(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】ポイント付与システムおよびポイント付与方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240607BHJP
【FI】
G06Q30/0207 378
(21)【出願番号】P 2023187319
(22)【出願日】2023-10-31
【審査請求日】2023-11-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年12月26日にhttps://www.paper-recycle.jp/news/newscat/159.htmlに掲載 [刊行物等] 令和5年4月12日にhttps://www.instagram.com/ecowa_mm/に掲載 [刊行物等] 令和5年4月22日にエコわ説明会(三豊市立詫間小学校)で説明 [刊行物等] 令和5年5月19日にhttps://www.paper-recycle.jp/news/newscat/336.htmlに掲載 [刊行物等] 令和5年6月4日に四国新聞の折込チラシを配布 [刊行物等] 令和5年6月5日に「エコわ recycle base」にてサービスの提供を開始 [刊行物等] 令和5年6月5日にhttps://ecowa.jp/kagawa/に掲載 [刊行物等] 令和5年6月15日に四国新聞に掲載 [刊行物等] 令和5年7月30日に箱裏マルシェ(箱浦ビジターハウス)で説明 [刊行物等] 令和5年8月1日に「miteGo」(2023年8月号)に掲載 [刊行物等] 令和5年8月16日に「JOY-U CLUB」というラジオ番組で放送
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508292888
【氏名又は名称】株式会社松本光春商店
(74)【代理人】
【識別番号】100210332
【氏名又は名称】洲崎 竜弥
(72)【発明者】
【氏名】松本 伸幸
【審査官】山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-187887(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1674381(KR,B1)
【文献】特開2023-065052(JP,A)
【文献】特開2003-126995(JP,A)
【文献】特開2021-036398(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2454260(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2023-0140121(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
資源物品回収端末とサーバとを含むポイント付与システムであって、
前記資源物品回収端末は、
利用者が保有するカードに記録されているカード情報、または前記利用者が入力する利用者情報の少なくともいずれか一方を、前記利用者を識別するための利用者識別情報として取得する利用者識別情報取得手段と、
前記利用者から提供される資源物品の重量を計量する計量手段と、
前記利用者から寄付先機関を受け付ける寄付先機関受付手段と、
前記寄付先機関受付手段が前記寄付先機関を受け付けた場合には当該寄付先機関を示す寄付先機関情報とともに、前記利用者識別情報および前記資源物品の重量を含むデータを前記サーバに送信する送信手段と、を備え、
前記サーバは、
前記資源物品回収端末の前記送信手段によって送信されたデータを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記資源物品の重量に応じて、前記利用者に付与する第1のポイントを算出する第1のポイント算出手段と、
前記受信手段が受信した前記データに前記寄付先機関情報が含まれている場合、前記寄付先機関に付与する第2のポイントを、前記資源物品の重量に応じて算出する第2のポイント算出手段と、
前記利用者識別情報と前記第1のポイントとを関連付けて前記サーバの記憶部に記憶させるとともに、前記第2のポイント算出手段が前記第2のポイントを算出した場合には、前記寄付先機関情報と前記第2のポイントとを関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、を備
え、
前記資源物品回収端末は、
前記利用者識別情報取得手段が取得した前記利用者識別情報に基づき、前記利用者が所定の機関の関係者であるか否かを判定する判定手段、をさらに備え、
前記判定手段によって前記利用者が前記関係者であると判定された場合、前記寄付先機関受付手段は、前記利用者から前記寄付先機関を受け付けず、前記送信手段は、前記利用者が前記関係者であることを示す情報とともに、前記利用者識別情報および前記資源物品の重量を含むデータを前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記受信手段が受信した前記データに前記利用者が前記関係者であることを示す情報が含まれている場合、前記所定の機関に付与する第3のポイントを算出する第3のポイント算出手段、をさらに備え、
前記第3のポイント算出手段によって算出される前記第3のポイントは、前記第1のポイントおよび前記第2のポイントよりもポイントの数量が大きいもの、または経済的に価値が高いものであり、
前記記憶制御手段は、前記利用者識別情報と前記第1のポイントとを関連付けて前記記憶部に記憶させるとともに、前記所定の機関を示す機関情報と前記第3のポイントとを関連付けて前記記憶部に記憶させる、
ポイント付与システム。
【請求項2】
資源物品回収端末とサーバとを含むポイント付与システムであって、
前記資源物品回収端末は、
利用者が保有するカードに記録されているカード情報、または前記利用者が入力する利用者情報の少なくともいずれか一方を、前記利用者を識別するための利用者識別情報として取得する利用者識別情報取得手段と、
前記利用者から提供される資源物品の重量を計量する計量手段と、
前記計量手段が計量した前記資源物品の重量に応じて、前記利用者に付与する第1のポイントを算出する第1のポイント算出手段と、
前記利用者から寄付先機関を受け付ける寄付先機関受付手段と、
前記寄付先機関受付手段が前記寄付先機関を受け付けた場合、当該寄付先機関に付与する第2のポイントを、前記計量手段が計量した前記資源物品の重量に応じて算出する第2のポイント算出手段と、
前記第2のポイント算出手段が前記第2のポイントを算出した場合には当該第2のポイントとともに、前記利用者識別情報および前記第1のポイントを含むデータを前記サーバに送信する送信手段と、を備え、
前記サーバは、
前記資源物品回収端末の前記送信手段によって送信されたデータを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したデータに基づき、前記利用者識別情報と前記第1のポイントとを関連付けて前記サーバの記憶部に記憶させるとともに、前記第2のポイントが付与される場合には、前記寄付先機関を示す寄付先機関情報と前記第2のポイントとを関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、を備
え、
前記資源物品回収端末は、
前記利用者識別情報取得手段が取得した前記利用者識別情報に基づき、前記利用者が所定の機関の関係者であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記利用者が前記関係者であると判定された場合、当該利用者から寄付先機関を受け付けることなく、前記所定の機関に付与する第3のポイントを算出する第3のポイント算出手段と、をさらに備え、
前記第3のポイント算出手段によって算出される前記第3のポイントは、前記第1のポイントおよび前記第2のポイントよりもポイントの数量が大きいもの、または経済的に価値が高いものであり、
前記送信手段は、前記第3のポイントとともに、前記利用者識別情報および前記第1のポイントを含むデータを前記サーバに送信し、
前記記憶制御手段は、前記受信手段が受信したデータに基づき、前記利用者識別情報と前記第1のポイントとを関連付けて記憶部に記憶させるとともに、前記所定の機関を示す機関情報と前記第3のポイントとを関連付けて記憶部に記憶させる、
ポイント付与システム。
【請求項3】
資源物品回収端末とサーバとを含むポイント付与システムにおいて行われるポイント付与方法であって、
前記資源物品回収端末は、
利用者が保有するカードに記録されているカード情報、または前記利用者が入力する利用者情報の少なくともいずれか一方を、前記利用者を識別するための利用者識別情報として取得する利用者識別情報取得ステップと、
前記利用者から提供される資源物品の重量を計量する計量ステップと、
前記利用者から寄付先機関を受け付ける寄付先機関受付ステップと、
前記寄付先機関受付ステップにおいて前記寄付先機関を受け付けた場合には当該寄付先機関を示す寄付先機関情報とともに、前記利用者識別情報および前記資源物品の重量を含むデータを前記サーバに送信する送信ステップと、を実行し
、
前記サーバは、
前記資源物品回収端末の前記送信ステップにおいて送信されたデータを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した前記資源物品の重量に応じて、前記利用者に付与する第1のポイントを算出する第1のポイント算出ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した前記データに前記寄付先機関情報が含まれている場合、前記寄付先機関に付与する第2のポイントを、前記資源物品の重量に応じて算出する第2のポイント算出ステップと、
前記利用者識別情報と前記第1のポイントとを関連付けて前記サーバの記憶部に記憶させるとともに、前記第2のポイント算出ステップにおいて前記第2のポイントを算出した場合には、前記寄付先機関情報と前記第2のポイントとを関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御ステップと、を実行
し、
前記資源物品回収端末は、
前記利用者識別情報取得ステップにおいて取得した前記利用者識別情報に基づき、前記利用者が所定の機関の関係者であるか否かを判定する判定ステップ、をさらに実行し、
前記判定ステップにおいて前記利用者が前記関係者であると判定された場合、前記寄付先機関受付ステップにおいて、前記利用者から前記寄付先機関を受け付けず、前記送信ステップにおいて、前記利用者が前記関係者であることを示す情報とともに、前記利用者識別情報および前記資源物品の重量を含むデータを前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記受信ステップにおいて受信した前記データに前記利用者が前記関係者であることを示す情報が含まれている場合、前記所定の機関に付与する第3のポイントを算出する第3のポイント算出ステップ、をさらに実行し、
前記第3のポイント算出ステップにおいて算出される前記第3のポイントは、前記第1のポイントおよび前記第2のポイントよりもポイントの数量が大きいもの、または経済的に価値が高いものであり、
前記記憶制御ステップにおいて、前記利用者識別情報と前記第1のポイントとを関連付けて前記記憶部に記憶させるとともに、前記所定の機関を示す機関情報と前記第3のポイントとを関連付けて前記記憶部に記憶させる、
ポイント付与方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、古紙等の紙類、使用済みの缶・瓶・ペットボトル・電池・衣類・インクカートリッジ、中古家電製品、中古自転車、中古バイク等の資源物品の回収に協力するインセンティブを高めるポイント付与システムおよびポイント付与方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷ができる限り低減された社会、すなわち循環型社会を目指す取り組みの一環として、資源物品を回収し、再利用するリサイクル活動が行われている。そして、リサイクル活動へのインセンティブを高める技術も存在する。
【0003】
例えば、特許文献1には、計量された古紙の重量をポイントに換算し、そのポイントを古紙の提供者に付与する手段を備える古紙回収装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の古紙回収装置では、特定の者には古紙の回収に協力するインセンティブを高めることができても、その効果は個人にとどまるものであって、社会全体で循環型社会を目指す取り組みとしては不十分である、という課題が存在する。
【0006】
なぜなら、上記特許文献1に記載の古紙回収装置によって付与されるポイントは、古紙の提供者にのみ付与されるもので、当該提供者の古紙の回収に協力するインセンティブを高めることにとどまるからである。
【0007】
本発明は上記事情に鑑み、古紙等の紙類、使用済みの缶・瓶・ペットボトル・電池・衣類・インクカートリッジ、中古家電製品、中古自転車、中古バイク等の資源物品の提供者のインセンティブをより高めるとともに、循環型社会の実現に向かう取り組みを促進することができるポイント付与システムおよびポイント付与方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、
資源物品回収端末とサーバとを含むポイント付与システムであって、
前記資源物品回収端末は、
利用者が保有するカードに記録されているカード情報、または前記利用者が入力する利用者情報の少なくともいずれか一方を、前記利用者を識別するための利用者識別情報として取得する利用者識別情報取得手段と、
前記利用者から提供される資源物品の重量を計量する計量手段と、
前記利用者から寄付先機関を受け付ける寄付先機関受付手段と、
前記寄付先機関受付手段が前記寄付先機関を受け付けた場合には当該寄付先機関を示す寄付先機関情報とともに、前記利用者識別情報および前記資源物品の重量を含むデータを前記サーバに送信する送信手段と、を備え、
前記サーバは、
前記資源物品回収端末の前記送信手段によって送信されたデータを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記資源物品の重量に応じて、前記利用者に付与する第1のポイントを算出する第1のポイント算出手段と、
前記受信手段が受信した前記データに前記寄付先機関情報が含まれている場合、前記寄付先機関に付与する第2のポイントを、前記資源物品の重量に応じて算出する第2のポイント算出手段と、
前記利用者識別情報と前記第1のポイントとを関連付けて前記サーバの記憶部に記憶させるとともに、前記第2のポイント算出手段が前記第2のポイントを算出した場合には、前記寄付先機関情報と前記第2のポイントとを関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、を備える、
ポイント付与システムである。
【0009】
また、第1の発明において、
前記資源物品回収端末は、
前記利用者識別情報取得手段が取得した前記利用者識別情報に基づき、前記利用者が所定の機関の関係者であるか否かを判定する判定手段、をさらに備え、
前記判定手段によって前記利用者が前記関係者であると判定された場合、前記寄付先機関受付手段は、前記利用者から前記寄付先機関を受け付けず、前記送信手段は、前記利用者が前記関係者であることを示す情報とともに、前記利用者識別情報および前記資源物品の重量を含むデータを前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記受信手段が受信した前記データに前記利用者が前記関係者であることを示す情報が含まれている場合、前記所定の機関に付与する第3のポイントを算出する第3のポイント算出手段、をさらに備え、
前記第3のポイント算出手段によって算出される前記第3のポイントは、前記第1のポイントおよび前記第2のポイントよりもポイントの数量が大きいもの、または経済的に価値が高いものであり、
前記記憶制御手段は、前記利用者識別情報と前記第1のポイントとを関連付けて前記記憶部に記憶させるとともに、前記所定の機関を示す機関情報と前記第3のポイントとを関連付けて前記記憶部に記憶させてもよい。
【0010】
第2の発明は、
資源物品回収端末とサーバとを含むポイント付与システムであって、
前記資源物品回収端末は、
利用者が保有するカードに記録されているカード情報、または前記利用者が入力する利用者情報の少なくともいずれか一方を、前記利用者を識別するための利用者識別情報として取得する利用者識別情報取得手段と、
前記利用者から提供される資源物品の重量を計量する計量手段と、
前記計量手段が計量した前記資源物品の重量に応じて、前記利用者に付与する第1のポイントを算出する第1のポイント算出手段と、
前記利用者から寄付先機関を受け付ける寄付先機関受付手段と、
前記寄付先機関受付手段が前記寄付先機関を受け付けた場合、当該寄付先機関に付与する第2のポイントを、前記計量手段が計量した前記資源物品の重量に応じて算出する第2のポイント算出手段と、
前記第2のポイント算出手段が前記第2のポイントを算出した場合には当該第2のポイントとともに、前記利用者識別情報および前記第1のポイントを含むデータを前記サーバに送信する送信手段と、を備え、
前記サーバは、
前記資源物品回収端末の前記送信手段によって送信されたデータを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したデータに基づき、前記利用者識別情報と前記第1のポイントとを関連付けて前記サーバの記憶部に記憶させるとともに、前記第2のポイントが付与される場合には、前記寄付先機関を示す寄付先機関情報と前記第2のポイントとを関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御手段と、を備える、
ポイント付与システムである。
【0011】
また、第2の発明において、
前記資源物品回収端末は、
前記利用者識別情報取得手段が取得した前記利用者識別情報に基づき、前記利用者が所定の機関の関係者であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記利用者が前記関係者であると判定された場合、当該利用者から寄付先機関を受け付けることなく、前記所定の機関に付与する第3のポイントを算出する第3のポイント算出手段と、をさらに備え、
前記第3のポイント算出手段によって算出される前記第3のポイントは、前記第1のポイントおよび前記第2のポイントよりもポイントの数量が大きいもの、または経済的に価値が高いものであり、
前記送信手段は、前記第3のポイントとともに、前記利用者識別情報および前記第1のポイントを含むデータを前記サーバに送信し、
前記記憶制御手段は、前記受信手段が受信したデータに基づき、前記利用者識別情報と前記第1のポイントとを関連付けて記憶部に記憶させるとともに、前記所定の機関を示す機関情報と前記第3のポイントとを関連付けて記憶部に記憶させてもよい。
【0012】
第3の発明は、
資源物品回収端末とサーバとを含むポイント付与システムにおいて行われるポイント付与方法であって、
前記資源物品回収端末は、
利用者が保有するカードに記録されているカード情報、または前記利用者が入力する利用者情報の少なくともいずれか一方を、前記利用者を識別するための利用者識別情報として取得する利用者識別情報取得ステップと、
前記利用者から提供される資源物品の重量を計量する計量ステップと、
前記利用者から寄付先機関を受け付ける寄付先機関受付ステップと、
前記寄付先機関受付ステップにおいて前記寄付先機関を受け付けた場合には当該寄付先機関を示す寄付先機関情報とともに、前記利用者識別情報および前記資源物品の重量を含むデータを前記サーバに送信する送信ステップと、を実行し
前記サーバは、
前記資源物品回収端末の前記送信ステップにおいて送信されたデータを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した前記資源物品の重量に応じて、前記利用者に付与する第1のポイントを算出する第1のポイント算出ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した前記データに前記寄付先機関情報が含まれている場合、前記寄付先機関に付与する第2のポイントを、前記資源物品の重量に応じて算出する第2のポイント算出ステップと、
前記利用者識別情報と前記第1のポイントとを関連付けて前記サーバの記憶部に記憶させるとともに、前記第2のポイント算出ステップにおいて前記第2のポイントを算出した場合には、前記寄付先機関情報と前記第2のポイントとを関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御ステップと、を実行する、
ポイント付与方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明のポイント付与システムおよびポイント付与方法によれば、古紙等の紙類、使用済みの缶・瓶・ペットボトル・電池・衣類・インクカートリッジ、中古家電製品、中古自転車、中古バイク等の資源物品の提供者のインセンティブをより高めるとともに、循環型社会の実現に向かう取り組みを促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態のポイント付与システム1の構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態のポイント付与システム1に含まれる資源物品回収端末2およびサーバ3の構成を示すブロック図である。
【
図3】ポイント付与処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態のポイント付与システム1におけるポイント付与の一例を示す図である。
【
図5】応用例におけるポイント付与の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態]
以下、
図1~4を参照しつつ、本実施形態のポイント付与システム1について説明する。
【0016】
<ポイント付与システム1の説明>
本実施形態のポイント付与システム1は、古紙等の紙類、使用済みの缶・瓶・ペットボトル・電池・衣類・インクカートリッジ、中古家電製品、中古自転車、中古バイク等の資源物品が利用者から提供された場合、当該利用者等に資源物品の重量に応じてポイントを付与するシステムである。
【0017】
図1に示すとおり、ポイント付与システム1は、資源物品回収端末2と、サーバ3とを含むものであって、資源物品回収端末2とサーバ3とがネットワーク4を介して接続される。
【0018】
資源物品回収端末2は、利用者が提供する資源物品を計量し、収容するための端末である。資源物品回収端末2は、1つの資源物品回収端末によって構成されてもよいが、多くの者から資源物品を回収するためには、多数の異なる場所に資源物品回収端末2が設置されることが望ましいため、複数の資源物品回収端末2によって構成されることが適している。
【0019】
サーバ3は、後述のとおり、利用者識別情報(カード情報および利用者情報)、第1のポイント、寄付先機関を示す寄付先機関情報および第2のポイント等を記憶する。サーバ3は、1つのサーバ装置によって構成されてもよいし、複数のサーバ装置によって構成されてもよい。
【0020】
<資源物品回収端末2の説明>
資源物品回収端末2は、計量台、収容コンテナ、カード発行口、カードリーダ、入力装置および出力装置を備える筐体である。なお、資源物品回収端末2は、利用者の音声を入力するためのマイクと、利用者に対し操作を促すための音声等を出力するためのスピーカと、利用者の画像を撮像するためのカメラとを備えていてもよい。
【0021】
計量台は、利用者から提供される資源物品を載置し、その重量を計量するための台である。
【0022】
収容コンテナは、利用者から提供される資源物品を収容するためのスペースである。計量台で重量の計量を終えた資源物品は、収容コンテナにて保管される。収容コンテナに収容された資源物品は、資源物品の回収業者によって定期的に回収される。なお、複数種類の資源物品(例えば、紙類および衣服)が1つの資源物品回収端末2にて回収される場合、資源物品の種類に応じた複数の収容コンテナが設けられてもよい。
【0023】
カード発行口は、資源物品回収端末2を初めて利用する利用者に対し、カードを発行するための装置である。新規に発行されるカードは資源物品回収端末2の筐体の内部に保管され、各カードには、固有のカード情報が記録されている。
【0024】
カードリーダは、利用者が保有するカードに記録されているカード情報を読み取るための装置である。利用者が資源物品回収端末2を2回目以降に利用する場合、カードリーダによって、当該利用者が保有するカードに記録されているカード情報が読み取られる。
【0025】
入力装置は、利用者からの各種入力を受け付けるためのものである。例えば、入力装置は、資源物品回収端末2を2回目以降に利用する利用者であって、当該利用者が保有するカードを持参し忘れた場合に、利用者が、ユーザIDおよびパスワード等の利用者情報を入力する際に使用される。
【0026】
利用者情報に含まれるユーザIDは、カードを保有する利用者が、ネットワーク4を介してサーバ3に接続されるスマートフォン等の携帯情報端末またはコンピュータで、所定のウェブサイトから利用者登録を行うことによって、カード情報と関連付けて発行され、サーバ3に記憶される。そして、利用者情報に含まれるパスワードは、前記利用者登録の際に、利用者が定める任意の文字列であり、ユーザIDと関連付けてサーバ3に記憶される。なお、パスワードは、利用者が定める任意の文字列に限られず、サーバ3によって自動的に発行される文字列であってもよい。
【0027】
出力装置は、利用者に対し提示する各種情報を表示するためのものである。例えば、出力装置には、計量台に載置された資源物品の重量、およびサーバ3から受信した各種ポイントの情報等が表示される。
【0028】
図2に示すとおり、資源物品回収端末2は、制御部20、記憶部21、通信部22、計量部23、読取部24、カード発行部25、入力部26および出力部27を備える。そして、記憶部21、通信部22、計量部23、読取部24、カード発行部25、入力部26および出力部27は、バス28を介して制御部20に接続される。
【0029】
制御部20は、資源物品回収端末2の全体の動作を制御する。
【0030】
記憶部21は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)で構成される。記憶部21には、制御部20が実行するプログラムおよび各種データが記憶される。
【0031】
通信部22は、資源物品回収端末2とサーバ3との間でデータを送受信するために、ネットワーク4に接続される。
【0032】
計量部23は、計量台に載置された資源物品の重量を計量する。
【0033】
読取部24は、カードリーダを介して利用者が保有するカード、またはカード発行口から新規に発行されるカードに記録されているカード情報を読み取る。
【0034】
カード発行部25は、カード発行口を介して資源物品回収端末2を初めて利用する利用者に対し、新規にカードを発行する。
【0035】
入力部26は、タッチパッド、キーボード等の入力装置を介して利用者からの各種入力を受け付ける。
【0036】
出力部27は、ディスプレイ等の出力装置に、計量台に載置された資源物品の重量、およびサーバ3から受信した各種ポイントの情報等を出力する。
【0037】
<資源物品回収端末2の制御部20の機能的説明>
資源物品回収端末2の制御部20は、
図2に示すとおり、記憶部21に記憶された本発明のプログラムを実行することで、利用者識別情報取得手段201、計量手段202、寄付先機関受付手段203および送信手段204として機能する。
【0038】
利用者識別情報取得手段201は、利用者が保有するカードに記録されているカード情報、または利用者が入力する利用者情報の少なくともいずれか一方を、利用者を識別するための利用者識別情報として取得する。
【0039】
利用者識別情報取得手段201は、資源物品回収端末2を2回目以降に利用する利用者が保有するカードに記録されているカード情報を、カードリーダを介して取得する。また、利用者識別情報取得手段201は、利用者登録を行っている利用者から、入力装置を介して入力された利用者情報(例えば、ユーザIDおよびパスワード)を取得する。
【0040】
そして、資源物品回収端末2を初めて利用する利用者については、利用者識別情報取得手段201は、カード発行口から新規に発行されるカードに記録されているカード情報を、利用者識別情報として取得する。
【0041】
このように、利用者識別情報取得手段201は、カード情報または利用者情報の少なくともいずれか一方を、利用者を識別するための利用者識別情報として取得する。
【0042】
計量手段202は、利用者から提供される資源物品の重量を計量する。すなわち、計量手段202は、計量台に載置された資源物品の重量を計量する。
【0043】
後述のとおり、利用者に付与する第1のポイントおよび寄付先機関に付与する第2のポイントは、利用者から提供される資源物品の重量に応じて算出される。
【0044】
寄付先機関受付手段203は、利用者から寄付先機関を受け付ける。寄付先機関は、利用者に付与する第1のポイントとは異なる第2のポイントが付与される対象である。
【0045】
寄付先機関受付手段203は、サーバ3の記憶部31に記憶されている寄付先機関を照会し、寄付先機関の一覧を、出力部27を介して出力装置に表示する。寄付先機関としては、学校、地方公共団体、民間企業等が予め登録され、サーバ3の記憶部31に寄付先機関ごとに当該寄付先機関を示す寄付先機関情報が記憶されている。
【0046】
利用者は、出力装置に表示された寄付先機関から、入力装置を介して寄付先機関を選択することができるし、寄付先機関の選択をスキップすることもできる。
【0047】
送信手段204は、寄付先機関受付手段203が寄付先機関を受け付けた場合には寄付先機関を示す寄付先機関情報とともに、利用者識別情報および資源物品の重量を含むデータをサーバ3に送信する。後述する第2のポイントは、寄付先機関受付手段203が寄付先機関を受け付けた場合にのみ算出されるため、寄付先機関受付手段203が寄付先機関を受け付けなかった場合(すなわち、利用者が寄付先機関の選択をスキップした場合)、送信手段204は、利用者識別情報および資源物品の重量を含むデータをサーバ3に送信する。
【0048】
<サーバ3の説明>
図2に示すとおり、サーバ3は、制御部30、記憶部31および通信部32を備える。そして、記憶部31および通信部32は、バス33を介して制御部30に接続される。
【0049】
制御部30は、サーバ3の全体の動作を制御する。
【0050】
記憶部31は、主にHDD、RAMおよびROMで構成される。記憶部31は、サーバ3に内蔵されていてもよいし、記憶部31を備える記憶装置が、サーバ3とは物理的に離れた場所に配置され、ネットワークを介してサーバ3と記憶装置とが接続されてもよい。記憶部31には、制御部30が実行するプログラムおよび各種データが記憶される。ここで、各種データには、利用者識別情報(カード情報および利用者情報)、第1のポイント、寄付先機関を示す寄付先機関情報および第2のポイント等が含まれる。
【0051】
通信部32は、サーバ3と資源物品回収端末2との間でデータを送受信するために、ネットワーク4に接続される。
【0052】
<サーバ3の制御部30の機能的説明>
サーバ3の制御部30は、
図2に示すとおり、記憶部31に記憶された本発明のプログラムを実行することで、受信手段301、第1のポイント算出手段302、第2のポイント算出手段303および記憶制御手段304として機能する。
【0053】
受信手段301は、資源物品回収端末2の送信手段204によって送信されたデータを受信する。
【0054】
すなわち、資源物品回収端末2の送信手段204が寄付先機関情報とともに、利用者識別情報および資源物品の重量を含むデータをサーバ3に送信した場合、受信手段301は、寄付先機関情報と、利用者識別情報と、資源物品の重量とを含むデータを受信する。
【0055】
これに対し、資源物品回収端末2の寄付先機関受付手段203が寄付先機関を受け付けなかった場合(すなわち、利用者が寄付先機関の選択をスキップした場合)、受信手段301は、利用者識別情報と資源物品の重量とを含むデータを受信する。
【0056】
第1のポイント算出手段302は、受信手段301が受信した資源物品の重量に応じて、利用者に付与する第1のポイントを算出する。
【0057】
例えば、資源物品1kgにつき第1のポイントとして1ポイントが算出される場合、第1のポイント算出手段302は、資源物品の重量が3kgのとき、第1のポイントとして3ポイントを算出する。
【0058】
資源物品の重量に1kg未満の端数がある場合、第1のポイント算出手段302は、端数からそのまま第1のポイントを算出してもよいし、端数を四捨五入、切り上げまたは切り捨てして第1のポイントを算出してもよい。例えば、資源物品の重量が3.6kgの場合、第1のポイント算出手段302は、第1のポイントとして3.6ポイント(端数からそのまま第1のポイントを算出する場合)、4ポイント(端数を四捨五入または切り上げして第1のポイントを算出する場合)または3ポイント(端数を切り捨てして第1のポイントを算出する場合)のいずれを算出してもよい。
【0059】
第1のポイントは、キャッシュバックや商品またはサービスの提供等、ポイントの数量に応じて所定の利益を利用者に還元するものである。キャッシュバックには、現金と交換するものだけでなく、特定の店舗において現金と同等の価値を有する仮想通過として還元するもの、および特定の地域において現金と同等の価値を有する地域通貨として還元するものも含まれる。後述する第2のポイントおよび第3のポイントも、第1のポイントと同様、キャッシュバックや商品またはサービスの提供等、ポイントの数量に応じて所定の利益を寄付先機関等のポイントを保有する機関に還元するものである。
【0060】
第2のポイント算出手段303は、受信手段301が受信したデータに寄付先機関情報が含まれている場合、寄付先機関に付与する第2のポイントを、資源物品の重量に応じて算出する。
【0061】
第2のポイントは、資源物品を提供する利用者に付与する第1のポイントとは異なるものであり、利用者から寄付先機関を受け付けた場合に、寄付先機関に付与されるものである。そのため、利用者から寄付先機関を受け付けなかった場合(すなわち、利用者が寄付先機関の選択をスキップした場合)、第2のポイントは寄付先機関に付与されない。
【0062】
そのため、第2のポイント算出手段303は、受信手段301が受信したデータに寄付先機関情報が含まれている場合、第2のポイントを算出する。
【0063】
第2のポイント算出手段303は、資源物品の重量に応じて第2のポイントを算出する。第2のポイント算出手段303が第2のポイントを算出する方法は、第1のポイント算出手段302が第1のポイントを算出する方法と同じであってもよいし、異なる方法であってもよい。
【0064】
第1のポイントを算出する方法と第2のポイントを算出する方法とが異なる方法である場合、例えば、資源物品1kgにつき第1のポイントとして1ポイントが算出されるのに対し、資源物品1kgにつき第2のポイントとして2ポイントが算出されてもよい。
【0065】
記憶制御手段304は、利用者識別情報と第1のポイントとを関連付けてサーバ3の記憶部31に記憶させるとともに、第2のポイント算出手段303が第2のポイントを算出した場合には、寄付先機関情報と第2のポイントとを関連付けて記憶部31に記憶させる。
【0066】
記憶制御手段304が、利用者識別情報と第1のポイントとを関連付けて記憶部31に記憶させることによって、利用者に付与される第1のポイントが加算される。例えば、利用者Aを示す利用者識別情報と関連付けて第1のポイントとして7ポイントが既に記憶されており、利用者Aに第1のポイントとして新たに3ポイントが付与される場合、記憶制御手段304は、利用者Aを示す利用者識別情報と関連付けて第1のポイントとして10ポイントを記憶部31に記憶させる。
【0067】
また、記憶制御手段304は、第2のポイント算出手段303が第2のポイントを算出した場合には、寄付先機関を示す寄付先機関情報と第2のポイントとを関連付けて記憶部31に記憶させる。例えば、寄付先機関Xを示す寄付先機関情報と関連付けて第2のポイントとして5ポイントが既に記憶されており、寄付先機関Xに第2のポイントとして新たに3ポイントが付与される場合、記憶制御手段304は、寄付先機関Xを示す寄付先機関情報と関連付けて第2のポイントとして8ポイントを記憶部31に記憶させる。
【0068】
<ポイント付与処理の説明>
次に、
図3を参照して、本発明のポイント付与処理について説明する。
【0069】
まず、利用者識別情報取得手段201は、利用者が保有するカードに記録されているカード情報、または利用者が入力する利用者情報の少なくともいずれか一方を、利用者を識別するための利用者識別情報として取得する(ステップS1)。資源物品回収端末2を初めて利用する利用者については、利用者識別情報取得手段201は、カード発行口から新規に発行されるカードに記録されているカード情報を、利用者識別情報として取得する。
【0070】
次に、計量手段202は、利用者から提供される資源物品の重量を計量する(ステップS2)。
【0071】
次に、寄付先機関受付手段203は、利用者から寄付先機関を受け付ける(ステップS3)。
【0072】
次に、送信手段204は、寄付先機関受付手段203が寄付先機関を受け付けた場合には寄付先機関を示す寄付先機関情報とともに、利用者識別情報および資源物品の重量を含むデータをサーバ3に送信する(ステップS4)。
【0073】
次に、受信手段301は、送信手段204によって送信されたデータを受信する(ステップS5)。当該データには、寄付先機関受付手段203が寄付先機関を受け付けた場合、寄付先機関情報が含まれる。
【0074】
次に、第1のポイント算出手段302は、受信手段301が受信した資源物品の重量に応じて、利用者に付与する第1のポイントを算出する(ステップS6)。
【0075】
次に、受信手段301が受信したデータに寄付先機関情報が含まれている場合(ステップS7:YES)、第2のポイント算出手段303は、寄付先機関に付与する第2のポイントを、資源物品の重量に応じて算出する(ステップS8)。
【0076】
そして、記憶制御手段304は、利用者識別情報と第1のポイントとを関連付けてサーバ3の記憶部31に記憶させるとともに、寄付先機関情報と第2のポイントとを関連付けて記憶部31に記憶させて(ステップS9)、本処理が終了する。
【0077】
他方、受信手段301が受信したデータに寄付先機関情報が含まれていない場合(S7:NO)、言い換えれば、利用者が寄付先機関の選択をスキップした場合、第2のポイント算出手段303は、寄付先機関に付与する第2のポイントを算出せず、記憶制御手段304は、利用者識別情報と第1のポイントとを関連付けてサーバ3の記憶部31に記憶させて(S9)、本処理が終了する。
【0078】
なお、前述の制御手段および処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらに限定されない。制御手段および処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0079】
本実施形態のポイント付与システム1の概略は、
図4に示すとおり、利用者が資源物品回収端末2に資源物品を提供し、寄付先機関を選択すると、利用者には第1のポイントが付与され、寄付先機関には第2のポイントが付与される、というものである。
【0080】
以上をまとめると、本実施形態のポイント付与システム1は、
資源物品回収端末2とサーバ3とを含むポイント付与システム1であって、
資源物品回収端末2は、
利用者が保有するカードに記録されているカード情報、または利用者が入力する利用者情報の少なくともいずれか一方を、利用者を識別するための利用者識別情報として取得する利用者識別情報取得手段201と、
利用者から提供される資源物品の重量を計量する計量手段202と、
利用者から寄付先機関を受け付ける寄付先機関受付手段203と、
寄付先機関受付手段203が寄付先機関を受け付けた場合には寄付先機関を示す寄付先機関情報とともに、利用者識別情報および資源物品の重量を含むデータをサーバ3に送信する送信手段204と、を備え、
サーバ3は、
資源物品回収端末2の送信手段204によって送信されたデータを受信する受信手段301と、
受信手段301が受信した資源物品の重量に応じて、利用者に付与する第1のポイントを算出する第1のポイント算出手段302と、
受信手段301が受信したデータに寄付先機関情報が含まれている場合、寄付先機関に付与する第2のポイントを、資源物品の重量に応じて算出する第2のポイント算出手段303と、
利用者識別情報と第1のポイントとを関連付けてサーバ3の記憶部31に記憶させるとともに、第2のポイント算出手段303が第2のポイントを算出した場合には、寄付先機関情報と第2のポイントとを関連付けて記憶部31に記憶させる記憶制御手段304と、を備える。
【0081】
本実施形態のポイント付与システムによれば、古紙等の紙類、使用済みの缶・瓶・ペットボトル・電池・衣類・インクカートリッジ、中古家電製品、中古自転車、中古バイク等の資源物品の提供者のインセンティブをより高めるとともに、循環型社会の実現に向かう取り組みを促進することができる。
【0082】
[他の実施形態]
上記実施形態においては、第1のポイント算出手段が資源物品の重量に応じて第1のポイントを算出し、第2のポイント算出手段が資源物品の重量に応じて第2のポイントを算出する例を示したが、本発明はこれに限られない。
【0083】
例えば、第2のポイント算出手段が算出する第2のポイントは、第1のポイント算出手段が算出する第1のポイントを参照してもよい。
【0084】
この場合、第2のポイントは、第1のポイントと同等の価値としてもよい。なお、第1のポイントと第2のポイントとが同等の価値であるとは、第1のポイントの数量と第2のポイントの数量が等しい場合に限られない。例えば、第2のポイントの価値が第1のポイントの価値の2倍に相当する場合、第1のポイント算出手段が算出する第1のポイントが10ポイントであって、第2のポイント算出手段が算出する第2のポイントが5ポイントであるときも、第1のポイントと第2のポイントとが同等の価値である場合に該当する。
【0085】
また、第2のポイントは、第1のポイントと比べて価値が高い、または価値が低いものであってもよい。
【0086】
また、上記実施形態においては、計量手段が資源物品の重量を計量し、その重量に応じて、第1のポイント算出手段が第1のポイントを算出し、第2のポイント算出手段が第2のポイントを算出する例を示したが、本発明はこれに限られない。
【0087】
例えば、計量手段に代えて、資源物品回収端末の制御部が計数手段として機能し、計数手段は、利用者から提供される資源物品の数量を計数し、第1のポイント算出手段は、資源物品の数量に応じて第1のポイントを算出し、第2のポイント算出手段は、資源物品の数量に応じて第2のポイントを算出してもよい。
【0088】
さらに、資源物品回収端末の制御部が計量手段とともに計数手段としても機能してもよい。この場合、資源物品の種類に応じて、資源物品の重量を計量するか、資源物品の数量を計数するかが予め設定されてもよい。
【0089】
また、上記実施形態においては、寄付先機関受付手段が利用者から寄付先機関を受け付ける例を示したが、本発明はこれに限られない。
【0090】
例えば、利用者登録の際に、利用者が寄付先機関を選択することができるようにし、カード情報および利用者情報に関連付けて、利用者が選択した寄付先機関を示す寄付先機関情報がサーバの記憶部に記憶されるようにしてもよい。
【0091】
この場合、寄付先機関受付手段は、利用者識別情報取得手段が取得した利用者識別情報(カード情報または利用者情報)と、サーバの記憶部に記憶されている当該利用者識別情報(カード情報または利用者情報)に関連付けられている情報とを照合し、サーバの記憶部に利用者が選択した寄付先機関を示す寄付先機関情報が記憶されている場合、利用者から寄付先機関を受け付けたものと判断する。このとき、利用者から資源物品が提供されると、当該利用者には第1のポイントが付与され、当該利用者が利用者登録の際に選択した寄付先機関には第2のポイントが付与される。
【0092】
<応用例>
また、上記実施形態において、資源物品回収端末の制御部は、判定手段として機能し、サーバの制御部は、第3のポイント算出手段として機能してもよい。
【0093】
この場合、判定手段は、利用者識別情報取得手段が取得した利用者識別情報に基づき、利用者が所定の機関の関係者であるか否かを判定する。
【0094】
例えば、利用者が保有するカードに記録されているカード情報に関連付けて、所定の機関の関係者であることを示す情報が記録されている場合、判定手段は、利用者が所定の機関の関係者であると判定する。他方、利用者が保有するカードに記録されているカード情報に関連付けて、所定の機関の関係者であることを示す情報が記録されていない場合、判定手段は、利用者が所定の機関の関係者でないと判定する。
【0095】
所定の機関は、本発明のポイント付与システムを運営する運営者と所定の契約を締結している機関であって、例えば、学校、地方公共団体、民間企業等である。
【0096】
所定の機関の関係者には、例えば、所定の機関が学校Yである場合、学校Yに通学する生徒およびその家族、学校Yに勤務する者等が該当する。
【0097】
また、利用者が利用者登録を行う際に、所定の機関の関係者であることを登録することによって、当該利用者の利用者情報に関連付けて、所定の機関の関係者であることを示す情報がサーバの記憶部に記憶されてもよい。
【0098】
この場合、利用者識別情報取得手段が取得した利用者識別情報(利用者情報)と、サーバの記憶部に記憶されている当該利用者識別情報(利用者情報)に関連付けられている情報とを照合することによって、判定手段は、利用者が所定の機関の関係者であるか否かを判定する。
【0099】
判定手段によって利用者が所定の機関の関係者であると判定された場合、寄付先機関受付手段は、利用者から寄付先機関を受け付けず、送信手段は、利用者が所定の機関の関係者であることを示す情報とともに、利用者識別情報および資源物品の重量を含むデータをサーバに送信する。
【0100】
第3のポイント算出手段は、サーバの受信手段が受信したデータに利用者が所定の機関の関係者であることを示す情報が含まれている場合、所定の機関に付与する第3のポイントを算出する。
【0101】
第3のポイントが算出される場合、寄付先機関受付手段は利用者から寄付先機関を受け付けていないため、第2のポイントは算出されない。すなわち、第3のポイント算出手段が第3のポイントを算出する場合、寄付先機関に第2のポイントが付与されることなく、所定の機関に第3のポイントが付与される。
【0102】
言い換えれば、利用者が所定の機関の関係者である場合、寄付先機関を利用者に選択させることなく、第3のポイント算出手段は、当該所定の機関に付与する第3のポイントを算出し、当該所定の機関に第3のポイントが付与される。
【0103】
これにより、利用者は寄付先機関を選択する手間を省略することができるとともに、所定の機関は付与された第3のポイントで商品またはサービスの提供を受けることによって、利用者に対し何らかのメリットを還元することができる。例えば、所定の機関が第3のポイントによって文房具を新たに取得した場合、文房具を購入するためのコストを所定の機関、ひいては利用者が負担せずとも済む。
【0104】
そして、第3のポイントは、第1のポイントおよび第2のポイントよりもポイントの数量が大きいもの、または経済的に価値が高いものとするとよい。例えば、第3のポイント算出手段は、第1のポイント算出手段が算出した第1のポイントを参照し、第1のポイントの6倍の数量を第3のポイントとして算出する。
【0105】
これにより、所定の機関は、より大きな利益を得ることができる。また、所定の機関が、その関係者に対し資源物品の回収に協力するよう意欲的に呼びかけるようになる効果も期待でき、循環型社会の実現に向かう取り組みを加速させることができる。
【0106】
このように、第3のポイント算出手段が第3のポイントを算出する場合、サーバの記憶制御手段は、利用者識別情報と第1のポイントとを関連付けて記憶部に記憶させるとともに、所定の機関を示す機関情報と第3のポイントとを関連付けて記憶部に記憶させる。
【0107】
応用例の概略は、
図5に示すとおり、所定の機関(学校Y)の関係者である利用者が資源物品回収端末2に資源物品を提供すると、利用者には第1のポイントが付与され、所定の機関(学校Y)には第3のポイントが付与される、というものである。そして、所定の機関に付与される第3のポイントは、第1のポイントよりもポイントの数量が大きいもの、または経済的に価値が高いものである。
【0108】
以上のことをまとめると、上記本実施形態のポイント付与システムにおいて、
資源物品回収端末は、
利用者識別情報取得手段が取得した利用者識別情報に基づき、利用者が所定の機関の関係者であるか否かを判定する判定手段、をさらに備え、
判定手段によって利用者が所定の機関の関係者であると判定された場合、寄付先機関受付手段は、利用者から寄付先機関を受け付けず、送信手段は、利用者が所定の機関の関係者であることを示す情報とともに、利用者識別情報および資源物品の重量を含むデータをサーバに送信し、
サーバは、
受信手段が受信したデータに利用者が所定の機関の関係者であることを示す情報が含まれている場合、所定の機関に付与する第3のポイントを算出する第3のポイント算出手段、をさらに備え、
第3のポイント算出手段によって算出される第3のポイントは、第1のポイントおよび第2のポイントよりもポイントの数量が大きいもの、または経済的に価値が高いものであり、
記憶制御手段は、利用者識別情報と第1のポイントとを関連付けて記憶部に記憶させるとともに、所定の機関を示す機関情報と第3のポイントとを関連付けて記憶部に記憶させてもよい。
【0109】
また、上記実施形態および上記応用例においては、サーバの制御部が、第1のポイント算出手段、第2のポイント算出手段および第3のポイント算出手段として機能する例を示したが、本発明はこれに限られない。
【0110】
例えば、資源物品回収端末の制御部が、第1のポイント算出手段、第2のポイント算出手段および第3のポイント算出手段として機能してもよい。
【0111】
この場合、ポイント付与システムは、
資源物品回収端末とサーバとを含むポイント付与システムであって、
資源物品回収端末は、
利用者が保有するカードに記録されているカード情報、または利用者が入力する利用者情報の少なくともいずれか一方を、利用者を識別するための利用者識別情報として取得する利用者識別情報取得手段と、
利用者から提供される資源物品の重量を計量する計量手段と、
計量手段が計量した資源物品の重量に応じて、利用者に付与する第1のポイントを算出する第1のポイント算出手段と、
利用者から寄付先機関を受け付ける寄付先機関受付手段と、
寄付先機関受付手段が寄付先機関を受け付けた場合、寄付先機関に付与する第2のポイントを、計量手段が計量した資源物品の重量に応じて算出する第2のポイント算出手段と、
第2のポイント算出手段が第2のポイントを算出した場合には第2のポイントとともに、利用者識別情報および第1のポイントを含むデータをサーバに送信する送信手段と、を備え、
サーバは、
資源物品回収端末の送信手段によって送信されたデータを受信する受信手段と、
受信手段が受信したデータに基づき、利用者識別情報と第1のポイントとを関連付けてサーバの記憶部に記憶させるとともに、第2のポイントが付与される場合には、寄付先機関を示す寄付先機関情報と第2のポイントとを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御手段と、を備える。
【0112】
そして、上記のポイント付与システムにおいて、
資源物品回収端末は、
利用者識別情報取得手段が取得した利用者識別情報に基づき、利用者が所定の機関の関係者であるか否かを判定する判定手段と、
判定手段によって利用者が関係者であると判定された場合、利用者から寄付先機関を受け付けることなく、所定の機関に付与する第3のポイントを算出する第3のポイント算出手段と、をさらに備え、
第3のポイント算出手段によって算出される第3のポイントは、第1のポイントおよび第2のポイントよりもポイントの数量が大きいもの、または経済的に価値が高いものであり、
送信手段は、第3のポイントとともに、利用者識別情報および第1のポイントを含むデータをサーバに送信し、
記憶制御手段は、受信手段が受信したデータに基づき、利用者識別情報と第1のポイントとを関連付けて記憶部に記憶させるとともに、所定の機関を示す機関情報と第3のポイントとを関連付けて記憶部に記憶させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明のポイント付与システムおよびポイント付与方法は、古紙等の紙類、使用済みの缶・瓶・ペットボトル・電池・衣類・インクカートリッジ、中古家電製品、中古自転車、中古バイク等の資源物品の提供者のインセンティブをより高めるとともに、循環型社会の実現に向かう取り組みを促進することに適している。
【符号の説明】
【0114】
1 ポイント付与システム
2 資源物品回収端末
3 サーバ
4 ネットワーク
20 制御部
21 記憶部
22 通信部
23 計量部
24 読取部
25 カード発行部
26 入力部
27 出力部
30 制御部
31 記憶部
32 通信部
201 利用者識別情報取得手段
202 計量手段
203 寄付先機関受付手段
204 送信手段
301 受信手段
302 第1のポイント算出手段
303 第2のポイント算出手段
304 記憶制御手段
【要約】
【課題】資源物品の提供者のインセンティブをより高めるとともに、循環型社会の実現に向かう取り組みを促進することができるポイント付与システムを提供する。
【解決手段】本発明のポイント付与システムは、資源物品回収端末とサーバとを含み、資源物品回収端末は、利用者を識別するための利用者識別情報を取得する利用者識別情報取得手段と、資源物品の重量を計量する計量手段と、利用者から寄付先機関を受け付ける寄付先機関受付手段と、サーバにデータを送信する送信手段と、を備え、サーバは、送信手段によって送信されたデータを受信する受信手段と、資源物品の重量に応じて第1のポイントを算出する第1のポイント算出手段と、利用者から寄付先機関を受け付けた場合に資源物品の重量に応じて第2のポイントを算出する第2のポイント算出手段と、各種情報をサーバの記憶部に記憶させる記憶制御手段と、を備える。
【選択図】
図2