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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】スチーム噴出装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 75/34 20060101AFI20240607BHJP
   D06F 75/18 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
D06F75/34
D06F75/18
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020091743
(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公開番号】P2021186032
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小俣 汐生
(72)【発明者】
【氏名】栗林 正人
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-042744(JP,A)
【文献】特開2011-086692(JP,A)
【文献】特開2013-239382(JP,A)
【文献】特開2011-143280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 75/34
D06F 75/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱されて蒸気を生成するベースと、
電装部から引き出されたリード線と、
前記リード線が引き回される経路の途中に設けられ、前記ベースから前記電装部への蒸気の流通を遮断する蒸気侵入防止部と、を備えたスチーム噴出装置において、
前記蒸気侵入防止部は、前記経路を形成する第1部材と一体の第1リブと、前記経路を形成する第2部材と一体で、前記第1リブに嵌合される第2リブと、前記リード線を挿通させる挿通部と、により構成され、
前記リード線は、前記電装部から前記蒸気侵入防止部までの経路と前記蒸気侵入防止部から前記ベースに向かう経路の間で前記挿通部に全周囲が隙間なく当接して折り曲げられることを特徴とするスチーム噴出装置。
【請求項2】
前記電装部からは複数の前記リード線が引き出され、
前記挿通部には、前記リード線を1線ずつ挿通可能にする案内部が設けられることを特徴とする請求項1記載のスチーム噴出装置。
【請求項3】
前記第1部材は、ユーザが前記スチーム噴出装置を手で保持するためのハンドルであり、
前記第2部材は、前記ハンドルの開口を覆うためのハンドルキャップであることを特徴とする請求項1または2記載のスチーム噴出装置。
【請求項4】
前記第1リブは、前記第1部材の内壁から当該第1部材の補強部として形成されることを特徴とする請求項1~3の何れか一つに記載のスチーム噴出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベースから噴出するスチームにより、衣類などのしわ伸ばしを行なうアイロンやスチーマーなどのスチーム噴出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスチーム噴出装置として、例えば特許文献1には、本体の内部に蒸気侵入防止構造を設けたアイロンが開示されている。図9および図10は、そうした蒸気侵入防止構造を有する従来のアイロンの一例を示している。
【0003】
これらの各図において、101は図示しない載置台に着脱自在に載置されるアイロン本体である。アイロン本体101は、蒸気を生成する金属製のベース102と、ベース102の上面側を覆う樹脂製のカバー103と、カバー103の上方に設けられる樹脂製のハンドル104と、を備える。ハンドル104は、側面から見て後端を開放した略横U字状に形成され、カバー103上に取り付けられる基部104Aと、基部104Aの前側でU字状に立ち上がる連結部104Bと、連結部104Bより後方に延びる延設部104Cとからなる。延設部104Cの上面開口はハンドルキャップ105で覆われており、これらの延設部104Cとハンドルキャップ105により、ユーザがアイロン本体101の上部で手を握るための握り部106が構成される。また、図9には図示しないが、ハンドル104の前方でベース102の上部には、液体である水を貯留するためのタンクが着脱可能に設けられる。
【0004】
棒状で中空な握り部106の内部には、各種の電子部品を基板に実装した電装部107が配設され、そこからコード状で可撓性を有するリード線108が、アイロン本体101の内部に形成された中空筒状の経路109に沿って引き出される。経路109の先端には、商用電力を受ける受電端子や、ベース102を加熱するためのヒータ(何れも図示せず)などが配設され、リード線108の先端を受電端子やヒータに連結することで、これらの受電端子やヒータと電装部107との電気的な接続が図られる。経路109の途中には、電装部107への蒸気の侵入を防止するために、弾性に富むシリコーン部品によるパッキン110が配設される。
【0005】
そして、載置台を介してアイロン本体101の受電端子に電力が供給され、ヒータへの通電によりベース102が所定の温度に加熱されると、アイロン本体101に装着したタンクからの水がベース102に滴下して蒸気が発生し、ベース102の底面から衣類などに向けて蒸気が噴出する。このとき蒸気の一部は、ベース102の外周部とカバー103との隙間から、アイロン本体101の内部に侵入するが、上述したパッキン110を設けていなければ、ベース102とカバー103との隙間から侵入した蒸気が、リード線108が引き回された経路109を通って、そのまま握り部106の内部に配設した電装部品107に達し、湿気による様々な悪影響を引き起す(図9に示す矢印付き破線Pが、電装部107への蒸気侵入経路)。そこで、アイロン本体101の内部に蒸気侵入防止部としてのパッキン110を設けることで、そこから先の蒸気の侵入を遮断させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-42744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のパッキン100を蒸気侵入防止部とした構造では、組立時に電装部107からの複数のリード線108を1つに束ね、これをハンドル104に通して底面側で後方に引き出した後に、ハンドル104とは別ピースで追加したパッキン110により、束ねたリード線108をまとめて押し込むようにし、その上からねじ締めを行なうことで、経路109の途中を塞ぐようにパッキン110をハンドル104に取付け固定していた。
【0008】
しかし、これでは電装部107への蒸気侵入を防止するのに別部品のパッキン110を必要とする上に、組立時にリード線108どうしの捻じれや絡みが起きないように、配線しやすいような束ね方を考慮する必要があった。
【0009】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、簡易な構成で電装部への蒸気侵入を防止することが可能なスチーム噴出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、加熱されて蒸気を生成するベースと、電装部から引き出されたリード線と、前記リード線が引き回される経路の途中に設けられ、前記ベースから前記電装部への蒸気の流通を遮断する蒸気侵入防止部と、を備えたスチーム噴出装置において、前記蒸気侵入防止部は、前記経路を形成する第1部材と一体の第1リブと、前記経路を形成する第2部材と一体で、前記第1リブに嵌合される第2リブと、前記リード線を挿通させる挿通部と、により構成され、前記リード線は、前記電装部から前記蒸気侵入防止部までの経路と前記蒸気侵入防止部から前記ベースに向かう経路の間で前記挿通部に全周囲が隙間なく当接して折り曲げられることを特徴とする。
【0011】
前記電装部からは複数の前記リード線が引き出され、前記挿通部には、前記リード線を1線ずつ挿通可能にする案内部が設けられるのが好ましい。
【0012】
前記第1部材は、ユーザが前記スチーム噴出装置を手で保持するためのハンドルであり、前記第2部材は、前記ハンドルの開口を覆うためのハンドルキャップであるのが好ましい。
【0013】
前記第1リブは、前記第1部材の内壁から当該第1部材の補強部として形成されるのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、簡易な構成で第1部材に形成した第1リブと第2部材に形成した第2リブとを嵌合させるだけで、ベースから電装部への蒸気侵入を防止し、併せて蒸気侵入防止部により経路の途中で空間を遮断して、電装部の温度上昇を低減することが可能になる。
【0015】
請求項2の発明によれば、リード線を束ねることなく、1線ずつ容易に配線することが可能になる。
【0016】
請求項3の発明によれば、ハンドルにハンドルキャップを被せる作業が完了するのと同時に、第1リブと第2リブが嵌合されて、蒸気侵入防止部としての組立作業を効率よく完了することができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、蒸気侵入防止部となる第1リブを、第1部材の補強部として兼用させることで、部品点数の削減を図りつつも、第1部材の剛性を高めて強度を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態におけるアイロン本体の平面図である。
図2】同、アイロン本体の側面図である。
図3】同、アイロン本体および載置台の部分縦断面図である。
図4】同、アイロン本体の斜視図である。
図5】同、タンク組立体を外した状態で、ベースから基板部への蒸気侵入経路を示したアイロン本体の部分縦断面図である。
図6】同、アイロン本体の要部縦断面図である。
図7】同、ハンドルにハンドルキャップを取り付ける前の、アイロン本体の要部斜視図である。
図8】同、ハンドルにハンドルキャップを取り付けた後の、ハンドルキャップを透視したアイロン本体の要部斜視図である。
図9】従来のタンク組立体を外した状態で、ベースから基板部への蒸気侵入経路を示したアイロン本体の部分透視図である。
図10】従来のハンドルを底面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましいスチーム噴出装置の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0020】
まず、図1図4に基づいて、本実施形態のスチーム噴出装置となるアイロンの全体構成から説明すると、1はアイロン本体であり、このアイロン本体1は載置台2に着脱自在に載置される。本実施形態のアイロンは、アイロン本体1と載置台2とを主な構成とする。アイロン本体1の後部には凹状の受電部3が設けられ、アイロン本体1を載置台2に載置して、受電部3を載置台2の給電部4に嵌合させたときに、受電部3に設けた一対の受電端子3Aが、給電部4に設けた一対の給電端子4Aに接触して、載置台2からの電源電圧が受電部3を通してアイロン本体1に供給される構成となっている。なお、本実施形態は載置台2を中継してアイロン本体1に給電を行なうコードレス式のアイロンであるが、載置台2を用いずに電源電圧をアイロン本体1に直接供給するコード付きのアイロンでも構わない。
【0021】
アイロン本体1は、加熱手段としてヒータ5を埋設した金属製のベース6を下部に備えている。ベース6は、ダイキャスト成形品による基体7の底面に、プレート状の掛け面部材8を具備して構成され、掛け面部材8に固着された締結部材9によって、掛け面部材8がベース6に密着固定される。ベース6の内部には、ヒータ5の近傍に位置して蒸気室すなわち気化室11が形成され、この気化室11に連通する噴出孔12が、ベース6の下面をなす掛け面部材8に開口形成される。
【0022】
14はベース6の上面側を覆うように設けられた樹脂製のカバーであり、15はカバー14の上方に固定して設けられ、側面から見て前端および後端を接続した略O字状に形成された樹脂製のハンドル15である。ハンドル15の前方でベース6の上部には、液体を貯留するタンクとしてのタンク組立体16が、アイロン本体1に対して着脱可能に設けられる。タンク組立体16は例えば合成樹脂で形成され、上面から見た形状が略U字状で、その両側部が前端部側から後端部側にかけて跨るように配置され、またその中央部が上部側から下側部にかけて突出する形状に形成される。タンク組立体16の上側部がハンドル15の前端よりも前方に位置する一方で、タンク組立体16の下側部はハンドル15の前端よりも後方に配置されているため、タンク組立体16に貯留できる液体の最大容量を160mLまで拡大させている。またタンク組立体16の容量が拡大した分、カバー14とハンドル15との接続が弱くなるが、本実施形態ではハンドル15を側面から見て略O字状に形成に形成することで、側面から見て略横U字状に形成された従来のアイロン本体101のハンドル104と比較して、後端を接続した分接続が強固となっている。17はタンク組立体16の前部に設けられた開閉自在な注液口蓋であり、個々からタンク本体16内に液体である水を収容したり、タンク組立体16内の不要水を廃棄したりすることが可能になる。
【0023】
アイロン本体1のハンドル15に対するタンク組立体16のロック機構は、タンク組立体16の一側面にタンクロック釦(図示せず)を設け、タンク組立体16の内部で上下動する昇降体21が、弾性部材であるスプリング22により常時上方に付勢され、昇降体21の上部に突設したロック部23が、ハンドル15の前部に形成した孔部(図示せず)に係止することで構成される。これにより、スプリング22の付勢に抗してタンクロック釦を押動操作すると、昇降体21が押し下げられてロック部23と孔部との係合が解除され、アイロン本体1からタンク組立体16を離脱させることが可能になる。なお、本実施形態では着脱式のカセットタンクとなるタンク組立体16について説明しているが、ロック機構を備えていない固定式のタンクであってもよい。
【0024】
ハンドル15は、カバー14上に取り付けられる基部15Aと、基部15Aの前側でU字状に立ち上がる前方連結部15Bと、連結部15Bより後方に延びる延設部15Cと、基部15Aの後側でU字状に立ち上がり、延設部15Cの後端に接続する後方連結部15Dとからなる。ハンドル15の上部から後部を連続して形成する延設部15Cと後方連結部15Dは、断面が略U字状に形成され、これらの一側開口を覆うように、板状のハンドルキャップ25が配設される。ハンドル15の延設部15Cとハンドルキャップ25は、ユーザがアイロン本体1の上部で手を握るための握り部26を構成する。
【0025】
把手部に相当する棒状の握り部26は、アイロン本体1の腹部27との間に空洞28を有しており、この空洞28にユーザの手を差し入れて、握り部26を手で握ることができるように形成される。つまり、ここでいう腹部27とは、タンク組立体16の両側部を除く握り部26に対向したアイロン本体1の平坦状の中央上面部を指すものであり、本実施形態では、カバー14上に取り付けられるハンドル15の基部15Aとして形成される。アイロン本体1の後部下方では、ハンドル15の後方連結部15Dの下方からカバー14の後部にかけて、ベース6の後部上面を覆うように樹脂製のハンドルカバー29が配設される。このハンドルカバー29には、アイロン本体1の後面から内方へ凹状に窪ませた前述の受電部3が形成される。
【0026】
31は、アイロン本体1の上部に設けられた操作部で、これはスチーム/ドライ切替レバー31Aや、増量スチーム用のショットボタン31Bや、霧吹き用のミストボタン31Cや、温度設定/切ボタン31Dにより構成される。また、握り部26の上部前側には、表示部として複数のLEDを並べた温度表示ランプ32が設けられており、温度設定/切ボタン31Dによる設定温度や、サーミスタによる温度検知手段(図示せず)で検知されるベース6の温度などが、温度表示ランプ32で点灯または点滅表示される。
【0027】
タンク組立体16には、スチーム/ドライ切替レバー31Aに連動する弁装置34に加えて、ショットボタン31Bに連動するポンプ装置(図示せず)や、ミストボタン31Cに連動するミスト噴出装置35が組み込まれる。注液口蓋17の下方には、ミスト噴出装置35の噴出口36が配置され、ミストボタン31Cを押動操作する毎に、タンク組立体16内の水が霧状のミストとして噴出口36から噴出される。またポンプ装置は、ショットボタン31Bの押動操作に連動して、一時的に多量の液体を気化室11へ送り込む液体供給装置として、タンク組立体16の内部に組み込まれる。
【0028】
タンク組立体16の内部には、注液口蓋17からの水を収容する貯留室37と、温度設定/切ボタン31Dを除く操作部31やその他の可動機構を収容する機構可動室39とを上下に区画する仕切部材40が設けられる。液体の貯留空間となる貯留室37は、平面視で略U字状をなすタンクケース41と、このタンクケース41の下面開口を塞ぐ平板状のタンクベース42とにより構成され、タンク組立体16の前側で仕切部材40がタンクケース41と一体に形成される。
【0029】
弁装置34は、スチーム/ドライ切替レバー31Aの操作に伴い、タンク組立体16の内部で仕切部材40に液密状態で貫通して鉛直方向に可動するニードル機構44と、このニードル機構44の下端に位置してタンクベース42に装着されたバルブ43と、を主な構成要素とする。バルブ43はタンク組立体16の底部に設けられていて、このバルブ43に開口形成した小孔状の滴下口(図示せず)を、開閉装置であるニードル機構44により開閉し、気化室11への水の供給を制御する構成となっている。ニードル機構44は、スチーム/ドライ切替レバー31Aの操作と連携してバルブ43の滴下口を開閉するように、仕切部材40に形成した筒状の支持体46に沿って上下動する。
【0030】
弁装置34の下部には、気化室11に連通する導液路48が設けられる。導液路48はカバー14の上面側に配置され、導液路48とベース6との間には、ベース6からの熱を遮断する遮熱板49が介在する。この遮熱版49の下方には、気化室11の上面開口部を覆う気化室蓋50が設けられる。導液路48を開閉する開閉弁52が、前記遮熱版49に設けられた開口部53より、ベース6の上面側に形成した凹状のバイメタル収納部54に向けて下方に突出している。バイメタル収納部54には、感熱応動体に相当する反転式のバイメタル55が収納され、バイメタル収納部54の近傍にある気化室11が所定温度に達すると、バイメタル55がバイメタル収納部54の内部で反転し、図示しないスプリングの付勢に抗して開閉弁52を押し上げることにより、導液路48を開く構成となっている。
【0031】
前述の導液路48は、タンク組立体16内部の水を気化室11に導くために、ベース6とカバー14との間に配設されるもので、タンク組立体16をカバー14に装着したときに、タンク組立体16のバルブ43の滴下口が導液路48に連通する。導液路48の流入口には、開口したバルブ43の滴下口に密着当接する弾性部材としてのオートバルブ58を備える一方で、導液路48の流出口が気化室11に向けて開口する構成となっている。
【0032】
ベース6の基体7には、加熱手段として線状のシーズヒータからなるヒータ5が、上面から見て略U字状に屈曲して埋設され、基体7の上面側には、ヒータ5からの熱で蒸気を発生させるための気化室11が、ヒータ5の近傍に形成される。気化室11は、基体7の上面に形成した凹部の上部開口を気化室蓋50で覆うことで密閉して形成される。気化室11の出口は、基体7と掛け面部材8との間の蒸気空間61に連通しており、掛け面部材8の裏面には、水平で略平坦な掛け面62と、この掛け面62の後端から情報に傾斜する傾斜面63が形成される。蒸気空間61に連通する噴出孔12は、掛け面62のほぼ全域に分散して、掛け面部材8に複数開口形成される。
【0033】
次に、本実施形態における蒸気侵入防止部65について、図5図8を参照しながらその詳細を説明する。
【0034】
握り部26の中空な内部には、温度設定/切ボタン31Dのスイッチ部や、LEDによる温度表示ランプ32の他に、温度設定/切ボタン31Dで設定された温度を記憶保持するコンデンサなどの蓄電装置66などを、パターン配線を施した平板状の基板67の上面に実装して構成した電装部68が配設される。電装部68は、温度表示ランプ32の表示動作を制御しつつ、温度検知手段からの検知信号を受けて、ヒータ5を適宜通断電制御することにより、温度設定/切ボタン31Dで設定された温度にベース6を維持する温度制御装置として機能するもので、アイロン本体1の最下部に位置するベース6からの蒸気や熱の影響を極力避けるために、アイロン本体1の最上部に位置する握り部26の内部に収容される。
【0035】
アイロン本体1の内部では、基板67にその基端を接続した4本のリード線71が、電装部68からそれぞれ引き出される。これらのリード線71は、何れもコード状で可撓性を有し、アイロン本体1の内部に形成された中空筒状の経路72に沿って、それぞれの接続先の箇所にまで引き回される。本実施形態では、各リード線71の先端が、ヒータ5の一端と、ヒータ5の他端と、一方の受電端子3Aと、温度検知手段のそれぞれと電気的に接続され、アイロン本体1の後部下方で、他方の受電端子3Aとヒータ5の他端が電気的に接続されるが、電装部68から引き出されるリード線71の本数については特に限定されない。
【0036】
本実施形態では、電装部68の収容空間となる握り部26の内部に連通して、アイロン本体1の内部後方にリード線71を引き回すための経路72が形成される。ここでの経路72は、握り部26の内部に直接連通し、ハンドル15の後方連結部15Dの一側開口をハンドルキャップ25で覆うことで形成される第1経路72Aと、第1経路72Aに直接連通し、ハンドル15の後方連結部15Dの下方からベース14の後部をハンドルカバー29で覆うことで形成される第2経路72Bとにより構成され、第2経路72Bの出口はベース6とカバー14との間の内部空間に連通する。
【0037】
第1経路72Aを形成するハンドル15の後方連結部15Dは、電装部68を収容する延設部15Cと連続して断面がU字状に形成され、その内壁から第1経路72Aを塞ぐように、ハンドル15の補強部となる板状の第1リブ74が延設される。第1リブ74はハンドル15と別部品ではなく、ハンドル15と同一部品で一体に形成されており、その先端はハンドルキャップ25の内壁に向けてほぼ水平に突出している。また、電装部68から引き出されたリード線71を、経路72の途中に設けられた第1リブ74の所定位置に挿通させるために、第1リブ74の先端側にはリード線71の挿通部75が設けられる。挿通部75は、最終的に挿通部75の内壁とリード線71との間から蒸気が漏れない程度に、一乃至複数のリード線71が当接状態で挿通されるような形状であれば、どの位置にあってもよいが、特に本実施形態では、複数のリード線71を1線ずつ挿通させるために、それぞれのリード線71の外形に適合した形状で、第1リブ74の先端面から例えばU字状に切り欠かれた案内部76が、リード線71と同じ数で挿通部75に設けられる。
【0038】
一方、ハンドル15の後方連結部15Dと共に第1経路72Aを形成するハンドルキャップ25の内壁には、第1リブ74の先端部が嵌り込む第2リブ77が、ハンドルキャップ25と同一部品で一体に形成される。第2リブ77は、ハンドルキャップ25の内壁から延設された一対の突起部77Aとして、その間に第1リブ74の先端部に適合した形状の凹溝77Bを有して形成され、アイロン本体1の組立時に、ハンドル15の一側開口にハンドルキャップ25を被せたときに、突起部77Aの間の凹溝77Bに第1リブ74の先端部が嵌合して、それぞれの案内部76に挿通された各リード線71を、突起部77Aがハンドルキャップ25側から一度に押し付けるようになっている。
【0039】
こうして、第1リブ74の先端部に第2リブ77の凹溝77Bが嵌まり込み、挿通部75にリード線71が当接状態で挿通されることにより、リード線71が引き回される第1経路72Aの途中には、ベース6から電装部78への蒸気の流通を遮断するための、第1リブ74と第2リブ77と挿通部75とによる蒸気侵入防止部65が設けられる。この場合の変形例として、第1リブ74をハンドル15にではなくハンドルキャップ25に設けると共に、第2リブ77をハンドルキャップ25にではなくハンドル15に設けてもよい。また、挿通部75は第1リブ74と第2リブ77のどの位置に設けてもよい。
【0040】
ハンドルキャップ25には、前述の第2リブ77とは別に、ハンドルカバー29に嵌合する鉤部78が、ハンドルキャップ25と同一部品でその下端部より突出して一体に形成される。ハンドルカバー29の上端部には、鉤部78に適合した形状の凹部79が一体に形成されており、ハンドルキャップ25をハンドル15に装着した後に、アイロン本体1の後側からハンドル15の後方連結部15Dの下方とカバー14の後部を覆うようにハンドルカバー29を取り付けると、ハンドルカバー29の凹部79がハンドルキャップ25の鉤部78に自ずと嵌まり込むようになっている。
【0041】
次に、上記構成のアイロンについてその作用を説明する。衣類などにアイロン掛けを行なうには、先ずタンク組立体16の注液口蓋17を開けて、所定量の水を貯留室37に収容し、注液口蓋17を閉じる。続いて、アイロン本体1を載置台2に載せて、受電部3を載置台2の給電部4に嵌合させ、載置台2の図示しない電源プラグをコンセントに差し込むと、載置台2からの電源電圧が受電部3を通してアイロン本体1に供給される。このアイロン本体1への給電時には、リード線71を通して蓄電装置66にも電力が供給され、蓄電装置66は供給された電力を蓄積して各部に動作電圧を供給し、温度表示ランプ32などの電装部68が駆動可能になる。このとき、操作部31のスチーム/ドライ切替レバー31Aは「ドライ」側になっており、ニードル機構44によりバルブ43の滴下口が閉塞されている。
【0042】
ここで、操作部31の温度設定/切ボタン31Dを押動操作し、アイロン掛けの対象物となる布地に合わせた温度に設定すると、温度制御装置となる電装部68は、ベース6が温度設定/切ボタン31Dで設定された温度となるように、温度検知手段からの検知信号を基にヒータ5を通断電制御して、気化室11を含むベース6を加熱する。また電装部68は、温度検知手段からの検知信号を基に、ベース6が所定の温度に達するまで、温度設定/切ボタン31Dで設定された温度に対応した1つの温度表示ランプ32を点滅表示させる。
【0043】
ヒータ5によりベース6への加熱を開始した直後は、ベース6が水の気化温度にまで到達しておらず、ベース6のバイメタル収納部54に収納されたバイメタル55が復帰状態にあって、導液路48が開閉弁52により閉塞されている。そのため、仮にスチーム/ドライ切替レバー31Aを「スチーム」側に切替操作しても、タンク組立体16内からの水の流通は導液路48で遮断されて、そこから先の気化室11で気化されず、噴出孔12から湯滴が噴出するのを防止できる。
【0044】
その後に電装部68は、ベース6が所定の温度に達したことを温度検知手段からの検知信号で判断すると、温度表示ランプ32の表示を点滅から点灯に切替えるように制御する。そのためユーザは、温度表示ランプ32を確認すれば、アイロン本体1の使用可否の目安を一目で理解することができる。なおアイロン本体1がブザーなどの報知手段を備えてもよく、電装部68が上述した温度表示ランプ32の点灯表示と併せて、この表示手段で報知させるように構成してもよい。ユーザがスチーム/ドライ切替レバー31Aを「ドライ」のままにして、握り部26を手で握ってアイロン本体1を載置台2より離脱させると、噴出孔12からスチームを噴出させないいわゆるドライアイロンとしてアイロン本体1を使用でき、加熱されたベース6の掛け面62に布地を押し当てて、アイロン掛けを行なうことができる。
【0045】
一方、ユーザがスチーム/ドライ切替レバー31Aを「スチーム」に切替えると、それに連動してニードル機構44がバルブ46の滴下口から離れ、この滴下口が開状態となる。このとき、気化室11が一定の温度以上に達していて、バイメタル55が反転して開閉弁52を押し上げていれば、タンク組立体16の貯留室37から気化室11に至る導液路48は開状態となり、貯留室37の水が導液路48を通して気化室11に滴下する。そのため、加熱されたベース6の気化室11で水が気化され、ベース6の掛け面62から噴出孔12を通して通常量のスチームが噴出された状態で、布地に対するアイロン掛けを行なうことができる。
【0046】
またスチームの噴出を一時的に増量させる、いわゆるショット噴出を行なうには、上述した気化室11が一定の温度以上に達している状態で、タンク組立体16の上部に突出した増量スチーム用のショットボタン31Bを、タンク装置に組み込まれた弾性部材(図示せず)の付勢に抗して押動操作する。ショットボタン31Bが押し上げられた状態では、タンク組立体16の内部で、貯留室37に貯留した水の一部がポンプ装置の内部に吸い込まれており、そこからユーザがショットボタン31Bを押動操作してポンプ装置を手動で動作させると、ポンプ装置の内部に吸い込まれた水が、導水路48を通して一気に気化室11に吐出される。これにより、加熱されたベース6の気化室11で水が一気に気化され、ベース6の掛け面62から噴出孔12を通して、通常量のスチームよりも勢いがある多量のスチーム(増量スチーム)を噴出させることができる。
【0047】
アイロン本体1の使用中は、加熱手段となるヒータ5への給電が停止されるため、時間の経過と共にベース6の温度が低下して行く。そして、ベース6の気化室11がある程度の温度にまで低下すると、それまで反転状態にあったバイメタル55が復帰して開閉弁52を降下させ、タンク組立体16の貯留室37からの水の流通は、閉塞された導液路48で遮断される。これにより、タンク組立体16内の水が気化されずに、噴出孔12から噴出するのを防止できる。ユーザがアイロン本体1を載置台2に再び載置し、受電部3を載置台2の給電部4に嵌合させて、載置台2から受電部3を通してアイロン本体1に電源電圧を供給すると、前述のように電装部68はベース6が温度設定/切ボタン31Dで設定された温度となるように、温度検知手段からの検知信号を基にヒータ5を通断電制御して、気化室11を含むベース6を再度加熱する。
【0048】
次に、アイロン本体1の組立時における主な手順について説明する。先ず、カバー14の上部にハンドル15の基部15Aを取付け固定し、そのハンドル15の上部に位置する延設部15Cの所定位置に、予め温度設定/切ボタン31Dのスイッチ部や、温度表示ランプ32や、蓄電装置66などの電子部品と共に、複数のリード線71の基端を基板67上に半田付けして組み立てた電装部68を収容して、そこから電装部68が動かないように、電装部68をハンドル15に取付け固定する。ハンドル15には既に、リード線71を引き回す経路72の途中で、リード線71の挿通部75を有する第1リブ74が一体に形成されているので、電装部68からハンドル15の後方連結部15Dに引き出したそれぞれのリード線71を束ねることなく、挿通部75に設けられた個々の案内部76に、第1リブ74の先端側から1線ずつ差し込んで配線する。こうしてリード線71を束ねずに作業を行なえるので、リード線71のそれぞれが異なる色になっていれば、その色ごとに決められた案内部76にリード線71を1線ずつ挿通させて、容易に配線することが可能になる。それぞれの案内部76に挿通させたリード線71はそのまま束ねずに、ハンドル15の後方連結部15Dよりも下方にぶら下げた状態で引き出しておく。
【0049】
第1リブ74を利用したリード線71の配線作業が終了したら、ハンドル15の延設部15Cから後方連結部15Dにかけての一側開口を覆うように、ハンドル15の後側からハンドルキャップ25を嵌め込んで取り付ける。このとき、ハンドル15に形成された第1リブ74の先端部が、ハンドルキャップ25に形成された第2リブ77となる突起部77Aの間の凹溝77Bに嵌合することで、案内部76に差し込まれたリード線71が、案内部76の一側から抜け出すのを確実に防止できる。また、突起部77Aがハンドルキャップ25側から案内部76側にリード線71を一度に押し付けることで、それぞれの案内部76にリード線71を確実に当接させて、そこからの蒸気漏れを効果的に防止できる。さらに、第1リブ74と第2リブ77は凹凸嵌合されるので、そこからの蒸気漏れも防止され、第1リブ74と第2リブ77と案内部76とからなる蒸気侵入防止部65により、ベース6から電装部68への蒸気の流通を効果的に遮断することが可能となる。
【0050】
本実施形態では、ハンドル15に一体で形成された第1リブ74と、ハンドルキャップ25に一体で形成した第2リブ77とを凹凸などで嵌合させるだけで、従来のパッキン110のような別部品を追加することなく、ベース6から電装部68への蒸気侵入を蒸気侵入防止部65で防止できる。また、ハンドル15にハンドルキャップ25を被せて、中空な握り部26とする作業が完了するのと同時に、第1リブ74と第2リブ77が凹凸嵌合されるので、蒸気侵入防止部65としての組立作業も効率よく完了する。図5には、ベース6とカバー14との隙間から侵入した蒸気の、電装部68への侵入経路を矢印付き破線Pで示しているが、リード線71が引き回された経路72の途中に、上述した構造の蒸気侵入防止部65を配設することで、そこから先の蒸気の侵入を遮断することが可能となる。蒸気侵入防止部65は、経路72の途中でアイロン本体1内部の空間を遮断するので、蒸気の侵入だけでなく、電装部68の温度上昇も低減できる。
【0051】
この後、予め受電端子3Aや温度検知手段などを取付け固定してユニット化されたベース6の上部に、前述のカバー14を載置してお互いをねじなどで固着し、案内部76を挿通したそれぞれのリード線71の先端を、決められた接続先であるヒータ5の一端や、ヒータ5の他端や、一方の受電端子3Aや、温度検知手段に結線して、電装部68に関する一通りの配線作業を完了させる。そして、ハンドル15の後方連結部15Dの下方とカバー14の後部を覆うように、ハンドル15とカバー14の後側からハンドルカバー29を取り付け固定すると、図5に示すように、タンク組立体16を装着する前のアイロン本体1の組立が完成する。このとき、ハンドルカバー29の凹部79がハンドルキャップ25の鉤部78に自ずと嵌まり込むことで、これらの嵌合部によりハンドルキャップ25がハンドル15から外れるのを防止することができる。
【0052】
完成品となったアイロン本体1は、その使用中にスチーム/ドライ切替レバー31Aを「スチーム」に切替えると、ベース6の掛け面62から噴出孔12を通して蒸気が噴出する。このとき蒸気の一部は、ベース6の外周部とカバー14との隙間から、アイロン本体1の内部に侵入するが、リード線71が引き回された経路72の途中には、上述の蒸気侵入防止部65が設けられているので、そこから先の電装部68への侵入が遮断される。しかも、蒸気侵入防止部65を構成する第1リブ74は、ハンドル15の内壁から経路72を別々の空間に区画して塞ぐように壁状に延設される。そのため、例えばユーザがハンドル15を強く握り締めた場合でも、ハンドル15が容易に変形することはなく、第1リブ74をハンドル15と一体に形成して部品点数の削減を図りつつも、第1リブ74だけでハンドル15の剛性を高めることが可能となる。
【0053】
以上のように、本実施形態のスチーム噴出装置となるアイロンは、加熱手段となるヒータ5で加熱されて蒸気を生成するベース6と、電装部68から引き出された可撓性を有するリード線71と、リード線71が引き回される経路72の途中に設けられ、ベース6から電装部68への蒸気の流通を遮断する蒸気侵入防止部65と、を備えており、蒸気侵入防止部65は、経路72を形成する第1部材となるハンドル15と一体の第1リブ74と、同じく経路72を形成する第2部材となるハンドルキャップ25と一体で、第1リブ74に凹凸嵌合される第2リブ77と、リード線71を所定位置に当接状態で挿通させる挿通部75と、により構成されている。
【0054】
この場合、従来のパッキン110のような別部品を追加することなく、簡易な構成で第1部材となるハンドル15に形成した第1リブ74と、第2部材となるハンドルキャップ25に形成した第2リブ74とを凹凸嵌合させるだけで、ベース6から電装部68への蒸気侵入を防止し、併せて蒸気侵入防止部65により経路72の途中で空間を遮断して、電装部68の温度上昇を低減することが可能になる。
【0055】
また本実施形態において、電装部68からは複数のリード線71が引き出されており、蒸気侵入防止部65を構成する挿通部75には、電装部68からのリード線75を1線ずつ挿通可能にする案内部76が設けられている。
【0056】
この場合、電装部68から引き出されたリード線75をわざわざ束ねることなく、1線ずつ案内部76に挿通させて、容易に配線することが可能になる。
【0057】
また本実施形態において、第1部材は、ユーザがスチーム噴出装置の本体となるアイロン本体1を手で保持するためのハンドル15であり、第2部材は、ハンドル15の開口を覆うためのハンドルキャップ25であり、ハンドル15にハンドルキャップ25を被せたときに、第2リブ77が第1リブ74に嵌合する構成となっている。
【0058】
この場合、ハンドル15にハンドルキャップ25を被せる作業が完了するのと同時に、第1リブ74と第2リブ77が凹凸嵌合されて、蒸気侵入防止部65としての組立作業を効率よく完了することができる。
【0059】
また本実施形態において、ハンドル15に設けられた第1リブ74は、ハンドル15の内壁からそのハンドル15の補強部として壁状に形成されている。
【0060】
この場合、蒸気侵入防止部65となる第1リブ74を、第1部材となるハンドル15の補強部として兼用させることで、部品点数の削減を図りつつも、ハンドル15の剛性を高めて強度を確保することが可能となる。
【0061】
以上、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。本発明の名称である「スチーム噴出装置」は、外部に蒸気を噴射して衣類などのしわ伸ばしを行なうあらゆる製品に適用され、例えば本実施形態で示したアイロンの他に、スチーマーなどもその範疇に含まれる。また、第1リブおよび第2リブの形状や個数などは特に限定されず、第1リブと第2リブが部分的に嵌合していてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 アイロン本体(スチーム噴出装置)
6 ベース
15 ハンドル(第1部材)
25 ハンドルキャップ(第2部材)
65 蒸気侵入防止部
68 電装部
71 リード線
72 経路
74 第1リブ(補強部)
75 挿通部
76 案内部
77 第2リブ
図1
図2
図3
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図5
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図8
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図10