(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】求職者情報提示方法、表示画面及び職業紹介プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20240607BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240607BHJP
【FI】
G06Q10/1053
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023168709
(22)【出願日】2023-09-28
【審査請求日】2024-02-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523371894
【氏名又は名称】日本キャリアグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】久恒 基之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 甚一
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-189795(JP,A)
【文献】特開2004-265328(JP,A)
【文献】特開2017-187849(JP,A)
【文献】特開2009-053944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサが、
登録を希望する求人事業者の登録を受け付ける事業者登録ステップと、
登録を希望する求職者の登録を受け付ける求職者登録ステップと、
登録した前記求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果を、当該求職者の求職情報に含めて登録した前記求人事業者にインターネットを介して提示する提示ステップと、
を実行し
前記プロセッサは、前記提示ステップにおいて、前記求職者の複数の評価結果のうち、評価が相対的に高い前記評価結果を選択して前記求人事業者に提示する、求職者情報提示方法。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記提示ステップにおいて、
前記求人事業者が選択した前記評価結果を
提示する、請求項1に記載の求職者情報提示方法。
【請求項3】
前記第3者による評価は、評価担当者が前記求職者と面談して行われる、請求項1
又は2に記載の求職者情報提示方法。
【請求項4】
前記第3者による評価は、予め定められた質問項目、及び当該質問項目に対する前記求職者の応答を分類することによって行われる、請求項1
又は2に記載の求職者情報提示方法。
【請求項5】
前記プロセッサは、
登録した求人事業者に対して、登録した求職者をインターネットを介して提示紹介する
情報であって、
前記求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果を少なくとも含む
情報を生成する、
請求項1又は2に記載の求職者情報提示方法。
【請求項6】
前記プロセッサは、検索条件を選択する検索画面において、前記求人事業者と前記求職者がマッチング成功につながりやすい予め定められた条件、又は複数の前記予め定められた条件の組み合わせを上位に表示する、請求項1又は2に記載の求職者情報提示方法。
【請求項7】
登録した複数の職業紹介事業者に関する情報を記憶する記憶部と、
前記職業紹介事業者からの、求職者に関する情報の提示要求を受け付ける受付部と、
前記求職者に関する情報の提示要求に基づいて、前記職業紹介事業者に送信する前記求職者に関する情報を生成する生成部と、を備え、
前記職業紹介事業者に送信する前記求職者に関する情報は、前記求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果を含
み、
前記職業紹介事業者に送信する前記求職者に関する情報を生成するにあたり、前記求職者の複数の前記評価結果のうち、前記求職者において相対的に評価の高い評価結果を選択する選択部をさらに含む、
職業紹介プラットフォーム。
【請求項8】
前記職業紹介事業者に送信する前記求職者に関する情報を生成するにあたり、前記職業紹介事業者が提示を求めた評価項目の評価結
果を選択する選択部をさらに備える、請求項7に記載の職業紹介プラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、求職者情報提示方法、表示画面及び職業紹介プラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
仕事を探す求職者と、求職者を採用しようとする求人事業者とを仲介する職業紹介事業がある。職業紹介事業者は、登録した求職者を登録した求人事業者に紹介したり、逆に登録した求人事業者を登録した求職者に紹介したりすることにより、両者のマッチングを図っている。求職者と求人事業者とのマッチングを効果的、又は効率的に行うために、さまざまな方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、職種という概念と異なる仕事スタイルという概念で適職診断を行うことが開示されている。具体的には、適性診断に関する求職者の回答結果に基づいて、該求職者のパーソナリティタイプ適性診断結果を求めるとともに、該求職者の仕事スタイル適性診断結果を求め、パーソナリティタイプ適性診断結果と、仕事スタイル適性診断結果とに基づいて、求人仕事スタイルの中から特定の求人仕事スタイルを抽出し、特定した求人仕事スタイルに関連する求人情報を求職者に提示する、というビジネスモデルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のビジネスモデルにおいては、求職者の適性に合った求人情報を求職者に提示することで、求職者が求人事業者を選択することはできるが、求人事業者が求職者を選択することはできない。
【0006】
一般に、求人事業者に求職者を紹介する際の求職者情報は、求職者の年齢、就業経歴、求職者が有している資格や技能など、求職者自身の事実情報であることがほとんどである。このような事実情報は、わかりやすいものではあるが、求人事業者の立場からは、さらに違った観点での情報が欲しい場合がある。求職者の紹介欄に求職者の自己アピール等が情報として含まれる場合もあるが、あくまで求職者が記載した内容である。そこで、第3者的な立場から評価した求職者の評価結果があることにより、より適切なマッチングに資することが期待される。
【0007】
本開示の一態様は、求人事業者に求職者を紹介する際に、求職者と求人事業者との適切なマッチングに資する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る求職者情報提示方法は、登録を希望する求人事業者の登録を受け付ける事業者登録ステップと、登録を希望する求職者の登録を受け付ける求職者登録ステップと、登録した前記求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果を、当該求職者の求職情報に含めて登録した前記求人事業者にインターネットを介して提示する提示ステップと、を含む。
【0009】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る表示画面は、登録した求人事業者に対して、登録した求職者をインターネットを介して提示紹介する表示画面であって、前記求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果を少なくとも含む。
【0010】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る職業紹介プラットフォームは、登録した複数の職業紹介事業者に関する情報を記憶する記憶部と、前記職業紹介事業者からの、前記求職者に関する情報の提示要求を受け付ける受付部と、前記求職者に関する情報の提示要求に基づいて、前記職業紹介事業者に送信する前記求職者に関する情報を生成する生成部と、を備え、前記職業紹介事業者に送信する前記求職者に関する情報は、前記求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果を含む。
【0011】
本開示の各態様に係る求職者紹介装置又は職業紹介プラットフォームは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記求職者紹介装置又は職業紹介プラットフォームが備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記求職者紹介装置又は職業紹介プラットフォームをコンピュータにて実現させる求職者紹介装置又は職業紹介プラットフォームの制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本開示の範疇に入る。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一態様によれば、求人事業者に求職者を紹介する際に、求職者と求人事業者との適切なマッチングに資することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の実施形態1に係る、職業紹介事業者が求人事業者へ求職者の情報を提示する方法を示すフローチャートの一例である。
【
図2】求人事業者が求職者を検索するウェブ検索ページの一例を示す模式図である。
【
図3】候補者の一人を選択して表示させた紹介画面の一例を示す模式図である。
【
図4】評価者が求職者と面談した結果を記載する場合の評価シートの一例を示す模式図である。
【
図5】求職者の評価方法S2の流れを示すフローチャートの一例である。
【
図6】本実施形態に係る、求職者紹介装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】本実施形態に係る職業紹介プラットフォームの構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施形態について説明する前に、職業紹介事業者(又は求職者紹介装置、以下同様。)が、仕事を探す求職者を求人事業者に紹介する手順の一例を説明する。求職者を求人事業者に紹介する手順は、例えば、次のようなステップを踏んで行われる。まず、職業紹介事業者は、求職者の紹介を希望する求人事業者を登録する。また、職業紹介事業者は、求人事業者への仲介を希望する求職者を登録する。この2つのステップは並行して常時行われる。次に、職業紹介事業者は、求職者と求人事業者のさまざまな希望を考慮して、双方の希望がある程度合致すると思われる複数の求職者に関する情報を、求人事業者に提示する(求職者を紹介する)。求人事業者は、紹介された求職者のうちから、面接したい求職者を職業紹介事業者に伝える。職業紹介事業者は、その求職者に、その求人事業者からオファーがあったことを伝え、面接する意思があるか否かを確認する。その求職者が面接を了承すれば、職業紹介事業者はその旨を求人事業者に伝えて、両者の面接が実現する。求人事業者と求職者との面談の結果、双方が合意すれば、マッチング成功である。
【0015】
〔実施形態1〕
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る、職業紹介事業者(又は後述する求職者紹介装置1)が求人事業者へ求職者の情報を提示する求職者情報提示方法S1の流れを示すフローチャートの一例である。図示するように、求職者情報提示方法S1は、登録を希望する求人事業者の登録を受け付ける事業者登録ステップS11と、登録を希望する求職者の登録を受け付ける求職者登録ステップS12と、登録した求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果を、当該求職者の求職情報に含めて登録した求人事業者にインターネットを介して提示する提示ステップS13と、を含む。
【0016】
事業者登録ステップS11と求職者登録ステップS12とは、並行して常時行われてもよい。通常、事業者登録ステップS11と求職者登録ステップS12は、職業紹介事業者が開設したウェブサイトを通じて行うことができる。例えば、事業者又は求職者は、職業紹介事業者が開設した登録ページから、アカウント(メールアドレス等)を設定することで、登録することができる。
【0017】
提示ステップS13は、登録した求人事業者に、求職者の求職情報を提示するステップである。求職者の求職情報は、求職者についての情報と、求める職業についての情報を含む。求職者についての情報は、例えば、年齢、性別、経験職種、所有する資格、対応可能言語などである。求める職業についての情報は、例えば、希望する職種、勤務形態、勤務地、給料などである。
【0018】
本実施形態においては、求職情報を提示するステップにおいて、求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果を、その求職者の求職情報に含めて求人事業者に提示する。求職者の職業適性に関連する複数の評価項目とは、求人事業者が求職者に求めるであろう気質、性格、資質などである。具体的な評価項目はさまざまであり、例えば、コミュニケーション力、協調性、ストレス耐性、学習能力、リーダーシップ、持続力、体力(タフネス)などの精神的能力又は体力的能力であってもよく、身だしなみ、清潔感、笑顔、明るさ、快活さなどの、人に与える印象や性格的なものであってもよい。なお、評価結果が求人事業者に提示されることは、面談時に求職者の了承を得ておくことが好ましい。
【0019】
第3者による評価結果とは、職業紹介事業者が、求職者や求人事業者の立場ではなく、第3者の立場で客観的に行う評価である。そのため、求職者の自己申告とは異なる。評価者は、職業紹介事業者に所属する経験者、又は職業紹介事業者が委託した外部の経験者であってもよい。このような第3者による評価結果があれば、求人事業者は評価結果を参考にして採用者を決めることができる。例えば、求人事業者が求める評価項目の評価結果が高い求職者を検索して採用候補者を選考することができる。
【0020】
評価結果は、求職者の求職情報に含めて、希望する求人事業者に提示される。例えば、評価結果は、インターネットを介して求人事業者に提示されてもよい。また、評価結果の求人事業者への提示は、評価結果を無制限に提示してもよく、抽出した評価結果のみ、あるいは求人事業者が選択した評価項目のみを提示してもよい。
【0021】
図2は、求人事業者がインターネットを介して求職者を検索するウェブ検索ページの一例を示す模式図である。
図2の表示画面200は、検索ページのトップ画面である。求人事業者は、条件入力領域201の各項目を選択又は入力して、検索ボタン202をクリックする。すると、検索条件に該当する求職者の一覧が提示される。求人事業者は、その中から候補者を絞り込んで、より詳細な情報を参照して決定することができる。
【0022】
図2に示す例では、検索条件として、エリア(勤務地)、経験職種、予算(給与の区分とその額)、契約期間、その他の項目、評価、フリーワードが含まれている。それぞれの項目について、プルダウンメニューから具体的条件を選択することができる。少なくとも1つの検索条件を入力すればよく、すべての検索条件について入力する必要はない。検索したい条件をすべて入力した後、検索ボタン202をクリックすると、検索条件に該当する候補者がリストアップされたリストページが表示される。ログアウトする場合はログアウトボタン203をクリックする。
【0023】
図2に示す検索条件のうち、「評価」が第3者による評価項目を選択する検索条件である。選択前のメニュー欄には「全部」と表示されており、その状態で、つまり特に評価項目を選択しないで検索してもよい。その場合、他の条件に該当する求職者の候補者からさらに特定の一人を選択した際に、すべての評価項目の評価結果が併せて表示される。なお、職業紹介事業者は、選択された候補者のすべての評価項目の評価結果を表示するのではなく、その求職者(選択された候補者)の複数の評価結果のうち、評価が相対的に高い評価結果を選択して求人事業者に提示するように設定してもよい。これにより、その候補者の良い点を積極的にアピールすることができる。
【0024】
検索画面において、各種の検索条件を選択するプルダウンメニューに表示される具体的な条件の順位は、変更可能に構成されてもよい。例えば、検索された回数が多い具体的条件ほど上位に表示されるように構成してもよい。また、最終的に求人事業者と求職者がマッチングした成功例について、その際の具体的条件を解析して、マッチング成功につながりやすい具体的条件、あるいは複数の具体的条件の組み合わせを推定し、そのような具体的条件を上位に表示するように構成してもよい。このような具体的条件又はその組み合わせは、機械モデル又はAI(Artificial Intelligence:人工知能)を用いて解析又は学習し、その機械モデル又はAIを用いて得られた具体的条件又はその組み合わせを上位に表示させてもよい。
【0025】
また、提示を求める評価結果を求人事業者が選択可能であってもよい。例えば、「評価」のプルダウンメニューをクリックすると、評価項目の選択ボタンが表示される。例えば、コミュニケーション力、協調性、ストレス耐性、学習能力、リーダーシップ、持続力、体力、身だしなみ、清潔感、笑顔、明るさ、快活さなどの具体的な評価項目が表示される。求人事業者は、この中から求職者に求める1つ又は複数の評価項目を選択してもよい。その場合、他の条件に該当する求職者の候補者からさらに特定の一人を選択した際に、選択した評価項目の評価結果が併せて表示される。
【0026】
図3は、候補者の一人を選択して表示させた紹介画面の一例を示す模式図である。
図3の表示画面300は、登録した求人事業者に対して、登録した求職者をインターネットを介して提示紹介する表示画面であって、求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果を少なくとも含む、表示画面の一例である。表示される第3者による評価結果は、一部であってもよく、全部であってもよい。あるいは、求人事業者が選択したものであってもよい。また、第3者による評価結果だけを表示してもよい。あるいは、第3者による評価結果を当該求職者の求職情報に含めて表示してもよい。
【0027】
図3の条件欄301には、条件の一部が表示されている。その他の条件欄302には、当てはまる条件のみが強調表示され、当てはまらない条件は薄く表示されるようになっている。条件欄302の「就業中」という項目は、現時点で就業しているが転職先を探しているという状況を表す。なお、就業中の求職者は紹介リストに表示されないように求人事業者が提示の有無を選択することができる。
【0028】
評価結果表示欄303は、図示する例では、相対的に高い評価を得た評価項目のみが表示されている。具体的には、5段階の評価1~5(大きいほど良い評価)のうち、評価3以上の項目のみを表示している。求人事業者は、このような性格の持ち主が求める条件に合致するかどうかを業務内容を勘案して判断することができる。そして、気になるボタン305をクリックすれば、この求職者を採用候補リストに入れることができる。さらに、この候補者と面接したいと判断した場合は、オファーボタン306をクリックすると、この求職者に面接を求める連絡が送信される。もう少し詳細な情報が見たい場合は、詳細ボタン307をクリックするとより詳細な情報欄が表示される。
【0029】
図3では、評価結果表示欄303は、相対的に高い評価を得た評価項目のみが表示される設定が職業紹介事業者によってなされていた場合の例を示している。しかし、評価結果表示欄303は設定によって表示内容が変わる。例えば、求人事業者が表示される評価結果を選択できるように設定されていた場合は、評価結果表示欄303には、求人事業者が選択していた評価項目が表示される。もしも求人事業者が何も選択していなかった場合は、すべての評価項目が表示される。
【0030】
また、表示画面300には、一言欄304が含まれていてもよい。ここには、担当者の一言が表示される。例えば、求職者との面談を担当した担当者が、この求職者の長所はこういう点であるなど、評価結果だけでは伝えきれないコメントを記載する欄である。
【0031】
このような第3者による評価は、評価者が実際に求職者と対話をすることで可能となる。そのため、第3者による評価は、評価担当者が求職者と面談して行われることが好ましい。面談は、直接会って面談してもよく、電話による面談、あるいはウェブを用いた面談でもよい。得られた評価結果は、後述する求職者紹介装置の記憶部に記録されてもよい。
【0032】
図4は、評価者が求職者と面談した結果を記載する場合の評価シート400の一例を示す模式図である。図示の例では、さまざまな評価項目とその5段階評価を記入できるようになっている。記載されている評価項目は一例であり、その内容は限定されない。評価項目の数も任意である。評価結果の表示方法も5段階評価に限らず任意である。
【0033】
第3者による評価は、できるだけ統一された基準で評価されることが好ましい。つまり、評価者によって同じ求職者に対する評価に大きな差が出ることは好ましくない。そのため、所定の知識や経験を有する経験者が評価を行うことが好ましい。また、第3者による評価は、予め定められた質問項目、及び当該質問項目に対する求職者の応答を分類することによって行われてもよい。複数の質問項目に対する求職者の応答を入力として複数の評価項目についての評価を出力するように学習された機械モデル(AI)を用いて評価項目の評価を行ってもよい。
【0034】
図5は、本実施形態に係る、求職者の評価方法S2の流れを示すフローチャートの一例である。
図5に示すように、評価方法S2はステップS21からステップS23を含む。ステップS21は、求職者に対して複数の所定の質問を行うステップである。ステップS22は、それぞれの質問に対する求職者の応答(回答、態度等)を分類するステップである。ステップS23は、複数の質問に対する応答の分類結果から求職者の気質、性格等を判定するステップである。このような方法により、評価者によって求職者の評価結果に大きな差が出ることを減らすことができる。
【0035】
図6は、本実施形態に係る、求職者紹介装置1の構成を示すブロック図である。上述した求職者情報提示方法S1は、求職者紹介装置1によって実行されてもよい。求職者紹介装置1は、職業紹介事業者が求職者と求人事業者との間で職業仲介をするための装置である。具体的には、求職者紹介装置1は、職業紹介事業者が求人事業者に対して求職者の情報を提供する装置であり、求人事業者が求める資質を備える求職者を選択して紹介することができる装置である。図示するように、求職者紹介装置1は、制御部10、通信部20、及び記憶部30を備える。制御部10は、登録部11、選択部12、及び生成部13を備える。
【0036】
制御部10は、求職者紹介装置1の統括制御を行う。制御部10は、プロセッサとメモリを備える(図示せず)。プロセッサは、例えば、少なくとも1つのMPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサを用いて構成することができる。メモリは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の複数種類のメモリを備えていてもよい。また、メモリは、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の内蔵又は外付けのメモリを含んでいてもよい。一例として、プロセッサは、メモリのROMに記録された各種の制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、登録部11、選択部12、及び生成部13としての機能を実現する。また、プロセッサは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はPLD(Programmable Logic Device)等で構成される専用プロセッサを含んでいてもよい。
【0037】
登録部11は、登録を希望する求人事業者の登録を受け付ける。また、登録を希望する求職者の登録を受け付ける。
【0038】
生成部13は、登録した求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果を少なくとも含む情報(表示画面)を生成する。生成部13は、求職者の評価結果と求職情報とを併せた情報(表示画面)を生成してもよい。表示画面は、例えばインターネットを介してコンピュータ画面に表示される表示画面として生成される。
【0039】
選択部12は、例えば前述のように、求職者についての複数の評価結果のうち、評価が相対的に高い評価結果を選択して求人事業者に提示するように職業紹介事業者が設定した場合に、求職者の複数の評価結果のうち、評価が相対的に高い評価結果を選択する。選択した評価結果は生成部13に送信され、生成部13はその評価結果だけを含めて表示する表示画面を生成する。
【0040】
通信部20は、例えば、インターネットを介して求職者及び求人事業者と情報通信を行う。記憶部30は、登録した求職者に関する情報、及び登録した求人事業者に関する情報を記憶する。登録した求職者に関する情報には、求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果が含まれる。
【0041】
上述の求職者情報提示方法S1を用いることにより、求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果を、当該求職者の求職情報に含めて登録した求人事業者に提示することができる。また、上述の求職者紹介装置1を用いることにより、求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果を少なくとも含む表示画面を生成し、求人事業者に対して提示紹介することができる。したがって、求人事業者に求職者を紹介する際に、求職者と求人事業者との適切なマッチングに資することができる。
【0042】
〔実施形態2〕
本開示の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0043】
図7は、本実施形態に係る職業紹介プラットフォーム100の構成を示す構成図である。職業紹介プラットフォーム100は、所定のルールに合意した複数の職業紹介事業者が会員となって利用するプラットフォームである。複数の職業紹介事業者のそれぞれは、登録した求職者と登録した求人事業者とを有している。この登録した求職者と登録した求人事業者の情報は、職業紹介プラットフォーム100の会員であるすべての職業紹介事業者に共有される。つまり、登録された求職者情報は、会員の職業紹介事業者に登録した求人事業者のいずれにも紹介されうる。そのため、職業紹介プラットフォーム100の会員となった職業紹介事業者に登録した求職者数と求人事業者数は、職業紹介プラットフォーム100の会員にならない場合に比べて実質的な数が大きくなるため、マッチング成立の可能性が高くなる。なお、職業紹介プラットフォーム100に、求人事業者が会員となってもよい。
【0044】
職業紹介プラットフォーム100は、運営者150によって運営される。運営者150は、例えば1つの職業紹介事業者である。職業紹介プラットフォーム100は、制御部110、通信部120、及び記憶部130を備える。制御部110は、受付部111、登録部112及び生成部114を備える。制御部110は、実施形態1で説明した求職者紹介装置1の制御部10と同様の構成を有する。
【0045】
登録部112は、会員の職業紹介事業者に登録を希望する求職者(又はすでに登録している求職者)の登録を受け付ける。また、登録部112は、会員登録を希望する求人事業者の登録を受け付けてもよい。つまり、通常は求人事業者は、登録した職業紹介事業者を介して求職者の情報を受け取るが、職業紹介プラットフォーム100の会員になって直接求職者情報を受け取ることもできる。
【0046】
受付部111は、会員の職業紹介事業者からの(又は会員の求人事業者からの)共有された求職者に関する情報の提示要求を受け付ける。
【0047】
生成部114は、受付部111で受け付けた、求職者に関する情報の提示要求に基づいて、その職業紹介事業者(又は求人事業者、以下同様である。)に送信する求職者に関する情報を生成する。この求職者に関する情報は、求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果を含む。求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果は、実施形態1で説明したとおりである。生成部114は、求職者に関する情報を、例えばインターネットを介してコンピュータ画面に表示される表示画面として生成してもよい。
【0048】
選択部113は、生成部114が求職者に関する情報を生成するにあたり、職業紹介事業者が提示を求めた評価項目の評価結果、及び求職者において相対的に評価の高い評価結果のうちの少なくとも一方の評価結果を選択する。例えば、職業紹介事業者がある評価結果の提示を求めた場合は、当該求められた評価項目の評価結果を選択部113が選択する。また、職業紹介事業者が特段の評価結果を求めなかった場合で、運営者が求職者において相対的に評価の高い評価結果のみを提示する設定を行った場合に、求職者において相対的に評価の高い評価結果を選択部113が選択する。
【0049】
通信部120は、例えば、インターネット250を介して求職者及び職業紹介事業者と情報通信を行う。通信部120は、インターネット250を介して求人事業者と情報通信を行ってもよい。記憶部130は、登録した複数の職業紹介事業者に関する情報を記憶する。記憶部130は、登録した複数の求人事業者に関する情報を記憶してもよい。
【0050】
職業紹介プラットフォーム100は、インターネット250を介して共有された求職者の通信端末401、及び会員の職業紹介事業者の通信端末402と情報通信可能に接続されている。また、職業紹介プラットフォーム100は、会員の求人事業者の通信端末403と情報通信可能に接続されていてもよい。
【0051】
上記の構成を有する職業紹介プラットフォーム100を用いることにより、求人事業者に求職者を紹介する際に、求職者と求人事業者との適切なマッチングに資することができる。
【0052】
〔ソフトウェアによる実現例〕
求職者紹介装置1又は職業紹介プラットフォーム100(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に制御部10,110に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0053】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0054】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0055】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0056】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0057】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1…求職者紹介装置、10,110…制御部、11,112…登録部、12、113…選択部、13,114…生成部、100…職業紹介プラットフォーム、20,120…通信部、30,130…記憶部、200…運営者、300…インターネット、401,402,403…通信端末
【要約】
【課題】求人事業者に求職者を紹介する際に、求職者と求人事業者との適切なマッチングに資する技術を提供する。
【解決手段】求職者情報提示方法(S1)は、登録を希望する求人事業者の登録を受け付ける事業者登録ステップ(S11)と、登録を希望する求職者の登録を受け付ける求職者登録ステップ(S12)と、登録した前記求職者の職業適性に関連する複数の評価項目についての第3者による評価結果を、当該求職者の求職情報に含めて登録した前記求人事業者にインターネットを介して提示する提示ステップ(S13)と、を含む。
【選択図】
図1