(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】ゲーミングシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/80 20140101AFI20240607BHJP
A63F 9/24 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
A63F13/80 H
A63F13/80 F
A63F9/24 Z
(21)【出願番号】P 2020119434
(22)【出願日】2020-07-10
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】501405122
【氏名又は名称】コナミゲーミング インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】曽根 貴広
(72)【発明者】
【氏名】山辺 潤
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-236040(JP,A)
【文献】特開2012-235902(JP,A)
【文献】特開2007-244642(JP,A)
【文献】特開2009-183676(JP,A)
【文献】特開2010-172445(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0102981(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
A63F 5/00- 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに通信可能に接続され、それぞれが独立して通常ゲームを提供するとともに、通常ゲームでトリガ条件を満たした場合にはボーナスゲームを提供する複数のゲーミングマシンからなるゲーミングシステムであって、
前記複数のゲーミングマシンのそれぞれは、制御部および記憶部を備え、前記制御部は、前記記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより、
前記複数のゲーミングマシンのいずれかが提供する通常ゲームにおいてボーナスゲームのトリガ条件が満たされた場合に、当該ゲーミングマシンではボーナスゲームのメイン画面を表示するとともに、他のゲーミングマシンではボーナスゲームのメイン画面と連動した連動画面を表示
し、前記メイン画面および前記連動画面によりボーナスゲームの結果を表示する表示制御機能を実現するように構成されるゲーミングシステム。
【請求項2】
前記他のゲーミングマシンの前記表示制御機能は、前記連動画面を表示しつつ、それぞれが独立して通常ゲームの画面を表示する請求項1に記載のゲーミングシステム。
【請求項3】
前記複数のゲーミングマシンは、それぞれ自身がビジー状態であるかを判定する判定機能をさらに実現し、
前記他のゲーミングマシンの前記表示制御機能は、前記判定機能により自身をビジー状態でないと判定した場合に、前記連動画面を表示する請求項1または請求項2に記載のゲーミングシステム。
【請求項4】
前記複数のゲーミングマシンのいずれかは、前記複数のゲーミングマシンの画面表示を統括するホストマシンであり、
前記ホストマシンの前記制御部は、前記複数のゲーミングマシンのいずれかが提供する通常ゲームにおいてトリガ条件が満たされた場合には、当該ゲーミングマシンのマシン識別子、ボーナスゲームの結果、および、ボーナスゲームの開始指示を前記他のゲーミングマシンへ送信する表示指示機能を実現するように構成される請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のゲーミングシステム。
【請求項5】
前記複数のゲーミングマシンの前記判定機能は、自身がボーナスゲームのメイン画面を表示中である場合には、自身がビジー状態であると判定する請求項3に記載のゲーミングシステム。
【請求項6】
前記複数のゲーミングマシンの前記表示制御機能は、自身が前記連動画面を表示中に、自身が提供する通常ゲームにおいてトリガ条件が満たされた場合には、前記連動画面の表示を終了して自身が提供するボーナスゲームのメイン画面を表示する請求項1から5のいずれか一項に記載のゲーミングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲーミングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、互いに通信可能に接続されたゲーミングマシン群において演出エフェクトを連動させる方法を開示する。このゲーミングマシン群は、マスタおよびスレーブのゲーミングマシンを含み、マスタのゲーミングマシンを先頭に直列に接続した構成となっている。マスタのゲーミングマシンは、スレーブのゲーミングマシンに対してタイマのリセット信号を出力する。スレーブのゲーミングマシンは、取得されたリセット信号を用いて自身のタイマをリセットする。このようなゲーミングマシン群に含まれるゲーミングマシンにおいては、リセットにより同期したタイマ(共通タイマ)を用いて、複数のゲーミングマシンを連動させることが可能である。また、個々のゲーミングマシンにIDを付与し、IDに応じた時間差を設けて連動させることも可能である。例えば、ゲーミングマシンにLEDを用いたイルミネーションを使用している場合には、複数のゲーミングマシンでイルミネーションの発光を連動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のゲーミングマシンの動作を連携させることにより、ゲーミングマシンを個別に動作させた場合と比べて、プレイヤーに対する訴求力がより高く、際立った形態でゲーミングマシン群を動作させることができる。しかしながら、上記方法では共通タイマに基づいて一律に連動させているのみであり、個々のゲーミングマシンの状態および/またはゲームの状態に応じてゲーミングマシンを連携させるという観点からは、改善の余地がある。
【0005】
本開示は、個々のゲーミングマシンの状態および/またはゲームの状態に応じて、複数のゲーミングマシンを連携させて一体的な表示を行うための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係るゲーミングシステムは、互いに通信可能に接続され、それぞれが独立して通常ゲームを提供するとともに、通常ゲームでトリガ条件を満たした場合にはボーナスゲームを提供する複数のゲーミングマシンで構成される。複数のゲーミングマシンのそれぞれは、制御部および記憶部を備え、制御部は、記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより、複数のゲーミングマシンのいずれかが提供する通常ゲームにおいてボーナスゲームのトリガ条件が満たされた場合に、当該ゲーミングマシンではボーナスゲームのメイン画面を表示するとともに、他のゲーミングマシンではボーナスゲームのメイン画面と連動した連動画面を表示する表示制御機能を実現するように構成される。
【0007】
このゲーミングシステムにおいては、複数のゲーミングマシンのいずれかが提供する通常ゲームにおいてボーナスゲームのトリガ条件が満たされた場合に、当該ゲーミングマシンではボーナスゲームのメイン画面が表示されるとともに、他のゲーミングマシンではボーナスゲームのメイン画面と連動した連動画面が表示される。このように、トリガしたゲーミングマシンでボーナスゲームのメイン画面を表示しつつ、他のゲーミングマシンでメイン画面と連動した連動画面を表示するので、複数のゲーミングマシンの画面を利用して表現力が高く迫力のあるボーナスゲームを提供することができる。
【0008】
一実施形態においては、他のゲーミングマシンの表示制御機能は、連動画面を表示しつつ、それぞれが独立して通常ゲームの画面を表示してもよい。この場合、メイン画面と連動した連動画面を表示する他のゲーミングマシンにおいて、それぞれが独立して通常ゲームを提供するので、連動画面の表示が他のゲーミングマシンでプレイしているプレイヤーの通常ゲームを阻害することがない。このため、連動画面を表示した場合であっても複数のゲーミングマシン全てにおいてゲームを提供することができ、収益面で有利である。
【0009】
一実施形態においては、複数のゲーミングマシンは、それぞれ自身がビジー状態であるかを判定する判定機能をさらに実現し、他のゲーミングマシンの表示制御機能は、判定機能により自身をビジー状態でないと判定した場合に、連動画面を表示してもよい。この場合、ビジー状態でない他のゲーミングマシン、つまり自身の処理を優先する必要のないゲーミングマシンにおいて連動画面を表示させることができる。
【0010】
一実施形態においては、複数のゲーミングマシンのいずれかは、複数のゲーミングマシンの画面表示を統括するホストマシンであり、ホストマシンの制御部は、複数のゲーミングマシンのいずれかが提供する通常ゲームにおいてトリガ条件が満たされた場合には、当該ゲーミングマシンのマシン識別子、ボーナスゲームの結果、および、ボーナスゲームの開始指示を他のゲーミングマシンへ送信する表示指示機能を実現するように構成されてもよい。この場合、ホストマシンが複数のゲーミングマシンの表示動作を統括し、メイン画面および連動画面を用いてボーナスゲームを提供することができる。
【0011】
一実施形態においては、複数のゲーミングマシンの判定機能は、自身がボーナスゲームのメイン画面を表示中である場合には、自身がビジー状態であると判定してもよい。一実施形態においては、複数のゲーミングマシンの表示制御機能は、自身が連動画面を表示中に、自身が提供する通常ゲームにおいてトリガ条件が満たされた場合には、連動画面の表示を終了して自身が提供するボーナスゲームのメイン画面を表示してもよい。このようにすることで、複数のゲーミングマシンでボーナスゲームが続けてトリガされた場合であっても、他のゲーミングマシンでトリガされた先行ボーナスゲームの終了を待つことなく、自ゲーミングマシンでトリガされた後行ボーナスゲームを開始することができるので、プレイヤーに待ち時間を与えることを回避できる。
【0012】
本開示の他の側面に係るゲーミングシステムは、互いに通信可能に接続され、それぞれがゲームを提供する複数のゲーミングマシンで構成される。複数のゲーミングマシンのいずれかは複数のゲーミングマシンの画面表示を統括するホストマシンであり、ホストマシンは、制御部および記憶部を備える。制御部は、記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより、ゲーミングシステムに含まれる他のゲーミングマシンにビジー状態であるかを問い合わせる送信機能と、他のゲーミングマシンから返答を受信する受信機能と、他のゲーミングマシンからビジー状態であるとの返答を受信しない場合には、他のゲーミングマシンに対して互いに画面を連結した連結ゲーム画面の表示開始を指示し、他のゲーミングマシンの少なくとも1台からビジー状態であるとの返答を受信した場合には、他のゲーミングマシンに対して互いに独立した独立ゲーム画面の表示開始を指示する表示制御機能とを実現するように構成される。
【0013】
このゲーミングシステムにおいては、ホストマシンによってゲーミングシステムに含まれる他のゲーミングマシンにビジー状態であるかの問い合わせが実行される。他のゲーミングマシンからビジー状態であるとの返答を受信しない場合には、他のゲーミングマシンに対して互いに画面を連結した連結ゲーム画面の表示開始がホストマシンから指示される。他のゲーミングマシンの少なくとも1台からビジー状態であるとの返答を受信した場合には、他のゲーミングマシンに対して互いに独立した独立ゲーム画面の表示開始がホストマシンから指示される。他のゲーミングマシンの全てがビジー状態でないときに連結ゲーム画面を表示することで、ビジー状態のゲーミングマシンが連結ゲーム画面の一部を表示しないことで連結ゲーム画面が不完全な状態となることを回避することができる。これにより、複数のゲーミングマシンの画面を利用して表現力が高い連結ゲーム画面を完全な形で提供することができる。
【0014】
ゲーム画面はデモ画面、アトラクト画面、または、スクリーンセーバー画面であってもよい。複数のゲーミングマシンが連携して一体的な動作を行うための技術は、デモ画面、アトラクト画面、または、スクリーンセーバー画面に適用することができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、個々のゲーミングマシンの状態および/またはゲームの状態に応じて、複数のゲーミングマシンを連携させて一体的な表示を行うための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係るゲーミングシステムの一例を示す正面図である。
【
図2】ゲーミングマシンの一例を示す斜視図である。
【
図3】ゲーミングマシンの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】ゲーミングマシンの表示領域の概略図である。
【
図5】通常ゲームの仮想リールセットを示す図である。
【
図8】ボーナスゲームにおける連動画面の一例である。
【
図9】(A)はボーナスゲームの仮想リールストリップを示す図であり、(B)はボーナスゲームのシンボルを示す図である。
【
図10】
図3のメモリに格納されるプログラムおよびデータを示すディレクトリ構成図およびブロック図である。
【
図11】
図3のメモリに格納されるプログラムおよびデータを示すディレクトリ構成図およびブロック図である。
【
図12】
図11のゲームアプリケーションプログラムのブロック図である。
【
図13】
図11のシステムアプリケーションプログラムのブロック図である。
【
図14】連結ゲーム画面および個別ゲーム画面の表示動作を説明するフローチャートである。
【
図15】(A)は連結ゲーム画面の一例であり、(B)は独立ゲーム画面の一例である。
【
図16】ホストマシン以外のゲーミングマシンでボーナスゲームがトリガされた場合におけるゲーミングシステムの動作を説明するフローチャートである。
【
図17】ホストマシン以外のゲーミングマシンでボーナスゲームがトリガされた場合におけるゲーミングシステムの動作を説明するフローチャートである。
【
図18】(A)はボーナスゲームを獲得した画面の一例であり、(B)はボーナスゲームにおける連動画面の一例である。
【
図19】ホストマシンでボーナスゲームがトリガされた場合におけるゲーミングシステムの動作を説明するフローチャートである。
【
図20】ホストマシンでボーナスゲームがトリガされた場合におけるゲーミングシステムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して実施形態にかかるゲーミングマシンについて説明する。なお、各図において同一または相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1は、実施形態に係るゲーミングシステムの一例を示す正面図である。
図1に示されるように、ゲーミングシステム1は、複数のゲーミングマシン10を含む。複数のゲーミングマシン10は、カジノフロアなどに隣接して配置され、例えば一列のバンクとして設置される。複数のゲーミングマシン10は、例えば等間隔に配置される。複数のゲーミングマシン10は、互いに通信可能に接続され、それぞれが独立して通常ゲームを提供するとともに、通常ゲームでトリガ条件を満たした場合にはボーナスゲームを提供する。なお、
図1では4台のゲーミングマシン10が1つのゲーミングシステム1を構成している例を示しているが、ゲーミングマシンの台数は4台に限定されず、4台以上または4台未満の複数台であっても構わない。
【0019】
図2は、実施形態に係るゲーミングマシンの一例を示す斜視図である。
図2に示されるゲーミングマシン10は、所定のゲーム価値をプレイヤーから受け付け、ゲーム結果を生成し、ゲーム結果およびペイテーブルに応じてプレイヤーに配当を提供し得る。本実施形態に係るゲーミングマシン10が提供するゲームはビデオスロットゲームであり、ゲーミングマシン10は、例えば、通常ゲーム、フリーゲーム、およびボーナスゲームを提供する。フリーゲームおよびボーナスゲームは、所定の条件が満たされたときに提供される。通常ゲームおよびフリーゲームにおいては、表示領域に表示されるシンボルが、ゲームの結果であるシンボルの組み合わせを構成し、その組合せで入賞が判定される。ボーナスゲームにおいては、トリガしたゲーミングマシン10でボーナスゲームのメイン画面を表示しつつ、他のゲーミングマシンで当該メイン画面と連動した連動画面を表示する。連動画面の詳細については後述する。
【0020】
図2に示されるように、ゲーミングマシン10は、ディスプレイ16およびキャビネット12を備える。キャビネット12は、ゲーミングマシン10の構成要素を制御する制御部22(
図3参照)も収容する。
【0021】
ディスプレイ16は、液晶ディスプレイ装置や有機ELディスプレイ装置などの平面パネルディスプレイ装置である。ディスプレイ16は、制御部22を介して制御されることによって、ゲーム画面をプレイヤーへ提供する。ディスプレイ16の周囲には、装飾的な照明を提供するイルミネーション36が設けられてもよい。
【0022】
キャビネット12は、ディスプレイ16の下側に配置される。キャビネット12には、その前面に前方へ張り出すようにしてコントロールパネル18が設けられる。コントロールパネル18には、プレイヤートラッキングユニット20、スピーカ26、紙幣/チケット識別ユニット28、プリンタユニット30、および、操作部32が設けられる。
【0023】
プレイヤートラッキングユニット20は、プレイヤー識別カードを認識するカードリーダー、データをプレイヤーに提示するディスプレイ、およびプレイヤーによる入力を受け付けるキーパッドを含む。プレイヤートラッキングユニット20は、制御部22または外部システムと共に協調動作することによって、プレイヤーによってカードリーダーに挿入されたプレイヤー識別カードに記録された情報を読み取り、その情報および/または外部システムと通信することによって取得された情報をディスプレイ上に表示する。さらに、プレイヤーからの入力がキーパッドによって受け付けられ、ディスプレイがその入力に従って変更され、必要に応じて外部システムとの通信が実行される。
【0024】
スピーカ26は、コントロールパネル18の左右に設けられる。スピーカ26は、制御部22を介して制御されることによってサウンドをプレイヤーに提供する。
【0025】
紙幣/チケット識別ユニット28は、紙幣/チケットが挿入される挿入開口部を露出させた状態でキャビネット12に収容され得る。挿入口の内側には各種センサで紙幣/チケットを識別する識別部が設けられる。識別部の出力口側には紙幣/チケット貯留部が設けられる。紙幣/チケット識別ユニット28は、ゲーム価値である紙幣/チケット(バウチャーおよびクーポンを含む)を受け付けて、ゲーム価値として識別し、制御部22に通知する。
【0026】
プリンタユニット30は、チケットが出力されるチケット出力口を露出させた状態でキャビネット12に収容され得る。チケット出力口の内側には所定情報を印刷用紙に印刷する印刷部が設けられ、印刷部の用紙入口側には印刷用紙を収容する収容部が設けられる。プリンタユニット30は、制御部22の制御下で、情報を用紙に印刷し、クレジット払い出し処理に従ってゲーミングマシン10からチケットを出力する。出力されたチケットは、別のゲーミングマシンの紙幣/チケット識別ユニット28に挿入されることによって、払い出されたクレジットをゲームプレイに利用することも可能であり、または、カジノ内のキオスク端末またはカジノケージで換金され得る。
【0027】
操作部32は、プレイヤーの操作を受け付ける。操作部32は、ゲーミングマシン10のプレイヤーから種々の指示を受け付けるボタンのグループを含む。例えば、操作部32は、スピンボタンおよび設定ボタンのグループを含んでもよい。スピンボタンは、ゲームのインスタンスを開始する(リールの回転を開始する)ための指示を受け付ける。設定ボタンのグループは、ライン設定ボタンのグループ、ベットボタンのグループおよびキャッシュアウトボタンなどを含む。ベットボタンのグループは、プレイヤーからのベットのクレジット額(ベット額)に関する指示操作を受け付ける。キャッシュアウトボタンは、ゲーミングマシン10に蓄積されたクレジットの払い出しを指示する指示操作を受け付ける。
【0028】
図3は、ゲーミングマシンの構成の一例を示すブロック図である。ゲーミングマシン10は、制御部22を含む。制御部22は、制御部22を構成するプロセッサを含むCPU(Central Processing Unit)38、インターフェイスユニット40、メモリ42、およびストレージ44などを備える。制御部22は、制御ボードとしてキャビネット12の内部に収容され得る。制御部22は、インターフェイスユニット40を介して各部と通信可能に構成され、CPU38のメモリ42(記憶部の一例)またはストレージ44(記憶部の一例)に記録されたプログラムを実行することによって各部の動作を制御し、ゲームをプレイヤーに提供する。
【0029】
インターフェイスユニット40は、CPU38に接続されたメモリバス、各種拡張バス、シリアルインターフェイス、USB(Universal Serial Bus)インターフェイス、イーサネット(登録商標)インターフェイスなどのCPU38の通信機能を提供するチップセットを含む。
【0030】
メモリ42は、揮発性の記憶媒体であるRAM(Random Access Memory)、不揮発性の記憶媒体であるROM(ReadOnly Memory)、および書き換え可能な不揮発性の記憶媒体であるEEPROM(ElectricallyErasable Programmable Read-Only Memory)を含む構成とすることができる。ストレージ44は、外部記憶装置としての機能を制御部22に提供し、取り外し可能な記憶媒体であるメモリカードおよび光磁気ディスクなどの読み取り装置を使用することができ、ハードディスクを利用することも可能である。
【0031】
インターフェイスユニット40には、紙幣/チケット識別ユニット28、プリンタユニット30、プレイヤートラッキングユニット20、グラフィックコントローラ(GPU:Graphics Processing Unit)50、入力コントローラ52、サウンドコントローラ53、およびイルミネーションコントローラ54が接続される。グラフィックコントローラ50、入力コントローラ52、サウンドコントローラ53、およびイルミネーションコントローラ54は、制御ボードとしてキャビネット12の内部に収容され得る。
【0032】
制御部22は、グラフィックコントローラ50を介してディスプレイ16に接続される。制御部22は、入力コントローラ52を介して操作部32に接続される。制御部22は、イルミネーションコントローラ54を介してイルミネーション36に接続される。
【0033】
制御部22は、メモリ42およびストレージ44に格納されたプログラムを実行することによって各部を制御し、ゲームをプレイヤーに提供する。ここで、例えば、制御部22の基本機能を提供するオペレーティングシステムおよびサブシステムのプログラムおよびデータをメモリ42のEEPROMに格納し、ゲームを提供するアプリケーションのプログラムおよびデータをストレージ44に格納するように構成されてもよい。そのような構成によれば、ストレージ44を交換することによってゲームを簡単に変更または更新することができる。さらに、制御部22は、複数のCPUを含むマルチプロセッサ構成としてもよい。
【0034】
以下、制御部22に接続された各ブロックについて説明する。紙幣/チケット識別ユニット28は、挿入口で紙幣/チケットを受け付け、紙幣種別またはクレジットの払い出し処理に対応する識別情報を制御部22に通知する。制御部22は通知された内容に応じてゲーム内で使用可能なクレジット額を増加させる。プリンタユニット30は、操作部32に含まれるキャッシュアウトボタンの操作を受け付ける制御部22の制御下で、ゲーミングマシン10からのクレジット払い出し処理に対応した情報を、チケットに印刷されて出力される。
【0035】
プレイヤートラッキングユニット20は、制御部22と協調動作し、プレイヤーの情報などをカジノ管理システムとの間で送受信する。グラフィックコントローラ50は、制御部22の制御下でディスプレイ16を制御し、各種グラフィックスデータを含むディスプレイイメージを表示する。サウンドコントローラ53は、制御部22の制御下でスピーカ26を駆動し、アナウンス、効果音、BGMなどの各種サウンドを提供する。イルミネーションコントローラ54は、制御部22の制御下でイルミネーション36の点灯制御を行う。
【0036】
インターフェイスユニット40は、ゲーミングマシン10の外部と通信するための各種通信インターフェイスを含む。インターフェイスユニット40は、一例として、イーサネット55,58,60、およびシリアルインターフェイス62によって外部ネットワークと通信することができる。
図3においては、他のゲーミングマシン10、公知のサーバサイドのゲーミングネットワーク(サーバベースゲーミング)、G2Sネットワーク(ゲーム-システム間)、およびスロット情報システム(スロットデータシステム)とそれぞれ通信を行う場合の一例が示される。制御部22は、I/Oボードを介さずにイーサネット55を介して他のゲーミングマシン10の制御部22と通信することにより、他のゲーミングマシン10とゲームに関する情報を共有することができる。
【0037】
図4は、
図2のゲーミングマシンの表示領域の概略図である。
図4に示されるように、所定のプログラムを実行している制御部22によって、ディスプレイ16には、スロットゲームを表示する表示領域64およびボーナスゲームに関する画面を表示する連動画面表示領域65を有するゲーム画面が表示される。表示領域64は、一例としてゲーム画面の下方の領域に表示される。連動画面表示領域65は、一例としてゲーム画面の上方の領域に表示される。
【0038】
表示領域64は、シンボルを表示するためのグリッド68を含んでいる。このような表示領域を使用することによって、ゲーミングマシン10は、表示領域64に表示されるシンボルの組合せに従って入賞判定を行い、配当を支払うスロットマシンとして動作する。
【0039】
ディスプレイ16は、複数のシンボルをグリッド68に表示する。グリッド68は、複数の行および列を含む。グリッド68は、シンボルの停止位置である複数のセル70によって構成される。
図4は3×5のグリッド状に配置された複数のセルを含むゲーム画面を示す。グリッドの行数や列数は、特に限定されず、3-4-4-4-3等の他の構成であってもよく、ゲーム展開および/またはベット額に応じて増減する構成としてもよい。表示領域64の複数のセル70のそれぞれには、1つのシンボルが停止して表示される。
【0040】
複数のセル70のそれぞれに配置されるシンボルは、仮想リール66を表示するための仮想リールストリップを用いて決定される。
図5は、通常ゲーム時の仮想リールセットを示す図である。仮想リールセットは、複数の仮想リールストリップを含み、仮想リールストリップは、表示領域に表示されるシンボルの序列を示すシンボル配列を含む。
図5に示されるように、グリッド68の各セル70には、仮想リールセット82をなす仮想リールストリップ72、74、76、78、および80を含む仮想リール66のシンボル配列に基づいてシンボルが表示される。つまり、グリッド68のセル70は、列ごとに仮想リールストリップ72~80が対応付けられており、各仮想リールストリップ72~80の所定部分に配置されたシンボルが表示される。さらに、仮想リールストリップ72~80のシンボル配列に基づいて列ごとに各シンボルを移動(スクロールまたはスピン)することによってグリッド68のセル70に表示されるシンボルが変動し、列ごとに移動(スクロールまたはスピン)を停止することによってシンボルが停止される。ここで、仮想リールストリップ72~80はデータであり、制御部22は、メモリ42またはストレージ44に含まれるプログラム、およびセル列ごとに調整されるシンボル配列(すなわち各リールストリップ上のシンボルの並び順)を表示するデータを使用する。仮想リールセット82は、このような仮想リールストリップ72~80の総称である。
【0041】
図5に示した仮想リールストリップ72~80は、各シンボル位置86にあるシンボル84で構成されており、これらのシンボルはリールごとに定義された順に並ぶ。仮想リールストリップ72~80をなすシンボルの数はこれに限定されず、所望の数とすることができる。また、仮想リールストリップ72~80をなすシンボルの数は同一であってもよいし、互いに相違しても構わない。
【0042】
図6は、
図5に示されたシンボル84の詳細である。各仮想リールストリップ72~80は、
図5に示された種々のシンボル84のシンボルセット88から選択されたシンボルを含む。シンボルセット88は、標準シンボルとしてトランプを模したカードシンボル(「J」、「Q」、「K」および「A」)、ならびにパターンを示す絵柄シンボル(「PicA」、「PicB」、「PicC」、「PicD」および「PicE」)を含む。シンボルセット88は、入賞組み合わせが判定されたときに別のシンボルとして代用されるワイルドシンボル(「Wild」)、および、ボーナスゲームのトリガであるトリガシンボルとして使用されるスキャッタシンボル(「SCT」)を含む。仮想リールセットは、ゲーム内容に応じて複数用意されてもよい。例えば、通常ゲームで使用される仮想リールセットと、フリーゲームで用いられる仮想リールセットとを別にしてもよい。フリーゲーム時の仮想リールセットは通常ゲーム時の仮想リールセットと比較して、絵柄シンボル、ワイルドシンボルまたはスキャッタシンボルが多く含まれてもよい。このようにすることで、フリーゲーム時の入賞確率またはトリガ確率を増加させることができ、プレイヤーに価値の高いフリーゲームを提供することができる。なお、ここで「ボーナスゲーム/フリーゲームのトリガ」とは「ボーナスゲーム/フリーゲームを獲得する契機」を意味し、「トリガシンボル」とは「ボーナスゲーム/フリーゲームを獲得する契機をなすシンボル」を意味する。
【0043】
制御部22は、ゲームを開始し、各仮想リールストリップ72~80の停止位置をランダムに決定する。ディスプレイ16に表示される仮想リールストリップ72~80は、現在の位置から移動し、停止位置に基づいて停止して、ゲームの結果を表す。このため、ディスプレイ16またはグリッド68においては、仮想リールストリップ72~80に含まれるシンボルは、表示領域64の垂直方向に仮想リールストリップ72~80が連続的に移動(スクロールまたはスピン)することに応じて移動し、仮想リールストリップ72~80に規定されたシンボルの順序に従って1つのセル70に1つのシンボルが停止するように表示される。
【0044】
制御部22は、操作部32によって受け付けられたプレイヤーの操作に従ってディスプレイ16に表示される複数のシンボルを変動および停止させ、表示領域64内で停止させたシンボルに従って配当を支払う構成とすることができる。
【0045】
表示領域64にはペイラインが設定される。ペイラインは、左端の列のセルから右端の列に跨がるように設定される。ペイラインは、プレイヤーに選択されることにより有効化され、入賞ラインとなる。入賞ラインは、複数のセル70を組み合わせて入賞を判定するラインである。入賞ラインの数は、プレイヤー用の操作部32の設定ボタンのグループに含まれるライン設定ボタンのグループの操作によって選択できる。制御部22は、シンボルの組み合わせであるゲームの結果に関して、入賞ライン上で同一シンボルが所定数を超えて揃った場合に入賞と判定し、シンボルのタイプおよび個数に従って配当をプレイヤーに支払う。
【0046】
図7は、
図4の表示領域64で設定されるペイラインの一例を示す図である。
図7に示されるように、ゲーミングマシン10においては、表示領域64内の3行および5列のセルに、所定数のペイライン(5パターンのライン)が予め設定される。入賞を判定するためのシステムは、入賞ライン上で左端の列のセルから所定数の同一シンボルが揃ったときに入賞を決定してもよいし、入賞ライン上で右端の列のセルから所定数の同一シンボルが揃ったときに入賞を判定してもよいし、左端または右端から揃うことに関わらず、所定の入賞ライン上の連続した列で所定数の同一シンボルが揃ったときに入賞を判定するものであっても構わない。加えて、所定数よりも多いスキャッタシンボルは、入賞ラインに関わらず、入賞組み合わせまたはトリガ条件を形成する。
【0047】
いずれかのゲーミングマシン10が提供しているゲームにおいてトリガ条件が形成された場合、当該ゲーミングマシン10のディスプレイ16には、ボーナスゲームのメイン画面が表示される。メイン画面とは、ボーナスゲームの主たる画面であり、ボーナスゲームの開始、進行、結果を示す一連の画面を、ボーナスゲームをトリガしたプレイヤーに対して提示する画面である。本実施形態におけるボーナスゲームは、シンボルを水平方向にスクロールおよび停止させ、入賞位置に停止したシンボルに応じて入賞を判定するものであり、この入賞位置をメイン画面は含んでいる。メイン画面は、
図4に示される連動画面表示領域65に表示される(表示制御機能の一例)。メイン画面が表示されたとき、表示領域64には、ボーナスゲームに関連する情報、例えばボーナスゲームの特典テーブル(配当表)又は入賞ルールなどが表示されてもよい。他のゲーミングマシン10の連動画面表示領域65には、メイン画面と連動した連動画面が表示される(表示制御機能の一例)。連動画面とは、メイン画面にて提供されるゲームと連動した表示を提供する画面である。連動画面およびメイン画面は、互いに連動することで複数のゲーミングマシン10が連携して画面表示を行うように構成されている。また、他のゲーミングマシン10においては、表示領域64における現在実行中のゲーム(通常ゲームまたはフリーゲーム)の表示と、連動画面表示領域65における連動画面の表示とを並行して行うことができる。つまり、他のゲーミングマシン10は、別のゲーミングマシン10においてトリガされたボーナスゲームの連動画面を表示しつつ、それぞれが独立して通常ゲームの画面を表示することができる。
【0048】
図8は、ボーナスゲームにおける連動画面の一例である。
図8に示される例では、マシンIDが「0」~「3」の合計4台が一列に等間隔で配置されている。各ゲーミングマシン10の連動画面表示領域65には、ボーナスゲームのシンボルが表示され、図中の右から左へと流れるようにスクロールされる。つまり、マシンID「3」のゲーミングマシン10の連動画面表示領域65に表示されていたシンボルは、マシンID「2」のゲーミングマシン10の方へスクロールされて連動画面表示領域65の左端から消えるとともに、次いでマシンID「2」のゲーミングマシン10の連動画面表示領域65の右端から出現し、マシンID「1」のゲーミングマシン10の方へ横方向にスクロールされて表示される。このようなシンボルの流れを各ゲーミングマシン10で行うことにより、個々の連動画面表示領域65の集合が一つの表示領域65Aであるかのように機能し、シンボルがゲーミングマシン10間を水平方向に流れるスクロール表示を行うことができる。スクロール表示が停止されると、トリガ条件を形成したゲーミングマシン10の連動画面表示領域65において、ボーナスゲームの結果を示すメイン画面の所定位置(入賞位置)に表示されているシンボルに基づいてボーナス特典が支払われる。
【0049】
図9の(A)は、ボーナスゲームの仮想リールストリップを示す図である。仮想リールストリップは、連動画面表示領域65に表示されるシンボルの序列を示すシンボル配列を含む。
図9の(A)に示されるように、連動画面表示領域65には、仮想リールストリップ72Aのシンボル配列に基づいてシンボルが表示される。ここで、仮想リールストリップ72Aはデータであり、制御部22は、メモリ42またはストレージ44に含まれるプログラム、および仮想リールストリップ上のシンボルの並び順を表示するデータを使用する。
【0050】
図9の(B)は、ボーナスゲームのシンボルを示す図である。仮想リールストリップ72Aは、
図9の(A)に示された種々のシンボル84Aのシンボルセット88Aから選択されたシンボルを含む。シンボルセット88Aは、MINI、MAJOR、MAXI、MEGAなど、入賞特典の大きさに応じたシンボルを含む。シンボルセット88Aは、入賞時に所定回数のフリーゲームを獲得できるFREE GAMEシンボルを含んでもよい。シンボルセット88Aは、入賞時に所定のクレジット値が付与されるクレジットシンボルも含むことができる。
【0051】
以上のような構成において、他のゲーミングマシン10は、自身の状態によっては連動画面表示領域65に連動画面を表示しない構成としてもよい。例えば、ゲーミングシステム1に含まれる複数のゲーミングマシン10は、それぞれ自身がビジー状態であるかを判定する(判定機能の一例)。そして、他のゲーミングマシン10は、自身がビジー状態でないと判定した場合に連動画面を表示し、自身がビジー状態であると判定した場合には連動画面を表示しない。ビジー状態とは、自身が他のタスク処理を優先して実行している状態であり、他のゲーミングマシン10と連携することができない状態である。例えば、ゲーミングマシン10は、自身がトリガしたボーナスゲームのメイン画面を表示中である場合に、自身がビジー状態であると判定する。
【0052】
ゲーミングマシン10のボーナスゲームと他のゲーミングマシン10が提供する通常ゲームまたはフリーゲームとは、互いに独立して提供される。このため、他のゲーミングマシン10がゲーミングマシン10のボーナスゲームの連動画面を表示中に、当該他のゲーミングマシン10の通常ゲームにてトリガ条件が形成され、ボーナスゲームが開始される事態が生じ得る。このような場合には、当該他のゲーミングマシン10に連動画面の表示を終了させ、自身が提供するボーナスゲームのメイン画面を表示してもよい。これにより、他のゲーミングマシン10においてトリガされたボーナスゲームの終了を待つことなく、自身においてトリガされたボーナスゲームを開始することができる。
【0053】
図4に示されるディスプレイ16は表示領域の全体を利用して、他のゲーミングマシン10のディスプレイ16と連結した表示を行うことができる。例えば、一つの画面を複数に分割して隣接するゲーミングマシン10のそれぞれに表示させることで、複数のゲーミングマシン10の全体で一つのゲーム画面(連結ゲーム画面)を構成することが可能である。このように複数のゲーミングマシン10で表示された画面を連結した連結ゲーム画面は、ゲーミングシステム1の機能を紹介するデモ画面であってもよい。あるいは、連結ゲーム画面は、プレイヤーの入力待ち状態にあるゲーミングマシン10が所定時間操作されなかった場合に表示されるアトラクト画面(連結アトラクト画面)またはスクリーンセーバー画面であってもよい。なお、アトラクト画面とは、カジノ内の顧客に対してゲーミングマシン10およびゲームコンテンツの宣伝集客のために表示される映像、動画、デモ画面等を表示する画面である。もちろん、ゲームの中で使用される画面について連結画面を使用してもよい。
【0054】
複数のゲーミングマシン10のいずれかは、複数のゲーミングマシンの画面表示を統括するホストマシンであってもよい。この場合、ホストマシンの制御部22は、複数のゲーミングマシン10のいずれかが提供する通常ゲームにおいてトリガ条件が満たされた場合には、当該ゲーミングマシンのマシン識別子、ボーナスゲームの結果、および、ボーナスゲームの開始指示を他のゲーミングマシンへ送信する(表示指示機能の一例)。他のゲーミングマシン10との通信は、上述したイーサネット55を介して行われる。
【0055】
ホストマシンの制御部22は、上述した連結ゲーム画面の表示または非表示を決定してもよい。ホストマシンの制御部22は、他のゲーミングマシン10がビジー状態であるかを他のゲーミングマシン10に対して問い合わせるとともに、他のゲーミングマシン10からの返答を受信する(送信機能および受信機能の一例)。ホストマシンの制御部22は、他のゲーミングマシン10からビジー状態であるとの返答を受信しない場合には、他のゲーミングマシン10に対して互いに画面を連結した連結ゲーム画面の表示開始を指示する。ホストマシンの制御部22は、他のゲーミングマシン10の少なくとも1台からビジー状態であるとの返答を受信した場合には、他のゲーミングマシン10に対して互いに独立した独立ゲーム画面の表示開始を指示する(表示制御機能の一例)。ビジー状態は、クレジット残高が0であるか否かによって判定してもよい。クレジット残高が残っている場合には、プイレヤーからの入力が予想できるため、自身のタスク処理を優先する必要があるからである。
【0056】
図10および
図11は、
図3のメモリに格納されるプログラムおよびデータを示すディレクトリ構成図およびブロック図である。
図12は、
図11のゲームアプリケーションプログラムのブロック図である。
図13は、
図11のシステムアプリケーションプログラムのブロック図である。
図10~
図13に示された実施形態においては、メモリ42がコンピュータ実行可能命令を含むゲームアプリケーションプログラム92を格納し、これらのコンピュータ実行可能命令をCPU38で実行することによりゲームの処理が行われ、ゲーミングマシン10のディスプレイ16にゲーム画面が表示される。また、一実施形態においては、ゲームアプリケーションプログラム92は、
図14、
図16、
図17、
図19、
図20に示されたアルゴリズムを使用してゲームを実装するためのコンピュータ実行可能命令を含むプログラムコード94およびプログラムオブジェクトデータ96を含む。
【0057】
例示的な実施形態においては、メモリ42はコンピュータ実行可能命令を含むゲームアプリケーションプログラム92およびシステムアプリケーションプログラム98を格納し、これらのコンピュータ実行可能命令をCPU38で実行することによりゲームの処理が行われ、ゲーミングマシン10のディスプレイ16にゲーム画面が表示される。ゲームアプリケーションプログラム92はCPUで実行することによりゲーム固有のフロントエンド機能を提供し、システムアプリケーションプログラム98は汎用的なバックエンド機能を提供する。図示した実施例においては、ゲームアプリケーションプログラム92およびシステムアプリケーションプログラム98は、同一のオペレーティングシステム上に実装されている。ただし、これらのプログラムは互いに相違するオペレーティングシステム上に実装してもよいし、互いに相違するプロセッサ上に実装しても構わない。
【0058】
一実施形態においては、ゲームアプリケーションプログラム92は、ベット/ペイラインボタンリスナーモジュール100と、スタートボタンリスナーモジュール102と、クレジット残高マネージャモジュール104と、サンプリングマネージャ106と、ランダムナンバージェネレータ(RNG)108と、比較マネージャ110と、ゲーム結果ジェネレータ112と、入賞評価モジュール114と、ゲームプレゼンテータ116と、ゲームグラフィックスプレゼンテータ118と、ゲームサウンドプレゼンテータ120と、入賞インジケータ122と、特典プロバイダ124と、アプリケーションマネージャ126と、外部コミュニケータ128とを含む複数のソフトウェアモジュールを含む。ゲームアプリケーションプログラム92は、配当表130、リールストリップデータ132、および停止位置テーブル134を含むことができる。
【0059】
ベット/ペイラインボタンリスナーモジュール100は、操作部32のベットボタン34またはライン設定ボタン33から信号を受け付けるためのソフトウェアモジュールであり、この信号は、プレイヤーがボタンを操作してベット額または有効化するペイライン数を選択するときにボタンによって生成される。信号の受信に応じて、ベット/ペイラインボタンリスナーモジュール100は、ゲームのベットまたは有効化するペイラインの構成を変更するために、信号の発生をアプリケーションマネージャ126に伝達する。
【0060】
スタートボタンリスナーモジュール102は、信号をスタートボタンから受け付けるためのソフトウェアモジュールであり、この信号は、プレイヤーがこのボタンを操作してゲームを開始するときに生成される。信号の受信に応じて、スタートボタンリスナーモジュール102は、ゲームを開始するために、信号の発生をアプリケーションマネージャ126に伝達する。
【0061】
スタートボタンリスナーモジュール102からの信号の受信に応じて、アプリケーションマネージャ126はサンプリングマネージャ106に対して、必要な数の乱数をランダムナンバージェネレータ108から取得することを要求する。
【0062】
ランダムナンバージェネレータ108は、所定の乱数生成計算アルゴリズムに基づいて乱数を生成するソフトウェアモジュールである。ランダムナンバージェネレータ108は、疑似乱数を生成する態様としてもよい。ランダムナンバージェネレータ108は、サンプリングマネージャ106からの要求に応じて乱数を返す。ランダムナンバージェネレータ108は、その一部または全部を集積回路またはワイヤードロジックとして実装してもよい。
【0063】
比較マネージャ110は、ゲームの現在の状態および/または各乱数をリールストリップデータ132および停止位置テーブル134と比較し、各乱数に基づいて対応するリールストリップの停止位置を指定する。
【0064】
リールストリップデータ132は、通常ゲーム、フリーゲームおよびボーナスゲームのための仮想リールストリップを有する。上述した比較マネージャ110は、アプリケーションマネージャ126に問い合わせてゲームの現在の状態を識別し、仮想リールストリップを選択する。
【0065】
停止位置テーブル134は、仮想リールストリップの各停止位置に関連付けられた乱数の範囲を含む。比較マネージャ110は、対応する乱数および停止位置テーブル134に基づいて各リールの停止位置を決定する。
【0066】
ゲーム結果ジェネレータ112は、選択されたリールレイアウト、各リールの停止位置、内部シンボルの停止位置、および付加する属性に基づいてゲーム結果を生成する。一実施形態においては、ゲーム結果ジェネレータ112は、所定の条件が満たされたときに、ゲーム結果に対して変更を適用してもよい。
【0067】
入賞評価モジュール114は、配当表130を参照してゲーム結果を評価する。具体的には、表示領域64において入賞ラインとして設定されたペイライン上に、配当表130で入賞組み合わせとして定義されているシンボルが停止しているかに基づいて入賞評価を行う。また、ボーナスゲームにおいては、連動画面表示領域65のメイン画面の入賞位置に停止したシンボルに応じて入賞評価を行う。
【0068】
ゲームプレゼンテータ116は、所定のゲーム結果を最終的に形成するために、ゲームグラフィックスプレゼンテータ118およびゲームサウンドプレゼンテータ120を利用して、映像およびサウンドからなるゲームプレゼンテーションプロセスを提供する。
【0069】
より具体的には、ゲームグラフィックスプレゼンテータ118は、表示領域64および連動画面表示領域65にシンボルを表示する表示制御機能を実現するソフトウェアモジュールである。ゲームグラフィックスプレゼンテータ118は、所定のゲーム結果を最終的に形成するために、ディスプレイ上の視覚的なゲームプレゼンテーションプロセスを提供する。ゲームグラフィックスプレゼンテータ118は、表示領域64の入賞ライン上に表示される複数のシンボルを、入賞ラインの先頭から順に表示してもよい。例えば、ゲームグラフィックスプレゼンテータ118は、仮想リールの回転後において、第1リールから第5リールまで順に停止させる。これにより、シンボルは入賞ライン上に左(先頭)から順に表示されることになる。
【0070】
ゲームサウンドプレゼンテータ120は、サウンドコントローラ53およびスピーカ26を使用することによってサウンドプレゼンテーションプロセスを提供する。入賞インジケータ122は、ゲーム結果において形成された入賞シンボルの入賞組み合わせおよび支払い条件を示す。特典プロバイダ124は、入賞評価に基づいて特典クレジットを入賞メータに提供する。
【0071】
アプリケーションマネージャ126は、各ソフトウェアモジュールの動作および状態を管理する。加えて、アプリケーションマネージャ126は、ゲームアプリケーションプログラム92の構成、進行、および状態を管理する。外部コミュニケータ128は、システムアプリケーションプログラム98との間で命令およびデータをやりとりする。
【0072】
クレジット残高マネージャモジュール104は、ベット額に応じてクレジット残高をデクリメントするとともに、入賞メータに表示された入賞総数に基づいてクレジット残高のインクリメントを行うためのプロセスを実行する。配当表130は、各入賞組み合わせに関連付けられた配当額または特典額を含む。
【0073】
例示的な実施形態においては、システムアプリケーションプログラム98は、バックグラウンド処理およびゲーム固有の機能以外の機能を提供する。システムアプリケーションプログラム98は、システムマネージャ142と、セキュリティマネージャ144と、スロット管理モジュール146と、デノミネーションマネージャ148と、データロガー150と、通信マネージャ152と、紙幣アクセプタマネージャ154と、メータ管理モジュール156と、キャッシュアウトマネージャ158とを含む複数のソフトウェアモジュールを含む。
【0074】
システムアプリケーションプログラム98は、ゲームリコールファイル160、会計ログ162、およびメータ164を含んでもよい。システムマネージャ142は、システムアプリケーションプログラム98によって実行されるバックグラウンド処理およびゲーム固有の機能以外の機能を全て管理するためのソフトウェアモジュールである。
【0075】
セキュリティマネージャ144は、ゲームの検証の管理、ドアのセキュリティ、およびセキュリティセンサの監視のためのソフトウェアモジュールである。スロット管理モジュール146は、データの蓄積を管理し、外部スロット情報システムと通信するためのソフトウェアモジュールである。
【0076】
デノミネーションマネージャ148は、ゲーミングマシン10のデノミネーション設定を設定するためのソフトウェアモジュールである。デノミネーション設定は、1セント、2セント、5セント、25セント、1ドル、5ドルなどを含むことができる。データロガー150は、各ゲームの結果をゲームリコールに記録するためのソフトウェアモジュールである。加えて、データロガー150は、エラーイベント、紙幣ログ、キャッシュアウトログ、チケットログなどを会計ログに格納する。
【0077】
ゲームリコールファイル160は、各ゲームの結果を含む蓄積データである。ゲームリコールファイル160は、不揮発性メモリに格納される。会計ログ162は、エラーイベント、紙幣ログ、キャッシュアウトログ、チケットログなどを含んでいる蓄積データである。会計ログ162は、不揮発性メモリに格納される。
【0078】
通信マネージャ152は、ゲームアプリケーションプログラム92とシステムアプリケーションプログラム98との間の通信を管理するソフトウェアモジュールである。通信マネージャ152は、システムアプリケーションプログラム98と、他のゲーミングマシン10、外部ネットワーク(スロット管理システムネットワーク、G2Sネットワーク、サーバベースゲーミングネットワーク用のゲーミングサーバ、またはVLTシステムネットワークなど)との間のネットワーク通信をも管理する。
【0079】
紙幣アクセプタマネージャ154は、紙幣アクセプタを管理するためのソフトウェアモジュールであり、紙幣アクセプタに挿入された紙幣の情報を受け付ける。紙幣アクセプタからの情報の受信に応答して、紙幣アクセプタマネージャ154は、挿入された紙幣に基づいてクレジット残高をインクリメントするために、メータ管理モジュールと通信する。
【0080】
メータ管理モジュール156は、通信マネージャ152、紙幣アクセプタマネージャ154、またはキャッシュアウトマネージャ158を介したゲームアプリケーションプログラム92との通信に応答してメータ164の値を調整するためのソフトウェアモジュールである。メータ164は、ゲーミングマシンの現在のクレジット残高を示すためのクレジットメータ、および現在のゲームセッションの入賞総数を示すための入賞メータを含む。メータは、コインイン、コインアウト、トータルドロップ、接客係が支払うジャックポット、および/または紙幣の投入などの、バックグラウンドメータをさらに含む。これらのメータは、不揮発性メモリ上のデータとしてまたはハードウェアメータとして実装されてもよい。
【0081】
キャッシュアウトマネージャ158は、キャッシュアウト手順を管理するためのソフトウェアモジュールである。キャッシュアウトボタンでのプレイヤーの操作に応答して、キャッシュアウトマネージャ158が作動され、ゲーミングマシンが、クレジットメータの総数を現金またはバウチャーの形で支払う。
【0082】
図14は、連結ゲーム画面および個別ゲーム画面の表示動作を説明するフローチャートである。連結ゲーム画面の表示動作のアルゴリズムは、ホストマシンのゲームアプリケーションプログラム92に実装されており、CPU38がゲームアプリケーションプログラム92を実行することにより具現化される。ここでは連結ゲーム画面として連結アトラクト画面を表示する場合の動作について説明する。この連結ゲーム画面の表示動作は複数のステップを含む。各ステップは、独立して実行されてもよく、他のステップと組み合わせて実行されてもよい。
【0083】
最初に、ステップS10において、ホストマシンの制御部22は、自身の入力待ち時間が一定時間経過したか否かを判定する。入力待ち時間が一定時間経過した場合(ステップS10:YES)、ステップS12において、ホストマシンの制御部22は、自身のクレジット残高が0であるか否かを判定する。
【0084】
自身の入力待ち時間が一定時間経過していない場合(ステップS10:NO)、または、自身のクレジット残高が0でない場合(ステップS12:NO)、ホストマシンの制御部22は、ステップS10に戻り、ステップS10およびステップS12の処理を繰り返し実行する。入力待ち時間が一定時間経過していない場合、および、経過していてもクレジット残高が0でなければアトラクト画面を表示させるための段階には進まない。
【0085】
自身のクレジット残高が0である場合(ステップS12:YES)、ステップS14において、ホストマシンの制御部22は、バンク内の他のゲーミングマシン10に各自がビジー状態であるかを問い合わせる。バンク内の他のゲーミングマシン10は、自身がビジー状態であるか判定し、返答をホストマシンの制御部22へ送信する。ビジー状態は、自身のクレジット残高が0であるか否かで判定される。クレジット残高が0でない場合にはビジー状態であると判定する。ステップS16において、ホストマシンの制御部22は、バンク内の他のゲーミングマシン10から返答を受信する。
【0086】
ステップS18において、ホストマシンの制御部22は、ビジー状態であると返答した他のゲーミングマシン10が存在するか否かを判定する。ビジー状態であると返答した他のゲーミングマシン10が存在しない場合(ステップS18:NO)、ステップS20において、ホストマシンの制御部22は、バンク内の他のゲーミングマシン10全体に連結アトラクト画面(連結ゲーム画面の一例)の表示を指示する。これに応じて、ステップS22において、バンク内のゲーミングマシン10全体が連結アトラクト画面を表示する。
図15の(A)は、連結ゲーム画面の一例である。
図15の(A)に示される複数のゲーミングマシン10においては、マシンID「0」のゲーミングマシン10がホストマシンであり、マシンID「1」~「3」のゲーミングマシン10を統括している。ホストマシンの制御部22の表示指示により、各ゲーミングマシン10は、画像G1~G4をそれぞれ表示する。これにより、4台のゲーミングマシン10によって、GameTitleという文字列を含む連結アトラクト画面が表示される。4台のゲーミングマシン10は連動して動画を表示してもよい。ステップS22の処理が終了すると、
図14に示されるフローチャートは終了する。
【0087】
一方、ビジー状態であると返答した他のゲーミングマシン10が存在する場合(ステップS18:YES)、ステップS24において、ホストマシンの制御部22は、ビジー状態でないと返答した他のゲーミングマシン10に対してのみ個別アトラクト画面(独立ゲーム画面の一例)の表示を指示する。個別アトラクト画面とは、ゲーミングマシン10単体で画像表現が完結している通常のアトラクト画面である。ステップS26において、指示を受けたゲーミングマシン10において個別アトラクト画面が表示される。
図15の(B)は、独立ゲーム画面の一例である。
図15の(B)に示される複数のゲーミングマシン10においては、マシンID「0」のゲーミングマシン10がホストマシンであり、マシンID「1」~「3」のゲーミングマシン10を統括している。
図15の(B)の例では、マシンID「2」のゲーミングマシン10はビジー状態であり、マシンID「0」,「1」,「3」のゲーミングマシンはビジー状態ではない。ホストマシンの制御部22の表示指示により、マシンID「0」,「1」,「3」の各ゲーミングマシン10それぞれは、個別アトラクト画面GSを表示する。これにより、3台のゲーミングマシン10それぞれに、GameTitleという文字列を含む個別アトラクト画面GSが独立して表示される。その一方で、ビジー状態にあるマシンID「2」のゲーミングマシン10ではアトラクト画面は表示されず、個別のゲーム画面が表示される。ステップS26の処理が終了すると、
図14に示されるフローチャートは終了する。
【0088】
以上、
図14に示されるフローチャートが実行されることにより、個々のゲーミングマシンの状態および/またはゲームの状態に応じて、複数のゲーミングマシンを連携させ、一体的な表示を行う連結ゲーム画面または個別ゲーム画面を複数のゲーミングマシン10に表示させることができる。
【0089】
次に、連動画面の表示動作について概説する。
図16及び
図17は、ホストマシン以外のゲーミングマシンでボーナスゲームがトリガされた場合におけるゲーミングシステムの動作を説明するフローチャートである。
図16及び
図17においては、マシンID「0」のゲーミングマシン10がホストマシンであり、全てのゲーミングマシン10は通常ゲームを提供中であるとする。ここでは、マシンID「1」のゲーミングマシン10においてトリガ条件が満たされた場合について説明する。
【0090】
最初に、ステップS30において、マシンID「1」のゲーミングマシン10の制御部22は、ボーナスゲームがトリガされたことを判定する。例えば、当該ゲーミングマシン10が提供する通常ゲームにおいてトリガ条件を満たすシンボル配列が形成された場合に、当該ゲーミングマシン10の制御部22はボーナスゲームがトリガされたと判定する。
図18の(A)は、ボーナスゲームを獲得した画面の一例である。
図18の(A)に示されるように、マシンID「1」のゲーミングマシン10の表示領域64に、「ボーナスゲーム当選」の文字列が表示される。ステップS32において、マシンID「1」のゲーミングマシン10の制御部22は、自身が他のゲーミングマシン10でトリガされたボーナスゲームの連動画像を表示中であるか否かを判定する。
【0091】
自身が他のゲーミングマシン10のボーナスゲームの連動画像を表示中でない場合(S32:NO)、マシンID「1」のゲーミングマシン10の制御部22は、乱数を取得し(ステップS34)、ボーナスゲームの結果を決定する(ステップS36)。マシンID「1」のゲーミングマシン10の制御部22は、ホストマシンであるマシンID「0」のゲーミングマシン10の制御部22へトリガ発生通知を送信する。そして、マシンID「1」のゲーミングマシン10の制御部22は、ボーナスゲームのメイン画面GMAを構成し(ステップS38)、ボーナスゲームのメイン画面GMAを連動画面表示領域65に表示させる(ステップS40)。
図18の(B)は、ボーナスゲームにおける連動画面の一例である。
図18の(B)に示されるように、マシンID「1」のゲーミングマシン10の連動画面表示領域65にボーナスゲームのメイン画面GMAが表示される。また、ボーナスゲームの特典テーブル64Aが表示領域64上に表示される。
【0092】
ホストマシンであるマシンID「0」のゲーミングマシン10の制御部22は、マシンID「1」のゲーミングマシン10の制御部22からトリガ発生通知を受信すると、マシンID「2」およびマシンID「3」のゲーミングマシン10の制御部22それぞれに連動開始指示を送信する。
【0093】
ステップS42において、連動開始指示を送信したマシンID「0」のゲーミングマシン10の制御部22は、自身がビジー状態であるかを判定する。自身が先行してトリガしたボーナスゲームを提供中である場合には、ビジー状態であると判定される。ビジー状態でない場合(ステップS42:NO)、マシンID「0」のゲーミングマシン10の制御部22は、ボーナスゲームのメイン画面GMAに連動する連動画面GA0を構成し(ステップS44)、連動画面GA0を連動画面表示領域65に表示する(ステップS46)。
図18の(B)に示されるように、マシンID「0」のゲーミングマシン10の連動画面表示領域65にボーナスゲームのメイン画面GMAに連動する連動画面GA0が表示される。一方、自身がビジー状態である場合(ステップS42:YES)、連動画面の表示は行われない。
【0094】
マシンID「2」のゲーミングマシン10においてもマシンID「1」のゲーミングマシン10と同様に、ステップS48において、制御部22は、自身がビジー状態であるかを判定する。自身が先行してトリガしたボーナスゲームを提供中である場合には、ビジー状態であると判定される。ビジー状態でない場合(ステップS48:NO)、マシンID「2」のゲーミングマシン10の制御部22は、ボーナスゲームのメイン画面GMAに連動する連動画面GA1を構成し(ステップS50)、連動画面GA1を連動画面表示領域65に表示する(ステップS46)。
図18の(B)に示されるように、マシンID「2」のゲーミングマシン10の連動画面表示領域65にボーナスゲームのメイン画面GMAに連動する連動画面GA1が表示される。一方、自身がビジー状態である場合(ステップS48:YES)、連動画面の表示は行われない。
【0095】
マシンID「3」のゲーミングマシン10においてもマシンID「1」のゲーミングマシン10と同様に、ステップS54において、制御部22は、自身がビジー状態であるかを判定する。自身が先行してトリガしたボーナスゲームを提供中である場合には、ビジー状態であると判定される。ビジー状態でない場合(ステップS54:NO)、マシンID「3」のゲーミングマシン10の制御部22は、ボーナスゲームのメイン画面GMAに連動する連動画面GA2を構成し(ステップS56)、連動画面GA2を連動画面表示領域65に表示する(ステップS58)。
図18の(B)に示されるように、マシンID「3」のゲーミングマシン10の連動画面表示領域65にボーナスゲームのメイン画面GMAに連動する連動画面GA2が表示される。一方、自身がビジー状態である場合(ステップS54:YES)、連動画面の表示は行われない。
【0096】
一方、マシンID「1」のゲーミングマシン10において、自身が他のゲーミングマシン10がトリガしたボーナスゲームの連動画像を表示中である場合(S32:YES)、マシンID「1」のゲーミングマシン10の制御部22は、乱数を取得し(ステップS60)、ボーナスゲームの結果を決定するものの(ステップS62)、ホストマシンの制御部22へトリガ発生通知を送信しない。そして、マシンID「1」のゲーミングマシン10の制御部22は、ボーナスゲームのメイン画面GMAを構成し(ステップS38)、他のゲーミングマシン10がトリガしたボーナスゲームの連動画像の表示に代えて、ボーナスゲームのメイン画面GMAを連動画面表示領域65に表示させる。このようにすることで、ゲーミングマシン10は、他のゲーミングマシン10がトリガしたボーナスゲームを表示中であったとしても、自身がボーナスゲームをトリガした場合には当該ボーナスゲームを優先して表示することができる。
【0097】
以上で、
図16および
図17のフローチャートは終了する。連動画面によるボーナスゲームのシンボルは移動および停止し、メイン画面GMA中央の入賞位置に停止したシンボルに基づいてボーナスゲームの特典が決定される。このように、複数台のゲーミングマシン10を用いてボーナスゲームを迫力のあるゲームとして提供するとともに、ボーナスゲームをトリガしていないゲーミングマシン10においては通常ゲームを独立してプレイさせることができる。
【0098】
図19及び
図20は、ホストマシンでボーナスゲームがトリガされた場合におけるゲーミングシステムの動作を説明するフローチャートである。
図19及び
図20においては、マシンID「0」のゲーミングマシン10がホストマシンであり、全てのゲーミングマシン10は通常ゲームを提供中であるとする。
【0099】
最初に、ステップS70において、マシンID「0」のゲーミングマシン10の制御部22は、ボーナスゲームがトリガされたことを判定する。例えば、当該ゲーミングマシン10が提供する通常ゲームにおいてトリガ条件を満たすシンボル配列が形成された場合、マシンID「0」のゲーミングマシン10の制御部22は、ボーナスゲームがトリガされたと判定する。ステップS72において、マシンID「0」のゲーミングマシン10の制御部22は、自身が他のゲーミングマシン10でトリガされたボーナスゲームの連動画像を表示中であるか否かを判定する。
【0100】
自身が他のゲーミングマシン10でトリガされたボーナスゲームの連動画像を表示中でない場合(S72:NO)、マシンID「0」のゲーミングマシン10の制御部22は、乱数を取得し(ステップS74)、ボーナスゲームの結果を決定する(ステップS76)。そして、マシンID「0」のゲーミングマシン10の制御部22は、マシンID「1」、マシンID「2」、およびマシンID「3」のゲーミングマシン10の制御部22それぞれに連動開始指示を送信する。そして、マシンID「0」のゲーミングマシン10の制御部22は、ボーナスゲームのメイン画面GMAを構成し(ステップS78)、ボーナスゲームのメイン画面GMAを連動画面表示領域65に表示させる(ステップS80)。
【0101】
連動開始指示を受信したマシンID「1」のゲーミングマシン10の制御部22は、ステップS82において、自身がビジー状態であるかを判定する。自身が先行してトリガしたボーナスゲームを提供中である場合には、ビジー状態であると判定される。ビジー状態でない場合(ステップS82:NO)、マシンID「1」のゲーミングマシン10の制御部22は、ボーナスゲームのメイン画面GMAに連動する連動画面GA1を構成し(ステップS84)、連動画面GA1を連動画面表示領域65に表示する(ステップS86)。一方、自身がビジー状態である場合(ステップS82:YES)、連動画面の表示は行われない。
【0102】
マシンID「2」のゲーミングマシン10においてもマシンID「1」のゲーミングマシン10と同様に、ステップS88において、制御部22は、自身がビジー状態であるかを判定する。自身が先行してトリガしたボーナスゲームを提供中である場合には、ビジー状態であると判定される。ビジー状態でない場合(ステップS88:NO)、マシンID「2」のゲーミングマシン10の制御部22は、ボーナスゲームのメイン画面GMAに連動する連動画面GA2を構成し(ステップS90)、連動画面GA2を連動画面表示領域65に表示する(ステップS92)。一方、自身がビジー状態である場合(ステップS88:YES)、連動画面の表示は行われない。
【0103】
マシンID「3」のゲーミングマシン10においてもマシンID「1」のゲーミングマシン10と同様に、ステップS94において、制御部22は、自身がビジー状態であるかを判定する。自身がボーナスゲームをトリガしている場合には、ビジー状態であると判定される。ビジー状態でない場合(ステップS94:NO)、マシンID「3」のゲーミングマシン10の制御部22は、ボーナスゲームのメイン画面GMAに連動する連動画面GA3を構成し(ステップS96)、連動画面GA3を連動画面表示領域65に表示する(ステップS98)。一方、自身がビジー状態である場合(ステップS94:YES)、連動画面の表示は行われない。
【0104】
一方、マシンID「0」のゲーミングマシン10において、自身が他のゲーミングマシン10のボーナスゲームの連動画像を表示中である場合(S72:YES)、マシンID「0」のゲーミングマシン10の制御部22は、乱数を取得し(ステップS100)、ボーナスゲームの結果を決定するものの(ステップS102)、連動開始指示は送信しない。そして、マシンID「0」のゲーミングマシン10の制御部22は、ボーナスゲームのメイン画面GMAを構成し(ステップS78)、ボーナスゲームのメイン画面GMAを連動画面表示領域65に表示させる(ステップS80)。
【0105】
以上で、
図19および
図20のフローチャートは終了する。連動画面によるボーナスゲームのシンボルは移動および停止し、メイン画面GMA中央の入賞位置に停止したシンボルに基づいてボーナスゲームの特典が決定される。このように、ホストマシンにおいてボーナスゲームがトリガされた場合であっても、複数台のゲーミングマシン10を用いてボーナスゲームを迫力のあるゲームとして提供するとともに、ボーナスゲームをトリガしていないゲーミングマシン10においては通常ゲームを独立してプレイさせることができる。このようなフローチャートを実行することにより、個々のゲーミングマシンの状態および/またはゲームの状態に応じて、複数のゲーミングマシンを連携させ、一体的な表示を行う連結ゲーム画面または個別ゲーム画面を複数のゲーミングマシン10に表示させることができる。
【0106】
具体的には、ゲーミングシステム1によれば、複数のゲーミングマシン10のいずれかが提供する通常ゲームにおいてボーナスゲームのトリガ条件が満たされた場合に、当該ゲーミングマシン10ではボーナスゲームのメイン画面GMAが表示されるとともに、他のゲーミングマシン10ではボーナスゲームのメイン画面GMAと連動した連動画面が表示される。このように、トリガしたゲーミングマシン10でボーナスゲームのメイン画面GMAを表示しつつ、他のゲーミングマシン10でメイン画面GMAと連動した連動画面を表示するので、複数のゲーミングマシン10の画面を利用して表現力が高く迫力のあるボーナスゲームを提供することができる。
【0107】
また、このゲーミングシステム1によれば、メイン画面GMAと連動した連動画面を表示する他のゲーミングマシン10において、それぞれが独立して通常ゲームを提供するので、連動画面の表示が他のゲーミングマシン10でプレイしているプレイヤーの通常ゲームを阻害することがない。このため、連動画面を表示した場合であっても複数のゲーミングマシン10全てにおいてゲームを提供できるので、収益面で有利である。
【0108】
さらに、このゲーミングシステム1によれば、ビジー状態でない他のゲーミングマシン10、つまり自身の処理を優先する必要のないゲーミングマシン10が連動画面を表示することができる。したがって、ビジー状態にあるゲーミングマシン10では自身の処理を進めつつ、ビジー状態にないゲーミングマシン10で連動画面を表示することができる。
【0109】
さらにまた、ゲーミングシステム1によれば、ホストマシンが複数のゲーミングマシン10の表示動作を統括し、メイン画面および連動画面を用いてボーナスゲームを提供することができる。したがって、ゲーミングマシン10の表示動作を統括するために、専用の構成要素をゲーミングシステム1に追加する必要はない。
【0110】
さらにまた、ゲーミングシステム1によれば、複数のゲーミングマシン10でボーナスゲームが続けてトリガされたときにおいて、最初に他のゲーミングマシン10でトリガされたボーナスゲームの終了を待つことなく、自身のボーナスゲームを開始することができるので、プレイヤーに待ち時間を与えることを回避できる。
【0111】
さらにまた、ゲーミングシステム1によれば、他のゲーミングマシン10の全てがビジー状態でないときに連結ゲーム画面を表示することで、ビジー状態のゲーミングマシン10が連結ゲーム画面の一部を表示しないことで連結ゲーム画面が不完全な状態となることを回避することができる。これにより、複数のゲーミングマシン10の画面を利用して表現力が高い連結ゲーム画面を完全な形で提供することができる。
【0112】
本開示は上記実施形態に限られるものではなく、種々変形が可能である。例えば、本開示をパチンコ機やパチスロ機に適用することも可能である。また、上記実施形態で示したように通常ゲームをビデオスロットゲームとする場合も、ビデオスロットゲームとして種々変更することが可能である。
【0113】
また、ボーナスゲームも上述した実施形態に限られるものではなく、種々変更が可能である。例えば、複数シンボルを水平方向にスクロールおよび停止させるリールを複数設け、停止したシンボルの組み合わせに応じてボーナス特典を付与する構成としてもよい。また、ボーナスゲームを、ルーレットゲームまたはホイールゲームとして構成することも可能である。
【0114】
上述したゲーミングマシン10の制御部22の機能は、コンピュータによりプログラムが実行されることでも実現され得る。すなわち、1又は複数のコンピュータを、上述した制御部22と同様に機能させるプログラムが作成可能である。プログラムは、例えば、ROM又は半導体メモリ等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録されて、提供され得る。そのようなプログラムは複数のモジュールに分割されていてもよい。
【0115】
また、各実施形態における動作についても種々変形が可能であり、例えば予め必要な数の乱数を取得してリール停止位置を決定し、特別ゲーム当選および入賞有無の判定を済ませてから、それらの内容をディスプレイ上に順次表示する態様であっても構わない。さらに、例えば、制御部22は、ゲーム開始時に、必要な数の乱数を一括で取得し、それぞれの乱数を電源異常時にも消去されないメモリ42またはストレージ44の記憶領域に記憶してもよい。このようにした場合、ゲーム中に電源異常などが発生しても、制御部22は、電源復旧後にゲームを再開する際に、電源異常発生前のゲーム開始時に取得された乱数をメモリ42またはストレージ44から取得することで、ゲームの進行を再現することができる。例えば、高い配当が得られるゲーム結果が形成される直前に電源異常が発生した場合において、電源復旧後に同様のゲームの進行がなされなければ問題となり得る。しかし、上述のようにゲーム開始時に全ての乱数を一括で取得し、これらの乱数をメモリ42またはストレージ44に退避させておくことで、電源復旧後に電源異常発生前と同様のゲームの進行を再現することができるため、このような問題を回避することができる。
【0116】
また、上記実施形態では、遊技価値として紙幣またはチケットを示し、これらを紙幣/チケット識別装置で受け付けて、プリンタユニットでチケットを出力する態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。遊技価値は、硬貨、紙幣、コイン、メダル、チケットなどの有体物、又はこれらと同等の価値を有する電子データを含む概念である。例えば、コインアクセプターでコインを受け付けて、コインホッパーからコインを支払う態様であっても構わない。プレイヤーを識別してサーバ上のアカウントに蓄積されたクレジットを使用し、アカウントへクレジットを払い出す態様であってもよく、磁気カード、ICカード等の記憶媒体に記録されたクレジットの情報を読み取って使用し、記憶媒体へ書き込むことでクレジットを払い出す態様であってもよい。さらに、スマートフォンやウエアラブルデバイスとの間で電子的にクレジットを移動させる態様としてもよい。
【符号の説明】
【0117】
10…ゲーミングマシン、22…制御部、42…メモリ(記憶部の一例)、44…ストレージ(記憶部の一例)。