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特許7499634結露予測装置、空調機器制御装置及び結露予測方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】結露予測装置、空調機器制御装置及び結露予測方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/64 20180101AFI20240607BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20240607BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20240607BHJP
   F24F 110/12 20180101ALN20240607BHJP
   F24F 110/20 20180101ALN20240607BHJP
   F24F 110/22 20180101ALN20240607BHJP
【FI】
F24F11/64
F24F11/80
F24F110:10
F24F110:12
F24F110:20
F24F110:22
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020123108
(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公開番号】P2022024367
(43)【公開日】2022-02-09
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕造
【審査官】塩田 匠
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-109305(JP,A)
【文献】国際公開第2017/203603(WO,A1)
【文献】特開2016-146279(JP,A)
【文献】特開2007-017144(JP,A)
【文献】特開2014-109809(JP,A)
【文献】実開平06-056632(JP,U)
【文献】特開2017-096511(JP,A)
【文献】特開2010-203766(JP,A)
【文献】特開2006-336888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
F24F 110/10
F24F 110/12
F24F 110/20
F24F 110/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調用ダクトが設置されている建物の外気の温度及び湿度を取得する外気温湿度取得部と、
前記空調用ダクトの内部を流れる空調空気の温度を取得する空調温度取得部と、
前記外気温湿度取得部により取得された、前記建物の外気の温度及び湿度と、前記空調温度取得部により取得された空調空気の温度と、前記空調用ダクトの保温性能を示す指標と、前記空調用ダクトが設置されている空間を区画する部材の断熱性能を示す指標と、に基づいて、前記空調用ダクトの表面における結露の発生を予測する結露予測部と、
前記結露予測部による予測結果を出力する予測結果出力部と、
を備えたことを特徴とする結露予測装置。
【請求項2】
前記結露予測部は、
前記外気温湿度取得部により取得された前記建物の外気の温度及び湿度と、前記空調用ダクトが設置されている空間を区画する部材の断熱性能を示す指標とに基づいて、前記空調用ダクトが設置されている空間の温度及び湿度を推定するとともに、
当該推定した空調用ダクトが設置されている空間の温度及び湿度に基づいて、当該空間の水蒸気量を算出し、
前記空調温度取得部により取得された空調空気の温度と、前記空調用ダクトの保温性能を示す指標とに基づいて、当該空調空気による空調を所定時間継続した場合における前記空調用ダクトの周囲の空気の飽和水蒸気量を算出し、
前記算出した水蒸気量が、前記算出した飽和水蒸気量を上回る場合に、前記空調用ダクトの表面に結露が発生すると予測する
ことを特徴とする請求項記載の結露予測装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の結露予測装置と接続され、
前記予測結果出力部により出力された予測結果を取得する予測結果取得部と、
前記予測結果取得部により取得された予測結果が、前記空調用ダクトの表面に結露が発生するとの予測結果であった場合、当該空調用ダクトの内部に空調空気を送出する空調装置に対し、空調空気の温度を上昇させるよう指示する指示部と、
を備えたことを特徴とする空調機器制御装置。
【請求項4】
前記空調用ダクトの内部を流れる空調空気が供給される室内の温度を取得する室温取得部と、
前記指示部により、前記空調装置に対して空調空気の温度を上昇させる指示がなされた結果、前記室温取得部により取得された室内の温度が、所定時間以内に予め設定された目標温度に達するかを判断する判断部と、
前記空調用ダクトに風を送る送風ファンを制御するファン制御部と、
を備え、
前記判断部により、前記室内の温度が所定時間以内に目標温度に達しないと判断された場合、
前記指示部は、前記室内の温度が前記所定時間以内に、目標温度に対して許容された誤差を加えた許容温度に達するように、空調空気の温度を調整する旨を前記空調装置に指示するとともに、
前記ファン制御部は、前記送風ファンを起動する
ことを特徴とする請求項記載の空調機器制御装置。
【請求項5】
外気温湿度取得部と、空調温度取得部と、結露予測部と、予測結果出力部と、を備える結露予測装置の結露予測方法であって、
前記外気温湿度取得部が、空調用ダクトが設置されている建物の外気の温度及び湿度を取得し、
前記空調温度取得部が、前記空調用ダクトの内部を流れる空調空気の温度を取得し、
前記結露予測部が、前記外気温湿度取得部により取得された、前記建物の外気の温度及び湿度と、前記空調温度取得部により取得された空調空気の温度と、前記空調用ダクトの保温性能を示す指標と、前記空調用ダクトが設置されている空間を区画する部材の断熱性能を示す指標と、に基づいて、前記空調用ダクトの表面における結露の発生を予測し、
前記予測結果出力部が、前記結露予測部による予測結果を出力する、
結露予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、結露の発生を予測する技術に関し、特に、空調用ダクトの表面における結露の発生を予測する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、全館空調システムでは、空調用ダクトは建物の天井裏の空間に設置されることが一般的である。空調用ダクトが設置される建物の天井裏の空間は、密閉された空間であり、特に夏季のような気候では、空調用ダクトは高温多湿の環境下に置かれる。したがって、空調用ダクトの表面には結露が発生しやすい。このような結露の発生は、空調用ダクトの品質低下を招くばかりでなく、全館空調システムにとっても不具合要因となる。したがって、空調用ダクトの表面における結露の発生を予測することは有用である。
【0003】
結露の発生予測に関連して、例えば特許文献1には、ユーザに適した温湿度環境と結露抑制とを実現し得る空調制御システムが開示されている。この空調制御システムは、屋内の複数領域各々の温度を測定する測定部と、空調機構の調整目標としての温度及び湿度を示す設定情報を取得する設定情報取得部と、一部の領域における結露発生の許容を示す許容情報を取得する許容情報取得部と、設定情報と測定部による測定結果とに基づいて、空調機構を設定情報に従って制御した場合に複数領域各々に結露が発生するか否かを推定する推定部と、複数領域のいずれにも結露が発生しないと推定された場合には、設定情報が示す温度及び湿度に調整するよう空調機構を制御し、複数領域のいずれかに結露が発生すると推定された場合には、許容情報と設定情報とに基づいて温度及び湿度を決定し、決定した温度及び湿度に調整するように空調機構を制御する制御部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-96511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の空調制御システムは、建物の屋内の複数領域を結露の発生の推定対象とするものであり、空調用ダクトの設置場所に特有の上記のような環境を考慮しつつ、空調用ダクトの表面における結露の発生を予測するものではなかった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、空調用ダクトの設置環境を考慮しつつ、空調用ダクトの表面における結露の発生を予測可能な結露予測装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る結露予測装置は、空調用ダクトが設置されている建物の外気の温度及び湿度を取得する外気温湿度取得部と、空調用ダクトの内部を流れる空調空気の温度を取得する空調温度取得部と、外気温湿度取得部により取得された、建物の外気の温度及び湿度と、空調温度取得部により取得された空調空気の温度と、空調用ダクトの保温性能を示す指標と、空調用ダクトが設置されている空間を区画する部材の断熱性能を示す指標と、に基づいて、空調用ダクトの表面における結露の発生を予測する結露予測部と、結露予測部による予測結果を出力する予測結果出力部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、上記のように構成したので、空調用ダクトの設置環境を考慮しつつ、空調用ダクトの表面における結露の発生を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る結露予測装置及び空調機器制御装置を含む全館空調システムの構成例を示す図である。
図2】実施の形態1に係る結露予測装置及び空調機器制御装置の構成例を示す図である。
図3】実施の形態1に係る結露予測装置の動作例を示すフローチャートである。
図4】実施の形態1に係る空調機器制御装置の動作例を示すフローチャートである。
図5】実施の形態2に係る結露予測装置及び空調機器制御装置を含む全館空調システムの構成例を示す図である。
図6】実施の形態2に係る結露予測装置の構成例を示す図である。
図7】実施の形態2に係る結露予測装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る結露予測装置及び空調機器制御装置を含む全館空調システムの構成例を示す図である。ここでは、説明を簡単にするため、建物100の任意の部屋の室内150を対象に空調を行う場合を説明する。
【0012】
全館空調システムは、図1に示すように、空調装置1と、空調用ダクト2と、送風ファン3と、温度センサT1と、温湿度センサT2と、温度センサT3と、結露予測装置10と、空調機器制御装置20とを含んで構成されている。
【0013】
空調装置1は、室内150に設置される室内機1aと、建物100の外に設置される不図示の室外機1bとで構成される。室内機1aは、室外機1bとの協働により、既知の方法で冷風又は温風などの空調空気を作り、この空調空気を空調用ダクト2へ送出する。なお、ここでは、室内機1aが室内150に設置されている例を説明するが、室内機1aは室内150とは別の場所(例えば機械室など)に設置されていてもよい。
【0014】
空調用ダクト2は、一端部が室内機1aに接続され、他端部側が建物100の天井裏の空間に設置されている。室内機1aから空調用ダクト2に送出された空調空気は、分岐チャンバ及び分岐ダクト(いずれも不図示)を経て、建物100の各部屋の吹出口(不図示)から各部屋に供給される。
【0015】
送風ファン3は、空調用ダクト2の近傍に設置されている。送風ファン3は、後述する空調機器制御装置20からの指示によって起動され、空調用ダクト2の表面に風を送る。
【0016】
温度センサT1は、室内150の空気(以下、室内空気という)の温度を測定する。
【0017】
温湿度センサT2は、空調用ダクト2が設置されている建物100の天井裏の空間における空気の温度及び湿度を測定する。
【0018】
温度センサT3は、室内機1aから空調用ダクト2へ送出される空調空気の温度を測定する。なお、温度センサT3は、室内機1aの内部に設けられていてもよい。
【0019】
結露予測装置10は、温湿度センサT2、温度センサT3及び空調機器制御装置20と通信可能に接続されている。
【0020】
結露予測装置10は、温湿度センサT2から、空調用ダクト2が設置されている建物100の天井裏の空間における空気の温度及び湿度を取得する。また、結露予測装置10は、温度センサT3から、空調空気の温度を取得する。そして、結露予測装置10は、建物100の天井裏の空間における空気の温度及び湿度と、空調空気の温度と、予め自機に設定されている、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1とに基づいて、空調用ダクト2の表面に結露が発生するかを予測する。
【0021】
空調機器制御装置20は、温度センサT1、空調装置1(室内機1a)、送風ファン3及び結露予測装置10と通信可能に接続されている。空調機器制御装置20は、結露予測装置10により、空調用ダクト2の表面に結露が発生すると予測された場合に、空調用ダクト2の表面における結露の発生を抑制すべく、空調装置1(室内機1a)及び送風ファン3を制御する。
【0022】
次に、実施の形態1に係る結露予測装置10及び空調機器制御装置20の構成例について、図2を参照しながら説明する。
【0023】
結露予測装置10は、図2に示すように、ダクト空間温湿度取得部11、空調温度取得部12、結露予測部13、予測結果出力部14及び記憶部15を備えている。
【0024】
ダクト空間温湿度取得部11は、温湿度センサT2から、空調用ダクト2が設置されている建物100の天井裏の空間の温度及び湿度を取得する。以下、説明を簡単にするため、建物100の天井裏の空間の温度及び湿度をまとめて「温湿度」と呼び、この温湿度を記号Taで表す。
【0025】
空調温度取得部12は、温度センサT3から、室内機1aが空調用ダクト2に送出している空調空気の温度Tsを取得する。
【0026】
結露予測部13は、ダクト空間温湿度取得部11により取得された建物100の天井裏の空間の温湿度Taと、空調温度取得部12により取得された空調空気の温度Tsと、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1とに基づいて、空調用ダクト2の表面に結露が発生するかを予測する。なお、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1は、予め記憶部15に記憶されている。
【0027】
結露予測部13の処理についてさらに説明すると、例えば夏季において、空調装置1が冷房モードで使用される場合、空調用ダクト2の内部には比較的温度の低い空調空気(冷房空気)が流れる。そのため、空調用ダクト2の内部から表面にかけて徐々に温度が低下し、空調用ダクト2の周囲の空気の温度も低下する。空調用ダクト2は、上述の通り、建物100の天井裏などの居住空間外に設置されることが多く、特に夏季は高温多湿の環境下に置かれやすい。したがって、特に夏季の冷房使用時には、空調用ダクト2の表面に、空調用ダクト2の周囲の高温多湿の空気が接触することで結露が発生しやすくなる。
【0028】
ここで、空調用ダクト2の設置場所の温湿度Taと、空調用ダクト2の内部を通る空調空気(冷房空気)の温度Tsとは、センサにより測定が可能である。一方、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1は、空調用ダクト2の周囲の空気の温度の単位時間あたりの変化率に影響する。したがって、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1が既知であれば、この指標α1と、空調用ダクト2の設置場所の温湿度Taと、空調用ダクト2の内部を通る空調空気(冷房空気)の温度Tsとに基づいて、空調用ダクト2の表面に結露が発生するか否かを予測することができる。
【0029】
すなわち、空調用ダクト2の表面における結露の発生の有無Yは、下式(1)に示すように、空調用ダクト2の設置場所の温湿度Ta、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1、及び空調空気(冷房空気)の温度Tsの関数fとなる。結露予測部13は、この関数fを用いて、空調用ダクト2の表面に結露が発生するかを予測する。
Y=f(Ta,α1,Ts) Y=0(結露なし)、Y=1(結露あり) (1)
【0030】
例えば、結露予測部13は、関数fを用いて以下のような処理を行う。まず、結露予測部13は、ダクト空間温湿度取得部11により取得された建物100の天井裏の空間の温湿度Taに基づいて、当該天井裏の空間の水蒸気量s1を算出する。次に、結露予測部13は、空調温度取得部12により取得された空調空気の温度Tsと、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1とに基づいて、当該空調空気による空調を所定時間継続した場合に、空調用ダクト2の周囲の空気の温度がどの程度まで低下するかを求め、その温度まで低下したときの、空調用ダクト2の周囲の空気の飽和水蒸気量s2を求める。そして、結露予測部13は、建物100の天井裏の空間の水蒸気量s1が、空調用ダクト2の周囲の空気の飽和水蒸気量s2を上回る場合に、空調用ダクト2の表面に結露が発生するとの予測結果(Y=1)を得る。一方、建物100の天井裏の空間の水蒸気量s1が、空調用ダクト2の周囲の空気の飽和水蒸気量s2以下である場合、結露予測部13は、空調用ダクト2の表面に結露は発生しないとの予測結果(Y=0)を得る。
【0031】
なお、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1としては、例えば、空調用ダクト2の熱貫流率を用いることができる。熱貫流率は、部材の熱の通し易さを表す値であり、一般に値が小さいほど熱を通しにくい。熱貫流率は、空調用ダクト毎に固有の既知の値であり、ダクトの種類(材質及び厚さなど)に応じて変動する。
【0032】
予測結果出力部14は、結露予測部13による予測結果を出力する。
【0033】
上述したダクト空間温湿度取得部11、空調温度取得部12、結露予測部13、及び予測結果出力部14の各機能は、結露予測装置10が備える不図示のCPU(Central Processing Unit)が、予め結露予測装置10にインストールされている所定のプログラムを実行することにより実現される。また、記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)、SDD(Solid State Drive)、又はROM(Read Only Memory)等により構成される。
【0034】
空調機器制御装置20は、図2に示すように、予測結果取得部21、指示部22、室温取得部23、判断部24及びファン制御部25を備えている。
【0035】
予測結果取得部21は、予測結果出力部14により出力された予測結果を取得する。
【0036】
指示部22は、予測結果取得部21により取得された予測結果が、空調用ダクト2の表面に結露が発生するとの予測結果(Y=1)であった場合、空調装置1(室内機1a)に対し、空調空気の温度Tsを上昇させるよう指示する。
【0037】
室温取得部23は、温度センサT1から、室内空気の温度(以下、室温という)Tiを所定間隔で繰り返し取得する。
【0038】
判断部24は、指示部22により、空調装置1(室内機1a)に対して空調空気の温度Tsを上昇させる指示がなされた結果、室温Tiが所定時間以内に、予め設定された室内150の目標温度に達するかを判断する。判断部24は、この判断を、室温取得部23により繰り返し取得される室温を参照しながら行う。
【0039】
判断部24は、室温Tiが所定時間以内に目標温度に達しないと判断した場合、当該判断結果を指示部22へ出力する。
【0040】
指示部22は、判断部24から、室温Tiが所定時間以内に目標温度に達しないとの判断結果を受信すると、空調装置1(室内機1a)に対し、空調空気の温度Tsを室温Tiに影響しない範囲で調整する旨を指示する。具体的には、指示部22は、室温Tiが所定時間以内に、少なくとも室内150の目標温度に対して許容された誤差を加えた許容温度に達するように、空調空気の温度Tsを調整する旨を空調装置1(室内機1a)に指示する。例えば、目標温度がx(℃)であり、許容された誤差が+3℃である場合、指示部22は、室温Tiが所定時間以内に少なくともx+3(℃)に達するように、空調空気の温度Tsを調整する旨を空調装置1(室内機1a)に指示する。以下、この指示を「空調温度調整指示」という。
【0041】
ファン制御部25は、指示部22により、上記のような空調温度調整指示がなされた場合、空調用ダクト2の近傍に設置された送風ファン3を起動する。
【0042】
ファン制御部25による送風ファン3の起動について補足すると、例えば、指示部22は、予測結果取得部21により取得された予測結果が、空調用ダクト2の表面に結露が発生するとの予測結果(Y=1)であった場合、空調装置1(室内機1a)に対し、空調空気の温度Tsを上昇させるよう指示する。このとき、指示部22により、空調装置1に対して、空調空気の温度Tsを過度に上昇させる指示がなされてしまうと、空調装置1は、冷房負荷を処理し切れなくなり、室温Tiが所定時間以内に目標温度に達しなくなる可能性がある。
【0043】
室温Tiが所定時間以内に目標温度に達しないと判断された場合、指示部22は、空調装置1(室内機1a)に対し、空調温度調整指示を出して、再び空調空気の温度Tsを下げる方向へ調整させるが、これにより、空調用ダクト2の周囲の空気の温度は、再び低下していく。一方で、空調用ダクト2の周囲の空気は温かいため、熱放散現象により、高温である空調用ダクト2の周囲の空気から、低温である空調用ダクト2の表面に対して、熱の供給が行われる。
【0044】
そこで、ファン制御部25が送風ファン3を起動すると、空調用ダクト2の表面の風速が大きくなり、空調用ダクト2の周囲の空気から、空調用ダクト2の表面に対する熱供給が促進される。その結果、空調用ダクト2の表面の温度が、空調用ダクト2の周囲の空気の温度に近づき、空調用ダクト2の周囲の空気の温度が温められて、空調用ダクト2の表面における結露の発生が抑制される。
【0045】
すなわち、指示部22により、空調温度調整指示がなされると、空調空気の温度Tsが下がるため、室内の快適性は向上するが、その反面、空調用ダクト2の表面における結露はより発生しやすい状況となる。そこで、ファン制御部25が送風ファン3を起動することにより、室内の快適性は維持しつつ、空調用ダクト2の表面における結露の発生を抑制する。
【0046】
上述した予測結果取得部21、指示部22、室温取得部23、判断部24及びファン制御部25の各機能は、空調機器制御装置20が備える不図示のCPU(Central Processing Unit)が、予め空調機器制御装置20にインストールされている所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0047】
次に、結露予測装置10の動作例について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
【0048】
まず、ダクト空間温湿度取得部11は、温湿度センサT2から、空調用ダクト2が設置されている建物100の天井裏の空間の温湿度Taを取得する(ステップST1)。
【0049】
次に、空調温度取得部12は、温度センサT3から、室内機1aが空調用ダクト2に送出している空調空気の温度Tsを取得する(ステップST2)。
【0050】
次に、結露予測部13は、ダクト空間温湿度取得部11により取得された建物100の天井裏の空間の温湿度Taと、空調温度取得部12により取得された空調空気の温度Tsと、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1とに基づいて、空調用ダクト2の表面に結露が発生するかを予測する(ステップST3)。
【0051】
次に、予測結果出力部14は、結露予測部13による予測結果を出力する(ステップST4)。
【0052】
次に、空調機器制御装置20の動作例について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0053】
まず、予測結果取得部21は、予測結果出力部14により出力された予測結果を取得する(ステップST11)。
【0054】
次に、指示部22は、予測結果取得部21により取得された予測結果が、空調用ダクト2の表面に結露が発生するとの予測結果(Y=1)であるかを確認する(ステップST12)。
【0055】
予測結果取得部21により取得された予測結果が、空調用ダクト2の表面に結露が発生するとの予測結果(Y=1)でなければ(ステップST12;NO)、空調機器制御装置20は処理を終了する。
【0056】
予測結果取得部21により取得された予測結果が、空調用ダクト2の表面に結露が発生するとの予測結果(Y=1)であれば(ステップST12;YES)、指示部22は、空調装置1(室内機1a)に対し、空調空気の温度Tsを上昇させるよう指示する(ステップST13)。
【0057】
次に、判断部24は、指示部22により、空調装置1(室内機1a)に対して空調空気の温度Tsを上昇させる指示がなされた結果、室温Tiが、所定時間以内に、予め設定された室内150の目標温度に達するかを判断する(ステップST14)。
【0058】
判断部24により、室温Tiが所定時間以内に目標温度に達すると判断された場合(ステップST14;YES)、空調機器制御装置20は処理を終了する。
【0059】
判断部24により、室温Tiが所定時間以内に目標温度に達しないと判断された場合(ステップST14;NO)、指示部22は、空調装置1に対し、空調温度調整指示を行う(ステップST15)。
【0060】
次に、ファン制御部25は、送風ファン3を起動し(ステップST16)、処理を終了する。
【0061】
なお、空調機器制御装置20は、ステップST16において、ファン制御部25が送風ファン3を起動して処理を終了するが、結露予測装置10は、ファン制御部25が送風ファン3を起動した後に、再び図3に示すステップST1から処理を実行し、送風ファン3が起動された後の状態において、空調用ダクト2の表面に結露が発生するかを予測してもよい。また、結露予測装置10により、送風ファン3が起動された後の状態において、空調用ダクト2の表面に結露が発生しないと予測された場合、ファン制御部25は、起動している送風ファン3を停止させてもよい。
【0062】
以上のように、実施の形態1に係る結露予測装置10は、空調用ダクト2が設置されている空間の温度及び湿度Taを取得するダクト空間温湿度取得部11と、空調用ダクト2の内部を流れる空調空気の温度Tsを取得する空調温度取得部12と、ダクト空間温湿度取得部11により取得された、空調用ダクト2が設置されている空間の温度及び湿度Taと、空調温度取得部12により取得された空調空気の温度Tsと、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1とに基づいて、空調用ダクト2の表面における結露の発生を予測する結露予測部13と、結露予測部13による予測結果を出力する予測結果出力部14と、を備えた。これにより、結露予測装置10は、空調用ダクト2の設置環境を考慮しつつ、空調用ダクト2の表面における結露の発生を予測することができる。
【0063】
また、結露予測部13は、ダクト空間温湿度取得部11により取得された、空調用ダクト2が設置されている空間の温度及び湿度Taに基づいて、空調用ダクト2が設置されている空間の水蒸気量s1を算出するとともに、空調温度取得部12により取得された空調空気の温度と、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1とに基づいて、当該空調空気による空調を所定時間継続した場合における空調用ダクト2の周囲の空気の飽和水蒸気量s2を算出し、算出した水蒸気量s1が、算出した飽和水蒸気量s2を上回る場合に、空調用ダクト2の表面に結露が発生すると予測する。これにより、結露予測装置10は、空調用ダクト2が設置されている空間の温度及び湿度Taから得られる水蒸気量s1と、空調空気の温度Ts及び空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1から得られる飽和水蒸気量s2とに基づいて、空調用ダクト2の表面における結露の発生を予測することができる。
【0064】
また、空調機器制御装置20は、結露予測装置10と接続され、予測結果出力部14により出力された予測結果を取得する予測結果取得部21と、予測結果取得部21により取得された予測結果が、空調用ダクト2の表面に結露が発生するとの予測結果であった場合、空調用ダクト2の内部に空調空気を送出する空調装置1に対し、空調空気の温度Tsを上昇させるよう指示する指示部22と、を備えた。これにより、空調機器制御装置20は、空調用ダクト2の表面に結露が発生すると予測された場合、空調空気の温度Tsを上昇させるよう空調装置1に指示することにより、空調用ダクト2の表面の温度を上昇させて、空調用ダクト2の表面における結露の発生を抑制することができる。
【0065】
また、空調機器制御装置20は、空調用ダクト2の内部を流れる空調空気が供給される室内の温度Tiを取得する室温取得部23と、指示部22により、空調装置1に対して空調空気の温度Tsを上昇させる指示がなされた結果、室温取得部23により取得された室内の温度Tiが、所定時間以内に予め設定された目標温度に達するかを判断する判断部24と、空調用ダクト2に風を送る送風ファン3を制御するファン制御部25と、を備え、判断部24により、室内の温度Tiが所定時間以内に目標温度に達しないと判断された場合、指示部22は、室内の温度Tiが所定時間以内に、目標温度に対して許容された誤差を加えた許容温度に達するように、空調空気の温度Tsを調整する旨を空調装置1に指示するとともに、ファン制御部25は、送風ファン3を起動する。これにより、空調機器制御装置20は、室内の快適性は維持しつつ、空調用ダクト2の表面における結露の発生を抑制することができる。
【0066】
実施の形態2.
実施の形態1では、結露予測装置10が、建物100の天井裏の空間における空気の温湿度Taと、空調空気の温度Tsと、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1とに基づいて、空調用ダクト2の表面における結露の発生を予測する例を説明した。実施の形態2では、結露予測装置10bが、建物100の外部の空気の温湿度Toと、空調空気の温度Tsと、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1と、空調用ダクト2が設置されている建物100の天井裏の空間を区画する部材の断熱性能を示す指標α2とに基づいて、空調用ダクト2の表面における結露の発生を予測する例を説明する。
【0067】
図5は、実施の形態2に係る結露予測装置及び空調機器制御装置を含む全館空調システムの構成例を示す図である。実施の形態2でも、実施の形態1と同様に、建物100の任意の部屋の室内150を対象に空調を行う場合を説明する。
【0068】
実施の形態2における全館空調システムは、実施の形態1における全館空調システムに対し、温湿度センサT2が削除され、温湿度センサT4が追加されている。その他の構成については実施の形態1と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0069】
温湿度センサT4は、建物100の外部の空気(以下、外気という)の温度及び湿度を測定する。
【0070】
次に、実施の形態2に係る結露予測装置10bの構成例を図6に示す。結露予測装置10bは、実施の形態1に係る結露予測装置10に対し、ダクト空間温湿度取得部11が、外気温湿度取得部16に変更され、結露予測部13が結露予測部13bに変更されている。結露予測装置10bのその他の構成については、実施の形態1に係る結露予測装置10と同様であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0071】
外気温湿度取得部16は、建物100の外部に設置されている温湿度センサT4から、建物100の外気の温度及び湿度を取得する。以下、説明を簡単にするため、建物100の外気の温度及び湿度をまとめて「温湿度」と呼び、この温湿度を記号Toで表す。
【0072】
結露予測部13bは、外気温湿度取得部16により取得された建物100の外気の温湿度Toと、空調温度取得部12により取得された空調空気の温度Tsと、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1と、空調用ダクト2が設置されている建物100の天井裏の空間を区画する部材の断熱性能を示す指標α2とに基づいて、空調用ダクト2の表面に結露が発生するかを予測する。なお、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1と、空調用ダクト2が設置されている建物100の天井裏の空間を区画する部材の断熱性能を示す指標α2とは、予め記憶部15に記憶されている。
【0073】
温湿度センサT3により、建物100の外気の温湿度Toが測定可能であり、空調用ダクト2が設置されている建物100の天井裏の空間を区画する部材の断熱性能を示す指標α2が既知であれば、これらの値から、建物100の天井裏の空間の温湿度Taを推定することができる。
【0074】
そこで、結露予測部13bは、外気温湿度取得部16により取得された建物100の外気の温湿度Toと、空調用ダクト2が設置されている建物100の天井裏の空間を区画する部材の断熱性能を示す指標α2とに基づいて、建物100の天井裏の空間の温湿度Taを推定する。そして、結露予測部13bは、推定した建物100の天井裏の空間の温湿度Taを用いて、実施の形態1における結露予測部13と同様の方法で、空調用ダクト2の表面における結露の発生を予測する。
【0075】
すなわち、実施の形態2では、空調用ダクト2の表面における結露の発生の有無Yは、下式(2)に示すように、建物100の外気の温湿度To、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1、建物100の天井裏の空間を区画する部材の断熱性能を示す指標α2、及び空調空気(冷房空気)の温度Tsの関数fとなる。結露予測部13bは、この関数fを用いて、空調用ダクト2の表面に結露が発生するかを予測する。この方法は、温湿度センサT2の故障など何らかの理由で、建物100の天井裏の空間の温湿度Taを取得できない場合に有効である。
Y=f(To,α1,α2,Ts) Y=0(結露なし)、Y=1(結露あり)
(2)
【0076】
なお、建物100の天井裏の空間を区画する部材の断熱性能を示す指標α2としては、例えば、建物100の天井裏の空間を区画する屋根材又は天井材等の熱貫流率を用いることができる。熱貫流率は、建物100の天井裏の空間を区画する部材毎に固有の既知の値であり、部材の種類(材質及び厚さなど)に応じて変動する。
【0077】
次に、結露予測装置10bの動作例について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0078】
まず、外気温湿度取得部16は、建物100の外部に設置されている温湿度センサT4から、建物100の外気の温湿度Toを取得する(ステップST21)。
【0079】
次に、空調温度取得部12は、温度センサT3から、室内機1aが空調用ダクト2に送出している空調空気の温度Tsを取得する(ステップST22)。
【0080】
次に、結露予測部13bは、外気温湿度取得部16により取得された建物100の外気の温湿度Toと、建物100の天井裏の空間を区画する部材の断熱性能を示す指標α2とに基づいて、建物100の天井裏の空間の温湿度Taを推定する(ステップST23)。
【0081】
次に、結露予測部13bは、推定した建物100の天井裏の空間の温湿度Taと、空調温度取得部12により取得された空調空気の温度Tsと、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1とに基づいて、空調用ダクト2の表面に結露が発生するかを予測する(ステップST24)。
【0082】
次に、予測結果出力部14は、結露予測部13bによる予測結果を出力する(ステップST25)。
【0083】
以上のように、実施の形態2に係る結露予測装置10bは、空調用ダクト2が設置されている建物100の外気の温度及び湿度Toを取得する外気温湿度取得部16と、空調用ダクト2の内部を流れる空調空気の温度Tsを取得する空調温度取得部12と、外気温湿度取得部16により取得された、建物100の外気の温度及び湿度Toと、空調温度取得部12により取得された空調空気の温度Tsと、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1と、空調用ダクト2が設置されている空間を区画する部材の断熱性能を示す指標α2と、に基づいて、空調用ダクト2の表面における結露の発生を予測する結露予測部13bと、結露予測部13bによる予測結果を出力する予測結果出力部14と、を備えた。これにより、結露予測装置10bは、建物100の天井裏の空間の温湿度Taが取得できない場合でも、空調用ダクト2の設置環境を考慮しつつ、空調用ダクト2の表面における結露の発生を予測することができる。
【0084】
また、結露予測部13bは、外気温湿度取得部16により取得された建物100の外気の温度及び湿度Toと、空調用ダクト2が設置されている建物100内の空間を区画する部材の断熱性能を示す指標α2とに基づいて、空調用ダクト2が設置されている建物100内の空間の温度及び湿度Taを推定するとともに、当該推定した空調用ダクト2が設置されている建物100内の空間の温度及び湿度Taに基づいて、当該空間の水蒸気量s1を算出し、空調温度取得部12により取得された空調空気の温度Tsと、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1とに基づいて、当該空調空気による空調を所定時間継続した場合における空調用ダクト2の周囲の空気の飽和水蒸気量s2を算出し、算出した水蒸気量s1が、算出した飽和水蒸気量s2を上回る場合に、空調用ダクト2の表面に結露が発生すると予測する。これにより、結露予測装置10bは、建物100の天井裏の空間の温湿度Taが取得できない場合でも、建物100の外気の温度及び湿度Toと、空調用ダクト2が設置されている建物100内の空間を区画する部材の断熱性能を示す指標α2とに基づいて、空調用ダクト2が設置されている建物100内の空間の温度及び湿度Taを推定することにより、空調用ダクト2の表面における結露の発生を予測することができる。
【0085】
なお、上記実施の形態1では、記憶部15が結露予測装置10に設けられている場合を説明したが、記憶部15は結露予測装置10の外部に設けられていてもよい。その場合、結露予測部13は、外部の記憶部15にアクセスし、記憶部15に記憶されている情報(空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1)を参照して、上記説明した処理を行えばよい。
【0086】
また、上記実施の形態1では、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1として、空調用ダクト2の熱貫流率を用いた例を説明したが、空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1としてはこれ以外の指標を用いてもよい。例えば、保温性能により、ダクトに対して等級などの情報が設定されているような場合は、これらの情報に基づいて推定した保温性能を示す指標をα1として用いてもよい。
【0087】
また、上記実施の形態2では、記憶部15が結露予測装置10bに設けられている場合を説明したが、記憶部15は結露予測装置10bの外部に設けられていてもよい。その場合、結露予測部13bは、外部の記憶部15にアクセスし、記憶部15に記憶されている情報(空調用ダクト2の保温性能を示す指標α1、及び建物100の天井裏の空間を区画する部材の断熱性能を示す指標α2)を参照して、上記説明した処理を行えばよい。
【0088】
また、上記実施の形態2では、建物100の天井裏の空間を区画する部材の断熱性能を示す指標α2として、当該天井裏の空間を区画する部材の熱貫流率を用いた例を説明したが、建物100の天井裏の空間を区画する部材の断熱性能を示す指標α2としてはこれ以外の指標を用いてもよい。例えば、保温性能により、天井裏の空間を区画する部材に対して等級などの情報が設定されているような場合は、これらの情報に基づいて推定した断熱性能を示す指標をα2として用いてもよい。
【0089】
また、上記各実施の形態では、予測結果出力部14が出力した予測結果を予測結果取得部21が取得する例を説明したが、予測結果出力部14は、当該予測結果を、結露予測装置10又は結露予測装置10b、あるいは空調機器制御装置20が備えるモニタなどの表示部に出力してもよい。
【0090】
また、上記各実施の形態では、結露予測装置10又は結露予測装置10bと空調機器制御装置20とが別体に構成されている例を説明したが、結露予測装置10又は結露予測装置10bと空調機器制御装置20とは一体に構成されていてもよい。
【0091】
また、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 空調装置
1a 室内機
2 空調用ダクト
3 送風ファン
10 結露予測装置
11 ダクト空間温湿度取得部
12 空調温度取得部
13 結露予測部
14 予測結果出力部
15 記憶部
20 空調機器制御装置
21 予測結果取得部
22 指示部
23 室温取得部
24 判断部
25 ファン制御部
100 建物
150 室内
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7