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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】災害時安否確認システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20240607BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240607BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20240607BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240607BHJP
   G07C 9/27 20200101ALI20240607BHJP
【FI】
G08B25/04 F
G08B25/04 K
G08B25/00 510M
G08B21/02
G06T7/00 660Z
G07C9/27
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020111145
(22)【出願日】2020-06-29
(65)【公開番号】P2022010512
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】清水 優
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-45579(JP,A)
【文献】特開2020-86482(JP,A)
【文献】特開2006-323719(JP,A)
【文献】特開2020-112939(JP,A)
【文献】特開2019-212020(JP,A)
【文献】特開2018-97720(JP,A)
【文献】特開2012-113367(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 19/00-31/00
G06T 7/00ー 7/90
G07C 1/00- 9/38,13/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の出入口を通行する人を撮影する部屋出入口用カメラ装置と、
入退室管理装置によって前記部屋に入ることが許可された人の画像と前記部屋出入口用カメラ装置によって撮影された人の画像とを用いて、前記部屋に入った人が前記部屋から避難したか否かを判定する避難判定装置と、
を備えている災害時安否確認システム。
【請求項2】
避難経路を通行する人を撮影する避難経路用カメラ装置をさらに備え、
前記避難判定装置は、前記入退室管理装置によって前記部屋に入ることが許可された人の画像と前記避難経路用カメラ装置によって撮影された人の画像とを用いて、前記部屋に入った人が前記避難経路を通行したか否かを判定する請求項1に記載の災害時安否確認システム。
【請求項3】
前記避難経路は、複数の避難経路部分に区分けされており、
前記避難経路用カメラ装置は、複数の前記避難経路部分のそれぞれを通行する人を撮影し、
前記避難判定装置は、複数の前記避難経路部分ごとに、人が前記避難経路部分を通行したか否かを判定する請求項2に記載の災害時安否確認システム。
【請求項4】
建物の出入口を通行する人を撮影する建物出入口用カメラ装置をさらに備え、
前記避難判定装置は、前記入退室管理装置によって前記部屋に入ることが許可された人の画像と前記建物出入口用カメラ装置によって撮影された人の画像とを用いて、前記部屋に入った人が前記建物から避難したか否かを判定する請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の災害時安否確認システム。
【請求項5】
前記部屋出入口用カメラ装置は、監視カメラ装置である請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の災害時安否確認システム。
【請求項6】
前記入退室管理装置によって前記部屋に入ることが許可された人の避難の情報を含む安否確認情報を外部に送信する通報装置をさらに備えた請求項1から請求項5までの何れか一項に記載の災害時安否確認システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、災害時安否確認システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対のカードリーダと、錠装置と、認証装置と、を備えた災害時安否確認システムが知られている。一対のカードリーダは、部屋の内外のそれぞれに1個ずつ設けられている。錠装置は、部屋の壁に形成された部屋の出入口を開閉する扉の施錠および解錠を行う。認証装置は、通常時、カードリーダに入力されたカード情報を用いて、カード情報を入力した人の出入口の通行の可否を判定し、さらに、制御装置の判定結果を用いて錠装置の駆動を制御する。また、認証装置は、通常時に、部屋への人の入退室を管理して、人の居場所データを作成する。また、認証装置は、通常時に作成された人の居場所の情報を用いて、災害時に、人の避難の情報を示す安否確認情報を作成する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-011721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、災害時において、部屋に入った人を部屋から避難させるために、錠装置が扉を解錠する。これにより、部屋に入った人は、カードリーダにカード情報を入力することなく、部屋の出入口を通行することができる。その結果、災害時安否確認システムの安否確認情報が不正確となる可能性があるという問題点があった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、災害時安否確認システムの安否確認情報をより正確にすることができる災害時安否確認システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る災害時安否確認システムは、部屋の出入口を通行する人を撮影する部屋出入口用カメラ装置と、入退室管理装置によって部屋に入ることが許可された人の画像と部屋出入口用カメラ装置によって撮影された人の画像とを用いて、部屋に入った人が部屋から避難したか否かを判定する避難判定装置と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る災害時安否確認システムによれば、災害時安否確認システムの安否確認情報をより正確にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る災害時安否確認システムが設けられている建物を示す構成図である。
図2図1の建物に設けられている災害時安否確認システムおよび入退室管理装置を示すブロック図である。
図3】実施の形態1に係る災害時安否確認システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る災害時安否確認システムが設けられている建物を示す構成図である。図2は、図1の建物に設けられている災害時安否確認システムおよび入退室管理装置を示すブロック図である。実施の形態1に係る災害時安否確認システム1は、入退室管理装置2に電気的に接続されている。
【0010】
入退室管理装置2は、部屋用扉装置21と、部屋用錠装置22と、部屋用カードリーダ装置23と、を備えている。
【0011】
部屋用扉装置21は、複数の扉を有している。部屋用扉装置21に含まれる複数の扉は、複数の部屋31のそれぞれに対応して1個ずつ配置されている。なお、1個の部屋31に形成された出入口の数が複数である場合には、1個の部屋31には、複数の出入口のそれぞれに対応して、複数の扉が配置される。部屋用扉装置21は、複数の部屋31のそれぞれの出入口を別々に開閉する。
【0012】
部屋用錠装置22は、複数の錠装置を有している。部屋用錠装置22に含まれる複数の錠装置は、複数の部屋用扉装置21のそれぞれに対応して1個ずつ配置されている。部屋用錠装置22は、複数の部屋用扉装置21のそれぞれの施錠および解錠を別々に行う。
【0013】
部屋用カードリーダ装置23は、複数のカードリーダを有している。部屋用カードリーダ装置23に含まれる複数のカードリーダは、複数の部屋31の出入口のそれぞれに対応して2個ずつ配置されている。2個のカードリーダのうちの一方のカードリーダは、部屋31の外に配置されており、2個のカードリーダのうちの他方のカードリーダは、部屋31の内に配置されている。部屋31の外に配置されたカードリーダには、部屋31に入る人が所持するカードのカード情報が入力される。部屋31の内に配置されたカードリーダには、部屋31から出る人が所持するカードのカード情報が入力される。
【0014】
また、入退室管理装置2は、建物用扉装置24と、建物用錠装置25と、建物用カードリーダ装置26と、をさらに備えている。
【0015】
建物用扉装置24は、1個の扉を有している。建物用扉装置24は、建物の出入口を開閉する。なお、建物の出入口の数が複数である場合には、建物には、複数の出入口のそれぞれに対応して、複数の扉が配置される。
【0016】
建物用錠装置25は、1個の錠装置を有している。建物用錠装置25は、建物用扉装置24の施錠および解錠を行う。なお、建物用扉装置24の数が複数である場合には、建物用錠装置25は、複数の建物用扉装置24のそれぞれに対応して、複数の錠装置を有する。
【0017】
建物用カードリーダ装置26は、2個のカードリーダを有している。2個のカードリーダのうちの一方のカードリーダは、建物の外に配置されており、2個のカードリーダのうちの他方のカードリーダは、建物の内に配置されている。建物の外に配置されたカードリーダには、建物に入る人が所持するカードのカード情報が入力される。建物の内に配置されたカードリーダには、建物から出る人が所持するカードのカード情報が入力される。なお、建物用錠装置25の数が複数である場合には、建物用カードリーダ装置26は、複数の建物用錠装置25のそれぞれに対応して、複数のカードリーダを有する。
【0018】
この例では、建物の階数は、5となっており、それぞれの階に1個ずつ部屋31が設けられている。また、この例では、建物には、非常階段を有する避難経路32が形成されている。
【0019】
入退室管理装置2は、認証装置27と、第1の記憶装置28と、をさらに備えている。
【0020】
部屋31の出入口を通行する人および建物の出入口を通行する人は、カードを所持している。カードには、カードを所持する人を特定するカード情報が記憶されている。第1の記憶装置28には、各部屋31の出入口の通行可能な人を示す情報と、建物の出入口の通行可能な人を示す情報とが記憶されている。
【0021】
人が部屋31の出入口を通行する際に、人が所持するカードに記憶されているカード情報が部屋用カードリーダ装置23に入力される。認証装置27は、部屋用カードリーダ装置23に入力されたカード情報と、第1の記憶装置28に記憶されている、部屋31の出入口の通行可能な人を示す情報とを用いて、カードを所持する人が、部屋31の出入口の通行を許可されているか否かを判定する。部屋31の出入口の通行の許可には、部屋31に入ることの許可と、部屋31から出ることの許可とが含まれている。
【0022】
人が建物の出入口を通行する際に、人が所持するカードに記憶されているカード情報が建物用カードリーダ装置26に入力される。認証装置27は、建物用カードリーダ装置26に入力されたカード情報と、第1の記憶装置28に記憶されている、建物の出入口の通行可能な人を示す情報とを用いて、カードを所持する人が、建物の出入口の通行を許可されているか否かを判定する。建物の出入口の通行の許可には、建物に入ることの許可と、建物から出ることの許可とが含まれている。
【0023】
第1の記憶装置28には、認証装置27によって部屋31に入ることが許可された人を示す情報と、認証装置27によって部屋31から出ることが許可された人を示す情報とが記憶されている。また、第1の記憶装置28には、部屋31に入ることが許可された時刻を示す情報と、部屋31から出ることが許可された時刻を示す情報とが記憶されている。
【0024】
部屋31に入ることが許可された人を示す情報を入室許可人情報とする。部屋31に入ることが許可された時刻を示す情報を入室許可時刻情報とする。部屋31から出ることが許可された人を示す情報を退室許可人情報とする。部屋31から出ることが許可された時刻を示す情報を退室許可時刻情報とする。入室許可人情報と入室許可時刻情報とが互いに対応して記憶されている。退室許可人情報と退室許可時刻情報とが互いに対応して記憶されている。
【0025】
また、第1の記憶装置28には、認証装置27によって建物に入ることが許可された人を示す情報と、認証装置27によって建物から出ることが許可された人を示す情報とが記憶されている。また、第1の記憶装置28には、建物に入ることが許可された時刻を示す情報と、建物から出ることが許可された時刻を示す情報とが記憶されている。
【0026】
建物に入ることが許可された人を示す情報を入館許可人情報とする。建物に入ることが許可された時刻を示す情報を入館許可時刻情報とする。建物から出ることが許可された人を示す情報を退館許可人情報とする。建物から出ることが許可された時刻を示す情報を退館許可時刻情報とする。入館許可人情報と入館許可時刻情報とが互いに対応して記憶されている。退館許可人情報と退館許可時刻情報とが互いに対応して記憶されている。
【0027】
実施の形態1に係る災害時安否確認システム1は、部屋出入口用カメラ装置11と、避難経路用カメラ装置12と、建物出入口用カメラ装置13と、を備えている。
【0028】
部屋出入口用カメラ装置11は、各部屋31の出入口を通行する人を撮影する。部屋出入口用カメラ装置11は、複数のカメラを有している。部屋出入口用カメラ装置11に含まれる複数のカメラは、複数の部屋31のそれぞれに対応して2個ずつ配置されている。2個のカメラのうちの一方のカメラは、部屋31に入る人を撮影し、2個のカメラのうちの他方のカメラは、部屋31を出る人を撮影する。なお、部屋31に入る人および部屋31を出る人の両方を1個のカメラで撮影できる場合には、部屋出入口用カメラ装置11は、1個の部屋31に対して1個のカメラを有する。
【0029】
避難経路用カメラ装置12は、避難経路32を通行する人を撮影する。避難経路32は、複数の避難経路部分に区分けされている。避難経路用カメラ装置12は、複数のカメラを有している。避難経路用カメラ装置12に含まれる複数のカメラは、複数の避難経路部分のそれぞれに1個ずつ配置されている。したがって、避難経路用カメラ装置12は、複数の避難経路部分のそれぞれを通行する人を撮影する。なお、複数の避難経路部分のそれぞれを1個のカメラで撮影できる場合には、避難経路用カメラ装置12は、1個のカメラを有する。
【0030】
建物出入口用カメラ装置13は、2個のカメラを有している。2個のカメラのうちの一方のカメラは、建物に入る人を撮影し、2個のカメラのうちの他方のカメラは、建物を出る人を撮影する。なお、建物に入る人および建物を出る人の両方を1個のカメラで撮影できる場合には、建物出入口用カメラ装置13は、1個のカメラを有する。
【0031】
部屋出入口用カメラ装置11、避難経路用カメラ装置12および建物出入口用カメラ装置13のそれぞれは、監視カメラ装置から構成されている。したがって、通常時において、部屋出入口用カメラ装置11は、各部屋31の出入口の監視に用いられ、避難経路用カメラ装置12は、避難経路32の監視に用いられ、建物出入口用カメラ装置13は、建物の出入口の監視に用いられる。
【0032】
一方、災害時において、部屋出入口用カメラ装置11、避難経路用カメラ装置12および建物出入口用カメラ装置13のそれぞれは、建物に入った人の安否確認に用いられる。災害時としては、地震発生時、火災発生時などが挙げられる。
【0033】
実施の形態1に係る災害時安否確認システム1は、避難判定装置14と、第2の記憶装置15と、を備えている。災害時には、災害を検出した災害検出装置から災害信号が認証装置27および避難判定装置14に入力される。災害検出装置としては、地震検出装置、火災検出装置などが挙げられる。
【0034】
避難判定装置14は、入室許可人情報と入室許可時刻情報とを第1の記憶装置28から取得する。また、避難判定装置14は、退室許可人情報と退室許可時刻情報とを第1の記憶装置28から取得する。避難判定装置14は、入室許可人情報と、入室許可時刻情報と、退室許可人情報と、退室許可時刻情報とを用いて、部屋31にいる人を推定する。
【0035】
避難判定装置14は、入館許可人情報と入館許可時刻情報とを第1の記憶装置28から取得する。また、避難判定装置14は、退館許可人情報と退館許可時刻情報とを第1の記憶装置28から取得する。避難判定装置14は、入館許可人情報と、入館許可時刻情報と、退館許可人情報と、退館許可時刻情報とを用いて、建物にいる人を推定する。
【0036】
第2の記憶装置15には、各部屋31の出入口の通行可能な人を示す情報と、建物の出入口の通行可能な人を示す情報とが記憶されている。また、第2の記憶装置15には、各部屋31の出入口の通行可能な人の画像が、各部屋31の出入口の通行可能な人を示す情報に対応して記憶されている。また、第2の記憶装置15には、建物の出入口の通行可能な人の画像が、建物の出入口の通行可能な人を示す情報に対応して記憶されている。
【0037】
避難判定装置14は、避難判定装置14が部屋31にいると推定した人を示す情報を用いて、第2の記憶装置15から、部屋31にいると推定された人の画像を取得する。
【0038】
避難判定装置14は、避難判定装置14が建物にいると推定した人を示す情報を用いて、第2の記憶装置15から、建物にいると推定された人の画像を取得する。
【0039】
避難判定装置14には、部屋出入口用カメラ装置11によって撮影された人の画像と、避難経路用カメラ装置12によって撮影された人の画像と、建物出入口用カメラ装置13によって撮影された人の画像とが入力される。
【0040】
避難判定装置14は、部屋31にいると推定された人の画像と、部屋出入口用カメラ装置11によって撮影された人の画像とを用いて、部屋31に入った人が部屋31から避難したか否かを判定する。具体的には、部屋31にいると推定された人の画像と、部屋出入口用カメラ装置11によって撮影された人の画像とが一致する場合には、避難判定装置14は、部屋31に入った人が部屋31から避難したと判定する。部屋31に入った人が部屋31から避難したか否かの判定は、複数の部屋31のそれぞれにおいて別々に行われる。
【0041】
避難判定装置14は、部屋31にいると推定された人の画像と、避難経路用カメラ装置12によって撮影された人の画像とを用いて、部屋31に入ったが避難経路32を通行したか否かを判定する。具体的には、部屋31にいると推定された人の画像と、避難経路用カメラ装置12によって撮影された人の画像とが一致する場合には、避難判定装置14は、部屋31に入った人が避難経路32を通行したと判定する。この場合に、部屋31に入った人は、部屋31から避難したことになる。
【0042】
避難判定装置14は、複数の避難経路部分のそれぞれにおいて、部屋31に入った人が避難経路部分を通行したか否かを判定する。この場合に、部屋31から避難した人が、複数の避難経路部分のうちのどこの避難経路部分にいるのかが明確になる。
【0043】
避難判定装置14は、部屋31にいると推定された人の画像と、建物出入口用カメラ装置13によって撮影された人の画像とを用いて、部屋31に入った人が建物から避難したか否かを判定する。具体的には、部屋31にいると推定された人の画像と、建物出入口用カメラ装置13によって撮影された人の画像とが一致する場合には、避難判定装置14は、部屋31に入った人が建物から避難したと判定する。この場合に、部屋31に入った人は、部屋31から避難したことになる。
【0044】
避難判定装置14は、建物にいると推定された人の画像と、建物出入口用カメラ装置13によって撮影された人の画像とを用いて、建物に入った人が建物から避難したか否かを判定する。具体的には、建物にいると推定された人の画像と、建物出入口用カメラ装置13によって撮影された人の画像とが一致する場合には、避難判定装置14は、建物に入った人が建物から避難したと判定する。この場合に、建物に入った人であって、部屋31には入っていない人が、建物から避難したか否かが明確になる。
【0045】
避難判定装置14は、災害時に、部屋31に入ることが許可された人の避難の情報および建物に入ることが許可された人の避難の情報を含む安否確認情報を作成する。作成された安否確認情報は、第2の記憶装置15に記憶される。
【0046】
安否確認情報には、部屋31を示す情報と、部屋31にいると推定された人を示す情報と、部屋31にいると推定された人が部屋31から避難したか否かの情報とが含まれている。また、安否確認情報には、部屋31にいると推定された人が避難経路32を通行したか否かの情報と、部屋31にいると推定された人が建物から避難したか否かを示す情報とが含まれている。
【0047】
安否確認情報では、部屋31を示す情報と、部屋31にいると推定された人を示す情報と、部屋31から避難したか否かの情報と、避難経路32を通行したか否かの情報と、建物から避難したか否かを示す情報とが、互いに対応している。したがって、建物の管理者は、安否確認情報を参照することによって、災害発生時に部屋31にいると推定された人が、現在、部屋31から避難したのか否か、避難経路32を通行したか否か、建物から避難したか否かを把握することができる。
【0048】
安否確認情報には、安否確認の優先度が含まれている。安否確認情報では、安否確認の優先度が部屋31にいると推定された人を示す情報に対応している。安否確認の優先度とは、建物の管理者が電話、メールなどを用いて、建物の内で災害にあった人の安否確認を行う順位を示すものである。安否確認の優先度は、災害発生時に部屋31にいると推定された人が、現在、部屋31から避難したのか否か、避難経路32を通行したか否か、建物から避難したか否かに基づいて決められる。また、安否確認の優先度は、災害の発生場所に基づいて決められる。
【0049】
避難判定装置14の判定結果に変化があった場合に、避難判定装置14の判定結果に基づいて、避難判定装置14は、安否確認情報を変更する。
【0050】
実施の形態1に係る災害時安否確認システム1は、通報装置16を備えている。通報装置16は、第2の記憶装置15に記憶されている安否確認情報を外部に送信する。通報装置16は、災害時に、設定された時間毎に定期的に送信する。
【0051】
複数のグループが建物を利用している場合には、通報装置16は、複数のグループのそれぞれの管理者に対して別々に安否確認情報を送信する。この場合に、それぞれの管理者に送信される安否確認情報は、管理者が管理するグループに所属する人のみに関する安否確認情報となる。これにより、グループの管理者は、グループに所属する人の安否を容易に把握することができる。
【0052】
図3は、実施の形態1に係る災害時安否確認システム1の動作を示すフローチャートである。まず、ステップS101において、避難判定装置14は、現在が災害時であるか否かを判定する。現在が災害時であるか否かの判定は、災害検出装置の災害信号に基づいて行われる。ステップS101において、現在が災害時ではないと、避難判定装置14が判定した場合には、ステップS101の処理が繰り返される。
【0053】
一方、ステップS101において、現在が災害時であると、避難判定装置14が判定した場合には、ステップS102において、避難判定装置14は、安否確認情報を作成する。作成された安否確認情報は、第2の記憶装置15に記憶される。なお、災害時には、認証装置27は、部屋用扉装置21および建物用扉装置24を解錠して、各部屋31の出入口および建物の出入口を人が自由に通行可能にする。言い換えれば、災害時には、認証装置27は、部屋用扉装置21および建物用扉装置24をアクセスフリーにする。
【0054】
その後、ステップS103において、避難判定装置14は、部屋31から人が避難したか否かを判定する。ステップS103において、部屋31から人が避難したと避難判定装置14が判定した場合には、ステップS104において、避難判定装置14は、安否確認情報の変更を行う。安否確認情報の変更は、第2の記憶装置15に記憶されている安否確認情報を変更することによって行われる。
【0055】
その後、ステップS105において、避難判定装置14は、避難経路32を人が通行したか否かを判定する。ステップS105において、避難経路32を人が通行したと避難判定装置14が判定した場合には、ステップS106において、避難判定装置14は、安否確認情報の変更を行う。
【0056】
その後、ステップS107において、避難判定装置14は、建物から人が避難したか否かを判定する。ステップS107において、建物から人が避難したと避難判定装置14が判定した場合には、ステップS108において、避難判定装置14は、安否確認情報の変更を行う。これにより、災害時安否確認システム1の処理が終了する。
【0057】
一方、ステップS103において、部屋31から人が避難していないと避難判定装置14が判定した場合には、災害時安否確認システム1の処理は、ステップS105に進む。
【0058】
また、ステップS105において、避難経路32を人が通行していないと避難判定装置14が判定した場合には、災害時安否確認システム1の処理は、ステップS107に進む。
【0059】
また、ステップS107において、建物から人が避難していないと避難判定装置14が判定した場合には、災害時安否確認システム1の処理が終了する。
【0060】
以上説明したように、実施の形態1に係る災害時安否確認システム1では、部屋出入口用カメラ装置11と、避難判定装置14と、を備えている。部屋出入口用カメラ装置11は、部屋31の出入口を通行する人を撮影する。避難判定装置14は、入退室管理装置2によって部屋31に入ることが許可された人の画像と、部屋出入口用カメラ装置11によって撮影された人の画像とを用いて、部屋31に入った人が部屋31から避難したか否かを判定する。この構成によれば、部屋31に入った人が部屋31から避難したか否かの情報をより正確にすることができる。その結果、災害時安否確認システム1の安否確認情報をより正確にすることができる。
【0061】
また、実施の形態1に係る災害時安否確認システム1では、避難経路用カメラ装置12を備えている。避難経路用カメラ装置12は、避難経路32を通行する人を撮影する。避難判定装置14は、入退室管理装置2によって部屋31に入ることが許可された人の画像と、避難経路用カメラ装置12によって撮影された人の画像とを用いて、部屋31に入った人が避難経路32を通行したか否かを判定する。この構成によれば、部屋出入口用カメラ装置11によって撮影されなかった人が避難経路32を通行する場合に、部屋31に入った人が部屋31から避難したとすることができる。したがって、部屋31に入った人が部屋31から避難したか否かの情報をより正確にすることができる。その結果、災害時安否確認システム1の安否確認情報をより正確にすることができる。
【0062】
また、実施の形態1に係る災害時安否確認システム1では、避難経路32は、複数の避難経路部分に区分けされている。避難経路用カメラ装置12は、複数の避難経路部分のそれぞれを通行する人を撮影する。避難判定装置14は、複数の避難経路部分ごとに、人が避難経路部分を通行したか否かを判定する。この構成によれば、避難経路32を通行する人が複数の避難経路部分のうちのどの避難経路部分を通行したかを、避難判定装置14が判定することができる。その結果、部屋31から避難した人の現在地の情報をより正確にすることができる。
【0063】
また、実施の形態1に係る災害時安否確認システム1では、建物の出入口を通行する人を撮影する建物出入口用カメラ装置13を備えている。避難判定装置14は、入退室管理装置によって部屋31に入ることが許可された人の画像と、建物出入口用カメラ装置13によって撮影された人の画像とを用いて、部屋31に入った人が建物から避難したか否かを判定する。この構成によれば、部屋出入口用カメラ装置11によって撮影されなかった人が建物の出入口を通行する場合に、部屋31に入った人が建物から避難したとすることができる。したがって、部屋31に入った人が部屋31から避難したか否かの情報をより正確にすることができる。その結果、災害時安否確認システム1の安否確認情報をより正確にすることができる。
【0064】
また、実施の形態1に係る災害時安否確認システム1では、部屋出入口用カメラ装置11は、監視カメラ装置である。この構成によれば、簡単な構成で、安否確認情報をより正確にすることができる。
【0065】
また、実施の形態1に係る災害時安否確認システム1では、安否確認情報を外部に送信する通報装置16を備えている。この構成によれば、外部にいる管理者が建物の内にいる人の安否を容易に確認することができる。
【0066】
なお、実施の形態1では、入退室管理装置2がカードリーダを備えた構成について説明した。入退室管理装置2は、例えば、指紋認証装置を備えた構成であってもよい。
【0067】
また、実施の形態1では、避難経路32において、避難する人を誘導する装置が設けられていない構成について説明した。しかいながら、避難経路32において、避難する人を誘導する装置が設けられてもよい。避難する人を誘導する装置としては、避難経路32をアナウンスするスピーカ、避難経路32を表示する表示装置などが挙げられる。この場合に、避難する人を誘導する装置の設置場所に対応して、避難経路用カメラ装置12が配置される。
【符号の説明】
【0068】
1 災害時安否確認システム、2 入退室管理装置、11 部屋出入口用カメラ装置、12 避難経路用カメラ装置、13 建物出入口用カメラ装置、14 避難判定装置、15 第2の記憶装置、16 通報装置、21 部屋用扉装置、22 部屋用錠装置、23 部屋用カードリーダ装置、24 建物用扉装置、25 建物用錠装置、26 建物用カードリーダ装置、27 認証装置、28 第1の記憶装置、31 部屋、32 避難経路。
図1
図2
図3