IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 上海汽▲車▼集▲團▼股▲フン▼有限公司の特許一覧

特許7499882差動信号双方向アイソレーション通信回路及び方法
<>
  • 特許-差動信号双方向アイソレーション通信回路及び方法 図1
  • 特許-差動信号双方向アイソレーション通信回路及び方法 図2
  • 特許-差動信号双方向アイソレーション通信回路及び方法 図3
  • 特許-差動信号双方向アイソレーション通信回路及び方法 図4
  • 特許-差動信号双方向アイソレーション通信回路及び方法 図5
  • 特許-差動信号双方向アイソレーション通信回路及び方法 図6
  • 特許-差動信号双方向アイソレーション通信回路及び方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】差動信号双方向アイソレーション通信回路及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/02 20060101AFI20240607BHJP
【FI】
H04L25/02 303Z
H04L25/02 J
H04L25/02 V
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022568434
(86)(22)【出願日】2020-05-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 CN2020089878
(87)【国際公開番号】W WO2021226847
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】520512915
【氏名又は名称】上海汽▲車▼集▲團▼股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SAIC MOTOR CORPORATION LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陸 珂偉
(72)【発明者】
【氏名】李 驥
(72)【発明者】
【氏名】陳 文迪
(72)【発明者】
【氏名】林 美愛
(72)【発明者】
【氏名】李 洋
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-260516(JP,A)
【文献】米国特許第05528688(US,A)
【文献】特開2006-311223(JP,A)
【文献】特開2003-209640(JP,A)
【文献】国際公開第98/044687(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
差動信号双方向アイソレーション通信回路であって、
第1の方向からの第1の差動対を受信し、前記第1の差動対を第1のレベル信号に変換し、コモンモード干渉を抑制するための第1の検波回路と、
第1の方向とは反対の方向である第2の方向からの第2の差動対を受信し、前記第2の差動対を第2のレベル信号に変換し、コモンモード干渉を抑制するための第2の検波回路と、
前記第1の検波回路と前記第2の検波回路との間に設置され、第2のレベル信号を第1のレベル信号から分離するためのアイソレーション調整回路と、
前記第1の差動対及び前記第2の差動対の少なくとも1つに従ってウェイクアップされ、前記差動信号双方向アイソレーション通信回路を第1のモードから第2のモードに移行させるためのウォッチドッグ回路であって、双方向アイソレーション通信回路は、第2のモードより低い電流の第1のモードで動作するウォッチドッグ回路と、
を含むことを特徴とする回路。
【請求項2】
前記アイソレーション調整回路は、
前記第2の方向からの入力信号に基づき、前記第1の検波回路を駆動するための第1の駆動回路と、
前記第1の方向からの入力信号に基づき、前記第2の検波回路を駆動するための第2の駆動回路と、
前記第1の検波回路に接続されて、前記第1のレベル信号を第1の高周波信号に変換するための第1の調整回路と、
前記第2の検波回路に接続されて、前記第2のレベル信号を第2の高周波信号に変換するための第2の調整回路と、
前記第1の駆動回路に接続されて、前記第1の駆動回路に入力され第3のレベル信号を第3の高周波信号に変換するための第3の調整回路と、
前記第2の駆動回路に接続されて、前記第2の駆動回路に入力され第4のレベル信号を第4の高周波信号に変換するための第4の調整回路と、
前記第1の調整回路と前記第4の調整回路との間に接続される第1のアイソレーション装置と、
前記第2の調整回路と前記第3の調整回路との間に接続される第2のアイソレーション装置と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の回路。
【請求項3】
第1のモードで電力を取得し、前記ウォッチドッグ回路をウェイクアップするためのウェイクアップ回路をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の回路。
【請求項4】
前記第2の差動対と前記ウェイクアップ回路との間に接続されており、前記第1の差動対及び/又は前記第2の差動対が存在する場合、前記ウェイクアップ回路によって前記ウォッチドッグ回路をウェイクアップするための第3のアイソレーション装置をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の回路。
【請求項5】
前記第1のアイソレーション装置及び/又は前記第2のアイソレーション装置及び/又は前記第3のアイソレーション装置は、高電圧アイソレーションであることを特徴とする請求項4に記載の回路。
【請求項6】
前記ウォッチドッグ回路がウェイクアップされた場合、前記差動信号双方向アイソレーション通信回路に第1の電力を供給して、さもなければ、前記差動信号双方向アイソレーション通信回路に第2の電力を供給するための電源装置であって、第2の電力は第1の電力より低い電源装置をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の回路。
【請求項7】
前記電源装置は、
前記差動信号双方向アイソレーション通信回路に通常電力を供給して第2のモードに移行させるためのワイド入力リニア電圧レギュレータと、
前記差動信号双方向アイソレーション通信回路に低消費電力を供給して第1のモードに移行させるための低消費電力リニア電圧レギュレータと、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の回路。
【請求項8】
前記電源装置は、前記差動信号双方向アイソレーション通信回路の他方側の双方向アイソレーション通信回路に電力を供給するための二次側回路モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の回路。
【請求項9】
前記第1の検波回路の2つの入力端の間に接続され、第1の検波回路の2つの入力端で第1の差動対を形成するための第1の抵抗と、
前記第2の検波回路の2つの入力端の間に接続され、第2の検波回路の2つの入力端で第2の差動対を形成するための第2の抵抗と、
をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の回路。
【請求項10】
前記第1の検波回路及び/又は前記第2の検波回路は、2段差動増幅回路であり、前記2段差動増幅回路は、第1のアンプ及び第2のアンプからなる2つのフォロワ回路、バイアス回路及び演算アンプを含
ことを特徴とする請求項9に記載の回路。
【請求項11】
差動信号双方向アイソレーション通信方法であって、
第1の方向からの第1の差動対を受信し、前記第1の差動対を第1のレベル信号に変換し、コモンモード干渉を抑制することと、
第1の方向とは反対の方向である第2の方向からの第2の差動対を受信し、前記第2の差動対を第2のレベル信号に変換し、コモンモード干渉を抑制することと、
前記第1の差動対及び前記第2の差動対の少なくとも1つに従って双方向アイソレーション通信回路をウェイクアップし、双方向アイソレーション通信回路を第1のモードから第2のモードに移行して、第2のレベル信号を第1のレベル信号から分離することであって、双方向アイソレーション通信回路は、第2のモードより低い電流の第1のモードで動作することと、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施例は、電子差動通信の技術分野に関し、特に、差動信号双方向アイソレーション通信回路及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の電子差動通信に強力な干渉防止能力を持たせるために、CANバス、デイジーチェーンなどはいずれも差動信号を情報の双方向伝送に使用する。新エネルギー車又は他の新エネルギー高圧エネルギー貯蔵システムでは、バッテリ電圧が400V以上と高いため、高電圧の安全性及び通信品質の要件により、ECU間の通信又はECU内の異なる電圧レベルの一部の回路間の通信は、いずれもアイソレーション対策を採用する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
磁気結合アイソレーションチップや容量結合アイソレーションチップなど、アイソレーション通信を実現できるデバイスは数多く市場に出回っており、このタイプのチップは、電磁干渉にある程度の抑制能力を備えており、単一レベルの信号アイソレーションを実現できるが、CANやデイジーチェーンなどの差動信号アイソレーションには使用できない。低電圧差動信号伝送(LVDS)は、高性能コンバーター及び高帯域幅FPGA又はASICI/Oでよく使用される高速インターフェースである。差動信号伝送は、外部電磁干渉(EMI)に強力な抑制能力を有するが、例えばアイソレーションチップの入力差動振幅は、比較的低く、一般に0.5V以下であり、入力電圧範囲は2.5V未満であり、チップは、高速通信を実現するために、差動アンプを低スイング、低電流の対応回路として設計するが、CAN及びデイジーチェーンの4.5Vから5Vの入力電圧範囲には適応できない。差動信号のアイソレーション対策のもう1つの一般的な解決策は、通信トランスや高電圧コンデンサなどのパッシブデバイスを使用することである。コンデンサは、ホットプラグプロセスで短絡として機能するため、バッテリセル管理チップなどのデバイスに、より高い電気的ストレスに耐えるようにする。また、エネルギーの制限により、通信距離が制限されるので、ボード内通信適用のみが推奨される。ボード間の通信アイソレーションによく使用される通信トランスは、現在の加工技術制限で、自動的に大量生産することができず、通信トランスの故障率は、他の電子素子よりもはるかに高くなり、システムの機能に影響を与える。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、本出願の実施例は、従来技術の欠陥を克服するために、差動信号双方向アイソレーション通信回路及び方法を提供する。
【0005】
本出願の実施例は、差動信号双方向アイソレーション通信回路を提供し、第1の方向からの第1の差動を受信し、前記第1の差動を第1のレベル信号に変換し、コモンモード干渉を抑制するための第1の検波回路と、第1の方向とは反対の方向である第2の方向からの第2の差動を受信し、前記第2の差動を第2のレベル信号に変換し、コモンモード干渉を抑制するための第2の検波回路と、前記第1の検波回路と前記第2の検波回路との間に設置され、通信アイソレーションを実行するためのアイソレーション調整回路と、前記第1の差動及び/又は前記第2の差動に従ってウェイクアップされ、前記双方向アイソレーション通信回路が第1のモードから第2のモードに移行して通信アイソレーションを実行することを可能にするためのウォッチドッグ回路と、を含む。
【0006】
本出願の実施例の特定の実現では、前記アイソレーション調整回路は、第2の方向からの入力信号に基づき、前記第1の検波回路を駆動するための第1の駆動回路と、第1の方向からの入力信号に基づき、前記第2の検波回路を駆動するための第2の駆動回路と、前記第1の検波回路に接続して、前記第1のレベル信号を第1の高周波信号に変換するための第1の調整回路と、前記第2の検波回路に接続して、前記第2のレベル信号を第2の高周波信号に変換するための第2の調整回路と、前記第1の駆動回路に接続して、前記第1の駆動回路に入力された第3のレベル信号を第3の高周波信号に変換するための第3の調整回路と、前記第2の駆動回路に接続して、前記第2の駆動回路に入力された第4のレベル信号を第4の高周波信号に変換するための第4の調整回路と、前記第1の調整回路と前記第4の調整回路との間に接続されるための第1のアイソレーション装置と、前記第2の調整回路と前記第3の調整回路との間に接続されるための第2のアイソレーション装置とを含む。
【0007】
本出願の実施例の特定の実現では、第1のモードで電力を取得し、前記ウォッチドッグ回路をウェイクアップするためのウェイクアップ回路をさらに含む。
【0008】
本出願の実施例の特定の実現では、前記第2の差動と前記ウェイクアップ回路との間に接続されており、前記第1の差動及び/又は前記第2の差動対が存在する場合、前記ウェイクアップ回路によって前記ウォッチドッグ回路をウェイクアップするための第3のアイソレーション装置をさらに含む。
【0009】
本出願の実施例の特定の実現では、前記第1のアイソレーションコンポーネント及び/又は前記第2のアイソレーションコンポーネント及び/又は前記第3のアイソレーションコンポーネントは、高電圧アイソレーションである。
【0010】
本出願の実施例の特定の実現では、前記ウォッチドッグ回路がウェイクアップされた場合、前記双方向アイソレーション通信回路に通常電力を供給して第2のモードにさせ、それ以外の場合、前記双方向アイソレーション通信回路に低消費電力を供給して第1のモードにさせるための電源装置をさらに含む。
【0011】
本出願の実施例の特定の実現では、前記電源装置は、前記双方向アイソレーション通信回路に通常電力を供給して第2のモードにさせるためのワイド入力リニア電圧レギュレータと、前記双方向アイソレーション通信回路に低消費電力を供給して第1のモードにさせるための低消費電力リニア電圧レギュレータとを含む。
【0012】
本出願の実施例の特定の実現では、前記電源装置はさらに、前記双方向アイソレーション通信回路の反対側の双方向アイソレーション通信回路に電力を供給するための二次側回路モジュールを含む。
【0013】
本出願の実施例の特定の実現では、前記第1の検波回路の2つの入力端の間に接続され、第1の検波回路の2つの入力端で第1の差動を形成するための第1の抵抗と、前記第2の検波回路の2つの入力端の間に接続され、第2の検波回路の2つの入力端で第2の差動を形成するための第2の抵抗とをさらに含む。
【0014】
本出願の実施例の特定の実現では、前記第1の検波回路及び/又は前記第2の検波回路は、2段差動増幅回路であり、前記2段差動増幅回路は、第1のアンプ及び第2のアンプからなる2つのフォロワ回路、バイアス回路及び演算アンプを含み、減算後に差動信号を出力する。
【0015】
本出願の実施例は、差動信号双方向アイソレーション通信方法をさらに提供し、第1の方向からの第1の差動を受信し、前記第1の差動を第1のレベル信号に変換し、コモンモード干渉を抑制することと、第2の方向からの第2の差動を受信し、前記第2の差動を第2のレベル信号に変換し、コモンモード干渉を抑制することと、前記第1の差動及び/又は前記第2の差動に従ってウェイクアップされて、第1のモードから第2のモードに移行して、入力信号に対して通信アイソレーションを実行することとを含む。
【発明の効果】
【0016】
本出願の実施例では、本出願の実施例は、第1の検波回路及び第2の検波回路によって、第1の方向からの第1の差動及び第2の方向からの第2の差動をそれぞれ受信し、前記第1の差動を第1のレベル信号に変換し、前記第2の差動を第2のレベル信号に変換し、コモンモード干渉を抑制する。本出願の実施例は、入出力端で信号の周波数、振幅などのレベル特徴を変更せず、通信の双方向ウェイクアップ、双方向伝送を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、本出願の実施例のいくつかの特定の実施例を、添付の図面を参照して詳細に説明するが、例示的であり限定的ではない。図面の中の同じ参照番号は、同じ又は類似の構成要素又は部分を示す。これらの図面が必ずしも比率で描かれるとは限られない。
【0018】
図1】通常の高電圧バッテリ管理システムの概略図である。
【0019】
図2】本出願の分散システムアイソレーション通信回路の概略図である。
【0020】
図3】オンボードレベルのアイソレーション通信適用の概略図である。
【0021】
図4】差動信号双方向アイソレーション通信回路の概略回路図である。
【0022】
図5】第1の方向側差動信号双方向アイソレーション通信回路の電源の概略図である。
【0023】
図6】検波回路の差動回路アーキテクチャの概略図である。
【0024】
図7】本出願の分散システムアイソレーション通信方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
通常、高電圧バッテリ管理システムは、図1に示すように、主に、複数のバッテリセルが直列接続されているシステムを監視及び管理する。ICnは、バッテリセル電圧取得チップであり、isoICnは、半導体アイソレーションデバイスである。差動信号は、isoICnを介して段階的に伝達される。分散システムでは、図2の分散システムアイソレーション通信適用に示すように、シングルボードのバッテリ互換性を確保するために、ボード間通信に2つのisoICnが必要である。図3のオンボードレベルのアイソレーション通信適用に示すように、集中型システムICnとICn+1との間に必要なアイソレーションデバイスは、1つのみである。
【0026】
オンボードレベルのアイソレーション通信適用のシステムについて、アイソレーションチップの電力供給は、アイソレーションされた両側の電源によってそれぞれ提供される。分散システムのアイソレーション通信の電力供給は、車のバッテリ及び片側のオンボード電源で集中に提供できる。オンボードレベルの電力供給は、5Vにすることができ、バッテリ管理システムにおけるAFEによって提供できる。車のバッテリは通常、12V又は24Vの電源である。アイソレーションチップ側のLDOは、電圧範囲が広く、5V/12V/24Vの電力供給に適している。
【0027】
以下、本発明の実施例の図面を参照して、さらに本発明の実施例の特定の実現を説明する。
【0028】
本出願の実施例は、差動信号双方向アイソレーション通信回路を提供し、図4に示すように、前記回路は、第1の方向からの第1の差動を受信し、前記第1の差動を第1のレベル信号に変換し、コモンモード干渉を抑制するための第1の検波回路U1と、第2の方向からの第2の差動を受信し、前記第2の差動を第2のレベル信号に変換し、コモンモード干渉を抑制するための第2の検波回路U5と、前記第1の検波回路U1と前記第2の検波回路U5との間に設置され、通信アイソレーションを実行するためのアイソレーション調整回路1と、前記第1の差動及び/又は前記第2の差動に基づきウェイクアップされ、前記双方向アイソレーション通信回路を低電流動作モードから通常動作モードに移行させて通信アイソレーションを実行するためのウォッチドッグ回路U12と、を含む。
【0029】
第1の方向及び第2の方向は、アイソレーション調整回路を境界として規定される両側の入力信号方向である。第1の方向は第2の方向とは反対の方向である。
【0030】
低電流動作モードは、一般的にμAレベルである。通常動作モードは、一般的に、mAレベルである。双方向アイソレーション通信回路は、通常動作モードより電力が低い低電流動作モードで動作する。
【0031】
本出願の実施例は、入出力端で信号の周波数、振幅などのレベル特徴を変更せず、通信の双方向ウェイクアップ、双方向伝送を実現することができる。
【0032】
本出願の実施例の特定の実現では、前記アイソレーション調整回路1は、第2の方向からの入力信号に基づき、前記第1の検波回路U1を駆動するための第1の駆動回路U8と、第1の方向からの入力信号に基づき、前記第2の検波回路U5を駆動するための第2の駆動回路U4と、前記第1の検波回路U1に接続されて、前記第1のレベル信号を第1の高周波信号に変換するための第1の調整回路U2と、前記第2の検波回路U5に接続されて、前記第2のレベル信号を第2の高周波信号に変換するための第2の調整回路U6と、前記第1の駆動回路Uに接続されて、前記第1の駆動回路U8に入力された第3のレベル信号を第3の高周波信号に変換するための第3の調整回路U7と、前記第2の駆動回路U4に接続されて、前記第2の駆動回路U4に入力された第4のレベル信号を第4の高周波信号に変換するための第4の調整回路U3と、前記第1の調整回路U2と前記第4の調整回路U3との間に接続される第1のアイソレーション装置U9と、前記第2の調整回路U6と前記第3の調整回路U7との間に接続される第2のアイソレーション装置U10と、を含む。
【0033】
本出願の実施例は、駆動回路、調整回路及びアイソレーション装置によって、双方向ウェイクアップ及び双方向伝送を実現し、前記駆動回路、調整回路、アイソレーション装置、検波回路及びウォッチドッグは全て、半導体アイソレーションデバイスを使用して実現される。本出願の実施例で使用される半導体アイソレーションデバイスは、通信トランス又はコンデンサを置き換え、多くの手動生産リンクを備えた電子部品を排除し、回路の故障率を明らかに改善し、製品の歩留まりと製品の信頼性を大幅に向上させることができる。本出願の実施例で使用される半導体アイソレーションデバイスは、ホットプラグプロセスのチップ及周辺デバイスへのサージ電流の影響を回避し、製品の信頼性を大幅に向上させることができる。本発明は、従来のアイソレーションデバイスの解決策と比較して、デイジーチェーンなどの差動信号伝送を実現することができ、システムの電力供給の解決策を簡素化することができる。本発明は、体積が比較的小さい半導体アイソレーションデバイスを使用して差動信号伝送を実現し、製品の小型化と薄型化に有益である。
【0034】
本出願の実施例の別の特定の実現では、本出願の実施例は、低電流動作モードで電力を取得し、前記ウォッチドッグ回路U12をウェイクアップするためのウェイクアップ回路U16をさらに含む。
【0035】
本出願の実施例のウェイクアップ回路U16は、ウェイクアップ動作の正確な実行を容易にし、ウェイクアップ動作の遅延によるアイソレーション通信故障を回避する。
【0036】
本出願の実施例のさらに別の特定の実現では、本出願の実施例はさらに、前記第2の差動と前記ウェイクアップ回路U16との間に接続され、前記第1の差動及び/又は前記第2の差動が存在する場合、前記ウェイクアップ回路U16によって前記ウォッチドッグ回路U12をウェイクアップするための第3のアイソレーション装置U13を含む。
【0037】
本出願の実施例は、前記第3のアイソレーション装置U13によって、前記第2の差動及びウェイクアップ回路によって伝送される前記第1の差動をアイソレーションし、双方向伝送及びアイソレーションの効果をさらに確保する。
【0038】
具体的に、前記第1のアイソレーション装置U9及び/又は前記第2のアイソレーション装置U10及び/又は前記第3のアイソレーション装置U13は、高電圧アイソレーションである。本出願の実施例は、高電圧アイソレーションに限定されず、容量性又は磁気的アイソレーション回路モジュールであってもよい。
【0039】
本出願の実施例のさらに別の特定の実現では、本出願の実施例は、前記ウォッチドッグ回路がウェイクアップされる場合、前記双方向アイソレーション通信回路に通常電力を供給して通常動作モードに移行させ、さもなければ、前記双方向アイソレーション通信回路に低消費電力を供給して低電流動作モードに移行させるための電源装置2をさらに含む。
【0040】
具体的に、図5を参照すると、前記電源装置2は、以下を含む。
【0041】
ワイド入力リニア電圧レギュレータU14は、前記双方向アイソレーション通信回路に通常電力を供給して、通常動作モードに移行させる。低消費電力リニア電圧レギュレータU11は、前記双方向アイソレーション通信回路に低消費電力を供給して低電流動作モードに移行させる。
【0042】
具体的に、前記低消費電力リニア電圧レギュレータU11は、低電流動作モードで、ウォッチドッグ回路U12のみを充電するため、最大出力電流が小さくなり、低消費電力設計を実現しやすい。
【0043】
前記ウォッチドッグ回路U12は、前記ウェイクアップ回路U16によってウェイクアップされる場合、スイッチを制御することによって、前記ワイド入力リニア電圧レギュレータU14が、前記双方向アイソレーション通信回路に通常電力を供給して通常動作モードに移行させるようにし、さもなければ、前記ウォッチドッグ回路U12は、スイッチを制御することによって、前記低消費電力リニア電圧レギュレータU11が前記双方向アイソレーション通信回路に低消費電力を供給して低電流動作モードに移行させるようにする。
【0044】
具体的に、前記電源装置2は、以下をさらに含む。
【0045】
二次側回路モジュールU15は、前記双方向アイソレーション通信回路の他方側の双方向アイソレーション通信回路に電力を供給する。
【0046】
本出願の実施例は、従来のアイソレーションデバイスと比べると、電源モジュール回路におけるアーキテクチャが最適化されており、低待機電力消費及び双方向ウェイクアップを実現することができる。
【0047】
本出願実施例は、以下をさらに含む。
【0048】
第1の抵抗R1は、前記第1の検波回路の2つの入力端の間に接続され、第1の検波回路の2つの入力端で第1の差動を形成する。第2の抵抗R2は、前記第2の検波回路の2つの入力端の間に接続され、第2の検波回路の2つの入力端で第2の差動を形成する。
【0049】
本出願の実施例のさらに別の特定の実現では、図6を参照し、本出願の実施例の前記第1の検波回路及び/又は前記第2の検波回路は、2段差動増幅回路であり、前記2段差動増幅回路は、第1のアンプAMP1及び第2のアンプAMP2からなる2つのフォロワ回路、バイアス回路BIAS及び演算アンプAMP3を含み、減算後に、調整回路の入力のための差動信号を出力する。
【0050】
異なる電圧振幅及び駆動電流の差動信号に適応するために、アイソレーション回路の外部には、抵抗をR1及びR2端に直列・並列に接続して、出力電圧の最大振幅を調整することができる。これにより、様々な差動入力回路のレベル振幅の調整に適応する。
【0051】
以上の関連する差動信号双方向アイソレーション通信回路は、半導体デバイスとして製造されて実施される。マルチチップコンポーネント構成(MCM)を使用して、回路とアイソレーション装置をそれぞれ製造し、2つのコンポーネントをワイヤボンディングで電気的に接続し、パッケージ化して単一の半導体デバイスを製造する。
【0052】
前述の回路に対応して、本出願の実施例は、差動信号双方向アイソレーション通信方法をさらに提供し、図7を参照すると、前記方法は、以下を含む。
【0053】
S1、第1の方向からの第1の差動を受信し、前記第1の差動を第1のレベル信号に変換し、コモンモード干渉を抑制する。
【0054】
S2、第2の方向からの第2の差動を受信し、前記第2の差動を第2のレベル信号に変換し、コモンモード干渉を抑制する。
【0055】
S3、前記第1の差動及び/又は前記第2の差動に従ってウェイクアップされて、低電流動作モードから通常動作モードに移行して、入力信号に対して通信アイソレーションを実行する。
【0056】
本出願の実施例は、入出力端で信号の周波数、振幅などのレベル特徴を変更せず、通信の双方向ウェイクアップ、双方向伝送を実現することができる。
【0057】
なお、本明細書における各実施例は、漸進的に説明され、各実施例の間の同じ又は類似の部分について、互いに参照すればよく、各実施例はいずれも他の実施例との相違点を主に説明する。特に、デバイス及びシステムの実施例については、基本的に方法の実施例に類似するため、説明は比較的簡単であり、関連する部分について、方法の実施例の説明の部分を参照すればよい。上記のデバイス及びシステムの実施例はただ例示的なものであり、別個の部材として説明されたユニットは、物理的に分離されてもよいし、又はそうではなくてもよく、ユニットとして表示される部分は、物理ユニットであってもよいし、又はそうではなくてもよく、即ち、1つの場所に位置してもよいし、又は複数のネットワークユニットに分散されてもよい。実際の必要に応じて、そのうち一部又は全てのモジュールを選択して、本実施例の技術的解決策の目的を実現することができる。当業者は、進歩性に値する労働をせず、理解し、実施することができる。
【0058】
上記は、本出願の特定の実施形態に過ぎないが、本出願の保護範囲は、これに限定されない。本出願に開示された技術範囲内で当業者によって容易に想到される変更又は置換も、本出願の保護範囲に含まれるべきである。そのため、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲に従うべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7