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特許7499618無線バッテリー管理システムと無線通信のためのノード及びデータ伝送方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】無線バッテリー管理システムと無線通信のためのノード及びデータ伝送方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20240607BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20240607BHJP
   H04W 40/12 20090101ALI20240607BHJP
   H04W 40/22 20090101ALI20240607BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20240607BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W4/38
H04W40/12
H04W40/22
H04W84/10 110
H01M10/48 P
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020103252
(22)【出願日】2020-06-15
(65)【公開番号】P2020205587
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0071727
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0056264
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517232084
【氏名又は名称】エルエックス セミコン カンパニー, リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホン ジュ ピョ
(72)【発明者】
【氏名】チョ キ スク
(72)【発明者】
【氏名】リ フン リョル
(72)【発明者】
【氏名】キム キュ ホ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ スン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム トク ス
(72)【発明者】
【氏名】ソン ヨン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】リ ヒ ジン
(72)【発明者】
【氏名】セオ ユン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョン チャン
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/155064(WO,A1)
【文献】特開2006-345414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
H01M10/48
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信に基づく主チャネルと副チャネルを運営し、モニターノードからバッテリーデータを獲得するマネージャーノードと、
バッテリーモジュールと連結され、前記バッテリーモジュールの電圧、電流、温度、及び自己診断データのうちの一つ以上を含むバッテリーデータを収集するモニターノードとを含
前記マネージャーノードは、複数のタイムスロットを含むデータフレームの中で前記マネージャーノードに割り当てられたマネージャースロットの間に、同期化のためのビーコンを前記主チャネル及び前記副チャネルを用いて前記モニターノードに伝送するとともに、前記モニターノードの制御のための制御命令を前記モニターノードに伝送し、
前記モニターノードは、前記主チャネルの前記ビーコン及び前記副チャネルの前記ビーコンをチェックし、前記主チャネルの前記ビーコン及び前記副チャネルの前記ビーコンが所定時間の間受信されない場合、周辺の他のモニターノードに前記バッテリーデータをブロードキャストする、
バッテリー管理システム。
【請求項2】
前記バッテリー管理システムは、前記モニターノードにブロードキャスされた前記バッテリーデータを受信し、前記マネージャーノードに伝送する中継ノードをさらに含む、請求項1に記載のバッテリー管理システム。
【請求項3】
前記マネージャーノードは、各モニターノードの受信信号強度を測定し、前記受信信号強度の大きさが所定の順位内に含まれるモニターノードを前記中継ノードとして選定する、請求項2に記載のバッテリー管理システム。
【請求項4】
前記マネージャーノードは、前記受信信号強度の大きさ順に各中継ノードの優先順位を付与し、
前記中継ノードは、自分の優先順位より高い順位を有する他の中継ノードで前記バッテリーデータの伝送に失敗すれば、前記バッテリーデータを前記マネージャーノードに伝送する、請求項3に記載のバッテリー管理システム。
【請求項5】
前記モニターノードは、前記主チャネル又は前記副チャネルを用いて前記バッテリーデータを前記マネージャーノードに伝送する際に、前記データフレームの中で前記モニターノードに割り当てられた専用伝送スロットの間に前記バッテリーデータを前記マネージャーノードに伝送し、前記バッテリーデータをブロードキャスする場合、前記データフレームのルーティングスロットの全区間で前記モニターノードが排他的に利用可能な時点に前記バッテリーデータをブロードキャスする、請求項2に記載のバッテリー管理システム。
【請求項6】
前記マネージャーノードは、予備主チャネルの識別情報と予備副チャネルの識別情報を含むチャネル変更データを各ノードにブロードキャスし、
前記中継ノード及び前記モニターノードのそれぞれは、前記チャネル変更データに基づいて前記主チャネルと前記副チャネルを変更して前記マネージャーノードと通信する、請求項に記載のバッテリー管理システム。
【請求項7】
バッテリーデータを収集する複数のモニターノードのそれぞれと第1周波数に基づく主チャネルを形成する第1無線通信部であって、前記モニターノードはバッテリーモジュールと連結される、第1無線通信部と、
前記複数のモニターノードのそれぞれと第2周波数に基づく副チャネルを形成する第2無線通信部と、
前記第1無線通信部を用いて各モニターノードからバッテリーデータを受信し、前記第1無線通信部を用いる通信が不可な第1モニターノードが存在すれば、前記第1モニターノードのバッテリーデータを前記第2無線通信部を用いて受信し、前記第1無線通信部と前記第2無線通信部を用いる通信が不可な第2モニターノードが存在すれば、前記第1無線通信部又は前記第2無線通信部を用いて中継ノードとして選定された第3モニターノードと通信し、前記第2モニターノードのバッテリーデータを前記第3モニターノードから受信するマネージャー制御部とを含
前記マネージャーノードは、複数のタイムスロットを含むデータフレームの中で前記マネージャーノードに割り当てられたマネージャースロットの間に、同期化のためのビーコンを前記主チャネル及び前記副チャネルを用いて前記第1モニターノード又は前記第2モニターノードに伝送するとともに、前記第1モニターノード又は前記第2モニターノードの制御のための制御命令を前記第1モニターノード又は前記第2モニターノードに伝送し、
前記第1モニターノード又は前記第2モニターノードは、前記主チャネルの前記ビーコン及び前記副チャネルの前記ビーコンをチェックし、前記主チャネルの前記ビーコン及び前記副チャネルの前記ビーコンが所定時間の間受信されない場合、前記第3モニターノードに前記バッテリーデータをブロードキャストする、
マネージャーノード。
【請求項8】
前記マネージャー制御部は、
前記第1無線通信部又は前記第2無線通信部を用いて各モニターノードの受信信号強度を測定し、前記受信信号強度の大きさが所定の順位内に含まれるモニターノードを前記中継ノードとして選定する、請求項7に記載のマネージャーノード。
【請求項9】
前記マネージャー制御部は、
前記主チャネルの通信品質をモニタリングし、モニタリングの結果、前記通信品質が劣化すれば、予備主チャネルの識別情報と予備副チャネルの識別情報を含むチャネル変更データをそれぞれのモニターノードにブロードキャスし、前記第1無線通信部の前記第1周波数を前記予備主チャネルの周波数に変更し、前記第2無線通信部の前記第2周波数を前記予備副チャネルの周波数に変更する、請求項7に記載のマネージャーノード。
【請求項10】
前記マネージャー制御部は、
前記第1周波数のエネルギーレベルを測定して前記主チャネルのエネルギー検出結果値を確認し、前記主チャネルで発生するフレームのプリアンブルを測定してフレーム測定結果値を確認し、各モニターノードからACKが受信されない回数を示す未受信回数を確認した後、前記エネルギー検出結果値、前記フレーム測定結果値、前記未受信回数のそれぞれに加重値を適用してから合算し、前記主チャネルの劣化度を計算し、前記劣化度が事前に設定された正常範囲を離脱した場合、前記主チャネルの通信品質が劣化したと判断する、請求項9に記載のマネージャーノード。
【請求項11】
前記マネージャー制御部は、
前記主チャネル以外のチャネルを検索し、各チャネルの中で、フレームのプリアンブルが検出されなく、チャネルで用いる周波数のエネルギーレベルが最も低いチャネルを前記予備主チャネルとして選定し、前記予備主チャネルと所定の離隔周波数だけ離隔するチャネルの中で、フレームのプリアンブルが検出されないか周波数のエネルギーレベルが最小であるチャネルを前記予備副チャネルとして選定する、請求項9に記載のマネージャーノード。
【請求項12】
周波数変更によって主チャネル又は副チャネルの中でいずれか一つに設定されてモニターノードと通信する無線通信部と、
バッテリーモジュールと連結されるインターフェースと、
前記インターフェースを用いて前記バッテリーモジュールの電圧、電流、温度及び自己診断データのうちの一つ以上を含むバッテリーデータを収集し、前記主チャネルの前記ビーコン及び前記副チャネルの前記ビーコンをチェックし、前記主チャネルの前記ビーコン及び前記副チャネルの前記ビーコンが前記無線通信部を通じて所定時間の間受信されない場合、周辺の他のモニターノードに前記バッテリーデータをブロードキャストする、
前記バッテリーモジュールに連結されたモニターノード。
【請求項13】
前記モニター制御部は、
前記無線通信部で設定した前記主チャネルを用いて前記バッテリーデータを前記マネージャーノードに伝送した後に前記マネージャーノードのACKが受信されなく、前記無線通信部で設定した前記副チャネルを用いて前記バッテリーデータを前記マネージャーノードに伝送した後に前記マネージャーノードのACKが受信されない場合、前記周辺の他のモニターノードに前記バッテリーデータをブロードキャスする、請求項12に記載のモニターノード。
【請求項14】
前記無線通信部は、前記マネージャーノードからチャネル変更データを受信し、
前記モニター制御部は、前記チャネル変更データに含まれた予備主チャネルの識別情報に対応して前記無線通信部の主チャネルを変更し、前記チャネル変更データに含まれた予備副チャネルの識別情報に対応して前記無線通信部の副チャネルを変更する、請求項12に記載のモニターノード。
【請求項15】
バッテリーモジュールに連結されたモニターノードにより実行されるデータ伝送方法であって、
バッテリーモジュールの電圧、電流、温度、及び自己診断データの中で一つ以上を含むバッテリーデータを収集する段階と、
前記主チャネルの前記ビーコン及び前記副チャネルの前記ビーコンをチェックする段階と、
前記主チャネルの前記ビーコン及び前記副チャネルの前記ビーコンが所定時間の間受信されないことへの反応として、周辺の他のモニターノードに前記バッテリーデータをブロードキャストする、
データ伝送方法。
【請求項16】
複数の他のノードが前記中継ノードとして選定され、前記複数の他のノードに中継優先順位が割り当てられ
高い優先順位から低い優先順位へと優先順位が下がる順に、該当する他のノードから前記マネージャーノードへと、前記バッテリーデータが順々に伝送される、請求項15に記載のデータ伝送方法。
【請求項17】
前記中継ノードとして選定された他のノードは、自分より高い中継優先順位を有する他のノードで前記バッテリーデータの伝送に失敗する場合、前記バッテリーデータを前記マネージャーノードに伝送する、請求項16に記載のデータ伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線バッテリー管理システムに関するものであり、より詳しくは無線通信を介してバッテリーデータを獲得するときに安全性を保障する無線バッテリー管理システムと無線通信のためのノード及びデータ伝送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノートブック型パソコン、ビデオカメラ、携帯電話などの携帯用電子製品の需要が急激に増大し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれて、繰り返し充放電の可能な高性能バッテリーに対する研究が活発に行われている。
【0003】
バッテリーの最小単位はバッテリーセルと呼ばれ、多数が直列で連結されたバッテリーセルはバッテリーモジュールを構成することができる。また、多数のバッテリーモジュールが直列又は並列で連結されることによってバッテリーパックを構成することができる。
【0004】
電気自動車などに搭載されるバッテリーパックは互いに直列又は並列で連結される複数のバッテリーモジュールを含むことが一般的である。このようなバッテリーパックは、これに含まれたそれぞれのバッテリーモジュールの状態をモニタリングし、モニタリングした状態に対応する制御動作を行うバッテリー管理システム(Battery Management System)を含む。
【0005】
前記バッテリー管理システムは、バッテリーデータを獲得して分析するためのコントローラー(controller)を備える。ところで、バッテリーパックに含まれるそれぞれのバッテリーモジュールは多数のバッテリーセルを含んでいるから、単一コントローラーを用いてバッテリーパックに含まれた全てのバッテリーセルの状態をモニタリングするのには限界がある。よって、最近では、コントローラーのロードを分散し、全体バッテリーパックの状態を迅速で正確にモニタリングするために、バッテリーパックに含まれる所定数のバッテリーモジュールごとにコントローラーを装着した後、コントローラーの中でいずれか一つをマスター(master)に設定し、他のコントローラーをスレーブ(slave)に設定する方式が活用されている。
【0006】
所定数のバッテリーモジュールごとに装着されるスレーブコントローラーは、CAN(Control Area Network)のような有線通信網を介してマスターコントローラーに接続し、自分が担当するバッテリーモジュールのバッテリーデータを収集し、前記バッテリーデータをマスターコントローラーに伝送する。
【0007】
一方、マスターコントローラーとスレーブコントローラーとの間の通信のためにCANを構築する場合に発生する空間の非効率性を防止するために、マスターコントローラーとスレーブコントローラーとの間に近距離無線チャネルを設定し、無線チャネルを介してマスターコントローラーとスレーブコントローラーとの間に近距離無線通信を行う技術が台頭した。
【0008】
ところで、近距離無線通信環境では、干渉、無線信号劣化、無線信号衝突などのように無線通信が不安定な場合が頻繁に発生する。このように無線通信チャネルの状態が不安定な場合、マスターコントローラーはスレーブコントローラーからバッテリーデータを獲得することができないかスレーブコントローラーを適時に制御することができない状況が発生し、これは全体バッテリーパックの品質を低下させる問題点として作用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上述した問題点を解決するためのものであり、無線通信環境でマスターに設定された管理者ノードとスレーブに設定されたモニターノードとの間に安定的な通信を支援する無線バッテリー管理システムと無線通信のためのノード及びデータ伝送方法を提供することをその技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によるバッテリー管理システムは、無線通信に基づく主チャネルと副チャネルを運営し、前記主チャネル又は前記副チャネルを用いてモニターノードからバッテリーデータを獲得するマネージャーノードと、バッテリーモジュールと連結され、前記バッテリーモジュールの電圧、電流、温度、及び自己診断データのうちの一つ以上を含むバッテリーデータを収集し、前記収集したバッテリーデータを前記主チャネルを介して前記マネージャーノードに伝送し、前記主チャネルを介してのバッテリーデータ伝送に失敗すれば、前記副チャネルを介して前記バッテリーデータを前記マネージャーノードに伝送するモニターノードとを含む。
【0011】
本発明の他の側面によるマネージャーノードは、バッテリーデータを収集する複数のモニターノードのそれぞれと第1周波数に基づく主チャネルを形成する第1無線通信部と、前記複数のモニターノードのそれぞれと第2周波数に基づく副チャネルを形成する第2無線通信部と、前記第1無線通信部を用いて各モニターノードからバッテリーデータを受信し、前記第1無線通信部を用いる通信が不可な第1モニターノードが存在すれば、前記第1モニターノードのバッテリーデータを前記第2無線通信部を用いて受信し、前記第1無線通信部と前記第2無線通信部を用いる通信が不可な第2モニターノードが存在すれば、前記第1無線通信部又は前記第2無線通信部を用いて中継ノードとして選定された第3モニターノードと通信し、前記第2モニターノードのバッテリーデータを前記第3モニターノードから受信するマネージャー制御部とを含む。
【0012】
本発明のさらに他の側面によるモニターノードは、周波数変更によって主チャネル又は副チャネルの中でいずれか一つに設定されてモニターノードと通信する無線通信部と、バッテリーモジュールと連結されるインターフェースと、前記インターフェースを用いて前記バッテリーモジュールの電圧、電流、及び温度の中で一つ以上を含むバッテリーデータを収集し、前記無線通信部で設定した前記主チャネル又は前記副チャネルの中でいずれか一つを用いて前記バッテリーデータを前記マネージャーノードに伝送し、前記主チャネル及び前記副チャネルを用いて前記バッテリーデータを前記マネージャーノードに伝送することが不可な場合、周辺の他のモニターノードに前記バッテリーデータをブロードキャスティングし、中継ノードとして選定された第2モニターノードを経由地として用いて前記バッテリーデータを前記マネージャーノードに伝送するモニター制御部とを含む。
【0013】
本発明のさらに他の側面によるデータ伝送方法は、バッテリーモジュールの電圧、電流、温度、及び自己診断データの中で一つ以上を含むバッテリーデータを収集する段階と、主チャネルを介してマネージャーノードに前記バッテリーデータを伝送する段階と、前記バッテリーデータの伝送に失敗すれば、副チャネルを介して前記バッテリーデータを前記マネージャーノードに伝送する段階とを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施例によれば、マネージャーノード(manager node)とモニターノード(monitor node)との間に形成された主チャネルの状態が不安定な場合、副チャネルを用いるか中継ノードとして選定されたモニターノードを用いてマネージャーノードとモニターノードとの間に通信を遂行することにより、データ漏れと通信断絶を予防して安定的に無線通信を支援する。
【0015】
本発明の実施例によれば、マネージャーノードは、特定のモニターノードとの通信が不安定な場合、チャネル検索によって確保した安定的な候補チャネルに主チャネルと副チャネルを変更することにより、チャネルに対する安全性を最大限維持することができる。
【0016】
本発明の実施例によれば、マネージャーノードで、3種以上の通信経路の中でいずれか一つを用いてモニターノードと通信することができるので、近距離無線通信環境でもモニターノードと絶え間ない通信を遂行することができるだけでなく、モニターノードを確かで速かに統制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例による、バッテリー管理システムを示す図である。
図2】本発明の一実施例による、データストリームを例示する図である。
図3】マネージャーノードとモニターノードが主チャネルのみ用いて通信する場合に形成されるネットワーク状態を例示する図である。
図4】マネージャーノードとモニターノードが主チャネルのみ用いて通信する場合に生成されるデータフレーム構造を例示する図である。
図5】マネージャーノードとモニターノードが副チャネルを用いて通信する場合に形成されるネットワーク状態を例示する図である。
図6】マネージャーノードとモニターノードが副チャネルを用いて通信する場合に生成されるデータフレーム構造を例示する図である。
図7】モニターノードのデータが他のモニターノードを介してマネージャーノードに提供されることを例示する図である。
図8】マネージャーノードとモニターノードが他のモニターノードを用いて通信する場合に生成されるデータフレーム構造を例示する図である。
図9】本発明の一実施例による、中継ノードが設定され、中継ノードを介してバッテリーデータがルーティングされる過程を説明するフローチャートである。
図10】本発明の一実施例による、マネージャーノードの構成を示す図である。
図11】本発明の一実施例による、周期的なマネージャーノードの動作を説明するフローチャートである。
図12】本発明の一実施例による、マネージャーノードでチャネル変更フラグを活性化する方法を説明するフローチャートである。
図13】本発明の一実施例による、モニターノードの構成を示す図である。
図14】本発明の一実施例による、モニターノードが、主チャネル、副チャネル、及び中継ノードの中でいずれか一つを用いてデータをマネージャーノードに伝送する方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
明細書全般にわたって同じ参照番号は実質的に同じ構成要素を意味する。以下の説明で、本発明の核心構成に関連がない場合及び本発明の技術分野に知られた構成及び機能についての詳細な説明は省略することができる。本明細書で敍述する用語の意味は次のように理解されなければならない。
【0019】
本発明の利点及び特徴とそれらを達成する方法は添付図面に基づいて詳細に後述する実施例を参照すると明らかになるであろう。しかし、本発明は以下で開示する実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現可能であり、本実施例はただ本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求範囲の範疇によって定義されるだけである。
【0020】
本発明の実施例を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数などは例示的なものなので、本発明が図示の事項に限定されるものではない。明細書全般にわたって同じ参照符号は同じ構成要素を示す。また、本発明の説明において、関連した公知の技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0021】
本明細書で言及する‘含む’、‘有する’、‘なる’などが使われる場合、‘~のみ’が使われない限り、他の部分が付け加わることができる。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0022】
構成要素の解釈において、別途の明示的な記載がないとしても誤差範囲を含むものに解釈する。
【0023】
時間関係についての説明の場合、例えば、‘~の後に’、‘~に引き続き’、‘~の次に’、‘~の前に’などのように時間的に先後関係を説明する場合、‘直ぐ’又は‘直接’が使われない限り、連続的ではない場合も含むことができる。
【0024】
第1、第2などを多様な構成要素を敍述するために使うが、これらの構成要素はこれらの用語に制限されない。これらの用語はただ一構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。よって、以下で言及する第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素でもあり得る。
【0025】
“少なくとも一つ”という用語は一つ以上の関連項目から提示可能な全ての組合せを含むものに理解されなければならない。例えば、“第1項目、第2項目及び第3項目の中で少なくとも一つ”の意味は、第1項目、第2項目又は第3項目のそれぞれだけでなく、第1項目、第2項目及び第3項目の中で2個以上から提示することができる全ての項目の組合せを意味することができる。
【0026】
本発明の多くの実施例のそれぞれの特徴は部分的に又は全体的に互いに結合又は組合せ可能であり、技術的に多様な連動及び駆動が可能であり、各実施例が互いに独立的に実施されることもでき、連関関係で一緒に実施されることもできる。
【0027】
以下、添付図面に基づいてこの明細書の実施例を詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の一実施例による、バッテリー管理システムを示す図である。
【0029】
図1に示すように、本発明の一実施例によるバッテリー管理システムは、マネージャーノード100及び多数のモニターノード200-Nを含み、マネージャーノード100とモニターノード200-Nは互いに無線通信を遂行する。
【0030】
バッテリー管理システムで、前記マネージャーノード100はマスターに設定されたコントローラーを含み、前記モニターノード200-Nはスレーブに設定されたコントローラーを含む。
【0031】
一実施例として、マネージャーノード100とモニターノード200-Nは、IEEE802.15.4+に基づく近距離無線通信規約に従って互いに無線通信することができる。他の実施例として、マネージャーノード100とモニターノード200-Nは、IEEE802.11、IEEE802.15、IEEE802.15.4などの中でいずれか一つに基づくプロトコルを用いて互いに無線通信することができ、他の方式の近距離無線プロトコルを用いて互いに無線通信することもできる。
【0032】
モニターノード200-Nは、セルが集合された一つ以上のバッテリーモジュールに搭載され、前記バッテリーモジュールで発生する電圧、電流、温度、湿度などを含むバッテリーデータを収集する。また、モニターノード200-Nは自分が搭載されているバッテリーモジュールのAFE(Analog Front End)測定、バッテリーモジュールの状態点検(すなわち、diagnostic test)などのようにバッテリーモジュールの状態を自ら点検して、点検結果が記録された自己診断データを生成することもできる。
【0033】
マネージャーノード100は、電流、電圧、温度、及び自己診断データの中で一つ以上を含むバッテリーデータをそれぞれのモニターノード200-Nから受信し、前記受信したバッテリーデータを分析して各バッテリーモジュールの状態又はバッテリーパックの状態をモニタリングする。前記マネージャーノード100はそれぞれのモニターノード200-Nから受信した各バッテリーモジュールのデータを分析し、各バッテリーモジュールの状態(例えば、SOC、SOH)と全体バッテリーパックの状態を推定することもできる。
【0034】
本発明の実施例によれば、前記マネージャーノード100は、二つ以上の無線通信部110、120を含む。前記無線通信部110、120は、近距離無線通信を行う回路とアンテナを含むことができる。マネージャーノード100に含まれた無線通信部の一つは主無線通信部110として動作し、他の無線通信部は副無線通信部120として動作する。前記主無線通信部110は第1周波数を用いてモニターノード200-Nのそれぞれと主チャネルを形成し、副無線通信部120は第2周波数を用いてモニターノード200-Nのそれぞれと副チャネルを形成する。前記主チャネルと副チャネルは、相互間の周波数干渉を考慮して事前に設定された周波数値(例えば、30Mhz)以上に、主チャネルの周波数と副チャネルの周波数が互いに離隔するように設定されることができる。
【0035】
また、マネージャーノード100は、主チャネルを介して、各モニターノード200-Nからバッテリーモジュールのデータを優先的に獲得する。マネージャーノード100は、特定のモニターノード200-Nと主チャネルを介しての通信が不可な場合、副チャネルを介して前記特定のモニターノード200-Nのデータを獲得する。
【0036】
一方、マネージャーノード100は、特定のモニターノード200-Nと主チャネル及び副チャネルを介しての通信が不可であれば、中継ノードに設定されたモニターノード200-Nから前記特定のモニターノード200-Nのバッテリーデータを受信する。
【0037】
図1に示すように、ノード100、200-Nは互いに近距離無線通信してメッシュ(mesh)状のネットワークを構成することができる。また、前記ネットワークに参加しているモニターノード200-Nは前記ネットワークから脱退することができ、また新しいモニターノード200-Nが前記ネットワークに参加することができる。前記ネットワークに参加した新しいモニターノード200-Nは自分の識別情報(例えば、住所)をブロードキャスティングし、ネットワークに参加しているノード100、200-Nに自分の識別情報を知らせ、またネットワークに参加している各ノード100、200-Nの識別情報を獲得することにより、前記ネットワークに参加することができる。
【0038】
マネージャーノード100は、新しいノード、すなわち新しいモニターノード200-Nが参加すれば、現在運営中の主チャネル識別情報(例えば、主チャネルの周波数)と副チャネル識別情報(例えば、副チャネルの周波数)を前記新しいモニターノード200-Nに伝送することにより、新しいモニターノード200-Nと主チャネルを介して先に通信し、主チャネルの状態が異常であれば、前記副チャネルを用いて前記新しいモニターノード200-Nと通信することができる。
【0039】
マネージャーノード100は、主無線通信部110又は副無線通信部120を用いて、主チャネルと副チャネル以外のチャネルを検索し、各チャネルの品質を評価した後、チャネルの中で品質が最も良好なチャネルを予備主チャネルとして選定し、また前記予備主チャネルと事前に設定された離隔周波数(例えば、30Mhz)以上の差が発生した最も良好なチャネルを予備副チャネルとして選定することができる。前記予備主チャネルと前記予備副チャネルは、チャネル変更を行う場合、主チャネルと副チャネルとして用いられるチャネルである。このようなチャネル検索(すなわち、チャネルスキャニング)は事前に設定された周期間隔で繰り返されることができ、これによって予備主チャネル、予備副チャネルのそれぞれは随時変更されることができる。
【0040】
マネージャーノード100は、チャネルの品質を評価するために、主無線通信部110又は副無線通信部120を用いて随時チャネルを検索し、検索した各チャネルに対するエネルギー検出(energy detection)とフレーム検出(frame detection)を遂行する。前記エネルギー検出は該当チャネルで用いられる周波数のエネルギーレベルを検出することであり、dB単位の結果値が現れ、dB値が高いほど使用量が多いチャネルであると判断することができる。また、フレーム検出はマネージャーノード100で用いていない他のデータフレームのプリアンブル(preamble)が存在するかを確認することであり、結果値としてフレーム検出又はフレーム未検出が現れる。すなわち、マネージャーノード100は、エネルギー検出によって該当チャネルで用いる周波数のエネルギーレベル値を測定し、フレーム検出によって本発明によるデータフレーム(図2参照)以外に他のデータフレームが該当チャネルで送受信されているかを確認する。チャネルエネルギー検出結果値が低いほど前記チャネルの品質評価値が高くなるように前記エネルギー検出結果値に加重値を適用し、チャネルでフレームが検出されない場合、前記チャネルの品質評価値が高くなるようにフレーム検出結果値に加重値を適用する。これにより、マネージャーノード100は、フレームが検出されなくてエネルギー結果値が低いチャネルを予備主チャネルとして選定することができる。
【0041】
マネージャーノード100は、現在用いている主チャネルの状態が異常であるかを継続的にモニタリングし、チャネル状態が異常であると判断されれば、チャネル変更フラグを活性化(すなわち、flag=true)する。さらに、マネージャーノード100は、前記活性化したチャネル変更フラグと現在設定された予備主チャネルの識別情報(例えば、周波数)と予備副チャネルの識別情報が含まれたチャネル変更データを全てのモニターノード200-Nにブロードキャスティングする。
【0042】
このように、チャネル変更データがブロードキャスティングされれば、事前に約束された時点に、マネージャーノード100とモニターノード200-Nは前記予備主チャネルに主チャネルを変更し、また前記予備副チャネルに副チャネルを変更する。前記チャネル変更のための約束時点は、チャネル変更データがブロードキャスティングされた時点から所定の時間が経過した後であり得る。他の実施形態として、マネージャーノード100は、チャネル変更時刻を設定した後、この設定された時刻を前記チャネル変更データに含むことができる。この場合、マネージャーノード100とモニターノード200-Nは前記チャネル変更時点に主チャネルと副チャネルを変更することができる。
【0043】
マネージャーノード100とモニターノード200-Nは、予め定義されたフォーマットを有するデータフレームを用いて通信することができる。前記マネージャーノード100は、データフレームに最も初めに配置されるビーコン(beacon)をそれぞれのモニターノード200-Nに伝送して、データフレームに含まれたスロットタイミングを同期化する。
【0044】
図2は本発明の一実施例による、データストリームを例示する図である。
【0045】
図2を参照すると、本発明の無線通信で用いられるデータストリームは、マネージャースロット(manager slot)、伝送スロット(transmission slot)及びルーティングスロット(Routing slot)のような複数のタイムスロットを含み、前記データストリームは一定の時間長(Tms)を有する。さらに、前記データストリームに、マネージャースロット、伝送スロット、ルーティングスロットのそれぞれは事前に設定された時間区間が割り当てられ、配列順も一定である。データストリームにおいて一番目に配列されたマネージャースロットはマネージャーノード100で用いる専用スロットであり、ビーコンを含む。前記ビーコンはデータストリームの開始を知らせる機能を果たすことにより、スロットタイミングを同期化する。マネージャーノード100は、前記ビーコンを一定の周期間隔で継続的に送出する。前記マネージャーノード100は主チャネルと副チャネルのそれぞれを介して前記ビーコンを送出する。ここで、マネージャーノード100は、主チャネルと副チャネルとの間のビーコンの送出タイミングを互いに異なるようにすることができ、あるいは同じに設定することもできる。
【0046】
モニターノード200-Nは、ビーコンに基づいてデータストリームの開始時点を認知するようになり、またビーコンを基準に事前に割り当てられた時間を有するマネージャースロット、タイムスロット、ルーティングスロットをデータストリームから抽出することができる。また、モニターノード200-Nは、ビーコンの信号の持続的な受信可否に基づき、主チャネル、副チャネルのそれぞれの通信状態を判断することもできる。
【0047】
前記データストリームにおいて、マネージャースロットはマネージャーノード100がモニターノード200-Nを制御するために使われるスロットである。前記マネージャースロットにはチャネル変更データ又は中継ノードリストが含まれることができる。
【0048】
前記伝送スロットは各モニターノード200-Nのデータが伝送される区間であり、各モニターノード200-Nのための専用スロットである。前記伝送スロットは、拡張可能なモニターノード200-Nの個数又は現在通信中の(すなわち、ネットワークに参加している)モニターノードの個数によって分割されることができ、分割された伝送スロット区間は特定のモニターノード200-Nのために割り当てられる。図2では、伝送スロットが6個の区間に分割され、M1はモニターノード#1 200-1、M2はモニターノード#2 200-2、M3はモニターノード#3 200-3、M4はモニターノード#4 200-4、M5はモニターノード#5 200-5、M6はモニターノード#6 200-6に割り当てられるモニターノードの専用スロットであることを例示している。また、ルーティングスロットは、主チャネルと副チャネルのいずれでも通信が不可なモニターノード200-Nが存在する場合に用いられるスロットであり、データのルーティング経路とバッテリーデータが記録される。前記ルーティングスロットが用いられる状況については、図7及び図8を参照して詳細に説明する。
【0049】
一方、前記ルーティングスロットはいずれか一モニターノード200-Nのみに割り当てられるスロットではないので、前記ルーティングスロットの間にデータが伝送される場合、データの衝突が発生し得る。これにより、各モニターノード200-Nは、自分の識別情報(例えば、ホストネーム、アドレス、シリアルナンバーなど)をシード(seed)としてランダム関数に適用した後、ランダム関数の結果値をルーティングスロットの送信タイミングに決定することができる。前記ランダム関数の結果値としてルーティングスロットが割り当てられた区間のいずれか一時点が発生し得る。例えば、前記ルーティングスロットが91~100ms範囲の時間区間を有する場合、前記ランダム関数の結果値は、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100のいずれか一つであり得、モニターノード200-Nはこの結果値をルーティングスロットの送信タイミングに決定することができる。一方、ランダム関数を用いて決定した送信タイミングがモニターノード200-Nの間に重畳することができるので、モニターノード200-Nは、他のモニターノード200-Nでルーティングスロットを用いず、自分のみ用いることができる排他的な時点に、前記ルーティングスロットに含まれたデータを送信する。ここで、モニターノード200-NはCSMA-CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)に基づいてルーティングスロットの間に排他的にデータを伝送することができる。
【0050】
モニターノード200-Nは一つの無線通信部210-Nを含んでおり、この無線通信部210-Nを用いてマネージャーノード100と通信し、また周辺モニターノード200-Nとも通信する。モニターノード200-Nは、マネージャーノード100の制御によって、自分が搭載された一つ以上のバッテリーモジュールのセンシング情報(例えば、温度、湿度、電圧、電流など)、自己診断結果などの中で一つ以上が含まれたバッテリーデータを収集してマネージャーノード100に報告することができる。
【0051】
前記モニターノード200-Nは、マネージャーノード100と主チャネルを介して優先的に通信する。主チャネルを介して通信する場合、マネージャーノード100の主無線通信部110とモニターノード200-Nの無線通信部210-Nとの間に無線リンクが形成される。一方、主チャネルの通信状態が異常であれば、モニターノード200-Nは、前記主チャネルの代わりに副チャネルを用いてマネージャーノード100と通信する。
【0052】
前記モニターノード200-Nは、一定の間隔で主チャネルと副チャネルが交互に変更されるように無線通信部210-Nの周波数を変更することにより、主チャネルでビーコンが持続的に受信されるか及び副チャネルでビーコンが持続的に受信されるかをモニタリングして、主チャネルと副チャネルの状態を把握することができる。モニターノード200-Nは、主チャネルでビーコンが正常に受信されれば主チャネルを用いてマネージャーノード100と通信し、主チャネルでビーコンが受信されなければ(すなわち、一定の時間の間に主チャネルでビーコンが受信されなければ)、副チャネルを用いてマネージャーノード100と通信する。
【0053】
マネージャーノード100との主チャネル及び副チャネルの両方が異常であれば、該当モニターノード200-Nは、マネージャーノード100に伝達されなければならないデータを周辺の他のモニターノード200-Nにブロードキャスティングし、中継ノードとして選定された一つ以上の他のモニターノード200-Nを介して自分のデータがマネージャーノード100に伝達されるようにする。マネージャーノード100で中継ノードを設定する方法は図9を参照した詳細に説明する。
【0054】
図3はマネージャーノードとモニターノードが主チャネルのみ用いて通信する場合に形成されるネットワーク状態を例示する図である。
【0055】
図4はマネージャーノードとモニターノードが主チャネルのみ用いて通信する場合に生成されるデータフレーム構造を例示する図である。
【0056】
図3及び図4を参照すると、マネージャーノードとモニターノード200-Nとの間の全ての主チャネルが正常に作動する場合、マネージャーノード100とモニターノード200-Nとの間に送受信されるデータは主チャネルを経由し、またマネージャーノード100は主無線通信部110を用いてそれぞれのモニターノード200-Nと通信する。図3で、マネージャーノード100とモニターノード200-Nとの間に形成される無線リンクは実線で表示する。
【0057】
図4に示すように、モニターノード200-Nからマネージャーノード100に伝送されるバッテリーデータは主チャネル(primary channel)を介して伝送され、主チャネルがいずれも正常であることによって副チャネル(secondary channel)とルーティングスロットにはバッテリーデータが含まれない。図4で、四角枠内の“P”は該当モニターノード200-Nで収集したバッテリーデータを意味する。
【0058】
このように、主チャネルが用いられている状態で、特定のモニターノード200-3とマネージャーノード100との間に用いられている主チャネルの通信不可によって、前記特定のモニターノード200-3で副チャネルが用いられることができる。
【0059】
図5はマネージャーノードとモニターノードが副チャネルを用いて通信する場合に形成されるネットワーク状態を例示する図である。
【0060】
図6はマネージャーノードとモニターノードが副チャネルを用いて通信する場合に生成されるデータフレーム構造を例示する図である。
【0061】
図5及び図6は、モニターノード#3 200-3とマネージャーノード100との間の主チャネル通信が不可であり、よってモニターノード#3 200-3とマネージャーノード100との間には副チャネルを介して互いに通信するものを例示する。マネージャーノード100又はモニターノード#3 200-3は、主チャネルの状態が不良であることを感知すれば、副チャネルを介してバッテリーデータを伝送することができる。例えば、モニターノード#3 200-3は、主チャネルを用いることによって自分に割り当てられた伝送スロットの間にバッテリーデータをマネージャーノード100に伝送したが、事前に設定された時間の間にこれに対する応答(ACK)が前記主チャネルを介して受信されないこともある。この場合、モニターノード#3 200-3は主チャネルの通信が不可であると判断し、無線通信部210-3の周波数を副チャネルの周波数に変更し、前記主チャネルの代わりに副チャネルを介して前記バッテリーデータを伝送することができる。さらに他の例として、モニターノード#3 200-3は、主チャネルでビーコン信号が事前に設定された時間の間に受信されない場合、無線通信部210-3の周波数を副チャネルの周波数に変更し、前記主チャネルの代わりに副チャネルを介して前記バッテリーデータを伝送することができる。
【0062】
図6は、モニターノード#3 200-3とマネージャーノード100との間にのみ副チャネルを用い、残りのモニターノード200-1、200-2、200-4、200-5、200-6は主チャネルを用いて通信を行う場合のデータフレームを例示する。図6に示すように、モニターノード#3 200-3のデータは副チャネルを介してマネージャーノード100に伝送され、残りのモニターノード#1 200-1、モニターノード#2 200-2、モニターノード#4 200-4、モニターノード#5 200-5及びモニターノード#6 200-6のバッテリーデータは主チャネルを介して伝送される。
【0063】
一方、主チャネルと副チャネルの両方が通信不良であれば、モニターノード200-Nは、中継ノードとして選定された他のモニターノード200-Nを用いてマネージャーノード100にバッテリーデータを伝送することができる。
【0064】
図7はモニターノードのデータが他のモニターノードを介してマネージャーノードに提供されることを例示する図である。
【0065】
図8はマネージャーノードとモニターノードが他のモニターノードを用いて通信する場合に生成されるデータフレーム構造を例示する図である。
【0066】
多数のモニターノード200-Nの中で一つ以上のモニターノード200-Nが中継ノードとして選定される。前記中継ノードの選定はマネージャーノード100で決定する。マネージャーノード100は、図9に基づいて後述するように、モニターノード200-N別の受信信号強度(例えば、RSSI)に基づいて中継ノードを選定することができる。
【0067】
図7及び図8は、モニターノード#2 200-2が中継ノードとして選定され、モニターノード#3 300-3のデータをマネージャーノード100にルーティングすることを例示する。
【0068】
モニターノード#3 200-3は、主チャネルと副チャネルが共に通信不可であることが感知されれば、マネージャーノード100に伝送されなければならないバッテリーデータに他のモニターノード200-1、200-2、200-4、200-5、200-6にブロードキャスティングする。例えば、モニターノード#3 200-3は、副チャネルを用いることによって専用伝送スロットの間にバッテリーデータをマネージャーノード100に伝送したが、事前に設定された時間の間にマネージャーノード100の応答(ACK)が前記副チャネルでも受信されなければ、主チャネルだけでなく副チャネルの通信が不可であると判断し、前記バッテリーデータを周辺モニターノード200-1、200-2、200-4、200-5、200-6にブロードキャスティングすることができる。ここで、モニターノード#3 200-3は、主チャネル又は副チャネルの中でいずれか一方又は両方を用いて前記バッテリーデータをブロードキャスティングすることができる。モニターノード#3 200-3は、他のモニターノードとのデータ衝突を防止するために、他のモニターノードでルーティングスロットを用いず、自分のみルーティングスロットを用いることができる排他的な時点に、前記ルーティングスロットに含まれたバッテリーデータを送信する。ここで、モニターノード#3 200-3は、CSMA-CAに基づいてルーティングスロットの間にバッテリーデータをブロードキャスティングすることができる。すると、中継ノードとして選定されたモニターノード#2 200-2は、前記モニターノード#3 200-3から受信したバッテリーデータをマネージャーノード100に伝達する。同様に、モニターノード#2 200-2もCSMA-CAに基づいて前記モニターノード#3 300-3のデータをマネージャーノード100に伝達する。
【0069】
一方、中継ノードとして選定されないモニターノードは、モニターノード#3 200-3から受信されたデータをルーティングせずに無視する。
【0070】
図7は、マネージャーノード100とモニターノード#3 200-3との間に主チャネルと副チャネルが共に通信不可であると判断され、モニターノード#3 200-3のバッテリーデータが中継ノードであるモニターノード#2 200-2を介してルーティングされることを例示する。
【0071】
図8は、モニターノード#3 200-3とマネージャーノード100との間にバッテリーデータが中継ノードを用いてルーティングされ、残りのモニターノード200-1、200-2、200-4、200-5、200-6は主チャネルを用いてダイレクト通信を行う場合のデータフレームを例示する。図8に示すように、モニターノード#3 200-3とマネージャーノード100との間に送受信されるデータはルーティングスロットの間に送受信される。前記ルーティングスロットには該当データが伝送されるノード情報(すなわち、ルーティング情報)が記録され、前記ルーティングスロットを介してデータを受信した相対ノードは該当ルーティング情報を逆順にし、データ又は応答(ACK)を該当ノードに伝送することができる。図8に示すルーティングスロットは、モニターノード#3 200-3→モニターノード#2 200-2→マネージャーノード100にデータが伝送されることを示す。
【0072】
図9は本発明の一実施例による、中継ノードが設定され、中継ノードを介してバッテリーデータがルーティングされる過程を説明するフローチャートである。
【0073】
図9を参照すると、マネージャーノード100は、それぞれのモニターノード200-Nからデータが受信されれば、このデータを受信する時点に発生する各モニターノード200-Nの受信信号強度を確認する(S901)。前記受信信号強度はモニターノード200-Nから送出した無線信号をマネージャーノード100で受信して測定したものであり、マネージャーノード100はRSSI(Received Signal Strength Indicator)を受信信号強度として用いることができる。
【0074】
次いで、マネージャーノード100は、各モニターノード200-N別の受信信号強度を大きさ順に整列し、この中で所定の順位(例えば、3順位)内にあるモニターノードを中継ノードとして選定し、中継ノードとして選定されたモニターノードの識別情報が記録された中継ノードリストを生成する(S903)。ここで、マネージャーノード100は、受信信号強度の大きい順にモニターノード200-Nの優先順位を付与し、この優先順位情報を前記中継ノードリストに含ませる。図9では、中継ノードとしてモニターノード#1 200-1、モニターノード#2 200-2、モニターノード#6 200-6が選定され、また優先順位はモニターノード#2 200-2、モニターノード#1 200-1、モニターノード#6 200-6の順であると仮定する。
【0075】
次いで、マネージャーノード100は、中継ノードとして選定されたそれぞれのモニターノード200-1、200-2、200-6に前記中継ノードリストを伝送し(S905、S907、S909)、前記中継ノードリストが該当モニターノード200-1、200-2、200-6に保存されるようにする。他の実施例として、マネージャーノード100は、前記中継ノードリストをブロードキャスティングすることもできる。一方、マネージャーノード100は、随時モニターノード200-Nの受信信号強度を確認し、新しい中継ノードリストを生成し、この新しい中継ノードリストをモニターノード200-Nに伝送して既保存中の中継ノードリストを更新することもできる。
【0076】
このように、中継ノードが選定された状態で、モニターノード#3 200-3は、主チャネルと副チャネルの両方を用いたデータ伝送が失敗すれば、ルーティングスロットを排他的に用いることができる時点にバッテリーデータに他のモニターノード200-1、200-2、200-4、200-5、200-6にブロードキャスティングする(S911、S913)。ここで、モニターノード#3 200-3は、主チャネル又は副チャネルの中でいずれか一方を用いるか両方を用いて前記バッテリーデータをブロードキャスティングすることができる。また、モニターノード#3 200-3は、前記バッテリーデータをルーティングスロット区間にブロードキャスティングする。
【0077】
すると、中継ノードとして選定されたモニターノード#1 200-1、モニターノード#2 200-2、モニターノード#6 200-6のそれぞれは、前記ブロードキャスティングされたバッテリーデータが受信されれば、このバッテリーデータを一時保存する(S915、S917、S919)。中継ノードとして選定されなかったモニターノード200-4、200-5は、前記モニターノード#3 200-3からバッテリーデータが受信されても、このバッテリーデータを保存せずに削除する。一方、モニターノード#2 200-2との通信状態によって、中継ノードとして選定されたモニターノード200-1、200-2、200-6の一部は前記バッテリーデータを受信することができないこともある。このような場合に備え、中継ノードが複数選定されることができる。
【0078】
中継ノードの中で1順位として選定されたモニターノード#2 200-2が前記ブロードキャスティングされたバッテリーデータを受信する場合、モニターノード#2 200-2は、前記バッテリーデータを主チャネル又は副チャネルを用いてマネージャーノード100に伝送する(S921)。同様に、モニターノード#2 200-2も、ルーティングスロットを排他的に用いることができる時点に前記バッテリーデータをマネージャーノード100に伝送する。
【0079】
中継ノードとして選定され、優先順位の低いモニターノード#1 200-1とモニターノード#6 200-6は、モニターノード#2 200-2でバッテリーデータがルーティングされるかをモニタリングする。前記モニターノード#1 200-1とモニターノード#6 200-6は、主チャネル又は副チャネルのルーティングスロットの間に前記バッテリーデータがマネージャーノード100にルーティングされるかを確認し、モニターノード#2 200-2でバッテリーデータを正常にルーティングしているかを判別することができる。
【0080】
モニターノード#1 200-1とモニターノード#6 200-6は、前記モニタリングの結果、モニターノード#2 200-2でモニターノード#3 200-3のバッテリーデータを正常にルーティングした場合(すなわち、マネージャーノードに伝送する場合)、一時保存したモニターノード#3 200-3のデータを削除する(S923、S925)。
【0081】
一方、事前に設定された時間の間に、モニターノード#2 200-2がモニターノード#3 200-3のバッテリーデータをマネージャーノード100に伝送することができなかった場合、2順位に相当するモニターノード#1 200-1が一時保存中のモニターノード#3 200-3のバッテリーデータをマネージャーノード100に伝送する。また、モニターノード#1 200-1も、モニターノード#3 200-3のバッテリーデータをマネージャーノード100に伝送することができなかった場合、3順位に相当するモニターノード#6 200-6が一時保存中のモニターノード#3 200-3のバッテリーデータをマネージャーノード100に伝送する。
【0082】
一方、ルーティングスロットにはバッテリーのデータのルーティング経路が記録される。マネージャーノード100は、モニターノード#3 200-3のバッテリーデータを受信する場合、前記ルーティング経路の逆順にして応答(ACK)をモニターノード#3 200-3に伝送することができる。
【0083】
上述したように、1順位中継ノードであるモニターノード#2 200-2がモニターノード#3 200-3のバッテリーデータをルーティングするが、1順位中継ノードでのルーティングが失敗する場合、2順位、3順位中継ノードが順次前記バッテリーデータのルーティングを遂行する。
【0084】
図10は本発明の一実施例による、マネージャーノードの構成を示す図である。
【0085】
図10に示すように、本発明の一実施例によるマネージャーノード100は、第1無線通信部110、第2無線通信部120、保存部130及びマネージャー制御部140を含む。
【0086】
第1無線通信部110は上述した主無線通信部であり、モニターノード200-Nと主チャネルを形成する。
【0087】
第2無線通信部120は上述した副無線通信部であり、モニターノード200-Nと副チャネルを形成する。
【0088】
前記第1無線通信部110と前記第2無線通信部120は、近距離無線通信を遂行するためのRF(Radio Frequency)回路を備える。また、前記第1無線通信部110と前記第2無線通信部120は、一定の周期間隔でビーコンをブロードキャスティングする。前記第1無線通信部110から送出するビーコンと前記第2無線通信部120から送出するビーコンの送信タイミングは同一であるか互いに異なることができる。
【0089】
保存部130はメモリ、ディスク装置などの保存手段であり、マネージャーノード100が動作するための各種のプログラムとデータを保存する。特に、保存部130は、上述したマネージャーノード100の動作を実行するアルゴリズムが定義されたプログラム(又は命令語セット)を保存することができる。また、保存部130は、それぞれのモニターノード200-Nから受信したバッテリーデータを保存することができる。
【0090】
マネージャー制御部140はマイクロプロセッサのような演算処理装置であり、マネージャーノード100の全般的な動作を制御し、またモニターノード200-Nを制御するためのデータを生成する。前記マネージャー制御部140は、保存部130に保存されたプログラム(又は命令語セット)に関連したデータをメモリに搭載した後、本発明の実施例による無線通信とチャネル変更を遂行することができる。
【0091】
マネージャー制御部140は、第1無線通信部110又は第2無線通信部120を用いて各モニターノード200-Nのバッテリーデータを獲得し、このバッテリーデータを分析して、モニターノード200-Nが搭載されたバッテリーモジュールの状態を分析することができる。また、マネージャー制御部140は、各バッテリーデータを総合的に分析してバッテリーパックの状態を把握して充電と放電を制御することができる。
【0092】
本発明の実施例によれば、マネージャー制御部140は、第1無線通信部110の周波数を主チャネルの第1周波数に設定し、前記第1無線通信部110を用いてそれぞれのモニターノード200-Nと近距離無線リンクを形成することができる。また、マネージャー制御部140は、第2無線通信部120の周波数を副チャネルの第2周波数に設定し、前記第2無線通信部120を用いて一つ以上のモニターノード200-Nと近距離無線リンクを形成することができる。また、マネージャー制御部140は、第1無線通信部110を優先的に用いてモニターノード200-Nと通信するが、特定のモニターノード200-Nと主チャネルを介しての(すなわち、第1無線通信部を用いた)通信が不可な場合、第2無線通信部120で形成した副チャネルを用いて前記特定のモニターノード200-Nと通信することができる。
【0093】
一方、マネージャー制御部140は、第2無線通信部120又は第1無線通信部110を用いて主チャネルと副チャネル以外のチャネルを検索し、各チャネルの品質を評価した後、チャネルの中で品質が最も良好なチャネルを予備主チャネルとして選定する。また、マネージャー制御部140は、前記予備主チャネルと事前に設定された離隔周波数(例えば、30Mhz)以上の差が発生したチャネルの中で最も良好な品質を有するチャネルを予備副チャネルとして選定することができる。
【0094】
マネージャー制御部140は、チャネルの品質を評価するために、第1無線通信部110又は第2無線通信部120を用いて随時チャネルを検索し、検索した各チャネルに対するエネルギー検出(energy detection)とフレーム検出(frame detection)を遂行した後、チャネルのエネルギー検出結果値に第1加重値を適用し、チャネルのフレーム検出結果に第2加重値を適用した後、加重値が適用されたエネルギー検出結果値とフレーム検出結果値を合算してチャネル別品質を数値で評価することができる。
【0095】
マネージャー制御部140は、現在設定された主チャネルの状態を継続的にモニタリングする。マネージャー制御部140は、応答メッセージ(ACK)又はデータの未受信回数、前記主チャネルのエネルギー検出結果、前記主チャネルのフレーム検出結果などの中で一つ以上を用いて主チャネルの劣化度を確認することができる。ここで、マネージャー制御部140は、前記未受信回数に第3加重値を適用し、前記主チャネルのエネルギー検出結果値に第4加重値を適用し、前記主チャネルのフレーム検出結果に第5加重値を適用した後、加重値が適用された未受信回数、エネルギー検出結果値とフレーム検出結果値を合算して主チャネルの劣化度を数値で確認することができる。前記第1加重値と前記第4加重値は同一であってもよく、前記第2加重値と前記第5加重値は同一であってもよい。
【0096】
マネージャー制御部140は、主チャネルが劣化したと判断されれば、チャネル変更を行うプロセスを進めることができる。具体的に、マネージャー制御部140は、主チャネルが劣化したと判断されれば、チャネル変更フラグを活性化(すなわち、flag=true)し、現在選定された予備主チャネルの識別情報と予備副チャネルの識別情報を確認する。また、マネージャー制御部140は、前記チャネル変更フラグ活性化情報、予備主チャネルの識別情報及び予備副チャネルの識別情報を含むチャネル変更データを全てのモニターノード200-Nにブロードキャスティングする。ここで、マネージャー制御部140は、第1無線通信部110と第2無線通信部120の両方を用いて前記チャネル変更データをブロードキャスティングすることができる。ここで、マネージャー制御部140は、データフレームのスロットの中でマネージャースロットの間に、前記チャネル変更データをブロードキャスティングすることができる。また、マネージャー制御部140は、前記チャネル変更データにチャネル変更時点を含ませることができる。
【0097】
マネージャー制御部140は、チャネル変更フラグが活性化すれば、前記チャネル変更時点に、第1無線通信部110の周波数を前記予備主チャネルの周波数に変更して主チャネルを変更し、また第2無線通信部120の周波数を前記予備副チャネルの周波数に変更して副チャネルを変更する。マネージャー制御部140は、チャネル変更が完了すれば、チャネル変更フラグを非活性化(すなわち、flag=false)する。
【0098】
また、マネージャー制御部140は、図9を参照した説明のように、第1無線通信部110又は第2無線通信部120中で一つ以上を用いてそれぞれのモニターノード200-Nの受信信号強度を測定し、モニターノード200-2の受信信号強度に基づき、中継ノードの識別情報と優先順位を含む中継ノードリストを生成することができる。マネージャー制御部140は、中継ノードリストをモニターノード200-Nにブロードキャスティングするか、中継ノードリストに含まれるモニターノード200-Nに前記中継ノードリストをマルチキャスティングすることができる。
【0099】
図11は本発明の一実施例による、周期的なマネージャーノードの動作を説明するフローチャートである。
【0100】
図11を参照すると、マネージャー制御部140は、動作周期が渡来すれば、チャネル変更フラグが活性化しているかを確認する(S1101)。
【0101】
マネージャー制御部140は、チャネル変更フラグが活性化していれば(S1103のNo)、約束時点に第1無線通信部110の周波数を予備主チャネルの周波数に変更して主チャネルを変更し、また第2無線通信部120の周波数を予備副チャネルの周波数に変更して副チャネルを変更する(S1105)。マネージャー制御部140は、チャネル変更が完了すれば、チャネル変更フラグを非活性化(すなわち、flag=false)する。
【0102】
マネージャー制御部140は、チャネル変更フラグが非活性化していれば(S1103のYes)、ビーコンと制御命令語が含まれたデータをマネージャースロットの間に、第1無線通信部110と第2無線通信部120のそれぞれを用いてモニターノード200-Nに伝送する(S1107)。すなわち、マネージャー制御部140は、主チャネルと副チャネルのそれぞれに前記データを伝送する。図11で、制御命令語はバッテリーデータを要請する命令語として説明する。
【0103】
次いで、マネージャー制御部140は、前記データをよく受信したかを示す応答(ACK)が全てのモニターノード200-Nから受信されるかを第1無線通信部110と第2無線通信部120を介して確認し、応答(ACK)が受信されなかったモニターノード200-Nが存在すれば(S1109のNo)、受信されなかった応答(ACK)の個数に相応して未受信回数を増加させる(S1111)。前記未受信回数は主チャネルの劣化度を算出するのに用いられる。
【0104】
一方、マネージャー制御部140は、前記応答(ACK)が全てのモニターノード200-Nから受信されれば(S1109のYes)、前記制御命令による各モニターノード200-Nのバッテリーデータの受信を待機する(S1113)。マネージャー制御部140は、前記制御命令によるバッテリーデータが一つ以上のモニターノード200-Nから受信されなくてデータが漏れれば(S1115のNo)、漏れたバッテリーデータの個数に相応して前記未受信回数を増加させる(S1111)。
【0105】
一方、マネージャー制御部140は、前記制御命令によるバッテリーデータが全てのモニターノード200-Nから受信されれば、それぞれのモニターノード200-Nから受信したデータを保存部130に保存する(S1117)。
【0106】
上述した図11による手順は1サイクルに相当するものであり、マネージャー制御部140は一定の周期間隔で図11の各段階を繰り返す。
【0107】
図12は本発明の一実施例による、マネージャーノードでチャネル変更フラグを活性化する方法を説明するフローチャートである。
【0108】
図12を参照すると、マネージャーノード100のマネージャー制御部140は、事前に設定された分析周期が渡来するかをモニタリングし、分析周期が渡来すれば(S1201のYes)、第1無線通信部110を用いて、主チャネルに対するエネルギー検出(energy detection)とフレーム検出(frame detection)を遂行した後、主チャネルに対するエネルギー検出結果値とフレーム検出結果値を確認する(S1203)。
【0109】
次いで、マネージャー制御部140は、現在カウントされた未受信回数を確認し(S1205)、前記未受信回数、前記主チャネルのエネルギー検出結果値、フレーム検出のそれぞれに互いに異なる加重値を付与した後、加重値が適用された未受信回数、エネルギー検出結果値、フレーム検出結果値を合算してチャネル劣化度を算出する(S1207)。
【0110】
次いで、マネージャー制御部140は、前記算出したチャネル劣化度が事前に設定された正常範囲に含まれるかを確認し、前記チャネル劣化度が正常範囲から離脱すれば(S1209のYes)、チャネル変更プロセスを開始する。すなわち、マネージャー制御部140は、現在非活性化に設定されたチャネル変更フラグを活性化し(S1211)、また現在設定された予備主チャネルと予備副チャネルを確認する(S1213)。次いで、マネージャー制御部140は、前記活性化したチャネル変更フラグ、前記予備主チャネルの識別情報及び予備副チャネルの識別情報が含まれたチャネル変更データを全てのモニターノード200-Nにブロードキャスティングする(S1215)。ここで、マネージャー制御部140は、第1無線通信部110と第2無線通信部120の両方を用いて主チャネルと副チャネルの両方に前記チャネル変更データをブロードキャスティングすることができる。前記チャネル変更データはデータフレームのマネージャースロットの間にブロードキャスティングされる。
【0111】
図13は本発明の一実施例による、モニターノードの構成を示す図である。
【0112】
図13に示すように、本発明の一実施例によるモニターノード200は、無線通信部210、保存部220、インターフェース230及びモニター制御部240を含む。
【0113】
無線通信部210は、マネージャーノード100と主チャネルを介して優先的に通信するが、主チャネルの通信が不可であれば、副チャネルの周波数に変更してマネージャーノード100と通信する。前記無線通信部210は、近距離無線通信を遂行するためのRF回路を備える。前記無線通信部210は、一定の時間間隔で主チャネルと副チャネルが交互に変更されるように周波数を変更することができる。これにより、モニターノード200は、一つの無線通信部210を用いても主チャネルと副チャネルの状態をモニタリングすることができる。
【0114】
保存部220はメモリ、ディスク装置などの保存手段であり、モニターノード200が動作するための各種のプログラムとデータを保存する。特に、保存部220は、上述したモニターノード200-Nの動作を実行するアルゴリズムが定義されたプログラム(又は命令語セット)を保存する。
【0115】
インターフェース230はモニターノード200が搭載されるバッテリーモジュール20との通信連結を支援する構成要素であり、バス線、ケーブルなどを用いることができ、あるいはCAN通信を用いることができる。前記インターフェース230を介して、モニターノード200はバッテリーモジュール20で発生するバッテリーデータを獲得することができる。
【0116】
モニター制御部240はマイクロプロセッサのような演算処理装置であり、モニターノード200の全般的な動作を制御する。前記モニター制御部240は、保存部220に保存されたプログラム(又は命令語セット)に関連したデータをメモリに搭載した後、本発明の実施例による無線通信とチャネル変更を遂行することができる。
【0117】
モニター制御部240は、インターフェース230を介してバッテリーモジュール20の温度、電流、電圧などの各種のデータを獲得し、バッテリーモジュール20のAFE(Analog Front End)測定、状態点検(すなわち、diagnostic test)などの自己診断を遂行することができる。また、モニター制御部240は、無線通信部210を用いて電圧、電流、温度、及び自己診断データの中で一つ以上を含むバッテリーデータをマネージャーノード100に伝送する。本発明の実施例によれば、モニター制御部240は、無線通信部210で主チャネルのビーコンと副チャネルのビーコンが継続的に受信されているかを確認し、主チャネルと副チャネルのそれぞれの通信状態を把握することができる。モニター制御部240は、ビーコンが一定の時間を超えても受信されないチャネルを通信不可チャネルと判断する。
【0118】
モニター制御部240は、主チャネルと副チャネルが共に通信可能な場合には、主チャネルを用いてマネージャーノード100と通信することができる。モニター制御部240は、前記主チャネルが通信不可であると判断されれば、副チャネルを用いてマネージャーノード100と通信する。前記モニター制御部240は、主チャネル又は副チャネルを用いた通信によって、マネージャーノード100にバッテリーデータを伝送することができ、チャネル変更指示、点検指示、データ報告指示などの制御データをマネージャーノード100から受信することができる。
【0119】
一方、モニター制御部240は、マネージャーノード100から中継ノードリストが受信されれば、保存部220に中継ノードリストを保存する。モニター制御部240は、中継ノードのリストに自分が搭載されたモニターノード200の識別情報が含まれている場合、他のモニターノードからブロードキャスティングされたバッテリーデータをマネージャーノード100に伝送することができる。
【0120】
一方、モニター制御部240は、主チャネルと副チャネルの両方を用いてもマネージャーノード100と通信が不可な場合、マネージャーノード100に伝送しなければならないバッテリーデータを他のモニターノードにブロードキャスティングし、中継ノードとして選定された他のモニターノードを介して前記バッテリーデータがマネージャーノード100にルーティングされるようにする。前記モニター制御部240は、自分の識別情報をシード(seed)としてランダム関数に適用した後、ランダム関数の結果値をルーティングスロットの送信タイミングに決定することができ、ルーティングスロットの全区間のうち前記送信タイミングになる時点に、前記バッテリーデータを他のモニターノードにブロードキャスティングすることができる。前記モニター制御部240は、前記送信タイミングがモニターノードの間に重畳することができるので、他のモニターノードでルーティングスロットを用いない排他的な時点に、前記ルーティングスロットに含まれたバッテリーデータをブロードキャスティングすることができる。一実施例として、モニター制御部240は、CSMA-CAを用いて前記バッテリーデータをブロードキャスティングすることができる。
【0121】
無線通信部210がチャネル変更フラグ活性化情報、予備主チャネルの識別情報及び予備副チャネルの識別情報が含まれたチャネル変更データをマネージャーノード100から受信すれば、モニター制御部240はチャネル変更フラグを活性化する。また、約束時点に、モニター制御部240は、無線通信部210で設定された主チャネルの周波数を前記予備主チャネルの周波数に変更し、前記無線通信部210で設定された副チャネルの周波数を前記予備副チャネルの周波数に変更する。
【0122】
図14は本発明の一実施例による、モニターノードが主チャネル、副チャネル、及び中継ノードの中でいずれか一つを用いてデータをマネージャーノードに伝送する方法を説明するフローチャートである。
【0123】
図14を参照すると、モニターノード200のモニター制御部240は、無線通信部210を用いて主チャネルと副チャネルのビーコンを継続的に確認する(S1401)。
【0124】
次いで、モニター制御部240は、ビーコンを含むマネージャースロットが無線通信部210で受信される場合、前記マネージャースロットに含まれた命令語に相応するバッテリーデータを獲得する。次いで、モニター制御部240は、前記バッテリーデータを伝送する経路を選択する過程を行う。具体的に、モニター制御部240は、前記確認した主チャネルのビーコンに基づいて、主チャネルが正常であるか(すなわち、通信可能であるか)を判別する(S1403)。モニター制御部240は、前記無線通信部210で形成された主チャネルを介してビーコンが受信される場合、主チャネルが正常であると判断することができ、ビーコンが一定の時間内に受信されない場合、主チャネルが異常であって通信が不可であると判断することができる。次いで、モニター制御部240は、主チャネルが正常であれば(S1403yes)、前記無線通信部210で形成された主チャネルを用いて前記バッテリーデータをマネージャーノード100に伝送する(S1405)。
【0125】
次いで、モニター制御部240は、無線通信部210の主チャネルを介してACKメッセージが所定の時間内に受信されるかをモニタリングする(S1407)。モニター制御部240は、前記所定の時間内に主チャネルを介してACKメッセージがマネージャーノード100から受信されれば(S1407のYes)、前記バッテリーデータがマネージャーノード100に正常に伝送されたと判断してサイクルを終了する。
【0126】
一方、S1403段階で主チャネルの状態が異常であって主チャネルの通信が不可であるか、S1407段階で所定の時間内にACKメッセージが受信されなければ、モニター制御部240は、副チャネルのビーコンに基づいて副チャネルの状態が正常であるかを判別する(S1409)。前記モニター制御部240は、前記無線通信部210で形成した副チャネルを介してビーコンが受信される場合、副チャネルが正常であると判断することができ、ビーコンが一定の時間内に受信されない場合、副チャネルが異常であって通信が不可であると判断することができる。
【0127】
次いで、モニター制御部240は、副チャネルが正常であって副チャネルの通信が可能であれば(S1409のYes)、前記無線通信部210で形成した副チャネルを用いて前記バッテリーデータをマネージャーノード100に伝送する(S1411)。モニター制御部240は、前記所定の時間内に副チャネルを介してACKメッセージがマネージャーノード100から受信されれば(S1413のYes)、前記バッテリーデータがマネージャーノード100に正常に伝送されたと判断してサイクルを終了する。
【0128】
一方、S1409段階の判別結果、副チャネルの状態が異常であって副チャネルの通信が不可であるか、S1413段階で所定の時間内に副チャネルでACKメッセージが受信されなければ、周辺モニターノードに前記バッテリーデータをブロードキャスティングし、中継ノードとして設定されたモニターノードを介してバッテリーデータが伝送される(S1415)。
【0129】
一方、モニターノード200がマネージャーノード100の制御によって中継ノードとして選定されることができる。このように、モニターノード200が中継ノードとして選定された状態で、他のモニターノードでブロードキャスティングされたバッテリーデータが無線通信部210で受信されれば、モニター制御部240は、保存部220に保存された中継ノードリストからモニターノード200の優先順位を確認する。また、モニター制御部240は、前記優先順位より高い順位を有し中継ノードとして選定されたさらに他のモニターノードで前記バッテリーデータをルーティングするかをモニタリングし、ルーティングが完了すれば、前記バッテリーデータを削除する。一方、モニター制御部240は、前記優先順位より高い順位を有するさらに他のモニターノードで前記バッテリーデータのルーティングが失敗すれば、前記主チャネル又は副チャネルを用いて前記データを前記マネージャーノード100に伝送する。
【0130】
本発明が属する技術分野の当業者は、上述した本発明がその技術的思想又は必須特徴を変更せずに他の具体的な形態に実施可能であるということが理解可能であろう。
【0131】
また、本明細書で説明する方法は、少なくとも部分的に、一つ以上のコンピュータプログラム又は構成要素を使って具現可能である。この構成要素は、揮発性及び非揮発性メモリを含むコンピュータ可読の媒体又は機械可読の媒体を介して一連のコンピュータ指示語として提供されることができる。前記指示語はソフトウェア又はファームウエアとして提供されることができ、全体的に又は部分的に、ASICs、FPGAs、DSPs、又はその他の類似素子のようなハードウェア構成に具現されることもできる。前記指示語は一つ以上のプロセッサ又は他のハードウェア構成によって実行されるように構成されることができる。前記プロセッサ又は他のハードウェアの構成は、前記一連のコンピュータ指示語を実行するとき、この明細書に開示された方法及び過程の全部又は一部を遂行するか遂行するようにする。
【0132】
したがって、以上で記述した実施例は全ての面で例示的なもので限定的なものではないと理解しなければならない。本発明の範囲は前記詳細な説明よりは後述する特許請求範囲によって決定され、特許請求の範囲の意味及び範囲そしてその等価概念から導出される全ての変更又は変形の形態が本発明の範囲に含まれるものに解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0133】
20 バッテリーモジュール
100 マネージャーノード
110 第1無線通信部
120 第2無線通信部
130 保存部
140 マネージャー制御部
200 モニターノード
210 無線通信部
220 保存部
230 インターフェース
240 モニター制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14