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特許7499814振動装置及びこれを含むディスプレイ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】振動装置及びこれを含むディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 17/00 20060101AFI20240607BHJP
   H04R 7/04 20060101ALN20240607BHJP
【FI】
H04R17/00
H04R7/04
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2022151747
(22)【出願日】2022-09-22
(62)【分割の表示】P 2021062244の分割
【原出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2022177228
(43)【公開日】2022-11-30
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0039508
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, チワン
(72)【発明者】
【氏名】リー, ヨンウー
(72)【発明者】
【氏名】オム, ソンヨン
(72)【発明者】
【氏名】コ, ソンウク
(72)【発明者】
【氏名】チョン, ウヒョン
【審査官】大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0059733(US,A1)
【文献】国際公開第2010/005045(WO,A1)
【文献】特開2018-093469(JP,A)
【文献】中国実用新案第203057505(CN,U)
【文献】国際公開第2017/069055(WO,A1)
【文献】特表2009-514765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 17/00
H04R 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1保護部材と第2保護部材との間にある複数の振動モジュールを含むように構成されたタイリング振動フィルム、および
前記複数の振動モジュールのそれぞれの側面の間に配置された接着層を含み、
前記複数の振動モジュールのそれぞれは、
第1電極層、
第2電極層、および
前記第1電極層と前記第2電極層との間にある圧電複合部を含
前記複数の振動モジュールのそれぞれの前記第1電極層は、同一平面上で前記第1保護部材に共通して連結されて、
前記複数の振動モジュールのそれぞれの前記第2電極層は、同一平面上で前記第2保護部材に共通して連結された、振動装置。
【請求項2】
前記接着層は、前記複数の振動モジュールのそれぞれを囲むように構成された、請求項1に記載の振動装置。
【請求項3】
前記圧電複合部は、1-3振動モードの圧電特性を有する1-3複合体または2-2振動モードの圧電特性を有する2-2複合体を含むように構成された、請求項1に記載の振動装置。
【請求項4】
前記接着層は、
前記複数の振動モジュールのそれぞれの側面と前面を囲むように構成された第1接着層、および
前記複数の振動モジュールのそれぞれの側面と背面を囲むように構成された第2接着層を含む、請求項1に記載の振動装置。
【請求項5】
前記複数の振動モジュールは、前記第1接着層と前記第2接着層との間に埋め込まれた、請求項4に記載の振動装置。
【請求項6】
前記第1接着層と前記第2接着層は、前記複数の振動モジュールの側面の間で互いに連結されるように構成された、請求項4に記載の振動装置。
【請求項7】
前記第1保護部材は、前記第1接着層を媒介として前記複数の振動モジュールのそれぞれの第1面に共通して連結されて、
前記第2保護部材は、前記第2接着層を媒介として前記複数の振動モジュールのそれぞれの第2面に共通して連結された、請求項4に記載の振動装置。
【請求項8】
前記接着層は、
前記複数の振動モジュールのそれぞれの前記第1電極層と前記第1保護部材との間にある前記第1接着層、および
前記複数の振動モジュールのそれぞれの前記第2電極層と前記第2保護部材との間にある前記第2接着層を含む、請求項7に記載の振動装置。
【請求項9】
前記第1接着層と前記第2接着層は、前記複数の振動モジュールのそれぞれの側面との間で互いに連結されるように構成された、請求項に記載の振動装置。
【請求項10】
前記第1保護部材または前記第2保護部材の上にあるプレートをさらに含む、請求項7に記載の振動装置。
【請求項11】
前記プレートは、金属材質を含む、請求項10に記載の振動装置。
【請求項12】
前記第1および第2保護部材のうちのいずれか一つは、金属材質を含み、
前記第1および第2保護部材のうちの他の一つは、プラスチック材質を含む、請求項7に記載の振動装置。
【請求項13】
前記複数の振動モジュールのそれぞれに電気的に連結されたフレキシブルケーブルをさらに含み、
前記フレキシブルケーブルは、
端子部を有する胴体部、および
前記胴体部から突出された複数のラインを含み、前記複数のラインは、前記第1保護部材と前記第2保護部材との間にある、請求項7から12のいずれか一項に記載の振動装置。
【請求項14】
前記複数のラインのうちのいくつかは、前記複数の振動モジュールのそれぞれの前記第1電極層と電気的に連結され、
前記複数のラインのうちの残りは、前記複数の振動モジュールのそれぞれの前記第2電極層と電気的に連結された、請求項13に記載の振動装置。
【請求項15】
前記複数の振動モジュールのそれぞれに電気的に連結したフレキシブルケーブルをさらに含み、
前記フレキシブルケーブルは、
第1方向と交差する第2方向に沿って配置され、前記第2方向と平行な同じ列に配置された前記複数の振動モジュールのうちのいくつかの振動モジュールの前記第1電極層と電気的に連結された第1ライン、
前記第2方向に沿って配置され、前記複数の振動モジュールのうちの前記いくつかの振動モジュールの前記第2電極層と電気的に連結された第2ライン、
前記第1ラインから前記第1方向に沿って延長され、前記複数の振動モジュールのそれぞれの前記第1電極層と電気的に連結された第3ライン、および
前記第2ラインから前記第1方向に沿って延長され、前記複数の振動モジュールのそれぞれの前記第2電極層と電気的に連結された第4ラインを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の振動装置。
【請求項16】
前記複数の振動モジュールは、各々独立して駆動されず、一つの単一体として駆動される単一の振動装置として実現された、請求項1から15のいずれか一項に記載の振動装置。
【請求項17】
前記圧電複合部は、
圧電特性を有する複数の無機物質部、および
前記複数の無機物質部の間に配置された有機物質部を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の振動装置。
【請求項18】
複数の前記有機物質部のそれぞれの大きさは、前記圧電複合部の中間部分から両端部分の方にいくほど徐々に減少する、請求項17に記載の振動装置。
【請求項19】
前記複数の無機物質部のそれぞれは、ライン形状、円形状、楕円形状、および多角形状のうちのいずれか一つ以上の形状を有する、請求項17に記載の振動装置。
【請求項20】
前記複数の振動モジュールは、同一平面上に互いに交差する第1方向および第2方向にi×j(iは2以上の自然数であり、jはiと同じか、1以上の自然数)の形態で配置された、請求項1から12のいずれか一項に記載の振動装置。
【請求項21】
前記複数の振動モジュールは、前記第1方向および前記第2方向のそれぞれに沿って0.1mm以上3cm未満の間隔で互いに離隔された、請求項20に記載の振動装置。
【請求項22】
前記第1方向および前記第2方向を基準に、前記複数の振動モジュール間の間隔は、0.1mm~5mmである、請求項20に記載の振動装置。
【請求項23】
映像を表示するように構成された表示パネル、および
前記表示パネルの背面にあり、前記表示パネルを振動させるように構成された少なくとも一つの振動アレイを含むように構成された請求項1から22のいずれか一項に記載の振動装置を含む、ディスプレイ装置。
【請求項24】
前記表示パネルは、表示領域と重畳する第1領域および第2領域を含み、前記表示領域は、 映像を表示するように構成され、
前記振動装置は、
前記第1領域にある第1振動アレイ、および
前記第2領域にある第2振動アレイを含む、請求項23に記載のディスプレイ装置。
【請求項25】
前記表示パネルの背面にある支持部材、
前記表示パネルの背面と前記支持部材との間にあり、前記第1振動アレイを囲む第1エンクロージャー、および
前記表示パネルの背面と前記支持部材との間にあり、前記第2振動アレイを囲む第2エンクロージャーをさらに含む、請求項24に記載のディスプレイ装置。
【請求項26】
前記表示パネルは、表示領域と重畳する第1領域および第2領域を含み、前記表示領域は、 映像を表示するように構成され、
前記振動装置は、
前記第1領域にある第1振動アレイ、
前記第2領域にある第2振動アレイ、
前記第1振動アレイとは別に配置され、前記第1領域にある第3振動アレイ、および
前記第2振動アレイとは別に配置され、前記第2領域にある第4振動アレイを含む、請求項23に記載のディスプレイ装置。
【請求項27】
前記表示パネルの背面にある支持部材、
前記表示パネルの背面と前記支持部材との間にあり、前記第1および第3振動アレイを囲む第1エンクロージャー、および
前記表示パネルの背面と前記支持部材との間にあり、前記第2および第4振動アレイを囲む第2エンクロージャーをさらに含む、請求項26に記載のディスプレイ装置。
【請求項28】
前記第1振動アレイと前記第3振動アレイは、対角線方向に互い違いに配置され、
前記第2振動アレイと前記第4振動アレイは、対角線方向に互い違いに配置される、請求項27に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、振動装置及びこれを含むディスプレイ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置は、表示パネルに映像を表示し、音響を提供するために一般的に別途のスピーカー(または音響装置)を含む。ディスプレイ装置にスピーカーを配置する場合、スピーカーが占める空間によってディスプレイ装置のデザインおよび空間配置に制約が伴うという問題が発生する。
【0003】
ディスプレイ装置に適用されるスピーカーは、例えば、マグネットとコイルを含むアクチュエータであり得る。しかし、アクチュエータをディスプレイ装置に適用する場合、厚さが厚くなるという短所がある。そのため薄い厚さを実現することができる圧電素子が注目されている。しかし、圧電素子は、脆性特性のために外部からの衝撃によって破損が容易に発生するため、音響再生の信頼性が低いという問題点があり、大きさの制限によって、大面積化が難しいという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書の実施例に係る課題は、大面積化が可能な振動装置及びこれを含むディスプレイ装置を提供することである。
【0005】
本明細書の実施例に係る課題は、表示パネルを振動させて音響を発生させることができ、音圧特性および音の定位感に優れた振動装置及びこれを含むディスプレイ装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0006】
本明細書の実施例に係る課題は、以上で言及した課題に限定されず、言及されていないまた他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書の実施例に係る振動装置は、複数の振動モジュールを有する振動アレイを含み、複数の振動モジュールは、第1方向に沿って3cm未満の第1間隔を有するように互いに離隔することができる。
【0008】
本明細書の実施例に係る振動装置は、同一平面上にi×j(iは2以上の自然数であり、jはiと同じか、1以上の自然数)の形態で配置された複数の振動モジュールを有する振動アレイを含み、複数の振動モジュールは、互いに交差する第1方向及び第2方向のそれぞれに沿って3cm未満の間隔で互いに離隔することができる。
【0009】
本明細書の実施例に係るディスプレイ装置は、映像を表示する表示パネル、および表示パネルの背面に配置されて表示パネルを振動させる少なくとも一つの振動アレイを有する振動装置を含み、少なくとも一つの振動アレイは第1方向に沿って3cm未満の第1間隔を有するように互いに離隔した複数の振動モジュールを含むことができる。
【0010】
本明細書の実施例に係るディスプレイ装置は、映像を表示する表示パネル、および表示パネルの背面に配置されて表示パネルを振動させる少なくとも一つの振動アレイを有する振動装置を含み、少なくとも一つの振動アレイは同じ平面上にi×j(iは2以上の自然数であり、jはiと同じか、1以上の自然数)の形態で配置され、互いに交差する第1方向及び第2方向のそれぞれに沿って3cm未満の間隔で互いに離隔した複数の振動モジュールを含むことができる。
【0011】
上で言及した課題の解決手段以外の本明細書の様々な形態に係る具体的な事項は、以下の記載内容及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0012】
本明細書のいくつかの例による振動装置は、相対的に小さい大きさを有する複数の振動モジュールによって大面積化することによって、大面積化に有利な、または容易な構造を有することができる。
【0013】
本明細書のいくつかの例による振動装置は、相対的に小さい大きさを有する複数の振動モジュールが独立して振動することなく、一つの大面積の振動体の形態で振動することにより、大きさの増加によって低音域帯での音響特性と音圧特性を向上させることができる。
【0014】
本明細書のいくつかの例によるディスプレイ装置は、振動装置の振動による表示パネルの振動によって発生する音響を表示パネルの前方に出力することができ、フィルム形態の大面積の振動装置によって表示パネルの大部分の領域が振動できるので、表示パネルの振動による音響の音圧特性および音の定位感をさらに向上させることができる。
【0015】
上で言及した解決しようとする課題、課題の解決手段、効果の内容は、請求範囲の必須的な特徴を特定するものではなく、請求範囲の権利範囲は、発明の内容に記載された事項によって制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本明細書の実施例に係るディスプレイ装置を示す図である。
図2図1に示した線I-I’の断面図である。
図3】本明細書の実施例に係る振動装置を示す図である。
図4図3に示した線II-II’の断面図である。
図5A図4に示した振動モジュールの圧電層を示す図である。
図5B図4に示した振動モジュールの圧電層を示す図である。
図5C図4に示した振動モジュールの圧電層を示す図である。
図5D図4に示した振動モジュールの圧電層を示す図である。
図5E図4に示した振動モジュールの圧電層を示す図である。
図5F図4に示した振動モジュールの圧電層を示す図である。
図6】本明細書の他の実施例に係る振動装置を示す図である。
図7図6に示した線III-III’の断面図である。
図8】本明細書の他の実施例に係る振動装置を示す図である。
図9図8に示した線IV-IV’の断面図である。
図10】本明細書の他の実施例に係るディスプレイ装置を示す図である。
図11図10に示した線V-V’の断面図である。
図12】本明細書の他の実施例に係るディスプレイ装置を示す図である。
図13】本明細書の他の実施例に係るディスプレイ装置を示す図である。
図14A】本明細書の実施例に係る振動装置を含むディスプレイ装置を示す図である。
図14B】本明細書の実施例に係る振動装置を含むディスプレイ装置を示す図である。
図14C】本明細書の実施例に係る振動装置を含むディスプレイ装置を示す図である。
図15】本明細書の第1および第2実施例に係るディスプレイ装置と比較例に係るディスプレイ装置のそれぞれの音響出力特性を示した図である。
図16】本明細書の第1および第3実施例に係るディスプレイ装置のそれぞれの音響出力特性を示した図である。
図17】本明細書の実施例に係るディスプレイ装置と比較例に係るディスプレイ装置のそれぞれの音響出力特性を示した図である。
図18】本明細書の第1および第2実施例に係るディスプレイ装置と比較例に係るディスプレイ装置のそれぞれの音響出力特性を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書の例を説明するために図に開示した形状、大きさ、比率、角度、個数などは、例示的なものであって、本明細書が図に示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同一参照符号は、同一の構成要素を指す。また、本明細書を説明するにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合、その詳細な説明は省略する。本明細書で言及した「含む」、「有する」、「からなる」などが使用される場合、「~だけ」が使用されていない限り、他の部分を追加することができる。構成要素を単数で表現した場合に特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0018】
構成要素を解釈するに当たり、別途の明示的な記載がなくても誤差の範囲を含むものと解釈する。
【0019】
位置関係についての説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~横に」などで2つの部分の位置関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0020】
時間の関係についての説明である場合、「~後に」、~に「続いて」、「~次に」、「~前に」などで時間的前後関係が説明されている場合、「すぐに」または「直接」が使用されていない以上、連続的でない場合も含むことができる。
【0021】
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であることもあり得る。
【0022】
本明細書の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのもので、その用語によって、その構成要素の本質、順序、順番または個数などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」「結合」または「連結」すると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接連結するか、または連結することができるが、特に明示的な記載事項がない間接的に連結、または連結することができる各構成要素の間に、他の構成要素が「介在」することもあると理解されなければならない。
【0023】
「少なくとも一つ」は、連関した構成要素の一つ以上のすべての組み合わせを含むものと理解されなければならない。例えば、「第1、第2、および第3構成要素の中の少なくとも一つ」の意味は、第1、第2、または第3構成要素だけではなく、第1、第2、および第3構成要素の中から二つ以上のすべての構成要素の組み合わせを含むとすることができる。
【0024】
本明細書で「ディスプレイ装置」は、表示パネルと表示パネルを駆動するための駆動部を含む液晶モジュール(LCM)または有機発光表示モジュール(OLED)モジュールなどのディスプレイ装置を含むことができる。そして、LCM、OLEDモジュールなどを含む完成品(complete productまたはfinal product)であるノートパソコン、テレビ、コンピュータモニタ、車両用または自動車用装置(automotive apparatus)または車両(vehicle)の他の形態などを含む電装装置(equipment apparatus)、スマートフォンまたは電子パッドなどのモバイル電子装置(mobile electronic apparatus)などのセットの電子装置(set electronic apparatus)またはセット装置(set deviceまたはset apparatus)も含むことができる。
【0025】
したがって、本明細書でのディスプレイ装置は、LCMとOLEDモジュールなどのディスプレイ装置自体、およびLCM、OLEDモジュールなどを含む応用製品またはエンド使用者用装置であるセット装置までを含むことができる。
【0026】
また、いくつかの例では、表示パネルと駆動部などで構成されるLCMおよびOLEDモジュールを「ディスプレイ装置」と表現し、LCMおよびOLEDモジュールを含む完成品としての電子装置を「セット装置」として区別して表現することもできる。例えば、ディスプレイ装置は、液晶層または有機発光層を有する表示パネル、および表示パネルを駆動するための制御部であるソースPCBを含むことができる。セット装置は、ソースPCBに電気的に連結してセット装置全体を駆動するセット制御部であるセットPCB(またはコントロールPCB)をさらに含むことができる。
【0027】
本明細書の実施例に使用される表示パネルは、液晶表示パネル、有機電界発光表示パネル、および電界発光表示パネルなどのすべての形態の表示パネルを使用することができ、これに限定されるものではない。例えば、表示パネルは、本明細書の実施例に係る振動装置によって振動することによって、音響を発生することができる表示パネルであり得る。
【0028】
本明細書の実施例に係るディスプレイ装置に適用される表示パネルは、表示パネルの形態や大きさに限定されない。例えば、表示パネルが液晶表示パネルである場合、ゲートラインとデータライン、およびゲートラインとデータラインの交差領域に形成されるピクセルを含むことができる。そして、各ピクセルでの光透過度を調節するためのスイッチング素子である薄膜トランジスタを含むアレイ基板、カラーフィルタおよび/またはブラックマトリックスなどを備えた上部基板、およびアレイ基板および上部基板の間に形成される液晶層を含んで構成することができる。
【0029】
表示パネルが有機電界発光表示パネルである場合、ゲートラインとデータライン、およびゲートラインとデータラインの交差領域に形成されるピクセルを含むことができる。そして、各ピクセルに選択的に電圧を印加するための素子である薄膜トランジスタを含むアレイ基板、アレイ基板上の有機発光素子層、および有機発光素子層を覆うようにアレイ基板上に配置される封止基板またはカプセル化(Encapsulation)基板などを含んで構成することができる。封止基板は、外部の衝撃から薄膜トランジスタおよび有機発光素子層などを保護し、有機発光素子層に水分や酸素が浸透することを防止することができる。そして、アレイ基板上に形成される層は、無機発光層(inorganic light emitting layer)、例えば、ナノサイズの物質層(nano-sized material layer)、および量子ドット(quantum dot)発光層などを含むことができる。他の例としては、アレイ基板上に形成される層は、マイクロ発光ダイオードを含むことができる。
【0030】
本明細書のいくつかの実施例のそれぞれの特徴が部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能で、技術的に様々な連動および駆動が可能であり、各例が互い対して独立して実施可能であり得、連関関係で一緒に実施することもできる。
【0031】
以下、添付した図及び例を介して本明細書の例を詳しく見ると、次の通りである。図に示した構成要素のスケールは、説明の便宜上、実際と異なるスケールを有し得るので、図に示したスケールに限定されない。
【0032】
ディスプレイ装置の表示パネルから直接に音響を出力するために、圧電素子を利用した振動装置をフィルム形態で実現する場合に、ディスプレイ装置の厚さを薄くすることができる。フィルム形態の振動装置は、大面積に製造することができるので、大面積のディスプレイ装置に適用することができるが、圧電特性が低く、低い振動によって大面積に適用することが難しいという問題点がある。圧電特性を向上させるためにセラミックを適用して実現する場合には、耐久性が弱く、セラミックの大きさに制限を受ける問題点がある。
【0033】
圧電セラミックを含む圧電複合体で構成された振動装置をディスプレイ装置に適用する場合、圧電複合体は、主に横方向を基準に左右方向に、例えば、ディスプレイ装置の横方向を基準に左右方向に振動するので、ディスプレイ装置を上下(または前後)方向に十分に振動させることができず、ディスプレイ装置に適用し難く、ディスプレイ装置の前方に所望する音響を出力することができなくなる。フィルム形態の圧電体をディスプレイ装置に適用する場合、エキサイターのようなスピーカーと比較して音圧特性が低いという問題点がある。音圧を改善するために、フィルム型圧電体を複数層で構成した複数枚のフィルムを積層する積層型圧電体をディスプレイ装置に適用する場合、消費電力が上昇し、ディスプレイ装置の厚さが厚くなる問題点がある。
【0034】
ディスプレイ装置、例えば、表示パネルの背面に1つの振動装置を配置する場合、モノ音響を出力することができるが、ステレ音響を出力することが難しいという問題点があることを認識した。それで、ステレオ音響を実現するために表示パネルの端に振動装置(または音響装置)をさらに配置することができるが、表示パネルの曲面部を有するフレキシブルディスプレイ装置に振動装置を配置し難く、セラミックからなる圧電体を配置する場合、圧電セラミックは壊れやすい問題点があることを認識した。
【0035】
そこで、本明細書の発明者らは、ステレオ音響特性を実現して、平板ディスプレイ装置 だけでなくフレキシブルディスプレイ装置に適用することができ、表示パネルの横方向を基準に上下方向(または前後方向)に振動することができる振動装置を実現するためにいくつかの実験を行った。複数の実験を通じて、ステレオ音響特性を実現することができ、大面積化が可能な新しい構造の振動装置およびこれを含むディスプレイ装置を発明した。これに対して、以下に説明する。
【0036】
図1は、本明細書の実施例に係るディスプレイ装置を示す図である。図2は、図1に示した線I-I’の断面図である。
【0037】
図1及び図2を参照すると、本明細書の実施例に係るディスプレイ装置は、表示パネル100および表示パネル100の背面(または後面)に配置される振動装置200を含むことができる。
【0038】
表示パネル100は、映像、例えば、電子映像(electronic image)またはデジタル映像(digital image)を表示することができる。例えば、表示パネル100は、光を出力して映像を表示することができる。
【0039】
本明細書の実施例によると、表示パネル100は、液晶表示パネル、有機発光表示パネル、量子ドット発光表示パネル、マイクロ発光ダイオード表示パネル、電気泳動表示パネル、または電子湿潤表示パネルなどのような、あらゆる形態の表示パネルまたは曲面型表示パネルであり得るが、これに限定されるものではない。他の例によると、表示パネル100は、フレキシブル表示パネルであり得る。例えば、表示パネル100は、フレキシブル液晶表示パネル、フレキシブル有機発光表示パネル、フレキシブル量子ドット発光表示パネル、フレキシブルマイクロ発光ダイオード表示パネル、フレキシブル電気泳動表示パネル、またはフレキシブル電子湿潤表示パネルであり得るが、これに限定されるものではない。また本明細書の他の例によると、表示パネル100は、タッチパネル一体型表示パネルであり得る。例えば、タッチパネル一体型表示パネルは、表示パネル上に付着したタッチパネルを含むか、または表示パネルの内部に配置されたタッチ電極層を含むことができる。
【0040】
本明細書の実施例による表示パネル100は、基板上に配列された複数のピクセルの駆動によって映像を表示する表示領域、および表示領域を囲む非表示領域を含むことができる。例えば、表示パネル100は、ベゼルレス構造によって非表示領域なしに基板の前面全体を表示領域として実現することができる。例えば、表示パネル100は、複数のピクセルのうち少なくとも一つのピクセルに配置された光透過部を含む透明表示パネルであり得る。
【0041】
本明細書の実施例による表示パネル100は、アノード電極、カソード電極および素子層を含むピクセルアレイ層の構造によって、トップエミッション(Top Emission)方式、ボトムエミッション(Bottom Emission)方式、またはデュアルエミッション(Dual Emission)方式などの形態で画像を表示することができる。トップエミッション方式は、ピクセルアレイ層で発生した可視光をベース基板の前方に放出させて映像を表示することができ、ボトムエミッション方式は、ピクセルアレイ層で発生した可視光をベース基板の後方に放出させて映像を表示することができる。例えば、発光素子層は、アノード電極とカソード電極のそれぞれに電気的に連結した有機発光層またはマイクロ発光ダイオード素子を含むことができる。マイクロ発光ダイオード素子は、集積回路(IC)またはチップ(Chip)の形態で具現した発光ダイオードであって、アノード電極と電気的に連結した第1端子およびカソード電極と電気的に連結した第2端子を含むことができる。カソード電極は、各画素領域に設けられた発光素子層の発光素子と共通に連結することができる。
【0042】
本明細書の実施例による表示パネル100は、曲面形態または一定の曲率半径を有するように曲がる、または曲がった曲げ部を含むことができる。
【0043】
表示パネル100の曲げ部は、表示パネル100で互いに平行な一側端の部分と他側端の中、少なくとも一方に実現することができる。曲げ部を実現する表示パネル100の一側端および/または他側端は、非表示領域だけを含むか、または表示領域の端部と非表示領域を含むことができる。ここで、非表示領域の曲げによって実現した曲げ部を含む表示パネル100は、一側ベゼル曲げ構造または両側ベゼル曲げ構造を有することができる。そして、表示領域の端部と非表示領域の曲げによって実現した曲げ部を含む表示パネル100は、一側アクティブ曲げ構造または両側アクティブ曲げ構造を有することができる。
【0044】
本明細書の実施例に係るディスプレイ装置は、表示パネル100の背面に配置される支持部材300、および表示パネル100と支持部材300との間に配置されたパネル連結部材400をさらに含むことができる。
【0045】
支持部材300は、カバーボトム(Cover Bottom)、プレートボトム(Plate Bottom)、バックカバー(Back Cover)、ベースフレーム(Base Frame)、メタルフレーム(Metal Frame)、メタルシャーシ(Metal Chassis)、シャーシベース(Chassis Base)、またはm-シャーシなどの他の用語で表現することができる。したがって、支持部材300は、表示パネル100の背面に配置されるすべての形態のフレームまたは板状構造物などで実現することができる。支持部材300は、背面構造物であり得る。
【0046】
支持部材300は、表示パネル100の背面を覆うことができる。例えば、支持部材300は、ギャップ空間(GS)を間に置いて表示パネル100の背面全体を覆うことができる。例えば、支持部材300は、ガラス材質と金属材質およびプラスチック材質のうち少なくとも一つの材質を含むことができる。例えば、ガラス材質の支持部材300は、サファイアガラス(Sapphire Glass)であり得る。例えば、金属材質の支持部材300は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、および鉄とニッケルの合金の中のいずれか一つの材質からなることができる。
【0047】
本明細書の実施例による支持部材300は、表示パネル100の側面を追加で覆うことができる。例えば、支持部材300は、ギャップ空間(GS)を間に置いて表示パネル100の背面を覆う背面部310、および背面部310の先端に連結して表示パネル100の側面を覆う側面部330を含むことができる。これに限られず、支持部材300は、背面部310と側面部330が一体に構成された単一の筐体の構造物であり得る。
【0048】
側面部330は、支持部材300と結合する別途のミドルフレームに実現することもできる。この場合、ミドルフレームに実現した側面部330は、支持部材300、例えば、背面部310の側面と表示パネル100の側面の両方を覆うことができる。例えば、ミドルフレームに実現した側面部330は、金属材質およびプラスチック材質のうち支持部材300と同じ材質、または他の材質からなることができる。
【0049】
本明細書の実施例による支持部材300は、パネル連結部材400を介して表示パネル100の背面端に配置することができる。例えば、パネル連結部材400は、表示パネル100の背面側の端と支持部材300の前面の端との間に配置して、表示パネル100と支持部材300を接着させることができる。本明細書の実施例によるパネル連結部材400は、両面テープ(Double-sided Tape)、片面テープ(Single-sided Tape)、または両面接着フォームパッドで実現することができ、これに限定されるものではない。
【0050】
本明細書の実施例に係る表示装置は、表示パネル100の前面端を覆う前面部材500をさらに含むことができる。前面部材500は、表示パネル100の表示領域と重畳する開口部を有するフレーム形状を有することができる。例えば、前面部材500は、側面部330またはミドルフレームと結合して表示パネル100の前面端をカバーすることで表示パネル100を支持し、または固定することができる。前面部材500は、表示パネル100の前面の端に配置して、使用者(または視聴者)に直接的に露出するので、ディスプレイ装置のデザイン的な外観美感を低下させ、表示装置のベゼル幅を増加させ得る。このような問題点を解決するために、表示パネル100は、パネル連結部材400を介して支持部材300に連結することで、前面部材500を省略(または除去)することができ、これによりディスプレイ装置のベゼル幅が減少、または削除することにより表示装置のデザイン的な外観の美感を向上させることができる。
【0051】
振動装置200は、表示パネル100の背面(または後面)に配置するか、または連結した振動アレイ210を含むことができる。振動装置200は、表示パネル100を振動板として使用する音響発生装置、フィルムアクチュエータ、フィルム型圧電複合体アクチュエータ、フィルムスピーカー、フィルム型圧電スピーカー、フィルム型圧電複合体スピーカー、または超音波送受信装置などで表現することができ、これに限定されるものではない。
【0052】
振動アレイ210は、接着部材150を介して表示パネル100の背面に配置することができる。
【0053】
本明細書の実施例による接着部材150は、表示パネル100の背面と振動アレイ210の間に介在することができる。一例として、接着部材150は、表示パネル100の背面と振動アレイ210の間の密着力や接着力に優れた接着層を含む両面テープまたは接着剤を含むことができる。例えば、接着部材150の接着層は、エポキシ(epoxy)、アクリル(acryl)、シリコン(silicone)、またはウレタン(urethane)を含むことができ、これに限定されるものではない。接着部材150の接着層は、粘着付与剤、ワックス成分、または酸化防止剤などの添加剤をさらに含むことができる。
【0054】
他の例に係る接着部材150は、表示パネル100と振動アレイ210の間に設けられる中空部をさらに含むことができる。接着部材150の中空部の表示パネル100と振動アレイ210の間にエアギャップを設けることができる。エアギャップは、振動アレイ210の振動による音波(または音圧)が接着部材150により分散されず、表示パネル100に集中するようにすることにより、接着部材150による振動の損失を最小限に抑えて、表示パネル100の振動によって発生する音響の音圧特性を増加させることができる。
【0055】
本明細書の実施例に係る振動アレイ210は、フィルム形態で実現することができる。振動アレイ210は、フィルム形態で実現して、表示パネル100よりも薄い厚さを有することができるので、振動アレイ210の配置により表示パネル100の厚さを増加させないことができる。
【0056】
振動アレイ210は、表示パネル100の表示領域と重畳するよう表示パネル100の背面に配置することができる。一例として、振動アレイ210は、表示パネル100の表示領域の半分以上の表示領域と重畳することができる。他の例として、振動アレイ210は、表示パネル100の表示領域全体と重畳することができる。
【0057】
本明細書の実施例に係る振動アレイ210は、交流電圧が印加されると、逆圧電効果により収縮と膨張を交互に繰り返すことにより、振動することができ、このような振動を用いて表示パネル100を直接に振動させることができる。一例として、振動アレイ210は、表示パネル100に表示される映像と同期しているボイス信号または音響によって振動して表示パネル100を振動させることができる。他の例として、振動アレイ210は、表示パネル100上に配置するか、または表示パネル100に内蔵されたタッチパネル(またはタッチセンサー層)に対する使用者のタッチに同期するハプティックフィードバック信号(または触覚フィードバック信号)に基づいて振動して、表示パネル100を振動させることができる。これにより、表示パネル100は、振動アレイ210の振動によって振動して音響およびハプティックフィードバックのうちの少なくとも一つ以上を使用者(または視聴者)に提供することができる。
【0058】
したがって、本明細書の実施例に係るディスプレイ装置は、振動アレイ210の振動による表示パネル100の振動によって発生する音響を、表示パネル100の前方(FD)に出力することができる。また、本明細書の実施例に係るディスプレイ装置は、フィルム形態の大面積の振動アレイ210によって表示パネル100の大部分の領域を振動させることができるので、表示パネル100の振動による音響の音圧特性および音の定位感をさらに向上させることができる。
【0059】
図3は、本明細書の実施例に係る振動装置を示す図である。図4は、図3に示した線II-II’の断面図で、これは、図2に示した振動装置を示すものである。
【0060】
図2図4を結びつけると、本明細書の実施例に係る振動装置200は、振動アレイ210を含むことができる。
【0061】
本明細書の実施例に係る振動アレイ210は、第1方向(X)(または横方向)及び第1方向(X)と交差する第2方向(Y)(または縦方向)のそれぞれに沿って互いに離隔しながら電気的にまたは構造的に分離配置された複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dを含むことができる。複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれは、圧電効果(piezoelectric effect)(または圧電特性)によって収縮と膨張を交互にまたは繰り返すことにより、振動することができる。本明細書の実施例による振動アレイ210は、逆圧電効果によって収縮と膨張を交互にまたは繰り返すことにより、厚さ方向(Z)に振動することにより、表示パネル100を直接に振動させることができる。振動アレイ210は、一定の間隔で配置するか、またはタイリングされた複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dを含むことができる。振動アレイ210は、振動アレイ部、振動モジュールアレイ部、振動アレイ構造物、タイリング振動アレイ、タイリングアレイモジュール、またはタイリング振動フィルムであり得る。
【0062】
本明細書の実施例に係る複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれは、5cm以上の幅を有する四角の形態を有することができる。例えば、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれは、5cm×5cm以上の大きさを有する正方形の形態を有することができる。
【0063】
複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dは、同一平面上にi×jの形態で配置するか、またはタイリングすることにより、振動アレイ210は、相対的小さな大きさを有する複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのタイリングによって大面積化することができる。例えば、iは、第1方向(X)に沿って配置された振動モジュールの個数で、2以上の自然数であり、jは第2方向(Y)に沿って配置された振動モジュールの個数で、iと同じか、異なる1以上の自然数であり得る。
【0064】
複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれは、一定の間隔で配置するかタイリングすることによって、独立して駆動せず、完全な一つの単一体の形態で駆動する1つの振動装置(または単一振動装置)として実現することができる。本明細書の実施例によると、第1方向(X)を基準に、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210D間の第1離隔距離(D1)は、0.1mm以上3cm未満であり得る。また、第2方向(Y)を基準に、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210D間の第2離隔距離(D2)は、0.1mm以上3cm未満であり得る。例えば、第1離隔距離(D1)と第2離隔距離(D2)は、工程誤差の範囲内で互いに同じにすることができる。
【0065】
本明細書の実施例によると、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれは、0.1mm以上3cm未満の離隔距離(または間隔)(D1、D2)を有するように配置するかタイリングすることによって一つの振動装置として駆動することができ、このような振動モジュール210A、210B、210C、210Dの単一体振動に連動して発生する音響の再生帯域および音響の音圧特性のそれぞれを増加させることができる。例えば、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dの単一体振動に連動して発生する音響の再生帯域を増加させ、低音域帯音響、例えば、500Hz以下での音圧特性を増加させるために、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dは、0.1mm以上5mm未満の間隔で配置することができる。
【0066】
本明細書の実施例によると、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dを0.1mm未満の間隔(D1、D2)、または間隔(D1、D2)なしに配置するとき、振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの振動時に互いの間の物理的な接触によるクラックの発生または破損によって、振動モジュール210A、210B、210C、210Dまたは振動アレイ210の信頼性が低下し得る。
【0067】
本明細書の実施例によると、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dを3cm以上の間隔(D1、D2)で配置したとき、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの独立した振動によって、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dが一つの振動装置として駆動しないことがあり得る。これにより、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dの振動に連動して発生する音響の再生帯域および音響の音圧特性が低下し得る。例えば、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dを3cm以上の間隔(D1、D2)で配置するとき、低音域帯、例えば、500Hz以下での音響特性と音圧特性のそれぞれが低下し得る。
【0068】
本明細書の実施例によると、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dを5mmの間隔で配置するとき、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれが一つの振動装置として駆動しないため、低音域帯、例えば、200Hz以下で音響特性と音圧特性のそれぞれが低下し得る。
【0069】
本明細書の他の例によると、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dを1mmの間隔で配置するとき、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dが一つの振動装置として振動することにより、音響の再生帯域が増加して低音域帯の音響、例えば、500Hz以下での音圧特性が増加し得る。例えば、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dを1mmの間隔で配置するとき、振動アレイ210は、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210D間の離隔距離が最適化されることによる大面積化した振動体を実現することができる。これにより、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dの単一体振動による大面積の振動体として駆動することができ、これにより振動アレイ210の大面積の振動に連動して発生する音響の再生帯域と低音域帯の音響特性および音圧特性のそれぞれを増加、または向上させることができる。
【0070】
したがって、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dの単一体振動(または1つの振動装置)を実現するために、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210D間の離隔距離は、0.1 mm以上3cm未満に設定することができる。また、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dの単一体振動(または1つの振動装置)を実現して、低音域帯音響の音圧特性を増加させるために、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210D間の離隔距離は0.1mm以上5mm以下に設定することができる。
【0071】
本明細書の実施例による振動アレイ210は、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って互いに離隔しながら電気的にまたは構造的に分離された第1~第4振動モジュール210A、210B、210C、210Dを含むことができる。例えば、第1~第4振動モジュール210A、210B、210C、210Dは、2×2形態で配列またはタイリングすることができる。
【0072】
本明細書の実施例によると、第1及び第2振動モジュール210A、210Bは、第1方向(X)に沿って互いに離隔することができる。第3及び第4振動モジュール210C、210Dは、第1方向(X)に沿って互いに離隔しながら第2方向(Y)に沿って、第1および第2振動モジュール210A、210Bのそれぞれから離隔することができる。第1及び第3振動モジュール210A、210Cは、互いに向かい合って第2方向(Y)に沿って互いに離隔することができる。第2及び第4振動モジュール210B、210Dは、互いに向かい合って第2方向(Y)に沿って互いに離隔することができる。
【0073】
本明細書の実施例によると、第1~第4振動モジュール210A、210B、210C、210Dは、一つの振動装置として駆動、単一体振動、または振動アレイ210の大面積化された振動体の振動のために、第1方向(X)及び第2方向(Y)のそれぞれに沿って0.1mm以上3cm未満の間隔(D1、D2)で配置(またはタイリング)することができ、または、0.1mm以上5mm未満の間隔(D1、D2)で配置(またはタイリング)することができる。
【0074】
本明細書の実施例による第1~第4振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれは、圧電層211、第1電極層(E1)、及び第2電極層(E2)を含むことができる。
【0075】
圧電層211は、圧電効果を含む圧電物質、複合圧電物質、または電気活性物質の少なくとも1つを含むことができる。圧電層211は、振動層、圧電物質層、圧電複合層、電気活性層、振動部、圧電物質部、圧電複合部、電気活性部、圧電構造物、圧電複合体、または圧電セラミック複合体などの他の用語で表現することができる。
【0076】
本明細書の実施例による圧電層211は、相対的に高い振動の実現が可能なセラミック系の物質で構成することができる。例えば、圧電層211は、1-3振動モードの圧電特性を有する1-3複合体(composite)または2-2振動モードの圧電特性を有する2-2複合体を有することができる。例えば、厚さ方向(Z)に沿った圧電層211の圧電変形係数(d33)は1,000pC/N以上であり得るが、必ずこれに限定されるものではない。 複合体の特性は、その構成成分の連結性と強く関連しており、連結性は、複合体でアクティブとパッシブ位相の配列として定義することができる。 したがって、2-2複合体または連結性は、図5Aまたは図5Bに示すように、2位相の交互層を含むことができる。
【0077】
第1電極層(E1)は、圧電層211の第1面(または上面)に配置され、圧電層211の第1面と電気的に連結することができる。例えば、第1電極層(E1)は、圧電層211の第1面全体に配置された電極(またはコモン電極)形状を有することができる。本明細書の実施例による第1電極層(E1)は、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなることができる。例えば、透明または半透明の導電性物質は、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)を含むことができ、これに限定されるものではない。不透明導電性物質は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、またはマグネシウム(Mg)などを含むか、またはこれらの合金からなり得、これに限定されるものでではない。
【0078】
第2電極層(E2)は、圧電層211の第1面とは反対の第2面(または背面)上に配置され、圧電層211の第2面と電気的に連結することができる。例えば、第2電極層(E2)は、圧電層211の第2面全体に配置されたコモン電極形状を有することができる。本明細書の実施例による第2電極層(E2)は、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなることができる。例えば、第2電極層(E2)は、第1電極層(E1)と同一の物質からなることができ、これに限定されるものではない。他の例としては、第2電極(E2)は、第1電極(E1)と異なる物質で構成することができる。したがって、第1から第4振動モジュール210Aのそれぞれは、これらの独自の第1電極(E1)及び第2電極(E2)と、これらの間の圧電層211を有している。
【0079】
圧電層211は、一定の温度雰囲気または高温から常温に変化する温度雰囲気で、第1電極層(E1)と第2電極層(E2)に印加される一定の電圧によって分極化することができ、これに限定されるものではない。
【0080】
本明細書の実施例に係る振動アレイ210は、第1保護部材213及び第2保護部材215をさらに含むことができる。
【0081】
第1保護部材213は、振動アレイ210の第1面上に配置することができる。例えば、第1保護部材213は、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1面上に配置された第1電極層(E1)をカバーすることで、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1面に共通して連結、または複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1面を共通に支持することができる。これにより、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1面または第1電極層(E1)を保護することができる。
【0082】
本明細書の実施例による第1保護部材213は、第1接着層212を介して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1面に配置することができる。例えば、第1保護部材213は、第1接着層212を媒介とするフィルムラミネート工程により、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1面に直接に配置することができる。したがって、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dは、一定の間隔(D1、D2)を有するように、第1保護部材213に一体化(または配置)、またはタイリングすることができる。
【0083】
第2保護部材215は、振動アレイ210の第2面上に配置することができる。例えば、第2保護部材215は、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2面上に配置された第2電極層(E2)をカバーすることで、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2面に共通に連結、または複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2面を共通に支持することができる。これにより。複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2面または第2電極層(E2)を保護することができる。
【0084】
本明細書の実施例による第2保護部材215は、第2接着層214を介して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2面に配置することができる。例えば、第2保護部材215は、第2接着層214を媒介とするフィルムラミネート工程により、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2面に直接に配置することができる。したがって、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dは、一定の間隔(D1、D2)を有するように、第2保護部材215に一体化(または配置)、またはタイリングすることができる。
【0085】
本明細書の実施例による第1及び第2保護部材213、215のそれぞれは、プラスチックフィルムを含むことができる。例えば、第1および第2保護部材213、215のそれぞれは、ポリイミド(polyimide)フィルムまたはポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)フィルムであり得るが、これに限定されるものではない。
【0086】
第1接着層212は、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1面と第1保護部材213、および複数の振動モジュール210A、210B、210C、210D間に配置することができる。例えば、第1接着層212は、振動アレイ210の第1面と向き合う第1保護部材213の背面(または内部面)に形成して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1面に配置して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210D間に充填することができる。
【0087】
第2接着層214は、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2面と第1保護部材213、および複数の振動モジュール210A、210B、210C、210D間に配置することができる。例えば、第2接着層214は、振動アレイ210の第2面と向き合う第2保護部材215の前面(または内部面)に形成して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2面に配置して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210D間に充填することができる。
【0088】
第1および第2接着層212、214は、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210D間で相互に連結、または結合することができる。これにより、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれは、第1および第2接着層212、214によって囲まれ得る。例えば、第1および第2接着層212、214は、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210D全体を完全に囲むことができる。例えば、第1および第2接着層212、214は、カバー部材などで表現することができ、これに限定されるものではない。第1および第2接着層212、214がカバー部材であるとき、第1保護部材213は、カバー部材の第1面に配置し、第2保護部材215は、カバー部材の第2面に配置することができる。
【0089】
本明細書の実施例による第1及び第2接着層212、214のそれぞれは、接着性を有しながら、圧縮と復元が可能な電気絶縁物質を含むことができる。例えば、第1および第2接着層212、214のそれぞれは、エポキシ(epoxy)樹脂、アクリル(acryl)樹脂、シリコン(silicone)樹脂、またはウレタン(urethane)樹脂を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0090】
本明細書の実施例に係る振動装置200または振動アレイ210は、第1保護部材213に配置された第1電源供給ライン(PL1)、第2保護部材215に配置された第2電源ライン(PL2)、及び第1電源供給ライン(PL1)と第2電源供給ライン(PL2)に電気的に連結したパッド部201をさらに含むことができる。
【0091】
第1電源供給ライン(PL1)は、振動アレイ210の第1面と向き合う第1保護部材213の背面に配置することができる。第1電源供給ライン(PL1)は、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1電極層(E1)と電気的に連結することができる。例えば、第1電源供給ライン(PL1)は、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1電極層(E1)と直接に電気的に連結することができる。一例として、第1電源供給ライン(PL1)は、異方性導電フィルムを媒介として、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1電極層(E1)と電気的に連結することができる。他の例として、第1電源供給ライン(PL1)は、第1接着層212に含有された導電性物質(または粒子)を介して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1電極層(E1)と電気的に連結することができる。
【0092】
本明細書の実施例による第1電源供給ライン(PL1)は、第2方向(Y)に沿って配置された第1及び第2上部電源ライン213a、213bを含むことができる。例えば、第1上部電源ライン213aは、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのうち、第2方向(Y)と平行な第1列に配置された第1及び第3振動モジュール210A、210C(または第1モジュールグループ)のそれぞれの第1電極層(E1)と電気的に連結することができる。第2上部電源ライン213bは、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのうち、第2方向(Y)と平行な第2列に配置された第2及び第4振動モジュール210B、210D(または第2モジュールグループ)のそれぞれの第1電極層(E1)と電気的に連結することができる。
【0093】
第2電源供給ライン(PL2)は、振動アレイ210の第2面と向き合う第2保護部材215の前面に配置することができる。第2電源供給ライン(PL2)は、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2電極層(E2)と電気的に連結することができる。例えば、第2電源供給ライン(PL2)は、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2電極層(E2)と直接に電気的に連結することができる。一例として、第2電源供給ライン(PL2)は、異方性導電フィルムを媒介として、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2電極層(E2)と電気的に連結することができる。他の例として、第2電源供給ライン(PL2)は、第2接着層214に含有された導電性物質(または粒子)を介して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2電極層(E2)と電気的に連結することができる。
【0094】
本明細書の実施例による第2電源供給ライン(PL2)は、第2方向(Y)に沿って配置された第1及び第2下部電源ライン215a、215bを含むことができる。例えば、第1下部電源ライン215aは、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのうち、第2方向(Y)と平行な第1列に配置された第1及び第3振動モジュール210A、210C(または第1モジュールグループ)のそれぞれの第2電極層(E2)と電気的に連結することができる。第2下部電源ライン215bは、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのうち、第2方向(Y)と平行な第2列に配置された第2及び第4振動モジュール210B、210D(または第2モジュールグループ)のそれぞれの第2電極層(E2)と電気的に連結することができる。
【0095】
パッド部201は、第1電源供給ライン(PL1)及び第2電源供給ライン(PL2)のそれぞれの一側(または一端)と電気的に連結するように、振動アレイ210に配置することができる。本明細書の実施例によるパッド部201は、第1電源供給ライン(PL1)の一端と電気的に連結した第1パッド電極、及び第2電源供給ライン(PL2)の一端と電気的に連結した第2パッド電極を含むすることができる。
【0096】
第1パッド電極は、第1電源供給ライン(PL1)の第1および第2上部電源ライン213a、213bのそれぞれの一端に共通して連結することができる。例えば、第1および第2上部電源ライン213a、213bのそれぞれの一端は、第1パッド電極から分岐することができる。
【0097】
第2パッド電極は、第2電源供給ライン(PL2)の第1および第2下部電源ライン215a、215bのそれぞれの一端に共通して連結することができる。例えば、第1および第2下部電源ライン215a、215bのそれぞれの一端は、第2パッド電極から分岐することができる。
【0098】
本明細書の実施例に係る振動装置200または振動アレイ210は、フレキシブルケーブル220をさらに含むことができる。
【0099】
フレキシブルケーブル220は、振動アレイ210に配置されたパッド部201と電気的に連結し、音響処理回路から提供される1つ以上の振動駆動信号(または音響信号)を振動アレイ210に供給することができる。本明細書の実施例によるフレキシブルケーブル220は、パッド部201の第1パッド電極と電気的に連結した第1端子、およびパッド部201の第2パッド電極と電気的に連結した第2端子を含むことができる。例えば、フレキシブルケーブル220は、フレキシブルプリント回路ケーブルまたはフレキシブルフラットケーブルであり得るが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0100】
音響処理回路は、音響ソースに基づいて、第1振動駆動信号及び第2振動駆動信号を含む交流形の振動駆動信号を生成することができる。第1振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号のいずれかであり、第2振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号のいずれかであることができる。例えば、第1振動駆動信号は、フレキシブルケーブル220の第1端子とパッド部201の第1パッド電極および第1電源ライン(PL1)を介して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1電極層(E1)に供給することができる。第2振動駆動信号は、フレキシブルケーブル220の第2端子とパッド部201の第2パッド電極および第2電源供給ライン(PL2)を介して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2電極層(E2)に供給することができる。
【0101】
本明細書の実施例に係る振動アレイ210は、第1保護部材213または第2保護部材215に配置されたプレート216をさらに含むことができる。
【0102】
プレート216は、第1保護部材213(または第2保護部材215)と同じ形態を有しながら、第1保護部材213(または第2保護部材215)と同じか大きい大きさを有することができる。本明細書の実施例によるプレート216は、金属材質、例えば、ステンレススチール(stainless steel)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)合金、マグネシウム、リチウム(Li)合金、およびアルミニウム(Al)合金のいずれか一つ以上の材質からなることができ、必ずしもこれに限定されるものではない。プレート216は、第1保護部材213(または第2保護部材215)に配置して振動アレイ210の質量(mass)を補強し、質量の増加による振動アレイ210の共振周波数を減少させることで、振動アレイ210の振動に連動して発生する低音域帯の音響特性および低音域帯の音圧特性を増加させ、音圧特性の平坦度を向上させることができる。ここで、音響特性の平坦度は、最高音圧と最低音圧間の偏差の大きさであり得る。
【0103】
本明細書の実施例によるプレート216は、第1保護部材213の前面(または第1面)に配置することができる。プレート216は、結合部材を媒介として、振動アレイ210の第1保護部材213の前面に配置することができる。本明細書の実施例によるプレート216は、表示パネル100と振動アレイ210の間に配置することができる。例えば、プレート216は、接着部材150を介して表示パネル100の背面に配置することができる。
【0104】
本明細書の他の例に係るプレート216は、第2保護部材215の背面(または第2面)に配置することができる。プレート216は、結合部材を媒介として、振動アレイ210の第2保護部材215の背面に配置することができる。他の例に係るプレート216は、振動アレイ210と支持部材300の間に配置することができる。
【0105】
したがって、本明細書の実施例に係る振動装置200は、独立して駆動せずに、一つの単一振動体として実現されるように、一定の間隔(D1、D2)で配列(またはタイリング)した複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dを有する振動アレイ210を含むことにより、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dの単一体振動による大面積の振動体として駆動することができる。これにより、表示パネル100の広い面積を振動させることができるので、表示パネル100の振動によって発生する音響の再生帯域と低音域帯での音響特性および音圧特性のそれぞれを増加、または向上させることができる。
【0106】
また、本明細書の実施例に係る振動装置200は、振動アレイ210に配置されたプレート216をさらに含むことにより、プレート216により振動アレイ210の共振周波数を減少させることができる。これにより、本明細書の実施例に係る振動装置200は、振動アレイ210の振動に連動する表示パネル100の振動によって発生する低音域帯の音響特性および低音域帯の音圧特性を増加させ、音圧特性の平坦度を向上させることができる。
【0107】
図5A図5Fは、図4に示した振動モジュールの圧電層を示す図である。
【0108】
図3図4、及び図5Aを参照すると、本明細書の実施例に係る振動アレイ210に配列(またはタイリング)された複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの圧電層211は、複数の第1部分211a及び複数の第2部分211bを含むことができる。例えば、複数の第1部分211a及び複数の第2部分211bは、第2方向(Y)に沿って交互に繰り返して配置することができる。複数の第1部分211aのそれぞれは、複数の第2部分211bの間に配置され、第2方向(Y)と平行な第1幅(W1)を有しながら、第1方向(X)と平行の長さを有することができる。複数の第2部分211bのそれぞれは、第2方向(Y)と平行な第2幅(W2)を有しながら、第1方向(X)と平行の長さを有することができる。第1幅(W1)は、第2幅(W2)と同一または異なることができる。例えば、第1幅(W1)は、第2幅(W2)よりも大きいことがあり得る。例えば、第1部分211aと第2部分211bは、互いに同一または異なる大きさを有するライン形態またはストライプ形態を含むことができる。したがって、図5Aに示した圧電層211は、2-2複合体を有することにより、20kHz以下の共振周波数を有することができるが、これに限定されず、圧電層211の共振周波数は、形態、長さ、および厚さなど少なくとも一つ以上によって変更し得る。
【0109】
図3図4、及び図5Bを参照すると、本明細書の他の実施例に係る振動アレイ210に配列された複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの圧電層211は、第1方向(X)に沿って交互に繰り返して配置された複数の第1部分211a及び複数の第2部分211bを含むことができる。複数の第1部分211aのそれぞれは、複数の第2部分211bの間に配置され、第1方向(X)と平行な第3幅(W3)を有しながら、第2方向(Y)と平行の長さを有することができる。複数の第2部分211bのそれぞれは、第1方向(X)と平行な第4幅(W4)を有しながら、第2方向(Y)と平行の長さを有することができる。第3幅(W3)は、第4幅(W4)と同一または異なることができる。例えば、第3幅(W3)は、第4幅(W4)よりも大きいことがあり得る。例えば、第1部分211aと第2部分211bは、互いに同一または異なる大きさを有するライン形態またはストライプ形態を含むことができる。このような、図5Bに示した圧電層211は、2-2複合体を有することにより、20kHz以下の共振周波数を有することができるが、これに限定されず、圧電層211の共振周波数は、形態、長さ、および厚さなど少なくとも一つ以上によって変更し得る。
【0110】
図5A及び図5Bに示した圧電層211で、複数の第1部分211aと複数の第2部分211bのそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに並んで配置(または配列)することができる。複数の第2部分211bのそれぞれは、隣接する2つの第1部分211a間のギャップを埋めるように構成することにより、隣接する第1部分211aと連結、または接着することができる。これにより、圧電層211は、第1部分211aと第2部分211bの側面結合(または連結)によって所望の大きさまたは長さに拡張することができる。
【0111】
図5A及び図5Bに示した圧電層211で、複数の第2部分211bのそれぞれの幅(W2、W4)は、圧電層211または振動装置の中間部分から両端部分(または両先端)の方にいくほど段々に減少することができる。
【0112】
本明細書の実施例によると、複数の第2部分211bの中で最も大きな幅(W2、W4)を有する第2部分211bは、圧電層211または振動装置が上下方向(Z)(または厚さ方向)に振動するとき、最も大きな応力が集中する部分に位置することができる。複数の第2部分211bの中で最も小さい幅(W2、W4)を有する第2部分211bは、圧電層211または振動装置が上下方向(Z)に振動するとき、相対的に最も小さな応力が発生する部分に位置することができる。例えば、複数の第2部分211bの中で最も大きな幅(W2、W4)を有する第2部分211bは、圧電層211の中間部分に配置され、複数の第2部分211bの中で最も小さい幅(W2、W4)を有する第2部分211bは、圧電層211の両端部分に配置することができる。これにより、圧電層211または振動装置が上下方向(Z)に振動するとき、最も大きな応力が集中する部分で発生する音波の干渉または共振周波数の重畳を最小限に抑えることができ、これによって低音域帯で発生する音圧の低下(dipping)現象を改善することができ、低音域帯の音響特性の平坦度を改善することができる。例えば、音響特性の平坦度は、最高音圧と最低音圧の間の偏差の大きさであり得る。
【0113】
図5A及び図5Bに示した圧電層211で、複数の第1部分211aのそれぞれは、互いに異なる大きさ(または幅)を有することができる。例えば、複数の第1部分211aのそれぞれの大きさ(または幅)は、圧電層211または振動装置の中間部分から両端部分(または両先端)の方にいくほど段々に減少、または増加することができる。この場合、圧電層211は、互いに異なる大きさを有する複数の第1部分211aのそれぞれの振動による様々な固有振動周波数によって音響の音圧特性を向上させることができ、音響の再生帯域を拡大することができる。
【0114】
図3図4、及び図5Cを参照すると、本明細書の他の実施例に係る振動アレイ210に配列した複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの圧電層211は、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔した複数の第1部分211a、及び複数の第1部分211a間に配置した第2部分211bを含むことができる。複数の第1部分211aのそれぞれは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って互いに離隔するように配置することができる。例えば、複数の第1部分211aそれぞれは、互いに同じ大きさを有する四角形状を有しながら格子の形態に配置することができる。第2部分211bは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って複数の第1部分211a間に配置することができる。第2部分211bは、隣接した2つの第1部分211a間のギャップを埋めるか、複数の第1部分211aのそれぞれを囲むように構成することにより、隣接した第1部分211aと連結、または接着することができる。本明細書の実施例によると、第1方向(X)に沿って隣接した2つの第1部分211a間に配置された第2部分211bの幅は、第1部分211aの幅と同じか異なっていて、第2方向(Y)に沿って隣接する2つの第1部分211a間に配置された第2部分211bの幅は、第1部分211aの幅と同じか異なることができる。したがって、図5Cに示した圧電層211は、1-3複合体を有することにより、30MHz以下の共振周波数を有することができるが、これに限定されず、圧電層211の共振周波数は、形態、長さ、および厚さなど少なくとも一つ以上によって変更し得る。
【0115】
図3図4、及び図5Dを参照すると、本明細書の他の実施例に係る振動アレイ210に配列した複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの圧電層211は、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔した複数の第1部分211a、及び複数の第1部分211aのそれぞれを囲む第2部分211bを含むことができる。複数の第1部分211aのそれぞれは、円の形態の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分211aのそれぞれは、円板形状を有することができるが、これに限定されず、楕円形態、多角形態、またはドーナツ形態などを含む点形態を有することができる。第2部分211bは、複数の第1部分211aのそれぞれを囲むように構成することにより、複数の第1部分211aのそれぞれの側面と連結、または接着することができる。複数の第1部分211aと第2部分211bは、同一平面(または同一層)に互いに並んで配置(または配列)することができる。したがって、図5Dに示した圧電層211は、1-3複合体を有しながら円形態の振動源(または振動体)として実現することができ、これにより、振動特性または音響出力特性を向上させることができ、30MHz以下の共振周波数を有することができる。これに限定されず、圧電層211の共振周波数は、圧電層の形態、長さ、および厚さなど少なくとも一つ以上によって変更し得る。
【0116】
図3図4、及び図5Eを参照すると、本明細書の他の実施例に係る振動アレイ210に配列した複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの圧電層211は、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔した複数の第1部分211a、及び複数の第1部分211aのそれぞれを囲む第2部分211bを含むことができる。複数の第1部分211aのそれぞれは、三角形態の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分211aのそれぞれは、三角板の形態を有することができる。
【0117】
本明細書の実施例によると、複数の第1部分211aのうち、隣接した4つの第1部分211aは、四角の形態(または正方形形態)をなすように隣接して配置することができる。四角の形態をなす隣接した4つの第1部分211aのそれぞれの頂点は、四角形態の中央部(または正中央部)に隣接して配置することができる。第2部分211bは、複数の第1部分211aのそれぞれを囲むように構成することにより、複数の第1部分211aのそれぞれの側面と連結、または接着することができる。複数の第1部分211aと第2部分211bは、同一平面(または同一層)に互いに並んで配置(または配列)することができる。したがって、図5Eに示した圧電層211は、1-3複合体を有することにより、30MHz以下の共振周波数を有することができる。これに限定されず、圧電層211の共振周波数は、圧電層の形態、長さ、および厚さなど少なくとも一つ以上によって変更し得る。
【0118】
他の例によると、図5Fに示すように、複数の第1部分211aのうち、隣接した6つの第1部分211aは、六角形態(または正六角形態)をなすように隣接して配置することができる。六角形態をなす隣接した6つの第1部分211aのそれぞれの頂点は、六角形態の中央部(または正中央部)に隣接して配置することができる。第2部分211bは、複数の第1部分211aのそれぞれを囲むように構成することにより、複数の第1部分211aのそれぞれの側面と連結、または接着することができる。複数の第1部分211aと第2部分211bは、同一平面(または同一層)に互いに並んで配置(または配列)することができる。したがって、図5Fに示した圧電層211は、1-3複合体を有しながら円形に近い振動源(または振動体)として実現することができ、これにより、振動特性または音響出力特性を向上させることができ、30MHz以下の共振周波数を有することができる。これに限定されず、圧電層211の共振周波数は、圧電層の形態、長さ、および厚さなど少なくとも一つ以上によって変更し得る。
【0119】
図5E及び図5Fを参照すると、三角の形態を有する複数の第1部分211aのうち、隣接した2N(Nは2以上の自然数)個の第1部分211aは、2N角形態をなすように隣接して配置することができる。
【0120】
図5A図5Fにおいて、本明細書の実施例による複数の第1部分211aのそれぞれは、無機物質部で構成することができる。無機物質部は、圧電物質または電気活性物質を含むことができる。圧電物質または電気活性物質は、外力によって結晶構造に圧力またはねじれ現象が作用しながら正(+)イオンと負(-)イオンの相対的な位置の変化に伴う誘電分極によって電位差が発生し、反対に印加される電圧による電界によって振動が発生する特性を有する。図4で説明したように、複数の第1部分211aのそれぞれの第1面は、第1電極層(E1)に電気的に連結し、複数の第1部分211aそれぞれの第2面は、第2電極層(E2)に電気的に連結することができる。
【0121】
図5A図5Fにおいて、複数の第1部分211aのそれぞれに構成される無機物質部は、相対的に高い振動の実現が可能なセラミック系の物質で構成するか、またはペロブスカイト(perovskite)系の結晶構造を有する圧電セラミックで構成することができる。ペロブスカイト結晶構造は、圧電および逆圧電効果を有し、配向性を有する板状の構造であり得る。ペロブスカイト結晶構造は、ABO3の化学式で表され、Aサイトは2価の金属元素からなり、Bサイトは4価の金属元素からなることができる。一例としては、ABO3の化学式で、AサイトおよびBサイトはカチオンであり得、Oはアニオンであり得る。例えば、PbTiO3、PbZrO3、PbZrTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3のうちの少なくとも一つを含むことができ、これに限定されるものではない。
【0122】
ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または磁場によって中央イオン、例えば、PbTiO3の場合、チタン(Ti)のイオンの位置が変動して分極(polarization)が変化して圧電効果を発生することができる。例えば、ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または磁界によって対称的な(symmetric)構造であるキュービック(cubic)形状から対称ではない(unsymmetric)構造の四角形(tetragonal)、直方形(orthorhombic)、および菱形(rhombohedral)などの形状に変わることにより、圧電効果を発生することができる。対称ではない構造を有する四角形(tetragonal)および菱形(rhombohedral)のモルフォトロピック相境界(Morphotropic Phase Boundary)で分極が高く、分極の再配列が容易なので、高い圧電特性を有することができる。
【0123】
本明細書の実施例によると、複数の第1部分211aのそれぞれに構成される無機物質部は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)のうち一つ以上を含むことができ、これに限定されるものではない。
【0124】
他の例によると、複数の第1部分211aのそれぞれに構成される無機物質部は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、及びチタン(Ti)を含むPZT(lead zirconate titanate)系物質、または鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むPZNN(lead zirconate nickel niobate)系物質を含むことができ、これに限定されるものではない。または、無機物質部鉛(Pb)を含まないCaTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3のうちの少なくとも一つ以上を含むことができ、これに限定されるものではない。
【0125】
また他の例によると、複数の第1部分211aのそれぞれに構成される無機物質部は、厚さ方向(Z)に沿った圧電変形係数(d33)で1,000pC/N以上を有することができる。大きさが大きい表示パネルに適用することができ、十分な振動特性または圧電特性を有するためには、高い圧電変形係数(d33)を有することが必要である。例えば、無機物質部は、PZT系物質(PbZrTiO3)を主成分とし、Aサイト(Pb)にドーピングされたソフトナドーパント(softner dopant)物質、およびBサイト(ZrTi)にドーピングされたリラクサ(relaxor)強誘電体物質を含むことができる。
【0126】
ソフトナドーパント物質は、無機物質部の圧電及び誘電特性を向上させることができ、例えば、無機物質部の圧電変形係数(d33)を増加させることができる。本明細書の発明者らは、ソフトナドーパント物質が+1価元素で構成されるとき、圧電特性及び誘電特性が減少を知ることができた。例えば、本明細書の発明者らは、ソフトナドーパント物質がカリウム(K)およびルビジウム(Rb)で構成されるとき、圧電特性及び誘電特性が減少することを知ることができた。そこで、本明細書の発明者らは、複数の実験を通じて圧電特性及び誘電特性を向上させるために、ソフトナドーパント物質を+2価~+3価の元素で構成しなければならないことを認識した。本明細書の実施例に係るソフトナドーパント物質は、+2価~+3価元素を含むことができる。PZT系物質(PbZrTiO3)にソフトナドーパント物質を含んでモルフォトロピック相境界(Morphotropic Phase Boundary; MPB)を構成することができるので、圧電特性及び誘電特性を向上させることができる。例えば、ソフトナドーパント物質は、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、カルシウム(Ca)、イットリウム(Y)、エルビウム(Er)、またはイッテルビウム(Yb)を含むことができる。例えば、PZT系物質(PbZrTiO3)にドーピングされたソフトナドーパント物質のイオン(Sr2+、Ba2+、La2+、Nd3+、Ca2+、Y3+、Er3+、Yb3+)は、PZT系物質(PbZrTiO3)において鉛(Pb)の一部を置換し、その置換量は2~20mol%であり得る。例えば、置換量が2mol%未満であるか、20mol%を超える場合には、ペロブスカイト結晶構造が崩れるので、電気結合係数(kP)および圧電変形係数(d33)が減少し得る。ソフトナドーパント物質を置換する場合、モルフォトロピック相境界(Morphotropic Phase Boundary)を構成することができ、モルフォトロピック相境界で高い圧電特性及び誘電特性を有することができるので、高い圧電特性及び誘電特性を有する振動装置を実現することができる。
【0127】
本明細書の実施例によると、PZT系物質(PbZrTiO3)にドーピングされたリラクサ強誘電体物質は、無機物質部の電気変形特性を向上させることができる。本明細書の実施例によるリラクサ強誘電体物質は、PMN(lead magnesium niobate)系物質またはPNN(lead nikel niobate)系物質を含むことができ、これに限定されるものではない。PMN系物質は、鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、およびニオブ(Nb)を含むことができ、例えば、Pb(Mg,Nb)O3であり得る。PNN系物質は、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むことができ、例えば、Pb(Ni,Nb)O3であり得る。例えば、PZT系物質(PbZrTiO3)にドーピングされたリラクサ強誘電体物質は、PZT系物質(PbZrTiO3)でジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)のそれぞれの一部を置換し、その置換量は5~25mol%であり得る。例えば、置換量が5mol%未満であるか、25mol%を超える場合には、ペロブスカイト結晶構造が崩れるので、電気結合係数(kP)および圧電変形係数(d33)が減少し得る。
【0128】
本明細書の実施例によると、複数の第1部分211aのそれぞれに構成される無機物質部は、圧電係数の付加的な改善のために、PZT系物質(PbZrTiO3)のBサイト(ZrTi)にドーピングされたドナー(donor)物質をさらに含むことができる。例えば、Bサイト(ZrTi)にドーピングされたドナー物質は、+4価~+6価の元素を含むことができる。例えば、Bサイト(ZrTi)にドーピングされたドナー物質は、テルル(Te)、ゲルマニウム(Ge)、ウラン(U)、ビスマス(Bi)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、アンチモン(Sb)、またはタングステン(W)を含むことができる。
【0129】
本明細書の実施例による複数の第1部分211aのそれぞれに構成される無機物質部は、以下の式で表すことができる。
【0130】
[式1]
(PbA-BCB)((Mg1/3Nb2/3)a(Ni1/3Nb2/3)bZrcTid)O3
【0131】
ここで、Cはカルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、およびバリウム(Ba)のいずれか一つであり得る。a+b+c+d=1、0.02≦B≦0.20、0.80≦A-B≦0.98、0.05≦a≦0.25、0.05≦b≦0.25、0.10≦c≦0.50、0.10≦d≦0.50であり得る。
【0132】
本明細書の実施例による複数の第1部分211aに構成される無機物質部は、厚さ方向(Z)に沿った圧電変形係数(d33)において1,000pC/N以上を有することができるので、振動特性が向上した振動装置を実現することができる。pC/Nは、1ニュートンの力が加わった時、圧電物質の表面に生成される電気の量を示す圧電効果の単位であることができます。例えば、振動特性が向上した振動装置を大面積のディスプレイ装置に実現することができる。
【0133】
図5A図5Fにおいて、第2部分211bは、複数の第1部分211a間に配置するか、または複数の第1部分211aのそれぞれを囲むように配置することができる。これにより、振動アレイ210の圧電層211または振動装置は、第2部分211bによって第1部分211aの単位格子内のリンクによる振動エネルギーが増加することができるので、振動特性が増加することができ、圧電特性と柔軟性を確保することができる。例えば、第2部分211bは、エポキシ(epoxy)系ポリマー、アクリル(acryl)系ポリマー、およびシリコン(silicone)系ポリマーのいずれかであり得、これに限定されるものではない。
【0134】
本明細書の実施例による第2部分211bは、有機物質部で構成することができる。例えば、有機物質部は、無機物質部間に配置することによって無機物質部(または第1部分)に印加される衝撃を吸収することができ、無機物質部に集中するストレス(stress)をリリーシング(releasing)して振動アレイ210の圧電層211または振動装置の耐久性を向上させることができ、また、振動アレイ210の圧電層211または振動装置に柔軟性を提供することができる。
【0135】
本明細書の実施例による第2部分211bは、第1部分211a と比較して、低いモジュラス(modulus)と粘弾性を有することができ、これにより、第1部分211aの脆性特性により衝撃に弱い第1部分211aの信頼性を向上させることができる。例えば、第2部分211bは、0.01~1の損失係数と0.1~10 [GPa]のモジュラスを有する物質で構成することができる。
【0136】
第2部分211bに構成される有機物質部は、第1部分211aの無機物質部と比較して柔軟な特性を有する有機物質、有機ポリマー、有機圧電物質、または有機非圧電物質を含むことができる。例えば、第2部分211bは、柔軟性を有する接着部、伸縮部、曲げ部、ダンピング部、または延性部などで表現することができ、これに限定されるものではない。
【0137】
したがって、本明細書の様々な実施例による振動アレイ210の圧電層211は、複数の第1部分211aと第2部分211bを同一平面上に配置(または連結)することにより、単一の薄いフィルムの形態を有することができる。例えば、圧電層211は、振動特性を有する第1部分211aによって上下方向に振動することができ、柔軟性を有する第2部分211bによって曲面形態に曲がることができる。また、本明細書の様々な実施例による振動アレイ210の圧電層211において、第1部分211aの大きさ及び第2部分211bの大きさは、圧電層211に求められる圧電特性および柔軟性に応じて設定することができる。一例として、柔軟性より圧電特性を必要とする圧電層211の場合、第1部分211aの大きさを第2部分211bの大きさよりも大きく設定することができる。他の例としては、圧電特性よりも柔軟性を必要とする圧電層211の場合、第2部分211bの大きさを第1部分211aの大きさよりも大きく設定することができる。したがって、圧電層211の大きさを求められる特性に応じて調節することができるので、圧電層211の設計が容易であるという長所がある。
【0138】
図5A図5Fに示した圧電層211の中でいずれか一つ以上は、図3に示した複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのうち少なくとも一つ以上の圧電層211であり得る。例えば、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれは、振動装置200の振動に連動して発生する音響に求められる特性に応じて、図5A図5Fで説明した圧電層211の中から1つ以上で実現することができる。
【0139】
本明細書の実施例によると、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれは、図5A図5Fで説明した圧電層211中のいずれか一つまたは複数の圧電層211を含むか、またはそれぞれ異なる圧電層211を含むことができる。
【0140】
本明細書の実施例によると、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dの中の一部の振動モジュールと、残りの振動モジュールのそれぞれは、図5A図5Fで説明した圧電層211のうちの互いに異なる圧電層211を含むことができる。例えば、図3に示した第1~第4振動モジュール210A、210B、210C、210Dにおいて、第1および第2振動モジュール210A、210Bのそれぞれは、図5A図5Fで説明した圧電層211のうちのいずれか一つまたは複数の圧電層211を含むことができ、第3及び第4振動モジュール210C、210Dのそれぞれは、図5Bで説明した圧電層211のうち、第1および第2振動モジュール210A、210Bの圧電層211と異なる圧電層211を含むことができる。例えば、図3に示した第1~第4振動モジュール210A、210B、210C、210Dにおいて、第1対角線方向に配置した第1及び第4振動モジュール210A、210Dは、図5A図5Fで説明した圧電層211のうちのいずれか一つまたは複数の圧電層211を含むことができ、第2対角線方向に配置した第2および第3振動モジュール210B、210Cは、図5A図5Fで説明した圧電層211のうち、第1対角線方向に配置した第1及び第4振動モジュール210A、210Dと異なる圧電層211を含むことができる。
【0141】
図6は、本明細書の他の実施例に係る振動装置を示す図である。図7は、図6に示した線III-III’の断面図である。
【0142】
図6及び図7図2と結びつけると、本明細書の他の実施例に係る振動装置200は、振動アレイ210およびフレキシブルケーブル220を含むことができる。例えば、振動装置200は、振動アレイ210とフレキシブルケーブル220を一体化して実現することができる。
【0143】
本明細書の実施例による振動アレイ210は、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って分離配置した複数の振動モジュール(または第1~第4振動モジュール)210A、210B、210C、210Dを含むことができる。例えば、複数の振動モジュール(または第1~第4振動モジュール)210A、210B、210C、210Dは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って一定の間隔で離隔して配置することができる。例えば、複数の振動モジュール(または第1~第4振動モジュール)210A、210B、210C、210Dは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って電気的に分離配置することができる。複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれは、図3及び図4で説明した複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれと実質的に同じなので、これに対する重複説明は省略する。複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれは、圧電層211、第1電極層(E1)、および第2電極層(E2)を含むことができる。圧電層211は、図5A図5Fで説明した圧電層211のうちのいずれか一つ以上と実質的に同じなので、これに対する重複説明は省略する。複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれは、図5A図5Fで説明した圧電層211のうちのいずれか一つまたは複数の圧電層211を含むか、またはそれぞれ異なる圧電層211を含むことができる。
【0144】
フレキシブルケーブル220は、振動アレイ210の一側で複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1および第2電極層(E1、E2)と電気的に直接に連結することにより、振動アレイ210に一体化することができる。
【0145】
本明細書の実施例によるフレキシブルケーブル220は、ベース部材221、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dを有する導電体層223、および絶縁層225を含むことができる。
【0146】
ベース部材221は、透明または不透明プラスチック材質を含むことができる。例えば、ベース部材221は、フッ素樹脂、ポリイミド(polyimide)系樹脂、ポリウレタン(polyurethane)系樹脂、ポリエステル(polyester)系樹脂、ポリエチレン(polyethylene)系樹脂、およびポリプロピレン(polypropylene)系樹脂を含む合成樹脂の中でいずれか一つ以上で実現することができるが、これに限定されるものではない。ベース部材221は、ベースフィルムまたはベース絶縁膜であり得る。
【0147】
本明細書の実施例によるベース部材221は、複数の端子部(または第1~第4端子部)220a、220b、220c、220dを含むことができる。複数の端子部220a、220b、220c、220dは、入力端子部として、ベース部材221の一側端部に配置された複数の端子を含むことができる。複数の端子は、ベース部材221の一側端部に一定の間隔で配置することができる。
【0148】
導電体層223は、ベース部材221上に配置することができる。例えば、導電体層223は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、または銅(Cu)と銀(Ag)の合金物質を含む導電性物質であり得るが、必ずしもこれに限定されるわけではない。
【0149】
本明細書の実施例による導電体層223は、複数の導電性ライン(または第1~第4導電性ライン)223a、223b、223c、223dを含むことができる。複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれは、ベース部材221上に配置された導電性物質層からパターニングすることができる。
【0150】
本明細書の実施例による複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dは、ベース部材221の一面(または上面)上に配置することができる。例えば、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dは、第1方向(X)に沿って互いに離隔して第2方向(Y)と平行するように、ベース部材221の一面(または上面)上に配置することができる。複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれは、第1方向(X)に一定の幅を有しながら、第2方向(Y)に沿って長く延長することができる。
【0151】
第2方向(Y)を基準に、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの長さは、ベース部材221の長さよりも長くすることができる。例えば、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれは、ベース部材221の側面を過ぎて振動アレイ210と重畳するよう突出し、または延長することにより、ベース部材221の長さよりも長い長さを有することができる。例えば、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの突出長さ(または延長の長さ)は、ベース部材221に配置した端子部220a、220b、220c、220dの長さの2倍以上長くすることができる。
【0152】
本明細書の実施例による複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれは、ベース部材221上に配置された第1ライン(またはベースライン)(BL)、およびベース部材221の側面から延長、または突出した第2ライン(フィンガーラインまたは延長ライン)(FL)を含むことができる。したがって、フィンガーライン(FL)のそれぞれは、一定の幅を有し、第1及び第2電極(E1、E2)に十分な接触を提供するために、フレキシブルケーブルで指定(designate)することができる。
【0153】
複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの第2ライン(FL)のそれぞれは、ベース部材221に固定(または支持)されないで、ベース部材221に固定された第1ライン(BL)よりも高い柔軟性(flexibility)を有することができる。例えば、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの第2ライン(FL)のそれぞれは、フレキシブルケーブルの製造工程で、ベース部材221によって支持され得る。そして、第2ライン(FL)は、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの第2ライン(FL)を支持するベース部材221の一部がフィルム除去工程によって除去されることによって、ベース部材221に固定されずに、ベース部材221から突出、または延長された形態を有することができる。これにより、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの第2ライン(FL)のそれぞれは、柔軟性を有することができる。例えば、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの第2ライン(FL)のそれぞれは、独立した柔軟性を有することができる。
【0154】
複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの第2ライン(FL)のそれぞれは、出力端子部であり得る。例えば、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dそれぞれの第2ライン(FL)のそれぞれは、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1および第2電極層(E1、E2)と電気的に直接に連結することにより、振動アレイ210に一体化することができる。
【0155】
絶縁層225は、ベース部材221上に配置して導電体層223を覆うことができる。絶縁層225は、端子部220a、220b、220c、220dから複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの一側を露出させることができる。絶縁層225は、ベース部材221上に配置した端子部220a、220b、220c、220dを除いた残りのベース部材221上に配置することで、ベース部材221上に配置した複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの一側を除いた残りの部分を囲むことができる。例えば、絶縁層225は、ベース部材221上に配置した複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dそれぞれの第1ライン(BL)を囲むことができる。
【0156】
本明細書の実施例による絶縁層225は、透明または不透明プラスチック材質を含むことができる。例えば、絶縁層225は、フッ素樹脂、ポリイミド(polyimide)系樹脂、ポリウレタン(polyurethane)系樹脂、ポリエステル(polyester)系樹脂、ポリエチレン(polyethylene)系樹脂、およびポリプロピレン(polypropylene)系樹脂を含む合成樹脂の中から選択されるいずれか一つで実現することができるが、これに限定されるものではない。
【0157】
本明細書の実施例に係るフレキシブルケーブル220は、ベース部材221の端子部220a、220b、220c、220dに配置したパッド部をさらに含むことができる。パッド部は、端子部220a、220b、220c、220dに配置した電極パッドを含むことができる。電極パッドは、金(Au)および銀(Ag)のうち少なくとも一つを含むことができる。例えば、電極パッドはメッキ層であり得、これに限定されるものではない。
【0158】
本明細書の実施例に係るフレキシブルケーブル220で、ベース部材221、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dそれぞれの第1ライン(BL)、および絶縁層225は、ケーブル胴体部を実現し、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの第2ライン(FL)のそれぞれは、ケーブル胴体部から突出したフィンガー部を実現することができる。
【0159】
したがって、フレキシブルケーブル220は、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの一側に対応する端子部220a、220b、220c、220dを介して駆動電源を受信、または入力して、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの第2ライン(FL)を介して振動アレイ210の第1および第2電極層(E1、E2)に駆動電源を出力することができる。
【0160】
本明細書の実施例によると、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの第2ライン(FL)のうちの一部の第2ライン(FL)は、振動アレイ210の一側から振動アレイ210の上面の方に曲がって、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dそれぞれの第1電極層(E1)と電気的に連結することにより、振動アレイ210に一体化することができる。複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの第2ライン(FL)中の残りの第2ライン(FL)は、振動アレイ210の一側から振動アレイ210の下面の方に曲がって複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2電極層(E2)と電気的に連結することにより、振動アレイ210に一体化することができる。例えば、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの第2ライン(FL)中の一部の第2ライン(FL)は、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1電極層(E1)と電気的に直接に連結することにより、振動アレイ210に一体化することができる。例えば、複数の導電性ライン223a、223b、223c、223dのそれぞれの第2ライン(FL)中の残りの第2ライン(FL)は、曲がって複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2電極層(E2)と電気的に直接に連結することにより、振動アレイ210に一体化することができる。
【0161】
例えば、第1~第4導電性ライン223a、223b、223c、223dは、第1および第2電極のグループにグループ化することができる。第1電極グループは、第1および第2導電性ライン223a、223bを含むことができる。第2電極グループは、第3および第4導電性ライン223c、223dを含むことができる。
【0162】
第1電極グループで、第1導電性ライン223aの第2ライン(FL)は、振動アレイ210の一側から第1および第3振動モジュール210A、210Cのそれぞれの第1電極層(E1)の方に曲がって第2方向(Y)に沿って、第1および第3振動モジュール210A、210Cのそれぞれの第1電極層(E1)と電気的に連結することができる。第2導電性ライン223bの第2ライン(FL)は、振動アレイ210の一側から第1および第3振動モジュール210A、210Cのそれぞれの第2電極層(E2)の方に曲がって第2方向(Y)に沿って、第1および第3振動モジュール210A、210Cのそれぞれの第2電極層(E2)と電気的に連結することができる。
【0163】
第2電極のグループで、第3導電性ライン223cの第2ライン(FL)は、振動アレイ210の一側から第2及び第4振動モジュール210B、210Dのそれぞれの第1電極層(E1)の方に曲がって第2方向(Y)に沿って、第2及び第4振動モジュール210B、210Dのそれぞれの第1電極層(E1)と電気的に連結することができる。第4導電性ライン223dの第2ライン(FL)は、振動アレイ210の一側から第2及び第4振動モジュール210B、210Dのそれぞれの第2電極層(E2)の方に曲がって第2方向(Y)に沿って、第2及び第4振動モジュール210B、210Dのそれぞれの第2電極層(E2)と電気的に連結することができる。
【0164】
本明細書の他の実施例に係る振動装置200または振動アレイ210は、カバー部材217をさらに含むことができる。
【0165】
カバー部材217は、振動アレイ210の最外郭部に実現することができる。例えば、カバー部材217は、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210D全体を囲むことができる。カバー部材217は、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dを囲むことにより、フレキシブルケーブル220を振動アレイ210に一体化させ、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dを一つの単一体形態として実現することができる。例えば、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dは、カバー部材217の内部に一定の間隔(D1、D2)を有するように埋める、またはタイリングすることによって、カバー部材217によって一つの大面積単一振動体を構成することができる。これにより、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dは、独立して駆動せずに、一つの単一体形態で駆動する1つの振動装置(または単一振動装置)として実現することができる。したがって、振動アレイ210は、相対的に小さな大きさを有する複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのタイリングによって大面積化することができる。これにより、振動アレイ210は、単一の振動体を有する大面積の振動装置として実現することができ、これにより、一つの単一振動体として大面積ディスプレイ装置に適用することができる。
【0166】
本明細書の実施例によるカバー部材217は、フレキシブルケーブル220と電気的に連結した複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dを取り囲むように実現することができる。例えば、カバー部材217は、フレキシブルケーブル220と電気的に連結した複数の振動モジュール210A、210B、210C、210D全体を囲むように実現することができる。カバー部材217は、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの電極層(E1、E2)と、これに対応するフレキシブルケーブル220に実現された第2ライン(FL)が電気的に接触した状態で、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれを囲むことにより、フレキシブルケーブル220に実現された第2ライン(FL)を振動アレイ210に一体化させることができる。例えば、カバー部材217は、接着部材150を介して表示パネル100の背面に配置することができる。
【0167】
本明細書の実施例によるカバー部材217は、接着性を有しながら、圧縮と復元が可能な電気絶縁物質を含むことができる。例えば、カバー部材217は、エポキシ(epoxy)樹脂、アクリル(acryl)樹脂、シリコン(silicone)樹脂、またはウレタン(urethane)樹脂を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0168】
本明細書の他の実施例に係る振動装置200または振動アレイ210は、第1保護部材218及び第2保護部材219をさらに含むことができる。
【0169】
第1保護部材218は、カバー部材217と同じ形態を有しながらカバー部材217と同一または大きい大きさを有することができる。第1保護部材218は、カバー部材217の第1面上に配置することができる。第1保護部材218は、カバー部材217の第1面に付着、または配置することによりカバー部材217の第1面を保護することができる。本明細書の実施例による第1保護部材218は、カバー部材217の硬化工程時にカバー部材217の第1面に付着、または配置することができるが、これに限定されない。例えば、第1保護部材218は、別途の接着層を介してカバー部材217の第1面に付着、または配置することができる。
【0170】
第2保護部材219は、カバー部材217と同じ形態を有しながらカバー部材217と同一または大きい大きさを有することができる。例えば、第2保護部材219は、第1保護部材218と同一または異なる大きさを有することができる。カバー部材217の第1面とは反対の第2面上に配置することができる。第2保護部材219は、カバー部材217の第2面に付着、または配置することによりカバー部材217の第2面を保護することができる。本明細書の実施例による第2保護部材219は、カバー部材217の硬化工程時にカバー部材217の第2面に付着、または配置することができるが、これに限定されない。例えば、第2保護部材219は、別途の接着層を介してカバー部材217の第2面に付着、または配置することができる。
【0171】
本明細書の実施例による第1及び第2保護部材218、219のそれぞれは、プラスチックフィルムを含むことができる。例えば、第1および第2保護部材218、219のそれぞれは、ポリイミド(polyimide)フィルムまたはポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)フィルムであり得るが、これに限定されるものではない。
【0172】
他の例として、第1及び第2保護部材218、219のうちのいずれか一つは、金属材質からなり、残りの一つは、プラスチック材質からなることができる。
【0173】
第1および第2保護部材218、219のうちの金属材質の保護部材218、219は、振動アレイ210の質量(mass)を補強して、質量の増加に伴う振動アレイ210の共振周波数を減少させることにより、振動アレイ210の振動に連動して発生する低音域帯の音響特性および低音域帯の音圧特性を増加させ、音圧特性の平坦度を向上させることができる。ここで、音響特性の平坦度は、最大音圧と最低音圧の間の偏差の大きさであり得る。例えば、金属材質の保護部材218、219は、ステンレス鋼(stainless steel)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)合金、マグネシウム、リチウム(Li)合金、およびアルミニウム(Al)合金のうちのいずれか一つの材質からなることができ、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0174】
本明細書の実施例によると、第1保護部材218が金属材質からなるとき、金属材質の第1保護部材218は、接着部材150を介して表示パネル100の背面に配置することができ、第2保護部材219は、プラスチック材質からなり、振動アレイ210の第2面を保護することができる。
【0175】
本明細書の実施例によると、第2保護部材219が金属材質からなるとき、第1保護部材218は、プラスチック材質からなり、接着部材150を介して表示パネル100の背面に配置することができ、金属材質の第2保護部材219は、カバー部材217より相対的に大きい大きさで実現して振動アレイ210の第2面に配置することができる。
【0176】
本明細書の実施例によると、第1及び第2保護部材218、219のうちのいずれか一つが、金属材質からなるとき、残りの一つは省略(または削除)することができる。例えば、第1保護部材218が金属材質からなるとき、金属材質の第1保護部材218は、接着部材150を介して表示パネル100の背面に配置することができ、第2保護部材219は、省略することができる。例えば、第2保護部材219が金属材質からなるとき、金属材質の第2保護部材219は、振動アレイ210の第2面に結合することができ、第1保護部材218は、省略することができる。
【0177】
したがって、本明細書の他の実施例に係る振動装置200は、図3及び図4で説明した振動装置200と同じ効果を有することができ、カバー部材217の内部に埋めるか、またはタイリングした相対的に小さい大きさを有する複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dによって大面積化することによって、大面積化に有利な、または容易な構造を有することができる。また、本明細書の他の実施例に係る振動装置200は、フレキシブルケーブル220と振動アレイ210の一体化により、フレキシブルケーブル220と振動アレイ210の間のソルダリング工程が必要ないので、振動装置の構造および製造工程を簡素化することができる。また、フレキシブルケーブル220を介して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれに駆動電源を供給することにより、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれに配置した第1電極層(E1)と第2電極層(E2)のそれぞれの電気的特性を補完することができる。
【0178】
図8は、本明細書の他の実施例に係る振動装置を示す図である。図9は、図8に示した線IV-IV’の断面図で、これは、図6に示したフレキシブルケーブルの構造を変更したものである。これにより、以下では、フレキシブルケーブルと関連する構成を除いた残りの構成の重複説明は省略または簡略にする。
【0179】
図8及び図9を参照すると、本明細書の他の実施例に係る振動装置200または振動アレイ210において、フレキシブルケーブル220は、ベース部材221、第1及び第2導電性ライン223a、223bを有する導電体層223、および絶縁層225を含むことができる。
【0180】
ベース部材221は、相対的に小さな大きさを有することを除いては、図6で説明したベース部材221と実質的に同じなので、これに対する重複説明は省略する。
【0181】
第1および第2導電性ライン223a、223bのそれぞれは、ベース部材221上に配置された第1ライン(またはベースライン)(BL1、BL2)、第2方向(Y)に沿って第1ライン(BL1、BL2)からベース部材221の側面を過ぎて振動アレイ210上に延長された第2ライン(フィンガーラインまたは延長ライン)(FL21、FL22)、及び第1方向(X)と平行に、第2ライン(FL21、FL22)から突出した第3及び第4ライン(または翼ライン)223c、223dを含むことができる。フレキシブルケーブル220は、少なくとも一つの第3及び第4ライン223c、223dを除いた残りの構成は、図6で説明した第1および第2導電性ライン223a、223bのそれぞれと実質的に同じなので、これに対する重複説明は省略する。
【0182】
第1および第2導電性ライン223a、223bのそれぞれの第2ライン(FL21、FL22)は、振動アレイ210にタイリングされた複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのうち、第2方向(Y)に沿って配列された振動モジュール210A、210Cと電気的に連結することができる。例えば、第1および第2導電性ライン223a、223bのそれぞれの第2ライン(FL21、FL22)は、振動モジュール210A、210Cと電気的に直接に連結することができる。
【0183】
本明細書の実施例による第1導電性ライン223aの第2ライン(または第2-1ライン)(FL21)は、第2方向(Y)に沿って配置して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのうち、第2方向(Y)に沿って配列された振動モジュール210A、210Cの第1面と電気的に連結することができる。例えば、第2-1ライン(FL21)は、第1振動モジュール210Aの一側から第1および第3振動モジュール210A、210Cのそれぞれの第1電極層(E1)の方に曲がって第2方向(Y)に沿って、第1および第3振動モジュール210A、210Cのそれぞれの第1電極層(E1)と電気的に連結することができる。
【0184】
本明細書の実施例による第2導電性ライン223bの第2ライン(または第2-2ライン)(FL22)は、第2方向(Y)に沿って配置して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのうち、第2方向(Y)に沿って配列された振動モジュール210A、210Cの第2面と電気的に連結することができる。例えば、第2-2ライン(FL22)は、第1振動モジュール210Aの一側から第1および第3振動モジュール210A、210Cのそれぞれの第2電極層(E2)の方に曲がって第2方向(Y)に沿って、第1および第3振動モジュール210A、210Cのそれぞれの第2電極層(E2)と電気的に連結することができる。
【0185】
第3ライン(または第1翼ライン)223cは、第2-1ライン(FL21)から第1方向(X)に沿って延長して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dそれぞれの第1面と電気的に連結することができる。例えば、第3ライン223cは、第2-1ライン(FL21)から第1方向(X)に沿って延長して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第1電極層(E1)と電気的に連結することができる。
【0186】
本明細書の実施例による第3ライン(または翼ライン)223cは、少なくとも一つの第3-1ライン(WL31)、少なくとも一つの第3-2ライン(WL32)、少なくとも一つの第3-3ライン(WL33)、および少なくとも一つの第3-4ライン(WL34)を含むことができる。少なくとも一つの第3-1ライン(WL31)は、第1振動モジュール210Aに配置した第2-1ライン(FL21)の第1側壁から第1方向(X)に沿って延長して、第1振動モジュール210Aと電気的に連結することができる。少なくとも一つの第3-2ライン(または翼ライン)(WL32)は、第1振動モジュール210Aに配置した第2-1ライン(FL21)の第2側壁から第1方向(X)に沿って延長して第1及び第2振動モジュール210A、210Bのそれぞれと電気的に連結することができる。少なくとも一つの第3-3ライン(または翼ライン)(WL33)は、第3振動モジュール210Cに配置した第2-1ライン(FL21)の第3側壁から第1方向(X)に沿って延長して第3振動モジュール210Cと電気的に連結することができる。少なくとも一つの第3-4ライン(または翼ライン)(WL34)は、第3振動モジュール210Cに配置した第2-1ライン(FL21)の第4側壁から第1方向(X)に沿って延長して第3及び第4振動モジュール210C、210Dのそれぞれと電気的に連結することができる。
【0187】
少なくとも一つの第3-1ライン(WL31)は、第1振動モジュール210Aの第1電極層(E1)と電気的に連結することができ、少なくとも一つの第3-2ライン(WL32)は、第1および第2振動モジュール210A、210Bのそれぞれの第1電極層(E1)と電気的に連結することができる。少なくとも一つの第3-3ライン(WL33)は、第3振動モジュール210Cの第1電極層(E1)と電気的に連結することができ、少なくとも一つの第3-4ライン(WL34)は、第3および第4振動モジュール210C、210Dのそれぞれの第1電極層(E1)と電気的に連結することができる。
【0188】
第4ライン223dは、第2-2ライン(FL22)から第1方向(X)に沿って延長して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2面と電気的に連結することができる。例えば、第4ライン233dは、第2-2ライン(FL22)から第1方向(X)に沿って延長して、複数の振動モジュール210A、210B、210C、210Dのそれぞれの第2電極層(E2)と電気的に連結することができる。
【0189】
本明細書の実施例による第4ライン223dは、少なくとも一つの第4-1ライン(WL41)、少なくとも一つの第4-2ライン(WL42)、少なくとも一つの第4-3ライン(WL43)、および少なくとも一つ第4-4ライン(WL44)を含むことができる。少なくとも一つの第4-1ライン(または翼ライン)(WL41)は、第1振動モジュール210Aに配置した第2-2ライン(FL22)の第1側壁から第1方向(X)に沿って延長して第1振動モジュール210Aと電気的に連結することができる。少なくとも一つの第4-2ライン(または翼ライン)(WL42)は、第1振動モジュール210Aに配置した第2-2ライン(FL22)の第2側壁から第1方向(X)に沿って延長して第1及び第2振動モジュール210A、210Bのそれぞれと電気的に連結することができる。少なくとも一つの第4-3ライン(または翼ライン)(WL43)は、第3振動モジュール210Cに配置した第2-2ライン(FL22)の第3側壁から第1方向(X)に沿って延長して第3振動モジュール210Cと電気的に連結することができる。少なくとも一つの第4-4ライン(または翼ライン)(WL44)は、第3振動モジュール210Cに配置した第2-2ライン(FL22)の第4側壁から第1方向(X)に沿って延長して第3及び第4振動モジュール210C、210Dのそれぞれと電気的に連結することができる。
【0190】
少なくとも一つの第4-1ライン(WL41)は、第1振動モジュール210Aの第2電極層(E2)と電気的に連結することができ、少なくとも一つの第4-2ライン(WL42)は、第1および第2振動モジュール210A、210Bのそれぞれの第2電極層(E2)と電気的に連結することができる。少なくとも一つの第4-3ライン(WL43)は、第3振動モジュール210Cの第2電極層(E2)と電気的に連結することができ、少なくとも一つの第4-4ライン(WL44)は、第3および第4振動モジュール210C、210Dのそれぞれの第2電極層(E2)と電気的に連結することができる。
【0191】
したがって、本明細書の他の実施例に係る振動装置200または振動アレイ210は、一つのフレキシブルケーブル220に配置された第1及び第2導電性ライン223a、223bのそれぞれの第2-1及び第2-2ライン(FL21、FL22)と第3及び第4導電性ライン223c、223dを介して供給される振動信号により、4つの振動モジュール210A、210B、210C、210Dを同時に駆動することができる。これにより、4つの振動モジュール210A、210B、210C、210Dを駆動するための振動アレイ210とフレキシブルケーブル220の間の電気的な連結構造を簡素化することができる。また、本明細書の他の実施例に係る振動装置200または振動アレイ210は、4つの振動モジュール210A、210B、210C、210Dを駆動するための1つのフレキシブルケーブル220に配置する端子の個数を減少させることができる。
【0192】
図10は、本明細書の他の実施例に係るディスプレイ装置を示す図である。図11は、図10に示した線V-V’の断面図で、これは、図2に示したディスプレイ装置で振動装置を変更したものである。これにより、以下では、振動装置およびそれに関連する構成を除いた残りの構成に対する重複説明は省略または簡略にする。
【0193】
図10及び図11を参照すると、本明細書の他の実施例に係るディスプレイ装置では、表示パネル100の背面(または後面)は、第1領域(又は第1背面領域)(A1)、及び第2領域(または第2背面領域)(A2)に分割することができる。例えば、表示パネル100の背面で、第1領域(A1)は、左側の背面領域であり得、第2領域(A2)は、右側の背面領域であり得る。第1および第2領域(A1、A2)は、第1方向(X)を基準にすると、表示パネル100の中間ライン(CL)を中心に左右対称であり得るが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、第1および第2領域(A1、A2)のそれぞれは、表示パネルの表示領域と重畳することができる。
【0194】
本明細書の実施例に係る振動装置200は、表示パネル100の背面に配置した第1振動アレイ210-1及び第2振動アレイ210-2を含むことができる。
【0195】
第1振動アレイ210-1は、表示パネル100の第1領域(A1)に配置することができる。例えば、第1振動アレイ210-1は、第1方向(X)を基準にすると、表示パネル100の第1領域(A1)内で中央部または端の方に偏るように配置することができる。本明細書の実施例による第1振動アレイ210-1は、表示パネル100の第1領域(A1)を直接に振動させることで、表示パネル100の第1領域(A1)で第1パネルの振動音響(PVS1)を発生、または第1ハプティックフィードバックを発生させることができる。例えば、第1パネルの振動音響(PVS1)は、左側の音響であり得る。本明細書の実施例による第1振動アレイ210-1の大きさは、第1パネルの振動音響(PVS1)の特性やディスプレイ装置に求められる音響特性に基づいて、第1領域(A1)の半分以下の大きさを有するか、または半分以上の大きさを有することができる。
【0196】
第2振動アレイ210-2は、表示パネル100の第2領域(A2)に配置することができる。例えば、第2振動アレイ210-2は、第1方向(X)を基準にすると、表示パネル100の第2領域(A2)内で中央部または端の方に偏るように配置することができる。本明細書の実施例による第2振動アレイ210-2は、表示パネル100の第2領域(A2)を直接に振動させることで、表示パネル100の第2領域(A2)で第2パネルの振動音響(PVS2)を発生または、第2ハプティックフィードバックを発生させることができる。例えば、第2パネルの振動音響(PVS2)は、右側の音響であり得る。本明細書の実施例による第2振動アレイ210-2の大きさは、第2パネルの振動音響(PVS2)の特性やディスプレイ装置に求められる音響特性に基づいて、第2領域(A2)の半分以下の大きさを有するか、または半分以上の大きさを有することができる。また、第1及び第2振動アレイ210-1、210-2は、ディスプレイ装置の左右の音響特性および/またはディスプレイ装置のステレオ音響特性に応じて、同じ大きさを有するか、異なる大きさを有することができ、表示パネル100の中間ライン(CL)を中心に左右対称または左右非対称構造に配置することができる。
【0197】
第1振動アレイ210-1と第2振動アレイ210-2のそれぞれは、図3図9で説明した振動装置200のうちのいずれか一つ以上を含むので、これに対する重複説明は省略する。
【0198】
本明細書の実施例による接着部材150は、第1振動アレイ210-1及び第2振動アレイ210-2のそれぞれと表示パネル100の背面の間に配置することができる。例えば、第1振動アレイ210-1と第2振動アレイ210-2のそれぞれは、接着部材150を介して表示パネル100の背面に配置することができる。接着部材150は、図2で説明した接着部材150と実質的に同じなので、これに対する重複説明は省略する。
【0199】
したがって、本明細書の他の実施例に係るディスプレイ装置は、第1振動アレイ210-1と第2振動アレイ210-2を介して左側音響(PVS1)と右側音響(PVS2)を表示パネル100の前方(FD)に出力することにより、ステレオ音響を使用者に提供することができる。
【0200】
図12は、本明細書の他の実施例に係るディスプレイ装置を示した図である。これは、図10及び図11に示したディスプレイ装置にパーティションを追加で構成したものである。これにより、以下では、パーティションとそれに関連する構成を除いた残りの構成に対する重複説明は、省略または簡略にする。
【0201】
図10図12を参照すると、本明細書の他の実施例に係るディスプレイ装置は、表示パネル100の第1および第2領域(A1、A2)を空間的に分割するパーティション600をさらに含むことことができる。
【0202】
パーティション600は、第1及び第2振動アレイ210-1、210-2によって表示パネル100が振動するとき、音響(PVS1、PVS2)が発生するエアギャップ(air gap)またはスペース(space)であり得る。例えば、パーティション600は、音響(PVS1、PVS2)を分離し、またはチャンネルを分離することができ、音響(PVS1、PVS2)の干渉による音響(PVS1、PVS2)の特性の低下を防止または軽減することができる。パーティション600は、音遮断部材、音分離部材、空間分離部材、エンクロージャ(enclosure)、またはバッフル(baffle)などで表現することができ、これに限定されるものではない。
【0203】
本明細書の実施例に係るパーティション600は、第1及び第2振動アレイ210-1、210-2間に配置された第1及び第2パーティション部材610、620を含むことができる。
【0204】
第1および第2パーティション部材610、620は、表示パネル100の中間領域に対応する表示パネル100と支持部材300の間に配置することができる。第1および第2パーティション部材610、620は、第1振動アレイ210-1によって発生する第1パネルの振動音響(PVS1)と第2振動アレイ210-2によって発生する第2パネルの振動音響(PVS2)を分離することができる。例えば、第1および第2パーティション部材610、620は、第1振動アレイ210-1によって表示パネル100の第1領域(A1)で発生する振動が表示パネル100の第2領域(A2)に伝達することを防止、または第2振動アレイ210-2によって表示パネル100の第2領域(A2)で発生する振動が表示パネル100の第1領域(A1)に伝達することを遮断することができる。これにより、第1および第2パーティション部材610、620は、表示パネル100の中央で表示パネル100の振動を減衰、または吸収することで、第1領域(A1)での音響が第2領域(A2)に伝達、または第2領域(A2)での音響が第1領域(A1)に伝達することを遮断することができる。したがって、第1および第2パーティション部材610、620は、左右の音響を分離することにより、ディスプレイ装置の音響出力特性をさらに向上させることができ、これによって本明細書の実施例に係るディスプレイ装置は、第1および第2パーティション部材610、620による左右の音響分離によって2チャネルモードのステレオ音響を表示パネル100の前方(FD)に出力することができる。
【0205】
一例として、パーティション600は、一定程度圧縮することができる弾性を有する材質で構成することができる。例えば、パーティション600は、ポリウレタン(polyurethane)、ポリオレフィン(polyolefin)材質で構成することができるが、これに限定されるものではない。他の例として、パーティション600は、片面テープ、片面フォームテープ、両面テープ、または両面フォームテープなどで構成することができる。
【0206】
他の例としては、第1および第2パーティション部材610、620のうちのいずれか一つは省略可能であり得る。この場合にも、第1および第2パーティション部材610、620のうちのいずれか一つを第1振動アレイ210-1と第2振動アレイ210-2との間に配置することによって、左右の音響を分離させることができる。例えば、第1および第2パーティション部材610、620のうち、第2パーティション部材620を省略するとき、第1パーティション部材610は、表示パネル100の背面中間ライン(CL)に対応するように表示パネル100と支持部材300の間に配置することができる。
【0207】
したがって、第1および第2パーティション部材610、620によって左右の音響を分離することにより、ディスプレイ装置の音響出力特性をさらに向上させることができ、第1パーティション部材610または第2パーティション部材620を含むディスプレイ装置は、第1パーティション部材610または第2パーティション部材620によって左右の音響分離によって2チャネルモードのステレオ音響を表示パネル100の前方に出力することができる。
【0208】
本明細書の実施例に係るパーティション600は、表示パネル100と支持部材300の間に介在した第3パーティション部材630をさらに含むことができる。
【0209】
第3パーティション部材630は、第1及び第2振動アレイ210-1、210-2全体を囲むように表示パネル100の背面側の端と支持部材300の前面の端の間に沿って配置することができる。第3パーティション部材630は、エッジパーティション、音遮断部材、エッジエンクロージャ、またはエッジバッフルなどで表現することができ、これに限定されるものではない。一例として、第3パーティション部材630は、図11に示したパネル連結部材400に隣接するか、接触するように配置して、パネル連結部材400によって囲まれ得る。他の例として、第3パーティション部材630は、パネル連結部材400と1つの筐体として実現することができる。
【0210】
第3パーティション部材630は、第1および第2パーティション部材610、620と一緒に表示パネル100と支持部材300の間に第1~第3エアギャップ(AG1、AG2、AG3)を設けることができる。例えば、第1~第3エアギャップ(AG1、AG2、AG3)のそれぞれは、振動空間、音圧空間、響胴、響き部、共鳴筒、または共鳴部で表現することができ、これに限定されるものではない。
【0211】
第1エアギャップ(AG1)は、第1パーティション部材610と表示パネル100の第1領域(A1)に配置した第3パーティション部材630によって囲まれる表示パネル100の第1領域(A1)に設けることができる。
【0212】
第2エアギャップ(AG2)は、第2パーティション部材620と表示パネル100の第2領域(A2)に配置した第3パーティション部材630によって囲まれる表示パネル100の第2領域(A2)に設けることができる。
【0213】
第3エアギャップ(AG3)は、第1及び第2パーティション部材610、620と、第3パーティション部材630によって囲まれる表示パネル100の背面中間領域に設けることができる。例えば、第3エアギャップ(AG3)は、表示パネル100の背面中間ライン(CL)を含む第1エアギャップ(AG1)と第2エアギャップ(AG2)の間に設けることができる。第3エアギャップ(AG3)は、音分離空間、音遮蔽空間、または音干渉防止空間などで表現することができ、これに限定されるものではない。第3エアギャップ(AG2)は、第1エアギャップ(AG1)と第2エアギャップ(AG2)を空間的に分離させることで、第1エアギャップ(AG1)と第2エアギャップ(AG2)のそれぞれで発生する一定の周波数帯域での共振現象または干渉現象を防止することができる。
【0214】
第1振動アレイ210-1は、第1エアギャップ(AG1)を設けた第3パーティション部材630と、第1パーティション部材610によって囲まれ、第2振動アレイ210-2は、第2エアギャップ(AG2)を設けた第3パーティション部材630と、第1パーティション部材610によって囲まれ得る。
【0215】
第1および第2パーティション部材610、620中のいずれか一つを省略する場合、第3エアギャップ(AG3)は省略することができる。
【0216】
したがって、第3パーティション部材630は、表示パネル100と支持部材300の間を囲みながら、第1及び第2パーティション部材610、630と一緒に第1及び第2振動アレイ210-1、210-2のそれぞれを個別に囲むことにより、第1及び第2振動アレイ210-1、210-2のそれぞれの振動空間を確保して、左右の音響の音圧特性を増加させることができる。そして、第3パーティション部材630は、表示パネル100と支持部材300の間の側面を通じた音響または音圧の外部への流出を遮断することができ、これにより、ディスプレイ装置の音響出力特性をさらに向上させることができる。
【0217】
本明細書の実施例に係るパーティション600は、第4パーティション部材640及び第5パーティション部材650をさらに含むことができる。第4パーティション部材640(または第1エンクロージャー)は、第1振動アレイ210-1を囲むことができ、第5パーティション部材650(または第2エンクロージャー)は、第2振動アレイ210-2を囲むことができる。
【0218】
第4パーティション部材640は、第1エアギャップ(AG1)に対応するように表示パネル100と支持部材300の間に配置して、第1振動アレイ210-1を独立して囲むことができる。本明細書の実施例による第4パーティション部材640は、第1振動アレイ210-1を囲む四角の形態を有することができるが、これに限定されない。例えば、第4パーティション部材640は、第1振動アレイ210-1の全体的な形態と同じかまたは異なる形態を有することができる。例えば、第1振動アレイ210-1が四角の形態を有する場合、第4パーティション部材640も、第1振動アレイ210-1より相対的に大きい大きさを有する四角の形態、または円形態または楕円形態を有することができる。
【0219】
第4パーティション部材640は、第1振動アレイ210-1による表示パネル100の振動領域(または振動面積)を限定(または定義)することができる。例えば、表示パネル100の第1領域(A1)において、第4パーティション部材640の大きさが増加するほど、第1領域(A1)の振動領域が増加し、左側音響の低音域帯特性が向上し得る。他の例としては、表示パネル100の第1領域(A1)において、第4パーティション部材640の大きさが減少するほど、第1領域(A1)の振動領域が減少し、左側音響の高音域帯の特性を向上させることができる。したがって、第4パーティション部材640の大きさは、表示パネル100の振動に応じて求められる音域帯の特性に応じて設定することができる。
【0220】
第5パーティション部材650は、第2エアギャップ(AG2)に対応するように表示パネル100と支持部材300の間に配置することができる。第5パーティション部材650は、第2振動アレイ210-2を独立して囲むことができる。本明細書の実施例による第5パーティション部材650は、左側の音響と右側の音響の間の対称性のために、第4パーティション部材640と同じ形態を有しながら表示パネル100の背面中間ライン(CL)を基準に第4パーティション部材640と対称の構造を有することができるので、これに対する説明は省略する。
【0221】
第5パーティション部材650は、第2振動アレイ210-2による表示パネル100の振動領域(または振動面積)を限定(または定義)することができる。例えば、表示パネル100の第2領域(A2)において、第5パーティション部材650の大きさが増加するほど、第2領域(A2)の振動領域が増加し、左側の音響の低音域帯特性が向上し得る。他の例としては、表示パネル100の第2領域(A2)において、第5パーティション部材650の大きさが減少するほど、第2領域(A2)の振動領域が減少し、左側の音響の高音域帯の特性を向上させることができる。したがって、第5パーティション部材650の大きさは、表示パネル100の振動に応じて求められる音域帯の特性に応じて設定することができる。
【0222】
第4及び第5パーティション部材640、650は、振動アレイ210-1、210-2の振動領域(または振動面積)を限定することにより、表示パネル100の振動によって発生する左側音響と右側音響の左右対称性を向上させ、左右の音響のそれぞれの音圧特性と再生音域帯域を最適化することができる。他の例として、第4及び第5パーティション部材640、650を配置すると、第3パーティション部材630は、省略することができる。他の例として、第4及び第5パーティション部材640、650を配置すると、第1パーティション部材610、第2パーティション部材620、及び第3パーティション部材630のいずれか一つ以上を、省略することができる
【0223】
したがって、本明細書の実施例に係るディスプレイ装置は、パーティション600を含むことにより、左右の音響のそれぞれの音圧特性と再生音域帯域を最適化することができる。一例として、本明細書の実施例に係るディスプレイ装置は、第1および第2パーティション部材610、620のうちの少なくとも一つを含むことができる。他の例として、本明細書の実施例に係るディスプレイ装置は、第1および第2パーティション部材610、620のうちの少なくとも一つと、第3パーティション部材630を含むことができる。他の例として、本明細書の実施例に係るディスプレイ装置は、第3~第5パーティション部材630、640、650を含むことができる。他の例として、本明細書の実施例に係るディスプレイ装置は、第1~第5パーティション部材610、620、630、640、650のすべてを含むことができる。
【0224】
したがって、本明細書の他の実施例に係るディスプレイ装置は、第1及び第2振動アレイ210-1、210-2を介して左側音響(PVS1)と右側音響(PVS2)を表示パネル100の前方(FD)に出力することにより、ステレオ音響を使用者に提供することができる。本明細書の他の実施例に係るディスプレイ装置は、パーティション600による左右の音響(PVS1、PVS2)の分離によって、2チャネルモードのステレオ音響を表示パネル100の前方(FD)に出力することができる。また、本明細書の他の実施例に係るディスプレイ装置は、第1及び第2振動アレイ210-1、210-2のそれぞれに配置された金属材質のプレートまたは保護部材による共振周波数の減少によって、音圧特性の平坦度を向上させることができる。
【0225】
図13は、本明細書の他の実施例に係るディスプレイ装置を示した図である。これは、図12に示したディスプレイ装置の振動装置を変更したものである。これにより、以下では、振動装置とそれに関連する構成を除いた残りの構成に対する重複説明は省略または簡略にする。
【0226】
図13を参照すると、本明細書の他の実施例に係るディスプレイ装置で、振動装置200は、表示パネル100の背面に配置した第1~第4振動アレイ210-1、210-2、210-3、210-4を含むことができる。
【0227】
第1及び第3振動アレイ210-1、210-3は、表示パネル100の第1領域(A1)内で互い違いに、対角線方向に配置することで、表示パネル100の第1領域(A1)に対する振動面積を増加させることができる。例えば、対角線方向は、第1方向(X)と第2方向(Y)の間の方向であり得る。第1及び第3振動アレイ210-1、210-3は、パーティション600によって囲むことができる。例えば、第1及び第3振動アレイ210-1、210-3は、第4パーティション部材640(または第1エンクロージャー)によって囲むことができる。
【0228】
第1及び第3振動アレイ210-1、210-3のそれぞれは、表示パネル100の第1領域(A1)を振動させることにより、表示パネル100の第1領域(A1)で第1パネルの振動音響(または左側音響)、または第1ハプティックフィードバックを発生させることができる。例えば、表示パネル100の第1領域(A1)の振動面積は、第1及び第3振動アレイ210-1、210-3の対角線配置構造によって増加するようになり、これにより、左側の音響の低音域帯特性を向上させることができる。
【0229】
例えば、第1振動アレイ210-1の他に、第3振動アレイ210-3を表示パネル100の第1領域(A1)にさらに配置することにより、本明細書の他の実施例による第1パネルの振動音響又は第1ハプティックフィードバックは、図12で説明した第1パネルの振動音響又は第1ハプティックフィードバックよりも向上させることができる。
【0230】
本明細書の実施例によると、第1振動アレイ210-1は、表示パネル100の第1領域(A1)内で端の方に偏るように配置することができる。例えば、第1振動アレイ210-1は、表示パネル100の第1領域(A1)内で表示パネル100の端に隣接した左上側の領域に配置することができる。第3振動アレイ210-3は、表示パネル100の第1領域(A1)内で表示パネル100の中間ライン(CL)の方に偏るように配置することができる。例えば、第3振動アレイ210-3は、表示パネル100の第1領域(A1)内で表示パネル100の中間ライン(CL)に隣接した右下側の領域に配置することができる。第3振動アレイ210-3は、表示パネル100の第1領域(A1)内で第1振動アレイ210-1と交互に配置することによって、第1方向(X)と第2方向(Y)において第1振動アレイ210-1と重複しないことがあり得る。
【0231】
第1及び第3振動アレイ210-1、210-3のそれぞれは、表示パネル100の第1領域(A1)内で第1方向(X)または第2方向(Y)に沿って互いに並んで配置することもできる。この場合にも、表示パネル100の第1領域(A1)の振動面積は、第1及び第3振動アレイ210-1、210-3の並列配置構造によって増加することができ、これにより左側の音響の低音域帯特性を向上させることができる。第1及び第3振動アレイ210-1、210-3の並列配置構造と比較して、第1及び第3振動アレイ210-1、210-3の対角線配置構造は、表示パネル100の第1領域(A1)の振動面積をさらに増加させることができるので、左側の音響の低音域帯特性をさらに向上させることができる。第1及び第3振動アレイ210-1、210-3の対角線配置構造は、表示パネル100の第1領域(A1)内に振動アレイを2×2構造に配置する効果を有するので、表示パネル100の第1領域(A1)を振動させる振動アレイの個数を半分に減らすことができる。
【0232】
第2及び第4振動アレイ210-2、210-4のそれぞれは、表示パネル100の第2領域(A2)内で互い違い、または対角線方向に配置することで、表示パネル100の第2領域(A2)の振動面積を増加させることができる。第2及び第4振動アレイ210-2、210-4は、パーティション600によって囲むことができる。例えば、第2及び第4振動アレイ210-2、210-4は、第5パーティション部材650(または第2エンクロージャー)によって囲むことができる。
【0233】
第2及び第4振動アレイ210-2、210-4のそれぞれは、表示パネル100の第2領域(A2)を振動させることにより、表示パネル100の第2領域(A2)で第2パネルの振動音響(または右側音響)を発生させる、または第2ハプティックフィードバックを発生させることができる。例えば、表示パネル100の第2領域(A2)の振動面積は、第2および第4振動アレイ210-2、210-4の対角線配置構造によって増加するようになり、これにより、右側の音響の低音域帯の特性を向上させることができる。例えば、第2振動アレイ210-2の他に、第4振動アレイ210-4を表示パネル100の第2領域(A2)により配置することにより、本明細書の他の実施例による第2パネルの振動音響または第2ハプティックフィードバックを、図12で説明した第2パネルの振動音響または第2ハプティックフィードバックよりも向上させることができる。
【0234】
本明細書の実施例によると、第2振動アレイ210-2は、表示パネル100の第2領域(A2)内で端の方に偏るように配置することができる。例えば、第2振動アレイ210-2は、表示パネル100の第2領域(A2)内で表示パネル100の端に隣接した右上側の領域に配置することができる。そして、第1振動アレイ210-1と第2振動アレイ210-2は、表示パネル100の中間ライン(CL)を中心に左右対称であり得る。第4振動アレイ210-4は、表示パネル100の第2領域(A2)内で表示パネル100の中間ライン(CL)の方に偏るように配置することができる。例えば、第4振動アレイ210-4は、表示パネル100の第2領域(A2)内で表示パネル100の中間ライン(CL)に隣接した左下側の領域に配置することができる。第4振動アレイ210-4は、表示パネル100の第2領域(A2)内で第2振動アレイ210-2と互い違いに配置することによって、第1方向(X)と第2方向(Y)で第2振動アレイ210-2と、重畳しないことがあり得る。第4振動アレイ210-4は、表示パネル100の中間ライン(CL)を中心に、第3振動アレイ210-3と左右対称の構造で配置することができる。
【0235】
第2及び第4振動アレイ210-2、210-4のそれぞれは、表示パネル100の第2領域(A2)内で第1方向(X)または第2方向(Y)に沿って互いに並んで配置することもできる。この場合にも、表示パネル100の第2領域(A2)の振動面積は、第2および第4振動アレイ210-2、210-4の並列配置構造によって増加することができ、これにより、右側の音響の低音域帯特性を向上させることができる。第2及び第4振動アレイ210-2、210-4の並列配置構造と比較して、第2及び第4振動アレイ210-2、210-4の対角線配置構造は、表示パネル100の第2領域(A2)の振動面積をさらに増加させることができるので、右側の音響の低音域帯特性をさらに向上させることができる。第2及び第4振動アレイ210-2、210-4の対角線配置構造は、表示パネル100の第2領域(A2)内に振動アレイを2×2の構造で配置する効果を有するので、表示パネル100の第2領域(A2)を振動させる振動アレイの個数を半分に減らすことができる。
【0236】
第1~第4振動アレイ210-1、210-2、210-3、210-4のそれぞれに含んだ複数の振動モジュールのそれぞれの圧電層は、互いに同一または異なることもできる。例えば、ディスプレイ装置に求められる音響特性によって、第1~第4振動アレイ210-1、210-2、210-3、210-4のそれぞれに含んだ複数の振動モジュールのそれぞれの圧電層は、図5A図5Fで説明した圧電層211のうちのいずれか一つ以上と同じ圧電層211を含む、または異なる圧電層211を含むことができる。第1~第4振動アレイ210-1、210-2、210-3、210-4のそれぞれに含まれた複数の振動モジュールのそれぞれの圧電層は、図5A図5Fで説明した圧電層211のうち各々異なる圧電層211を含むとき、振動装置200は、様々な共振周波数を有することができ、これによって、振動装置200の振動に連動して発生する音響の再生帯域と音響の音圧特性を大幅に増加させることができる。
【0237】
第1~第4振動アレイ210-1、210-2、210-3、210-4の配置構造は、図13に示した配置構造に限定されない。例えば、表示パネル100の第1領域(A1)及び第2領域(A2)のそれぞれにおいて、左上側と右下側の間の方向を第1対角線方向とし、右上側と左下側の間の方向を第2対角線方向とするとき、第1及び第3振動アレイ210-1、210-3は、第1対角線方向または第2対角線方向に沿って配置することができ、第2及び第4振動アレイ210-2、210-4は、第1対角線方向および第2対角線方向のうち、第1および第3振動アレイ210-1、210-3の対角線配置方向と同じかまたは異なる対角線方向に沿って配置することができる。例えば、第1振動アレイ210-1と第2振動アレイ210-2は、表示パネル100の中間ライン(CL)を中心に左右対称構造に配置、または左右非対称の構造に配置することができる。また、第3振動アレイ210-3と第4振動アレイ210-4は、表示パネル100の中間ライン(CL)を中心に左右対称構造に配置、または左右非対称構造に配置することができる。
【0238】
したがって、本明細書の他の実施例に係るディスプレイ装置は、図12で説明したディスプレイ装置と同様の効果を有し、第1及び第3振動アレイ210-1、210-3の対角線配置構造および第2および第4振動アレイ210-2、210-4の対角線配置構造による第1および第2領域(A1、A2)のそれぞれの振動面積が増加することによって、低音域帯の音圧特性をさらに増加させることができる。
【0239】
図14A図14Cは、本明細書の実施例に係る振動装置を含むディスプレイ装置を示した図である。これは、図3図9で説明した振動装置を含むディスプレイ装置を示したものである。
【0240】
図3図9で説明した振動装置は、フィルムの形態で実現することで、さまざまなアプリケーション装置に適用が可能である。
【0241】
図14Aを参照すると、本明細書の実施例に係る振動装置200は、凹面、または凸面の複数の曲面部(CSP1~CSP5)を含む表示パネル100を有するフレキシブルディスプレイ装置またはコマーシャルディスプレイ装置(commercial display apparatus)に適用することができる。一例として、振動装置200は、表示パネル100の各曲面部(CSP1~CSP5)の凸部または凹部と、それぞれマッチングする曲率値(または曲率半径)を有する形状に曲げて実現することができる。例えば、振動装置200は、表示パネル100の各曲面部(CSP1~CSP5)の凸部または凹部にそれぞれ配置することができる。他の例として、振動装置200は、表示パネル100の各曲面部(CSP1~CSP5)の曲率値(または曲率半径)とマッチングする形状で実現して表示パネル100の背面全体に配置することもできる。
【0242】
図14Bを参照すると、本明細書の実施例に係る振動装置200は、螺旋形に巻き取るまたは巻き出される表示パネル100を有するローラブルディスプレイ装置に適用することができる。一例として、振動装置200は、螺旋形に巻き取るまたは巻き出される表示パネル100の曲率値(または曲率半径)を有する形状で実現することができる。例えば、振動装置200は、表示パネル100の背面に一定の間隔で配置することができる。他の例として、振動装置200は、螺旋形に巻き取るまたは巻き出される表示パネル100の曲率値(または曲率半径)とマッチングする形状で実現して表示パネル100の背面全体に配置することもできる。
【0243】
図14Cを参照すると、本明細書の実施例に係る振動装置200は、使用者の手首に巻く「C」字型に曲がった表示パネル100を有するウェアラブルディスプレイ装置に適用することができる。一例として、振動装置200は、「C」字型に曲がった表示パネル100の曲率値(または曲率半径)を有する形状に実現することができる。例えば、振動装置200は、表示パネル100の背面に一定の間隔で配置することができる。他の例として、振動装置200は、「C」字型に曲がった表示パネル100の曲率値(または曲率半径)とマッチングする形状で実現して、表示パネル100の背面全体に配置することもできる。
【0244】
図15は、本明細書の第1および第2実施例に係るディスプレイ装置と比較例に係るディスプレイ装置のそれぞれの音響出力特性を示した図である。これはディスプレイ装置に配置した複数の振動モジュール間の離隔距離による音響出力特性を示す。
【0245】
音響出力特性は、音響分析装置によって測定することができる。音響分析装置は、制御用PC(Control PC)と音を送受信するサウンドカード、そしてサウンドカードから発生した音を振動装置に増幅伝達するアンプ(amplifier)、振動装置の駆動によって表示パネルから発生する音響を収集するマイクで構成することができる。マイクで収集した音響は、サウンドカードを介して制御用PCに入力し、これを制御用プログラムで確認して振動装置の音響出力特性を分析することになる。
【0246】
図15の点線は、複数の振動モジュール間の離隔距離が3cmである比較例に係るディスプレイ装置の音響出力特性を測定したものである。図15の太い実線は、複数の振動モジュール間の離隔距離が1mmである第1実施例に係るディスプレイ装置の音響出力特性を測定したものである。図15の一点鎖線は、複数の振動モジュール間の離隔距離が0.5mmである第2実施例に係るディスプレイ装置の音響出力特性を測定したものである。図15で、横軸は周波数(Frequency、Hz)を示し、縦軸は音圧(Sound Pressure Level、dB)を示す。
【0247】
図15を参照すると、複数の振動モジュール間の離隔距離によって低音域帯での音圧特性が異なることが分かる。例えば、第1実施例に係るディスプレイ装置は、比較例に係るディスプレイ装置と比較して低音域、例えば、約500Hz以下で高い音圧を有することが分かる。また、第2実施例に係るディスプレイ装置は、比較例に係るディスプレイ装置と比較して低音域、例えば、約500Hz以下で高い音圧を有することが分かる。そして、第1および2の実施例に係るディスプレイ装置は、全周波数帯域で類似の音圧特性を有することが分かる。
【0248】
図16は、本明細書の第1および第3実施例に係るディスプレイ装置のそれぞれの音響出力特性を示した図である。これはディスプレイ装置に配置した複数の振動モジュール間の離隔距離による音響出力特性を示す。音響出力特性の測定は、図15で説明した測定と同様であるため、これに対する重複説明は省略する。
【0249】
図16の太い実線は、複数の振動モジュール間の離隔距離が1mmである第1実施例に係るディスプレイ装置の音響出力特性を測定したものであり、図16の点線は、複数の振動モジュール間の離隔距離が5mmである第3実施例に係るディスプレイ装置の音響出力特性を測定したものである。図16で、横軸は周波数を示し、縦軸は音圧を示す。
【0250】
図16を参照すると、第3実施例に係るディスプレイ装置は、第1実施例に係るディスプレイ装置と比較して低音域帯、例えば、約100Hz~200Hzおよび約40Hz以下の低音圧を有し、約40Hz~100Hzで高い音圧を有することが分かる。また、第3実施例に係るディスプレイ装置は、第1実施例に係るディスプレイ装置と比較して約40Hz~100Hzで発生するディップ(dip)現象が改善することが分かる。したがって、第1および第3実施例に係るディスプレイ装置の音響出力特性は、図15に示した比較例に係るディスプレイ装置と比較して低音域帯、例えば、約500Hz以下での音響出力特性が改善することを知ることができる。
【0251】
したがって、図15及び図16から分かるように、本明細書の実施例は、相対的に小さな大きさを有する複数の振動モジュールを3cm以下、例えば0.5mm、1mm、または5mmの離隔距離を有するように配列するか、またはタイリングして1つの単一の振動装置に構成することにより、振動装置の大面積化を介して大面積効果を有する振動装置の振動に連動して表示パネルから発生する低音域帯の音響出力特性を改善することができる。
【0252】
図17は、本明細書の実施例に係るディスプレイ装置と比較例に係るディスプレイ装置のそれぞれの音響出力特性を示した図である。これは、複数の振動モジュールに対するタイリング方式による音響出力特性を示す。音響出力特性の測定は、図15で説明した測定と同様であるため、これに対する重複説明は省略する。
【0253】
図17の太い実線は、複数の振動モジュールをプラスチック材質の保護部材にタイリングして構成した本明細書の実施例に係るディスプレイ装置の音響出力特性を測定したものである。図17の点線は、複数の振動モジュールを保護部材なしで表示パネルに直接タイリング構成した比較例に係るディスプレイ装置の音響出力特性を測定したものである。図17で、横軸は周波数を示し、縦軸は音圧を示す。
【0254】
図17を参照すると、本明細書の実施例に係るディスプレイ装置は、比較例に係るディスプレイ装置と比較して低音域帯、例えば、約30Hz~500Hzで高い音圧を有することが分かり、全周波数領域で40dB以上の音圧特性を有することが分かる。例えば、比較例の場合、複数の振動モジュールを保護部材なしで表示パネルに直接タイリングすることにより、複数の振動モジュールのタイリングによる大面積効果が実現されず、複数の振動モジュールのそれぞれの独立した振動によって30Hz~500Hzでの音圧の減少により、音響の再生帯域が減少することが分かる。本明細書の実施例の場合、複数の振動モジュールをプラスチック材質の保護部材にタイリングすることによって、複数の振動モジュールのタイリングによる大面積効果を有することができ、これによって複数の振動モジュールが互いに独立して振動することなく、単一の振動体の形態で振動することにより、低音域帯、例えば、約30Hz~500Hzでの音圧特性が改善され、音響の再生帯域が増加することが分かる。
【0255】
図18は、本明細書の第1および第2実施例に係るディスプレイ装置と比較例に係るディスプレイ装置のそれぞれの音響出力特性を示した図である。これは、複数の振動モジュールのタイリング方式による音響出力特性を示す。音響出力特性の測定は、図15で説明した測定と同様であるため、これに対する重複説明は省略する。
【0256】
図18の太い実線は、複数の振動モジュールを金属材質のプレート(または保護部材)にタイリングして構成した本明細書の第1実施例に係るディスプレイ装置の音響出力特性を測定したものである。図18の一点鎖線は、複数の振動モジュールのそれぞれの一面を金属材質のプレート(または保護部材)にタイリングして、複数の振動モジュールのそれぞれの他面にプラスチック材質の保護部材を追加して構成した第2実施例に係るディスプレイ装置の音響出力特性を測定したものである。図18の点線は、複数の振動モジュールを保護部材なしで表示パネルに直接タイリングして構成した比較例に係るディスプレイ装置の音響出力特性を測定したものである。図18で、横軸は周波数を示し、縦軸は音圧を示す。
【0257】
図18を参照すると、本明細書の第1および第2実施例に係るディスプレイ装置のそれぞれは、比較例に係るディスプレイ装置と比較して低音域帯、例えば、約30Hz~500Hzで高い音圧を有することが分かり、全体の周波数領域で45dB以上の音圧特性を有することが分かる。例えば、比較例の場合、複数の振動モジュールを保護部材なしに表示パネルに直接タイリングすることによって、複数の振動モジュールのタイリングによる大面積効果が実現されず、複数の振動モジュールのそれぞれの独立した振動による30Hz~500Hzでの音圧の減少によって、音響の再生帯域が減少することが分かる。これとは異なり、本明細書の第1および第2実施例のそれぞれの場合、複数の振動モジュールを保護部材にタイリングすることによって、複数の振動モジュールのタイリングによる大面積効果を有することができる。これにより、複数の振動モジュールが互いに独立して振動することなく、単一の振動体の形態で振動して、複数の振動モジュールの共振周波数が、金属材質のプレート(または保護部材)による質量(または重量)の増加によって減少することによって低音域帯、例えば、約30Hz~500Hzでの音圧特性が改善され、音響の再生帯域が増加することが分かる。
【0258】
そして、第1および2実施例に係るディスプレイ装置は、全体の周波数帯域で同様の音圧特性を有することが分かる。
【0259】
したがって、図17及び図18から分かるように、本明細書の実施例は、相対的に小さな大きさを有する複数の振動モジュールをプラスチック材質または金属材質の保護部材(またはプレート)にタイリングして1つの単一の振動装置に構成することにより、振動装置の大面積化を介して大面積効果を有する振動装置の振動に連動して、表示パネルから発生する低音域帯の音響出力特性を向上させることができる。
【0260】
本明細書の実施例に係る振動装置は、ディスプレイ装置に配置する振動装置に適用することができる。本明細書の実施例に係るディスプレイ装置は、モバイルデバイス、映像電話器、スマートウォッチ(smart watch)、ウォッチフォン(watch phone)、ウェアラブル機器(wearable apparatus)、フォルダブル機器(foldable apparatus)、ローラブル機器(rollable apparatus)、ベンダブル機器(bendable apparatus)、フレキシブルデバイス(flexible apparatus)、カーブ・ド・機器(curved apparatus)、電子手帳、電子ブック、PMP(portable multimedia player)、PDA(personal digital assistant)、MP3プレーヤー、モバイル医療機器、デスクトップPC(desktop PC)、ラップトップPC(laptop PC)、ネットブックコンピュータ(netbook computer)、ワークステーション、(workstation)、ナビゲーション、車両用ナビゲーション、車両用ディスプレイ装置、劇場用装置、劇場用ディスプレイ装置、テレビ、ウオールペーパー(wallpaper)機器、サイネージ(signage)機器、ゲーム機器、ノートパソコン、モニター、カメラ、ビデオカメラ、および家電機器などに適用することができる。また、本明細書の振動装置は、有機発光照明装置または無機発光照明装置に適用することができる。振動装置を照明装置に適用する場合、照明およびスピーカーの役割をすることができる。また、本明細書のディスプレイ装置をモバイルデバイスなどに適用する場合、スピーカー、レシーバー、およびハプティック中の1つ以上の役割をすることができるが、これに限定されるものではない。
【0261】
本明細書に係る振動装置は、以下のように説明することができる。
【0262】
本明細書の実施例による振動装置は、複数の振動モジュールを有する振動アレイを含み、複数の振動モジュールは、第1方向に沿って3cm未満の第1間隔または事前に設定された間隔を有するように互いに離隔することができる。間隔は、複数の振動モジュールを単一のモジュールで駆動するための方法で決定することができる。
【0263】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の振動モジュールは、第1方向と交差する第2方向に沿って3cm未満の第2間隔を有するように互いに離隔することができる。
【0264】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1方向及び第1方向と交差する第2方向のそれぞれを基準に、複数の振動モジュール間の間隔は0.1mm~5mmであり得る。
【0265】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動アレイは、第1接着層を媒介に複数の振動モジュールのそれぞれの第1面に共通して連結した第1保護部材、及び/または第2接着層を媒介に複数の振動モジュールのそれぞれの第2面に共通して連結した第2保護部材をさらに含むことができる。
【0266】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1接着層及び/または第2接着層は、複数の振動モジュール間で互いに連結することができる。
【0267】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1保護部材または第2保護部材の上または内に配置されたプレートをさらに含むことができる。
【0268】
本明細書のいくつかの実施例によると、プレートは、金属材質を含むことができる。
【0269】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動アレイは、複数の振動モジュールを囲むカバー部材をさらに含むことができる。
【0270】
本明細書のいくつかの実施例によると、カバー部材は、エポキシ(epoxy)樹脂、アクリル(acryl)樹脂、シリコン(silicone)樹脂、またはウレタン(urethane)樹脂の中の少なくとも1つを含むことができる。
【0271】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動アレイは、カバー部材に配置されて、カバー部材と同一または大きい大きさを有する保護部材をさらに含むことができる。
【0272】
本明細書のいくつかの実施例によると、保護部材は、金属材質を含むことができる。
【0273】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動アレイは、カバー部材の第1面に配置された第1保護部材、およびカバー部材の第1面とは反対の第2面に配置された第2保護部材をさらに含み、第1および第2保護部材のうちのいずれか一つは、金属材質を含み、第1および第2保護部材のうちの他の一つは、プラスチック材質を含むことができる。
【0274】
本明細書のいくつかの実施例による振動装置は、複数の振動モジュールのそれぞれに電気的に連結したフレキシブルケーブルをさらに含み、フレキシブルケーブルは、端子部を有する胴体部、および胴体部から突出して、複数の振動モジュールのそれぞれとカバー部材の間に配置された複数のラインを含むことができる。
【0275】
本明細書のいくつかの実施例による、振動装置は、複数の振動モジュールのそれぞれに電気的に連結されたフレキシブルケーブルを含むことができ、フレキシブルケーブルは、端子部を含むベース部材、およびベース部材から突出した複数のラインを含むことができる。
【0276】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数のラインのうちのいくつかは、複数の振動モジュールのそれぞれの第1面と電気的に連結し、複数のラインの残りは、複数の振動モジュールのそれぞれの第1面とは反対の第2面と電気的に連結することができる。
【0277】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の振動モジュールのそれぞれに電気的に連結したフレキシブルケーブルをさらに含み、複数の振動モジュールのそれぞれは、第1面及び第1面とは反対の第2面を含み、フレキシブルケーブルは、 第2方向に沿って配置され、 第2方向と平行な同じ列に配置された複数の振動モジュールのうちの一部の振動モジュールの第1面と電気的に連結した第1ライン、第2方向に沿って配置し、複数の振動モジュールのうちの一部の振動モジュールの第2面と電気的に連結した第2ライン、第1ラインから第1方向に沿って延長して、複数の振動モジュールのそれぞれの第1面と電気的に連結した第3ライン、および第2ラインから第1方向に沿って延長して、複数の振動モジュールのそれぞれの第2面と電気的に連結した第4ラインを含むことができる。
【0278】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の振動モジュールは、独立して駆動せず、一つの単一体として駆動される単一の振動装置として実現されることができる。
【0279】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の振動モジュールのそれぞれは、振動層を含み、振動層は、圧電特性を有する複数の無機物質部、及び複数の無機物質部間に配置された有機物質部を含むことができる。
【0280】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の振動モジュールのそれぞれは、振動層の第1面に配置した第1電極層、及び振動層の第1面とは反対の第2面に配置された第2電極層をさらに含むことことができる。
【0281】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の無機物質部のそれぞれは、厚さ方向に沿った圧電変形係数が1,000pC/N以上を有することができる。
【0282】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の無機物質部のそれぞれは、(PbA-BCB)((Mg1/3Nb2/3a(Ni1/3Nb2/3bZrcTid)O3の式を含み、式中のCは、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、およびバリウム(Ba)のうちのいずれか一つであり、a+b+c+d=1、0.02≦B≦0.20、0.80≦A-B≦0.98、0.05≦a≦0.25、0.05≦b≦0.25、0.10≦c≦0.50、0.10≦d≦0.50であり得る。
【0283】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の無機物質部と複数の無機物質部は、交互に繰り返して配置され、および複数の有機物質部のそれぞれの大きさは、前記振動層の中間部分から両端部分の方にいくほど段々に減少することができる。
【0284】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の無機物質部のそれぞれは、ライン形態、円形態、楕円形態、および多角形態のうちのいずれか一つまたは複数の形態を有することができる。
【0285】
本明細書の実施例による振動装置は、同一平面上に 互いに交差する第1方向及び第2方向にi×j(iは2以上の自然数であり、jはiと同じか、1以上の自然数)の形態で配置した複数の振動モジュールを有する振動アレイを含み、複数の振動モジュールは、第1方向及び第2方向のそれぞれに沿って3cm未満の間隔で互いに離隔することができる。
【0286】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動アレイは、複数の振動モジュールを囲むカバー部材をさらに含むことができる。
【0287】
本明細書のいくつかの実施例によると、カバー部材は、エポキシ(epoxy)樹脂、アクリル(acryl)樹脂、シリコン(silicone)樹脂、またはウレタン(urethane)樹脂の中の少なくとも1つを含むことができる。
【0288】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動アレイは、カバー部材に配置されて、カバー部材と同一または大きい大きさを有する保護部材をさらに含むことができる。
【0289】
本明細書のいくつかの実施例によると、保護部材は、金属材質を含むことができる。
【0290】
本明細書のいくつかの実施例によると、振動アレイは、カバー部材の第1面に配置した第1保護部材、およびカバー部材の第1面とは反対の第2面に配置した第2保護部材をさらに含み、第1および第2保護部材のうちのいずれか一つは、金属材質を含み、第1および第2保護部材のうちの他の一つは、プラスチック材質を含むことができる。
【0291】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の振動モジュールのそれぞれに電気的に連結したフレキシブルケーブルをさらに含み、フレキシブルケーブルは、端子部を有する胴体部、胴体部に配置した複数の第1ライン、及び第2方向に複数の第1ラインのそれぞれから突出して、振動モジュールとカバー部材の間に 配置された複数の第2ラインを含むことができる。
【0292】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の第2ラインのうちのいくつかは、複数の振動モジュールのそれぞれの第1面と電気的に連結し、複数の第2ラインの残りは、複数の振動モジュールのそれぞれの第1面と反対の第2面と電気的に連結することができる。
【0293】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の第2ラインのうちのいくつかは、第2方向と平行な同じ列に配置された振動モジュールの第1の面に電気的に連結され、複数の第2ラインのうちの残りは、 第2方向と平行な同じ列に配置された振動モジュールの第1の面とは反対の第2面と電気的に連結され、フレキシブルケーブルは、複数の第2ラインのうちのいくつかから突出して複数の振動モジュールのそれぞれの第1面と電気的に連結した少なくとも一つの第3ライン、および複数の第2ラインのうちの残りのから突出して複数の振動モジュールのそれぞれの第2面と電気的に連結した少なくとも一つの第4ラインをさらに含むことができる。
【0294】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の振動モジュールのそれぞれは、振動層を含み、振動層は、圧電特性を有する複数の無機物質部、及び複数の無機物質部の間に配置された有機物質部を含むことができる。
【0295】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の振動モジュールのそれぞれは、振動層の第1面に配置された第1電極層、及び振動層の第1面とは反対の第2面に配置された第2電極層をさらに含むことができる。
【0296】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の無機物質部のそれぞれは、厚さ方向に沿った圧電変形係数が1,000pC/N以上を有することができる。
【0297】
本明細書のいくつかの実施例によると、複数の無機物質部のそれぞれは、(PbA-BCB)((Mg1/3Nb2/3a(Ni1/3Nb2/3bZrcTid)O3の式を含み、式中のCは、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、およびバリウム(Ba)のうちのいずれか一つであり、a+b+c+d=1、0.02≦B≦0.20、0.80≦A-B≦0.98、0.05≦a≦0.25、0.05≦b≦0.25、0.10≦c≦0.50、0.10≦d≦0.50であり得る。
【0298】
本明細書に係るディスプレイ装置は、以下のように説明することができる。
【0299】
本明細書の実施例によるディスプレイ装置は、映像を表示する表示パネル、および表示パネルの背面に配置して表示パネルを振動させる少なくとも一つ以上の振動アレイを有する振動装置を含み、少なくとも一つ以上の振動アレイは、複数の振動モジュールを含み、複数の振動モジュールは、第1方向に沿って3cm未満の第1間隔または事前に設定された間隔を有するように互いに離隔することができる。
【0300】
本明細書のいくつかの実施例によるディスプレイ装置は、映像を表示する表示パネル、および表示パネルの背面に配置して表示パネルを振動させる少なくとも一つ以上の振動アレイを有する振動装置を含み、少なくとも一つ以上の振動アレイは、同じ平面上にi×j(iは2以上の自然数であり、jはiと同じか、1以上の自然数)の形態で配置した複数の振動モジュールを含み、複数の振動モジュールは、互いに交差する第1方向および第2方向のそれぞれに沿って3cm未満の間隔で互いに離隔することができる。
【0301】
本明細書のいくつかの実施例によると、表示パネルは、映像を表示する表示領域と重畳する第1領域および第2領域を含み、振動装置は、第1領域に配置した第1振動アレイ、および第2領域に配置した第2振動アレイを含むことができる。
【0302】
本明細書のいくつかの実施例によるディスプレイ装置は、表示パネルの背面に配置した支持部材、表示パネルの背面と支持部材の間に配置し、第1振動アレイを囲む第1エンクロージャー、および表示パネルの背面と支持部材の間に配置し、第2振動アレイを囲む第2エンクロージャーをさらに含むことができる。
【0303】
本明細書のいくつかの実施例によると、表示パネルは、映像を表示する表示領域と重畳する第1領域および第2領域を含み、振動装置は、第1領域に配置した第1振動アレイ、第2領域に配置した第2振動アレイ、第1振動アレイと互い違いに第1領域に配置した第3振動アレイ、及び第2振動アレイと互い違いに第2領域に配置した第4振動アレイを含むことができる。
【0304】
本明細書のいくつかの実施例によると、表示パネルの背面に配置した支持部材、表示パネルの背面と支持部材の間に配置し、第1及び第3振動アレイを囲む第1エンクロージャー、および表示パネルの背面と支持部材の間に配置し、第2及び第4振動アレイを囲む第2エンクロージャーをさらに含むことができる。
【0305】
本明細書のいくつかの実施例によると、第1振動アレイと第3振動アレイは、対角線方向に互い違いに配置され、第2振動アレイと第4振動アレイは、対角線方向に互い違いに配置されることができる。
【0306】
上述した本明細書の様々な例で説明した特徴、構造、効果などは、本明細書の少なくとも一つの例に含まれており、必ずしも一つの例のみに限定されるものではない。さらに、本明細書の少なくとも一つの例で、例示した特徴、構造、効果などは、本明細書の技術思想が属する分野の通常の知識を有する者によって、他の例にも組み合わせ、または変形して実施可能である。したがって、これらの組み合わせと変形に係る内容は、本明細書の技術範囲または権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0307】
100:表示パネル
200:振動装置
210:振動アレイ
210A、210B、210C、210D:振動モジュール
211:圧電層
211a:第1部分
211b:第2部分
212:第1接着層
213、218:第1保護部材
214:第2接着層
215、219:第2保護部材
216:プレート
217:カバー部材
220:フレキシブルケーブル
221:ベース部材
223:導電体層
225:絶縁層
300:支持部材
400:パネル連結部材
600:パーティション
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17
図18