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特許7499758ケーブルテレビ増幅器に対する波高率低減のための方法および回路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】ケーブルテレビ増幅器に対する波高率低減のための方法および回路
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/32 20060101AFI20240607BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20240607BHJP
   H04B 1/04 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
H03F1/32 158
H04L27/26 200
H04B1/04 R
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021516421
(86)(22)【出願日】2019-09-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 US2019050435
(87)【国際公開番号】W WO2020068414
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】16/142,295
(32)【優先日】2018-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/142,893
(32)【優先日】2018-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591025439
【氏名又は名称】ザイリンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ディック, クリストファー エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】チャオ, ホンチー
(72)【発明者】
【氏名】パレック, ヘマング エム.
(72)【発明者】
【氏名】チェン, シアオハン
【審査官】竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-121059(JP,A)
【文献】特表2014-533017(JP,A)
【文献】米国特許第08102940(US,B1)
【文献】国際公開第2018/159021(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0104503(US,A1)
【文献】特表2015-503256(JP,A)
【文献】国際公開第2015/045218(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 1/00-3/72
H04L 27/26
H04B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
波高率低減(CFR)システムであって、
前記CFRシステムの入力に結合されたデジタル傾斜フィルタであって、システム入力信号を受信し、デジタル傾斜フィルタ出力でデジタル傾斜フィルタ出力信号を生成するように構成された、デジタル傾斜フィルタと、
前記デジタル傾斜フィルタ出力に結合されたCFRモジュールであって、前記デジタル傾斜フィルタ出力信号を受信し、前記デジタル傾斜フィルタ出力信号に対してCFRプロセスを実行して、CFRモジュール出力でCFRモジュール出力信号を生成するように構成された、CFRモジュールと、
前記CFRモジュール出力に結合されたデジタル傾斜等化器であって、前記CFRモジュール出力信号を受信し、システム出力信号を生成するように構成された、デジタル傾斜等化器と
前記CFRモジュールおよびデジタルプリディストーション(DPD)モジュールと並列に前記CFRシステムの前記入力に結合されて第1の時間遅延信号を生成する第1の線形データ経路と、
デジタル傾斜等化器出力信号と前記第1の時間遅延信号とを組み合わせて前記システム出力信号を生成するように構成された第1のコンバイナと、
前記DPDモジュールと並列に前記CFRシステムの前記入力に結合されて第2の時間遅延信号を生成する第2の線形データ経路と、
前記CFRモジュール出力信号と前記第2の時間遅延信号とを組み合わせて第1の出力信号を生成するように構成された第2のコンバイナと
を含む、CFRシステム。
【請求項2】
前記CFRモジュール出力に結合された前記DPDモジュールであって、前記CFRモジュール出力信号を受信し、前記CFRモジュール出力信号に対してDPDプロセスを実行して、DPDモジュール出力でDPDモジュール出力信号を生成するように構成された、DPDモジュールをさらに含み、
前記デジタル傾斜等化器が、前記DPDモジュール出力に結合され、前記デジタル傾斜等化器が、前記DPDモジュール出力信号を受信し、前記システム出力信号を生成するように構成された、請求項1に記載のCFRシステム。
【請求項3】
前記システム入力信号が、第1のピーク対平均電力比(PAPR)を有し、前記CFRモジュール出力信号が、前記第1のPAPRよりも小さい第2のPAPRを有する、請求項1に記載のCFRシステム。
【請求項4】
記第1の出力信号と前記DPDモジュール出力信号とを組み合わせように構成された第3のコンバイナと
をさらに含む、請求項に記載のCFRシステム。
【請求項5】
前記DPDモジュールが、前記CFRモジュール出力に結合された非線形データ経路をさらに含み、前記非線形データ経路が、前記CFRモジュール出力にそれぞれ結合された複数の並列データ経路要素を含み、前記複数の並列データ経路要素のそれぞれが、増幅器の非線形成分に対応する前記CFRモジュール出力信号に異なる逆非線形成分を追加するように構成され、コンバイナが、前記複数の並列データ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせて前記DPDモジュール出力信号を生成するように構成される、請求項2に記載のCFRシステム。
【請求項6】
デジタル/アナログ変換器(DAC)が、前記システム出力信号を受信し、DAC出力信号を生成するように構成され、アナログ傾斜フィルタが、前記DAC出力信号を受信し、アナログ傾斜フィルタ出力信号を生成するように構成され、前記デジタル傾斜フィルタが、前記アナログ傾斜フィルタをモデル化するように構成される、請求項1に記載のCFRシステム。
【請求項7】
前記デジタル傾斜等化器が、前記アナログ傾斜フィルタの逆数をモデル化するように構成される、請求項に記載のCFRシステム。
【請求項8】
単側波帯ヒルベルトフィルタをさらに含み、単側波帯ヒルベルトフィルタ入力が、前記DPDモジュール出力信号を受信するように構成され、単側波帯ヒルベルトフィルタ出力が、デジタル傾斜等化器入力に結合される、請求項2に記載のCFRシステム。
【請求項9】
増幅器出力からフィードバックデータを受信するように構成された適応エンジンをさらに含み、前記適応エンジンが、前記フィードバックデータに基づいて前記CFRモジュールの構成を更新するように構成される、請求項1に記載のCFRシステム。
【請求項10】
波高率低減(CFR)プロセスを実行するように構成されたデジタルフロントエンド(DFE)システムであって、
ベースバンドデータ入力信号を受信および変換して合成信号を生成するように構成されたデジタルアップコンバータ(DUC)と、
デジタル傾斜フィルタ、CFRモジュール、およびデジタル傾斜等化器を含む、CFRシステムであって、前記デジタル傾斜フィルタが、前記合成信号を受信し、デジタル傾斜フィルタ出力信号を生成するように構成され、前記CFRモジュールが、前記デジタル傾斜フィルタ出力信号を受信し、前記デジタル傾斜フィルタ出力信号に対して前記CFRプロセスを実行して、CFRモジュール出力信号を生成するように構成され、前記デジタル傾斜等化器が、前記CFRモジュール出力信号を受信し、CFRシステム出力信号を生成するように構成され、前記CFRシステム出力信号が、増幅器に結合される、CFRシステムと、
前記増幅器の出力からフィードバックデータを受信するように構成された適応エンジンであって、前記フィードバックデータに基づいて前記CFRシステムの構成を更新するように構成される、適応エンジンと
を含み、
前記CFRシステムがさらに、
前記CFRモジュールおよびデジタルプリディストーション(DPD)モジュールと並列に前記CFRシステムの前記入力に結合されて第1の時間遅延信号を生成する第1の線形データ経路と、
デジタル傾斜等化器出力信号と前記第1の時間遅延信号とを組み合わせて前記システム出力信号を生成するように構成された第1のコンバイナと、
前記DPDモジュールと並列に前記CFRシステムの前記入力に結合されて第2の時間遅延信号を生成する第2の線形データ経路と、
前記CFRモジュール出力信号と前記第2の時間遅延信号とを組み合わせて第1の出力信号を生成するように構成された第2のコンバイナと
を含む、デジタルフロントエンド(DFE)システム。
【請求項11】
前記CFRプロセスが、前記デジタル傾斜フィルタ出力信号のピーク対平均電力比(PAPR)を低減するように構成される、請求項10に記載のDFEシステム。
【請求項12】
前記CFRシステムが、CFRモジュール出力に結合された非線形データ経路を含む前記DPDモジュールをさらに含み、前記非線形データ経路が、前記CFRモジュール出力にそれぞれ結合された複数の並列データ経路要素を含み、前記複数の並列データ経路要素のそれぞれが、前記増幅器の非線形成分に対応する異なる逆非線形成分をモデル化するように構成され、コンバイナが、前記複数の並列データ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせてDPDモジュール出力信号を生成するように構成され、前記デジタル傾斜等化器が、前記DPDモジュール出力信号を受信し、前記CFRシステム出力信号を生成するように構成される、請求項10に記載のDFEシステム。
【請求項13】
デジタル/アナログ変換器(DAC)が、前記CFRシステム出力信号を受信し、DAC出力信号を生成するように構成され、アナログ傾斜フィルタが、前記DAC出力信号を受信し、アナログ傾斜フィルタ出力信号を生成するように構成され、前記デジタル傾斜フィルタが、前記アナログ傾斜フィルタをモデル化するように構成される、請求項10に記載のDFEシステム。
【請求項14】
前記デジタル傾斜等化器が、前記アナログ傾斜フィルタの逆数をモデル化するように構成される、請求項13に記載のDFEシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例は、一般に、集積回路(「IC:integrated circuit」)に関し、詳細には、ケーブルテレビ(CATV:cable TV)増幅器の波高率低減を実行することに関連する実施形態に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブル業界は、インターネット、電話通信、およびビデオサービスのデータレートの向上に対する需要に応えるために、新しいデータ・オーバ・ケーブル・サービス・インターフェース仕様(DOCSIS:Data Over Cable Service Interface Specification)3.1規格に基づいた、高データレートかつ広帯域の新しいリモートPHYノードを展開している。DOCSIS3.1は、4096直交振幅変調(QAM:quadrature amplitude modulation)をサポートし、直交周波数分割多重方式(OFDM:orthogonal frequency division multiplexing)を使用する。したがって、DOCSIS3.1の送信信号品質要件は、現在の規格DOCSIS3.0よりもはるかに高くなっている。ケーブルテレビ(CATV)増幅器は、DOCSIS3.1に関連する機能がより高度であることに起因して、非線形領域で動作する場合がある。CATV増幅器の非線形効果により、送信信号品質は大幅に低下する。さらに、DOCSIS3.1の高データレートでより高度な機能を提供する新しい構成要素は、それ自体が電力を消費する。しかしながら、各ノード(たとえば、各リモートPHYノード)への電力供給は固定されているので、他の構成要素(たとえば、CATV増幅器など)の電力消費量を削減する必要がある。したがって、DOCSIS3.1の先進性能を提供することが望ましい一方で、送信信号品質を向上させ、他の構成要素(たとえば、CATV増幅器など)の電力消費量を削減しながら、先進性能の提供を実現することは困難であった。
【0003】
したがって、CATV増幅器の波高率低減のための改良された方法および回路が必要である。
【発明の概要】
【0004】
本開示によるいくつかの実施形態では、波高率低減(CFR:crest factor reduction)システムは、CFRシステムの入力に結合されたデジタル傾斜フィルタを含む。いくつかの実施形態では、デジタル傾斜フィルタは、システム入力信号を受信し、デジタル傾斜フィルタ出力でデジタル傾斜フィルタ出力信号を生成するように構成される。いくつかの例では、CFRシステムは、デジタル傾斜フィルタ出力に結合されたCFRモジュールをさらに含み、CFRモジュールは、デジタル傾斜フィルタ出力信号を受信し、デジタル傾斜フィルタ出力信号に対してCFRプロセスを実行して、CFRモジュール出力でCFRモジュール出力信号を生成するように構成される。さらに、CFRシステムは、CFRモジュール出力に結合されたデジタル傾斜等化器を含んでもよく、デジタル傾斜等化器は、CFRモジュール出力信号を受信し、システム出力信号を生成するように構成される。
【0005】
いくつかの実施形態では、CFRシステムは、CFRモジュール出力に結合されたデジタルプリディストーション(DPD:digital predistortion)モジュールをさらに含み、DPDモジュールは、CFRモジュール出力信号を受信し、CFRモジュール出力信号に対してDPDプロセスを実行して、DPDモジュール出力でDPDモジュール出力信号を生成するように構成される。いくつかの例では、デジタル傾斜等化器は、DPDモジュール出力に結合され、デジタル傾斜等化器は、DPDモジュール出力信号を受信し、システム出力信号を生成するように構成される。
【0006】
いくつかの実施形態では、システム入力信号は、第1のピーク対平均電力比(PAPR:peak-to-average power ratio)を有し、CFRモジュール出力信号は、第1のPAPRよりも小さい第2のPAPRを有する。
【0007】
いくつかの実施形態では、CFRシステムは、CFRモジュールおよびDPDモジュールと並列にCFRシステムの入力に結合されて第1の時間遅延信号を生成する、第1の線形データ経路をさらに含む。いくつかの例では、CFRシステムは、デジタル傾斜等化器出力信号と第1の時間遅延信号とを組み合わせてシステム出力信号を生成するように構成された第1のコンバイナも含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、CFRシステムは、CFRモジュールと並列にCFRシステムの入力に結合されて第2の時間遅延信号を生成する、第2の線形データ経路をさらに含む。例として、第2のコンバイナは、CFRモジュール出力信号と第2の時間遅延信号とを組み合わせて第1の出力信号を生成するように構成され、第3のコンバイナは、第1の出力信号とDPDモジュール出力信号とを組み合わせてシステム出力信号を生成するように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、CFRシステムは、CFRモジュール出力に結合された非線形データ経路をさらに含み、非線形データ経路は、CFRモジュール出力にそれぞれ結合された複数の並列データ経路要素を含み、複数の並列データ経路要素のそれぞれは、増幅器の非線形成分に対応するCFRモジュール出力信号に異なる逆非線形成分を追加するように構成され、コンバイナは、複数の並列データ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせてDPDモジュール出力信号を生成するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、デジタル/アナログ変換器(DAC:digital-to-analog converter)は、システム出力信号を受信し、DAC出力信号を生成するように構成され、アナログ傾斜フィルタは、DAC出力信号を受信し、アナログ傾斜フィルタ出力信号を生成するように構成され、デジタル傾斜フィルタは、アナログ傾斜フィルタをモデル化するように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、デジタル傾斜等化器は、アナログ傾斜フィルタの逆数をモデル化するように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、CFRシステムは、単側波帯ヒルベルトフィルタをさらに含み、単側波帯ヒルベルトフィルタ入力は、DPDモジュール出力信号を受信するように構成され、単側波帯ヒルベルトフィルタ出力は、デジタル傾斜等化器入力に結合される。
【0013】
いくつかの実施形態では、CFRシステムは、増幅器出力からフィードバックデータを受信するように構成された適応エンジンをさらに含み、適応エンジンは、フィードバックデータに基づいてCFRモジュールの構成を更新するように構成される。
【0014】
本開示によるいくつかの実施形態では、デジタルフロントエンド(DFE:digital front-end)システムは、波高率低減(CFR)プロセスを実行するように構成され、DFEシステムは、ベースバンドデータ入力信号を受信および変換して合成信号を生成するように構成されたデジタルアップコンバータ(DUC:digital upconverter)を含む。様々な実施形態では、DFEシステムは、デジタル傾斜フィルタ、CFRモジュール、およびデジタル傾斜等化器を含む、CFRシステムをさらに含み、デジタル傾斜フィルタは、合成信号を受信し、デジタル傾斜フィルタ出力信号を生成するように構成され、CFRモジュールは、デジタル傾斜フィルタ出力信号を受信し、デジタル傾斜フィルタ出力信号に対してCFRプロセスを実行して、CFRモジュール出力信号を生成するように構成され、デジタル傾斜等化器は、CFRモジュール出力信号を受信し、CFRシステム出力信号を生成するように構成され、CFRシステム出力信号は、増幅器に結合される。いくつかの例では、DFEシステムは、増幅器の出力からフィードバックデータを受信するように構成された適応エンジンをさらに含み、適応エンジンは、フィードバックデータに基づいてCFRシステムの構成を更新するように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、CFRプロセスは、デジタル傾斜フィルタ出力信号のピーク対平均電力比(PAPR)を低減するように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、CFRシステムは、CFRモジュール出力に結合された非線形データ経路を含むデジタルプリディストーション(DPD)モジュールをさらに含み、非線形データ経路は、CFRモジュール出力にそれぞれ結合された複数の並列データ経路要素を含み、複数の並列データ経路要素のそれぞれは、増幅器の非線形成分に対応する異なる逆非線形成分をモデル化するように構成され、コンバイナは、複数の並列データ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせてDPDモジュール出力信号を生成するように構成され、デジタル傾斜等化器は、DPDモジュール出力信号を受信し、CFRシステム出力信号を生成するように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、デジタル/アナログ変換器(DAC)は、CFRシステム出力信号を受信し、DAC出力信号を生成するように構成され、アナログ傾斜フィルタは、DAC出力信号を受信し、アナログ傾斜フィルタ出力信号を生成するように構成され、デジタル傾斜フィルタは、アナログ傾斜フィルタをモデル化するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、デジタル傾斜等化器は、アナログ傾斜フィルタの逆数をモデル化するように構成される。
【0019】
本開示によるいくつかの実施形態では、方法は、波高率低減(CFR)システムのデジタル傾斜フィルタで入力信号を受信し、デジタル傾斜フィルタ出力でデジタル傾斜フィルタ出力信号を生成することを含む。様々な例において、方法は、CFRシステムのCFRモジュールで、デジタル傾斜フィルタ出力信号に対してCFRプロセスを実行して、CFRモジュール出力信号を生成することをさらに含み、CFRプロセスは、デジタル傾斜フィルタ出力信号のピーク対平均電力比(PAPR)を低減するように構成される。いくつかの例では、方法は、CFRシステムのデジタル傾斜等化器で、CFRモジュール出力信号を受信し、システム出力信号を生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、システム出力信号を増幅器に提供することをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、方法は、増幅器の出力から受信したフィードバックデータに応答して、CFRシステムの構成を更新することをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、方法は、CFRシステムのデジタルプリディストーション(DPD)モジュールで、CFRモジュール出力信号に対してDPDプロセスを実行して、DPDモジュール出力信号を生成することをさらに含む。いくつかの例では、方法は、CFRシステムのデジタル傾斜等化器で、DPDモジュール出力信号を受信し、システム出力信号を生成することをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、DPDモジュールは、CFRモジュールの出力に結合された非線形データ経路をさらに含み、非線形データ経路は、CFRモジュール出力にそれぞれ結合された複数の並列データ経路要素を含み、複数の並列データ経路要素のそれぞれは、増幅器の非線形成分に対応する異なる逆非線形成分をモデル化するように構成され、コンバイナは、複数の並列データ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせてDPDモジュール出力信号を生成するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、方法は、システム出力信号を増幅器に提供したことに応答して、増幅器を非線形領域で動作させるとともに増幅器の電力消費量を削減することをさらに含む。
【0024】
本開示によるいくつかの実施形態では、デジタルプリディストーション(DPD)システムは、DPD入力信号を受信するように構成された入力を含む。いくつかの実施形態では、DPDシステムは、入力に結合された非線形データ経路をさらに含み、非線形データ経路は、入力にそれぞれ結合された複数の並列データ経路要素を含み、複数の並列データ経路要素のそれぞれは、増幅器の非線形成分に対応するDPD入力信号に異なる逆非線形成分を追加するように構成され、第1のコンバイナは、複数の並列データ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせて第1のプリディストーション信号を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、DPDシステムは、非線形データ経路と並列に入力に結合されて第2のプリディストーション信号を生成する線形データ経路と、第1のプリディストーション信号と第2のプリディストーション信号とを組み合わせてDPD出力信号を生成するように構成された第2のコンバイナとをさらに含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、複数の並列データ経路要素は、ベースバンドDPDデータ経路、ビデオ帯域幅DPDデータ経路、第2高調波DPDデータ経路、および第3高調波DPDデータ経路を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、ベースバンドDPDデータ経路は、DPD入力信号に逆非線形ベースバンド成分を追加するように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、ビデオ帯域幅DPDデータ経路は、DPD入力信号に逆非線形ビデオ帯域幅成分を追加するように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、第2高調波DPDデータ経路は、DPD入力信号に逆第2高調波成分を追加するように構成される。
【0029】
いくつかの実施形態では、第3高調波DPDデータ経路は、DPD入力信号に逆第3高調波成分を追加するように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、DPDシステムは、アナログ傾斜フィルタをモデル化するように構成されたデジタル傾斜フィルタをさらに含み、デジタル傾斜フィルタ入力は入力に結合され、デジタル傾斜フィルタ出力は非線形データ経路に結合される。
【0031】
いくつかの実施形態では、DPDシステムは、アナログ傾斜フィルタの逆数をモデル化するように構成されたデジタル傾斜等化器をさらに含み、デジタル傾斜等化器入力は、第1のプリディストーション信号を受信するように構成され、第2のコンバイナは、デジタル傾斜等化器出力を第2のプリディストーション信号と組み合わせてDPD出力信号を生成するように構成される。
【0032】
いくつかの実施形態では、DPDシステムは、単側波帯ヒルベルトフィルタをさらに含み、単側波帯ヒルベルトフィルタ入力は、第1のプリディストーション信号を受信するように構成され、単側波帯ヒルベルトフィルタ出力は、デジタル傾斜等化器入力に結合される。
【0033】
いくつかの実施形態では、DPD出力信号は、増幅器入力に結合されて増幅出力信号を生成し、DPD出力信号は、増幅器の複数の非線形成分を補償するように構成される。
【0034】
本開示によるいくつかの実施形態では、デジタルプリディストーション(DPD)プロセスを実行するように構成されたデジタルフロントエンド(DFE)システムは、ベースバンドデータ入力信号を受信および変換して合成信号を生成するように構成されたデジタルアップコンバータ(DUC)を含む。いくつかの実施形態では、DFEシステムは、DPD入力で合成信号を受信し、合成信号に対してDPDプロセスを実行するように構成されたDPDシステムをさらに含み、DPD入力は、複数の並列データ経路要素に結合され、複数の並列データ経路要素のうちの少なくとも1つは、増幅器の非線形高調波成分に対応する合成信号に逆高調波成分を追加するように構成され、コンバイナは、複数のデータ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせてDPD出力信号を生成するように構成され、DPD出力信号は、増幅器に結合される。いくつかの実施形態では、DPD出力信号は、増幅器の非線形高調波成分を補償するように構成される。
【0035】
いくつかの実施形態では、複数の並列データ経路要素は、ベースバンドDPDデータ経路、ビデオ帯域幅DPDデータ経路、第2高調波DPDデータ経路、および第3高調波DPDデータ経路を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、DUCは、ベースバンドデータ入力信号に対して補間プロセスを実行して補間信号を生成するように構成され、DUCは、補間信号に対して混合プロセスを実行して合成信号を生成するように構成される。
【0037】
いくつかの実施形態では、DPDシステムは、アナログ傾斜フィルタをモデル化するように構成されたデジタル傾斜フィルタをさらに含み、デジタル傾斜フィルタ入力は、合成信号を受信するように構成され、デジタル傾斜フィルタ出力は、複数の並列データ経路要素に結合される。
【0038】
いくつかの実施形態では、DPDシステムは、アナログ傾斜フィルタの逆数をモデル化するように構成されたデジタル傾斜等化器をさらに含み、デジタル傾斜等化器入力は、複数のデータ経路要素のそれぞれの組み合わされた出力を受信するように構成され、別のコンバイナは、デジタル傾斜等化器出力を線形DPD信号に組み合わせてDPD出力信号を生成するように構成される。
【0039】
本開示によるいくつかの実施形態では、方法は、デジタルプリディストーション(DPD)システムの入力でDPD入力信号を受信することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、DPDシステムの入力に結合された非線形データ経路でDPD入力信号を受信することをさらに含み、非線形データ経路は、入力にそれぞれ結合された複数の並列データ経路要素を含む。いくつかの実施形態では、方法は、複数の並列データ経路要素のそれぞれによって、増幅器の非線形成分に対応するDPD入力信号に逆非線形成分を追加することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、第1のコンバイナによって、複数の並列データ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせて第1のプリディストーション信号を生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、非線形データ経路と並列に入力に結合された線形データ経路でDPD入力信号を受信して第2のプリディストーション信号を生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、第2のコンバイナによって、第1のプリディストーション信号と第2のプリディストーション信号とを組み合わせてDPD出力信号を生成することをさらに含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、複数の並列データ経路要素は、ベースバンドDPDデータ経路、ビデオ帯域幅DPDデータ経路、第2高調波DPDデータ経路、および第3高調波DPDデータ経路を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、方法は、ベースバンドDPDデータ経路によって、DPD入力信号に逆非線形ベースバンド成分を追加することと、ビデオ帯域幅DPDデータ経路によって、DPD入力信号に逆非線形ビデオ帯域幅成分を追加することと、第2高調波DPDデータ経路によって、DPD入力信号に逆第2高調波成分を追加することと、第3高調波DPDデータ経路によって、DPD入力信号に逆第3高調波成分を追加することとをさらに含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、方法は、増幅器入力にDPD出力信号を提供して増幅出力信号を生成することをさらに含み、DPD出力信号は、増幅器の複数の非線形成分を補償するように構成される。
【0043】
いくつかの実施形態では、方法は、DPD出力信号を増幅器に提供したことに応答して、増幅器を非線形領域で動作させるとともに増幅器の電力消費量を削減することをさらに含む。
【0044】
以下の詳細な説明および添付図面を読むことにより、他の態様および特徴が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、ICの例示的なアーキテクチャを示すブロック図である。
図2】いくつかの実施形態による、例示的なケーブルネットワークの概略図である。
図3】いくつかの実施形態による、例示的なデジタルフロントエンド(DFE)システムの概略図である。
図4A】いくつかの実施形態による、デジタルプリディストーション(DPD)-波高率低減(CFR)システムの図である。
図4B】いくつかの実施形態による、DPDモジュールの一例を示す図である。
図5A-B】いくつかの実施形態による、それぞれ、例示的なDPD-CFR入力スペクトルおよびDPD-CFR出力スペクトルを示す図である。
図6A】いくつかの実施形態による、経時的にサンプリングされたアナログ傾斜フィルタ出力の正規化された大きさを示し、CFRプロセスを実行する効果を示す、例示的なプロットの図である。
図6B】いくつかの実施形態による、CFRプロセスを実行した後の、アナログ傾斜フィルタの出力での電力スペクトルを示す図である。
図7A-C】いくつかの実施形態による、経時的にサンプリングされたCATV増幅器出力の正規化された大きさを示し、CFRプロセスを実行する効果を示す、例示的なプロットの図である。
図8A】いくつかの実施形態による、CFRプロセスを実行する効果を示す、シングルキャリアの累積分布関数(CCDF:cumulative distribution function)プロットの図である。
図8B】いくつかの実施形態による、図8Aのデータに対応した、CFRプロセスが実行された電力スペクトルの図である。
図9A-B】いくつかの実施形態による、振幅対振幅歪み(AM/AM:amplitude-to-amplitude)を示し、DPDプロセスおよびCFRプロセスのうちの一方または両方を実行する効果を示す、CATV増幅器伝達関数のプロットの図である。
図10A-B】いくつかの実施形態による、CFRプロセスを実行する効果を示す、DPD出力安定性性能のプロットの図である。
図11】いくつかの実施形態による、CATV増幅器の変調誤差比(MER:modulation error ratio)データを含み、DPD-CFRシステムによって提供される補正を適用した場合のMERデータに対する効果を示す表である。
図12】いくつかの実施形態による、DPD-CFRシステムにおいて波高率低減プロセスおよびデジタルプリディストーションプロセスを実行するための方法を示す流れ図である。
図13】いくつかの実施形態による、図4の非線形データ経路要素の導出を提供する方程式を、図式表現を含めて示す図である。
図14】いくつかの実施形態による、図4の非線形データ経路要素の導出を提供する方程式を、図式表現を含めて示す図である。
図15】いくつかの実施形態による、図4の非線形データ経路要素の導出を提供する方程式を、図式表現を含めて示す図である。
図16】いくつかの実施形態による、図4の非線形データ経路要素の導出を提供する方程式を、図式表現を含めて示す図である。
図17】いくつかの実施形態による、CATV増幅器の非線形効果を示すシングルキャリアの電力スペクトルを示す図である。
図18】いくつかの実施形態による、図17の電力スペクトルにベースバンドDPD補正を適用した結果を示す電力スペクトルの図である。
図19】いくつかの実施形態による、図17の電力スペクトルに第2高調波DPD補正を適用した結果を示す電力スペクトルの図である。
図20】いくつかの実施形態による、図17の電力スペクトルに第3高調波DPD補正を適用した結果を示す電力スペクトルの図である。
図21】いくつかの実施形態による、ベースバンドDPD補正とビデオ帯域幅DPD補正の両方を適用した結果を示す電力スペクトルの図である。
図22】いくつかの実施形態による、DPDシステムによって提供される補正の適用から生じる隣接チャネル電力比(ACPR:adjacent channel power ratio)補正を示す電力スペクトルの図である。
図23】いくつかの実施形態による、CATV増幅器の変調誤差比(MER)データを含み、DPDシステムによって提供される補正を適用した場合のMERデータに対する効果を示す表である。
図24】いくつかの実施形態による、DPDシステムにおいてデジタルプリディストーションプロセスを実行するための方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、例示的な実施形態を示す図を参照して、様々な実施形態について説明する。しかしながら、特許請求される発明は、様々な形態で具現化され得るものであり、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。全体を通して、同様の参照番号は、同様の要素を指す。したがって、同様の要素について、各図の説明を参照して詳細には説明しない。また、図は、実施形態の説明を容易にすることを意図されているにすぎないことにも留意されたい。図は、特許請求される発明の網羅的な説明として意図されたものでも、特許請求される発明の範囲に対する限定として意図されたものでもない。さらに、例示した実施形態は、必ずしも示されているすべての態様または利点を有する必要はない。特定の実施形態に関して記載されている態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されるものではなく、他の任意の実施形態において実施され得ると示されていない場合でも、またはそのように明示的に記載されていない場合でも、そのような実施が可能である。特徴、機能、および利点は、様々な実施形態において独立して達成されてもよく、またはさらに他の実施形態において組み合わされてもよい。
【0047】
いくつかの図に例示的に示されている例示の実施形態を説明する前に、さらなる理解のために、概略的導入を提供する。
【0048】
上記で説明したように、ケーブル業界は、インターネット、電話通信、およびビデオサービスのデータレートの向上に対する需要に応えるために、DOCSIS3.1規格に基づいた、高データレートかつ広帯域の新しいリモートPHYノードを展開している。DOCSIS3.1は、4096(4K)直交振幅変調(QAM)をサポートし、直交周波数分割多重方式(OFDM)を使用する。したがって、DOCSIS3.1の送信信号品質要件は、現在の規格DOCSIS3.0よりもはるかに高くなっている。ケーブルテレビ(CATV)増幅器は、DOCSIS3.1に関連する機能がより高度であることに起因して、非線形領域で動作する場合がある。CATV増幅器の非線形効果により、送信信号品質が大幅に低下する。さらに、DOCSIS3.1の高データレートおよびより高度な機能を提供する新しい構成要素は、それ自体が電力を消費する。しかしながら、各ノード(たとえば、各リモートPHYノード)への電力供給は固定されているので、他の構成要素(たとえば、CATV増幅器など)の電力消費量を削減する必要がある。したがって、DOCSIS3.1の先進性能を提供することが望ましい一方で、送信信号品質を向上させ、他の構成要素(たとえば、CATV増幅器など)の電力消費量を削減しながら、先進性能の提供を実現することは困難であった。
【0049】
少なくともいくつかの既存の技法では、(たとえば、CATV増幅器からケーブルモデムまでの)同軸ケーブル損失を補償するために、1.2GHzケーブルスペクトルにわたって最大22dBの大幅な減衰を伴う傾斜等化器(傾斜フィルタ)がアナログ伝送路に実装される。しかしながら、4K QAM OFDM変調を使用したDOCSIS3.1波形は、現在のDOCSIS3.0規格と比較して、高いピーク対平均電力比(PAPR)を示す。そのため、DOCSIS3.0のCATV増幅器の同じRMS電力出力の場合、DOCSIS3.1波形のピークは、CATV増幅器の非線形領域内となる。したがって、送信信号品質が低下する。デジタルプリディストーション(DPD)を使用すると、たとえば、CATVをより効率の高い領域で動作させることによって、CATV増幅器の信号品質を向上させることができる。DPDは、信号帯域幅がケーブル通信技術に使用される帯域幅よりもはるかに狭いワイヤレス通信技術に使用されてきた。さらに、ワイヤレス通信では、ワイヤレス構成要素の非線形効果の高調波は、信号帯域幅に分類されない。したがって、ワイヤレス通信のためのDPDは、ベースバンド周波数を中心として投影される非線形成分をモデル化するだけで済む。しかしながら、ケーブル用途においては、CATV増幅器信号の非線形効果の高調波は、信号帯域幅に分類される。したがって、ケーブル用途向けのDPD実装では、CATV増幅器の非線形効果の高調波成分をモデル化すべきである。これとは別に、デジタルドメインにおいて、大幅な減衰を伴う傾斜等化器を実装することはできず、デジタル傾斜等化器を実装すると、デジタル/アナログ変換器(DAC)の有限なデジタル分解能に起因して、低周波数キャリアの送信波形の品質が低下することになる。
【0050】
さらに、上述のように、4K QAM OFDM変調を使用したDOCSIS3.1波形は、現在のDOCSIS3.0規格と比較して、高いPAPRを示す。高いPAPRの影響には、(たとえば、隣接チャネル漏洩電力比(ACLR:adjacent channel leakage ratio)の増加を含む)帯域内歪みおよび帯域外歪みが含まれる。波高率低減(CFR)を使用して、信号をクリップし、CFR出力で追加の利得を可能にすることによって、信号のPAPRを低減することができる。クリッピングは、振幅が所望の範囲内の最大値に制限されるように、信号を意図的に制限することによって機能する。CFRを採用することによって、増幅器(CATV増幅器など)をその1dB圧縮点に近づけて動作させることができ、これにより、CATV増幅器の効率が向上する。さらに、DPDと組み合わせると、CFRを使用して、DPDの安定性を大幅に向上させ(たとえば、DPDの発散を回避し)、CATV増幅器の効率をさらに向上させることができる。集積回路(IC)ソリューションの場合、デジタルフロントエンド(DFE)チップ内に実装されたCFRおよびDPDデータ経路が、DOCSIS3.1波形の高いPAPR、DPD安定性、およびCATV増幅器の効率に対するソリューションを提供するとともに、CATV増幅器の非線形効果の高調波成分およびCATV増幅器における送信スペクトルにわたる大幅な減衰のモデル化を提供できることが発見された。したがって、本開示の実施形態は、送信信号品質の向上、CATV増幅器の効率の向上、およびCATV増幅器の電力消費量の削減を提供する。
【0051】
上記の概略的な理解を念頭に置いて、CATV増幅器のCFRのための方法および回路を提供するための様々な実施形態について、以下で概略的に説明する。上記の実施形態のうちの1つまたは複数は、特定のタイプのICを使用して例示されているので、そのようなICの詳細な説明を以下に示す。しかしながら、他のタイプのICが、本明細書に記載の実施形態のうちの1つまたは複数から利益を得る場合があることを理解されたい。
【0052】
プログラマブル論理デバイス(「PLD:programmable logic device」)は、指定された論理機能を実行するようにプログラムされ得るよく知られているタイプの集積回路である。あるタイプのPLDであるフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA:field programmable gate array」)は、典型的には、プログラマブルタイルのアレイを含む。これらのプログラマブルタイルは、たとえば、入出力ブロック(「IOB:input/output block」)、構成可能論理ブロック(「CLB:configurable logic block」)、専用のランダムアクセスメモリブロック(「BRAM:random access memory block」)、乗算器、デジタル信号処理ブロック(「DSP:digital signal processing block」)、プロセッサ、クロックマネージャ、遅延ロックループ(「DLL:delay lock loop」)などを含む。本明細書においては、「含む」および「含んでいる」は、限定を伴わずに含むことを意味する。
【0053】
各プログラマブルタイルは、典型的には、プログラマブル相互接続部とプログラマブル論理の両方を含む。プログラマブル相互接続部は、典型的には、プログラマブル相互接続点(「PIP:programmable interconnect points」)によって相互接続された長さの異なる多数の相互接続線を含む。プログラマブル論理は、たとえば、関数発生器、レジスタ、算術論理などを含み得るプログラマブル要素を使用して、ユーザ設計の論理を実装する。
【0054】
プログラマブル相互接続部およびプログラマブル論理は、典型的には、プログラマブル要素がどのように構成されるかを定義する構成データのストリームを内部構成メモリセルにロードすることによってプログラムされる。構成データは、メモリから(たとえば、外部PROMから)読出し可能であるか、または外部デバイスによってFPGAに書込み可能である。次いで、個々のメモリセルの集合状態が、FPGAの機能を決定する。
【0055】
別のタイプのPLDは、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)である。CPLDは、相互接続スイッチマトリクスによって互いに接続され、入出力(「I/O」)リソースに接続された2つ以上の「機能ブロック」を含む。CPLDの各機能ブロックは、プログラマブル論理アレイ(「PLA:Programmable Logic Array」)およびプログラマブルアレイ論理(「PAL:Programmable Array Logic」)デバイスで使用されるものと同様の2レベルのAND/OR構造を含む。CPLDでは、構成データは典型的には、不揮発性メモリにオンチップで格納される。いくつかのCPLDでは、構成データは、不揮発性メモリにオンチップで格納され、次いで、初期構成(プログラミング)シーケンスの一部として揮発性メモリにダウンロードされる。
【0056】
一般に、これらのプログラマブル論理デバイス(「PLD」)のそれぞれにおいて、デバイスの機能は、その目的のためにデバイスに提供される構成データによって制御される。構成データは、揮発性メモリ(たとえば、FPGAおよびいくつかのCPLDで一般的なスタティックメモリセル)、不揮発性メモリ(たとえば、いくつかのCPLDにおけるフラッシュメモリ)、または任意の他のタイプのメモリセルに格納することができる。
【0057】
他のPLDは、デバイス上の様々な要素をプログラム可能に相互接続する金属層などの処理層を適用することによってプログラムされる。これらのPLDは、マスクプログラマブルデバイスとして知られている。PLDはまた、たとえば、ヒューズまたはアンチヒューズ技術を用いて、他の方法でも実装され得る。「PLD」および「プログラマブル論理デバイス」という用語は、これらの例示的なデバイスを含むがこれらに限定されず、同様に、部分的にのみプログラム可能なデバイスも含む。たとえば、あるタイプのPLDは、ハードコード化されたトランジスタ論理と、ハードコード化されたトランジスタ論理をプログラム可能に相互接続するプログラマブルスイッチファブリックとの組合せを含む。
【0058】
上述のように、高度なFPGAは、アレイ内にいくつかの異なるタイプのプログラマブル論理ブロックを含むことができる。たとえば、図1は、例示的なFPGAアーキテクチャ100を示す。FPGAアーキテクチャ100は、マルチギガビットトランシーバ(「MGT:multi-gigabit transceiver」)101、構成可能論理ブロック(「CLB」)102、ランダムアクセスメモリブロック(「BRAM」)103、入出力ブロック(「IOB」)104、構成およびクロッキング論理(「CONFIG/CLOCKS:configuration and clocking logic」)105、デジタル信号処理ブロック(「DSP」)106、特殊化された入出力ブロック(「I/O」)107(たとえば、構成ポートおよびクロックポート)、ならびにデジタルクロックマネージャ、アナログ/デジタル変換器、システム監視論理などの他のプログラマブル論理108などを含む、多数の異なるプログラマブルタイルを含む。いくつかのFPGAは、専用のプロセッサブロック(「PROC:processor block」)110も含む。いくつかの実施形態では、FPGAアーキテクチャ100は、複数の無線周波数アナログ/デジタル変換器(RF-ADC:radio frequency analog-to-digital converter)および複数の無線周波数デジタル/アナログ変換器(RF-DAC:radio frequency digital-to-analog converter)を含む、RFデータ変換器サブシステムを含む。様々な例では、RF-ADCおよびRF-DACは、実数データ用に個別に構成されても、実数と虚数のI/Qデータ用にペアで構成されてもよい。少なくともいくつかの例では、FPGAアーキテクチャ100は、RFSoCデバイスを実装してもよい。
【0059】
いくつかのFPGAでは、各プログラマブルタイルは、図1の上部に含まれる例によって示すように、同じタイル内のプログラマブル論理要素の入力端子および出力端子120への接続部を有する少なくとも1つのプログラマブル相互接続要素(「INT:interconnect element」)111を含むことができる。各プログラマブル相互接続要素111は、同じタイルまたは他のタイル内の隣接するプログラマブル相互接続要素の相互接続セグメント122への接続部も含むことができる。各プログラマブル相互接続要素111は、論理ブロック(図示せず)間の一般的なルーティングリソースの相互接続セグメント124への接続も含むことができる。一般的なルーティングリソースは、相互接続セグメント(たとえば、相互接続セグメント124)のトラックを含む論理ブロック(図示せず)と相互接続セグメントを接続するためのスイッチブロック(図示せず)との間のルーティングチャネルを含むことができる。一般的なルーティングリソースの相互接続セグメント(たとえば、相互接続セグメント124)は、1つまたは複数の論理ブロックに及ぶことがある。プログラマブル相互接続要素111は、一般的なルーティングリソースと共に、図示したFPGA用のプログラマブル相互接続構造(「プログラマブル相互接続部」)を実装する。
【0060】
例示的な実装形態では、CLB102は、ユーザ論理に加えて単一のプログラマブル相互接続要素(「INT」)111を実装するようにプログラムされ得る構成可能論理要素(「CLE:configurable logic element」)112を含むことができる。BRAM103は、1つまたは複数のプログラマブル相互接続要素に加えて、BRAM論理要素(「BRL:BRAM logic element」)113を含むことができる。典型的には、タイルに含まれる相互接続要素の数は、タイルの高さに依存する。図示の例では、BRAMタイルの高さは5つのCLBと同じであるが、他の数(たとえば、4つ)も使用することができる。DSPタイル106は、適切な数のプログラマブル相互接続要素に加えて、DSP論理要素(「DSPL:DSP logic element」)114を含むことができる。IOB104は、たとえば、プログラマブル相互接続要素111の1つのインスタンスに加えて、入出力論理要素(「IOL:input/output logic element」)115の2つのインスタンスを含むことができる。当業者には明らかであるように、たとえば、I/O論理要素115に接続された実際のI/Oパッドは、典型的には、入出力論理要素115のエリアに限定されない。
【0061】
図1の例では、(たとえば、図1に示す領域105、107、および108で形成される)ダイの中心付近の(水平方向に示されている)エリアを、構成、クロック、および他の制御論理に使用することができる。この水平エリアから延在する(垂直方向に示されている)列109または他の列を使用して、FPGAの幅全体にクロックおよび構成信号を分配してもよい。
【0062】
図1に示すアーキテクチャを利用するいくつかのFPGAは、FPGAの大部分を構成する規則的な列型構造を乱す追加の論理ブロックを含む。追加の論理ブロックは、プログラマブルブロックおよび/または専用論理とすることができる。たとえば、PROC110は、CLBおよびBRAMの複数の列に及ぶ。PROC110は、単一のマイクロプロセッサから、マイクロプロセッサ、メモリコントローラ、周辺機器などの総合的なプログラマブル処理システムに至るまでの様々な構成要素を含むことができる。
【0063】
一態様では、PROC110は、ICのプログラマブル回路を実装するダイの一部として製造される専用回路、たとえばハードワイヤードプロセッサとして実装される。PROC110は、個々のプロセッサ、たとえば、プログラムコードを実行できる単一のコアから、1つまたは複数のコア、モジュール、コプロセッサ、インターフェースなどを有するプロセッサシステム全体まで複雑に広がる様々な異なるプロセッサタイプおよび/またはシステムのいずれかを表すことがある。
【0064】
別の態様では、PROC110は、アーキテクチャ100から省略されており、記載されているプログラマブルブロックの他の種類のうちの1つまたは複数と置き換えられてもよい。さらに、このようなブロックは、PROC110の場合のように、プログラマブル回路の様々なブロックを使用してプログラムコードを実行できるプロセッサを形成することができるという点で、「ソフトプロセッサ」を形成するために利用されることがある。
【0065】
「プログラマブル回路」という語は、IC内のプログラマブル回路要素、たとえば、本明細書に記載の様々なプログラム可能または構成可能な回路ブロックまたはタイル、ならびにICにロードされる構成データに従って様々な回路ブロック、タイル、および/または要素を選択的に結合する相互接続回路を指すことがある。たとえば、図1に示す、CLB102およびBRAM103などのPROC110の外部にある部分は、ICのプログラマブル回路と見なすことができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、プログラマブル回路の機能および接続性は、構成データがICにロードされるまで確立されない。構成データのセットを使用して、FPGAなどのICのプログラマブル回路をプログラムすることができる。構成データは、場合によっては「構成ビットストリーム」と呼ばれる。一般に、プログラマブル回路は、最初に構成ビットストリームをICにロードしない限り、動作も機能もしない。構成ビットストリームは、プログラマブル回路内の特定の回路設計を効果的に実装またはインスタンス化する。回路設計は、たとえば、プログラマブル回路ブロックの機能的側面および様々なプログラマブル回路ブロック間の物理的接続を指定する。
【0067】
いくつかの実施形態では、「ハードワイヤード」または「ハード化された」、すなわちプログラム可能でない回路が、ICの一部として製造される。プログラマブル回路とは異なり、ハードワイヤード回路または回路ブロックは、構成ビットストリームのロードによるICの製造後に実装されない。ハードワイヤード回路は、一般に、たとえば、構成ビットストリームを最初にIC、たとえばPROC 110にロードすることなく機能する専用の回路ブロックおよび相互接続部を有すると考えられる。
【0068】
場合によっては、ハードワイヤード回路は、IC内の1つまたは複数のメモリ要素に記憶されているレジスタ設定または値に従って設定または選択できる1つまたは複数の動作モードを有することができる。動作モードは、たとえば、構成ビットストリームをICにロードすることで設定することができる。この機能にもかかわらず、ハードワイヤード回路は、ICの一部として製造されたときに動作可能であるとともに特定の機能を有するので、プログラマブル回路とは見なされない。
【0069】
図1は、プログラマブル回路、たとえばプログラマブルファブリックを含むICを実装するために使用することができる例示的なアーキテクチャを例示するためのものである。たとえば、行内の論理ブロックの数、行の相対幅、行の数および順序、行に含まれる論理ブロックのタイプ、論理ブロックの相対サイズ、ならびに図1の上部に含まれる相互接続/論理の実装は、単なる例示である。たとえば、実際のICでは、ユーザ論理の効率的な実装を容易にするために、CLBが表示されている場所には通常、2つ以上の隣接するCLB行が含まれるが、隣接するCLB行の数はICの全体的なサイズと共に変化する。さらに、図1のFPGAは、本明細書に記載の相互接続回路の例を使用することができるプログラマブルICの一例を示している。本明細書に記載の相互接続回路は、CPLDなどの他のタイプのプログラマブルICにおいて、または論理要素を選択的に結合するためのプログラマブル相互接続構造を有する任意のタイプのプログラマブルICにおいて使用することができる。
【0070】
CATV増幅器のCFRのための方法および回路を実装することができるICは、図1に示す例示的なICに限定されず、他の構成を有するIC、または他のタイプのICも、CATV増幅器のCFRのための方法および回路を実装できることに留意されたい。
【0071】
次に図2を参照すると、(たとえば、光ファイバを含み得る)データファイバから始まり、リモートノードを通り(たとえば、家での)エンドユーザ位置までの信号経路を示すケーブルネットワーク200が示されている。ケーブルネットワーク200は、ハイブリッドファイバ同軸ネットワークの一部とすることができ、データファイバは中央ヘッドエンドからリモートノードまで通っており、同軸ケーブルはリモートノードからエンドユーザまで通っている。いくつかの例では、リモートノードは、DOCSIS3.1規格に基づくリモートPHYノードを含む。リモートPHYノードは、いくつかの実施形態では、ベースバンドおよびデジタルフロントエンド(DFE:digital front-end)チップ202、デジタル/アナログ変換器(DAC)204、(たとえば、増幅器を含み得る)ドライバ206、アナログ傾斜フィルタ208、電力分割器210、およびCATV増幅器212を含んでもよい。様々な例において、ベースバンドおよびDFEチップ202は、単一のチップとして、またはベースバンドプロセッサチップおよび別個のDFEチップを含む別個のチップとして実装されてもよい。いくつかの実施形態では、DAC204は、たとえば、DAC204への入力に応じて、RF DACまたはIF DACとして実装されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ベースバンドおよびDFEチップ202、ならびにDAC204は、(たとえば、RFSoCデバイスにあるような)単一のチップとして実装されてもよい。さらに、リモートPHYノードの1つまたは複数の構成要素は、図1のプログラマブル論理デバイスなどのプログラマブル論理デバイスに実装されてもよい。図2に示すように、データファイバは、ベースバンドおよびDFEチップ202への入力として接続され、ベースバンドおよびDFEチップ202の出力は、DAC204への入力として接続される。(勾配がない)電力スペクトル214は、ベースバンドおよびDFEチップ202の出力における信号の形状の一例を提供する。DAC204の出力は、ドライバ206への入力として接続され、ドライバ206の出力は、アナログ傾斜フィルタ208への入力として接続される。ケーブル用途の場合、アナログ傾斜フィルタ208を使用して、信号の電力スペクトル全体の利得を変更することができる。言い方を変えれば、アナログ傾斜フィルタ208は、電力スペクトル全体で信号の電力レベルに勾配を加えるために使用される。電力スペクトル216は、アナログ傾斜フィルタ208の出力における、電力スペクトル214と比較した、信号の勾配(たとえば、本例では正の勾配)を示す。
【0072】
いくつかの実施形態では、アナログ傾斜フィルタ208の出力は、電力分割器210への入力として接続される。図2の例では、電力分割器210は、単一の入力および4つの出力を有する1×4電力分割器を含む。しかしながら、いくつかの実施形態では、電力分割器210は、単一の入力および2つの出力を有する1×2電力分割器、(たとえば、4つの出力を生成するための)1×2電力分割器のカスケード、または別のタイプの電力分割器を含んでもよい。この例では、電力分割器210の4つの出力のそれぞれは、CATV増幅器212への入力として接続されている。次いで、各CATV増幅器212の出力は、同軸ケーブルに結合され、同軸ケーブルは、(たとえば、家での)エンドユーザ位置でケーブルモデムにさらに結合される。少なくともいくつかの実施形態では、ケーブルネットワーク200は、ノード+0アーキテクチャを実装し、これは、リモートPHYノードとエンドユーザ位置との間の同軸ケーブル経路に沿って(リモートPHYノードのCATV増幅器212を超えて)追加のCATV増幅器がないことを意味する。図2はさらに、(たとえば、負の勾配を伴う)同軸ケーブル損失スペクトルを示す電力スペクトル218、CATV増幅器212の出力信号を示す電力スペクトル219、およびエンドユーザ位置に到達する信号の(勾配を伴わない)電力スペクトルを示す電力スペクトル220を示す。前に説明したように、アナログ傾斜フィルタ208は、(たとえば、CATV増幅器212からエンドユーザ位置のケーブルモデムまでの)同軸ケーブル損失を補償するために使用される。
【0073】
少なくともいくつかの既存のケーブルネットワークでは、CATV増幅器は、線形領域で動作する。これは、CATV増幅器の出力での非線形性量が十分に少ないので、追加の信号処理が不要であり、CATV増幅器の出力での信号が、復調および情報転送のために同軸ケーブル上でエンドユーザ位置のケーブルモデムに直接送信され得ることを意味する。しかしながら、DOCSIS3.1に関連するより高度な機能および追加の電力消費構成要素への移行に伴い、各ノード(たとえば、各リモートPHYノード)への電力供給が限られているので、CATV増幅器などの他の構成要素の電力消費量を削減することが望ましい。現在、CATV増幅器の効率は約2~3%であるため、たとえば、20ワットの入力電力を有する単一のCATV増幅器は、約1/2ワットの出力電力を出力する。(たとえば、図2に示すように)4つのCATV増幅器の場合、100ワットの入力電力は、約2ワットの出力電力を出力する。したがって、CATV増幅器をより効率的にすることが非常に望ましい。
【0074】
CATV増幅器をより効率的にするために検討されている少なくとも1つの選択肢は、CATV増幅器をより非線形領域で動作させることである。しかしながら、そうすることは、何らかの追加のデジタル信号処理がなければ、本開示の実施形態により提供されるようにCATV増幅器の出力での信号を同軸ケーブル上でエンドユーザ位置に直接送信できないことを意味する。たとえば、本明細書に開示する実施形態は、以下でより詳細に説明するように、ベースバンドおよびDFEチップ202内に機能を追加し、それにより、CATV増幅器が非線形領域で動作する場合でも、ベースバンドおよびDFEチップ202が、CATV増幅器の出力の信号が依然として線形であり、エンドユーザ位置にあるケーブルモデムによって容易に復調され得るように、信号を反転または変更することが可能となる。言い方を変えれば、CATV増幅器の非線形性が「x」である場合、ベースバンドおよびDFEチップ202内の機能は、CATV増幅器の非線形性「x」によって相殺される逆非線形性「1/x」を追加するように構成される。したがって、CATV増幅器の出力での信号は、クリーンであり線形である。一般に、非線形性を事前に追加するプロセス(たとえば、ベースバンドおよびDFEチップ202で逆非線形性を追加することなど)は、プリディストーションすること、またはプリディストーションと呼ばれる。ベースバンドおよびDFEチップ202のコンテキストにおいて、歪みがデジタル的に追加されるので、プリディストーションは、デジタルプリディストーション(DPD)と呼ばれることがある。様々な実施形態によれば、DPDプロセスは、CATV増幅器(たとえば、CATV増幅器212など)が有する非線形性「x」のタイプの知識を用いて実行され、その結果、DPDプロセスは、適切な逆非線形性「1/x」を追加することができる。したがって、本開示の実施形態によれば、DPDプロセスは、ベースバンドおよびDFEチップ202内に追加される第1の機能である。
【0075】
さらに、ベースバンドおよびDFEチップ202内に追加される第2の機能は、CFRプロセスを含んでもよい。上記で説明したように、CFRプロセスを使用して、信号をクリップし、CFR出力で追加の利得を可能にすることによって、信号のPAPRを低減してもよい。CFRを採用することによって、CATV増幅器をその1dB圧縮点に近づけて動作させることができ、これにより、CATV増幅器の効率が向上する。さらに、DPDプロセスと組み合わせると、CFRプロセスを使用して、DPDの安定性を大幅に向上させ(たとえば、DPDの発散を回避し)、CATV増幅器の効率をさらに向上させることができる。様々な実施形態において、DPDプロセスおよびCFRプロセスは、DAC204、ドライバ206、およびアナログ傾斜フィルタ208のそれぞれによってもたらされる効率ならびに/または歪みを含む、ベースバンドおよびDFEチップ202とCATV増幅器212との間の信号チェーンの知識を用いて実行される。様々な実施形態では、本明細書に開示するDPDプロセスおよびCFRプロセスによって、CATV増幅器の効率が向上し、電力消費量が削減される。
【0076】
いくつかの実施形態では、(たとえば、DPDプロセスおよびCFRプロセスを含む)ベースバンドおよびDFEチップ202内の機能は、主に、ベースバンド出力信号がDFEチップへの入力として提供されるDFE機能として実装されてもよい。したがって、ここで図3を参照すると、本開示の1つまたは複数の態様を実行するように構成されたDFE設計を提供するDFEシステム300が示されている。いくつかの実施形態では、DFEシステム300は、デジタルアップコンバータ(DUC)302を含む。様々な例において、DUC302は、データの1つまたは複数のチャネルを、ベースバンド信号から、1組の1つまたは複数の指定された無線周波数または中間周波数(RF:radio frequenciesまたはIF:intermediate frequencies)で変調されたキャリアを含むパスバンド信号に変換するために使用される。例として、DUC302は、(たとえば、サンプルレートを上げるために)補間を実行すること、(たとえば、スペクトル成形および補間画像の除去を提供するために)フィルタリングすること、および(たとえば、信号スペクトルを所望のキャリア周波数にシフトするために)混合することによって、これを実現する。一般に、DUC302への入力でのサンプルレート、たとえばデジタル通信システムのシンボルレートは、比較的低いが、出力、たとえばさらなるアナログ処理および周波数変換のためにデジタルサンプルをアナログ波形に変換するDACへの入力サンプルレートは、はるかに高いレートである。
【0077】
図3の例に示すように、DUC302に、ベースバンドデータ入力が提供される。ベースバンドデータ入力は、s(n)、s(n)、s(n)、s(n)、s(n)、およびs(n)として表される複数の異なるキャリアを含む。いくつかの実施形態では、ベースバンドデータ入力のサンプリングレートは、約204.8MHzであり、OFDMシンボルクロックに対応する。例として、DUC302は、最初にベースバンドデータ入力の補間を実行することによって(たとえば、ベースバンドデータ入力から)複数の異なるキャリアを生成し、本例では、この補間を使用してサンプリングレートを8倍(8)に増加させ、それにより、第1のクロックドメイン(たとえば、204.8MHzのクロックドメイン)から第2のクロックドメイン(たとえば、1638.4MHzのクロックドメイン)に移行する。補間プロセスの後、複数の異なるキャリアのそれぞれの周波数を所望のキャリア周波数にシフトするために、複数の異なるキャリアのそれぞれは、それぞれが異なる周波数を有する数値制御発振器(NCO:numerically controlled oscillator)からの信号と混合される。たとえば、キャリアs(n)は、第1の周波数を有する第1のNCO(NCO1)と混合され、キャリアs(n)は、第2の周波数を有する第2のNCO(NCO2)と混合され、キャリアs(n)は、第3の周波数を有する第3のNCO(NCO3)と混合され、キャリアs(n)は、第4の周波数を有する第4のNCO(NCO4)と混合され、キャリアs(n)は、第5の周波数を有する第5のNCO(NCO5)と混合され、キャリアs(n)は、第6の周波数を有する第6のNCO(NCO6)と混合される。混合プロセスの後、複数の異なるキャリアのそれぞれが組み合わされて、合成信号c(n)を形成する。したがって、合成信号c(n)は、異なる周波数で混合された複数の異なるキャリアのそれぞれを含む。いくつかの実施形態では、混合プロセスの結果として、合成信号c(n)は、複数の異なるキャリアのそれぞれで周波数が並んで配置されている図5Aに示す信号と実質的に同じに見えることがある。場合によっては、合成信号c(n)の生成後、任意選択で別の補間プロセスが実行されてもよく、図3の例では、補間プロセスを使用して合成信号c(n)のサンプリングレートを2倍に増加させ、それにより、第2のクロックドメイン(たとえば、1638.4MHzのクロックドメイン)から第3のクロックドメイン(たとえば、3276.8MHzのクロックドメイン)に移行する。DUC302による信号処理の後、合成信号c(n)は、DPD-CFRシステム304への入力として提供され、これについては、以下でより詳細に説明する。いくつかの実施形態では、DPD-CFRシステム304の出力は、複素信号から実信号への変換306を受け、複素信号から実信号への変換306の出力は、(たとえば、図2のDAC204であり得る)DACへの入力として提供される。さらに、DFEシステム300の1つまたは複数の構成要素は、図1のプログラマブル論理デバイスなどのプログラマブル論理デバイスに実装されてもよい。
【0078】
前に説明したように、DPDプロセスおよびCFRプロセス、したがってDPD-CFRシステム304は、CATV増幅器が有する非線形性「x」のタイプの知識、ならびにベースバンドおよびDFEチップ202とCATV増幅器212との間の信号チェーンの知識を用いて機能し、その結果、DPD-CFRシステム304は、(たとえば、適切な逆非線形性「1/x」を追加すること、および信号のPAPRを低減することを含む)適切なDPDプロセスおよびCFRプロセスを効果的に実施することができる。たとえば、DPD-CFRシステム304は、(たとえば、非線形効果および信号チェーンを含む)CATV増幅器をモデル化するために使用されてもよい。したがって、DPD-CFRシステム304によって提供されるモデルは、フィードバックデータ308に基づいて生成および/または更新されてもよく、フィードバックデータ308は、(たとえば、CATV増幅器212などの)CATV増幅器の出力信号を含んでもよい。いくつかの実施形態では、フィードバックデータ308は、アナログ/デジタル変換器(ADC)310を介して処理され、デジタルフィードバックデータ311としてDPD/CFR適応エンジン312に提供される。様々な例では、DPD/CFR適応エンジン312は、デジタルフィードバックデータ311に基づいて、DPD-CFRシステム304がCATV増幅器の実行時の挙動に適応できるように、DPD-CFRシステム304を更新する。より具体的には、いくつかの実施形態では、DPD/CFR適応エンジン312は、DPD-CFRシステム304内の他の要素のフィルタまたは構成の係数を決定してもよく、一般に、DPD-CFRシステム304内で、以下で説明するCFRモジュールおよびDPDモジュールを構成してもよい。したがって、DPD-CFRシステム304によって提供されるモデルを、(たとえば、フィードバックデータ308およびDPD/CFR適応エンジン312を介して)継続的に監視および更新することによって、最適なDPDプロセスおよびCFRプロセスを実施することができる。例として、モデルを監視および更新する態様(たとえば、DPD/CFR適応エンジン312の機能など)は、(たとえば、BRAM103内または別のオンチップメモリ位置内の)メモリに格納されたソフトウェアとして実装され、1つまたは複数のオンチッププロセッサ(たとえば、PROC110など)によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、ベースバンドおよびDFEチップ202、DAC204、およびADC310が、(たとえば、RFSoCデバイスにあるような)単一のチップとして実装され得ることに留意されたい。上記で提供されたモデルを監視および更新する例は、決して限定することを意味するものではなく、他の方法が可能であり、本開示の実施形態は提供される例のいずれによっても限定されないことが理解されよう。
【0079】
ここで図4Aを参照すると、本開示の様々な態様を実施するために使用される上記のDPD-CFRシステム304のより詳細な図が示されている。図示のように、DPD-CFRシステム304は、デジタル傾斜フィルタ402、CFRモジュール404、DPDモジュール406、単側波帯ヒルベルトフィルタ412、およびデジタル傾斜等化器414を含んでもよい。DPD-CFRシステム304の1つまたは複数の構成要素は、図1のプログラマブル論理デバイスなどのプログラマブル論理デバイスに実装され得ることに留意されたい。
【0080】
引き続き図4Aを参照して、DPD-CFRシステム304の機能を、より詳細に説明する。たとえば、いくつかの実施形態では、上記で説明した合成信号c(n)を含み得る入力信号x(n)が、デジタル傾斜フィルタ402に提供される。様々な場合において、デジタル傾斜フィルタ402は、アナログ傾斜フィルタ208(図2)をモデル化するために使用されてもよい。したがって、例として、デジタル傾斜フィルタ402の出力は、アナログ傾斜フィルタ208の出力と同様とすることができる。いくつかの実施形態では、
として示すデジタル傾斜フィルタ402の出力は、CFRモジュール404への入力として提供される。様々な実施形態では、CFRモジュール404は、入ってくる信号(たとえば、デジタル傾斜フィルタ402の出力
)のPAPRを低減するためにCFRプロセスを実行してもよい。本実施形態は、CFRモジュール404によって使用される特定のCFR技法に限定されないが、例示的なCFR技法には、適応ベースバンド、中間周波数(IF)クリッピングおよびフィルタリング、ピークウィンドウイング、または別の適切な技法が含まれ得る。CFRプロセスの後、CFRモジュール404は、
として示す出力を、DPDモジュール406に提供する。図示のように、デジタル傾斜フィルタ402の出力(
)はまた、データ経路421に沿って提供され、(たとえば、ブロック423において)信号
に時間遅延が導入される。例として、CFRモジュール404の出力(
)はさらに、データ経路427に沿って提供され、次いで、コンバイナ425を使用して、CFRモジュール404の出力(
)を時間遅延信号
と組み合わせて、信号
をもたらす。
【0081】
いくつかの実施形態では、DPDモジュール406は、CATV増幅器の逆ベースバンド成分、ビデオ成分、および高調波成分をモデル化し、入ってくる信号
に追加するために使用される。図4Bを参照すると、DPDモジュール406のより詳細な図が示されている。図示のように、CFRモジュール404の出力(
)は、非線形データ経路405を含むDPDモジュール406への入力として提供される。様々な実施形態では、非線形データ経路405は、ビデオ帯域幅DPDデータ経路408、ベースバンドDPDデータ経路409、第2高調波DPDデータ経路410、および第3高調波DPDデータ経路411を含む複数の異なる並列データ経路要素を含む。一般に、非線形データ経路405は、CATV増幅器の逆非線形挙動をモデル化して入ってくる信号に追加するために使用される。より具体的には、非線形データ経路405の異なる並列データ経路要素のそれぞれを使用して、CATV増幅器の逆非線形挙動の異なる態様をモデル化し、入ってくる信号(たとえば、CFRモジュール404の出力(
)に追加する。たとえば、ビデオ帯域幅DPDデータ経路408は、逆非線形ビデオ帯域幅成分をモデル化および追加してもよく、ベースバンドDPDデータ経路409は、逆非線形ベースバンド成分をモデル化および追加してもよく、第2高調波DPDデータ経路410は、逆第2高調波成分をモデル化および追加してもよく、第3高調波DPDデータ経路411は、逆第3高調波成分をモデル化および追加してもよい。図示のように、次いで、ビデオ帯域幅DPDデータ経路408、ベースバンドDPDデータ経路409、第2高調波DPDデータ経路410、および第3高調波DPDデータ経路411のそれぞれの出力が組み合わされて、CATV増幅器のベースバンド成分、ビデオ成分、および高調波成分をモデル化する合成信号x’(n)を提供する。
【0082】
図4Aに戻ると、コンバイナ429によって、非線形データ経路405の出力(たとえば、合成信号x’(n))と信号
が組み合わされて、信号x’’(n)をもたらす。その後、信号x’’(n)は、信号x’(n)をさらに変調するために使用され得る単側波帯ヒルベルトフィルタ412への入力として提供され、単側波帯ヒルベルトフィルタ412の出力は、デジタル傾斜等化器414への入力として提供される。例として、デジタル傾斜等化器414は、アナログ傾斜フィルタ208(図2)の逆数をモデル化し、入ってくる信号に追加するために使用されてもよい。したがって、例として、デジタル傾斜等化器414の出力は、アナログ傾斜フィルタ208の効果によって影響を受けない可能性がある(たとえば、または効果を打ち消す可能性がある)。図4Aに示すように、いくつかの実施形態では、入力信号x(n)は、線形データ経路である経路416に沿っても送信される。いくつかの例では、データ経路416は、(たとえば、ブロック417において)単に入力信号x(n)に時間遅延を導入してもよい。さらに、データ経路416に沿って送信される入力信号x(n)は、デジタル傾斜フィルタ402、CFRモジュール404、DPDモジュール406、単側波帯ヒルベルトフィルタ412、およびデジタル傾斜等化器414をバイパスする。したがって、データ経路416に沿って送信される入力信号x(n)の信号変調の品質は、DPD-CFRシステム304の他の要素による影響を受けないままとなる。また、図4Aに示すように、コンバイナ431によってデジタル傾斜等化器414の出力と時間遅延入力信号x(n)419が組み合わされて、出力信号z(n)を提供する。図2図3、および図4Aを参照すると、DPD-CFRシステム304の出力z(n)は、RF DAC204およびアナログ傾斜フィルタ208によってさらに処理されて、信号y(n)をもたらすことができる。例として、信号y(n)は、
として算出されてもよく、ここで、ATF=アナログ傾斜フィルタであり、DTE=デジタル傾斜等化器であり、記号「*」は数学的な畳み込み演算を表すために使用され、DTE*ATF=1(単位伝達関数)である。
【0083】
図5Aを参照すると、例示的な入力スペクトル502が提供されている。いくつかの実施形態では、入力信号x(n)(図4A)は、入力スペクトル502を含んでもよい。上述のように、入力スペクトル502は、前に説明したように(たとえば、DUC302によって)異なる周波数で混合された複数の異なるキャリアのそれぞれを含んでもよく、複数の異なるキャリアのそれぞれは、約66MHzから約1218MHzまでの全帯域幅にわたって周波数が並んで配置される。図5Bを参照すると、例示的な出力スペクトル504が提供されている。いくつかの実施形態では、出力信号z(n)(図4A)は、出力スペクトル504を含んでもよい。図5Bに示すように、出力スペクトル504は、DPD-CFRシステム304によって信号に追加された1つまたは複数の非線形成分506を含む。DPD-CFRシステム304によって実行される処理の結果として、CATV増幅器の効率および信号品質が向上し、電力消費量が削減される。
【0084】
ここで、図6A図6B図7A図7B図7C図8A図8B図9A図9B図10A図10B、および図11を参照すると、本開示の様々な実施形態の利益および利点のうちの少なくともいくつかを示す複数のデータが示されている。最初に図6Aを参照すると、経時的にサンプリングされた傾斜フィルタ出力(たとえば、アナログ傾斜フィルタ208など)の正規化された大きさを示すプロット602が示されている。プロット602は、CFRプロセスが実行されなかった第1のデータセット604を含む。したがって、第1のデータセット604は、大きい(たとえば、約0.78より大きい)ピークを示しており、これは、CATV増幅器においてより高い非線形性をもたらす可能性がある。プロット602はまた、CFRプロセスが実行され、ピークの大きさが(たとえば、約0.78未満に)減少した、第2のデータセット606も含む。したがって、CFRプロセスによって提供されるピークの減少により、CATV増幅器の効率が向上する。さらに、CFRプロセスは、変調誤差比(MER)の性能を損なうことなく実行され得る。図6Bは、CFRプロセスが実行された(たとえば、アナログ傾斜フィルタ208の出力での)電力スペクトル610を示すプロット608を示し、CFRプロセスによってピークの大きさが低減するという利点を示している。図6Aおよび図6Bに示すデータは、シミュレーションされたデータを含み、アナログ傾斜フィルタ208は、シミュレーションの目的でデジタルモデルに置き換えられていることに留意されたい。
【0085】
図7A図7B、および図7Cを参照すると、経時的にサンプリングされた増幅器出力(たとえば、CATV増幅器212など)の正規化された大きさを示すプロット702、708、714が示されている。一般に、プロット702、708、714のデータは、CFRプロセスの有効性の検証を提供し、フィードバックデータ(たとえば、フィードバックデータ308など)のスナップショットを含んでもよい。上述のように、このようなフィードバックデータは、CATV増幅器の出力信号を含んでもよく、DPD/CFR適応エンジン312は、その出力信号を使用して、DPD/CFRシステム304がCATV増幅器のランタイム挙動に適合し得るようにDPD-CFRシステム304内のモデルを更新することができる。場合によっては、異なるCATV増幅器間で一貫性を提供するように、システムをリアルタイムで(たとえば、DPD-CFRシステム304を介して)観察し適合させるために、プロット702、708、714のデータは、異なるCATV増幅器でのフィードバックデータのスナップショットを提供してもよい。代替として、いくつかの例では、特定のCATV増幅器の性能を経時的に観察するために、プロット702、708、714のデータは、異なる時間枠での特定のCATV増幅器でのフィードバックデータのスナップショットを提供してもよい。ここで図7Aを参照すると、プロット702は、CFRプロセスが実行されなかった第1のデータセットを含み、第1のデータセットは、(たとえば、大きさが約0.78より大きい)ピーク704を含み、CATV増幅器での非線形性がより高いことを示し得る。プロット702はまた、CFRプロセスが実行され、ピークの大きさが(たとえば、約0.78未満に)減少した、第2のデータセット706も含む。同様に、プロット708(図7B)およびプロット714(図7C)は、CFRプロセスが実行されなかったデータセットのピーク710、716、およびCFRプロセスが実行されたデータセット712、718を示す。前と同様に、CFRプロセスによって提供されるピークの減少により、CATV増幅器の効率が向上する。
【0086】
ここで図8Aを参照すると、1122MHzでのシングルキャリアの累積分布関数(CCDF)プロット802が示されており、CFRプロセスの実行なしの第1のCCDF曲線804、およびCFRプロセスを実行した結果として生じる第2のCCDF曲線806を示している。CCDF曲線は、信号が所与の電力レベル以上で費やす時間を示すために使用され、電力レベルは、平均信号電力(たとえば、波高率)に対するdBで表される。言い方を変えれば、CCDF曲線は、信号が所与の電力レベル以上である確率を示すために使用される。図8Aを参照すると、x軸は、平均信号電力(たとえば、波高率)を超えるdB値を示し、y軸は、信号がx軸によって指定された電力レベル以上で費やす時間の割合を示す。第2のCCDF曲線806(CFRあり)は、第1のCCDF曲線804(CFRなし)と比較して、波高率が約2dB減少している。その結果、CATV増幅器はより一貫性のあるより効率的な性能を提供することが期待される。図8Bは、第2のCCDF曲線806(CFRあり)に対応し、CFRプロセスによって波高率が低減した、CFRプロセスが実行された電力スペクトル810を示すプロット808を提供する。
【0087】
図9Aおよび図9Bを参照すると、振幅対振幅(AM/AM)歪みを示すCATV増幅器伝達関数のプロット902、908が示されており、AM/AM歪みは、信号の利得の圧縮または拡張を測定するために使用される。言い換えれば、CATV増幅器の利得が入力電力に対して一定でなくなった場合(たとえば、出力電力が入力電力と線形的に関連しなくなった場合)、AM/AM歪みの非線形性が増加する。本例では、プロット902(図9A)は、CFRプロセスが実行されないデータを提供し、プロット908(図9B)は、CFRプロセスが実行されるデータを提供する。さらに、プロット902は、DPDプロセスが実行されない第1の曲線904、およびDPDプロセスが実行される第2の曲線906を含む。第1の曲線904を参照すると、入力電力が大きいほど、出力電力の圧縮が増加することが分かる(たとえば、CATV増幅器の非線形性が増加していることは明らかである)。DPDプロセス(CFRなし)を使用すると、第2の曲線906は、CATV増幅器の非線形性を実質的に修正し、信号圧縮を低減することが可能であることを示している。プロット908はまた、DPDプロセスが実行されない第1の曲線910、およびDPDプロセスが実行される第2の曲線912も含む。(プロット908に示すデータの場合)CFRプロセスを実行し、PAPRを低減することによって、正規化された入力電力は約0.8に限定される。したがって、第1の曲線910(DPDなし)を参照すると、信号圧縮が比較的少なく、その結果、CATV増幅器のより制御された効率的な性能がもたらされる。この例では、DPDプロセス(CFRあり)を使用すると、(CFRプロセスによって)入力電力を制限することにより、DPDプロセスが修正する非線形性が少なくなるので、第2の曲線912は、第1の曲線910と比較して改善がわずかであることを示している。
【0088】
図10Aおよび図10Bは、CFRプロセスを使用する場合およびCFRプロセスを使用しない場合の例示的なDPD性能(たとえば、DPD出力安定性性能)を提供する。図10Aは、CFRプロセスが実行されないデータを提供するプロット1002を含み、図10Bは、CFRプロセスが実行されるデータを提供するプロット1008を含む。さらに、プロット1002(CFRなし)は、DPD入力信号を表す第1の曲線1004、およびDPD出力信号を表す第2の曲線1006を含む。この例では、DPD出力信号(1006)は、CFRプロセスなしでは安定せず、約2のDPD出力信号範囲を超えて発散し始める。上記で説明したように、CATV増幅器の非線形性が高いので、入力電力が大きいほど出力電力の圧縮が増加する。このような高電力領域でのCATV増幅器の動作を回避するために、CFRプロセスを実行することができる。たとえば、プロット1008(CFRあり)は、DPD入力信号を表す第1の曲線1010、およびDPD出力信号を表す第2の曲線1012を含む。この例では、CFRプロセスが実行されるので、DPD出力信号(1012)は安定しており、発散しない。プロット1008のデータについては、1.3dBのCFRを適用した。しかしながら、様々な実施形態において、適用されるCFRの量は、特定のCATV増幅器用または特定の設置/展開用に必要に応じて調整されてもよい。さらに、本開示は、DPDおよびCFRの両方の利益を説明しているが、様々な実施形態が、DPDプロセスおよびCFRプロセスの一方または両方を使用し得ることを理解されたい。しかしながら、少なくともいくつかの例では、所与の展開に対してDPDプロセスとCFRプロセスの両方を使用することによって、最大のCATV増幅器効率を達成するとともに、DPDの発散を回避することもできる。
【0089】
図11を参照すると、CATV増幅器の変調誤差比(MER)データを含み、DPD-CFRシステム304によって提供される補正を適用した場合のMERデータに対する効果を示す表が示されている。例として、MERは、デジタル変調(QAMなど)を使用する通信システムにおいてデジタル無線(または、デジタルTV)送信機または受信機の性能を定量化するために使用される測定値である。図11の例の場合、試験中のCATV増幅器モジュールは、V=34Vで動作可能である。MERデータをケーブル業界の仕様と比較すると、MER=41dB、4KQAM、76.8dbmV/75Ωである。CATV増幅器は6つのキャリアで試験されており、第1のキャリアは、キャリア周波数204MHzの4K QAM信号であり、第2のキャリアは、キャリア周波数396MHzの4K QAM信号であり、第3のキャリアは、キャリア周波数588MHzの4K QAM信号であり、第4のキャリアは、キャリア周波数786MHzの4K QAM信号であり、第5のキャリアは、キャリア周波数930MHzの4K QAM信号であり、第6のキャリアは、キャリア周波数1122MHzの4K QAM信号である。第1の試験1102では、CATV増幅器がバイアス電流440mAで動作し、DPD補正もCFR補正もない場合、試験されたキャリアはいずれも、MER=41dBの仕様を満たしていない。第2の試験1104では、CATV増幅器がバイアス電流440mAで動作し、DPD補正があり、CFR補正がない場合、第1のキャリアがMER=41dBの仕様を満たしていない。さらに、第2の試験1104では、DPDの安定性が低下し、DPDの発散が発生する。第3の試験1106では、CATV増幅器がバイアス電流440mAで動作し、DPDとCFRの両方の補正が適用され、試験されたすべてのキャリアがMER=41dBの仕様を満たし、DPDの発散が回避される。また、CATV増幅器をバイアス電流440mAで動作させることによって、(CATV増幅器をバイアス電流530mAで動作させるいくつかの適用例と比較して)MER性能を維持しながら増幅器あたり約3ワットの削減を達成できることにも留意されたい。
【0090】
ここで図12を参照すると、様々な実施形態による、DPD-CFRシステムにおいて波高率低減プロセスおよびデジタルプリディストーションプロセスを実行するための方法1200が示されている。方法1200は、ブロック1202で開始し、図4AのDPD-CFRシステム304などのDPD-CFRシステムの入力で、入力信号が受信される。上記のように、いくつかの実施形態では、入力信号は、入力信号x(n)(図4A)を含んでもよく、さらに入力信号x(n)は、DUC302(図3)によって生成された合成信号c(n)を含んでもよい。いくつかの例では、方法1200はブロック1204に進み、DPD-CFRシステムのCFRモジュールで、入力信号に対してCFRプロセスが実行されて、第1の出力信号を生成する。たとえば、CFRプロセスは、CFRモジュール404(図4A)によって実行されてもよい。様々な場合において、CFRプロセスは、入力信号のピーク対平均電力比(PAPR)を低減するために実行される。いくつかの実施形態では、入力信号は、
図4A)として示される信号を含み、第1の出力信号は、
図4A)として示される信号を含む。方法1200はブロック1206に進み、DPD-CFRシステムのDPDモジュールで、第1の出力信号に対してDPDプロセスが実行されて、DPD-CFR出力信号を生成する。いくつかの実施形態では、DPDモジュールは、CFRモジュールの出力に結合された非線形データ経路を含む。さらに、DPDモジュールの非線形データ経路は、図4Bの非線形データ経路406を含んでもよい。したがって、非線形データ経路は、複数の並列データ経路要素を含んでもよい。いくつかの例では、複数の並列データ経路要素は、ビデオ帯域幅DPDデータ経路404、ベースバンドDPDデータ経路406、第2高調波DPDデータ経路408、および第3高調波DPDデータ経路410を含む。いくつかの例では、異なる並列データ経路要素のそれぞれを使用して、入ってくる信号に、CATV増幅器の逆非線形挙動の異なる態様を追加してもよい。いくつかの実施形態では、コンバイナは、複数の並列データ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせて、合成信号x’(n)(図4B)を生成し、合成信号x’(n)は、CATV増幅器のベースバンド成分、ビデオ成分、および高調波成分をモデル化する。様々な実施形態では、方法1200はブロック1208に進み、DPD-CFR出力信号は、CATV増幅器(たとえば、図2のCATV増幅器212など)に提供される。本開示の実施形態によれば、DPD-CFR出力信号は、信号のPAPRを低減し、CATV増幅器の複数の非線形成分を補償するように構成される。次いで、方法1200はブロック1210に進み、CATV増幅器の出力から受信されたフィードバックデータ(たとえば、図3のフィードバックデータ308など)を使用して、DPD-CFRシステムの構成を更新してもよい。方法1200の前、最中、および後に追加の方法ステップが実施されてもよく、本開示の範囲から逸脱することなく、方法1200の様々な実施形態に従って、上記のいくつかの方法ステップが置き換えられるか、または削除され得ることが理解されよう。
【0091】
様々な構成(たとえば、ケーブルネットワーク200、DFEシステム300、およびDPD-CFRシステム304の構成要素、図4Bの並列データ経路要素の数、ならびに図に示されている他の特徴および構成要素)は単なる例示であり、添付の特許請求の範囲に具合的に記載されているものを超えて限定するものではないことに留意されたい。当業者には、他の構成が使用され得ることが理解されよう。また、例示的なケーブルネットワーク200が示されているが、本明細書に開示するDPD-CFRシステムは、たとえば他の通信システムが有害な非線形挙動を示す増幅器を配置している場合、他の通信システムにおいて使用され得る。
【0092】
上記で説明したように、ケーブル業界は、インターネット、電話通信、およびビデオサービスのデータレートの向上に対する需要に応えるために、DOCSIS3.1規格に基づいた、高データレートかつ広帯域の新しいリモートPHYノードを展開している。DOCSIS3.1は、4096(4K)直交振幅変調(QAM)をサポートし、直交周波数分割多重方式(OFDM)を使用する。したがって、DOCSIS3.1の送信信号品質要件は、現在の規格DOCSIS3.0よりもはるかに高くなっている。ケーブルテレビ(CATV)増幅器は、DOCSIS3.1に関連する機能がより高度であることに起因して、非線形領域で動作する場合がある。CATV増幅器の非線形効果により、送信信号品質が大幅に低下する。さらに、DOCSIS3.1の高データレートおよびより高度な機能を提供する新しい構成要素は、それ自体が電力を消費する。しかしながら、各ノード(たとえば、各リモートPHYノード)への電力供給は固定されているので、他の構成要素(たとえば、CATV増幅器など)の電力消費量を削減する必要がある。したがって、DOCSIS3.1の先進性能を提供することが望ましい一方で、送信信号品質を向上させ、他の構成要素(たとえば、CATV増幅器など)の電力消費量を削減しながら、先進性能の提供を実現することは困難であった。
【0093】
少なくともいくつかの既存の技法では、(たとえば、CATV増幅器からケーブルモデムまでの)同軸ケーブル損失を補償するために、1.2GHzケーブルスペクトルにわたって最大22dBの大幅な減衰を伴う傾斜等化器(傾斜フィルタ)がアナログ伝送路に実装される。しかしながら、4K QAM OFDM変調を使用したDOCSIS3.1波形は、現在のDOCSIS3.0規格と比較して、高いピーク対平均電力比(PAPR)を示す。そのため、DOCSIS3.0のCATV増幅器の同じRMS電力出力の場合、DOCSIS3.1波形のピークは、CATV増幅器の非線形領域内となる。したがって、送信信号品質が低下する。デジタルプリディストーション(DPD)を使用すると、たとえば、CATVをより効率の高い領域で動作させることによって、CATV増幅器の信号品質を向上させることができる。DPDは、信号帯域幅がケーブル通信技術に使用される帯域幅よりもはるかに狭いワイヤレス通信技術に使用されてきた。さらに、ワイヤレス通信では、ワイヤレス構成要素の非線形効果の高調波は、信号帯域幅に分類されない。したがって、ワイヤレス通信のためのDPDは、ベースバンド周波数を中心として投影される非線形成分をモデル化するだけで済む。しかしながら、ケーブル用途においては、CATV増幅器信号の非線形効果の高調波は、信号帯域幅に分類される。したがって、ケーブル用途向けのDPD実装では、CATV増幅器の非線形効果の高調波成分をモデル化すべきである。これとは別に、デジタルドメインにおいて、大幅な減衰を伴う傾斜等化器を実装することはできず、デジタル傾斜等化器を実装すると、デジタル/アナログ変換器(DAC)の有限なデジタル分解能に起因して、低周波数キャリアの送信波形の品質が低下することになる。集積回路(IC)ソリューションの場合、デジタルフロントエンド(DFE)チップ内に実装されたDPDデータ経路が、CATV増幅器の非線形効果の高調波成分およびCATV増幅器における送信スペクトルにわたる大幅な減衰のモデル化に対するソリューションを提供できることが発見された。したがって、本開示の実施形態は、送信信号品質の向上、およびCATV増幅器の電力消費量の削減を提供する。
【0094】
上記の概略的な理解を念頭に置いて、CATV増幅器のプリディストーションのための方法および回路を提供するための様々な実施形態について、以下で概略的に説明する。上記の実施形態のうちの1つまたは複数は、特定のタイプのICを使用して例示されているので、そのようなICの詳細な説明を以下に示す。しかしながら、他のタイプのICが、本明細書に記載の実施形態のうちの1つまたは複数から利益を得る場合があることを理解されたい。
【0095】
プログラマブル論理デバイス(「PLD」)は、指定された論理機能を実行するようにプログラムされ得る、よく知られているタイプの集積回路である。あるタイプのPLDであるフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)は、典型的には、プログラマブルタイルのアレイを含む。これらのプログラマブルタイルは、たとえば、入出力ブロック(「IOB」)、構成可能論理ブロック(「CLB」)、専用のランダムアクセスメモリブロック(「BRAM」)、乗算器、デジタル信号処理ブロック(「DSP」)、プロセッサ、クロックマネージャ、遅延ロックループ(「DLL」)などを含む。「含む」および「含んでいる」は、本明細書で使用される場合、限定を伴わずに含むことを意味する。
【0096】
各プログラマブルタイルは、典型的には、プログラマブル相互接続部とプログラマブル論理の両方を含む。プログラマブル相互接続部は、典型的には、プログラマブル相互接続点(「PIP」)によって相互接続された長さの異なる多数の相互接続線を含む。プログラマブル論理は、たとえば、関数発生器、レジスタ、算術論理などを含み得るプログラマブル要素を使用して、ユーザ設計の論理を実装する。
【0097】
プログラマブル相互接続部およびプログラマブル論理は、典型的には、プログラマブル要素がどのように構成されるかを定義する構成データのストリームを内部構成メモリセルにロードすることによってプログラムされる。構成データは、メモリから(たとえば、外部PROMから)読出し可能であるか、または外部デバイスによってFPGAに書込み可能である。次いで、個々のメモリセルの集合状態が、FPGAの機能を決定する。
【0098】
別のタイプのPLDは、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)である。CPLDは、相互接続スイッチマトリクスによって互いに接続され、入出力(「I/O」)リソースに接続された2つ以上の「機能ブロック」を含む。CPLDの各機能ブロックは、プログラマブル論理アレイ(「PLA:Programmable Logic Array」)およびプログラマブルアレイ論理(「PAL:Programmable Array Logic」)デバイスで使用されるものと同様の2レベルのAND/OR構造を含む。CPLDでは、構成データは典型的には、不揮発性メモリにオンチップで格納される。いくつかのCPLDでは、構成データは、不揮発性メモリにオンチップで格納され、次いで、初期構成(プログラミング)シーケンスの一部として揮発性メモリにダウンロードされる。
【0099】
一般に、これらのプログラマブル論理デバイス(「PLD」)のそれぞれにおいて、デバイスの機能は、その目的のためにデバイスに提供される構成データによって制御される。構成データは、揮発性メモリ(たとえば、FPGAおよびいくつかのCPLDで一般的なスタティックメモリセル)、不揮発性メモリ(たとえば、いくつかのCPLDにおけるフラッシュメモリ)、または任意の他のタイプのメモリセルに格納することができる。
【0100】
他のPLDは、デバイス上の様々な要素をプログラム可能に相互接続する金属層などの処理層を適用することによってプログラムされる。これらのPLDは、マスクプログラマブルデバイスとして知られている。PLDはまた、たとえば、ヒューズまたはアンチヒューズ技術を用いて、他の方法でも実装され得る。「PLD」および「プログラマブル論理デバイス」という用語は、これらの例示的なデバイスを含むがこれらに限定されず、同様に、部分的にのみプログラム可能なデバイスも含む。たとえば、あるタイプのPLDは、ハードコード化されたトランジスタ論理と、ハードコード化されたトランジスタ論理をプログラム可能に相互接続するプログラマブルスイッチファブリックとの組合せを含む。
【0101】
上述のように、高度なFPGAは、アレイ内にいくつかの異なるタイプのプログラマブル論理ブロックを含むことができる。再び例を参照すると、図1は、例示的なFPGAアーキテクチャ100を示す。FPGAアーキテクチャ100は、マルチギガビットトランシーバ(「MGT」)101、構成可能論理ブロック(「CLB」)102、ランダムアクセスメモリブロック(「BRAM」)103、入出力ブロック(「IOB」)104、構成およびクロッキング論理(「CONFIG/CLOCKS」)105、デジタル信号処理ブロック(「DSP」)106、特殊化された入出力ブロック(「I/O」)107(たとえば、構成ポートおよびクロックポート)、ならびにデジタルクロックマネージャ、アナログ/デジタル変換器、システム監視論理などの他のプログラマブル論理108などを含む、多数の異なるプログラマブルタイルを含む。いくつかのFPGAは、専用のプロセッサブロック(「PROC」)110も含む。いくつかの実施形態では、FPGAアーキテクチャ100は、複数の無線周波数アナログ/デジタル変換器(RF-ADC)および複数の無線周波数デジタル/アナログ変換器(RF-DAC)を含む、RFデータ変換器サブシステムを含む。様々な例では、RF-ADCおよびRF-DACは、実数データ用に個別に構成されても、実数と虚数のI/Qデータ用にペアで構成されてもよい。少なくともいくつかの例では、FPGAアーキテクチャ100は、RFSoCデバイスを実装してもよい。
【0102】
いくつかのFPGAでは、各プログラマブルタイルは、図1の上部に含まれる例によって示すように、同じタイル内のプログラマブル論理要素の入力端子および出力端子120への接続部を有する少なくとも1つのプログラマブル相互接続要素(「INT」)111を含むことができる。各プログラマブル相互接続要素111は、同じタイルまたは他のタイル内の隣接するプログラマブル相互接続要素の相互接続セグメント122への接続部も含むことができる。各プログラマブル相互接続要素111は、論理ブロック(図示せず)間の一般的なルーティングリソースの相互接続セグメント124への接続も含むことができる。一般的なルーティングリソースは、相互接続セグメント(たとえば、相互接続セグメント124)のトラックを含む論理ブロック(図示せず)と相互接続セグメントを接続するためのスイッチブロック(図示せず)との間のルーティングチャネルを含むことができる。一般的なルーティングリソースの相互接続セグメント(たとえば、相互接続セグメント124)は、1つまたは複数の論理ブロックに及ぶことがある。プログラマブル相互接続要素111は、一般的なルーティングリソースと共に、図示したFPGA用のプログラマブル相互接続構造(「プログラマブル相互接続部」)を実装する。
【0103】
例示的な実装形態では、CLB102は、ユーザ論理に加えて単一のプログラマブル相互接続要素(「INT」)111を実装するようにプログラムされ得る構成可能論理要素(「CLE」)112を含むことができる。BRAM103は、1つまたは複数のプログラマブル相互接続要素に加えて、BRAM論理要素(「BRL」)113を含むことができる。典型的には、タイルに含まれる相互接続要素の数は、タイルの高さに依存する。図示の例では、BRAMタイルの高さは5つのCLBと同じであるが、他の数(たとえば、4つ)も使用することができる。DSPタイル106は、適切な数のプログラマブル相互接続要素に加えて、DSP論理要素(「DSPL」)114を含むことができる。IOB104は、たとえば、プログラマブル相互接続要素111の1つのインスタンスに加えて、入出力論理要素(「IOL」)115の2つのインスタンスを含むことができる。当業者には明らかであるように、たとえば、I/O論理要素115に接続された実際のI/Oパッドは、典型的には、入出力論理要素115の領域に限定されない。
【0104】
図1の例では、(たとえば、図1に示す領域105、107、および108で形成される)ダイの中心付近の(水平方向に示されている)エリアを、構成、クロック、および他の制御論理に使用することができる。この水平エリアから延在する(垂直方向に示されている)列109または他の列を使用して、FPGAの幅全体にクロックおよび構成信号を分配してもよい。
【0105】
図1に示すアーキテクチャを利用するいくつかのFPGAは、FPGAの大部分を構成する規則的な列型構造を乱す追加の論理ブロックを含む。追加の論理ブロックは、プログラマブルブロックおよび/または専用論理とすることができる。たとえば、PROC110は、CLBおよびBRAMの複数の列に及ぶ。PROC110は、単一のマイクロプロセッサから、マイクロプロセッサ、メモリコントローラ、周辺機器などの総合的なプログラマブル処理システムに至るまでの様々な構成要素を含むことができる。
【0106】
一態様では、PROC110は、ICのプログラマブル回路を実装するダイの一部として製造される専用回路、たとえばハードワイヤードプロセッサとして実装される。PROC110は、個々のプロセッサ、たとえば、プログラムコードを実行できる単一のコアから、1つまたは複数のコア、モジュール、コプロセッサ、インターフェースなどを有するプロセッサシステム全体まで複雑に広がる様々な異なるプロセッサタイプおよび/またはシステムのいずれかを表すことができる。
【0107】
別の態様では、PROC110は、アーキテクチャ100から省略されており、記載されているプログラマブルブロックの他の種類のうちの1つまたは複数と置き換えられてもよい。さらに、このようなブロックは、PROC110の場合のように、プログラマブル回路の様々なブロックを使用してプログラムコードを実行できるプロセッサを形成することができるという点で、「ソフトプロセッサ」を形成するために利用されることがある。
【0108】
「プログラマブル回路」という語は、IC内のプログラマブル回路要素、たとえば、本明細書に記載の様々なプログラム可能または構成可能な回路ブロックまたはタイル、ならびにICにロードされる構成データに従って様々な回路ブロック、タイル、および/または要素を選択的に結合する相互接続回路を指すことがある。たとえば、図1に示す、CLB102およびBRAM103などのPROC110の外部にある部分は、ICのプログラマブル回路と見なすことができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、プログラマブル回路の機能および接続性は、構成データがICにロードされるまで確立されない。構成データのセットを使用して、FPGAなどのICのプログラマブル回路をプログラムすることができる。構成データは、場合によっては「構成ビットストリーム」と呼ばれる。一般に、プログラマブル回路は、最初に構成ビットストリームをICにロードしない限り、動作も機能もしない。構成ビットストリームは、プログラマブル回路内の特定の回路設計を効果的に実装またはインスタンス化する。回路設計は、たとえば、プログラマブル回路ブロックの機能的側面および様々なプログラマブル回路ブロック間の物理的接続を指定する。
【0110】
いくつかの実施形態では、「ハードワイヤード」または「ハード化された」、すなわちプログラム可能でない回路が、ICの一部として製造される。プログラマブル回路とは異なり、ハードワイヤード回路または回路ブロックは、構成ビットストリームのロードによるICの製造後に実装されない。ハードワイヤード回路は、一般に、たとえば、構成ビットストリームを最初にIC、たとえばPROC 110にロードすることなく機能する専用の回路ブロックおよび相互接続部を有すると考えられる。
【0111】
場合によっては、ハードワイヤード回路は、IC内の1つまたは複数のメモリ要素に記憶されているレジスタ設定または値に従って設定または選択できる1つまたは複数の動作モードを有することができる。動作モードは、たとえば、構成ビットストリームをICにロードすることで設定することができる。この機能にもかかわらず、ハードワイヤード回路は、ICの一部として製造されたときに動作可能であるとともに特定の機能を有するので、プログラマブル回路とは見なされない。
【0112】
上記で説明したように、図1は、プログラマブル回路、たとえばプログラマブルファブリックを含むICを実装するために使用することができる例示的なアーキテクチャを例示するためのものである。たとえば、行内の論理ブロックの数、行の相対幅、行の数および順序、行に含まれる論理ブロックのタイプ、論理ブロックの相対サイズ、ならびに図1の上部に含まれる相互接続/論理の実装は、単なる例示である。たとえば、実際のICでは、ユーザ論理の効率的な実装を容易にするために、CLBが表示されている場所には通常、2つ以上の隣接するCLB行が含まれるが、隣接するCLB行の数はICの全体的なサイズと共に変化する。さらに、図1のFPGAは、本明細書に記載の相互接続回路の例を使用することができるプログラマブルICの一例を示している。本明細書に記載の相互接続回路は、CPLDなどの他のタイプのプログラマブルICにおいて、または論理要素を選択的に結合するためのプログラマブル相互接続構造を有する任意のタイプのプログラマブルICにおいて使用することができる。
【0113】
CATV増幅器のプリディストーションのための方法および回路を実装することができるICは、図1に示す例示的なICに限定されず、他の構成を有するIC、または他のタイプのICも、CATV増幅器のプリディストーションのための方法および回路を実装できることに留意されたい。
【0114】
次に図2を参照すると、(たとえば、光ファイバを含み得る)データファイバから始まり、リモートノードを通り(たとえば、家での)エンドユーザ位置までの信号経路を示すケーブルネットワーク200が示されている。ケーブルネットワーク200は、ハイブリッドファイバ同軸ネットワークの一部とすることができ、データファイバは中央ヘッドエンドからリモートノードまで通っており、同軸ケーブルはリモートノードからエンドユーザまで通っている。いくつかの例では、リモートノードは、DOCSIS3.1規格に基づくリモートPHYノードを含む。リモートPHYノードは、いくつかの実施形態では、ベースバンドおよびデジタルフロントエンド(DFE:digital front-end)チップ202、デジタル/アナログ変換器(DAC)204、(たとえば、増幅器を含み得る)ドライバ206、アナログ傾斜フィルタ208、電力分割器210、およびCATV増幅器212を含んでもよい。様々な例において、ベースバンドおよびDFEチップ202は、単一のチップとして、またはベースバンドプロセッサチップおよび別個のDFEチップを含む別個のチップとして実装されてもよい。いくつかの実施形態では、DAC204は、たとえば、DAC204への入力に応じて、RF DACまたはIF DACとして実装されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ベースバンドおよびDFEチップ202、ならびにDAC204は、(たとえば、RFSoCデバイスにあるような)単一のチップとして実装されてもよい。さらに、リモートPHYノードの1つまたは複数の構成要素は、図1のプログラマブル論理デバイスなどのプログラマブル論理デバイスに実装されてもよい。図2に示すように、データファイバは、ベースバンドおよびDFEチップ202への入力として接続され、ベースバンドおよびDFEチップ202の出力は、DAC204への入力として接続される。(勾配がない)電力スペクトル214は、ベースバンドおよびDFEチップ202の出力における信号の形状の一例を提供する。DAC204の出力は、ドライバ206への入力として接続され、ドライバ206の出力は、アナログ傾斜フィルタ208への入力として接続される。ケーブル用途の場合、アナログ傾斜フィルタ208を使用して、信号の電力スペクトル全体の利得を変更することができる。言い方を変えれば、アナログ傾斜フィルタ208は、電力スペクトル全体で信号の電力レベルに勾配を加えるために使用される。電力スペクトル216は、アナログ傾斜フィルタ208の出力における、電力スペクトル214と比較した、信号の勾配(たとえば、本例では正の勾配)を示す。
【0115】
いくつかの実施形態では、アナログ傾斜フィルタ208の出力は、電力分割器210への入力として接続される。図2の例では、電力分割器210は、単一の入力および4つの出力を有する1×4電力分割器を含む。しかしながら、いくつかの実施形態では、電力分割器210は、単一の入力および2つの出力を有する1×2電力分割器、(たとえば、4つの出力を生成するための)1×2電力分割器のカスケード、または別のタイプの電力分割器を含んでもよい。この例では、電力分割器210の4つの出力のそれぞれは、CATV増幅器212への入力として接続されている。次いで、各CATV増幅器212の出力は、同軸ケーブルに結合され、同軸ケーブルは、(たとえば、家での)エンドユーザ位置でケーブルモデムにさらに結合される。少なくともいくつかの実施形態では、ケーブルネットワーク200は、ノード+0アーキテクチャを実装し、これは、リモートPHYノードとエンドユーザ位置との間の同軸ケーブル経路に沿って(リモートPHYノードのCATV増幅器212を超えて)追加のCATV増幅器がないことを意味する。図2はさらに、(たとえば、負の勾配を伴う)同軸ケーブル損失スペクトルを示す電力スペクトル218、CATV増幅器212の出力信号を示す電力スペクトル219、およびエンドユーザ位置に到達する信号の(勾配を伴わない)電力スペクトルを示す電力スペクトル220を示す。前に説明したように、アナログ傾斜フィルタ208は、(たとえば、CATV増幅器212からエンドユーザ位置のケーブルモデムまでの)同軸ケーブル損失を補償するために使用される。
【0116】
少なくともいくつかの既存のケーブルネットワークでは、CATV増幅器は、線形領域で動作する。これは、CATV増幅器の出力での非線形性量が十分に少ないので、追加の信号処理が不要であり、CATV増幅器の出力での信号が、復調および情報転送のために同軸ケーブル上でエンドユーザ位置のケーブルモデムに直接送信され得ることを意味する。しかしながら、DOCSIS3.1に関連するより高度な機能および追加の電力消費構成要素への移行に伴い、各ノード(たとえば、各リモートPHYノード)への電力供給が限られているので、CATV増幅器などの他の構成要素の電力消費量を削減することが望ましい。現在、CATV増幅器の効率は約2~3%であるため、たとえば、20ワットの入力電力を有する単一のCATV増幅器は、約1/2ワットの出力電力を出力する。(たとえば、図2に示すように)4つのCATV増幅器の場合、100ワットの入力電力は、約2ワットの出力電力を出力する。したがって、CATV増幅器をより効率的にすることが非常に望ましい。
【0117】
CATV増幅器をより効率的にするために検討されている少なくとも1つの選択肢は、CATV増幅器をより非線形領域で動作させることである。しかしながら、そうすることは、何らかの追加のデジタル信号処理がなければ、本開示の実施形態により提供されるようにCATV増幅器の出力での信号を同軸ケーブル上でエンドユーザ位置に直接送信できないことを意味する。たとえば、本明細書に開示する実施形態は、以下でより詳細に説明するように、ベースバンドおよびDFEチップ202内に機能を追加し、それにより、CATV増幅器が非線形領域で動作する場合でも、ベースバンドおよびDFEチップ202が、CATV増幅器の出力の信号が依然として線形であり、エンドユーザ位置にあるケーブルモデムによって容易に復調され得るように、信号を反転または変更することが可能となる。言い方を変えれば、CATV増幅器の非線形性が「x」である場合、ベースバンドおよびDFEチップ202内の機能は、CATV増幅器の非線形性「x」によって相殺される逆非線形性「1/x」を追加するように構成される。したがって、CATV増幅器の出力での信号は、クリーンであり線形である。一般に、非線形性を事前に追加するプロセス(たとえば、ベースバンドおよびDFEチップ202で逆非線形性を追加することなど)は、プリディストーションすること、またはプリディストーションと呼ばれる。ベースバンドおよびDFEチップ202のコンテキストにおいて、歪みがデジタル的に追加されるので、プリディストーションは、デジタルプリディストーション(DPD)と呼ばれることがある。様々な実施形態によれば、DPDプロセスは、CATV増幅器(たとえば、CATV増幅器212など)が有する非線形性「x」のタイプの知識を用いて実行され、その結果、DPDプロセスは、適切な逆非線形性「1/x」を追加することができる。さらに、DPDプロセスは、DAC204、ドライバ206、およびアナログ傾斜フィルタ208のそれぞれによってもたらされる効率ならびに/または歪みを含む、ベースバンドおよびDFEチップ202とCATV増幅器212との間の信号チェーンの知識を用いて実行される。様々な実施形態では、本明細書に開示するDPDプロセスによって、CATV増幅器の効率が向上し、電力消費量が削減される。
【0118】
いくつかの実施形態では、(逆非線形性を追加するように構成された)ベースバンドおよびDFEチップ202内の機能は、主に、ベースバンド出力信号がDFEチップへの入力として提供されるDFE機能として実装されてもよい。したがって、ここで図3を参照すると、本開示の1つまたは複数の態様を実行するように構成されたDFE設計を提供するDFEシステム300が示されている。いくつかの実施形態では、DFEシステム300は、デジタルアップコンバータ(DUC)302を含む。様々な例において、DUC302は、データの1つまたは複数のチャネルを、ベースバンド信号から、1組の1つまたは複数の指定された無線周波数または中間周波数(RFまたはIF)で変調されたキャリアを含むパスバンド信号に変換するために使用される。例として、DUC302は、(たとえば、サンプルレートを上げるために)補間を実行すること、(たとえば、スペクトル成形および補間画像の除去を提供するために)フィルタリングすること、および(たとえば、信号スペクトルを所望のキャリア周波数にシフトするために)混合することによって、これを実現する。一般に、DUC302への入力でのサンプルレート、たとえばデジタル通信システムのシンボルレートは、比較的低いが、出力、たとえばさらなるアナログ処理および周波数変換のためにデジタルサンプルをアナログ波形に変換するDACへの入力サンプルレートは、はるかに高いレートである。
【0119】
図3の例に示すように、DUC302に、ベースバンドデータ入力が提供される。ベースバンドデータ入力は、s(n)、s(n)、s(n)、s(n)、s(n)、およびs(n)として表される複数の異なるキャリアを含む。いくつかの実施形態では、ベースバンドデータ入力のサンプリングレートは、約204.8MHzであり、OFDMシンボルクロックに対応する。例として、DUC302は、最初にベースバンドデータ入力の補間を実行することによって(たとえば、ベースバンドデータ入力から)複数の異なるキャリアを生成し、本例では、この補間を使用してサンプリングレートを8倍(8)に増加させ、それにより、第1のクロックドメイン(たとえば、204.8MHzのクロックドメイン)から第2のクロックドメイン(たとえば、1638.4MHzのクロックドメイン)に移行する。補間プロセスの後、複数の異なるキャリアのそれぞれの周波数を所望のキャリア周波数にシフトするために、複数の異なるキャリアのそれぞれは、それぞれが異なる周波数を有する数値制御発振器(NCO:numerically controlled oscillator)からの信号と混合される。たとえば、キャリアs(n)は、第1の周波数を有する第1のNCO(NCO1)と混合され、キャリアs(n)は、第2の周波数を有する第2のNCO(NCO2)と混合され、キャリアs(n)は、第3の周波数を有する第3のNCO(NCO3)と混合され、キャリアs(n)は、第4の周波数を有する第4のNCO(NCO4)と混合され、キャリアs(n)は、第5の周波数を有する第5のNCO(NCO5)と混合され、キャリアs(n)は、第6の周波数を有する第6のNCO(NCO6)と混合される。混合プロセスの後、複数の異なるキャリアのそれぞれが組み合わされて、合成信号c(n)を形成する。したがって、合成信号c(n)は、異なる周波数で混合された複数の異なるキャリアのそれぞれを含む。いくつかの実施形態では、混合プロセスの結果として、合成信号c(n)は、複数の異なるキャリアのそれぞれで周波数が並んで配置されている図5Aに示す信号と実質的に同じに見えることがある。場合によっては、合成信号c(n)の生成後、任意選択で別の補間プロセスが実行されてもよく、図3の例では、補間プロセスを使用して合成信号c(n)のサンプリングレートを2倍に増加させ、それにより、第2のクロックドメイン(たとえば、1638.4MHzのクロックドメイン)から第3のクロックドメイン(たとえば、3276.8MHzのクロックドメイン)に移行する。DUC302による信号処理の後、合成信号c(n)は、DPDシステム304への入力として提供され、これについては、以下でより詳細に説明する。いくつかの実施形態では、DPDシステム304の出力は、複素信号から実信号への変換306を受け、複素信号から実信号への変換306の出力は、(たとえば、図2のDAC204であり得る)DACへの入力として提供される。さらに、DFEシステム300の1つまたは複数の構成要素は、図1のプログラマブル論理デバイスなどのプログラマブル論理デバイスに実装されてもよい。
【0120】
前に説明したように、DPDプロセス、したがってDPDシステム304は、CATV増幅器が有する非線形性「x」のタイプの知識、ならびにベースバンドおよびDFEチップ202とCATV増幅器212との間の信号チェーンの知識を用いて機能し、その結果、DPDシステム304は、(たとえば、適切な逆非線形性「1/x」を追加することを含む)適切なDPDプロセスを効果的に実施することができる。たとえば、DPDシステム304は、(たとえば、非線形効果および信号チェーンを含む)CATV増幅器をモデル化するために使用されてもよい。したがって、DPDシステム304によって提供されるモデルは、フィードバックデータ308に基づいて生成および/または更新されてもよく、フィードバックデータ308は、(たとえば、CATV増幅器212などの)CATV増幅器の出力信号を含んでもよい。いくつかの実施形態では、フィードバックデータ308は、アナログ/デジタル変換器(ADC)310を介して処理され、デジタルフィードバックデータ311としてDPD適応エンジン312に提供される。様々な例では、DPD適応エンジン312は、デジタルフィードバックデータ311に基づいて、DPDシステム304がCATV増幅器の実行時の挙動に適応できるように、DPDシステム304を更新する。より具体的には、いくつかの実施形態では、DPD適応エンジン312は、DPDシステム304内の他の要素のフィルタまたは構成の係数を決定してもよく、一般に、DPDシステム304内で、以下で説明するDPDモジュールを構成してもよい。したがって、DPDシステム304によって提供されるモデルを(たとえば、フィードバックデータ308およびDPD適応エンジン312を介して)継続的に監視および更新することによって、最適なDPDプロセスを実施することができる。例として、モデルを監視および更新する態様(たとえば、DPD適応エンジン312の機能など)は、(たとえば、BRAM103内または別のオンチップメモリ位置内の)メモリに格納されたソフトウェアとして実装され、1つまたは複数のオンチッププロセッサ(たとえば、PROC110など)によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、ベースバンドおよびDFEチップ202、DAC204、およびADC310が、(たとえば、RFSoCデバイスにあるような)単一のチップとして実装され得ることに留意されたい。上記で提供されたモデルを監視および更新する例は、決して限定することを意味するものではなく、他の方法が可能であり、本開示の実施形態は提供される例のいずれによっても限定されないことが理解されよう。
【0121】
ここで図4Aを参照すると、本開示の様々な態様を実施するために使用される上記のDPDシステム304のより詳細な図が示されている。上述のように、DPDシステム304は、CATV増幅器の非線形効果をモデル化するために使用されてもよい。したがって、DPDシステム304によって提供されるモデルは、(たとえば、フィードバックデータ308などの)フィードバックデータに基づいて生成および/または更新されてもよく、フィードバックデータは、(たとえば、ADC310などの)ADCを介して処理されたCATV増幅器の出力信号を含んでもよく、DPDシステム304がCATV増幅器の非線形の挙動に適応できるように、フィードバックデータはDPD適応エンジン312に提供される。したがって、DPDシステム304によるCATV増幅器の非線形効果のモデルを使用して、デジタル傾斜フィルタ402、非線形データ経路405、単側波帯ヒルベルトフィルタ412、およびデジタル傾斜等化器414など、DPDシステム304の様々な機能を実装することができる。DPDシステム304の1つまたは複数の構成要素は、図1のプログラマブル論理デバイスなどのプログラマブル論理デバイスに実装され得ることに留意されたい。
【0122】
引き続き図4Aを参照して、DPDシステム304の機能を、より詳細に説明する。たとえば、いくつかの実施形態では、上記で説明した合成信号c(n)を含み得るDPD入力信号x(n)が、デジタル傾斜フィルタ402に提供される。様々な場合において、デジタル傾斜フィルタ402は、アナログ傾斜フィルタ208(図2)をモデル化するために使用されてもよい。したがって、例として、デジタル傾斜フィルタ402の出力は、アナログ傾斜フィルタ208の出力と同様とすることができる。いくつかの実施形態では、デジタル傾斜フィルタ402の出力は、非線形データ経路405への入力として提供され、非線形データ経路405は、ビデオ帯域幅DPDデータ経路404、ベースバンドDPDデータ経路406、第2高調波DPDデータ経路408、および第3高調波DPDデータ経路410を含む複数の異なる並列データ経路要素を含む。一般に、非線形データ経路405は、CATV増幅器の逆非線形挙動をモデル化し、入ってくる信号に追加するために使用される。より具体的には、非線形データ経路405の異なる並列データ経路要素のそれぞれを使用して、CATV増幅器の逆非線形挙動の異なる態様をモデル化し、入ってくる信号(たとえば、デジタル傾斜フィルタ402の出力)に追加する。たとえば、ビデオ帯域幅DPDデータ経路404は、逆非線形ビデオ帯域幅成分をモデル化および追加してもよく、ベースバンドDPDデータ経路406は、逆非線形ベースバンド成分をモデル化および追加してもよく、第2高調波DPDデータ経路408は、逆第2高調波成分をモデル化および追加してもよく、第3高調波DPDデータ経路410は、逆第3高調波成分をモデル化および追加してもよい。図示のように、次いで、ビデオ帯域幅DPDデータ経路404、ベースバンドDPDデータ経路406、第2高調波DPDデータ経路、および第3高調波DPDデータ経路410のそれぞれの出力が組み合わされて、CATV増幅器のベースバンド成分、ビデオ成分、および高調波成分をモデル化する合成信号x’(n)を提供する。
【0123】
いくつかの実施形態では、非線形データ経路405の出力(たとえば、合成信号x’(n))は、合成信号x’(n)をさらに変調するために使用され得る単側波帯ヒルベルトフィルタ412への入力として提供され、単側波帯ヒルベルトフィルタ412の出力は、デジタル傾斜等化器414への入力として提供される。例として、デジタル傾斜等化器414は、アナログ傾斜フィルタ208(図2)の逆数をモデル化し、入ってくる信号に追加するために使用されてもよい。したがって、例として、デジタル傾斜等化器414の出力は、アナログ傾斜フィルタ208の効果によって影響を受けない可能性がある(たとえば、または効果を打ち消す可能性がある)。図4に示すように、いくつかの実施形態では、DPD入力信号x(n)は、線形データ経路である経路416に沿っても送信される。いくつかの例では、データ経路416は、(たとえば、ブロック417において)単にDPD入力信号x(n)に時間遅延を導入してもよい。さらに、データ経路416に沿って送信されるDPD入力信号x(n)は、デジタル傾斜フィルタ402、非線形データ経路405、単側波帯ヒルベルトフィルタ412、およびデジタル傾斜等化器414をバイパスする。したがって、データ経路416に沿って送信されるDPD入力信号x(n)の信号変調の品質は、DPDシステム304の他の要素による影響を受けないままとなる。また、図4に示すように、デジタル傾斜等化器414の出力と時間遅延DPD入力信号x(n)419が組み合わされて、DPD出力信号y(n)を提供する。
【0124】
図5Aを参照すると、例示的なDPD入力スペクトル502が提供されている。いくつかの実施形態では、DPD入力信号x(n)(図4)は、DPD入力スペクトル502を含んでもよい。上述のように、DPD入力スペクトル502は、前に説明したように(たとえば、DUC302によって)異なる周波数で混合された複数の異なるキャリアのそれぞれを含んでもよく、複数の異なるキャリアのそれぞれは、約66MHzから約1218MHzまでの全帯域幅にわたって周波数が並んで配置される。図5Bを参照すると、例示的なDPD出力スペクトル504が提供されている。いくつかの実施形態では、DPD出力信号y(n)(図4A)は、DPD出力スペクトル504を含んでもよい。図5Bに示すように、DPD出力スペクトル504は、DPDシステム304によって信号に追加された1つまたは複数の非線形成分506を含む。以下でより詳細に説明するように、DPDシステム304によって実行される処理の結果として、CATV増幅器の効率および信号品質が向上し、電力消費量が削減される。
【0125】
ここで図13図16を参照すると、非線形データ経路405(図4A)の異なる並列データ経路要素のそれぞれがどのように導出されるかを、たとえばDPD入力信号x(n)(図4A)の関数として示す方程式が、図式表現を含めて示されている。たとえば、図13は、ベースバンドDPDデータ経路406に対応する逆非線形ベースバンド成分を導出するための方程式を示し、方程式は次のように表される。
【0126】
図14は、ビデオ帯域幅DPDデータ経路404に対応する逆非線形ビデオ帯域幅成分を導出するための方程式を示し、方程式は次のように表される。
【0127】
図15は、第2高調波DPDデータ経路408に対応する逆第2高調波成分を導出するための方程式を示し、方程式は次のように表される。
【0128】
図16は、第3高調波DPDデータ経路410に対応する逆第3高調波成分を導出するための方程式を示し、方程式は次のように表される。
【0129】
ここで図17図23を参照すると、本開示の様々な実施形態の利益および利点のうちの少なくともいくつかを示す複数のデータが示されている。最初に図17を参照すると、CATV増幅器の非線形効果を示すシングルキャリアの電力スペクトル1700が示されている。電力スペクトル1700、および図18図22の電力スペクトルは、分解能帯域幅100kHzおよびビデオ帯域幅1MHzを用いるスペクトル分析器を使用して生成される。本例では、シングルキャリアのキャリア周波数は、254MHzに等しく、CATV増幅器はV=34Vで動作し、バイアス電流=320mAであり、CATV増幅器の出力=76dbmVである。いくつかの実施形態では、電力スペクトル1700について示す波形は、4K QAM DOCSIS3.1波形である。図17に示すように、電力スペクトル1700は、非線形ベースバンド成分1704、非線形ビデオ帯域幅成分1706、第2高調波成分1708、および第3高調波成分1710をさらに含む。上述のように、電力スペクトル1700は、シングルキャリアに関するものである。しかしながら、前に説明したように、複数の異なるキャリアを周波数で並べて配置することを検討する。このような場合、電力スペクトル1700の非線形成分(たとえば、非線形ベースバンド成分1704、非線形ビデオ帯域幅成分1706、第2高調波成分1708、および第3高調波成分1710)は、確実に、隣接するキャリアの電力スペクトルに影響を与え、劣化させる。
【0130】
ここで図18を参照すると、(CATV増幅器の非線形効果を含む)電力スペクトル1700、および電力スペクトル1700に重ね合わせた、ベースバンドDPD補正を適用した結果を示す電力スペクトル1800が示されている。言い方を変えれば、電力スペクトル1800は、ベースバンドDPDデータ経路406を経由して逆非線形ベースバンド成分を追加した場合の(たとえば、CATV増幅器の出力での)有益な効果を示す。具体的には、図18に示すように、ベースバンドDPD補正を適用した結果、電力スペクトル1700の非線形ベースバンド成分1704が、電力スペクトル1800の成分1802によって示すように補正(除去)された。図18の例では、矢印1804で示すように、ベースバンドDPD補正は、電力スペクトル1800において約10dBの改善をもたらす。
【0131】
図19は、(CATV増幅器の非線形効果を含む)電力スペクトル1700、および電力スペクトル1700に重ね合わせた、第2高調波DPD補正を適用した結果を示す電力スペクトル1900が示されている。言い方を変えれば、電力スペクトル1900は、第2高調波DPDデータ経路408を経由して逆第2高調波成分を追加した場合の(たとえば、CATV増幅器の出力での)有益な効果を示す。具体的には、図19に示すように、第2高調波補正を適用した結果、電力スペクトル1700の第2高調波成分1708が、電力スペクトル1900の成分1902によって示すように補正(除去)された。図19の例に示すように、第2高調波DPD補正は、電力スペクトル1900において約5dBの改善をもたらす。
【0132】
図20を参照すると、(CATV増幅器の非線形効果を含む)電力スペクトル1700、および電力スペクトル1700に重ね合わせた、第3高調波DPD補正を適用した結果を示す電力スペクトル2000が示されている。言い方を変えれば、電力スペクトル2000は、第3高調波DPDデータ経路410を経由して逆第3高調波成分を追加した場合の(たとえば、CATV増幅器の出力での)有益な効果を示す。具体的には、図20に示すように、第3高調波補正を適用した結果、電力スペクトル1700の第3高調波成分1710が、電力スペクトル2000の成分2002によって示すように補正(除去)された。図20の例に示すように、第3高調波DPD補正は、電力スペクトル2000において約5dBの改善をもたらす。
【0133】
図21を参照すると、CATV増幅器の非線形効果を示す2つのキャリア2103、2105の電力スペクトル2100が示されている。図21はまた、電力スペクトル2100に重ね合わせた、ベースバンドDPD補正を適用した結果を示す電力スペクトル2102、ならびに電力スペクトル2100および2102に重ね合わせた、ベースバンドDPD補正とビデオ帯域幅DPD補正の両方を適用した結果を示す電力スペクトル2104も含む。言い方を変えれば、電力スペクトル2102は、ベースバンドDPDデータ経路406を経由して逆非線形ベースバンド成分を追加した場合の(たとえば、CATV増幅器の出力での)有益な効果を示す。同様に、電力スペクトル2104は、ベースバンドDPDデータ経路406を経由しての逆非線形ベースバンド成分と、ビデオ帯域幅DPDデータ経路404を経由しての逆非線形ビデオ帯域幅成分との両方を追加した場合の(たとえば、CATV増幅器の出力での)有益な効果を示す。(電力スペクトル2102に)ベースバンドDPD補正のみを適用した結果、電力スペクトル2102は、電力スペクトル2100と比較して、(たとえば、矢印2112で示すような)補正を示す。また、(電力スペクトル2104に)ベースバンドDPD補正およびビデオ帯域幅DPD補正を適用した結果、電力スペクトル2104は、電力スペクトル2100と比較して、(たとえば、矢印2106および矢印2110で示すような)補正を示す。具体的には、矢印2110で示す領域において電力スペクトル2104で生じた改善は、(たとえば、ベースバンドDPD補正およびビデオ帯域幅DPD補正を適用する前の)たとえば矢印2108で示す領域と比較して、特に顕著である。この理由は、キャリア2105がより高い電力を有し、その結果、より高いレベルの非線形性をもたらすからである。したがって、キャリア2105は、DPDシステム304によって提供される補正からさらに多くの利益を得ることになる。
【0134】
図22は、約66MHzから約1218MHzまでの全帯域幅にわたって周波数が並んで配置された6つの異なるキャリアを含む電力スペクトル2200を示す。いくつかの実施形態では、電力スペクトル2200について示す波形は、4K QAM DOCSIS3.1波形である。いくつかの例では、電力スペクトル2200は、アナログ傾斜フィルタ208(図2)の出力とすることができる。図22はまた、上記で説明したように、DPDシステム304によって提供される補正の適用から生じる隣接チャネル電力比(ACPR)補正2202も示す。本開示の目的のために、ACPRは、隣接チャネルの電力とメインチャネル電力との比として説明することができ、ACPR値は可能な限り低いことが望ましい。したがって、図22に示すACPR補正2202は、有利である。
【0135】
図23を参照すると、CATV増幅器の変調誤差比(MER)データを含み、DPDシステム304によって提供される補正を適用した場合のMERデータに対する効果を示す表が示されている。例として、MERは、デジタル変調(QAMなど)を使用する通信システムにおいてデジタル無線(または、デジタルTV)送信機または受信機の性能を定量化するために使用される測定値である。図23の例の場合、試験中のCATV増幅器モジュールは、V=34Vで動作可能である。MERデータをケーブル業界の仕様と比較すると、MER=41dB、4KQAM、76.8dbmV/75Ωである。CATV増幅器は6つのキャリアで試験されており、第1のキャリアは、キャリア周波数204MHzの4K QAM信号であり、第2のキャリアは、キャリア周波数396MHzの4K QAM信号であり、第3のキャリアは、キャリア周波数588MHzの4K QAM信号であり、第4のキャリアは、キャリア周波数786MHzの4K QAM信号であり、第5のキャリアは、キャリア周波数930MHzの4K QAM信号であり、第6のキャリアは、キャリア周波数1122MHzの4K QAM信号である。第1の試験2302では、CATV増幅器がバイアス電流530mAで動作し、DPD補正がない場合、第6のキャリアがMER=41dBの仕様を満たしていない。しかしながら、(たとえば、DPDシステム304によって)DPD補正を適用した場合、すべてのキャリアがMER仕様を満たしている。第2の試験2304では、CATV増幅器がバイアス電流440mAで動作し(バイアス電流530mAで動作する場合と比較して増幅器あたり約3ワットの削減)、DPD補正がない場合、試験されたすべてのキャリアがMER=41dBの仕様を満たしていない。しかしながら、(たとえば、DPDシステム304によって)DPD補正を適用した場合、すべてのキャリアがMER仕様を満たしている。
【0136】
ここで図24を参照すると、様々な実施形態による、DPDシステムにおいてデジタルプリディストーションプロセスを実行するための方法2400が示されている。方法2400は、ブロック2402で開始し、図4のDPDシステム304などのDPDシステムの入力で、DPD入力信号が受信される。上記のように、いくつかの実施形態では、DPD入力信号は、DPD入力信号x(n)(図4)を含んでもよく、さらにDPD入力信号x(n)は、DUC302(図3)によって生成された合成信号c(n)を含んでもよい。いくつかの例では、方法2400はブロック2404に進み、DPDシステムの入力に結合された非線形データ経路が提供される。たとえば、非線形データ経路は、図4Aの非線形データ経路405を含んでもよい。したがって、非線形データ経路は、複数の並列データ経路要素を含んでもよい。いくつかの例では、複数の並列データ経路要素は、ビデオ帯域幅DPDデータ経路404、ベースバンドDPDデータ経路406、第2高調波DPDデータ経路408、および第3高調波DPDデータ経路410を含む。いくつかの実施形態では、方法2400はブロック2406に進み、異なる並列データ経路要素のそれぞれを使用して、入ってくる信号に、CATV増幅器の逆非線形挙動の異なる態様を追加してもよい。いくつかの例では、方法2400は、次いでブロック2408に進み、第1のコンバイナが、複数の並列データ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせて、第1のプリディストーション信号を生成する。場合によっては、第1のプリディストーション信号は、CATV増幅器のベースバンド成分、ビデオ成分、および高調波成分をモデル化する合成信号x’(n)(図4A)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、方法2400はブロック2410に進み、非線形データ経路と並列に入力に結合された線形データ経路が提供され、線形データ経路が第2のプリディストーション信号を生成する。いくつかの実施形態では、第2のプリディストーション信号は、時間遅延DPD入力信号x(n)419(図4A)を含んでもよい。次いで、方法はブロック2412に進み、第2のコンバイナが、第1のプリディストーション信号と第2のプリディストーション信号とを組み合わせてDPD出力信号を生成する。いくつかの実施形態では、DPD出力信号は、DPD出力信号y(n)(図4A)を含んでもよい。様々な実施形態では、方法はブロック2414に進み、DPD出力信号は、CATV増幅器(たとえば、図2のCATV増幅器212など)に提供される。本開示の実施形態によれば、DPD出力信号は、CATV増幅器の複数の非線形成分を補償するように構成される。方法2400の前、最中、および後に追加の方法ステップが実施されてもよく、本開示の範囲から逸脱することなく、方法2400の様々な実施形態に従って、上記のいくつかの方法ステップが置き換えられるか、または削除され得ることが理解されよう。
【0137】
様々な構成(たとえば、ケーブルネットワーク200、DFEシステム300、およびDPDシステム304の構成要素、図4Aの並列データ経路要素の数、ならびに図に示されている他の特徴および構成要素)は単なる例示であり、添付の特許請求の範囲に具合的に記載されているものを超えて限定するものではないことに留意されたい。当業者には、他の構成が使用され得ることが理解されよう。また、例示的なケーブルネットワーク200が示されているが、本明細書に開示するDPDシステムは、たとえば他の通信システムが有害な非線形挙動を示す増幅器を配置している場合、他の通信システムにおいて使用され得る。
【0138】
本発明は、次の実施例のうちの1つまたは複数を表現することができるが、これらに限定されない。
【実施例1】
【0139】
波高率低減(CFR)システムであって、CFRシステムの入力に結合されたデジタル傾斜フィルタであって、システム入力信号を受信し、デジタル傾斜フィルタ出力でデジタル傾斜フィルタ出力信号を生成するように構成された、デジタル傾斜フィルタと、デジタル傾斜フィルタ出力に結合されたCFRモジュールであって、デジタル傾斜フィルタ出力信号を受信し、デジタル傾斜フィルタ出力信号に対してCFRプロセスを実行して、CFRモジュール出力でCFRモジュール出力信号を生成するように構成された、CFRモジュールと、CFRモジュール出力に結合されたデジタル傾斜等化器であって、CFRモジュール出力信号を受信し、システム出力信号を生成するように構成された、デジタル傾斜等化器とを含む、CFRシステム。
【実施例2】
【0140】
CFRモジュール出力に結合されたデジタルプリディストーション(DPD)モジュールであって、CFRモジュール出力信号を受信し、CFRモジュール出力信号に対してDPDプロセスを実行して、DPDモジュール出力でDPDモジュール出力信号を生成するように構成された、DPDモジュールをさらに含み、デジタル傾斜等化器が、DPDモジュール出力に結合され、デジタル傾斜等化器が、DPDモジュール出力信号を受信し、システム出力信号を生成するように構成された、実施例1に記載のCFRシステム。
【実施例3】
【0141】
システム入力信号が、第1のピーク対平均電力比(PAPR)を有し、CFRモジュール出力信号が、第1のPAPRよりも小さい第2のPAPRを有する、実施例1に記載のCFRシステム。
【実施例4】
【0142】
CFRモジュールおよびDPDモジュールと並列にCFRシステムの入力に結合されて第1の時間遅延信号を生成する第1の線形データ経路と、デジタル傾斜等化器出力信号と第1の時間遅延信号とを組み合わせてシステム出力信号を生成するように構成された第1のコンバイナとをさらに含む、実施例2に記載のCFRシステム。
【実施例5】
【0143】
CFRモジュールと並列にCFRシステムの入力に結合されて第2の時間遅延信号を生成する第2の線形データ経路と、CFRモジュール出力信号と第2の時間遅延信号とを組み合わせて第1の出力信号を生成するように構成された第2のコンバイナと、第1の出力信号とDPDモジュール出力信号とを組み合わせてシステム出力信号を生成するように構成された第3のコンバイナとをさらに含む、実施例4に記載のCFRシステム。
【実施例6】
【0144】
DPDモジュールが、CFRモジュール出力に結合された非線形データ経路をさらに含み、非線形データ経路が、CFRモジュール出力にそれぞれ結合された複数の並列データ経路要素を含み、複数の並列データ経路要素のそれぞれが、増幅器の非線形成分に対応するCFRモジュール出力信号に異なる逆非線形成分を追加するように構成され、コンバイナが、複数の並列データ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせてDPDモジュール出力信号を生成するように構成される、実施例2に記載のCFRシステム。
【実施例7】
【0145】
デジタル/アナログ変換器(DAC)が、システム出力信号を受信し、DAC出力信号を生成するように構成され、アナログ傾斜フィルタが、DAC出力信号を受信し、アナログ傾斜フィルタ出力信号を生成するように構成され、デジタル傾斜フィルタが、アナログ傾斜フィルタをモデル化するように構成される、実施例1に記載のCFRシステム。
【実施例8】
【0146】
デジタル傾斜等化器が、アナログ傾斜フィルタの逆数をモデル化するように構成される、実施例7に記載のCFRシステム。
【実施例9】
【0147】
単側波帯ヒルベルトフィルタをさらに含み、単側波帯ヒルベルトフィルタ入力が、DPDモジュール出力信号を受信するように構成され、単側波帯ヒルベルトフィルタ出力が、デジタル傾斜等化器入力に結合される、実施例2に記載のCFRシステム。
【実施例10】
【0148】
増幅器出力からフィードバックデータを受信するように構成された適応エンジンをさらに含み、適応エンジンが、フィードバックデータに基づいてCFRモジュールの構成を更新するように構成される、実施例1に記載のCFRシステム。
【実施例11】
【0149】
波高率低減(CFR)プロセスを実行するように構成されたデジタルフロントエンド(DFE)システムであって、ベースバンドデータ入力信号を受信および変換して合成信号を生成するように構成されたデジタルアップコンバータ(DUC)と、デジタル傾斜フィルタ、CFRモジュール、およびデジタル傾斜等化器を含む、CFRシステムであって、デジタル傾斜フィルタが、合成信号を受信し、デジタル傾斜フィルタ出力信号を生成するように構成され、CFRモジュールが、デジタル傾斜フィルタ出力信号を受信し、デジタル傾斜フィルタ出力信号に対してCFRプロセスを実行して、CFRモジュール出力信号を生成するように構成され、デジタル傾斜等化器が、CFRモジュール出力信号を受信し、CFRシステム出力信号を生成するように構成され、CFRシステム出力信号が、増幅器に結合される、CFRシステムと、増幅器の出力からフィードバックデータを受信するように構成された適応エンジンであって、フィードバックデータに基づいてCFRシステムの構成を更新するように構成される、適応エンジンとを含む、デジタルフロントエンド(DFE)システム。
【実施例12】
【0150】
CFRプロセスが、デジタル傾斜フィルタ出力信号のピーク対平均電力比(PAPR)を低減するように構成される、実施例11に記載のDFEシステム。
【実施例13】
【0151】
CFRシステムが、CFRモジュール出力に結合された非線形データ経路を含むデジタルプリディストーション(DPD)モジュールをさらに含み、非線形データ経路が、CFRモジュール出力にそれぞれ結合された複数の並列データ経路要素を含み、複数の並列データ経路要素のそれぞれが、増幅器の非線形成分に対応する異なる逆非線形成分をモデル化するように構成され、コンバイナが、複数の並列データ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせてDPDモジュール出力信号を生成するように構成され、デジタル傾斜等化器が、DPDモジュール出力信号を受信し、CFRシステム出力信号を生成するように構成される、実施例11に記載のDFEシステム。
【実施例14】
【0152】
デジタル/アナログ変換器(DAC)が、CFRシステム出力信号を受信し、DAC出力信号を生成するように構成され、アナログ傾斜フィルタが、DAC出力信号を受信し、アナログ傾斜フィルタ出力信号を生成するように構成され、デジタル傾斜フィルタが、アナログ傾斜フィルタをモデル化するように構成される、実施例11に記載のDFEシステム。
【実施例15】
【0153】
デジタル傾斜等化器が、アナログ傾斜フィルタの逆数をモデル化するように構成される、実施例14に記載のDFEシステム。
【実施例16】
【0154】
波高率低減(CFR)システムのデジタル傾斜フィルタで入力信号を受信し、デジタル傾斜フィルタ出力でデジタル傾斜フィルタ出力信号を生成することと、CFRシステムのCFRモジュールで、デジタル傾斜フィルタ出力信号に対してCFRプロセスを実行して、CFRモジュール出力信号を生成することであって、CFRプロセスが、デジタル傾斜フィルタ出力信号のピーク対平均電力比(PAPR)を低減するように構成される、CFRプロセスを実行することと、CFRシステムのデジタル傾斜等化器で、CFRモジュール出力信号を受信し、システム出力信号を生成することと、システム出力信号を増幅器に提供することとを含む、方法。
【実施例17】
【0155】
増幅器の出力から受信したフィードバックデータに応答して、CFRシステムの構成を更新することをさらに含む、実施例16に記載の方法。
【実施例18】
【0156】
CFRシステムのデジタルプリディストーション(DPD)モジュールで、CFRモジュール出力信号に対してDPDプロセスを実行して、DPDモジュール出力信号を生成することと、CFRシステムのデジタル傾斜等化器で、DPDモジュール出力信号を受信し、システム出力信号を生成することとをさらに含む、実施例16に記載の方法。
【実施例19】
【0157】
DPDモジュールが、CFRモジュールの出力に結合された非線形データ経路をさらに含み、非線形データ経路が、CFRモジュール出力にそれぞれ結合された複数の並列データ経路要素を含み、複数の並列データ経路要素のそれぞれが、増幅器の非線形成分に対応する異なる逆非線形成分をモデル化するように構成され、コンバイナが、複数の並列データ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせてDPDモジュール出力信号を生成するように構成される、実施例18に記載の方法。
【実施例20】
【0158】
システム出力信号を増幅器に提供したことに応答して、増幅器を非線形領域で動作させるとともに増幅器の電力消費量を削減することをさらに含む、実施例16に記載の方法。
【実施例21】
【0159】
DPD入力信号を受信するように構成された入力と、入力に結合された非線形データ経路であって、非線形データ経路が、入力にそれぞれ結合された複数の並列データ経路要素を含み、複数の並列データ経路要素のそれぞれが、増幅器の非線形成分に対応するDPD入力信号に異なる逆非線形成分を追加するように構成され、第1のコンバイナが、複数の並列データ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせて第1のプリディストーション信号を生成するように構成される、非線形データ経路と、非線形データ経路と並列に入力に結合されて第2のプリディストーション信号を生成する線形データ経路と、第1のプリディストーション信号と第2のプリディストーション信号とを組み合わせてDPD出力信号を生成するように構成された第2のコンバイナとを含む、デジタルプリディストーション(DPD)システム。
【実施例22】
【0160】
複数の並列データ経路要素が、ベースバンドDPDデータ経路、ビデオ帯域幅DPDデータ経路、第2高調波DPDデータ経路、および第3高調波DPDデータ経路を含む、実施例21に記載のDPDシステム。
【実施例23】
【0161】
ベースバンドDPDデータ経路が、DPD入力信号に逆非線形ベースバンド成分を追加するように構成される、実施例22に記載のDPDシステム。
【実施例24】
【0162】
ビデオ帯域幅DPDデータ経路が、DPD入力信号に逆非線形ビデオ帯域幅成分を追加するように構成される、実施例22に記載のDPDシステム。
【実施例25】
【0163】
第2高調波DPDデータ経路が、DPD入力信号に逆第2高調波成分を追加するように構成される、実施例22に記載のDPDシステム。
【実施例26】
【0164】
第3高調波DPDデータ経路が、DPD入力信号に逆第3高調波成分を追加するように構成される、実施例22に記載のDPDシステム。
【実施例27】
【0165】
アナログ傾斜フィルタをモデル化するように構成されたデジタル傾斜フィルタをさらに含み、デジタル傾斜フィルタ入力が入力に結合され、デジタル傾斜フィルタ出力が非線形データ経路に結合される、実施例21に記載のDPDシステム。
【実施例28】
【0166】
アナログ傾斜フィルタの逆数をモデル化するように構成されたデジタル傾斜等化器をさらに含み、デジタル傾斜等化器入力が、第1のプリディストーション信号を受信するように構成され、第2のコンバイナが、デジタル傾斜等化器出力を第2のプリディストーション信号と組み合わせてDPD出力信号を生成するように構成される、実施例21に記載のDPDシステム。
【実施例29】
【0167】
単側波帯ヒルベルトフィルタをさらに含み、単側波帯ヒルベルトフィルタ入力が、第1のプリディストーション信号を受信するように構成され、単側波帯ヒルベルトフィルタ出力が、デジタル傾斜等化器入力に結合される、実施例28に記載のDPDシステム。
【実施例30】
【0168】
DPD出力信号が、増幅器入力に結合されて増幅出力信号を生成し、DPD出力信号が、増幅器の複数の非線形成分を補償するように構成される、実施例21に記載のDPDシステム。
【実施例31】
【0169】
デジタルプリディストーション(DPD)プロセスを実行するように構成されたデジタルフロントエンド(DFE)システムであって、ベースバンドデータ入力信号を受信および変換して合成信号を生成するように構成されたデジタルアップコンバータ(DUC)と、DPD入力で合成信号を受信し、合成信号に対してDPDプロセスを実行するように構成されたDPDシステムであって、DPD入力が、複数の並列データ経路要素に結合され、複数の並列データ経路要素のうちの少なくとも1つが、増幅器の非線形高調波成分に対応する合成信号に逆高調波成分を追加するように構成され、コンバイナが、複数のデータ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせてDPD出力信号を生成するように構成され、DPD出力信号が、増幅器に結合される、DPDシステムとを含み、DPD出力信号が、増幅器の非線形高調波成分を補償するように構成される、デジタルフロントエンド(DFE)システム。
【実施例32】
【0170】
複数の並列データ経路要素が、ベースバンドDPDデータ経路、ビデオ帯域幅DPDデータ経路、第2高調波DPDデータ経路、および第3高調波DPDデータ経路を含む、実施例30に記載のDFEシステム。
【実施例33】
【0171】
DUCが、ベースバンドデータ入力信号に対して補間プロセスを実行して補間信号を生成するように構成され、DUCが、補間信号に対して混合プロセスを実行して合成信号を生成するように構成される、実施例31に記載のDFEシステム。
【実施例34】
【0172】
DPDシステムが、アナログ傾斜フィルタをモデル化するように構成されたデジタル傾斜フィルタをさらに含み、デジタル傾斜フィルタ入力が、合成信号を受信するように構成され、デジタル傾斜フィルタ出力が、複数の並列データ経路要素に結合される、実施例31に記載のDFEシステム。
【実施例35】
【0173】
DPDシステムが、アナログ傾斜フィルタの逆数をモデル化するように構成されたデジタル傾斜等化器をさらに含み、デジタル傾斜等化器入力が、複数のデータ経路要素のそれぞれの組み合わされた出力を受信するように構成され、別のコンバイナが、デジタル傾斜等化器出力を線形DPD信号に組み合わせてDPD出力信号を生成するように構成される、実施例31に記載のDFEシステム。
【実施例36】
【0174】
デジタルプリディストーション(DPD)システムの入力でDPD入力信号を受信することと、DPDシステムの入力に結合された非線形データ経路でDPD入力信号を受信することであって、非線形データ経路が、入力にそれぞれ結合された複数の並列データ経路要素を含む、DPD入力信号を受信することと、複数の並列データ経路要素のそれぞれによって、増幅器の非線形成分に対応するDPD入力信号に逆非線形成分を追加することと、第1のコンバイナによって、複数の並列データ経路要素のそれぞれの出力を組み合わせて第1のプリディストーション信号を生成することと、非線形データ経路と並列に入力に結合された線形データ経路でDPD入力信号を受信して第2のプリディストーション信号を生成することと、第2のコンバイナによって、第1のプリディストーション信号と第2のプリディストーション信号とを組み合わせてDPD出力信号を生成することとを含む、方法。
【実施例37】
【0175】
複数の並列データ経路要素が、ベースバンドDPDデータ経路、ビデオ帯域幅DPDデータ経路、第2高調波DPDデータ経路、および第3高調波DPDデータ経路を含む、実施例36に記載の方法。
【実施例38】
【0176】
ベースバンドDPDデータ経路によって、DPD入力信号に逆非線形ベースバンド成分を追加することと、ビデオ帯域幅DPDデータ経路によって、DPD入力信号に逆非線形ビデオ帯域幅成分を追加することと、第2高調波DPDデータ経路によって、DPD入力信号に逆第2高調波成分を追加することと、第3高調波DPDデータ経路によって、DPD入力信号に逆第3高調波成分を追加することとをさらに含む、実施例37に記載の方法。
【実施例39】
【0177】
増幅器入力にDPD出力信号を提供して増幅出力信号を生成することをさらに含み、DPD出力信号が、増幅器の複数の非線形成分を補償するように構成される、実施例36に記載の方法。
【実施例40】
【0178】
DPD出力信号を増幅器に提供したことに応答して、増幅器を非線形領域で動作させるとともに増幅器の電力消費量を削減することをさらに含む、実施例36に記載の方法。
【0179】
特定の実施形態について図示し説明してきたが、特許請求される発明を好ましい実施形態に限定するものではないことが理解されるとともに、特許請求される発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正がなされ得ることが当業者には明らかであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的ではなく例示的なものと見なされるべきである。特許請求される発明は、代替物、修正形態、および均等物を包含するものとする。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A-B】
図6A
図6B
図7A-C】
図8A
図8B
図9A-B】
図10A-B】
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24