(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】巻き取り型のアンテナマット
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/08 20060101AFI20240607BHJP
H01Q 1/40 20060101ALI20240607BHJP
H01Q 21/08 20060101ALI20240607BHJP
A47C 27/14 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
H01Q1/08
H01Q1/40
H01Q21/08
A47C27/14 C
(21)【出願番号】P 2021525763
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(86)【国際出願番号】 NL2019050740
(87)【国際公開番号】W WO2020101488
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-10-18
(32)【優先日】2018-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】516107848
【氏名又は名称】マイラップス ビーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【氏名又は名称】北出 英敏
(72)【発明者】
【氏名】フェルウールト,アドリアーン クラース
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/113948(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0152010(US,A1)
【文献】特開2018-046391(JP,A)
【文献】特開2015-026915(JP,A)
【文献】特開2016-050820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/08
H01Q 1/40
H01Q 21/08
A47C 27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツ計時用の巻き取り型のアンテナマットであって、
前記巻き取り型のアンテナマットは、複数の平面UHFアンテナ構造物を備え、
前記複数の平面UHFアンテナ構造物は、当該平面UHFアンテナ構造物に対しておよび/または当該平面UHFアンテナ構造物から信号を伝送する複数のUHF同軸伝送線路にそれぞれ接続され、
前記
複数の平面UHFアンテナ構造物のそれぞれは、導電性接地面の上に配置された少なくとも1つの導電性プレートと、前記導電性接地面と前記導電性プレートとの間に配置されたスペーサ要素とを備え
、前記
各平面
UHFアンテナ構造
物は、放射場を生成するように構成され、前記放射場は、前記導電性プレートに
対して実質的に垂直な主軸を有し、
前記
複数の平面UHFアンテナ構造物および
前記複数のUHF同軸伝送線路は、1つまたは複数のエラストマ材料の可撓性の細長いシート構造
物に埋め込まれ、
前記複数の平面UHFアンテナ構造物および前記複数のUHF同軸伝送線路を備える前記可撓性の細長いシート構造
物は、ロールに巻き上げられる
ように構成され、前記ロールの軸は、前記可撓性の細長いシート構造
物の長手方向軸に
対して実質的に垂直である、
巻き取り型のアンテナマット。
【請求項2】
前記スペーサ要素は、巻かれた状態において前記複数の平面UHFアンテナ構造物が損傷なしにわずかに曲がり、かつ、展開された状態において前記複数の平面UHFアンテナ構造物が元の平面形状を保持するように、前記平面UHFアンテナ構造物に曲げ剛性を提供する、
請求項1に記載の巻き取り型のアンテナマット。
【請求項3】
前記スペーサ要素は、ハニカム構造
を備える、
請求項1
または2に記載の巻き取り型のアンテナマット。
【請求項4】
前記可撓性
の細長いシート構造
物は、1つまたは複数の可撓性エラストマ材料の1つまたは複数の積層および/または結合シート
を備える、
請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の巻き取り型のアンテナマット。
【請求項5】
前記可撓性の細長いシート構造物は、少なくとも第1のシートおよび第2のシートを含み、
前記複数の平面UHFアンテナ構造物および前記複数のUHF同軸伝送線路は、前記第1のシートと前記第2のシートとの間に配置される、
請求項4に記載の巻き取り型のアンテナマット。
【請求項6】
前記第1および第2の
シートのうちの少なくとも1つは、
5~10mmの間の長さおよび/または幅を
それぞれ有する複数の繰り返し単位によって形成されるハニカム構造を有する領域を備え、
前記繰り返し単位は
、六角形セル
、三角形セル
、正方形セル、および/またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項
5に記載の巻き取り型のアンテナマット。
【請求項7】
前記第1および第2の
シートのうちの少なくとも1つは、前記
1つまたは複数の可撓性
エラストマ材料内に1つまたは複数の窪んだ空間を備え、
前記1つまたは複数の窪んだ空間は、前記
複数の平面UHFアンテナ構造物および前記
複数のUHF同軸伝送線路を収容するために成形される、
請求項
5ないし6のうちいずれか1項に記載の巻き取り型のアンテナマット。
【請求項8】
前記
複数のUHF同軸伝送線路のそれぞれは、前記導電性プレートに接続された信号線
と、前記導電性接地面に接続された接地線
とを含
む、
請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の巻き取り型のアンテナマット。
【請求項9】
前記信号線は、前記導電性プレートに形成されたマイクロストリップを介して前記導電性プレートに接続され
る、
請求項8に記載の巻き取り型のアンテナマット。
【請求項10】
前記
複数のUHF同軸伝送線路のそれぞれは、信号線を形成する内部導体と、
前記内部導体の周りの接地線を形成する外部導体と、前記内部導体
および前記外部導体
の間の誘電体とを備え、
前記内部導体は、前記導電性プレートに接続され、前記外部導体は、前記導電性接地面に接続されている、
請求項1ないし9のうちいずれか1項に記載の巻き取り型のアンテナマット。
【請求項11】
前記
UHF同軸伝送線路の端部は、前記
平面UHFアンテナ構造物の縁部に平行に配向され、
前記
平面UHFアンテナ構造物の縁部は、前記ロールのロール軸
に対して平行である、
請求項10に記載の巻き取り型のアンテナマット。
【請求項12】
前記内部導体と前記導電性プレートとの間の接続点において、前記内部導体は、前記アンテナマットのロール軸に
対して平行に配向されている、
請求項10または11に記載の巻き取り型のアンテナマット。
【請求項13】
前記巻き取り型のアンテナマットは、前記
複数の平面UHFアンテナ構造物のうちの少なくとも1つに対して固定位置に配置された、1つまたは複数の試験装置
を備え、
前記試験装置は、前記
複数の平面UHFアンテナ構造物の少なくとも1つから試験信号を受信するように、および/または
、前記
複数の平面UHFアンテナ構造物の少なくとも1つに試験信号を送信するように構成されている、
請求項1ないし12のうちいずれか1項に記載の巻き取り型のアンテナマット。
【請求項14】
前記アンテナマットがレーストラックを横切って配置されたときに地面への信号散逸を低減するために、前記
複数の平面UHFアンテナ構造物の下
方に
可撓性導電性シートが提供され
る、
請求項1ないし13のうちいずれか1項に記載の巻き取り型のアンテナマット。
【請求項15】
巻き取り型のアンテナマットアセンブリであって、
請求項1ないし14のうちいずれか1項に記載の巻き取り型のアンテナマットと、
円筒形のロール要素
とを備え、
前記
円筒形のロール要素は、前記アンテナマットが
当該円筒形のロール要素の周りに巻かれる曲面を有
する、
巻き取り型のアンテナマットアセンブリ。
【請求項16】
前記巻き取り型のアンテナマットは、
前記円筒形のロール要素
に機械的および電気的に接続可能であり、および/または、前記
円筒形のロール要素は、前記巻き取り型のアンテナマットの前記
複数のUHF同軸伝送線路に接続されたアンテナコントローラを備える、
請求項15に記載の巻き取り型のアンテナマットアセンブリ。
【請求項17】
アンテナマットロールを輸送
するためおよび持ち上げるためのキャリア構造
物をさらに備える、
請求項15または16に記載の巻き取り型のアンテナマットアセンブリ。
【請求項18】
請求項1ないし14のうちいずれか1項に記載
の巻き取り型のアンテナマットを
巻き上げた状態で運ぶためのキャリア構造
物であって、
車輪を備える、
キャリア構造
物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻き取り型のアンテナマット、特に、スポーツ計時用の巻き取り型のアンテナマット、巻き取り型のアンテナマットアセンブリ、積み重ね可能なアンテナマットアセンブリ、アンテナマットロール、巻き取り型のアンテナマットを持ち上げて輸送するためのキャリア、および巻き取り型のアンテナマットまたは巻き取り型のアンテナマットアセンブリを備えるスポーツ計時システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツおよびレースイベント、特に、マラソン、トライアスロン、自転車レースなどの大規模イベントのスポーツ計時システムは、毎分計時ラインを通過する何百ものタグを確実に計測できる必要がある。好ましくは、そのようなシステムは、例えば、湿った屋外環境などの過酷な条件で機能し、比較的軽く、スポーツ計時システムの迅速な取り付けおよび取り外しなどの容易かつ迅速な取り扱いのために設計されるべきである。例えば、スポーツイベントの主催者は、交通や公共インフラへの影響を最小限に抑えるために、実際のレースの開始直前など、レーストラックの一部である道路を間もなく閉鎖することが許可されている。さらに、通常、複数の計時ラインをレーストラックに沿って、例えば、レーストラックの異なるポイントに設置する必要がある。したがって、イベントの主催者は通常、多くの計時ラインを設置するための限られた時間しかない。したがって、これらの計時ラインは、専門知識がなくてもプラグアンドプレイシステムとしてすばやく簡単に設置できるように構成する必要がある。さらに、労働法規制などの規制により、計時機器の重量は、機器を運ぶための特別な取り扱いツール、例えば、運搬ツール、特に、機器の重量が特定の重量、例えば、25kgを超える場合、通過タグを検出するために使用されるアンテナである必要があり得る。
【0003】
米国特許出願公開第2018/0152010号明細書は、複数の折り畳み式マットアンテナ要素を含む計時システムを開示している。各マット要素は、アンテナを外部の影響(例えば、力、湿気、熱など)から保護するためにハードカバーの保護ケーシングにカプセル化されたUHFアンテナを備える。動作中、マットは、展開され、マット要素が並んで配置されて、トラック上に配置され得る細長いアンテナマットを形成する。マット要素のそれぞれは、マットを通過するUHFタグを検出および登録するための隣接するマット要素間の干渉を低減するために、マット要素を交互に操作し得るコントローラに接続され得る。
【0004】
アンテナマットは、マット要素をスタックに折り畳み、マット要素のスタックをアンテナマットに展開することを可能にするピボットベアリングによって相互に連結されている。マット要素の積み重ね可能性は、マット要素の取り付けおよび取り外し中にいくらかの改善を可能にするが、その取り扱いは依然として面倒であり、スタック全体の重量がかなり大きくなり得る。さらに重要なことに、マット要素は、1つまたは複数の同軸ケーブルでコントローラに接続されているため、アンテナマット(アンテナに接続されている同軸ケーブルを含む)を折り畳んだり展開したりすると、ピボットポイントの位置での同軸ケーブルの完全性に影響を与え、最終的にはマットアンテナ自体の機能と信頼性に影響を与える。
【0005】
さらなる先行技術文献米国特許第8525647号明細書は、通過するUHFタグを検出するためにトラック上に配置できる細長い線形漏れ導波管タイプのアンテナマットを記載している。導波管アンテナは、細長い金属箔上の所定の位置に配置された長いマイクロストリップを備える。アンテナマットは、巻き上げることができる単一の要素として使用し得る。本発明者らは、注意深く設計された放射パターンを維持するために、マイクロストリップと金属箔との間の距離を一定に保ち、同時にアンテナ構造を巻き上げることができるように十分に柔軟である必要があるという事実を認める。そのために、マイクロストリップは、半硬質フォームに埋め込まれている。しかしながら、アスリートがアンテナマットに足を踏み入れたときに、そのようなアンテナ構造が変形する傾向がないことは明らかである。これは、マラソンの場合、例えば、マラソンの開始の場合、さらに明白であり、数百人のアスリートが非常に短い時間でアンテナマットを通過し、それによって、マットにかなりの力を加え、それによって、アンテナ構造を時間内に実質的に変形させ、アンテナマットの性能と信頼性に大きな影響を与える。したがって、提案されたアンテナは、スポーツイベント、特に、マラソンなどの大規模なスポーツイベントの計時を確実にとるのに適していないことは明らかである。より一般的には、従来技術から知られている折り畳み可能または巻き取り型のアンテナマット構造は、長期間に亘って何度もマットを巻き上げたり広げたりすることに耐えることができるほど頑丈ではない。巻き上げ動作は、アンテナマットの完全性と性能に影響を与える。
【0006】
上記に照らして、スポーツの計時、特に、マススポーツイベントのスポーツの計時に適した巻き取り型のアンテナマットが当技術分野で必要とされている。特に、当技術分野では、1つまたは複数のアンテナ要素を備えるアンテナマットであって、アンテナマットの重量は、比較的軽く、アンテナマットの性能に影響を与えることなく何度も巻き上げおよび展開し得る、アンテナマットが必要である。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一態様は、スポーツ計時用の巻き取り型のアンテナマットであって、1つまたは複数の平面アンテナ構造、好ましくは、1つまたは複数の平面アンテナ構造との間で信号を伝送するための1つまたは複数の伝送線路、好ましくは、UHF同軸伝送線路に接続された少なくとも1つの極超短波、UHF、パッチアンテナおよび/またはスロットアンテナを含む平面アンテナ構造を備え、1つまたは複数の平面アンテナ構造、好ましくは、長方形アンテナ構造のそれぞれは、導電性接地面の上に配置された少なくとも1つの導電性プレート、導電性接地面と導電性プレートとの間に配置されたスペーサ要素とを備え、平面アンテナ構造は、放射場を生成するように構成され、放射場は、導電性プレートに実質的に垂直な主軸を有し、平面アンテナ構造および少なくとも1つの伝送線路は、1つまたは複数のエラストマ材料の可撓性の細長いシート構造に埋め込まれ、可撓性の細長いシート構造は、ロールに巻き上げられるのに適した埋め込まれた1つまたは複数の平面アンテナ構造を備え、ロールの軸は、可撓性の細長いシート構造の長手方向軸に実質的に垂直である、巻き取り型のアンテナマットに関する。
【0008】
一実施形態では、スペーサ構造は、平面アンテナ構造に面外圧縮剛性を提供し得、これは、可撓性シート構造の面外圧縮剛性よりも高い。他の実施形態では、スペーサ構造は、平面アンテナ構造に曲げ剛性を提供し得、これは、可撓性シート構造の曲げ剛性よりも高い。
【0009】
したがって、巻き取り型のアンテナマットは、可撓性の長手方向シート構造に埋め込まれたアンテナ構造を含む。アンテナ構造は、導電性接地面上に配置された放射性導電性プレートの平面構成を有し、スペーサ要素は、アンテナ構造に面外圧縮剛性および曲げ剛性を提供し、その結果、巻かれた状態でアンテナ構造は、わずかに損傷することなく曲がり、展開された状態では、アンテナ構造は元の形状を保持し得る。さらに、面外剛性は、例えば、車、トロリ、またはバスなどの重い物体が、例えば、設置中またはイベント直後にアンテナマット上を移動するときに、アンテナ構造を(恒久的な)変形から保護する。したがって、巻き取り型のアンテナ構造は、アンテナマットを持ち上げたり、アンテナマットを地面に引きずったりする必要のない計時ラインの迅速な取り付けおよび取り外しを可能にする堅牢な巻き取り型の構造を提供する。
【0010】
一実施形態では、可撓性シート構造の長さは、1から15mの間、好ましくは、2から8mの間で選択され得る。他の実施形態では、可撓性シート構造の幅は、30から120cm、好ましくは、40から100cmの間で選択され得る。他の実施形態では、可撓性シート構造の(最大)厚さは、2から6cmの間、好ましくは、2から5cmの間で選択され得る。さらに他の実施形態では、アンテナ構造の寸法は、5cmから50cmの間、好ましくは、14から20cmの間、より好ましくは、15から18cmの間で選択され得る。さらなる実施形態では、ロールの直径は、100から25cmの間、好ましくは、80から28cmの間、より好ましくは、60から30cmの間で選択され得る。
【0011】
一実施形態では、スペーサ要素は、ハニカム構造、好ましくは、セルを含むハニカム構造を備え、セルは、(円形コア)六角形セル、(円形コア)三角形セル、(円形コア)正方形セルおよび/またはそれらの組み合わせの少なくとも1つを含む。他の実施形態では、スペーサ要素は、プラスチック材料、好ましくは、ポリエチレン、より好ましくは、高密度ポリエチレン(HDPE)を備え得る。任意選択で、HDPEに追加してまたは代替的に、スペーサ要素は、HDPEと同様の可撓性などの同様の材料特性を有する材料を備える。
【0012】
一実施形態では、可撓性シート構造は、1つまたは複数の可撓性エラストマ材料の1つまたは複数の積層および/または結合シート、好ましくは、少なくとも第1のシートおよび第2のシートを含む可撓性シート構造を備え得、1つまたは複数の平面アンテナ構造物および1つまたは複数の伝送線路は、第1のシートと第2のシートとの間に配置される。
【0013】
一実施形態では、第1のシートは、第1のゴム材料、好ましくは、スチレンおよび/またはブタジエンゴム材料(例えば、スチレン-ブタジエンゴム、SBR);ブチルゴム材料および/またはニトリルゴム(NBR)材料;および/またはポリウレタン材料を備える1つまたは複数の可撓性エラストマ材料を含み得る。および/または、第2のシートは、第2のゴム材料、好ましくは、エチレンプロピレンジエンモノマ、EPDM、ゴム材料を含む。任意選択で、EPDMゴムに加えてまたは代替的に、第2のシートは、EPDMゴムと同様の可撓性などの同様の材料特性を有する材料を含む。
【0014】
一実施形態では、第1および第2の可撓性シートのうちの少なくとも1つは、ハニカム構造を有する1つまたは複数の領域を備える。ハニカム構造は、複数のセルを含み得、セルは、(円形コア)六角形セル、(円形コア)三角形セル、(円形コア)正方形セル、および/またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
一実施形態では、第1および第2の可撓性シートのうちの少なくとも1つは、可撓性材料内に1つまたは複数の窪んだ空間を備え得、1つまたは複数の窪んだ空間は、1つまたは複数の平面アンテナ構造および1つまたは複数の1つまたは複数の伝送線路を収容するために形作られている。
【0016】
一実施形態では、1つまたは複数の伝送線路のそれぞれは、導電性プレートに接続された信号線と、導電性接地面に接続された接地線とを含み得る。一実施形態では、信号線は、導電性プレートの縁部に接続され得る。一実施形態では、1つまたは複数の伝送線路のそれぞれは、細長い可撓性シート構造の短辺から細長い可撓性シート構造の長辺に沿って、1つまたは複数の平面アンテナ構造の少なくとも1つに向かって延び得る。
【0017】
一実施形態では、信号線は、導電性プレートに形成されたマイクロストリップを介して導電性プレートに接続され得る。一実施形態では、マイクロストリップは、導電性プレート内の少なくとも2つのスロットによって形成され得、スロットは、導電性プレートの縁部から導電性プレートの中心線に向かって延びる。一実施形態では、アンテナ構造は、いわゆるインセットマイクロストリップライン給電パッチアンテナ構造として構成され得る。
【0018】
一実施形態では、1つまたは複数の同軸伝送線路のそれぞれは、信号線を形成する内部導体、接地線を形成する内部導体の周りの外部導体、および内部導体と外部導体との間の誘電体とを備え得る。内部導体は、導電性プレートに接続され、外部導体は、導電性接地面に接続されている。
【0019】
一実施形態では、同軸伝送線路の端部は、アンテナ構造の縁部に平行に向けることができ、アンテナ構造の縁部は、ロールのロール軸に平行であり、好ましくは、内部導体の端部を備える同軸伝送線路の端部である。
【0020】
一実施形態では、内部導体と導電性プレートとの間の接続点において、内部導体は、アンテナマットのロール軸に平行に向けられ得る。
【0021】
一実施形態では、アンテナマットは、1つまたは複数の平面アンテナ構造の少なくとも1つに対して固定位置に配置された1つまたは複数の試験装置、好ましくは、1つまたは複数の(受動的)UHFトランスポンダを含み得る。一実施形態では、試験装置は、1つまたは複数の平面アンテナ構造の少なくとも1つから試験信号を受信するように、および/または1つまたは複数の平面アンテナ構造の少なくとも1つに試験信号を送信するように構成され得る。
【0022】
一実施形態では、アンテナマットがレーストラックを横切って配置されたときに地面への信号散逸を低減するために、1つまたは複数の平面アンテナ構造の下に可撓性導電性シートを設け得、好ましくは、可撓性導電性シートは、パッチアンテナの接地面と電気的に接触している。
【0023】
さらなる態様において、本発明は、巻き取り型のアンテナマットアセンブリであって、前述の請求項の1つまたは複数に係る巻き取り型のアンテナマットと、円筒形のロール要素であって、ロール要素は、アンテナマットがロール要素の周りに巻かれる曲面を有し、好ましくは、アンテナマットが、ロール要素の周りに(少なくとも部分的に)巻かれている、および/または、ロール要素が、他の巻き取り型のアンテナマットアセンブリの上に巻き取り型のアンテナマットアセンブリを積み重ねることを可能にするために縁部を備える、ロール要素と、を備える、巻き取り型のアンテナマットアセンブリに関する。
【0024】
一実施形態では、巻き取り型のアンテナマットは、機械的および電気的にロール要素に接続可能であり得る。一実施形態では、ロール要素は、巻き取り型のアンテナマットの1つまたは複数の伝送線路に電気的に接続されたUHFコネクタを含み得る。他の実施形態では、ロール要素は、巻き取り型のアンテナマットの1つまたは複数の伝送線路に接続されたアンテナコントローラを備え得る。
【0025】
一実施形態では、アセンブリは、アンテナマットロールを輸送および持ち上げるためのキャリア構造であって、好ましくは、キャリア構造は、長方形のトレイを含み、トレイは、トレイの側面に沿って配置された縁部を含み、縁部は、輸送中にアンテナマットがトレイを滑らないように構成されるキャリア構造をさらに備え、より好ましくは、トレイの第1の側面に沿って配置されたトレイに接続された第1のフレーム構造と、トレイの第1の側面とは反対側のトレイの第2の側面に沿って配置されたトレイに接続された第2のフレーム構造をさらに備える。
【0026】
さらに他の実施形態では、本発明は、上記のように巻き上げられた状態で巻き取り型のアンテナマットを持ち上げ、運ぶ、および/または輸送するためのキャリア構造に関し得る。一実施形態では、キャリア構造は、車輪を備え得る。他の実施形態では、キャリア構造は、積み重ね可能である。
【0027】
アンテナマットは、長手方向に延びる長さおよび横方向に延びる幅を有すると理解され得、アンテナマットは、その長さに沿って巻き上げおよび展開されるのに適していると理解され得る。このような場合、アンテナのロール軸は、横方向に平行であると理解され得る。典型的には、アンテナマットがロールアウト状態にある場合、アンテナマットの長さは、レーストラックを横切って延びる、すなわち、アンテナマット、特に、可撓性の細長いシートの長手方向軸に沿って延び、アンテナマットの幅は、レーストラック上の参加者の方向に実質的に平行である。一例では、アンテナマットが円筒形のロールに巻き上げられるとき、それは、2つの環状ベースを有する中空の円柱の形態をとり得る。円柱の軸は、円柱のベースのそれぞれの中心を結ぶ線、またはロールが中空の円柱を形成する場合は、環状ベースによってそれぞれ定義される中心を結ぶ線であると理解され得る。
【0028】
アンテナマットは、アンテナマットまたはそのコンポーネントのいずれかを損傷することなく、アンテナマットが円形ベースを有する円筒の曲面の周りに巻き付けられ得、円形ベースが直径1メートル、好ましくは、0.5メートル、より好ましくは、0.35メートルを有するように可撓性であり得る。
【0029】
一般に、材料の曲げ剛性は、その最小曲げ半径で表し得る。これは、シート、パイプ、チューブ、ケーブル、ホース、またはマットをねじったり、および/または損傷したり、および/または寿命を縮めたり、および/または恒久的に変形させたりすることなく、曲げることができる最小半径である。材料の最小曲げ半径が小さいほど、その可撓性は大きくなり、曲げ剛性は低くなる。可撓性シートは、第1の曲げ剛性を有し得、スペーサ構造は、第2の曲げ剛性を有し得、第2の曲げ剛性は、第1の曲げ剛性よりも高い。可撓性材料の最小曲げ半径は、可撓性シートを(コンポーネントなしで)曲げ、どの曲げ半径でシートが恒久的に変形および/または損傷するかを観察することで測定し得る。スペーサ構造の最小曲げ半径は、スペーサ構造を曲げ、どの曲げ半径でシートが恒久的に変形および/または損傷するかを観察することで測定し得る。
【0030】
アンテナマットを通過するデバイスは、通常、アスリートが携帯するか、車や自転車などの車両に搭載されたトランスポンダである。そのようなトランスポンダは、能動的または受動的トランスポンダであり得る。能動的トランスポンダは、信号を送信するための独自の電源を備えているが、受動的トランスポンダは、他の信号の受信によって得られたエネルギを使用して信号を送信する。トランスポンダは、複数のパッチアンテナの1つから受信された信号に応答して、応答信号をアンテナマット、特に、アンテナマットのパッチアンテナの1つに送り返すように構成され得る。上記の応答信号など、アンテナマットを通過するデバイスから受信された信号は、デバイスの識別子を備え得る。したがって、アンテナマットに接続されている計時システムは、特定のデバイスの通過時間を決定できる。
【0031】
接地面とパッチとの間の所定の距離は、1つのパッチアンテナで一定であり得、全てのパッチアンテナで同じであり得る。
【0032】
複数のアンテナは、アンテナマット内、アンテナマット上、および/またはアンテナマットの下に配置され得る。一例では、複数のパッチアンテナは、可撓性材料に接着され、可撓性材料は、アンテナマットの全長に沿って連続している。
【0033】
巻き上げ状態にあるアンテナマットは、アンテナマットが曲面、例えば、管の周りに巻かれていること、および/または計時が折りたたまれずにそれ自体で何度も繰り返されていることとして理解され得る。アンテナマットを展開することは、アンテナマットを巻き上げた状態から実質的に倒れまたは転がることなく開くこととして理解され得る。
【0034】
一実施形態では、細長いシートは、第2の可撓性材料の少なくとも第2の細長い第2のシートの上に配置された第1の可撓性材料の少なくとも第1の細長い第1のシートを備え、少なくとも1つのパッチアンテナは、第1のシートと第2のシートとの間に配置される。この実施形態は、異なるシートの異なる材料特性を利用することを可能にする。例として、レーストラックを横切って設置されたときに地面に面しているアンテナマットのシートは、トラックを横切って設置されたときにマットが地面を滑らないようにするために、非常に粗いことが好ましい。
【0035】
一実施形態では、第1の可撓性材料は、例えば、本質的に、スチレンブタジエンゴムなどのゴムからなる。好ましくは、ゴムは、同軸伝送線路を受け入れるための空洞および以下に記載される試験装置も備えるように圧力成形される。有利なことに、ゴムは、パッチアンテナおよびアンテナマットの他の要素が埋め込まれ得る、可撓性および/または曲げ可能で非常に耐久性のある層として機能し得る。
【0036】
一実施形態では、第2の可撓性材料は、例えば、本質的に、エチレンプロピレンジエンモノマ(EPDM)ゴムなどのゴムからなり、好ましくは、第2の可撓性シートは、計時マットの実質的に全長に沿って連続している。EPDMゴムは、有利に粗くて耐久性がある。
【0037】
同軸ケーブルとパッチアンテナとの間の接続は、アンテナマットの比較的弱い点であり得る。ロール軸に平行なコネクタピンの向きは、接続を損傷する可能性のあるピンへの高い機械的応力を有利に防止する。コネクタピンが、例えば、アンテナマットの長手方向など、ロール軸に垂直に向けられる場合、アンテナマットを巻き上げると、少なくともより高い程度で、コネクタピンが曲がる。このような曲がりは、ピンとパッチアンテナとの間の接続を損傷し得る。
【0038】
そのようなハニカム構造は、アンテナマットを著しく弱めることなく、アンテナマットの重量を減らし得る。ハニカム構造は、すなわち比較的高い変形力に耐えることができる軽量構造である。
【0039】
一実施形態では、マットは、接続された複数のパッチアンテナを備え、複数のパッチアンテナのそれぞれは、少なくとも1つのパッチアンテナとの間で信号を伝達するための同軸ケーブルに接続されている。各パッチアンテナは、導電性接地面の上に配置された導電性パッチ、導電性接地面と導電性パッチの間に配置されたスペーサ要素を備え、パッチアンテナの寸法は、超高周波UHF信号に関連付けられている。各パッチアンテナおよび1つまたは複数の同軸ケーブルの少なくとも一部は、巻き上げることができる、好ましくは、円筒形のロールに巻き上げることができる、円筒形のロールの軸が可撓性の細長いシートの長手方向軸に実質的に垂直である可撓性の細長いシートに埋め込まれている。
【0040】
一実施形態では、複数のパッチアンテナは、パッチアンテナの複数のペアを備える。この実施形態では、各ペアは、アンテナマットの長手方向から見たときに互いの後ろに配置された2つのパッチアンテナを備える。さらに、ペア間の距離は、そのようなペアを形成する2つのアンテナ間の距離よりも大きい。
【0041】
ペアを形成するアンテナは、隣接するアンテナであり得ることを理解されたい。複数のペアは、アンテナマットの長手方向を横切って分布され得る。
【0042】
アンテナマットを動作するための方法は、アンテナのペアが第2の期間中にアンテナマットを通過するデバイスから信号を受信できるように、第1の期間中に同時に送信し、第2の期間中に送信を控えるようにアンテナのペアを制御することを含み得る。特に、ペアを形成するアンテナが互いに近くに配置されている場合は、両方のアンテナの第1の期間と第2の期間を同期させることが重要である。ペアの一方のアンテナが信号を送信し、ペアの他方のアンテナが信号を「聞く」場合、他方のアンテナは、一方のアンテナから送信された信号を受信し、測定値を歪める。各アンテナペアを、アンテナペアとの間で信号を伝送する1本の電気ケーブルに接続することにより、上記の同期を簡単に確保し得る。
【0043】
好ましくは、ペアを形成する2つのパッチアンテナ間の距離は、運動選手の靴の平均幅に匹敵する。ペアを形成する2つのアンテナ間のこの距離は、5から15cmの間、好ましくは、8から12cmの間で選択され得る。ペア間のこのような距離は、アンテナマットに接触する片方の靴によって加えられる圧力がペアを形成する両方のアンテナを同時に離調する可能性が低いことに関連している。これを実現するには、アスリートは、2つのアンテナの間に正確に足を踏み入れる必要がある。さらに、そのような距離は、2人の異なるアスリートに属する2つの靴が同時に両方のアンテナをそれぞれ離調する可能性が低いことにも関連している。これが起こるためには、2人のアスリートが互いに非常に接近して走らなければならないが、これはありそうにない。
【0044】
好ましくは、本明細書に開示される複数のパッチアンテナを備えるアンテナマットは、単一のユニットとして形成され、これは、そのようなアンテナマットが、解放可能に接続されたアンテナモジュールによって形成されないことを意味し、各モジュールは、ただ1つのアンテナを有する。
【0045】
一実施形態では、複数のパッチアンテナのそれぞれは、それぞれの同軸ケーブルに接続されるか、または複数のパッチアンテナのそれぞれは、パッチアンテナとの間で信号を伝達するためのバスシステムに接続される。このような構成により、例えば、パッチアンテナとコントローラとの間で信号を効率的に伝送できる。
【0046】
前述の請求項の1つまたは複数に記載のアンテナマットであって、アンテナマットは、少なくとも1つの被試験パッチアンテナに対して固定位置を有する少なくとも1つの試験装置を備え、試験装置は、試験信号を前記少なくとも1つの被試験アンテナから受信するように、および/または試験信号を前記少なくとも1つの被試験アンテナに送信するように構成される。
【0047】
一実施形態では、アンテナマットは、被試験パッチアンテナの少なくとも1つに対して固定位置を有する少なくとも1つの試験装置を備える。試験装置は、試験信号を前記少なくとも1つの被試験アンテナから受信するように、および/または試験信号を前記少なくとも1つの被試験アンテナに送信するように構成される。好ましくは、アンテナマットは、複数のアンテナの各アンテナまたは各アンテナペアのための試験装置を備える。
【0048】
この実施形態は、被試験パッチアンテナの性能を評価することを可能にする。試験装置は、被試験アンテナに対して固定位置を有するので、試験装置またはアンテナのいずれかによって受信される試験信号の信号強度は、試験装置と被試験パッチアンテナとの間の距離に依存して変化せず、試験装置の相対位置と被試験パッチアンテナの相互の相対位置に依存して変化しない。したがって、送信される試験信号の強度が事前に決定され、全ての試験で同じである場合、原則として、受信される信号強度も同じ値である必要がある。受信信号強度が実行された試験間で異なる場合、それはアンテナが試験信号を適切に受信および/または送信していないか、したがって、適切に機能し得ないことを示している可能性がある。一例では、試験装置は、受動的トランスポンダである。この例では、被試験アンテナは、所定の強度を有する信号を試験装置に送信する。次に、試験装置は、この信号を受信すると、試験信号をアンテナに送り返す。これにより、受信した試験信号の信号強度を測定する。
【0049】
一実施形態では、アンテナマットがレーストラックを横切って配置され、可撓性導電性シートがパッチアンテナの接地面と電気的に接触しているときに地面への信号散逸を低減するために、可撓性導電性シートが各パッチアンテナの下に提供される。この可撓性シートは、信号の散逸を防ぎ、パッチアンテナを外部放射から保護する。
【0050】
本開示の一態様は、本明細書に記載のアンテナマットと、管などの円筒形の要素とを備え、要素は、要素が巻き取り型であり、アンテナマットが円筒形の要素の周りに巻かれ得るように、曲面を有する、システムに関する。
【0051】
このシステムの一実施形態では、円筒形の要素は、パッチアンテナまたは複数のパッチアンテナを制御するためのコントローラを備え、同軸伝送線路は、1つまたは複数のパッチアンテナとコントローラとの間で信号を伝送するために、1つまたは複数のパッチアンテナとコントローラとの間に提供される。
【0052】
本開示の一態様は、アンテナマットを巻き上げた状態で運ぶためのキャリア構造に関する。キャリア構造は、車輪を備え、好ましくは、キャリア構造は、積み重ね可能である。このキャリア構造により、アンテナマットを簡単に輸送できる。
【0053】
本開示の一態様は、スポーツ計時マットなどのアンテナマットに関する。アンテナマットは、アンテナマットがレーストラックを横切って巻き上げられたり展開されたりするのに適しているように、可撓性材料を備える。さらに、アンテナマットは、アンテナマットに信号を通過させているデバイスから受信および/またはデバイスに送信するためのパッチアンテナを備える。パッチアンテナは、所定の距離だけ離れた導電性接地面と導電性パッチを備える。アンテナマットはまた、パッチアンテナに剛性構造を備え、剛性構造は、アンテナマットがロールアウト状態にある間にアンテナマットに加えられる圧力による所定の距離の変化を抑制するように構成される。本開示に記載されている特徴は、このアンテナマットに実施できることは容易に理解できる。説明のために、このアンテナマットは、少なくとも部分的に巻き上げられた状態にあり得る、および/またはパッチアンテナは、例えば、パッチアンテナが本明細書に記載の可撓性シートに埋め込まれているという意味で、ゴムなどの可撓性材料に埋め込まれ得る、および/またはパッチアンテナは、本明細書に記載のパッチアンテナに類似し得る、および/またはパッチアンテナは、本明細書に記載されるようにマット内に配置され得る、および/またはパッチアンテナは、本明細書に記載されるアンテナのペアを形成し得る、および/またはアンテナマットは、本明細書に記載される少なくとも1つの試験装置を備え得る、および/またはアンテナマットは、本明細書に記載されるように寸法決定され得る、および/またはパッチアンテナは、UHF信号を送信および/または受信するように構成され得る、等。
【0054】
剛性の高い構造のため、アンテナを取り巻く可撓性材料が変形しても、接地面とパッチとの間の距離は一定に保たれる。そのような変形は、アンテナマットの繰り返しの巻き上げおよび展開によって引き起こされ得る恒久的な変形、および/またはアンテナマットを踏む人によって引き起こされ得る一時的な変形であり得る。接地面とパッチとの間の距離はアンテナの機能に大きく影響する重要な設計パラメータであるため、可撓性材料が変形した場合でもアンテナマットが適切に機能する能力は有益である。この距離を変更すると、アンテナが正しく機能しなくなり得る。したがって、本明細書に開示されるアンテナマットは、その機能が、アンテナマットを踏む人によって、および/またはアンテナマットの繰り返しの巻き上げおよび展開によって深刻な影響を受けないという意味で堅牢である。
【0055】
アンテナマットの剛性の向上はパッチアンテナでのみ必要であり、したがって、局所的にのみ必要であるため、剛性構造はアンテナマットの全長に亘って延びる必要はない。パッチアンテナから離れた位置での可撓性アンテナマットの(一時的な)変形は、必ずしも計時測定を歪めるわけではない。そのような変形は、パッチと導電性接地面との間の距離の変化を必ずしも引き起こさないからである。剛性構造がアンテナマットの全長に亘って延びていない結果として、アンテナマット全体を巻き上げたり展開したりできる。
【0056】
可撓性材料は、第1の剛性を有し得、剛性構造は、第2の剛性を有し得、第2の剛性は、第1の剛性よりも高い。可撓性材料は、第1の剛性を有し得、剛性構造は、第2の剛性を有し得、第2の剛性は、第1の剛性よりも高い。
【0057】
一実施形態では、剛性構造を備えるアンテナマットは、アンテナマットに信号を通過させているデバイスから信号を受信する、および/またはデバイスに信号を送信するための複数のパッチアンテナを備える。各パッチアンテナは、所定の距離だけ離れた導電性接地面と導電性パッチを備える。アンテナマットは、各パッチアンテナに剛性構造を備える。各パッチアンテナにおいて、剛性構造は、アンテナマットに加えられる圧力による前記所定の距離の変化を抑制するように構成される。この実施形態は、アンテナマットを展開する単一の動作で複数のアンテナを配置することを可能にするので、設置をさらに容易にする。
【0058】
可撓性材料は、複数のパッチアンテナを物理的に接続するコネクタ材料であり得る。コネクタ材料は、剛性構造の剛性よりも低い剛性を有し得る。好ましくは、2つのアンテナを接続するコネクタ材料は連続的であり、これは、これらの2つのアンテナ間のコネクタ材料が、ヒンジなどの追加のコネクタ要素なしで途切れのない全体を形成すると理解され得る。隣接する全てのアンテナ間のコネクタ材料は、連続し得る。これにより、コネクタ要素が不要になるため、アンテナマットをさらに堅牢にできる。一実施形態では、各パッチアンテナの剛性構造は、導電性接地面と導電性パッチを所定の距離だけ離して分離するためのスペーサ構造、例えば、上記のスペーサ要素である。
【0059】
一実施形態では、剛性構造は、接地面および導電性パッチのアセンブリを少なくとも部分的に取り囲む剛性構造であり、その構造は、アンテナマットに加えられる圧力によって接地面および/または導電性パッチに加えられる力を防止するか、または少なくとも低減するように構成される。この構造は、パッチアンテナを外力から保護すると理解できる。
【0060】
本開示の1つの別個の態様は、アンテナマット、例えば、アンテナマットを通過するデバイスから信号を受信および/または信号を送信するためのアンテナを備える、スポーツ計時マットに関する。計時システムは、試験される少なくとも1つのアンテナに対して固定位置を有する少なくとも1つの試験装置を備え、少なくとも1つの試験装置は、試験信号を前記少なくとも1つの被試験アンテナから受信する、および/または試験信号を前記少なくとも1つの被試験アンテナに送信するように構成される。任意選択で、試験装置とアンテナの両方を前記マットに埋め込み得る。
【0061】
本開示の他の態様は、計時システムのアンテナ、例えば、パッチアンテナの性能を評価するための方法に関する。計時システムは、アンテナに対して固定位置を有する試験装置を備える。さらに、試験装置は、試験信号をアンテナに送信するように、および/またはアンテナから試験信号を受信するように構成される。この方法は、ステップi~ivを含む。ステップiは、アンテナに試験信号を試験装置に送信させるステップを含む。アンテナに信号を送信させるステップは、例えば、同軸伝送線路を介して信号をアンテナに供給することによって、信号を送信するようにアンテナを制御するステップを含み得る。ステップiiは、試験装置によって受信された試験信号を試験装置から受信するステップを含む。ステップiiiは、試験装置によって受信された試験信号を基準信号と比較するステップを含む。ステップivは、この比較に基づいて、アンテナが誤動作していることを判断するステップを含む。ステップi~ivに加えて、またはその代わりに、この方法はステップv~viiiを含む。ステップvは、試験装置に試験信号をアンテナに送信させるステップを含む。試験装置に試験信号をアンテナに送信させるステップは、アンテナを制御して信号を試験装置に送信し、試験装置は、試験信号をアンテナに送り返すステップを含み得る。このような場合、試験信号は、後方散乱信号であり得る。試験装置は、受動的トランスポンダタグであり得ることに留意されたい。ステップviは、アンテナによって受信される試験信号をアンテナから受信するステップを含む。ステップviiは、アンテナによって受信された試験信号を基準信号と比較するステップを含む。ステップviiiは、この比較に基づいて、アンテナが誤動作していることを判断するステップを含む。アンテナが誤動作していると判断したことに応答して、この方法は、コンピュータ画面にアラートを表示するなど、アンテナが誤動作しているという表示を出力するステップを含み得る。
【0062】
基準信号は、ステップiおよびii、またはステップvおよびviが計時システムの製造直後、例えば、較正手順中に実行されたときに測定された、受信された試験信号であり得る。
【0063】
好ましくは、計時システムのアンテナのサブグループの各アンテナは、アンテナまたはアンテナのサブグループに対して固定位置に配置された関連する試験装置を有する。これにより、性能を評価する方法をアンテナ毎に個別に確実に実行できる。アンテナは、保護ケーシングおよび/または保護材料内に固定位置を有し得、試験装置は、この保護ケーシングおよび/またはこの保護材料内に固定位置を有し得る。
【0064】
一例では、受信されたときの試験信号と基準信号とは、受信されたときの試験信号の強度の値が基準信号の強度値と比較されるという意味で比較され得る。次に、試験信号強度がこの基準値から特定の閾値を超えて逸脱する場合、この方法は、アンテナが誤動作していると判断するステップを含む。
【0065】
この方法では、上記のアンテナマットのパッチアンテナの性能を評価できる。次に、パッチアンテナと同様に、試験装置をコネクタ材料に埋め込み得る。
【0066】
上記の方法は、コンピュータで実施される方法であり得、その場合、試験は、自動的に実行され得る。例えば、単一のユーザ命令で、試験方法は、複数のパッチアンテナのそれぞれに対して続いて実行され得る。任意で、各パッチアンテナは、独自の試験装置を有する。または、2つ以上のパッチアンテナは、1つの試験装置を共有する。したがって、一例では、ユーザは、コンピュータ、例えば、本明細書に記載のコントローラとの1回の相互作用で、アンテナマット内の全てのパッチアンテナが適切に機能していることを確認し得る。
【0067】
本開示の一態様は、実行されると、データ処理システムに、データ処理システムによって実行され得る上記の方法または本開示に記載された他の任意の方法を実行させるコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラムの組に関する。
【0068】
本開示の一態様は、それとともに具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有するコンピュータ可読記憶媒体と、コンピュータ可読プログラムコードの実行に応答してコンピュータ可読記憶媒体に結合されたプロセッサ、好ましくは、マイクロプロセッサとを備えるコンピュータに関する。コンピュータ可読プログラムコードの実行に応答して、プロセッサは、本明細書に記載の方法の1つまたは複数のステップを実行するように構成される。
【0069】
本発明は、本発明に係る実施形態を概略的に示す添付の図面を参照してさらに説明される。本発明は、これらの特定の実施形態に決して限定されないことが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】本実施形態に係るアンテナマットを示している。
【
図2A】本発明の様々な実施形態に係るアンテナマットを示している。
【
図2B】本発明の様々な実施形態に係るアンテナマットを示している。
【
図2C】本発明の様々な実施形態に係るアンテナマットを示している。
【
図2D】本発明の様々な実施形態に係るアンテナマットを示している。
【
図2E】本発明の様々な実施形態に係るアンテナマットを示している。
【
図4A】本発明の実施形態に係るアンテナマット用の構造化エラストマシートを示している。
【
図4B】本発明の実施形態に係るアンテナマット用の構造化エラストマシートを示している。
【
図5】本発明の実施形態に係るアンテナマットの一部の上面図を示している。
【
図6】本発明の実施形態に係るアンテナマットの一部の三次元図を示している。
【
図7A】本発明の実施形態に係る平面アンテナ構造の三次元図を示している。
【
図7B】本発明の実施形態に係る平面アンテナ構造の三次元図を示している。
【
図7C】本発明の実施形態に係る平面アンテナ構造の三次元図を示している。
【
図8】本発明の実施形態に係る平面アンテナ構造の上面図を示している。
【
図9】本発明の実施形態に係る平面アンテナ構造の三次元図を示している。
【
図10A】本発明の実施形態に係るスポーツ計時用の巻き取り型のアンテナマットを示している。
【
図10B】本発明の実施形態に係るスポーツ計時用の巻き取り型のアンテナマットを示している。
【
図11】本発明の実施形態に係る巻き取り型のアンテナマットに2つのアンテナマットモジュールを接続するための接続手段を示している。
【
図12A】本発明の様々な実施形態に係るアンテナマットアセンブリを示している。
【
図12B】本発明の様々な実施形態に係るアンテナマットアセンブリを示している。
【
図12C】本発明の様々な実施形態に係るアンテナマットアセンブリを示している。
【
図13A】本発明の様々な実施形態に係るアンテナマットアセンブリを示している。
【
図13B】本発明の様々な実施形態に係るアンテナマットアセンブリを示している。
【
図13C】本発明の様々な実施形態に係るアンテナマットアセンブリを示している。
【
図13D】本発明の様々な実施形態に係るアンテナマットアセンブリを示している。
【
図14A】本発明の様々な実施形態に係る積み重ね可能なアンテナマットアセンブリを示している。
【
図14B】本発明の様々な実施形態に係る積み重ね可能なアンテナマットアセンブリを示している。
【
図15】本発明の他の実施形態に係るアンテナマットアセンブリを示している。
【
図16A】本発明の実施形態に係る積み重ね可能なアンテナマットロールを示している。
【
図16B】本発明の実施形態に係る積み重ね可能なアンテナマットロールを示している。
【
図16C】本発明の実施形態に係る積み重ね可能なアンテナマットロールを示している。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1は、本発明の実施形態に係る、巻き取り型のアンテナマットアセンブリ1を示している。アンテナマットアセンブリは、アンテナマット構造2(または要するにアンテナマット)および円筒形ロール10を含み得る。アンテナマットは、レーストラック4を横切って巻き上げおよび展開できる細長い可撓性シート構造を含み得る。レーストラックの例には、例えば、マラソンまたは障害物レース用、スピードスケートアイスリング、カーレース用のサーキット、モータレース用のサーキットなどのランニングコースが含まれ得る。この例では、アンテナマット2は、トラック4を横切って展開されたものは、長さLおよび幅Wを有し得る。アンテナマットの長さは、それがレーストラック4の実質的に全幅にわたって延びるように選択され得る。展開されたときのアンテナマットの長さLは、1から15メートルの間、好ましくは、2から8メートルの間であり得る。一実施形態では、長さLは、約6メートルであり得る。同様に、幅Wは、20から70cmの間であり得る。
【0072】
一実施形態では、可撓性シート構造は、大きな耐摩耗性、引裂強度、耐薬品性、温度適合性、および老化を有する可撓性材料の1つまたは複数の(積層および/または結合された)シートを備え得る。一実施形態では、可撓性材料は、ゴム材料、例えば、スチレンおよび/またはブタジエンに基づく(合成)ゴムエラストマ材料、例えば、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)材料を含み得る。あるいは、ブチルゴムおよび/またはニトリルゴム(NBR)を含むがこれらに限定されない、1つまたは複数の他のエラストマ材料を使用し得る。あるいは、および/またはさらに、可撓性シート構造は、エラストマポリウレタン材料の1つまたは複数のシートを備え得る。好ましくは、シートの少なくとも一部は、成形技術を使用して製造および構造化され得る。
【0073】
一実施形態では、(剛性の)円筒形ロール10または管を使用して、アンテナマットを巻き上げ状態に巻き上げ得る。図に示すように、ロールのロール軸5(
図1のx方向)は、シートの長手方向軸3(
図1のx方向)に実質的に垂直であり得る。ロールに巻かれたアンテナマットは、アンテナマットロールを形成し得る。可撓性シート構造の厚さおよび使用されるエラストマ材料は、アンテナマットが、100から25cmの間、好ましくは、80から28cmの間、より好ましくは、60から30cmの間で選択される直径を有するロール10の周りに巻かれ得るように選択され得る。
【0074】
アンテナマット2は、1つまたは複数の平面極超短波UHFアンテナ構造を備え得る。一実施形態では、1つまたは複数のUHFアンテナ構造は、パッチおよび/またはスロットアンテナ構造として実施され得る。平面UHFアンテナ構造は、導電性接地面の上に配置された少なくとも1つの導電性プレート、例えば、パッチを備え得、(誘電体)スペーサ要素は、導電性接地面と導電性プレートとの間に配置される。平面UFHアンテナ構造は、放射場を生成するように構成され得、放射場は、導電性プレートに実質的に垂直である主軸を有する。
【0075】
平面アンテナ構造のそれぞれは、平面アンテナ構造とアンテナコントローラとの間にUHF接続を提供するために、低損失UHF同軸ケーブルなどの同軸伝送線路7a、7bに接続され得る。伝送線路の少なくとも一部は、アンテナマットの細長い可撓性シート構造に埋め込まれ得る。一実施形態では、アンテナマットの一端は、ロールに機械的に接続可能であり得る。一例では、アンテナマットは、1つまたは複数のネジによってロールに固定されている。その場合、一実施形態では、アンテナマットに埋め込まれたアンテナ構造はまた、ロール内のUHF伝送線路に電気的に接続可能であり得る。一実施形態では、(中空)ロールの少なくとも1つの側面(ベース)は、UHFコネクタ15a、15bを備える壁を含み得、UHFコネクタのそれぞれは、少なくとも1つの伝送線路を介してアンテナ構造の1つに接続される。
【0076】
一実施形態では、アンテナマットは、RFIDシステムの一部であり得る。アンテナコントローラは、アンテナを制御して、特定の周波数で放射場を生成し、放射場の(主)軸は、アンテナマットから離れる上向きの方向(例えば、マットの平面に垂直な正のz方向)を指す。トランスポンダ、例えば、能動的または受動的UHFタグが放射場に移動する場合、トランスポンダ8は、パッチアンテナの1つによって検出され得るアンテナマットに1つまたは複数の信号を送り返すようにトリガされ得る。トランスポンダ8は、例えば、スポーツイベントの参加者が着用する靴または胸当てに、アスリートが着用し得る。あるいは、トランスポンダ8は、レースカー、オートバイ、または飛行ドローンなどのスポーツイベントの参加者の車両に取り付けられ得る。トランスポンダ信号は、参加者とリンクできるトランスポンダに関連付けられた一意の識別子を含み得る。
【0077】
一実施形態では、RFIDシステムは、トランスポンダ8の通過時間を決定するためのスポーツ計時システムであり得る。例えば、アンテナマットは、例えば、参照により本出願に組み込まれる国際公開第2015/140271号に記載されるようなスポーツ計時システムの検出アンテナとして使用され得る。通常、トランスポンダは、識別子IDを備える1つまたは複数の信号をアンテナマットに送信するように構成され、これは、トランスポンダの通過時間を検出できるように、トランスポンダ信号を検出および解析する。
【0078】
図に示されるように、巻き取り型のアンテナマットにより、計時ラインの非常に迅速で効率的な設置とセットアップが可能になる。レースイベントの主催者は、アンテナを配置するために、アンテナマットロールをレーストラック4の片側に配置し、マットを展開するだけでよい。展開した状態では、アンテナと配線は細長い可撓性シート構造に埋め込まれ、保護されているため、マット内に最適に配置される。ロールに電気コネクタ、UHFコネクタが含まれている場合、マットは、アンテナコントローラに直接接続され得る。
【0079】
平面アンテナ構造の様々な構成が可能であり得る。
図2A~
図2Eは、本発明の様々な実施形態に係るアンテナマット構造の上面図を示している。
図2Aは、単一の平面UHFアンテナ構造6を備えるアンテナマット2の実施形態を概略的に示している。アンテナ構造は、UHF伝送線路12、例えば、可撓性シート構造に少なくとも部分的に埋め込まれ得るUHF同軸伝送線路に接続され得る。同軸伝送線路12は、パッチアンテナ6とアンテナコントローラ18との間で信号を伝達するように構成され得る。アンテナコントローラ18は、アンテナマットに埋め込まれた平面アンテナ構造を制御するように構成され得る。そのようなコントローラは、当技術分野で周知であり、典型的には、アンテナマット内のアンテナ構造の少なくとも一部がトランスポンダから信号を受信できるようにするための受信回路と、アンテナマット内のアンテナ構造の少なくとも一部が変調された搬送波信号を送信できるようにするための送信回路とを含む。コントローラは、受信信号を処理するように、および/またはパッチアンテナによって送信される信号を準備するように構成されたプロセッサをさらに含み得る。このような信号の処理には、通常、信号の(復)変調の少なくとも1つが含まれ、ローパスフィルタやハイパスフィルタなどのフィルタが信号に適用される。
【0080】
図2Aに示されるように、可撓性の細長いシート構造に埋め込まれた同軸伝送線路12は、少なくとも1つの平面アンテナ構造を、細長いシート構造の短辺の1つに位置する少なくとも1つのUHFコネクタ構造14に電気的に接続し得る。UHFコネクタ構造14を使用して、埋め込まれた平面アンテナ構造を、さらなる同軸線路16を介して、アンテナコントローラなどの外部電子機器に接続し得る。一実施形態では、UHFコネクタ構造は、可撓性の細長いシート構造の短辺の側面に統合され得る。
【0081】
図2Bは、複数の平面UHFアンテナ構造6a~6fを備えるアンテナマットの実施形態を概略的に示している。一実施形態では、平面UHFアンテナ構造は、例えば、第1のペアアンテナ6aおよび6b、第2のペアアンテナ6bおよび6c、第3のペアアンテナ6eおよび6fなどの、ペアで配置され得る。各ペアは、互いに比較的近くに配置された2つの平面UHFアンテナ構造6a~6fを備え得る。好ましくは、UHFアンテナ構造のペアの間の距離d2は、そのようなペアを形成する2つのアンテナ間の距離d1よりも大きい。
【0082】
一実施形態では、コントローラ18は、複数のアンテナを制御するように構成され得る。第1の期間において、コントローラは、複数のアンテナのうちの1つまたは複数のアンテナの第1のサブセットを制御して、アンテナマットを通過するUHFタグをトリガしてタグ信号をアンテナマットに送り返すための信号を送信し得る。次に、後続の第2の期間において、コントローラは、アンテナマットを通過するUHFタグをトリガするための信号を送信するために、複数のアンテナのうちの1つまたは複数のアンテナの第2のサブセットを制御でき、第1のサブセットおよび第2のサブセットは、異なるアンテナを含む。一実施形態では、アンテナの第1のサブセットが送信モードにあるとき、アンテナの第2のサブセットは、アンテナがUHFタグ信号を受信するように構成される信号受信モードにあり得る。同様に、第2のサブセットが送信モードの場合、第1のセットは、信号受信モードになる。
【0083】
一実施形態では、アンテナペアの第1のアンテナおよび第2のアンテナは、異なるアンテナサブセット、例えば、この1つのアンテナが第1の期間中に送信し、第2のサブセットのいずれかの側にある2つの隣接するアンテナ、これらの隣接するアンテナが第2の期間中に送信するように、第1のサブセットの1つに属し得る。
【0084】
さらに他の実施形態では、複数のアンテナは、アンテナの3つのサブセットなど、3つより多いサブセットを備え得る。この場合、第1のサブセットは、第1の期間中に送信し、第2は、第2の期間中に送信し、第3は、第3の期間中に送信し得る、等々。これらの期間は、好ましくは、互いに直接続く。一例では、複数のアンテナは、アンテナと同じ数のサブセットからなり、各サブセットは、ただ1つのアンテナを備える。次に、第1の期間中、第1のアンテナは、送信モードにあり得、第2の期間中に第2のアンテナは、送信モードにあり得、第3の期間中に第3のアンテナは、送信モードにあり得る、等々。これらの期間は、互いに直接続き得る。
【0085】
一実施形態では、パッチアンテナのペアは同じサブセットに属する。この実施形態では、好ましくは、アンテナのペアは異なるサブセットに属し、その結果、2つの隣接するペアは、同時に送信しない。複数のアンテナが3つ以上のサブセットを備える場合、複数のアンテナは、アンテナマット内のアンテナペアと同じ数のサブセットを備え得、各サブセットは、1つだけのアンテナペアを備える。次に、第1のペアは、第1の期間中、第2のペアは、第2の期間中、第3のペアは、第3の期間中など、送信モードにあり得る。この場合も、これらの期間は、互いに直接続き得る。
【0086】
上記の送信方式は、測定を歪める可能性のあるアンテナ間のクロストークを有利に低減する。クロストークは、信号受信モードにあるアンテナが、例えば、信号を送信している他のアンテナから、計時マットを通過しているデバイスから信号が後方散乱されることなく、信号を直接受信するときに発生すると理解され得る。アンテナが信号を送信する上記の期間は、通常3ミリ秒続く。
【0087】
図2Cは、アンテナマットの実施形態を概略的に示しており、UHF信号を分割するためのスプリッタデバイス20が各アンテナペアの近くに配置されている。このようなスプリッタは、アンテナマットに埋め込む必要のある同軸伝送線路の量を減らすために使用され得る。
【0088】
図2Dは、試験される少なくとも1つのパッチアンテナに対して固定位置を有する少なくとも1つの試験装置22を備えるアンテナマットの実施形態を概略的に示している。試験装置22は、アンテナから試験信号を受信するように、および/または試験が必要なアンテナに試験信号を送信するように構成され得る。試験信号は、この出願で説明されている実施形態を参照して説明されているように、巻き取り型のアンテナマット構造に埋め込まれている平面UHFアンテナ構造の性能を評価するために使用され得る。一実施形態では、試験装置は、トランスポンダ、例えば、能動的または受動的トランスポンダであり得る。
【0089】
試験プロトコルは、アンテナコントローラによって実行され得、試験プロトコルは、所定の振幅および位相のアンテナ試験信号を送信するように平面UHFアンテナ構造を制御することを含み得る。応答として、アンテナ試験信号は、試験装置、例えば(受動的または能動的)トランスポンダをトリガして、アンテナ構造によって送信される試験信号の1つまたは複数の信号強度を測定し、トランスポンダ試験信号をアンテナ構造に送り返し得る。トランスポンダ試験信号は、1つまたは複数の測定された信号強度を含み得る。試験は、トランスポンダ試験信号、特に、1つまたは複数の信号強度を基準信号と比較することを含み得る。比較に基づいて、コントローラは、アンテナ構造が仕様に従って機能するかどうかを判断し得る。試験プロトコルは、アンテナマット内のアンテナ構造毎に実行され得る。
【0090】
図2Eは、1つまたは複数の平面アンテナ構造6に加えて、少なくとも1つのループアンテナ24を備え得るアンテナマットの実施形態を概略的に示している。ループアンテナは、磁場を生成するためのコイルを形成し得る。ループアンテナは、アンテナマット上を移動するトランスポンダの磁気コイルと誘導的に結合する可能性のある磁場を生成するために使用され得る。このような誘導結合トランスポンダは、非常に正確な通過時間を決定するために使用され得る。そのようなスポーツ計時システムは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2016/097215号に記載されている。明確にするために、平面アンテナ構造6を接続するための伝送線路は示されていない。
【0091】
図1および
図2を参照して説明されたアンテナマット構造は、所定の直径のロールの周りに巻かれるように構成される。典型的には、ロールは、100から25cmの間、好ましくは、80から28cmの間、より好ましくは、60から30cmの間で選択される直径を有し得る。
図3は、厚さDを有する材料20の可撓性シートの曲げ半径Rを示している。曲げ半径Rは、シートの内面が作る曲率半径である。最小曲げ半径は、材料シート20が損傷しない、および/または恒久的に変形しない最小半径Rである。材料の最小曲げ半径が小さいほど、その可撓性は、高くなり、曲げ剛性は、低くなる。
【0092】
アンテナマットの細長い可撓性シート構造の材料および寸法(特に、厚さ)は、比較的低い曲げ剛性を有するように選択され得、一方、平面アンテナ構造の材料および寸法(特に、厚さ)は、可撓性シート構造の曲げ剛性よりも高い曲げ剛性の構造を形成するように選択され得る。したがって、可撓性シート構造および平面アンテナ構造の曲げ剛性は、可撓性シート構造およびアンテナ構造にそれぞれ使用される材料の曲げまたは曲げモードに関して表され得る。曲げまたは曲げモードは、標準化された測定プロトコル、例えば、ASTMD790およびISO178試験方法に基づいて決定され得る。
【0093】
図4Aおよび
図4Bは、本発明の実施形態に係るアンテナマットの細長い可撓性シート構造を示している。
図4Aは、可撓性カバーシートとして機能し得る細長い可撓性シート要素25の第1の上面を示す。細長い可撓性シート要素は、1つまたは複数の可撓性材料、例えば、1つまたは複数のゴム材料、例えば、スチレンおよび/またはブタジエンに基づく(合成)ゴムエラストマ材料、例えば、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)材料、ブチルゴムおよび/またはニトリルゴム(NBR)材料、またはエラストマポリウレタン材料の1つまたは複数のシートを含み得る。
図4Aに示されるように、上面は、滑り止め溝26を含み得、その結果、参加者は、アンテナマットに足を踏み入れるときに滑り落ちて落下する可能性が少ない。さらに、シートの長手方向側面に平行な周辺部分27a、27bの厚さは、可撓性シート要素の中央部分27cの厚さと比較した場合、比較的薄くてもよい。周辺部分27a、27bの厚さは、2~5mmの範囲、好ましくは、約3mmであり得る。中央部分の厚さは、8~13mm、好ましくは、11mmの範囲であり得る。
【0094】
図4Bは、可撓性シート要素の背面図を示している。この図は、細長い可撓性シート要素25の背面が、平面アンテナ構造および同軸伝送線路をシート要素に埋め込むことができるように構造化されていることを示している。一実施形態では、シート要素は、1つまたは複数の窪んだ空間30a、30b、例えば、平面アンテナ構造の形態に成形された空洞を備え得る。さらに、一実施形態では、可撓性シート要素は、同軸伝送線路を埋め込むための、1つまたは複数の細長い窪んだ空間、例えば、チャネルおよび/または溝を備え得る。一実施形態では、同軸伝送線路用の細長い窪んだ空間は、可撓性シート要素の長手方向側面の周辺部分27a、27bに配置され得る。窪んだ空間は、平面アンテナ構造および伝送線路の形状に正確に従うことができるので、平面アンテナ構造は、アンテナマット内に正確に配置される。UHF要素に機械的負荷がかかると、要素のUHFインピーダンスが局所的に変化し、マットアンテナの性能が低下し得るため、アンテナ構造および同軸伝送線路などのUHF要素を正確に配置することは重要である。
【0095】
説明するために、
図4Bの実施形態では、例えば、空洞30aのパッチアンテナに接続されるべき同軸伝送線路は、チャネル32aに配置され得、空洞30bのパッチアンテナに接続されるべき同軸伝送線路は、チャネル32bに配置され得る。チャネル32aおよび32bは、2つの伝送線路を配置できるサイドチャネル34aに合流する。サイドチャネルは、アンテナマットの長手方向側の近くに配置されることが好ましい、アンテナマットの長さに沿って延びるチャネルであると理解され得る。さらに、アンテナマットは、サイドチャネル34b、34c、34d、34e、34fを備える。各サイドチャネルは、パッチアンテナをアンテナマットの外部にあるコントローラに電気的に接続するために、少なくとも1つの同軸伝送線路、好ましくは、少なくとも2つの同軸伝送線路を受け入れ得る。この例では、アンテナペアの2つのアンテナにそれぞれ接続された2本のケーブルが、同じサイドチャネルに一緒に配置されている。サイドチャネル34は、同軸伝送線路をアンテナマットの側面、例えば、1つまたは複数の同軸伝送線路がアンテナマットに出入りできるアンテナマットの1つまたは複数の開口部に案内し得る。
【0096】
アンテナマット、特に、可撓性材料は、ハニカム構造を備える少なくとも1つの領域36を備え得る。このような領域は、アンテナマット2の機械的強度を著しく弱めることなくアンテナマットの重量を減らすので有利である。一実施形態では、ハニカム構造は、セルを含み得る。セルの形状は、(円形コア)六角形セル、(円形コア)三角形セル、(円形コア)三角形セル、(円形コア)正方形セル、および/またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0097】
可撓性シート要素は、シート要素の第1の短辺に1つまたは複数の突起38aを、第2の短辺(第1の短辺の反対側)に1つまたは複数の窪んだ空間をさらに備え得、1つまたは複数の窪んだ空間は、さらなるシート要素の突起を受け入れるように形作られている。したがって、可撓性シート要素は、シート要素の短辺の突起および対応する窪んだ空間を使用して要素を機械的に接続することによって、長い可撓性シートを形成するために使用され得る。このように、アンテナマットの製造中に、複数のシート要素を使用して、アンテナマットの長く可撓性の上部シートを形成し得る。1つのアンテナマットの1つまたは複数の突起38を他のアンテナマットの1つまたは複数の空洞40に配置した後、このようなモジュラアプローチにより、様々な長さの巻き取り型のアンテナマットを簡単かつ柔軟に製造できる。
【0098】
さらなる実施形態では、可撓性シート要素は、同軸伝送線路を受け入れるためのチャネル35をさらに備え得、チャネルは、アンテナマットの第1の長手方向側からアンテナマットの第2の長手方向側に同軸伝送線路を案内し得る。そのようなチャネル35は、アンテナマットの一方の長辺のサイドチャネルからアンテナマット2の他方の長辺のサイドチャネル34dへの同軸伝送線路の再ルーティングを可能にする。次に、これらの1つまたは複数の同軸伝送線路は、他のアンテナマット(図示せず)に配置されたパッチアンテナに接続される。一実施形態では、
図4Aおよび4Bに示されるような可撓性シート要素は、成形技術を使用して製造および構造化され得る。
【0099】
図5および
図6は、本発明の実施形態に係るアンテナマットアセンブリの一部を示している。
図5は、
図4Aおよび4Bを参照して説明したような可撓性シート要素の背面図を示す。平面アンテナ構造6a、6b、この例では2つのパッチアンテナ、第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナは、それぞれ空洞30aおよび空洞30bに配置されている。さらに、第1のパッチアンテナ6aに接続された第1の同軸伝送線路42はチャネル32aに配置され、第2のパッチアンテナ6aに接続された第2の同軸伝送線路44はチャネル32bに配置される。
図5に示されるように、実質的に長方形のパッチアンテナは、アンテナ構造の2つの側面がアンテナマットの長手方向軸に実質的に平行であり(アンテナ構造の外側)、アンテナ構造の2つの側面がアンテナマットの長手方向軸に実質的に垂直である(アンテナ構造の内側)ように配置され得る。
【0100】
図6は、アンテナマットアセンブリの一部を概略的に示している(この場合は三次元背面図)。アセンブリは、可撓性シート要素25、平面アンテナ構造6a、6b、同軸伝送線路42、44、アンテナシールド層48、および可撓性カバーシート46を含み得る。この図は、カバー層46の示されている表面がレーストラックの地面に配置され、アンテナマット2がレーストラックを横切って展開されたときに地面に面するという意味で、アンテナマットアセンブリを逆さまに示している。一実施形態では、カバー層46は、エラストマゴム、例えば、エチレンプロピレンジエンモノマ(EPDM)ゴムを備え得る(または本質的にそれからなる)。好ましくは、耐久性があり粗く、アンテナマット2がレーストラックの表面上をスリップしたり滑ったりするのを防ぐエラストマゴムが選択される。カバー層46は、平面アンテナ構造および同軸伝送線路を備える可撓性シート要素上に提供され、平面アンテナ構造が埋め込まれた可撓性シート構造を形成するために、可撓性シート要素25の表面に結合される。したがって、カバー層および可撓性シート要素は、外部(機械的、熱的および/または電気的)の影響からUHF要素を密閉し、保護し得る。
【0101】
アンテナマットを製造するための方法は、可撓性材料を成形、例えば、低圧成形して、平面アンテナ構造用の窪んだ構造および平面アンテナ構造に接続された同軸伝送線路を含む構造化された可撓性シート要素にすることと、平面アンテナ構造および同軸伝送線路を窪んだ構造に位置決めすることと、およびカバー層46(これは、底層とも呼ばれる)を使用してアンテナマット構造を密封することとを含み得る。このように、カバー層および構造化された可撓性シート要素は、複数の平面アンテナ構造が埋め込まれた層状の可撓性シート構造を形成し、層状の可撓性シート構造は、巻き上げることができるアンテナマットを形成する。
【0102】
一実施形態では、アンテナマットは、導電層48、例えば、金属箔または金属化フィルムを備え得、これは、
図7を参照してより詳細に説明される。さらに、
図6は、複数の可撓性シート要素25a、25bが、所望の長さの可撓性アンテナマットを形成するように互いに物理的に接続され得ることを示している。この実施形態では、可撓性シート要素は、上記の突起38および空洞40によって接続される。
【0103】
アンテナマットの構造は図に限定されないことが提出される。例えば、さらなる実施形態では、可撓性構造化上部シートの使用の代わりにおよび/または使用に加えて、底層はまた、アンテナマットにアンテナ構造を埋め込むための構造、および/または、例えば、(面外の)圧縮剛性および/または曲げ剛性に関して有利な機械的特性を有する軽く可撓性の構造を提供するための構造、例えば、窪んだスペースおよび/またはハニカム構造を含み得る。
【0104】
図7A~
図7Cおよび
図8は、本発明の様々な実施形態に係る平面アンテナ構造のより詳細な図を示している。以下でより詳細に説明するように、アンテナ構造は、アンテナマットロールの巻き戻しおよび巻き付けによる機械的負荷、特に、曲げ力に対して特に堅牢であるように構成される。
図7Aおよび
図7Bは、一実施形態に係る平面アンテナ構造の分解図を示している。この実施形態では、アンテナ構造は、1つまたは複数の平面UHFアンテナ構造6a、6bを含み得る。
図7Cは、組み立てられた状態のアンテナ構造を示している。これらの図は、アンテナマットがレーストラックを横切って展開されたとき、すなわち、アンテナマットがその動作位置にあるとき、接地プレート52が導電性パッチ50よりもレーストラックの近くに配置されるという意味でのアンテナを上面から示している。
【0105】
平面UHFアンテナ構造は、導電性接地面52の上に配置された少なくとも1つの導電性プレート50と、導電性接地面と導電性プレートとの間に配置されたスペーサ要素54とを備え得る。平面UFHアンテナ構造は、放射場を生成するように構成され、放射場は、導電性プレートに実質的に垂直である主軸を有し得る。したがって、放射場の少なくとも大部分は、導電性プレートの平面に垂直な方向でアンテナ構造の真上に生成される。一実施形態では、アンテナ構造はパッチアンテナを含み、放射要素は、例えば、
図7に示されるように、接地面上の導電性パッチであり、パッチの寸法は、アンテナの放射特性、例えば、放射周波数を決定する。他の実施形態では、アンテナ構造は、スロットアンテナを含み得る。このような構成では、放射要素は(少なくとも)金属板の1つのスロットである。その場合、スロットの寸法によって、アンテナの放射周波数などの放射特性が決まる。アンテナの導電性プレートの主な形状は、長方形であり得る。図に示されている他のアンテナ構成も可能である。例えば、一実施形態では、平面アンテナ構造のアレイ、例えば、パッチおよび/またはスロットアンテナのアレイを使用し得る。他の実施形態では、いわゆる平面逆Fアンテナ(PIFA)を適切な平面アンテナ構造として使用し得る。
【0106】
さらに、一実施形態では、導電性シールド層をアンテナ構造の下に配置し得る。接地面および金属プレートから電気的に分離されたシールド層は、アンテナマットの下の物体および/またはソースから発生する誘電および/または電磁効果からアンテナ構造をシールドする。さらに、シールド層は、アンテナ構造による放射生成を、シールド層に垂直な方向に地面から離れる方向に向ける。
【0107】
シールド層は、接地面52に接続でき、接地面52に実質的に平行に配置される。導電性箔48の寸法は、導電性接地面52の寸法よりも大きくてもよく、その結果、導電性箔48は、外部放射からパッチアンテナに追加のシールドを提供し、および/またはパッチアンテナによって放出される信号が上向きになる。後者は、電磁放射を地面に伝達することによってエネルギが浪費されるのを防ぐ。
【0108】
シールド層およびアンテナプレート、すなわち、導電性プレートおよび接地プレートは、任意の適切な導電性材料、好ましくは、銅または他の適切な金属から作製され得る。
【0109】
図に示されるように、同軸伝送線路はアンテナマットの長手方向軸に沿ってアンテナ構造に向かって案内される。伝送線路がアンテナ構造に近づくと、同軸伝送線路は、アンテナマットの長手方向軸に実質的に垂直であり、アンテナ構造の内縁部に実質的に平行である方向に案内される。以下でより詳細に説明するように、同軸伝送線路の信号線は、アンテナマットロールの巻き上げおよび巻き戻しによるUHF接続の機械的負荷が最小になるように、導電性プレートの側面に接続される。
【0110】
スペーサ構造54は、接地面とアンテナの導電性プレートとの間の安定した分離を提供する。アンテナマットにかかる圧力による間隔の変化を防ぐように設計されている。一実施形態では、スペーサ構造は、高密度ポリエチレン(HDPE)などのプラスチックを備え(または本質的にそれからなる)得る。
【0111】
1つまたは複数の試験装置56a~56b、例えば、受動的タグは、アンテナ構造6a、6bに対して固定位置に配置され得る。試験装置56は、スペーサ構造54上、またはスペーサ構造内の空間、例えば、ポケット58a、58b、58c、58dに取り付けられ得る。このようにして、試験装置は、アンテナの放射プレートに近いアンテナ構造の周辺領域に配置され得る。
【0112】
図8は、本発明の一実施形態に係る平面アンテナ構造の上面図を示している。この特定の実施形態では、各平面アンテナ構造6a、6bは、アンテナ構造が実質的に長方形のプレート50a、50bを備え得る。一実施形態では、プレートの寸法は、アンテナが極超短波(UHF)範囲の周波数で放射するように選択され得る。UHF範囲には、300から3000MHzの間の搬送周波数を有するRF信号が含まれ得る。一実施形態では、平面アンテナ構造は、850から950MHzの間の搬送周波数を有する信号を送信するように構成され得る。Wで示される幅などのアンテナ構造の寸法は、アンテナの搬送周波数に関連する波長の半分または4分の1にほぼ等しくなり得る。導電性プレートの寸法、(またはスロットアンテナの場合)(長さLおよび幅Wの)導電性プレートのスロットの寸法は、5cmから50cmの間、好ましくは、14から20cmの間、より好ましくは、15から18cmの間で選択され得る。
【0113】
図8に示されるように、導電性プレートは、マイクロストリップ67を介して同軸伝送線路に結合され得る。一実施形態では、マイクロストリップ67の少なくとも一部は、導電性プレート50bの縁部から導電性プレートの中心線69に向かって延びる2つのスロット65a、65bによって形成され得る。このようなアンテナ構造は、いわゆるインセットマイクロストリップライン給電パッチアンテナと呼ばれ得る。このように形成されたインセットフィードは、インピーダンスを一致させるために使用され得る。例えば、(1/8)波長のインセットは、標準のマイクロストリップ伝送線路フィードと比較して入力インピーダンスを50%減少させる。4分の1波長伝送線路フィード、プローブフィード、および/またはアパーチャフィードを含むがこれらに限定されない他のタイプのフィードも使用され得る。
【0114】
一実施形態では、同軸伝送線路は、接続用のサブミニチュアバージョンA(SMA)タイプのコネクタ、例えば、アンテナコントローラを使用して同軸ケーブルとして構成され得る。同軸伝送線路の内部導体60a、60bは、アンテナ構造の導電性プレートに接続されている。図に示されているように、導電性プレートと伝送線路44、42との間の接続点60a、60bにおいて、伝送線路の端部の長手方向軸(すなわち、
図8の点A’およびA’’)は、アンテナマットロールの軸に実質的に平行に(すなわち、
図8に示されるようにy軸に平行に)配向され得る。これは、同軸伝送線路の端部の一部を、アンテナ構造の導電性プレートが同軸伝送線路に接続される接続点に近いアンテナ構造の縁部に機械的に接続するための1つまたは複数のエッジコネクタ61、63によって達成される。一実施形態では、1つまたは複数のエッジコネクタは、図に示されているように、接地プレート54の一体部分であり得る。その場合、一実施形態では、1つまたは複数のエッジコネクタはまた、同軸伝送ラインの外部導体(接地)とアンテナ構造の接地プレートとの間の電気的接続を提供し得る。1つまたは複数のエッジコネクタは、同軸伝送線路の端部の軸が接続点60a、60bの縁部に平行であることを可能にする。接続点において、導体プレート50a、50bは、同軸伝送線路の内部導体と係合するコネクタ部分を含み得、その結果、導体プレートと同軸伝送線路との間に機械的および電気的に安定したUHFを確立し得る。接続部分は、ロール軸(
図8のx軸に平行)に平行に配置されているため、マットを複数回巻いたり巻き戻したりすることによるUHF接続の機械的応力と摩耗を大幅に減らし得る。
【0115】
一実施形態では、アンテナ構造6aおよび6bは、信号を同時に放出するように制御されるべきパッチアンテナのペアであり得る(例えば、
図2Bを参照して説明されるように)。その場合、外部コントローラとアンテナ構造6bとの間の同軸伝送線路42は、2つのパッチアンテナが非同期的に信号を放出することを防ぐために、例えば、一方のパッチアンテナが信号を発信し、他方のパッチアンテナが信号を「聞い」ていることを防ぐために、外部コントローラとアンテナ構造6aとの間の同軸伝送線路44と同じ長さを有するべきである。信号スキューによるこのようなクロストークは、測定を大幅に歪め得る。したがって、一実施形態では、アンテナ構造のペアとアンテナコントローラを接続する同軸伝送線路は、等しい長さとなっている。したがって、接続点60a(点A’)および点Bでの伝送線路44の長さは、接続点60b(点A’’)および点Bでの伝送線路42の長さ、すなわち、両方の伝送線路が合流する位置に等しい。好ましくは、2つの伝送線路は、点Bからコントローラまで同じ軌道をたどる。
【0116】
図9は、本発明の実施形態に係る平面アンテナ構造を示している。この図に示されるように、各平面アンテナ構造6a、6bは、接地面52a、52bと導電性プレート50a、50bとの間に間隔を提供するためのスペーサ要素54a、54bを含み得る。一実施形態では、スペーサ要素(間隔を規定する)の厚さは、3から9mmの間で選択され得る。この実施形態では、スペーサ構造54a、54bは、ハニカム構造に基づいて構造化され得る。一実施形態では、ハニカム構造は、セル55a~55cを含み得、セルの形状は、六角形セル、三角形セル、三角形セル、正方形セル、および/またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。本明細書に記載のセルのセルサイズは、円が1つまたは複数のセル壁に接触している状態でセル内に内接し得る最大の円の直径であると理解され得る。一実施形態では、セルサイズは、1から15mmの間、好ましくは、1から10mmの間、より好ましくは、1から8mmの間の範囲にある。ハニカム構造は、幅および/または長さが5から10mmの範囲であり、好ましくは、スペーサ要素の厚さに等しい高さを有する複数の繰り返し単位によって形成され得る。各繰り返し単位は、たった1つのセルを備え得る。いくつかの実施形態では、これらのセルは、追加の円形構造を含み得る。これらのセルは、円形コアの六角形、三角形、または正方形タイプのセルと呼ばれ得る。導電性プレート(パッチ)および導電性接地面は、ハニカムスペーサ要素に結合され得、それにより、優れた強度対重量比の複合構造を形成し得る。アンテナ構造は、軽量でありながら、アンテナマットロールの巻き取り時や巻き戻し時の曲げ荷重に対する優れた耐性を備えている。一実施形態では、アンテナマットの総重量は、25キログラム未満、好ましくは、23キログラム未満であり得る。
【0117】
図10Aは、複数の可撓性構造化シート要素、例えば、
図4Aおよび
図4Bを参照して説明した少なくとも3つの可撓性シート要素25a、25b、および25cを備える巻き取り型の計時マットを示している。
図10Aはさらに、可撓性シート要素の長手方向側の縁部に沿った複数のサイドチャネル62、64、66を示している。各サイドチャネルは、可撓性シート要素のアンテナ構造、例えば、アンテナペアのための少なくとも1つの同軸伝送線路を含み得る。例えば、サイドチャネル62は、可撓性シート要素25aのアンテナ構造のための1つまたは複数の同軸伝送線路、可撓性シート要素25bのアンテナ構造のための軌道64、および可撓性シート要素2cのアンテナ構造のための軌道25cを案内するように構成され得る。可撓性シート要素の1つまたは複数のクロスチャネル35を使用して、同軸伝送線路をアンテナマットの一方の側からマットの他方の側に再経路指定し得る。このようにして、長いアンテナマットを形成し得る。
図10Bは、ロール構造10(例えば、リール)に機械的および電気的に接続可能なアンテナマット2を含む計時マットアセンブリを示している。この図では、計時マット2は、円筒本体10、例えばアルミニウムまたはプラスチック本体の周りに少なくとも部分的に巻かれている。さらに、
図10Bは、展開された状態の計時マット2を(下に)示している。
図10Bは、計時マットをレーストラック全体に簡単に設置し得ることを示している。ユーザは、計時マットが巻かれる円筒本体10をレーストラックの片側に配置するだけでよい。次に、設置には、計時マットが展開してレーストラックに配置されるように円筒本体を回転させるだけである。これには、計時マットの一部を地面に引きずるようなことはない。
【0118】
図11は、例えば、
図4Bに示されるような少なくとも2つの計時マット2aおよび2bが互いに対向して配置される実施形態を示している。明確にするために、空洞40のみが示されている。計時マット2aの空洞40aおよび計時マット2bの空洞40bは一緒になってさらなる空洞を形成する。任意選択で、この例のように、計時マット2aの空洞40a’および計時マット2の空洞40b’もまた、さらなる空洞を形成する。2つの計時マットは、2つの空洞40aおよび40bによって形成されるように空洞にコネクタを配置することによって互いに接続され得る。該当する場合、第2のコネクタは、空洞40a’および40b’によって形成される空洞内に配置され得る。したがって、さらに他の計時マットを製造でき、例えば、各サブ計時マットが合計6つのサイドチャネルのみを備える場合でも、6つを超える計時マットを互いに接続し得る。したがって、一例では、コネクタは、ドッグボーンのような形状をしている。さらに、コネクタは、EPDMまたはSBRゴムであり得る。
【0119】
図12A~
図12Cは、本発明の様々な実施形態に係るアンテナマットアセンブリを示している。特に、アンテナマットアセンブリは、アンテナマットロールを持ち上げて輸送するために、キャリア、例えば、手押台車またはドリー70上に配置された巻き上げ状態のアンテナマットを含み得る。巻き上げられた状態では、アンテナマットは、円筒形ロール10、好ましくは、中空ロールの周りに巻かれ得る。この状態で、ロールに巻かれたアンテナマットは、アンテナマットロールと呼ばれ得る。
【0120】
図に示されるように、手押台車は、シャフトの第1の端部がベース13に接続され、シャフトの第2の端部が1つまたは複数のハンドル15を含むシャフト11を含み得る。
図12Bおよび
図12Cに示されるように、少なくとも2つの車輪76および棚72がベースに接続され得る。一実施形態では、棚は、このように円筒形に湾曲され得、棚は、アンテナマットロール2の円筒面の一部を支持するためのすくいシャベルを形成し得る(
図12Cに示されるように)。棚の円筒形の曲率は、アンテナマットロールの円筒形の曲率と一致するため、棚は、アンテナマットロールの下に簡単に挿入され得る。このようにして、シャフトを使用してアンテナマットロールを地面から持ち上げ得る。手押台車の円筒状に湾曲した棚は、アンテナマットロールのロール軸が車輪の中心を接続する軸77に平行であり得る方向にアンテナマットロールを運ぶための安定した支持面を提供する。このようにして、アンテナマットロールを簡単に持ち上げて、所望の場所に輸送し得る。一実施形態では、シャフトは、アンテナマットコントローラを備える別個のボックス19を支持するために使用できる支持構造74を含み得る。
【0121】
図13A~
図13Dは、本発明の様々な実施形態に係るアンテナマットアセンブリを示している。特に、アンテナマットアセンブリは、アンテナマットロールを持ち上げて輸送するために、キャリア、例えば、手押台車またはドリー80、82上に配置されたアンテナマットを含み得る。図に示されるように、これらの実施形態においても、キャリアは、シャフト84を含み得、シャフトの第1の端部85は、ベースに接続され得る。少なくとも2つの車輪90a、90bおよび棚86をベースに接続でき、棚は、アンテナマットロールを支持するように構成される。シャフトの第2の端部は、ユーザがキャリアを取り扱うことを可能にする1つまたは複数のハンドル88を含み得る。この特定の実施形態では、棚は、シャフトが長方形トレイの第1の側面に接続され得、車輪の中心を接続する軸91がトレイの第1の側面に平行になるように、少なくとも2つの車輪がトレイに接続され得る長方形トレイとして構造化され得る。
【0122】
一実施形態では、アンテナマットロールは、アンテナマットロールのロール軸94が2つの車輪の中心を接続する軸91に平行であり得るように、トレイ内に配置され得る。トレイは、トレイの側面に沿って配置された立ち上がり縁部92a、92bを含み得、立ち上がり縁部は、輸送中にアンテナマットがトレイを滑るのを阻止するように構成される。一実施形態では、1つの立ち上がり縁部、例えば、第1の側面と反対の第2の側面の立ち上がり縁部92bの高さは、トレイの他の(3つの)立ち上がりエッジに沿った立ち上がり縁部の高さよりも低くくし得る。
【0123】
一実施形態では、トレイに接続された第1のフレーム構造96aは、トレイの第2の側面に沿って配置され、トレイに接続された第2のフレーム構造96bは、トレイの第3の側面に沿って(トレイの第2の側面の反対側に)配置される。トレイの第2および第3の側面は、トレイの第1の側面に垂直である。第1および第2のフレーム構造の高さは、トレイに配置されたアンテナマットロールの高さよりも高い。さらに、一実施形態では、シャフトの第2の端部は、取り外し可能な接続構造を使用してベースに接続され得る。したがって、この実施形態では、シャフトを取り外して、第1および第2のフレーム構造を含むトレイに配置されたアンテナマットロールを備えるアセンブリを得ることができ、これにより、ユーザは、アンテナマットロールを容易に取り扱い、持ち上げることができる。
【0124】
一実施形態の
図13Cおよび
図13Dに示されるように、第1および第2のフレーム構造は、アンテナマットロールの側面を保護できるように閉じた構造であり得る。これは、いくつかの実施形態では、アンテナマットを電気的に制御するための、電気UHFコネクタおよび/または、例えば、コントローラを含むスポーツ計時電子機器を含み得る。
【0125】
図13Dに示されるようにアンテナマットアセンブリのシャフトを取り外すとき、第1および第2のフレーム構造を含むトレイに配置されたアンテナマットロールを備える結果として生じるアセンブリは、積み重ね可能なアンテナマットアセンブリとして構成され得る。本発明の様々な実施形態に係る積み重ねられたアンテナマットアセンブリを描写する
図14A~
図14Bにより詳細に示されている。特に、これらの図は、(この特定の場合)第1の積み重ね可能なアンテナマットアセンブリ102aおよび第2の積み重ね可能なアンテナマットアセンブリ102bを備える積み重ねられたアンテナマットアセンブリ100を示している。各積み重ね可能なアンテナマットアセンブリは、
図13A~
図13Dを参照して詳細に説明されるように、アンテナマットロール106a、106bを支持するように構成されたトレイ構造(すなわち、第1のトレイ構造104aおよび第2のトレイ構造104b)を含み得る。
【0126】
トレイ構造は、4つの側面を含む実質的に長方形のトレイ構造であり得る。第1の側面は、ハンドルに接続されたシャフトを取り外し可能に接続するためのコネクタ101を含み得る(
図13A~
図13Dを参照して説明される)。さらに、アンテナマットアセンブリは、トレイに接続された第1のフレーム構造108a、108bを含み得、第1のフレーム構造は、トレイの第2の側面に沿って配置され、第2のフレーム構造110a、110bは、トレイ構造の第3の側面(トレイの第2の側面の反対側)に沿って配置されたトレイに接続される。これらの図に示されるように、第2の積み重ね可能なアンテナマットアセンブリの第1および第2のフレーム構造108b、110bの上部は、第1の積み重ね可能なアンテナマットアセンブリの第1のトレイ構造の対応する機械的結合部品112aと係合するように成形され得る。図に示されるように、一実施形態では、機械的結合部品は、トレイ構造104aに第1の窪みおよび第2の窪み112aを含み得る。したがって、
図13および
図14に示されるアンテナマットアセンブリは、スポーツイベントのスポーツ計時システムのフィニッシュラインの容易な輸送、保管、および取り付けおよび取り外しを可能にする。
【0127】
図に示されている構造およびアセンブリは非限定的であり、本発明によって提供される有利な特徴および機能を説明するために使用される。本発明の本質を逸脱することなく、実施形態の他の多くの変形が可能である。例えば、
図15は、リールまたはワインダ構造に取り付けられた巻き取り型のアンテナマットロールを含む本発明の実施形態を概略的に示している。リール構造は、アンテナマットロールが巻き取り可能に取り付けられたフレーム、例えば、管状フレームを含み得る。ロールの側面の少なくとも1つは、アンテナマットを巻いたり展開したりするためのハンドル120を含み得る。さらに、一実施形態では、アンテナマットコントローラは、ロールの中空空間に提供され得る。ロールの側面の少なくとも1つは、アンテナマットコントローラの少なくとも1つのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を含み得る。
【0128】
同様に、
図16A~16Cは、本発明の実施形態に係る積み重ね可能なアンテナマットロール構造を示している。この実施形態では、アンテナマットロールのロール構造130a、130bは、円筒形ロールの基部の周囲に沿って構造化された縁部を含み得る。例えば、第1のロール構造130aは、第1の(上部)縁部132aおよび第2の(下部)縁部134aを含み得、第2のロール構造130bは、第1の(上部)縁部132bおよび第2の(下部)縁部134bを含み得る。
図16Bおよび
図16Cに示されるように、アンテナマットロールを積み重ねることができるように、縁部を構造化し得る。例えば、第1のロールの第1の円形(上部)縁部は、1つまたは複数の窪みを含み得、第2のロールの第2の円形(下部)縁部は、第1のロールの1つまたは複数の窪みと係合するように構成された1つまたは複数の棚を含み得る。このように、第2のロール構造を第1のロール構造の上に配置するとき、第1のロール構造の第1の縁部構造は、第2のロール構造の第2の縁部構造と係合する。したがって、このようにして、アンテナマットロールは、それらの円筒軸が地面に垂直になるように互いに積み重ねられ得る。
【0129】
本発明のいくつかの実施形態は、コンピュータシステムで使用するためのプログラム製品として実施され得、プログラム製品のプログラムは、実施形態の機能(本明細書に記載の方法を含む)を定義する。一実施形態では、プログラムは、様々な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に含まれ得、本明細書で使用される場合、「非一時的なコンピュータ可読記憶媒体」という表現は、一時的な伝搬信号を除いて、全てのコンピュータ可読媒体を備える。他の実施形態では、プログラムは、様々な一時的なコンピュータ可読記憶媒体に含まれ得る。例示的なコンピュータ可読記憶媒体には、(i)情報が永続的に格納される書き込み不可能な記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブによって可読可能なCD-ROMディスク、ROMチップ、または任意のタイプのソリッドステート不揮発性半導体メモリなどコンピュータ内の読み取り専用メモリデバイス)、(ii)変更可能な情報が格納される書き込み可能な記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ、ディスケットドライブまたはハードディスクドライブ内のフロッピーディスク、または任意のタイプのソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ)が含まれるが、これらに限定されない。コンピュータプログラムは、本明細書に記載のプロセッサ1002上で実行され得る。
【0130】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「備える」および/または「備える」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解される。
【0131】
以下の請求の範囲における全ての手段またはステッププラス機能要素の対応する構造、材料、行為、および同等物は、具体的に請求された他の請求された要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または行為を含むことを意図する。本発明の実施形態の説明は、例示の目的で提示されたが、網羅的であることを意図するものではなく、または開示された形態の実施に限定されるものでもない。多くの修正および変形は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の原理およびいくつかの実際の適用を最もよく説明し、当業者が企図された特定の使用に適した様々な修正を加えた様々な実施形態について本発明を理解できるようにするために選択および説明された。
【0132】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「備える」および/または「備える」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解される。
【0133】
以下の請求の範囲における全ての手段またはステッププラス機能要素の対応する構造、材料、行為、および同等物は、具体的に請求された他の請求された要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または行為を含むことを意図する。本発明の説明は、例示および説明の目的で提示されたが、網羅的であることを意図するものではなく、または開示された形態の本発明に限定されることを意図するものではない。多くの修正および変形は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の原理および実際の適用を最もよく説明し、当業者が、企図される特定の使用に適した様々な修正を伴う様々な実施形態について本発明を理解できるようにするために選択および説明された。