(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】資材割付支援装置、資材割付支援方法及び資材割付支援プログラム
(51)【国際特許分類】
E04B 5/40 20060101AFI20240607BHJP
E04G 21/02 20060101ALI20240607BHJP
G06F 30/13 20200101ALI20240607BHJP
【FI】
E04B5/40 A ESW
E04G21/02 103Z
G06F30/13
(21)【出願番号】P 2020097079
(22)【出願日】2020-06-03
【審査請求日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】P 2019147643
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006839
【氏名又は名称】日鉄建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153040
【氏名又は名称】川井 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】郡 泰明
(72)【発明者】
【氏名】水崎 政男
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-166286(JP,A)
【文献】特開2019-109569(JP,A)
【文献】特開2017-150130(JP,A)
【文献】特開2015-052912(JP,A)
【文献】特開2009-187157(JP,A)
【文献】特開2011-022696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 5/40
E04G 21/02
G06F 30/10,30/12,30/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラブに対する資材の割り付けを支援する資材割付支援装置であって、
予め設定された一区画のスラブを表すスラブ情報を取得する取得部と、
前記スラブに割り付けるデッキプレートの種類を表す種別情報の指定を受け付ける種別受付部と、
前記スラブ情報により表される前記スラブに対して前記デッキプレートを割り付ける方向であって、前記デッキプレートの長手方向及び短手方向のそれぞれを沿わせる第1の方向及び第2の方向の指定を受け付ける割付方向受付部と、
前記スラブにおいて前記デッキプレートを割り付ける領域である割付領域の指定を受け付ける割付領域受付部と、
前記割付方向受付部により受け付けられた前記デッキプレートの方向に応じて、前記種別情報により表される種類のデッキプレートを前記スラブの前記割付領域に割り付けるデッキプレート割付部と、
前記デッキプレート割付部により割り付けられたデッキプレートに関する情報であって、前記デッキプレートの短手方向の幅と、前記割付領域における前記第2の方向に沿う長さとに基づいて算出された前記デッキプレートの数量を少なくとも含むデッキプレート割付情報を出力する資材情報出力部と、
を備え、
前記割付領域受付部は、前記スラブ情報に基づいて表示されたスラブに対して配置された、少なくとも一つの前記デッキプレートを表すオブジェクトに対する拡大操作、縮小操作及び位置の変更操作の少なくともいずれか一つを受け付けることにより、前記割付領域の指定を受け付け、
前記デッキプレート割付部は、前記割付領域の第2の方向に沿って前記デッキプレートを配列することにより前記デッキプレートの割り付けを行い、前記割付領域の前記第2の方向の長さを前記デッキプレートの短手方向の幅で除した商を前記デッキプレートの数量として算出し、剰余に相当する領域に一の前記デッキプレート及び調整用部材の少なくともいずれか一つを割り付け、
前記資材情報出力部は、少なくとも割り付けられたデッキプレートを、前記スラブ情報に基づいて表示されたスラブと共に、3次元空間に配置及び描画することにより表示する、
資材割付支援装置。
【請求項2】
前記割付方向受付部は、前記スラブ情報に基づいて表示されたスラブに対する、予め設定された初期数量の前記デッキプレートを表すオブジェクトの配置入力を受け付けることにより、前記第1の方向及び前記第2の方向の指定を受け付ける、
請求項1に記載の資材割付支援装置。
【請求項3】
前記資材情報出力部は、前記割付領域の前記第1の方向の長さに応じて前記デッキプレート割付部により割り付けられた前記デッキプレートの長手方向の長さが、前記種別情報に関連付けて予め設定された前記デッキプレートの長手方向の長さの上限を超える場合に警告を出力する、
請求項1または2に記載の資材割付支援装置。
【請求項4】
前記デッキプレート割付部により割り付けられた前記デッキプレートの少なくとも上面上の領域にコンクリート領域を割り付けるコンクリート割付部と、
前記デッキプレート割付部により割り付けられた前記デッキプレートの上面面積及び溝部分の容積並びに前記デッキプレートの山部分より上の部分のコンクリートスラブの厚さとして入力された山上コンクリート厚さに基づいて、前記コンクリート領域に構成されるコンクリートスラブのコンクリート量を算出するコンクリート量算出部、をさらに備え、
前記資材情報出力部は、前記コンクリート量の情報であるコンクリート量情報をさらに出力する、
請求項1~
3のいずれか一項に記載の資材割付支援装置。
【請求項5】
前記コンクリート割付部は、前記コンクリート領域を変更する変更入力を受け付け、前記変更入力に基づいて前記コンクリート領域を変更し、
前記コンクリート量算出部は、前記変更されたコンクリート領域に基づいて前記コンクリート量を再計算する、
請求項
4に記載の資材割付支援装置。
【請求項6】
一区画の前記スラブは、4角及び4辺を柱及び梁のそれぞれにより規定され、
前記コンクリート割付部は、前記梁に対するかかり代に相当する領域(であるかかり代領域)を前記コンクリート領域に含ませるための変更入力を受け付ける、
請求項
5に記載の資材割付支援装置。
【請求項7】
一区画の前記スラブは、4角及び4辺を柱及び梁のそれぞれにより規定され、
前記コンクリート割付部は、前記柱により生じる切欠き部に相当する領域を前記コンクリート領域から減じるための変更入力を受け付ける、
請求項
5または6に記載の資材割付支援装置。
【請求項8】
前記コンクリート量算出部は、コンクリートの種別を示すコンクリート種別情報の入力を受け付け、前記コンクリート種別情報に関連付けられているコンクリートの密度、及び、前記コンクリート量として示されるコンクリートの体積に基づいて、前記コンクリートスラブを構成するコンクリートの重量を算出し、
前記資材情報出力部は、前記コンクリートの重量を前記コンクリート量情報に含めて出力する、
請求項
4~7のいずれか一項に記載の資材割付支援装置。
【請求項9】
前記コンクリート領域の上面の形状及び面積に基づいて、格子状に鉄筋を配する領域である鉄筋領域を前記コンクリート領域に対して割り付け、格子状に配される鉄筋に関して予め設定された前記第1の方向及び前記第2の方向における所定のピッチに基づいて、前記鉄筋領域に配される鉄筋の長さ及び本数を算出する鉄筋割付部、をさらに備え、
前記資材情報出力部は、前記鉄筋割付部により算出された鉄筋の長さ及び本数の情報をさらに出力する、
請求項
4~8のいずれか一項に記載の資材割付支援装置。
【請求項10】
前記鉄筋割付部は、前記デッキプレートの溝に沿って配される鉄筋である溝筋の長さ及び本数を、前記デッキプレート割付情報に基づいて、さらに算出する、
請求項
9に記載の資材割付支援装置。
【請求項11】
前記デッキプレートの種類及び前記山上コンクリート厚さに基づいて、前記デッキプレート上の所定高さに前記格子状の鉄筋を配するための資材であるスペーサの種類を決定し、前記デッキプレート上に配される前記スペーサに関して前記デッキプレートの種類毎に予め設定された前記第1の方向及び前記第2の方向における所定のピッチに基づいて、前記スペーサを前記デッキプレート上に割り付けると共に前記スペーサの数量を算出するスペーサ割付部、をさらに備え、
前記資材情報出力部は、前記スペーサ割付部により算出された前記スペーサの数量の情報をさらに出力する、
請求項
9または10に記載の資材割付支援装置。
【請求項12】
前記デッキプレートの荷重を支えるための資材である支保工を前記割付領域に割り付ける支保工割付部であって、前記デッキプレートの長手方向に沿って前記支保工を配する数である列数の入力を受け付け、一の前記デッキプレートに対して前記列数の支保工を前記長手方向に等間隔で割り付けると共に、前記列数に前記デッキプレートの数量を乗じて前記支保工の数量を算出する、支保工割付部、をさらに備え、
前記資材情報出力部は、前記支保工割付部により算出された前記支保工の数量の情報をさらに出力する、
請求項1~
11のいずれか一項に記載の資材割付支援装置。
【請求項13】
スラブに対する資材の割り付けを支援する資材割付支援装置における資材割付支援方法であって、
予め設定された一区画のスラブを表すスラブ情報を取得する取得ステップと、
前記スラブに割り付けるデッキプレートの種類を表す種別情報の指定を受け付ける種別受付ステップと、
前記スラブ情報により表される前記スラブに対して前記デッキプレートを割り付ける方向であって、前記デッキプレートの長手方向及び短手方向のそれぞれを沿わせる第1の方向及び第2の方向の指定を受け付ける割付方向受付ステップと、
前記スラブにおいて前記デッキプレートを割り付ける領域である割付領域の指定を受け付ける割付領域受付ステップと、
前記割付方向受付ステップにおいて受け付けられた前記デッキプレートの方向に応じて、前記種別情報により表される種類のデッキプレートを前記スラブの前記割付領域に割り付けるデッキプレート割付ステップと、
前記デッキプレート割付ステップにおいて割り付けられたデッキプレートに関する情報であって、前記デッキプレートの短手方向の幅と、前記割付領域における前記第2の方向に沿う長さとに基づいて算出された前記デッキプレートの数量を少なくとも含むデッキプレート割付情報を出力する資材情報出力ステップと、
を有し、
前記割付領域受付ステップにおいて、前記スラブ情報に基づいて表示されたスラブに対して配置された、少なくとも一つの前記デッキプレートを表すオブジェクトに対する拡大操作、縮小操作及び位置の変更操作の少なくともいずれか一つを受け付けることにより、前記割付領域の指定を受け付け、
前記デッキプレート割付ステップにおいて、前記割付領域の第2の方向に沿って前記デッキプレートを配列することにより前記デッキプレートの割り付けを行い、前記割付領域の前記第2の方向の長さを前記デッキプレートの短手方向の幅で除した商を前記デッキプレートの数量として算出し、剰余に相当する領域に一の前記デッキプレート及び調整用部材の少なくともいずれか一つを割り付け、
前記資材情報出力ステップにおいて、少なくとも割り付けられたデッキプレートを、前記スラブ情報に基づいて表示されたスラブと共に、3次元空間に配置及び描画することにより表示する、
資材割付支援方法。
【請求項14】
コンピュータを、スラブに対する資材の割り付けを支援する資材割付支援装置として機能させるための資材割付支援プログラムであって、
前記コンピュータに、
予め設定された一区画のスラブを表すスラブ情報を取得する取得機能と、
前記スラブに割り付けるデッキプレートの種類を表す種別情報の指定を受け付ける種別受付機能と、
前記スラブ情報により表される前記スラブに対して前記デッキプレートを割り付ける方向であって、前記デッキプレートの長手方向及び短手方向のそれぞれを沿わせる第1の方向及び第2の方向の指定を受け付ける割付方向受付機能と、
前記スラブにおいて前記デッキプレートを割り付ける領域である割付領域の指定を受け付ける割付領域受付機能と、
前記割付方向受付機能により受け付けられた前記デッキプレートの方向に応じて、前記種別情報により表される種類のデッキプレートを前記スラブの前記割付領域に割り付けるデッキプレート割付機能と、
前記デッキプレート割付機能により割り付けられたデッキプレートに関する情報であって、前記デッキプレートの短手方向の幅と、前記割付領域における前記第2の方向に沿う長さとに基づいて算出された前記デッキプレートの数量を少なくとも含むデッキプレート割付情報を出力する資材情報出力機能と、
を実現させ、
前記割付領域受付機能は、前記スラブ情報に基づいて表示されたスラブに対して配置された、少なくとも一つの前記デッキプレートを表すオブジェクトに対する拡大操作、縮小操作及び位置の変更操作の少なくともいずれか一つを受け付けることにより、前記割付領域の指定を受け付け、
前記デッキプレート割付機能は、前記割付領域の第2の方向に沿って前記デッキプレートを配列することにより前記デッキプレートの割り付けを行い、前記割付領域の前記第2の方向の長さを前記デッキプレートの短手方向の幅で除した商を前記デッキプレートの数量として算出し、剰余に相当する領域に一の前記デッキプレート及び調整用部材の少なくともいずれか一つを割り付け、
前記資材情報出力機能は、少なくとも割り付けられたデッキプレートを、前記スラブ情報に基づいて表示されたスラブと共に、3次元空間に配置及び描画することにより表示する、
資材割付支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資材割付支援装置、資材割付支援方法及び資材割付支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄骨造、鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造等の建造物のスラブの施工において、デッキプレートとコンクリートとからなる合成スラブが用いられている。デッキプレートは、薄鋼板等からなり柱及び梁に囲まれた領域に割り付けられる建築資材であって、コンクリート打込み時には型枠材として機能し、コンクリート硬化後には引張鉄筋として機能する。デッキプレート割り付けにより建造物の設計を支援する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建造物の合成スラブの設計過程では、割付領域に対してデッキプレートが割り付けられる。デッキプレートの割付領域は、柱及び梁並びにその他の条件により決定される。これらの条件は、個別の対象ごとに設定あるいは一旦設定された状態から個々の事情によって変更される。従来、設定あるいは変更された割付領域に対して臨機応変且つ適切にデッキプレートを割り付けることには非常に手間を要していた。
【0005】
そこで本発明は、合成スラブの設計において、デッキプレートの割り付けを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る資材割付支援装置は、スラブに対する資材の割り付けを支援する資材割付支援装置であって、予め設定された一区画のスラブを表すスラブ情報を取得する取得部と、スラブに割り付けるデッキプレートの種類を表す種別情報の指定を受け付ける種別受付部と、スラブ情報により表されるスラブに対してデッキプレートを割り付ける方向であって、デッキプレートの長手方向及び短手方向のそれぞれを沿わせる第1の方向及び第2の方向の指定を受け付ける割付方向受付部と、スラブにおいてデッキプレートを割り付ける領域である割付領域の指定を受け付ける割付領域受付部と、割付方向受付部により受け付けられたデッキプレートの方向に応じて、種別情報により表される種類のデッキプレートをスラブの割付領域に割り付けるデッキプレート割付部と、デッキプレート割付部により割り付けられたデッキプレートに関する情報であって、デッキプレートの短手方向の幅と、割付領域における第2の方向に沿う長さとに基づいて算出されたデッキプレートの数量を少なくとも含むデッキプレート割付情報を出力する資材情報出力部と、を備える。
【0007】
本発明の一形態に係る資材割付支援方法は、スラブに対する資材の割り付けを支援する資材割付支援装置における資材割付支援方法であって、予め設定された一区画のスラブを表すスラブ情報を取得する取得ステップと、スラブに割り付けるデッキプレートの種類を表す種別情報の指定を受け付ける種別受付ステップと、スラブ情報により表されるスラブに対してデッキプレートを割り付ける方向であって、デッキプレートの長手方向及び短手方向のそれぞれを沿わせる第1の方向及び第2の方向の指定を受け付ける割付方向受付ステップと、スラブにおいてデッキプレートを割り付ける領域である割付領域の指定を受け付ける割付領域受付ステップと、割付方向受付ステップにおいて受け付けられたデッキプレートの方向に応じて、種別情報により表される種類のデッキプレートをスラブの割付領域に割り付けるデッキプレート割付ステップと、デッキプレート割付ステップにおいて割り付けられたデッキプレートに関する情報であって、デッキプレートの短手方向の幅と、割付領域における第2の方向に沿う長さとに基づいて算出されたデッキプレートの数量を少なくとも含むデッキプレート割付情報を出力する資材情報出力ステップと、を有する。
【0008】
本発明の一形態に係る資材割付支援プログラムは、コンピュータを、スラブに対する資材の割り付けを支援する資材割付支援装置として機能させるための資材割付支援プログラムであって、コンピュータに、予め設定された一区画のスラブを表すスラブ情報を取得する取得機能と、スラブに割り付けるデッキプレートの種類を表す種別情報の指定を受け付ける種別受付機能と、スラブ情報により表されるスラブに対してデッキプレートを割り付ける方向であって、デッキプレートの長手方向及び短手方向のそれぞれを沿わせる第1の方向及び第2の方向の指定を受け付ける割付方向受付機能と、スラブにおいてデッキプレートを割り付ける領域である割付領域の指定を受け付ける割付領域受付機能と、割付方向受付機能により受け付けられたデッキプレートの方向に応じて、種別情報により表される種類のデッキプレートをスラブの割付領域に割り付けるデッキプレート割付機能と、デッキプレート割付機能により割り付けられたデッキプレートに関する情報であって、デッキプレートの短手方向の幅と、割付領域における第2の方向に沿う長さとに基づいて算出されたデッキプレートの数量を少なくとも含むデッキプレート割付情報を出力する資材情報出力機能と、を実現させる。
【0009】
上記の形態によれば、指定されたデッキプレートの方向に応じて、指定された種別情報により表される種類のデッキプレートが、スラブ情報により表されるスラブに対して指定された割付領域に自動的に割り付けられるので、デッキプレートの割り付けが容易となる。これにより、割付領域へデッキプレートの納まりの確認及び他の部材との干渉の確認等が容易となる。また、割り付けられたデッキプレートの幅と、割付領域におけるデッキプレートの幅方向の長さとに基づいて算出されたデッキプレートの数量が出力されるので、スラブに必要とされるデッキプレートの数量が容易に認識できる。
【0010】
別の形態に係る資材割付支援装置では、割付方向受付部は、スラブ情報に基づいて表示されたスラブに対する、予め設定された初期数量のデッキプレートを表すオブジェクトの配置入力を受け付けることにより、第1の方向及び第2の方向の指定を受け付けることとしてもよい。
【0011】
上記の形態によれば、スラブ情報に基づいて表示されたスラブに対するデッキプレートを表すオブジェクトの配置入力により、デッキプレートの割付方向が指定される。即ち、オブジェクトの配置といった簡易な操作により割付方向を指定することが可能となる。
【0012】
別の形態に係る資材割付支援装置では、資材情報出力部は、割付領域の第1の方向の長さに応じてデッキプレート割付部により割り付けられたデッキプレートの長手方向の長さが、種別情報に関連付けて予め設定されたデッキプレートの長手方向の長さの上限を超える場合に警告を出力することとしてもよい。
【0013】
上記の形態によれば、デッキプレートの長手方向の長さの上限値を超えるような長さの割付領域が指定された場合に警告が出力されるので、不適切なデッキプレートの割り付けが防止される。
【0014】
別の形態に係る資材割付支援装置では、デッキプレート割付部は、割付領域の第2の方向に沿ってデッキプレートを配列することによりデッキプレートの割り付けを行い、割付領域の第2の方向の長さをデッキプレートの短手方向の幅で除した商をデッキプレートの数量として算出し、剰余に相当する領域に一のデッキプレート及び調整用部材の少なくともいずれか一つを割り付けることとしてもよい。
【0015】
上記の形態によれば、割付領域の第2の方向の長さ及びデッキプレートの幅に基づいて、デッキプレートの数量が容易に算出されると共に、調整用部材の要否及び適切な割り付けが実現される。
【0016】
別の形態に係る資材割付支援装置は、デッキプレート割付部により割り付けられたデッキプレートの少なくとも上面上の領域にコンクリート領域を割り付けるコンクリート割付部と、デッキプレート割付部により割り付けられたデッキプレートの上面面積及び溝部分の容積並びにデッキプレートの山部分より上の部分のコンクリートスラブの厚さとして入力された山上コンクリート厚さに基づいて、コンクリート領域に構成されるコンクリートスラブのコンクリート量を算出するコンクリート量算出部、をさらに備え、資材情報出力部は、コンクリート量の情報であるコンクリート量情報をさらに出力することとしてもよい。
【0017】
上記の形態によれば、割り付けられたデッキプレートの情報に基づいて、デッキプレートの上面上に対するコンクリート領域の割り付けが適切に実施される。また、割り付けられたデッキプレートに関する情報として取得可能な溝部分の容積及び入力された山上コンクリート厚さ並びにデッキプレートの上面面積に基づいて、コンクリート量が算出及び出力されるので、スラブに必要とされるコンクリートの体積を容易に認識できる。
【0018】
別の形態に係る資材割付支援装置では、コンクリート割付部は、コンクリート領域を変更する変更入力を受け付け、変更入力に基づいてコンクリート領域を変更し、コンクリート量算出部は、変更されたコンクリート領域に基づいてコンクリート量を再計算することとしてもよい。
【0019】
上記の形態によれば、自動的に割り付けられたコンクリート領域を変更するための変更入力が受け付けられ、変更されたコンクリート領域に基づいてコンクリート量が再計算及び出力される。これにより、コンクリート領域の任意の変更に伴い変動したコンクリート量を容易に認識できる。
【0020】
別の形態に係る資材割付支援装置では、一区画のスラブは、4角及び4辺を柱及び梁のそれぞれにより規定され、コンクリート割付部は、梁に対するかかり代に相当する領域を前記コンクリート領域に含ませるための変更入力を受け付けることとしてもよい。
【0021】
上記の形態によれば、デッキプレートの割付領域の外縁の外側の梁上部分に、いわゆるかかり代と称されるコンクリート領域を設けるために、コンクリート領域の変更入力が受け付けられ、変更されたコンクリート領域に基づいてコンクリート量が再計算及び出力される。これにより、かかり代の部分のコンクリート領域の増加に伴い変動したコンクリート量を容易に認識できる。
【0022】
別の形態に係る資材割付支援装置では、一区画のスラブは、4角及び4辺を柱及び梁のそれぞれにより規定され、コンクリート割付部は、柱により生じる切欠き部に相当する領域を前記コンクリート領域から減じるための変更入力を受け付けることとしてもよい。
【0023】
上記の形態によれば、デッキプレートの割付領域の4角の柱により生じるコンクリート領域の切欠き部を指定するための変更入力が受け付けられ、減じられたコンクリート領域に基づいてコンクリート量が再計算及び出力される。これにより、切欠き部の部分のコンクリート領域の減少に伴い変動したコンクリート量を容易に認識できる。
【0024】
別の形態に係る資材割付支援装置では、コンクリート量算出部は、コンクリートの種別を示すコンクリート種別情報の入力を受け付け、コンクリート種別情報に関連付けられているコンクリートの密度、及び、コンクリート量として示されるコンクリートの体積に基づいて、コンクリートスラブを構成するコンクリートの重量を算出し、資材情報出力部は、コンクリートの重量をコンクリート量情報に含めて出力することとしてもよい。
【0025】
上記の形態によれば、算出されたコンクリートの体積及び取得されたコンクリートの密度に基づいて、合成スラブにおけるコンクリートの重量が算出及び出力される。これにより、一区画の合成スラブに要するコンクリートの重量を容易に認識できる。
【0026】
別の形態に係る資材割付支援装置は、コンクリート領域の上面の形状及び面積に基づいて、格子状に鉄筋を配する領域である鉄筋領域をコンクリート領域に対して割り付け、格子状に配される鉄筋に関して予め設定された第1の方向及び第2の方向における所定のピッチに基づいて、鉄筋領域に配される鉄筋の長さ及び本数を算出する鉄筋割付部、をさらに備え、資材情報出力部は、鉄筋割付部により算出された鉄筋の長さ及び本数の情報をさらに出力することとしてもよい。
【0027】
上記の形態によれば、割り付けられたコンクリート領域に基づいて鉄筋領域が割り付けられるので、鉄筋領域の適切な割り付けが実現されると共に、鉄筋領域の上面面積が取得される。そして、鉄筋領域の上面面積と、格子状に配される鉄筋に関する所定の配置ピッチとに基づいて、鉄筋領域に配される鉄筋の長さ及び本数が算出及び出力される。これにより、合成スラブに要する鉄筋の長さ及び本数を容易に認識できる。
【0028】
別の形態に係る資材割付支援装置では、鉄筋割付部は、デッキプレートの溝に沿って配される鉄筋である溝筋の長さ及び本数を、デッキプレート割付情報に基づいて、さらに算出することとしてもよい。
【0029】
上記の形態によれば、デッキプレート割付情報に基づいて、溝筋の長さ及び本数が容易に認識される。
【0030】
別の形態に係る資材割付支援装置では、デッキプレートの種類及び山上コンクリート厚さに基づいて、デッキプレート上の所定高さに格子状の鉄筋を配するための資材であるスペーサの種類を決定し、デッキプレート上に配されるスペーサに関してデッキプレートの種類毎に予め設定された第1の方向及び第2の方向における所定のピッチに基づいて、スペーサをデッキプレート上に割り付けると共にスペーサの数量を算出するスペーサ割付部、をさらに備え、資材情報出力部は、スペーサ割付部により算出されたスペーサの数量の情報をさらに出力することとしてもよい。
【0031】
上記の形態によれば、デッキプレートの種類及び山上コンクリート厚さに基づいてスペーサの種類が自動的に決定される。また、デッキプレートの種類に対して設定されたスペーサの配置のピッチに基づいて、デッキプレート上にスペーサが自動的に割り付けられる。これにより、スペーサの種類及び割り付け位置並びに数量を容易に取得できる。
【0032】
別の形態に係る資材割付支援装置では、デッキプレートの荷重を支えるための資材である支保工を割付領域に割り付ける支保工割付部であって、デッキプレートの長手方向に沿って支保工を配する数である列数の入力を受け付け、一のデッキプレートに対して列数の支保工を長手方向に等間隔で割り付けると共に、列数にデッキプレートの数量を乗じて支保工の数量を算出する、支保工割付部、をさらに備え、資材情報出力部は、支保工割付部により算出された支保工の数量の情報をさらに出力することとしてもよい。
【0033】
上記の形態によれば、入力された支保工の列数に基づいて、デッキプレートに対して支保工が自動的に割り付けられると共に、支保工の数量が算出される。これにより、支保工の割り付け位置及び数量を容易に取得できる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の一側面によれば、合成スラブの設計において、デッキプレートの割り付けを容易にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本実施形態に係る資材割付支援装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図2】資材割付支援装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】デッキプレート情報の構成及び含まれているデータの例を示す図である。
【
図5】デッキプレート情報の構成及び含まれているデータの例を示す図である。
【
図6】デッキプレートの向きを指定する画面の例を示す図である。
【
図7】デッキプレートの割付領域の指定の画面の例を示す図である。
【
図8】デッキプレートの割り付けの処理の例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9(a)は、
図8に処理内容を例示されるデッキプレートの割り付けの例を示す図である。
図9(b)は、割付領域の半端部分に対する役物の割り付けの例を示す図である。
【
図10】デッキプレートの割り付けの処理の例を示すフローチャートである。
【
図11】
図10に処理内容を例示されるデッキプレートの割り付けの例を示す図である。
【
図12】デッキプレートの割り付けの処理の例を示すフローチャートである。
【
図13】
図12に処理内容を例示されるデッキプレートの割り付けの例を示す図である。
【
図14】デッキプレートの割り付けの処理の例を示すフローチャートである。
【
図15】
図14に処理内容を例示されるデッキプレートの割り付けの例を示す図である。
【
図16】デッキプレート割付情報を含む資材情報の例を示す図である。
【
図17】デッキプレート上のコンクリート領域の第1の方向(デッキプレートの長手方向)からみた断面図である。
【
図18】
図18(a)は、コンクリート領域における切欠き部を示す図である。
図18(b)は、切欠き部の指定入力の受け付けの例を示す図である。
【
図19】コンクリート領域及び鉄筋領域の上面図である。
【
図20】デッキプレート上に割り付けられるスペーサの側断面図である。
【
図21】
図21(a)は、列数が1である場合の支保工の割り付けの例を示す図である。
図21(b)は、列数が2である場合の支保工の割り付けの例を示す図である。
【
図23】資材割付支援装置において実施される資材割付支援方法の処理内容を示すフローチャートである。
【
図24】資材割付支援装置において実施される資材割付支援方法の処理内容を示すフローチャートである。
【
図25】資材割付支援プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0037】
図1は、本実施形態に係る資材割付支援装置の機能的構成を示す図である。資材割付支援装置1は、スラブに対する資材の割り付けを支援する図である。スラブに割り付けられる資材は、デッキプレート、コンクリート、鉄筋(ひび割れ拡大防止筋及び溝筋等)及びスペーサ等である。デッキプレートは、薄鋼板等からなり柱及び梁に囲まれたスラブのブロックに割り付けられる建築資材であって、コンクリート打込み時には型枠材として機能し、コンクリート硬化後には引張鉄筋として機能する。
【0038】
図1に示すように、資材割付支援装置1は、取得部11、種別受付部12、割付方向受付部13、割付領域受付部14、デッキプレート割付部15、コンクリート割付部16、コンクリート量算出部17、鉄筋割付部18、スペーサ割付部19、支保工割付部21及び資材情報出力部20を備える。また、資材割付支援装置1の各機能部11~21は、スラブ情報記憶部3、デッキプレート情報記憶部4、コンクリート種別情報記憶部5、鉄筋情報記憶部6及びスペーサ情報記憶部7と、ネットワークまたは所定の通信手段を介してアクセス可能に構成されている。
【0039】
本実施形態の資材割付支援装置1に含まれる各機能部11~21は、複数の装置に分散されて構成されてもよい。また、資材割付支援装置1に含まれる各機能部11~21は、ハードウェア及びソフトウェアのいずれか、または任意の組み合わせによって実現される。スラブ情報記憶部3、デッキプレート情報記憶部4、コンクリート種別情報記憶部5、鉄筋情報記憶部6及びスペーサ情報記憶部7は、資材割付支援装置1内に設けられてもよいし、別の装置に構成されてもよい。
【0040】
図2は、資材割付支援装置1のハードウェア構成図である。資材割付支援装置1は、物理的には、
図2に示すように、CPU101、RAM及びROMといったメモリにより構成される主記憶装置102、ハードディスク及びメモリ等で構成される補助記憶装置103、通信制御装置104などを含むコンピュータシステムとして構成されている。資材割付支援装置1は、入力デバイスであるキーボード、タッチパネル、マウス等の入力装置105及びディスプレイ等の出力装置106をさらに含むこととしてもよい。
【0041】
図1に示した各機能は、
図2に示すCPU101、主記憶装置102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信制御装置104等を動作させるとともに、主記憶装置102及び補助記憶装置103等におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶装置102及び補助記憶装置103内に格納される。
【0042】
再び
図1を参照して、資材割付支援装置1の機能部を説明する。取得部11は、予め設定された一区画のスラブを表すスラブ情報を取得する。具体的には、取得部11は、スラブ情報記憶部3からスラブ情報を取得する。スラブ情報は、スラブブロックの情報を含む。スラブブロックは、柱及び梁により外縁が構成され、外縁部及び外縁部に囲まれた領域とからなる。
【0043】
図3は、スラブブロックの上面図である。
図3に示すように、スラブブロックSBは、柱A及び梁Bのそれぞれにより、4角及び4辺を構成されている。スラブブロックSBには、後述されるように、デッキプレート、コンクリート、鉄筋等により合成スラブが構成される。
【0044】
種別受付部12は、スラブに割り付けるデッキプレートの種類を表す種別情報の指定を受け付ける。本実施形態では、デッキプレートの種別及び種別ごとの属性がデッキプレート情報記憶部4に記憶されているので、種別受付部12は、デッキプレート情報記憶部4に記憶されているデッキプレート情報における種別情報のいずれかの指定を受け付ける。
【0045】
図4は、デッキプレート情報記憶部4に記憶されているデッキプレート情報の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
図4に示されるように、デッキプレート情報は、デッキプレートの種別を示すタイプ名ごとに、標準品並びに役物である一山品及び幅調整板の断面形状及びサイズ、割り付けのための処理フローを示す割り付けフロー及びスパン上限を含む。
【0046】
デッキプレートは、短手方向に溝部と山部とが繰り返される断面形状を有している。標準品である二山品は、2つずつの溝部及び山部が連なる波状の断面を有し、役物の一種である一山品は、1つずつの溝部及び山部からなる波状の断面を有する。一山品の短手方向の幅は、二山品の幅の2分の1である。役物である幅調整板は、スラブブロックにおいて、デッキプレートの幅方向に沿う長さが、一山品の幅の長さに満たない半端な長さの領域に割り付けられる資材である。
【0047】
割り付けフローについては後に詳述されるが、例えばパターンAは、
図8に示されるフローチャートに相当し、パターンBは、
図10に示されるフローチャートに相当する。スパン上限は、割り付けられたデッキプレートの長手方向の長さ(スパン)の上限値を示す。
【0048】
図5は、デッキプレート情報記憶部4に記憶されているデッキプレート情報の構成及び記憶されているデータの例を示す図であって、デッキ上面がフラットに構成される、いわゆるフラットデッキのデッキプレート情報を示している。
図5に示されるように、デッキプレート情報は、デッキプレートの種別を示すタイプ名ごとに、標準品、役物(敷き始め調整品)及び幅調整板の断面形状及びサイズ、並びに割り付けのための処理フローを示す割り付けフロー及びスパン上限を含む。
図5に示される例では、タイプ5のフラットデッキは、役物の一種であって、サイズ(幅)の異なる2種類の敷き始め調整品(190mm、110mm)を含む。
【0049】
図5に示されるフラットデッキのデッキプレートの割付フローについては後に詳述されるが、例えばパターンCは、
図12に示されるフローチャートに相当し、パターンDは、
図14に示されるフローチャートに相当する。スパン上限は、割り付けられたデッキプレートの長手方向の長さ(スパン)の上限値を示す。
【0050】
再び
図1を参照して、割付方向受付部13は、スラブ情報により表されるスラブブロックに対してデッキプレートを割り付ける方向の指定を受け付ける。具体的には、割付方向受付部13は、デッキプレートの長手方向及び短手方向のそれぞれを沿わせる第1の方向及び第2の方向の指定を受け付ける。
【0051】
図6は、デッキプレートの割付方向の指定のための画面例を示す図である。本実施形態では、割付方向受付部13は、スラブ情報に基づいて表示されたスラブブロックSBに対する、予め設定された初期数量のデッキプレートを表すオブジェクトob1の配置入力を受け付けることにより、第1の方向及び前記第2の方向の指定を受け付ける。
図6に示される例においては、オブジェクトob1は、4枚のデッキプレートを表す。なお、オブジェクトob1には、種別受付部12により受け付けられたデッキプレートの種類に対応する種々の属性情報が関連付けられていてもよい。
【0052】
具体的には、
図6に示されるように、スラブブロックSBが表示された画面において、ユーザの入力操作に基づきオブジェクトob1が配置されると、割付方向受付部13は、オブジェクトob1に表されるデッキプレートの長手方向及び短手方向のそれぞれを、第1の方向dr1及び第2の方向dr2として受け付ける。このように、デッキプレートの割付方向が指定されるので、簡易な操作により割付方向を指定することが可能となる。
【0053】
再び
図1を参照して、割付領域受付部14は、スラブにおいてデッキプレートを割り付ける領域である割付領域の指定を受け付ける。
図7は、デッキプレートの割付領域の指定のための画面の例を示す図である。本実施形態では、割付領域受付部14は、スラブブロックSBに対して配置されたオブジェクトob1に対する拡大/縮小操作及び位置の変更操作を受け付けることにより、割付領域の指定を受け付ける。
【0054】
具体的には、スラブブロックSB及びオブジェクトob1が表示された画面において、ユーザの入力操作に基づきオブジェクトob1が拡大/縮小及び位置変更等されると、割付領域受付部14は、操作後のオブジェクトob2が締める領域を割付領域として受け付ける。
【0055】
再び
図1を参照して、デッキプレート割付部15は、割付方向受付部13により受け付けられたデッキプレートの方向に応じて、種別情報により表される種類のデッキプレートを、割付領域受付部14により受け付けられた割付領域に割り付ける。具体的には、デッキプレート割付部15は、長手方向の長さが割付領域の第1の方向dr1の長さであるデッキプレートを、割付領域の第2の方向dr2に沿って配列することにより、デッキプレートの割り付けを行う。
【0056】
図8は、デッキプレートの割り付けの処理の例を示すフローチャートである。
図9は、
図8のフローチャートに処理内容を例示されるデッキプレートの割り付けの例を示す図であって、
図9(a)は、第2の方向dr2に沿って配列されるデッキプレートdp1の例を示す図であり、
図9(b)は、割付領域の半端部分に対する役物の割り付けの例を示す図である。
【0057】
図8に示されるフローチャートは、
図4に示されるデッキプレート情報の割付フローのパターンAに相当する。即ち、
図8のフローチャートは、標準品(二山品)の幅(短手方向の長さ、第2の方向dr2の長さ)が600mmであって、役物(一山品)の幅が300mmであるデッキプレートの割り付けの処理を示す。
【0058】
図9(a)に示されるように、デッキプレート割付部15は、第2の方向dr2の長さL
wである割付領域に対してn枚の標準品(二山品)を割り付け、長さ
sL
w(n)の半端部分に対して役物を割り付ける。具体的には、デッキプレート割付部15は、割付領域の第2の方向dr2の長さをデッキプレート(標準品)の短手方向の幅で除した商をデッキプレートの数量nとして算出し、剰余に相当する領域(半端の領域)に一のデッキプレート及び調整用部材(一山品、調整板)の少なくともいずれか一つを割り付ける。
【0059】
図8に示されるように、ステップS31において、デッキプレート割付部15は、第2の方向dr2の長さL
wである割付領域に対して、第2の方向dr2に相当する割付方向に沿って、1枚目(n=1)の標準品(二山品、幅600mm)を割り付け、未割り付けの割付領域の長さ
sL
w(1)を算出する。
【0060】
ステップS32において、デッキプレート割付部15は、sLw(1)≦600(mm)であるか否かを判定する。即ち、デッキプレート割付部15は、未割り付けの割付領域の長さが、標準品の幅以下であるか否かを判定する。未割り付けの割付領域の長さが、標準品の幅以下であると判定された場合には、処理はステップS33に進む。一方、未割り付けの割付領域の長さが、標準品の幅以下であると判定されなかった場合には、処理はステップS31に戻り、nの値を1インクリメントさせる。このように、未割り付けの割付領域の長さが、標準品の幅以下であると判定されるまで、nの値をインクリメントさせながら、ステップS31及びステップS32の処理が繰り返される。そして、ステップS32において未割り付けの割付領域の長さが標準品の幅以下であると判定されたときのnの値が、標準品のデッキプレートの割り付けの数量として確定される。また、このときの未割り付けの割付領域の長さsLw(n)は、割付領域の第2の方向dr2の長さをデッキプレートの短手方向の幅で除したときの剰余に相当する。
【0061】
ステップS33において、デッキプレート割付部15は、500<sLw(n)≦600であるか否かを判定する。即ち、デッキプレート割付部15は、未割り付けの割付領域の長さが、500mmより大きく且つ600mm以下であるか否かを判定する。未割り付けの割付領域の長さが、500mmより大きいと判定された場合には、デッキプレート割付部15は、未割り付けの割付領域に対して、役物を割り付けずに、二山品を、n枚目の標準品(二山品)と一部を重ねて割り付けることを判定する。一方、未割り付けの割付領域の長さが、500mmより大きいと判定されなかった場合には、処理はステップS34に進む。
【0062】
ステップS34において、デッキプレート割付部15は、300<
sL
w(n)≦500であるか否かを判定する。即ち、デッキプレート割付部15は、未割り付けの割付領域の長さが、300mmより大きく且つ500mm以下であるか否かを判定する。未割り付けの割付領域の長さが、300mmより大きいと判定された場合には、デッキプレート割付部15は、未割り付けの割付領域に対して、役物(一山品+調整板)を割り付けることを判定する。
図9(b)は、割付領域の未割り付けの領域であった半端部分に対して、一山品及び幅調整板が割り付けられた例を示す図である。一方、未割り付けの割付領域の長さが、300mmより大きいと判定されなかった場合には、処理はステップS35に進む。
【0063】
ステップS35において、デッキプレート割付部15は、250<sLw(n)≦300であるか否かを判定する。即ち、デッキプレート割付部15は、未割り付けの割付領域の長さが、250mmより大きく且つ300mm以下であるか否かを判定する。未割り付けの割付領域の長さが、250mmより大きいと判定された場合には、デッキプレート割付部15は、未割り付けの割付領域に対して、役物(一山品)を割り付けることを判定する。一方、未割り付けの割付領域の長さが、250mmより大きいと判定されなかった場合には、処理はステップS36に進む。
【0064】
ステップS36において、デッキプレート割付部15は、0<sLw(n)≦250であるか否かを判定する。即ち、デッキプレート割付部15は、未割り付けの割付領域の長さが、0mmより大きく且つ250mm以下であるか否かを判定する。未割り付けの割付領域の長さが、0mmより大きいと判定された場合には、デッキプレート割付部15は、未割り付けの割付領域に対して、役物(幅調整板)を割り付けることを判定する。一方、未割り付けの割付領域の長さが、0mmより大きいと判定されなかった場合には、n枚の標準品の割り付けにより未割り付けの領域が発生していないことを意味するので、デッキプレート割付部15は、さらなる役物の割り付けを実施しないことを判定する。
【0065】
このように、デッキプレートの割り付けが実施されることにより、割付領域の第2の方向の長さ及びデッキプレートの幅に基づいて、デッキプレートの数量が容易に算出されると共に、調整用部材の要否及び適切な割り付けが実現される。
【0066】
また、デッキプレート割付部15は、デッキプレートの長手方向の長さを、割付領域の第1の方向dr1の長さに設定する。資材情報出力部20は、デッキプレート情報(
図4参照)におけるスパン上限(デッキプレートの長手方向の長さの上限)を参照して、設定されたデッキプレートの長手方向の長さが、デッキプレートの種別情報に関連付けられているスパン上限を超える場合に、警告を出力する。警告の出力の態様は限定されないが、例えば、割り付け不可能であることの表示、割付領域の再設定の要求等の態様にて出力される。これにより、不適切なデッキプレートの割り付けが防止される。
【0067】
図10は、デッキプレートの割り付けの処理の第2の例を示すフローチャートである。
図11は、
図10のフローチャートに処理内容を例示されるデッキプレートの割り付けの例を示す図であって、第2の方向dr2に沿って配列されるデッキプレートdp2の例を示す図である。
【0068】
図10に示されるフローチャートは、
図4に示されるデッキプレート情報の割付フローのパターンBに相当する。即ち、
図10のフローチャートは、標準品(二山品)の幅(短手方向の長さ、第2の方向dr2の長さ)が400mmであって、一山品が存在せず、幅調整板により半端領域を調整するデッキプレートの割り付けの処理を示す。
【0069】
図11に示されるように、デッキプレート割付部15は、第2の方向dr2の長さL
wである割付領域に対してn枚の標準品(二山品)を割り付け、長さ
sL
w(n)の半端部分に対して役物を割り付ける。具体的には、デッキプレート割付部15は、割付領域の第2の方向dr2の長さをデッキプレート(標準品)の短手方向の幅で除した商をデッキプレートの数量nとして算出し、剰余に相当する領域(半端の領域)に調整用部材(幅調整板)を割り付ける。
【0070】
図10に示されるように、ステップS41において、デッキプレート割付部15は、第2の方向dr2の長さL
wである割付領域に対して、第2の方向dr2に相当する割付方向に沿って、1枚目(n=1)の標準品(二山品、幅400mm)を割り付け、未割り付けの割付領域の長さ
sL
w(1)を算出する。
【0071】
ステップS42において、デッキプレート割付部15は、sLw(1)≦400(mm)であるか否かを判定する。即ち、デッキプレート割付部15は、未割り付けの割付領域の長さが、標準品の幅以下であるか否かを判定する。未割り付けの割付領域の長さが、標準品の幅以下であると判定された場合には、処理はステップS43に進む。一方、未割り付けの割付領域の長さが、標準品の幅以下であると判定されなかった場合には、処理はステップS41に戻り、nの値を1インクリメントさせる。このように、未割り付けの割付領域の長さが、標準品の幅以下であると判定されるまで、nの値をインクリメントさせながら、ステップS41及びステップS42の処理が繰り返される。そして、ステップS42において未割り付けの割付領域の長さが標準品の幅以下であると判定されたときのnの値が、標準品のデッキプレートの割り付けの数量として確定される。また、このときの未割り付けの割付領域の長さsLw(n)は、割付領域の第2の方向dr2の長さをデッキプレートの短手方向の幅で除したときの剰余に相当する。
【0072】
ステップS43において、デッキプレート割付部15は、250<sLw(n)≦400であるか否かを判定する。即ち、デッキプレート割付部15は、未割り付けの割付領域の長さが、250mmより大きく且つ400mm以下であるか否かを判定する。未割り付けの割付領域の長さが、250mmより大きいと判定された場合には、デッキプレート割付部15は、未割り付けの割付領域に対して、役物(両側調整板)を割り付けることを判定する。一方、未割り付けの割付領域の長さが、250mmより大きいと判定されなかった場合には、デッキプレート割付部15は、役物(片側調整板)を割り付けることを判定する。
【0073】
図12は、デッキプレートの割り付けの処理の第3の例を示すフローチャートである。
図13は、
図12のフローチャートに処理内容を例示されるデッキプレートの割り付けの例を示す図であって、第2の方向dr2に沿って配列されるデッキプレートdp3の例を示す図である。
【0074】
図12に示されるフローチャートは、
図5に示されるデッキプレート情報の割付フローのパターンCに相当する。即ち、
図12のフローチャートは、標準品の幅(短手方向の長さ、第2の方向dr2の長さ)が210mmであって、役物の一種である敷き始め調整品sb3及び敷き終わり調整板eb3により半端領域を調整するデッキプレートの割り付けの処理を示す。
【0075】
図13に示されるように、デッキプレート割付部15は、第2の方向dr2の長さL
wである割付領域に対して、190mmまたは110mmの幅を有する敷き始め調整品sb3、n枚の標準品を割り付け、長さ
sL
w(n)の半端部分に対して標準品及び敷き終わり調整板eb3を割り付ける。具体的には、デッキプレート割付部15は、割付領域の第2の方向dr2の長さをデッキプレート(標準品)の短手方向の幅で除した商をデッキプレートの数量nとして算出し、剰余に相当する領域(半端の領域)に調整用部材(役物、幅調整板)及び標準品を必要に応じて割り付ける。
【0076】
図12に示されるように、ステップS51において、デッキプレート割付部15は、第2の方向dr2の長さL
wである割付領域に対して、第2の方向dr2に相当する割付方向に沿って、幅190mmの敷き始め調整品sb3を仮に割り付けると共に、1枚目(n=1)の標準品(幅210mm)を割り付け、未割り付けの割付領域の長さ
sL
w(1)を算出する。
【0077】
ステップS52において、デッキプレート割付部15は、sLw(1)≦310(mm)であるか否かを判定する。未割り付けの割付領域の長さが、310mm以下であると判定された場合には、処理はステップS53に進む。一方、未割り付けの割付領域の長さが、310mm以下であると判定されなかった場合には、処理はステップS51に戻り、nの値を1インクリメントさせる。このように、未割り付けの割付領域の長さが、310mm以下であると判定されるまで、nの値をインクリメントさせながら、ステップS51及びステップS52の処理が繰り返される。そして、ステップS52において未割り付けの割付領域の長さが310mm以下であると判定されたときのnの値が、標準品のデッキプレートの仮の割り付けの数量として確定される。
【0078】
ステップS53において、デッキプレート割付部15は、230<sLw(n)≦310であるか否かを判定する。即ち、デッキプレート割付部15は、未割り付けの割付領域の長さが、230mmより大きく且つ310mm以下であるか否かを判定する。未割り付けの割付領域の長さが、230mmより大きいと判定された場合には、処理はステップS54に進む。一方、未割り付けの割付領域の長さが、230mmより大きいと判定されなかった場合には、処理はステップS55に進む。
【0079】
ステップS54において、デッキプレート割付部15は、幅190mmの敷き始め調整品sb3に代えて幅110mmの敷き始め調整品sb3を割り付けると共に、1枚の標準品を加えて割り付けた場合の未割り付けの割付領域の長さsLw(n)’を算出する。この結果、デッキプレート割付部15は、幅110mmの敷き始め調整品sb3、(n+1)枚の標準品、及び幅sLw(n)’の敷き終わり調整板eb3を割り付けることを判定する。
【0080】
ステップS55に処理が進められた場合には、未割り付けの割付領域の長さsLw(n)は、230mm以下である。この場合には、デッキプレート割付部15は、幅190mmの敷き始め調整品sb3、n枚の標準品、及び幅sLw(n)の敷き終わり調整板eb3を割り付けることを判定する。
【0081】
図14は、デッキプレートの割り付けの処理の第4の例を示すフローチャートである。
図15は、
図14のフローチャートに処理内容を例示されるデッキプレートの割り付けの例を示す図であって、第2の方向dr2に沿って配列されるデッキプレートdp4の例を示す図である。
【0082】
図14に示されるフローチャートは、
図5に示されるデッキプレート情報の割付フローのパターンDに相当する。即ち、
図14のフローチャートは、幅(短手方向の長さ、第2の方向dr2の長さ)が400mmの標準品を割り付けると共に、幅0~200mmの敷き始め調整板sb4及び幅100~240mmの敷き終わり調整板eb4により半端領域を調整するデッキプレートの割り付けの処理を示す。
【0083】
図15に示されるように、デッキプレート割付部15は、第2の方向dr2の長さL
wである割付領域に対して、n枚の標準品を割り付け、長さ
sL
w(n)の半端部分に対して敷き始め調整板sb4及び敷き終わり調整板eb4を割り付ける。具体的には、デッキプレート割付部15は、割付領域の第2の方向dr2の長さをデッキプレート(標準品)の短手方向の幅で除した商をデッキプレートの数量nとして算出し、剰余に相当する領域(半端の領域)に調整用部材(幅調整板)を割り付ける。
【0084】
図14に示されるように、ステップS61において、デッキプレート割付部15は、第2の方向dr2の長さL
wである割付領域に対して、第2の方向dr2に相当する割付方向に沿って、1枚目(n=1)の標準品(幅400mm)を割り付け、未割り付けの割付領域の長さ
sL
w(1)を算出する。
【0085】
ステップS62において、デッキプレート割付部15は、sLw(1)≦500(mm)であるか否かを判定する。未割り付けの割付領域の長さが、500mm以下であると判定された場合には、処理はステップS63に進む。一方、未割り付けの割付領域の長さが、500mm以下であると判定されなかった場合には、処理はステップS61に戻り、nの値を1インクリメントさせる。このように、未割り付けの割付領域の長さが、500mm以下であると判定されるまで、nの値をインクリメントさせながら、ステップS61及びステップS62の処理が繰り返される。そして、ステップS62において未割り付けの割付領域の長さが500mm以下であると判定されたときのnの値が、標準品のデッキプレートの仮の割り付けの数量として確定される。
【0086】
ステップS63において、デッキプレート割付部15は、sLw(n)=500であるか否かを判定する。即ち、デッキプレート割付部15は、未割り付けの割付領域の長さが、500mmであるか否かを判定する。未割り付けの割付領域の長さが、500mmであると判定されなかった場合には、処理はステップS64に進む。一方、未割り付けの割付領域の長さが、500mmであると判定された場合には、デッキプレート割付部15は、敷き始め調整板sb4を割り付けず、(n+1)枚の標準品、及び幅100mmの敷き終わり調整板eb4を割り付けることを判定する。
【0087】
ステップS64において、デッキプレート割付部15は、440≦sLw(n)<500であるか否かを判定する。未割り付けの割付領域の長さsLw(n)が、440mm以上且つ500mmより小さいと判定されなかった場合には、処理はステップS65に進む。一方、未割り付けの割付領域の長さsLw(n)が、440mm以上且つ500mmより小さいと判定された場合には、デッキプレート割付部15は、幅200mmの敷き始め調整板sb4、n枚の標準品、及び幅(sLw(n)-200)mmの敷き終わり調整板eb4を割り付けることを判定する。
【0088】
ステップS65において、デッキプレート割付部15は、100≦sLw(n)<440であるか否かを判定する。未割り付けの割付領域の長さsLw(n)が、100mm以上且つ440mmより小さいと判定されなかった場合には、処理はステップS66に進む。一方、未割り付けの割付領域の長さsLw(n)が、100mm以上且つ440mmより小さいと判定された場合には、デッキプレート割付部15は、幅((sLw(n)-100)/2)mmの敷き始め調整板sb4、n枚の標準品、及び幅((sLw(n)+100)/2)mmの敷き終わり調整板eb4を割り付けることを判定する。
【0089】
ステップS66に処理が進められた場合には、未割り付けの割付領域の長さsLw(n)は、100mmより小さい。この場合には、デッキプレート割付部15は、幅200mmの敷き始め調整板sb4、(n-1)枚の標準品、及び幅(sLw(n)-200)mmの敷き終わり調整板eb4を割り付けることを判定する。
【0090】
資材情報出力部20は、デッキプレート割付部15により割り付けられたデッキプレートの割付情報を含む資材情報を出力する。
図16は、デッキプレート割付情報を含む資材情報の例を示す図である。
【0091】
図16に示されるように、資材情報出力部20により出力された資材情報は、少なくともデッキプレート(二山品)の数量を含む。また、資材情報は、一山品及び幅調整板の数量、役物が割り付けられた半端領域の第2の方向dr2の長さに相当する残り幅、及び、割り付けられたデッキプレートの面積であるデッキ面積を含んでもよい。また、資材情報は、割付領域の第1の方向dr1の長さである長さ、及び、第2の方向dr2の長さである幅を含んでもよい。
【0092】
また、資材情報は、デッキプレートの種別の指定に基づき一意に定められる情報として、二山品の幅であるデッキ幅(二山品)、一山品の幅であるデッキ幅(一山品)、調整板幅、デッキ高さ、溝換算スラブ厚、スペーサ幅、スペーサ割付ピッチといった情報を含んでもよい。
【0093】
資材情報の出力の態様は限定されないが、資材情報出力部20は、例えば、資材情報をディスプレイ等の表示手段に表示させることにより資材情報を出力する。また、資材情報出力部20は、所定の記憶手段に資材情報を記憶させることにより資材情報を出力してもよい。また、資材情報出力部20は、他の端末等の装置に資材情報を送信することにより資材情報を出力してもよい。
【0094】
また、資材情報出力部20は、割り付けたデッキプレート等の資材を、スラブブロックSBと共に、3次元空間に配置及び描画してグラフィカルに表示してもよい。資材情報出力部20は、3次元空間に配置された各資材が互いに干渉する場合には、その旨を視覚的に表示してもよい。
【0095】
再び
図1を参照して、コンクリート割付部16は、デッキプレート割付部15により割り付けられたデッキプレートの少なくとも上面上の領域にコンクリート領域を割り付ける。
【0096】
コンクリート量算出部17は、デッキプレート割付部15により割り付けられたデッキプレートの上面面積及びデッキプレートの溝部分の容積並びに山上コンクリート厚さに基づいて、コンクリート領域に構成されるコンクリートスラブのコンクリート量を算出する。山上コンクリート厚さは、デッキプレートの山部分より上の部分のコンクリートスラブの厚さとして入力された値である。
【0097】
図17は、デッキプレート及びデッキプレート上のコンクリート領域の第1の方向(デッキプレートの長手方向)からみた断面図である。
図17に示されるように、コンクリート割付部16は、デッキプレートdpの上面上の領域にコンクリート領域crを割り付ける。
【0098】
また、
図17に示すように、コンクリート量算出部17は、デッキプレートの上面面積及びデッキプレートの溝部分の容積vg並びに山上コンクリート厚さhmに基づいて、割り付けられたコンクリート領域crのコンクリート量(体積)を算出する。デッキプレートの上面面積は、デッキプレートの割付領域の面積に相当し、割付領域受付部14により受け付けられた割付領域の情報に基づき算出可能であり、例えば、資材情報として出力される。デッキプレートの溝部分の容積は、いわゆる溝換算スラブ厚hgに関連して算出される。デッキプレートの溝部分の容積は、デッキプレートの種別及び割り付けられたデッキプレートの長さの合計に基づき算出可能である。従って、コンクリート量は、以下の式により算出可能である。
コンクリート量=(山上コンクリート厚さ+溝換算スラブ厚)×デッキプレート割付領域の面積
【0099】
このように、本実施形態では、割り付けられたデッキプレートの情報に基づいて、デッキプレートの上面上に対するコンクリート領域の割り付けが適切に実施される。また、割り付けられたデッキプレートに関する情報として取得可能な溝部分の容積及び入力された山上コンクリート厚さ並びにデッキプレートの上面面積に基づいて、コンクリート量が算出及び出力されるので、スラブに必要とされるコンクリートの体積を容易に認識できる。
【0100】
また、コンクリート領域は、デッキプレートの上面上を超えて、梁へのかかり代を含んでもよい。かかる場合には、コンクリート割付部16は、コンクリート領域を変更する変更入力を受け付け、変更入力に基づいてコンクリート領域を変更してもよい。具体的には、コンクリート割付部16は、画面に表示されたコンクリート領域に対して、梁へのかかり代を確保するために、コンクリート領域の頂点及び辺等を変更する入力操作を受け付けると、入力内容に応じてコンクリート領域を変更する。
【0101】
コンクリート量算出部17は、変更されたコンクリート領域に基づいて、コンクリート量を再計算する。
【0102】
このように、本実施形態では、例えば、デッキプレートの割付領域の外縁の外側の梁上部分に合成スラブのコンクリート領域を設けるために、コンクリート領域の変更入力が受け付けられ、変更されたコンクリート領域に基づいてコンクリート量が再計算及び出力される。これにより、コンクリート領域の変更に伴い変動したコンクリート量を容易に認識できる。
【0103】
図18を参照して、スラブの4角を規定する柱Aにより生じる切欠き部に基づくコンクリート領域の変更について説明する。
図18(a)は、コンクリート領域における切欠き部を示す図である。
図18(a)に示されるように、自動的に生成されたコンクリート領域crは、スラブの4角を規定する柱Aに起因して、コンクリートが充填されない切欠き部clを含む場合がある。かかる場合には、コンクリート割付部16は、コンクリート領域を変更する変更入力を受け付け、変更入力に基づいてコンクリート領域を変更してもよい。
【0104】
図18(b)は、切欠き部の指定入力の受け付けの例を示す図である。具体的には、コンクリート割付部16は、画面に表示されたコンクリート領域crに対して、切欠き部clの角を指定するためのポインタptのドラッグ操作を受け付けると、切欠き部clの、第1の方向dr1及び第2の方向dr2のそれぞれに沿う長さX1及び長さY1を取得する。コンクリート割付部16は、コンクリート領域を、切欠き部clを除いた領域に変更する。
【0105】
また、コンクリート算出部17は、切欠き部clに相当する容積(長さX1×長さY1×コンクリートスラブの厚さd)を、予め算出されたコンクリート量から減じることにより、変更後のコンクリート領域のコンクリート量を算出(再計算)する。
【0106】
このように、本実施形態では、デッキプレートの割付領域の4角の柱により生じるコンクリート領域の切欠き部を指定するための変更入力が受け付けられ、減じられたコンクリート領域に基づいてコンクリート量が再計算及び出力される。これにより、切欠き部の部分のコンクリート領域の減少に伴い変動したコンクリート量を容易に認識できる。
【0107】
また、コンクリート量算出部17は、コンクリート領域に用いられるコンクリートの密度及びコンクリートの体積に基づいて、コンクリート領域に構成されるコンクリートスラブの重量を算出してもよい。
【0108】
コンクリート量算出部17は、コンクリートの種別ごとの密度を含むコンクリート情報を参照して、コンクリート領域に用いられるコンクリートの密度を取得する。コンクリート種別情報記憶部5は、コンクリートに関するコンクリート情報を記憶している記憶手段である。コンクリート情報は、少なくともコンクリートの種別ごとの密度を含む。
【0109】
コンクリート量算出部17は、コンクリートの種別を示すコンクリート種別情報の入力を受け付けて、受け付けたコンクリート種別情報に基づいて、コンクリートの密度を取得する。
【0110】
資材情報出力部20は、コンクリート量の情報であるコンクリート量情報を資材情報として出力する。コンクリート量情報は、コンクリート領域におけるコンクリートの体積及び重量を含むことができる。
【0111】
このように、本実施形態では、算出されたコンクリートの体積及び取得されたコンクリートの密度に基づいて、合成スラブにおけるコンクリートの重量が算出及び出力される。これにより、一区画の合成スラブであるスラブブロックSBに要するコンクリートの重量を容易に認識できる。
【0112】
再び
図1を参照して、鉄筋割付部18は、コンクリート領域に対して、格子状に鉄筋を配する領域である鉄筋領域を割り付ける。具体的には、鉄筋割付部18は、コンクリート領域の上面の形状及び面積に基づいて鉄筋領域を割り付ける。本実施形態では、鉄筋割付部18は、コンクリートのひび割れを防止するためのひび割れ拡大防止筋として、鉄筋領域をコンクリート領域に割り付ける。
【0113】
図19は、コンクリート領域及び割り付けられた鉄筋領域の例を示す上面図である。
図19に示すように、鉄筋割付部18は、例えば、コンクリート領域crの外縁部から所定のマージンをとった内側の矩形領域に鉄筋領域mrを割り付ける。外縁部からのマージンは、例えば30mm程度に設定されるが、その長さは限定されない。
【0114】
また、鉄筋割付部18は、格子状に配される鉄筋に関して予め設定された第1の方向dr1及び第2の方向dr2における所定のピッチに基づいて、鉄筋領域mrに配される鉄筋の長さ及び本数を算出する。
【0115】
鉄筋情報記憶部6は、鉄筋に関する種々の属性情報を記憶している記憶手段であって、少なくとも、鉄筋領域に配される鉄筋のピッチの情報を含む鉄筋情報を記憶している。鉄筋領域に配される鉄筋のピッチは、特定の値に限定されないが、例えば100mmまたは150mmに設定される。
【0116】
鉄筋割付部18は、上面矩形状を呈する鉄筋領域mrの第1の方向dr1及び第2の方向dr2に沿う辺の長さを、各方向に対して予め設定された鉄筋のピッチで除することにより、各方向に配列される鉄筋の本数を算出する。そして、鉄筋割付部18は、鉄筋領域mrの第2の方向dr2及び第1の方向dr1のそれぞれに沿う各辺の長さに、第1の方向dr1及び第2の方向dr2のそれぞれに沿って配列される鉄筋の本数を乗じることにより、鉄筋領域mrに配される鉄筋の長さを算出できる。
【0117】
このように、本実施形態では、割り付けられたコンクリート領域crに基づいて鉄筋領域mrが割り付けられるので、鉄筋領域mrの適切な割り付けが実現されると共に、鉄筋領域mrの上面面積が取得される。そして、鉄筋領域mrの四辺の長さ及び上面面積と、格子状に配される鉄筋に関する所定の配置ピッチとに基づいて、鉄筋領域mrに配される鉄筋の長さ及び本数が算出及び出力される。これにより、合成スラブに要する鉄筋の長さ及び本数を容易に認識できる。
【0118】
また、鉄筋割付部18は、デッキプレートの溝に沿って配される鉄筋である溝筋の長さ及び本数を、デッキプレート割付情報に基づいて更に算出してもよい。具体的には、鉄筋割付部18は、デッキプレート割付部15により割り付けられたデッキプレート情報に基づいて取得可能なデッキプレートの枚数及び溝部分の長さに基づいて、溝筋の本数及び長さを算出できる。このように、本実施形態では、デッキプレート割付情報に基づいて、溝筋の長さ及び本数が容易に認識される。
【0119】
資材情報出力部20は、鉄筋割付部18により割り付けられた鉄筋領域mrに関する情報、即ち、鉄筋の長さ及び本数の情報を資材情報として出力できる。また、資材情報出力部20は、鉄筋割付部18により算出された溝筋の長さ及び本数の情報を資材情報としてさらに出力できる。
【0120】
スペーサ割付部19は、デッキプレートの種類ごとに予め設定された所定のピッチに基づいて、スペーサをデッキプレート上に割り付ける。
図20は、デッキプレート上に割り付けられるスペーサの側断面図である。
図20に示されるように、スペーサspは、ひび割れ拡大防止筋としてコンクリート領域crに割り付けられる鉄筋mwを、デッキプレートdpの山部分から上方に離間させて設けるための資材である。
【0121】
スペーサ割付部19は、割り付けるスペーサの種類を決定する。スペーサ情報記憶部7は、スペーサの種類ごとに、少なくとも高さを含む種々のスペーサの属性を記憶している記憶手段である。スペーサ割付部19は、スペーサ情報記憶部7を参照してスペーサの種類を決定する。
【0122】
ひび割れ拡大防止筋としての鉄筋mwは、コンクリート領域crの上面から所定のかぶり厚さctをとった高さに配されるべきことが定められているので、スペーサ割付部19は、入力及び設定された山上コンクリート厚さhmから所定のかぶり厚さを減じることにより、必要とされるスペーサspのスペーサ高さhsを算出し、算出されたスペーサ高さhsに基づいて、割り付けるスペーサspの種類を決定する。
【0123】
また、スペーサ割付部19は、デッキプレートの種類ごとに予め設定された第1の方向dr1及び第2の方向dr2における所定のスペーサのピッチに基づいて、決定された種類のスペーサを、割り付けられたデッキプレート状に割り付ける。スペーサに関する所定のピッチは、特定の値に限定されないが、例えば、1000mm(第1の方向dr1)×900mm(第2の方向dr2)のピッチで、格子点を構成するように割り付けることが規定されている。
【0124】
また、スペーサ割付部19は、割り付けられたスペーサspに基づいて、一区画のスラブブロックSBには割り付けられたスペーサspの数量を算出する。資材情報出力部20は、スペーサ割付部19により算出されたスペーサspの数量の情報を、資材情報として更に出力する。
【0125】
資材情報出力部20は、デッキプレートの割付情報、コンクリート量情報、鉄筋領域に割り付けられた鉄筋に関する情報、割り付けられたスペーサに関する情報及び溝筋に関する情報を含む資材情報を出力する。
【0126】
支保工割付部21は、デッキプレートの荷重を支えるための資材である支保工を割付領域に割り付ける。
図21は、支保工の割り付けの例を示す図である。支保工割付部21は、例えば、入力装置を介して、支保工を割り付ける割付領域の指定、支保工の列数の指定を受け付ける。支保工の列数は、デッキプレートの長手方向に沿って支保工を配する数である。
【0127】
支保工割付部21は、列数をnとし、デッキプレートのスパン(梁内法スパン)をLとすると、列間のピッチL/(n+1)を算出する。そして、支保工割付部21は、指定された列数の支保工をデッキプレートの長手方向に、算出されたピッチにより等間隔で割り付ける。
【0128】
図21(a)は、列数が1である場合の支保工の割り付けの例を示す図である。
図21(a)に示されるように、支保工割付部21は、スパンLのデッキプレートに対して、ピッチ(L/2)により等間隔で支保工sw1を割り付ける。
図21(b)は、列数が2である場合の支保工の割り付けの例を示す図である。
図21(b)に示されるように、支保工割付部21は、スパンLのデッキプレートに対して、ピッチ(L/3)により等間隔で支保工sw2を割り付ける。
【0129】
さらに、支保工割付部21は、資材情報に含めるために、列数に、支保工を割り付けるデッキプレートの数量を乗じて、支保工の数量を算出してもよい。また、支保工の鉛直方向の高さHがさらに受け付けられた場合には、支保工割付部21は、支保工の高さHを、支保工に関する資材情報に含めてもよい。資材情報出力部20は、支保工割付部21により算出された支保工の数量の情報等を資材情報としてさらに出力してもよい。
【0130】
このように、本実施形態では、入力された支保工の列数に基づいて、デッキプレートに対して支保工が自動的に割り付けられると共に、支保工の数量が算出される。これにより、支保工の割り付け位置及び数量を容易に取得できる。
【0131】
図22は、出力される資材情報の例を示す図である。
図22に示されるように、出力される資材情報は、
図16に示されたデッキプレートの割付情報の他、コンクリート領域の長さ及び幅、コンクリート領域の面積、デッキプレート上のコンクリート量(コンクリート量(デッキ))、拡大されたコンクリート領域全体のコンクリート量(コンクリート量(全体))等の情報をコンクリート量情報として含んでもよい。
【0132】
また、資材情報は、ひび割れ拡大防止筋としての鉄筋が割り付けられる鉄筋領域のデッキプレート上の面積(メッシュ面積(デッキ上))、鉄筋領域の全体の面積(メッシュ面積(全体))等の情報を鉄筋に関する情報として含んでもよい。鉄筋の長さ及び本数は、メッシュ面積及び鉄筋の割付のピッチに基づいて一意に算出される。
【0133】
また、資材情報は、割り付けられたスペーサspの数量の情報(スペーサ個数)、スペーサの幅、スペーサの高さ、スペーサの割付ピッチ等の情報をスペーサに関する情報として含んでもよい。また、資材情報は、溝筋の長さ及び本数の情報を含んでもよい。
【0134】
また、資材情報は、図示されていないが、割り付けられた支保工の数量の情報、支保工の高さ、列数等の支保工情報を含んでもよい。
【0135】
次に、
図23を参照して、本実施形態の資材割付支援装置の動作について説明する。
図23は、資材割付支援装置1において実施される資材割付支援方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0136】
ステップS1において、取得部11は、予め設定された一区画のスラブを表すスラブ情報を取得する。ステップS2において、種別受付部12は、スラブに割り付けるデッキプレートの種類を表す種別情報の指定を受け付ける。
【0137】
ステップS3において、割付方向受付部13は、スラブ情報により表されるスラブブロックに対してデッキプレートを割り付ける方向の指定を受け付ける。具体的には、割付方向受付部13は、予め設定された初期数量のデッキプレートを表すオブジェクトob1の配置入力を受け付けることにより、デッキプレートの長手方向及び短手方向のそれぞれを沿わせる第1の方向及び第2の方向の指定を受け付ける。
【0138】
ステップS4において、割付領域受付部14は、スラブにおいてデッキプレートを割り付ける領域である割付領域の指定を受け付ける。具体的には、割付領域受付部14は、スラブブロックSBに対して配置されたオブジェクトob1に対する拡大/縮小操作及び位置の変更操作を受け付けることにより、割付領域の指定を受け付ける。
【0139】
ステップS5において、デッキプレート割付部15は、割付方向受付部13により受け付けられたデッキプレートの方向に応じて、種別情報により表される種類のデッキプレートを、割付領域受付部14により受け付けられた割付領域に割り付ける。
【0140】
ステップS6において、資材情報出力部20は、デッキプレート割付部15により割り付けられたデッキプレートの割付情報を含む資材情報を出力する。
【0141】
次に、
図24を参照して、本実施形態の資材割付支援装置の動作の第2の例について説明する。
図24は、資材割付支援装置1において実施される資材割付支援方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0142】
ステップS11~ステップS15における処理内容は、
図23に示されるフローチャートのステップS1~ステップS5における処理内容と同様であるので、ステップS11~ステップS15の処理の説明を省略する。
【0143】
ステップS21において、コンクリート割付部16は、デッキプレートの上面上の領域にコンクリート領域を割り付ける。ステップS22において、コンクリート量算出部17は、ステップS21において割り付けられたコンクリート領域に基づいて、コンクリート量(体積及び/又は重量)を算出する。また、コンクリート割付部16により、変更入力に基づいてコンクリート領域が変更された場合には、コンクリート量算出部17は、変更後のコンクリート領域に基づいて、コンクリート量を再算出する。
【0144】
ステップS23において、鉄筋割付部18は、コンクリート領域の上面の形状及び面積に基づいてひび割れ拡大防止筋を構成する鉄筋に関する鉄筋領域を割り付ける。
【0145】
ステップS24において、スペーサ割付部19は、デッキプレートの種類ごとに予め設定された所定のピッチに基づいて、スペーサをデッキプレート上に割り付ける。
【0146】
ステップS25において、支保工割付部21は、支保工の列数の指定等に基づいて、デッキプレートに対して支保工を割り付ける。
【0147】
ステップS26において、資材情報出力部20は、デッキプレートの割付情報、コンクリート量情報、鉄筋領域に割り付けられた鉄筋に関する情報、割り付けられたスペーサに関する情報、支保工情報を含む資材情報を出力する。
【0148】
次に、
図25を参照して、コンピュータを資材割付支援装置として機能させるための資材割付支援プログラムを説明する。資材割付支援プログラムP1は、メインモジュールm10、取得モジュールm11、種別受付モジュールm12、割付方向受付モジュールm13、割付領域受付モジュールm14、デッキプレート割付モジュールm15、コンクリート割付モジュールm16、コンクリート量算出モジュールm17、鉄筋割付モジュールm18、スペーサ割付モジュールm19、支保工割付モジュールm21及び資材情報出力モジュールm20を含む。
【0149】
メインモジュールm10は、資材割付支援処理を統括的に制御する部分である。取得モジュールm11、種別受付モジュールm12、割付方向受付モジュールm13、割付領域受付モジュールm14、デッキプレート割付モジュールm15、コンクリート割付モジュールm16、コンクリート量算出モジュールm17、鉄筋割付モジュールm18、スペーサ割付モジュールm19、支保工割付モジュールm21及び資材情報出力モジュールm20を実行することにより実現される機能はそれぞれ、
図1に示される資材割付支援装置1の取得部11、種別受付部12、割付方向受付部13、割付領域受付部14、デッキプレート割付部15、コンクリート割付部16、コンクリート量算出部17、鉄筋割付部18、スペーサ割付部19、支保工割付部21及び資材情報出力部20の機能と同様である。
【0150】
資材割付支援プログラムP1は、例えば、磁気ディスクや光ディスクまたは半導体メモリ等の記憶媒体M1によって提供される。また、資材割付支援プログラムP1は、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0151】
以上説明した本実施形態の資材割付支援装置1、資材割付支援方法及び資材割付支援プログラムP1によれば、指定されたデッキプレートの方向に応じて、指定された種別情報により表される種類のデッキプレートが、スラブ情報により表されるスラブに対して指定された割付領域に自動的に割り付けられるので、デッキプレートの割り付けが容易となる。これにより、割付領域へデッキプレートの納まりの確認及び他の部材との干渉の確認等が容易となる。また、割り付けられたデッキプレートの幅と、割付領域におけるデッキプレートの幅方向の長さとに基づいて算出されたデッキプレートの数量が出力されるので、スラブに必要とされるデッキプレートの数量が容易に認識できる。
【0152】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0153】
1…資材割付支援装置、3…スラブ情報記憶部、4…デッキプレート情報記憶部、5…コンクリート種別情報記憶部、6…鉄筋情報記憶部、7…スペーサ情報記憶部、11…取得部、12…種別受付部、13…割付方向受付部、14…割付領域受付部、15…デッキプレート割付部、16…コンクリート割付部、17…コンクリート量算出部、18…鉄筋割付部、19…スペーサ割付部、20…資材情報出力部、21…支保工割付部、M1…記憶媒体、m10…メインモジュール、m11…取得モジュール、m12…種別受付モジュール、m13…割付方向受付モジュール、m14…割付領域受付モジュール、m15…デッキプレート割付モジュール、m16…コンクリート割付モジュール、m17…コンクリート量算出モジュール、m18…鉄筋割付モジュール、m19…スペーサ割付モジュール、m20…資材情報出力モジュール、m21…支保工割付モジュール、P1…資材割付支援プログラム。