求項9】
前記重相出口(14)は、前記分離空間(8)の半径方向に遠い部分から前記ローター(4)の中心部に向けて前記ローター(4)の中で延びる少なくとも1つのチャネル(48)を含み、前記重相出口(14)は、前記ローター(4)と前記遠心分離機(2)の固定部との間で機械的に気密封止される、請求項1から4または6のいずれか一項に記載の遠心分離システム(1)。
【請求項10】
前記第1のセンサ(34)は、前記分離ディスク(18)の積層体(16)の半径方向外側に配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載の遠心分離システム(1)。
【請求項11】
前記第2のセンサ(36)は、前記分離ディスク(18)の積層体(16)の半径方向外側に配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の遠心分離システム(1)。
【請求項12】
前記第2のセンサ(36)は、前記分離ディスク(18)の積層体(16)の半径方向内部または半径方向内側に配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の遠心分離システム(1)。
【請求項13】
前記分離空間(8)内の第3の半径位置に配置された第3のセンサ(50)を含み、前記第3の半径位置は、半径方向に前記第1および第2の半径位置の間にある、請求項1から12のいずれか一項に記載の遠心分離システム(1)。
【請求項14】
液体供給混合物を軽相と重相とに分離するように構成された遠心分離機(2)を動作させる方法(100)であって、処理液が、前記液体供給混合物、前記軽相、および前記重相のうちの1つ以上を含み、
前記遠心分離機(2)は、垂直回転軸(6)周りで回転するように構成されかつ分離空間(8)が設けられたローター(4)と、前記分離空間(8)に通じる入口(10)と、前記分離空間(8)から通じる軽相出口(12)と、前記分離空間(8)から通じる重相出口(14)と、前記分離空間(8)内に配置された分離ディスク(18)の積層体(16)と、温度測定値を提供するための、前記分離空間(8)内の第1の半径位置に配置された第1のセンサ(34)と、温度測定値を提供するための、前記分離空間(8)内の第2の半径位置に配置された第2のセンサ(36)と、を含み、
前記第1の半径位置は、前記第2の半径位置の半径方向外側にあり、
前記方法(100)が、
前記ローター(4)を回転させるステップ(102)と、
前記入口(10)を介して前記分離空間(8)内に液体供給混合物を導くステップ(104)と、
前記第1および第2のセンサ(34、36)を前記処理液の中に沈めるステップ(106)と、
前記第1のセンサ(34)を用いて第1の温度を測定するステップ(108)と、
前記第2のセンサ(36)を用いて第2の温度を測定するステップ(110)と、
前記第1の温度および前記第2の温度に基づいて前記液体供給混合物の1つ以上の成分の密度を決定するステップ(112)と、を含む、方法(100)。
【請求項15】
前記遠心分離機(2)は流量制御手段を含み、前記方法(100)は、
前記密度に基づいて前記流量制御手段を制御するステップ(114)を含む、請求項14に記載の方法(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離システムと遠心分離機を動作する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
遠心分離機を使用する間に、液体供給混合物またはその分離された軽相および重相の成分のパラメータが、測定され得る。測定されたパラメータは、液体供給混合物の軽相および重相への分離をモニタおよび/または制御するために利用され得る。
【0003】
特許文献1は、遠心分離機と、生成物を重相と軽相とに分離する方法とを開示する。遠心機ローターは、閉じた分離空間を包含し、閉じた分離空間は、重相のための半径方向外側部分と、軽相のための半径方向内側部分と、中央のガス充填空間とを有する。半径方向外側部分は、界面層レベルによって半径方向内側部分から分離される。入口は、生成物を供給するために分離空間の中に延びる。第1の出口は、重相を排出するために半径方向外側部分から延びる。第2の出口は、軽相を排出するために半径方向内側部分から延びる。制御機器は、界面層レベルの所望の半径位置への制御を可能にする。センサは、中央空間内のガス圧力に関連するパラメータを感知する。制御機器は、界面層レベルを所望の半径位置に制御するための第2のパラメータに応答して、第1の出口内の対抗圧を制御する。
【0004】
特許文献2は、遠心分離機のローターの分離空間のスラッジ空間の中に延びる2つのパイプを含む遠心分離機を開示する。パイプの各々は、分離機から延びる固定の管体に気密に接続される。圧力感知デバイスが、管体内に配置される。スラッジは、所定の圧力差が達成されると、ローター内の半径方向外側のスラッジ出口開口を介して排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第7485084号明細書
【文献】米国特許第3408000号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ガスまたはパイプおよび管体を介する遠心分離機内の処理液のパラメータの間接的な測定値に依存することは、いくつかのタイプの遠心分離機に対して信頼性を欠くことまたは不可能であることが判明している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の欠点のうちの少なくとも1つを克服するか、または少なくとも軽減することは有利であろう。特に、遠心分離機内の液体供給混合物の分離に関連するパラメータを高信頼に決定することを提供することが望ましい。これらの懸案事項のうちの1つ以上にうまく対処するために、種々の態様によれば、独立クレームのうちの1つにおいて定義される特徴を有する遠心分離システム、およびさらなる独立クレームにおいて定義される遠心分離機を動作させる方法が提供される。
【0008】
本発明の一態様によれば、液体供給混合物を軽相と重相とに分離するように構成された遠心分離機を含む遠心分離システムと、制御システムとが提供される。処理液は、液体供給混合物、軽相、および重相のうちの1つ以上を含む。遠心分離機は、垂直回転軸周りに回転するように構成されかつ分離空間が設けられたローターを含む。遠心分離機は、分離空間に通じる入口と、分離空間から通じる軽相出口と、分離空間から通じる重相出口と、分離空間内に配置された分離ディスクの積層体とをさらに含む。制御システムは、分離空間内の第1の半径位置に配置された第1の圧力センサと、制御ユニットとを含む。制御システムは、分離空間内の第2の半径位置に配置された第2の圧力センサを含む。第1の半径位置は、第2の半径位置の半径方向外側にあり、第1および第2の圧力センサは、遠心分離機の動作中に処理液の中に沈むように設置され、制御ユニットは、第1および第2の圧力センサからの測定値に基づいて遠心分離機の動作中に分離空間内の処理液のパラメータを決定するように構成される。
【0009】
第1および第2の圧力センサは、分離空間内の異なる半径位置に配置され、第1および第2の圧力センサは処理液の中に沈んでいるので、および制御ユニットは、第1および第2の圧力センサからの測定値に基づいて遠心分離機の動作中に分離空間内の処理液のパラメータを決定するように構成されるので、遠心分離システムの動作中にパラメータを利用するための条件が提供される。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、液体供給混合物を軽相と重相とに分離するように構成された遠心分離機を動作させる方法が提供される。処理液は、液体供給混合物、軽相、および重相のうちの1つ以上を含む。遠心分離機は、垂直回転軸周りに回転するように構成されかつ分離空間が設けられたローターと、分離空間に通じる入口と、分離空間から通じる軽相出口と、分離空間から通じる重相出口と、分離空間内に配置された分離ディスクの積層体と、分離空間内の第1の半径位置に配置された第1の圧力センサと、分離空間内の第2の半径位置に配置された第2の圧力センサとを含む。第1の半径位置は、第2の半径位置の半径方向外側にある。方法は、
- ローターを回転させるステップと、
- 液体供給混合物を入口を介して分離空間内に導くステップと、
- 第1および第2の圧力センサを処理液の中に沈めるステップと、
- 第1の圧力センサを用いて第1の圧力を測定するステップと、
- 第2の圧力センサを用いて第2の圧力を測定するステップと、
- 第1および第2の圧力に基づいて処理液のパラメータを決定するステップとを含む。
【0011】
方法は、処理液の中に第1および第2の圧力センサを沈めるステップと、第1の圧力を測定するステップと、第2の圧力を測定するステップと、第1および第2の圧力に基づいて処理液のパラメータを決定するステップとを含むので、遠心分離機の動作中、および/または遠心分離機を含むシステムの動作中にパラメータを利用するための条件が提供される。
【0012】
遠心分離機は、ディスク積層体遠心分離機と呼ばれることもある。遠心分離機は、高速遠心分離機、すなわち、一千または数千回転毎秒、rpmで垂直回転軸回りにローターが回転する遠心分離機であり得る。ローターは、分離機ローター、分離機ボウル、またはボウルと呼ばれることもある。
【0013】
ローターは、遠心分離機の固定筐体内に配置され得る。ローターは、たとえば、電気モータを含む駆動装置によって垂直回転軸周りに回転するように駆動され得る。
【0014】
液体供給混合物を軽相と重相とに分離する間に、重相は、分離空間の周辺における円周部の中に集められる。円周部は、分離機ローターの円周方向に延び、したがって、分離空間内に仮想のリングまたは環状体を形成し得る。
【0015】
液体供給混合物は、固形物の内容物を有し得る。固形物は、重相の一部として液体供給混合物から分離され得る。したがって、重相は、高濃度固形物懸濁液などの固形物懸濁液を形成し得る。代替的に、固形物の内容物は、スラッジ出口を介して分離空間を離れるスラッジ相の部分を形成し得る。液体供給混合物が、重相より重い液体スラッジ相を含む、さらなる代替形態があり得る。同じく、この後者の代替形態では、スラッジ相は、スラッジ出口を介して分離空間を離れ得る。
【0016】
処理液という用語は、遠心分離機の動作中に遠心分離機の中で処理される、混合または分離されたすべての物質に関連する。その結果、処理液という用語は、任意の固体粒子、すなわち、軽相、重相、およびもし存在すればスラッジを含む液体供給混合物およびその成分の各々に関連する。
【0017】
処理液のパラメータは、たとえば、第1および第2の圧力センサの測定値間の圧力差、軽相と重相との間の界面の半径位置、または重相の密度であり得る。
【0018】
第1および第2の圧力センサを沈めることは、第1および第2の圧力センサの少なくとも圧力感知部が処理液の中に沈められることを意味する。すなわち、第1および第2の圧力センサは、センサの少なくとも圧力感知部が、遠心分離機の動作中に処理液によって覆われるように、ローターまたはその部品の中に搭載される。
【0019】
第1の圧力センサは、制御ユニットと通信するように構成される。第2の圧力センサは、制御ユニットと通信するように構成される。第1および第2の圧力センサは、分離空間内の半径位置において配置されるので、当然ながら、それらはローターの中に配置され、したがって、ローターとともに回転するように配置される。同じく、制御ユニットは、ローター内に配置されてよく、ローターとともに回転するように配置され得る。
【0020】
実施形態によれば、遠心分離システムは、流量制御手段を含んでよく、制御ユニットは、パラメータに基づいて流量制御手段を制御するように構成され得る。このようにして、決定されたパラメータは、遠心分離システムの動作中に利用され得る。流量制御手段は、液体供給混合物、軽相、および/または重相の流れのうちの1つ以上を制御し得る。
【0021】
実施形態によれば、ローターは、ローターの外周に配置されたノズルを含み得る。ノズルは、重相出口またはスラッジ出口を形成し得る。流量制御手段は、ノズルを開閉するように構成された滑動可能なボウル底を含み得る。このようにして、制御ユニットは、滑動可能なボウル底を制御することによって決定されたパラメータに基づいて、ノズルを介して分離空間から分離された重相および/または分離されたスラッジの排出を制御し得る。したがって、重相および/またはスラッジの排出は、たとえば、一定間隔とは対照的に、決定されたパラメータの特定の値に基づいて、必要なときに実行され得る。一定間隔で排出することは、軽相が重相とともに排出されること、または重相がスラッジとともに排出されること、または重相もしくはスラッジが分離空間内に蓄積することにつながる場合がある。その結果、決定されたパラメータに基づいて滑動可能なボウル底を制御することによって、生成物があまり浪費されなくなり、ノズルの目詰まりが防止され得る。
【0022】
実施形態によれば、第1の圧力センサが、分離ディスクの積層体の半径方向外側に配置され得る。このようにして、第1の圧力センサは、分離空間内で分離ディスクの積層体の半径方向外側に蓄積された重相および/またはスラッジを考慮に入れた圧力を測定し得る。その結果、決定されたパラメータは、分離空間内の重相および/またはスラッジの影響を受けた測定値を反映し得る。
【0023】
実施形態によれば、第2の圧力センサが、分離ディスクの積層体の半径方向外側に配置され得る。このようにして、第2の圧力センサは、分離空間内で分離ディスクの積層体の半径方向外側に蓄積された重相および/またはスラッジを考慮に入れた圧力を測定し得る。決定されたパラメータは、たとえば、重相および/もしくはスラッジによる分離空間の充填度、または重相および/もしくはスラッジの密度を反映し得る。
【0024】
実施形態によれば、第2の圧力センサが、分離ディスクの積層体の半径方向内部または半径方向内側に配置され得る。このようにして、第2の圧力センサは、分離空間内の分離ディスクの積層体の半径方向内部または半径方向内側で分離された軽相を考慮に入れた圧力を測定し得る。その結果、決定されたパラメータは、分離空間内の軽相の影響を受けた測定値を反映し得る。決定されたパラメータは、たとえば、重相および/もしくはスラッジによる分離空間の充填度を反映し得る。
【0025】
実施形態によれば、制御システムは、分離空間内の第3の半径位置に配置された第3の圧力センサを含んでよく、第3の半径位置は、半径方向に第1および第2の半径位置の間にあり、制御ユニットは、第3の圧力センサおよび第1および第2の圧力センサのうちの少なくとも1つからの測定値に基づいて、遠心分離機の動作中の分離空間内の処理液のさらなるパラメータを決定するように構成される。このようにして、遠心分離機の動作中、および/または遠心分離機を含むシステムの動作中に決定されたさらなるパラメータを利用するための条件が提供される。
【0026】
処理液のさらなるパラメータは、たとえば、第1および第2の圧力センサの測定値間の圧力差、軽相と重相との間の界面の半径位置、または重相の密度であり得る。
【0027】
本発明のさらなる態様によれば、命令を含むコンピュータプログラムが提供され、命令は、プログラムがコンピュータによって実行されるとき、本明細書で説明する態様および/または実施形態のうちの任意の1つによる方法をコンピュータに遂行させる。
【0028】
本発明のさらなる態様によれば、命令を含むコンピュータ可読記憶媒体が提供され、命令は、コンピュータによって実行されるとき、本明細書で説明する態様および/または実施形態のうちの任意の1つによる方法をコンピュータに遂行させる。
【0029】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の特許請求の範囲および以下の発明を実施するための形態を研究すれば明白になるであろう。
【0030】
特定の特徴および利点を含む本発明の様々な態様および/または実施形態は、以下の発明を実施するための形態および添付の図面の中で説明する例示的な実施形態から、容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】遠心分離機の実施形態を概略的に示す図である。
図2】遠心分離機の実施形態を概略的に示す図である。
図3】遠心分離機の実施形態を概略的に示す図である。
図4】実施形態による遠心分離機の一部を通る断面を概略的に示す図である。
図5a】遠心分離機のローターの実施形態を通る断面図である。
図5b】遠心分離機のローターの実施形態を通る断面図である。
図5c】遠心分離機のローターの実施形態を通る断面図である。
図5d】遠心分離機のローターの実施形態を通る断面図である。
図5e】遠心分離機のローターの実施形態を通る断面図である。
図6】実施形態による制御システムを示す図である。
図7】遠心分離機を動作させる方法の実施形態を示す図である。
図8】実施形態によるコンピュータ可読記憶媒体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の態様および/または実施形態が、次により十分に説明される。同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。簡潔さおよび/または明快さのために、よく知られている機能または構成は、必ずしも詳細に説明されるとは限らない。
【0033】
図1は、遠心分離システム1の実施形態を概略的に示す。遠心分離システム1は、遠心分離機2と制御システム30とを含む。遠心分離機2は、図1の断面図の中に示される。
【0034】
遠心分離機2は、液体供給混合物を軽相と重相とに分離するように構成される。遠心分離機2は、ローター4を含む。ローター4は、垂直回転軸6周りに回転するように構成されかつ分離空間8を与えられる。遠心分離機2は、分離空間8に通じる入口10と、分離空間8から通じる軽相出口12と、分離空間8から通じる重相出口14と、分離空間8内に配置された円錐台状の分離ディスク18の積層体16とをさらに含む。
【0035】
ローター4は、回転される駆動装置19によって駆動され得る。図示の実施形態では、駆動装置19は、スピンドル20と電気モータ22とを含む。ローター4は、スピンドル20に取り付けられる。スピンドル20は、電気モータ22の一部を形成し、すなわち、ローター4は、電気モータ22によって直接駆動される。代替的に、駆動装置19は、ローター、電気モータ、および電気モータとスピンドルとの間に配置された変速機に接続されたスピンドルを含み得る。したがって、駆動配置19は、垂直回転軸6回りにローター4を回転させ得る。ローター4は、遠心分離機2の筐体24の内部に回転可能に搭載される。
【0036】
ローター4の分離空間8内で液体供給混合物を分離中、液体供給混合物は、ローター4の中心から分離空間8内に入口10を介して導かれる。液体供給混合物は、軽相と重相とに分離される。分離された軽相は、垂直回転軸6に向かって分離ディスク18の間を半径方向内向きに流れ、軽相出口12を介してローター4の外に流れる。分離された重相は、分離空間8の周辺に向かって分離ディスク18の間を半径方向外向きに流れ、重相出口14を介してローター4の外に流れる。ここでは、液体供給混合物、重相、および軽相の各々は、処理液という用語によって包含される。
【0037】
この種類の遠心分離機は知られており、いくつかの異なるタイプおよびサイズが加わる。本発明は、一般に、この種類の遠心分離機の異なるタイプおよびサイズに適用可能である。たとえば、いくつかの実施形態に関して別段の定めがない限り、本発明は、入口10、軽相出口12、および重相出口14のタイプおよび配置に限定されない。入口10および出口12、14は、たとえば、開いていてもよく、および/または機械的に気密に封止されてもよく、および/またはパーリングディスク(paring disc)を設けられてもよい。それらは、図1に示すように、ローター4の上端において、および/またはたとえば図2および図3に示すように、ローター4の下端において、および/またはローター4の外周において設けられてもよい。
【0038】
上記のように、遠心分離システム1は、制御システム30を含む。制御システム30は、制御ユニット32と、分離空間8内の第1の半径位置に配置された第1の圧力センサ34と、分離空間8内の第2の半径位置に配置された第2の圧力センサ36とを含む。第1の半径位置は、第2の半径位置の半径方向外側にある。第1および第2の圧力センサ34、36は、遠心分離機の動作中に処理液の中に沈められるように設置される。
【0039】
第1および第2の圧力センサ34、36は、制御ユニット32と通信するように構成される。たとえば、第1および第2の圧力センサ34、36からの圧力測定値は、制御ユニット32に伝達され得る。制御ユニット32は、第1および第2の圧力センサ34、36からの測定値に基づいて、遠心分離機2の動作中に分離空間8内の処理液のパラメータを決定するように構成される。上記のように、液体供給混合物、重相、および軽相の各々は、処理液という用語によって包含される。
【0040】
第1および第2の圧力センサ34、36の各々は、圧力を測定するように構成される。第1の圧力センサ34は、処理液の圧力を測定するように構成される。第2の圧力センサ36は、処理液の圧力を測定するように構成される。
【0041】
上記のように、制御ユニット32は、第1および第2の圧力センサ34、36からの測定値に基づいて、遠心分離機2の動作中に分離空間8内の処理液のパラメータを決定するように構成される。パラメータは、遠心分離機2の動作中および/または分離システム1の動作中に、直接的または間接的に利用され得る
【0042】
実施形態によれば、パラメータは、第1および第2の圧力センサ34、36の間の圧力差であり得る。このようにして、結論が、分離空間8内の処理液に関連する圧力差から引き出され得る。たとえば、軽相と重相との間の界面、および/またはスラッジと重相との間の界面の半径位置が決定され得る。
【0043】
実施形態によれば、パラメータは、処理液の密度であり得る。このようにして、処理液の密度が、遠心分離機2の動作中、および/または遠心分離機2を含む分離システム1の動作中に考慮され得る。たとえば、重相の密度が、軽相と重相との間の界面の半径位置を決定するときに考慮に入れられ得る。
【0044】
より詳細には、制御ユニット32は、処理液に作用する力についての知識を用いて、すなわち、ローター4の回転速度およびセンサ34、36の半径位置に応じて、センサ34、36からの圧力の読みを利用することによって、半径方向に第1および第2の圧力センサ34、36の間に存在する処理液の密度を計算し得る。たとえば、密度は、式
【0045】
【数1】
【0046】
を利用して計算され得、p1およびp2は、それぞれの第1および第2の圧力センサ34、36によってbarで測定された圧力であり、wは、rad/sにおける回転速度であり、rp1およびrp2は、第1および第2の圧力センサ34、36のそれぞれのmmにおける半径位置である。
【0047】
一例として説明すると、重相またはスラッジの密度を決定するために、重相またはスラッジは、第1および第2の圧力センサ34、36の上に半径方向に広がることを許容され得る。密度が決定されると、第1および第2の圧力センサは、軽相と重相との間の界面の、および/またはスラッジと重相との間の界面の半径位置を決定するために利用され得る。
【0048】
同様に、分離動作の始まりにおいて、かなりの量の重相またはスラッジが分離空間8内に蓄積する前に、軽相の密度が決定され得る。次いで、軽相だけが、第1および第2の圧力センサ34、36の上に半径方向に広がり、軽相の密度が、計算され得る。
【0049】
遠心分離システム1は、少なくとも1つの流量制御手段38、40を含み得る。制御ユニット32は、パラメータに基づいて流量制御手段38、40を制御するように構成され得る。流量制御手段は、処理液の流れを制御するために利用され得る。これは、遠心分離機2の正常動作中には有利であり得るが、同様にまたは代替的に、たとえば、遠心分離機2の起動の間、および/または液体供給混合物の分離の間など、遠心分離機2の特定の段階の動作中に利用され得る。以下に、様々な流量制御手段の非限定的な例について説明する。
【0050】
実施形態によれば、遠心分離システム1は、重相出口14内に配置された重相弁38を含んでよく、流量制御手段は、重相弁38を含む。このようにして、制御ユニット32は、重相出口14を通る重相の流れを制御し得る。重相弁38は、開位置と閉位置だけを有する遮断弁であり得る。代替的に、重相弁38は、弁を通る流れの量を制御するように構成された比例弁であり得る。
【0051】
実施形態によれば、遠心分離システム1は、軽相出口12内に配置された軽相弁40を含んでよく、流量制御手段は、軽相弁40を含む。このようにして、制御ユニット32は、軽相出口12を通る軽相の流れを制御し得る。軽相弁40は、開位置と閉位置だけを有する遮断弁であり得る。代替的に、軽相弁40は、弁を通る流れの量を制御するように構成された比例弁であり得る。
【0052】
重相弁38および/または軽相弁40は、重相弁38の位置によって図1に示すように、ローター4と一緒に回転するようにローター4の中に、またはローター4に配置され得る。代替的に、重相弁38および/または軽相弁40は、軽相弁40の位置によって図1に示すように、それぞれの出口14、12の固定部の中のさらに下流に配置され得る。
【0053】
図1の実施形態では、制御システム30の制御ユニット32は、ローター4の中に配置される。代替的に、制御ユニット32は、遠心分離機2の固定部の中に、もしくは図2の実施形態におけるように遠心分離機2の外側の遠心分離システム1の一部として配置されてもよく、または制御ユニットは、図3の実施形態におけるように分散型制御ユニット32、32’であってもよい。
【0054】
図2は、遠心分離システム1の実施形態を概略的に示す。遠心分離システム1は、図1の遠心分離システム1にほとんど似ている。その結果、以下では、両実施形態間の差を主体に説明する。
【0055】
再び、遠心分離機2は、液体供給混合物を軽相と重相とに分離するように構成される。遠心分離機2は、垂直軸6回りに回転するように構成されたローター4を含む。遠心分離機2は、分離空間8に通じる入口10と、分離空間8から通じる軽相出口12とをさらに含む。分離ディスク18の積層体は、分離空間8の内部に配置される。
【0056】
一例として説明すると、機構44は、アクチュエータによって変位可能な滑動要素を含み得る。滑動要素は、少なくとも1つの開ノズル位置と、少なくとも1つのノズル42の少なくとも一部がカバーされる位置との間を滑動されるように構成される。
【0057】
再び、遠心分離システム1は、制御ユニット32と、分離空間8内の第1の半径位置に配置された第1の圧力センサ34と、分離空間8内の第2の半径位置に配置された第2の圧力センサ36とを含む制御システム30を含む。
【0058】
遠心分離機2は、分離空間8から通じる重相出口14を含む。これらの実施形態では、重相出口14は、ローター4の外周に配置されたノズル42を含む。このようにして、大きい重相内容物を有する液体供給混合物が、遠心分離機2の中で分離され得る。ノズル42のうちの少なくとも1つは、遠心分離機2の動作中、常に少なくとも部分的に開いている。したがって、重相は、遠心分離機2の動作中にノズル42のうちの1つ以上を通して連続的に排出される。
【0059】
実施形態によれば、遠心分離機2は流量制御手段を含み、流量制御手段は、ノズル42の全開口面積を変更するための機構44を含み得る。このようにして、重相出口14を通る分離された重相の流れが制御され得る。
【0060】
その結果、制御ユニット32は、パラメータに基づいて機構44を制御するように構成され得る。したがって、重相出口14のノズル42を通る分離された重相の流れは、パラメータに基づいて制御され得る。純粋に一例として説明すると、分離空間8内の軽相と重相との間の界面の位置は、ノズル42の全開口面積を制御するために利用されるパラメータを形成し得る。
【0061】
図2の実施形態では、制御システム30の制御ユニット32は、遠心分離機2の固定部内に、または遠心分離機2の外側の遠心分離システム1の一部として配置される。圧力センサ34、36は、直接、またはローター4内に配置された図示されない送信機もしくはトランシーバを介して、制御ユニット32とワイヤレスに通信する。代替的に、制御システム30の制御ユニット32は、図1の実施形態におけるようにローター4の中に配置されてよく、または制御ユニットは、図3の実施形態におけるように分散型制御ユニット32、32’であってもよい。
【0062】
図3は、遠心分離システム1の実施形態を概略的に示す。遠心分離システム1は、図1および図2の遠心分離システム1にほとんど似ている。その結果、以下では、両実施形態間の差を主体に説明する。
【0063】
再び、遠心分離機2は、液体供給混合物を軽相と重相とに分離するように構成される。遠心分離機2は、垂直軸6回りに回転するように構成されたローター4を含む。遠心分離機2は、分離空間8に通じる入口10と、分離空間8から通じる軽相出口12とをさらに含む。分離ディスク18の積層体は、分離空間8の内部に配置される。
【0064】
再び、遠心分離機2は、この場合は、少なくとも2つの制御ユニット32、32’と、分離空間8内の第1の半径位置に配置された第1の圧力センサ34と、分離空間8内の第2の半径位置に配置された第2の圧力センサ36とを含む制御システム30を含む。
【0065】
再び、遠心分離機2は、分離空間8から通じる重相出口14を含み、重相出口14は、ローター4の外周に配置されたノズル42を含む。
【0066】
これらの実施形態では、流量制御手段は、ノズル42を開閉するように構成された滑動可能なボウル底46を含む。このようにして、分離された重相は、滑動可能なボウル底46がノズル42を開いているときだけ排出される。言い換えれば、重相出口14は、滑動可能なボウル底46がノズル42が開いている位置にあるときだけ、開いている。滑動可能なボウル底自体およびその動作機構は、当技術分野で知られている。
【0067】
制御ユニット32、32’のうちの少なくとも1つは、パラメータに基づいて滑動可能なボウル底46を制御するように構成され得る。したがって、重相出口14のノズル42を通る分離された重相の流れは、パラメータに基づいて制御され得る。一例として説明すると、分離空間8内の軽相と重相との間の界面の位置は、ノズル42の開閉を制御するために利用されるパラメータを形成し得る。
【0068】
さらなる実施形態によれば、遠心分離機2は、図1に関して説明したように、軽相出口12と重相出口14とを含む。遠心分離機2はスラッジ出口をさらに含み、スラッジ出口は、ローター4の外周に配置されたノズル42を含む。すなわち、スラッジ出口は、図3に関して説明したように、ノズル42を含む。より詳細には、重相出口を形成する代わりに、ノズル42がスラッジ出口を形成する。流量制御手段は、ノズル42を開閉するように構成された滑動可能なボウル底46を含み、分離空間8からスラッジを間欠的に排出するために、制御ユニット32、32’のうちの少なくとも1つによって制御される。
【0069】
制御ユニット32、32’のうちの少なくとも1つは、パラメータに基づいて滑動可能なボウル底46を制御するように構成され得る。したがって、スラッジ出口のノズル42を通るスラッジの流れは、パラメータに基づいて制御され得る。一例として説明すると、分離空間8内のスラッジと重相との間の界面の位置は、ノズル42の開閉を制御するために利用されるパラメータを形成し得る。
【0070】
図3の実施形態では、制御システム30は、制御ユニット32、32’を含む分散制御システムであり、すなわち、制御システム30は、2つ以上の制御ユニット32、32’、たとえば、ローター4内に配置された1つの制御ユニット32と、遠心分離機2の固定部内に、または遠心分離機2の外側の遠心分離システム1の一部として配置された1つの制御ユニット32’とを含む。2つ以上の制御ユニット32、32’は、制御タスク、計算タスク、および通信タスクなど、種々のタスクを実行し得る。代替的に、制御システム30の制御ユニット32は、図1の実施形態におけるようにローター4の中に配置されてもよく、または制御ユニット32は、図2の実施形態におけるように、遠心分離機2の固定部の中に、もしくは遠心分離機2の外側の遠心分離システム1の一部として配置されてもよい。
【0071】
図4は、実施形態による遠心分離システム1の遠心分離機2の一部を通る断面を概略的に示す。遠心分離システム1は、図1図3の実施形態の遠心分離システム1にほとんど似ており、実施形態は、上記で説明したスラッジ出口を含む。その結果、以下では、両実施形態間の差を主体に説明する。
【0072】
これらの実施形態では、重相出口14は、分離空間8の半径方向に遠い部分からローター4の中心部に向けてローター4の中で延びる少なくとも1つのチャネル48を含む。重相出口14は、ローター4と遠心分離機2の固定部との間で機械的に気密に封止される。
【0073】
遠心分離機2を通る処理液の流れは、図4に矢印で示される。液体供給混合物は、ローター4の下部において入口10を介してローター4に入り、分離空間8に流入する。分離空間8の中で、液体供給混合物は、軽相出口12を介してローターの外に流れる軽相と、重相出口14を介してローター4の外に流れる重相とに分離される。入口10および軽相出口12も、機械的に気密に封止される。
【0074】
少なくとも1つのチャネル48はチューブを含んでよく、すなわち、少なくとも1つのチャネル48は、その延長に沿って同じ断面積を有する。代替的に、少なくとも1つのチャネル48は、分離空間8の半径方向に遠い部分において、ローター4の中心部に向かうよりも大きい断面積を有する通路を含んでもよい。
【0075】
同じく、これらの実施形態では、遠心分離機2は、ローター4の外周に配置されたノズル42を含む。滑動可能なボウル底46を含む流量制御手段は、ノズル42を開閉するために設けられる。
【0076】
これらの実施形態では、液体供給混合物の内容物および液体供給混合物の分離から得られる相に応じて、ノズル42は、重相出口、スラッジ出口、または組み合わされたスラッジおよび重相の出口のいずれかの部分を形成し得る。
【0077】
再び、制御ユニット32は、パラメータに基づいて滑動可能なボウル底46を制御するように構成され得る。したがって、ノズル42を通る重相および/またはスラッジの排出が、制御され得る。例として説明すると、分離空間8内のスラッジと重相との間の界面の位置、または重相と軽相との間の界面の位置は、ノズル42の開閉を制御するために利用されるパラメータを形成し得る。
【0078】
図5a~図5eは、図1図4に関して上記で説明した遠心分離システム1の一部を形成する遠心分離機2などの遠心分離機のローター4の実施形態を通る断面を示す。図5a~図5eでは、ローター4内に配置された圧力センサの異なる位置および数が、概略的に示されている。図5a~図5eに示すローター4は、ローター4の中心に向かって配置された重相出口を設けられる。しかしながら、実施形態は、この種類のローター4に限定されない。代替的に、ローター4は、ローター4の半径方向外周において重相出口を設けられてもよく、またはローター4は、図2図4に関して上記で説明したように、ローター4の半径方向外周においてスラッジ出口を付加的に設けられてもよい。
【0079】
遠心分離システム1は、図1図4に関して上記で説明し、図6に関して以下で説明するように、制御システム30を含む。制御システム30の制御ユニット32は、ローター4内に配置されて示されたが、制御ユニット32は、図1図4に関して上記で説明した実施形態のうちの1つにおけるように、または任意の他の好適な方式で、配置されてもよい。制御システム30の様々な例示的な実施形態が、図5a~図5eに関してさらに説明される。再び、制御システム30は、1つ以上の制御ユニット32と、第1の圧力センサ34と、第2の圧力センサ36とを含む。第1および第2の圧力センサ34、36は、それらが分離空間8内の処理液から圧力の読みを取り得るように、種々の半径位置において分離空間8内に配置される。
【0080】
上記のように、第1および第2の圧力センサ34、36は、制御ユニット32と通信するように構成され、制御ユニット32は、第1および第2の圧力センサ34、36からの測定値に基づいて、遠心分離機2の動作中に分離空間8内の処理液のパラメータを決定するように構成される。
【0081】
本明細書では、分離ディスクの積層体の半径方向外側という用語は、分離ディスクの積層体の半径方向の延長の外側の半径位置に対応する。分離ディスクの積層体の半径方向内側という用語は、分離ディスクの積層体の半径方向の延長の中の半径位置、すなわち、分離ディスクの積層体の内半径と外半径との間の半径位置に対応する。分離ディスクの積層体の半径方向内側という用語は、分離ディスクの積層体の内半径の中の半径位置に対応する。
【0082】
とりわけ図5a~図5cおよび図5eに示す実施形態によれば、第1の圧力センサ34が、分離ディスク18の積層体16の半径方向外側に配置され得る。その結果、第1の圧力センサ34は、分離された重相および/または分離されたスラッジが、遠心分離機の動作中に蓄積するローター4および分離空間8の一部における圧力を測定し得る。したがって、決定されたパラメータは、分離空間内の重相および/またはスラッジの影響を受けた測定値を反映し得る。
【0083】
図5aおよび図5bに示す実施形態によれば、第2の圧力センサ36が、分離ディスク18の積層体16の半径方向外側に配置され得る。したがって、第2の圧力センサ36は、第1の圧力センサ34の半径方向内側に配置されるので、第2の圧力センサ36は、分離空間8内の圧力を測定し得、その圧力は、遠心分離機の動作中にいくつかの条件のもとで、分離された重相および/またはスラッジの影響を受け、遠心分離機の動作中に他の条件のもとで、液体供給混合物または分離された軽相の影響を受ける。したがって、決定されたパラメータは、たとえば、重相および/もしくはスラッジによる分離空間の充填度、または重相および/もしくはスラッジの密度を反映し得る。
【0084】
例として説明すると、図5aおよび図5bの実施形態では、パラメータは、第1および第2の圧力センサ34、36の間の圧力差であり得る。たとえば、制御ユニット32を介して圧力差をモニタすることで、分離空間8内の軽相と重相との間の界面、および/またはスラッジと重相との間の界面の半径位置についての情報が提供される。
【0085】
図5aの実施形態では、第1の圧力センサ34は、分離空間8内の最も外の半径位置にまたはその近くに設置され、第2の圧力センサ36は、積層体16の方に設置される。遠心分離機の動作中、特定の圧力差が、界面の特定の半径位置に対応し得る。圧力差が遠心分離機の動作中に一定の圧力差の範囲内の一定値に留まる場合、これは、界面の半径位置が一定のままであることを示す。圧力差が、値において最大の圧力差で一定のままである場合、これは、界面が、第2の圧力センサ36の半径方向内側にあることを示す。
【0086】
図5bの実施形態では、第1および第2の圧力センサ34、36は、分離空間8内で、分離ディスク18の積層体16の半径方向外側に、互いに接近して設置される。遠心分離機の動作中、界面が第1の圧力センサ34に達する前は、第1および第2の圧力センサ34、36の間の圧力差は一定のままである。界面が、第1の圧力センサ34を通過し、したがって、第1および第2の圧力センサ34、36の間にあるとき、圧力差は増加し始める。これは、界面が、第1および第2の圧力センサ34、36の間の半径位置にあることの指標である。そのような圧力差における変化は、遠心分離機を制御するために、たとえば、ローター4の滑動可能なボウル底を動作させることによってローター4のノズルを開くために、制御システムによって利用され得る。
【0087】
例として説明すると、第1および第2の圧力センサ34、36の間の半径方向距離は、8~50mmの範囲内、または10~30mmの範囲内にあり得る。軽相と重相との間の密度差が大きいほど、第1および第2の圧力センサの間の距離は小さくなり得る。
【0088】
とりわけ図5c~図5eおよび図1に示す実施形態によれば、第2の圧力センサ36は、分離ディスク18の積層体16の半径方向内部または半径方向内側に配置され得る。より詳細には、図5cでは、第2の圧力センサ36は、積層体16の半径方向内部に配置され、図1の実施形態では、第2の圧力センサ36は、積層体16の半径方向内側に配置される。
【0089】
第2の圧力センサ36は、分離ディスク18の積層体16の半径方向内部または半径方向内側の分離空間8内で分離された軽相の圧力を測定し得る。
【0090】
その結果、決定されたパラメータは、分離空間内の軽相の影響を受けた測定値を反映し得る。決定されたパラメータは、たとえば、重相および/またはスラッジによる分離空間の充填度を反映し得る。
【0091】
例として説明すると、図5cの実施形態では、パラメータは、第1および第2の圧力センサ34、36の間の圧力差であり得る。この圧力差をモニタすることで、軽相と重相との間の界面の半径位置についての情報が提供される。たとえば、遠心分離機の動作中、特定の圧力差が、界面の特定の半径位置に対応し得る。
【0092】
とりわけ図5dに示す実施形態によれば、第1の圧力センサ34は、分離ディスク18の積層体16の半径方向内部に配置され得る。このようにして、積層体16にわたるまたは積層体16の一部の圧力差がモニタされ得る。圧力差がしきいのレベルを超える場合、分離ディスク18の積層体16の目詰まりについて、結論が引き出され得る。
【0093】
図5eに示す実施形態によれば、制御システム40は、分離空間8内の第3の半径位置に配置された第3の圧力センサ50を含んでよく、第3の半径位置は、半径方向に第1および第2の半径位置の間にあり、制御ユニット32は、第3の圧力センサ50ならびに第1および第2の圧力センサ34、36のうちの少なくとも1つからの測定値に基づいて、遠心分離機の動作中の分離空間8内の処理液のさらなるパラメータを決定するように構成される。
【0094】
さらなる決定されたパラメータは、遠心分離機の動作中、および/または遠心分離機を含むシステムの動作中に利用され得る。さらなるパラメータは、たとえば、処理液の成分の中の圧力差、またはその成分の密度であり得る。その結果、さらなるパラメータは、たとえば、第1および第3の圧力センサ34、50の間の圧力差、第3および第2の圧力センサ50、36の間の圧力差、または第1および第3の圧力センサ34、50からの圧力測定値に基づく密度であり得る。後者の場合、好適には、第3の半径位置は、分離ディスク18の積層体16の半径方向外側にある。
【0095】
第1および第3の圧力センサ34、50からの圧力測定値に基づく密度は、遠心分離機の動作中に、第1および第3の圧力センサ34、50の間の圧力差がもはや変化しないときに計算され得る。これは、第1および第3の圧力センサ34、50の間の半径方向距離が、重相またはスラッジで満たされていることを意味する。上記で説明したように、第1および第3の圧力センサ34、50の半径位置と、ローター4の回転速度と、第1および第3の圧力センサ34、50の間の圧力差とについての知識を用いて、重相またはスラッジの密度が、計算され得る。
【0096】
図6は、本発明の異なる態様および/または実施形態に関連して利用される実施形態による制御システム30を示す。制御システム30は、図1図5eにも示されている。制御システム30は、少なくとも1つの制御ユニット32を含み、制御ユニット32は、実質的に任意の好適なタイプのプロセッサ回路またはマイクロコンピュータ、たとえば、デジタル信号処理のための回路(デジタルシグナルプロセッサ、DSP)、中央処理装置(CPU)、処理ユニット、処理回路、プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサ、または命令を解釈して実行し得る他の処理論理回路の形を取ってもよい。本明細書で使用される「制御ユニット」という表現は、たとえば、上記の処理回路のうちのいずれかの、一部の、または全部のなど、複数の処理回路を含む処理回路を表し得る。制御システム30は、メモリユニット53を含む。制御ユニット32は、メモリユニット53に接続され、メモリユニット53は制御ユニット32に、たとえば、記憶されたプログラムコード、データテーブル、および/または、制御ユニット32が計算を行うことと、遠心分離機を制御することと、随意に遠心分離機を含むシステムを制御することとを可能にするために必要な他の記憶されたデータを提供する。制御ユニット32はまた、メモリユニット53内に計算の部分的または最終的結果を記憶するように適応される。メモリユニット53は、データまたはプログラム、すなわち命令のシーケンスを一時的または永久的に記憶するために利用される物理デバイスを含み得る。いくつかの実施形態によれば、メモリユニット53は、シリコンベーストランジスタを含む集積回路を含み得る。メモリユニット53は、種々の実施形態において、たとえば、メモリカード、フラッシュメモリ、USBメモリ、ハードディスク、またはたとえば、ROM(リードオンリーメモリ)、PROM(プログラマブルリードオンリーメモリ)、EPROM(消去可能なPROM)、EEPROM(電気的消去書き込み可能なPROM)など、データを記憶するための別の同様の揮発性もしくは不揮発性記憶ユニットを含み得る。
【0097】
制御システム30は、第1および第2の圧力センサ34、36をさらに含む。随意に、制御システム30は、第3の圧力センサ50を含み得る。制御ユニット32は、圧力センサ34、36、50と通信し、これらのセンサから圧力測定値を受信する。制御ユニット32は、センサ34、36、50から出力信号を受信するように構成される。これらの信号は、波形、パルス、または他の属性を含んでよく、それらは、制御ユニット32によって情報として検出され得、それらは、制御ユニット32によって処理可能な信号に直接的または間接的に変換され得る。それぞれのセンサへの接続の各々は、ケーブル、データバス、たとえばCAN(コントローラエリアネットワーク)バス、MOST(メディア指向システム移送(media orientated systems transport))バス、もしくはいくつかの他のバス構成、またはワイヤレス接続の中から1つ以上の形を取り得る。図示の実施形態では、1つだけの制御ユニット32およびメモリ53が示されているが、制御システム30は、代替的に、2つ以上の制御ユニットおよび/またはメモリを含んでもよい。
【0098】
制御ユニット32は、 図1図5eに示すように、ローター4の中に配置され得る。代替的に、制御ユニット32は、ローター4の外側に配置されてもよく、たとえば、ワイヤレスにセンサ34、36、50と通信してもよい。2つ以上の制御ユニットを含む実施形態は、ローター4の中に配置された1つ以上の制御ユニットとローター4の外側に配置された1つ以上の制御ユニットとを含む場合がある。
【0099】
制御ユニット32およびセンサ34、36、50は、遠心分離機のローター内に配置されたバッテリによってバッテリ給電され得る。代替的に、電気エネルギーが、ローター、回転変圧器、またはスリップリングの中に配置された発電機によって制御ユニットおよびセンサに供給されてもよい。
【0100】
データの例は、圧力測定データであり得る。圧力センサ34、36、50は、圧力測定値を提供するように構成される。随意に、センサ34、36、50のうちの1つ以上は、たとえば、温度測定値など、他の物理量の測定値を提供し得る。そのような温度測定値は、液体供給混合物の成分のうちの1つ以上の密度を決定するときに利用され得る。代替的に、別個の温度センサ(図示せず)が、制御ユニット32に温度測定値を提供してもよい。
【0101】
データテーブルの例は、第1および第2のセンサ34、36からの、もしくは第1および第3のセンサ34、50からの測定値の間の圧力差の種々の値に対してマッピングされた、たとえば軽相と重相との間の界面の位置を含むテーブル、または温度に対する軽相および/または重相の密度をマッピングしたデータテーブルであり得る。
【0102】
図7は、遠心分離機を動作させる方法100の実施形態を示す。遠心分離機は、図1図4に関して説明した実施形態のうちの任意の1つによる、および/または図5a~図6に関して説明した制御システム30を含むローター4を含む、遠心分離機2であり得る。以下において、同じく、図1図6が参照される。
【0103】
その結果、ローター4は、分離空間8と、分離空間8に通じる入口10と、分離空間8内の第1の半径位置に配置された第1の圧力センサ34と、分離空間8内の第2の半径位置に配置された第2の圧力センサ36とを与えられる。
【0104】
方法100は、
- ローター4を回転させるステップ102と、
- 入口10を介して分離空間8内に液体供給混合物を導くステップ104と、
- 第1および第2の圧力センサ34、36を処理液の中に沈めるステップ106と、
- 第1の圧力センサ34を用いて第1の圧力を測定するステップ108と、
- 第2の圧力センサ36を用いて第2の圧力を測定するステップ110と、
- 第1および第2の圧力に基づいて処理液のパラメータを決定するステップ112とを含む。
【0105】
上記で説明したように、処理液のパラメータは、たとえば、第1および第2の圧力センサ34、36の測定値間の圧力差、軽相と重相との間の界面の半径位置、または重相の密度であり得る。温度など、処理液のさらなる物理量が、パラメータを決定するために利用され得る。
【0106】
実施形態によれば、パラメータは、第1および第2の圧力センサ34、36の間の圧力差であり得る。
【0107】
実施形態によれば、パラメータは、処理液の密度であり得る。
【0108】
実施形態によれば、遠心分離機2は、流量制御手段38、40を含んでよく、方法100は、
- パラメータに基づいて流量制御手段38、40を制御するステップ114を含んでよい。さらに、とりわけ図1図4に関して上記を参照されたい。
【0109】
実施形態によれば、流量制御手段は、重相出口14内に配置された重相弁38を含み、流量制御手段を制御するステップ114は、
- 重相弁38を制御するステップ116を含み得る。さらに、とりわけ図1に関して上記を参照されたい。
【0110】
実施形態によれば、流量制御手段は、軽相出口12内に配置された軽相弁40を含み、流量制御手段を制御するステップ114は、
- 軽相弁40を制御するステップ118を含み得る。さらに、とりわけ図1に関して上記を参照されたい。
【0111】
実施形態によれば、遠心分離機2は、ローター4の外周に配置されたノズル42を含み、流量制御手段は、ノズル42を開閉するように構成された滑動可能なボウル底46を含み、流量制御手段を制御するステップ114は、
- ノズル42を開閉するために滑動可能なボウル底46を制御するステップ120を含み得る。さらに、とりわけ図3および図4に関して上記を参照されたい。
【0112】
実施形態によれば、重相出口はノズル42を含み、ノズル42を開閉するために滑動可能なボウル底46を制御するステップ120は、ノズル42が開かれているときに分離空間8の周辺から蓄積された重相を排出することをもたらす。
【0113】
実施形態によれば、遠心分離機2はスラッジ出口を含み、スラッジ出口はノズル42を含み、ノズル42を開閉するために滑動可能なボウル底46を制御するステップ120は、ノズル42が開かれているときに分離空間8の周辺から蓄積されたスラッジを排出することをもたらす。
【0114】
実施形態によれば、重相出口は、ローター4の外周に配置されたノズル42を含み、流量制御手段は、ノズル42の全開口面積を変更するための機構44を含み、流量制御手段を制御するステップ114は、
- 全開口面積を変更するために機構44を制御するステップ122を含み得る。さらに、とりわけ図2に関して上記を参照されたい。
【0115】
実施形態によれば、遠心分離機2は、分離空間8内の第3の半径位置に配置された第3の圧力センサ50を含み、第3の半径位置は、半径方向に第1および第2の半径位置の間にあり、方法100は、
- 第3の圧力センサ50を用いて第3の圧力を測定するステップ124と、
- 第3の圧力と第1および第2の圧力のうちの少なくとも1つとに基づいて処理液のさらなるパラメータを決定するステップ112とを含み得る。さらに、とりわけ図5eに関して上記を参照されたい。
【0116】
一態様によれば、命令を含むコンピュータプログラムが提供され、命令は、プログラムがコンピュータによって実行されるとき、特に図7に関して本明細書で説明する態様および/または実施形態のうちの任意の1つによる方法100をコンピュータに遂行させる。遠心分離機を動作させる方法100は、プログラムされた命令によって実装され得ることは、当業者には諒解されよう。これらのプログラムされた命令は、一般的に、コンピュータプログラムによって構成され、命令は、コンピュータまたは制御システムの中で実行されるとき、コンピュータまたは制御システムが、本発明による方法ステップ102~124などの望ましい制御を遂行することを確実にする。コンピュータプログラムは、通常、コンピュータプログラムがその上に記憶される好適なデジタル記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品の一部である。
【0117】
図8は、実施形態によるコンピュータ可読記憶媒体90を示す。コンピュータ可読記憶媒体90は命令を含み、命令は、コンピュータまたは他の制御システム30によって実行されるとき、本明細書で説明する態様および/または実施形態のうちの任意の1つによる方法100を、コンピュータまたは他の制御システム30に遂行させる。コンピュータ可読記憶媒体90は、たとえば、制御システム30の1つ以上の制御ユニット32にロードされたとき、いくつかの実施形態によるステップ102~124のうちの少なくともいくつかを実行するためのコンピュータプログラムコードを搬送するデータキャリアの形で提供され得る。データキャリアは、たとえば、ROM(リードオンリーメモリ)、PROM(プログラマブルリードオンリーメモリ)、EPROM(消去可能PROM)、フラッシュメモリ、EEPROM(電気的消去書き込み可能PROM)、ハードディスク、CD ROMディスク、メモリスティック、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または非一時的に機械可読データを保持し得るディスクもしくはテープなどの任意の他の適切な媒体であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、さらに、サーバ上のコンピュータプログラムコードとして提供されてもよく、たとえば、インターネットもしくはインターネット接続上で、または他のワイヤードもしくはワイヤレス通信システムを介してリモートに制御システム30にダウンロードされてもよい。
【0118】
上記は、様々な例示的な実施形態の例であり、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定されることを理解されたい。例示的な実施形態は修正され得ること、および例示的な実施形態の種々の特徴が、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明した実施形態以外の実施形態を生成するために組み合わされ得ることは、当業者には理解されよう。
【符号の説明】
【0119】
1 遠心分離システム
2 遠心分離機
4 ローター
6 垂直軸
8 分離空間
10 入口
12 軽相出口
14 重相出口
16 積層体
18 分離ディスク
19 駆動装置
20 スピンドル
22 電気モータ
24 筐体
30 制御システム
32 制御ユニット
34 第1の圧力センサ
36 第2の圧力センサ
38 流量制御手段
40 流量制御手段
42 ノズル
44 機構
46 滑動可能なボウル底
48 チャネル
50 第3の圧力センサ
53 メモリユニット
90 コンピュータ可読記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図6
図7
図8