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特許7499786空中粒子を追跡するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】空中粒子を追跡するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/0227 20240101AFI20240607BHJP
   G01N 1/02 20060101ALI20240607BHJP
   G01N 15/00 20240101ALI20240607BHJP
   G01N 15/06 20240101ALI20240607BHJP
   G01N 15/075 20240101ALI20240607BHJP
【FI】
G01N15/0227 100
G01N1/02 K
G01N15/00 C
G01N15/06 D
G01N15/075
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021559516
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(86)【国際出願番号】 US2020024763
(87)【国際公開番号】W WO2020198388
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-01-17
(31)【優先権主張番号】62/823,289
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523011831
【氏名又は名称】ダブリューラボ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タムラズ、イブ
(72)【発明者】
【氏名】ナジャー、シリル
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-152849(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0116404(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0075301(US,A1)
【文献】国際公開第2018/118934(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/144823(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/0227
G01N 15/00
G01N 15/06
G01N 15/075
G01N 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収集プレートと、
知デバイスのレセプタクルを通る空気流を生成するように構成されたファンと、
収集プレートであって、前記空気流が前記空気流中の粒子を前記収集プレートのほうに誘導する、収集プレートと、
前記収集プレート上に位置する前記粒子の画像をキャプチャするように構成された撮像デバイスと、
前記空気流を生成するために前記ファンの速度を制御するように構成された制御デバイスであって、ファンの前記速度が、前記感知デバイスのロケーションを使用して決定される、制御デバイスと
を備える感知デバイス。
【請求項2】
1つ又は複数のネットワークを介して中央サーバに通信することと、
前記ファンの前記速度を制御するために前記中央サーバからのコマンドを処理することであって、前記ファンの前記速度が、前記感知デバイスの前記ロケーションを使用して前記中央サーバによって決定され、設定される、コマンドを処理することと
を行うように構成されたトランシーバをさらに備える、請求項1に記載の感知デバイス。
【請求項3】
前記ファンの前記速度が、前記感知デバイスの住居ロケーションに応答して、ユーザの粒子吸入を近似するために前記空気流を生成するように設定された、請求項1に記載の感知デバイス。
【請求項4】
前記ファンの前記速度が、前記感知デバイスの住居ロケーションに応答して、約7~9リットル毎分で前記空気流を生成するように設定された、請求項1に記載の感知デバイス
【請求項5】
前記ファンの前記速度が、前記感知デバイスの産業ロケーションに応答して、9リットル毎分超で前記空気流を生成するように設定された、請求項1に記載の感知デバイス
【請求項6】
前記ファンの前記速度が、前記感知デバイスの外側ロケーションに応答して、7リットル毎分未満で前記空気流を生成するように設定された、請求項1に記載の感知デバイス
【請求項7】
前記ファンの前記速度が、前記収集プレート上の粒子密度の速い増加に応答して、前記ファンの現在の速度設定から下げられる、請求項1に記載の感知デバイス
【請求項8】
前記ファンの前記速度が、前記収集プレート上の粒子密度の遅い増加に応答して、前記ファンの現在の設定から高められる、請求項1に記載の感知デバイス
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の前記感知デバイスと、中央デバイスとを備えるシステムであって、前記中央デバイスが、
1つ又は複数のネットワークを介して前記感知デバイスに通信するように構成されたネットワーク・インターフェース回路と、
少なくとも1つの処理デバイスと
を備え、前記少なくとも1つの処理デバイスが、
前記感知デバイスから複数の粒子の現在の画像を取得することと、
前記現在の画像を使用して第1の粒子のロケーションを決定することと、
前記第1の粒子の前記ロケーションを前記感知デバイスからの前の画像中の他の粒子のロケーションと比較することと、
前記第1の粒子の前記ロケーションが前記感知デバイスからの前の画像中の前記他の粒子のうちの1つのロケーションと実質的に同じであることを決定することと、
前記第1の粒子を含む前記現在の画像の部分を廃棄することと、
少なくとも前記現在の画像中の第2の粒子のロケーションを特定することと、
前記現在の画像中の前記第2の粒子の粒子識別を取得することと
を行うように構成された、システム
【請求項10】
ユーザのロギングされた症状を受信することと、
健康アドバイスと、前記ユーザの前記ロギングされた症状及び前記粒子識別に関連する環境勧告とを取得するためにデータベースにアクセスすることと
を行うように構成された健康監視モジュールを備える、請求項9に記載のシステム
【請求項11】
前記環境勧告が、粒子レベルを下げることを助けるためにユーザ・ロケーションにある1つ又は複数のデバイスを制御するための勧告を含む、請求項10に記載のシステム
【請求項12】
前記少なくとも1つの処理デバイスが、前記健康アドバイス及び環境勧告をユーザ・デバイスに通信するようにさらに構成された、請求項11に記載のシステム
【請求項13】
前記少なくとも1つの処理デバイスが、前記環境勧告に基づいてユーザ・ロケーションにある1つ又は複数のデバイスを自動的に制御するようにさらに構成された、請求項11に記載のシステム
【請求項14】
前記ユーザ・ロケーションにある前記1つ又は複数のデバイスが、サーモセット、加湿器、除湿器、照明、通気孔、窓、換気システム、自動掃除機又はファンのうちの1つ又は複数を含む、請求項11に記載のシステム
【請求項15】
別された前記第2の粒子が、アレルゲン、汚染物質又は他のタイプの空中粒子のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載のシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、参照により本明細書に明確に組み込まれている、2019年3月25日に出願された「System and Method for Tracking Airborne Particles」という名称の米国仮出願第62/823,289号の優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は、空中粒子(airborne particle)のタイプの監視及び識別並びにそれらに応答した健康アドバイスの提供のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
粒子に対するアレルギー反応は消耗性であり、場合によっては致命的であり得る。これらの粒子を監視するために、特に空中粒子をキャプチャするために粘着テープが使用される技法が存在する。このテープは技術者による分析のために研究室に送られる。技術者は、顕微鏡下で粘着テープを観察し、粒子のタイプを識別する。ユーザは、次いで、技術者による分析の結果を受け取る。
【0004】
この現在の技法はいくつかの欠点を有する。第1に、人による分析の量が大きいことにより、本技法のコストが高い。この技法から導出される結果はかなり不十分であり得る。第2に、分析のためのキャプチャ及び搬送中の汚染の危険があり、それは間違った結果につながり得る。第3に、粘着テープの分析には日数がかかり得、したがって結果は数日前からの空中粒子を示すにすぎない。この遅延は、粒子情報が最新でなく、アレルギー症状の原因の即時決定のために使用されないことがあることを意味する。さらに、アレルゲン・レベルは、しばしば、市又は地域全体など、大きい地理的エリアについてのみ分析され、提供され、ユーザの現在の環境を表していない。したがって、アレルゲンを検出するための実質的にリアルタイムの自動化された機構を提供することが望ましい。
【0005】
さらに、特に屋内の微粒子を防ぐ又は警告するための知られている機構がない。一般に、個人は、その個人が症状に苦しみ始めてから初めてアレルゲン又は他の空中粒子の存在に気づく。たとえば、ユーザはくしゃみ又は呼吸困難を起こし始め得る。ユーザは、その場合、薬で治療する必要がある。したがって、ユーザが予防的行動を取り得るように、空中粒子の増加のリアルタイムの警告を与えることが可能であることが望ましいであろう。
【0006】
したがって、ユーザの個人空間中の空中粒子を適時に検出し、識別し、空中粒子の識別されたタイプに基づいて健康アドバイス及び環境勧告を与える空気監視システム及び方法が必要である。さらに、症状の可能性がある原因を含むアラートをユーザに与え、予防的行動を取るようにユーザに警告するシステムが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、感知デバイスは、収集プレートと、感知デバイスのレセプタクルを通る空気流を生成し、空気流中の粒子を収集プレートのほうに向かって移動させるように構成されたファンと、収集プレート上に位置する粒子の画像をキャプチャするように構成された撮像デバイスと、空気流を生成するためにファンの速度を制御するように構成された制御デバイスとを含み、ファンの速度は感知デバイスのロケーションを使用して決定される。
【0008】
第2の態様によれば、中央デバイスは、ネットワークを介して感知デバイスに通信するように構成されたネットワーク・インターフェース回路と、感知デバイスから複数の粒子の現在の画像を取得するように構成された少なくとも1つの処理デバイスとを含む。少なくとも1つの処理デバイスは、現在の画像を使用して第1の粒子のロケーションを決定することと、第1の粒子のロケーションを感知デバイスからの前の画像中の他の粒子のロケーションと比較することと、第1の粒子のロケーションが感知デバイスからの前の画像中の他の粒子のうちの1つのロケーションと実質的に同じであることを決定することと、第1の粒子を含む現在の画像の部分を廃棄することと、現在の画像中の少なくとも第2の粒子のロケーションを特定することと、現在の画像中の第2の粒子の粒子識別を取得することとを行うようにさらに構成される。
【0009】
第3の態様によれば、ユーザ機器(UE:user equipment)は、ネットワークを介して中央デバイスに通信するように構成されたトランシーバと、少なくとも1つの処理デバイスとを含み、少なくとも1つの処理デバイスは、ユーザ・ロケーションについてのアレルゲンの粒子カウントを含むGUIを生成することと、ユーザ・ロケーションからのアレルゲンの粒子カウントを下げるための中央デバイスからの環境勧告を受信することであって、環境勧告がユーザ・ロケーションにある1つ又は複数のデバイスの設定を調整することを含む、環境勧告を受信することと、環境勧告に基づいてユーザ・ロケーションにある1つ又は複数のデバイスの設定を調整するためのコマンドを生成することとを行うように構成される。
【0010】
本開示のより完全な諒解及びそれの付随する利点の多くは、以下の詳細な説明を参照し、添付の図面とともに検討することによってより良く理解されるようになるので、容易に得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】感知デバイスの一実施例の概略ブロック図を示す図である。
図2】撮像デバイスの一実施例の概略ブロック図をより詳細に示す図である。
図3】感知デバイスの動作方法の概略ブロック図を示す図である。
図4】例示的なネットワークの一実施例の概略ブロック図を示す図である。
図5】中央サーバの概略ブロック図をより詳細に示す図である。
図6】粒子の画像を処理するための方法の概略ブロック図をより詳細に示す図である。
図7】ニューラル・ネットワーク・デバイスの概略ブロック図をより詳細に示す図である。
図8】ニューラル・ネットワーク・デバイス中の学習ベクトルを更新するための方法の概略ブロック図を示す図である。
図9】アレルゲン情報及びアドバイスを与えるための方法の概略ブロック図を示す図である。
図10】環境勧告に応答してユーザ・ロケーションにある1つ又は複数のデバイスを制御するための方法の概略ブロック図を示す図である。
図11】ユーザ機器(UE)の一実施例の概略ブロック図を示す図である。
図12A】ユーザ・データベースの一実施例の概略ブロック図を示す図である。
図12B】勧告データベースの一実施例の概略ブロック図を示す図である。
図13A】グラフィカル・ユーザ・インターフェースの一実施例の概略ブロック図を示す図である。
図13B】GUIの別の実施例の概略ブロック図を示す図である。
図14】健康監視アプリケーションを使用して生成され得る別のGUIの実例の概略ブロック図を示す図である。
図15】健康監視アプリケーションを使用して生成され得る別のGUIの実例の概略ブロック図を示す図である。
図16】健康監視アプリケーションを使用して生成され得る別のGUIの実例の概略ブロック図を示す図である。
図17】健康監視アプリケーションを使用して生成され得る別のGUIの実例の概略ブロック図を示す図である。
図18】健康監視アプリケーションを使用して生成され得る別のGUIの実例の概略ブロック図を示す図である。
図19】ジオロケーション(geolocation)における空気中の粒子の濃度を与えるための方法の一実施例の論理流れ図を示す図である。
図20】ジオロケーションにおける空気中の粒子レベルの予報を与えるための方法の実施例の論理流れ図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
「例示的な」又は「実施例」という単語は、本明細書では、「実例(example)、インスタンス、又は例示(illustration)の働きをする」を意味するために使用される。本明細書で「例示的な」として又は「実施例」として説明される実装又は態様は、必ずしも本開示の他の態様よりも好ましい又は有利であるとして解釈されるとは限らない。同様に、「態様」という用語は、本開示のすべての態様が、説明される特徴、利点、又は動作モードを含むことを必要としない。
【0013】
次に、添付の図面を参照しながら実施例について詳細に説明する。以下の説明では、本明細書で説明される態様の完全な理解を与えるために多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、これら及び他の態様がこれらの具体的な詳細の一部又は全部を用いることなしに実施され得ることは、当業者にとって明らかであろう。さらに、プロセスの方法中のよく知られているステップは、本開示の態様を不明瞭にしないために、本明細書で提示される流れ図から省略され得る。同様に、デバイス中のよく知られている構成要素は、本開示の態様を不明瞭にしないために、本明細書で提示される図及びそれの説明から省略され得る。
【0014】
図1は、アレルゲン・レベルの連続監視のために周囲空気中の微視的粒子のキャプチャ及び撮像を自動化する感知デバイス100の一実施例の概略ブロック図を示す。感知デバイス100は、ファン104と収集プレート106とを有するレセプタクル102を含む。ファン104は、レセプタクル102を通る空気流を生成し、空気流中の粒子を収集プレート106のほうに向かって移動させるように構成される。たとえば、空気流は、空中粒子を、1つ又は複数の流入通気孔(inflow vent)108を通してレセプタクル102中に運び、収集プレート106上に運ぶ。収集プレート106は、透明材料で製造されており、空中粒子を引きつけるように構成された静電コーティングで覆われ得る。空気流は、次いで、レセプタクル102中の1つ又は複数の流出通気孔(outflow vent)110から出る。
【0015】
空中粒子は、時間とともに収集プレート106上に自然に落ち得るか、又は空中粒子は収集プレート106に導かれ得る。たとえば、空中粒子は、ファン104を使用して空気流を収集プレート106に対して吹き付けたり吸い寄せたりして、収集プレート106に導かれ得る。一実施例では、収集プレート106は、粒子を引きつけるための正電荷を有し得る。
【0016】
一実施例では、ファン104は、たとえば約8リットル毎分で、人間の呼吸の肺活量を模した固定の空気流を生成し得る。ファン104の速度は、約8リットル/分の収集プレート106への空気流を生成するように設定される。空気流は、したがって、ユーザによって吸入された空気と、ユーザの実際の粒子吸入との推定値を与える。
【0017】
別の実施例では、ファン104によって生成される空気流は、感知デバイス100の使用及び環境に応じて、(たとえば、より速い空気品質評価のために)より速く又はより遅くなり得る。たとえば、職場環境又は工場環境の場合、ファン104の速度はより速い速度に制御され得る。粒子濃度が高い屋外環境では、ファン104はより遅くなり得る。
【0018】
感知デバイス100は、収集プレート106上の空中粒子の画像をキャプチャするように構成された撮像デバイス110を含む。撮像デバイス100は、たとえば、可視光、紫外(UV)光、近赤外光又は赤外光を含む、1つ又は複数のスペクトルからの光で収集プレート106を照明し得る。撮像デバイス110は、本明細書でより詳細に説明するように、収集プレート106上の様々な大きさの粒子の拡大及びキャプチャのための1つ又は複数のレンズのオートフォーカス又はマニュアル・フォーカスで構成される。空中粒子の収集プレート106を定期的に清浄化するために、ブラシ、ハイ・インパクション・ファン(high impaction fan)又は他の手段が実装され得る。別の実施例では、空中粒子を収集するために粘着テープ又は他の表面が実装され得る。
【0019】
制御モジュール112は1つ又は複数の処理回路とメモリ・デバイスとを含む。処理回路は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラマブル論理デバイス、状態機械、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、並びに/或いは、回路及び/又は動作命令のハード・コーディングに基づいて信号(アナログ及び/又はデジタル)を操作する任意のデバイスなど、1つ又は複数の処理デバイスを含む。1つ又は複数のメモリ・デバイスは、読取り専用メモリ、ランダム・アクセス・メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティック・メモリ、ダイナミック・メモリ、フラッシュ・メモリ、キャッシュ・メモリ、及び/又は、デジタル情報を記憶する任意の非一時的メモリ・デバイスを含み得る。記憶デバイスは、1つ又は複数の処理回路によって実行されると、本明細書で説明する1つ又は複数の機能を実行するように感知デバイス100に命令する、1つ又は複数の命令又はプログラムを記憶する。
【0020】
制御モジュール112は、WLAN、Bluetooth、セルラー・ネットワーク又は他のWAN若しくは短距離ネットワークを介して通信するように構成された無線及び/又は有線トランシーバ114をさらに含み得る。トランシーバ114は、WANを介して中央サーバとの間でデータを通信し、中央サーバからのリモート・ソフトウェア・アップデート又はコマンドをダウンロードし得る。
【0021】
感知デバイス100は、汚染検出器、温度センサ、湿度検出器、気圧計など、他のセンサ120をも含み得る。
【0022】
図2は、撮像デバイス110の一実施例の概略ブロック図をより詳細に示す。撮像デバイス110は、CMOSなどの画像センサ204と、照明システム202とを含む。照明システム202は、1つ又は複数のスペクトル中の光、たとえば可視光、紫外(UV:ultraviolet)光、近赤外光又は赤外光のうちの1つ又は複数を放出するように構成された1つ又は複数の光源(LEDなど)を含む。
【0023】
光学システム206は、収集プレート106上の粒子の拡大のための1つ又は複数のレンズを含む。焦点コントローラ208は、レンズの焦点を調整するための機械的機構及び/又は電子的機構を含む。制御モジュール112又は焦点コントローラ208又はそれらの組合せは、本明細書で説明する光学システム206の焦点を制御し得る。焦点コントローラ208は、光学システムのオートフォーカス又はマニュアル・フォーカスの組合せを含み得る。
【0024】
一実施例では、焦点コントローラ208は、収集プレート106上の様々な異なる大きさの粒子を撮像するために焦点を自動的に検出し得る。たとえば、撮像デバイス110は、異なる焦点面で画像をキャプチャし得る。光学システム206は粒子の拡大のための様々なレンズを含む。レンズの距離は、焦点面を調整するために変更される。様々な焦点は、たとえば2~100ミクロンの間で変動し得る。収集プレート106の一連の画像は異なる焦点において取得される。
【0025】
様々な焦点面で画像を組み合わせることによって、異なる大きさの粒子が収集プレート106上で撮像され得る。画像処理デバイスは、より広い焦点面を達成するために画像レイヤリング技法を使用し得る。
【0026】
照明システム202は1つ又は複数の異なるスペクトルのLEDのアレイを含み得る。LEDは白色LED、NIR/IR LED、及び/又はUV LEDを含み得る。異なる光の組合せを使用すると、粒子の輪郭はさらに区別され得る。画像センサ204はCMOSカメラを含む。別の実施例では、画像センサ204及び照明システム202は蛍光技法又は分光技法を含み得る。
【0027】
図3は感知デバイス100の動作300の方法の概略ブロック図を示す。ファン104の速度は、302においてロケーション又は環境及び意図された用途に基づいて制御モジュール112によって決定され、設定される。たとえば、住居における個人的な使用のために、ファン104は、たとえば約7~9リットル毎分で、人間の呼吸の肺活量を模した一定の空気流に設定され得る。空気流は、このようにしてユーザの実際の粒子吸入の推定値を与え、空中粒子のサンプリングは人による粒子吸入量の良い表現となる。ユーザにおける症状をトリガする粒子吸入量のしきい値もより正確に決定され得る。
【0028】
産業ロケーションにおいて、ファン104によって生成される空気流は、たとえばより速い空気品質評価のために、より高い速度に設定され得る。たとえば、病院、製造工場、オフィス・ビル又は他の産業環境では、空中粒子のより速い決定を得ることがより重要であり得る。ファン104は、したがって、感知デバイス100のレセプタクル102を通して、9リットル/分よりも大きい空気流を生成する速度に設定され得る。外部又は戸外環境においては、ファン104は、より遅い速度、たとえば7リットル/分未満に設定され得る。屋外設定における空中粒子は急速には変化しないことがあり、したがって、粒子のより遅いキャプチャ及び識別は許容できることがある。さらに、屋外環境では空中粒子の密度が高くなることにより、収集プレート106上の粒子はより高いファン速度において閉塞し得る。
【0029】
ファン設定は、したがって、感知デバイス100のロケーション、たとえば産業環境又は住居環境又は屋外環境に基づいて決定され、設定され得る。制御モジュール112は、感知デバイス100のロケーションのユーザ入力を受信し、ユーザ入力に基づいてファン速度を決定し得る。
【0030】
さらに、ファン速度は、収集プレート106上の粒子密度の変化に応答して調整され得る。たとえば、収集プレート106上の粒子密度が急速に増加したとき、粒子のより良い撮像及び識別のために、ファン速度はそれの現在の設定から下げられ得る。代替的に、粒子密度がゆっくり変化している場合、さらなる試料をより早く取得するために、ファン速度はそれの現在の設定から上げられ得る。空気流は、収集プレート上の粒子の密度の許容できる変化が時間とともに得られるまで、1リットル/分の増分で変更され得る。
【0031】
304において、撮像デバイス110は収集プレート106上の粒子の画像をキャプチャする。306において、オートフォーカスを使用する撮像デバイス110は、異なる焦点面で画像を取得する。様々な焦点は、たとえば2~100ミクロンの間で変動し得る。収集プレート106の一連の画像は、このようにして異なる焦点において得られる。
【0032】
308において、感知デバイス100は、粒子の画像処理及び識別のために画像を中央サーバに送信する。310において、感知デバイス100は、ファン104又は撮像デバイス110を制御するために中央サーバからフィードバックを受信し得る。たとえば、フィードバックは、ファン速度を増加又は減少させるための命令、或いは収集プレートの焦点又は照明を変化させるための命令を含み得る。
【0033】
312において、感知デバイス100は、ブラシ、ファン104からの高速空気流のバースト又は他の手段を使用して収集プレート106を清浄化する。清浄化は、定期的に、たとえば3~12時間ごとに又は1日後又は数日後に実行され得る。一実施例では、感知デバイス100は、収集プレート106を清浄化するために中央サーバからフィードバックを受信し得る。たとえば、中央サーバは、粒子の非常に多くのクラスタが収集プレート106上に存在すること、又は粒子密度が、粒子の区別が困難になる所定のしきい値に達したことを画像から決定する。したがって、収集プレート106上の粒子のクラスタ化又は粒子の密度が、キャプチャされた画像における粒子区別を阻害する所定のしきい値に達したときに、中央サーバは清浄化をトリガし得る。
【0034】
314において、粒子識別に関する情報が、感知デバイス100上での表示のために中央サーバから受信されるか、又は表示のためにユーザ・デバイスに送信され得る。
【0035】
図4は例示的なネットワーク410の一実施例の概略ブロック図を示す。例示的なネットワーク410は、たとえば、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN:wide area network)470、有線ローカル・エリア・ネットワーク(LAN:local area network)460、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN:wireless local area network)430、及び/又は無線ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)480など、通信可能に結合される1つ又は複数のネットワークを含む。LAN460及びWLAN430は、住居内で、或いはオフィス・ビル、製造工場、病院、小売店、ホテル、レストラン、診療所又は他の施設など、企業環境内で動作し得る。ワイヤレスWAN480は、たとえば、セルラー・ネットワーク、WiMAXネットワーク、エッジ・ネットワーク、GERANネットワークなど、又は衛星ネットワーク、又はそれらの組合せを含み得る。WAN470は、インターネット、サービス・プロバイダ・ネットワーク、他のタイプのWAN、又はそれらの1つ又は複数の組合せを含む。
【0036】
ユーザ機器(UE)420a、420b、420cは、ネットワーク410を介して、1つ又は複数の感知デバイス100a、100b、100cに、中央サーバ400に、健康管理プロバイダ440に、他のUE420a~420cなどに通信し得る。UE420は、スマート・フォン、ラップトップ、デスクトップ、スマート・タブレット、スマート・ウォッチ、又は任意の他の電子デバイスを含み得る。
【0037】
感知デバイス100の各々は、直接UE420のうちの1つ又は複数に通信可能に結合されるか、又は例示的なネットワークのうちの1つ又は複数によって通信可能に結合される。感知デバイス100は、住居内、又は病院、製造工場、オフィス、ホテル、診療所、スタジアム又は他の施設など、企業環境内に位置し得る。感知デバイス100はまた、公園内、街路、ハイウェイ、建築物の最上部など、戸外に位置し得る。さらに、感知デバイス100は、列車、車、航空機又は他の交通手段(mode of transportation)上に位置し得る。感知デバイス100は、空中粒子をキャプチャし、撮像し、画像をネットワーク410を介して中央サーバ400に送信するように構成される。単一の中央サーバ400が示されているが、中央サーバ400は、1つ又は複数のロケーションにある複数のサーバ又は他の計算デバイスを含み得る。
【0038】
感知デバイス100及び中央サーバ400は、したがって、アレルゲン及び汚染物質のレベルを検出するために使用され得る。たとえば、感知デバイス100は、粒子の識別のための画像を中央サーバ400に与え得る。中央サーバ400は、建築物の周囲、街路、或いは市の1つ又は複数の部分など、戸外で局所的に見つけられるアレルゲン・レベル及び汚染物質レベルを決定する。中央サーバ400はまた、住居、職場、小売店センター、工場、スタジアム又は他の屋内エリア内で、戸内で見つけられるアレルゲン及び汚染物質の識別及びレベルを与え得る。ネットワーク410を使用して、他の市、州、国において又は国際的に見つけられたアレルゲン及び汚染物質の識別及びレベルもUE420に与えられ得る。1つ又は複数の感知デバイス100は、本明細書の1つ又は複数の機能を実行するために中央サーバ400と通信し得る。
【0039】
感知デバイスl00a~100cのネットワークはまた、ユーザが屋内エリアと屋外エリアとの間のアレルゲン及び汚染物質のレベルを比較することを可能にする。喘息、COPD又は他の健康状態をもつユーザは、アレルゲン及び汚染物質の屋外レベルがそのような比較に基づいてより高いとき、屋外活動を制限することを決定し得る。識別された空中粒子は、花粉、ブタクサ、イネ科草本(grass)、ライ麦、ペットのふけ(pet dander)、カバノキ、かび、ヨモギ属(アルテミシア、Artemisia)など、一般的なアレルゲンを含み得る。識別された空中粒子はまた、オゾン、NOx、CO、Soxなど、汚染物質を含み得る。これらの記載されたタイプの粒子は単なる実例であり、他のタイプの粒子も感知デバイス100及び中央サーバ400によって識別され、監視され得る。
【0040】
図5は中央サーバ400の概略ブロック図をより詳細に示す。中央サーバ400は、ネットワーク410における例示的なネットワークのうちの1つ又は複数との無線及び/又は有線ネットワーク通信のためのインターフェースを含む、ネットワーク・インターフェース回路502を含む。ネットワーク・インターフェース回路410はまた、中央サーバ400のリソースの一部又は全部へのアクセスを可能にする前に認証を行う認証機能を含み得る。ネットワーク・インターフェース回路502はまた、ファイアウォール機能と、ゲートウェイ機能と、プロキシ・サーバ機能とを含み得る。
【0041】
センサ制御回路504は、1つ又は複数の感知デバイス504を制御するように構成される。センサ制御回路504は、感知デバイス100にソフトウェア・アップデートを通信し、感知デバイス100の動作を制御するためのフィードバック及びコマンドを与え得る。
【0042】
中央サーバ400は健康監視アプリケーション520を含む。健康監視アプリケーション520は、UE420及び感知デバイス100上にインストールされるか、又はそれらと通信するように動作可能であり得る。健康監視アプリケーション520は、中央サーバ400によってサポートされるウェブベース・アプリケーションであり得る。たとえば、中央サーバ400は、ウェブサイトを介して健康監視アプリケーション520を与えるウェブ・サーバを含み得る。UE420は、中央サーバ400にアクセスするブラウザを使用して健康監視アプリケーション520の機能及びデータにアクセスし得る。別の実施例では、健康監視アプリケーション520は、UE420にダウンロードされたスタンドアロン・アプリケーションであり、中央サーバ400にアクセスすることなしにUE420上で動作可能であるか、又は追加の情報又はデータのために中央サーバ400上の健康監視アプリケーション520にアクセスする。感知デバイス100はまた、健康監視アプリケーション520を含み得るか、又は、本明細書で説明する1つ又は複数の機能を実行するために中央サーバ400と通信するように動作可能であり得る。代替的に、健康監視アプリケーション520及び関連するデータベースは、感知デバイスが、ネットワーク410を介して中央サーバ400に通信することなしに本明細書の1つ又は複数の機能を実行するように動作可能であり得るように、感知デバイス100にダウンロードされ得る。
【0043】
さらに、中央サーバ400は内部又は外部記憶デバイス506を含み得る。記憶デバイス506は粒子データベース及び/又はユーザ・データベースを含み得る。ユーザ・データベースは、健康監視アプリケーション520の各ユーザについて記憶されるユーザ固有のプロファイルを含む。粒子データベースは、花粉、ペットのふけ、かび及びイエダニなど、アレルゲンを含む、様々な粒子のデータ及び画像を含む。他のタイプの粒子はまた、鉱物、木材の残りかす、汚染物質、又は他のタイプの空中粒子を含み得る。ニューラル・ネットワーク・デバイス510は、本明細書でより詳細に説明するように、粒子データベース中の画像を使用して粒子のタイプを識別する。
【0044】
画像処理デバイス508は1つ又は複数の感知デバイス100から画像を受信する。ニューラル・ネットワーク・デバイス510による識別の前に、画像処理デバイス508は、データ分析及び識別を改善するために、またサーバ負荷を低減するために画像を処理する。画像処理デバイス508は、様々な照明条件の下で取得された画像を向上させるために様々な技法を採用し得る。さらに、画像処理デバイス508は、より広い焦点面を達成するための画像レイヤリング技法を使用して、様々な焦点面をもつ画像を組み合わせ得る。
【0045】
図6は、粒子の画像を処理するための方法600の概略ブロック図をより詳細に示す。画像処理デバイス508は、602において、画像を象限(quadrant)にクロップ又は分割し、次いで604において、象限中の個々の粒子のアウトライン化又はクロッピングを実行する。この処理は、画像中の個々の粒子のロケーションを特定し、クラスタ中の粒子を分離するのを助ける。
【0046】
一実施例では、識別のためにロケーションを特定された粒子を処理する前に、606において、画像処理デバイス508は、粒子が以前にロケーションを特定され、識別されたかどうかを決定する。たとえば、時間経過に伴う収集プレートの撮られた画像は、以前に撮像され、識別された粒子を含み得る。画像処理デバイス508は、現在の画像中の粒子の位置を、前の画像中の以前に識別された粒子の位置と比較する。現在の画像中の粒子のロケーションが前の画像中の以前に識別された粒子に対してほぼ同じであるとき、画像処理デバイス508は、粒子が同じものであることを決定する。粒子の位置だけでなく粒子のサイズも、この決定において比較され得る。次いで、粒子を含む現在の画像の部分は、廃棄され、再び識別されることはない。これは時間及びサーバ負荷を節約する。さらに、同じ粒子は2回カウントされない。粒子のロケーションは、収集プレート又は他の基準点に対する座標であり得る。
【0047】
さらに、収集プレートの清浄化後に、粒子が残っているかどうかを決定するために、事前識別された粒子が、新たに取得された画像と比較される。事前識別された粒子の画像は廃棄され、再び識別されること又は粒子カウントに2回含まれることはない。したがって、時間とともに取得された画像中の事前識別された粒子、又は清浄化後に収集プレート上に残っている事前識別された粒子は、画像処理デバイス508によって決定される。
【0048】
以前に識別されていない粒子については、個々の粒子の輪郭又はクロップされた画像が、次いで、識別のために処理される。画像処理デバイス508は、608において粒子識別を受信し、610において異なるタイプの粒子について粒子カウントを実行し得る。たとえば、画像処理デバイス508は、読取り時間、空気流の速度及び粒子の識別を使用して、粒子カウントを決定し得る。画像処理デバイス508は、感知デバイス100内の毎時のアレルゲン及び気流の読取りの数を決定する。この情報から、感知デバイス100は、異なるタイプの粒子についての濃度(100万分率であるPPMなど)をより高い正確さで取得し得る。
【0049】
図7は、ニューラル・ネットワーク・デバイス510の概略ブロック図をより詳細に示す。ニューラル・ネットワーク・デバイス510は、ニューラル・ネットワーク(NN:neural network)処理回路702と、NNメモリ・デバイス704とを含む。NNメモリ・デバイス704は、学習ベクトル706と、それへの更新とを記憶する。入力ベクトル生成モジュール708は、粒子の輪郭又はクロップされた画像から入力ベクトル710を生成するように構成される。入力ベクトル710は、粒子の画像を使用して決定された、テクスチャ、サイズ、色、形状又は他の情報を含み得る。NN処理回路702は、粒子画像から粒子の識別を含む出力ベクトル712を生成する。
【0050】
NN処理回路702は、学習ベクトル706を用いて構成された機械学習アルゴリズム又は人工知能(AI:artificial intelligence)アルゴリズムを実装するように構成される。学習段階中に、ニューラル・ネットワーク・デバイス510は、入力ベクトルから知られている出力ベクトルをもたらすように、学習ベクトルのパラメータ、重み及びしきい値を反復的に調整する。トレーニングは、学習アルゴリズムとしても知られる、ルールの定義されたセットを使用して実行される。たとえば、教師あり(supervised)トレーニング・モデルの場合には、勾配降下(gradient descent)トレーニング・アルゴリズムが使用される。実際の出力がターゲット出力と異なる場合、差又は誤差が決定される。勾配降下アルゴリズムは、この誤差を最小にするような様式でネットワークの重みを変化させる。他の学習アルゴリズムは、バック・プロパゲーション(back propagation)、最小2乗平均(LMS:least mean square)アルゴリズム、「ランダム・フォレスト(random forest)」、制限付きボルツマン・マシンを使用してトレーニングされたディープ・ビリーフ・ネットワーク(deep belief network)、又はサポート・ベクター・マシン(support vector machine)を含む。分析は、たとえば、限定はしないが、ランダム・フォレスト、サポート・ベクター・マシン、又は制限付きボルツマン・マシンを使用してトレーニングされたディープ・ビリーフ・ネットワークなど、任意の知られている回帰分析(regression analysis)技法を使用し得る。ニューラル・ネットワークは、人工ニューラル・ネットワーク、ディープ・ニューラル・ネットワーク、人工知能デバイスなどとしても知られる。
【0051】
学習ベクトルを決定するためのトレーニング・セットは、既知の粒子の臨床画像から取得され得る。たとえば、研究室において識別された、既知のアレルゲンは、収集プレート106上に堆積され、アレルゲンの画像が感知デバイス100によってキャプチャされ得る。これらの画像は、次いで、ニューラル・ネットワーク・デバイス510のためのトレーニング・セットとして使用される。トレーニング・セット及び学習アルゴリズムは、粒子が環境中で識別されるか又は新しい粒子識別が取得される際に更新され得る。たとえば、粒子の識別が未知である場合、粒子の画像は科学者によって手作業で調査され、粒子の識別情報が決定され得る。粒子の画像及びそれの識別情報は、次いで、トレーニング・セットに追加され、学習アルゴリズムが更新される。
【0052】
図8は、ニューラル・ネットワーク・デバイス510において学習ベクトルを更新するための方法の概略ブロック図を示す。中央サーバ400は、それが追加のデータ及び粒子の画像を受信する際に、トレーニング・セットを継続的に更新し得る。更新されたデータは、既知の粒子の画像又は新たに識別された粒子の画像を含み得る。たとえば、802において、臨床研究所、研究室、感知デバイス100、又は他のソースからトレーニング・セットのために粒子の更新された画像又は新しい粒子の画像が取得され得る。
【0053】
804において、更新されたトレーニング・セットは、ニューラル・ネットワーク・デバイス510のための学習アルゴリズムを使用して処理される。806において、NN処理デバイス702のための処理パラメータを含む更新された学習ベクトル706が生成される。808において、更新された学習ベクトル706がNN処理デバイス702を含む中央サーバ510に送信される。810において、NN処理デバイス702は、更新された学習ベクトル/処理パラメータを使用して構成される。トレーニング・セットと学習ベクトルとを更新するこのプロセスは、毎時、毎日、毎週又は毎月生成される学習ベクトルの定期更新を継続し得る。
【0054】
図9は、アレルゲン情報とアドバイスとを与えるための方法900の概略ブロック図を示す。902において、中央サーバ400は、ユーザ又はUE420に関連付けられた1つ又は複数の感知デバイス100を決定する。感知デバイス100は、たとえば同じ住居又はオフィスにおける複数のユーザ/UEに関連付けられ得る。さらに、家庭又はオフィスにある複数の感知デバイスが同じユーザ/ユーザのUEに関連付けられ得る。904において、中央サーバ400は、ユーザに関連付けられた1つ又は複数の感知デバイス100から取得された画像から、識別された粒子についての粒子識別と粒子カウントとを取得する。906において、健康監視アプリケーション520を使用して、中央サーバ400は、症状のユーザ・データベースと粒子カウントとに基づいて健康指標を決定する。908において、ユーザについての健康勧告又はアドバイスも決定され得る。たとえば、中央サーバ400は、識別された粒子タイプと粒子カウントとに基づく健康勧告のデータベース、及び/又はユーザの感度に基づく健康勧告のデータベースを使用し得る。これらの健康勧告は、アレルギー治療薬を服用すること、点眼薬、マスクを使用することなどを含み得る。ユーザにおいて症状をトリガするアレルゲン・カウントしきい値のデータベースを使用して、中央サーバ400は、ユーザのアレルギーの診断と、ユーザにおいて反応をトリガする粒子カウントを与え得る。
【0055】
一実施例では、908において、環境勧告も決定され得る。たとえば、温度、湿度、光、ロケーションを通る空気流が、ユーザに影響を及ぼすアレルゲン・レベルに影響を及ぼし得る。中央サーバ400は、アレルゲンのタイプと粒子カウントとに基づく、環境中のアレルゲン・レベルを下げるための行動/勧告のデータベースにアクセスし得る。たとえば、高いかびカウントについて、中央サーバ400は、除湿器をオンにするか、又はサーモスタットの温度を上げる勧告を生成し得る。イエダニに対しては、湿度を変更し、温度を下げる勧告が生成され得る。花粉/ペットのふけに対しては、空気清浄機を制御するか、又は換気孔を閉める勧告が発せられ得る。他の環境勧告は、サーモセット、加湿器、除湿器、ヒーター、照明、戸外通気孔、窓、暖房換気空調(HVAC:heating, ventilation, air conditioning)システム、自動掃除機(ルンバ)、ファンなどの設定を制御することを含み得る。他の勧告は、アレルゲン性植物を除去すること、フィルタを交換すること、保守を実行すること、戸外活動を制限することなどを含み得る。環境勧告はまた、現在の気象条件又は予報に基づき得る。たとえば、かびカウントが高い、暑く湿度が高い日には、環境勧告は、除湿器を作動させることと、温度設定を下げることとを含み得る。
【0056】
910において、健康勧告及び環境勧告は、ユーザに関連付けられたUE420に送信される。ユーザは、環境勧告に応答して1つ又は複数のデバイスの設定を手作業で変更することを決定し得る。別の実施例では、UE420は、ホーム又はオフィス・システムと一体化され、ホーム・オートメーション勧告に応答して施設中の1つ又は複数のデバイスを自動的に制御し得る。たとえば、UE420は、環境勧告に応答してロケーションの温度又は湿度を自動的に制御するために、HVACと一体化されるか、又はHVACを制御するように構成され得る。別の実例では、UE420は、窓を開ける、ファン速度、温度を上げるなど、車両における設定を自動的に制御し得る。
【0057】
一実施例では、健康勧告及び環境勧告は、ユーザの症状の重症度、粒子カウント及び/又はアレルゲンのタイプに応じて複数の段階(tier)を有し得る。第1の段階の勧告は、軽度のユーザ症状、通常のタイプのアレルゲン及び平均以下の粒子カウントの報告を受けて、第1の時間区間においてユーザに与えられる。第1の段階は、市販薬、及びHVAC設定など、既存の家庭内機器を制御することを含み得る。ユーザが、第2の時間区間において、たとえば同程度か又は重症化した継続した症状、或はあるタイプのアレルゲンの粒子カウント増加を報告した場合、第2の段階の勧告がユーザに与えられ得る。たとえば、第2の段階は、アレルギー治療薬の増量又は変更、エア・フィルタ又は他の新しい機器を入手すること、マスクを着用すること、戸外活動を制限すること、医療専門家に連絡することなどについての勧告であり得る。第3の段階の勧告は、緊急応答(911番電話)に連絡すること又は救急室への速やかな移動を含み得る。第2又は第3の段階の勧告は、ユーザの症状の重症度、粒子カウント又はアレルゲンのタイプに応じて最初にユーザに与えられ得る。たとえば、高汚染日について、第2の段階の勧告が与えられ得るか、又はユーザが呼吸困難を報告した場合、第3の段階の勧告が与えられ得る。
【0058】
図10は、環境勧告に応答してユーザ・ロケーションにおける1つ又は複数のデバイスを制御するための方法1000の概略ブロック図を示す。UE420は、アレルゲンのダッシュボード又は他の表示を含む健康監視アプリケーションを含む。1002において、UE420は、1つ又は複数のタイプの粒子についての粒子カウントと健康勧告とを受信し、ダッシュボードを更新し、ユーザにアラートを与え得る。1004において、UE420はまた、アレルゲンのタイプと粒子カウントとに応じた環境勧告を受信し得る。1006において、UE420は環境勧告のうちの1つ又は複数の承認を要求し得る。承認の指示を受信すると、1008において、UE420は、環境勧告に応答して、ユーザ・ロケーションにある1つ又は複数のデバイスを制御し得る。別の実施例では、UE420は、ユーザ承認なしに、環境勧告に応答して、ユーザ・ロケーションにある1つ又は複数のデバイスを自動的に制御し得る。別の実施例では、中央サーバ400は、環境中のデバイスを制御するために中央管理施設と通信し得る。たとえば、中央サーバ400は、温度、湿度、空気流などを増加又は減少させるために病院施設システムと通信し得る。
【0059】
一実施例では、UE420は、1010において実行された行動に関して中央サーバ400にフィードバックを与え得る。たとえば、UE420は、温度設定が変更されたが、戸外の窓が開かれなかった(たとえば、ロケーションに窓が存在しないか又は開かれていないことがある)というフィードバックを与え得る。中央サーバ400は、その場合、窓を開けるのではなく、HVACシステムのファン速度を上げるなど、将来の環境勧告を変更し得る。UE420又は中央サーバ400は、このようにして、環境勧告に応答してユーザ・ロケーションにある1つ又は複数のデバイスと通信し得る。
【0060】
図11はユーザ機器(UE)420の一実施例の概略ブロック図を示す。UE420は、スマート・フォン、スマート・タブレット、ラップトップ、スマート・ウォッチ、デスクトップ、TV、車両、又は他の電子デバイスを含み得る。UE420は端末制御回路1105を含む。端末制御回路1105は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラマブル論理デバイス、状態機械、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、並びに/或いは、回路及び/又は動作命令のハード・コーディングに基づいて信号(アナログ及び/又はデジタル)を操作する任意のデバイスなど、1つ又は複数の処理デバイスを有する処理回路を含む。
【0061】
端末制御回路1105には、ディスプレイ1100が接続される。ディスプレイ1100は、ユーザがUE420と対話することを可能にするユーザ・インターフェースの一実例である。ディスプレイ1100は、タッチスクリーン、LED又は他のタイプのディスプレイを含み得る。ディスプレイ1110は、UE420に一体化され得るか、又はUE420とは別個であり得る。たとえば、ディスプレイ1120は、コンピュータ・モニタ、テレビジョン・スクリーン、又はヘッド・マウント・ディスプレイであり得る。ディスプレイ1120は、本明細書で説明するように、ユーザがデータ及びグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI:graphical user interface)を見ることを可能にする。UE420は、マウス、キーボード、タッチパッド、音声認識回路、又はジェスチャー認識回路など、1つ又は複数の他のユーザ・インターフェース1112を含むか、又はそれらに動作可能に結合され得る。
【0062】
UE420は、端末制御回路1105に接続された端末ストレージ1125を含む。端末ストレージ1125は、読取り専用メモリ、ランダム・アクセス・メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティック・メモリ、ダイナミック・メモリ、フラッシュ・メモリ、キャッシュ・メモリ、及び/又はデジタル情報を記憶する任意の非一時的メモリ・デバイスなど、1つ又は複数のメモリ・デバイスを含み得る。さらに、端末ストレージ1125は、端末制御回路1105によって実行されたときに、本明細書で説明する1つ又は複数の機能を実行するように端末ストレージ1125を制御し得る、1つ又は複数の命令又はプログラムを記憶し得る。端末ストレージ1125は健康管理(health care)監視アプリケーション520とデバイス制御モジュール1140とを記憶する。たとえば、健康管理監視アプリケーション520は、1つ又は複数のグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を提示するようにUE420に指示するための論理を実行するように端末制御回路1105に命令し得る。GUIは、中央サーバ400によって生成されたデータ、並びにユーザ・データ及びコマンドを入力するためのGUIを提示する。デバイス制御モジュール1140は、HVACシステム又はサーモスタット、加湿器、除湿器、自動掃除機、通気孔、窓、空気清浄機、ファンなど、ユーザのロケーションにある1つ又は複数のデバイスを制御するように構成される。
【0063】
UE420は、Bluetoothトランシーバ1124、WLAN(IEEE802.11x準拠)トランシーバ1122、又は全地球測位衛星(GPS:global positioning satellite)モジュール1126のうちの1つ又は複数をさらに含み得る。UE110はまた、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーションズ・システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)地上波無線アクセス・ネットワーク(UTRAN:UMTS Terrestrial Radio Access Network)、ロング・ターム・エボリューション(LTE:Long Term Evolution)発展型UTRAN(E-UTRAN:Evolved UTRAN)、LTE-Advanced(LTE-A)又は他のワイヤレス・ネットワーク・プロトコルに準拠する、RFトランシーバ1120を含み得る。UE420は、USBポート/トランシーバ1128、イーサネット(登録商標)・ポート1130又はRFIDタグ1132をさらに含み得る。UE420はまた、バッテリー・モジュール1114を含み得る。1つ又は複数の内部通信バス(図示せず)がUE420の構成要素のうちの1つ又は複数を通信可能に結合し得る。
【0064】
図12Aは、ユーザ・データベース1200の一実施例の概略ブロック図を示す。ユーザ・データベース1200は、複数のユーザ・プロファイル1210a~1210nと、中央サーバ400の内部又は外部に記憶され得るジオロケーション・テーブル1220とを含む。ユーザ・プロファイル1210a~1210nは、中央サーバ400において健康監視アプリケーション520に登録されたユーザについての情報を含む。一般に、この登録は、ユーザが、中央サーバ400において健康監視アプリケーション520にUE420及び/又は感知デバイス100を登録するときに行われる。ユーザは、一般に、健康監視アプリケーション520をUE420にダウンロードするか、又はウェブ・サーバとウェブサイトとを介してアプリケーションにアクセスし得る。ユーザ・プロファイル1210a~1210nは、既知のアレルギー、年齢、性別、その特定のユーザに関連付けられた他の関連がある病歴を含み得る。さらに、粒子カウント及び関連付けられたユーザ症状もユーザ・データベース1200のユーザ・プロファイル内に記憶される。特に、粒子カウントの日付及び時間は感知デバイス100のロケーションとともに記憶される。ロケーションは、自治区(borough)、市、郵便番号、住所、又は感知デバイス100のGPS座標を含み得る。
【0065】
さらに、UE420のユーザによってロギングされた症状も粒子カウントに対応して記憶される。たとえば、ユーザ・プロファイル1210aにおいて、ユーザによってロギングされた症状は目の痛み(sore eye)と鼻水とを含む。ユーザ入力はまた、これらの症状の重症度が高い重症度であることを含む。言い換えれば、ユーザがその粒子カウントにさらされると、ユーザはこれらの症状を高い重症度でこうむる。症状はアレルギー又は喘息又は他の健康状態に起因し得る。
【0066】
感知デバイス100は、1つ又は複数の設定による測定を実行するように構成され得る。たとえば、感知デバイス100は、粒子の画像を定期的に(たとえば15分、30分、1時間ごとになど)キャプチャするように構成され得る。感知デバイス100は、粒子の画像を毎日同じ時間に(たとえば、午前10時、午前11時、午後1時、午後3時になど)キャプチャするように構成され得る。感知デバイス100はまた、ユーザがUE420を用いて症状をロギングすることに応答して、又はUE420のユーザによる要求に応じて、画像をキャプチャするように構成され得る。
【0067】
中央サーバ400は、次いで、キャプチャされた画像中の粒子を識別し、粒子カウントを決定する。中央サーバ400は、毎時の特定のアレルゲンの読取りの数と、感知デバイス100内の気流とを決定する。この情報から、中央サーバ400は、特定のアレルゲン又は汚染物質又は他の微粒子の濃度又はカウントをより正確に取得し得る。この情報は同様にジオロケーション・テーブル1220に記憶され得る。たとえば、粒子P1及びP2の密度は、ユーザAのための第1の感知デバイス100に関連付けられたウェストミンスターについて記録される。粒子P2の密度は、ユーザBのための第2の感知デバイス100に関連付けられたウェストミンスターについて記録される。
【0068】
ジオロケーション・テーブル1220は、したがって、時間期間中に各ロケーションにおいて検出された1つ又は複数のタイプの粒子の密度(粒子Pl、P2、P3などの密度)を含み得る。この記録は、公衆衛生に影響を及ぼし得るアレルゲンと汚染物質と他の微粒子とを監視するために、監視されるべき特定のロケーションについての傾向と、地方自治体及び政府のために照合されるデータが得られる。これは、公衆衛生への影響が重大であり得る特定の住居ロケーションにおいて、微細な粒子状物質など、高レベルの汚染物質が報告される場合に、特に有用である。さらに、このデータは、実施例では住居内に配置された感知デバイス100から収集されるので、地方自治体及び政府は住居内からのデータを有することになる。この種のデータは、通常、公共団体にとってアクセス可能でなく、実際に、人々が日常的にさらされているアレルゲン及び刺激物をよりよく表している。
【0069】
この情報に加えて、この情報を報告する感知デバイス100の識別子が、センサ測定と関連して記憶される。1つのロケーションにある複数の感知デバイス100により、地方自治体は、たとえば市の街路又は地域レベルからアレルゲン・カウントを与えることが可能になる。さらに、これにより、この特定の場所にある他のユーザの感知デバイスが、ユーザの家庭及び場所内の汚染物質とアレルゲンとに関するクラウド・ソーシングされた情報を与えることを可能にする。この集合情報は、異なるロケーション又は市に移動するユーザにとって有用であり得る。
【0070】
図12Bは、勧告データベース1230の一実施例の概略ブロック図を示す。勧告データベース1230は、中央サーバ400の内部又は外部に記憶され得る複数の健康勧告及び環境勧告1240を含む。勧告データベース1230は、1つ又は複数のタイプの粒子と粒子カウントとに応答して勧告を記憶する。勧告は、ユーザに関連付けられたUE420に与えられ、端末ディスプレイ1ldi00に表示される。
【0071】
ユーザは、UE420を使用して健康監視アプリケーション520のGUI中に1つ又は複数の症状と症状の重症度とを入力し得る。データベースは、入力された症状、症状の重症度、及びアレルゲン又は他の微粒子のタイプについての関連する健康アドバイス及び環境勧告を記載する。
【0072】
健康アドバイスは、たとえば医療支援に基づいて、あらかじめ記憶される。たとえば、健康監視アプリケーション520は、様々な粒子(アレルゲン、汚染物質又は他のタイプの粒子)の識別を取得し、それらの汚染物質及びアレルゲンに関連付けられた、ユーザによって入力された対応する症状を記憶する。UE420又は感知デバイス100のいずれかを使用してユーザによって識別された症状の重症度に応じて、勧告データベース1230中にあらかじめ記憶された、識別された粒子の影響を低減するための適切な健康アドバイスが、UE420に戻される。さらに、そのタイプの粒子のレベルを下げるための環境勧告が与えられる。勧告はまた、同様に気象条件とアレルゲン予報とに基づき得る。
【0073】
他の事例では、アドバイスに加えて、又はアドバイスの代わりに(特定のアレルギーを専門にし、ユーザのロケーションにいる)医師の連絡先詳細が与えられる。これは、たとえば、ユーザが重度のアレルギー症にかかっている場合に適切であり得る。実際、ユーザ・データベース1200からのユーザの病歴と現在の症状及び重症度とは医師に同時に与えられ得る。これは、ユーザのアレルギー反応及びユーザの環境中に存在するアレルゲンに対して医師に警告する。これは、ユーザに与えられる治療を支援し得る。本当に重症の場合、緊急サービスがユーザのジオロケーションに自動的に急送され得る。
【0074】
感知デバイスのネットワークはまた、システムがユーザの屋内エリアとユーザに近い屋外エリアとの間でアレルゲン及び汚染物質のレベルを比較することを可能にする。たとえば、健康アドバイスは、そのような比較に基づいて、アレルゲン及び汚染物質の屋外レベルが屋内レベルよりも高いときに、屋外活動を制限するための注意を含み得る。喘息、COPD又は他の健康状態をもつユーザは、その場合、屋外活動を制限することを決定し得る。
【0075】
健康アドバイス及び環境勧告はまた、気象条件と粒子カウントとの予報に基づき得る。たとえば、カバノキの花粉は温度とともに上昇し得るが、雷雨及び湿度は花粉レベルを高める。感知デバイス100はまた、健康アドバイスと環境勧告とを与えるための他のファクタを決定することを支援するために、汚染検出器、温度センサ、湿度検出器などを含み得る。
【0076】
図13Aは、グラフィカル・ユーザ・インターフェース1300の一実施例の概略ブロック図を示す。グラフィカル・ユーザ・インターフェース1300は、健康管理監視アプリケーション520を使用してUE420又は中央サーバ400によって生成され得る。図13Aを参照すると、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)1300をもつディスプレイ1100を有するUE420が示されている。このGUI1300を使用して、ユーザは1つ又は複数の症状を選択し得る。
【0077】
この例示的実施例では、GUI1300は、様々な症状を強調表示するドロップダウン・メニューを含むが、症状を手作業で入力するフィールドなど、他のタイプのユーザ・インターフェースが想定される。GUI1300はまた、アレルギー症状1320の重症度の選択のためのドロップダウン・メニューを含む。この実例では、ユーザは、ユーザの症状がくしゃみと咳とを含み、症状が、重症度は低いことを示している。
【0078】
図13Bは、グラフィカル・ユーザ・インターフェース1300の別の実施例の概略ブロック図を示す。GUI1300は開始又は「ログ」ボタン1350をさらに含む。ユーザ・データベース1200がアクセスされ、識別された1つ又は複数の粒子と症状とに基づいて、勧告が、次いで中央サーバ400によってUE420に戻される。健康アドバイス、たとえば顔をすすいでください、がフィールド1330中に現れる。環境勧告、たとえば、窓を閉じ、空気清浄機を作動させてください、がフィールド1340中に与えられる。一実施例では、UE420は、自動的に空気清浄機を制御し、窓を閉じるか又はユーザ承認を待ち得る。
【0079】
ユーザはまた、症状と、自分の日常活動への影響との入力を与え得る。たとえば、症状は、睡眠を損ない、ユーザが働く又はスポーツなどをする能力を制限し得る。言い換えれば、発症の深刻さが判定され得る。ユーザがこの情報をロギングすると、中央サーバ400は、汚染、アレルゲン、環境要因(温度、湿度など)のうちの1つ又は複数のレベルを決定する。
【0080】
1人の又は多くのユーザからのこの情報は、次いで、ロギングされた症状と相関する1つ又は複数の微粒子を決定するために、主成分分析など、統計ツールを使用して分析される。中央サーバ400は、次いで、どの1つ又は複数の微粒子(汚染、アレルゲン、又は他の環境要因)が症状の推定原因であるかを決定し得る。この情報により、ユーザは、自分の症状を引き起こしている要因又はアレルゲンに気づくことが可能になる。これらの症状は、ユーザと、関連する1つ又は複数の微粒子とに関連付けられて、ユーザ・データベース1200に記憶され得る。したがって、この情報により、ユーザは、ユーザについての様々な症状を引き起こすアレルゲンを識別することが可能になる。臨床医は、ユーザが経験した症状を調べ、症状が現れる時間に存在するアレルゲン又は要因と、症状が現れた時刻とを同定することができるので、この情報は、ユーザが診療所に通う場合に有用である。この健康監視アプリケーション520は、このようにして、アレルギー日記として使用され得る。健康監視アプリケーション520は、アレルゲン及び/又は他の要因と、ユーザの症状とを記録する。
【0081】
さらに、実施例では、長期のアレルギー又は喘息症状の予測が健康監視アプリケーション520によって実行される。特に、ユーザの症状をトリガするアレルゲン及び他のファクタが決定されると、次の数日間、数週間及び数カ月間にわたる将来の症状が予測され得る。これを達成するために、所与のジオロケーションについての汚染及びアレルゲンのレベルのゆらぎを予測するために、病歴データとともに長期の気象及び汚染予報が使用される。この情報は、ユーザが次の数日間、数週間又は数カ月間にわたってアレルギー症状にかかるかどうかを、(ジオロケーションにいる)ユーザに示すために使用される。さらに、空気の質を改善することによって症状の重症度を低減するか、又はさらには発生を完全に回避するために、ユーザにアドバイスが与えられ得る。要約すれば、健康監視アプリケーション520は、起こり得る長期のアレルゲン問題をあらかじめユーザに通知又は警告し得る。この警告により、予防的アドバイスがユーザに与えられることが可能になる。
【0082】
さらに、環境の定期検査中に、特定のアレルゲン又は特定のアレルゲンの量があるレベルを超えたとき、中央サーバ400はユーザに警告をプッシュ通知することができる。警告は、アレルゲンの影響をどのように低減するかについての健康アドバイス、又はユーザの環境中のアレルゲンの量をどのように低減するかについて説明するアドバイスを含み得る。この警告は、したがって、アレルゲンに関連する症状が示される前に、ユーザが、それらの症状を回避するための予防措置を取ることを可能にする。
【0083】
中央サーバ400はまた、ユーザの症状の重症度が、同じ市又は他の市の他のユーザに対してどのようなランクにあるのかに関する個人報告を生成し得る。報告はまた、予報の確度レベルを与える。個人報告は、ユーザの生活の質に対するアレルゲンの影響を示し得る。
【0084】
上記では、ユーザによる症状及び重症度レベルの提供について説明したが、健康アドバイスは、UE420に健康アドバイスを返すためにこの情報を必要としないことがある。中央サーバ400は、粒子カウントと、そのような粒子に対する一般的な人々の反応とに基づく、一般的な健康アドバイスと環境勧告とを与え得る。上記では、アレルギー及び喘息に関するアドバイスについて説明したが、任意の種類のアドバイス、警告又はデータが実装され得る。
【0085】
図14は、健康監視アプリケーション520を使用して生成され得る別のGUI1400の実例の概略ブロック図を示す。この実例では、UE420及び/又は中央サーバ400にある健康監視アプリケーション520は、UE420のためのデータを与え、症状の存在/重症度と微粒子の濃度とを含むグラフ1405を表示するようにUE420に指示し得る。この例示的なグラフ1405には、1カ月の期間にわたる樹木花粉の密度が表示されている。UE420の選択されたユーザによってロギングされた症状の重症度又は存在が表示される。グラフ1405は、したがって、微粒子の密度と、選択されたユーザの症状の存在及び/又は重症度との間の相関を示し得る。GUI1400は、たとえば、週別グラフ、月別グラフ又は年別グラフなど、表示のための時間期間の入力のためのユーザ選択を含み得る。GUIはまた、グラフ1405に表示されるべき1つ又は複数のアレルゲン又は汚染物質又は他の微粒子の入力のためのユーザ選択を含み得る。
【0086】
図15は、健康監視アプリケーション520を使用して生成され得る別のGUI1500の実例の概略ブロック図を示す。UE420及び/又は中央サーバ400上の健康監視アプリケーション520は、ロギングされた症状及びユーザの症状の重症度を識別された微粒子と相関させる。たとえば、健康監視アプリケーション520は、UE420のためのデータを与え、ユーザが1年間にわたり症状を有することをロギングした時間に検出された微粒子の濃度を含むグラフ1505を表示するようにUE420に指示し得る。グラフ1505には、2017年中の症候状態の間に検出された微粒子の密度が表示されている。UE420の選択されたユーザの症状の重症度又は存在は、その年にわたって検出された微粒子の密度、及びその期間にわたる症状の原因であり得る識別された微粒子のパーセンテージと相関される。
【0087】
たとえば、グラフ1505は、2017年中の症状の主要な原因は、イネ科草本花粉45%、次いで二酸化硫黄19%、樹木花粉18%であり得ることを示している。グラフ1505は、7月の月別期間中の症状の主要な原因は、イネ科草本花粉25%、二酸化窒素25%、次いで他の微粒子20%であり得ることを示す。健康監視アプリケーション520は、このようにして、様々な微粒子と、ある時間期間にわたってユーザによってロギングされた症状の存在及び/又は重症度との間の相関を示すデータを決定し、表示し得る。この場合も、GUI1400は、たとえば、日別グラフ、週別グラフ、月別グラフ又は年別グラフなど、表示のための時間期間の入力のためのユーザ選択を含み得る。
【0088】
図16は、健康監視アプリケーション520を使用して生成され得る別のGUI1600の実例の概略ブロック図を示す。UE420及び/又は中央サーバ400上の健康監視アプリケーション520は、ロギングされた症状を、ユーザによって症状がロギングされたときに存在した1つ又は複数のタイプの微粒子の最小レベルと相関させる。ユーザの症状は、このようにして、ロギングされた症状が報告された、識別された微粒子の最小濃度と相関させられる。健康監視アプリケーション520は、次いで、1週間、1カ月間又は1年間など、要求された時間期間にわたって症状を有することをユーザが入力すると、UE420のためのデータを与え、検出されたあるタイプの微粒子の最小濃度を含むGUI1600を表示するようにUE420に指示し得る。
【0089】
たとえば、グラフ1605は、ユーザが症状を有することを入力したときに検出されたあるタイプの粒子状物質の最小濃度(たとえば、3PPM)を含む。グラフ1610は、ユーザが症状を有することを入力又はロギングしたときに検出された樹木花粉の最小濃度(たとえば、6PPM)を含む。グラフ1605及びグラフ1610は、このようにして、将来において症状をトリガし得る微粒子の最小レベルを予測することを助け得る。
【0090】
図17は、健康監視アプリケーション520を使用して生成され得る別のGUI1700の実例の概略ブロック図を示す。UE420及び/又は中央サーバ400上の健康監視アプリケーション520は、ロギングされた症状を、結果として生じたある時間期間にわたる生産性の損失と相関させる。ユーザの症状は、そのような症状による典型的な生産性の損失と相関させられる。代替的に、又はそれに加えて、ユーザは症状による生産性の損失を入力し得る。たとえば、健康監視アプリケーション520は、UE420のためのデータを与え、ある時間期間にわたる生産性の損失を含むグラフ1705を表示するようにUE420に指示し得る。
【0091】
図18は、健康監視アプリケーション520を使用して生成され得る別のGUI1800の実例の概略ブロック図を示す。UE420及び/又は中央サーバ400上の健康監視アプリケーション520は、ユーザが薬剤の服用をロギングする回数を記憶し、追跡する。健康監視アプリケーション520は、そのような症状による典型的な生産性の損失と相関させられたカレンダー1805を表示し得る。ユーザは、症状により服用された薬剤を入力し得る。たとえば、健康監視アプリケーション520は、UE420のためのデータを与え、薬剤がユーザによって服用されたとしてロギングされた日を示すカレンダー1805を表示するようにUE420に指示し得る。カレンダー1805は、このようにして、将来において症状がトリガされる、月又は年における日を予測することを助け得る。
【0092】
健康監視アプリケーション520は、UE420又は中央サーバ400から、健康管理プロバイダ195にデータを送信し得る。たとえば、本明細書で説明した報告又はデータのうちの1つ又は複数が健康管理プロバイダ195に送信され得る。健康管理プロバイダ195は、そのようなデータを使用して健康アドバイス又は薬剤を与え得る。
【0093】
図19は、あるジオロケーションにおける空気中の粒子の濃度を与えるための方法1900の一実施例の論理流れ図を示す。たとえば、異なる市又は国に移動しているユーザは、その市又は国における潜在的なアレルゲンの濃度に関する最新の更新を要求し得る。ユーザは、このようにして、既知のアレルゲンのための薬剤又は他の治療法を準備し得る。ユーザは、UE420上の健康監視アプリケーション520を使用して、あるジオロケーションについての最新の又は予報された粒子濃度又はカウントに関する報告についての要求を入力する。要求は、1つのタイプの粒子(たとえば、花粉、ブタクサ、又はかび)についてであるか、又はそのジオロケーションにおいて識別された微粒子のタイプに関する一般的な報告であり得る。UE420は要求を中央サーバ400に送信する。1902において、中央サーバ400は、要求を受信し、たとえば、過去の数分間、数時間、又は24時間にわたる、ジオロケーションにある1つ又は複数の感知デバイス100からの画像に基づく、ジオロケーションについての最新の報告を取得する。一実施例では、1904において、中央サーバ400は、要求されたジオロケーションにある感知デバイスからの最新の画像を要求する。感知デバイス100は、要求を受信すると画像をキャプチャし、画像を中央サーバ400に与え得る。1906において、中央サーバ400は、次いで、画像を処理し、ジオロケーションについての最新の粒子カウントを決定し得る。
【0094】
1908において、追加又は代替として、中央サーバ400は、ジオロケーションについての記憶された測定値を取得するために、ジオロケーション・テーブル1220にアクセスし得る。たとえば、中央サーバ400は、粒子カウントが所定の時間期間内に(たとえば、1分間又は1時間内に)ジオロケーションにおいて決定されたことを、タイム・スタンプから決定し得る。測定値は許容できる所定の時間期間内で最新であるので、中央サーバ400は、次いで、ユーザ・データベース1200からの記憶された粒子カウントに基づいて報告を与え得る。中央サーバ400は両方の方法の組合せを使用し得る。たとえば、中央サーバ400は、ジオロケーションにあるいくつかの感知デバイス100が、(たとえば、その時間内の)最新の測定値を有するが、ジオロケーションにある他の感知デバイス100は最新の画像を与えていないことを決定し得る。サーバ100は、これらの感知デバイス100からのみ最新の画像を要求し得る。
【0095】
1910において、中央サーバ400は、このようにして、ジオロケーションにおける最新の粒子カウントを取得し、ジオロケーションにおける最新の粒子カウントに関する報告を与える。中央サーバ400は、要求するUE420に対して、ジオロケーションにおける測定値に基づいて、報告を与えるか、又は微粒子濃度の範囲を与えるために、感知デバイス100の各々からの画像を使用して、測定値を平均(average)又は平均(mean)し得る。
【0096】
さらに、中央サーバ400は、同じ市内又は国内の異なるロケーションについての最新の微粒子濃度に関する報告を与え得る。たとえば、中央サーバ400は、市又は国の異なる地域における建築物の外、街路の微粒子の異なる濃度レベルを示すマップを与え得る。
【0097】
図20は、ジオロケーションにおける空気中の粒子レベルの予報を与えるための方法2000の一実施例の論理流れ図を示す。予報は、感知デバイス100の特定の位置、たとえば、住居又は会社の戸内について、或いは感知デバイス100の戸外ロケーションについて与えられ得る。別の実施例では、予報は、複数の感知デバイス100のロケーションにわたるジオロケーションについて与えられ得る。予報は、複数の感知デバイス100のうちの1つ又は複数のセンサ出力を使用して、及び気象予報を使用して、中央サーバ400によって決定され得る。予報は所定の将来の時間期間についての粒子濃度レベルを予測する。粒子濃度レベルは、花粉レベル、オゾン・レベルなど、汚染物質レベル又はアレルゲン・レベルを含み得る。将来の時間期間は、たとえば、1日間予報、2日間予報又は3日間予報を含み得る。
【0098】
2002において、予報を決定するために、所定の時間期間についての濃度レベルが取得される。たとえば、1日以上又は1週間以上についての最新及び過去の粒子濃度レベルがジオロケーションについて取得される。過去1年以上の同じ日又は週についての過去の濃度レベルも取得され得る。濃度レベルは、時間に対して及び気象に対してグラフ化され、粒子レベルは、所定の時間期間と気象条件とについて生成される。
【0099】
2004において、粒子レベル信号中のパターンが取得される。たとえば、粒子レベル信号の傾向、ノイズ又は周期が、時季と気象とに基づいて決定される。2006において、過去のパターンに基づいて、所定の将来の時間期間についての粒子レベルが予測される。1から3日間についての予報は、一般に、より長い時間期間についての予報よりも正確である。予報の確度レベルも決定され得る。
【0100】
2008において、所定の将来の時間期間についての1つ又は複数の粒子レベルの予報がユーザに与えられる。健康監視アプリケーション520は、要求に応じて予報をUE420のGUI上に表示し得るか、又はUE420上での表示のために自動的にプッシュ通知し得る。
【0101】
上記の教示に照らして本開示の多数の改変及び変形が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の範囲内で、本開示は、本明細書で具体的に説明されている以外の形で実施され得ることが理解されるべきである。
【0102】
本開示の実施例が、少なくとも部分的にソフトウェア制御型データ処理装置によって実装されるものとして説明されている限りにおいて、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなど、そのようなソフトウェアを担持する非一時的機械可読媒体も本開示の一実施例を表すと考えられることが諒解されよう。
【0103】
上記説明では、明快のために、異なる機能ユニット、回路及び/又はプロセッサに関して実施例について説明したことが諒解されよう。しかしながら、異なる機能ユニット、回路及び/又はプロセッサの間の機能の任意の好適な分配が、実施例を損ねることなしに使用され得ることが明らかになろう。
【0104】
説明された実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組合せを含む任意の好適な形態で実装され得る。説明された実施例は、少なくとも部分的に、1つ又は複数のデータ・プロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサ上で動作するコンピュータ・ソフトウェアとして、随意に実装され得る。すべての実施例の要素及び構成要素は任意の好適な形で物理的に、機能的に及び論理的に実装され得る。実際に、機能は、単一のユニット中に、複数のユニット中に、又は他の機能ユニットの一部として実装され得る。したがって、開示された実施例は、単一のユニット中に実装され得るか、又は異なるユニット、回路及び/又はプロセッサの間で物理的に及び機能的に分配され得る。
【0105】
本開示についていくつかの実施例とともに説明したが、本開示は、本明細書に記載された特定の形態に限定されるものではない。さらに、特徴は、特定の実施例に関して説明されているように思われ得るが、当業者は、説明された実施例の様々な特徴は、技法を実装するのに好適な任意の様式で組み合わせられ得ることを認識するであろう。
【0106】
本明細書における1つ又は複数の態様では、処理モジュール又は回路は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラマブル論理デバイス、状態機械、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、並びに/或いは、回路及び/又は動作命令のハード・コーディングに基づいて信号(アナログ及び/又はデジタル)を操作する任意のデバイスなど、少なくとも1つの処理デバイスを含む。メモリは、非一時的メモリ・デバイスであり、内部メモリ又は外部メモリであり得、メモリは単一のメモリ・デバイス又は複数のメモリ・デバイスであり得る。メモリは、読取り専用メモリ、ランダム・アクセス・メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティック・メモリ、ダイナミック・メモリ、フラッシュ・メモリ、キャッシュ・メモリ、及び/又はデジタル情報を記憶する非一時的メモリ・デバイスであり得る。
【0107】
本明細書で使用され得る際、「ように動作可能な」又は「ように構成可能な」という用語は、要素が、説明された又は必要な対応する機能のうちの1つ又は複数を実行するための回路、命令、モジュール、データ、入力、出力などのうちの1つ又は複数を含み、説明された機能又は必要な対応する機能を実行するための1つ又は複数の他のアイテムへの推論される結合をさらに含み得ることを示す。同じく本明細書で使用され得る際、「結合される」、「に結合される」、「に接続される」及び/又は「接続する」又は「相互接続する」という用語は、ノード/デバイス間の直接接続又はリンク、並びに/或いは介在するアイテム(たとえば、アイテムは、限定はしないが、構成要素、要素、回路、モジュール、ノード、デバイス、ネットワーク要素などを含む)を介したノード/デバイス間の間接接続を含む。さらに本明細書で使用され得る際、推論される接続(すなわち、1つの要素が推論によって別の要素に接続される場合)は、「に接続された」と同じ様式で2つのアイテム間の直接接続と間接接続とを含む。
【0108】
本明細書で使用され得る際、「実質的に」及び「約」という用語は、それの対応する用語及び/又はアイテム間の相対性についての当技術分野で認められている許容差を与える。そのような当技術分野で認められている許容差は、1パーセント未満から50パーセントまで及び、限定はしないが、周波数、波長、成分値、集積回路プロセスばらつき、温度変動、立上り及び立下り時間、並びに/或いは熱雑音に対応する。アイテム間のそのような関連性は数パーセントの差から大きな差まで及ぶ。
【0109】
本開示の態様は、概略図、フローチャート、流れ図、構造図、又はブロック図として示されているプロセスとして本明細書で説明され得ることに留意されたい。フローチャートは動作を逐次プロセスとして記述し得るが、動作の多くは並行して又は同時に実行され得る。さらに、動作の順序は並べ替えられ得る。プロセスは、それの動作が完了されると終了される。プロセスは、方法、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラムなどに対応し得る。プロセスが関数に対応するとき、プロセスの終了は、呼び出し関数又はメイン関数への関数の戻りに対応する。
【0110】
本明細書で説明した本開示の様々な特徴は、本開示から逸脱することなく異なるシステム及びデバイスにおいて実装され得る。本開示の上記の態様は実例にすぎず、本開示を限定するとして解釈されるべきでないことに留意されたい。本開示の態様の説明は例示的なものであり、特許請求の範囲を限定するものではない。したがって、本教示は、他のタイプの装置に容易に適用され得、多くの代替、改変、及び変形が当業者に明らかであろう。
【0111】
上記の明細書では、本発明のいくつかの代表的な態様について、具体例を参照しながら説明した。しかしながら、特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲から逸脱することなく様々な改変及び変更が行われ得る。明細書及び図は限定的ではなく例示的であり、改変は本発明の範囲内に含まれるものである。したがって、本発明の範囲は、単に説明された実例によってではなく、特許請求の範囲とそれらの法的均等物とによって決定されるべきである。たとえば、装置クレームに記載された構成要素及び/又は要素は、アセンブルされ得るか、又はさもなければ、様々な置換において動作可能に構成され得、したがって特許請求の範囲に記載された特定の構成に限定されない。
【0112】
さらに、いくつかの利益、他の利点及び問題のソリューションについて、特定の実施例に関して上記で説明した。しかしながら、すべての利益、利点、問題のソリューション、或いは、特定の利益、利点、若しくはソリューションを生じさせるか又はより目立たせ得るすべての要素は、任意の若しくはすべての請求項の重要な、必要な、又は本質的な特徴又は構成要素として解釈されるべきでない。
【0113】
本明細書で使用する際、「備える(comprise)」、「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、「含む(includes)」という用語、又はそれらの変化形は、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、組成又は装置が、それらの記載された要素のみを含むのではなく、明示的に記載されていないか、又はそのようなプロセス、方法、物品、組成、又は装置に固有でない他の要素をも含み得るように、非排他的包含を参照するものである。本発明の実施において使用される、上記で説明した構造、構成、適用、比率、要素、材料、又は構成要素の他の組合せ及び/又は改変は、特に記載されていないものに加えて、変えられるか、又はさもなければそれの一般的原理から逸脱することなく、特定の環境、製造仕様、設計パラメータ、又は他の動作要件に特に適応させられ得る。
【0114】
その上、単数形の要素への言及は、そのように明記されていない限り、「唯一の」を意味するものではなく、「1つ又は複数の」を意味するものである。別段に明記されていない限り、「いくつかの」という用語は1つ又は複数を指す。当業者に知られている又は後に知られることになる、本開示全体にわたって説明された様々な態様の要素のすべての構造的及び機能的等価物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲によって包含されるものである。その上、本明細書で開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公共に捧げられるものではない。クレーム要素は、要素が「のための手段」という句を使用して明示的に記載されていない限り、又は、方法クレームの場合、要素が「のためのステップ」という句を使用して記載されていない限り、「ミーンズプラスファンクション」型要素として米国特許法第112条(f)の規定の下で解釈されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図12A
図12B
図13A
図13B
図14
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図16
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