(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】レーザ接続モジュール
(51)【国際特許分類】
H01S 5/024 20060101AFI20240607BHJP
H01S 5/02208 20210101ALI20240607BHJP
【FI】
H01S5/024
H01S5/02208
(21)【出願番号】P 2022513577
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 ES2019070707
(87)【国際公開番号】W WO2021074460
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】522075092
【氏名又は名称】モノクロム エス.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス サンミゲル,ルイス ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】オリアチ フォント,カルレス
(72)【発明者】
【氏名】フランコ ブラナス,ジャーマン
(72)【発明者】
【氏名】パトリシオ フレスケット,エセキエル
(72)【発明者】
【氏名】サフォント キャンプルビ,ジェンマ
(72)【発明者】
【氏名】カルボネール サンロマ,エドアルド
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04315225(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0200636(US,A1)
【文献】特表2014-531750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反対の電源極で交互の順に接続された、いくつかの重ねられた電極(2)と、連続した前記電極(2)の対向した表面間に接触して取り付けられた、少なくとも1つのレーザダイオード(4)と、前記電極(2)及び前記レーザダイオード(4)のアセンブリを互いに締め付けるための手段と、を備えるレーザ接続モジュールであって、
前記レーザ接続モジュール(1)は、
前記レーザダイオード(4)の光放射ゾーンによって画定された空間を区切り、かつ重ねられた前記電極(2)及び前記レーザダイオード(4)のアセンブリを収容するのに好適な、外部構造体(5)と、
前記外部構造体(5)の第1の端部に画定されたネジ山付き穴(55)に取り付けられた、スタッド(60)を備え、前記電極(2)及び前記レーザダイオード(4)のアセンブリを、前記構造体(5)の反対側における第2の端部に対して押圧し、それらの定着、及び前記レーザダイオード(4)の、連続した前記電極(2)との相互接触を実現する、締付手段(6)と、
前記締付手段(6)、及び前記締付手段(6)に最も近い端部の前記電極(2)の間に配置された、中間防護プレート(50)と、を備える、モジュールであって、
前記外部構造体(5)は、
前記構造体の第1の端部を形成する、上部分(a)と、
前記構造体の第2の端部を形成する、下部分(b)と、
前記上部分及び前記下部分を平行位置に定着させる手段であって、
前記上部分(a)と前記下部分(b)を、前記上部分(a)と前記下部分(b)との間に、前記電極(2)及び前記レーザダイオード(4)のアセンブリ
を収容するための好適な距離で垂直方向に離隔する、手段と、を備える、
ことを特徴とする、モジュール。
【請求項2】
前記構造体(5)の前記上部分(a)及び前記下部分(b)を定着させる前記手段は、定着ネジ(51)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記定着させる手段は、前記構造体(5)の前記上部分(a)と前記下部分(b)との間に配置され、かつ前記定着ネジ(51)に取り付けられた、管状スペーサ(56)を備えることを特徴とする、請求項2に記載のモジュール。
【請求項4】
前記レーザ接続モジュール(1)は、連続した前記電極(2)を垂直方向に整合させるための手段であって、連続した前記電極において、及び前記構造体の前記上部分(a)及び前記下部分(b)のうち少なくとも一方に、整合された垂直穴に収容されたピン(8)で構成された、手段を備えることを特徴とする、請求項2または3に記載のモジュール。
【請求項5】
前記レーザダイオード(4)は、前記電極(2)の前端部間に配置され、前記モジュール(1)は、前記電極(2)の連続した後端部間に位置され、前記レーザダイオード(4)と同様の厚さの、電気絶縁スペーサ(3)を備えることを特徴とする、請求項2または3に記載のモジュール。
【請求項6】
前記締付手段(6)は、前記電極(2)の前端部を、前記レーザダイオード(4)に対して押圧する前部スタッド(60)と、前記電極(2)の後端部を、前記電気絶縁スペーサ(3)に対して押圧する後部スタッド(61)と、を備えることを特徴とする、請求項5に記載のモジュール。
【請求項7】
前記構造体(5)の前記上部分(a)及び前記下部分(b)を定着させる前記手段は、誘導柱(57)を備え、前記誘導柱(57)は、前記上部分(a)と前記下部分(b)との間に配置され、それらの端部においてネジ(58)によって、前記上部分及び下部分に対して定着されることを特徴とする、請求項1に記載のモジュール。
【請求項8】
前記電極(2)は、その外形に凹部(21)を有し、前記凹部は、前記誘導柱(57)の断面の一部に対して相補的な構造で、かつ
、電気絶縁スペーサ(3)を使用することなく前記誘導柱間の摺動要素として、前記電極(2)の組立のために好適な構成であり、前記誘導柱(57)は、前記構造体(5)の前記上部分(a)及び前記下部分(b)を離隔するための手段、ならびに前記電極(2)を垂直方向に整合させるための手段、を同時に形成することを特徴とする、請求項7に記載のモジュール。
【請求項9】
前記締付手段(6)を形成する前記スタッド(60)は、前記電極(2)及び前記レーザダイオード(4)のアセンブリに対して中央位置に配置されることを特徴とする、請求項7または8に記載のモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明という表現で表わされる本発明は、構造的かつ構成的特性を提供するレーザ接続モジュールに関連する。それは、出願分野内の技術分野における現在の状況を大幅に改善するものであり、以下で詳細に説明する。
【0002】
より詳細には、本発明の目標は、電気接続のため、及びレーザダイオードと、対応したスペーサ間に連続して積み重ねられた電極との間の熱接触のための、定着デバイスとして働くよう意図された、モジュールのタイプに焦点を合わせる。それは、冷却流体の循環のための内部導管を有することができ、一方ではその構成要素全体を共に定着させ、かつ保持すること、他方ではこのような電気接続が安全となるように、締付力の制御された適用がレーザダイオードに直接かかり、かつ電極とダイオードとの間の電気接触及び熱接触を保証するよう接すること、を可能にする、改善された構造的構成を有する利点を伴う。
【0003】
ここで、本発明の出願分野は、レーザ技術装置のためのデバイス及び構成要素を製造することに特化した産業部門内で構成される。
【背景技術】
【0004】
現在公知のタイプ、及び本明細書で言及されるレーザモジュールのいくつかにおいて、チップまたはバーとも呼ばれるレーザダイオードは、いくつかの課題を提起する溶接によって、電極の少なくとも1つに取り付けられてきた。
【0005】
主な課題は、レーザチップを、極端な精度で位置付けなければならないことである。そのためその端部は、前述の電極に接合することになる溶接接続部が、エピタキシに達しないように、電極端部から8~10ミクロン突出する。なぜなら達した場合、レーザモジュールは欠陥となるからである。
【0006】
電極、及びこの電極の溶接接続部に対して、レーザチップを許容可能な精度で正確に位置付けるために、マイクロロボット及び他の高精度デバイスが必要とされ、非常に多くの投資を必然的に伴ってきた。
【0007】
加えて、レーザチップの溶接接続部は、その後の位置の調整、または失敗した場合の交換ができない。
【0008】
別の課題は、レーザチップ及び溶接接合部と、電極との間の膨張率の差が、レーザチップを改質させ、チップを湾曲させる可能性をもたらすことであった。
【0009】
この課題を克服するために、特許文献の米国特許第5978396号明細書は、各々が少なくとも1つの活性領域を有する半導体レーザダイオードの積み重ねを含む、半導体レーザ源を記載している。活性領域は、オーミック接触層と基体との間に位置された一連の半導体層を含み、それはオーミック接触層の機能も想定される。圧力は、ダイオードのオーミック接触層を介して、ダイオードを互いに接触させ続ける。各ダイオードは、各ダイオードの過渡的加熱を可能な限り低くして、それによって積み重ねが可能なダイオードの平均加熱が所定の値を超過しないような寸法、特に厚さを有する。
【0010】
特許文献の米国特許第6151341号明細書は、積み重ね可能な統合ダイオードパックを記載している。そこでは、レーザ要素によって放出された熱を吸収するよう構成された、レーザ要素の積み重ねが、それらの補修及び/または交換、ならびに試験を可能にするよう提案される。このアセンブリは、レーザ要素を冷却するための冷却液が通過するための空洞を有する、セルを備える。これらのセルは、個々の試験のために個々に構築することができ、その後共に積み重ねて、容易な交換のために、取り外し可能に固定される。
【0011】
これらセルの空洞は、実質的に連続した空洞を形成し、これらを通して、冷却液はアセンブリ全体を出入りする。セルの空洞は、上述のレーザ要素を冷却するために、実質的にレーザ要素に隣接した領域に冷却液の流れを促進させる、領域及び表面を含む。
【0012】
特許文献の米国特許第6245589号明細書は、平面光源を冷却するためのデバイスの製造を記載している。それは、複数の金属プレートの積み重ねを使用し、アームまたは開口部を伴う溝付きパターンを伴い形成された、レーザダイオードのアレイを冷却するためのデバイスを含む。溝付きパターンは、上記のレーザダイオードのための冷却水用循環経路として作用する。
【0013】
そして、これらのソリューションを改善した、特許所持者が本発明の出願者である、特許文献のスペイン国発明特許第2191559号明細書は、レーザ接続モジュールを提案しており、それは:双方が互いに対向し、かつ反対極で交互の順に接続された、電極;電極が直接接触すること、及びそれらの短絡を防止するために、電極の対向した表面間に配置された、絶縁スペーサ;上述の電極が対向した表面間に接触して取り付けられた、レーザチップ;ならびに双方が互いに対向した電極を共に引き抜く役割りを有し、電極間に位置付けられたレーザチップとの接触を保証し、上記のレーザチップへの電源及び発生した熱の分散を保証する、締付手段、を備える。
【0014】
この発明において、前述の締付手段は、電極に作用する、貫通穴に取り付けられたたネジ、及び絶縁スペーサ、ならびに対応したナットから構成される。ナットは、上記のネジに通され、ネジの頭部及びナットは、レーザモジュールにおける端部位置を占有する2つの電極の外面に、直接作用する。
【0015】
このレーザモジュールが、ダイオードと電極との間の堅固な接続を保証する上述の課題を効果的に解決し、電極の容易な調整及び/または交換を可能にするが、改善されるべき特定の課題がある側面を有する。詳細には、欠点の1つは、締付領域におけるネジ頭部及びそれぞれのナットが、電極に直接作用するために、端部電極が損傷するリスクである。一方では、これらの電極が、銅などの比較的軟質の導電性材料で作られることを考慮に入れ、他方では、電極の断面が、ネジを取り付けるために作られた穴によって、上記の締付領域において減少されることを考慮に入れる。
【0016】
特許文献のスペイン国発明特許第2191559号明細書で開示された発明の、さらなる欠点は、上端部及び下端部の電極が露出され、考えられる偶発的な衝撃に対する防護要素が全くないことであり、それは、レーザモジュールの損傷リスクを増加させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】米国特許第5978396号明細書
【文献】米国特許第6151341号明細書
【文献】米国特許第6245589号明細書
【文献】スペイン国発明特許第2191559号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって本発明の目標は、モジュールの全ての積み重ねられた構成要素の間で、正確な定着を実施し、端部電極を防護してそれらを偶発的な衝撃に曝すことなく、かつ締付要素のネジ及びナットが電極端部に直接作用せずに、それらの損傷を防止するのを保証する、改善されたレーザモジュールを提供することである。
【0019】
本出願者は、本発明と同様の技術的、構造的、及び機能的特性を有するいかなる先行技術の存在も知らない。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の主題であり、特許請求項1に記載された技術的特性を伴うレーザ接続モジュールは、上述の欠点を十分に解決する。
【0021】
詳細には、本発明のレーザ接続モジュールは、レーザダイオードと、交互に積み重ねられた電極及びレーザダイオードとの間の電気接続を利用するタイプであり、冷却流体を循環させるための内部導管を設けることができる。
【0022】
このレーザ接続モジュールは、その構成要素を全て定着させて共に維持するのを可能にする技術的特性を有し、同時に端部電極に対する防護を提供し、それらを偶発的な衝撃による損傷、または締付ネジ及びナットが電極端部に直接作用することによる損傷を防止する。締付ネジが、レーザダイオードの電源電極を貫通することはない。
【0023】
より具体的には、このレーザ接続モジュールは、特許請求項1のプリアンブルに記載されたタイプであり:反対の電源極で交互の順で接続された、いくつかの重ねられた電極;連続した電極の対向した表面間に接触して取り付けられた、少なくとも1つのレーザダイオード;ならびに、電極及びレーザダイオードのアセンブリを共に締め付けるための手段、を備える。
【0024】
本発明によると、提案した目標を実現するために、このレーザ接続モジュールは:
-レーザダイオードの光放射ゾーンによって画定された空間を区切り、かつ交互の順に重ねられたレーザダイオード及び電極のアセンブリを収容するのに好適な、外部構造体と、
-この構造体の第1の端部に取り付けられ、電極及びレーザダイオードのアセンブリを、この構造体の反対側における第2の端部に対して押圧し、それらの定着、及びレーザダイオードの、連続した電極との相互接触を実現する、締付手段と、
-締付手段、及びこの締付手段に最も近い電極端部の間に配置された、中間防護プレートと、
を備える。
【0025】
上記の外部構造体は、この構造体の第1の端部を形成する上部分と、この構造体の第2の端部を形成する下部分と、この上部分及び下部分を平行位置に、上部分と下部分との間の電極及びレーザダイオードのアセンブリを、余裕をもって収容するための好適な距離で垂直方向に離隔して定着させるための手段と、を備える。それによって、締付手段は、電極及びレーザダイオードのアセンブリを、構造体の下部分に対して押圧する役割りを担う。
【0026】
外部構造体は、電極及びレーザダイオードのアセンブリに適切な防護を提供し、その一方で、電極及びレーザダイオードのアセンブリを、構造体の下部分すなわち第2の端部に対して押圧する役割りを担う締付手段の支持として働き、この締付手段は、上述のアセンブリ要素のいずれも貫通せず、すなわち脆弱化させない。
【0027】
締付手段は、ネジ山付き穴に取り付けられた締付スタッドを備え、これらの穴は、構造体の上部分すなわち第1の端部において、この目的のために画定される。
【0028】
次に、締付スタッドと、それらに最も近い上部電極との間に配置された、中間プレートは、抵抗材料で作られる。それは電極よりも固く、その機能は、締付スタッドを締め付ける間に、締付スタッドが上部電極を損傷させるのを防止することである。
【0029】
構造体の上部分及び下部分を定着させるための手段は、様々な構成を有することができ、それは、定着ネジ;または上部と下部との間に配置され、定着ネジに取り付けられた、管状スペーサ;または上部分と下部分との間に配置され、それらの端部において上部分及び下部分に定着された、誘導柱、から構成される。いずれの場合も、この定着手段は、電極及びレーザダイオードのアセンブリを余裕をもって収容するために、構造体の上部分と下部分との間の適切な分離を保証する。
【0030】
レーザ接続モジュールは、連続した電極を垂直方向に整合させる手段を含む。それは、構造体を定着させるための手段に依存し、その目的のために連続した電極に作られた垂直穴に収容されるピン、またはそれら自体の誘導柱から構成される。この第2の場合において、電極は、誘導柱の断面の部分に対して相補的な構成で、かつ電極のアセンブリに好適な、これらの誘導柱間の摺動要素としての凹部を、その外形に有する。これらの誘導柱は、構造体の上部分及び下部分を分離するための手段と、電極を垂直に整合させるための手段と、を同時に形成する。
【0031】
本発明の1つの実施形態において、レーザダイオードは、電極のいくつかの前端部間に配置される。モジュールは、連続した電極の後端部間に位置され、レーザダイオードと同様の厚さの、電気絶縁スペーサを備える。これらのスペーサは、連続した電極が互いに接触して短絡を起こすのを防止する。
【0032】
モジュールのこの実施形態において、締付手段は、電極の前端部をレーザチップに対して締め付ける前部スタッドと、電極の後端部を電気絶縁スペーサに対して締め付ける後部スタッドと、を備える。これら前部及び後部スタッドは、電極のそれぞれの端部における締め付けを安定させる。
【0033】
作成された説明を補完するため、及び本発明の特性のより良好な理解を提供するために、本明細書の説明は、本明細書の一体部分として図面を伴う。これらは以下で、例示及び非限定の目的のために示される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】単一のレーザダイオードが設けられた、本発明の主題であるレーザ接続モジュールの実施形態例の分解組立斜視図である。
【
図2】一旦組み立てられた、
図1のレーザ接続モジュールの斜視図である。
【
図3】組み立てられた状態にある、前図のレーザ接続モジュールの正面図である。
【
図4】組み立てられた状態にある、前図のレーザ接続モジュールの側面図である。
【
図5】組み立てられた状態にある、前図のレーザ接続モジュールの上面図である。
【
図6】それぞれの電極と交互にされた複数のレーザダイオードを含む、本発明によるレーザ接続モジュールの、第1の実施形態における変形の分解組立斜視図である。
【
図7】一旦組み立てられた、
図6のレーザ接続モジュールの斜視図である。
【
図8】構造体が、上部分及び下部分を定着させるため、かつ電極を垂直方向に整合させるための手段の一部である誘導柱を含んだ、レーザ接続モジュールの実施形態における変形の分解組立斜視図である。
【
図9】一旦組み立てられた状態にある、
図8のレーザ接続モジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
前述の図面を考慮して、かつ採用した番号付けにより、以下で詳細に示し説明する部品及び要素を備えた推奨するレーザ接続モジュールの、2つの非限定の実施形態例が確認できる。
【0036】
図1~
図5に示される実施形態例において、レーザ接続モジュール(1)は:電源の反対極で交互の順で接続された電極(2);電極(2)が直接接触すること及び短絡を防止するために、連続した電極(2)の対向した表面間に配置された、スペーサ(3);対応したスペーサ(3)によって自由に残された領域で、連続した電極(2)の対向した表面間に接触して取り付けられた、レーザダイオード(4);ならびに、電極(2)及びレーザダイオード(4)のアセンブリを互いに締め付けるための、締付手段(6)、を備える。
【0037】
スペーサ(3)は、電極(2)の対向した表面よりも小さい表面を有する。
【0038】
本発明によると、モジュール(1)は、レーザダイオード(4)の光放射ゾーンによって画定された空間を区切り、かつ電極アセンブリ(2)及びレーザダイオード(4)を収容するのに好適な、外部構造体(5)を備える。締付手段(6)は、構造体(5)の第1の端部に取り付けられ、電極(2)及びレーザダイオード(4)のアセンブリを、構造体の反対側における第2の端部に対して押圧し、レーザダイオード(4)の、連続した電極(2)との定着及び相互接触を実現する。
【0039】
モジュール(1)は、締付手段(6)と、締付手段(6)に最も近い端部電極(2)との間に、端部電極(2)を防護するための中間プレート(50)を備える。
【0040】
外部構造体(5)は:構造体(5)の第1の端部を形成し、かつスタッド(60)が取り付けられて締付手段(6)の一部を形成するネジ山付き穴(55)が設けられた、上部分(a);構造体(5)の第2の端部を形成する下部分(b);ならびに、上部分(a)及び下部分(b)を平行位置に定着させ、かつ上部分と下部分との間に、電極及びレーザダイオードのアセンブリを余裕をもって収容するための好適な距離で垂直方向に離隔させる手段、を備える。
【0041】
この第1の実施形態において、外部構造体(5)の上部分(a)及び下部分(b)を定着させるための手段は、定着ネジ(51)を備える。定着ネジ(51)は、ワッシャ(54)の挿入と共に、上部分(a)に画定された貫通穴(52)に取り付けられ、かつ下部分(b)のネジ山付き穴(53)の中に挿入され、外部構造体(5)の、上部分(a)と下部分(b)との間の空隙を調整することを可能にする。
【0042】
モジュール(1)は、電極(2)の電源の配線(図示せず)をするためのコネクタ(7)と、冷却製品の循環のための内部導管(10)とを有する。
【0043】
この実施形態において、モジュール(1)は、連続した電極(2)を垂直方向に整合させる手段を含み、ピン(8)で構成される。それは、連続した電極(2)、ならびに外部構造体(5)の上部分(a)及び下部分(b)において、この目標のために作られた垂直穴に収容される。封止部(9)は、漏洩を防止するために、これらの要素間に挟まれる。
【0044】
上記の実施形態において、レーザダイオード(4)は、電極(2)の前端部間に配置される。スペーサ(3)は、電気絶縁し、レーザダイオード(4)と同様な厚さであり、連続した電極(2)の後端部間に配置される。
【0045】
この特定の実施形態において、締付手段は、電極(2)の前端部をレーザダイオード(4)に対して押圧する前部スタッド(60)と、電極(2)の後端部を電気絶縁するスペーサ(3)に対して押圧する後部スタッド(61)と、を備える。
【0046】
図6及び
図7に示される第1の実施形態の変形において、レーザ接続モジュールは、上述と同様の構成を有し、この場合は交互の順で積み重ねられた、多くの数の電極(2)及びレーザダイオード(4)を組み入れる。
【0047】
この実施形態において、構造体(5)の上部分(a)及び下部分(b)を定着させるための手段は、管状スペーサ(56)を備える。管状スペーサ(56)は、上部分(a)と下部分(b)との間に配置され、定着ネジ(51)に取り付けられる。管状スペーサ(56)は、上部分(a)と下部分(b)との間の分離を確定する、精確なものである。
【0048】
図8及び
図9において、構造体(5)の上部分(a)及び下部分(b)を定着させる手段は、誘導柱(57)を備える。誘導柱(57)は、上部分(a)と下部分(b)との間に配置され、それらの端部において、上部及び下部分に対するネジ(58)によって定着される。
【0049】
この実施形態において、電極(2)は、その外形に凹部(21)を有する。この凹部は、電極(2)の取り付けに好適であり、誘導柱間の摺動要素として、誘導柱(57)の断面の一部に対して相補的な構成である。誘導柱(57)は、構造体の上部分(a)及び下部分(b)を分離するための手段と、電極(2)を垂直方向に整合さえるための手段と、を同時に形成する。
【0050】
これらの誘導柱(57)の使用は、前の実施形態に対して有利である。なぜならそれは、ピン(8)及びスタッド(60)の配置を排除でき、電極(2)及びレーザダイオード(4)のアセンブリに対して中央位置で締付手段(6)を形成し、電気絶縁スペーサ(3)の使用、及び電極(2)をスペーサ(3)に対して押圧するための、スタッド(61)の第2のセットの使用、を回避するからである。
【0051】
本発明の性質を十分に説明し、かつ好ましい実施形態の例を与えた。それによって、以下で請求する本発明の基本的な特徴を変更しない限り、説明した要素の材料、形状、サイズ、及び配置が変更され得る、適切な目標が記載される。