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特許7499841非アルコール性脂肪性肝疾患の予測若しくは診断用キット、および診断方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】非アルコール性脂肪性肝疾患の予測若しくは診断用キット、および診断方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/06 20060101AFI20240607BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20240607BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
C12Q1/06
C12Q1/6869 Z
G01N33/50 D
G01N33/50 S
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022505546
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-04
(86)【国際出願番号】 KR2020010092
(87)【国際公開番号】W WO2021020920
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】10-2019-0092689
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0087105
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0094922
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0095361
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520106231
【氏名又は名称】コバイオラブス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コ,クァン ピョ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ヒュン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジルジェ
【審査官】斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-517783(JP,A)
【文献】特開2018-112482(JP,A)
【文献】特開2006-349457(JP,A)
【文献】特表2008-538893(JP,A)
【文献】ZHU, L. et al.,Characterization of gut microbiomes in nonalcoholic steatohepatitis (NASH) patients: A connection between endogenous alcohol and NASH,Hepatology,2013年,Vol. 57, No. 2,P. 601-609,https://doi.org/10.1002/hep.26093
【文献】Aragones, G. et al.,Gut Microbiota-Derived Mediators as Potential Markers in Nonalcoholic Fatty Liver Disease,BioMed Research International,2019年01月02日,Vol. 2019, Article ID 8507583,P. 1-10,https://doi.org/10.1155/2019/8507583
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q
G01N
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)~(c):
(a)エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae);
(b)メガモナス(Megamonas)およびルミノコッカス(Ruminococcus);および
(c)コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)およびプロピオネート(propionate)
より選ばれるいずれか一つ以上の検出マーカーを探知する検出手段を含む、非-肥満対象のための非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断用キット。
【請求項2】
前記非アルコール性脂肪性肝疾患は非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎、肝繊維症または肝硬変症である、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記非-肥満対象のBMIが25kg/m2以下である、請求項1に記載のキット。
【請求項4】
前記危険度予測はF=0~F=4を含む繊維症の重症度を予測することである、請求項1に記載のキット。
【請求項5】
下記(a)~(c):
(a)エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae);
(b)メガモナス(Megamonas)およびルミノコッカス(Ruminococcus);および
(c)コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)およびプロピオネート(propionate)
より選ばれるいずれか一つ以上の検出マーカーを検出する段階を含む、非-肥満対象のための非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断のための情報提供方法。
【請求項6】
前記方法は下記(a)~(c)より選ばれる一つ以上の段階を含む、請求項5に記載の方法:
(a)対象体で測定されたエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)の個体豊富度を健康な個体の参照値と相互比較する段階;
(b)対象体で測定されたメガモナス(Megamonas)およびルミノコッカス(Ruminococcus)の個体豊富度を健康な個体の参照値と相互比較する段階;ならびに
(c)対象体で測定されたコール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、およびプロピオネート(propionate)の糞便内含有量を健康な個体の参照値と相互比較する段階
【請求項7】
前記非アルコール性脂肪性肝疾患は、非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎、肝繊維症または肝硬変症である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記非-肥満対象のBMIが25kg/m2以下である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
(1)非アルコール性脂肪性肝疾患を有する、ヒトを除く非-肥満実験動物に被検物質を投与する段階;
(2)前記被検物質を処理していない前記実験動物と前記被検物質を投与した前記実験動物で、下記(a)~(c):
(a)エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae);
(b)メガモナス(Megamonas)およびルミノコッカス(Ruminococcus);および
(c)コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)およびプロピオネート(propionate)
より選ばれるいずれか一つ以上の検出マーカーを測定する段階;および
(3)前記測定結果を前記被検物質を処理していない対照群と前記被検物質を投与した前記実験動物で比較する段階;
を含む、非-肥満対象のための非アルコール性脂肪性肝疾患治療剤スクリーニング方法。
【請求項10】
前記方法は下記(a)~(c)より選ばれる一つ以上の段階を含む、請求項9に記載の非アルコール性脂肪肝治療剤スクリーニング方法:
(a)治療剤候補物質の投与前後に測定されたエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)の個体豊富度を相互比較する段階;
(b)治療剤候補物質の投与前後に測定されたメガモナス(Megamonas)およびルミノコッカス(Ruminococcus)の個体豊富度を相互比較する段階;および
(c)治療剤候補物質の投与前後に測定されたコール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)およびプロピオネート(propionate)の糞便内含有量を相互比較する段階
【請求項11】
前記非-肥満対象のBMIが25kg/m2以下である、請求項9に記載の非-肥満対象のための非アルコール性脂肪性肝疾患治療剤スクリーニング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非アルコール性脂肪性肝疾患の予測若しくは診断用キット、および診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非アルコール性脂肪性肝疾患(Nonalcoholic fatty liver disease,NAFLD)は単なる脂肪症(steatosis)から、窮極的に進行性(advanced)繊維症および肝硬変につながる攻撃的組織形態である非アルコール性脂肪性肝炎(nonalcoholic steatohepatitis,NASH)に至る代謝障害の肝疾患を特徴とする。NAFLDの世界有病率は多くの疫学研究で24-30%と推定され、肥満および代謝症候群と平行に増加している。NAFLDは一般に肥満と関連するが、肥満NAFLD患者から観察されたものと類似の臨床症状および病的深刻性が非-肥満対象からも発生し得る。肥満を定義する相異なる体質量指数(body mass index,BMI)のカット-オフ(cut-off)を考慮せず(アジア人≧25,他の人種≧30)、西洋および東洋いずれも非-肥満人口の3-30%はNAFLDを有していることが着実に報告されている。内臓脂肪、食品構成および遺伝的要素が非-肥満NAFLDと関連するが、非-肥満NAFLD発病を解明するためには他の環境的な要素を考慮した追加的な研究が必要である。
【0003】
最近増加した関心は多様な代謝性疾患で腸内微生物叢(intestinal microbiota)の特定の役割を確認して理解することに焦点を合わせている。正常微生物叢に比べた腸内微生物叢の異常な変化を称する腸内微生物不均衡(Gut dysbiosis)は、有益な短鎖脂肪酸(short-chain fatty acid,SCFA)生産バクテリアの減少、胆汁酸組成の変化、リポ多糖類(lipopolysaccharide,LPS)に対する免疫反応の活性化、エタノール生産バクテリアの過増殖によるエタノール生産増加、およびホスファチジルコリン(phosphatidylcholine)のコリン(choline)およびトリメチルアミン(trimethylamine)への転換に関連している。腸-肝軸(gut-liver axis)に影響を与える腸内マイクロバイオーム(gut microbiome)の変化は、NAFLDおよび肝硬変のような慢性肝疾患(chronic liver disease)および進行性(advanced)繊維症の進行に寄与する。
【0004】
Boursierなどは軽症および重症繊維症患者間のマイクロバイオーム変化を比較し、重症繊維症患者の重大な腸内細菌不均衡および機能変化を観察した(非特許文献1)。Loombaなどはメタゲノムデータを使用して進行性繊維症を有するNAFLD患者からに顕著に豊富になるか大幅に減少する37種のバクテリアを確認し、繊維症を予測するためのマイクロバイオーム基盤のバイオマーカーを提案した(非特許文献2)。Bajajなどは肝硬変が進行する間の腸内マイクロバイオームプロファイルを規定した(非特許文献3)。中国のコホート研究は肝硬変患者の腸内マイクロバイオームで変化を観察した(非特許文献4)。しかし、疾病の重症度および繊維症段階と関連する微生物分類群(microbial taxa)は以前のNAFLD研究と一致しなかった。このような不一致は地域的な差の影響によるものであり得る(非特許文献5)。しかし、基本的なBMI状態の差はこのような一貫性のない結果を説明できる。その上、非-肥満NAFLD群の腸内マイクロバイオームと関連する代謝産物の特定変化はほとんど規定されなかった。
【0005】
したがって、NAFLDの組織学的(histological)重症度の有無を決定し、腸内マイクロバイオーム変化をよく規定し、効果的な非-肥満NAFLDの予防、治療および診断方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記のような問題を解決するためのものとして、微生物バイオマーカー、胆汁酸およびその構成成分、および腸内短鎖脂肪酸からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーを含む非アルコール性脂肪性肝疾患の検出マーカー、前記検出マーカーを用いた非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断用キット、前記検出マーカーを用いた非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断方法、または予測若しくは診断のための情報を提供する方法、および非アルコール性脂肪性肝疾患の治療剤スクリーニング方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、非アルコール性脂肪性肝疾患の検出マーカー、前記検出マーカーを探知する一つ以上の検出手段を含む非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断用キットを提供する。
【0008】
前記キットは上述した特定対象を検出する手段を含み、特定検出対象の量、活性、個体数などを特定してまたは他の検出対象との結果を比較することによって非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断に使用できる。
【0009】
本発明における診断とは、疾病有無、疾病の危険度、疾病の状態および疾病の予後を確認することを含み、疾病状態および決定を導出させるために使用されるすべての類型の分析を含む。
【0010】
本発明の実施形態において、前記非アルコール性脂肪性肝疾患は非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎、または肝硬変症であり得る。
【0011】
本発明の実施形態において、前記疾患の危険度予測は繊維症の重症度を予測するものであり得る。前記繊維症の重症度はF=0~F=4を含むものであり得、F=0は肝線維化正常;F=1は軽症肝線維化;F=2は意味のある肝線維化;F=3は進行された肝線維化;およびF=4は肝硬変を意味する。
【0012】
本発明の実施形態において、前記キットは非-肥満患者、例えばBMIが25kg/m以下である、肥満でない患者を対象とするものであり得る。
【0013】
前記非アルコール性脂肪性肝疾患の検出マーカーは、微生物バイオマーカー、総胆汁酸および構成成分、および腸内短鎖脂肪酸のうち1種以上を含み得る。
【0014】
本発明の実施形態において、前記キットは次より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーを探知できる検出手段を含み得る:
(a)前記非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーからなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出する一つ以上の検出手段;
(b)総胆汁酸および胆汁酸の成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出する一つ以上の検出手段;および
(c)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出する一つ以上の検出手段。
【0015】
前記キットは例えば、(a);(b);(c);(a)および(b);(a)および(c);(b)および(c);または(a)、(b)、および(c)を含むものあり得る。
【0016】
本明細書では前記総胆汁酸および胆汁酸の成分、前記短鎖脂肪酸などはこれらの代謝体をすべて含む意味で使用される。
【0017】
前記非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーは、科(Family)水準でエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、リケネラセエ(Rikenellaceae)、フソバクテリアセエ(Fusobacteriaceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)、アクチノミセタセエ(Actinomycetaceae)、デスルホビブリオセエ(Desulfovibrioceae)、およびデスルホビブリオナセエ(Desulfovibrionaceae)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上であり得る。例えば、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)およびアクチノミセタセエ(Actinomycetaceae)からなる群より選ばれた一つ以上、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)からなる群より選ばれた一つ以上、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)からなる群より選ばれた一つ以上であり得る。
【0018】
前記エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)微生物の一例はシトロバクター(Citrobacter)およびクレブシエラ(Klebsiella)のいずれか一つ以上であり、前記ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)微生物の一例はベイヨネラ(Veillonella)およびメガモナス(Megamonas)のいずれか一つ以上であり、前記フソバクテリアセエ(Fusobacteriaceae)微生物の一例はフソバクテリウム(Fusobacterium)であり、前記デスルホビブリオナセエ(Desulfovibrionaceae)微生物の一例はデスルホビブリオ(Desulfovibrio)であり、前記ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)微生物はルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)およびオスシロスピラ(Oscillospira)のいずれか一つ以上であり、前記ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)微生物はコプロコッカス(Coprococcus)およびラクノスピラ(Lachnospira)のいずれか一つ以上であり、前記アクチノミセタセエ(Actinomycetaceae)微生物はアクチノミセス(actinomyces)であり得る。
【0019】
一例として、前記(a)はエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段であり得る。
【0020】
本発明による微生物バイオマーカーは、属(genus)水準でシトロバクター(Citrobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、オスシロスピラ(Oscillospira)、コプロコッカス(Coprococcus)、およびラクノスピラ(Lachnospira)からなる群より選ばれた1種以上であり得、詳しくはルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、オスシロスピラ(Oscillospira)、コプロコッカス(Coprococcus)、ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)、およびラクノスピラ(Lachnospira)からなる群より選ばれた1種以上であり得、さらに詳しくはルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、オスシロスピラ(Oscillospira)、コプロコッカス(Coprococcus)、およびラクノスピラ(Lachnospira)からなる群より選ばれた1種以上またはベイヨネラ(Veillonella)およびメガモナス(Megamonas)からなる群より選ばれた1種以上であり得る。
【0021】
前記総胆汁酸および胆汁酸の成分は、総胆汁酸、コール酸(cholic acid)とケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)を含む1次胆汁酸;およびウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(Lithocholic acid)およびデオキシコール酸(deoxycholic acid)を含む2次胆汁酸からなる群より選ばれた一つ以上であり得る。
【0022】
一例として、前記(b)は総胆汁酸、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(lithocholic acid)およびデオキシコール酸(deoxycholic acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段であり得る。
【0023】
一例として、前記(c)は酢酸(acetate)、プロピオネート(propionate)およびブチレート(butyrate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段であり得る。
【0024】
本発明の実施形態において、前記キットは次の(a)~(h)の組み合わせより選ばれたいずれか一つ以上を含み得る:
前記(a)の検出手段、
前記(b)の検出手段、
前記(c)の検出手段、
(d)エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)およびプロピオネート(propionate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(e)ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、オスシロスピラ(Oscillospira)、コプロコッカス(Coprococcus)、ラクノスピラ(Lachnospira)、総胆汁酸、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(lithocholic acid)およびデオキシコール酸(deoxycholic acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(f)ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、オスシロスピラ(Oscillospira)、コプロコッカス(Coprococcus)、ラクノスピラ(Lachnospira)および糞便のプロピオネート(propionate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(g)ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)、総胆汁酸、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(lithocholic acid)およびデオキシコール酸(deoxycholic acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;および
(h)ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)および糞便のプロピオネート(propionate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段。
【0025】
前記(a)の検出手段は、例えばエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段であり得る。
【0026】
前記(b)の検出手段は、例えば総胆汁酸、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(lithocholic acid)およびデオキシコール酸(deoxycholic acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段であり得る。
【0027】
前記(c)の検出手段は、例えば短鎖脂肪酸、酢酸(acetate)、プロピオネート(propionate)およびブチレート(butyrate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段であり得る。
【0028】
本発明の実施形態において、前記キットは次の(i)~(k)の組み合わせより選ばれたいずれか一つ以上を含み得る:
(i)エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、シトロバクター(Citrobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)およびオスシロスピラ(Oscillospira)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(j)コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)およびこれらの代謝体からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;および
(k)腸内短鎖脂肪酸代謝体およびプロピオネート(propionate)より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段。
【0029】
一例として、本発明による非アルコール性脂肪性肝疾患の検出マーカーは、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、リケネラセエ(Rikenellaceae)、フソバクテリアセエ(Fusobacteriaceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)、アクチノミセタセエ(Actinomycetaceae)、デスルホビブリオセエ(Desulfovibrioceae)、デスルホビブリオナセエ(Desulfovibrionaceae)、シトロバクター(Citrobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、オスシロスピラ(Oscillospira)、コプロコッカス(Coprococcus)、ラクノスピラ(Lachnospira)、アクチノミセス(Actinomyces)、デスルホビブリオ(Desulfovibrio)、総胆汁酸、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(Lithocholic acid)、デオキシコール酸(deoxycholic acid)、短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)、酢酸(acetate)、プロピオネート(propionate)およびブチレート(butyrate)からなる群より選ばれた1種以上を含むものであり得る。
【0030】
具体的な一例として、本発明による非アルコール性脂肪性肝疾患の検出マーカーは、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)を含むものであり得る。本願実施例によれば、前記3種のバクテリアマーカーを組み合わせて使用する場合、非-肥満対象で非-アルコール性脂肪肝をAUROC 0.8以上の高い正確度で予測することができた(図5a)。
【0031】
具体的な一例として、本発明による非アルコール性脂肪性肝疾患の検出マーカーはメガモナス(Megamonas)およびルミノコッカス(Ruminococcus)を含むものであり得る。
【0032】
本願実施例によれば、前記2種のバクテリアマーカーを組み合わせて使用する場合、非-肥満対象で非-アルコール性脂肪肝をAUROC 0.7以上の高い正確度で予測することができた(図5b)。
【0033】
具体的な一例として、本発明による非アルコール性脂肪性肝疾患の検出マーカーは、コール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、およびプロピオネートを含むものであり得る。本願実施例によれば、4種の代謝産物マーカーを組み合わせて使用する場合、非-肥満対象で非-アルコール性脂肪肝をAUROC 0.7以上の高い正確度で予測することができた。
【0034】
具体的な一例として、本発明による非アルコール性脂肪性肝疾患の検出マーカーは、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、コール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、およびプロピオネートを含むものであり得る。本願実施例によれば、前記3種のバクテリアマーカーおよび4種の代謝産物マーカーを組み合わせて使用する場合、非-肥満対象で非-アルコール性脂肪肝をAUROC 0.9以上の高い正確度で予測することができた。または本発明による非アルコール性脂肪性肝疾患の検出マーカーは、メガモナス(Megamonas)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、コール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、およびプロピオネートを含むものであり得る。本願実施例によれば、前記2種のバクテリアマーカーおよび4種の代謝産物マーカーを組み合わせて使用する場合、非-肥満対象で非-アルコール性脂肪肝をAUROC 0.9以上の高い正確度で予測することができた。これは従来に使用されていた非-アルコール性脂肪肝のバイオマーカーより顕著に高い正確度であり、そのため本発明による非-アルコール性脂肪肝の予測のためのバイオマーカーは、非-アルコール性脂肪肝を正確に予測可能であることが分かり、特に非-肥満対象の非-アルコール性脂肪肝をより正確に予測することができた。
【0035】
本発明は(a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーからなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカー;(b)総胆汁酸および胆汁酸の成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカー;および(c)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーからなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーを探知する段階を含む非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断方法、または予測若しくは診断のための情報提供方法を提供する。
【0036】
本発明の実施形態において、前記非アルコール性脂肪性肝疾患は、非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎、または肝硬変症であり得る。本発明の実施形態において、前記危険度予測は繊維症の重症度を予測するものであり得る。本発明の実施形態において、前記診断方法または診断のための情報提供方法はBMI<25kg/mの肥満でない患者を対象とするものであり得る。
【0037】
本発明の実施形態において、前記方法は次より選ばれたいずれか一つ以上の段階を含み得る:
(i)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーからなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーとして微生物バイオマーカーの個体豊富度を測定する段階;
(ii)総胆汁酸および胆汁酸が構成成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーの糞便内含有量を測定する段階;および
(iii)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)、例えば酢酸(acetate)、プロピオネート(propionate)およびブチレート(butyrate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーの糞便内含有量を測定する段階。
【0038】
本発明の実施形態において、前記方法は前記キットに含まれ得る検出マーカー(a)~(c)、(a)~(h)、(i)~(k)、または(a)~(k)について、対象個体の検出値とそれに対応する健康個体の参照値と比較する段階を含み得る。
【0039】
本発明の実施形態において、前記方法は対象個体の検出値とそれに対応する健康個体の参照値と比較した結果、健康個体の参照値に比べて対象個体の検出値が、下記検出マーカーの増減に応じて繊維症の重症度が高いと判断する段階を含み得る:
(a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーからなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーと関連して、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)の個体豊富度が増加、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)の個体豊富度が増加、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)の個体豊富度が減少、
(b)総胆汁酸および胆汁酸成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーと関連して、コール酸(cholic acid)の糞便内含有量が増加、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)の糞便内含有量が増加、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)の糞便内含有量が増加、または
(c)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーと関連して、例えば酢酸(acetate)、プロピオネート(propionate)およびブチレート(butyrate)からなる群より選ばれた一つ以上の糞便内含有量が増加する場合、一例としてプロピオネート(propionate)の糞便内含有量が増加する場合、繊維症の重症度が高いと決定する段階を含み得る。
【0040】
本発明は下記段階を含む非アルコール性脂肪性肝疾患治療剤スクリーニング方法を提供する:
(1)非アルコール性脂肪性肝疾患を有する実験動物に被検物質を投与する段階;
(2)前記被検物質を処理していない実験動物と前記被検物質を投与した実験動物で、(a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーからなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカー;(b)総胆汁酸および胆汁酸成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカー;および(c)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーからなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーを測定する段階;および
(3)前記測定結果を前記被検物質を処理していない対照群と前記被検物質を投与した実験群で比較する段階。
【0041】
本発明の実施形態において、前記非アルコール性脂肪性肝疾患は非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎、または肝硬変症であり得る。
【0042】
本発明の実施形態において、前記段階(1)の実験動物は下記(1)~(5)のうち1種以上の特徴を有するものであり得る:
(1)血中ALT濃度が増加した状態、例えば正常対照群の血中ALT濃度の1倍超過、1.1倍以上、1.2倍以上、1.3倍以上、1.4倍以上、1.5倍以上、1.6倍以上、1.7倍以上、1.8倍以上、1.9倍以上、2倍以上、2.1倍以上、2.2倍以上、2.3倍以上、2.4倍以上、2.5倍以上、2.6倍以上、2.7倍以上、2.8倍以上、2.9倍以上、3倍以上、3.5倍以上、4倍以上、4.5倍以上、5倍以上、5.5倍以上、6倍以上、6.5倍以上、7倍以上、7.5倍以上、8倍以上、8.5倍以上、9倍以上、9.5倍以上、または10倍以上の状態。
【0043】
(2)血中AST濃度が増加した状態、例えば正常対照群の血中AST濃度の1倍超過、1.1倍以上、1.2倍以上、1.3倍以上、1.4倍以上、1.5倍以上、1.6倍以上、1.7倍以上、1.8倍以上、1.9倍以上、2倍以上、2.1倍以上、2.2倍以上、2.3倍以上、2.4倍以上、2.5倍以上、2.6倍以上、2.7倍以上、2.8倍以上、2.9倍以上、3倍以上、3.5倍以上、4倍以上、4.5倍以上、5倍以上、5.5倍以上、6倍以上、6.5倍以上、7倍以上、7.5倍以上、8倍以上、8.5倍以上、9倍以上、9.5倍以上、または10倍以上の状態。
【0044】
(3)盲腸内の二次胆汁酸濃度が減少した状態、例えば正常対照群の盲腸内の二次胆汁酸濃度の1倍未満、0.9倍以下、0.8倍以下、0.7倍以下、0.6倍以下、0.5倍以下、0.4倍以下、0.3倍以下、0.2倍以下、または0.1倍以下の状態。
【0045】
(4)繊維症マーカー遺伝子発現量が増加した状態、例えば正常対照群の繊維症マーカー遺伝子発現量の1倍超過、1.1倍以上、1.2倍以上、1.3倍以上、1.4倍以上、1.5倍以上、1.6倍以上、1.7倍以上、1.8倍以上、1.9倍以上、2倍以上、2.1倍以上、2.2倍以上、2.3倍以上、2.4倍以上、2.5倍以上、2.6倍以上、2.7倍以上、2.8倍以上、2.9倍以上、3倍以上、3.5倍以上、4倍以上、4.5倍以上、5倍以上、5.5倍以上、6倍以上、6.5倍以上、7倍以上、7.5倍以上、8倍以上、8.5倍以上、9倍以上、9.5倍以上、10倍以上、11倍以上、12倍以上、13倍以上、14倍以上、15倍以上、16倍以上、17倍以上、18倍以上、19倍以上、または20倍以上過発現された状態。前記繊維症マーカー遺伝子はCol1a1、Timp1、およびα-SMAからなる群より選ばれた1種以上のものであり得る。
【0046】
(5)体重に対する肝重量比率が増加した状態、例えば正常対照群の体重に対する肝重量比率の1倍超過、1.1倍以上、1.2倍以上、1.3倍以上、1.4倍以上、1.5倍以上、1.6倍以上、1.7倍以上、1.8倍以上、1.9倍以上、2倍以上、2.1倍以上、2.2倍以上、2.3倍以上、2.4倍以上、2.5倍以上、2.6倍以上、2.7倍以上、2.8倍以上、2.9倍以上、または3倍以上の状態。
【0047】
本発明の実施形態において、前記被検物質は非アルコール性脂肪性肝疾患治療剤の候補物質を含み、例えばペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、活性化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液および血漿からなる群より選ばれる一つ以上であり得る。
【0048】
本発明の実施形態において、前記方法は次より選ばれたいずれか一つ以上の段階を含み得る:
(i)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーからなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーとして微生物バイオマーカーの個体豊富度を測定する段階;
(ii)総胆汁酸および胆汁酸が構成成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーの糞便内含有量を測定する段階;および
(iii)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)、例えば酢酸(acetate)、プロピオネート(propionate)およびブチレート(butyrate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーの糞便内含有量を測定する段階
からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーの糞便内含有量を測定する段階。
【0049】
本発明の実施形態において、前記方法は前記キットに含まれ得る検出マーカー(a)~(c)、(a)~(h)、(i)~(k)、または(a)~(k)について、非アルコール性脂肪性肝疾患を有する実験動物に対して被検物質を投与した実験群と被検物質を投与していない対照群の検出値を比較する段階を含み得る。
【0050】
本発明の実施形態において、前記方法は実験群の検出値と対照群の検出値の比較結果、対照群の参照値に比べて実験群の検出値が各検出マーカーに対する増減結果に応じて被検物質を非アルコール性脂肪性肝疾患の治療剤として選別する段階を含み得る:
(a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーからなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーと関連して、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)の個体豊富度が増加、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)の個体豊富度が増加、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)の個体豊富度が減少、
(b)総胆汁酸および胆汁酸成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーと関連して、コール酸(cholic acid)の糞便内含有量が増加、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)の糞便内含有量が増加、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)の糞便内含有量が増加、または
(c)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーと関連して、例えば酢酸(acetate)、プロピオネート(propionate)およびブチレート(butyrate)からなる群より選ばれた一つ以上の糞便内含有量が増加する場合、一例としてプロピオネート(propionate)の糞便内含有量が増加する場合、繊維症の重症度が高いと決定する段階を含み得る。
【0051】
本発明の実施形態において、前記方法は被検物質を処理していない対照群に比べてエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)の個体豊富度が減少、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)の個体豊富度が減少、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)の個体豊富度が増加、コール酸(cholic acid)の糞便内含有量が減少、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)の糞便内含有量が減少、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)の糞便内含有量が減少、またはプロピオネート(propionate)の糞便内含有量が減少する被検物質を選別する段階を含み得る。
【0052】
本発明の一例による非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測方法、予測のための情報提供方法、診断方法、または診断のための情報提供方法は、対象(subject)に非アルコール性脂肪性肝疾患の治療剤を投与する段階をさらに含むものであり得る。
【0053】
本発明のまた他の一例は、本発明による非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断用キット、非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測方法、予測のための情報提供方法、診断方法、または診断のための情報提供方法によって非アルコール性脂肪性肝疾患の危険を有すると決定された対象(subject)に非アルコール性脂肪性肝疾患の治療剤を投与する段階を含む、非アルコール性脂肪肝の治療方法に関する。
以下、本発明の実施形態を示す。
[1](a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーからなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカー;
(b)総胆汁酸および胆汁酸の成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカー;および
(c)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)
からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーを探知する検出手段を含む非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断用キット。
[2]前記(a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーは、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、リケネラセエ(Rikenellaceae)、フソバクテリアセエ(Fusobacteriaceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)、アクチノミセタセエ(Actinomycetaceae)、デスルホビブリオセエ(Desulfovibrioceae)およびデスルホビブリオナセエ(Desulfovibrionaceae)からなる群より選ばれた一つ以上のものである、[1]に記載のキット。
[3]前記(a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーは、シトロバクター(Citrobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、オスシロスピラ(Oscillospira)、コプロコッカス(Coprococcus)、ラクノスピラ(Lachnospira)、アクチノミセス(Actinomyces)、デスルホビブリオ(Desulfovibrio)からなる群より選ばれた一つ以上である、[1]に記載のキット。
[4]前記(b)総胆汁酸および胆汁酸の成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーは、総胆汁酸、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(Lithocholic acid)、およびデオキシコール酸(deoxycholic acid)からなる群より選ばれた一つ以上である、[1]に記載のキット。
[5]前記(c)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)は、酢酸(acetate)、プロピオネート(propionate)およびブチレート(butyrate)からなる群より選ばれた一つ以上である、[1]に記載のキット。
[6]前記キットは下記(a)~(h)の組み合わせより選ばれた一つ以上を含むことを特徴とする、[1]に記載のキット:
(a)エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(b)総胆汁酸、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(lithocholic acid)およびデオキシコール酸(deoxycholic acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(c)短鎖脂肪酸、酢酸(acetate)、プロピオネート(propionate)およびブチレート(butyrate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(d)エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)およびプロピオネート(propionate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(e)ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、オスシロスピラ(Oscillospira)、コプロコッカス(Coprococcus)、ラクノスピラ(Lachnospira)、総胆汁酸、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(lithocholic acid)およびデオキシコール酸(deoxycholic acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(f)ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、オスシロスピラ(Oscillospira)、コプロコッカス(Coprococcus)、ラクノスピラ(Lachnospira)および糞便のプロピオネート(propionate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(g)ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)、総胆汁酸、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(lithocholic acid)およびデオキシコール酸(deoxycholic acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;および
(h)ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)および糞便のプロピオネート(propionate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段。
[7]前記キットは下記(i)~(k)の組み合わせより選ばれた一つ以上を含むことを特徴とする、[1]に記載のキット:
(i)エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、シトロバクター(Citrobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)およびオスシロスピラ(Oscillospira)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;
(j)コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)およびこれらの代謝体からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段;および
(k)腸内短鎖脂肪酸代謝体およびプロピオネート(propionate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上をそれぞれ検出できる一つ以上の検出手段。
[8]前記キットはエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)を検出できる検出手段を含む、[1]に記載のキット。
[9]前記キットはメガモナス(Megamonas)およびルミノコッカス(Ruminococcus)を検出できる検出手段を含む、[1]に記載のキット。
[10]前記キットはコール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、およびプロピオネート(propionate)を検出できる検出手段を含む、[1]に記載のキット。
[11]前記キットはコール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、およびプロピオネート(propionate)を検出できる検出手段をさらに含む、[8]または[9]に記載のキット。
[12]前記非アルコール性脂肪性肝疾患は非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎、または肝硬変症であることを特徴とする、[1]に記載のキット。
[13]前記非アルコール性脂肪性肝疾患は非-肥満性非アルコール性脂肪性肝疾患である、[1]に記載のキット。
[14]前記危険度予測はF=0~F=4を含む繊維症の重症度を予測することを特徴とする、[1]に記載のキット。
[15]前記キットは非-肥満患者を対象とすることを特徴とする、[1]に記載のキット。
[16](a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーからなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカー;
(b)総胆汁酸および胆汁酸の成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカー;および
(c)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)
からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーを検出する段階を含む非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度予測若しくは診断のための情報提供方法。
[17]前記(a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーは、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、リケネラセエ(Rikenellaceae)、フソバクテリアセエ(Fusobacteriaceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)、アクチノミセタセエ(Actinomycetaceae)、デスルホビブリオセエ(Desulfovibrioceae)およびデスルホビブリオナセエ(Desulfovibrionaceae)からなる群より選ばれた一つ以上のものである、[16]に記載の方法。
[18]前記(a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーは、シトロバクター(Citrobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、オスシロスピラ(Oscillospira)、コプロコッカス(Coprococcus)、ラクノスピラ(Lachnospira)、アクチノミセス(Actinomyces)、デスルホビブリオ(Desulfovibrio)からなる群より選ばれた一つ以上のものである、[16]に記載の方法。
[19]前記(b)総胆汁酸および胆汁酸の成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーは、総胆汁酸、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(Lithocholic acid)、およびデオキシコール酸(deoxycholic acid)からなる群より選ばれた一つ以上のものである、[16]に記載の方法。
[20]前記(c)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)は、酢酸(acetate)、プロピオネート(propionate)およびブチレート(butyrate)からなる群より選ばれた一つ以上である、[16]に記載の方法。
[21]前記方法は下記(i)~(k)の組み合わせより選ばれた一つ以上の段階を含むことを特徴とする[16]に記載の方法:
(i)対象体で測定されたエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、シトロバクター(Citrobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)およびオスシロスピラ(Oscillospira)からなる群より選ばれるいずれか一つ以上の個体豊富度を健康な個体の参照値と相互比較する段階;
(j)対象体で測定されたコール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)およびこれらの代謝体からなる群より選ばれるいずれか一つ以上の糞便内含有量を健康な個体の参照値と相互比較する段階;および
(k)対象体で測定された腸内短鎖脂肪酸代謝体およびプロピオネート(propionate)からなる群より選ばれるいずれか一つ以上の糞便内含有量を健康な個体の参照値と相互比較する段階。
[22]前記方法はコール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、およびプロピオネート(propionate)を検出する段階を含む、[16]に記載の方法。
[23]前記方法はエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)を検出する段階を含む、[16]に記載の方法。
[24]前記方法はメガモナス(Megamonas)およびルミノコッカス(Ruminococcus)を検出する段階を含む、[16]に記載の方法。
[25]前記方法はコール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、およびプロピオネート(propionate)を検出する段階をさらに含む、[23]または[24]に記載の方法。
[26]前記非アルコール性脂肪性肝疾患は、非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎、または肝硬変症であることを特徴とする、[16]に記載の方法。
[27]前記非アルコール性脂肪性肝疾患は非-肥満性非アルコール性脂肪性肝疾患である、[16]に記載の方法。
[28]前記方法は非-肥満患者を対象とすることを特徴とする、[16]に記載の方法。
[29](1)非アルコール性脂肪性肝疾患を有する実験動物に被検物質を投与する段階;
(2)前記被検物質を処理していない実験動物と前記被検物質を投与した実験動物で、(a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーからなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカー;(b)総胆汁酸および胆汁酸成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカー;および(c)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーからなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーを測定する段階;および
(3)前記測定結果を前記被検物質を処理していない対照群と前記被検物質を投与した実験動物で比較する段階;
を含む非アルコール性脂肪性肝疾患治療剤スクリーニング方法。
[30]前記(a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーは、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、リケネラセエ(Rikenellaceae)、フソバクテリアセエ(Fusobacteriaceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、ラクノスピラセエ(Lachnospiraceae)、アクチノミセタセエ(Actinomycetaceae)、デスルホビブリオセエ(Desulfovibrioceae)およびデスルホビブリオナセエ(Desulfovibrionaceae)からなる群より選ばれた一つ以上のものである、[29]に記載の方法。
[31]前記(a)非アルコール性脂肪性肝疾患の微生物バイオマーカーは、シトロバクター(Citrobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)、オスシロスピラ(Oscillospira)、コプロコッカス(Coprococcus)、ラクノスピラ(Lachnospira)、アクチノミセス(Actinomyces)、デスルホビブリオ(Desulfovibrio)からなる群より選ばれた一つ以上のものである、[29]に記載の方法。
[32]前記(b)総胆汁酸および胆汁酸の成分からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の検出マーカーは、総胆汁酸、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、リトコール酸(Lithocholic acid)、およびデオキシコール酸(deoxycholic acid)からなる群より選ばれた一つ以上のものである、[29]に記載の方法。
[33]前記(c)腸内短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)は、酢酸(acetate)、プロピオネート(propionate)およびブチレート(butyrate)からなる群より選ばれた一つ以上である、[29]に記載の方法。
[34]前記方法は下記(i)~(p)の組み合わせより選ばれた一つ以上の段階を含むことを特徴とする[25]に記載の非アルコール性脂肪肝治療剤スクリーニング方法:
(i)治療剤候補物質の投与前後に測定されたエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、シトロバクター(Citrobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、ベイヨネラ(Veillonella)、メガモナス(Megamonas)、ルミノコッカス(Ruminococcus)、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)およびオスシロスピラ(Oscillospira)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の個体豊富度を相互比較する段階;
(j)治療剤候補物質の投与前後に測定されたコール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)およびこれらの代謝体からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の糞便内含有量を相互比較する段階;
(k)治療剤候補物質の投与前後に測定された腸内短鎖脂肪酸代謝体およびプロピオネート(propionate)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上の糞便内含有量を相互比較する段階;
(l)治療剤候補物質の投与前後に測定されたエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)の個体豊富度を相互比較する段階;
(m)治療剤候補物質の投与前後に測定されたメガモナス(Megamonas)およびルミノコッカス(Ruminococcus)の個体豊富度を相互比較する段階;
(n)治療剤候補物質の投与前後に測定されたコール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)およびプロピオネート(propionate)の糞便内含有量を相互比較する段階;
(o)前記(l)および(n)を含む段階;および
(p)前記(m)および(n)を含む段階。
[35]前記非アルコール性脂肪性肝疾患は非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎、または肝硬変症であることを特徴とする、[29]に記載の非アルコール性脂肪性肝疾患治療剤スクリーニング方法。
[36]前記非アルコール性脂肪性肝疾患は、非-肥満性非アルコール性脂肪性肝疾患である、[29]に記載の非アルコール性脂肪性肝疾患治療剤スクリーニング方法。
[37]前記検出マーカーは、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、およびプロピオネート(propionate)を含む、[29]に記載の方法。
[38]前記検出マーカーは、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)を含む、[29]に記載の方法。
[39]前記検出マーカーは、メガモナス(Megamonas)およびルミノコッカス(Ruminococcus)を含む、[29]に記載の方法。
[40]前記検出マーカーは、コール酸(cholic acid)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid)、ウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid)、およびプロピオネート(propionate)を検出する段階をさらに含む、[38]または[39]に記載の方法。
[41][1]ないし[15]のいずれか一によるキットを用いて対象(subject)の非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度を予測若しくは診断する段階;および
前記対象が非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度を有するものと決定された場合、前記対象に非アルコール性脂肪肝の改善または治療用薬学的組成物または食品組成物を投与する段階を含む、非アルコール性脂肪性肝疾患の治療方法。
[42]前記方法は非アルコール性脂肪肝の改善または治療用薬学的組成物または食品組成物を投与する段階をさらに含む、[16]ないし[28]のいずれか一に記載の方法。
【発明の効果】
【0054】
本発明の予測若しくは診断用キットを用いて非アルコール性脂肪性肝疾患の危険度を効果的に予測若しくは診断でき、特に非-肥満対象での予測度および情報提供有意性に優れる。したがって、これにより非アルコール性脂肪性肝疾患に対する効果的な情報を提供して該当疾患を予防または治療するのに効果的に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1-1】図1a~1l:腸内微生物群集の多様性比較結果である。図1a~1dは全体対象、図1e~1hは非-肥満対象、図1i~図1lは肥満対象のアルファおよびベータ多様性をNAFLDまたは繊維症重症度の組織学的スペクトルで除した値を示す。希薄化曲線はサンプル当たり12,000レアシーケンスがあるShannon指数を用いて生成された。統計分析は非母数クラスカル-ワリス検定(nonparametric Kruskal-Wallis test)を用いて行われた。NMDSプロットはBray-Curtis distanceによる相対的OTU abundance dataを用いて生成され、統計的有意性はAdonis分析を用いた。**P<0.01。
図1-2】図1-1の続きである。
図1-3】図1-2の続きである。
図1-4】図1-3の続きである。
図1-5】図1-4の続きである。
図1-6】図1-5の続きである。
図2-1】図2a~2d:繊維症重症度による特定微生物分類群の差に対する単変量分析結果である。明確性のために13科(family)-および14属(genus)-水準分類群を上位相対的個体豊富度とともに表示した。ボックス(box)プロットはTukey whiskersがある第一番目と第三番目四分位数の間の四分位数間範囲(interquartile range,IQR)を示す。ボックス内の色相は繊維症重症度を示す。統計的有意性は非母数クラスカル-ワリス検定を用いた。P<0.05,**P<0.01,***P<0.001。図2e~2h:繊維症重症度による特定微生物分類群の差に対する多変量分析結果である。四つのバクテリアのアークサインルート変形された個体豊富度が繊維症重症度によって年齢、性別、およびBMIに対して回帰し、標準残差(standard residual)はボックスプロットで表示した。P<0.05,**P<0.01,***P<0.001。図2i~2k:全体、非-肥満、および肥満対象での特定腸内微生物叢要素の同時発現分析結果である。実線(オレンジ)と点線(灰色)はそれぞれ正と負の相関関係を示す。ノード(node)のサイズはバクテリアの相対的な量を示し、色相は繊維症重症度による相関関係の程度を示す。
図2-2】図2-1の続きである。
図2-3】図2-2の続きである。
図2-4】図2-3の続きである。
図2-5】図2-4の続きである。
図2-6】図2-5の続きである。
図2-7】図2-6の続きである。
図3-1】図3a~3j:腸内微生物叢と主に関連した糞便代謝産物の評価結果である。図3aは多様な臨床環境での胆汁酸プロファイル結果として、積層度(Stacked plots)は五つの胆汁酸の平均個体豊富度を用いて生成した。図3b~3gでボックスプロットは繊維症重症度および肥満状態によって階層化した糞便胆汁酸数値を示す。五つの糞便胆汁酸の濃度は繊維症重症度および肥満状態によって階層化される。図3h~図3jでボックスプロットは繊維症重症度および肥満状態によって階層化した最も豊富な糞便SCFA(アセテート、プロピオン酸塩およびブチレート)を示す。第一番目と第三番目四分位数の間の四分位数間範囲(interquartile range,IQRs)はTukey whiskersで描写される。統計的有意性は非母数クラスカル-ワリス検定を用いた。P<0.05,**P<0.01,***P<0.001。
図3-2】図3-1の続きである。
図3-3】図3-2の続きである。
図3-4】図3-3の続きである。
図3-5】図3-4の続きである。
図4-1】非-肥満(a)および肥満(b)対象での微生物分類群と糞便代謝産物成分の間のネットワークプロファイル結果である。科(family)-水準微生物叢要素と糞便代謝産物の間の同時発現係数はSparCCを用いて計算され、Cytoscapeを用いて描写された。実線(オレンジ)と点線(灰色)はそれぞれ正と負の相関関係を示す。ノード(node)の形状は本研究で使用された成分(楕円:微生物叢、ダイヤモンド:糞便胆汁酸、および丸い長方形:SCFA)を示し、色相は繊維症重症度による相関関係程度を示す。
図4-2】図4-1の続きである。
図5-1】図5aおよび図5b:全体、非-肥満、および肥満対象で有意な繊維症の予測のための受信者操作特性曲線(receiver operating characteristic curve,ROC)である。図5aは三つの選ばれたバクテリア(ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)、およびエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae))と四つのの糞便代謝産物(CD、CDCA、UDCA、およびプロピオネート)の組み合わせを使用したROC曲線をすべての非-肥満対象と肥満対象で有意な繊維症の予測のために描き、曲線下面積(areas under the curve,AUC)を計算した。図5bは二つの選ばれたバクテリア(メガモナス(Megamonas)およびルミノコッカス(Ruminococcus))と四つのの糞便代謝産物(CD、CDCA、UDCA、およびプロピオネート)の組み合わせを使用したROC曲線をすべての非-肥満対象と肥満対象で有意な繊維症の予測のために描き、曲線下面積(areas under the curve,AUC)を計算した。
図5-2】図5-1の続きである。
図6】非-肥満対象と肥満対象で示された腸内微生物群集の差、微生物と代謝産物の変化、代表的な微生物と代謝産物の組み合わせによる繊維症の予測結果に該当する内容を総合的に要約した模式図である。
図7】繊維症重症度によって階層化した研究対象の組織学的分布を示す図である。
図8】非-肥満および肥満患者で微生物分類群と代謝指標の間の相関関係を示す図である。
図9-1】図9a~9e:非-肥満および肥満患者で微生物分類群と代謝指標の間の相関関係を示す図である。
図9-2】図9-1の続きである。
図9-3】図9-2の続きである。
図9-4】図9-3の続きである。
図9-5】図9-4の続きである。
図10-1】図10a~10c:肥満程度によって階層化した属水準で特定腸内微生物分類群の相対的な豊富度と繊維症重症度の間の関連性を示す図である。
図10-2】図10-1の続きである。
図10-3】図10-2の続きである。
図11】肥満程度によって階層化したアクチノミセス(actinomyces)の相対的な豊富度およびTM6SF2(rs58542926)変異体の間の関連性を示す図である。
図12-1】図12a~12d:特定腸内微生物成分の相対的な豊富度と真性糖尿病の有無の間の関連性を示す図である。
図12-2】図12-1の続きである。
図12-3】図12-2の続きである。
図12-4】図12-3の続きである。
図13-1】図13a~13e:繊維症重症度および肥満程度によって階層化した糞便胆汁酸の相対的な豊富度を示す図である。
図13-2】図13-1の続きである。
図13-3】図13-2の続きである。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、本発明の理解を深めるために具体的に実施例を提示するが、下記実施例は本発明を例示するだけであり、本発明の範疇および技術思想範囲内で多様な変更および修正が可能であることは当業者にとって自明であり、このような変形および修正が添付された特許請求の範囲に属することも当然である。以下の実施例および比較例で含有量を示す「%」および「部」は特記しない限り、重量基準である。
【0057】
下記実験例で提示された値は平均(means)±標準偏差(standard deviation,S.D.)で表され、各処理グループ間の差の統計的有意性はGraph Pad Prism 4.0(San Diego.CA)を使用する一元分散分析(one-way ANOVA)により決定された。
【0058】
[実験例1]
1.材料および方法
1)実験対象
生体検査によりNAFLDを有すると立証された171名の対象者と31名のNAFLDを有していない対象者が含まれた。組織学的に(histologically) NAFLDが確診されてBMI<25kg/mである場合、非-肥満NAFLD群に分類した。
【0059】
2)対象の包含および除外の基準
対象者を2013年1月から2017年2月まで長期に登録し、包含基準は次のとおりである:
1.少なくとも18才の成人、
2.肝の脂肪浸潤を確認する超音波所見、および
3.過去6ヶ月以内に原因不明のアラニンアミノ転移酵素(alanine aminotransferase,ALT)数値の上昇。
【0060】
なお、次の基準に一つでも該当する対象者は除外した:
1.BまたはC型肝炎感染、
2.自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎(primary biliary cholangitis)、または原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis)、
3.胃腸管腫瘍(gastrointestinal cancers)または肝細胞癌(hepatocellular carcinoma)、
4.薬物性脂肪症(drug-induced steatosis)または肝損傷、
5.ウィルソン病(Wilson disease)または血色素症(hemochromatosis)、
6.過度なアルコール消費(男性:>210g/週、女性:>140g/週)、
7.先月内の抗生剤使用、
8.過去一年間の悪性腫瘍の診断、
9.ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus)感染、および
10.脂肪異栄養症(lipodystrophy)または免疫抑制(immunosuppression)と関連した慢性疾患(chronic disorders)。
【0061】
非-肥満および肥満対照群は(a)生体臓器提供者肝移植(living donor liver transplantation)評価の間または(b)映像研究を基盤とした肝腺腫(hepatic adenoma)または限局性結節性過形成(focal nodular hyperplasia)と疑われる固形肝腫瘤(solid liver mass)の特性糾明の肝生検(liver biopsy)を受ける間NFALDに対していかなる疑惑もない対象が含まれた(Koo BK, Joo SK, Kim D, Bae JM, Park JH, Kim JH, et al. Additive effects of PNPLA3 and TM6SF2 on the histological severity of non-alcoholic fatty liver disease. J Gastroenterol Hepatol 2018;33:1277-1285.)。
【0062】
3)肝組織学
肝組織学は単一の肝病理学者(single liver pathologist)によってNASH CRN組織学的診断システム(NASH CRN histological scoring system)を用いて評価された。NAFLDは組織学的検査に基づいた≧5%巨大水疱性脂肪浸潤(macrovesicular steatosis)の存在で定義された。NASHはBrunt et al.の基準に従って、脂肪症(steatosis)、肝小葉の炎症細胞浸潤(lobular inflammation)、または肝細胞の気球状変性(ballooning)で構成された肝損傷の全体的なパターンに基づいて定義された(Brunt EM, Janney CG, Di Bisceglie AM, Neuschwander-Tetri BA, Bacon BR. Nonalcoholic steatohepatitis: a proposal for grading and staging the histological lesions. Am J Gastroenterol 1999;94:2467-2474; Brunt EM, Kleiner DE, Wilson LA, Belt P, Neuschwander-Tetri BA. Nonalcoholic fatty liver disease (NAFLD) activity score and the histopathologic diagnosis in NAFLD: distinct clinicopathologic meanings. Hepatology 2011;53:810-820)。また、NAFLD活性スコアリングシステムにより脂肪症、肝小葉の炎症、および膨張の点数を付けて、繊維症重症度はKleiner et alの基準に従って評価した(Kleiner DE, Brunt EM, Van Natta M, Behling C, Contos MJ, Cummings OW, et al. Design and validation of a histological scoring system for nonalcoholic fatty liver disease. Hepatology 2005;41:1313-1321)。
【0063】
4)16S rRNAシーケンシングを用いたマイクロバイオーム分析
糞便サンプルのDNAはQIAamp DNA Stool Mini Kit(Qiagen,Hilden,Germany)を用いて抽出した。16S rRNAのV4領域シーケンシングターゲティング(sequencing targeting)はMiSeq platform(Illumina,San Diego,CA,USA)を用いて行い、raw sequencingデータの追加的な処理はQIIMEパイプライン(v 1.8.0)を用いて行った(Caporaso JG, Kuczynski J, Stombaugh J, Bittinger K, Bushman FD, Costello EK, et al. QIIME allows analysis of high-throughput community sequencing data. Nat Methods 2010;7:335-336)。
【0064】
5)GC-FIDおよびQ-TOPシステムを用いた糞便代謝産物の測定
糞便SCFAはDavidの方法によるAgilent Technologies 7890A GCシステム(Agilent Technologies,Santa Clara,CA,USA)を用いて測定し、(David LA, Maurice CF, Carmody RN, Gootenberg DB, Button JE, Wolfe BE, et al. Diet rapidly and reproducibly alters the human gut microbiome. Nature 2014;505:559-563)、胆汁酸プロファイルはQ-TOF質量分析器(Waters Micromass Technologies,Manchester,UK)を用いて評価した。
【0065】
6)生物情報学(Bioinformatics)分析および統計テスト
統計比較はGraphPad PrismソフトウェアVer.7.0d(GraphPad Software,San Diego,CA,USA)を用いてKruskal-Wallisテストで行った。希薄化曲線(rarefaction curves)のために、OUTテーブルはサンプル当たり12,000個のシーケンスで選び、Shannon indexはQIIMEで測定した。Nonparametric multi-dimensional scaling(NMDS)プロット(plots)はRのVerganパッケージを用いて表現し(Oksanen J, Kindt R, Legendre P, O'Hara B, Stevens MHH, Oksanen MJ, et al. The vegan package. Community ecology package 2007;10.)、距離はBray-Curtis方法を用いて測定した。グループ間の統計的意義はAdonis関数を用いて推定した。マイクロバイオームデータを用いた多変量関連分析(Multivariate association analysis)は、他のメタデータの影響を受けずホスト表現型(host phenotype)と関連した特定分類群(taxa)の識別のために線形モデル(MaAsLin)を用いた多変量関連(multivariate association)を用いて行った(Morgan XC, Tickle TL, Sokol H, Gevers D, Devaney KL, Ward DV, et al. Dysfunction of the intestinal microbiome in inflammatory bowel disease and treatment. Genome Biol 2012;13:R79.)。また、年齢、性別、およびBMIまたは糖尿病を固定変数に指定し、BenjaminiおよびHochbergのエラー発見率(false discovery rate,FDR)により調整されたp-valueが0.20より低い場合には関連率が有意であると考慮した。
【0066】
7)ROC曲線による有意な繊維症の予測
マイクロバイオーム基盤のバイオマーカーの繊維症予測能力を立証するために受信者操作特性曲線下面積(area under the receiver operating characteristic curve,AUROC)方法を用いた。本実験で確認された三個の科(family)水準のバクテリア、対象者の基本特性(年齢、性別およびBMI)およびFIB-4の相対的個体豊富度(relative abundance)をAUROCの入力として使用し、これらの因子の組み合わせをSPSS Ver.25.0(SPSS Inc., Armonk, NY, USA)で二元ロジスティック回帰(binary logistic regression)を使用して計算した。AUROC比較はMedCalc software Ver. 18.2.1(MedCalc Software BVBA, Ostend, Belgium)を使用してDeLong testで行った。
【0067】
2.実験結果
1)基本特性
生体検査としてNAFLD(NAFL,n=88;NASH,n=83)が立証された171名の対象者と31名の非-NAFLD対象者が含まれ、すべての対象者は二つのグループ(非-肥満、BMI<25;肥満、BMI≧25)に分け、各対象はNAFLDの組織学的スペクトルまたは繊維症によって三つの下位グループに分けた。表1および表2に臨床、代謝、生化学および組織学的プロファイルを含み、各グループの詳細な特性結果を示した。
【0068】
【表1】
【0069】
【0070】
【表2】
【0071】
【0072】
確認結果、NASHまたは有意な繊維症(F2-4)を持っている対象はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(aspartate aminotransferase,AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(alanine aminotransferase,ALT)および糖尿病マーカー(diabetic markers)の数値が肥満および非-肥満グループでいずれも数値が高かった。有意な繊維症を有する対象がNAFLD活性点数がさらに高く、NAFLDの組織学的分類面からさらに深刻な肝組織学(liver histology)を示した(表3および図7)。PNPLA3、TM6SF2、MBOAT7-TMC4、およびSREBF-2のような周知のNAFLD関連遺伝的変異を含み、各繊維症段階のより細部的な基準特性は表4に示した。
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
【0076】
【0077】
2)繊維症重症度による微生物群集(Microbial community)の変化観察
繊維症重症度によって微生物群集(Microbial community)の変化は非-肥満NAFLD対象および肥満NAFLD対象で異に示された。
【0078】
具体的には、NAFLDの組織学的スペクトルまたは繊維症重症度によって微生物多様性を比較した(図1)。アルファ多様性(alpha diversity)の比較のためにシャノン計量(Shannon metric)に基づいた希薄化曲線(rarefaction curves)をプロットし、ブレイ・カーチスディスタンス(Bray-Curtis distance)を基盤としたNMDSプロットをベータ多様性(beta diversity)のためにプロットした。確認結果、NAFLDの組織学的スペクトルまたは繊維症重症度によって階層化したグループ間のいかなる有意な変化も併合した対象から発見されなかった(図1a~1d)。
【0079】
BMI状態によって対象を二つのグループに分類した。非-肥満グループで、F1とF0の間はもちろん(p=0.0074)、F2-4およびF0の間で(p=0.0084)微生物多様性の有意な減少が観察された(図1e~1h)。その上、F0とF2-4の間の自明な集団化(clustering)が観察された(p=0.038)。肥満グループではNAFLDの組織学的分類または繊維症重症度によって階層化した群間の多様性に有意な変化はなかった(図1i~1l)。
【0080】
前記結果は壊死炎症活性度(necroinflammatory activity)より繊維症重症度が腸内マイクロバイオーム変化とより関連があり、基本的なBMI状態もまた、腸内マイクロバイオーム変化の原因になる重要な要素になり得ることを示す。
【0081】
3)繊維症-関連微生物分類群の増殖観察
繊維症-関連微生物分類群の増殖は非-肥満NAFLD対象で著しく示された。具体的には、非-肥満および肥満対象で繊維症重症度による特定微生物分類群の差を単変量および多変量分析(univariate and multivariate analyses)を用いて比較した(図2a~2dおよび2e~2h)。
【0082】
単変量分析で、通常口腔および小腸と大腸内で発見されるベイヨネラセエ(Veillonellaceae)の漸進的な増殖だけでなく、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)が非-肥満対象の繊維症重症度によって観察された。肥満対象では、リケネラセエ(Rikenellaceae)が漸進的に豊富になった。対照的に、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)の個体豊富度(abundance)は繊維症がさらに激しくなるにつれて相当減少したが、これは非-肥満対象でのみ発見された。この結果は相関関係プロット(correlation plots)で確認でき(図8)、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)とベイヨネラセエ(Veillonellaceae)は繊維症重症度と正の相関関係(それぞれp=1.09×10-4,p=2.44×10-3)を示すが、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)は逆の相関関係を示した。
【0083】
属(Genus)水準で、フィーカリバクテリウム(Faecalibacterium,Ruminococcaceae)、ルミノコッカス(Ruminococcus,Ruminococcaceae)、コプロコッカス(Coprococcus,Lachnospiraceae)、およびラクノスピラ(Lachnospira,Lachnospiraceae)は有意な繊維症グループで有意に大幅に減少したが、エンテロバクテリアセエ_その他(Enterobacteriaceae_Other (Enterobacteriaceae))とシトロバクター(Citrobacter)の個体豊富度は繊維症重症度に応じて少しずつ増加した。このような変化はもちろん非-肥満対象でのみ観察された。
【0084】
多変量分析(multivariate analysis)のために、MaAsLinを用いて年齢、性別およびBMIを調整した。エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)は非-肥満対象で繊維症重症度と有意に関連した豊富な集団(abundant family)であった(p=0.0108,q=0.214)(図2e~2h)。ファーミキューテス門(phylum Firmicutes)で、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)は肥満対象より非-肥満対象で相対的個体豊富度(relative abundance)の急な増加を示したが(非-肥満、p=0.0002,q=0.0195)、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)の個体豊富度は非-肥満対象で繊維症重症度と逆の相関関係を示した(p=0.0019,q=0.0908)。ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)の代表属であるルミノコッカス(Ruminococcus)も繊維症重症度に応じて有意な逆の相関関係を示した(p=0.0009,q=0.135)(図10a~10c)。また、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)およびエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)は非-肥満対象で血清遊離脂肪酸(serum free fatty acid,FFA)数値と有意な正の相関(それぞれq=0.178,q=0.118)を示したが、肥満対象ではそうではなかった(図9a~9e)。
【0085】
Adipo-IRおよび糖化ヘモグロビン(glycosylated hemoglobin,HbA1c)また、非-肥満対象でベイヨネラセエ(Veillonellaceae)の個体豊富度に応じて正の相関関係を示した(adipo-IR,q=0.142;HbA1c、q=0.157)。対照的に、血清FFA数値はルミノコッカス(Ruminococcus)の個体豊富度とすべての対象(q=0.0838)および非-肥満対象(q=0.0838)で逆の相関関係を示したが、肥満対象(q=1.00)ではそうではなかった。
【0086】
非-肥満対象でのこのような注目するほどのマイクロバイオームの変化がホスト遺伝子効果(host gene effect)と関連するかを明らかにするために、MaAsLinを用いてバクテリアとPNPL3、TM6SF2、MBOAT7-TMC4、およびSREBF-2の遺伝的変異の間の関連性を分析した。しかし、前記四つの遺伝的変異と三つのバクテリアとの有意な関連性を観察することはできなかった。アクチノミセス(actinomyces)のみが非-肥満対象でTM6SF2(C/T)(q=0.169)の少数対立因子(minor allele)が豊富にした(図11)。
【0087】
年齢、性別、およびBMIの三つの変数の他に、2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus,DM)の存在は微生物群集で一般的な変化に影響を及ぼすものとして良く知られている(Qin J, Li Y, Cai Z, Li S, Zhu J, Zhang F, et al. A metagenome-wide association study of gut microbiota in type 2 diabetes. Nature 2012;490:55-60.)。DMのための追加的な調整後、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)(p=0.00197,q=0.0616)およびフィーカリバクテリウム(Faecalibacterium)(p=0.00242,q=0.0707)はすべての対象でDMの存在と関連することを発見した(図12a~12d)。非-肥満対象でラクノスピラ(Lachnospira)(p=5.26×10-4,q=0.0676)の枯渇だけでなく、エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)に属するクレブシエラ(Klebsiella)(p=0.00339,q=0.141)の肥満対象での増殖もDM対象者で観察された。
【0088】
肥満および非-肥満対象で微生物要素(component)および腸内微生物叢(gut microbiota)ネットワーク特性間の相互作用を理解するために、繊維症重症度と関係した分類群(taxa)の同時発現を測定し、相対的個体豊富度を示した(図2i~2k)。
【0089】
その結果、非-肥満対象でベイヨネラセエ(Veillonellaceae)およびエンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)は、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)(それぞれrho=-0.275および-0.333)と逆の相関関係であり、プレボテラ科(Prevotellaceae)はバクテロイデス科(Bacteroidaceae)(rho=-0.391)と逆の相関関係を示した。しかし、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)/エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)の間の強い相互作用は肥満およびすべての対象で観察されなかった。特に、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)と繊維症重症度の間の相関関係は肥満対象およびすべての対象で目立たなかった。これは非-肥満対象での繊維症進行にその具体的な役割を暗示する。
【0090】
総合すれば、繊維症重症度による特定分類群の増殖は肥満グループより非-肥満グループでさらに目立つことを示す。
【0091】
4)非-肥満および肥満NAFLD対象の繊維症重症度による糞便代謝産物水準観察
非-肥満および肥満NAFLD対象は繊維症重症度による相異なる糞便代謝産物水準を有した。具体的には、腸内微生物叢と主に関連した糞便代謝産物を評価した。
【0092】
非-肥満および肥満対象の間の総胆汁酸(bile acid)プール(pool)の組成は多様で、非-肥満対象は増加した繊維症段階によって一次胆汁酸数値が増加した(図3a)。
【0093】
総糞便胆汁酸数値は有意な繊維症を有する非-肥満対象(F2-4)が繊維症がない対象(F0)より3倍さらに高かった(図3b~図3g)。特に、コール酸(cholic acid,CA)、ケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid,CDCA)、およびウルソデオキシコール酸(ursodeoxycholic acid,UDCA)数値は非-肥満対象で増加する繊維症重症度に応じて増加した(図3b~図3gおよび図13a~13e)。リトコール酸(Lithocholic acid,LCA)およびデオキシコール酸(deoxycholic acid,DCA)数値は有意な繊維症を有する肥満対象で有意に高く、リトコール酸のみパーセント表示以後に有意な向上を示した。
【0094】
三つのSCFAのうち、糞便のプロピオネート(propionate)数値は非-肥満対象で繊維症が激しくなるにつれて漸進的に増加し(非-肥満;p=0.0032,肥満;p=0.7979)、プロピオネート-生産バクテリアとして知られているベイヨネラセエ(Veillonellaceae)の量と有意な正の相関関係を示した(p=0.0155)(図3h~3j)。
【0095】
胆汁酸プロファイルと対照的に、糞便SCFAの有意な変化およびそのバクテリア分類群(bacterial taxa)との相関関係は非-肥満対象でのみ観察された(図4b)。SCFA-生産バクテリアで良く知られているルミノコッカス(Ruminococcus)(p=0.0189)、オスシロスピラ(Oscillospira)(p=1.57×10-4)およびデスルホビブリオ(Desulfovibrio)(p=9.76×10-4)は糞便のプロピオネート(propionate)数値と逆の相関関係を示した。繊維症重症度による糞便ブチレート(butyrate)数値の変化は非-肥満および肥満対象のすべてにおいて発見されず、ルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)の減少は糞便ブチレート数値に影響を与えなかった(非-肥満、p=0.597;肥満、p=0.109)。
【0096】
5)非-肥満および肥満NAFLDでのバクテリア分類群-代謝産物ネットワークパターン観察
バクテリア分類群-代謝産物ネットワークは非-肥満および肥満NAFLDで独特のパターンを示した。具体的には、繊維症重症度と肥満状態による腸内微生物叢要素を比較したとき、微生物叢群集の明確な変化は非-肥満対象でのみ観察された。その核心原因を探求するために、NAFLD-関連遺伝的変異(NAFLD-associated genetic variant)および腸内代謝産物分析を行った。
【0097】
前記結果に基づいて、分類群と代謝産物の同時発現を評価し、相互作用ネットワークを図4に示した。胆汁酸間の強い相互作用は非-肥満および肥満対象のすべてにおいて観察された。しかし、繊維症重症度によるバクテリア分類群と代謝産物の同時発現パターンは非-肥満対象と肥満対象で相異なった:非-肥満対象が肥満対象よりさらに著しい同時発現パターンを示した。
【0098】
興味深くも、一次胆汁酸は非-肥満および肥満対象すべてにおいて健康な腸の指標として知られているルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)およびリケネラセエ(Rikenellaceae)と逆の相関関係を有した。ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)はプロピオネートだけでなく一次胆汁酸とも正の相関関係を示した。胆汁酸は通常感染しやすいバクテリアの成長を調節したりまたは肥満状態と関係なく相対的に抵抗性のあるバクテリアを増殖させ得る潜在力を保有する。それにもかかわらず、腸内バクテリア分類群および糞便代謝産物と重症繊維症との相関関係が肥満対象より非-肥満NAFLD対象でより目立った。
【0099】
6)微生物叢および代謝産物の組み合わせによる非-肥満対象のNAFLD予測
微生物叢-代謝産物の組み合わせは非-肥満NAFLD対象で有意な繊維症を正確に予測した。具体的には、腸内微生物叢と関連糞便代謝産物の繊維症-予測バイオマーカーとしての効用性を評価するために、有意な繊維症を予測するためのAUROCを比較した(図5aおよび図5b)。
【0100】
エンテロバクテリアセエ(Enterobacteriaceae)、ベイヨネラセエ(Veillonellaceae)、およびルミノコッカセエ(Ruminococcaceae)が最も代表的であり、有意な繊維症関連バクテリア分類群として選ばれた。図5aに示すように、有意な繊維症を予測するための組合わせたバクテリアマーカーは非-肥満対象で0.824のAUROCを算出した(すべての対象は0.661;肥満対象は0.584)。
【0101】
また、ベイヨネラセエ科に属するメガモナス(Megamonas)とルミノコッカセエ科に属するルミノコッカス(Ruminococcus)を選定した。図5bに示すように、有意な繊維症を予測するためのAUROCは0.718に算出された(すべての対象は0.673;肥満対象は0.648)。
【0102】
繊維症-関連代謝産物として四つの糞便代謝産物(コール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、およびプロピオネート)を選択し、四つの代謝産物の組み合わせは非-肥満対象で0.758のAUROCとして有意な繊維症を予測した(すべての対象は0.505;肥満対象は0.520)。
【0103】
科水準のバクテリアマーカーに腸内代謝産物の付加時図5aに示すように0.977の改善されたAUROCで予測能力が顕著に向上した(すべての対象は0.786;肥満対象は0.609)。また、属水準のバクテリアマーカーに腸内代謝産物の付加時図5bに示すように0.955の改善されたAUROCに向上した(すべての対象は0.590;肥満対象は0.636)。前記新規の微生物叢-代謝産物バイオマーカーの予測力はNAFLDの非侵襲性バイオマーカーとして広く使用されるFIB-4より顕著に高かった。
【0104】
前記結果はNAFLD対象で有意な繊維症を予測するための、識別された腸内バクテリア分類群(bacterial taxa)および糞便代謝産物の組み合わせの診断正確度が肥満対象でより非-肥満対象で顕著に高いことを証明し、肥満および非-肥満NAFLD群の間の特定バクテリア分類群および大腸代謝産物数値の明らかな差を確認することができた。このような結果は非-肥満NAFLDの発病を説明する危険因子として腸内マイクロバイオームの重要性だけでなく、非-肥満NAFLDで有意な繊維症のための非侵襲性バイオマーカーとしての新規のマイクロバイオーム-代謝産物組み合わせの診断上の適用の重要性を強調する。
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図1-2】
図1-3】
図1-4】
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図4-2】
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図9-3】
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図10-2】
図10-3】
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図12-1】
図12-2】
図12-3】
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図13-2】
図13-3】