(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】ワーク供給装置および包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 9/04 20060101AFI20240607BHJP
B65B 39/00 20060101ALI20240607BHJP
B65B 1/30 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
B65B9/04
B65B39/00 A
B65B1/30 A
(21)【出願番号】P 2022196850
(22)【出願日】2022-12-09
【審査請求日】2024-03-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591206108
【氏名又は名称】マルホ発條工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】月岡 慎弥
(72)【発明者】
【氏名】小野 利憲
(72)【発明者】
【氏名】出口 真由美
(72)【発明者】
【氏名】下薗 弘
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開昭54-22291(JP,A)
【文献】実開平2-111601(JP,U)
【文献】実開昭56-107302(JP,U)
【文献】特開2011-84290(JP,A)
【文献】特開2007-308145(JP,A)
【文献】特開2006-240741(JP,A)
【文献】特開昭61-21322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/00
B65B 39/00
B65B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを収容するためのポケットが形成された容器フィルムの前記ポケットへワークを供給するワーク供給装置であって、
有底筒状であり底壁が鉛直下方側に位置する姿勢で配置された状態で内側に前記ワークを保持するとともに、前記底壁の少なくとも一部に開口部が穿設されたワークフィーダと、
前記ワークフィーダの鉛直下方における前記開口部に対向する位置に配置され、前記ワークフィーダから投入される前記ワークを前記ポケットへ案内するシュートユニットと、
前記開口部に固定され前記ワークフィーダの内側に保持された前記ワークを前記シュートユニットへ案内するガイド部材と、を備え、
前記シュートユニットは、
シュートベースと、
前記シュートベースの側面に固定された状態で、前記シュートベースとともに前記シュートベースの鉛直方向における一端から他端まで延在し前記ワークを案内する第1案内溝を形成し、前記第1案内溝の前記シュートベースの前記一端側に開口した部分が前記ガイド部材に対向するとともに前記シュートベースの前記他端が前記ポケットから予め設定された距離だけ離間した位置に配置され、前記ガイド部材から前記第1案内溝に投入された前記ワークが前記ポケットへ案内される少なくとも1つのシュートブロックと、を有し、
前記シュートブロックは、前記シュートベースに固定された状態で、前記第1案内溝の幅方向における少なくとも一方の側壁を構成する、
ワーク供給装置。
【請求項2】
前記シュートユニットは、
前記第1案内溝における第1位置において前記第1案内溝を堰き止めた閉状態と前記第1案内溝を開放した開状態とをとりうる第1シャッタと、
前記第1案内溝における前記第1位置から離間した第2位置において前記閉状態と前記開状態とをとりうる第2シャッタと、
前記第1シャッタと前記第2シャッタとが交互に前記開状態と前記閉状態となるように前記第1シャッタおよび前記第2シャッタを駆動することにより、前記シュートユニットから前記ポケットへ供給する前記ワークの数を調整するシャッタ駆動部と、を有するワーク供給量調整部を更に有する、
請求項1に記載のワーク供給装置。
【請求項3】
前記ワークは、円盤状であり、
前記第1案内溝における前記シュートベースの前記他端側に位置する部分の延在方向は、鉛直方向に対して、前記ワークの直径と、前記ワークの厚さと、前記ポケットの深さと、に基づいて決定される角度だけ傾斜している、
請求項1または2に記載のワーク供給装置。
【請求項4】
前記第1案内溝の少なくとも一部は、湾曲して延在し、
前記第1案内溝の最小曲率半径は、前記ワークの直径と、前記ワークの厚さと、に基づいて決定されている、
請求項3に記載のワーク供給装置。
【請求項5】
前記ガイド部材は、
板状であり前記開口部を覆うように配置されるとともに、厚さ方向に貫通し且つ前記第1案内溝の前記シュートベースの前記一端側に開口した部分に対向する少なくとも1つの長尺のスリットが穿設されたガイド部材本体と、
前記ガイド部材本体における前記シュートユニット側とは反対側の、前記スリットの短手方向における両側において前記スリットそれぞれの長手方向に沿って延在する長尺のリブと、を有し、
前記リブには、前記ガイド部材における前記シュートユニット側とは反対側における前記スリットの周縁に連続し、前記ガイド部材本体から離れるほど前記スリットの周縁からの距離が長くなるように傾斜した傾斜面が形成されている、
請求項1または2に記載のワーク供給装置。
【請求項6】
前記ガイド部材本体における前記シュートユニット側とは反対側に、前記スリットの長手方向における一端縁から前記スリットの外側へ延在する第2案内溝が形成されている、
請求項5に記載のワーク供給装置。
【請求項7】
前記リブは、長手方向の長さが前記スリットの長手方向の長さよりも長く、長手方向における一端部において前記スリットに隣接するように配設され、前記第2案内溝の短手方向における両側のいずれか一方に沿って延在し、前記傾斜面の前記ガイド部材本体側の端縁が前記第2案内溝に連続している、
請求項6に記載のワーク供給装置。
【請求項8】
前記傾斜面の前記ガイド部材本体の厚さ方向に対する傾斜角度は、40度以上且つ60度以下に設定されている、
請求項7に記載のワーク供給装置。
【請求項9】
ワークを収容するためのポケットが形成された容器フィルムと、前記ポケットを塞ぐように前記容器フィルムに貼着されるカバーフィルムと、を有する包装パックを製造するための包装機であって、
前記容器フィルムの元となる帯状の原料フィルムを供給する原料フィルム供給ユニットと、
前記原料フィルム供給ユニットから供給される前記原料フィルムに前記ポケットを成形することにより帯状の前記容器フィルムを生成する成形装置と、
前記ポケットへワークを供給するワーク供給装置と、
帯状の前記カバーフィルムを供給するカバーフィルム供給ユニットと、
前記容器フィルムの前記ポケットに前記ワークが収容された状態で、前記容器フィルムに前記カバーフィルムを貼着することにより前記ポケットが前記カバーフィルムでシールされたパックフィルムを生成するシール装置と、を備え、
前記ワーク供給装置は、
有底筒状であり底壁が鉛直下方側に位置する姿勢で配置された状態で内側に前記ワークを保持するとともに、前記底壁の少なくとも一部に開口部が穿設されたワークフィーダと、
前記ワークフィーダの鉛直下方における前記開口部に対向する位置に配置され、前記ワークフィーダから投入される前記ワークを前記ポケットへ案内するシュートユニットと、
前記開口部に固定され前記ワークフィーダの内側に保持された前記ワークを前記シュートユニットへ案内するスリットが形成されたガイド部材と、を備え、
前記シュートユニットは、
シュートベースと、
前記シュートベースの側面に固定された状態で、前記シュートベースとともに前記シュートベースの鉛直方向における一端から他端まで延在し前記ワークを案内する第1案内溝を形成し、前記第1案内溝の前記シュートベースの前記一端側に開口した部分が前記ガイド部材に対向するとともに前記シュートベースの前記他端が前記ポケットから予め設定された距離だけ離間した位置に配置され、前記ガイド部材から前記第1案内溝に投入された前記ワークが前記ポケットへ案内される少なくとも1つのシュートブロックと、を有し、
前記シュートブロックは、前記シュートベースに固定された状態で、前記第1案内溝の幅方向における少なくとも一方の側壁を構成する、
包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク供給装置および包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークフィーダに装入されたワークをテーブルに設けた複数の充填穴内に充填し、テーブルを移動させて充填穴から落下したワークを2枚のフィルムの間に収容し、その周囲を接着して封止する包装装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された包装装置では、ワークフィーダに装入されたワークの形状によってはワークが充填穴に詰まり供給能力が低下する虞がある。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、ワークを円滑に供給できるワーク供給装置および包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るワーク供給装置は、
ワークを収容するためのポケットが形成された容器フィルムの前記ポケットへワークを供給するワーク供給装置であって、
有底筒状であり底壁が鉛直下方側に位置する姿勢で配置された状態で内側に前記ワークを保持するとともに、前記底壁の少なくとも一部に開口部が穿設されたワークフィーダと、
前記ワークフィーダの鉛直下方における前記開口部に対向する位置に配置され、前記ワークフィーダから投入される前記ワークを前記ポケットへ案内するシュートユニットと、
前記開口部に固定され前記ワークフィーダの内側に保持された前記ワークを前記シュートユニットへ案内するガイド部材と、を備え、
前記シュートユニットは、
シュートベースと、
前記シュートベースの側面に固定された状態で、前記シュートベースとともに前記シュートベースの鉛直方向における一端から他端まで延在し前記ワークを案内する第1案内溝を形成し、前記第1案内溝の前記シュートベースの前記一端側に開口した部分が前記ガイド部材に対向するとともに前記シュートベースの前記他端が前記ポケットから予め設定された距離だけ離間した位置に配置され、前記ガイド部材から前記第1案内溝に投入された前記ワークが前記ポケットへ案内される少なくとも1つのシュートブロックと、を有し、
前記シュートブロックは、前記シュートベースに固定された状態で、前記第1案内溝の幅方向における少なくとも一方の側壁を構成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シュートユニットが、シュートベースと、シュートベースの側面に固定された状態で、シュートベースとともにシュートベースの鉛直方向における一端から他端まで延在しワークを案内する第1案内溝を形成し、第1案内溝のシュートベースの一端側に開口した部分がガイド部材に対向するとともにシュートベースの他端がポケットから予め設定された距離だけ離間した位置に配置され、ガイド部材から第1案内溝に投入されたワークがポケットへ案内される少なくとも1つのシュートブロックと、を有する。そして、シュートブロックが、シュートベースに固定された状態で、第1案内溝の幅方向における少なくとも一方の側壁を構成する。これにより、投入されるワークの形状に応じて第1案内溝の断面形状を当該ワークの形状に適した断面形状とすることができるので、ワークを円滑に容器フィルムのポケットへ供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態に係る包装機の正面図である。
【
図2】実施の形態に係るワーク供給装置の斜視図である。
【
図3】実施の形態に係るワーク供給装置の一部の斜視図である。
【
図4】実施の形態に係るシュートユニットの側面図である。
【
図5】実施の形態に係るシュートユニットの分解斜視図である。
【
図6】(A)は、実施の形態に係るシュートユニットの一部を示す図であり、(B)は実施の形態に係る容器フィルムの一部の断面図である。
【
図7】実施の形態に係る供給量調整部の動作説明図であり、(A)は第1シャッタが開状態であり第2シャッタが閉状態である場合を示す図であり、(B)は第1シャッタが閉状態に移行し第2シャッタが開状態に移行する途中の様子を示す図であり、(C)は第2シャッタが開状態である場合を示す図である。
【
図8】実施の形態に係る供給量調整部の動作説明図であり、(A)は第1シャッタが開状態に移行し第2シャッタが閉状態に移行する途中の様子を示す図であり、(B)は第1シャッタが開状態に移行し第2シャッタが閉状態に移行する途中の様子を示す図であり、(C)は第1シャッタが開状態であり第2シャッタが閉状態である場合を示す図である。
【
図9】(A)は実施の形態に係るガイド部材の平面図であり、(B)は実施の形態に係るガイド部材およびシュートユニットの一部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る包装機について、図を参照しながら説明する。本実施の形態に係る包装機は、ブリスタパック、PTPパック等の包装パックを製造するためのものである。ここで、包装パックとは、ワークを収容するためのポケットが形成された容器フィルムと、ポケットを塞ぐように容器フィルムに貼着されるカバーフィルムと、を有するものである。ここで、ワークとしては、例えば厚さが薄いいわゆるコイン型の錠剤等が挙げられる。
【0010】
本実施の形態に係る包装機は、
図1に示すように、原料フィルム供給ユニット11と、加熱装置29と、成形装置12と、ワーク供給装置50と、カバーフィルム供給ユニット15と、シール装置14と、スリット形成打ち抜きユニット17と、を備える。また、包装機は、原料フィルムF1および容器フィルムF2を搬送する搬送部232と、フィルム押圧部231と、シール装置14から排出されるパックフィルムF4を間欠的に下流側へ搬送する搬送部281と、を備える。更に、包装機は、容器フィルムF2の搬送経路を確保するために設けられたフィルム台293と、張力調整部292と、フィルム押圧部294と、パックフィルムF4に張力を印加する張力印加部252と、を備える。また、包装機は、スリット形成打ち抜きユニット17のスリット形成装置171におけるパックフィルムF4の位置ずれを補正するためのフィルム位置変更部26と、スリット形成打ち抜きユニット17から排出されるスクラップを回収するスクラップ回収部30と、を備える。また、包装機は、容器フィルムF2のポケットへワークを供給可能な状態で容器フィルムF2を支持するステージ70と、各装置を制御する制御装置90と、機体99と、を備える。機体99は、原料フィルム供給ユニット11、成形装置12、カバーフィルム供給ユニット15、シール装置14、スリット形成打ち抜きユニット17等を収納するサブ機体991と、ワーク供給装置50を支持するサブ機体992と、から構成される。更に、包装機の+Y方向側には、スリット形成打ち抜きユニット17の打ち抜き装置173の鉛直下方に搬送ベルト40の-Y方向側の端部が位置するように設置され、包装パックを次工程へ搬送する搬送装置が設置されている。
【0011】
原料フィルム供給ユニット11は、容器フィルムF2の元となる帯状の原料フィルムF1を供給する。原料フィルム供給ユニット11は、原料フィルムF1が巻回されたリール111と、リール111から供給される原料フィルムF1を加熱装置29へ搬送する搬送部112と、原料フィルムF1を搬送部112へ案内するローラ1151、1152と、を有する。搬送部112は、原料フィルムF1が巻回されるローラ112aと、ローラ112aを駆動するローラ駆動部112bと、を有する。また、原料フィルム供給ユニット11は、リール111からの原料フィルムF1の供給が停止している期間中における原料フィルムF1の下流側への供給を継続させるためのバッファ部117と、バッファ部117から供給される原料フィルムF1を加熱装置29へ案内するローラ1153と、を有する。バッファ部117は、いわゆるダンサローラであり、搬送部112のローラ112aとローラ1153の間に張架された原料フィルムF1におけるローラ112a、1153の間の部分に、ローラ1171を鉛直上方から接触させて鉛直下方へ押圧することにより、原料フィルムF1に張力を印加する。
【0012】
加熱装置29は、原料フィルムF1の厚さ方向における両側それぞれに対向して配置されヒータ(図示せず)を内蔵する伝熱板2901、2902を有し、伝熱板2901、2902により原料フィルムF1を加熱する。成形装置12は、原料フィルムF1にポケットを成形することにより帯状の容器フィルムF2を生成する。搬送部232は、容器フィルムF2を支持する円筒状のホイール2321と、ホイール2321を回転駆動する駆動部(図示せず)と、を有する。ホイール2321は、周面に容器フィルムF2のポケットを掛止する複数の凹部(図示せず)が並設されている。そして、駆動部が、ホイール2321の複数の凹部の一部に容器フィルムF2のポケットが掛止された状態で、ホイール2321を回転させることにより、容器フィルムF2が下流側へ連続的に搬送される。フィルム押圧部231は、ローラ2311をホイール2321の側方からホイール2321に巻回された容器フィルムF2に接触させて押圧することにより、容器フィルムF2の搬送中に容器フィルムF2がホイール2321から離脱するのを防止する。搬送部232から下流側へ搬送された容器フィルムF2は、ローラ233によりフィルム台293へ案内される。
【0013】
フィルム台293は、容器フィルムF2を摺動自在に支持する。フィルム台293から下流側へ搬送された容器フィルムF2は、ローラ2951、2952、2953により張力調整部292へ案内される。
【0014】
張力調整部292は、容器フィルムF2が巻回されるローラ2921と、ローラ2921にドリブンメンバシャフト(図示せず)を介して連結されたパウダクラッチブレーキ(図示せず)と、を有する。張力調整部292は、パウダクラッチブレーキによりローラ2921の回転トルクを調節して、ローラ2921とシール装置14の搬送部141との間に張架される容器フィルムF2に加わる張力を調整する。フィルム押圧部294は、ローラ2941をローラ2921の鉛直下方からローラ2921に巻回された容器フィルムF2に接触させて押圧することにより、容器フィルムF2の搬送中に容器フィルムF2がローラ2921から離脱するのを防止する。
【0015】
カバーフィルム供給ユニット15は、帯状のカバーフィルムF3を供給する。カバーフィルム供給ユニット15は、カバーフィルムF3が巻回されたリール151と、リール151から供給されるカバーフィルムF3をシール装置14へ案内するローラ1521、1522と、張力調整部153と、を有する。カバーフィルムF3としては、アルミフィルムのような金属フィルム、或いは、ガスバリヤフィルムのような複合フィルム等が挙げられる。張力調整部153は、カバーフィルムF3の張力を調整するためのものであり、カバーフィルムF3が巻回されるローラ1531と、ローラ1531にドリブンメンバシャフト(図示せず)を介して連結されたパウダクラッチブレーキ(図示せず)と、を有する。張力調整部153は、パウダクラッチブレーキによりローラ1531の回転トルクを調節して、ローラ1531とシール装置14の搬送部141との間に張架されるカバーフィルムF3に加わる張力を調整する。
【0016】
シール装置14は、容器フィルムF2のポケットPo1にワークが収容された状態で、容器フィルムF2にカバーフィルムF3を貼着することによりポケットPo1をシールする。シール装置14は、容器フィルムF2、カバーフィルムF3およびパックフィルムF4を連続的に下流側へ搬送する搬送部141と、カバーフィルムF3を加熱しつつ容器フィルムF2にカバーフィルムF3を押し付けることによりカバーフィルムF3を容器フィルムF2に貼着する押圧部142と、を有する。搬送部141は、カバーフィルムF3を支持する円筒状のホイール1411と、ホイール1411を回転駆動する駆動部(図示せず)と、を有する。ホイール1411の周面には、容器フィルムF2のポケットを掛止する複数の凹部(図示せず)が並設されている。そして、駆動部は、ホイール1411の複数の凹部の一部に容器フィルムF2のポケットが掛止された状態で、ホイール1411を回転させる。これにより、容器フィルムF2にカバーフィルムF3が貼着されてなるパックフィルムF4が、シール装置14の下流側へ連続的に搬送される。
【0017】
押圧部142は、搬送部141のホイール1411に巻回された容器フィルムF2およびカバーフィルムF3に圧接される伝熱ローラ1421と、長尺であり長手方向の一端部に伝熱ローラ1421が回転自在に取り付けられたアーム1422と、アーム1422の長手方向における他端部において、アーム1422の一端部が他端部を基点として旋回自在となるようにアーム1422を支持するとともにアーム1422の一端部を伝熱ローラ1421に押し付ける方向へ付勢するアーム駆動部1423と、を有する。シール装置14は、容器フィルムF2にカバーフィルムF3が重ねられた状態で、搬送部141のホイール1411と伝熱ローラ1421とで挟持することにより、容器フィルムF2のポケットの外周部にカバーフィルムF3を圧着する。
【0018】
張力印加部252は、いわゆるダンサローラであり、搬送部141のホイール1411とフィルム位置変更部26のガイドローラ261との間に張架されたパックフィルムF4におけるホイール1411とガイドローラ261との間の部分に鉛直上方からローラ2521を接触させて鉛直下方へ押圧することにより、パックフィルムF4に張力を印加する。
【0019】
スリット形成打ち抜きユニット17は、スリット形成装置171と、打ち抜き装置173と、-Y方向側にスリット形成装置171が固定され+Y方向側に打ち抜き装置173が固定されたダイ駆動部172と、を有する。スリット形成装置171は、パックフィルムF4におけるスリットを生成する部位に対向して配置されたカッタ(図示せず)が設けられたヘッド1711と、ヘッド1711に対向して配置されるダイ1712とを有する。そして、ダイ駆動部172が、ヘッド1711とダイ1712との間にパックフィルムF4が配置された状態でダイ1712をヘッド1711へ押し付けて挟持するようにダイ1712を駆動することでパックフィルムF4にスリットを形成する。
【0020】
打ち抜き装置173は、搬送部281により間欠的に搬送されるパックフィルムF4が停止したときにパックフィルムF4を打ち抜く。打ち抜き装置173は、パックフィルムF4における包装パックに対応する部分の周部に対向して配置されたカッタ(図示せず)が設けられたヘッド1731と、ヘッド1731に対向して配置されるダイ1732と、を有する。そして、ダイ駆動部172が、ヘッド1731とダイ1732との間にパックフィルムF4が配置された状態でダイ1732をヘッド1731へ押し付けて挟持するようにダイ1732を駆動することでパックフィルムF4から包装パックを打ち抜く。打ち抜かれた包装パックは、搬送ベルト40上へ落下する。また、パックフィルムF4から包装パックを打ち抜くことにより形成されるスクラップF5は、スクラップ回収部30へ落下する。
【0021】
フィルム位置変更部26は、スリット形成装置171に送られるパックフィルムF4を案内するガイドローラ261と、ガイドローラ261をX軸方向へ駆動するガイド駆動部(図示せず)と、を有する。ガイド駆動部は、ガイドローラ261を、パックフィルムF4の幅方向、即ち、X軸方向およびパックフィルムF4の搬送方向に沿った方向へ移動させる。ガイド駆動部は、ガイドローラ261の位置をX軸方向へずれた位置に変更することにより、スリット形成装置171におけるパックフィルムF4のX軸方向における位置を変更する。
【0022】
搬送部281は、パックフィルムF4が巻回されるホイール811と、ホイール2811を回転駆動するホイール駆動部(図示せず)と、を有する。ホイール2811には、パックフィルムF4のポケットPo1を掛止する複数の凹部(図示せず)がホイール2811の周方向に沿って並設されている。ホイール駆動部は、ホイール2811の複数の凹部の一部にパックフィルムF4のポケットが掛止された状態で、ホイール2811を回転させることにより、パックフィルムF4を連続的に下流側へ搬送する。ここで、ホイール駆動部は、ホイール2811の複数の凹部の一部にパックフィルムF4のポケットPo1が掛止された状態で、ホイール2811を予め設定された回転角度ずつ間欠的に回転させる。これにより、パックフィルムF4が、予め設定された基準距離ずつ間欠的に打ち抜き装置173へ送り出される。ここで、基準距離は、パックフィルムF4の長手方向における1つの包装パックに対応する部分の長さに等しくなるように設定されている。フィルム押圧部282は、ローラ2821をホイール2811の側方からホイール2811に巻回されたパックフィルムF4に接触させて押圧することにより、パックフィルムF4の搬送中にパックフィルムF4がホイール2811から離脱するのを防止する。
【0023】
ワーク供給装置50は、ステージ70の上方に容器フィルムF2が配置された状態で、容器フィルムF2の各ポケットへワークを投入していく。ワーク供給装置50は、
図2および
図3に示すように、ワークフィーダ51と、ガイド部材52と、ワークフィーダ51を振動させる加振ユニット55と、シュートユニット53と、ワークフィーダ51および加振ユニット55を纏めて支持する支持部材59と、を有する。ここで、シュートユニット53は、支持部材71を介してステージ70に固定されている。また、ワーク供給装置50は、ワークフィーダ51に保持されたワークの総重量を計測する計量部56を有する。ワークフィーダ51は、有底円筒状であり、底壁511が鉛直下方側、即ち、-Z方向側に位置する姿勢で配置された状態で内側にワークを保持する。また、ワークフィーダ51は、その底壁511の一部から側壁512に亘って開口する開口部51aが穿設されている。加振ユニット55は、ワークフィーダ51を振動させることによりワークフィーダ51内に保持されたワークをワークフィーダ51の周方向へ移動させる。
【0024】
シュートユニット53は、ワークフィーダ51の内側に保持されたワークを容器フィルムF2のポケットへ案内するためのものである。シュートユニット53は、
図4に示すように、長尺板状のシュートベース531と、複数のシュートブロック533、536と、シュートベース531およびシュートブロック533、536の+Y方向側を覆うように配置されるカバープレート539と、を有する。シュートベース531は、
図5に示すように、-Z方向側に配置された下側ベース5311と、下側ベース5311の+Z方向側に隣接して配置された上側ベース5312と、を有する。下側ベース5311の+Y方向側の側壁には、シュートブロック536が嵌入される凹部5311aが形成され、上側ベース5312の+Y方向側の側壁には、シュートブロック533が嵌入される凹部5312aが形成されている。また、下側ベース5311の凹部5311aの内側には、下側ベース5311を厚さ方向に貫通し、後述するシャッタ5321、5322が挿通される貫通孔5311b、5311cが穿設されている。更に、下側ベース5311の凹部5311aの内側には、シュートブロック536の-Y方向側の側壁に穿設された凹部(図示せず)に嵌入することによりシュートブロック536の位置決めを行うための突起5311dが突設されている。また、下側ベース5311の凹部5311aの内側には、シュートブロック536が凹部5311aの内側に嵌入された状態で、シュートブロック536を下側ベース5311の側壁に固定するための螺子5341が螺合する螺子孔5311eが穿設されている。更に、下側ベース5311の+Y方向側の側壁における凹部5311aの外周部には、カバープレート539を下側ベース5311に固定するためのボルト535が螺合する螺子孔5311fが穿設されている。
【0025】
上側ベース5312の凹部5312aの内側には、シュートブロック533の-Y方向側の側壁に穿設された凹部(図示せず)に嵌入することによりシュートブロック533の位置決めを行うための突起5312bが突設されている。また、上側ベース5312の凹部5312aの内側には、シュートブロック533が凹部5312aの内側に嵌入された状態で、シュートブロック536を上側ベース5312の側壁に固定するための螺子5342が螺合する螺子孔5312cが穿設されている。
【0026】
シュートブロック533、536は、それぞれ、
図4に示すように、長尺でありシュートベース531の+Y方向側の側壁にシュートベース531の長手方向に沿う姿勢で固定された状態で、シュートベース531とともにシュートベース531の長手方向における+Z方向側の一端から-Z方向側の他端まで延在しワークWを案内する案内溝53aを形成している。案内溝53aは、+Z方向側の一部分P531、P532と、-Z方向側の一部分P533とが、X軸方向において湾曲して延在する第1案内溝である。具体的には、部分P531が、-X方向側に凸となるように湾曲し、部分P532が、+X方向側に凸となるように湾曲している。また、案内溝53aの幅は、ワークWの厚さよりも大きくワークWの厚さ方向と直交する方向の最大幅よりも小さく設定されている。更に、案内溝53aの湾曲した部分P531、P532、P533の最小曲率半径は、ワークWが円盤状である場合、ワークWの直径と、ワークWの厚さと、に基づいて決定されている。この案内溝53aのシュートベース531の+Z方向側の一端側のシュートベース531およびシュートブロック533の端面53bに開口した部分は、ガイド部材52に対向している。また、シュートベース531およびシュートブロック536の-Z方向側の他端側の端面53cは、容器フィルムF2のポケットPo1から予め設定された距離L1だけ離間した位置に配置されている。そして、ガイド部材52から案内溝53aに投入されたワークが、容器フィルムF2のポケットPo1へ案内される。
【0027】
図5に示すように、6つのシュートブロック536は、それぞれ、Y軸方向に貫通する貫通孔536aを有し、下側ベース5311の凹部5311aの内側に突起5311dにより位置決めされた状態で嵌入され、貫通孔536aに挿通された螺子5341の先端部が下側ベース5311の螺子孔5311eに螺着することで下側ベース5311の側壁に固定される。また、6つのシュートブロック533は、6つのシュートブロック536の+Z方向側に隣接して配置される。6つのシュートブロック533は、それぞれ、Y軸方向に貫通する貫通孔533aを有し、上側ベース5312の凹部5312aの内側に突起5312bにより位置決めされた状態で嵌入され、貫通孔533aに挿通された螺子5342の先端部が上側ベース5312の螺子孔5312cに螺着することで上側ベース5312の側壁に固定される。そして、各シュートブロック533、536は、シュートベース531に固定された状態で、案内溝53aの幅方向における一方の側壁を構成している。
【0028】
ところで、
図6(A)に示すように、案内溝53aにおけるシュートベース531の-Z方向側に位置する部分の延在方向は、X軸方向に対して角度θ1だけ傾斜している。また、容器フィルムF2としては、例えば
図6(B)に示すようなポケットPo1を有するものが採用される。この容器フィルムF2では、ポケットPo1の底壁の中央部に、ワークW1が収納された状態でワークW1の鉛直方向へのがたつきを抑制するための突出部P11が形成されている。突出部P11の頂部の深さD2は、例えば2mm程度に設定される。また、ポケットPo1の側壁は、その深さ方向に対して角度θ2だけ傾斜している。ここで、角度θ2は、例えば8度程度に設定される。また、前述の角度θ1は、ワークWが円盤状、即ち、厚さの薄いいわゆるコイン型の錠剤である場合、
図6(B)に示すワークWの直径WW1と、ワークWの厚さTW1と、ポケットPo1の深さD1と、に基づいて決定される。ここで、角度θ1の最小角度は、矢印AR62に示すように、ワークWがポケットPo1へ投入される際にワークWの周面がポケットPo1の開口部分の周縁に引っ掛かる角度に決定される。この場合、角度θ1の最小角度は、例えばワークWの厚さTW1およびワークWの直径WW1としてarctan(TW1/WW1)に設定される。例えばワークWの直径WW1が12mm、厚さTW1が1mmであるとすると、角度θ1の最小角度は、4.8度に設定される。
【0029】
また、この場合、角度θ1の最大角度は、矢印AR61に示すように、ワークWがポケットPo1における突出部P11の外周部へ投入される際にワークWの周面がポケットPo1の底の角部に当接する角度に決定される。この場合、ポケットPo1の底の角部と突出部P11の周縁との間の幅をWPo3とすると、角度θ1の最大角度は、例えばポケットPo1の深さD1と前述の幅Wpo3とを用いてarctan(D1/WPo3)に設定される。例えばポケットPo1の深さD1が3mm、幅Wpo1が3.8mmであるとすると、角度θ1の最小角度は、38.3度に設定される。
【0030】
3つのカバープレート539のうちの最も-Z方向側に配置されたものは、下側ベース5311の+Y方向側の側壁の螺子孔5311fに螺着したボルト535により下側ベース5311に固定されている。また、残りの2つのカバープレート539は、ボルト535により上側ベース5312に固定された6つのシュートブロック533のうちのX軸方向における両端に配置された2つのシュートブロック533に固定されている。
【0031】
また、シュートユニット53は、シュートユニット53から容器フィルムF2のポケットPo1へ供給するワークWの供給量を調整するワーク供給量調整部532を有する。ワーク供給量調整部532は、
図7(A)に示すように、2つのシャッタ5321、5322と、シャッタ5321、5322それぞれを駆動するシャッタ駆動部5323、5324と、シャッタ駆動部5323、5324を支持する支持部材5325と、を有する。支持部材5325は、前述の支持部材71にシュートベース531とともに固定されている。シャッタ5321、5322は、いずれも細長の棒状であり、シュートベース531の下側ベース5311における案内溝53aの内側に連通する貫通孔5311b、5311cそれぞれに挿通され先端部が案内溝53a内に突出可能となっている。シャッタ5321は、案内溝53aにおける第1位置Pos1に配置され、シャッタ5322は、案内溝53aにおける第1位置Pos1から-Z方向側に離間した第2位置Pos2に配置されている。シャッタ5321は、案内溝53aにおける第1位置Pos1において、
図7(B)に示すように案内溝53aを堰き止めた閉状態と
図7(A)に示すように案内溝53aを開放した開状態とをとりうる第1シャッタである。シャッタ5322は、案内溝53aにおける第2位置Pos2において、
図7(A)に示すように案内溝53aを堰き止めた閉状態と
図7(C)に示すように案内溝53aを開放した開状態とをとりうる第2シャッタである。
【0032】
シャッタ駆動部5323、5324は、それぞれ、シャッタ5321、5322が交互に前述の開状態と前述の閉状態となるようにシャッタ5321、5322を駆動することにより、シュートベース531から容器フィルムF2のポケットPo1へ供給するワークWの数を調整する。シャッタ駆動部5323は、シャッタ5321の先端部が
図7(A)に示す位置Pos10と
図7(B)に示す位置Pos11とのいずれかに配置されるようにシャッタ5321を駆動する。また、シャッタ駆動部5324は、シャッタ5322の先端部が
図7(C)に示す位置Pos20と
図7(A)に示す位置Pos21とのいずれかに配置されるようにシャッタ5321を駆動する。
【0033】
ここで、シャッタ駆動部5323、5324の動作について詳細に説明する。まず、
図7(A)に示すように、シャッタ5321の先端部が位置Pos10に配置され、シャッタ5322の先端部が位置Pos21に配置された状態で、案内溝53aにおける第2位置Pos2においてワークWが堰き止められた状態となっているとする。ここで、シャッタ駆動部5323が、矢印AR51に示すようにシャッタ5321の先端部を案内溝53aに突出させる方向へ駆動し、
図7(B)に示すようにシャッタ5321の先端部を位置Pos11に配置させる。次に、シャッタ駆動部5324が、矢印AR52に示すようにシャッタ5322をシュートベース531の下側ベース5311の貫通孔5311c内へ没入させる方向へ駆動し、
図7(C)に示すようにシャッタ5322の先端部を位置Pos20に配置させる。このとき、シャッタ5321よりも+Z方向側に位置するワークWはシャッタ5321により堰き止められ、シャッタ5321よりも-Z方向側に位置するワークWは、矢印AR53に示すように案内溝53a内を-Z方向へ落下していく。そして、落下したワークWは、容器フィルムF2のポケットPo1内へ供給される。続いて、シャッタ駆動部5324は、
図8(A)の矢印AR54に示すようにシャッタ5322の先端部を案内溝53aに突出させる方向へ駆動する。その後、シャッタ駆動部5324は、
図8(B)の矢印AR55に示すようにシャッタ5322の先端部を案内溝53aに突出させる方向へ駆動させながら、同時に、シャッタ駆動部5323が、矢印AR56に示すようにシャッタ5321をシュートベース531の下側ベース5311の貫通孔5311b内へ没入させる方向へ駆動する。このとき、シャッタ5321の先端部のワークWとの接触位置がワークWの周縁側へ移動するにつれて、矢印AR57に示すようにワークWが案内溝53a内を-Z方向側へ移動していく。そして、
図8(C)に示すように、シャッタ5322の先端部が位置Pos21に配置され、シャッタ5321の先端部が位置Pos10に配置される。このとき、シャッタ5321で堰き止められていたワークWが矢印AR58に示すようにシャッタ5322に当接する位置まで落下する。その後、シャッタ駆動部5323が、
図7(A)の矢印AR51に示すようにシャッタ5321の先端部を再び案内溝53aに突出させる方向へ駆動し、前述の動作が繰り返される。このように、シャッタ駆動部5323、5324は、それぞれ、シャッタ5321、5322が交互に前述の開状態と前述の閉状態となるようにシャッタ5321、5322を駆動することにより、シャッタ5321、5322の開閉周期で定まる周期で、シュートユニット53から容器フィルムF2のポケットPo1へワークWを1つずつ供給する。
【0034】
ガイド部材52は、
図9(A)および(B)に示すように、板状のガイド部材本体521と、ガイド部材本体521の+Z方向側にガイド部材本体521と連続一体に設けられた複数(
図9(A)および(B)では6つ)の長尺のリブ522A、522B、522Cと、を有する。ガイド部材本体521は、ワークフィーダ51の開口部51aを覆うように配置されるとともに、厚さ方向に貫通し開口部51aの内側に連通する複数(
図9(A)および(B)では5つ)の長尺のスリット5211が穿設されている。スリット5211の+Y方向側の端縁が開放されており、その開口部分がワークフィーダ51の開口部51aの内壁で覆われている。また、ガイド部材本体521における+Z方向側には、スリット5211の長手方向における+Y方向側の一端縁からスリット5211の+Z方向側の外側へ延在する案内溝5212が形成されている。案内溝5212は、断面逆三角形状を有する第1案内溝である。ここで、ガイド部材本体521の+Z方向側の面は、ワークフィーダ51の底壁511の+Z方向側の面とZ軸方向において同じ高さまたはそれよりも低くなるように設定されている。これにより、案内溝5212に案内されて移動しスリット5211に到達したワークWが、スリット5211の+Y方向側の端縁において開口部51aの内壁に引っかかってスリット5211内に落下するようにすることができる。
【0035】
リブ522A、522B、522Cは、それぞれ、ガイド部材本体521における+Z方向側の、スリット5211の短手方向における両側においてスリット5211それぞれの長手方向に沿って延在している。リブ522A、522B、522Cには、ガイド部材本体521の+Z方向側におけるスリット5211の周縁に連続し、ガイド部材本体521から離れるほど、即ち、+Z方向側ほどスリット5211の周縁からの距離が長くなるように傾斜した傾斜面5221が形成されている。ここで、傾斜面5221のガイド部材本体521の厚さ方向、即ち、Z軸方向に対する傾斜角度θは、40度以上且つ60度以下に設定されている。ワークWが厚さの薄いいわゆるコイン型の錠剤である場合、傾斜角度θが60度よりも大きいと、ワークWがスリット5211へ落下する際、ワークWの端部がスリット5211の内壁に当接することによりワークWの落下が阻害され、その分、ワークWの落下速度が低下してしまう虞がある。一方、傾斜角度θが40度未満である場合、ワークWがスリット5211に詰まりやすくなる虞がある。このため、傾斜角度θは、40度以上且つ60度以下に設定されていることが好ましい。
【0036】
また、リブ522A、522B、522Cは、その長手方向、即ち、Y軸方向の長さがスリット5211の長手方向の長さよりも長く、長手方向における一端部、即ち、-Y方向側においてスリット5211に隣接するように配設されている。そして、リブ522A、522B、522Cは、案内溝5212の短手方向における両側のいずれか一方に沿って延在し、傾斜面5221のガイド部材本体521側、即ち、-Z方向側の端縁が案内溝5212に連続している。また、リブ522Cは、ワークフィーダ51の開口部51aにおける側壁512側を覆うように配置されている。リブ522A、522B、522Cには、それぞれ、-Y方向側ほど+Z方向側への突出量が小さくなるように傾斜した傾斜面5222A、5222B、5222Cが形成されている。ここで、Z軸方向から見たとき、傾斜面5222A、5222Cの長さL21は、傾斜面5222Bの長さL22よりも長くなるように形成されている。
【0037】
図1に戻って、制御装置90は、例えばCPU(Central Processing Unit)とメモリとを有するCPUユニットと、入出力制御ユニットと、を備えるPLC(Programmable Logic Controller)である。そして、CPUユニットのメモリに予め記憶されたプログラムをCPUが実行することにより、制御装置90の各種機能が実現される。入出力制御ユニットは、原料フィルム供給ユニット11、加熱装置29、成形装置12、ワーク供給装置50、カバーフィルム供給ユニット15、シール装置14およびスリット形成打ち抜きユニット17にバス信号線を介して接続され、CPUユニットから入力される制御情報に基づいて、原料フィルム供給ユニット11、加熱装置29、成形装置12、ワーク供給装置50、カバーフィルム供給ユニット15、シール装置14およびスリット形成打ち抜きユニット17それぞれへ制御信号を出力することにより、それぞれの動作を制御する。
【0038】
この包装機では、矢印AR1で示すように、原料フィルム供給ユニット11から供給された原料フィルムF1が、搬送部232により加熱装置29および成形装置12へ搬送される。そして、矢印AR2に示すように、成形装置12において原料フィルムF1から生成された容器フィルムF2が、シール装置14の搬送部141によりステージ70の上方を通ってシール装置14へ搬送される。容器フィルムF2がステージ70の上方を通る際、ワーク供給装置50により容器フィルムF2のポケットにワークが供給される。一方、矢印AR3に示すように、カバーフィルム供給ユニット15から供給されたカバーフィルムF3が、シール装置14の搬送部141によりシール装置14へ搬送される。そして、シール装置14が、ポケット内にワークを保持した容器フィルムF2にカバーフィルムF3を貼着することにより、パックフィルムF4が生成される。また、矢印AR4に示すように、シール装置14で生成されたパックフィルムF4は、搬送部141により下流側へ搬送される。一方、シール装置14の下流側へ搬送されたパックフィルムF4は、搬送部281によりスリット形成打ち抜きユニット17へ間欠的に搬送される。そして、スリット形成打ち抜きユニット17のスリット形成装置171よりパックフィルムF4にスリットが形成され、スリット形成打ち抜きユニット17の打ち抜き装置173によりパックフィルムF4から包装パックが打ち抜かれる。パックフィルムF4から包装パックを打ち抜いた後のスクラップF5は、スクラップ回収部30へ排出され、パックフィルムF4から打ち抜かれた包装パックは、搬送ベルト40上に載置され次工程へ搬送される。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態に係るワーク供給装置50によれば、シュートユニット53が、シュートベース531と、シュートベース531の側壁にシュートベース531の長手方向に沿う姿勢で固定された状態で、シュートベース531とともに案内溝53aを形成する複数のシュートブロック533、536と、を有する。そして、シュートブロック533、536が、シュートベース531に固定された状態で、案内溝53aの幅方向における一方の側壁を構成する。これにより、投入されるワークWの形状に応じて案内溝53aの断面形状を当該ワークWの形状に適した断面形状とすることができるので、ワークWを円滑且つ高速に容器フィルムF2のポケットPo1へ供給することができる。
【0040】
ところで、比較的薄く且つ広い面積のワークWの供給に対応すべく、例えばシュートベース531に幅狭且つ深い案内溝を切削加工により形成しようとすると、加工が難しく溝の形状も精度の高いものとすることが困難である。これに対して、本実施の形態では、シュートベース531の側壁に複数のシュートブロック533、536を固定して、隣り合うシュートブロック533、536同士の幅を調整することにより、ワークWに適合した案内溝53aを形成するので、比較的容易且つ形状の精度の高い案内溝53aを実現することができる。
【0041】
また、本実施の形態に係るワーク供給装置50によれば、ガイド部材52が、ガイド部材本体521における+Z方向側の、スリット5211の短手方向における両側においてスリット5211それぞれの長手方向に沿って延在する長尺のリブ522A、522B、522Cを有する。また、リブ522A、522B、522Cには、ガイド部材本体521における+Z方向側におけるスリット5211の周縁に連続し、+Z方向側ほどスリット5211の周縁からの距離が長くなるように傾斜した傾斜面5221が形成されている。これにより、ワークフィーダ51の内側に保持されたワークWがリブ522A、522B、522Cに形成された傾斜面5221に沿ってスリット5211内へ円滑に案内されるので、ワークWを円滑且つ高速に容器フィルムF2のポケットPo1へ投入することができる。
【0042】
ところで、ガイド部材本体521に案内溝が形成されていない場合、特にワークWが厚さの薄いいわゆるコイン型の錠剤である場合、スリット5211のところまで移動してきたワークWが、リブ522A、522B、522Cに形成された傾斜面5221に載置された状態を維持しながらスリット5211を通り越してしまうことが多い。
【0043】
これに対して、本実施の形態に係るガイド部材本体521における+Z方向側に、スリット5211の長手方向における一端縁からスリット5211の外側へ延在する案内溝5212が形成されている。そして、リブ522A、522B、522Cは、長手方向の長さがスリット5211の長手方向の長さよりも長く、+Y方向側の一端部においてスリット5211に隣接するように配設され、案内溝5212の短手方向における両側に沿って延在し、傾斜面5221のガイド部材本体521側の端縁が案内溝5212に連続している。これにより、ワークWがスリット5211の内側へ入りやすくなるので、その分、ワークWの単位時間当たりの供給量を増加させることができる。
【0044】
更に、本実施の形態に係るリブ522A、522B、522Cの傾斜面5221のZ軸方向に対する傾斜角度θが、40度以上且つ60度以下に設定されている。これにより、ワークWをスリット5211の内側へ円滑に流れるようにすることができる。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態の構成に限定されるものではない。例えばワーク供給装置50が、ホッパと、ホッパからワークフィーダ51へワークWを供給するサブワークフィーダと、サブワークフィーダを振動させるサブ加振ユニットと、を有し、サブワークフィーダを振動させることにより、ホッパからサブワークフィーダへ供給されたワークをワークフィーダ51へ供給するものであってもよい。また、サブ加振ユニットは、計量部56により計測されるワークフィーダ51に保持されたワークの総重量が予め設定された基準重量以下になると、サブワークフィーダを振動させてワークフィーダ51へワークを供給することにより、ワークフィーダ51が保持するワークの総重量を略一定で維持させるものであってもよい。
【0046】
実施の形態では、シュートベース531が、-Z方向側に配置された下側ベース5311と、下側ベース5311の+Z方向側に隣接して配置された上側ベース5312と、を有する例について説明した。但し、シュートベース531の形状はこれに限定されるものではなく、全体として連続一体の板状に形成されたものであってもよい。或いは、シュートベース531が、Y軸方向に厚みのある箱状またはブロック状の形状を有するものであってもよい。
【0047】
実施の形態では、シュートブロック533とシュートブロック536とがZ軸方向において互いに隣接して配置される例について説明した。但し、これに限らず、シュートユニット53が、シュートブロック533とシュートブロック536とを連続一体に形成してなり、シュートベース531の+Z方向側の端部から-Z方向側の端部にまで延在する6つのシュートブロックを有するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、錠剤、医療機器等を包装するためのPTPフィルムの製造に好適である。
【符号の説明】
【0049】
11:原料フィルム供給ユニット、12:成形装置、14:シール装置、15:カバーフィルム供給ユニット、17:スリット形成打ち抜きユニット、26:フィルム位置変更部、29:加熱装置、30:スクラップ回収部、40:搬送ベルト、50:ワーク供給装置、51:ワークフィーダ、51a:開口部、52:ガイド部材、53:シュートユニット、53a,5212:案内溝、55:加振ユニット、56:計量部、59,71,5325:支持部材、70:ステージ、90:制御装置、99:機体、111,151:リール、112,141,232,281:搬送部、112a,233,1151,1152,1153,1171,1521,1522,1531,2311,2521,2821,2911,2921,2941,2951,2952,2953:ローラ、112b:ローラ駆動部、117:バッファ部、142:押圧部、153,292:張力調整部、171:スリット形成装置、172:ダイ駆動部、173:打ち抜き装置、231,282,294:フィルム押圧部、252:張力印加部、261:ガイドローラ、293:フィルム台、511:底壁、512:側壁、531:シュートベース、532:ワーク供給量調整部、533、536:シュートブロック、533a,536a,5311b,5311c:貫通孔、535:ボルト、539:カバープレート、811,1411,2321,2811:ホイール、991,992:サブ機体、1421:伝熱ローラ、1422:アーム、1423:アーム駆動部、1711,1731:ヘッド、1712,1732:ダイ、2901,2902:伝熱板、5211:スリット、5221,5222A,5222B,5222C:傾斜面、5311:下側ベース、5311a,5312a:凹部、5311d,5312b:突起、5311e,5311f,5312c:螺子孔、5312:上側ベース、5321,5322:シャッタ、5323,5324:シャッタ駆動部、5341,5342:螺子、F1:原料フィルム、F2:容器フィルム、F3:カバーフィルム、F4:パックフィルム、F5:スクラップ、Po1:ポケット、Pos1:第1位置、Pos2:第2位置
【要約】
【課題】ワークを円滑に供給できるワーク供給装置および包装機を提供する。
【解決手段】ワーク供給装置は、ワークフィーダ51と、ワークフィーダ51から投入されるワークを容器フィルムのポケットへ案内するシュートユニット53と、ワークフィーダ51の開口部51aに固定されワークフィーダ51の内側に保持されたワークをシュートユニット53へ案内するガイド部材52と、を備える。そして、シュートユニット53は、シュートベース531と、シュートベース531の側壁に固定されたシュートブロック533、536と、を有し、シュートベース531の上端から下端まで延在する案内溝53aが設けられている。シュートブロック533、536は、シュートベース531に固定された状態で、案内溝53aの幅方向における少なくとも一方の側壁を構成する。
【選択図】
図4