(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/13 20060101AFI20240607BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20240607BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240607BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20240607BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
G08G1/13
G01C21/34
G06Q50/40
G09B29/10 A
G09B29/00 A
(21)【出願番号】P 2020104551
(22)【出願日】2020-06-17
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹森 翔一
(72)【発明者】
【氏名】正木 宏明
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-226587(JP,A)
【文献】特開2018-185693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/13
G01C 21/34
G06Q 50/40
G09B 29/10
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの現在位置とは異なる位置である乗車地点を指定した乗車要求を、
当該ユーザの通信端末から取得する乗車要求取得部と、
前記ユーザが乗車する車両が前記乗車要求において指定された前記乗車地点に到着する到着時刻を推測する推測部と、
推測された前記到着時刻までの期間において
前記ユーザが前記現在位置から前記乗車地点に移動するときの経路を基準とした地理的範囲で前記ユーザが利用可能な施設
であって、前記ユーザが前記現在位置から前記施設に移動してから、当該施設から前記乗車地点に移動し始めるまでの期間に当該ユーザが利用可能な施設についての検索結果を取得する検索結果取得部と、
取得された前記検索結果に対応する施設に関する施設情報を、前記ユーザの通信端末に送信する送信部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記送信部は、推測された前記到着時刻までの期間が閾値以上の場合に、前記施設情報を送信する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記送信部は、前記乗車地点を基準として前記到着時刻までの期間に応じた地理的範囲で前記ユーザが利用可能な施設に関する前記施設情報を送信する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記送信部は、推測された前記到着時刻までの期間に応じた属性を有する施設に関する前記施設情報を送信する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記送信部は、推測された前記到着時刻までの第1の期間から、前記ユーザが前記施設への移動に要する第2の期間又は前記施設から前記乗車地点への移動に要する第3の期間の少なくともいずれか一方を減算した期間において、前記ユーザが利用可能な施設に関する前記施設情報を送信する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記送信部は、取得された前記検索結果に対応する施設において前記到着時刻までの期間において利用可能な特典情報を含む前記施設情報を送信する
ことを特徴とする請求項1~
5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記送信部は、
前記施設におけるサービス又は商品の供給能力に応じて決まる、前記ユーザによる前記施設の利用のしやすさに関する情報を含む前記施設情報を送信する
ことを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記送信部は、前記ユーザが前記施設から前記乗車地点へ移動するときの距離又は時間に関する情報を含む前記施設情報を送信する
ことを特徴とする請求項1~
7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記送信部は、前記施設情報の送信先である前記通信端末のユーザに関する情報を、当該施設情報に対応する施設の通信端末に送信する
ことを特徴とする請求項1~
8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に乗車する予定のユーザに情報を提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、店舗又は施設に配置された設置端末からタクシー配車装置に配車要求を送信し、タクシー配車装置は、配車可能なタクシーを検索し該当するタクシーを店舗又は施設への配車を指示することが記載されている。これにより、待ち時間にユーザをその店舗又は施設に留まらせてその店舗又は施設の売り上げや集客を促進させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いわゆるオンデマンド型の交通サービスにおいて、ユーザが自身の現在位置とは異なる位置を乗車地点として指定すると、その乗車地点へと車両が向かうとともに、ユーザ自身もその乗車地点に移動して車両と落ち合う、というような仕組みが考えられている。このような仕組みにおいて、ユーザが車両よりも早く乗車地点に到着すると、車両が到着するまでの間は待機しなければならない。
【0005】
本発明は、ユーザが車両の到着を待つ間に利用可能な施設を案内することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、ユーザの現在位置とは異なる位置である乗車地点を指定した乗車要求を、当該ユーザの通信端末から取得する乗車要求取得部と、前記ユーザが乗車する車両が前記乗車要求において指定された前記乗車地点に到着する到着時刻を推測する推測部と、推測された前記到着時刻までの期間において前記ユーザが前記現在位置から前記乗車地点に移動するときの経路を基準とした地理的範囲で前記ユーザが利用可能な施設であって、前記ユーザが前記現在位置から前記施設に移動してから、当該施設から前記乗車地点に移動し始めるまでの期間に当該ユーザが利用可能な施設についての検索結果を取得する検索結果取得部と、取得された前記検索結果に対応する施設に関する施設情報を、前記ユーザの通信端末に送信する送信部とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0007】
前記送信部は、推測された前記到着時刻までの期間が閾値以上の場合に、前記施設情報を送信するようにしてもよい。
【0008】
前記送信部は、前記乗車地点を基準として前記到着時刻までの期間に応じた地理的範囲で前記ユーザが利用可能な施設に関する前記施設情報を送信するようにしてもよい。
【0009】
前記送信部は、推測された前記到着時刻までの期間に応じた属性を有する施設に関する前記施設情報を送信するようにしてもよい。
【0010】
前記送信部は、推測された前記到着時刻までの第1の期間から、前記ユーザが前記施設への移動に要する第2の期間又は前記施設から前記乗車地点への移動に要する第3の期間の少なくともいずれか一方を減算した期間において前記ユーザが利用可能な施設に関する前記施設情報を送信するようにしてもよい。
【0012】
前記送信部は、取得された前記検索結果に対応する施設において前記到着時刻までの期間において利用可能な特典情報を含む前記施設情報を送信するようにしてもよい。
【0013】
前記送信部は、前記ユーザによる前記施設の利用のしやすさに関する情報を含む前記施設情報を送信するようにしてもよい。
【0014】
前記送信部は、前記ユーザが前記施設から前記乗車地点へ移動するときの距離又は時間に関する情報を含む前記施設情報を送信するようにしてもよい。
【0015】
前記送信部は、前記施設情報の送信先である前記通信端末のユーザに関する情報を、当該施設情報に対応する施設の通信端末に送信するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザが車両の到着を待つ間に利用可能な施設を案内することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両管理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】ユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】車載端末20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】サーバ装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】サーバ装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】サーバ装置30の動作を例示するフローチャートである。
【
図7】サーバ装置30が記憶する施設情報を例示する図である。
【
図8】サーバ装置30による施設情報の検索の一例を説明する図である。
【
図9】ユーザ端末10に表示される施設情報を例示する図である。
【
図10】ユーザ端末10に表示される施設情報を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[構成]
図1は、本実施形態の車両管理システム1の一例を示す図である。車両管理システム1は、オンデマンド型の交通サービスを提供するためのシステムである。車両管理システム1は、車両に乗降する乗客(つまり交通サービスの提供対象となるユーザ)が利用する通信端末としてそれぞれ機能する複数のユーザ端末10と、車両において運転者が利用する通信端末としてそれぞれ機能する複数の車載端末20と、本発明に係る情報処理装置として機能するサーバ装置30とを備える。ネットワーク2は、これらユーザ端末10、車載端末20及びサーバ装置30を相互に通信可能に接続する。ネットワーク2は、例えばLAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)、若しくはこれらの組み合わせであり、有線区間又は無線区間を含んでいる。ネットワーク2は、例えば第5世代移動通信システムに準拠したネットワークであることが望ましいが、必ずしもこれに限らない。
【0019】
車両管理システム1において、ユーザは自身のユーザ端末10を操作して、予め用意された複数の乗降車地点群から選択した任意の乗車地点から任意の目的地点までの乗車を要求する。この乗車要求はユーザ端末10からサーバ装置30にネットワーク2経由で送信される。車載端末20をそれぞれ搭載した複数の車両は分散して走行又は待機しており、サーバ装置30は、上記乗車要求における乗車地点の近辺に居る車両群又はその乗車地点の近辺を走行する予定の車両群から、そのユーザの乗車要求に合致する車両を選択する。サーバ装置30は、車両の現在地点から上記乗車地点を経由して上記目的地点に至るまでの経路を特定して、その経路に関する情報を、選択した車両の車載端末20に通知する。この車載端末20が搭載された車両の運転者は、通知された経路に従って車両を運転する。また、サーバ装置30は、上記ユーザのユーザ端末10に対して、そのユーザが乗車するべき車両や、その車両が乗車地点及び目的地点に到着する予定の到着時刻等に関する情報を通知する。ユーザは、通知された乗車地点に通知された車両の到着時刻までに徒歩等で移動し、その乗車地点において車両に乗車する。
【0020】
図2は、ユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。ユーザ端末10は、例えばスマートホン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。ユーザ端末10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。ユーザ端末10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0021】
ユーザ端末10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0022】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。また、例えばベースバンド信号処理部や呼処理部などがプロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0023】
プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、後述する動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。ユーザ端末10の機能ブロックは、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。各種の処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワーク2からユーザ端末10に送信されてもよい。
【0024】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0025】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0026】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェースなどは、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0027】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キー、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ、GPSユニットなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチスクリーン)であってもよい。
【0028】
プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバスによって接続される。バスは、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0029】
また、ユーザ端末10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0030】
図3は、車載端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。車載端末20は、例えばカーナビゲーション装置、スマートホン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。車載端末20は、車両に一体化又は固定されている端末であってもよいし、運転者が携帯可能で車両に持ち込むことができるような端末であってもよい。車載端末20のハードウェア構成は、
図3に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、車載端末20を構成してもよい。
【0031】
車載端末20は、物理的にはユーザ端末10と同様に、プロセッサ2001、メモリ2002、ストレージ2003、通信装置2004、入力装置2005、出力装置2006及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。車載端末20における各機能は、プロセッサ2001、メモリ2002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ2001が演算を行い、通信装置2004による通信を制御したり、メモリ2002及びストレージ2003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。プロセッサ2001、メモリ2002、ストレージ2003、通信装置2004、入力装置2005、出力装置2006、及びこれらを接続するバスは、ユーザ端末10について説明したプロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、及びこれらを接続するバスと、ハードウェアとしては同様であるため、その説明を省略する。
【0032】
図4は、サーバ装置30のハードウェア構成を示す図である。サーバ装置30のハードウェア構成は、
図4に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、サーバ装置30を構成してもよい。
【0033】
サーバ装置30は、物理的には、プロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。サーバ装置30における各機能は、プロセッサ3001、メモリ3002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ3001が演算を行い、通信装置3004による通信を制御したり、メモリ3002及びストレージ3003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。プロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、及びこれらを接続するバスは、ユーザ端末10について説明したプロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、及びこれらを接続するバスと、ハードウェアとしては同様であるため、その説明を省略する。ただし、通信装置3004は、無線通信の通信規格に従って通信を行うためのハードウェアである必要はなく、任意の有線通信の通信規格に従ってネットワーク2を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であってもよい。
【0034】
図5は、車両管理システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、サーバ装置30において、乗車要求取得部31と、配車管理部32と、推測部33と、検索結果取得部34と、施設情報記憶部35と、送信部36という機能が実現される。
【0035】
前述したように、ユーザが自身のユーザ端末10を操作して、任意の乗車地点から任意の目的地点までの乗車を要求すると、この乗車要求はユーザ端末10からネットワーク2経由でサーバ装置30に送信される。ユーザ端末10は、ユーザの操作に応じて又は定期的に、GPSユニットやいわゆる基地局測位等によって自端末の位置を測位する。上記乗車要求には、測位されたユーザ端末10の位置を示す位置情報が含まれている。サーバ装置30において、乗車要求取得部31は、この乗車要求をユーザ端末10からネットワーク2経由で取得する。
【0036】
サーバ装置30において、配車管理部32は、車両の配車に関する配車処理を行う。より具体的には、配車管理部32は、上記乗車要求における乗車地点の近辺に居る車両群又はその乗車地点の近辺を走行する予定の車両群から、そのユーザの乗車要求に合致する車両を選択する。配車管理部32は、選択した車両の現在地点から上記乗車地点を経由して上記目的地点に至るまでの経路を算出する。この経路は、車両がどの位置をいつ通過するといった情報を含む概念であり、例えば、ユーザが乗車する車両として選択された車両が上記乗車地点に到着する予定となる時刻に関する情報を含んでいる。
【0037】
前述したように本実施形態において、ユーザが車両に対して乗降することが可能な場所、つまり車両への乗降地点の位置は予め決まっている。従って、ユーザが車両に乗車する乗車地点は予め決められた乗降地点の中から指定されることになるし、また、ユーザが車両から降車する目的地点は予め決められた乗降地点の中から指定されることになる。配車管理部32の配車情報記憶部321は、これら複数の乗降地点に関する乗降地点情報を記憶している。この乗降地点情報には、乗降地点の位置やその利用可能条件(例えば乗降地点として利用可能な日時に関する情報、具体的には、日又は時と、当該日又は時において各乗降地点が利用可能であるか否かを示す情報)等に関する情報が含まれている。さらに、配車情報記憶部321は、全ての交通サービスエリア内の地図データ及び交通データを記憶している。地図データには、全ての交通サービスエリア内の各道路の位置、各道路において走行可能な方向及び車線数、及び各道路における信号等に関する情報が含まれる。交通データには、全ての交通サービスエリア内の各道路における渋滞や事故等に関する情報が含まれる。また、交通データには、各地域において所定のセンシング装置によってセンシングされた交通量に関する情報や、日時等の条件に応じて道路上の車両群がどのような移動をするのかというマクロ的な観点からの統計情報を含んでいてもよい。これら地図データ及び交通データは、車両の経路及びその経路を車両が移動するときの所要時間の特定に用いられる。また、配車情報記憶部321は、どの車両がどの位置をいつ通過するか、また、どの車両においてどのユーザがどの乗降地点から乗車するか/どの乗降地点において降車するか等の、各車両の経路に関する情報を記憶する。
【0038】
推測部33は、ユーザが乗車する車両として配車管理部32により選択された車両が、乗車要求において指定された乗車地点に到着する到着時刻を推測する。ここでは、推測部33は、上記の配車管理部32が算出した車両の経路において上記乗車地点に到着する予定となる時刻を用いることで、この到着時刻の推測を行う。
【0039】
検索結果取得部34は、推測部33により推測された到着時刻までの期間において、上記乗車地点を基準とした或る地理的範囲でユーザが利用可能な施設についての検索結果を取得する。ここでいう施設とは、例えば飲食店舗、小売店舗、ゲームセンタ等の各種商業店舗や、図書館、公園等の各種公共施設や、自動販売機等の無人施設を含む。このような施設に関する情報は、施設情報記憶部35に記憶されている。検索結果取得部34は、施設情報記憶部35に記憶された施設情報群のうち、その検索を行う現在時刻、推測部33により推測された到着時刻、及び乗車要求において指定された乗車地点の位置等を検索条件として検索し、これらの検索条件に合致する施設情報を施設情報記憶部35から読み出すことで、検索結果を取得する。
【0040】
サーバ装置30において、送信部36は、各種の情報をネットワーク2経由でユーザ端末10又は車載端末20に送信する。送信部36からユーザ端末10に送信される情報は、例えば、そのユーザ端末10のユーザが乗車するべき車両や、その車両が乗車地点及び目的地点に到着する到着時刻等に関する情報等である。送信部36から車載端末20に送信される情報は、例えば、車両に乗車するユーザに関する情報や、車両の現在地点から上記乗車地点を経由して上記目的地点に至るまでの経路に関する情報等である。本実施形態において特に、送信部36は、検索結果取得部34により取得された検索結果に対応する施設に関する施設情報をユーザ端末10に送信する。ユーザはユーザ端末10において提示された施設情報に基づいて、乗車地点に車両が到着する到着時刻まで自身が利用可能な施設について知ることができる。
【0041】
[動作]
次に、サーバ装置30の動作について説明する。
図6に示す各処理の手順は、サーバ装置30に記憶されているプログラムに記述されている。
図6において、まず、乗車要求取得部31は、前述したようにしてユーザ端末10から送信されてくる乗車要求をネットワーク2経由で取得する(ステップS11)。この乗車要求には、ユーザ端末10の位置情報と、ユーザによって指定された乗車地点及び目的地点に関する情報とが含まれている。
【0042】
次に、配車管理部32は、乗車要求取得部31により取得された乗車要求に応じて、前述したような配車に関する配車処理を開始する(ステップS12)。具体的には、配車管理部32は、乗車要求における乗車地点の近辺に居る車両群又はその乗車地点の近辺を走行する予定の車両群から、そのユーザの乗車要求に合致する車両を選択し、選択した車両の現在地点から上記乗車地点を経由して上記目的地点に至るまでの経路を算出する。送信部36は、算出された経路に関する情報等を車載端末20に送信する。車両の運転者は、配車管理部32から通知された経路に従って車両を運転してユーザの乗車地点への移動を開始する。また、送信部36は、ユーザ端末10のユーザが乗車するべき車両や、その車両が乗車地点及び目的地点に到着する到着時刻等に関する情報等を、ユーザ端末10に送信する。
【0043】
次に、推測部33は、ユーザが乗車する車両として配車管理部32により選択された車両が、乗車要求において指定された乗車地点に到着する到着時刻を推測する(ステップS13)。
【0044】
次に、推測部33は、現在時刻から上記到着時刻までの期間が閾値以上か否かを判断する(ステップS14)。この閾値は任意に決められるが、例えば30分である。
【0045】
この期間が閾値以上の場合は、ユーザは車両が乗車地点居到着するまでに、或る程度の期間、待機しなければならないことになる。そこで、この場合には(ステップS14;YES)、検索結果取得部34は、現在時刻から推測部33により推測された到着時刻までの期間において、指定された乗車地点を基準とした或る地理的範囲でユーザが利用可能な施設について施設情報記憶部35の記憶内容を検索し、その検索結果を取得する(ステップS15)。ここでいう、乗車地点を基準とした或る地理的範囲とは、例えば予め決められた固定の範囲(例えば乗車地点を中心とした半径100(m)の円の内側に含まれる地域)であってもよいし、現在時刻から上記到着時刻までの期間に応じて変動する範囲(例えばこの期間をT分としたとき、乗車地点を中心とした半径がT×定数(m)の円の内側に含まれる地域)であってもよい。
【0046】
ここで、
図7は、施設情報記憶部35の記憶内容を例示する図である。
図7に示すように、施設情報記憶部35には、各施設を識別する施設識別子と、その施設の位置を示す位置情報と、その施設を利用可能な日時に関する利用可能日時情報と、その施設の属性情報(例えば施設の種類等を含む)とが対応付けられて記憶されている。検索結果取得部34は、各施設情報のうち、その位置が乗車地点を基準とした上記地理的範囲に含まれる施設であって、且つ、現在時刻から車両の到着時刻までの期間が利用可能な日時に含まれるような施設に関する施設情報を検索する。
【0047】
図8は、この検索の一例を説明する図である。
図8において、Uはユーザの現在位置であり、Rは乗車地点であり、F1,F2,F3,F4,F5はそれぞれ
図7に例示した施設識別子F001,F002,F003,F004,F005に対応する施設の位置である。ここで、現在時刻は14:15であり、車両の到着時刻は14:40であるとする。これら施設F1~F5において、乗車地点Rを基準とした上記地理的範囲(乗車地点Rから破線で示した所定半径の円内)にある施設F1~F4のうち、現在時刻14:15から14:40において利用可能な施設F2(
図7において利用可能日時9:00-19:00),施設F3(
図7において利用可能日時0:00-24:00)が検索されることになる。なお、この検索においてどのような種類の施設を検索するのかということについては、ユーザが予め指定しておいてもよいし、乗車要求を行うときにユーザが指定してもよいし、ユーザの属性に応じて検索結果取得部34が選択してもよい。
【0048】
送信部36は、検索結果取得部34により取得された検索結果に応じた施設に関する施設情報をユーザ端末10に送信する(ステップS16)。この施設情報は、施設の位置や営業時間等の各種の情報が含まれる。ユーザはユーザ端末10において例えば表示等の方法で提示された施設情報を参照して、乗車地点に車両が到着する予定の到着時刻まで利用できる施設について知ることができる。
【0049】
ここで、
図9,10はユーザ端末10に表示される施設情報を例示する図である。ユーザ端末10には、
図9に示すように、ユーザの現在位置と、乗車地点と、検索された施設情報に対応する施設の位置が地図上に表示される。さらに、ユーザが乗車地点まで移動するための経路や、その経路上の移動に要する時間及び距離が表示される。そして、例えばカフェに対応する、「カ」と表記されたアイコンが選択されると、ユーザ端末10に表示される施設情報は
図10に例示する内容に遷移する。
図10では、ユーザにより選択されたカフェに関する詳細な施設情報が表示される例が示されている。
【0050】
なお、
図6において現在時刻から到着時刻までの期間が閾値未満であると判断されると(ステップS14;NO)、施設情報の送信は行われない。乗車地点においてユーザが待機する期間が短いので、ユーザの負担が少ないと考えられるからである。
【0051】
以上説明した実施形態によれば、車両が到着するまでユーザが待機するべき乗車地点の近隣にある施設に関する情報をユーザに提供することにより、ユーザが車両を待機するときの負担を軽減することが可能となる。
【0052】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の2つ以上の変形例を組み合わせて実施してもよい。
【0053】
[変形例1]
施設情報を検索するときの検索条件としての地理的範囲は、現在時刻から車両が乗車地点に到着する到着時刻までの期間に応じて異なっていてもよい。例えば、車両が乗車地点に到着する到着時刻までの期間が閾値以上の場合には、その期間が閾値未満の場合に比べて、上記地理的範囲の大きさを大きくしてもよい。車両が乗車地点に到着する到着時刻までの期間が閾値以上であれば、車両が乗車地点に到着するまでに時間的な余裕があり、ユーザは乗車地点から遠い施設を利用し得るからである。なお、車両が乗車地点に到着する到着時刻は、実施形態で説明したように、推測部33によって推測可能である。この場合、検索結果取得部34は上記のように現在時刻から車両が乗車地点に到着する到着時刻までの期間に応じて異なる地理的範囲を検索条件にした検索結果を取得し、送信部36はこのような地理的範囲でユーザが利用可能な施設に関する施設情報をユーザ端末10に送信することになる。
【0054】
[変形例2]
上述した地理的範囲は、各々の乗車地点に応じて異なっていてもよい。例えば、都市部のような人口密集地域又は施設密集地域に属する乗車地点については、人口密集地域又は施設密集地域に属しない乗車地点に比べて、この地理的範囲を小さくしてもよい。人口密集地域又は施設密集地域においては、地理的範囲が小さくても、ユーザに対して十分な量の施設情報を提供できると考えられるからである。なお、乗車地点が人口密集地域又は施設密集地域に属するか否かという情報は、配車情報記憶部321が予め記憶していればよい。この場合、検索結果取得部34はこのように乗車地点が人口密集地域又は施設密集地域に属するか否かに応じて異なる地理的範囲を検索条件にした検索結果を取得し、送信部36は、このような地理的範囲でユーザが利用可能な施設に関する施設情報をユーザ端末10に送信することになる。
【0055】
[変形例3]
施設情報の検索は、現在時刻から車両が乗車地点に到着する到着時刻までの期間に応じた、施設の属性を検索条件として行われてもよい。ここでいう施設の属性とは、例えば施設の種類、規模、利用目的、利用料金のレベルなどである。例えば到着時刻までの期間が閾値以上の場合は、その期間が閾値未満の場合に比べて、長時間の滞在に適した施設(例えばカフェ等の種類の施設や大規模な施設や利用料金が高い施設等)が検索される。なお、施設の属性は
図7に例示したように施設情報記憶部35によって記憶されている。この場合、送信部36は、到着時刻までの期間に応じた属性を有する施設に関する施設情報をユーザ端末10に送信することになる。
【0056】
[変形例4]
施設情報の検索は、ユーザが現在位置から施設に移動するのに要する期間を考慮して行われてもよい。具体的には、検索結果取得部34は、推測された到着時刻までの第1の期間からユーザが施設への移動に要する第2の期間を減算した期間においてユーザが利用可能な施設に関する施設情報を検索する。例えばユーザが乗車要求を行った時点が14:15で、車両の到着時刻が14:40であり、さらに、ユーザが各施設に移動するのに要する期間がX分であるとした場合には、14:15+X分から14:40までの期間に利用可能な施設に関する施設情報が検索される。例えばユーザが現在位置から乗車地点近傍の或る施設に移動するのに10分を要する場合、その施設が14:25から14:40までの期間において利用可能であれば、その施設に関する施設情報がユーザに提示されることになる。ユーザが各施設に移動するのに要する期間は推測部33により推測される。この変形例においては、送信部36は、推測された到着時刻までの第1の期間からユーザが施設への移動に要する第2の期間を減算した期間においてユーザが利用可能な施設に関する施設情報をユーザ端末10に送信することになる。
【0057】
また、施設情報の検索は、ユーザが施設から乗車地点に移動するのに要する期間を考慮して行われてもよい。具体的には、検索結果取得部34は、推測された到着時刻までの第1の期間からユーザが施設から乗車地点への移動に要する第3の期間を減算した期間においてユーザが利用可能な施設に関する施設情報を検索する。例えばユーザが乗車要求を行った時点が14:15で、車両の到着時刻が14:40であり、ユーザが各施設から乗車地点に移動するのに要する期間がY分であるとした場合には、14:15から14:40-Y分までの期間に利用可能な施設に関する施設情報が検索される。例えばユーザが乗車地点近傍の或る施設から乗車地点に移動するのに5分を要する場合、その施設が14:15から14:35までの期間において利用可能であれば、その施設に関する施設情報がユーザに提示されることになる。ユーザが各施設から乗車地点に移動するのに要する期間は推測部33により推測される。この変形例においては、送信部36は、推測された到着時刻までの第1の期間からユーザが施設への移動に要する第2の期間を減算した期間においてユーザが利用可能な施設に関する施設情報をユーザ端末10に送信することになる。
【0058】
さらに、上記の2つの変形を組み合わせてもよい。つまり、検索結果取得部34は、推測された到着時刻までの第1の期間から、ユーザが施設への移動に要する第2の期間及びユーザが施設から乗車地点への移動に要する第3の期間を減算した期間においてユーザが利用可能な施設に関する施設情報を検索するようにしてもよい。例えばユーザが乗車要求を行った時点が14:15で、車両の到着時刻が14:40であり、さらにユーザが現在位置から乗車地点近傍の或る施設に移動するのに10分を要し、且つ、その施設から乗車地点に移動するのに5分を要する場合、その施設が14:25から14:35までの期間において利用可能であれば、その施設に関する施設情報がユーザに提示されることになる。この変形例においては、送信部36は、推測された到着時刻までの第1の期間から、ユーザが施設への移動に要する第2の期間及びユーザが施設から乗車地点への移動に要する第3の期間を減算した期間においてユーザが利用可能な施設に関する施設情報をユーザ端末10に送信することになる。
【0059】
以上のことをまとめると、この変形例4において送信部36は、推測された到着時刻までの第1の期間から、ユーザが施設への移動に要する第2の期間又は施設から乗車地点への移動に要する第3の期間の少なくともいずれか一方を減算した期間において、ユーザが利用可能な施設に関する施設情報を送信するようにしてもよい。
【0060】
[変形例5]
施設情報の検索は、ユーザが現在位置から乗車地点に移動するときの経路を考慮して行われてもよい。具体的には、検索結果取得部34は、ユーザが現在位置から乗車地点に移動するときの経路を算出し、その経路を中心として或る地理的範囲内にある施設の施設情報を検索した検索結果を取得する。つまり、検索結果取得部34は、ユーザと乗車地点との位置関係に応じた位置にある施設を検索条件とした検索結果を取得する。例えばユーザが乗車要求を行った時点が14:00で、車両の到着時刻が14:40であり、さらにユーザが現在位置から乗車地点に至る経路近傍の或る施設に移動するのに10分を要し、且つ、その施設から乗車地点に移動するのに10分を要する場合には、その施設が14:10から14:30までの期間において利用可能であれば、その施設に関する施設情報がユーザに提示される。この場合、送信部36は、ユーザと乗車地点との位置関係に応じた位置にある施設に関する施設情報をユーザ端末10に送信することになる。
【0061】
[変形例6]
送信部36は、検索結果に対応する施設において到着時刻までの期間において利用可能な、いわゆるクーポン等の特典に関する情報をユーザ端末10に送信するようにしてもよい。この場合、施設情報記憶部35はそのような特典に関する特典情報を施設ごとに記憶しており、検索結果取得部34は各施設に対応する特典情報を含む検索結果を取得する。そして、送信部36は、取得された検索結果に対応する施設において到着時刻までの期間において利用可能な特典情報を含む施設情報をユーザ端末10に送信する。
【0062】
[変形例7]
サーバ装置30は、ユーザによる施設の利用の可能性がある旨や利用が予想される時間に関する情報をその施設に通知するようにしてもよい。この場合、施設の通信端末として、例えばスマートホン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末又はパーソナルコンピュータ等の、ネットワーク2経由でサーバ装置30と通信可能なコンピュータを用いることができる。送信部36は、施設情報の送信先となったユーザ端末10のユーザに関する情報(例えば施設の利用の可能性がある旨、ユーザの性別、人数、利用する可能性がある時間等)を生成して、当該施設情報に対応する施設の通信端末に送信するようにしてもよい。ユーザに関する情報のうち、ユーザの性別等の属性は、サーバ装置30がユーザアカウントに対応付けて予め記憶していればよい。また、ユーザが利用する可能性がある時間は、車両の到着時刻までの第1の期間からユーザが施設への移動に要する第2の期間を減算した期間に相当する。
【0063】
[変形例8]
送信部36は、ユーザによる施設の利用のしやすさに関する情報を含む施設情報を送信するようにしてもよい。利用のしやすさとは、例えば施設を利用している人間の多さ(つまり施設の混雑/空き状況)や、自動販売機等の場合は販売している商品の在庫等の、サービス又は商品の供給能力に応じて決まる。例えば施設の混雑度が閾値未満の場合には、その混雑度が閾値以上の場合に比べて、利用のしやすさは高い。また、自動販売機において販売されている商品の在庫が閾値以上の場合には、その在庫が閾値未満の場合に比べて、利用のしやすさは高い。施設情報記憶部35は、このような利用のしやすさについて、各施設からネットワーク2を介したリアルタイムな通知に従い、その内容を記憶しておく。そして、検索結果取得部34は、このような利用のしやすさを含む検索結果を取得して、送信部36は、この利用のしやすさに関する情報を含む施設情報をユーザ端末10に送信する。
【0064】
[変形例9]
送信部36は、取得された検索結果に対応する施設から乗車地点へとユーザが移動する距離又は時間に関する情報を含む施設情報を送信するようにしてもよい。例えば施設から乗車地点までは“徒歩で5分かかる”とか“400m離れている”等の情報である。これらの情報は、サーバ装置30(推測部33)によって推測すればよい。これにより、施設で待機しているユーザはその施設から乗車地点までの距離又は所要時間が分かるようになる。
【0065】
[変形例10]
本発明に係る情報処理装置の一例としてサーバ装置30を例示したが、
図5に例示した機能ブロックを実現するコンピュータであれば本発明を適用可能である。また、サーバ装置30が施設情報を記憶している必要はなく、サーバ装置以外の他の装置が記憶してもよい。この場合、サーバ装置が他の装置に対して検索を要求してその検索結果を取得すればよい。
【0066】
[そのほかの変形例]
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0067】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0068】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0069】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0070】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0071】
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0072】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0073】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0074】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0075】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0076】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0077】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0078】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0079】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0080】
ユーザ端末10又は車載端末20は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。
【0081】
「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0082】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」され経路考えることができる。
【0083】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0084】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0085】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0086】
本開示において、例えば、英語でのa,an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0087】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…車両管理システム、2…ネットワーク、10…ユーザ端末、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、20…車載端末、2001…プロセッサ、2002…メモリ、2003…ストレージ、2004…通信装置、2005…入力装置、2006…出力装置、30…サーバ装置、31…乗車要求取得部、32…配車管理部、321…配車情報記憶部、33…推測部、34…検索結果取得部、35…施設情報記憶部、36…送信部、3001…プロセッサ、3002…メモリ、3003…ストレージ、3004…通信装置。