(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】田植機
(51)【国際特許分類】
A01C 11/02 20060101AFI20240607BHJP
【FI】
A01C11/02 320Z
(21)【出願番号】P 2021064022
(22)【出願日】2021-04-05
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】宮西 吉秀
(72)【発明者】
【氏名】山内 一喜
(72)【発明者】
【氏名】西村 浩二
(72)【発明者】
【氏名】原野 朱莉
(72)【発明者】
【氏名】尼崎 喬士
【審査官】小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-000046(JP,A)
【文献】特開2012-075346(JP,A)
【文献】実開平03-018713(JP,U)
【文献】特開2021-000045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体後部に位置すると共に苗載せ台を有する苗植付装置と、
前記苗載せ台よりも前側に位置すると共に前記苗載せ台へ苗マットを搬送する苗搬送装置と、を備え、
前記苗搬送装置は、上昇部と下降部とを有しており、
前記上昇部は、前記苗搬送装置の前部に位置すると共に、後上がりに傾斜した状態で設けられており、
前記下降部は、前記上昇部の後端から後側へ延びると共に、後下がりに傾斜した状態で設けられており、
前記苗搬送装置は、前記上昇部によって後側へ搬送された前記苗マットが、前記下降部を滑り降りることにより、前記苗マットが前記苗載せ台に供給されるように構成されており、
前記下降部は、前記苗マットの移動速度を減少させる
複数の減速部を有して
おり、
前記複数の減速部は、機体左右方向に並んでいる複数の第1減速部と、機体左右方向に並んでおり、前記第1減速部よりも下側に位置する複数の第2減速部と、を含んでおり、
各前記第2減速部の機体左右方向での配置位置は、何れの前記第1減速部の機体左右方向での配置位置とも重複しない田植機。
【請求項2】
機体後部に位置すると共に苗載せ台を有する苗植付装置と、
前記苗載せ台よりも前側に位置すると共に前記苗載せ台へ苗マットを搬送する苗搬送装置と、を備え、
前記苗搬送装置は、上昇部と下降部とを有しており、
前記上昇部は、前記苗搬送装置の前部に位置すると共に、後上がりに傾斜した状態で設けられており、
前記下降部は、前記上昇部の後端から後側へ延びると共に、後下がりに傾斜した状態で設けられており、
前記苗搬送装置は、前記上昇部によって後側へ搬送された前記苗マットが、前記下降部を滑り降りることにより、前記苗マットが前記苗載せ台に供給されるように構成されており、
前記下降部は、前記苗マットの移動速度を減少させる複数の減速部を有しており、
前記減速部は、機体左右方向に沿う回転軸芯周りに回転可能な回転部材と、前記回転部材の回転速度の増大を抑制する抑制部と、を有しており、
前記回転部材は、径方向に突出すると共に周方向に所定間隔を空けて並ぶ複数の突出部を有すると共に、前記下降部を滑り降りる前記苗マットに前記突出部が接当する状態で配置されて
おり、
前記複数の減速部は、前記減速部である第1減速部と、前記第1減速部よりも下側に位置する前記減速部である第2減速部と、を含んでい
る田植機。
【請求項3】
前記抑制部は、変速可能であり、前記回転部材を変速された一定の回転速度で回転駆動可能な電動モータである請求項2に記載の田植機。
【請求項4】
前記抑制部は、前記回転部材の回転を妨げる摩擦抵抗力を前記回転部材に与える摩擦抵抗機構である請求項2に記載の田植機。
【請求項5】
前記第1減速部は、機体左右方向に並ぶ複数の前記回転部材である複数の第1回転部材を有しており、
前記第2減速部は、機体左右方向に並ぶ複数の前記回転部材である複数の第2回転部材を有しており、
各前記第2回転部材の機体左右方向での配置位置は、何れの前記第1回転部材の機体左右方向での配置位置とも重複しない請求項2から4の何れか一項に記載の田植機。
【請求項6】
前記減速部は、機体上下方向における前記下降部の中央部または下部に設けられている請求項1から5の何れか一項に記載の田植機。
【請求項7】
前記下降部に、前記苗マットを一時停止させる一時停止部と、苗切れセンサと、が設けられている請求項1から6の何れか一項に記載の田植機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、苗載せ台を有する苗植付装置を備える田植機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような田植機として、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。この田植機の機体前部には、予備苗載せ台が備えられている。作業者は、この予備苗載せ台に、予備の苗マットを載置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の田植機を用いて苗植え付け作業を行う場合、作業者は、まず、苗マットを苗植付装置(特許文献1では「苗植付け装置」)の苗載せ台(特許文献1では「苗のせ台」)に載置する。また、作業者は、苗マット支持体に支持された状態の苗マットを、予備苗載せ台に載置する。
【0005】
尚、苗マット支持体とは、苗マットを支持する器具であり、例えば、すくい板である。
【0006】
そして、作業者は、田植機による苗の植え付けを開始する。苗の植え付けが進行するに伴い、苗載せ台に載置されている苗マットの苗が減少していく。
【0007】
苗載せ台に載置されている苗がある程度少なくなったとき、作業者は、苗の植え付けを中断すると共に、田植機を走行停止させる。次に、作業者は、予備苗載せ台に載置されている苗マットを、苗マット支持体に支持された状態のまま、手で保持する。そして、作業者は、苗マットを、苗マット支持体から分離させると共に、苗載せ台に補給する。
【0008】
このように、苗載せ台に載置されている苗がある程度少なくなったとき、作業者は、苗マットを苗載せ台に補給する必要がある。そして、苗マットを苗載せ台に補給する作業には、比較的多くの労力が必要となる。
【0009】
ここで、苗マットを苗載せ台に補給する作業の省力化を図るため、苗載せ台よりも前側に位置すると共に苗載せ台へ苗マットを搬送する苗搬送装置を設けることが考えられる。
この場合、苗搬送装置が上昇部と下降部とを有しており、且つ、上昇部が、苗搬送装置の前部に位置すると共に、後上がりに傾斜した状態で設けられており、且つ、下降部が、上昇部の後端から後側へ延びると共に、後下がりに傾斜した状態で設けられていれば、苗搬送装置は、全体として山なり形状となる。これにより、苗搬送装置の下側において、作業者が搭乗可能な運転部を設けるためのスペースを確保しやすくなる。
【0010】
しかしながら、苗マットが下降部から苗載せ台へ供給される際、苗マットの移動速度が比較的高速である場合、その苗マットが、苗載せ台、または、既に苗載せ台に載置されている苗マットに衝突することによって、損傷する事態が想定される。
【0011】
また、苗マットが下降部から苗載せ台へ供給される際、苗マットの移動速度が比較的高速である場合、その苗マットが飛び出してしまい、苗載せ台に正常に載置されない事態が想定される。
【0012】
本発明の目的は、苗マットを苗載せ台に補給する作業の省力化が可能であると共に、苗マットが苗載せ台へ供給される際に苗マットが損傷する事態や、苗マットが苗載せ台に正常に載置されない事態を回避しやすい田植機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の特徴は、機体後部に位置すると共に苗載せ台を有する苗植付装置と、前記苗載せ台よりも前側に位置すると共に前記苗載せ台へ苗マットを搬送する苗搬送装置と、を備え、前記苗搬送装置は、上昇部と下降部とを有しており、前記上昇部は、前記苗搬送装置の前部に位置すると共に、後上がりに傾斜した状態で設けられており、前記下降部は、前記上昇部の後端から後側へ延びると共に、後下がりに傾斜した状態で設けられており、前記苗搬送装置は、前記上昇部によって後側へ搬送された前記苗マットが、前記下降部を滑り降りることにより、前記苗マットが前記苗載せ台に供給されるように構成されており、前記下降部は、前記苗マットの移動速度を減少させる複数の減速部を有しており、前記複数の減速部は、機体左右方向に並んでいる複数の第1減速部と、機体左右方向に並んでおり、前記第1減速部よりも下側に位置する複数の第2減速部と、を含んでおり、各前記第2減速部の機体左右方向での配置位置は、何れの前記第1減速部の機体左右方向での配置位置とも重複しないことにある。
【0014】
本発明であれば、苗搬送装置により、苗マットが苗載せ台に補給されることとなる。そのため、作業者は、自らの手で苗マットを苗載せ台に補給する必要がない。従って、本発明であれば、苗マットを苗載せ台に補給する作業の省力化が可能となる。
【0015】
しかも、本発明であれば、減速部により、下降部を滑り降りる苗マットの移動速度が減少する。そのため、苗マットが下降部から苗載せ台へ供給される際に苗マットが損傷する事態や、苗マットが苗載せ台に正常に載置されない事態を回避しやすい。
【0016】
従って、本発明であれば、苗マットを苗載せ台に補給する作業の省力化が可能であると共に、苗マットが苗載せ台へ供給される際に苗マットが損傷する事態や、苗マットが苗載せ台に正常に載置されない事態を回避しやすい田植機を実現できる。
【0017】
さらに、本発明の特徴は、機体後部に位置すると共に苗載せ台を有する苗植付装置と、
前記苗載せ台よりも前側に位置すると共に前記苗載せ台へ苗マットを搬送する苗搬送装置と、を備え、前記苗搬送装置は、上昇部と下降部とを有しており、前記上昇部は、前記苗搬送装置の前部に位置すると共に、後上がりに傾斜した状態で設けられており、前記下降部は、前記上昇部の後端から後側へ延びると共に、後下がりに傾斜した状態で設けられており、前記苗搬送装置は、前記上昇部によって後側へ搬送された前記苗マットが、前記下降部を滑り降りることにより、前記苗マットが前記苗載せ台に供給されるように構成されており、前記下降部は、前記苗マットの移動速度を減少させる複数の減速部を有しており、前記減速部は、機体左右方向に沿う回転軸芯周りに回転可能な回転部材と、前記回転部材の回転速度の増大を抑制する抑制部と、を有しており、前記回転部材は、径方向に突出すると共に周方向に所定間隔を空けて並ぶ複数の突出部を有すると共に、前記下降部を滑り降りる前記苗マットに前記突出部が接当する状態で配置されており、前記複数の減速部は、前記減速部である第1減速部と、前記第1減速部よりも下側に位置する前記減速部である第2減速部と、を含んでいると好適である。
【0018】
この構成によれば、下降部を滑り降りる苗マットに突出部が接当している状態では、回転部材は、突出部を介して、苗マットからの力を受ける。この力は、回転部材を回転させる方向の力である。しかしながら、このとき、抑制部により、回転部材の回転速度の増大は抑制される。これにより、回転部材は比較的低速で回転することとなる。これに伴い、突出部に接当している苗マットは、比較的低速で、下降部を滑り降りることとなる。
【0019】
即ち、この構成によれば、下降部を滑り降りる苗マットの移動速度を確実に減少させやすい田植機を実現できる。
【0020】
さらに、本発明において、前記抑制部は、変速可能であり、前記回転部材を変速された一定の回転速度で回転駆動可能な電動モータであると好適である。
【0021】
この構成によれば、下降部を滑り降りる苗マットが突出部に接当したとき、電動モータにより、回転部材の回転速度の増大が抑制される。即ち、この構成によれば、比較的簡素な構成により、抑制部を設けることが可能となる。また、電動モータの回転速度を変速可能にすることで回転部材の回転速度を下降部の傾斜に最適になるよう調整できる。
【0022】
さらに、本発明において、前記抑制部は、前記回転部材の回転を妨げる摩擦抵抗力を前記回転部材に与える摩擦抵抗機構であると好適である。
【0023】
この構成によれば、下降部を滑り降りる苗マットが突出部に接当したとき、摩擦抵抗機構により、回転部材の回転速度の増大が抑制される。即ち、この構成によれば、比較的簡素な構成により、抑制部を設けることが可能となる。
【0024】
さらに、本発明において、前記第1減速部は、機体左右方向に並ぶ複数の前記回転部材である複数の第1回転部材を有しており、前記第2減速部は、機体左右方向に並ぶ複数の前記回転部材である複数の第2回転部材を有しており、各前記第2回転部材の機体左右方向での配置位置は、何れの前記第1回転部材の機体左右方向での配置位置とも重複しないと好適である。
【0025】
この構成によれば、下降部を滑り降りる苗マットは、第1減速部及び第2減速部により、減速作用を受ける。そのため、減速部が一つのみ設けられる構成に比べて、苗載せ台へ到達した時点での苗マットの移動速度を十分に抑えやすい構成を実現できる。
【0026】
また、下降部を滑り降りる苗マットのうち、第1回転部材が接当した部位に第2回転部材が接当する構成では、その部位が、複数回に亘って突出部に接当することとなる。これにより、その部位が損傷する事態が想定される。
【0027】
ここで、上記の構成によれば、各第2回転部材の機体左右方向での配置位置は、何れの第1回転部材の機体左右方向での配置位置とも重複しない。そのため、下降部を滑り降りる苗マットのうち、第1回転部材が接当した部位に第2回転部材が接当することはない。従って、上述のように苗マットの一部が損傷する事態を回避できる。
【0028】
さらに、本発明において、前記減速部は、機体上下方向における前記下降部の中央部または下部に設けられていると好適である。
【0029】
減速部が機体上下方向における下降部の上部に設けられている場合、下降部を滑り降りる苗マットが、減速部による減速作用を受けた後、苗載せ台へ到達するまでの移動距離は、比較的長い。そのため、苗マットが、減速部による減速作用を受けた後、苗載せ台へ到達するまでの間に、下降部を滑り降りながら加速することにより、苗載せ台へ到達した時点での苗マットの移動速度が比較的高くなりがちである。
【0030】
ここで、上記の構成によれば、下降部を滑り降りる苗マットが、減速部による減速作用を受けた後、苗載せ台へ到達するまでの移動距離は、比較的短くなる。そのため、減速部が機体上下方向における下降部の上部に設けられている場合に比べて、苗載せ台へ到達した時点での苗マットの移動速度が低くなりやすい。
【0031】
さらに、本発明において、前記下降部に、前記苗マットを一時停止させる一時停止部と、苗切れセンサと、が設けられていると好適である。
【0032】
苗載せ台に載置可能な最大量の苗マットが苗載せ台に載置されている状態では、上昇部から下降部へ受け渡された苗マットは、苗載せ台に載置されている苗マットに接当し、下降部に載置された状態となる。そのため一時停止部によって一時的に苗マットを下降部に留めておくことで、苗載せ台の苗マットが不足した際にすぐに苗マットの補給が可能になる。
【0033】
ここで、上記の構成によれば、下降部に載置されている苗マットの苗の残量が比較的少なくなる、又は、苗マットが切れていることを苗切れセンサにより検知可能な構成を実現できる。これにより、例えば、下降部に載置されている苗マットの苗の残量が比較的少なくなった時点、又は苗マットが切れた時点で、そのことが作業者に報知されるような構成とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図6】第1回転部材等の構成を示す縦断左側面図である。
【
図8】その他の実施形態(5)における減速部等の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、
図1、
図2、
図6に示す矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、
図2から
図5、
図7、
図8に示す矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、
図1、
図3から
図6、
図8に示す矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0036】
〔田植機の全体構成〕
図1に示すように、乗用型の田植機Aには、左右一対の操舵車輪10,10と、左右一対の後車輪11,11と、を有し、圃場を走行可能な走行機体Cが備えられている。
図1及び
図2に示すように、走行機体Cの中央部には、各種の運転操作が行われる搭乗部23が備えられている。搭乗部23は、走行機体Cの横幅に亘って走行機体Cの上に設けられる。
【0037】
苗植付装置Wが上下昇降可能なように走行機体Cの後部に支持連結され、苗植付装置Wは圃場に苗を植え付け可能に構成されている。左右一対の操舵車輪10は、走行機体Cの機体前部に設けられて走行機体Cの向きを変更操作自在なように構成され、左右一対の後車輪11は、走行機体Cの機体後部に設けられている。苗植付装置Wは、植付リンク機構17を介して走行機体Cの後部に昇降可能に連結されている。これにより、苗植付装置Wは、田植機Aの機体後部に設けられている。植付リンク機構17は昇降用油圧シリンダ16の伸縮作動により昇降作動する。
【0038】
走行機体Cの前部には、走行機体Cを走行駆動可能なエンジン13と、開閉式のボンネット12と、が備えられている。ボンネット12は後上がりに傾斜する傾斜面を有するとともにエンジン13を収納可能に構成されている。詳述はしないが、操舵車輪10若しくは後車輪11、またはその両方に、エンジン13の動力を伝達するための変速機構として、公知のHST(静油圧式無段変速装置、不図示)が備えられている。エンジン13の動力が、機体に備えられた変速機構を介して操舵車輪10及び後車輪11に伝達され、変速後の動力が電動モータ駆動式の植付クラッチ(不図示)を介して苗植付装置Wに伝達される。
【0039】
苗植付装置Wに、複数(例えば4個)の伝動ケース18と、複数(例えば8個)の回転ケース19と、整地フロート21と、苗載せ台22と、が備えられている。回転ケース19は、各伝動ケース18の後部の左側部及び右側部に、夫々回転自在に支持されている。夫々の回転ケース19の両端部に、一対のロータリ式の植付アーム20が備えられている。整地フロート21は、圃場の田面を整地するものであり、苗植付装置Wに複数備えられている。苗載せ台22に、植え付け用のマット状の苗である苗マットM(
図6参照)が載置される。
【0040】
このように、田植機Aは、機体後部に位置すると共に苗載せ台22を有する苗植付装置Wを備えている。
【0041】
苗植付装置Wは、苗載せ台22を左右に往復横送り駆動しながら、伝動ケース18から伝達される動力により各回転ケース19を回転駆動して、苗載せ台22の下部から各植付アーム20により交互に苗を取り出して圃場の田面に植え付けるようになっている。即ち、苗植付装置Wは、複数の回転ケース19に備えられた植付アーム20により苗を植え付けるように構成されている。
【0042】
〔予備苗搬送装置について〕
図1及び
図2に示すように、搭乗部23の上方に予備苗搬送装置30(本発明に係る「苗搬送装置」に相当)が備えられている。予備苗搬送装置30は、苗載せ台22へ苗マットM(
図6参照)を搬送するように構成されている。以下では、予備苗搬送装置30について説明する。
【0043】
予備苗搬送装置30は、平面視において搭乗部23の搭乗座席23Aと重複する。また、予備苗搬送装置30は、苗載せ台22よりも前側に位置している。
【0044】
このように、田植機Aは、苗載せ台22よりも前側に位置すると共に苗載せ台22へ苗マットMを搬送する予備苗搬送装置30を備えている。
【0045】
予備苗搬送装置30は、上昇部31と下降部32とを有している。上昇部31は、予備苗搬送装置30の前部に位置している。また、上昇部31は、後側ほど上側に位置するように傾斜する。即ち、上昇部31は、後上がりに傾斜した状態で設けられている。また、上昇部31は、後端部の機体横向き軸芯X1まわりに上下揺動可能に構成されている。
【0046】
即ち、上昇部31は、予備苗搬送装置30の前部に位置すると共に、後上がりに傾斜した状態で設けられている。
【0047】
下降部32は、上昇部31の後端から後側へ延びている。また、下降部32は、後側ほど下側に位置するように傾斜する。即ち、下降部32は、後下がりに傾斜した状態で設けられている。
【0048】
このように、下降部32は、上昇部31の後端から後側へ延びると共に、後下がりに傾斜した状態で設けられている。
【0049】
上昇部31に、複数の搬送機構40が備えられている。複数の搬送機構40は、左右方向に並ぶ状態で配置されている。ここで、本実施形態における田植機Aは、8条植えである。即ち、苗載せ台22には、8条分の苗マットMを載置可能である。そして、本実施形態において、搬送機構40の設けられる個数は、苗載せ台22に載置可能な苗マットMの条数に一致している。即ち、本実施形態において、搬送機構40の設けられる個数は、8個である。
【0050】
図1及び
図2に示すように、各搬送機構40は、無端回動ベルト41と、ベルト搬送用モータ42と、を有している。ベルト搬送用モータ42は、無端回動ベルト41を回動駆動するように構成されている。無端回動ベルト41が回動駆動されているとき、無端回動ベルト41は、無端回動ベルト41の上側面が後側へ移動し、無端回動ベルト41の下側面が前側へ移動するように、回動する。
【0051】
無端回動ベルト41の上側面に苗マットMが載置された状態で、ベルト搬送用モータ42が駆動すると、苗マットMが無端回動ベルト41によって後側へ搬送される。これにより、上昇部31は、苗マットMを後側へ搬送し、下降部32へ受け渡す。
【0052】
上昇部31から下降部32へ受け渡された苗マットMは、下降部32の上をスライドしながら下方の苗載せ台22へ案内される。即ち、苗マットMは、下降部32を滑り降りることにより、苗載せ台22に供給される。
【0053】
このように、予備苗搬送装置30は、上昇部31によって後側へ搬送された苗マットMが、下降部32を滑り降りることにより、苗マットMが苗載せ台22に供給されるように構成されている。
【0054】
尚、以上で説明した構成により、上昇部31は、8条分の苗マットMを後側へ搬送可能である。また、下降部32は、8条分の苗マットMを苗載せ台22へ案内可能である程度の横幅を有している。これにより、本実施形態における予備苗搬送装置30は、8条分の苗マットMを苗載せ台22へ搬送可能である。
【0055】
図1に示すように、走行機体Cに左右の側部フレーム24,24が備えられ、側部フレーム24,24は搭乗座席23Aの左右両側方において上向きに立設される。側部フレーム24,24に後支持フレーム部25が連結されている。後支持フレーム部25の上端部は、機体横向き軸芯X1に沿って延びる。
【0056】
後支持フレーム部25の左右両端部における下端部の夫々が側部フレーム24,24に連結されている。そして、後支持フレーム部25の上端部に上昇部31の後端部が揺動可能に連結される。下降部32の前端部は後支持フレーム部25に支持されている。
【0057】
ボンネット12の左右両側方に前支持フレーム部26,26が備えられている。前支持フレーム部26,26の夫々に、電動油圧シリンダ28と、リンク機構33と、が連結されている。リンク機構33は、前支持フレーム部26と、上昇部31の前部における支持受け部34と、の夫々に枢支されている。また、電動油圧シリンダ28は前支持フレーム部26とリンク機構33との夫々に枢支され、電動油圧シリンダ28の伸縮動作によって、リンク機構33が上下に揺動し、支持受け部34が昇降動作する。これにより、上昇部31は機体横向き軸芯X1まわりに上下揺動可能に構成されている。
【0058】
〔減速部について〕
図3に示すように、下降部32は、複数の減速部50を有している。各減速部50は、下降部32を滑り降りる苗マットMの移動速度を減少させるように構成されている。即ち、下降部32は、苗マットMの移動速度を減少させる減速部50を有している。また、田植機Aは、複数の減速部50を備えている。
【0059】
以下では、減速部50について説明する。
【0060】
図3に示すように、本実施形態における下降部32は、3つの第1減速部51と、3つの第2減速部52と、を有している。第1減速部51及び第2減速部52は、何れも、減速部50である。即ち、本実施形態における下降部32は、6つの減速部50を有している。
【0061】
各第1減速部51は、機体上下方向における下降部32の中央部に設けられている。また、各第2減速部52は、機体上下方向における下降部32の下部に設けられている。即ち、各第2減速部52は、各第1減速部51よりも下側に位置している。
【0062】
このように、減速部50は、機体上下方向における下降部32の中央部または下部に設けられている。また、複数の減速部50は、減速部50である第1減速部51と、第1減速部51よりも下側に位置する減速部50である第2減速部52と、を含んでいる。
【0063】
図4及び
図5に示すように、各減速部50は、機体左右方向に並ぶ複数の回転部材60を有している。より具体的には、第1減速部51は、機体左右方向に並ぶ複数の回転部材60である複数の第1回転部材61を有している。第2減速部52は、機体左右方向に並ぶ複数の回転部材60である複数の第2回転部材62を有している。
【0064】
各第1回転部材61は、各第1回転部材61を貫通すると共に左右方向に延びる第1支持軸71に固定されている。また、下降部32の前側面に、複数の第1支持ブラケット32aが取り付けられている。第1支持軸71は、複数の第1支持ブラケット32aに、機体左右方向に沿う第1回転軸芯Y1(本発明に係る「回転軸芯」に相当)周りに回転可能な状態で支持されている。
【0065】
この構成により、各第1回転部材61、及び、第1支持軸71は、下降部32の前側面に支持されている。また、各第1回転部材61、及び、第1支持軸71は、第1回転軸芯Y1周りに一体的に回転可能である。
【0066】
各第2回転部材62は、各第2回転部材62を貫通すると共に左右方向に延びる第2支持軸72に固定されている。また、下降部32の前側面に、複数の第2支持ブラケット32bが取り付けられている。第2支持軸72は、複数の第2支持ブラケット32bに、機体左右方向に沿う第2回転軸芯Y2(本発明に係る「回転軸芯」に相当)周りに回転可能な状態で支持されている。
【0067】
この構成により、各第2回転部材62、及び、第2支持軸72は、下降部32の前側面に支持されている。また、各第2回転部材62、及び、第2支持軸72は、第2回転軸芯Y2周りに一体的に回転可能である。
【0068】
ここで、第1回転部材61について詳述する。
図6に示すように、第1回転部材61は、複数の突出部60aを有している。複数の突出部60aは、第1回転部材61の径方向に突出している。また、複数の突出部60aは、第1回転部材61の周方向に所定間隔を空けて並んでいる。
【0069】
また、
図5及び
図6に示すように、下降部32において、苗マットMが滑り降りる面に、複数の長孔32cが形成されている。各長孔32cは、苗マットMの移動方向に沿って延びている。
【0070】
そして、
図6に示すように、第1回転部材61は、第1回転部材61の一部が長孔32cに入り込んだ状態で配置されている。これにより、第1回転部材61の一部が、長孔32cから上側へ突出している。この構成により、
図6に示すように、突出部60aは、下降部32を滑り降りる苗マットMの底部に接当する。
【0071】
このように、回転部材60は、径方向に突出すると共に周方向に所定間隔を空けて並ぶ複数の突出部60aを有すると共に、下降部32を滑り降りる苗マットMに突出部60aが接当する状態で配置されている。
【0072】
尚、以上の説明では、第1回転部材61の構造について詳述したが、第2回転部材62は第1回転部材61と同一の構造を有している。そのため、第2回転部材62の構造についての説明は省略する。
【0073】
また、
図4及び
図5に示すように、各第2回転部材62の機体左右方向での配置位置は、何れの第1回転部材61の機体左右方向での配置位置とも重複しない。これにより、
図4における紙面上下方向において、各第2回転部材62の直上方には、何れの第1回転部材61も位置していない。
【0074】
また、言い換えれば、下降部32における苗マットMの移動方向において、第2回転部材62の上流位置に第1回転部材61が位置しないように、各第1回転部材61及び各第2回転部材62が配置されている。
【0075】
また、
図4には、苗切れセンサSが仮想線にて示されている。この苗切れセンサSは、第2回転部材62に隣接する位置に配置されている。また、この苗切れセンサSは、複数の長孔32cのうち、回転部材60が配置されていない長孔32cに取り付けられている。このように、下降部32に、苗切れセンサSが設けられていても良い。苗切れセンサSは、第2回転部材62の左側に配置されていても良いし、第2回転部材62の右側に配置されていても良い。
【0076】
尚、苗切れセンサSとしては、苗切れを検知するために用いられる公知のセンサを採用することができる。
【0077】
苗切れセンサSにより、下降部32に載置されている苗マットMの苗の残量が比較的少なくなったことが検知された場合に、そのことを作業者へ報知する報知装置(図示せず)が設けられていても良い。
【0078】
図5に示すように、各減速部50は、抑制部73を有している。抑制部73は、回転部材60の回転速度の増大を抑制するように構成されている。
【0079】
即ち、減速部50は、機体左右方向に沿う第1回転軸芯Y1または第2回転軸芯Y2周りに回転可能な回転部材60と、回転部材60の回転速度の増大を抑制する抑制部73と、を有している。
【0080】
具体的には、
図6に示すように、第1減速部51は、抑制部73として、電動モータ74を有している。電動モータ74は、出力ギヤ74aを有している。そして、電動モータ74は、出力ギヤ74aを一定の回転速度で回転可能であるように構成されている。
【0081】
出力ギヤ74aは、中継ギヤ77に噛み合っている。また、中継ギヤ77は、駆動ギヤ78に噛み合っている。これにより、出力ギヤ74aは、中継ギヤ77を介して、駆動ギヤ78に連係されている。
【0082】
第1支持軸71は、駆動ギヤ78を貫通している。そして、駆動ギヤ78は、第1支持軸71に固定されている。
【0083】
以上の構成により、電動モータ74の駆動力は、出力ギヤ74a、中継ギヤ77、駆動ギヤ78、第1支持軸71を介して、各第1回転部材61に伝達される。また、電動モータ74は、変速可能である。これにより、電動モータ74は、各第1回転部材61を変速された一定の回転速度で回転駆動可能である。尚、第1回転部材61の回転方向は、
図6における時計回り方向である。
【0084】
このように、第1減速部51において、抑制部73は、変速可能であり、第1回転部材61を変速された一定の回転速度で回転駆動可能な電動モータ74である。
【0085】
尚、
図6に示すように、苗マットMが第1回転部材61に接当している状態では、苗マットMから第1回転部材61に力が作用する。この力の方向は、第1回転部材61の回転速度を増大させる方向である。
【0086】
第1回転部材61にこのような力が作用したとき、電動モータ74は、第1回転部材61の回転速度が維持されるように、制動力を発生させるように構成されている。これにより、第1回転部材61の回転速度の増大が抑制される。
【0087】
尚、電動モータ74は、田植機Aに搭載されたバッテリー(不図示)から供給される電力により駆動する。
【0088】
また、
図7に示すように、第2減速部52は、抑制部73として、摩擦抵抗機構75を有している。摩擦抵抗機構75は、第2減速部52における左端部に位置している。摩擦抵抗機構75は、複数のボルト80、複数のナット81、複数のバネ部材82、第1摩擦部材83、第2摩擦部材84を有している。
【0089】
第1摩擦部材83及び第2摩擦部材84は、何れも、板状の部材である。第2支持軸72は、第1摩擦部材83及び第2摩擦部材84を貫通する状態で設けられている。第1摩擦部材83と第2摩擦部材84とは、互いに対向する姿勢で設けられている。
【0090】
第1摩擦部材83は、第2支持軸72に対して相対回転自在に設けられている。第2摩擦部材84は、第2支持軸72に固定されている。即ち、第2摩擦部材84は、第2支持軸72が第2回転軸芯Y2周りに回転するとき、第2支持軸72と一体的に回転する。
【0091】
図7に示すように、第2摩擦部材84は、機体左右方向において、第2支持ブラケット32bと、第1摩擦部材83と、の間に位置している。また、第1摩擦部材83は、第2摩擦部材84よりも右側に位置している。
【0092】
そして、複数のボルト80が、左側から、第2支持ブラケット32b及び第1摩擦部材83を貫通する状態で設けられている。そして、各ボルト80に、右側からナット81が取り付けられている。この構成により、第1摩擦部材83は、第2支持ブラケット32bに支持されている。
【0093】
また、各バネ部材82は、ナット81と第1摩擦部材83との間に挟まれる状態で設けられている。バネ部材82は、第1摩擦部材83を第2摩擦部材84へ向かって押すように、付勢力を生じる。即ち、複数のバネ部材82の付勢力によって、第1摩擦部材83が第2摩擦部材84に押し付けられる。また、第1摩擦部材83と第2摩擦部材84とは、互いに摩擦力を生じるように構成されている。
【0094】
ここで、下降部32を滑り降りる苗マットMが第2回転部材62に接当している状態では、苗マットMから第2回転部材62に力が作用する。その結果、第2回転部材62は、第2回転軸芯Y2周りに回転する。尚、このときの第2回転部材62の回転方向は、上述した第1回転部材61の回転方向と同じである。
【0095】
第2回転部材62が第2回転軸芯Y2周りに回転している状態では、第2支持軸72及び第2摩擦部材84も、第2回転部材62と一体的に回転している。そして、第2摩擦部材84が回転すると、第2摩擦部材84は、第1摩擦部材83から、回転を妨げる方向の摩擦抵抗力を受ける。
【0096】
この摩擦抵抗力は、第2摩擦部材84及び第2支持軸72を介して、第2回転部材62に与えられる。そして、この摩擦抵抗力により、第2回転部材62の回転が妨げられる。その結果、第2回転部材62の回転速度の増大が抑制される。
【0097】
以上の構成により、摩擦抵抗機構75は、第2回転部材62の回転を妨げる摩擦抵抗力を第2回転部材62に与える。このように、第2減速部52において、抑制部73は、第2回転部材62の回転を妨げる摩擦抵抗力を第2回転部材62に与える摩擦抵抗機構75である。
【0098】
尚、ボルト80とナット81との締結を緩めるほど、バネ部材82の付勢力は弱まる。そのため、ボルト80とナット81との締結を緩めるほど、第2回転部材62の回転を妨げる摩擦抵抗力は弱まる。
【0099】
以上で説明した構成によれば、予備苗搬送装置30により、苗マットMが苗載せ台22に補給されることとなる。そのため、作業者は、自らの手で苗マットMを苗載せ台22に補給する必要がない。従って、以上で説明した構成であれば、苗マットMを苗載せ台22に補給する作業の省力化が可能となる。
【0100】
しかも、以上で説明した構成であれば、減速部50により、下降部32を滑り降りる苗マットMの移動速度が減少する。そのため、苗マットMが下降部32から苗載せ台22へ供給される際に苗マットMが損傷する事態や、苗マットMが苗載せ台22に正常に載置されない事態を回避しやすい。
【0101】
従って、以上で説明した構成であれば、苗マットMを苗載せ台22に補給する作業の省力化が可能であると共に、苗マットMが苗載せ台22へ供給される際に苗マットMが損傷する事態や、苗マットMが苗載せ台22に正常に載置されない事態を回避しやすい田植機Aを実現できる。
【0102】
〔その他の実施形態〕
(1)田植機Aは、自動走行可能に構成されていても良いし、自動走行不能に構成されていても良い。田植機Aが自動走行可能である場合、作業者は、搭乗部23に搭乗していなくても良い。
【0103】
(2)苗植付装置Wの植え付け条数は、7条以下でも良いし、9条以上でも良い。また、苗載せ台22に載置可能な苗マットMの数は、7条以下の条数分でも良いし、9条以上の条数分でも良い。また、予備苗搬送装置30が搬送可能な苗マットMの数は、7条以下の条数分でも良いし、9条以上の条数分でも良い。
【0104】
(3)回転部材60は、突出部60aを有していなくても良い。その場合、回転部材60において、苗マットMに接当する面が、例えばゴム等の滑り止め作用を有する部材により構成されていても良い。
【0105】
(4)減速部50は、回転部材60及び抑制部73を有していなくても良い。その場合、下降部32において、苗マットMが滑り降りる面に、例えばゴム等の滑り止め作用を有する部材が設けられていても良い。この場合、当該部材は、本発明に係る「減速部」に相当する。
【0106】
(5)
図8に示すように、第1支持軸71と第2支持軸72とに亘って、動力伝達機構86が設けられていても良い。動力伝達機構86は、例えば、無端回動チェーンにより構成されていても良い。
【0107】
図8に示す構成であれば、電動モータ74の駆動力は、第1支持軸71から、動力伝達機構86を介して、第2支持軸72に伝達される。これにより、電動モータ74の駆動力によって、各第1回転部材61及び各第2回転部材62が回転駆動されることとなる。また、この構成において、摩擦抵抗機構75が設けられていなくても良い。
【0108】
(6)下降部32に苗切れセンサSが設けられている場合、下降部32に、苗マットMを一時停止させる一時停止部が設けられていると好適である。この構成では、下降部32に、苗マットMを一時停止させる一時停止部と、苗切れセンサSと、が設けられていることとなる。一時停止部は、例えば、下降部32の下端に設けられていても良い。また、一時停止部は、例えば、可動式の仕切状の部材により構成されていても良い。
【0109】
尚、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、苗載せ台を有する苗植付装置を備える田植機に利用可能である。
【符号の説明】
【0111】
22 苗載せ台
30 予備苗搬送装置(苗搬送装置)
31 上昇部
32 下降部
50 減速部
51 第1減速部
52 第2減速部
60 回転部材
60a 突出部
61 第1回転部材
62 第2回転部材
73 抑制部
74 電動モータ
75 摩擦抵抗機構
A 田植機
M 苗マット
S 苗切れセンサ
W 苗植付装置
Y1 第1回転軸芯(回転軸芯)
Y2 第2回転軸芯(回転軸芯)