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  • 特許-作業台 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】作業台
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20240607BHJP
【FI】
B66B5/00 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019181782
(22)【出願日】2019-10-02
(65)【公開番号】P2021054628
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】小林 蒼太
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-344438(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108100788(CN,A)
【文献】特開2015-117085(JP,A)
【文献】実開昭58-164677(JP,U)
【文献】特開2002-145550(JP,A)
【文献】特開平08-067441(JP,A)
【文献】特開2002-308542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00- 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象部材に着脱可能に取り付けられる基部と、
前記基部に支持された作業台本体と
を備え、
前記作業台本体は、前記作業台本体が水平面に沿って配置されるように前記基部に対して回転可能に取り付けられており、
前記基部は、先端部に前記作業台本体が回転可能に取り付けられた支持棒と、前記支持棒に対する前記作業台本体の回転を制限する回転制限部とを有し、
前記回転制限部は、前記作業台本体に固定された縦板部と、前記縦板部に設けられるピンとを含み、
前記縦板部には、前記ピンが挿入される複数の貫通孔が形成されており、
前記複数の貫通孔は、前記作業台本体の回転中心線についての周方向に並べて配置されており、
前記支持棒には、前記縦板部の前記貫通孔に挿入された前記ピンが挿入される貫通孔が形成されている作業台。
【請求項2】
前記基部は、磁石を有し、
前記取付対象部材は、磁性材料から構成されており、
前記基部は、前記磁石の磁力を用いて、前記取付対象部材に取り付けられる請求項1に記載の作業台。
【請求項3】
前記基部は、万力を有し、
前記基部は、前記万力が前記取付対象部材を挟むことによって、前記取付対象部材に取り付けられる請求項1または請求項2に記載の作業台。
【請求項4】
前記作業台本体に設けられたマグネットシートをさらに備えた請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の作業台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、巻上機を支持する機械台に設けられた作業台が知られている。作業台は、作業台本体と、機械台に設けられたレールと、作業台本体の側面に設けられ、レールに沿って移動するローラとを有している。ローラがレールに沿って移動することによって、作業台本体が機械台に対して移動する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-203019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業台が取り付けられる取付対象部材に対して、作業台を容易に着脱することができないという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、取付対象部材に対して作業台を容易に着脱することができる作業台を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る作業台は、取付対象部材に着脱可能に取り付けられる基部と、基部に支持された作業台本体とを備え、作業台本体は、作業台本体が水平面に沿って配置されるように基部に対して回転可能に取り付けられており、基部は、先端部に作業台本体が回転可能に取り付けられた支持棒と、支持棒に対する作業台本体の回転を制限する回転制限部とを有し、回転制限部は、作業台本体に固定された縦板部と、縦板部に設けられるピンとを含み、縦板部には、ピンが挿入される複数の貫通孔が形成されており、複数の貫通孔は、作業台本体の回転中心線についての周方向に並べて配置されており、支持棒には、縦板部の貫通孔に挿入されたピンが挿入される貫通孔が形成されている。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る作業台によれば、取付対象部材に対して作業台を容易に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1に係る作業台を示す正面図である。
図2図1の作業台を示す側面図である。
図3図1の作業台本体および箱を示す断面図である。
図4】取付対象部材の変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る作業台を示す正面図である。図2は、図1の作業台を示す側面図である。実施の形態1に係る作業台は、基部1と、基部1に支持された作業台本体2とを備えている。作業台が取り付けられる取付対象部材3としては、巻上機を支持する機械台、エレベーターのかごの上に設けられた手摺、エスカレーターのステップ軸などが挙げられる。
【0010】
基部1は、磁石を有した一対の平板部11と、一対の平板部11のそれぞれに1つずつ設けられた一対の縦板部12と、一対の縦板部12に渡って設けられたねじ部13とを有している。また、基部1は、一対の縦板部12の一方に固定され、他方に向かって延びる一対の通し棒14と、一対の縦板部12の一方に固定され、縦板部12から上方に延びた支持棒15とを有している。
【0011】
平板部11の磁石は、電磁石から構成されている。平板部11の磁力の強さは、作業台が取付対象部材3に対して倒れることを抑制する程度の強さとなっている。電磁石に供給される電流が変化することによって、平板部11の磁力が変化する。平板部11には、図示しないスイッチが設けられている。作業者がスイッチを操作することによって、電磁石への電流の供給と、電磁石への電流の供給の停止とが行われる。なお、平板部11の磁石は、電磁石に限らず、永久磁石であってもよい。この場合には、平板部11の磁力は変化しない。
【0012】
一対の平板部11は、幅方向について互いに離れた配置されている。ねじ部13が回転することによって、一対の平板部11の間の寸法が変化する。一対の通し棒14は、一対の縦板部12のうちの他方の縦板部12に形成された貫通孔に挿入されている。
【0013】
平板部11、縦板部12、ねじ部13および通し棒14から万力が構成されている。したがって、基部1は、万力を有している。
【0014】
作業台本体2は、支持棒15の上端部に回転可能に取り付けられている。作業台本体2が支持棒15に対して回転することによって、水平面に対して支持棒15が傾いている場合であっても、作業台本体2が水平面に沿うように配置することができる。
【0015】
基部1は、支持棒15に対する作業台本体2の回転を制限する回転制限部16をさらに有している。回転制限部16は、作業台本体2の下面に固定された一対の縦板部161と、一対の縦板部161に渡って設けられるピン162とを有している。ピン162は、一対の縦板部161のそれぞれに形成された貫通孔163に挿入可能となっている。1つの縦板部161に対して、複数の貫通孔163が形成されている。複数の貫通孔163は、作業台本体2の回転中心線についての周方向に並べて配置されている。
【0016】
また、ピン162は、支持棒15に形成された貫通孔に挿入可能となっている。ピン162が一対の縦板部161の貫通孔163および支持棒15の貫通孔に挿入されることによって、支持棒15に対する作業台本体2の回転が規制される。ピン162が一対の縦板部161の貫通孔163および支持棒15の貫通孔から引き抜かれることによって、作業台本体2が支持棒15に対して回転可能となる。ピン162は、作業台本体2に対して紐を介して接続されている。これにより、ピン162が落下することが防止される。
【0017】
また、作業台は、作業台本体2の上面に設けられた箱4を備えている。箱4は、作業台本体2に固定されている。図3は、図1の作業台本体2および箱4を示す断面図である。箱4は、作業台本体2の上面に重ねられた底板部41と、底板部41の周縁部に設けられ、底板部41から上方に延びた側壁部42とを有している。また、作業台は、箱4の内部に設けられた図示しないマグネットシートを備えている。マグネットシートが箱4の内部に設けられることによって、箱4の内部には、磁力が発生する。これにより、箱4の内部に挿入された磁性材料から構成された工具の移動が制限される。マグネットシートの磁力は、マグネットシートにおける各部分に対応して、変化させてもよい。具体的には、マグネットシートは、磁力が強い部分と、磁力が弱い部分とに分けられてもよい。
【0018】
次に、作業台を取付対象部材3に取り付ける手順について説明する。図1および図2に示すように、取付対象部材3が十分に大きな水平面を有している場合には、作業台は、取付対象部材3の水平面に載せられる。さらに、取付対象部材3が磁性材料から構成されている場合には、基部1の磁石の磁力によって、作業台は、取付対象部材3に着脱可能に固定される。
【0019】
図4は、取付対象部材3の変形例を示す正面図である。図3では、取付対象部材3が十分大きな水平面を有していない。この場合、基部1の万力を用いて、作業台は、取付対象部材3に着脱可能に固定される。図4では、支持棒15が鉛直方向に延びている場合を示しているが、支持棒15が水平面に沿って延びている場合には、支持棒15に対して作業台本体2を回転させて、作業台本体2が水平面に沿うように配置する。
【0020】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る作業台によれば、取付対象部材3に着脱可能に取り付けられる基部1と、基部1に支持された作業台本体2とを備えている。これにより、取付対象部材3に対して作業台を容易に着脱することができる。
【0021】
また、基部1は、磁石を有し、取付対象部材3は、磁性材料から構成されており、基部1は、磁石の磁力を用いて、取付対象部材3に取り付けられる。これにより、作業台を取付対象部材3に対して強力に固定することができる。
【0022】
また、基部1は、万力を有し、基部1は、万力が取付対象部材3を挟むことによって、取付対象部材3に取り付けられる。これにより、作業台を取付対象部材3に対して強力に固定することができる。
【0023】
また、作業台は、作業台本体2に設けられたマグネットシートを備えている。これにより、作業台本体2に載せられた工具であって磁性材料から構成されている工具が作業台本体2の内部で移動することが抑制される。
【0024】
なお、上記実施の形態1では、基部1が取付対象部材3に対して固定されているか否かを判定する場合について記載していない。しかしながら、基部1が取付対象部材3に対して外れていることを検出する固定検出装置を備えてもよい。さらに、基部1が取付対象部材3に対して外れている場合には、かごの運転を停止してもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 基部、2 作業台本体、3 取付対象部材、4 箱、11 平板部、12 縦板部、13 ねじ部、14 通し棒、15 支持棒、16 回転制限部、41 底板部、42 側壁部、161 縦板部、162 ピン、163 貫通孔。
図1
図2
図3
図4