(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20240607BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240607BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240607BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V19/00 510
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2018147708
(22)【出願日】2018-08-06
【審査請求日】2021-07-20
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 哲志
【合議体】
【審判長】中村 則夫
【審判官】高橋 学
【審判官】澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-212994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04, F21V 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に開口を有する凹状の器具本体と、
前記器具本体の内部に収容される光源ユニットと、
前記器具本体に前記光源ユニットをスライドさせて着脱自在に取り付けるための光源ユニット取付手段と、を備え、
前記光源ユニット取付手段は、
前記器具本体に収容された前記光源ユニットの鉛直方向の動きを嵌合させて規制する第1規制手段と、
前記器具本体に収容された前記光源ユニットの水平方向の動きを規制する第2規制手段と、で間隔をあけて配置された構造が異なる2つの規制手段を有
しており、
前記第2規制手段は、
前記光源ユニットに設けられた第1固定部と、
前記器具本体に設けられた第2固定部と、
前記第1固定部と前記第2固定部とを固定させる締結部材と、を有し、
前記器具本体に前記光源ユニットが収容され、前記第1規制手段で前記光源ユニットの鉛直方向の動きが規制された状態で、前記第1固定部と前記第2固定部とが前記締結部材で締結される構成である、照明器具。
【請求項2】
前記第1規制手段は、
前記器具本体の内部に設けられた爪部と、
前記光源ユニットに設けられ、前記爪部を引っ掛けて嵌合する爪受部と、を有し、
前記器具本体の内部に挿入された前記光源ユニットをスライドさせることで、前記爪受部と前記爪部とが嵌合される構成である、請求項1に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器具本体と該器具本体に収容される光源ユニットを備えた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばT字状の棒状部材を格子状に組み立てて形成されたシステム天井の被取付部材に取り付けられる照明器具が知られている。特許文献1に開示された照明器具では、一面に開口を有する凹状の器具本体と、器具本体の内側に収容される光源ユニットと、光源ユニットを器具本体に取り付けるための取付ユニットと、を有している。取付ユニット及び器具本体には、ネジ等の締結部材を挿入するための挿入孔が共通の位置に複数形成されている。この照明器具は、組み合わせた光源ユニットと取付ユニットを、器具本体の光源収容部に挿入し、取付ユニットと器具本体とをネジ止め等して組み立てられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の照明器具は、予め組み合わせた光源ユニットと取付ユニットを、器具本体の光源収容部に挿入した後、光源ユニット及び取付ユニットを手で支えた状態で、取付ユニットに形成された複数の挿入孔と、器具本体に形成された複数の挿入孔の位置を合わせ、各挿入孔に締結部材を挿入して締結しなければならない。また、光源ユニット及び取付ユニットを器具本体から取り外すには、光源ユニット及び取付ユニットを手で支えた状態で、各挿入孔に挿入した締結部材を取り外さなければならない。つまり、特許文献1の照明器具は、光源ユニット及び取付ユニットを手で支えた状態で、複数のネジ止め等を行わなければならないので、器具本体に光源ユニットを着脱させる作業が煩雑となり、手間がかかって作業負担が大きい。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、器具本体に光源ユニットを着脱させる作業が容易であり、作業者の作業負担を軽減させることができる、照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、一面に開口を有する凹状の器具本体と、前記器具本体の内部に収容される光源ユニットと、前記器具本体に前記光源ユニットをスライドさせて着脱自在に取り付けるための光源ユニット取付手段と、を備え、前記光源ユニット取付手段は、前記器具本体に収容された前記光源ユニットの鉛直方向の動きを嵌合させて規制する第1規制手段と、前記器具本体に収容された前記光源ユニットの水平方向の動きを規制する第2規制手段と、で間隔をあけて配置された構造が異なる2つの規制手段を有しており、前記第2規制手段は、前記光源ユニットに設けられた第1固定部と、前記器具本体に設けられた第2固定部と、前記第1固定部と前記第2固定部とを固定させる締結部材と、を有し、前記器具本体に前記光源ユニットが収容され、前記第1規制手段で前記光源ユニットの鉛直方向の動きが規制された状態で、前記第1固定部と前記第2固定部とが前記締結部材で締結される構成である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の照明器具によれば、第1規制手段によって光源ユニットの鉛直方向の動きを嵌合させて規制するので、ネジ等の締結部材の使用を減らすことができる。また、第1規制手段によって光源ユニットの鉛直方向の動きが規制されるので、作業者は光源ユニットを手で支えることなく、例えば締結部材の取り付け作業又は取り外し作業等を行うことができる。よって、器具本体に光源ユニットを着脱させる作業が容易となり、作業者の作業負担を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る照明器具を示した斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る照明器具であって、前面パネルを取り外した状態を示した斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る照明器具を示した分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る照明器具の光源ユニットを天井面側から示した斜視図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る照明器具の光源ユニットを開口面側から示した分解斜視図である。
【
図6】本発明の実施の形態1に係る照明器具の光源ユニット取付手段を示した要部の拡大図である。
【
図8】本発明の実施の形態1に係る照明器具であって、光源ユニットを光源ユニット収容部に挿入する手前の段階を示した説明図である。
【
図9】本発明の実施の形態1に係る照明器具であって、光源ユニットを光源ユニット収容部に挿入した段階を示した説明図である。
【
図10】
図9に示した状態における光源ユニット取付手段を示した部分拡大図である。
【
図11】本発明の実施の形態1に係る照明器具であって、光源ユニットを光源ユニット収容部に収容させた段階を示した説明図である。
【
図12】
図11に示した状態における光源ユニット取付手段を示した部分拡大図である。
【
図13】本発明の実施の形態2に係る照明器具の光源ユニットを示した斜視図である。
【
図14】本発明の実施の形態2に係る照明器具の光源ユニット取付手段を示した要部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明器具を示した斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る照明器具であって、前面パネルを取り外した状態を示した斜視図である。
図3は、本発明の実施の形態1に係る照明器具を示した分解斜視図である。照明器具100は、例えばT字状の棒状部材を格子状に組み立てて形成されたシステム天井の被取付部材に取り付けられ、又は天井に埋め込まれ若しくは天井に直付け等されるものである。照明器具100は、
図1~
図3に示すように、一面に開口を有する凹状の器具本体1と、器具本体1の内部に収容される光源ユニット2と、器具本体1に光源ユニット2をスライドさせて着脱自在に取り付けるための光源ユニット取付手段3と、を備えている。
【0011】
器具本体1は、長方形状の天面部10と、天面部10の長手方向の縁辺に設けられた対向する1対の第1側面部11と、天面部10の短手方向の縁辺に設けられた対向する1対の第2側面部12と、で構成されている。器具本体1の内部は、第2側面部12に並行させて設けられた2つの仕切り部材13によって、略長方形状の3つの区画に仕切られている。3つの区画のうち、両端の区画が光源ユニット2を収容する光源ユニット収容部14a及び14bであり、光源ユニット収容部14a及び14bに挟まれた中間の区画が部品収容部14cである。
【0012】
図3に示すように、光源ユニット収容部14a及び14bにおける器具本体1の天面部10には、器具本体1の短手方向に沿った長方形状の通気用開口部10aが形成されている。通気用開口部10aは、被照射側である室内側と被取付側である天井側との間で空気を移動させるために形成されている。また、一方の光源ユニット収容部14bには、光源ユニット2を点灯制御する電源装置15が設けられている。電源装置15は、例えば器具本体1に天面部10に固定された電源収容部15aに収容されて、光源ユニット収容部14bに設けられている。なお、電源装置15は、部品収容部14cに設けてもよい。
【0013】
図2に示すように、部品収容部14cには、端子台16が収容されている。端子台16は、商用電源から電力供給を受けるけるための電線が挿し込まれるものである。端子台16は、仕切り部材13に形成された電線用の開口部を通じて配線した電線によって、光源ユニット2及び電源装置15に接続されている。部品収容部14cは、端子台16及びその他の部品が収容された状態で、
図1に示すように、開口面が前面パネル17で塞がれている。なお、その他の部品とは、例えばシステム天井等に取り付けるための取付部材又は電源装置15等である。
【0014】
図4は、本発明の実施の形態1に係る照明器具の光源ユニットを天井面側から示した斜視図である。
図5は、本発明の実施の形態1に係る照明器具の光源ユニットを開口面側から示した分解斜視図である。光源ユニット2は、
図4及び
図5に示すように、一面に下向きの開口を有する凹状の光源本体部20と、光源本体部20の内部に収容された発光部21と、光源本体部20の開口面を塞ぐカバー22と、
図3に示した光源ユニット取付手段3の一部を構成するための脚部23と、を備えている。
【0015】
光源本体部20は、光源ユニット収容部14a及び14bの形状と同じく、直方体形状で構成されている。光源本体部20は、器具本体1の天面部10に対向する平面部20aを有し、長手方向の一方の側面が平面部20aに対して略垂直に形成された垂直面部20bとされ、長手方向の他方の側面が傾斜面部20cとされている。傾斜面部20cは、光源本体部20の内部が開口端に向かって拡がるように傾斜させている。垂直面部20bの内側面には、発光部21が配設されている。平面部20a及び傾斜面部20cは、発光部21から発光された光をカバー22に向かって反射する反射面として機能する。光源本体部20は、短手方向において対向する側面が、平面部20aに対して略垂直に設けられた端板部20dで構成されている。光源本体部20の短手方向の長さは、光源ユニット収容部14a及び14bの短手方向の長さよりも短い。そのため、光源ユニット2は、光源ユニット収容部14a及び14bに挿入した後、光源ユニット収容部14a及び14bの短手方向にスライドさせて目標に位置に移動させることができる。
【0016】
発光部21は、光源本体部20の内側面に沿った形状の基板21aと、基板21aの表面に実装された複数の発光素子21bと、を有している。発光素子21bは、例えばLED等であり、基板21aの長手方向に直線状に複数配置されている。なお、発光部21は、例えば保持部材21c等を介して垂直面部20bに取り付けられる。
【0017】
カバー22は、アクリル等の樹脂又は磨りガラス等であり、光透過性及び光拡散性を有する平板状の部材である。カバー22は、発光部21から発光された光が入射されて室内側に出射するものである。なお、カバー22に入射する光には、発光部21から発光されて傾斜面部20c及び平面部20aで反射された光も含まれる。光源ユニット2は、カバー22が拡散性を有することで光を均一させることができ、光ムラを抑制することができる。なお、カバー22は、図示した平板状に限定されず、例えば湾曲面を有していてもよい。また、カバー22は、表面に凹凸が形成された構成でもよい。更に、カバー22は、透明でもよいし、乳白色でもよい。
【0018】
なお、光源ユニット2は、光源本体部20の厚さを薄くして平たくしても、垂直面部20bに設けられた長尺の発光部21から発光された光を、平面部20a及び傾斜面部20cで反射させ、カバー22で拡散して光ムラなく室内に照射させることができる。
【0019】
脚部23は、光源本体部20の長手方向の両端部にそれぞれ設けられている。脚部23は、端板部20dの上縁部から光源本体部20の平面部20aに対向させて延伸させた脚平面部23aと、脚平面部23aの端縁から上方に立ち上がる脚垂直面部23bと、を有している。脚垂直面部23bには、光源ユニット取付手段3の構成要素として爪受部41が設けられている。また、脚平面部23aには、光源ユニット取付手段3の構成要素として嵌合部51が設けられている。なお、脚部23は、光源本体部20と一体に形成してもよいし、別体でもよい。
【0020】
図6は、本発明の実施の形態1に係る照明器具の光源ユニット取付手段を示した要部の拡大図である。
図7は、
図3に示したA部拡大図である。
図6に示すように、光源ユニット取付手段3は、器具本体1に収容された光源ユニット2の鉛直方向の動きを嵌合させて規制する第1規制手段4と、器具本体1に収容された光源ユニット2の水平方向の動きを嵌合させて規制する第2規制手段5と、有している。第1規制手段4及び第2規制手段5は、各光源ユニット収容部14a及び14bに光源ユニット2を収容した状態において、光源ユニット収容部14a及び14bの長手方向の両端にそれぞれ設けられている。
【0021】
第1規制手段4は、
図6及び
図7に示すように、器具本体1の天面部10に設けられた爪部40と、光源ユニット2に設けられ、爪部40を引っ掛けて嵌合する爪受部41と、で構成されている。第1規制手段4は、器具本体1の目標の位置に光源ユニット2が収容された状態で、爪部40と爪受部41とが嵌合される構成である。
【0022】
爪部40は、
図6及び
図7に示すように、第1側面部11に沿って間隔をあけて設けられた第1爪部40aと第2爪部40bとで構成されている。第1爪部40a及び第2爪部40bは、器具本体1の天面部10を内方に切り起こして形成されている。なお、第1爪部40a及び第2爪部40bは、器具本体1とは別部材として成形し、器具本体1の天面部10にネジ等の締結部材で取り付けてもよい。また、爪部40は、図示した2つに限定されず、1つ以上あればよい。
【0023】
爪受部41は、第1爪部40aに嵌合する第1爪受部41aと、第2爪部40bに嵌合する第2爪受部41bと、で構成されている。第1爪受部41aは、U字状の切り欠き部42aを有しており、切り欠き部42aが第1爪部40aに引っ掛けられて嵌合される。第2爪受部41bは、U字状の切り欠き部42bを有しており、切り欠き部42bが第2爪部40bに引っ掛けられて嵌合される。なお、爪受部41の個数は、爪部40の個数に合わせて設けられる。
【0024】
第2規制手段5は、
図6に示すように、器具本体1の内部に設けられた弾性部材50と、光源ユニット2に設けられ、弾性部材50が嵌め込まれる嵌合部51と、で構成されている。第2規制手段5は、器具本体1の目標の位置に光源ユニット2が収容された状態で、弾性部材50と嵌合部51とが嵌合される構成である。
【0025】
弾性部材50は、
図6及び
図7に示すように、第2爪部40bと第2側面部12との間に設けられている。弾性部材50は、弾性を有する板材を略L字状に屈曲させて成形した構成である。弾性部材50は、一端が器具本体1の天面部10にネジ等の締結部材50aで締結されて固定され、他端が器具本体1の開口に向かって立ち上がる構成とされている。なお、弾性部材50は、図示した形態に限定されず、他の形態でもよい。また、弾性部材50は、図示した1つに限定されず、2つ以上設けてもよい。
【0026】
嵌合部51は、
図6に示すように、脚部23の脚平面部23aに形成された孔である。嵌合部51の大きさ及び形状は、弾性部材50の大きさ及び形状に合わせて形成されている。嵌合部51は、
図4に示すように、脚平面部23aのうち傾斜面部20cと対向する位置に形成することが望ましい。これは、嵌合部51と嵌合した弾性部材50の先端が、傾斜面部20cによって形成された空間に収まるので、弾性部材50と光源本体部20とが接触する事態を防止できるからである。なお、嵌合部51は、
図6に示した孔に限定されず、例えば上方に向かって凹ませた形状でもよい。
【0027】
次に、
図1~
図7を参照しつつ、
図8~
図12に基づいて、器具本体1へ光源ユニット2を取り付ける手順について説明する。なお、
図8~
図12では、光源ユニット2を光源ユニット収容部14aに収容する場合を説明するが、光源ユニット2を光源ユニット収容部14bに収容する場合も同様である。
【0028】
図8は、本発明の実施の形態1に係る照明器具であって、光源ユニットを光源ユニット収容部に挿入する手前の段階を示した説明図である。先ず、
図8に示すように、光源ユニット2を光源ユニット収容部14aに挿入させる位置に配置する。光源ユニット2は、光源ユニット収容部14aに収容される位置よりも少しずらして第2側面部12に寄った位置に配置すると共に、
図6に示すように、脚部23の脚平面部23aが弾性部材50の先端に当接する位置に配置する。
【0029】
図9は、本発明の実施の形態1に係る照明器具であって、光源ユニットを光源ユニット収容部に挿入した段階を示した説明図である。
図10は、
図9に示した状態における光源ユニット取付手段を示した部分拡大図である。
図9に示すように、光源ユニット2は、光源ユニット収容部14aに収容される位置よりも少しずらして、第2側面部12に寄った位置に挿入される。そのため、光源ユニット2と仕切り部材13との間には、光源ユニット2を仕切り部材13に向かってスライドさせるための空間Sが設けられる。また、
図10に示すように、脚部23の脚平面部23aは、弾性部材50の先端に当接し、弾性部材50によって器具本体1の開口面側に押圧されている。
【0030】
図11は、本発明の実施の形態1に係る照明器具であって、光源ユニットを光源ユニット収容部に収容させた段階を示した説明図である。
図12は、
図11に示した状態における光源ユニット取付手段を示した部分拡大図である。
図11に示すように、光源ユニット2を、
図9及び
図10に示した状態から仕切り部材13に向かってスライドさせる。すると、
図12に示すように、第1爪部40aと第1爪受部41aとが嵌合すると共に、第2爪部40bと第2爪受部41bとが嵌合する。また、弾性部材50の先端部が嵌合部51に嵌め込まれ、弾性部材50による押圧状態が解除される。光源ユニット2は、第1爪部40aと第1爪受部41aが嵌合し、第2爪部40bと第2爪受部41bとが嵌合することによって、鉛直方向の動きが規制される。また、光源ユニット2は、弾性部材50の先端部が嵌合部51に嵌め込まれ、弾性部材50の周縁が嵌合部51の開口縁に突き当たることによって、水平方向の動きが規制される。
【0031】
光源ユニット2を器具本体1から取り外す場合には、弾性部材50を押し込んで第2規制手段5の規制状態を解除してから、光源ユニット2を第2側面部12に向かってスライドさせて第1規制手段4を解除することにより行われる。
【0032】
なお、図示することは省略したが、光源ユニット2と電源装置15を電気的に接続する電線は、脚平面部23a、脚垂直面部23b、第1側面部11及び天面部10によって囲まれた空間に配線される。つまり、当該電線は、脚垂直面部23bを境に第1規制手段4を設けた位置とは反対側に配線される。よって、照明器具100では、第1規制手段4を操作する際に当該電線の存在が邪魔にならないので、光源ユニット2を仕切り部材13に向かってスライドさせたときに、爪受部41に電線に引っ掛かったり、接触したりする事態を防ぐことができる。
【0033】
以上のように、実施の形態1に係る照明器具100は、一面に開口を有する凹状の器具本体1と、器具本体1の内部に収容される光源ユニット2と、器具本体1に光源ユニット2をスライドさせて着脱自在に取り付けるための光源ユニット取付手段3と、を備えている。光源ユニット取付手段3は、器具本体1に収容された光源ユニット2の鉛直方向の動きを嵌合させて規制する第1規制手段4と、器具本体1に収容された光源ユニット2の水平方向の動きを規制する第2規制手段5と、有する。つまり、この照明器具によれば、第1規制手段4によって光源ユニット2の鉛直方向の動きを嵌合させて規制するので、ネジ等の締結部材の使用を減らすことができる。また、第1規制手段4によって光源ユニット2の鉛直方向の動きが規制されるので、作業者は光源ユニット2を手で支えることなく、例えば締結部材の取り付け作業又は取り外し作業等を行うことができる。よって、器具本体1に光源ユニット2を着脱させる作業が容易となり、作業者の作業負担を軽減させることができる。
【0034】
第1規制手段4は、器具本体1の内部に設けられた爪部40と、光源ユニット2に設けられ、爪部40を引っ掛けて嵌合する爪受部41と、を有し、器具本体1の内部に挿入された光源ユニット2をスライドさせることで、爪部40と爪受部41とが嵌合される構成である。よって、実施の形態1に係る照明器具100は、器具本体1の内部に挿入した光源ユニット2をスライドさせるだけで、爪部40と爪受部41とが嵌合されるので、光源ユニット2の着脱作業が容易となり、作業者の作業負担を軽減させることができる。
【0035】
第2規制手段5は、器具本体1の内部に設けられた弾性部材50と、光源ユニット2に設けられ、弾性部材50が嵌め込まれる嵌合部51と、を有し、器具本体1の内部に挿入された光源ユニット2をスライドさせることで、弾性部材50と嵌合部51とが嵌合される構成である。よって、実施の形態1に係る照明器具100は、器具本体1に挿入した光源ユニット2をスライドさせるだけで、弾性部材50と嵌合部51とが嵌合されるので、光源ユニット2の着脱作業が容易となり、作業者の作業負担を軽減させることができる。
【0036】
なお、実施の形態1に係る照明器具100では、被照射側である室内側と被取付側である天井側との間で空気を移動させるために必要となる空間が設けられている。当該空間は、例えば光源ユニット2と仕切り部材13との間に設けられる。そのため、器具本体1に挿入した光源ユニット2をスライドさせるためには、空気を移動させるために設けた空間を利用すればよい。よって、照明器具100では、光源ユニット2をスライドさせるために別途空間を設ける必要がないので、器具本体1の寸法が大きくなることがない。
【0037】
また、照明器具100は、器具本体1の外面の色と、脚部23の色とを異なる色で構成することが望ましい。例えば、器具本体1は、カラー鋼板を使用することで内面側を白色とし、外面側を灰色とすることができる。一方、脚部23には、白色塗装が行われる。器具本体1の外面の色と、脚部23の色とが異なると、爪受部41が爪部40に嵌合しているか否かの確認が容易となる。爪受部41と爪部40との嵌合状態の確認は、爪部40を切り欠いて形成したときに設けられる開口を通じて、器具本体1の外面側から行うことができる。
【0038】
実施の形態2.
次に、
図13及び
図14に基づいて、本発明の実施の形態2に係る照明器具100を説明する。
図13は、本発明の実施の形態2に係る照明器具の光源ユニットを示した斜視図である。
図14は、本発明の実施の形態2に係る照明器具の光源ユニット取付手段を示した要部の拡大図である。なお、実施の形態1で説明した照明器具と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0039】
実施の形態2に係る照明器具100は、第2規制手段6の構成が、上記した実施の形態1における第2規制手段5の構成と異なる。その他の構成要素については、上記実施の形態1と同じである。
【0040】
実施の形態2に係る照明器具100の第2規制手段6は、
図13及び
図14に示すように、光源ユニット2に設けられた第1固定部60と、器具本体1に設けられた第2固定部62と、第1固定部60と第2固定部62とを固定させる締結部材61と、を有している。第1固定部60は、脚部23を垂直面部20bの外側に向かって延伸させた部分で構成されており、第1爪受部41aに隣接させて設けられている。第1固定部60は、光源ユニット2が固定させる位置までスライドさせた際に、仕切り部材13に突き当たる長さで形成されている。これは、脚平面部23a、脚垂直面部23b、第1側面部11及び天面部10によって囲まれた空間に配線される電線を第1固定部60で隠して、意匠性を向上させるためである。
【0041】
第1固定部60には、締結部材61を通すための締結孔6aが形成されている。また、第2固定部62は、器具本体1の天面部10に形成され、締結部材61が締結される締結孔である。締結部材61は、例えばネジ又はボルト等であり、第1固定部60の締結孔6aと第2固定部62とに通して締結される。つまり、第2規制手段6は、器具本体1に光源ユニット2が収容され、第1規制手段4で光源ユニット2の鉛直方向の動きが規制されて仮固定された状態で、第1固定部60と第2固定部62とが締結部材61で締結される構成である。なお、第2固定部62は、図示した締結孔に限定されず、他の形態でもよい。
【0042】
光源ユニット2を器具本体1から取り外す場合には、締結部材61を取り外して第2規制手段6の規制状態を解除してから、光源ユニット2をスライドさせて第1規制手段4を解除することにより行われる。
【0043】
以上のように、実施の形態2に係る照明器具100も、第1規制手段4によって光源ユニット2の鉛直方向の動きを嵌合させて規制するので、ネジ等の締結部材の使用を減らすことができる。また、第1規制手段4によって光源ユニット2の鉛直方向の動きが規制されるので、作業者は光源ユニット2を手で支えなくても、第2規制手段5の取り付け作業又は取り外し作業を行うことができる。よって、この照明器具100は、器具本体1に光源ユニット2を着脱させる作業が容易となり、作業者の作業負担を軽減させることができる。
【0044】
以上に本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、照明器具100は、壁等、天井以外の被取付部に取り付けてもよい。また、図示した器具本体1及び光源ユニット2の構成は、一例であって、他の構成要素を含んでもよい。また、器具本体1及び光源ユニット2の形状は、図示した長方形状に限定されず、例えば正方形等、他の形状でもよい。要するに、本発明は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【符号の説明】
【0045】
1 器具本体、2 光源ユニット、3 光源ユニット取付手段、4 第1規制手段、5、6 第2規制手段、6a 締結孔、10 天面部、10a 通気用開口部、11 第1側面部、12 第2側面部、13 仕切り部材、14a、14b 光源ユニット収容部、14c 部品収容部、15 電源装置、15a 電源収容部、16 端子台、17 前面パネル、20 光源本体部、20a 平面部、20b 垂直面部、20c 傾斜面部、20d 端板部、21 発光部、21a 基板、21b 発光素子、21c 保持部材、22 カバー、23 脚部、23a 脚平面部、23b 脚垂直面部、40 爪部、40a 第1爪部、40b 第2爪部、41 爪受部、41a 第1爪受部、41b 第2爪受部、42a、42b 切り欠き部、50 弾性部材、50a 締結部材、51 嵌合部、60 第1固定部、61 締結部材、62 第2固定部、100 照明器具。