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特許7499828半導体製造工場の物品保管設備、及びそれを含む半導体製造工場の物流システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】半導体製造工場の物品保管設備、及びそれを含む半導体製造工場の物流システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240607BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G1/04 531D
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022198506
(22)【出願日】2022-12-13
(65)【公開番号】P2023093359
(43)【公開日】2023-07-04
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0184995
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、ソン ホ
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/033546(WO,A1)
【文献】特開2004-014749(JP,A)
【文献】特開2018-206821(JP,A)
【文献】特開2001-187613(JP,A)
【文献】特開2008-159734(JP,A)
【文献】特開2016-118845(JP,A)
【文献】特開2010-088160(JP,A)
【文献】国際公開第2020/235392(WO,A1)
【文献】特開2002-261159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造工場の物品保管設備であって、
搬送車両の走行経路を提供するレールの周辺に設置され、ウェーハが収納された搬送容器を保管する保管ユニットと、
搬送容器の内部へ不活性ガスを供給するパージユニットと、
前記保管ユニットに保管される前記搬送容器を識別し、前記不活性ガスを前記搬送容器へ供給するように前記パージユニットを制御する制御ユニットと、
前記レールに沿って設置された電力供給ケーブルから誘導された電流を前記制御ユニットへ供給する電力供給ユニットと、を含む、物品保管設備。
【請求項2】
前記保管ユニットは、
前記レールの側部に設置されるフレームと、
前記フレームの下面に設置され、前記搬送容器が装着されるように構成された支持ステージと、
前記支持ステージに設置され、前記搬送容器の識別情報を取得して前記制御ユニットへ伝達するRFIDリーダーと、を含む、請求項1に記載の物品保管設備。
【請求項3】
前記パージユニットは、
前記支持ステージの装着スロットに設置され、前記搬送容器が前記装着スロットに搭載されるとき、前記搬送容器に形成されたガス流入孔に連通するガス供給ポートと、
前記制御ユニットから受信される制御信号に基づいて、前記ガス供給ポートを介して前記搬送容器内へ前記不活性ガスを供給するガス供給部と、を含む、請求項2に記載の物品保管設備。
【請求項4】
前記ガス供給部は、
前記不活性ガスの供給状態に関する情報を前記制御ユニットへ伝送する、請求項3に記載の物品保管設備。
【請求項5】
前記制御ユニットは、
前記RFIDリーダーから前記搬送容器の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記搬送容器が識別されると、前記ガス供給部へ前記制御信号を伝送し、前記ガス供給部から前記不活性ガスの供給状態に関する情報を受信するガス供給制御部と、
前記保管ユニットにおいて前記搬送容器が装着される装着スロット別の前記搬送容器の装着有無、及び前記不活性ガスの供給状態を出力する出力部と、を含む、請求項4に記載の物品保管設備。
【請求項6】
前記出力部は、前記装着スロット別の前記搬送容器の装着有無、及び前記不活性ガスの供給状態をそれぞれ表示する発光装置を含む、請求項5に記載の物品保管設備。
【請求項7】
前記発光装置は、半導体製造工場の床面に向けて、前記搬送容器の装着有無及び前記不活性ガスの供給状態を表示するように設置される、請求項6に記載の物品保管設備。
【請求項8】
前記電力供給ユニットは、
前記電力供給ケーブルから電流を誘導する電流変換器と、
前記電流変換器から電流を前記制御ユニットへ供給する電力供給ラインと、を含み、
前記電力供給ラインは、前記搬送車両との干渉が発生しないように前記レール及び前記保管ユニットの構造物に密着又は埋め込みされるように構成される、請求項1に記載の物品保管設備。
【請求項9】
前記電流変換器は、
リング状に前記電力供給ケーブルを包み込むように設置され、前記電力供給ケーブルに沿って流れる電流によって磁場が形成されるリング状のコア部材と、
前記コア部材に巻き取られ、前記磁場によって電流が誘導されるコイル部材と、を含む、請求項8に記載の物品保管設備。
【請求項10】
半導体製造工場の物品保管設備であって、
搬送車両の走行経路を提供するレールの周辺に設置され、ウェーハが収納された搬送容器を保管する保管ユニットと、
搬送容器の内部へ不活性ガスを供給するパージユニットと、
前記保管ユニットに保管される前記搬送容器を識別し、前記不活性ガスを前記搬送容器へ供給するように前記パージユニットを制御する制御ユニットと、
前記レールに沿って設置された電力供給ケーブルから誘導された電流を前記制御ユニットへ供給する電力供給ユニットと、
無線通信を介して前記制御ユニットに接続され、前記制御ユニットの動作を管理する制御器管理ユニットと、を含む、物品保管設備。
【請求項11】
前記保管ユニットは、
前記レールの側部に設置されるフレームと、
前記フレームの下面に設置され、前記搬送容器が装着されるように構成された支持ステージと、
前記支持ステージに設置され、前記搬送容器の識別情報を取得して前記制御ユニットへ伝達するRFIDリーダーと、を含む、請求項10に記載の物品保管設備。
【請求項12】
前記パージユニットは、
前記支持ステージに設置され、前記搬送容器が前記支持ステージに搭載されるとき、前記搬送容器に形成されたガス流入孔に連通するガス供給ポートと、
前記制御ユニットから受信される制御信号に基づいて、前記ガス供給ポートを介して前記搬送容器内へ前記不活性ガスを供給するガス供給と、を含む、請求項11に記載の物品保管設備。
【請求項13】
前記ガス供給部は、
前記不活性ガスの供給状態に関する情報を前記制御ユニットへ伝送する、請求項12に記載の物品保管設備。
【請求項14】
前記制御ユニットは、
前記RFIDリーダーから前記搬送容器の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記搬送容器が識別されると、前記ガス供給部へ前記制御信号を伝送し、前記ガス供給部から前記不活性ガスの供給状態に関する情報を受信するガス供給制御部と、
前記保管ユニットにおいて前記搬送容器が装着される装着スロット別の前記搬送容器の装着有無、及び前記不活性ガスの供給状態を出力する出力部と、を含む、請求項13に記載の物品保管設備。
【請求項15】
前記出力部は、前記支持ステージ別の前記搬送容器の装着有無、及び前記不活性ガスの供給状態をそれぞれ表示する発光装置を含み、
前記発光装置は、半導体製造工場の床面に向けて、前記搬送容器の装着有無及び前記不活性ガスの供給状態を表示するように設置される、請求項14に記載の物品保管設備。
【請求項16】
前記電力供給ユニットは、
前記電力供給ケーブルから電流を誘導する電流変換器と、
前記電流変換器から電流を前記制御ユニットへ供給する電力供給ラインと、を含み、
前記電力供給ラインは、前記搬送車両との干渉が発生しないように、前記レール及び前記保管ユニットの構造物に密着又は埋め込みされるように構成される、請求項10に記載の物品保管設備。
【請求項17】
前記電流変換器は、
リング状に前記電力供給ケーブルを包み込むように設置され、前記電力供給ケーブルに沿って流れる電流によって磁場が形成されるリング状のコア部材と、
前記コア部材に巻き取られ、前記磁場によって電流が誘導されるコイル部材と、を含む、請求項16に記載の物品保管設備。
【請求項18】
前記制御ユニットは、
前記支持ステージ別の前記搬送容器の装着有無、及び前記不活性ガスの供給状態に関する情報を前記制御器管理ユニットへ伝送する無線通信モジュールをさらに含む、請求項13に記載の物品保管設備。
【請求項19】
前記制御ユニット及び前記制御器管理ユニットは、半導体製造工場の天井に設置されるアクセスポイントを介して無線通信を行い、
前記制御器管理ユニットは、前記半導体製造工場の地上に備えられ、前記アクセスポイントを介して前記制御ユニットから前記搬送容器の装着有無及び前記不活性ガスの供給状態に関する情報を受信し、前記制御ユニットを制御するための信号を前記制御ユニットへ伝送する、請求項18に記載の物品保管設備。
【請求項20】
半導体製造工場の物流システムであって、
半導体製造工場の天井に設置され、搬送車両の移動経路を提供するレールと、
前記レールに沿って設置され、前記搬送車両へ電力を供給する電力供給ケーブルと、
前記搬送車両から搬送容器を保管する物品保管設備と、を含み、
前記物品保管設備は、
前記レールの周辺に設置され、ウェーハが収納された搬送容器を保管する保管ユニットと、
搬送容器の内部へ不活性ガスを供給するパージユニットと、
前記保管ユニットに保管される前記搬送容器を識別し、前記不活性ガスを前記搬送容器へ供給するように前記パージユニットを制御する制御ユニットと、
前記電力供給ケーブルから誘導された電流を前記制御ユニットへ供給する電力供給ユニットと、
無線通信を介して前記制御ユニットに接続され、前記制御ユニットの動作を管理する制御器管理ユニットと、を含む、半導体製造工場の物流システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置作業を簡素化することができる半導体製造工場の物品保管設備、及びそれを含む半導体製造工場の物流システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程は、基板(ウェーハ又はガラス)上に数十~数百段階の処理工程を経て最終製品を製造する工程であって、各工程ごとに当該工程を行う製造設備によって行われる。特定の製造設備における工程が終了したら、次の工程を行うために物品(基板)が次の製造設備へ搬送され、一定期間の間は保管設備で保管され得る。ここで、ウェーハは、FOUP(Front Opening Unified Pod)などの搬送容器に収納された状態で保管又は移送される。
【0003】
物流システムは、上述したように、製造工程のために物品を搬送又は保管するシステムを指し示し、物品を搬送する物品搬送設備と、物品を貯蔵する物品保管設備に大きく区分される。
【0004】
物品保管設備は、ストッカー(Stocker)のように倉庫の形態を有する設備がある。また、物品搬送車両の走行経路の周辺で物品を一時的に保管する設備であって、レールの側部に設置されるサイドトラックバッファ(Side Track Buffer)と、レールの下部に設置されるアンダートラックバッファ(Under Track Buffer)と、を含むことができる。
【0005】
一方、サイドトラックバッファやアンダートラックバッファなどの物品保管設備で搬送容器を識別し且つ搬送容器に不活性ガス(例えば、Nガス)を注入するための電力、及び上部制御管理装置とのデータ交換のための通信設備が求められる。ただし、半導体製造工場のサイズが大型化し、物品保管設備の設置面積も一緒に増加することにより、一々電力供給設備と通信設備を設置することが非常に困難になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の実施形態は、より簡素化された構成で電力供給が可能な半導体製造工場の物品保管設備、及びそれを含む半導体製造工場の物流システムを提供する。
【0007】
また、本発明の実施形態は、より簡素化された構成で通信が可能な半導体製造工場の物品保管設備、及びそれを含む半導体製造工場の物流システムを提供する。
【0008】
本発明の解決課題は、上述したものに限定されず、上述していない他の解決課題は、以降の記載から当業者には明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様による半導体製造工場の物品保管設備は、搬送車両の走行経路を提供するレールの周辺に設置され、ウェーハが収納された搬送容器を保管する保管ユニットと、搬送容器の内部へ不活性ガスを供給するパージユニットと、前記保管ユニットに保管される前記搬送容器を識別し、前記不活性ガスを前記搬送容器へ供給するように前記パージユニットを制御する制御ユニットと、前記レールに沿って設置された電力供給ケーブルから誘導された電流を前記制御ユニットへ供給する電力供給ユニットと、を含む。
【0010】
本発明の実施形態によれば、前記保管ユニットは、前記レールの側部に設置されるフレームと、前記フレームの下面に設置され、前記搬送容器が装着されるように構成された支持ステージと、前記支持ステージに設置され、前記搬送容器の識別情報を取得して前記制御ユニットへ伝達するRFIDリーダーと、を含むことができる。
【0011】
本発明の実施形態によれば、前記パージユニットは、前記支持ステージの装着スロットに設置され、前記搬送容器が前記装着スロットに搭載されるとき、前記搬送容器に形成されたガス流入孔に連通するガス供給ポートと、前記制御ユニットから受信される制御信号に基づいて、前記ガス供給ポートを介して前記搬送容器内へ前記不活性ガスを供給するガス供給部と、を含むことができる。
【0012】
本発明の実施形態によれば、前記ガス供給部は、前記不活性ガスの供給状態に関する情報を前記制御ユニットへ伝送することができる。
【0013】
本発明の実施形態によれば、前記制御ユニットは、前記RFIDリーダーから前記搬送容器の識別情報を取得する識別情報取得部と、前記搬送容器が識別されると、前記ガス供給部へ前記制御信号を伝送し、前記ガス供給部から前記不活性ガスの供給状態に関する情報を受信するガス供給制御部と、前記保管ユニットにおいて前記搬送容器が装着される装着スロット別の前記搬送容器の装着有無、及び前記不活性ガスの供給状態を出力する出力部と、を含むことができる。
【0014】
本発明の実施形態によれば、前記出力部は、前記装着スロット別の前記搬送スロットの装着有無、及び前記不活性ガスの供給状態をそれぞれ表示する発光装置を含むことができる。
【0015】
本発明の実施形態によれば、前記発光装置は、半導体製造工場の床面に向けて、前記搬送容器の装着有無及び前記不活性ガスの供給状態を表示するように設置されることができる。
【0016】
本発明の実施形態によれば、前記電力供給ユニットは、前記電力供給ケーブルから電流を誘導する電流変換器と、前記電流変換器から電流を前記制御ユニットへ供給する電力供給ラインと、を含み、前記電力供給ラインは、前記搬送車両との干渉が発生しないように前記レール及び前記保管ユニットの構造物に密着又は埋め込みされるように構成されることができる。
【0017】
本発明の実施形態によれば、前記電流変換器は、リング状に前記電力供給ケーブルを包み込むように設置され、前記電力供給ケーブルに沿って流れる電流によって磁場が形成されるリング状のコア部材と、前記コア部材に巻き取られ、前記磁場によって電流が誘導されるコイル部材と、を含むことができる。
【0018】
本発明の他の態様による半導体製造工場の物品保管設備は、搬送車両の走行経路を提供するレールの周辺に設置され、ウェーハが収納された搬送容器を保管する保管ユニットと、搬送容器の内部に不活性ガスを供給するパージユニットと、前記保管ユニットに保管される前記搬送容器を識別し、前記不活性ガスを前記搬送容器へ供給するように前記パージユニットを制御する制御ユニットと、前記レールに沿って設置された電力供給ケーブルから誘導された電流を前記制御ユニットへ供給する電力供給ユニットと、無線通信を介して前記制御ユニットに接続され、前記制御ユニットの動作を管理する制御器管理ユニットと、を含む。
【0019】
本発明の実施形態によれば、前記保管ユニットは、前記レールの側部に設置されるフレームと、前記フレームの下面に設置され、前記搬送容器が装着されるように構成された支持ステージと、前記支持ステージに設置され、前記搬送容器の識別情報を取得して前記制御ユニットへ伝達するRFIDリーダーと、を含むことができる。
【0020】
本発明の実施形態によれば、前記パージユニットは、前記支持ステージに設置され、前記搬送容器が前記支持ステージに搭載されるとき、前記搬送容器に形成されたガス流入孔に連通するガス供給ポートと、前記制御ユニットから受信される制御信号に基づいて、前記ガス供給ポートを介して前記搬送容器内へ前記不活性ガスを供給するガス供給制御ユニットと、を含むことができる。
【0021】
本発明の実施形態によれば、前記ガス供給部は、前記不活性ガスの供給状態に関する情報を前記制御ユニットへ伝送することができる。
【0022】
本発明の実施形態によれば、前記制御ユニットは、前記RFIDリーダーから前記搬送容器の識別情報を取得する識別情報取得部と、前記搬送容器が識別されると、前記ガス供給部へ前記制御信号を伝送し、前記ガス供給部から前記不活性ガスの供給状態に関する情報を受信するガス供給制御部と、前記保管ユニットにおいて前記搬送容器が装着される装着スロット別の前記搬送容器の装着有無、及び前記不活性ガスの供給状態を出力する出力部と、を含むことができる。
【0023】
本発明の実施形態によれば、前記出力部は、前記支持ステージ別の前記搬送容器の装着有無、及び前記不活性ガスの供給状態をそれぞれ表示する発光装置を含み、前記発光装置は、半導体製造工場の床面に向けて、前記搬送容器の装着有無及び前記不活性ガスの供給状態を表示するように設置されることができる。
【0024】
本発明の実施形態によれば、前記電力供給ユニットは、前記電力供給ケーブルから電流を誘導する電流変換器と、前記電流変換器から電流を前記制御ユニットへ供給する電力供給ラインと、を含み、前記電力供給ラインは、前記搬送車両との干渉が発生しないように、前記レール及び前記保管ユニットの構造物に密着又は埋め込みされるように構成されることができる。
【0025】
本発明の実施形態によれば、前記電流変換器は、リング状に前記電力供給ケーブルを包み込むように設置され、前記電力供給ケーブルに沿って流れる電流によって磁場が形成されるリング状のコア部材と、前記コア部材に巻き取られ、前記磁場によって電流が誘導されるコイル部材と、を含むことができる。
【0026】
本発明の実施形態によれば、前記制御ユニットは、前記支持ステージ別の前記搬送容器の装着有無、及び前記不活性ガスの供給状態に関する情報を前記制御器管理ユニットへ伝送する無線通信モジュールをさらに含むことができる。
【0027】
本発明の実施形態によれば、前記制御ユニット及び前記制御器管理ユニットは、半導体製造工場の天井に設置されるアクセスポイントを介して無線通信を行い、前記制御器管理ユニットは、前記半導体製造工場の地上に備えられ、前記アクセスポイントを介して前記制御ユニットから前記搬送容器の装着有無及び前記不活性ガスの供給状態に関する情報を受信し、前記制御ユニットを制御するための信号を前記制御ユニットへ伝送することができる。
【0028】
本発明による半導体製造工場の物流システムは、半導体製造工場の天井に設置され、搬送車両の移動経路を提供するレールと、前記レールに沿って設置され、前記搬送車両へ電力を供給する電力供給ケーブルと、前記搬送車両から搬送容器を保管する物品保管設備と、を含む。前記物品保管設備は、前記レールの周辺に設置され、ウェーハが収納された搬送容器を保管する保管ユニットと、搬送容器の内部へ不活性ガスを供給するパージユニットと、前記保管ユニットに保管される前記搬送容器を識別し、前記不活性ガスを前記搬送容器へ供給するように前記パージユニットを制御する制御ユニットと、前記電力供給ケーブルから誘導された電流を前記制御ユニットへ供給する電力供給ユニットと、無線通信を介して前記制御ユニットに接続され、前記制御ユニットの動作を管理する制御器管理ユニットと、を含む。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、レールに沿って設置された電力供給ケーブルから誘導された電流を用いることにより、より簡素化された構成で物品保管設備の制御ユニットへの電力供給が可能である。
【0030】
また、本発明によれば、制御器管理ユニットが無線通信を介して制御ユニットの動作を管理することにより、より簡素化された構成で通信が可能である。
【0031】
本発明の効果は、上述したものに限定されず、上述していない他の効果は、以降の記載から当業者には明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明が適用できる半導体製造工場及び物流システムを概略的に示す。
図2】本発明の実施形態による半導体製造工場の物流システムを示す。
図3】本発明の実施形態による半導体製造工場の物流システムを示す。
図4】本発明の実施形態による保管設備の制御ユニットの構成を示す。
図5】本発明の実施形態による制御ユニットの出力部を説明するための図である。
図6】本発明の実施形態による電力供給ユニットを説明するための図である。
図7】本発明の実施形態による電力供給ユニットを説明するための図である。
図8】本発明の実施形態による半導体製造工場の物流システムの他の例を示す。
図9】本発明の実施形態による保管設備の制御ユニットの構成を示す。
図10】本発明の実施形態による半導体製造工場の物流制御システムの個体間接続構造を示す。
図11】本発明の実施形態による半導体製造工場の物流制御システムの階層構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。本発明は、種々の異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0034】
本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書全体にわたり、同一又は類似の構成要素に対しては同一の参照符号を付す。
【0035】
また、幾つかの実施形態において、同一の構成を有する構成要素については同一の符号を用いて代表的な実施形態でのみ説明し、それ以外の他の実施形態では代表的な実施形態とは異なる構成についてのみ説明する。
【0036】
本明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結(又は結合)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(又は結合)」されている場合だけでなく、別の部材を挟んで「間接的に連結(又は結合)」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0037】
他に定義されない限り、技術的又は科学的用語を含めてここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を持っている。一般的に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明確に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0038】
図1は、本発明が適用できる半導体製造工場及び物流システムを概略的に示す。
【0039】
半導体製造工場は、1つ又はそれ以上のクリーンルームで構成され、各クリーンルームに半導体製造工程を行うための製造設備1が設置される。一般に、基板(例えば、ウェーハ)に複数の製造工程が繰り返し行われることにより、最終的に処理された基板が完成できるが、特定の半導体製造設備で製造工程が完了すると、次の製造工程のための設備へ基板が搬送される。ここで、ウェーハは、複数の基板を収容することができる搬送容器(例えば、front opening unified pod、FOUP)に保管された状態で搬送される。ウェーハが収納された搬送容器は、搬送車両(例えば、overhead hoist transport、OHT)100によって搬送される。
【0040】
図1を参照すると、半導体製造工場内に工程を行うための製造設備1が設置され、製造設備1同士の間で物品を搬送するための搬送経路(例えば、天井レール)を形成するレール10と、レール10を走行しながら製造設備1へ物品を搬送する搬送車両100が提供される。ここで、搬送車両100が製造設備1同士の間で物品を搬送するとき、物品が直ちに特定の製造設備から他の製造設備へ搬送されてもよく、物品が貯蔵装置に保管された後、他の製造設備へ搬送されてもよい。
【0041】
貯蔵装置としては、複層に配置されたラック形態のストッカー2が使用可能である。また、貯蔵装置として、レール10の側部に設置されるサイドトラックバッファ(Side Track Buffer)や、レール10の下部に設置されるアンダートラックバッファ(Under Track Buffer)などの物品保管設備30が提供できる。本明細書において、物品保管設備30としてレール10の側部に設置されるサイドトラックバッファを例として説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、アンダートラックバッファだけでなく、搬送車両100の走行経路の周辺に設置される如何なる形態の貯蔵装置にも適用できる。
【0042】
以下、設置作業を簡素化することができる半導体製造工場の物品保管設備30、及びそれを含む半導体製造工場の物流システムについて説明する。
【0043】
図2及び図3は、本発明の実施形態による半導体製造工場の物流システムを示す。
【0044】
本発明による半導体製造工場の物流システムは、半導体製造工場の天井に設置され、搬送車両100の移動経路を提供するレール10と、レール10に沿って設置され、搬送車両100へ電力を供給する電力供給ケーブル20と、搬送車両100から搬送容器5を保管する物品保管設備30と、を含む。
【0045】
図2及び図3に示すように、レール10は、搬送車両100のホイール120が走行するための経路を提供し、一対のレール部材で構成される。搬送車両100は、レールに沿って走行しながら搬送容器5を搬送する。図3に示すように、搬送容器5を把持するハンドユニットがスライド及び昇降駆動することにより、物品保管設備30(又は製造設備1)に搬送容器5を移積載することができる。搬送車両100は、加速又は減速のための動力を生成する走行本体110と、走行本体110に結合され、レール10に沿って回転するホイール120と、電力供給ケーブル20から電力を受け取る受電部130と、搬送容器5を把持して移積載を行う物品ハンドリング部140と、搬送容器5を保護し、前方又は後方を感知するためのセンサが配置されるフレーム150と、を含むことができる。
【0046】
電力供給ケーブル20は、レール10に沿って設置され、搬送車両100へ電力を供給する。搬送車両100の受電部は、電力供給ケーブル20から生成される誘導電流を用いて、搬送車両100の動作のための電力を走行本体110へ供給する。
【0047】
本発明による物品保管設備30は、レール10の側部に設置され、ウェーハが収納された搬送容器5を保管する保管ユニット310と、搬送容器5の内部へ不活性ガスを供給するパージユニット320と、保管ユニット310に保管される搬送容器5を識別し、不活性ガスを搬送容器5へ供給するようにパージユニット320を制御する制御ユニット330と、レール10に沿って設置された電力供給ケーブル20から誘導された電流を制御ユニットへ供給する電極供給ユニット340と、を含む。
【0048】
本発明の実施形態によれば、保管ユニット310は、レール10の側部に設置されるフレーム312と、フレーム312の下面に設置され、搬送容器5が装着されるように構成された支持ステージ314と、支持ステージ314に設置され、搬送容器5の識別情報を取得して制御ユニット330へ伝達するRFIDリーダー316と、を含むことができる。
【0049】
フレーム312は、搬送容器5の保管のための空間を提供する構造物であって、図2及び図3に示すように、レール10に沿って両方の側面に設置されてもよく、一方側の側面にのみ設置されてもよい。フレーム312は、天井に設置されてもよく、天井への設置のためのブラケット12が構成できる。
【0050】
支持ステージ314は、フレーム312の下部に設置され、搬送容器5が装着される空間を提供する。支持ステージ314は、搬送容器5が装着される複数の装着スロット314Aから構成できる。搬送容器5へ不活性ガスを供給するためのパージユニット320が支持ステージ314に構成できる。
【0051】
一方、フレーム312及び支持ステージ314の構造物に沿って信号を伝送するためのライン、及び電力供給ライン344が敷設され、不活性ガスの供給のための配管やスイッチなどが備えられ得る。
【0052】
RFIDリーダー316は、支持ステージ314の装着スロット314Aごとに構成され、搬送容器5に付着したRFID(radio frequency identification)タグを認識して搬送容器5の識別情報を制御ユニット330へ提供する。一方、搬送容器5の識別情報を取得する手段として、RFIDだけでなく、バーコードやQRコード(登録商標)などのマーカーが使用されてもよく、当該マーカーを認識するための装置が使用されてもよい。
【0053】
本発明によれば、パージユニット320は、支持ステージ314の各装着スロット314Aに設置され、搬送容器5が装着スロット314Aに搭載されるとき、搬送容器5に形成されたガス流入孔(図示せず)に連通するガス供給ポート322と、制御ユニット330から受信される制御信号に基づいてガス供給ポート322を介して搬送容器5内へ不活性ガスを供給するガス供給部324と、を含む。
【0054】
パージユニット320は、ウェーハが載置される搬送容器5の内部空間にクリーン環境を維持するために不活性ガス(例えば、Nガス)を供給する。ガス供給ポート322は、装着スロット314Aごとに複数個で構成されてもよく、搬送容器5に備えられたガス流入孔に対応する位置に存在することができる。ガス供給部324は、ガス供給ポート322へ不活性ガスを供給するために外部のガス供給源に接続されることができ、ガス供給源からの不活性ガスの供給のためのバルブを開閉するスイッチを含むことができる。バルブの開閉は制御ユニット330によって調節できる。また、搬送容器5の内部で測定される圧力に応じてバルブの開閉が調節されてもよく、図示してはいないが、搬送容器5内の気体を排出するための排出ポートが構成されてもよい。
【0055】
本発明の実施形態によれば、ガス供給部324は、不活性ガスの供給状態に関する情報を制御ユニット330へ伝送することができる。ガス供給部324は、流量計を含むことができ、流量計によって測定されたガス流量が基準値より大きければ、不活性ガスが供給されることを指し示す信号を制御ユニット330へ伝送し、ガス流量が基準値より小さければ、不活性ガスが供給されないことを指し示す信号を制御ユニット330へ伝送することができる。また、ガス供給部324は、不活性ガスの供給を制御するバルブの開放如何に応じて、不活性ガスの供給如何を指し示す信号を制御ユニット330へ伝送することもできる。
【0056】
本発明の実施形態によれば、図4に示すように、制御ユニット330は、RFIDリーダー316から搬送容器5の識別情報を取得する識別情報取得部332と、搬送容器5が識別されると、ガス供給部324へ不活性ガスの供給を指示する制御信号を伝送し、ガス供給部324から不活性ガスの供給状態に関する情報を受信するガス供給制御部334と、保管ユニット310において搬送容器5が装着される装着スロット314A別の搬送容器5の装着有無及び不活性ガスの供給状態を出力する出力部336と、を含むことができる。
【0057】
識別情報取得部332は、RFIDリーダー316から受信された搬送容器5の識別情報(RFID)を取得して保存することができる。特に、識別情報取得部332は、保管ユニット310において搬送容器5が装着される装着スロット314A別の搬送容器5の装着有無及び識別情報をガス供給制御部334及び出力部336へ提供することができる。
【0058】
ガス供給制御部334は、識別情報取得部332から提供された装着スロット314A別の搬送容器5の装着有無及び識別情報が受信されると、ガス供給部324が、当該装着スロット314Aに装着された搬送容器5へ不活性ガスを供給するように、制御信号を伝送することができる。一方、ガス供給制御部334は、支持ステージ314の装着スロット314Aごとに備えられた荷重センサ(図示せず)から搬送容器5の装着有無を判断することができ、荷重センサによって搬送容器5の装着が感知されると、ガス供給部324が不活性ガスを供給するように制御することができる。また、搬送容器5が特定の装着スロット314Aから外れることが感知されると、ガス供給制御部334は、ガス供給部324が当該装着スロット314Aにおける不活性ガスの供給を中断するように制御することができる。ガス供給制御部334は、各装着スロット314A別の不活性供給状態に関する情報を出力部336へ提供することができる。
【0059】
図5は、本発明の実施形態による制御ユニット330の出力部336を説明するための図である。
【0060】
本発明の実施形態によれば、出力部336は、装着スロット314A別の搬送容器5の装着有無及び不活性ガスの供給状態をそれぞれ表示する発光装置336A、336Bを含むことができる。出力部336は、識別情報取得部332から提供された装着スロット314A別の搬送容器5の装着有無を第1発光装置336Aへ出力することができ、かつ、ガス供給制御部334から提供される装着スロット314A別の不活性ガスの供給如何を第2発光装置336Bへ出力することができる。図5に示すように、第1発光装置336Aと第2発光装置336Bは、各装着スロット314A別の搬送容器5の装着有無及びガス供給状態をそれぞれ表示するために備えられる。第1発光装置336Aと第2発光装置336Bは、緑、赤などの色で動作状態を表示することができ、装着スロット314Aに搬送容器5が存在しなければ、発光装置がオフになる。それだけでなく、出力部336は、LCD、OLEDなどのディスプレイパネルで実現されてもよく、装着状態、ガス供給の有無だけでなく、搬送容器5のID、不活性ガス供給流量などの情報を出力するように構成できる。
【0061】
本発明の実施形態によれば、発光装置336A、336Bは、半導体製造工場の床面に向けて、搬送容器5の装着有無及び不活性ガスの供給状態を表示するように設置される。発光装置336A、336Bが床面を向くように設置されることにより、現場の作業者が容易に当該情報を確認することができる。
【0062】
図6及び図7は、本発明の実施形態による電力供給ユニット340を説明するための図である。
【0063】
本発明の実施形態によれば、電極供給ユニット340は、電力供給ケーブル20から電流を誘導する電流変換器342と、電流変換器342から電流を制御ユニット330へ供給する電力供給ライン344と、を含むことができる。電流変換器342は、電力供給ケーブル20を包み込むリング状に構成され、電力供給ケーブル20の電流から誘導される電流を電力供給ライン344へ供給し、電力供給ライン344は、電流変換器342から制御ユニット330へ電力を供給することができる。
【0064】
一方、電力供給ライン344は、搬送車両100の走行の際に干渉しないように搬送車両100の移動軌跡を回避して設置される。本発明の実施形態によれば、電力供給ライン344は、搬送車両100との干渉が発生しないようにするために、レール10及び保管ユニット310の構造物に密着又は埋め込みされるように構成される。つまり、電力供給ケーブル20から誘導された電流は、レール10及び保管ユニット310の構造物に結合された電力供給ライン344に沿って制御ユニット330へ供給され得る。
【0065】
図6に示すように、制御ユニット330へ電力を供給するために地上に別途の電源を構成し、地上において物品保管設備30にケーブルを設置する方式ではなく、レール10に沿って設置されて搬送車両100へ電力を供給する電力供給ケーブル20から誘導された電流を用いて制御ユニット330を駆動させることにより、物品保管設備30の設置作業が一層簡素化できる。地上から物品保管設備30へ電力を供給する場合、ケーブルを設置するために多くの資材と作業人員が要求されるが、本発明のように電力供給ケーブル20から誘導された電流を用いて制御ユニット330へ電力を供給すると、電流変換器342と電力供給ライン344のみ設置すればよいので、設置資材と作業人員の工数を節減することができる。
【0066】
図6を参照すると、電力供給ライン344は、レール10の下部に備えられ、電力供給ライン344に弛みが発生するのを防止する鉤状の構造物105に結合される。また、電力供給ライン344は、保管ユニット310のフレーム312に付着又は埋め込みされるように構成され、搬送車両100との干渉が発生しないように設置される。
【0067】
本発明の実施形態によれば、電流変換器342は、リング状に電力供給ケーブル20を包み込むように設置され、電力供給ケーブル20に沿って流れる電流Iによって磁場が形成されるリング状のコア部材3422と、コア部材3422に巻き取られ、磁場によって電流Iが誘導されるコイル部材3424と、を含むことができる。
【0068】
図7に示すように、電力供給ケーブル20に沿って電流Iが流れると、電力供給ケーブル20を包み込むリング状に構成されたコア部材3422の内部空間に円形の磁場が形成される。また、コア部材3422を包み込むように構成されたコイル部材3424には、磁場による誘導電流Iが発生して、当該誘導電流Iを電力供給ライン344を介して制御ユニット330へ提供することにより、電力を供給することができる。
【0069】
図8は、本発明の実施形態による半導体製造工場の物流システムの他の例を示す。
【0070】
本発明による半導体製造工場の物品保管設備30は、搬送車両100の走行経路を提供するレール10の周辺に設置され、ウェーハが収納された搬送容器5を保管する保管ユニット310と、搬送容器5の内部へ不活性ガスを供給するパージユニット320と、保管ユニット310に保管される搬送容器5を識別し、不活性ガスを搬送容器5へ供給するようにパージユニット320を制御する制御ユニット330と、レール10に沿って設置された電力供給ケーブル20から誘導された電流を制御ユニット330へ供給する電力供給ユニット340と、無線通信を介して制御ユニット330に接続され、制御ユニット330の動作を管理する制御器管理ユニット350と、を含むことができる。
【0071】
図8を参照すると、製造工場の天井に無線接続を提供するアクセスポイントAPが設置でき、アクセスポイントAPは、物品保管設備30の制御ユニット330が無線通信を介してデータを送受信することができるようにする。特に、制御ユニット330の動作を管理するための制御器管理ユニット350が提供でき、制御器管理ユニット350を介して、作業者は各制御ユニット330の動作状態をチェックし、各物品保管設備30に保管された搬送容器5の情報を確認することができる。制御器管理ユニット350は、作業者が容易にアクセスできるように半導体製造工場の地面に設置できる。また、制御器管理ユニット350は、アクセスポイントAPを介して無線で制御ユニット330に接続できる。
【0072】
アクセスポイントAPを介しては、クライアント装置(例えば、制御ユニット330、制御器管理ユニット350)が無線通信のためのリソースを提供し、上位のネットワークに接続されてインターネット(Internet)、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))などの通信サービスをクライアント装置へ提供することができる。
【0073】
本発明の実施形態によれば、制御ユニット330は、RFIDリーダー316から搬送容器5の識別情報を取得する識別情報取得部332と、搬送容器5が識別されると、ガス供給部324へ不活性ガスの供給を指示する制御信号を伝送し、ガス供給部324から不活性ガスの供給状態に関する情報を受信するガス供給制御部334と、保管ユニット310において搬送容器5が装着される装着スロット314A別の搬送容器5の装着有無及び不活性ガスの供給状態を出力する出力部336と、を含むことができる。また、制御ユニット330は、支持ステージ314の装着スロット314A別の搬送容器5の装着有無及び不活性ガスの供給状態に関する情報を制御器管理ユニット350へ伝送する無線通信モジュール338をさらに含むことができる。
【0074】
図10は、本発明の実施形態による半導体製造工場の物流制御システムの個体間接続構造を示す。図10に示すように、制御ユニット330と制御器管理ユニット350とは、アクセスポイントAPを介して互いに無線で接続される。一方、アクセスポイントAPは、半導体製造工場のネットワークを介して搬送制御システムOCSに接続されることができる。搬送制御システムOCSは、半導体製造工場内の物品の搬送のための全般的なシステムを制御する。搬送制御システムOCSは、物品の搬送が必要なイベントが発生すると、当該物品を移動させるために各搬送車両100を制御することができる。図11に示すように、搬送制御システムOCSは、アクセスポイントAPを介して制御器管理ユニット350に接続され、かつ、制御器管理ユニット350を介して物品保管設備30の各制御ユニット330から情報を取得したり、各制御ユニット330の動作を制御したりすることができる。
【0075】
搬送制御システムOCSは、制御器管理ユニット350を介して物品保管設備30に装着された搬送容器5に関する情報及び不活性ガスの供給状態に関する情報を受信することができる。搬送制御システムOCSは、移送が必要な搬送容器5の位置情報を周辺の搬送車両100に伝送して移送が行われるようにすることができる。また、搬送制御システムOCSは、制御器管理ユニット350を介して各制御ユニット330を制御することができる。
【0076】
また、本発明では、物品保管設備30の制御ユニット330の電力が電力供給ケーブル20を介して供給されるため、物品保管設備30が設置される区間の場合、搬送車両100へ供給できる電力が低くなる。例えば、特定区間で電力供給ケーブル20が供給することが可能な電力が200kWであり、搬送車両1台当たりに要求される電力が20kWであり、物品保管設備30の制御ユニット330の総消費電力が20kWである場合が考えられる。特定区間で物品保管設備30へ供給される電力が20kWであり、特定区間を走行中の搬送車両100が9台である場合、搬送制御システムOCSは、他の搬送車両100が特定区間を走行せずに回避して他の経路を走行するようにすることにより、特定区間に電力過負荷が発生しないようにすることができる。
【0077】
本実施形態及び本明細書に添付された図面は、本発明に含まれる技術的思想の一部を明確に示しているものに過ぎず、本発明の明細書及び図面に含まれている技術的思想の範囲内で当業者が容易に類推することが可能な変形例及び具体的な実施形態はいずれも、本発明の権利範囲に含まれることが自明であるといえる。
【0078】
したがって、本発明の思想は、説明された実施形態に限定されてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等又は等価的な変形がある全てのものは、本発明の思想の範疇に属するというべきである。
【符号の説明】
【0079】
10 レール
100 搬送車両
20 電力供給ケーブル
30 物品保管設備
310 保管ユニット
312 フレーム
314 支持ステージ
316 RFIDリーダー
320 パージユニット
322 ガス供給ポート
324 ガス供給部
330 制御ユニット
332 識別情報取得部
334 ガス供給制御部
336 出力部
338 無線通信モジュール
340 電力供給ユニット
342 電流変換器
344 電力供給ライン
350 制御器管理ユニット
5 搬送容器
AP アクセスポイント
OCS 搬送制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11