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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】アクセスネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 88/08 20090101AFI20240606BHJP
   H04W 28/084 20230101ALI20240606BHJP
【FI】
H04W88/08
H04W28/084
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023542812
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 CN2022072791
(87)【国際公開番号】W WO2022156716
(87)【国際公開日】2022-07-28
【審査請求日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】202110071823.3
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン、ヤンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、シアオトン
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/057328(WO,A1)
【文献】特開2005-217982(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0150045(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアクセスネットワーク機能を含むアクセスネットワークシステムであって、
前記複数のアクセスネットワーク機能はアクセスネットワークSBAバスを介して互いに接続され、前記複数のアクセスネットワーク機能のうちのいずれかは、前記アクセスネットワークSBAバスによって他のアクセスネットワーク機能により提供されるサービスを呼び出すことができる、アクセスネットワークシステム。
【請求項2】
前記複数のアクセスネットワーク機能は、
無線リソース制御RRC設定、端末ページング、モビリティ管理、RRC状態管理のうちの少なくとも1つを含むサービスを提供するための第1アクセスネットワーク機能と、
データ暗号化、データ完全性保護、切替データの完全性確保のうちの少なくとも1つを含むサービスを提供するための第2アクセスネットワーク機能と、
データパケットのセグメント化又は併合、データパケットのハイブリッド自動再送要求HARQ伝送のうちの少なくとも1つを含むサービスを提供するための第3アクセスネットワーク機能と、
データのエアインタフェース送信リソースのマッピングを含むサービスを提供するための第4アクセスネットワーク機能と、
端末の無線コンテキスト情報の提供、端末の無線コンテキスト情報の作成及び更新のうちの少なくとも1つを含むサービスを提供するための第5アクセスネットワーク機能と、
端末の無線セキュリティコンテキストの提供を含むサービスを提供するための第6アクセスネットワーク機能と、
ユーザプレーン制御機能、サービス品質QoS情報報告、ユーザプレーン情報の統計及びフィードバックのうちの少なくとも1つを含むサービスを提供するための第7アクセスネットワーク機能と、のうちの少なくとも2つを含む、請求項1に記載のアクセスネットワークシステム。
【請求項3】
前記複数のアクセスネットワーク機能は、正確なデータ送信の確保を含むサービスを提供するための第8アクセスネットワーク機能をさらに含む、請求項2に記載のアクセスネットワークシステム。
【請求項4】
前記複数のアクセスネットワーク機能は、ユーザプレーン機能に接続される前記第7アクセスネットワーク機能を含む、請求項2に記載のアクセスネットワークシステム。
【請求項5】
前記複数のアクセスネットワーク機能のうちの少なくとも1つがコアネットワークSBAバスに接続される、請求項1に記載のアクセスネットワークシステム。
【請求項6】
前記アクセスネットワークシステムにおけるアクセスネットワーク機能は、コアネットワーク機能のサービスを呼び出す際に、前記コアネットワークSBAバスにアクセスすることができ、前記コアネットワーク機能が前記コアネットワークSBAバスに接続される、請求項5に記載のアクセスネットワークシステム。
【請求項7】
前記アクセスネットワークSBAバスはコアネットワーク機能に接続され、前記コアネットワーク機能がコアネットワークSBAバスに接続される、請求項1に記載のアクセスネットワークシステム。
【請求項8】
前記コアネットワーク機能は、前記アクセスネットワークシステムにおけるアクセスネットワーク機能のサービスを呼び出す際に、前記アクセスネットワークSBAバスにアクセスすることができる、請求項7に記載のアクセスネットワークシステム。
【請求項9】
前記コアネットワーク機能は、
アクセス及びモビリティ管理機能AMFと、
ネットワークデータ分析機能NWDAFと、
セッション管理機能SMFと、
認証サーバ機能AUSFと、のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載のアクセスネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は通信の技術分野に属し、具体的にはアクセスネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトウェア定義ネットワーク(Software Defined Network,SDN)及びネットワーク機能仮想化(Network Functions Virtualization,NFV)は、無線移動通信ネットワークの主な発展方向の1つである。現在、コアネットワーク側ではサービスベースアーキテクチャ(Service-based Architecture,SBA)が既に部分的に実現されているが、アクセスネットワーク(Radio Access Network,RAN)側では依然として従来の論理ユニット設計及び論理インタフェースのままであり、これは無線ネットワークのモジュール化設計の理念に不利であり、ネットワークサービスの高速展開及びアップグレードに不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願の実施例は、現在のアクセスネットワークが無線ネットワークのモジュール化設計の理念に不利で、ネットワークサービスの高速展開及びアップグレードに不利であるという問題を解決するアクセスネットワークシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1態様において、複数のアクセスネットワーク機能を含むアクセスネットワークシステムであって、前記複数のアクセスネットワーク機能はアクセスネットワークサービスベースアーキテクチャ(SBA)バスを介して互いに接続され、前記複数のアクセスネットワーク機能のうちのいずれかは、前記アクセスネットワークSBAバスによって他のアクセスネットワーク機能により提供されるサービスを呼び出すことができる、アクセスネットワークシステムを提供する。
【発明の効果】
【0005】
本出願の実施例で提供されるアクセスネットワークシステムは、アクセスネットワークにおけるハードウェアエンティティが複数のアクセスネットワーク機能に分割され、複数のアクセスネットワーク機能はアクセスネットワークSBAバスを介して互いに接続され、複数のアクセスネットワーク機能のうちのいずれかは、アクセスネットワークSBAバスによって他のアクセスネットワーク機能により提供されるサービスを呼び出すことができる。本出願の実施例は無線ネットワークのモジュール化設計理念に寄与し、ネットワークサービスの高速展開及びアップグレードに寄与し、後続のクラウドコンピューティング技術、人工知能(Artificial Intelligence,AI)等のインターネットテクノロジー(Internet Technology,IT)技術との融合に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本出願の実施例に係るアクセスネットワークシステムの構造模式図である。
図2】本出願の実施例に係るアクセスネットワークシステムの構造模式図である。
図3】本出願の実施例に係るアクセスネットワークシステムの構造模式図である。
図4】本出願の実施例に係るアクセスネットワークSBAバスとコアネットワークSBAバスとの接続関係の模式図である。
図5】本出願の実施例に係るアクセスネットワークSBAバスとコアネットワークSBAバスとの接続関係の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下において本出願の実施例における図面を参照しながら、本出願の実施例における技術的解決手段を明確に説明し、当然、説明される実施例は本出願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者により得られた他の全ての実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0008】
本出願の明細書及び特許請求の範囲における用語「第1」、「第2」等は、特定の順序又は前後順を説明するためのものではなく、類似する対象を区別するためのものである。このように使用される用語は、本出願の実施例がここで図示又は記述される以外の順序で実施できるように、適当な場合において互いに置き換えてもよいことを理解すべきであり、また、「第1」、「第2」で区別される対象は、通常、1種類であり、対象の数を限定することがなく、例えば、第1対象は1つであってもよいし、複数であってもよいことを理解すべきである。また、明細書及び特許請求の範囲において「及び/又は」は、接続対象のうちの少なくとも1つを表し、符号の「/」は、一般に前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0009】
以下において例示の目的で第6世代(6th Generation,6G)通信システムを説明し、且つ以下の説明の大部分において6G用語を使用するが、これらの技術は6Gシステムアプリケーション以外のアプリケーション、例えば5G発展システム、7Gシステム等にも適用できる。
【0010】
本出願の実施例はアクセスネットワーク(Radio Access Network,RAN)サービスベースアーキテクチャ(Service-based Architecture,SBA)システムを提案し、該システムは、RANのコントロールプレーン機能に集中するRAN SBAドメインを構成する。RANのユーザプレーン制御機能は該アクセスネットワークシステムの範囲に属してもしなくてもよい。本出願の実施例はRAN SBAドメインとコアネットワーク(Core Network,CN)SBAドメインとの相互運用の解決手段をも提供する。以下に図面を参照しながら、具体的な実施例及びその適用シナリオにより本出願の実施例で提供されるアクセスネットワークシステムを詳細に説明する。
【0011】
図1に示すように、本出願の実施例は、複数のアクセスネットワーク機能を含むアクセスネットワークシステムを提供する。図1では、単に第1アクセスネットワーク機能から第6アクセスネットワーク機能の6つのアクセスネットワーク機能を例示的に示しているが、実際に、アクセスネットワークシステムにおける複数のアクセスネットワーク機能の数はこれに限定されず、6つより多くてもよいし、6つより少なくてもよい。
【0012】
本出願の実施例において、アクセスネットワークシステムにおける複数のアクセスネットワーク機能はアクセスネットワークSBAバス(又はRAN SBA BUS、もしくはRAN BUSと呼ばれる)を介して互いに接続され、これら複数のアクセスネットワーク機能のうちのいずれかは、前記アクセスネットワークSBAバスによって他のアクセスネットワーク機能により提供されるサービスを呼び出すことができる。
【0013】
選択的に、該アクセスネットワークSBAバスにアクセスする他のネットワーク機能、例えばコアネットワーク機能も、これら複数のアクセスネットワーク機能のうちのいずれか又は複数により提供されるサービスを呼び出すことができる。
【0014】
該実施例において、複数のアクセスネットワーク機能は、例えば無線リソース制御(Radio Resource Control,RRC)設定、端末ページング、端末のモビリティ管理、端末のRRC状態管理等、端末のデータ伝送に関するサービス等を含むアクセスサービスを、端末に提供できる。
【0015】
選択的に、アクセスネットワークシステムにおける複数のアクセスネットワーク機能は、関連技術においてパケットデータコンバージェンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol,PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control,RLC)、媒体アクセス制御(Media Access Control,MAC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control,RRC)層、物理(Physical)層等により提供可能なサービス又は実現可能な機能を実現できる。例えば、第2アクセスネットワーク機能により提供可能なサービスは、例えばデータ暗号化、データ完全性保護、切替データの完全性を確保するサービス等を含み、関連技術においてPDCP層により提供可能なサービスに対応している。
【0016】
本出願の実施例で提供されるアクセスネットワークシステムは、アクセスネットワークにおけるハードウェアエンティティが複数のアクセスネットワーク機能に分割され、複数のアクセスネットワーク機能はアクセスネットワークSBAバスを介して互いに接続され、複数のアクセスネットワーク機能のうちのいずれかは、アクセスネットワークSBAバスによって他のアクセスネットワーク機能により提供されるサービスを呼び出すことができる。本出願の実施例は無線ネットワークのモジュール化設計の理念に寄与し、ネットワークサービスの高速展開及びアップグレードに寄与し、後続のクラウドコンピューティング技術、人工知能(Artificial Intelligence,AI)等のインターネットテクノロジー(Internet Technology,IT)技術との融合に寄与する。
【0017】
本出願の実施例で提供されるアクセスネットワークシステムは、複数のアクセスネットワーク機能に分割され、それぞれソフトウェアの形態で実現され、ハードウェアアーキテクチャによる制約から解放し、アクセスネットワークシステムの柔軟な展開を容易にすることができる。
【0018】
選択的に、本出願の実施例で提供されるアクセスネットワークシステムに含まれる複数のアクセスネットワーク機能は、以下の1)~7)のうちの少なくとも2つを含んでもよい。
【0019】
1)RRC設定、端末ページング、モビリティ管理、RRC状態管理のうちの少なくとも1つを含むサービスを提供するための第1アクセスネットワーク機能。
第1アクセスネットワーク機能により提供されるサービスを呼び出し可能なネットワーク機能は、例えば、アクセス及びモビリティ管理機能(Access and Mobility Management Function,AMF)を含む。
【0020】
2)データ暗号化、データ完全性保護、切替データの完全性確保のうちの少なくとも1つを含むサービスを提供するための第2アクセスネットワーク機能。
第2アクセスネットワーク機能により提供されるサービスを呼び出し可能なネットワーク機能は、例えば、第1アクセスネットワーク機能に属し得るRRC生成機能エンティティを含む。RRC生成機能エンティティはRRCメッセージを生成するために用いることができ、例えば、RRC生成エンティティはブロードキャストメッセージを生成し、続いて完全性保護のために第2アクセスネットワーク機能に転送する。
【0021】
3)データパケットのセグメント化又は併合、データパケットのハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat Request,HARQ)伝送のうちの少なくとも1つを含むサービスを提供するための第3アクセスネットワーク機能。
第3アクセスネットワーク機能により提供されるサービスを呼び出し可能なネットワーク機能は、例えば、第1アクセスネットワーク機能を含み、例えば、第1アクセスネットワーク機能は生成されたデータをセグメント化、併合等の操作のために第3アクセスネットワーク機能に転送する。
【0022】
4)データのエアインタフェース送信リソースのマッピングを含むサービスを提供するための第4アクセスネットワーク機能。
第4アクセスネットワーク機能により提供されるサービスを呼び出し可能なネットワーク機能は、例えば、第3アクセスネットワーク機能を含む。
【0023】
5)端末の無線コンテキスト情報の提供、端末の無線コンテキスト情報の作成及び更新のうちの少なくとも1つを含むサービスを提供するための第5アクセスネットワーク機能。
通常、アクセスネットワークシステムにおける他のアクセスネットワーク機能は、いずれも第5アクセスネットワーク機能により提供されるサービスを呼び出すことができる。
【0024】
6)端末の無線セキュリティコンテキストの提供を含むサービスを提供するための第6アクセスネットワーク機能。
第6アクセスネットワーク機能により提供されるサービスを呼び出し可能なネットワーク機能は、例えば、アクセスネットワークシステムにおいて端末と通信し、通信シグナリングをセキュリティ保護する必要があるアクセスネットワーク機能を含む。
【0025】
7)ユーザプレーン制御機能、サービス品質(Quality of Service,QoS)情報報告、ユーザプレーン情報の統計及びフィードバックのうちの少なくとも1つを含むサービスを提供するための第7アクセスネットワーク機能。
【0026】
選択的に、上述の2つの実施例で言及した複数のアクセスネットワーク機能は、正確なデータ送信の確保を含むサービスを提供するための第8アクセスネットワーク機能をさらに含んでもよい。
【0027】
上記複数の実施例において、前記複数のアクセスネットワーク機能が前記第7アクセスネットワーク機能を含む場合、前記第7アクセスネットワーク機能は、ユーザプレーンデータの伝送を実現するために用いられ得るユーザプレーン機能(User Plane Function,UPF)に接続されてもよい。
【0028】
選択的に、本出願の実施例で提供されるアクセスネットワークシステムは、複数のアクセスネットワーク機能のうちの少なくとも1つが、コアネットワークSBAバス(CN SBA BUS)に接続されてもよい。例えば、上記第1アクセスネットワーク機能はコアネットワークSBAバスに接続される。該実施例において、コアネットワークSBAバスには、例えばAMF、セッション管理機能(Session Management Function,SMF)等を含む複数のコアネットワーク機能がさらに接続されている。上記アクセスネットワーク機能とコアネットワークSBAバスとの接続によって、コアネットワークシステムとアクセスネットワークシステムとの相互運用の実現を容易にし、端末のメッセージを効果的に伝送することができる。
【0029】
上記複数のアクセスネットワーク機能のうちの少なくとも1つがコアネットワークSBAバスに接続される場合、前記アクセスネットワークシステムにおけるアクセスネットワーク機能は、コアネットワーク機能のサービスを呼び出す際に、前記コアネットワークSBAバスにアクセスすることができ、ここで、前記コアネットワーク機能が前記コアネットワークSBAバスに接続される。
【0030】
選択的に、前記アクセスネットワークSBAバスはコアネットワーク機能に接続されてもよく、ここで、前記コアネットワーク機能がコアネットワークSBAバスに接続され、例えば、該コアネットワーク機能はAMFであってもよい。
【0031】
上記アクセスネットワークSBAバスがコアネットワーク機能に接続される場合、前記コアネットワーク機能は、前記アクセスネットワークシステムにおけるアクセスネットワーク機能のサービスを呼び出す際に、前記アクセスネットワークSBAバスにアクセスすることができる。選択的に、該コアネットワーク機能は、AMFと、ネットワークデータ分析機能(Network Data Analytics Function,NWDAF)と、SMFと、認証サーバ機能(AUthentication Server Function,AUSF)と、のうちの少なくとも1つを含む。
【0032】
一例において、前記アクセスネットワークSBAバスはNWDAFによって前記コアネットワークSBAバスに接続される。例えば、NWDAFはコアネットワークSBAバスとアクセスネットワークSBAバスに同時にアクセスする。
【0033】
上記アクセスネットワークSBAバスとコアネットワーク機能との接続によって、コアネットワークシステムとアクセスネットワークシステムとの相互運用の実現を容易にし、端末のメッセージを効果的に伝送することができる。
【0034】
本出願の実施例で提供されるアクセスネットワークシステムを詳細に説明するために、以下にいくつかの具体的な実施例と関連付けて説明をする。
実施例1
【0035】
図2は、本出願の実施例に係るアクセスネットワークシステムの構造模式図である。該アクセスネットワークシステムは、いずれもアクセスネットワークSBAバスに接続される複数のアクセスネットワーク機能を含み、これら複数のアクセスネットワーク機能は、例えば、コントロールプレーングループ(Control Plane groupであって、CPグループと略称)機能、PDCP機能、RLC/MAC機能、端末無線セキュリティ管理機能、物理層/レイヤ1機能、端末無線コンテキスト管理機能を含む。該実施例で提供されるアクセスネットワークシステムにはRANユーザプレーン機能が含まれなくてもよい。
【0036】
該実施例において、複数のアクセスネットワーク機能のSBAベースインタフェースは、Restfulインタフェースに基づいて実現してもよく、該Restfulインタフェースはハイパーテキスト転送プロトコル(Hypertext Transfer Protocol,HTTP)2.0に基づいて実現してもよく、又は該RestfulインタフェースはHTTP3.0に基づくRestful強化インタフェースであってもよく、又は、SBAベースインタフェースは他のSBAサービスベースインタフェースプロトコル、例えば、パケット転送制御プロトコル(Packet Forwarding Control Protocol,PFCP)に基づいて実現してもよい。
【0037】
以下に上記複数のアクセスネットワーク機能を詳細に説明する。
【0038】
1)CPグループ機能は前述した実施例における第1アクセスネットワーク機能に対応し、その外部へ提供するサービスは例えば、RRC設定、端末ページング、モビリティ、RRC状態管理等を含む。
CPグループ機能により提供されるサービスを呼び出し可能な機能エンティティはAMFであり得る。
【0039】
2)PDCP機能は前述した実施例における第2アクセスネットワーク機能に対応し、その外部へ提供するサービスは例えば、データ暗号化、データ完全性保護、切替データの完全性確保等を含む。
PDCP機能により提供されるサービスを呼び出し可能なネットワーク機能は例えば、CPグループ機能に属し得るRRC生成機能エンティティを含む。RRC生成機能エンティティはRRCメッセージを生成するために用いることができ、例えば、RRC生成エンティティはブロードキャストメッセージを生成し、続いて完全性保護のためにPDCP機能に転送する。
【0040】
3)RLC/MAC機能は前述した実施例における第3アクセスネットワーク機能に対応し、その外部へ提供するサービスは例えば、データパケットのセグメント化又は併合、データパケットのHARQ伝送等を含む。
RLC/MAC機能により提供されるサービスを呼び出し可能な機能エンティティはCPグループ機能であり得、例えば、CPグループ機能は生成されたデータをセグメント化、併合等の操作のためにRLC/MAC機能に転送する。
【0041】
4)物理層/レイヤ1機能は前述した実施例における第4アクセスネットワーク機能に対応し、その外部へ提供するサービスは例えば、データのエアインタフェース送信リソースのマッピングを含む。
物理層/レイヤ1機能により提供されるサービスを呼び出し可能な機能エンティティはRLC/MAC機能であり得る。
【0042】
5)端末無線コンテキスト管理機能(UE radio context management function)は前述した実施例における第5アクセスネットワーク機能に対応し、その外部へ提供するサービスは例えば、サービスを要求するアクセスネットワーク機能への端末の無線コンテキスト(radio context)の提供、他のアクセスネットワーク機能により提供される端末の無線コンテキストに基づく端末の無線コンテキスト(radio context)の作成及び更新を含む。
端末無線コンテキスト管理機能により提供されるサービスを呼び出し可能な機能エンティティは、アクセスネットワークシステムにおける他の全てのアクセスネットワーク機能である。
【0043】
6)端末無線セキュリティ管理機能(UE radio security management function)は前述した実施例における第6アクセスネットワーク機能に対応し、その外部へ提供するサービスは例えば、端末の無線セキュリティコンテキストの提供を含む。端末無線セキュリティ管理機能により提供されるサービスを呼び出し可能なネットワーク機能は例えば、アクセスネットワークシステムにおいて端末と通信し、通信シグナリングをセキュリティ保護する必要があるアクセスネットワーク機能を含む。
【0044】
該実施例で提供されるアクセスネットワークシステムにはRANユーザプレーン機能が含まれなくてもよく、アクセスネットワークにおけるコントロールプレーンとデータプレーンを分離することで、ネットワークトラフィックの柔軟な制御が実現される。
実施例2
【0045】
図3は、本出願の実施例に係るアクセスネットワークシステムの構造模式図である。該アクセスネットワークシステムは、いずれもアクセスネットワークSBAバスに接続される複数のアクセスネットワーク機能を含む。これら複数のアクセスネットワーク機能は例えば、CPグループ機能、PDCP機能、RLC/MAC機能、端末無線セキュリティ管理機能、物理層/レイヤ1機能、端末無線コンテキスト管理機能を含む。該実施例で提供されるアクセスネットワークシステムにはRANのユーザプレーン制御機能がさらに含まれる。
【0046】
該実施例において、複数のアクセスネットワーク機能のSBAベースインタフェースはRestfulインタフェースに基づいて実現してもよく、該Restfulインタフェースはハイパーテキスト転送プロトコル(Hypertext Transfer Protocol,HTTP)2.0に基づいて実現してもく、又は該RestfulインタフェースはHTTP3.0に基づくRestful強化インタフェースであってもよく、又は、SBAベースインタフェースは他のSBAサービスベースインタフェースプロトコル、例えば、パケット転送制御プロトコル(Packet Forwarding Control Protocol,PFCP)に基づいて実現してもよい。
【0047】
該実施例は実施例1に比べて、追加されるユーザプレーン制御機能(user plane Control fucntion)が外部へ提供するサービスは、例えば、正確なデータ送信の確保を含む。該サービスを呼び出し可能なネットワーク機能は例えば、UPFを含む。
【0048】
該実施例における他のアクセスネットワーク機能の説明は実施例1の説明を参照すればよく、重複を回避するために、ここでは一々説明しない。
実施例3
【0049】
該実施例はアクセスネットワークSBAバスとコアネットワーク(Core Network,CN)SBAバスとの相互運用の解決手段を提供する。
【0050】
該実施例において、アクセスネットワークSBAシステム(又はアクセスネットワークSBAドメインと呼ばれる)と、コアネットワークSBAシステム(又はコアネットワークSBAドメインと呼ばれる)は、2つの独立したSBAシステムであり、即ち、アクセスネットワークSBAバスとコアネットワークSBAバスは、2つの独立したバスである。この2つのバスの相互運用原則は、以下の1)と2)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
1)アクセスネットワークSBAシステムでもコアネットワークSBAシステムにおけるネットワーク機能でも、アクセスネットワークSBAシステムにおける特定のネットワーク機能のサービスを呼び出す必要がある限り、該ネットワーク機能はアクセスネットワークSBAバスにアクセスすることができる。
2)アクセスネットワークSBAシステムでもコアネットワークSBAシステムにおけるネットワーク機能でも、コアネットワークSBAシステムにおける特定のネットワーク機能のサービスを呼び出す必要がある限り、該ネットワーク機能はコアネットワークSBAバスにアクセスすることができる。
【0051】
一例において、図4に示すように、ネットワークデータ分析機能(Network Data Analytics Function,NWDAF)というネットワーク機能はコアネットワークSBAバスとアクセスネットワークSBAバスに同時にアクセスする。
【0052】
NWDAFネットワーク機能は、コアネットワークSBAシステムにおけるネットワーク要素であり、その主に提供するサービスは、他のネットワーク機能からの状態情報収集、他のネットワーク機能への統計情報提供を含む。したがって、NWDAFネットワーク機能はコアネットワークSBAシステムのネットワーク機能に対してサービスを要求/提供し得るとともに、アクセスネットワークSBAシステムのネットワーク機能に対してサービスを要求/提供することもできる。
【0053】
他の例において、AMFはコアネットワークSBAバスとアクセスネットワークSBAバスに同時にアクセスしてもよく、SMFはコアネットワークSBAバスとアクセスネットワークSBAバスに同時にアクセスしてもよく、又は認証サーバ機能(AUthentication Server Function,AUSF)はコアネットワークSBAバスとアクセスネットワークSBAバスに同時にアクセスしてもよい。
【0054】
別の例において、図5に示すように、アクセスネットワークシステムにおけるCPグループ機能はコアネットワークSBAバスに接続されてもよく、その実現可能な機能の1つは例えば、AMFがコアネットワークSBAバス上でCPグループ機能を呼び出し、生成された非アクセス層(Non-Access Stratum,NAS)シグナリングをベアラマッピング処理のためにCPグループ機能に送信し、続いてCPグループ機能が物理層/レイヤ1機能を呼び出してエアインタフェースリソースにマッピングして端末等に送信することを含む。
【0055】
該実施例において、アクセスネットワークシステムにはRANのユーザプレーン制御機能がさらに含まれ、ユーザプレーン制御機能はUPFに接続され、UPFはそれと同時にコアネットワーク機能SMFに接続される。
【0056】
該実施例における他のアクセスネットワーク機能の説明は実施例1の説明を参照すればよく、重複を回避するために、ここでは一々説明しない。
【0057】
以上、図面を参照しながら本出願の実施例を説明したが、本出願は上記の具体的な実施形態に限定されず、上記の具体的な実施形態は例示的なものに過ぎず、限定的なものではなく、本出願の示唆をもとに、当業者が本出願の趣旨及び特許請求の保護範囲から逸脱することなくなし得る多くの形態は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。
【0058】
(関連出願の相互参照)
本発明は、2021年1月19日に中国特許局に出願した、出願番号が202110071823.3で、発明の名称が「アクセスネットワークシステム」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は参照によって本発明に組み込まれる。


図1
図2
図3
図4
図5